WO2003002322A1 - Moule de formage pour lentille de contact et procede de fabrication de lentille de contact au moyen d'un tel moule de formage - Google Patents

Description

明 細 書 コンタク ト レンズ用成形型およびそれを用いたコン夕ク 卜 レンズ の製造方法 技術分野

本発明は、 コンタク ト レンズをモールド法によつて製造するた めのコンタク 卜 レンズ用成形型と、 それを用いたコンタク ト レン ズの製造方法に係り、 特に成形キャビティにおけるレンズエツジ 部分を安定して閉塞することが出来ると共に、 雌雄の成形型の嵌 合固定力を安定して得ることが可能とされて、 目的とするコン夕 ク ト レンズのモールド成形を安定して行うことの出来るコンタク ト レンズ用成形型と、 それを用いたコンタク ト レンズの製造方法 に関するものである。 背景技術

従来から、 ハ一ドコンタク ト レンズとソフ トコンタク 卜 レンズ の何れにも採用可能な製造方法の一種として、 モールド法が知ら れている。 かかるモールド法は、 凹状成形面を備えた雌型と凸状 成形面を備えた雄型を型合わせすることによって、 それら雌雄両 型の型合せ面間に形成されたコンタク ト レンズの成形キヤビティ にレンズ成形材料としての所定の重合性材料を充塡して、 成形キ ャビティで重合することにより、 成形キャビティに対応した形状 のコンタク ト レンズを製造するものであって、 他の公知のコンタ ク ト レンズの製造方法であるレース力ッ 卜法 （切削研磨法） ゃス ピンキャス 卜法 （遠心注型法） に比して、 目的とするコンタク ト レンズを低コス 卜で大量生産することが出来ること等から、 例え ばディスポーザブルコンタク ト レンズ等の製造に際して好適に採 用されている。

ところで、 モールド法では、 レンズ外周のエッジ部に雌雄両型 の型合せ面が位置することから、 成形品であるコンタク ト レンズ におけるバリ等の成形不良を軽減乃至は回避するために、 レンズ エツジ部に相当する成形キヤ ビティの外周部分の閉塞状態を安定 して得ることが重要とされる。 また、 一般に、 雌雄両型は、 重合 性材料を供給して型合わせした後、 紫外線照射や加熱等の重合処 理装置に搬送されて処理されることから、 そのような型合わせ後 の成形処理を安定して行うために、 雌雄両型が型合せ状態に強固 に保持され得るようにすることが望ましい。

そこで、 従来では、 特開平 2 - 2 7 0 5 1 7号公報ゃ特公平 6 - 2 0 7 6 1号公報， 特表平 6— 5 1 0 4 9 6号公報， 特許第 3 0 3 5 6 7 3号公報等に記載されているように、 成形キャビティ の外周縁部において、 雌雄何れか一方の型に形成した環状のエツ ジ部ゃリム突起を他方の型に対して軸方向に当接させることによ り、 成形キヤビティの外周部分を閉塞すると共に、 成形キヤビテ ィの形成部位の径方向外方に位置して、 雌雄両型に円筒形状の内 外壁を形成して、 それら内外壁を相互に圧入状態で嵌合させるこ とによって、 雌雄両型を型合せ状態に保持せしめるようにした構 造が、 提案されている。

ところが、 上述の如き環状のエツジ部ゃリム突起を備えた従来 構造の成形型においては、 成形キャビティの外周部分を安定して 閉塞させることが難しく、 雌雄両型が相対的に僅かに傾斜するこ とに起因して、 環状エツジ部と当接面の間に隙間が発生したり、 環状リム突起の先端が折り返るように成形キヤビティ内に突出し て成形品の内部に入り込んでしまうおそれがあるために、 未だ十 分な成形安定性を実現し得るものではなかった。

しかも、 従来構造の成形型においては、 円筒形状の内外壁の圧 入によって、 雌雄両型を型合せ状態に保持せしめるのに十分な嵌 合力を安定して得るためには、 雌雄両型の成形寸法を高精度に設 定する必要があることから成形型の製造が難しいという問題があ つた。 即ち、 かかる従来構造の成形型は、 寸法誤差に起因して、 雌雄両型が抜け易くなってコンタク ト レンズの成形作業に悪影響 が及ぼされるおそれがあるのであり、 そのような型抜けを防止す るために大きな嵌着固定力を得ようとすると、 型合わせに際して 雌雄両型に過大な圧入力が作用してコンタク ト レンズの成形面が 変形してしまうおそれがあることから、 成形型の寸法精度の確保 が極めて難しかったのである。

ここにおいて、 本発明は、 上述の如き事情を背景として為され たものであって、 その解決課題とするところは、 型合わせに際し て成形キヤビティを安定して閉塞することが出来ると共に、 雌雄 の成形型の嵌合固定力を安定して得ることが可能とされて、 目的 とするコンタク ト レンズのモールド成形を安定して行うことの出 来る、 新規な構造のコンタク ト レンズ用成形型と、 それを用いた コンタク ト レンズの製造方法を提供することにある。 発明の開示

以下、 このような課題を解決するために為された本発明の態様 を記載する。 なお、 以下に記載の各態様において採用される構成 要素は、 可能な限り任意の組み合わせで採用可能である。 また、 本発明の態様乃至は技術的特徴は、 以下に記載のものに限定され ることなく、 明細書全体および図面に記載され、 或いはそれらの 記載から当業者が把握することの出来る発明思想に基づいて認識 されるものであることが理解されるべきである。

先ず、 コンタク ト レンズ用成形型に関する本発明の特徴とする ところは、 凹形成形面を備えた雌型と、 凸形成形面を備えた雄型 を含んで構成されて、 それら雌雄両型の型合せ面間にコンタク 卜 レンズの成形キヤ ビティ を形成するコ ンタ ク ト レンズ用成形型で あって、 前記雄型における前記凸形成形面の外周部分と前記雌型 における前記凹形成形面の外周部分においてそれぞれ軸方向一方 の側に向かって延びる筒状嵌合部を設けて、 該雄型と該雌型の型 合わせに際してそれら筒状嵌合部が互いに径方向で隙間を隔てて 嵌め合わせられるようにする一方、 該雄型と該雌型のうち内周側 に嵌め合わせられる該筒状嵌合部を備えた方の型における前記凸 形乃至は凹形の成形面の外周縁部に対して、 周方向全周に亘つて 連続して延びる嵌合突部を突出形成して、 該雄型と該雌型の型合 わせに際して、 かかる嵌合突部が該雄型と該雌型のうち外周側に 嵌め合わせられる前記筒状嵌合部を備えた方の型における前記凸 形乃至は凹形の成形面の外周側に当接して型合せ力によって変形 せしめられるようにすることによ り、 該嵌合突部によつて前記成 形キャ ビティの外周部分が閉鎖されると共に、 該嵌合突部によつ て前記内外の筒状嵌合部間の径方向の隙間が充塡されて、 該雄型 と該雌型の嵌合固定力が発揮されるようにしたことにある。

このような本発明に従う構造とされたコンタク ト レンズ用成形 型においては、 雌雄何れか一方の型の特定部位に嵌合突部を形成 して、 この嵌合突部を、 型合わせに際して、 成形キヤビティの外 周縁部で他方の型に当接させて積極的に変形させることにより、 かかる嵌合突部によって、 成形キャビティの外周縁部を閉塞せし めるようにされると共に、 雌雄両型の嵌合壁間の隙間を充塡して 嵌合固定力を発揮し得るようにされる。

従って、 雌雄両型の型合わせに際して、 それら雌型および雄型 における成形キヤビティ面の形成部位まで変形させる程の大きな 型合せ力を必要とすることなく、 成形キャビティの外周縁部を容 易に且つ安定して閉塞せしめることが出来ると共に、 雌雄両型を 型合せ状態に保持せしめる嵌合固定力も有利に得ることが出来る のであり、 それによつて、 目的とするコンタク 卜 レンズを、 高い 寸法精度をもつて、 優れた生産性のもとに安定して製造すること が可能となるのである。

