明 細 書 有機硫黄酸又はその塩の製造法 技術分野
本発明は、 医薬、 農薬、 染料などの原料や洗剤などと して有用な有機 硫黄酸又はその塩の製造法に関する。 背景技術
有機硫黄酸及びその塩の製造法と して種々の方法が知られている。 例 えば、 スルホン酸の製造法と して、 チオールやジスルフィ ドを酸化剤に より酸化する方法、 芳香族炭化水素と無水 s o 3—ピリ ジンやクロロ硫 酸とを反応させるフ リ一デルクラフ 卜反応を利用する方法、 不飽和化合 物へのラジカル付加反応により合成する方法などが利用されている。 し かし、 これらの方法は、 反応条件が厳しかったり、 多量の副生物が併産 されるなどの問題点を有する。 また、 従来、 非芳香族性の炭化水素類を 直接且つ効率的にスルホン化する方法はほとんど知られていなかった。
日本化学会 1 9 9 9年春季年会講演予稿集には、 N—ヒ ドロキシフタ ルイ ミ ドを触媒と した二酸化硫黄と酸素による炭化水素類のスルホン化 反応が報告されている。 この方法によれば、 ァダマンタンなどの炭化水 素から一段階で対応するスルホン酸を得ることができる。 しかし、 さら に効率的で安価なスルホン酸等の有機硫黄酸及びその塩の製造法が求め られている。 発明の開示
従って、 本発明の目的は、 温和な条件で効率よく有機硫黄酸又はその
塩を製造できる方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、 非芳香族性の炭化水素類から直接且つ効率的に 对応する硫黄酸又はその塩を得る方法を提供することにある。
本発明者らは、 前記目的を達成するため鋭意検討した結果、 金属化合 物を触媒と して用いると、 N—ヒ ドロキシフタルイ ミ ド等の N—ヒ ドロ キシ及び N—ォキソ環状ィ ミ ド化合物の非存在下でも、 有機基質と酸化 硫黄とから対応する有機硫黄酸又はその塩が効率よく生成することを見 いだし、 本発明を完成した。
すなわち、 本発明は、 金属化合物触媒の存在下、 有機基質と酸化硫黄 とを、 N—ヒ ドロキシ及び N—ォキソ環状ィ ミ ド化合物の非共存下で反 応させて、 対応する有機硫黄酸又はその塩を生成させる有機硫黄酸又は その塩の製造法を提供する。 前記酸化硫黄と して二酸化硫黄などを使用 できる。 また、 有機基質と して、 ( a ) メチレン基を有する同素又は複 素環化合物、 ( b ) メチン炭素原子を有する化合物、 ( c ) 不飽和結合 の隣接部位にメチル基又はメチレン基を有する化合物、 ( d ) ヘテロ原 子の隣接位に炭素一水素結合を有する非芳香族性複素環化合物、 ( e ) 直鎖状アルカンなどを使用できる。
なお、 上記 N—ヒ ドロキシ及び N—ォキソ環状イ ミ ド化合物とは、 具 体的には、 下記式 ( 1 )
(式中、 R '及び R 2は、 同一又は異なって、 水素原子、 ハロゲン原子、 アルキル基、 ァ リール基、 シク ロアノレキル基、 ヒ ドロキシル基、 ァノレコ キシ基、 カルボキシル基、 アルコキシカルボニル基、 ァシル基を示し、
R '及び R 2は互いに結合して二重結合、 又は芳香族性若しくは非芳香族 性の環を形成してもよい。 Xは酸素原子又はヒ ドロキシル基を示す。 前 記 R R 又は R '及び R 2が互いに結合して形成された二重結合又は 芳香族性若しくは非芳香族性の環には、 上記式 ( 1 ) 中に示される N— 置換環状ィ ミ ド基がさらに 1又は 2個結合していてもよい)
で表されるィ ミ ド化合物を意味する。 発明を実施するための最良の形態
