明 細 書 干渉計測方法および干渉計測装置 技術分野
本発明は、 干渉計による干渉計測方法、 および干渉計測装置に関する ものであり、 特に、 被検面からの被検光と参照面からの参照光との間の 位相差を変化させる走査 (フリ ンジスキャン) を行い、 その結果得られ る干渉信号に基づいて、 所定の状態における前記被検光と前記参照光と の位相差を前記被検面の形状情報として求める干渉計測方法、 および干 渉計測装置に関するものである。 背景技術
第 7図は、 被検面 7 2の面形状を測定するための従来の干渉計測装置 7 0の構成図である。
干渉計測装置 7 0では、 光源 7 1から出射された光が被検面 7 2と参 照面 7 3との双方に導かれると共に、 その光が被検面 7 2で反射するこ とにより生じた被検光 7 2 aと、 その光が参照面 7 3で反射することに より生じた参照光 7 3 aとが干渉して干渉縞を生じさせ、 その干渉縞は C C D型撮像素子などの撮像素子 7 6によって検知される。 このように して検知された干渉縞から、 被検光 7 2 aと参照光 7 3 aとの間の位相 差の二次元分布を知ることができ、 この二次元分布によって、 参照面 7 3を基準とした被検面 7 2の面形状が表される。
さらに高精度化を図る場合には、 以下に説明するフリンジスキャン干 渉法が適用される。
フリンジスキャン干渉法は、 ピエゾ素子などの移動機構 7 7により参
照面 7 3を 1 Z 2波長分程度移動させることで、 被検光 7 2 aと参照光 7 3 aとの光学的距離を 1波長分 (位相差にして 1周期分) 程度変化さ せ(フリンジスキャン)、 そのときの干.渉縞の濃淡の変化の仕方を検知す ることにより、所定の状態(例えばフリンジスキャン開始時の初期状態) における被検光 7 2 aと参照光 7 3 aとの位相差 (初期位相差) の値を 正確に求めるものである。 また、 被検面 7 2を 1 / 2波長分程度移動さ せても同じ結果が得られる。
一般に、 干渉計測装置 7 0では、 このフリンジスキャンの際に、 参照 面 7 3の位置が時間に対して直線的に変化するように設定されている (移動機構 7 7、 および制御回路 7 8の設定による。)。
また、 撮像素子 7 6は、 受光面に配置された各画素において、 入射光 強度に応じた量の電荷を単位時間 T。毎に蓄積し、 入射光強度の時間 T c間に亘る時間積分値、 すなわち蓄積デ一夕 B。、 B Β 2、 · · · を順 次出力する。 この蓄積データ Β 0、 Β 2、 · · ·が、 干渉信号として 使用される。
いま仮に、 干渉縞のある点 Αにおける、 被検光 7 2 aと参照光 7 3 a との初期位相差を 。とおき、単位時間 T。当たりの位相差変化量を 2 7Γ a (定数) とおくと、 フリンジスキャン開始からの時間 t経過時におけ る被検光 7 2 aと参照光 7 3 aとの位相差 ( t ) は、 式 ( 1 ) で表さ れる。
, . . 2jta , , 、
Φ( = -( + Φο … ) また、 被検光 7 2 aと参照光 7 3 aとによる干渉光強度 I ( t ) は、 この位相差 ( t ) を用いて式 ( 2 ) で表される。 なお、 ェ。、 ァはそ れそれ光源 7 1から出射される光の強度 (振幅) 等により定まる数 (定 数) である。
/(t) = /
0[l + ycos(^(t))] … (2) また、 干渉光強度 I ( t) と、 干渉光強度の T。間に亘る時間積分値 である蓄積デ一夕 Β
0、 Βい Β
2、 · · ' との関係は、 式 ( 3 ) で表され る。
したがって、 各蓄積デ一夕 B。、 B 、 B2 は、 式 (4) で表さ れる。
J γΧ
Β,. = /0i + ~ ~sin^iacos(27r E: + ^0) ··· ( 4 ) の式 (4) を変形すると、 式 ( 5)、 および式 (6 ) が得られる
B ― sin πα cos 2nak cos ^0一- sin 7ta sin mk sin φ0
Ml
D^Xk C-Yk S
(5) D^I c> C = IoYTc COS^, S = I0yTc sin φ0
X k =—— sin Tta cos 2t k, Yh =— sin mi sin 2 k
ττα 0 = tan"
1^) - (6) また、 上式 (4) からは、 単位時間 T。当たりの位相差変化量 27Γ a を、 4つの蓄積デ一夕 B。、 B B
3、 B
4で表す式 ( 7 ) が導かれる。
これらの関係に基づき、 干渉計測装置 70の演算回路 79は、 撮像素 子 7 6が出力する各蓄積データ B0、 B ls Β2、 · · ' (実測値) に、 式 ( 7 ) を適用して aの値を求め、 さらに求めた aの値と、 式 ( 5) およ
び式 ( 6 ) から、 初期位相差 ø。の値を求める。
さらにこの初期位相差 ø。の値の算出は、 撮像素子 7 6の各画素の出 力についてそれそれ行われ、 算出された初期位相差 ø。の二次元分布が、 参照面 73を基準とした被検面 72の形状情報と'して、 モニタなどの表 示器 (不図示) に出力される。
ここで、 以上のようなフリンジスキャン干渉法においては、 参照面 7 3の移動のさせ方を限定して演算を簡略化させることができる。
例えば、 第 8図 ( a) に示すように、 単位時間 T c当たりの被検光 7 2 aと参照光 7 3 aとの位相差変化量 2 ττ aが ノ 2となるよう (すな わち、 a = 1 /4となるよう) 設定すれば、 次式 ( 8 a) 又は式 ( 8 b) (何れも式 (4 ) において a= 1Z4とおく ことで導かれる式である。) によって、 連続する 4つの蓄積デ一夕、 例えば B。、 B 2、 B 3 (実 測値)、 または連続する 5つの蓄積デ一夕、 例えば B。、 Bい B 2、 B 3、 B4 (実測値) から、 直接的に初期位相差 0。を求めることができる (第 8図 (b)、 ( c ) 参照)。
なお、 4つの蓄積データから式 ( 8 a) により初期位相 ø 0を求める 方法は 「4バケツ ト法」 と呼ばれ、 5つの蓄積デ一夕から式 ( 8 b) に より初期位相 ø。を求める方法 (但しこの場合、 フ リンジスキャンは、 少なく とも位相差にして ( 1 + 1/4) 周期分行われる。) は 「 5ノ ケヅ ト法」 と呼ばれる。因みに、 4バケッ ト法よりも、 5バケッ ト法の方が、 基づくべき蓄積デ一夕の数が 1多い分だけ処理時間が長くかかるが、 そ
の分高精度である。
ところで、撮像素子 7 6が出力する各蓄積デ一夕 B 0、B 1、B 2、· · · (実測値) には、 必要な信号成分 (参照光 7 3 aと被検光 7 2 aとが成 す干渉光による) の他に、 コヒーレントノイズ成分 (余分な反射を行つ て撮像素子 7 6に入射したノイズ光が成す干渉光による) が重畳されて いる。
ここで、 ノイズ光は、 第 7図中細線で示すように、 光源 7 1からの出 射光の一部であって干渉計 7 5内の何れかの箇所で反射して被検面 7 2 や参照面 7 3を介することなく被検光 Ί 2 aや参照光 7 3 aに干渉する ノイズ光 (ノイズ光 b (N))、 および、 被検面 7 2または参照面 7 3か らの反射光の一部であって干渉光学系 7 4の表面や光源 7 1の射出口な どで反射して再び被検面 7 2または参照面 7 3に向かい、 被検面 7 2ま たは参照面 7 3で反射した後に被検光 7 2 aや参照光 7 3 aに干渉する ノィズ光(ノィズ光 c (WNW)s ノィズ光 d (WNR)s ノィズ光 e (R NR)ヽ ノイズ光 f (R NW)) である。
なお、括弧内に示したアルファべッ トは、反射経路を示す。すなわち、 被検面 7 2の反射経路が W、 参照面 7 3の反射経路が R、 干渉計 7 5内 の何れかの箇所の反射経路が Nで表される (干渉計 7 5内の何れかの箇 所の反射率は、 被検面 7 2や参照面 7 3の反射率と比較して十分に低い ので、 その箇所で 2回以上反射したノイズ光については無視する)。
これらノイズ光 b、 c、 d、 e、 f によって干渉信号に重畳されるコ ヒーレントノイズ成分は、 何らかの演算によって必要な信号成分と分離 し、 かつ除去することが望まれる。 .
