WO2003038927A1

WO2003038927A1 - Battery

Info

Publication number: WO2003038927A1
Application number: PCT/JP2002/011249
Authority: WO
Inventors: Tetsuzo Kojima; Takehito Matsubara
Original assignee: Japan Storage Battery Co., Ltd.
Priority date: 2001-10-31
Filing date: 2002-10-30
Publication date: 2003-05-08
Also published as: CN1579027A; EP1443573A1; US20050014064A1; EP1443573A4; JP2003142146A

Description

扠術分野

本発明は、電池容器の開口部に蓋板が溶接された電池に関する。

背景技術明

電池には、第 6図に示すように、電池エレメント 1 0を収納した円筒状の電池容田

器 2の上端開口部に蓋 1 5を取り付けた円筒形のものがある。この電池は、ステン書

レス鋼板を組み合わせてボタン状とした蓋 1 5の内部に安全弁を設け、この蓋 1 5 をパッキング 1 6を介してステンレス鋼製の電池容器 2の上端開口部に嵌め込み周囲を力シメることにより端子としている。また、電池容器 2は蓋 1 5とは異なる極性の端子を兼ねている。

リチウムイオン二次電池などの非水電解質二次電池において、このような構造がよく用いられ、その場合には蓋 1 5が正極端子となり、電池容器 2が負極端子となる。

しかしながら、上記のような構造をもった電池は、カシメ加工により電池容器 2 の内部をパッキング 1 6を介して密閉しているが、カシメ加工の精度が必ずしも高くないため、電池製造時においても電池容器の気密性が不十分であったり、パツキング 1 6が経年劣化することから、長期間にわたって電池容器の気密性を確実に保持させることが困難であったりするという問題点があった。

このため、カシメ加工ではなく、溶接によって蓋 1 5を電池容器 2の上端開口部に確実に封着したいという要請が従来からあった。ところが、蓋 1 5を電池容器 2 に溶接すると、蓋 1 5は電池ケースからなる端子と導通することになるため、電池ケースと異なる極性の端子は、蓋板をパッキングを介して力シメる以外の方法で蓋 1 5に絶縁封止して取り付ける必要がある。

蓋板を電池ケースにパッキングを介して力シメることが困難な形状の電池においては、電池ケースに溶接した蓋板を端子材が貫通しており、その蓋板と端子材との間は樹脂製のパッキングで絶縁されている構造がよく用いられている。とくに、角形のリチウムイオン電池などでは、このような構造がよく用いられている。

しかしながら、このような樹脂製のパッキングでは、電池製造時においても電池容器の気密性が不十分であったり、パッキングが経年劣化することから、長期間にわたって電池容器の気密性を確実に保持させることが困難であったりするという問題点があった。

いっぽう、電池ケースに溶接した蓋板を端子材が貫通しており、その蓋板と端子材との間がガラスハーメチックシールなどの無機材料で絶縁されており、さらに蓋板を貫通した端子材がそのまま電池の端子として用いられる構造の電池も製造されている。とくに、大型のリチウムイオン電池などにおいて、このような構造がよく用いられている。このような構造においては、樹脂製のパッキングが用いられていないために、長期間にわったつて電池容器の気密性を確実に保持させることができる。

しかしながら、通常、電池の端子は、電子機器との接続や、電流を取り出すリード線との接続をし易くするために、一定以上の面積を有することが要求される。そのために、このような構造の場合には、蓋板を貫通する端子材自体が大きくなるために、大型の電池には適用できるものの、端子材の収納スペースの問題から小型電池には適用できないという問題点があった。とくに電池体積が 1 0 0 c m ³以下の小型電池においては、この問題は深刻であった。また、金属製の端子材が大きくなるために、電池が重くなるという問題点もあった。

上記のような問題点を克服するために、電池容器の開口部に蓋板が溶接され、電池ケースに溶接した蓋板を端子材が貫通しており、その蓋板と端子材との間がガラスハーメチックシールなどの無機材料で絶縁されており、さらに端子材と電気的に接続された端子板が電池の端子として用いられる構造の電池が提案されてきた。このような構造の場合には、蓋板を貫通する端子材を小さくしても、広い表面積の電池端子が得られる。その結果、端子材の収納スペースが小さくてすむために小型電池にも適用でき、さらに端子材が小さいために電池重量を軽くすることができる。ただし、このような構造の場合には、蓋板と端子板との極性が異なるので、短絡を防止するためには、畫板と端子板との間を絶縁材で絶縁する必要がある。通常、このような絶縁材としては樹脂製の絶縁板が用いられ、端子板はその絶縁板によつて支えられてその位置が固定される。

ところが、絶縁板は電気的に絶縁性であることが必要であるために、金属を用いることができず、その結果として蓋板に溶接によって固定することができない。したがって、これまでは、絶縁板の蓋板への固定には接着剤や粘着テープが用いられてきた。あるいは、粘着テープ自体が絶縁材として用いられてきた。しかしながら、このような接着剤や粘着テープによる方法では、蓋板への絶縁板や絶縁材の固定の長期信頼性が劣り、 "はがれ" が生じ易いという問題点があった。

このような "はがれ" が生じた場合には、絶緣板によって支えられた端子板や、絶縁板の周囲の保護素子などの部品の位置がしっかりと固定されないために、端子板や部品の電気的接合部がはずれたり、正極と電気的に接続された部位と、負極と電気的に接続された部位とが短絡したりするという問題点があった。

