技術分野
本発明は、 平滑筋収縮作用を有する新規なぺプチド誘導体に関する。 背景技術
モチリンは、 22個のアミノ酸明残基を有する単一鎖ペプチドであり、 様々な種 類の動物の消化管 (GI) 粘膜における内分泌細胞から単離された (文献 1)
田
丄 t o, Z. Mo t i l i n and C I i n i c a lApp l i c a t i on. P e p t i d e s l 997, 18, 593— 608) 。 モチリンの生物学 的な機能はまだ十分に確認されていないが、 モチリンは多くの種類の動物におけ る G I運動を刺激することが知られていた (前掲書) 。
1973年にブタモチリン (pMTL) のアミノ酸配列が初めて確認された
(FVP I F TYGEL QRMQE KERNK GQ) (文献 2および 3) (B r own, J . C. ; Co ok, M. A. ; D rybu r gh, J. R. Mo t i l i n, a Ga s t r i c Mo t o r Ac t i v i t y S t imu l a t i ng Po l yp e p t i d e : The Comp l e t e Am i n o Ac i d S e quenc e. Can. J. B i o che m. , 1973, 51, 533-537. S c hub e r t, H. ; B r own, J. Co r r e c t i on t o Am i n o Ac i d S e qu enc e o f Po r c i ne Mo t i l i n. Can. J. B i o c he m. , 1 974, 52, 7-8. ) 。 ヒトのモチリンは 1985年に確認され、 ブ夕のモ チリンと同じであるが、 ィヌのモチリンとは 7番目、 8番目、 12番目、 13番目お よび 14番目の 5つの残基が異なることが見出された (文献 1および 4) 。
モチリンと幾つかの G I症状 (初期満腹 (e a r l y s a t i e t y) 、 腹 部膨満 (abdomi na l d i s t en s i on) , 吐き気、 嘔吐および食 欲不振) との生理学的関連が示唆されている。 モチリン類似化合物 (文献 5— 7) およびエリスロマイシン誘導体 (文献 8— 10) のようなモチリンァゴニス
トがこのような症状に有効であることが既に示唆されていた。 しかし、 モチリン レセプター (MTL— R) に結合した後のモチリンァゴニスト作用の詳細なメカ 二ズムは未だ解明されていなかった。 モチリンの生物学的および生理学的メカ二 ズムを解明し、 モチリンに関係する疾患の治療に応用するため、 低分子のモチリ ンァゴ二ストの発見が望まれていた。
本発明者らが報告した PMTLの構造活性相関 (SAR) において (文献 1 1) 、 N末端部分がその作用 (agon i sm) にとつて重要な役割を果たして いることが示唆された。 発明の開示
これらのことから、 本発明者らは、 N末端の小ペプチドでもァゴニスト作用を 有することになると仮定した。 本発明者らは、 モチリンの N末端部分のテトラべ プチドの収縮効果の増大を目的として、 テトラぺプチドの修飾に努力を集中した。 その結果、 本発明者らは、 式 1で表される新規なテトラペプチドのモチリンァゴ 二ストを合成することに成功した。 本発明は、 この知見に基づいて完成したもの である。
本発明は、 下式 (1)
(1)
(式中、
nは 0〜6の整数であり、
A rは置換されていてもよく他の環と縮合していてもよい芳香環または置換され ていてもよく他の環と縮合していてもよい複素環であり、
は置換されていてもよい直鎖または分岐鎖状の低級アルキル基であり、 R2は置換されていてもよい直鎖または分岐鎖状の低級アルキル基であり、 R3は水素原子または置換されていてもよい直鎖もしくは分岐鎖状の低級アルキ ル基であり、
Xはァミノ基、 ヒドロキシ基または低級アルコキシ基であり、
また、 Xがァミノ基である場合、 Xのアミノ基は R2の低級アルキル基と一緒に なって環を形成してもよい。 )
で表されるぺプチド誘導体を提供する。
また、 本発明は、 下式 (2 )
( 2 )
(式中、
nは 0〜: Lの整数であり、
は置換されていてもよい直鎖または分岐鎖状の低級アルキル基であり R2は置換されていてもよい直鎖または分岐鎖状の低級アルキル基であり R3は水素原子または直鎖もしくは分岐鎖状の低級アルキル基であり、
Xはァミノ基であり、
また、 Xのアミノ基は R2の低級アルキル基と一緒になつて環を形成してもよ い。 )
で表されるぺプチド誘導体を提供する。
さらに、 本発明は、 下式 (3 )
( 3 )
(式中、 は置換されていてもよい直鎖または分岐鎖状の低級アルキル基であ る)
で表されるぺプチド誘導体を提供する。
さらに加えて、 本発明は、 下式 (4)
( 4)