しかしながら、 従来の干渉計測装置 7 0では、 上記したように式 ( 8 a) や式 ( 8 b) が適用されることからも明らかなように、 蓄積データ B 0、 Bい B 2、 · · ·(実測値) にコヒーレン トノィズ成分が重畳され
ていないとみなされていたので、 最終的に形状情報として求められる初 期位相差 。には、 誤差が含まれていた。
ここで、 必要な信号成分とは異なった周期で変化するコヒーレン トノ ィズ成分については、 何らかの演算によってその信号成分からの分離が 可能であるが、 必要な信号成分と同じ周期で変化するコヒーレン トノィ ズ成分については、 如何なる演算を適用しても、 その分離が不可能であ る。
因みに、 干渉計測装置 7 0では、 コヒ一レン トノイズ成分のうち、 ノ ィズ光 bが参照光 7 3 aに干渉して生じさせるもの、 ノィズ光 cが参照 光 7 3 aに干渉して生じさせるもの、 ノィズ光 dが被検光 7 2 aに干渉 して生じさせるもの、 ノイズ光 eが参照光 7 3 aに干渉して生じさせる もの、ノィズ光 f が参照光 7 3 aに干渉して生じさせるものについては、 参照面 7 3の移動に伴って必要な信号成分と同じ周期で変化するために. 分離 (すなわち除去) できない (なお、 詳細は後述する表 2参照。)。 そこで考えられるのは、 コヒ一レン トノィズ成分の原因であるノイズ 光 b、 c、 d、 e、 f の発生自体を、 干渉計 7 5内の光学素子の変更な どにより回避することであるが、 光学素子の面の反射率と配置角度など に応じて生じるノィズ光は、 どのような光学素子からなる干渉計におい ても少なからず発生し得るため、 その完全な回避は不可能である。
したがつて従来では、 コヒ一レン トノィズ成分による影響を抑えるこ とは、 演算内容の変更によっても、 ハードウェアの変更によっても不可 能と考えられ、 光学素子の表面に反射防止膜を形成したり、 余分な反射 光を光路から外すための素子を揷入したり して、 コヒーレン トノィズ成 分の強度を僅かに抑えるという程度のことしかされていなかった。 発明の開示
本発明は、 上記のフリンジスキャン干渉法を応用することによって、 コヒーレントノィズ成分による影響を確実に低減させることができる干 渉計測方法および干渉計測装置を提供することを目的とする。
すなわち、 第 1の発明は、 光源から出射された光を被検面と参照面と の双方に導く と共に、 その光が前記被検面で反射することにより生じた 被検光と、 その光が前記参照面で反射することにより生じた参照光とを 干渉させる干渉光学系と、 前記被検光と前記参照光とが成す干渉光の光 路に配置され、 入射光の強度に応じた干渉信号を出力する受光素子とを 備えた干渉計による干渉計測方法であつて、 前記被検光と前記参照光と の位相差を変化させる走査の際に、 前記被検光光路の光学的距離と、 前 記参照光光路の光学的距離との双方をそれそれ所定のパターンで同時に 変化させることによって、 前記干渉信号のうち、 前記参照光と前記被検 光との間の位相差に応じて変化する必要な信号成分の強度変化周期と、 前記被検光光路および前記参照光光路の少なく とも一部を経由した所定 のノィズ光が前記被検光または前記参照光に干渉することにより生じる コヒ一レン トノイズ成分の強度変化周期とに、 差異を設ける変調走査手 順と、 前記変調走査手順が行われているときに前記受光素子から出力さ れる干渉信号に基づき、 所定の状態における前記被検光と前記参照光と の位相差を前記被検面の形状情報として求める算出手順とを有すること を特徴とする干渉計測方法である。
一般に、 変化周期の互いに異なる 2つの信号は、 演算により分離可能 である。 したがって、 前記変調走査手順によってその強度変化周期に差 異が設けられた必要な信号成分とコヒーレントノィズ成分とは、 演算に より互いに分離可能である。 よって、 本発明においては、 受光素子が出 力する干渉信号に、 上記のようなコヒ一レン トノイズ成分が重畳されて いたとしても、 その後行われる算出手順においてその影響を除去するこ
とができる。 よって、 本発明によれば、 コヒ一レン トノイズ成分による 影響が確実に低減するので、 形状情報を高精度に求めることができる。 第 2の発明は、 前記第 1の発明であって、 前記変調走査手順では、 前 記被検光光路の光学的距離の変化量と、 前記参照光光路の光学的距離の 変化量との比が 1 : 一 1に保たれることを特徴とするものである。
ここで、 コヒーレン トノイズ成分を重畳させるノイズ光は、 光源から の出射光の一部であって干渉計内の何れかの箇所で反射して被検面ゃ参 照面を介することなく被検光ゃ参照光に干渉するノイズ光、 および、 被 検面または参照面からの反射光の一部であって干渉光学系の表面や光源 の射出口などで反射して再び被検面または参照面に向かい、 被検面また は参照面で反射した後に被検光ゃ参照光に干渉するノイズ光である。
しかし、 上記した変調走査手順では、 前記被検光光路の光学的距離の 変化量と前記参照光光路の光学的距離の変化量との比が 1 : 一 1に保た れるので、 少なく ともこれらのノィズ光が成すコヒ一レントノィズ成分 の強度変化周期は、 必要な信号成分の強度変化周期とは異なるものとな る。 つまりこのコヒ一レン トノイズ成分による影響を、 その後行われる 算出手順において確実に除去することができる。
なお、 干渉計内では、 何れかの箇所で 2回以上反射したノイズ光が発 生するが、 その箇所の反射率は、 被検面ゃ参照面の反射率と比較して十 分に低いので、 このノイズ光が成すコヒーレン トノイズ成分は、 先に示 したコヒーレン トノイズ成分と比較して十分に小さい。 したがって、 こ の干渉計測方法によると、 コヒ一レントノィズ成分による影響は十分に 小さく抑えられる。
また、 変調走査手段による移動量比については 1 : — 1以外の他の値 であっても同じ効果が得られるようなものはあるが、 1 :— 1の比によ れば、 被検光光路と参照光光路との光学的距離の変化量の合計を小さく
抑えられる点で好ましい。
第 3の発明は、 前記第 1の発明であって、 前記変調走査手順では、 前 記被検光光路の光学的距離の変化量と、 前記参照光光路の光学的距離の 変化量との比が 1 : 3または 3 : 1に保たれることを特徴とするもので ある。
この比が保たれているときには、 前記第 2の発明と同じノイズ光によ るコヒーレン トノイズ成分の強度変化周期が、 必要な信号成分の強度変 化周期とは異なるものとなるので、 前記第 2の発明と同様にして、 コヒ —レン トノィズ成分による影響を十分に小さく抑えることができる。 また、 このような移動量の比 1 : 3、 または 3 : 1によると、 光学的 距離の変化量の合計は、 比 1 : — 1による場合と比較すると大きくなる ものの、 その他の比が設定された場合よりは小さく抑えられる。
第 4の発明は、 前記第 1の発明から第 3の発明のいずれかであって、 前記変調走査手順では、 前記走査が、 少なく とも前記必要な信号成分の 強度変化の 2周期分行われ、 前記算出手順では、 前記被検面の形状情報 が、 少なく とも前記必要な信号成分の強度変化の 2周期分に対応する前 記干渉信号に基づいて求められることを特徴とするものである。
このように、 基づくべき干渉信号を 2周期分とすれば、 必要な信号成 分の周期的な性質と、 コヒ一レン トノイズ成分の周期的な性質とを利用 して、 コヒ一レン トノイズ成分を除去して必要な信号成分のみを残留さ せることができる。 この結果、 コヒ一レン トノイズ成分による影響を、 確実に抑えることができる。
第 5の発明は、 光源から出射された光を被検面と参照面との双方に導 く と共に、 その光が前記被検面で反射することにより生じた被検光と、 その光が前記参照面で反射することにより生じた参照光とを干渉させる 干渉光学系と、 前記被検光と前記参照光とが成す干渉光の光路に配置さ