" そこで、本発明の目的は、電池容器の開口部に蓋板が溶接され、無機材料を含む絶縁封止材によつて端子材が蓋板の端子口に封着された電池であって、蓋板への絶縁板の固定の長期信頼性が優れ、端子板や部品の電気的接合部がはずれたり、正極と電気的に接続された部位と、負極と電気的に接続された部位とが短絡したりすることのない電池を提供することにある。

発明の開示

本発明の電池は、電池容器の開口部に溶接された蓋板と、前記蓋板に設けられ、前記蓋板の上側に突出した絶縁板固定用突出部と、前記蓋板に設けられた端子口と、無機材料を含む絶縁封止材によって前記端子口に封着された端子材と、前記絶縁板固定用突出部によって固定され、前記蓋板の上側に配置された絶縁板と、前記絶縁板によつて支持され、前記端子材と電気的に接続された端子板とを備えたことを特徴とする。なお、本明細書においては、蓋板が形成する面から電池ケースの外側に向かう方向を上側、電池ケースの内側に向かう方向を下側とする。

本明細書に記載の絶縁板固定用突出部とは、直接あるいは間接的に蓋板に固定され、蓋板から突出し、さらに直接的あるいは間接的に絶縁板を固定するために用いられる部位を意味する。

さらに、本明細書における「絶縁板によって支持され」とは、必ずしも支持されるものが絶縁板に直接接触している必要はなく、間に存在する別の部品を介在して支持されている場合をも含む。

本発明においては、蓋板に設けられ、蓋板の上側に突出した絶縁板固定用突出部によって絶縁板が固定されるという点において、接着剤や粘着テープのみによって絶縁板が固定される従来技術と異なっている。このような絶縁板固定用突出部によつて絶縁板を固定する方法では、接着剤や粘着テープなどの長期信頼性に劣る固定力に依存せずに絶縁板を固定することができるので、長期間の放置後においてもその固定力が低下することがほとんどない。

したがって、本発明による電池は、蓋板への絶縁板の固定の長期信頼性が優れるものとなり、その結果、端子板や部品の電気的接合部がはずれたり、正極と電気的に接続された部位と、負極と電気的に接続された部位とが短絡したりすることが非常に少なくなるという利点を有する。

さらに、本発明においては、電池容器の開口部に蓋板が溶接され、さらに無機材料を含む絶縁封止材によって端子口に端子材が封着されているので、樹脂製のパッキングを用いて電池容器を密閉する電池よりも、電池製造時においても電池容器の気密性が十分であり、かつ長期間にわたって電池容器の気密性を確実に保持させることができる。

図面の簡単な説明

第 1図は、本発明の一実施形態を示すものであって、円筒形リチウムイオン二次電池の蓋の構造を示す分解斜視図である。

第 2図は、本発明の一実施形態を示すものであって、円筒形リチウムイオン二次電池の構造を示す縦断面図である。

第 3図は、本発明の一実施形態を示すものであって、円筒形リチウムイオン二次電池の電池の構造を示す分解斜視図である。

第 4図は、本発明の一実施形態を示すものであって、保護回路を収納した円筒形リチウムイオン二次電池の蓋の構造を示す分解斜視図である。

第 5図は、本発明の一実施形態を示すものであって、円筒形リチウムイオン二次電池に使用される保護回路の回路図である。

第 6図は、従来例を示すものであって、円筒形リチウムイオン二次電池の構造を示す縦断面図である。

第 7図は、本発明の一実施形態を示すものであって、電池の蓋板の上面図である第 8図は、本発明の一実施形態を示すものであって、電池の絶縁板と固定具との上面図である。

第 9図は、本発明の一実施形態を示すものであって、電池の固定具の正面図である。

第 1 0図は、本発明の一実施形態を示すものであって、電池の固定具の周囲の縦断面図である。

第 1 1図は、本発明の一実施形態を示すものであって、電池の固定具の周囲の縦断面図である。

発明を実施するための最良の形態

本発明の一実施形態として、円筒形リチウムイオン二次電池における構造を第 1 図〜第 4図に示す。第 1図はリチウムイオン二次電池の蓋の分角军斜視図であり、第 2図は円筒形リチウムィオン二次電池の構造を示す縦断面図であり、第 3図はリチゥムイオン二次電池の構造を示す分解斜視図であり、さらに、第 4図はリチウムィオン二次電池の蓋の分解斜視図である。また、従来例の構造を第 6図に示すが、第 1図〜第 4図において従来例と同様の機能を有する構造部材には同じ番号を付記する。本発明の円筒形リチウムイオン二次電池は、第 1図〜第 3図に示すように、円筒状の電池容器 2の中に電池エレメント 1 0を、その上下にいくつかの絶縁シート 1 2 a〜l 2 dを接触させて収納し、この電池容器 2の上端開口部に蓋板 1とその他の構成部材からなる蓋組立体 1 3を嵌め込んで、溶接により封着したものである。この電池容器 2は、通常、ステンレス鋼製であり、内部に収納した電池エレメント 1 0の負極から導出された接続片 1 1 aを介して電池容器 2に接続されることにより、電池容器自体が負極端子を兼ねている。また、電池エレメント 1 0の正極から導出された接続片 1 1 bは、絶縁シート 1 2 b〜l 2 dによって短絡が防止された状態で、蓋板を貫通して封着された端子材 3 bに接続され、さらに端子材 3 bを介して端子板リード部 6 aに接続される。端子板 6が正極端子となる。

