WO2003024668A1

WO2003024668A1 - Etau

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Publication number: WO2003024668A1
Application number: PCT/JP2002/009100
Authority: WO
Inventors: Ichiro Kitaura
Original assignee: Pascal Engineering Corporation
Priority date: 2001-09-14
Filing date: 2002-09-06
Publication date: 2003-03-27
Also published as: US20040207138A1; JP2003089068A; EP1437198A1; JP4744039B2

Description

明細書バイス技術分野

本発明は、バイスに関し、特に、可動側クランプ部材をワークのサイズに対応した所定位置に移動させてから可動側クランプ部材をクランプ駆動してワークを固定可能なものに関する。

背景技術

従来より、機械加工に供するワークを挟持して固定するバイスは、バイス本体と、このバイス本体に固定された固定側クランプ部材と、この固定側クランプ部材に対向して設けられた可動側クランプ部材とを備え、可動側クランプ部材を固定側クランプ部材に対して接近させて、固定側クランプ部材と可動側クランプ部材との間にワークを挟持して固定する。可動側クランプ部材を固定側クランプ部材に対して接近 ·離隔させる駆動手段としては、バイスに取り付けられたハンドルを手動で回転させて、この回転力を前記接近 ·離隔方向への駆動力に変換して可動側クランプ部材を駆動する機械的な機構によるものや、油圧シリンダゃエアシリンダ等の流体圧シリンダによるもの等がある。

前記のようなバイスでは、所定の範囲内で種々のサイズのワークを固定することができる。しかしながら、比較的小さなワークを固定する際には、必然的に可動側クランプ部材を固定側クランプ部材に接近する方向（クランプ方向）への移動 S巨離が大きくなり、駆動手段が前記の機械的な機構によるものの場合にはハンドルを数多く回転させる必要があるため、ワークの固定作業の効率が悪くなる。駆動手段が流体圧シリンダによるものである場合には、流体圧シリンダのスト口ークを大きくする必要があるため、流体圧シリンダが大型化して設置面の制約を受けるし、設備コスト的にも不利である。

前記の問題を解決するために、例えば、特開平 9一 1 4 6 7号公報に記載のバイスにおいては、バイス本体の一端側部分に固定側クランプ部材を設け、バイス本体の他端側部分に固定側クランプ部材に対向する駆動プロックを設け、この駆動プロックは可動側クランプ部材と可動側クランプ部材を固定側クランプ部材に対して接近 ·離隔する方向に駆動するエアシリンダ等の駆動手段とを有する。さらに、バイス本体の一側部にラックを設け、駆動ブロックの一側部にラックに係合可能な爪部材を設け、ワークを固定する前に、駆動ブロックをワークに近接する適当な位置まで移動させると同時に爪部材をラックに係合させ、駆動プロックをワークのサイズに対応した任意の位置に位置決めすることが可能である。駆動プロックを位置決めした後に、駆動プロックに設けられた駆動手段により可動側クランプ部材をクランプ方向へ駆動し、ヮ一クを固定側クランプ部材と可動側クランプ部材との間で挟持して固定する。ワークの固定を解除する際には、駆動手段により可動側クランプ部材を固定側クランプ部材から離隔する方向（クランプ解除方向）へ駆動して固定を解除する。

比較的大きなワークを固定する場合には、バイス本体に設けられた解除レバ一を引いてラックと爪部材との係合を解除し、手動により駆動ブロックをクランプ解除方向へ移動させて、可動側クランプ部材を固定側クランプ部材から所定距離離隔させてからワークをセットする。

次に、本願の発明により解決しょうとする課題について説明する。

前記公報に記載のバイスにおいては、駆動プロックをワークに近接する位置に位置決めしてから、駆動手段で可動側クランプ部材をクランプ方向に駆動してヮークを固定できるが、駆動ブロックを位置決めする為のラックと爪部材が必要になるし、これらの係合を解除させる解除レバ一等の係合解除機構も必要になるため、構造が複雑になり製作コスト的に不利である。