れ、 入射光の強度に応じた干渉信号を出力する受光素子と、 前記被検光 光路の光学的距離と前記参照光光路の光学的距離との双方を同時に移動 させる移動手段と、 前記被検光と前記参照光との位相差を変化させる走 査の際に、 前記移動手段を動作させて、 前記被検光光路の光学的距離と 前記参照光光路の光学的距離との双方をそれそれ所定のパターンで同時 に変化させることにより、 前記干渉信号のうち、 前記参照光と前記被検 光との間の位相差に応じて変化する必要な信号成分の強度変化周期と、 前記被検光光路および前記参照光光路の少なく とも一部を経由した所定 のノィズ光が前記被検光または前記参照光に干渉することにより生じる コヒーレン トノイズ成分の強度変化周期とに、 差異を設ける変調走査手 段と、 前記変調走査手段による走査中に前記受光素子から出力される干 渉信号に基づき、 所定の状態における前記被検光と前記参照光との位相 差を前記被検面の形状情報として求める算出手段とを備えたことを特徴 とする干渉計測装置である。
第 6の発明は、 前記第 5の発明であって、 前記変調走査手段が、 前記 被検光光路の光学的距離の変化量と、 前記参照光光路の光学的距離の変 化量との比を 1:一 1に保つ機能を有することを特徴とするものである。 第 7の発明は、 前記第 5の発明であって、 前記変調走査手段が、 前記 被検光光路の光学的距離の変化量と、 前記参照光光路の光学的距離の変 化量との比を 1 : 3または 3 : 1に保つ機能を有することを特徴とする ものである。
第 8の発明は、 前記第 5の発明から第 7の発明のいずれかであって、 前記変調走査手段が、 前記走査を、 少なくとも前記必要な信号成分の強 度変化の 2周期分行い、 前記算出手段が、 前記被検面の形状情報を、 少 なく とも前記必要な信号成分の強度変化の 2周期分に対応する前記干渉 信号に基づいて求めることを特徴とするものである。
これら第 5の発明〜第 8の発明である干渉計測装置によれば、 それそ れ前記第 1の発明〜第 4の発明である干渉計測方法が自動的に実施され る。
第 9の発明は、 光源から射出され、 測定対象である被検面からの反射 光と参照面からの反射光を干渉させ、 参照面に対する被検面の差異を測 定する干渉計測装置であって、 前記被検面を経た光線と前記参照面を経 た光線のそれそれの光路長を、 同期して変化させる光路長可変手段を有 することを特徴とする干渉計測装置である。
本手段においては、 必要な新合成分とコヒーレントノィズ成分の周期 に同期して差異を与えるようにすることができるので、 必要な信号成分 とコヒ一レントノイズ成分とを分離したり、 コヒーレン トノイズ成分を 除去したりすることができる。 図面の簡単な説明
第 1図は、 第 1実施形態および第 2実施形態の干渉計測装置の構成図 である。 '
第 2図は、 第 1実施形態、 第 2実施形態、 および第 3実施形態の動作 を説明する図である。
第 3図は、 第 1実施形態における各コヒ一レントノィズ成分と必要な 信号成分との変化の仕方を比較する図である。
第 4図は、 従来例における各コヒーレントノイズ成分と必要な信号成 分との変化の仕方を比較する図,である。
第 5図は、 第 2実施形態における各コヒ一レントノィズ成分と必要な 信号成分との変化の仕方を比較する図である。
第 6図は、 第 3実施形態の干渉計測装置の構成図である。
第 7図は、 従来の干渉計測装置の構成図である。
第 8図は、 従来の干渉計測装置の動作を説明する図である。 発明を実施するための最良の形態
以下、 本発明の実施の形態のうち、 最良と思われるものの例を、 図を' 用いて説明するが、 本発明の範囲は、 これら実施の形態の範囲に限定さ れるものでないことは言うまでもない。
<第 1実施形態 >
以下、 第 1図、 第 2図、 第 3図、 第 4図に基づいて本発明の第 1実施 形態を説明する。 (第 1実施形態の構成)
第 1図は、 本実施形態の干渉計測装置 1 0 (および後述する第 2実施 形態の干渉計測装置 2 0 ) の構成図である。 第 1図において、 第 7図に 示す従来の干渉計測装置 7 0と同じものについては同一の符号を付して 示した。
干渉計測装置 1 0は、 第 7図に示した干渉計測装置 7 0において、 被 検面 7 2を移動させる移動機構 1 7がさらに備えられ、 制御回路 7 8に 代えて制御回路 1 8が備えられ、 演算回路 7 9に代えて演算回路 1 9が 備えられたものに等しい。すなわち、干渉計測装置 1 0は、光源 7 1 と、 干渉光学系 7 4 (ビ一ムスプリ ヅ夕 Ί 4 b、ビームエキスパンダ 7 4 a、 結像レンズ 7 4 c等) と、 撮像素子 7 6と、 2つの移動機構 7 7 s 1 7 と、 制御回路 1 8と、 演算回路 1 9 とを備える (以下、 光源 7 1、 干渉 光学系 7 4、 撮像素子 7 6からなる系を、 干渉計 7 5とする)。
この中で干渉光学系 7 4は、 光源 7 1から出射された光を被検面 7 2 と参照面 7 3との双方に導く と共に、 その光が被検面 7 2で反射するこ とにより生じた被検光 7 2 aと、 その光が参照面 7 3で反射することに より生じた参照光 7 3 aとを干渉させるものである。
移動機構 1 7は、 被検光 7 2 aの光路の光学的距離を変化させるため
に、 与えられる駆動電圧に応じた距離だけ被検面 7 2を光軸方向へ移動 させるものであり、 移動機構 7 7は、 参照光 7 3 aの光路の光学的距離 を変化させるために、 与えられる駆動電圧に応じた距離だけ参照面 7 3 を光軸方向に移動させるものである。 これら移動機構 1 7、 7 7は、 例 えばピエゾ素子などからなり、 本実施形態では、 互いに同じ特性のもの が使用されるとする。
撮像素子 7 6は、 被検光 7 2 aと参照光 7 3 aとが成す干渉光の光路 に配置された C C D型撮像素子などであり、 制御回路 1 8により駆動さ れると、 各画素において入射光強度に応じた量の電荷を単位時間 T c毎 に蓄積し、 入射光強度の時
間 T cに亘る時間積分値を示す信号である蓄積デ一夕 B。、 B 2、 · · ·(実測値) を順次出力する (本明細書では、 取得順に添え字を 付す。)。 干渉計測装置 1 0においては、 この蓄積データ B。、 B x , B 2、 · · ·(実測値) が、 干渉縞の濃淡を示す干渉信号として利用される。 制御回路 1 8は、フリンジスキヤン時に、光源 7 1を駆動すると共に、 移動機構 7 7、 1 7のそれそれに対して所定のパターンで駆動電圧を印 加し、 参照面 7 3と被検面 7 2とをそれそれ所定のパターンで移動させ る。 また、 制御回路 1 8はこのときに撮像素子 7 6を駆動し、 撮像素子 7 6から出力される蓄積データ: Β。、 Β 2、 · · '(実測値) を演算 回路 1 9に与える。
演算回路 1 9は、 所定状態 (例えばフ リンジスキャン開始時の初期状 態) における参照光 7 3 aと被検光 7 2 aとの間の位相差 (例えば初期 位相差 。) を求める際に、 蓄積デ一夕 B。、 Bい Β 2、 · · '(実測値) に対して所定の演算を施す。 なお、 この演算回路 1 9は、 干渉計測装置 1 0の外部に備えられていてもよい。また、この演算回路 1 9に代えて、 演算回路 1 9と同じ動作をするコンピュータを利用してもよい。
(第 1実施形態の動作)
第 2図は、 本実施形態の動作を説明する図である。
本実施形態では、 蓄積デ一夕 B。、 B Β 2、 · · ·(実測値) に重畳 されるコヒーレントノイズ成分の強度変化周期を、 必要な信号成分の強 度変化周期と違うものとするために、 フリンジスキャン時に被検面 7 2 と参照面 7 3との双方を、 同時に移動させる。 この際、 被検面 7 2の移 動量と参照面 7 3の移動量との比は、 1 : ー 1に保たれる。