(式中、 は置換されていてもよい直鎖または分岐鎖状の低級アルキル基であ る)
で表されるぺプチド誘導体を提供する。
また、 本発明は、 上記式 (1 ) 〜 (4 ) で表される化合物を 1種または 2種以 上、 および薬剤学的に許容される担体を含む薬剤組成物を提供する。 発明を実施するための最良の形態
本発明において、 低級アルキル基の炭素数は 1〜8である。 本発明において、 置換されていてもよい直鎖または分岐鎖状の低級アルキル基に関して、 置換基を 有する直鎖または分岐鎖状の低級アルキル基の置換基の位置および数は特に限定 されず、 任意の 1以上の炭素原子に置換基を有することができる。 また、 同一の 炭素原子が 2以上の同一若しくは異なる置換基を有していてもよい。
置換基の種類は特に限定されないが、 例えば、 ヒドロキシ基、 アルキル基で炭 素数 1〜 6の 1個若しくは 2個のアルキル基で置換されていてもよいアミノ基、 力ルポキシル基等が挙げられる。 特に好ましい置換基はヒドロキシ基である。
本発明において、 置換基を有しない好ましい直鎖または分岐鎖状の低級アルキ ル基としては、 例えば、 メチル基、 ェチル基、 Π—プロピル基、 イソプロピル基、 n—ブチル基、 イソブチル基、 s e c—ブチル基、 t e r t—プチル基、 n—ぺ ンチル基、 n—へキシル基、 n—ォクチル基等が挙げられる。
本発明において、 置換基を有する好ましい直鎖または分岐鎖状の低級アルキル 基としては、 ヒドロキシメチル基、 1ーヒドロキシェチル基、 2—ヒドロキシェ チル基、 3—ヒドロキシ— n—プロピル基、 4ーヒドロキシ— n—ブチル基等を 例示することができる。
以下に本発明のぺプチド誘導体の一般合成法を記す。
一般合成法
本発明のペプチド誘導体は、 たとえば 「ペプチド合成の基礎と実験」 (丸善: 1 9 8 5年) 等に記載された、 固相若しくは液相による方法 (固相法若しくは液 相法) により合成される。
インドール環の 2 '位チォアルキル化は、 インドール環に、 トリクロ口酢酸、 塩酸、 酢酸などの酸類、 酢酸ナトリウム等の酸金属類、 トリェチルァミン等の塩 基類、 等の存在下、 非存在下で、 塩化チォアルキル等のハロゲン化チォアルキル 化合物を反応することにより、
もしくは、 N—プロモサクシイミド等のハロゲン化試薬の存在下、 スルフヒドリ ルアルキル化合物を反応することにより、
もしくは、 酢酸水銀、 銀トリフラ一ト等の重金属化合物存在下、 スルフヒドリル アルキル化合物やビスアルキルジスルフィド化合物を反応することによって、 行うことができる。
溶媒は、 テトラヒドロフラン (TH F ) 、 クロ口ホルム、 ジォキサン、 メ夕ノ ール、 ジクロルメタン等の有機溶媒、 もしくは、 酢酸、 トリフルォロ酢酸 (T F A) 等の酸類等、 当該化合物が溶解しうる溶媒であればよい。
望ましい反応条件としては、 トリフルォロ酢酸中にて、 銀トリフラート存在下、 ビスアルキルジスルフィド化合物またはアルキルチオールまたはアルキルチオ八 ライドとの反応が挙げられる (下記反応図式 1を参照) 。
反応図式 1
or
RrSH
or
RrS-halogen
(上記反応図式において、 は置換されていてもよい直鎖または分岐鎖の低級 アルキル基を表し、 R2は置換されていてもよい直鎖または分岐鎖状の低級アル キル基を表し、 R3は水素原子または置換されていてもよい直鎖もしくは分岐鎖 状の低級アルキル基を表し、 Xはァミノ基、 ヒドロキシ基または低級アルコシキ 基を表し、 h a l ogenはフッ素、 塩素、 臭素またはヨウ素を表し、 また、 Xがァミノ基である場合、 Xのアミノ基は R2の低級アルキル基と一緒に
なって環を形成してもよい。 )
固相法 (文献 16および 17) によるペプチドの合成は、 例えば、 MBHA— 樹脂上で Να— Bo c (Να_ t—ブチルォキシカルボ二ル) 基若しくは Να— F mo c (Να- 9一フルォレニルメチルォキシカルポニル) 基を用いて行なうこ とができる (文献 18および 19) 。
Ν "— B o c基に関しては、 次の保護アミノ酸を結合する前に、 33 - 50 % (ν/ν) トリフルォロ酢酸 (TFA) /ジクロロメタン (DCM) 溶液を用い て Να— Β 0 c基の脱保護を行なう。 ァシル化種 (a c y l a t i ng s p e c i e s) としては予め調製した Na— B o cアミノ酸対称酸無水物を利用する ことができる。 アミノ酸対称酸無水物は、 0. 5当量のジシクロへキシルカルポ ジイミド (D C C) を D CMに溶解した 1. 0当量の N K— B o cアミノ酸と反 応させることにより得られる。
Na— Fmo c基に関しては、 次の保護アミノ酸を結合する前に、 20% (v /v) ピぺリジン ZN, N—ジメチルホルムアミド (DMF) 溶液を用いて Να — Fmo c基を除去する。 すべての N "— Fmo cアミノ酸は N—ヒドロキシべ ンゾトリアゾール (H〇B t) を用いてそのペン夕フルオロフェニル (P f p) エステルとして結合することができる。