さらに、駆動ブロックはエアシリンダ等の駆動手段を備えているため、駆動ブロックは相当の重量を有するが、特に複数のバイスにより多数のワークを固定する場合に、ワーク固定前に駆動ブロックを移動させることは、ワークの固定作業の効率を低下させ、作業員の疲労の原因にもなる。

本発明の目的は、ワークの固定前に可動側クランプ部材をワークのサイズに対応した所定位置に位置決め固定可能に構成すると共にその位置決め固定の為の機 02 09100 構を簡単にすること、ワークの固定作業の効率を向上させること、可動側クランプ部材をクランプ駆動する流体圧シリンダのストロークを小さくすること、等である。その他の本発明の目的は、本発明の効果の記載からも判るであろう。発明の開示

本発明のバイスは、ワークをセット可能なベース面を有するバイス本体と、このバイス本体に固定的に設けられた固定側クランプ部材と、この固定側クランプ部材に対向したまま接近 ·離隔する所定方向へ移動可能な可動側クランプ部材とを備えたバイスにおいて、ノイス本体内に配設され前記所定方向に長さを有する可動べ一ス部材と、この可動べ一ス部材を前記所定方向へ駆動可能な流体圧シリンダと、前記バイス本体に対して可動べ一ス部材を前記所定方向に移動可能に案内する案内機構と、前記可動側クランプ部材を可動ベース部材に対して前記所定方向に移動可能に案内すると共に固定解除可能に固定可能な案内固定機構とを備えたことを特徴とするものである。

ワークを固定する際には、ワークをバイス本体のベース面にセットした後、案内固定機構による可動側クランプ部材の可動ベース部材に対する固定を解除し、可動側クランプ部材が固定側クランプ部材に接近 ·離隔する所定方向に移動できるようにしておく。次に、可動側クランプ部材を手動にて固定側クランプ部材に接近する方向（クランプ方向）に移動させて、可動側クランプ部材をワークに近接させて、ワークを固定側クランプ部材と可動側クランプ部材とでほぼ挟持する。ここで、案内固定機構により可動側クランプ部材は可動べ一ス部材に対して所定方向に移動可能に案内されており、他の方向への移動は規制されている。その後、案内固定機構により可動側クランプ部材を可動べ一ス部材に固定する。

次に、流体圧シリンダにより可動べ一ス部材をクランプ方向に駆動すると、案内固定機構により可動側クランプ部材は可動ベース部材に固定されているので、ワークは固定側クランプ部材と可動側クランプ部材により強力に挟持されて固定される。従って、ワークの固定前に、ワークのサイズに対応して可動側クランプ部材を所定方向に移動させて固定側クランプ部材と可動側クランプ部材との距離を調整できるため、流体圧シリンダのストロークを大きくする必要がない。ワークの固定を解除する際には、流体圧シリンダにより可動べ一ス部材を可動側クランプ部材が固定側クランプ部材から離隔する方向（クランプ解除方向）に駆動してワークの固定を解除する。

本発明によれば、ワークを固定する際に、案内固定機構により、可動側クランプ部材を可動ベース部材に対して所定方向に移動させてワークを固定側クランプ部材と可動側クランプ部材とでほぼ挟持した後、可動べ一ス部材に固定することができるので、可動べ一ス部材をクランプ方向へ駆動する流体圧シリンダのストロークを小さくすることができる。従って、バイスをコンパクトにすることができるし、設備コスト的にも有利である。また、ワークの固定前には、可動側クランプ部材のみを移動させればよいため、ワークの固定作業の効率を向上させ、作業員の負担を軽減することができる。

次に、本発明の構成に関する好ましい形態について説明する。 ' a ) 前記案内固定機構は、可動ベース部材のベース面側部分に前記所定方向と直交する複数の歯を持つように形成された第 1セレ一シヨンと、可動側クランプ部材のベース面側部分に前記第 1セレ一ションに嚙合可能に形成された第 2セレ —シヨンと、可動ベース部材に形成され前記所定方向に延びる案内溝と、この案内溝に摺動可能に配設されたアンカー部材と、第 1，第 2セレ一シヨンを嚙合させた状態でアンカー部材に可動側クランプ部材を固定可能な複数のポルトとを有する。