上記蓋板 1は、第 1図に示すように、中央部に開口孔 1 cが形成され、電池容器 2の上端開口部に嵌合して溶接しゃすくするために、円板状の蓋板 1の周縁部に位置する蓋板突出部 1 dが上方に向けて環状に折り曲げられている。この蓋板 1の開ロ孔 1 cから少し離れた位置には、端子口 3 aが開口されている。そして、この端子口 3 aに絶縁封止材 3 cを介して端子材 3 bが貫通して封着されている。

端子口 3 aは、この絶縁封止材 3 cが十分な厚さに形成されるように、開口縁部が上方に向けて環状に折り曲げられている。端子材 3 bはステンレス鋼製のピンであり、上下端部がこの絶縁封止材 3 cからそれぞれ上下に突き出し、下端は電池容器 2内に収納した電池エレメント 1 0の正極に接続片 1 1 bを介して接続される。この蓋板 1の開口孔 1 cの上方に、電池容器 2内部の圧力が異常に上昇すると開口する円板状の安全弁 1 bと環状のホルダ 1 aが載置され、このホルダ 1 aの上から溶接を行うことにより、安全弁 1 bの周囲を蓋板 1に溶着させ、開口孔 l cを塞いでいる。

安全弁 1 bは表面に十字状の溝が形成されたニッケルのメツキ層からなる薄い金属板であり、この金属板の厚さを 3 0 μ ηι程度に形成すると共に、溝の深さを 1 0 m程度に高精度に形成することにより、電池容器 2内部の圧力がほぼ 1 M P aに達すると残厚 2 0 の溝が確実に破断して開口するように形成している。ただし、このように薄い安全弁 1 bを蓋板 1に直接溶接すると、開口孔 1 cを完全に塞ぐことが困難であるので、環状のステンレス鋼板のホルダ 1 aを安全弁 1 bの上に重ねて、その上から一体に溶接を行えるようにしている。

この蓋板 1の底面に、ステンレスもしくはニッケルメツキ鋼板でできた固定具 4 が溶接によって固定される。この固定具 4は、その周囲が上方に環状に立ち上がつた固定具突出部 4 dと、爪 4 aと絶縁板固定用突出^ 4 bを備えている。この固定具 4は、蓋板 1の底面に接するように載置されており、 3箇所の溶接部 4 cで蓋板 1に溶接により固定されている。

固定具 4の上には絶縁板 5が載置される。その絶縁板 5には、絶縁板通気口 5 a が中央部に設けられ、中央部から外れた位置に円形の貫通穴 5 bおよびスリット状の貫通穴 5 cが設けられている。その貫通穴 5 bは、端子材 3 bによって貫通される。また、固定具 4に設けた絶縁板固定用突出部 4 bは、貫通穴 5 cを貫通する。絶縁板固定用突出部 4 bの貫通穴 5 cから上側に突出した部分は、絶縁板 5の上面に沿うように折り曲げられて、絶縁板 5を蓋板 1にしつかりと固定する。なお、絶縁板 5の中央の絶縁板通気口 5 aと周縁に設けた環状の折れ曲がり部 5 dとの間には空間が設けられており、この空間には後述する保護回路 1 4を収納することもできる。また、絶縁板 5には、成形性、信頼性の関係で P B Tあるいは P P S樹脂などが使用される。

端子板 6は下記のようにして、絶縁板 5によって支持されている。上記絶縁板 5 の上には、絶縁板通気口 5 aと端子口 5 bを塞ぐように端子板 6が配置されている。端子板 6は、ニッケルメツキ鋼板からなる円板状であるが、浅い容器を伏せたように周縁部を除いた部分が上方に突き出た形状をなしている。また、上方に突出した部分には、通気口 6 bが設けてある。また、この端子板 6は、円板の一端からリ一ド部 6 aが側方に突出すると共に、リード部 6 aカゝら 1 2 0度回転した位置に係止部 6 cが側方に突出している。そして、リード部 6 aの端部が、絶縁板 5の端子口 5 bから出た端子材 3 bの上端部に溶接されている。また、後述するが、リード部 6 aは、保護回路 1 4を搭載する場合には、保護回路 1 4から出た接続片に溶接される。係止部 6 cは、絶縁板 5の上側に接するように配置されている力絶縁板 5に固着はされていない。

さらに、端子板 6の円板状部の下側面には、絶縁防止用の絶縁シール 7が貼り付けられる。

さらに、絶縁板 5の上には、上部絶縁板 8が両面粘着テープ 9により貼り付けて固定されている。上部絶縁板 8は、蓋板 1よりわずかに径が大きい円形となっている。さらに上部絶縁板 8は、端子板 6の円板状部が露出するように、円形の上部絶縁板開口部 8 aが中央に設けられている。そして、その円形の上部絶縁板開口部 8 a力、ら、四方に向かって切り込み 8 bが形成されている。電池容器 2の内部の圧力が異常に上昇して、安全弁 l bの溝が破断し、開口した場合には、端子板 6が下方から強い力で押し上げられるので、係止部 6 cが上部絶縁板開口部 8 aから外れて、この端子板 6がリード部 6 aから先で折れ曲がり持ち上がることにより、ガスを一気に排出することができる。上記のように上部絶縁板 8に切り込み 8 bが形成されていると、安全弁 1 bの作動時に係止部 6 cが上部絶縁板開口部 8 aから外れ易くなるので、電池の安全性が向上する。