ところで、 本発明に係るコンタク ト レンズ用成形型において採 用される嵌合突部は、 例えば、 （ a ) かかる嵌合突部を、 雄型の 凸形成形面または雌型の凹形成形面の外周縁部における筒状嵌合 部の立上り角部から外周側に向かって広がる円環板状の薄肉フィ ンによって構成して、 雄型と雌型の型合わせに際して、 該薄肉フ ィ ンがそれら両型の型合わせ方向後方に向かって成形キヤビティ と反対側に屈曲して、 雄型と雌型の型合わせに際して外周側に嵌 め合わせられる筒状嵌合部の内周面に対して密接状態で圧接せし められるようにすることによって、 有利に実現され得ることとな り、 或いは、 （b ) かかる嵌合突部を、 雄型の凸形成形面または 雌型の凹形成形面の外周縁部における筒状嵌合部の立上り角部か ら軸方向及び/又は径方向の外方に向かって突出する鋭角的な突 出先端部をもって突設する一方、 雄型と雌型の型合わせに際して 外周側に嵌め合わせられる筒状嵌合部の内周面に傾斜した当接傾 斜面を設けて、 雄型と雌型の型合わせに際して、 嵌合突部を該当 接傾斜面に当接させて、 型合せ力によって密接状態に変形せしめ るようにすることによって、 有利に実現され得ることとなる。 そこにおいて、 前者 （ a ) の場合には、 前記薄肉フィ ンを、 雄 型と雌型における各筒状嵌合部の型合わせ方向後方に向かって傾 斜させて突設した構成が有利に採用されることとなり、 それによ つて、 薄肉フィ ンの屈曲変形が容易且つ安定化されて、 雌雄型の 型合わせの作業性が向上され得ると共に、 薄肉フィ ンによる雌雄 両型のセンタ リ ング作用の安定性も向上され得る。 なお、 薄肉フ ィ ンの肉厚寸法は、 材料の種類や設定される雌雄型の内外嵌合壁 間の隙間の大きさ等によっても異なるが、 ポリプロピレンやポリ ェチレン等の合成樹脂材によって形成される場合には、 かかる薄 肉フィ ンの肉厚寸法を 0 . 0 0 5〜 0 . 0 5 mmとすることが望ま しい。 蓋し、 余り薄すぎると薄肉フィ ンの安定した成形が難しく なると共に、強度不足によつて破損し易くなるからであり、一方、 余り厚すぎると型合わせに際して薄肉フィ ンが変形し難く なり、 雌雄両型の内外嵌合壁間の隙間に入り込み難くなつて雌雄両型の 型合わせの作業性が悪くなるからである。

また、 かかる薄肉フィ ンを設けたコンタク ト レンズ用成形型に おいては、 薄肉フィ ンを備えた雄型または雌型を複数の組合せ金 型を固定的に組み合わせることによって形成すると共に、 それら 複数の組合せ金型の金型組合せ面を、 該薄肉フィ ンの突出方向先 端部分に設けることにより、 該薄肉フィ ンを備えた雄型又は雌型 における前記凸形または凹形の成形面を一つの組合せ金型によつ て形成した構成が有利に採用されることとなる。 このような組合 せ金型構造を採用することにより、 薄肉フィ ンを有利に形成する ことが出来ると共に、 金型組合せ面の成形面への存在が回避され て、 金型組合せ面による成形不良も回避され得ることとなる。 一方、 前述の後者 （b ) の場合には、 一方の型に対して、 鋭角 的な突出先端部をもって嵌合突部を突設すると共に、 この鋭角的 な突出先端部を、 型合わせされる他方の型に形成した傾斜面に当 接するようにしたことによ り、 かかる嵌合突部が型合せ力によつ て極めて有利に変形せしめられて、 雌雄両型が密接状態とされる と共に嵌合固定され得ることとなるのである。 しかも、 鋭角的な 突出先端部を持つ嵌合突部の軸方向の突出量と径方向突出量を適 宜に調節することによ り、 コ ンタク ト レンズの成形キャビティの 外周縁部の形状、 換言すれば成形されるコンタク 卜 レンズのエツ ジ形状を適宜に調節することが出来るという利点もある。 なお、 嵌合突部における鋭角的な突出先端部には、 アール形状の面取り やカツ ト状の角取り等を施しても良い。

さらに、 本発明に従う構造とされたコンタク ト レンズ用成形型 においては、 前記雄型においてレンズェッジ部の成形面を形成す る前記凸形成形面の外周縁部に対して、 該凸形成形面の曲率半径 が位置する側に向かって凸となるショルダ部分を設けると共に、 該ショルダ部分の角部に前記嵌合突部を突出形成した構成が、 好 適に採用される。 このようなショルダ部分を形成することにより、 コ ンタ ク ト レンズのエツジ部分の形状を滑らかにすることが可能 となり、 装用感に優れたコンタク ト レンズを有利に製造すること が可能となる。

また、 本発明に従う構造とされたコ ンタク ト レンズ用成形型に おいては、 目的とするコンタク ト レンズの成形キヤビティを形成 する前記雄型と前記雌型の型合せ状態下で、 それら両型の前記内 外嵌合壁部間において、 前記径方向の隙間が 0 ~ 0 . 1 mmの大き さで形成されるようにすることが望ましい。 蓋し、 隙間の大きさ が 0以下になると、 雌雄型の型合わせに際しての内外嵌合壁の嵌 合作業を行い難くなると共に、 型合わせに際しての成形キヤビテ ィからのエアや余剰材料の抜けが悪くなるおそれがあり、 また、 型成形に際しての寸法誤差に起因して、 型合わせに際して及ぼさ れる荷重が大きくなり、 コンタク ト レンズの成形面が変形して成 形精度が低下するおそれがあるからである。 また一方、 隙間の大 きさが 0 . 1 mmより大きくなると、 嵌合突部の変形のばらつき等 によつて成形品たるコンタク ト レンズのエツジ部形状が大きくば らついて成形精度が十分に確保され難く なるおそれがあると共に、 嵌合突部の隙間への充塡が不安定となつて雌雄両型の嵌合固定力 が安定して得られ難くなるからである。

更にまた、 本発明に従う構造とされたコンタク ト レンズ用成形 型においては、 前記雄型と前記雌型の型合わせに際して外周側に 嵌め合わせられる前記筒状嵌合部の内周面において、 少なく とも 前記凸形乃至は凹形の成形面の外周部分で前記嵌合突部が当接せ しめられる領域を、 該成形面に近づくに従って次第に小径化する テ一パ状の筒形傾斜面とすることも可能である。 このような筒形 傾斜面を外周側の筒状嵌合部の内周面に形成することにより、 雌 雄両型の型合わせに際して、 内周側の筒状嵌合部に形成された嵌 合突部に対してより有効な当接力を及ぼしめて変形させることが 可能となって、 成形キヤビティの外周縁部の閉塞と、 内外嵌合壁 間の隙間の充塡による雌雄両型の嵌合固定が、 一層有利に実現可 能となるのである。 なお、 嵌合突部が当接せしめられるテーパ状 の筒形傾斜面における傾斜角度は、 中心軸に対して好ましくは 4 5度以下、 より好ましく は 2 0度以下とすることが望ましい。 蓋 し、 傾斜面の傾斜角度を余り大きく し過ぎると、 傾斜角度の誤差 が'レンズ形状に与える影響が大きくなり、 嵌合突部が目的とする 当接位置に達するまでに傾斜面に当接してしまうこと等によって、 成形精度が低下するおそれがあるからである。