ワークを固定する際には、複数のポルトを緩めて可動側クランプ部材とアンカ一部材との連結状態を維持しつつ、可動側クランプ部材をベース面から遠ざかる方向へ可動ベース部材から離隔させる。. このときに、可動べ一ス部材の第 1セレーションと可動側クランプ部材の第 2セレーションとの嚙合が解除されるため、可動側クランプ部材と可動ベース部材との固定が解除されることになる。

一方、アンカー部材は、可動ベース部材に形成され前記所定方向に延びる案内溝に摺動可能に配設され、アンカー部材と可動側クランプ部材とは複数のポルトで連結された状態である。従って、可動側クランプ部材をアンカー部材と共に可 JP02/09100 動べ一ス部材に対して相対的に移動させて、可動側クランプ部材をワークに近接させて、固定側クランプ部材と可動側クランプ部材とでワークをほぼ挟持することができる。

その後、第 1， 2セレーシヨンを嚙合させてから、複数のポルトを締結して可動側クランプ部材を可動ベース部材に固定し、流体圧シリンダにより可動ベース部材をクランプ方向に駆動してワークを固定する。ワークの固定を解除する際には、流体圧シリンダにより可動ベース部材をクランプ解除方向に駆動してワークの固定を解除する。

このように、可動側クランプ部材を可動べ一ス部材に対して所定方向に移動させた後、第 1，第 2セレ一シヨンを嚙合させた状態で複数のポルトによりアンカ一部材に可動側クランプ部材を固定することで、可動側クランプ部材をワークのサイズに応じて可動ベース部材の任意の位置に固定することができる。

従って、種々のサイズのヮ一クに対して、固定側クランプ部材と可動側クランプ部材とでワークをほぼ挟持してから流体圧シリンダで可動側クランプ部材を駆動してワークを固定できるので、流体圧シリンダのストロークを小さくすることができる。従って、バイスをコンパクトにすることができるし、設備コスト的にも有利である。

しかも、第第 2セレ一シヨンを嚙合させてから複数のポルトを締結することで、可動側クランプ部材を可動ベース部材の任意の位置に固定でき、複数のポルトを緩めるだけでこの固定を解除できるため、この固定を解除する為の特別な機構が不要になり、案内固定機構の構造を簡単化することができる。また、バイスの外形形状をシンプルにすることも可能である。

b ) 前記案内固定機構による可動側クランプ部材の固定を解除後に可動側クランプ部材をアンカ一部材と共に可動べ一ス部材に対して相対的に移動させ、固定側クランプ部材と可動側クランプ部材とでワークをほぼ挟持し、第 1 , 2セレーションを嚙合させてから、前記複数のポルトにより可動側クランプ部材を可動べ一ス部材に固定するように構成する。従って、前記と同様の効果が得られる。 c ) 前記流体圧シリンダは油圧シリンダである。従って、固定側クランプ部材 PC翻 2/09100 と可動側クランプ部材とでワークをほぼ挟持した状態から、油圧シリンダにより可動ベース部材を駆動して、ワークを強力に挟持固定することができる。図面の簡単な説明

図 1は本発明の実施の形態に係るバイスの正面図であり、図 2はバイスの平面図であり、図 3はバイスの正面図（一部断面図）'であり、図 4は図 2の IV- IV線断面図（ワーク固定状態）であり、図 5は図 1の右側面図であり、図 6はワーク固定解除状態における図 4相当図である。発明を実施するための最良の形態

次に、本発明を実施するための最良の形態について説明する。

この実施の形態は、ワークパレツトの上側に機械加工に供するワークを固定する為の立型のバイスに本発明を適用した場合の一例である。尚、図 1における上下左右前後を上下左右前後として以下説明する。

図 1に示すように、バイス 1は、バイス本体 2と、このバイス本体 2の下端部に固定的に設けられた固定側クランプ部材 3と、この固定側クランプ部材 3に対向したまま接近 ·離隔する上下方向へ移動可能な可動側クランプ部材 4とを備え、バイス 1は、ワーク 5を固定側クランプ部材 3と可動側クランプ部材 4とで挟持して固定する。