また、両面粘着テープ 9は、上部絶縁板 8よりわずかに小さい形状で、中央には端子板 6の円板状部が露出する穴 9 aがあり、外側よりには端子材 3 と端子板 6 のリード部 6 aとを溶接する際に作業上必要となる穴 9 bが開いている。

つぎに、異常な充電や過放電を防止して電池の安全性を保持するための保護回路を搭載した本発明の電池について、図面を参照して説明する。

保護回路 1 4は、第 4図に示すように、絶縁板 5の下側に入るように、中央に穴を有するドーナツ状の円板を扇形に切断した形状となっており、グラスファイバーの板に電気回路を設けたプリント配線基板 1 4 bをベースにして、電圧や温度を検出する素子、 F E T、ヒューズのような電流を遮断する素子、および周辺の素子等 1 4 aをいわゆるチップ形状で搭載している。さらに、入力おょぴ出力側に接続するための端子 1 4 c、 1 4 d、 1 4 eも搭載している。

保護回路 1 4の回路図の一例を第 5図に示す。この回路図において、保護回路 1 4は、主に電圧検出 I C、温度検出用サーミスターと F E Tなどのスイッチング素子などの電子部品が搭載された制御回路と、電流遮断用ヒユーズが組み込まれた電流遮断機構からなり、正極入力端子 1 4 c、正極出力端子 1 4 d、負極出力端子 1 4 eを備えている。

第 4図に示される実施形態では、保護回路 1 4の正極入力端子 1 4 cは接続片 1 4 f を介して電池の端子材 3 bに接続され、正極出力端子 1 4 dは接続片 1 4 gを介して端子板 6のリード部 6 aに接続され、さらに負極出力端子 1 4 eはリード片 1 4 hを介して蓋板 1の底に接続されている。

上記の実施形態に示したように、本発明の電池は、電池容器 2の開口部に溶接された蓋板 1と、蓋板 1に設けられ、蓋板 1の上側に突出した絶縁板固定用突出部 4 bと、蓋板 1に設けられた端子口 3 aと、無機材料を含む絶縁封止材 3 cによって端子口 3 aに封着された端子材 3 bと、絶縁板固定用突出部 4 bによって固定され、蓋板 1の上側に配置された絶縁板 5と、絶縁板 5によつて支持され、端子材 3 b と電気的に接続された端子板 6とを備える。

なお、本明細書に記載の「蓋板に設けられ」とは、絶縁板固定用突出部 4 bが直接蓋板 1に設けられている場合に限定されず、第 1図に示したように、絶縁板固定用突出部 4 bが、固定具 4などを介して蓋板 1に設けられている場合をも含む。本発明においては、蓋板 1に設けられ、蓋板 1の上側に突出した絶縁板固定用突出部 4 bによって絶縁板 5が固定されるという点において、接着剤や粘着テープのみによって絶縁板 5が固定される従来技術と異なっている。このような絶縁板固定用突出部 4 bによって絶縁板 5を固定する方法では、接着剤や粘着テープなどの長期信頼性に劣る固定力に依存せずに絶縁板 5を固定することができるので、長期間の放置後においてもその固定力が低下することがほとんどない。

したがって、本発明による電池は、蓋板 1への絶縁板 5の固定の長期信頼性が優れたものとなり、その結果、端子板 6やその他の部品の電気的接合部がはずれたり、正極と電気的に接続された部位と、負極と電気的に接続された部位とが短絡したりすることが非常に少なくなるという利点を有する。さらに、上記の実施形態に示したように、本発明においては、電池容器 2の開口部に蓋板 1が溶接され、さらに無機材料を含む絶縁封止材 3 cによって端子口 3 a に端子材 3 bが封着されているので、樹脂製のパッキング 1 6を用いて電池容器 2 を密閉する電池よりも、電池製造時においても電池容器 2の気密性が十分であり、かつ長期間にわたって電池容器 2の気密性を確実に保持させることができる。上記の実施形態では、固定具 4は環状となっているが、本発明の固定具 4は環状に限定されるものではなく、絶縁板 5を固定するために溶接によって蓋板 1に固着された部品であれば、どのような形状であってもよい。

ただし、本発明の電池では、上記の実施形態に示したように、固定具 4が環状であることが好ましい。固定具 4の蓋板 1への溶接は、複数の溶接部 4 cにおいておこなった方が、さらにその複数の溶接部 4 c同士がなるべく離れていた方が、外力に対して固定具 4が揺るぎにくく、その結果として溶接部 4 cがはずれにくいという利点を有する。しかしながら、溶接をおこなう複数の溶接部 4 cを離すために、単純に固定具 4を大きくすると、固定具 4が重くなるために電池の重量が重くなり、さらに固定具 4の体積も大きくなるので、蓋板 1の近傍においてさまざまな部品を収納するスペースが狭くなるという不具合が生じる。