[有機基質]
本発明において用いる基質の種類は特に制限されず、 広い範囲の飽和 又は不飽和化合物、 例えば、 炭化水素類 (脂肪族炭化水素類、 脂環式炭 化水素類、 芳香族炭化水素類) 、 複素環式化合物、 アルコール類、 エー テル類、 エステル類、 ケ トン類、 アルデヒ ド類などが使用できる。 基質 は単独で用いてもよく 2種以上を併用してもよい。
好ましい基質には、 例えば、 ( a ) メチレン基を有する同素又は複素 環化合物、 ( b ) メチン炭素原子を有する化合物、 ( c ) 不飽和結合の 隣接部位にメチル基又はメチレン基を有する化合物、 (d ) ヘテロ原子 の隣接位に炭素一水素結合を有する非芳香族性複素環化合物、 ( e ) 直 鎖状アルカンなどが含まれる。 このような化合物では、 それぞれ、 該メ チレン基、 メチン炭素原子、 メチル基又はメチレン基、 ヘテロ原子の隣 接位の炭素原子、 直鎖状アルカンを構成する炭素原子に硫黄酸基 (スル ホン酸基、 スルフィ ン酸基等) が導入される。
前記化合物 ( a ) のうち、 メチレン基を有する同素環化合物 (a l ) と しては、 例えば、 シク ロアルカン類 (シクロプロパン、 シク ロブタン、 シク ロペンタン、 シク ロへキサン、 メチ^/シク ロへキサン、 1, 2—ジ ェチルシク ロへキサン、 イ ソプロ ビルシク ロへキサン、 シクロヘプタン
、 シクロオクタン、 メチノレシクロオクタン、 シクロノナン、 シクロデカ ン、 シクロ ドデカン、 シクロ トリデカン、 シクロテ トラデカン、 シクロ ペンタデカン、 シクロへキサデカン、 シクロォクタデカン、 シクロノナ デカンなどの C 3 - 3。シクロアルカン類) 、 シクロアルケン類 (シクロプ 口ペン、 シクロブテン、 シクロペンテン、 シクロへキセン、 1—メチノレ 一 1ーシクロへキセン、 シクロヘプテン、 シクロオタテン、 シクロノネ ン、 シクロデカェン、 シクロ ドデカェンなどの C 3 - 3。シクロアルケン類
) 、 シクロアノレカジエン類 (シクロペンタジェン、 シクロへキサジェン 、 シクロへブタジエン、 シクロォクタジェン、 シクロデカジエン、 シク ロ ドデカジエンなどの C 5 - 3。シクロアルカジエン類) 、 シクロアルカ ト リエン類、 シクロアルカテ トラェン類、 5〜 8員の非芳香族性環が縮合 した縮合多環式芳香族炭化水素類などが例示できる。
前記化合物 ( a ) のうち、 メチレン基を有する複素環化合物 (a2) に は、 窒素原子、 酸素原子、 硫黄原子から選ばれたヘテロ原子を有する 5 又は 6員環化合物、 又はへテロ原子を有する 5又は 6員環が芳香族性環 に縮合した縮合複素環化合物、 例えば、 ジヒ ドロフラン、 テ トラヒ ドロ フラン、 ピラン、 ジヒ ドロピラン、 テ トラヒ ドロピラン、 ピぺリジン、 ピぺラジン、 ピロ リ ジン、 キサンテンなどが含まれる。 上記化合物 ( a ) では、 非芳香族性環を構成するメチレン炭素原子に硫黄酸基が導入さ れる。
( b ) メチン炭素原子 (メチリ ジン基) を有する化合物には、 例えば 、 ( bl ) 第 3級炭素原子を有する鎖状炭化水素類、 (b2) 橋架け環式化 合物、 (b3) 環に炭化水素基が結合した非芳香族性環状化合物などが含 まれる。
第 3級炭素原子を有する鎖状炭化水素類 (M ) と しては、 例えば、 ィ ソブタン、 イソペンタン、 イソへキサン、 3—メチノレペンタン、 2, 3