図 1〜図 4に示すように、さらに、バイス 1は、バイス本体 2内に配設され上下方向に長さを有する可動べ一ス部材 1 0と、この可動べ一ス部材 1 0を上下方向へ駆動可能な油圧シリンダ 1 1 (流体圧シリンダ）と、バイス本体 2に対して可動ベース部材 1 0を上下方向に移動可能に案内する案内機構 1 2と、可動側クランプ部材 4を可動ベース部材 1 0に対して上下方向に移動可能に案内すると共に固定解除可能に固定可能な案内固定機構 1 3とを備えている。

図 1〜図 6に示すように、バイス本体 2は上下方向に延びる略四角柱の形状を有し、バイス本体 2の上下方向中央部の前面には、ワーク 5をセット可能なベース面 2 0が形成されている。図 2〜図 4に示すように、バイス本体 2の上側略 2 P T/JP02/09100

/ 3部分の内部には、上下方向へ延びる案内機構 1 2の案内溝 5 1が前方へ開放状に形成され、バイス本体 2の下端側部分の内部には、油圧シリンダ 1 1のシリンダ穴 3 0が下端開放状に形成され、案内溝 5 1とシリンダ穴 3 0は連通孔 2 1 により連通されている。バイス本体 2の左右両側面には、上下に延びる取付用溝 2 2と前後に延びる取付用溝 2 3が夫々形成され、バイス本体 2の後面には、上下 2つの位置決め用のキー部材 2 4も設けられている。図 1に示すように、本実施形態においては、バイス本体 2は左右の取付用溝 2 3において取付金具 2 5によりワークパレツト 6の上面に固定されている。

固定側クランプ部材 3は略直方体状の部材であり、この固定側クランプ部材 3 は、バイス本体 2の下端部の前面部に 4つのポルト 2 6で固定されている。固定側クランプ部材 3の上端面には、ワークを受け止める受止面 2 7が形成され、ヮ —ク 5を固定する際には、この受止面 2 7にワーク 5が載置される。

可動側クランプ部材 4も略直方体状の部材であり、この可動側クランプ部材 4 は、その左右方向中央部において、案内固定機構 1 3のアンカー部材 5 6に上下つのボルト 5 7により固定解除可能に固定可能でされ、図 3に示すように取外し可能である。可動側クランプ部材 4の下端面には、受止面 2 7と協動してヮーク 5を挟持固定する押圧面 2 8が形成されている。可動側クランプ部材 4の後側部分には、後述の案内固定機構 1 3の第 2セレーシヨン 5 4が形成されている。図 3，図 4に示すように、油圧シリンダ 1 1は、シリンダ穴 3 0と、'出力部材としてのピストン部材 3 1と、クランプ力を発生させるクランプ側油室 3 2と、クランプ解除力を発生させるクランプ解除側油室 3 3などを備えている。

シリンダ穴 3 0の下端にはシリンダ穴 3 0を閉塞する端壁部材 3 4が内嵌され、端壁部材 3 4は複数のポルト 3 5でバイス本体 2に固定されている。シリンダ穴 3 0の上端部には、環状部材 3 6が内嵌状に装着されている。

ビストン部材 3 1は、ピストン 3 7とピストンロッド 3 8とを一体形成したものである。ピストン 3 7はシリンダ穴 3 0に摺動可能に内嵌され、ピストン 3 7 にはシール部材 3 9が装着されている。ピストンロッド 3 8は上半部の小径部 3 8 aと下半部の大径部 3 8 bとを有し、小径部 3 8 aは連通孔 2 1を貫通して上方へ延び、ポルト 4 0により可動べ一ス部材 1 0の下端部と連結され、大径部 3 8 bはシリンダ穴 3 0の内部に配設され、環状部材 3 6を摺動可能に貫通している。大径部 3 8 bと環状部材 3 6の間にはシール部材 4 1が装着され、環状部材 3 6とシリンダ穴 3 0との間にもシ一ル部材 4 2が装着されている。環状部材 3 6の上端部内周面には、連通孔 2 1からシリンダ穴 3 0の内部に塵や切粉等が侵入するのを防ぐ為のダストシール 4 3が装着されている。