固定具 4を環状とした場合には、溶接をおこなう複数の溶接部 4 c同士を離した場合においても、固定具 4自体の重量および体積の増加を抑制することができる。また、環状とした固定具 4の環の内部に保護素子などの部品を収納することができるので、蓋板 1近傍のスペースを有効に活用することができる。

本発明の電池では、上記の実施形態に示したように、蓋板 1がその周縁部において上側に突出した蓋板突出部 1 dを備え、固定具 4がその周縁部において上側に突出した固定具突出部 4 dを備え、固定具突出部 4 dが蓋板突出部 1 dに内接する構造とすることが好ましい。このような構造とすることによって、蓋板突出部 I dによって固定具 4の位置が固定されるために、単に溶接部 4 cのみによって固定具 4 を固定しただけの場合よりも、外力に対して固定具 4が揺るぎにくくなる。その結果、蓋板 1と固定具 4との溶接部 4 cがはずれにくくなるという利点を有する。上記の、蓋板 1がその周縁部において上側に突出した蓋板突出部 1 dを備え、固定具 4がその周縁部において上側に突出した固定具突出部 4 dを備え、固定具突出部 4 dが蓋板突出部 1 dに内接する構造に加えて、さらに本発明の電池では、上記の実施形態に示したように、絶縁板 5が固定具突出部 4 dに、内接してはめこまれることが好ましい。また、上記の構造とは別に、本発明の電池では、蓋板 1がその周縁部において上側に突出した蓋板突出部 1 dを備え、絶縁板 5が蓋板突出部 1 d に内接してはめこまれることが好ましい。これらの好ましい形態とすることによつて、固定具突出部 4 dまたは蓋板突出部 1 dによって絶縁板 5の位置が固定されるために、単に絶縁板固定用突出部 4 bのみによって絶縁板 5を固定しただけの場合よりも、外力に対して絶縁板 5が揺るぎにくくなる。その結果、端子板 6やその他の部品の電気的接合部がはずれたり、正極と電気的に接続された部位と、負極と電気的に接続された部位とが短絡したりすることが非常に少なくなるという利点を有する。

上記の、絶縁板 5が固定具突出部 4 dにまたは蓋板突出部 1 dに内接してはめこまれる形態に加えて、本発明の電池では、電池容器 2が円筒形であることが好ましい。絶縁板 5は、絶縁板固定用突出部 4 bの近傍ではその固定力は強いが、絶縁板固定用突出部 4 bから離れるほどその固定力は弱くなる。角形の電池においては、四角形の絶縁板 5をもちいた場合には、絶縁板 5の 4つの角のうちのいくつかは絶縁板固定用突出部 4 bから遠くなりやすい。それに対して、電池容器 2が円筒形であって、蓋板 1が円形である場合には、そのような角が存在しないので、角形と比較して、絶縁板 5に絶縁板固定用突出部 4 bから遠い部分が生じ難い。したがって、電池容器 2が円筒形である場合には、絶縁板 5がしつかりと固定されて揺らぎ難いという利点を有する。

本発明の電池では、上記の実施形態に示したように、蓋板 1が安全弁 1 bを備え、絶縁板 5が安全弁 1 bと少なくとも一部が重なる位置に絶縁板通気口.5 aを設けることが好ましい。本明細書において、絶縁板通気口 5 aとは、安全弁 1 b作動時に噴出されるガスが通過できるように、絶縁板 5に設けられた通気口を意味する。端子板 6が十分な面積を有しても蓋板 1との短絡が生じないように、また、固定具突出部 4 dまたは蓋板突出部 1 dによってその位置が固定されるように、絶縁板 5 は大きい方が好ましい。いっぽう、蓋板 1に設けられた安全弁 1 bが作動時に十分に機能するためには、噴出したガスが絶縁板 5によってさえぎられないことが重要である。蓋板 1には、端子材 3 b、端子板 6、絶縁板 5、安全弁 l b、保護素子、固定具 4などの多くの部品を狭いスペースに取り付けなければならず、絶縁板 5を大きくしたうえで、安全弁 1 bから噴出したガスが絶縁板 5によってさえぎられないように設計をおこなうことは容易ではない。しかしながら、絶縁板 5力安全弁 1 bと少なくとも一部が重なる位置に絶縁板通気口 5 aを設けた場合には、絶縁板 5を大きくすることと、安全弁 1 bから噴出したガスが絶縁板 5によってさえぎられないこととを両立した設計が容易となるという利点が得られる。

上記の、蓋板 1が安全弁 1 bを備え、絶縁板 5が安全弁 1 bと少なくとも一部が重なる位置に絶縁板通気口 5 aを設ける構造に加えて、本発明の電池では、絶縁板通気口 5 aと少なくとも一部が重なる位置に端子板 6を備えることと、端子板 6が通気口を有する力 \ あるいは端子板 6と絶縁板 5との間に通気口 6 bが形成されることとを併せ持った構造とすることが好ましい。蓋板 1の近辺では、端子材 3 b、端子板 6、絶縁板 5、安全弁 1 b、保護素子、固定具 4などの多くの部品を狭いスペースに収めなければならず、その設計は容易ではない。しかしながら、前記のような好ましい形態とすることによって、安全弁 1 bと端子板 6とを重ねて配置することができるために、設計が容易になるという利点が得られる。