結合反応の完了はカイザー試験 (Ka i s e r t e s t) (文献 20) によ り確かめる。 上述の固相法により合成されたペプチドは、 側鎖を保護している基 に依存して、 TFA/トリメチルシリルトリフラート (TMSOT f ) /m—ク レゾール /チオア二ソール (100 : 28. 6 : 7. 47 : 1 6. 7 ; v/v) または TFAZTMSOT fZm—クレゾール Zチオア二ソール /エタンジチォ ール (100 : 12 : 6. 5 : 1 5 : 5 ; v/v) を用いて 0 °C若しくは室温で 1一 4時間処理することによって、 同時に脱保護し、 樹脂から回収する。 T r p のィンド一ル環の修飾は対応するジスルフィドを用いて銀トリフラートの存在下 で行なう (反応図式 2を参照) 。
反応図式 2
(上記反応図式 2において、 nは 0〜6の整数を表し、
A rは置換されていてもよく他の環と縮合していてもよい芳香環または置換され ていてもよく他の環と縮合していてもよい複素環を表し、
は置換されていてもよい直鎖または分岐鎖状の低級アルキル基を表し、 R2は 置換されていてもよい直鎖または分岐鎖状の低級アルキル基を表し、 R3は水素 原子または置換されていてもよい直鎖もしくは分岐鎖状の低級アルキル基を表し、 Xはァミノ基、 ヒドロキシ基または低級アルコシキ基を表し、
また、 Xがァミノ基である場合、 Xのアミノ基は R2の低級アルキル基と一緒に なって環を形成してもよい。 )
粗ペプチドは次いで、 ァセトニトリルに溶解した 0. 1%水性丁 八のリニァ グラジェント (l i ne a r g r ad i en t) を用いて溶離する分取逆相高 速液体クロマトグラフィー (RP— HPLC) によって精製する。 分析 RP— H P L Cにより均質であると認められたぺプチドフラクションは一緒にし、 濃縮し、 そして凍結乾燥する。 このようにして得られたペプチドは N M Rおよび質量分析 計 (FAB— MS) 等によって構造確認を行う事ができる (以下の表 3を参照) 。 本発明のペプチド誘導体を 1種または 2種以上、 および薬学的に許容し得る希 釈剤、 湿潤剤、 乳化剤、 分散剤、 補助剤、 防腐剤、 緩衝剤、 結合剤、 安定剤など の担体を適宜含む薬学的組成物として、 目的とする投与経路に応じ、 適当な任意 の形態にして投与することができる。
実施例
以下に本発明の実施例を示すが、 本発明はこれらの実施例に何ら限定されるも のではない。 使用材料
Na— Fmo cアミノ酸、 またはその P f pエステル、 および固相合成用樹脂 は M i 1 1 i Ge n/B i o s e a r c (Bu r l i ng t on, MA) また は渡辺化学 (Wa t anabe Chemi c a l) (日本) のいずれかから購
入した。 TFA、 TMSOT f、 1, 3—ジイソプロピルカルポジイミド (D I C) および HOB tは渡辺化学 (Wa t anabe Chemi c a l) (日 本) から購入した。 ジー n_プロピルジスルフイド、 n—才クチルジチォジダリ コール酸、 トリフルォロメ夕ンスルホン酸銀、 トリェチルァミン、 NH4F、 2 —メルカプトエタノール、 m—クレゾール、 エタンジチオールおよびチオア二ソ ールは東京化成工業 (Tokyo Chemi c a l I ndu s t ry) (日 本) から購入した。 ジメチルジスルフィドは半井テスク (Naka r a i Te s q u e (日本) から購入した。 DMF、 ジクロロメタン (DCM) および N— メチル—2—ピロリジノン (NMP) は国産化学 (Koku s an Ch emi c a 1 ) (日本) から購入した。 メタノール、 ジェチルエーテル、 n—へキサン、 NaOHおよび酢酸は純正化学 (J un s e i Chemi c a l) (日本) か ら購入した。 HP LC用ァセトニトリルおよび水は関東化学 (Kan t o Ch em i c a 1 (日本) または糸屯正ィ匕学 (J un s e i Ch emi c a l) (日本) から購入した。
固相ペプチド合成
ペプチドは Fmo c固相合成法に従って合成した (文献 16及び 17) 。 反応 は震盪機によって実施した。
ぺプチド精製
粗ペプチドは RP— HPLCによって精製した。 この RP—HPLCは、 C 1 8 YMC— P a c k S— 343— 15 (YMC、 日本) 、 15 m、 120 オングストローム、 20 X 25 Ommを用いた、 分取 HP LC (Wa t e r s s emi— p r e p s ye t em) を用いて行ない、 一定濃度の T FA (0.