さらに、 必要な信号成分の 2周期分に相当する倩報を得るために、 第 2図 ( a) に示すように、 被検光 7 2 aと参照光 7 3 aの光学的距離の 差を、 少なく とも光源 7 1から出射される光の 2波長分 (位相差にして 2周期分) 変化させる。
また、 後述する式 ( 9 ) を適用するための条件として、 参照面 7 3の 位置と被検面 7 2の位置とが何れも十分な精度で時間に対して直線的に 変化し、 かつ単位時間 T c当たりの被検光 7 2 aと参照光 7 3 aとの位 相差変化量 27Γ aが 7Γ/2となるよう (すなわち、 a= l/4となるよ う) 設定される (第 2図 (a) 参照)。
すなわち、 制御回路 1 8は、 8 T cの期間中に、 移動機構 7 7に与え る駆動電圧を時間に応じて変化させて参照面 7 3を 1Z2波長分均等に 移動させると同時に、 移動機構 1 7に与える駆動電圧を時間に応じて変 化させて被検面 7 2を一 1/2波長分均等に移動させる (なお、 移動量 の正/負の相違は、 光路短縮方向/光路拡張方向の相違に対応する。 た だし、 どちらの方向を正にとつてもよい)。
このフリンジスキャンの結果、 順に蓄積データ B。、 B B 2、 B 3、 B4、 B 5、 B 6、 B 7 (実測値) が得られる (第 2図 (b) 参照)。 これ らの各蓄積デ一夕は、それぞれ必要な信号成分の 1 /4周期分に相当し、 これらの蓄積データの全体は、 必要な信号成分の 2周期分のデータに相
当する。
さらに、本実施形態の演算回路 1 9は、初期位相差 ø。を求める際に、 これら 2周期分の蓄積デ一夕 B
0、 Bい B
2、 B
3、 B
4、 B
5、 Bい B
7 (実測値) に対して、 次式 (9) を適用する (第 2図 (c) 参照) (な お、 この式 (9 ) の意味については後述する。)。
(第 1実施形態におけるコヒ一レン トノイズ成分の振る舞い)
ここで、 干渉計測装置 1 0においてコヒーレントノィズ成分に関係す るノイズ光は、 従来と同様、 ノイズ光 b (N)、 ノイズ光 c (WNW)s ノイズ光 d (WNR)、 ノイズ光 e (RNR)、 ノイズ光 f (RNW) で める。
なお、括弧内に示したアルファべッ トは、反射経路を示す。すなわち、 被検面 72の反射経路が W、 参照面 73の反射経路が R、 干渉計 75内 の何れかの箇所の反射経路が Nで表される。 また、 干渉計 75内の何れ かの箇所の反射率は、 被検面 72や参照面 73の反射率と比較して十分 に低いので、その箇所で 2回以上反射したノィズ光については無視する。 次に、 表 1に基づいて、 必要な信号成分の強度変化周期と、 各コヒー レン トノイズ成分の強度変化周期とを比較する。
表 1は、 本実施形態における各光の光路差、 および光路差変化量を比 較する表である。
第 1実施形態における各光の光路差, 光路差変化量を比較する表
(参照光の光路変化 を基準とする) 上記したように本実施形態では、 参照光 7 3 aの光路変化量が 「 1」 であるときの被検光 7 2 aの光路変化量は 「― 1」 であるので、 ノイズ 光 b、 c、 d、 e、 f の光路変化量は、 それそれ 「 0」、 「― 2 」、 「 0」、 「 2」、 「 0」 となる。
このときの参照光 7 3 aと被検光 7 2 aとが成す干渉光、 すなわち必 要な信号成分 S Mの強度変化周期は、 欄 Mによって示される。 この欄 M には、 参照光 7 3
aと被検光 7 2 aとの光路差 「W— R」 と、 光路差'変化量 「一 2」 とが 記されており、 この光路差変化量 「一 2」 の大きさが、 この 2光が成す 干渉光の強度変化の速さを示す。
そこで以下では、 各干渉光の強度変化周期を、 その干渉光を成す 2光 の 「光路差変化量の大きさ」 で表す。 すなわち、 必要な信号成分 S Mは
「周期 2」 で変化する。
同様に、 ノイズ光 bが被検光 7 2 aに干渉して生じさせるコヒ一レン トノィズ成分 s 丄 iは、 「周期 1」 で変化する (欄 1 1 1参照)。
また、 ノィズ光 cが被検光 7 2 aに干渉して生じさせるコヒーレン ト ノイズ成分 S i 1 2は、 「周期 1」 で変化する (欄 1 1 2参照)。
また、 ノイズ光 dが被検光 7 2 aに干渉して生じさせるコヒ一レント ノイズ成分 S i丄 3は、 「周期 1」 で変化する (欄 1 1 3参照)。
また、 ノイズ光 eが被検光 7 2 aに干渉して生じさせるコヒーレント ノイズ成分 S 1 1 4は、 「周期 3」 で変化する (欄 1 14参照)。
また、 ノイズ光 f が被検光 7 2 aに干渉して生じさせるコヒ一レン ト ノイズ成分 S i丄 5は、 「周期 1」 で変化する (欄 1 1 5参照)。
また、 ノイズ光 bが参照光 7 3 aに干渉して生じさせるコヒーレント ノイズ成分 S i 2 1は、 「周期 1」 で変化する (欄 1 2 1参照)。
また、 ノイズ光 cが参照光 7 3 aに干渉して生じさせるコヒーレント ノイズ成分 S 1 2 2は、 「周期 3」 で変化する (欄 1 2 2参照)。
また、 ノィズ光 dが参照光 7 3 aに干渉して生じさせるコヒーレント ノイズ成分 S 1 2 3は、 「周期 1」 で変化する (欄 1 2 3参照)。
また、 ノィズ光 eが参照光 7 3 aに干渉して生じさせるコヒ一レント ノィズ成分 S i 2 4は、 「周期 1」 で変化する (欄 1 24参照)。
また、 ノイズ光 f が参照光 7 3 aに干渉して生じさせるコヒーレント ノイズ成分 S i 2 5は、 「周期 1」 で変化する (欄 1 2 5参照)。
すなわち、 本実施形態では、 各コヒーレン トノィズ成分 S t i 〜312 5の強度変化周期と、 必要な信号成分 S Mの強度変化周期とに差異が設け られる。
第 3図は、 本実施形態における、 各コヒ一レン トノィズ成分 S! ! x - S 12 5と、 必要な信号成分 SMとの変化の仕方を比較する図である。 第 3図 ( a) が必要な信号成分 SMと同じく 「周期 2」 で変化する信号を 示すのに対し、 第 3図 (b) はコヒ一レン トノィズ成分 S い S! 12 S 1 13、 い S 12い S 123、 S 124、 S 125のように 「周期 1」 で 変化する信号を示し、 第 3図 ( c) はコヒーレン トノイズ成分 S 1 14、 S 122のように 「周期 3」 で変化する信号を示す (但し、 第 3図に示し
た振幅および位相は何れも意味を持たない。)。
したがって、 上記フリンジスキヤン時に撮像素子 76から出力される 蓄積デ一夕 B。ヽ Bい B2、 B3、 B4、 Bい B6、 B 7 (実測値) には、 「周期 2」 で変化
する必要な信号成分 B 10、 B! 1 B 12, Β 13、 Β 14、 い B 16、 B 17 (第 3図 (a) 参照) と、 「周期 1」 で変化するコヒ一レン トノィ ス成分 I) 2 o、 B 2い B22、 J323、 t 2 4 s B 2 5 N B 26、 J327 ( 5l!3図 (b) 参照) と、 「周期 3」 で変化するコヒ一レン トノイズ成分 B 30、 B3い B32、 B33、 B34、 B3い B3い B37 (第 3図 (c) 参照) とが重ね合わされていると考えられる。 すなわち、 コヒーレン トノイズ 成分を考慮して各蓄積デ一夕 Bk (実測値) を表すと、 Bk = B l k + B2 k + B 3 kとなる。
さて、 上記したように本実施形態では、 式 ( 9) が使用される。 この 式 (9) は、 上記した 4バケツ ト法の式 (8 a) と同様に式 (4) から 導かれる初期位相差 ø。の算出式である。 したがって、 式 ( 9) は、 コ ヒ一レン トノイズ成分が発生しないとの仮定の下では、 式 ( 8 a) と等 価である。