—ジメチルブタン、 2—メチルへキサン、 3—メチノレへキサン、 2 , 3 —ジメチルペンタン、 2 , 4—ジメチルペンタン、 2 , 3 , 4 — ト リメ チノレペンタン、 3 —ェチノレペンタン、 2 , 3—ジメチノレへキサン、 2 , 4 _ジメチノレへキサン、 3 , 4—ジメチルへキサン、 2 , 5—ジメチノレ へキサン、 2—プロピノレへキサン、 2 _メチルヘプタン、 4—メチルへ プタン、 2 —ェチノレヘプタン、 3—ェチノレヘプタン、 2 , 6 _ジメチノレ ヘプタン、 2 _メチルオクタン、 3 —メタルオクタン、 2 , 7 —ジメチ ルオクタン、 2—メチルノナンなどの炭素数 4〜 2 0 (好ましくは、 炭 素数 4〜 1 0 ) 程度の脂肪族炭化水素類などが例示できる。 化合物 (bl ) では、 該第 3級炭素原子に硫黄酸基が導入される。
橋架け環式化合物 (b2) には、 例えば、 デカリ ン、 ビシクロ [ 2. 2 . 0 ] へキサン、 ビシクロ [ 2. 2. 2 ] オクタン、 ビシクロ [ 3. 2 . 1 ] オクタン、 ビシクロ [ 4. 3. 2 ] ゥンデカン、 ッジョ ン、 カラ ン、 ピナン、 ピネン、 ボノレナン、 ボノレニレン、 ノノレボノレナン、 ノノレボノレ ネン、 カンファー、 ショ ウノ ウ酸、 カンフェン、 ト リシク レン、 ト リシ クロ [ 4. 3. 1 . I 2' 5] ゥンデカン、 ト リシクロ [ 5. 2. 1 . 03 ■ 8] デカン、 ェキソ ト リ シクロ [ 5. 2. 1 . 0 2· 6] デカン、 エンド ト リ シクロ [ 5. 2. 1 . 02' 6] デカン、 エンドト リ シクロ [ 5. 2 . 2. 02' 6] ゥンデカン、 ァダマンタン、 1 —ァダマンタノール、 1 一クロロアダマンタン、 1 —メチノレアダマンタン、 1 , 3—ジメチノレア ダマンタン、 1—メ トキシァダマンタン、 1—カルボキシァダマンタン 、 1 —メ トキシカルボニルァダマンタン、 1 _二トロアダマンタン、 2 ーァダマンタノン、 テ トラシクロ [ 4. 4. 0. I 2· 5· 1 7 1°] ドデ カン、 ぺノレヒ ドロアントラセン、 ぺノレヒ ドロアセナフテン、 ぺノレヒ ドロ フエナントレン、 ぺノレヒ ドロ フエナレン、 ぺノレヒ ドロイ ンデン、 キヌク リジンなどの 2〜 4環式の橋かけ環式炭化水素又は橋かけ複素環化合物
及びそれらの誘導体などが挙げられる。 橋架け環式化合物 (b2) は撟頭 位 ( 2環が 2個の原子を共有している場合には、 接合位に相当) にメチ ン炭素原子を有しており、 該メチン炭素原子に硫黄酸基が導入される。 環に炭化水素基が結合した非芳香族性環状化合物 (b3) と しては、 1 —メチノレシクロペンタン、 1 —メチルシクロへキサン、 リモネン、 メン テン、 メン トール、 カルボメントン、 メントンなどの、 炭素数 1〜 2 0 (好ましくは 1〜 1 0 ) 程度の炭化水素基 (例えば、 アルキル基など) が環に結合した 3〜 1 5員程度の脂環式炭化水素及びその誘導体などが 挙げられる。 これらの化合物 (b3) では、 環と前記炭化水素基との結合 部位のメチン炭素原子に硫黄酸基が導入される。
( c ) 不飽和結合の隣接部位にメチル基又はメチレン基を有する化合 物には、 (cl) 非芳香族性の炭素一炭素二重結合及び Z又は三重結合の 隣接部位にメチル基又はメチレン基を有する有機化合物、 (c2) 芳香族 性環の隣接部位にメチル基又はメチレン基を有する化合物、 (c3) カル ボニル基の隣接部位にメチル基又はメチレン基を有する化合物が含まれ る。