ピストン 3 7の上側において、シリンダ穴 3 0と環状部材 3 6によりクランプ側油室 3 2が形成され、このクランプ側油室 3 2には油圧ポート 4 4、油路 4 5 を介して油圧が供給される。ピストン 3 7の下側においては、シリンダ穴 3 0と端壁部材 3 4によりクランプ解除側油室 3 3が形成され、このクランプ解除側油室 3 3には、油圧ポ一ト 4 6、油路 4 7を介して油圧が供給される。

次に、可動ベース部材 1 0及び案内機構 1 2について説明する。

図 1〜図 4に示すように、可動ベース部材 1 0は上下方向に所定の長さを有する柱状の部材であり、可動べ一ス部材 1 0はバイス本体 2内に配設されている。可動べ一ス部材 1 0の左右両側部には、上下方向に延びる突出部 5 0が形成されている。可動ベース部材 1 0の前側部分には、後述の案内固定機構 1 3の第 1セレーシヨン 5 3と、案内溝 5 5が形成されている。

案内機構 1 2は、ノイス本体 2の内部に形成された案内溝 5 1を備え、この案内溝 5 1は上下方向に所定長さ延び、案内溝 5 1の内側部分の左右両側部分には、突出部 5 0が係合可能な係合溝 5 1 aが上下方向に延びるように形成されている。この係合溝 5 1 aに突出部 5 0が係合した状態で可動ベース部材 1 0は案内溝 5 1に摺動可能に配設されており、油圧シリンダ 1 1により可動べ一ス部材 1 0が上下に駆動されると、案内機構 1 2はバイス本体 2に対して可動ベース部材 1 0を上下方向に移動可能に案内することになる。

次に、案内固定機構 1 3について説明する。

案内固定機構 1 3は、可動ベース部材 1 0の前側部分に左右方向に複数の歯を持つように形成された第 1セレ一シヨン 5 3と、可動側クランプ部材 4の後側部分に第 1セレ一シヨン 5 3に嚙合可能に形成された第 2セレーシヨン 5 4と、可動ベース部材 1 0に形成され上下方向に延びる案内溝 5 5と、この案内溝 5 5に摺動可能に配設されたアンカー部材 5 6と、第 1 , 第 2セレ一シヨン 5 3， 5 4 を嚙合させた状態でアンカ一部材 5 6に可動側クランプ部材 4を固定可能な 2本のポルト 5 7とを有する。

図 4，図 6に示すように、第 1セレーシヨン 5 3は、可動べ一ス部材 1 0の前側部分において、上下方向の全長に亙って形成されている。一方、第 2セレ一シヨン 5 4は、可動側クランプ部材 4の後側部分において、上下方向の全長に亙つて形成されている。第 1，第 2セレーシヨンの鉛直断面形状は、夫々三角波形状に形成されている。この第 1セレーシヨン 5 3に第 2セレ一シヨン 5 4を嚙合させることにより、可動側クランプ部材 4を可動ベース部材 1 0の任意の位置に位置決めすることができる。

図 2 , 図 4に示すように、案内溝 5 5は可動ベース部材 1 0の前側部分に前方へ開放状に形成され、案内溝 5 5は T字状の水平断面形状を有し、案内溝 5 5の上下方向長さは第 1セレ一シヨン 5 3の上下方向長さと同じである。

アンカー部材 5 6の上下方向長さは、可動側クランプ部材 4の上下方向長さとほぼ同じであり、アンカー部材 5 6の水平断面形状は T字状に形成され、アンカ —部材 5 6は案内溝 5 5により可動べ一ス部材 1 0に対して上下方向に移動可能に案内される。このアンカー部材 5 6には、上下 2本のポルト 5 7により可動側クランプ部材 4を固定解除可能に固定可能である。