ここで、 必要な信号成分 Β 10、 い B 12、 B 13、 B 14、 B ! 5N B 16、 7については、 式 (4) や第 3図 (a) からも明らかなよう に、 その周期的性質から、 B 10 = B 14、 B J! = B! 5 B 12-B! 6, B丄 3 = B i 7が成立する。 また、 コヒーレン トノイズ成分 B 2。、 B21、 j322、 D 2 3、 D 2 4、 I)25、 B2 6、 Β27ί· ^い こ (ま、 Β 2 0 + 2 4 — -D
2 1 + B25 = B22 + B26 = B23 + B27 = Bv lが成立し (第 3図 (b) 参照)、 コヒ一レン トノイズ成分 B3。、 B 3 1 , B32、 B33、 B34、 B 3 5、 B 3 6 s B 3 7 V (/、 し ίま、 Β3 0 + Β 3 4 ~ Β 3 1 + Β3 5 ~ Β 3 2 + Β 3 6
= Β33+Β37 = Βν3が成立する (第 3図 (c) 参照)。
このとき、 式 ( 9 ) の右辺に、 蓄積デ一夕 B 0、 B Bい B3、 B4、 B 5、 B 6、 B 7 (実測値) を当てはめると、 下式 ( 1 0 ) に明らかなよ うに、 コヒーレン トノィズ成分に相当する項 (B 2 0 B 2 1 B 2 2 B
B 2 4 B 2 5ヽ B " 2 6ヽ B " 2 7ヽ B3 0 ' B B 3 2 ' B 3 3 B 3 4 B
'(2Bw +Bvl +Bv3)-(2Bt2 +B^ +B
tan
^(2£ll +JSvl +ifv3)-(2Bl3 + /Jvl +B„3)J
'2Βω -2ΒΙ2\
- lan
2B„ ~2Baj
tan" 一ね "I
(1 0) Βη =ΰί5, Bl2 = β16, Βη =Β1Ί,
β20 + Β24 = ΒΆ + Β25 =Β22 +Β26 = Β23 + Β2Ί = RvL,
Β^ + Β^ = , + Bis - B32 + B3i = By3 + Β37 = βリ、
すなわち、 式 ( 9 ) では、 4パケッ ト法の式 ( 8 a) とは異なり、 基 づくべき蓄積データが (必要な信号成分 B 1 kの) 2周期分に増えてい るので、各成分の周期的な性質によって、コヒーレン トノイズ成分 B 2 B 3 kが除去されて必要な信号成分 B l kのみが残留する。
したがって、 本実施形態における式 ( 9 ) によれば、 蓄積デ一夕 B k (実測値) にコヒーレン トノイズ成分 B 2 k、 B 3 kが如何なる強度で重 畳されていようとも、 その成分の影響を受けずに初期位相差 ø。が求め られる。
次に、 以上説明した本実施形態と比較するため、 従来の干渉計測装置 70におけるコヒーレン トノイズ成分の振る舞いを、 表 2、 第 4図に基 づいて説明する。
(表 2 )
従来例における各光の光路差, 光路差変化 ftを比較する表
(参照光の光路変化置を基準とする) 上記したように従来の干渉計測装置 7 0では被検面 7 2については何 ら移動させないので、 参照光 7 3 aの光路変化量が 「 1」 であるときの 被検光 7 2 aの光路変化量は「 0」である。 これに伴いノイズ光 b、 c、 d、 e、 f の光路変化量は、 それそれ 「 0」、 「 0」、 「 1」、 「 2」、 「 1」 となる。
また、 必要な信号成分 SM, (参照光 7 3 aと被検光 7 2 aとが成す干 渉光) は 「周期 1」 で変化する (欄 M参照)。
また、 ノイズ光 b、 cのそれそれが被検光 7 2 aに干渉して生じさせ るコヒーレン トノイズ成分 S 丄 ,、 S 1 12, およびノイズ光 d、 f のそ れそれが参照光 7 3 aに干渉して生じさせるコヒーレン トノイズ成分 S 123'、 S 1 2 5 5 は、 何れも 「周期 0」 で変化する (すなわち定常的であ る) (欄 1 1 1、 1 1 2、 1 2 3、 1 2 5参照)。
また、 ノイズ光 d、 : のそれそれが被検光 7 2 aに干渉して生じさせ るコヒ一レン トノイズ成分 S丄 丄 3 ,、 S 1 15'、 およびノイズ光 b、 c、 eのそれそれが参照光 7 3 aに干渉して生じさせるコヒ一レントノイズ
成分 s 121,、 s 122,、 S 124, は、 何れも 「周期 1」 で変化する (欄 1 1 3、 1 1 5、 1 2 1、 12 2 124参照)。
また、 ノイズ光 eが被検光 72 aに干渉して生じさせるコヒ一レン ト ノイズ成分 S 114' は、 「周期 2」 で変化する '(欄 1 14参照)。
すなわち、 従来例では、 一部のコヒーレン トノイズ成分 S i 3,、 S!
15\ S 121\ S 122\ S 1 24 ' の強度変化周期が、 必要な信号成分 S M 5 の強度変化周期と同じになっている。
したがって、従来の撮像素子 76から出力される蓄積データ B 0、 B 、 B2、 B 3 (実測値) には、 第 4図に示すように、 「周期 1」 で変化する 必要な信号成分 B10、 B: x, B 12、 B 13 (第 4図 (a) 参照) と、 「周 期 1」 で変化するコヒーレン トノィズ成分 B 2。,、 B21,、 B22,、 B 2 3, (第 4図 (b) 参照) と、 「周期 2」 で変化するコヒ一レン トノイズ 成分 B30'、 B31\ B32\ B 33 5 (第 4図 (c) 参照) とが重ね合わ されていると考えられる。 すなわち、 コヒ一レン トノイズ成分を考慮し て各蓄積デ一夕 Bk (実測値) を表すと、 Bk二 B l k + B2k, +B3k, となる。
そして、 従来適用されていた例えば式 (8 a) では、 2つずれた蓄積 データ同士が引き算されているので、 「周期 2」で変化するコヒーレン ト ノイズ成分 B 3。,、 B31\ B32,、 B 3 3 5 からは、 B3。, 二 B32,、 B 3 15 =Β33' が成立するために影響を受けないものの、 必要な信号 成分 Β10、 い B12、 B 13と同じ 「周期 1」 で変化するコヒーレン トノイズ成分 Β2。,、 Β21\ Β22\ Β23' からは、 影響を受ける。 また仮に、 別の式を用いたとしても、 同じ周期で変化する信号同士は 分離不可能であるため、 このコヒ一レン トノイズ成分 B2k' を消去する ことはできない。
その点、 上述した本実施形態では、 被検面 7 2と参照面 73のそれそ
れを移動量比 1 : 一 1に保ちつつ移動させることにより、 コヒ一レント ノィズ成分の強度変化周期を必要な信号成分の強度変化周期とは異なる ものとし、 かつ、 式 ( 9 ) の適用によって、 このようなコヒ一レントノ 'ィズ成分の影響を確実に除去することができる。 この結果、 被検面 7 2 の形状測定が高精度化される。
<第 2実施形態 >
次に、 第 1図、 第 5図に基づいて本発明の第 2実施形態を説明する。 ここでは、 第 1実施形態との相違点についてのみ説明する。
(第 2実施形態の構成)
本実施形態の干渉計測装置 2 0は、 第 1図に示す干渉計測装置 1 0に おいて、制御回路 1 8に代えて制御回路 2 8が備えられたものに等しい。 制御回路 2 8は、 制御回路 1 8と同様に、 フリンジスキャン時に移動 機構 7 7、 1 7のそれそれに対して所定のパターンで駆動電圧を印加し、 参照面 Ί 3 と被検面 Ί 2とをそれぞれ所定のパターンで移動させると共 に、 撮像素子 7 6を駆動し、 そのときに撮像素子 7 6から出力される蓄 積データ B。、 B 2、 · · · を演算回路 1 9に与えるが、 参照面 Ί 3 および被検面 7 2の移動パターンは、 制御回路 1 9によるものとは異な る。
(第 2実施形態の動作)
第 2実施形態では、 フリンジスキャン時に、 被検面 7 2の移動量と参 照面 7 3の移動量との比は、 3 : 1に保たれる。
