WO2003011515A1

WO2003011515A1 - Bec emettant un faisceau laser d'une machine d'usinage par faisceau laser

Info

Publication number: WO2003011515A1
Application number: PCT/JP2002/006470
Authority: WO
Inventors: Naoshige Katou
Original assignee: T & S Co., Ltd.
Priority date: 2001-08-01
Filing date: 2002-06-27
Publication date: 2003-02-13
Also published as: JP2003048090A

Description

明細書レーザ加工機のレ一ザ照射ノズル技術分野

この発明は、機械加工に用いるレ一ザ加工機のレ一ザ照射ノズルに関し、特に、アシストガスとして窒素を用いる無酸化切断によってステンレス板を切断するレ一ザ加工に適したレ一ザ加工機のレ一ザ照射ノズルに関する。背景技術

レーザビームにアシストガスを併用して切断ゃ閧孔などの機械加工を行うレ一ザ力卩工機は広く知られている。加工される対象は、鉄、ステンレス、アルミ二ゥム、銅、真鍮、パネ鋼などがある。

特に、ステンレスの加工に関しては、近年は、アシストガスとして窒素を用いる無酸化切断が広く採用されている。

このような無酸化切断に用いられるレーザ加工機のレーザ照射ノズル 3 1としては、第 4図（a )、 ( b ) 図示の形態が一般的であった。すなわち、本体への取付端を含むノズル基部 3 2に対して、ノズル口 3 3がある先端側を細め、外観では全体として逆円錐台形状に形成されている。アシストガス（窒素ガス） 3 5、 3 5は、第 4図（b ) に示すように、第 4図中、上方向から送られてきたレーザビーム 3 4と共に、ノズル口 3 3の先端側から放出され、被加工物（例えば、ステンレス鋼板 3 6 ) の加工（例えば、切断）が、第 5図図示のように行われる。第 5図中、レーザ加工機のレーザ照射ノズル 3 1は、ステンレス鋼板 3 6の表面との間に T = 0 . 3 mn！〜 1 . 0 mm程度の間隔を空けて、矢印に示されるように、第 5図中、右側から左側に向けて移動する。ここで第 5図中、符号 3 7で示されているものは、ステンレス鋼板 3 6の裏面側に現れる火花であり、符号 3 8 で示されているものは、切断面の下部に生じるドロスである。

ドロス 3 8は、従来のレーザ加工機のレーザ照射ノズルにおいては、一般に、加工速度を速めると少なくなる傾向にある。加工速度を速める場合には、レーザのエネルギーを高くし、アシストガスのガス圧力を上げ、ノズル口 3 3の口径を大きくすることが必要である。しかし、レーザのエネルギーを高くして加工速度を上げる、アシストガスのガス圧力を上げる、ノズル口 3 3の口径を大きくするという条件の中のどれか一つでも変化すると、プラズマ流が発生しやすくなる。プラズマ流が発生すると、切断面が汚くなり、加工不良となってしまう。

すなわち、無酸化切断に用いられる従来のレ一ザ加工機のレ一ザ照射ノズルでは、加工速度が速い場合であっても、遅い場合であっても、切断面に汚れのない、良好な加工を実現するための適切な条件（すなわち、レーザのエネルギー、ァシストガスのガス圧力、ノズル口 3 3の口径などの条件）の幅は狭小であった。このため、無酸化切断に用いられる従来のレーザ加工機のレ一ザ照射ノズルでは、切断面に汚れのない、良好な加工を実現することが困難であった。

このように、切断面に汚れのない、良好な加工を実現するための適切な条件の幅が狭い中で、ドロスの発生を効果的に防止できるレーザ加工機のレーザ照射ノズルの登場が望まれていた。特に、厚さが 8 mm程度以上になる比較的厚いステンレス鋼板に対する、無酸化切断による機械加工（切断や閧孔）に適し、プラズマの発生、ドロスの発生を効果的に抑えて、良好な加工を可能にでき、なおかつ、このような良好な加工を実現できる条件（すなわち、レーザのエネルギー、ァシストガスのガス圧力、ノズル口 3 3の口径などの条件）の範囲が安定的で、広い、すなわち、条件の幅に余裕があるレーザ加工機のレーザ照射ノズルの登場は極めて強く望まれているところである。発明の開示