1 %、 v/v) を含む水中でリニアァセトニトリルグラジェント ( 1 i n e a r a c e t on i t r i l e g r ad i e n t) (0— 60%) を用い、 10m 1Z分の流速で 60分間にわたって溶離した。 分析 HPLCによって精製された ペプチドのフラクションを凍結乾燥し、 得られた粉末はそれらの生物学的ァッセ ィまで— 20 °C以下で保存した。
ペプチド分析
最終生成物の純度は、 2つの異なるカラムとリニアグラジェント溶媒による方
式で日立 D— 7000HPLCシステムを使用して RP— HPLCにより確認し た。 一方の溶媒システム (A) は、 YMC— P a c k A— 302分析カラム (4. 6X 150 mm, 120オングストローム, 5 m粒子サイズ、 YMC、 日本) を用いて、 lm 1 分の速度で 25分間にわたって 100 : 0〜30 : 7 0 (0. 1%水性 TFA : 0. 1 %TFA含有ァセトニトリル) まで変化させた。 他方の溶媒システム (B) は、 a BONDAS PHERE 5 C 18 3 00オングストローム (3. 9X 15 Omm、 Wa t e r s) を用いて、 10m 1 /分の速度で 25分間にわたって 100 : 0〜 30 : 70または 100 : 0〜 2 : 98 (0. 1%水性丁 八:メタノール) まで変化させた。
NMRは、 J EOL JNM— A500、 Va r i an Me r cu ry 3 00、 および J EOL J NM— EX 270上で実施した。 スペクトルは、 DM SO— d6で測定した。 化合物の分子量は、 FAB—MS (VG70 - 250 S EQ, VG An a l y t i c a l, 英国) により測定した。 値は MH+で示し た。 参考例 1 : H-Phe-Va 1 -Tr p- I 1 e_NH2の合成
20% (vZv) ピぺリジン/ DMF溶液で MBHA—樹脂 (0. 79mmo 1 /g ; 3. 418 g) を 2回処理し、 DMFで 8回洗浄した。 次いで Να— F mo c— I 1 e— OP f p (3. 5当量) 加えて、 それから HOB t (3. 5当 量) を加えた。 結合反応混合物を震盪機上で室温で 3時間震盪した。 次いで樹脂 を DMFで 6回洗浄した。 続いて対応する Na— Fmo cアミノ酸 P f pエステ ル (Να— Fmo c— T r p—〇Ρ ί p、 N"_Fmo c— V a 1—〇P ί p、
N "— Fmo c— Ph e— OP f p) を順次結合し、 ペプチド鎖を伸長した。 各 結合サイクルにおいて次のような操作を行なつた。
(1) 20 % (vZv) ピぺリジン/ DMF溶液による 30分間の処理を 2回実 施。
(2) DM Fによる 8回の洗浄。
(3) アミノ酸活性エステルの結合。
(4) DMFによる 6回の洗浄。
最後のアミノ酸を上記の通り結合した後、 以下の工程を付加した。
(5) 20% (v/v) ピぺリジン/ DMF溶液による 30分間の処理を 2回実 施。
(6) DMFによる 8回の洗浄。
ペプチド鎖の伸長は、 Na— Fmo cアミノ酸 P f pエステル (3当量) と H OB t (3当量) とを用い DMF中で行なった。 すべての結合反応は震盪機上で 室温下 3— 30時間震盪することで行なった。 最後の N "— Fmo c基の脱保護 の後に、 ペプチド樹脂をメタノールで洗浄し、 真空乾燥して、 H_Ph e— Va 1— T r p— I 1 e一 MBHA—樹脂 (4. 725 g) を得た。
このペプチド—樹脂を TFA/TMSOT f /m—クレゾ一ル /チオアニソー ル /エタンジチオール (100 : 12 : 6. 5 : 1 5 : 5 ; v/v) を用いて、 0°Cで 2時間および室温で更に 2時間処理した。 溶液を濾過し、 冷ジェチルェ一 テル (500ml) および n—へキサン (1500ml) に滴下した。 沈殿した ペプチドを遠心分離によって集め、 ジェチルェ一テルと n—へキサン.(1 : 3) で洗浄し、 乾燥した。 残渣を 0°Cでメタノール (10ml) および水 (6ml) 中で 2—メルカプトエタノール (0. 2ml) で処理した。 得られた溶液を 0. 5時間かけてトリェチルァミンで pH 8. 0に調整し、 次いで、 酢酸を用いて p H4. 0まで酸性化した。 粗ペプチドを分取 HPLCによって精製した。 この分 取 HPLCは、 0. 1 %7K性 TFAに対して 0— 60 %の 0. 1%TFA含有ァ セトニトリルのリニアグラジェントを用い、 10m 1ノ分の流速で 60分間にわ たって行なった。 凍結乾燥した生成物は白色の非晶質固体であった。
収量: 0. 1 34 g (9%)