すなわち、 制御回路 2 8は、 8 T cの期間中に、 移動機構 7 7に与え る駆動電圧を時間に応じて変化させて、 参照面 7 3を 1 / 2波長分均等 に移動させると同時に、 移動機構 1 7に与える駆動電圧を時間に応じて 変化させて被検面 7 2を 3 / 2波長分均等に移動させる (なお、 移動量 の正/負の相違は、 光路短縮方向 Z光路拡張方向の相違に対応する。 た
だし、 どちらの方向を正にとつてもよい)。
このフリ ンジスキャンの結果、 順に蓄積データ B。、 B2、 B3、
B4、 Bい B6、 B 7 (実測値) が得られる (第 2図 (b) 参照)。 これ らの各蓄積データは、 第 1実施形態で得られる各蓄積データと同様、 そ れそれ必要な信号成分の 1/4周期分に相当し、 これらの蓄積デ一夕の 全体は、 必要な信号成分の 2周期分のデータに相当する。
そして、 演算回路 1 9が初期位相差 0。を算出する際には、 第 1実施 形態と同様の上式 (9) が適用される (第 2図 (c) 参照)。
(第 2実施形態におけるコヒ一レン トノィズ成分の振る舞い)
ここで、 干渉計測装置 20においてコヒーレントノイズ成分に関係す る光は、 第 1実施形態と同様、 ノイズ光 b (N), ノイズ光 c (WNW)、 ノイズ光 d (WNR)、 ノイズ光 e (RNR)、 ノイズ光 f (RNW) で ある。
なお、括弧内に示したアルファべッ トは、反射経路を示す。すなわち、 被検面 72の反射経路が W、 参照面 73の反射経路が R、 干渉計 75内 の何れかの箇所の反射経路が Nで表される。 また、 干渉計 75内の何れ かの箇所の反射率は、 被検面 72や参照面 73の反射率と比較して十分 に低いので、その箇所で 2回以上反射したノィズ光については無視する。 次に、 表 3に基づいて、 必要な信号成分の強度変化周期と、 各コヒ一 レン トノイズ成分の強度変化周期とを比較する。
表 3は、 本実施形態における各光の光路差、 および光路差変化量を比 較する表である。
(表 3 )
第 2実施形態における各光の光路差, 光路差変化 Sを比較する表
(参照光の光路変化; ftを基準とする) 上記したように本実施形態では、 参照光 7 3 aの光路変化量が 「 1」 であるときの被検光 7 2 aの光路変化量は 「3」 であるので、 ノイズ光 b、 c、 d、 e、 f の光路変化量は、 それそれ「 0」、 「 6」、 「4」、 「 2」、 「4」 となる。
このとき参照光 7 3 aと被検光 7 2 aとによる必要な信号成分 SM" は、 「周期 2」 で変化する (欄 M参照)。
同様に、 ノイズ光 bが被検光 7 2 aに干渉して生じさせるコヒーレン トノイズ成分 S!! i" は、 「周期 3」 で変化する (欄 1 1 1参照)。
また、 ノイズ光 cが被検光 7 2 aに干渉して生じさせるコヒ一レント ノイズ成分 S 1 12" は、 「周期 3」 で変化する (欄 1 1 2参照)。
また、 ノイズ光 dが被検光 7 2 aに干渉して生じさせるコヒ一レン ト ノイズ成分 S 113"は、 「周期 1」 で変化する (欄 1 1 3参照)。
また、 ノイズ光 eが被検光 7 2 aに干渉して生じさせるコヒーレン ト ノイズ成分 S 1 14" は、 「周期 1」 で変化する (欄 1 1 4参照)。
また、 ノイズ光 f が被検光 7 2 aに干渉して生じさせるコヒーレント ノイズ成分 S 1 1 5" は、 「周期 1」 で変化する (欄 1 1 5参照)。
また、 ノイズ光 bが参照光 7 3 aに干渉して生じさせるコヒ一レント ノィズ成分 S , 2!" は、 「周期 1」 で変化する (欄 1 2 1参照)。
また、 ノィズ光 cが参照光 7 3 aに干渉して生じさせるコヒーレント ノィズ成分 S 1 2 2" は、 「周期 5」 で変化する (欄 1 2 2参照)。
また、 ノイズ光 dが参照光 7 3 aに干渉して生じさせるコヒ一レント ノイズ成分 S 1 2 3" は、 「周期 3」 で変化する (欄 1 2 3参照)。
また、 ノイズ光 eが参照光 7 3 aに干渉して生じさせるコヒ一レン ト ノイズ成分 S 1 2 4" は、 「周期 1」 で変化する (欄 1 2 4参照)。
また、 ノィズ光: f が参照光 7 3 aに干渉して生じさせるコヒーレント ノイズ成分 S 1 2 5" は、 「周期 3」 で変化する (欄 1 2 5参照)。
すなわち、 本実施形態でも、 各コヒーレン トノィズ成分 S 〜 S
1 2 5" の強度変化周期が、 何れも必要な信号成分 SM" の強度変化周期 とは異なっている。
第 5図は、 本実施形態における、 各コヒ一レン トノイズ成分 S i 〜S 12 5" と必要な信号成分 SM"との変化の仕方を比較する図である。 第 5図 ( a) が必要な信号成分 SM" と同じく 「周期 2」 で変化する信 号を示すのに対し、 第 5図 (b) は、 コヒ一レン トノイズ成分 S i i 3"、 s 1 14"、 s i l 5"、 S 12 1"、 S 124" と同じく 「周期 1」 で変化する信 号を示し、 第 5図 ( c) は、 コヒーレン トノイズ成分 S H S 1 1 2"、 S 123"、 S 1 2 5 "と同じく 「周期 3」で変化する信号を示し、第 5図( d) は、 コヒ一レン トノィズ成分 S 122" と同じく 「周期 5」 で変化する信 号を示す (但し、 第 5図に示した振幅および位相は何れも意味を持たな い)。
したがって、 上記フリンジスキャン時に撮像素子 7 6から出力される 蓄積データ B0、 Bい Bい B3、 B4、 Bい B 6、 B 7 (実測値) には、 「周期 2」で変化する必要な信号成分 B 10、 B! ^ B 1 2 B 1 3s B 14, い B 1 6、 B 17 (第 5図 ( a) 参照) と、 「周期 1」 で変化するコヒ
—レン トノイズ成分 B 20"、 B 2 1 "ヽ B 22,,、 B 23,,、 B 24"、 B 25,,、
B 2 6"、 B 2 7" (第 5図 (b) 参照) と、 「周期 3」 で変化するコヒ一レ ノ トノイス成分 B 30 s B 3! s B 3 2 、 B 3 3 、 t> 3 4 D 3 5 ヽ ·0 3 6 ヽ
Β 37" (第 5図 ( c ) 参照) と、 「周期 5」 で変化するコヒーレン トノィ ス成分 t» 4 0、 j34 i、 B42、 t> 4 3、 D 4 4、 B 4い 1) 4 6、 -D 4 7 ( 5図 (d) 参照) が重ね合わされていると考えられる。 すなわち、 コヒーレ ン トノイズ成分を考慮して各蓄積デ一夕 Bk (実測値) を表すと、 B k =
B 1 k + 2 k + 3 k + D 4 kとな《。
さて、 上記したように本実施形態では、 式 ( 9 ) が使用される。 この 式 ( 9 ) は、 上記第 1実施形態において使用されたものと同じである。 すなわち、 コヒーレントノイズ成分が発生しないとの仮定の下では、 式 ( 8 a) と等価な初期位相差 ø。の算出式である。
ここで、 必要な信号成分 Β 1 0、 い B 1 2、 B 1 3、 B 14、 B ! 5 B 1 6、 7については、 その変化周期から、 B 1 0 = B 14、 B 1 1 = B 1 い B 1 2 = B 1 6、 B 1 3 二 B 1 7が成立する (第 5図 ( a) 参照)。 また、 コヒ一レン トノイズ成分 B 2 。,,、 B 2 1,,、 B 2 2"、 B 23,,、 B 24"、 B 2 5,,、
B 2 6 、 B 2 7 つ ヽて ヽ I) 2 0 + b 2 4 = B 2 1 + B 2 5 ― B 2
2" +B 2 6" = B 2 3" + B 2 7" = B v lが成立し (第 5図 (b) 参照)、 コヒ一レン トノイズ成分 B 3。"、 B 3 1,,、 B 3 2,,、 B 33,,、 B 34"、 B 3 5,,、