本発明は、厚さが 8 mm程度以上になる比較的厚いステンレス鋼板に対する、無酸化切断による機械加工（切断や開孔）に適し、アシストガスのガス圧力を低く設定することを可能にしてプラズマの発生を抑え、更に、ドロスの発生をも効果的に抑えて、切断面に汚れのない、良好な加工を実現できるレーザ加工機のレ —ザ照射ノズルであって、更に、前記の良好な加工を実現できる条件の範囲（すなわち、レーザのエネルギー、アシストガスのガス圧力、ノズル口の口径などの条件の範囲）が安定的で、広い、すなわち、条件の幅に余裕があるレーザ照射ノズルを提供することを目的としている。

前記課題を解決するため、本発明が提案するレーザ加工機のレーザ照射ノズルは、ノズル口の先端側に当該ノズル口の径より大きい径の円柱状中空部が備えられていることを特徴とするものである。

第 1図（a)、 (b)は、このような本発明が提案するレーザ加工機のレーザ照射ノズルの好ましい実施形態を例示するものであるが、第 1図（a)に図示した円柱状中空部の径： Rと、ノズル口の径： rとの関係は、 r : R= l : l. 3〜 2. 0程度とすることが望ましい。また、第 1図（a) に図示した円柱状中空部の高さ： Hと、ノズル口の径： rとの関係は、 r : H=l : 0. 75〜： L. 0程度とすることが望ましい。発明者の実験によれば、ノズル口の径：と、円柱状中空部の径： R及び、円柱状中空部の高さ： Hとの関係がこの範囲にあることが、アシストガスのガス圧を低く設定してプラズマの発生を抑え、更に、ドロスの発生を抑えて、切断面に汚れのない、良好な加工を実現する上で望ましく、更に、これらの範囲であれば、切断面に汚れのない、良好な加工を実現できるレーザのエネルギー、アシストガスのガス圧力、ノズル口の口径などの条件を、余裕を持つて広く設定することが可能であったからである。

なお、ノズル口 3の先端側に設けられる、ノズル口 3の径より大きい径の円柱状中空部 9は、ドリル加工によって設けるものであるため、第 1図（b) では、ノズル口 3の先端側にただちに大径の円柱状中空部 9が連設されているが、厳密には、第 2図に拡大して図示したように、口径 rのノズル口 3の部分から、口径 Rの円柱状中空部 9の部分へ、傾斜しつつ次第に拡径している。前述した r： H = 1 : 0. 75〜： L. 0の関係は、第 2図における rと H₂ との関係（r ： H₂ = 1 : 0. 75〜1. 0) であり、この場合における、 r : Hiの関係は、 r : Hi=0. 6〜0. 75であった。

この拡径部 10は、ドリル加工によって円柱状中空部 9を設ける際に必然的に形成されるものであり、この拡径部 10の傾斜の程度は、円柱状中空部 9を形成する際に用いるドリルの形状等に応じて種々に変わるものである。そこで、本発明における、「ノズル口の先端側に当該ノズル口の径より大きい径の円柱状中空部が備えられている」という形態は、第 1図（a)、 (b)図示のように、ノズル口 3の先端側にただちに大径の円柱状中空部 9が連設される形態の他に、第 2図図示のように、口径 rのノズル口 3の先端部分から、口径 Rの円柱状中空部 9の部分へ、傾斜しつつ次第に拡径して、円柱状中空部 9がノズル口の先端側に連設されている場合をも含むものである。

ただし、前述した r： R = 1 ： 1. 3〜2. 0、 r： H₂= 1 : 0. 75〜： L . 0、 r : Hi=0. 6〜0. 75の関係にあるときには、アシストガスのガス圧を低く設定してプラズマの発生を抑え、更に、ドロスの発生を抑えて、切断面に汚れのない、良好な加工を実現する上で望ましく、更に、切断面に汚れのない、良好な加工を実現できるレーザのエネルギー、アシストガスのガス圧力、ノズル口の口径などの条件を、余裕を持って広く設定することが可能であるということに加えて、以下の比較試験例の結果に示されたように、第 4図（a)、 (b) 図示の従来のレ一ザ照射ノズルに比較して加工速度が速くなるという効果を実現できることが確認されている。