'H-NMR (DMS〇— d6) δ 0. 83 (12Η, m, 4XCH3) , 1. 06, 1. 37 (2Η, mm, CH2) , 1. 65 ( 1 H, m, CH) , 1. 98 (1 H, m, CH) , 2. 72— 3. 24 (4H, m, 2 XCH2) , 4. 1 3 (2 H, m, 2 X CH) , 4. 29 ( 1 H, m, CH) , 4. 67 (1H, m, C H) , 6. 94-7. 30 (10H, m, a r oma t i c— H) , 7. 62 (1H, d, J = 6. 9Hz, NH) , 8. 25 (2H, m, 2 XNH) , 8. 35 (1H, d, J = 9. 2Hz, NH)
実施例 1 : H-Ph e-Va 1 -T r p (2' — SCH2CH2OH) - l i e NH2 (1) の合成
ひ)
参考例 1の化合物 (H— Phe— Va 1— Tr p— I 1 e— NH2) (0. 1 91 , 0. 339mmo 1 ) を氷冷下でビス— ( 2—ァセトキシーェチル) ― ジスルフイド (0. 82 g, 3. 44mmo 1) の TFA (2 Oml) 溶液に加 え、 その後トリフルォロメタンスルホン酸銀塩 (0. 8449 g, 3. 29 mm
o 1) を加えた。 この溶液を氷冷下で 8時間、 室温で 120時間撹拌した。 減圧 下で溶媒を除去し、 残渣をメタノール (10ml) 中に溶解した。 この溶液を 1 N— Na〇H水溶液で 0. 5時間かけて pH 9に調整して濾過し、 次いで酢酸を 用いて pH4に酸性化した。 減圧下で溶媒を除去し、 得られた残渣を RP— HP LCで精製した。 凍結乾燥した生成物は白色の非晶質固体であった。
収量: 0. 108 g (50%)
Ή-NMR (DMSO-d6) δ 0. 80 (12Η, m, 4XCH3) , 1. 03, 1. 38 (2H, mm, CH2) , 1. 66 (1H, m, CH) , 1. 92 (1 H, m, CH) , 2. 77, 2. 87 (4H, mm, 2 XCH2) , 3. 04, 3. 20 (2H, dd, d d, J = 5. 9, 8. 3, 14. 2Hz, CH2) , 3. 47 (2H, m, CH2) , 4. 12 ( 1 H, d d, 1=7. 3, 8. 6H z, CH) , 4. 26 - (1H, d d, J = 6. 9, 8. 2Hz, CH) , 4. 6 8 (1H, d t, J = 6. 6, 7. 9Hz, CH) , 4. 91 ( 1 H, t, J ; ) . 6Hz, CH) , 6. 95 (2H, m, a r oma t i c— H) , 7. 03 (1H, t, J = 7. 4Hz, a r oma t i c— H) , 7. 12 (5H, s, a r oma t i c— H) , 7. 20 (1H, d, J = 7. 6Hz, a r oma t i c— H) , 7. 66 (1H, d, J = 8. 9Hz, NH) , 7. 69 ( 1 H, d, J = 7. 9Hz, NH) , 8. 19 ( 1 H, d, J = 7. 9Hz, NH) , 8. 40 (1H, d, J = 8. 9Hz, NH) 実施例 2 : H-Phe-Va 1 -Tr p (2 ' _SCH3) — I 1 e— NH2
(2) の合成
参考例 1の化合物 (H_Ph e—Va 1—T r p— I 1 e— NH2) (0. 5 89 g, 1. 05mmo 1 ) を氷冷下でジメチルジスルフイド (1. 028 g, 10. 9 mm o 1 ) の TFA (20ml) 溶液に加え、 その後トリフルォロメタ ンスルホン酸銀塩 (1. 308 g, 5. 09mmo 1 ) を加えた。 この溶液を冷 ジェチルエーテル (400ml) および n—へキサン (100ml) に滴下した。 沈殿したペプチドを遠心分離によって集め、 ジェチルエーテルで洗浄した。 残渣 をメタノール (30ml) , 酢酸 (30ml) および水 (20ml) に溶かし、 ジチオスレィトール (0. 8 g) を加え 1時間処理した。 沈殿物を遠心分離によ つて除去した。 減圧下で溶媒を除去し、 得られた残渣を分取 RP— HPLCによ
つて精製した。 凍結乾燥した生成物は白色の非晶質固体であった。
収量: 0. 322 g (43%)
Ή— NMR (DMSO— d6) δ 0. 81 (12Η, m, 4XCH3) , 1. 03 1. 34 (2H, mm, CH2) , 1. 64 (1H, m, CH) , 1. 93 (1 H, m, CH) , 2. 0 (3H, s , CH3) , 2. 87 (2H, m, CH2) , 3. 03, 3. 24 (2H, dd, d d, J = 6. 3, 8. 0, 13. 9Hz, CH2) , 4. 12 (2H, m, 2 XCH) , 4. 23 (1H, dd, J = 6. 9, 8. 3Hz, CH) , 4. 69 (1H, dd, J = 7. 1, 14. 4Hz, CH) , 6. 99 -7. 06 (4H, m, a r oma t i c— H) , 7. 17 (5H, m, a r oma t i c - H) , 7. 60 ( 1 H, d, J = 8. 9Hz, NH) , 7. 67 (1H, d, J = 7. 9Hz, NH) , 8. 21 ( 1 H, d, J = 7. 9Hz, NH) , 8. 44 ( 1 H, d, J = 8. 9Hz, NH) 実施例 3 : H-Phe-Va 1 -Tr p (2 ' — SCH2CH2CH3) — l i e— NH2 (3) の合成