また、 本発明に従う構造とされたコンタク ト レンズ用成形型に おいては、 前記雄型と前記雌型の型合わせに際して外周側に嵌め 合わせられる前記筒状嵌合部における開口側の内周面を、 開口方 向に拡開させて、 それら雄型と雌型の型合わせに際して内周側に 嵌め合わせられる前記筒状嵌合部を嵌め合わせ方向に案内する嵌 合案内面を形成した構成が、 好適に採用され得る。 このよ うな嵌 合案内面を設けることにより、 雌雄両型の型合わせを容易に行う ことが可能となつて成形作業性の向上が図られ得る。

さ らに、 本発明に従う構造とされたコンタク ト レンズ用成形型 においては、 前記雄型および前記雌型において、 前記型合わせに 際して外周側に嵌め合わせられる前記筒状嵌合部と、 該筒状嵌合 部に当接せしめられる前記嵌合突部とを、 互いに異なる材料で形 成することも可能であり、 特に、 かかる嵌合突部を、 該嵌合突部 が当接せしめられる筒状嵌合部よ り も変形し易い材質とすること が望ましい。 これにより、 嵌合突部を目的とする形状により安定 して変形させることが出来ると共に、 雌型の不必要な変形に起因 して成形キヤビティに生ぜしめられる寸法誤差が軽減乃至は回避 され得る。

また、 本発明に従う構造とされたコ ンタク ト レンズ用成形型に おいては、 雄型と雌型の型合わせ位置を相対的に規定するス 卜ッ パ手段を採用することも可能であり、 それによつて、 雌雄両型の 型合わせに際しての嵌合突部の変形状態が安定化され得ると共に、 雌雄両型の型合せ面間に成形キヤビティを目的とする形状でより 高精度に安定して形成することが可能となる。

更にまた、 本発明に従う構造とされたコンタク ト レンズ用成形 型において、 雌型および雄型の材料は、 成形キヤビティにおける コンタク ト レンズの成形操作に耐え得るに十分な剛性と強度を有 する材料を適宜に採用することが可能であり、 例えば、 各種の合 成樹脂や金属， ガラス， セラミ ッ クス等も採用可能であるが、 雄 型に対して嵌合突部を一体成形する場合には、 該嵌合突部におけ る変形容易性と必要な強度を確保するために、 少なく とも雄型は、 合成樹脂や軟質金属等で形成されることが望ましく、 例えばポリ プロ ピレン， ポリエチレン， ポリエチレンテレフタ レー 卜， ポリ スチレン， ポリカーボネート， ポリ塩化ビニル， ポリアミ ド， ポ リアセタール， フッ素樹脂等の熱可塑性或いは熱硬化性の合成樹 脂や、 アルミ ニウム合金， 銅， 金， 銀等の金属が、 雄型の材料と して好適に採用される。

また、 本発明に従う構造とされたコンタク ト レンズ用成形型に おいては、 コンタク ト レンズ成形後の型開きに際して、 成形され たコンタク ト レンズが雌雄何れか一方の型に安定して付着せしめ られるように、 例えば、 雌雄何れか一方の或いは両方の型の少な く ともキヤビティ形成面に対して、 高周波グロ一放電処理や、 コ ロナ放電処理， 紫外線照射処理、 大気圧プラズマ処理等を施した り、 或いは除去可能な接着力を発揮し得る接着剤を用いた成形面 処理など、 離型性を調節する公知の各種手法を採用することが有 効である。 このよ うに型開きに際して成形されたコ ンタク ト レン ズが付着する方の型を特定することによって、 コンタク ト レンズ の脱型等の成形後の処理が容易となる。

一方、 コンタク ト レンズの製造方法に関する本発明の特徴とす るところは、 上述の如き本発明に従う構造とされたコンタク ト レ ンズ用成形型を用い、 前記雌型と前記雄型を型合わせして、 それ ら雌雄両型の型合せ面間に形成された成形キャビティに充塡せし めた所定の重合性材料を重合することによってコンタク ト レンズ を製造するに際して、 前記雌型と前記雄型の型合わせにより、 前 記外周側に嵌め合わせられる筒状嵌合部に対して、 前記内周側に 嵌め合わせられる筒状嵌合部に突設された嵌合突部を圧接させて 変形させることにより、 前記成形キャビティの外周部分を閉鎖す ると共に、 該嵌合突部を前記内周側と外周側の嵌合壁間の径方向 の隙間に充塡して、 それら雄型と雌型に対して嵌合固定力を及ぼ すようにしたことにある。

このような本発明方法に従えば、雌雄両型の型合わせに際して、 一方の型に突設した嵌合突部を成形キャビティの外周縁部で他方 の型に当接させて積極的に変形させることにより、 成形キヤビテ ィの外周縁部を閉塞することが出来ると共に、 雌雄両型の嵌合壁 間の隙間を充塡して嵌合固定力を得ることが出来るのであり、 そ れ故、 小さな型合せ力によって、 成形キヤビティを閉塞させてバ リ等の成形不良のないコンタク ト レンズを安定して製造すること が可能となると共に、 雌雄両型を型合せ状態に保持せしめる嵌合 固定力が有利に発揮され得て、 その後の重合等に際しての型の取 扱性が向上されて優れた生産性が実現可能となるのである。

なお、 本発明に従うコンタク ト レンズの製造方法において、 雄 型と雌型を型合わせして、 閉塞された成形キヤビティを形成する と共に、 それら雌雄両型を嵌合固定せしめるに際しては、 雌雄両 型に対して 1 N〜 3 0 0 Nの型合せ力を及ぼすようにすることが 望ましい。 これにより、 雌雄両型におけるコンタク ト レンズの成 形面の変形を回避しつつ、 雄型または雌型に形成された嵌合突部 を目的とする形状に有利に変形させることが可能となる。 図面の簡単な説明

図 1 は、 本発明の第一の実施形態としてのコンタク ト レンズ用 成形型を構成する雌型および雄型の型合せ状態を示す縦断面図で ある。 図 2は、図 1 の要部を拡大して示す説明図である。 図 3は、 図 1 に示されたコンタク ト レンズ用成形型を構成する雄型を示す 縦断面図である。 図 4は、 図 3の要部を拡大して示す説明図であ る。 図 5は、 本発明の第二の実施形態としてのコンタク ト レンズ 用成形型を構成する雌型および雄型の型合せ状態を示す縦断面図 である。 図 6は、 図 5の要部を拡大して示す説明図である。 図 7 は、 図 5に示されたコンタク 卜 レンズ用成形型を構成する雄型を 示す縦断面図である。 図 8は、 図 7の要部を拡大して示す説明図 である。 図 9は、 本発明の別の実施形態としてのコンタク ト レン ズ用成形型の型合せ状態を示す要部拡大縦断面図である。 図 1 0 は、 本発明の更に別の実施形態と してのコンタク ト レンズ用成形 型を構成する雄型を示す要部拡大縦断面図である。 図 1 1 は、 本 発明の更に別の実施形態としてのコン夕ク ト レンズ用成形型を構 成する雄型を示す要部拡大縦断面図である。 図 1 2は、 本発明の 更に別の実施形態と してのコンタク 卜 レンズ用成形型を構成する 雄型を示す要部拡大縦断面図である。 図 1 3は、 本発明の更に別 の実施形態としてのコンタク ト レンズ用成形型の型合せ状態を示 す要部拡大縦断面図である。 図 1 4は、 本発明の更に別の実施形 態としてのコンタク 卜 レンズ用成形型の型合せ状態を示す要部拡 大縦断面図である。 図 1 5は、 本発明の更に別の実施形態として のコンタク ト レンズ用成形型を構成する雄型を示す要部拡大縦断 面図である。 図 1 6は、 本発明の更に別の実施形態としてのコン タク ト レンズ用成形型を構成する雄型を示す要部拡大縦断面図で ある。 図 1 7は、 本発明の更に別の実施形態としてのコン夕ク ト レンズ用成形型の型合せ状態を示す縦断面図である。 図 1 8は、 図 1 7に示されたコンタク ト レンズ用成形型を構成する雌型を示 す要部拡大縦断面図である。 図 1 9は、 図 1 7における要部拡大 縦断面図である。 図 2 0は、 本発明の更に別の実施形態としての コンタク ト レンズ用成形型の型合せ状態を示す縦断面図である。 図 2 1 は、 図 2 0に示されたコンタク ト レンズ用成形型を構成す る雌型を示す要部拡大縦断面図である。 図 2 2は、 図 2 0におけ る要部拡大縦断面図である。 発明を実施するための最良の形態