•l33 6 ヽ B 3 7 ついて ί 、 h 3 o + b 34 = L 3 ! + B 3 5 = B 3 2,, + B 3 6 " = B 3 3 " + B 3 7 " =B v 3が成立し (第 5図 ( C ) 参照)、 また、 コヒーレン トノイズ成分 B4。、 B4い B42、 B 4 3 s B 44、 B 4 い B 4 6、 B 4 7に Jいては、 B 40 + B 44 = B 4 1 + B 4 5 = B 4 2 + B 4 6 = B 43 + B 47 = B v 5が成立する (第 5図 ( d) 参照)。
このとき、 式 ( 9 ) の右辺に、 蓄積デ一夕 B 0、 Bい B 2、 B 3 s B 4、 B 5、 B 6、 B 7 (実測値) を当てはめると、 下式 ( 1 1 ) に明らかなよ うに、 コヒ一レントノイズ成分(B 2 0,,、 B 2 1,,、 B 2 2,,、 B 23,,、 B 24,,、
ω
B20"+B 24 td td
533 "十 '
お 43 + β47 = Β"
(11) ω ω
すなわち、 式 ( 9 ) では、 4バケヅ ト法の式 ( 8 a) とは異なり、 基 づくべき蓄積デ一夕が (必要な信号成分 B l kの) 2周期分に増えている ので、各成分の周期的な性質によって、コヒ一レン トノィズ成分 B 2 k"、 B 3 k"、 B 4 kが除去されて'必要な信号成分 B l kのみが残留する。
したがって、 本実施形態における式 ( 9 ) によれば、 蓄積データ B k (実測値) にコヒ一レン トノイズ成分 B 2 k"、 B 3 k"、 B 4kが如何なる 強度で重畳されていようとも、 その成分の影響を受けずに初期位相差 ø 。が求められる。
以上説明したように、 本実施形態では、 被検面 7 2と参照面 7 3のそ れそれを移動量比 3 : 1に保ちつつ移動させることにより、 コヒーレン トノィズ成分の強度変化周期を必要な信号成分の強度変化周期とは異な るものとし、 かつ、 式 ( 9 ) の適用によって、 このようなコヒ一レン ト ノイズ成分の影響を確実に除去することができる。 この結果、 被検面 7
2の形状測定が高精度化される。
なお、 本実施形態においては、 被検面 7 2と参照面 7 3の移動量比を
1 : 3に代えてもよい。 この場合にも、 3 : 1 とした場合と同様に形状 測定が高精度化される。
<第 3実施形態 >
次に、 第 2図、 第 6図に基づいて本発明の第 3実施形態を説明する。 ここでは、 第 1実施形態や第 2実施形態との相違点についてのみ説明す る。
(第 3実施形態の構成)
第 6図は、 本実施形態の干渉計測装置 3 0の構成図である。
干渉計装置 3 0は、 上記第 1実施形態や第 2実施形態の干渉計測装置 1 0 , 2 0 (なお、 干渉計 7 5はマイケルソン型干渉計である。) とは異 なり、 フィゾー型干渉計 3 5が適用されている。
フィゾー型干渉計 3 5は、 光源 3 1、 ビームエキスパンダ 3 5 a、 ビ 一ムスプリ ッ夕 3 5 b、 ヌルレンズ 3 5 d、 結像レンズ 3 5 c、 撮像素 子 3 6等を有する。
フィゾー型干渉計 3 '5において、 光源 3 1から出射された光は、 ピー ムエキスパンダ 3 5 a、 ビームスプリ ヅ夕 3 5 bを介してヌルレンズ 3 5 dに入射する。
ヌルレンズ 3 5 dに入射した光束は、 所定位置に配置されたフィゾ一 面 3 3 (フィゾー型干渉計の参照面である。) に入射する。
フィゾ一面 3 3に入射した光束は、 一部がフィゾ一面 3 3で反射して 参照光 3 3 aとなり、 他の一部がフィゾー面を透過した後所定位置に配 置された被検面 3 2で反射して被検光 3 2 aとなる。
参照光 3 3 aは、 ヌルレンズ 3 5 d、 ビ一ムスプリ ヅ夕 3 5 b、 結像 レンズ 3 5 cを経た後、撮像素子 3 6に入射し、一方、被検光 3 2 aは、 フィゾー面 3 3、 ヌルレンズ 3 5 d、 ビームスプリ ヅ夕 3 5 b、 結像レ ンズ 3 5 cを経た後、 撮像素子 3 6に入射する。 そして、 これら参照光 3 3 aと被検光 3 2 bとは干渉して撮像素子 3 6上に干渉縞を成す。 このフィゾー型干渉計 3 5とマイケルソン型干渉計(第 1図符号 7 5 ) との相違は、 参照光 3 3 aの光路と、 被検光 3 2 aの光路とが共通して いる点にある (但し光路長は異なる)。 このため、 フィゾー型干渉計 3 5 は、 参照光 3 3 aの光路の環境と被検光 3 2 aの光路の環境とをほぼ一 致させることができるので、特に高精度が要求される計測に適している。 そして、 このフィゾ一型干渉計 3 5を備えた干渉計測装置 3 0には、 2つの移動機構 3 7 2および移動機構 3 7 3と、 制御回路 3 8 と、 演算 回路 3 9 とが備えられる。
移動機構 3 7 2は、 被検光 3 2 aの光路の光学的距離を変化させるた めに、 与えられる駆動電圧に応じた距離だけ被検面 3 2を光軸方向へ移
動させるものであり、 移動機構 3 7 3は、 参照光 3 3 aの光路の光学的 距離を変化させるために、 与えられる駆動電圧に応じた距離だけ参照面 3 3を光軸方向に移動させるものである。 これら移動機構 3 7 2、 3 7 3は、 例えばピエゾ素子などからなり、 本実施形態では、 互いに同じ特 性のものが使用されるとする。
撮像素子 3 6は、 C C D型撮像素子などであり、 制御回路 3 8により 駆動されると、 各画素において入射光強度に応じた量の電荷を単位時間 T c毎に蓄積し、 入射光強度の時間 T cに亘る時間積分値を示す信号で ある蓄積デ一夕 B 0、 B 1 Ν Β 2、 · · '(実測値) を順次出力する。
制御回路 3 8は、 フリンジスキャン時に、 移動機構 3 7 3、 3 7 2の それそれに対して所定のパターンで駆動電圧を印加し、 参照面 3 3と被 検面 3 2とをそれぞれ所定のパターンで移動させる。 また制御回路 3 8 は、 このときに撮像素子 3 6を駆動し、 撮像素子 3 6から出力される蓄 積デ一夕 Β 0、 Βい Β 2、 · · ■ (実測値) を演算回路 3 9に与える。 演算回路 3 9は、 所定状態 (例えばフリンジスキャン開始時の初期状 態) における参照光 3 3 aと被検光 3 2 aとの間の位相差 (例えば初期 位相差 。) を求める際に、 蓄積データ B Q、 B Β 2、 · · '(実測値) に対して所定の演算を施す。 なお、 この演算回路 3 9は、 干渉計測装置 3 0の外部に備えられていてもよい。また、この演算回路 3 9に代えて、 演算回路 3 9と同じ動作をするコンピュータを利用してもよい。
(第 3実施形態の動作)
本実施形態では、 第 1実施形態と同様、 フリンジスキャンの際に、 被 検面 3 2の移動量とフィゾ一面 3 3 (参照面) の移動量との比を 1 : 一 1に保ちつつ、 被検光 3 2 aと参照光 3 3 aの光学的距離の差を少なく とも光源 3 1から出射される光の 2波長分 (位相差にして 2周期分) 変 化させる (第 2図 ( a ) 参照)。 また、 フィゾー面 3 3 (参照面) の位置
と被検面 3 2の位置とが何れも十分な精度で時間に対して直線的に変化 し、 かつ単位時間 T c当たりの被検光 3 2 aと参照光 3 3 aとの位相差 変化量 27Γ aが 7Γ/ 2となるよう (すなわち、 a二 1/4となるよう) 設定される (第 2図 ( a) 参照)。
すなわち、 制御回路 3 8は、 制御回路 1 8と同様に、 8 T cの期間中 に、 移動機構 3 7 3に与える駆動電圧を時間に応じて変化させて、 フィ ゾ一面 3 3 (参照面) を 1/2波長分均等に移動させると同時に、 移動 機構 3 72に与える駆動電圧を時間に応じて変化させて被検面 3 2を— 1/2波長分均等に移動させる (なお、 移動量の正/負の相違は、 光路 短縮方向 Z光路拡張方向の相違に対応する。 ただし、 どちらの方向を正 にとつてもよい)。