H一 Phe-Val— HN
標題の化合物は、 参考例 1の化合物 (H— Ph e— Va l— T r p— l i e— NH2) (0. 592 g, 1. 05mmo 1 ) およびジ—n—プロピルジスルフ ィドから実施例 2に記載された方法に従い合成された。
収量: 0. 369 g (47%)
Ή一 NMR (DMSO-d6) δ 0. 76 (12H, m, 4 XCH3) , 0. 93
(3H, t, J = 7. 3Hz, CH3) , 1. 05 41 (2H, mm, C
H2) , 1. 48 (2H, s i x, J = 7. 3Hz, CH2) , 1. 64 ( 1 H, m, CH) , 1. 95 (1 H, m, CH) , 2. 79— 2. 95 (4H, m, 2 XCH2) , 3. 04, 3. 26 (2H, dd, d d, 1 = 6. 3, 8. 0, 1 4. 2Hz, CH2) , 4. 12 (2H, m, 2XCH) , 4. 33 ( 1 H, d d, J = 7. 3, 8. 2Hz, CH) , 4. 66 ( 1 H, d d, J = 7. 3, 1 4. 9Hz, CH) , 6. 90- 7. 06 (4H, m, a r oma t i c -H) 7. 17 (5H, m, a r oma t i c— H) , 7. 55 (1H, d, J = 8. 9Hz, NH) , 7. 66 ( 1 H, d, J = 7. 6Hz, NH) , 8. 19 (1 H, d, J = 8. 2Hz, NH) , 8. 44 ( 1 H, d, J = 8. 9Hz, N H) 実施例 4 : H - Ph e - Va l— Tr p (2 ' - S CH2CH2NM e 2) - l i e 一 NH2 (4) の合成
6ΐ
.SS00/Z0df/X3d
標題の化合物は、 参考例 1の化合物 (H— P e-Va 1 -Tr p- I 1 e- NH
2) (0. 592 g, 1. 05mmo 1) および N, N, N ', N, —テト ラメチルシスタミン (文献 21) から実施例 2に記載された方法に従い合成され た。
収量: 0. 589 g (63%)
'H-NMR (DMSO— d6) δ 0. 82 (12Η, m, 4 XCH3) 1. 02 1. 38 (2H, mm, CH2) , 1. 65 (1H, m, CH) , 1. 94 (1
H, m, CH) , 2. 77 (6H, s, 2 XCH,) , 2. 87— 3 00 (6
H, m, 3 XCH2) , 4. 11 (2H, m, 2 XCH) , 4. 27 ( 1 H, d d, J = 6. 8, 8. 4Hz, CH) , 4. 73 (1H, d t, J = 7. 6, 6. 8Hz, CH) , 6. 91-7. 27 (9H, m, a r oma t i c—H) , 7. 69 (1H, d, J = 9. 2Hz, NH) , 7. 74 ( 1 H, d, J = 8. 2H z, NH) , 8. 28 (1H, m, NH) , 8. 45 ( 1 H, d, J = 8. 9H z, NH) 実施例 5 : H-Phe-Va 1 -Tr p (2, — SCH2CO〇H) — l i e— NH2 (5) の合成
標題の化合物は、 参考例 1の化合物 (H— Ph e—Va 1— T r p— I 1 e— NH
2) (0. 584 g, 1. 04mmo 1) およびジチォジグリコール酸から 実施例 2に記載された方法に従い合成された。
収量: 0. 335 g (42%)
'H-NMR (DMSO— d6) δ 0. 79 (12H, m, 4XCH3) , 1. 00, 1. 39 (2H, mm, CH2) , 1. 66 (1H, m, CH) , 1. 91 (1 H, m, CH) , 2. 8 1, 2. 93 (2H, dd, dd, J = 4. 6, 8. 3, 14. 2Hz, CH2) , 3. 09, 3. 20 (2H, d d, dd, J = 5. 9, 8. 3, 14. 2Hz, CH2) , 3. 63 (2H, d, J = 1. 7Hz, CH 2) , 4. 11 (2H, m, 2 XCH) , 4. 25 ( 1 H, d d, J = 6. 9, 8. 2Hz, CH) , 4. 71 (1H, d t, J = 6. 9, 7. 4Hz, CH) 6. 90 - 7. 23 (9H, m, a r oma t i c— H) , 7. 65 (1H, d, J = 10. 2Hz, NH) , 7. 68 ( 1 H, d, J = 8. 6Hz, NH) , 8. 12 (1H, d, J = 8. 2Hz, NH) , 8. 5 1 ( 1 H, b r, NH) 上記実施例 1〜 5で製造されたべプチド誘導体の物性データ (H P L Cによる 保持時間および FAB— MS) を表 1に示す。 表 1