以下、 本発明を更に具体的に明らかにするために、 本発明の実 施形態について、 図面を参照しつつ、 詳細に説明する。

先ず、 図 1 には、 本発明の第一の実施形態としてのコンタク 卜 レンズ用成形型 1 0が、 示されている。 かかる成形型 1 0は、 雌 型 1 2 と雄型 1 4 によって構成されており、 互いに型合わせされ ることによって、 図示されているように、 それら雌雄両型 1 2 ， 1 の型合せ面間にコンタク ト レンズの成形キヤビティ 1 6が形 成されるようになつている。

より詳細には、 雌型 1 2は、 ポリプロピレン等の適当な合成樹 脂材によって一体成形品として形成されており、 その中央部分 1

8が、 軸方向一方 （図 1中の下方） に向かって突出する球殻形状 とされている。 そして、 この中央部分 1 8の凹側表面によって、 目的とするコンタク ト レンズのフロン トカーブに対応した凹状成 形面 2 0が形成されている。

また、 中央部分 1 8の外周縁部には、 凹状成形面 2 0の曲率中 心側、 即ち図 1 中の上側に向かって、 外側嵌合壁としての筒壁部 2 2がー体形成されている。 この筒壁部 2 2の内周面は、 凹状成 形面 2 0の外周縁部から軸方向に立ち上がる所定長さに亘る部分 が、 円筒形内周面形状の嵌合内周面 2 とされていると共に、 嵌 合内周面 2 4の更に開口部側には、 大きなテーパ角度で開口部側 に向かって拡開するテーパ筒形状の嵌合案内面 2 6が形成されて いる。 なお、 本実施形態では、 嵌合内周面 2 4にも、 開口側に向 かって僅かに広がる小さなテーパ角度が付されており、 それによ つて、 嵌合内周面 2 4が、 当接傾斜面として形成されている。 更にまた、 筒壁部 2 2の開口端縁部には、 円環板形状の鍔部 2 8がー体形成されている。 この鍔部 2 8は、 軸直角方向外方に向 かって突出する状態で、 周方向の全周に亘つて連続して形成され ており、 かかる鍔部 2 8によって、 筒壁部 2 2 と中央部分 1 8の 全体の剛性が向上されていると共に、 中央部分 1 8の凹状成形面 2 0における中心軸方向や水平方向を容易に決定することが出来 るようになっている。 なお、 雌型 1 2においては、 少なく とも凹 状成形面 2 0が、 型合わせ等に際して及ぼされる外力に対して十 分な変形抵抗力を発揮し得るように、 材質等を考慮して肉厚寸法 が設定されている。

一方、 雄型 1 4は、 雌型 1 2と同様に、 ポリプロピレン等の適 当な合成樹脂材で形成されており、 その中央部分 3 0が、 軸方向 一方（図 1 中の下方）に向かって突出する球殻形状とされている。 そして、 この中央部分 3 0の凸側表面によって、 目的とするコン 夕ク 卜 レンズのベースカーブに対応した凸状成形面 3 2が形成さ れている。

また、 中央部分 3 0の外周縁部には、 凸状成形面 3 2の曲率中 心側、 即ち図 1 中の上側に向かって内側嵌合壁と しての筒壁部 3 4がー体形成されている。 この筒壁部 3 4の外周面は、 下端部か ら軸方向に立ち上がる所定長さに直る部分が、 円筒形外周面形状 の嵌合外周面 3 6 とされている。 更にまた、 筒壁部 3 4の開口端 縁部には、 円環板形状の鍔部 3 8がー体形成されている。 この鍔 部 3 8は、 軸直角方向外方に向かって突出する状態で、 周方向の 全周に亘つて連続して形成されており、 かかる鍔部 3 8によって、 筒壁部 3 4 と中央部分 3 0の全体の剛性が向上されていると共に、 中央部分 3 0の凸状成形面 3 2における中心軸方向や水平方向を 容易に決定することが出来るようになつている。 なお、 雄型 1 4 においても、 雌型 1 2 と同様に、 型合せ力等の作用によって凸状 成形面 3 2が変形しないように、 材質等を考慮して各部の肉厚寸 法が設定されている。

ここにおいて、 雄型 1 4の中央部分 3 0は、 雌型 1 2の中央部 分 1 8よ り も一回り小さ く されており、 雄型 1 4 の筒壁部 3 4 に おける嵌合外周面 3 6の外径寸法が、 雌型 1 2の筒壁部 2 2 にお ける嵌合内周面 2 4の内径寸法より も所定量だけ小さ く設定され ている。 これによ り、 図 1及び図 2に示されているように、 雌型 1 の筒壁部 2 2に対して、 該筒壁部 2 2の開口部から雄型 1 4 の筒壁部 3 4が嵌め合わされることによって、 雌雄両型 1 2 , 1 4が、 互いに型合わせされるようになっている。 また、 そのよう に雌雄両型 1 2 ， 1 4 を型合わせした状態下において、 雌型 1 2 の筒壁部 2 2における嵌合内周面 2 4 と、 雄型 1 4の筒壁部 3 4 における嵌合外周面 3 6の径方向対向面間には、 僅かな隙間 4 0 が、 周方向に連続して形成されるようになっている。

さ らに、 雄型 1 4 には、 凸状成形面 3 2の外周縁部が凸状成形 面 3 2の曲率中心側で凸となる湾曲形状乃至は屈曲形状の断面で 周方向全周に亘つて連続して延びる'ショルダ部分 4 1 が形成され ている。 そして、 このショルダ部分 4 1 の外周縁部が、 筒壁部 3 4における嵌合外周面 3 6の下端縁部に対して接続されており、 かかる接続部分において、 嵌合突部としての薄肉フィ ン 4 2がー 体形成されている。 この薄肉フイ ン 4 2は、 雄型 1 4 を単体で示 す図 3〜 4 にも示されているように、 薄肉の円環板形状を有して おり、 嵌合外周面 3 6の下端縁部から軸直角方向に広がる状態で、 雄型 1 4に一体成形されている。 なお、 かかる薄肉フイ ン 4 2の 肉厚寸法は、 レンズエツジ部分を有利な形状で成形すると共に、 薄肉フイ ン 4 2 自体の強度と屈曲変形性を両立して発揮し得るよ うに、 0 . 0 0 5〜 0 . 0 5 mmの範囲内で設定されることが望ま しい。 また、 薄肉フィ ン 4 2の突出寸法は、 雌雄両型 1 2， 1 4 の型合せ状態下で嵌合内周面 2 4 と嵌合外周面 3 6の間に形成さ れる隙間 4 0よ り も大きく設定されることとなり、 好ましくは隙 間 4 0の 2倍以上の突出高さ寸法で形成される。

そして、 雌型 1 2 と雄型 1 4が型合わせされた際に、 雄型 1 4 に突設された薄肉フイ ン 4 2が、 雌型 1 2の筒壁部 2 2の内面、 即ち嵌合案内面 2 6 と嵌合内周面 2 4 に当接せしめられることに より、 筒壁部 2 2の開口部側に向かって軸方向一方の側に屈曲せ しめられて、 それら嵌合案内面 2 6 と嵌合内周面 2 4に沿って曲 げられるようになっている。 これにより、 雌雄両型 1 2， 1 4 の 型合せ状態下においては、 図 2に示されているように、 薄肉フィ ン 4 2が、 周方向の全周に直って略基端部分で屈曲されて、 薄肉 フィ ン 4 2 自体の弾性等に基づいて、 かかる薄肉フィ ン 4 2が、 雌型 1 の嵌合内周面 2 4 に対して密接状態で重ね合わせられる ようになつている。