2本のポルト 5 7を緩めたときには、可動側クランプ部材 4とアンカ一部材 5 6との連結状態は維持されており、第 1，第 2セレーシヨン 5 3 , 5 4の嚙合を解除して、案内溝 5 5に案内された状態でアンカー部材 5 6を上下方向に移動させることにより、可動側クランプ部材 4を可動ベース部材 1 0に対して相対的に上下方向に移動させることができる。

次に、バイス 1の作用について説明する。

図 6に示すように、ワーク 5をバイス 1にセットしていない状態では、第 1，第 2セレ一シヨン 5 3 , 5 4を嚙合させた状態で、可動側クランプ部材 4はアンカー部材 5 6に 2本のポルト 5 7で固定され、可動側クランプ部材 4は可動べ一ス部材 1 0に固定された状態である。この状態から、例えば、当初の固定側クランプ部材 3と可動側クランプ部材 4との離隔距離に比べて上下方向の長さの短いワーク 5を固定する際には、ヮ一ク 5がベース面 2 0と受止面 2 7に当接するようにワーク 5をセットした後、 2本のポルト 5 7を緩めて可動側クランプ部材 4 とアンカー部材 5 6が連結した状態を維持しつつ、可動側クランプ部材 4を前方へ可動べ一ス部材 1 0から離隔させ、第 1 , 第 2セレーシヨン 5 3， 5 4の嚙合を解除して、可動側クランプ部材 4と可動ベース部材 1 0との固定を解除する。可動側クランプ部材 4の固定を解除後に、手動にて可動側クランプ部材 4をァンカ一部材 5 6と共に可動ベース部材 1 0に対して相対的に下方へワーク 5の上下方向長さに応じて移動させ、可動側クランプ部材 4がワーク 5に近接するようにして、固定側クランプ部材 3と可動側クランプ部材 4とでワーク 5をほぼ挟持する。その後、第 1 , 第 2セレーシヨン 5 3， 5 4を嚙合させてから、 2本のポルト 5 7を締結して可動側クランプ部材 4を可動ベース部材 1 0に固定する。この状態で、クランプ側油室 3 2に油圧を供給してクランプ力を発生させ、このクランプ力によりピストン 3 7を押し下げると、可動ベース部材 1 0も下方へ駆動され、可動ベース部材 1 0に固定された可動側クランプ部材 4も下方へ駆動されて、ワーク 5が固定側クランプ部材 3と可動側クランプ部材 4とで強力に挟持固定される。

ワーク 5の固定を解除する際には、クランプ側油室 3 2の油圧を排出すると共に、クランプ解除側油室 3 3に油圧を供給してクランプ解除力を発生させ、このクランプ解除力によりピストン 3 7を押し上げると、可動ベース部材 1 0も上方へ駆動されて、これに伴い可動側クランプ部材 4も上方へ駆動され、ワーク 5の固定が解除される。.

尚、ワーク 5の上下方向長さが比較的長い場合には、一度、可動側クランプ部材 4を上方へ移動させてからワーク 5をセットし、その後、可動側クランプ部材 4を下方へ移動させてワーク 5を挟持すればよい。

以上説明したバイス 1によれば、以下の効果が得られる。

可動側クランプ部材 4を可動ベース部材 1 0に対して上下方向に移動させた後蘭 00

、第 1，第 2セレ一シヨン 5 3， 5 4を嚙合させた状態で 2本のポルト 5 7によりアンカー部材 5 6に可動側クランプ部材 4を固定することで、可動側クランプ部材 4をワーク 5のサイズに応じて可動べ一ス部材 1 0の任意の位置に固定することができる。従って、種々のサイズのワーク 5に対して、固定側クランプ部材 3と可動側クランプ部材 4とでワーク 5をほぼ挟持してから油圧シリンダ 1 1により可動側クランプ部材 4を下方へ駆動してワーク 5を固定できるので、油圧シリンダ 1 1のストロークを小さくすることができる。従って、バイス 1をコンパクトにすることができ、設備コスト的にも有利である。