これは、前述した r： R = 1 ： 1. 3〜2. 0、 r： H₂= 1 : 0. 75〜： L ·

0、 r ： 0. 6-0. 75の関係にあるときには、ノズル 3の先端側から放出されたアシストガスが円柱状中空部 9の中にたまり、アシストガスのガス圧力と流れとが,安定し、常に、一定のアシストガスが流出できるようになつたためではないかと考えられる。 · 図面の簡単な説明

第 1図（a) は、本発明によるレーザ加工機のレーザ照射ノズルの正面図である。

第 1図（b) は、第 1図（a) の縦断面図である。

第 2図は、第 1図（b) 図示のノズルの先端側の拡大断面図である。

第 3図は、第 1図図示の本発明によるレーザ加工機のレーザ照射ノズルの使用状態を説明する正面図である。

第 4図は、（a) 従来のレーザ加工機のレーザ照射ノズルの正面図である。第 4図（b) は、第 4図（a) の縦断面図である。

第 5図は、第 4図図示の従来のレーザ加工機のレーザ照射ノズルの使用状態を説明する正面図である。発明を実施するための最良の形態

以下、添付図面を参照して本発明の好ましい実施形態を説明する。

本発明のレーザ加工機のレーザ照射ノズル 1は、第 1図（a)、 (b) 図示のように、ノズルロ 3の先端側にノズルロ 3の径ょり大きい径の円柱状中空部 9を備えている。 '

第 1図（a)、 (b) 図示の実施形態では、ノズル口 3の径： rが 4mm、円柱状中空部 9の径： Rが 6. 5mm、円柱状中空部 9の高さ： Hが 3. 5mmとなつている。また、レーザ照射ノズル 1の先端側の外周直径： Lは、 8. 5mmであった。

この外観 .形態は、第 4図（a) 図示の従来のレーザ加工機のレーザ照射ノズル 3 1と同様に、本体への取付端を含むノズル基部 2に対してノズル口側が細められた、全体として逆円錐台形状のものとすることができる。

このレーザ加工機のレーザ照射ノズル 1の使用方法は、従来のものと同様である。ノズル基部 2側をレーザ加工機の本体に取り付け、不図示の加工レンズを通過したレーザビーム 4がノズル口 3、円柱状中空部 9から照射され、同時に、レ一ザ照射ノズル 1内に流入されたアシストガス 5、 5が、レーザビーム 4と共に、ノズル口 3、円柱状中空部 9から放出され、第 3図図示のように、レーザ照射ノズル 1の先端側と、ステンレス鋼板 6の表面との間に T = 0. 3mn！〜 1. 0m m程度の間隔を空けながら、ステンレス鋼板 6を切断し、加工方向（第 3図中、矢印で示されている右から左の方向）に進行していく。第 3図中、符号 7で示されているものは、ステンレス鋼板 6の裏面側に現れる火花である。

【比較試験例】

第 1図（a)、 (b) 図示の本発明のレーザ加工機のレーザ照射ノズル 1 (実施例）と、第 4図（a)、（b) 図示の従来のレーザ加工機のレーザ照射ノズル 3 1 (比較例）とを、それぞれテスト機（アマダ社（製）レーザ加工機 LC 3015 ベー夕 III NT 発振器 OL C 430 ΗΠΙ 発振出力： 3000 W、クリーン力ヅ卜のメーカ一保証値（板厚）： 9mm) に取り付け、ステンレス鋼板の切断試験を行った。ステンレス鋼板の厚さを種々変更し、それそれ、切断面の下部にドロスが付着しないという条件を確保できるアシストガス（窒素ガス）のガス圧力、加工速度を確認したところ、以下の表 1の結果を得た。

表 1

テス卜機： . '

アマダ社（製）レーザ加工機 L C 3 0 1 5ベー夕 III NT

発振器 OL C 43 0 ΗΠΙ 発振出力： 300 0W

(クリーンカツ卜のメーカ一保証値（板厚）： 9 mm) 注）比較例では、表 1記載の数値より低いアシストガスのガス圧力にするとドロスが発生しやすくなつた。

比較例では、アシストガスのガス圧力が 1. 5 3 MP aを越えると、プラズマが発生しやすくなり、表 1の板厚 1 2mmの場合には、ほとんどプラズマが発生している状態であった。試験の結果、比較例では、表 1に記載された数値より低いアシストガスのガス圧力にすると、切断面の下部にドロスが発生しやすかつた。