このフリンジスキャンの結果、 蓄積デ一夕: B。、 B i s B2、 B 3、 B4、 B5、 Bい B7 (実測値) が得られる (第 2図 (b) 参照)。
そして、 演算回路 3 9は、 初期位相差 (^。を求める際に、 これら 2周 期分の蓄積データ B 0、 Bい B 2、 B a s B4、 Bい B 6、 B7 (実測値) に対して、 上式 ( 9 ) を適用する (第 2図 ( c ) 参照)。
(第 3実施形態におけるコヒ一レン トノイズ成分の振る舞い)
ここで、 第 6図に示すフィゾー型干渉計 3 5 と、 第 1図、 第 7図に示 す干渉計 7 5 (マイケルソン型干渉計である。) との相違は、 上記したよ うに光路が一部重なっているか否かの相違のみであるので、 干渉計測装 置 3 0においてコヒ一レントノィズ成分に関係するノィズ光の種類は、 干渉計測装置 1 0、 2 0、 7 0におけるノイズ光の種類と同じである。 すなわち、 第 6図に細線で示したように、 光源 3 1からの出射光の一 部であってフィゾー型干渉計 3 5内の必要反射面以外の何れかの箇所で 反射して被検面 3 2やフィゾー面 3 3を介することなく被検光 3 2 aや 参照光 3 3 aに干渉するノイズ光 (ノイズ光 b (N))、 被検面 3 2また
はフィゾ一面 3 3からの反射光の一部であってフィゾ一型干渉計 3 5内 の光源 3 1の射出口やその他の光学系の表面などで反射して再び被検面 3 2またはフィゾ一面 3 3'に向かい、 被検面 3 2ゃフィゾ一面 3 3で反 射した後に被検光 3 2 aや参照光 3 3 aに干渉するノイズ光 (ノイズ光 c (WNW)、 ノイズ光 d (WNR)s ノイズ光 e (RNR)、 ノイズ光 f (RNW)) である。
なお、括弧内に示したアルファべッ トは、反射経路を示す。すなわち、 被検面 3 2の反射経路が W、 フィゾー面 3 3の反射経路が: R、 フィゾー 型干渉計 3 5内の何れかの箇所の反射経路が Nで表される。 また、 フィ ゾー型干渉計 3 5内の何れかの箇所の反射率は、 被検面 3 2やフィゾー 面 3 3の反射率と比較して十分に低いので、 その箇所で 2回以上反射し たノィズ光については無視する。
そして、 第 1実施形態と同様のパターンで被検面 32とフィゾー面 3 3 (参照面)とのそれそれを移動させる本実施形態では、各光の光路差、 および光路差変化量は、 第 1実施形態と同様、 表 1に示す通りとなる。 すなわち、 本実施形態でも、 各コヒーレントノィズ成分 S i i〜S 12 5の強度変化周期と必要な信号成分 SMの強度変化周期とに第 1実施形 態と同様の差異が設けられる。
この結果、 上記第 1実施形態の説明中に記載したのと同じ理由で、 式 ( 9 ) によってコヒーレント成分の影響を受けずに初期位相差 ø。が求 められる。
以上説明したように、 本実施形態では、 フィゾー型干渉計 3 5が適用 された干渉計測装置 3 0において、 第 1実施形態と同様のパターンで被 検面 3 2とフィゾ一面 3 3 (参照面) のそれそれを移動させ、 かつ、 式 ( 9 ) を適用することによって、 コヒーレントノイズ成分の影響を確実 に除去することができる。 この結果、 被検面 3 2の形状測定が高精度化
される。
なお、 本実施形態においては、 被検面 32とフィゾ一面 33 (参照面) の移動量比を、 第 2実施形態と同様の 3 : 1または 1 : 3に代えてもよ い。 この場合にも、 上記第 2実施形態の説明中に記載したのと同じ理由 で、 形状測定が高精度化される。
<その他 >
上記各実施形態においては、 必要な信号成分が偶数周期変化する間に コヒ一レン トノイズ成分が整数周期 (但し、 必要な信号成分とは異なる 周期) 変化するのであれば、 被検面 72、 32、 参照面 73、 33のそ れぞれを如何なるパターンで移動させてもよい。 このような周期関係を 実現させる移動パターンであれば、 上式 ( 9) によって確実にコヒ一レ ントノイズ成分の影響を除去できる。 ただし、 被検面 72, 32と参照 面 73 (フィゾー面 33 ) の移動量比は 1 : 一 1とすることがこれらの 面の移動距離の合計を小さく抑えられる点で好ましい。 次いで、 この移 動量比を 3 : 1または 1 : 3とすることが好ましい。 この結果、 干渉計 測装置の大型化が抑えられる。
また、 上記各実施形態においては、 取得する蓄積デ一夕の数を 8個に 代えて 9個とする (すなわちフリンジスキャンは少なく とも位相差にし て ( 2 + 1 / 4 )周期分行われる。) と共に、 式 ( 9 ) に代えて式 ( 1 2 ) を適用してもよい。 この式 ( 1 2) は、 上記した 5バケッ ト法の式 ( 8 b) と同様に式 (4) から導かれる初期位相差 。の算出式である。 し たがって、 式 ( 12) は、 コヒーレン トノィズ成分が発生しないとの仮 定の下では、 式 (8 b) と等価である。
因みに、 この式 ( 12) の右辺に、 上記各実施形態において説明した ようにコヒーレント成分が重畳された蓄積デ一夕 B。、 B ^ B
2、 B
3、 B
4、 B
5、 B
6、 Bい B
8 (実測値) を当てはめると、 下式 ( 1 3 ) に 示すように、 コヒ一レン トノィズ成分に相当する項は全て消去される。
すなわち、 式 ( 12) では、 5パケッ ト法の式 (8 b) とは異なり、 基づくべき蓄積デ一夕が (必要な信号成分の) 2周期分に増えているの で、 各成分の周期的な性質によって、 コヒーレントノイズ成分が除去さ れて必要な信号成分のみが残留する。
したがって、 上記各実施形態に適用された式 ( 1 2) によれば、 蓄積 デ一夕 Bk (実測値) にコヒーレン トノイズ成分が如何なる強度で重畳 されていよう とも、 その成分の影響を受けずに初期位相差 ø。が求めら れる。
また、 上記各実施形態においては、 コヒ一レン トノイズ成分を消去す ることができるのであれば、 如何なる数の蓄積データに基づく演算式を 適用してもよい。
さらには、 上記各実施形態において、 必要な信号成分とコヒーレン ト
ノィズ成分との周期に差異を与えるようなパターンで参照面と被検面と を移動させ、 かつ必要な信号成分とコヒ一レントノイズ成分とを分離ま たは消去することができるのであれば、 如何なる移動パターンと、 如何 なる演算式とが組み合わされてもよい。
なお、 被検面と参照面をそれそれ移動させる際には、 被検面、 参照面 のそれそれの移動開始のタイミングゃ移動速度差を制御して移動させる 必要がある。 そのために、 たとえば、 被検面と参照面を同期して、 それ それの面を光軸方向に駆動する移動機構が必要である。 なお、 被検面と 参照面をそれそれ移動させるのは、 被検面を経た光線と参照面を経た光 線の光路長を変化させるためである。 本発明においては、 それぞれの光 路長を同期して変化させる手段は、 被検面と参照面を光軸方向に駆動す る移動機構だけに限られない。
また、 上記各実施形態において説明したように、 移動機構 1 7と移動 機構 7 7との間、 または移動機構 3 7 3と移動機構 3 7 2との間で、 同 じ特性のピエゾ素子を適用すると、 上記したフリンジスキャンを実現す るための駆動電圧の設定が容易である点で好ましいが、 十分な精度で所 望のフリンジスキヤンを実現できるのであれば、 異なる特性のビエゾ素 子を適用してもよい。
特に、 上記各実施形態におけるピエゾ素子として、 伸縮量を測定しな がら駆動電圧を制御できるフィ一ドバック機構を備えたピエゾ素子を適 用すると、 その伸縮の直線性を高くすることができ、 時間に対して参照 面及び被検面の位置が高精度で直線的に変化させることができるので、 高精度の計測が可能となる。 産業上の利用可能性
本発明は、 被検面の形状を測定する干渉計測方法及び干渉計として、
幅広い産業分野で使用することができる。