前記化合物 (cl) と しては、 炭素数 3〜 1 2程度の鎖状不飽和炭化水 素類、 例えば、 プロピレン、 1—ブテン、 2—ブテン、 ブタジエン、 1 —ペンテン、 2—ペンテン、 イソプレン、 1 —へキセン、 2—へキセン 、 1 , 5—へキサジェン、 2 , 3 _ジメチルー 2—ブテン、 3 —へキセ ン、 1 —ヘプテン、 2 _ヘプテン、 1 , 6 —へブタジエン、 1 —ォクテ ン、 2—ォクテン、 3—ォクテン、 1 , 7—ォクタジェン、 2 , 6 —ォ クタジェン、 2—メチル一 2 —プテン、 1 一ノネン、 2—ノネン、 デカ ェン、 デカジエン、 ドデカェン、 ドデカジエン、 ドデカ ト リェン、 ゥン デカェン、 ゥンデカジエン、 ゥンデカ ト リェンなどが例示できる。 これ らの化合物 (cl) では、 ァリル位の炭素原子等に硫黄酸基が導入される
化合物 (c2) と しては、 例えば、 アルキル基を有する芳香族炭化水素 類 (トルエン、 キシレン、 メシチレン、 デュレン、 ェチルベンゼン、 プ ロピノレベンゼン、 クメン、 メチノレエチノレベンゼン、 メチノレナフタレン、 ジメチルナフタレン、 メチルアントラセン、 ジメチルアン トラセン、 ト リメチノレアントラセン、 ジベンジル、 ジフエニルメタン、 ト リ フエニル メタンなど) 、 アルキル基を有する複素環化合物 (メチルフラン、 メチ ルクロマン、 メチルピリジン (ピコリ ン) 、 ジメチルビリ ジン (ルチジ ン) 、 トリメチルピリジン (コリ ジン) 、 ェチルピリジン、 メチルキノ リン、 メチルインドール、 インダン、 インデン、 テ トラリ ン、 フルォレ ンなど) などが例示できる。 これらの化合物 (c2) では、 いわゆるベン ジル位に硫黄酸基が導入される。
化合物 (c 3) と しては、 アルデヒ ド類、 ケトン類、 カルボン酸又はそ の誘導体などが含まれる。 アルデヒ ド類には、 脂肪族アルデヒ ド類 (ァ セ トアルデヒ ド、 プロピオンアルデヒ ド、 ブチルアルデヒ ド、 イソブチ ノレアノレデヒ ド、 ペンチノレアルデヒ ド、 へキシルアルデヒ ド、 ヘプチノレア ノレデヒ ド、 ォクチルアルデヒ ド、 ノニルアルデヒ ド、 デシルァルデヒ ド などの アルキルモノアルデヒ ド、 マロンアルデヒ ド、 スクシンァ ルデヒ ド、 アジピンアルデヒ ド、 セバシンアルデヒ ドなどの脂肪族ポリ アルデヒ ドなど) 、 脂環式アルデヒ ド (ホルミルシクロへキサン、 シク ロネラールなど) 、 複素環アルデヒ ドなどが含まれる。
ケ トン類と しては、 脂肪族ケ トン類 (アセ トン、 メチルェチルケ トン 、 メチルイソプロピルケ トン、 メチルイソブチルケ トン、 メチルー t — ブチルケ トン、 2—ペンタノン、 3 —ペンタノン、 2—へキサノン、 3 —へキサノン、 2—ヘプタノン、 3 —ヘプタノン、 4—ヘプタノン、 2 ーォクタノ ン、 3—ォクタノン、 4—ォクタノン、 2 —ノナノン、 2—
デカノンなど) 、 環状ケ トン類 (シクロペンタノン、 シクロへキサノン 、 メチルシクロへキサノン、 ジメチルシクロへキサノン、 シクロへプタ ノン、 イソホロン、 シクロォクタノン、 シクロノナノン、 シクロデカノ ン、 シクロへキサジオン、 シクロォクタジオンなどの非芳香族性環状モ ノ又はポリケ トン類、 α—テ トラロン、 ]3 —テ トラロン、 インダノンな どの芳香族性環を備えた環状ケ トン類) 、 橋架け環式ケ トン類 (ァダマ ンタノン、 メチルァダマンタノン、 ジメチルァダマンタノンなど) 、 芳 香族ケ トン類 (ァセ トフエノン、 プロピオフエノンなど) 、 複素環式ケ トン類 (インデン一 1一オン、 フルオレン一 9—オンなど) などが例示 できる。