従って、 上述の如き構造とされたコンタク 卜 レンズ用成形型 1 0にあっては、雌雄両型 1 2， 1 4 を型合わせすることによって、 雄型 1 4 に突設された薄肉フィ ン 4 が雌型 1 2に対する密接状 態で弾性的に保持されることにより、 それら雌雄両型 1 2 , 1 4 間の隙間 4 0が該薄肉フイ ン 4 2で閉塞され得るのであり、以て、 雌雄両型 1 2， 1 4 の成形面 2 0， 3 2の対向面間に形成された 成形キャビティ 1 6の外周縁部が、 かかる薄肉フイ ン 4 2によつ て閉塞されて、 目的とするコンタク ト レンズに対応した形状の密 閉状態の成形キヤビティが形成され得るのである。

また、 薄肉フィ ン 4 2は、 雌雄両型 1 2 , 1 4 に所定の型合せ 力を加えることに屈曲せしめられた後、 薄肉フイ ン 4 2 自体の弾 性等に基づいて雌型 1 2の嵌合内周面 2 4に対して圧接状態に保 持されることから、 雌雄両型 1 2， 1 4の間に有効な嵌合固定力 が及ぼされ得るのである。

なお、 上述の如き雌型 1 2および雄型 1 4 は、 従来から公知の 樹脂成形法によつて製造することが可能であり、 例えば目的とす る雌型 1 2や雄型 1 4 の外形形状を与える成形キヤビティを形成 する成形金型を用いて、 射出成形等によって有利に製造され得る。 そして、 このような雌型 1 2 と雄型 1 4 からなるコンタク ト レ ンズ用成形型 1 0を用いて、 目的とするコンタク ト レンズをモ一 ルド成形 （重合） するに際しては、 先ず、 雌型 1 2 を鉛直上方に 向かって開口した状態で支持せしめて、 その中央部分 1 8の凹状 成形面 2 0によって形成された受け皿状の領域に、 目的とするコ ンタク 卜 レンズを得るための適当な重合性材料を供給する。 なお、 かかる重合性材料としては、 従来から、 ソフ トコンタク ト レンズ ゃハ一ドコンタク ト レンズの原料と して使用されている公知の各 種の液状のモノマー組成物が適宜に採用され得る。 そして、 その ようなモノマ一組成物は、 一般に、 従来から用いられているラジ カル重合可能な化合物の 1種若しく は 2種以上が配合されてなる ものであるが、 また、 マクロマーやプレボリマ一から構成される ものであっても、 何等差し支えない。 また、 そのような化合物に は、 必要に応じて、 適当な架橋剤や、 重合開始剤、 例えば熱重合 開始剤、 光重合開始剤等や増感剤等の添加剤が配合されて、 液状 のモノマー組成物とされる。

その後、 雌型 1 2に対して、 雄型 1 4 を、 それらの中心軸を一 致させた状態下で、 鉛直上方から重ね合わせる。 この雌雄両型 1 2 , 1 4の重ね合わせは、 雌型 1 2の嵌合案内面 2 6 に沿って雄 型 1 4の筒壁部 3 を軸方向に嵌め込んで、 更に所定大きさの型 合せ力を雌型 1 2 と雄型 1 4 の間に軸方向に及ぼすことによって、 雌型 1 2の嵌合内周面 2 4に雄型 1 4の嵌合外周面 3 6を嵌め合 わせ、 雌型 1 2の凹状成形面 2 0に対して雄型 1 4の凸状成形面 3 2を重ね合わせるようにして行う。

なお、 これら雌雄両型 1 2 , 1 4の重ね合わせに際しては、 例 えば雌雄両型 1 2 , 1 4の鍔部 2 8 , 3 8の軸方向間に適当な厚 さのスぺ一サを介在せしめることによって、 雌雄両型 1 2 , 1 4 の相対的な軸方向位置関係が設定され得る。

このようにして雌雄両型 1 2 , 1 4 を軸方向に重ね合わせ、 軸 方向に所定の型合せ力 （型締力） を雌雄両型 1 2 ， 1 4 に及ぼし て、 それら雌雄両型 1 2 , 1 4 を相対的に位置決めすることによ り、 前述の如く、 雌雄両型 1 2 ， 1 4の嵌合内外周面 2 4 , 3 6 間の隙間 4 0を薄肉フィ ン 4 2で閉塞せしめると共に、 それら雌 雄両型 1 2 ， 1 4 を薄肉フィ ン 4 2で嵌着固定せしめる。

そして、 このような型合せ状態下で雌雄両金型 1 2 ， 1 4の凹 凸成形面 2 0 , 3 2の対向面間に、 目的とするコンタク ト レンズ 形状に対応した形状の成形キヤビティ 1 6 を形成して、 雌型 1 2 の凹状成形面 2 0に供給せしめた重合性材料を、 雌雄両型 1 2 , 1 4の間で外周方向に押し広げるようにして成形キヤビティ 1 6 の全体に広げて充塡せしめる。 なお、 余剰の重合性材料は、 雌雄 両型 1 2 ， 1 4の隙間 4 0 を通じて成形キヤビティ 1 6の外に導 かれることとなる。

その後、 雌雄両型 1 2 ， 1 4 を型合せ状態に保持せしめたまま で、 型合せ力を解除して、 或いは解除しないで、 成形キヤビティ 1 6に充塡された重合性材料に対する重合処理を実施する。 かか る液状のモノマー組成物からなる重合性材料の重合は、 例えば、 通常の熱重合法に従って或いは通常の光重合法等に従って行なわ れることとなるが、 後者の光重合法を採用した場合にあっては、 U V光等の光を重合性材料に照射せしめる必要があるところから、 雌雄両型 1 2 ， 1 4の少なく とも何れか一方は、 光を透過し得る 材質、 特に望ましくは透明性の高い材質にて形成され、 そのよう な型を通じて導かれた光によって、 かかる重合性材料の重合を行 なうようにされる。 そして、 このようにして成形キヤビティ 1 6において重合性材 料を重合せしめることにより、 雌雄両型 1 2 , 1 4 の凹凸成形面 2 0 , 3 2の形状に対応した目的とする形状のコンタク ト レンズ が成形されることとなり、 続いて、 雌雄両型 1 2 , 1 4 を型開き させた後、 それら雌雄何れかの型 1 2 , 1 4 の成形面 2 0， 3 2 に付着したコンタク ト レンズを離型させて取り出すことによって、 コンタク ト レンズの製造が完了することとなる。

そこにおいて、 前述の如き本実施形態のコンタク ト レンズ用成 形型 1 0を採用したことによって、 雌雄両型 1 2 , 1 4の型合わ せに際して、 成形キヤビティ 1 6の外周縁部が安定して閉塞され て目的とする成形キヤビティ 1 6が高精度に形成され得ると共に、 雌雄両型 1 2， 1 4の型合せ状態への嵌合保持力が効率的に且つ 安定して発揮され得るのであり、 以て、 目的とするコンタク ト レ ンズを高い寸法精度で安定した作業性のもとに製造することが可 能となるのである。

次に、 図 5〜 8には、 本発明の第二の実施形態としてのコンタ ク 卜 レンズ用成形型 5 0が、 示されている。 なお、 本実施形態に おいては、 雄型における嵌合突部の別の具体例を示すものである ことから、 第一の実施形態におけるコンタク ト レンズ用成形型 1 0 と同様な構造とされた部材および部位にあっては、 それぞれ、 図中に、 第一の実施形態と同一の符号を付することにより、 それ らの詳細な説明を省略する。