一方、実施例では、表 1に示した下限から上限の数値の間のアシストガスのガス圧力であれば、ドロスが発生しなかった。特に、厚さが 8 mm〜 l 0 mmである場合には、第 3図図示のように、切断面の下部にほとんどドロスが生じなかつた。また、「良好」と表示されているアシストガスのガス圧力の下では、切断面に汚れが少ない、良好な加工が実現できた。

試験に用いたテスト機は、メーカー保証のクリーンカツト板厚が 9 mmのものであるので、比較例の場合、板厚 1 2 mmでは、切断面の下部へのドロスの発生だけでなく、プラズマの発生が避けられなかった。しかし、実施例では、板厚 1

2 mmでも、表 1に示した下限から上限の数値の間のアシストガスガス圧力の下でプラズマの発生は起こらなかった。また、この板厚 1 2 mmでは、実施例の場合でも切断面の下部にドロスが発生したが、このドロスも、比較例の場合の 3分の 1以下の発生量であって、容易に除去可能なものであった。

この結果、本発明のレーザ照射ノズル 1を用いると、アシストガスのガス圧力を低く設定することが可能であって、これによりプラズマの発生を抑え、更に、ドロスの発生を効果的に防止して良好な加工を実現できることを確認できた。そして、このような良好な加工を実現できる条件は、アシストガスのガス圧力の範囲に幅があるように、余裕を持って広く設定することが可能であることを確認できた。

更に、表 1のノズル径、アシストガスのガス圧力、レーザの発振出力： 3 0 0 0 Wの下で達成された加工速度であるが、実施例の方が、いずれも加工速度が速くなることを確認できた。

以上、本発明の好ましい実施形態を添付図面を参照して説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲から把握される技術的範囲において種々の形態に変更可能である。

例えば、第 1図（a )、（b ) 図示の本発明のレーザ加工機のレーザ照射ノズル 1において、ノズル基部 2の部分を含むノズルの基部側の外観 ·形状は、本発明のレ一ザ照射ノズル 1が取り付けられるレ一ザ加工機の種類、外観 ·形状に応じて種々に変更されるものである。この発明によれば、厚さが 8 mm程度以上になる比較的厚いステンレス鋼板に対する、無酸化切断による機械加工（切断や閧孔）に適し、アシストガスのガス圧力を低く設定することを可能にしてプラズマの発生を抑え、更に、ドロスの発生をも効果的に抑えて、切断面に汚れのない、良好な加工を実現できるレーザカロェ機のレーザ照射ノズルであって、更に、前記の良好な加工を実現できる条件の範囲（すなわち、レーザのエネルギー、アシストガスのガス圧力、ノズル口の口径などの条件の範囲）が安定的で、広い、すなわち、条件の幅に余裕があるレーザ照射ノズルを提供することができる。

しかも、加工速度に関しても、従来のレーザ照射ノズルに比較して改善されているレーザ加工機のレ一ザ照射ノズルを提供することができる。

Claims

請求の範囲

1. ノズル口の先端側に当該ノズル口の径より大きい径の円柱状中空部が備えられていることを特徴とするレ一ザ加工機のレ一ザ照射ノズル。

2. 請求の範囲第 1項記載のレーザ加工機のレーザ照射ノズルであって、前記ノズル口の径（r) と、前記円柱状中空部の径（R) とが、 r： R = 1 ： 1. 3 〜 2. 0の関係にあることを特徴とするレーザ加工機のレ一ザ照射ノズル。

3. 請求の範囲第 1項記載のレーザ加工機のレーザ照射ノズルであって、前記ノズル口の径（r) と、前記円柱状中空部のレーザ照射方向の高さ（H) とが、 r： H= 1 ： 0. 75〜1. 0の関係にあることを特徴とするレーザ加工機のレ一ザ照射ノズル。

4. 請求の範囲第 1項記載のレーザ加工機のレーザ照射ノズルであって、前記ノズル口の径（r) と、前記円柱状中空部の径（R) と、前記円柱状中空部のレ一ザ照射方向の高さ（H) とが、 r： R= 1 ： 1. 3〜2. 0であって、なおかつ、 r : H=l : 0. 75〜1. 0の関係にあることを特徴とするレーザ加工機のレーザ照射ノズル。