また、ワーク 5の固定前には、比較的軽量の可動側クランプ部材 4のみを移動させるだけで、ワーク 5を固定側クランプ部材 3と可動側クランプ部材 4とでほぼ挟持することができるので、ワーク 5の固定作業の効率を向上させ、作業員の負担を軽減することができる。

また、第 1 , 第 2セレ一シヨン 5 3， 5 4を嚙合させてから 2本のポルト 5 7 を締結することで、可動側クランプ部材 4を可動べ一ス部材 1 0の任意の位置に固定でき、 2本のポルト 5 7を緩めるだけでこの固定を解除できるため、この固定を解除する為の特別な機構が不要になり、案内固定機構 1 3の構造を簡単化することができる。さらに、バイス 1をシンプルな外形形状にして、機械加工により生じる切粉等をバイス 1から容易に除去することも可能になる。

尚、固定側クランプ部材 3と可動側クランプ部材 4には、固定されるワーク 5 の形状に対応して種々の形状のものを採用することができる。それらの取り替えはポルト 2 6 , 5 7を外すだけで可能であるので、取り替え作業を比較的容易に行うことができる。また、可動ペース部材 1 0を駆動する流体圧シリンダとしては、エアシリンダを採用することもできる。さらに、前記実施形態においては、立型のバイスに本発明を適用したが、勿論、横型のバイスに本発明を適用することもできる。さらに、第 1，第 2セレーシヨン 5 3， 5 4は、前記実施形態の形状のものに限らず、互いに嚙合して可動側クランプ部材 4を可動べ一ス部材 1 0 に位置決め可能なものであればよく、それらの鉛直断面形状が鋸歯形状であるもの等、種々の形状のものを採用できる。 02 09100 本発明は以上説明した実施の形態に限定されるものではなく、当業者であれば、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、前記実施形態に種々の変更を付加して実施することができ、本発明はそれらの変更形態をも包含するものである。産業上の利用可能性

本発明のバイスは、横向き姿勢の主軸又は縦向き姿勢の主軸を有する種々のェ作機械で切削加工するワークを固定するワーク固定装置、ワークパレツト等に装備されるワーク固定用バイス、等に適用することができる。

Claims

請求の範囲

1 . ワークをセット可能なベース面を有するバイス本体と、このバイス本体に固定的に設けられた固定側クランプ部材と、この固定側クランプ部材に対向したまま接近 ·離隔する所定方向へ移動可能な可動側クランプ部材とを備えたバイスにおいて、

ノイス本体内に配設され前記所定方向に長さを有する可動ベース部材と、この可動べ一ス部材を前記所定方向へ駆動可能な流体圧シリンダと、前記パイス本体に対して可動ベース部材を前記所定方向に移動可能に案内する案内機構と、

前記可動側クランプ部材を可動ベース部材に対して前記所定方向に移動可能に案内すると共に固定解除可能に固定可能な案内固定機構と、

を備えたことを特徴とするバイス。

2 . 前記案内固定機構は、可動ベース部材のベース面側部分に前記所定方向と直交する複数の歯を持つように形成された第 1セレーシヨンと、可動側クランプ部材のべ一ス面側部分に前記第 1セレーションに嚙合可能に形成された第 2セレ —シヨンと、可動ベース部材に形成され前記所定方向に延びる案内溝と、この案内溝に摺動可能に配設されたアンカ一部材と、第 1，第 2セレ一シヨンを嚙合させた状態でアンカー部材に可動側クランプ部材を固定可能な複数のポルトとを有することを特徴とする請求の範囲第 1項に記載のバイス。

3 . 前記案内固定機構による可動側クランプ部材の固定を解除後に可動側クランプ部材をアンカー部材と共に可動べ一ス部材に対して相対的に移動させ、固定側クランプ部材と可動側クランプ部材とでワークをほぼ挟持し、第 1 , 2セレ一ションを嚙合させてから、前記複数のポルトにより可動側クランプ部材を可動べ —ス部材に固定するように構成したことを特徵とする請求の範囲第 2項に記載のバイス。

4 . 前記流体圧シリンダは油圧シリンダであることを特徵とする請求の範囲第 1〜 3の何れかに記載のバイス。