すなわち、 かかるコンタク ト レンズ用成形型 5 0においては、 雄型 1 4の嵌合外周面 3 6の下端縁部に対して、 第一の実施形態 における薄肉フィ ン 4 2 (図 3参照） に代えて、 環状突起 5 2が 形成されている。 この環状突起 5 2は、 雄型 1 4の凸状成形面 3 2の外周縁部における内側嵌合壁としての筒壁部 3 4 の立上り角 部、 換言すればショルダ部分 4 1 の外周縁部に固設されている。 特に本実施形態では、 筒壁部 3 4の立上り角部から径方向外方に は突出することなく、 軸方向下方に向かってだけ山形断面形状を もって突設されており、 略一定の断面形状で周方向の全周に亘っ て連続して延びる環体形状とされている。

なお、 環状突起 5 2は、 雄型 1 4 と一体成形されていても良い が、 好適には、 雄型 1 4や雌型 1 2 より も塑性変形し易い材質に よつて形成される。 このような別材質の環状突起 5 2は、 例えば 二色成形の技術を利用することによって、 雄型 1 4の成形と略同 時に形成することが可能である。

そして、 かかる環状突起 5 2は、 雄型 1 4の嵌合外周面 3 6 を 軸方向下方に直線的に延長させたような外周面を備えており、 該 環状突起 5 2の外径寸法が、 雌型 1 1の嵌合内周面 2 4の最小内 径寸法よ りも大きく設定されている。

これにより、 本実施形態のコンタク ト レンズ用成形型 5 0にお いても、 雌雄両型 1 2 , 1 4 を型合わせすることによって、 図 6 に示されているように、 雄型 1 4の環状突起 5 2が雌型 1 2にお ける当接傾斜面としての嵌合内周面 2 4に当接せしめられて、 嵌 合内周面 2 4 の摩擦抵抗によって開口部側に引きずられるように して次第に底部側に圧縮変形せしめられることとなり、 その結果、 変形した環状突起 5 2によって、 成形キャビティ 1 6の外周縁部 が閉塞されて目的とする密閉状態の成形キヤビティ 1 6が形成さ れると共に、 雌雄両型 1 2 , 1 4 の嵌合内外周面 2 4 ， 3 6間の 隙間 4 0が充塡されるのである。

それ故、 本実施形態においても、 第一の実施形態と同様に、 雌 雄両型 1 2 ， 1 4 の型合わせに際して、 それら雌雄両型 1 2， 1 4が有利に嵌合固定され得ると共に、 目的とする成形キヤビティ 1 6が閉塞状態で安定して形成されることとなり、 目的とするコ ンタク ト レンズを高精度に且つ安定して製造することが出来るの である。

以上、 本発明の実施形態について詳述してきたが、 これらはあ く までも例示であって、 本発明は、 かかる実施形態における具体 的な記載によって、 何等、 限定的に解釈されるものでない。

例えば、 図 9に示されているように、 前記第一の実施形態に示 されている如き薄肉フィ ン 4 2 を備えた雄型 1 4 を採用するに際 して、 雌型 1 2の当接傾斜面 5 6を湾曲したテーパ付き断面形状 をもって次第に底部側に行く に従って小径化するように形成して も良く、 このような湾曲したテーパ付き断面形状の当接傾斜面 5 6においても、 第一の実施形態と同様な効果が有効に発揮され得 る。

また、 雄型 1 4 に形成する薄肉フィ ンと して、 例えば、 図 1 0 や図 1 1 に示されているように、 雌型 1 2に対する型合わせ方向 後方に向かって傾斜した傾斜形薄肉フィ ン 6 0 , 6 2を採用する ことも可能であり、 或いは、 図 1 2に示されているように、 雌型 1 2に対する型合わせ方向後方に向かって傾斜すると共に、 湾曲 した断面形状の湾曲傾斜フィ ン 6 4 を採用することも可能である。 このような傾斜形の薄肉フィ ン 6 0 , 6 2 , 6 4 を採用すれば、 雌雄両型 1 1 , 1 4の型合わせに際しての薄肉フィ ン 6 0 , 6 2 , 6 4の雌雄両型 1 2 , 1 4 の嵌合面間の隙間への倒れ込み的な屈 曲変形がよ りスムーズに実現され得る。

更にまた、 前記第二の実施形態に示されている如き環状突起 5 2を備えた雄型 1 4 を採用するに際して、 かかる環状突起 5 2が 当接せしめられる雌型 1 2の当接傾斜面を、 図 1 3に示されてい るように、 より傾斜角度が大きいテーパ状傾斜面 6 6 とすること も可能であり、 或いは、 図 1 4 に示されているように、 湾曲断面 形状に底部側に行く に従って一層小径化する湾曲傾斜面 6 8 とす ることも可能である。 このようなテーパ状傾斜面 6 6や湾曲傾斜 面 6 8を採用すれば、 型合わせに際しての環状突起 5 2の当接傾 斜面に対する当接力をよ り有効に得ることが可能となる。 なお、 図 1 3に示された雌型 1 2においては、 テ一パ状傾斜面 6 6の開 口部側に連続して、 軸方向外方に拡開して形成されて、 型合わせ に際して雄型 1 4 を案内する嵌合案内面 6 7が設けられている。 さらに、 雄型 1 4における環状突起として、 例えば、 図 1 5や 図 1 6に示されているように、 雄型 1 4 の嵌合外周面 3 6から更 に径方向外方に向かって突出する環状突起 7 0 , 7 2 を採用する ことも可能である。 特に、 このような径方向突出タイプの環状突 起 7 0， 7 2を採用することにより、 環状突起 5 における雌型 1 2の当接傾斜面に対する当接力をより有効に得ることが可能と なり、 雌雄両型 1 2 , 1 4の嵌合固定力をより効果的に得ること が可能となる。

なお、 図 1 5や図 1 6に示されているように、 雄型 I 4 の嵌合 外周面 3 6において、 凸状成形面 3 2 を形成する中央部分 3 0の 外周端縁部と筒壁部 3 4 の嵌合外周面 3 6 との接続角部から径方 向外方に向かって突出し、 筒壁部 3 4 の軸方向上方に向かって次 第に突出高さが小さ く なるテ一パ状外周面を備えた環状突起 7 0 , 7 2を形成するに際しては、 例えば、 雄型 1 4 を合成樹脂材で形 成して、 その筒壁部 3 4 における成形収縮を利用することにより、 形成することも可能である。 即ち、 筒壁部 3 4 においては、 径方 向への変形を伴う成形収縮が、 中央部分 3 0によって拘束される 筒壁部 3 4の軸方向下端部よ り も筒壁部 3 4の軸方向中央部分の 方が大きくなる傾向にあることから、 かかる成形収縮を利用する ことによって、 成形用金型におけるアンダカッ ト形状を回避しつ つ目的とする環状突起 7 0， 7 2 を容易に形成することが可能と なる。

加えて、 前記実施形態では、 何れも、 凹状成形面 2 0を備えた 雌型 1 に外側嵌合壁としての筒壁部 2 2が形成されると共に、 凸状成形面 3 2 を備えた雄型 1 4 に内側嵌合壁としての筒壁部 3 が形成されており、 該雄型 1 4の凸状成形面 3 2 と筒壁部 3 4 の境界の角部に対して嵌合突部と しての薄肉フイ ン 4 2や環状突 起 5 2が形成されていたが、 それとは反対に、 雌型 1 2に内側嵌 合壁を設けると共に、 雄型 1 4 に外側嵌合壁を設けて、 該雌型 1 2に嵌合突部を形成することも可能である。