さらに、本発明の電池では、端子板 6が、端子材 3 bに電気的に接続されているリ一ド部 6 aを備え、かつ端子板 6がリード部 6 aにおいて他の部材に最も強く固着されており、かつ端子板 6が他の部材に最も強く固着されている部位が絶縁板通気口 5 aと重ならない位置にある構造であることが好ましい。このような好ましい構造とすることによって、安全弁 l bが作動して、ガスが激しく噴出した際に、そのガス圧によつて端子板 6の絶縁板通気口 5 aと重なる部位が上側にもちあがり、ガスが噴出する流路が大きくなつてより速やかにガスが電池容器 2から抜け出るようになり、電池の安全性がより十分に確保されるようになる。この場合、端子板 6 1S リード部 6 a以外においても他の部材に固着されていてもよいが、リード部 6 a以外の固着部は、安全弁 1 b作動時には固着が解かれる程度に弱い接着力であることが好ましい。上記の実施形態に示したように、リード部 6 a以外には固着部がない場合はさらに好ましい。

本発明の電池では、第 4図に示したように、絶縁板 5が蓋板 1との間に空間を隔てて固定され、前記空間に保護素子を備える構造とすることが好ましい。本明細書に記載の保護素子とは、保護回路 1 4や P T Cなどの、電池や充電器に異常が生じた際に電流を遮断したりする、安全性を配慮して用いられる素子である。このような構造とすることによって、保護素子が絶縁板 5によって保護され、その結果として電池の外部からの圧力に対して保護素子が壊れたりしにくくなる。さらに、このような構造とすることによって、蓋板 1上の絶縁板 5の下に形成された空間に保護回路 1 4を収納できるため、余分な収納体積が不要で、し力も、電気部品に悪影響を及ぼす原因となる外部からの水分や汚れの浸入を防いで、安定した保護素子の動作を確保することが可能となる。

上記した保護素子のうち、保護回路 1 4は、電圧検出する機能や、温度を検出する機能をもち、電池の電圧や温度が正常な範囲を超える状態に陥った場合や、ショートなどで異常な大電流が流れた場合には、電流を遮断することによって、性能を著しく劣化させたり、あるいはさらには異常発熱、ガス発生に至ったりするような状況を回避できる。また、この機能があれば、電池外部で異常が発生しても、電池内部に備える保護回路 1 4の機能によって、電池の性能や安全性を確実に保持することが可能となり、信頼性、安全性ともに優れた電池を得ることができる。

さらに、本発明では、蓋板 1への絶縁板 5の固定の長期信頼性が優れるので、外力に対して絶縁板 5が揺るぎにくくなる。その結果、このように絶縁板 5と蓋板 1 との間の空間に保護素子を備えた場合においても、保護素子とその他の部品との間の電気的接合部がはずれたりし難いという利点が得られる。

本発明の電池は、上記の実施形態に示したリチウムイオン二次電池のように、非水電 ^質電池であることが好ましい。リチウムイオン二次電池や、金属リチウムを負極に用いたリチウム電池などでは、わずかな水分の電池内への混入が電池性能を大きく低下させる。したがって、これらの非水電解質電池は、水溶液を電解質にもちいた電池と比較して、高度で、かつ長期信頼性に優れた電池容器気密性が重要となる。本発明は、電池容器 2の開口部に蓋板 1が溶接され、無機材料を含む絶縁封止材 3 cによつて端子口 3 aに端子材 3 bが封着された電池に関するものであることから、高度で、力つ長期信頼性に優れた電池容器気密性が得られる技術に関するものであり、非水電解質電池に適用した場合にとくにその効果が有効に得られる。上記した実施形態の、保護回路 1 4のない構造、および保護回路 1 4のある構造のいずれにおいても、本発明による電池は、蓋板 1の周縁部が電池容器 2の上端開口部に嵌まり込んで溶接により封着されるとともに、端子材 3 bがガラスハーメチックシールからなる絶縁封止材 3 cを介して蓋板 1に封着されるので、従来のように経年劣化するパッキング 1 6を介して加工精度の高くないカシメ加工により電池容器の密閉化を行う場合と異なり、長期間にわたって確実に電池容器 2内部の気密性を保つことができる。

また、上記した実施形態においては、電池容器 2内に収納されたエレメント 1 0 の正極が、端子材 3 b、あるいはさらに保護回路 1 4を介して端子板 6に接続され、その端子板 6が正極端子として用いられるので、正極端子の面積を大きくすることができる。とくに、本発明によれば、体積が 1 0 0 c m ³以下の小型電池においても、正極端子の面積を大きくすることができるという、優れた効果が得られる。し力^、この端子板 6は、上部絶縁板 8によって保護され、端子板 6の円板部のみが上部絶縁板開口部 8 aを通して露出するので、上部絶縁板 8の周縁部に不用意に力が加わっても、破損しにくくなる。さらに、この正極端子に配線を施す際に、端子板 6に強い力や衝撃が加わったとしても、端子材 3 bにこれらの力が直接加わることがないので、絶縁封止材 3 cが損傷を受けて気密性が低下するようなことも生じなレ、。