【表 1】
ペプチド類 t¾½lf ft ペプチド » HPLC tR m 纖 %) FAB -Ms (MH+) w a)
1
15. 38 (99. 6) 21- 07 (100) 503. 3065 (563. 3345)
15. 04 (100) 21. 15 (100) 639. 3328 (639. 3328)
2 16- 25 (96. 2) 22. 24 (100) 609. 3230 (609. 3223) 3 18. 01 (99. 0) 24. 25 (100) 637. 3529 (637. 3536) 4 13. 62 (99. 4) 19. 86 (100) 666. 3802 (666. 3801) 5 15. 20 (95. 2) 21. 14 (97. 9) 653. 3125 (653. 3121)
a) 100 : 0- -30 : 70 (0. 1%水性 TFA: 0. 1%TFAのァセトニトリ 25分、 OmL/分
b) 100 : 0-•30 : 70 (0. 1%水性丁? :メタノ一ル) 25分, 1. OmL/分
参考例 2 : H-Ph e-c [-N£-Ly s -Tr p-i3A l a-] の固相ぺプチ ド合成 ·'
アルコキシベンジルアルコール—樹脂 (0. 78mmo l/g ; 3. 41 g) を DMF中に入れて、 一晚中膨潤させた。 Na_Fmo c _|3 A 1 a—〇H (8 当量) を DMFで溶解し、 この溶液に D I C (4当量) を加えた。 DMAP (1 当量) を DMFで溶解した。 このアミノ酸/ D I C溶液および DMAP溶液を D MF中で樹脂に加えて、 ゆっくりと震盪し、 そして室温で一晩中放置した。 この樹脂を DMFで 2回、 メタノールで 2回、 酢酸で 2回、 メタノールで 2回、 そして DMFで 3回洗浄した。 続いて対応する Να— Fmo cアミノ酸 P f pェ ステル (Να— Fmo c— T r p—OP f p、 N"—Fmo c—Ly s (Bo c) — OP f p、 Na-Fmo c-Phe-OP f p) を順次結合させ、 ぺプチ ド鎖を伸長した。 各結合サイクルにおいて次のような操作を行なった。
(1) 20% (v/v) ピぺリジン/ DMF溶液による 30分間の処理を 2回実 施。
(2) DMFによる 6回の洗浄。
(3) アミノ酸活性エステルの結合。
(4) DMFによる 6回の洗浄。
ペプチド鎖の伸長は、 Na— Fmo cアミノ酸 P f pエステル (2. 5当量) と HOB t (2. 5当量) とを用い DMF中で行なった。 すべての結合反応は震 盪機上で室温下 3— 12時間震盪することで行なった。 最後の Na_Fmo cァ ミノ酸の結合の後に、 ペプチド樹脂をメタノールで洗浄し、 真空乾燥して、 保護 された Fmo c-Phe-Ly s (Bo c) -T r p-]3 A 1 a—樹脂 (5. 9 3 g) を得た。
この保護されたべプチドー樹脂を T F A/ァニソール /エタンジチオール ( 9 4 : 5 : 1 ; v/v) を用いて、 0"Cで 3時間処理した。 溶液を濾過し、 減圧濃 縮し、 過剰の冷ジェチルェ一テルに滴下した。 沈殿したペプチドを濾過し、 ジェ チルエーテルで洗浄し、 乾燥した。 このペプチドを DMF (3D およびピリジ ン (3L) で溶解し、 Bop試薬を添加して、 室温で 24時間放置した。 減圧下 で溶媒を除去し、 残渣に水を加えた。 濾過により沈殿物を集め、 水で洗浄して、
乾燥した。 こうして得られた Fmo c—環状ペプチドは 20% (v/v) ピペリ ジン/ DM F溶液で室温下 0. 5時間処理し、 Fmo c基を除去した。 溶媒を減 圧下で除去し得られた粗べプチドを分取 H PLCによって精製した。 この分取 H PLCは、 0. 1 %水性 TFAに対して 0. 1 %TF A含有ァセトニトリルのリ 二アグラジェントを用い、 10ml/分の流速で 60分間にわたって行なった。 凍結乾燥した生成物は白色の非晶質固体 (0. 133 g) であった。
総括収率: 57%
FAB-MS : 533. 2876,
HPLC RT: (A) 13. 36 (98%) , (B) 18. 29 (100 %) 実施例 6 : H-P e-c [― N Ly s -T r p (2 ' — SCH2CH2〇 H) — ]3 A 1 a-] (6) の合成
H-Ph e -c [— Νε— Ly s—T r p (2 ' -S CH2CH2OH) — β A 1 a-] は、 H— Ph e― c [-N ε— L y s— T r p— j8 A 1 a-] (参考例 2) から実施例 1に記載した方法と同様な方法で合成した。
収量: 104mg (収率: 22%)
FAB-MS : 609. 2859,