具体的には、 例えば、 図 1 7〜 1 9に本発明の実施形態として のコンタク ト レンズ用成形型 8 0が、 示されている。 かかる成形 型 8 0は、 雌型 8 2 と雄型 8 4 によつて構成されており、 互いに 型合わせされることによって、 図示されているように、 それら雌 雄両型 8 2 , 8 4の型合せ面間にコンタク ト レンズの成形キヤビ ティ 8 6が形成されるようになつている。

そこにおいて、 雌型 8 2は、 中央部分 8 8が、 軸方向一方 （図 中の下方） に向かって突出する球殻形状とされており、 この中央 部分 8 8の凹側表面によって、 目的とするコンタク ト レンズのフ ロン 卜カーブに対応した凹状成形面 9 0が形成されている。 また、 中央部分 8 8の外周縁部には、 凹状成形面 9 0の曲率中心と反対 側、 即ち図中の下方に向かって、 内側嵌合壁としての筒壁部 9 2 がー体形成されている。 この筒壁部 9 2は、 軸方向下方に向かつ て拡開するテ一パ付きの筒形状とされており、 中央部分 8 8より も軸方向下方に延びだしていると共に、 下端開口周縁部には、 径 方向外方に広がる鍔部 9 4がー体形成されている。

一方、 雄型 8 4は、 中央部分 9 6が、 軸方向一方 （図中の下方） に向かって突出する球殻形状とされており、 この中央部分 9 6の 凸側表面によって、 目的とするコンタク ト レンズのベースカーブ に対応した凸状成形面 9 8が形成されている。 また、 中央部分 9 6の外周縁部には、 凸状成形面 9 8の曲率中心と反対側、 即ち図 中の下方に向かって、 外側嵌合壁としての筒壁部 1 0 0がー体形 成されている。 この筒壁部 1 0 0は、 軸方向下方に向かって拡開 するテーパ付きの筒形状とされており、 中央部分 9 6 より も軸方 向下方に延び出していると共に、 下端開口周縁部には、 径方向外 方に広がる鍔部 1 0 2がー体形成されている。

ここにおいて、 雄型 8 4の筒壁部 1 0 0の内周面 1 0 4は、 雌 型 8 2の筒壁部 9 2の外周面に比して、 テーパ角度が大きく設定 されており、 小径側端部の内径寸法が僅かに小さ く されていると 共に、 大径側端部の内径寸法が大きく されている。 これにより、 図 1 7に示されている如く、 雄型 8 4の筒壁部 1 0 0の内周面 1 0 が嵌合案内面とされて、 雌雄両型 8 2 , 8 4 の型合わせに際 して、 雌型 8 2の筒壁部 9 2の小径側端緣部が、 かかる雄型 8 4 の筒壁部 1 0 0の内周面 1 0 4によつて案内されて所定の型合わ せ位置に導かれるようになつている。

さ らに、 雌型 8 2の要部を単体で示す図 1 8に示されているよ うに、 雌型 8 2における筒壁部 9 2の小径側端部には、 嵌合突部 と しての薄肉フイ ン 1 0 6がー体形成されている。 この薄肉フィ ン 1 0 6は、 第一の実施形態の雄型に一体形成された薄肉フィ ン と同様な薄肉の円環板形状を有しており、 凹状成形面 9 0の外周 縁部と筒壁部 1 0 0の外周面の小径側端緣部との接続部位である 鋭角的な先鋭状の角部先端から略軸直角方向に広がる状態で、 雌 型 8 2に一体成形されている。

このような本実施形態のコンタク ト レンズ用成形型 8 0におい ても、 第一の実施形態と同様に、 図 1 9に示されている如く、 雌 型 8 2 と雄型 8 4が型合わせされた際に、 雌型 8 2に突設された 薄肉フィ ン 1 0 6力、、 雄型 8 の筒壁部 1 0 0の内周面 1 0 4 に 当接せしめられることにより、 筒壁部 9 2の開口部側に向かって 屈曲せしめられて、 薄肉フイ ン 1 0 6 自体の弾性等に基づいて、 雄型 8 の筒壁部 1 0 0の内周面 1 0 4 に対して密接状態で重ね 合わせられることとなり、 それによつて、 雌雄両型 8 2， 8 4の 成形面 9 0 . 9 8の対向面間に形成された成形キャビティ 8 6の 外周縁部が薄肉フイ ン 1 0 6で閉塞されて、 目的とするコン夕ク ト レンズに対応した形状の密閉状態の成形キヤビティ 8 6が形成 され得るのである。

更にまた、 上記図 1 7〜 1 9に示された実施形態において採用 されていた薄肉フィ ンに変えて、 前記第二の実施形態において採 用されていたような環状突起を採用することも可能である。 その 一実施形態を、 図 2 0〜 2 2に示す。 なお、 これら図 2 0〜 2 2 において、 上記図 1 7〜 1 9に示された実施形態と同様な構造と された部材および部位については、 それぞれ、 図中に、 図 1 7〜

1 9 と同一の符号を付することにより、 それらの説明を省略する。 すなわち、 本実施形態では、 図 2 1 に示されているように、 雌 型 8 2における凹状成形面 9 0の外周縁部と筒壁部 1 0 0の外周 面の小径側端緣部との接続部位である鋭角的な先鋭状の角部先端 から軸方向及び軸直角方向に突出する状態で、 突起状断面をもつ て周方向に連続して延びる環体状をもって、 環状突起 1 1 0が、 雌型 8 2に一体成形されている。

このような環状突起 1 1 0を備えた本実施形態のコンタク ト レ ンズ用成形型 1 1 2においても、 第二の実施形態と同様に、 図 2 2に示されている如く、 雌型 8 2 と雄型 8 4が型合わせされた際 に、 雌型 8 4に突設された環状突起 1 1 0が、 雄型 8 4の筒壁部 1 0 0の内周面 1 0 4 に当接せしめられて潰されることによ り、 雄型 8 4 の筒壁部 1 0 0の内周面 1 0 4 に対して密接状態で重ね 合わせられることとなり、 それによつて、 雌雄両型 8 2， 8 4の 成形面 9 0， 9 8の対向面間に形成された成形キヤビティ 8 6の 外周縁部が、 潰れた環状突起 1 1 0によって閉塞されて、 目的と するコンタク 卜 レンズに対応した形状の密閉状態の成形キヤビテ ィ 8 6が形成され得るのである。

以上、 本発明の実施形態について詳述してきたが、 これらはあ く までも例示であって、 本発明は、 かかる実施形態における具体 的な記載によって、 何等、 限定的に解釈されるものでない。

例えば、 薄肉フィ ンを採用する場合に、 薄肉フィ ンの肉厚寸法 を、 外周側に行く に従って薄肉となるように変化させることも可 能である。

また、 薄肉フィ ンを、 例えば薄肉樹脂シー卜等を雄型 1 4の凸 状成形面 3 2に被着させて、 該薄肉樹脂シートの外周緣部を凸状 成形面 3 2の外周縁部から径方向外方に張り出させること等によ つて、 雄型 1 4 に対して固着形成することも可能である。

更にまた、 雄型 1 4 における凸状成形面 3 2の外周縁部から嵌 合外周面 3 6の下端縁部にかけて、 それぞれ周方向に延びる環状 形態をもって、環状突起 5 2を複数条形成するようにしても良い。

また、 雄型 1 4 に突設された環状突起 5 が当接せしめられる 環状の突起を、 雌型 1 1の嵌合内周面 2 4等に形成するようにし ても良い。

その他、 一々列挙はしないが、 本発明は、 当業者の知識に基づ いて、 種々なる変更， 修正， 改良等を加えた態様において実施さ れ得るものであり、 また、 そのような実施態様が、 本発明の趣旨 を逸脱しない限り、 何れも、 本発明の範囲内に含まれるものであ ることは、 言うまでもないところである。 産業上の利用可能性