また、上記の実施形態では、端子板 6に通気口 6 bを開口する場合について説明したが、絶縁板通気口 5 aとこの上方を覆う端子板 6との間に十分な隙間があれば、通気口 6 bは必ずしも開口する必要はない。さらに、上記の実施形態では、安全弁 l b作動時に、電池容器 2内部からの大量のガスが、端子板 6を持ち上げることにより排出される場合について説明したが、通気口 6 bの大きさが十分であれば、この端子板 6が絶縁板 5や上部絶縁板 8に固定されていてもよい。また、上部絶縁板 8は、端子板 6を保護するものであるため、必ずしも取り付けなくてもよい。この場合、係止部 6 cなどの部分を絶縁板 5に固着したり、係止したりしておくことが好ましい。

また、上記の実施形態では、安全弁 1 bを蓋板 1とは別の薄い金属板で構成する場合について説明したが、蓋板 1に直接溝を形成して安全弁とすることもできる。ただし、安全弁 1 bを別の金属板で構成すれば、溝の残厚を高精度に制御することができるので、安定した安全弁の動作が得られる。とくに、本実施形態のようにメツキ層によって安全弁 1 bの溝部を形成した場合には、とくに溝の残厚を高精度に制御することができる。

さらに、この安全弁は、溝が破断することにより開口する形式のものに限られるものではなく、電池容器 2内部の異常に高い圧力を受けて開口するものであれば、いずれの形式の安全弁を用いてもよい。例えば、電池容器 2内部の圧力が所定値を超えると、弁がバネ材による圧迫力や張力に逆らって開口部を開くような形式の安全弁を用いることもできる。

また、上記の実施形態では、端子板 6が正極端子を構成し、電池容器 2が負極端子を構成する場合について説明したが、これらの正負極は逆にすることもできる。さらに、電池容器 2自体を端子とする場合だけでなく、端子板 6とは異なる極の端子を、電池容器 2とは別に設けてもよレ、。

また、上記の実施形態では、蓋板突出部 I dは、切れ目の無い環状となっている 1S 切れ目によって複数の突出部に分断されていてもよい。また、蓋板突出部 I d は、環状でない形状で、例えば 5 mm程度の幅で、一箇所のみに設けられていてもよい。ただし、蓋板突出部 1 dによって固定具 4や絶縁板 5の位置がよりしつかりと固定されるという理由から、蓋板突出部 I dは、環状でない形状で一箇所のみに設けられるよりも、環状でない形状で複数に設けられている方が好ましく、さらに環状である方が好ましい。

また、上記の実施形態では、固定具突出部 4 dは、切れ目の無い環状となっているが、切れ目によって複数の突出部に分断されていてもよい。また、固定具突出部 4 dは、環状でない形状で、例えば 5 mm程度の幅で、一箇所のみに設けられていてもよい。ただし、固定具突出部 4 dを蓋板突出部 1 dに内接させた場合に、固定具突出部 4 dによって固定具 4の位置がよりしっかりと固定されるという理由から、固定具突出部 4 dは、環状でない形状で一箇所のみに設けられるよりも、環状でない形状で複数に設けられている方が好ましく、さらに環状である方が好ましい。上記の実施形態以外の、本発明による電池の一例として、第 7図のような形状で加工した円筒形電池用の円形の蓋板 2 0 1の爪部 2 0 2を、上側に折り曲げて、絶縁板 5に設けられたスリットゃ絶縁板通気口 5 aを通した後に、さらに絶縁板 5を固定するように折り曲げて、絶縁板固定用突出部とする方法がある。このような場合には、蓋板 2 0 1の爪部 2 0 2が折り曲げられた部分には必然的に穴が形成されるが、この穴は安全弁 1 bなどで塞ぐ必要がある。ただし、蓋板 2 0 1は機械的強度が必要とされるためにある程度の厚さを必要とするので、このような方法においては、絶縁板固定用突出部となる爪部 2 0 2も厚くなり、折り曲げ加工がしにくくなる。

上記のような観点から、本発明の電池では、絶縁板固定用突出部 4 bが、蓋板 1 に溶接された固定具 4に設けられる構成とすることがとくに好ましい。このような構成とすることによって、絶縁板固定用突出部 4 bの厚さを蓋板 1の厚さよりも容易に薄くすることができ、絶縁板固定用突出部 4 bの折り曲げ加工がし易くなる。しかも、蓋板 1と固定具 4とは溶接で固着されているので、蓋板 1への固定具 4の固定力は、長期の信頼性に優れる。

さらに、絶縁板固定用突出部 4 bが蓋板 1に溶接された固定具 4に設けられた場合には、蓋板 1の一部が折り曲げられて絶縁板固定用突出部 4 bとなる場合と異なり、絶縁板固定用突出部 4 bの位置を、安全弁 1 bの位置とは関係なく、比較的自由に決定することができることから、電池の蓋板 1近辺の設計の自由度が高くなるという利点を有する。

さらに、本発明における、絶縁板固定用突出部によって絶縁板を固定するその他の方法の例としては、第 8図に示したように、絶縁板 2 0 3を固定するように金属製の板からなる固定具 2 0 4の両端を溶接部 2 0 5において蓋板に溶接する方法がある。この場合には、固定具 2 0 4のうち、蓋板に接していない部分が絶縁板固定用突出部となる。第 8図においては、絶縁板 2 0 3が穴 2 0 6を有しているが、絶縁板 2 0 3が蓋板と同形状でなければ、このような穴 2 0 6がなくても同様の手法によって絶縁板を固定することができる。なお、第 8図に示した固定具 2 0 4を横方向から図示すると、第 9図となる。