HPLC RT: (A) 13. 33 (96%) , (B) 18. 73 (100%) 試験例
以下に、 本発明化合物を用いた 2つの試験内容 (レセプ夕一結合試験および収 縮試験) 並びにその結果を記す。
試験内容
下記試験においては、 表 1に示す合成ペプチドが、 MTL— Rに対する結合活 性およびゥサギ平滑筋収縮活性について試験された。
. レセプター結合試験
雄性日本白色家兎 (約 3 kg) を用いた、 MTL— Rに対する結合試験は、 B
o rman s e t a 1. によって発表された方法 (文献 22) をわずかに改 変し実施した。 ゥサギをチォペンタールナトリウム (30mgZkg, 静脈注 射) で麻酔した後に、 放血し安楽死させた。 その後、 上部小腸 (約 50 cm) を 速やかに摘出し、 氷冷した 0. 9%生理食塩液中で夾雑物を除去した。 50mM Tr i s— HC 1緩衝液 (pH=7. 4) 中で、 結合組織および粘膜を除去し平 滑筋層を得た。 50mMの Tr i s _HC l緩衝液 (pH=7. 4) 中でテーパ 一型ホモゲナイザー (Wh e a t en, M i 1 1 v i 1 1 e, N J) を用い、 2
000 r pmの速度で約 30秒間、 平滑筋組織をホモゲナイズした。 得られた懸 濁液を 1 500 r pmで 5分間遠心分離し、 上澄を捨て沈殿に新鮮な緩衝液を加 え洗浄した。 このホモゲナイズの操作を 2回行い、 沈殿を回収した。 得られた沈 殿を 50mM T r i s— HC 1緩衝液 (ρΗ=8·. 0、 MgC l2 10mMお よび、 1. 5% ゥシ血清アルブミンを添加) に再度懸濁させたものを試料とし て以下の結合試験を行った。 以上の操作は全て氷冷下で行った。 試料 (約 1. 0 mg蛋白質/アツセィ) を 25 pMの1251— pMTL (比活性、 33— 66 kB q/pmo 1) および各種濃度の被検化合物とともに 25°Cで 120分間インキ ュべ一卜した。 インキュベーション後に、 氷冷した緩衝液を加え反応を停止させ、
1500 r pmで 5分間遠心分離し、 遊離の1251— MTLを除去した。 得られた 沈殿を氷冷緩衝液で 2回洗浄したものの放射活性を、 ガンマカウンター (ARC -300, ァロカ、 東京、 日本) で測定した。 1251— pMTLの結合を 50%に 減弱させる各被検化合物の濃度を I C5。とし、 MTL— R結合活性の指標とした。
2. 収縮試験
雄性日本白色家兎 (約 3 kg) を用いた。 このゥサギをチォペンタールナトリ ゥム (30mgZkg, 静脈注射) 麻酔下で、 放血し安楽死させた後、 上部小腸 を速やかに摘出した。 十二指腸を改良型クレプス液 (組成 (単位 mM) : NaC 1 120. 0, KC 1 4. 7, C a C 12 2. 4, KH2P04 1. 0, Mg S 04 1. 2, N aHCOa 24. 5およびグルコース 5. 6 (pH=7. 4) ) 中で洗浄し、 腸間膜などの結合組織を除去し、 長軸に沿って切り、 およそ長さ 1 0mm、 幅 3mmの標本を作成した。 混合物ガス(95% 〇2: 5% C〇2)を通
気した 28 °Cの改良型クレプス液で満たした 10mlのマグヌス管中に、 この標 本を懸垂した (文献 24) 。 1. 0 gの荷重を加え、 等張性の収縮反応を、 トラ ンスデューサ一 (ME— 4012、 Me d i c a l E l e c t r on i c s Co. , 東京) で測定し、 記録器 (Typ e 3066、 Yokogawa— D e c s、 東京) で記録した。 100 Mの AChに対し安定した収縮が得られる ことを確認した後に、 被検化合物の検討を行った。 被検化合物は低濃度から累積 的に添加した。 各被検化合物の収縮活性は、 100 Mの AChによって誘発さ れる収縮力に対する百分率で表し、 50%の収縮をを与える添加濃度を EC5。と して表した。
上記 2つの試験結果を表 2および表 3に示す。 表 2
結合活性
実施例番号 結合活性 (I C5。 : M)
1 0. 57
2 0. 42
3 0. 23
4 1. 0
5 5. 6
6 4. 0
参考例 1 0. 37
表 3
収縮活性
重要なことは、 実施例 1、 2、 3、 および 6の化合物がいずれも収縮試験に関 しては効力を示しており (これらの化合物の EC 5Dは、 それぞれ、 14. 2、 5 8. 1、 33. 2、 および 63. 0 Mである) 、 N—末端テトラペプチドは i n v i t r oでモチリンァゴニストとして作用し得ることが立証された。 収縮 作用に関して活性を有する実施例 1、 2、 3および 6の誘導体の構造的特徴は、 トリブトファン環上における脂肪族側鎖の存在である。 産業上の利用の可能性
本発明の新規なテトラベプチド誘導体は、 モチリンレセプターに対する結合活 性を有し、 ゥサギの平滑筋を収縮させる作用を有するので、 モチリンが関連する 疾患の治療に応用することが期待される。
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