上述の説明から明らかなように、 本発明に従う構造とされたコ ンタク ト レンズ用成形型においては、 型合わせされる一方の型に 突設した嵌合突部を他方の型に当接させて変形させることによつ て、 成形キヤビティの外周縁部が閉塞せしめられると同時に、 雌 雄両型の嵌合壁間の隙間が充塡されて雌雄両型の嵌合固定力が発 揮されることから、 目的とするコンタク ト レンズを安定して高精 度に成形することが可能となるのである。

また、 本発明におけるコン夕ク ト レンズの製造方法に従えば、 雌雄両型を型合わせすることにより、 一方の型に突設した嵌合突 部が他方の型に当接して変形し、 成形キャビティの外周縁部にお ける型合せ面が安定して閉塞され得ると共に、

雌雄両型が有効な嵌合固定力をもって型合せ状態に維持され得る ことから、 目的とするコンタク ト レンズの成形を高精度に且つ安 定して実施することが可能となるのである。

Claims

請 求 の 範 囲

1 . 凹形成形面を備えた雌型と、 凸形成形面を備えた雄型を含ん で構成されて、 それら雌雄両型の型合せ面間にコンタク ト レンズ の成形キャ ビティを形成するコンタク ト レンズ用成形型であって、 前記雄型における前記凸形成形面の外周部分と前記雌型におけ る前記凹形成形面の外周部分においてそれぞれ軸方向一方の側に 向かって延びる筒状嵌合部を設けて、 該雄型と該雌型の型合わせ に際してそれら筒状嵌合部が互いに径方向で隙間を隔てて嵌め合 わせられるようにする一方、 該雄型と該雌型のうち内周側に嵌め 合わせられる該筒状嵌合部を備えた方の型における前記凸形乃至 は凹形の成形面の外周緣部に対して、 周方向全周に亘つて連続し て延びる嵌合突部を突出形成して、 該雄型と該雌型の型合わせに 際して、 かかる嵌合突部が該雄型と該雌型のうち外周側に嵌め合 わせられる前記筒状嵌合部を備えた方の型における前記凸形乃至 は凹形の成形面の外周側に当接して型合せ力によつて変形せしめ られるようにすることによ り、 該嵌合突部によつて前記成形キャ ビティの外周部分が閉鎖されると共に、 該嵌合突部によって前記 内外の筒状嵌合部間の径方向の隙間が充塡されて、 該雄型と該雌 型の嵌合固定力が発揮されるようにしたことを特徴とするコン夕 ク ト レンズ用成形型。

2 . 前記嵌合突部を、 前記雄型の前記凸形成形面または前記雌型 の前記凹形成形面の外周縁部における前記筒状嵌合部の立上り角 部から外周側に向かって広がる円環板状の薄肉フィ ンによって構 成して、 前記雄型と前記雌型の型合わせに際して、 該薄肉フィ ン がそれら両型の型合わせ方向後方に向かって前記成形キャ ビティ と反対側に屈曲して、 前記雄型と前記雌型の型合わせに際して外 周側に嵌め合わせられる前記筒状嵌合部の内周面に対して密接状 態で圧接せしめられるようにした請求項 1 に記載のコンタク ト レ ンズ用成形型。

3 . 前記薄肉フィ ンを、 前記雄型と前記雌型における前記各筒状 嵌合部の型合わせ方向後方に向かって傾斜させて突設した請求項 2に記載のコンタク ト レンズ用成形型。

4 . 前記薄肉フィ ンを備えた前記雄型または前記雌型を複数の組 合せ金型を固定的に組み合わせることによつて形成するど共に、 それら複数の組合せ金型の金型組合せ面を、 該薄肉フィ ンの突出 方向先端部分に設けることによ り、 該薄肉フィ ンを備えた雄型又 は雌型における前記凸形または凹形の成形面を一つの組合せ金型 によって形成した請求項 2又は 3に記載のコンタク ト レンズ用成 形型。

5 . 前記薄肉フィ ンを備えた前記雄型または前記雌型を合成樹脂 材で形成すると共に、該薄肉フィ ンの肉厚寸法を 0 . 0 0 5 〜 0 . 0 5 nunとした請求項 2乃至 4の何れかに記載のコンタク ト レンズ 用成形型。

6 . 前記嵌合突部を、 前記雄型の前記凸形成形面または前記雌型 の前記凹形成形面の外周縁部における前記筒状嵌合部の立上り角 部から軸方向及び/又は径方向の外方に向かって突出する鋭角的 な突出先端部をもって突設する一方、 前記雄型と前記雌型の型合 わせに際して外周側に嵌め合わせられる前記筒状嵌合部の内周面 に傾斜した当接傾斜面を設けて、 前記雄型と前記雌型の型合わせ に際して、 前記嵌合突部を該当接傾斜面に当接させて、 型合せ力 によって密接状態に変形せしめるようにした請求項 1 に記載のコ ンタク ト レンズ用成形型。

7 . 前記雄型においてレンズエツジ部の成形面を形成する前記凸 形成形面の外周縁部に対して、 該凸形成形面の曲率半径が位置す る側に向かって凸となるショルダ部分を設けると共に、 該ショル ダ部分の角部に前記嵌合突部を突出形成した請求項 1乃至 6の何 れかに記載のコンタク ト レンズ用成形型。

8 . 目的とするコンタク ト レンズの成形キヤビティを形成する前 記雄型と前記雌型の型合せ状態下で、 それら両型の前記内外嵌合 壁部間において、 前記径方向の隙間が 0〜 0 . 1 画の大きさで形 成されるようにした請求項 1乃至 7の何れかに記載のコンタク ト レンズ用成形型。

9 . 前記雄型と前記雌型の型合わせに際して外周側に嵌め合わせ られる前記筒状嵌合部の内周面において、 少なく とも前記凸形乃 至は凹形の成形面の外周部分で前記嵌合突部が当接せしめられる 領域を、 該成形面に近づく に従って次第に小径化するテ一パ状の 筒形傾斜面とした請求項 1 乃至 8の何れかに記載のコンタク ト レ ンズ用成形型。

1 0 . 前記雄型と前記雌型の型合わせに際して外周側に嵌め合わ せられる前記筒状嵌合部における開口側の内周面を、 開口方向に 拡開させて、 それら雄型と雌型の型合わせに際して内周側に嵌め 合わせられる前記筒状嵌合部を嵌め合わせ方向に案内する嵌合案 内面を形成した請求項 1 乃至 9の何れかに記載のコンタク ト レン ズ用成形型。

1 1 . 前記雄型および前記雌型において、 前記型合わせに際して 外周側に嵌め合わせられる前記筒状嵌合部と、 該筒状嵌合部に当 接せしめられる前記嵌合突部とを、 互いに異なる材料で形成した 請求項 1乃至 1 0の何れかに記載のコン夕ク ト レンズ用成形型。

1 2 . 請求項 1乃至 1 1 の何れかに記載のコンタク ト レンズ用成 形型を用い、 前記雌型と前記雄型を型合わせして、 それら雌雄両 型の型合せ面間に形成された成形キャビティに充塡せしめた所定 の重合性材料を重合することによってコンタク 卜 レンズを製造す るに際して、

前記雌型と前記雄型の型合わせにより、 前記外周側に嵌め合わ せられる筒状嵌合部に対して、 前記内周側に嵌め合わせられる筒 状嵌合部に突設された嵌合突部を圧接させて変形させることによ り、 前記成形キヤビティの外周部分を閉鎖すると共に、 該嵌合突 部を前記内周側と外周側の嵌合壁間の径方向の隙間に充塡して、 それら雄型と雌型に対して嵌合固定力を及ぼすことを特徴とする コンタク ト レンズの製造方法。

1 3 . 前記雄型と前記雌型の型合わせを、 1 N〜 3 0 0 Nの型合 せ力で行う請求項 1 2に記載のコンタク ト レンズの製造方法。