さらに、本発明における、絶縁板固定用突出部によって絶縁板を固定するその他の方法の例が、第 1 0図に示されている。第 1 0図においては、金属製の板 2 0 7 を固定具として、その金属製の板 2 0 7のうち、曲げられて蓋板 2 0 8から上側に突出した部分 2 0 9を絶縁板固定用突出部として、さらに上側に突出した部分 2 0 9の先端に切り込みが入れられている。その切り込みを堺として、両側に曲げられた先端 2 1 0が絶縁板 2 1 1をひっかけて固定する。この例では、先端 2 1 0は両側に曲げられているが、本発明では、この先端 2 1 0は、切り込みが入れられず片側に曲げられていてもよい。この第 1 0図では、金属製の板 2 0 7が蓋板 2 0 8に、溶接部 2 1 2において溶接されている例が示されている。

さらに、本発明における、絶縁板固定用突出部によって絶縁板を固定するその他の方法の例が、第 1 1図に示されている。第 1 1図においては、絶縁板 2 1 3が下側に向かって突き出たリベット形状の突起部 2 1 4を有している。そして、溶接部 2 1 5において蓋板 2 1 6に溶接された金属製の板からなる固定具 2 1 7が円形の穴 2 1 8を有しており、突起部 2 1 4が円形の穴 2 1 8に嵌め込まれることによつて、絶縁板 2 1 3が固定される。この場合には、固定具 2 1 7のうち、蓋板 2 1 6 に接していない部分が絶縁板固定用突出部となる。また、上記の実施形態では、円筒形のリチウムイオン二次電池について説明したが、本発明は、電池容器と蓋板との封口を溶接で行う方式の電池であれば、塩ィ匕チオニール電池、熱電池、ニッケル水素電池、ニッケルカドミウム電池、鉛蓄電池、リチウム一次電池、銀電池、乾電池や、角形や扁平形の電池などにも利用可能であることは言うまでもなレ、。

産業上の利用可能性

本発明においては、蓋板に設けられ、蓋板の上側に突出した絶縁板固定用突出部によつて絶縁板が固定されるという点において、接着剤や粘着テープのみによって絶縁板が固定される従来技術と異なっている。このような絶縁板固定用突出部によつて絶縁板を固定する方法では、接着剤や粘着テープなどの長期信頼性に劣る固定力に依存せずに絶縁板を固定することができるので、長期間の放置後においてもその固定力が低下することがほとんどない。したがって、本発明による電池は、蓋板への絶縁板の固定の長期信頼性が優れるものとなり、その結果、端子板や部品の電気的接合部がはずれたり、正極と電気的に接続された部位と、負極と電気的に接続された部位とが短絡したりすることが非常に少なくなるという利点を有する。

Claims

請求の範囲

1 . 電池容器の開口部に溶接された蓋板と、

前記蓋板に設けられ、前記蓋板の上側に突出した絶縁板固定用突出部と、前記蓋板に設けられた端子口と、

無機材料を含む絶縁封止材によつて前記端子口に封着された端子材と、前記絶縁板固定用突出部によって固定され、前記蓋板の上側に配置された絶縁板と、，，前記絶縁板によって支持され、前記端子材と電気的に接続された端子板とを備えた電池。

2 . 前記絶縁板固定用突出部が、前記蓋板に溶接された固定具に設けられたことを特徴とする請求の範囲第 1項に記載の電池。

3 . 前記固定具が環状であることを特徴とする請求の範囲第 2項に記載の電池。

4 . 前記蓋板がその周縁部において上側に突出した蓋板突出部を備え、前記固定具がその周縁部において上側に突出した固定具突出部を備え、前記固定具突出部が前記蓋板突出部に内接したことを特徴とする請求の範囲第 2項に記載の電池。

5 . 前記蓋板がその周縁部において上側に突出した蓋板突出部を備え、前記絶縁板が前記蓋板突出部に内接してはめこまれたことを特徴とする請求の範囲第 1 項に記載の電池。

6 . 前記絶縁板が前記固定具突出部に、内接してはめこまれたことを特徴とする請求の範囲第 5項に記載の電池。

7 . 前記電池容器が円筒形であることを特徴とする請求の範囲第 5項に記載の電池。

8 . 前記電池容器が円筒形であることを特徴とする請求の範囲第 6項に記載の電池。

9 . 前記蓋板が安全弁を備え、前記絶縁板が前記安全弁と少なくとも一部が重なる位置に絶縁板通気口を設けたことを特徴とする請求の範囲第 1項に記載の電池。

. 前記絶縁板通気口と少なくとも一部が重なる位置に前記端子板を備えることと、前記端子板が通気口を有するか、あるいは前記端子板と前記絶縁板との間に通気口が形成されたこととを特徴とする請求の範囲第 9項に記載の電池。. 前記端子板が、前記端子材に電気的に接続されているリード部を備え、かつ前記端子板が前記リード部において他の部材に最も強く固着されており、かつ前記端子板が他の部材に最も強く固着されている部位が前記絶縁板通気口と重ならない位置にあることを特徴とする請求の範囲第 1 0項に記載の電池。. 前記絶縁板が前記蓋板との間に空間を隔てて固定され、前記空間に保護素子を備えたことを特^ ¾とする請求の範囲第 1項に記載の電池。

. 非水電解質電池であることを特徴とする請求の範囲第 1項に記載の電池。