カルボン酸又はその誘導体には、 例えば、 脂肪族ジカルボン酸又はそ の誘導体 (マロン酸又はそのエステル、 コハク酸又はそのエステル、 グ ルタル酸又はそのエステルなど) などが例示できる。 上記化合物 (c3) では、 いわゆる活性メチレン基又はメチル基などに硫黄酸基が導入され る。
( d ) ヘテロ原子の隣接位に炭素一水素結合を有する非芳香族性複素 環化合物における非芳香族性複素環には、 窒素原子、 酸素原子及びィォ ゥ原子から選択された少なく とも 1種のへテロ原子を有する 3〜 2 0員 (好ましくは 5〜 1 2員、 さらに好ましくは 5又は 6員) の複素環など が含まれる。 前記複素環には、 ベンゼン環、 シクロへキサン環、 ピリジ ン環などの芳香族性又は非芳香族性の環が 1又は 2以上縮合していても よレ、。 前記複素環と しては、 例えば、 ジヒ ドロフラン、 テ トラヒ ドロフ ラン、 ピラン、 ジヒ ドロピラン、 テ トラヒ ドロピラン、 ピロ リ ジン、 ピ ペリジン、 ピぺラジン、 モノレホリン、 イ ン ドリン、 クロマン、 イソクロ マンなどが例示される。
( e ) 直鎖状アルカンと しては、 例えば、 メタン、 ェタン、 プロパン
、 ブタン、 ペンタン、 へキサン、 ヘプタン、 オクタン、 ノナン、 デカン 、 ドデカン、 テ トラデカン、 へキサデカン等の炭素数 1〜 3 0程度 (好 ま しく は炭素数 1〜 2 0程度) の直鎖状アル力ンが挙げられる。
これらの基質には、 適当な官能基、 例えば、 ハロゲン原子、 アルキル 基、 ァノレケニル基、 アルキニノレ基、 シクロアルキル基、 ァリール基、 ァ ラルキル基、 ァシル基、 ヒ ドロキシル基、 アルコキシ基、 ァシルォキシ 基、 メルカプト基、 カルボキシル基、 アルコキシカルボニル基、 ァミノ 基、 N—置換アミ ノ基、 力ルバモイル基、 N—置換力ルバモイル基、 二 トロ基、 シァノ基、 スルホニル基、 スルフィニル基、 ホスフイ ノ基、 複 素環式基、 ォキソ基などが置換していてもよい。
[酸化硫黄および酸素]
前記酸化硫黄は、 式 S X O Y
(式中 Xは 1又は 2の整数、 yは 1〜 7の整数を示す)
で表すことができる。 前記式で表される化合物において、 Xが 1である 場合、 yは通常 1〜4の整数であり、 Xが 2である場合、 yは通常 3又 は 7である。
このよ うな酸化硫黄には、 例えば、 S〇、 S 2〇3、 S O 2、 S O 3、 S 2〇 7、 S O 4などが例示できる。 これらの酸化硫黄は単独で又は 2種以 上を組み合わせて使用できる。 好ましい酸化硫黄には二酸化硫黄 (S O 2 ) などが含まれる。 酸化硫黄は酸素と共に用いることもできる。 例え ば、 二酸化硫黄 ( s o 2 ) と酸素とを併用すると、 高い収率で対応する スルホン酸が生成する。 なお、 前記酸素は、 純粋な酸素であってもよく 、 不活性ガス (二酸化炭素、 窒素、 ヘリ ウム、 アルゴンなど) で希釈し て使用してもよい。 また、 酸素源は空気であってもよい。 さらに、 三酸 化硫黄と して三酸化硫黄を含む発煙硫酸を用いてもよい。
酸化硫黄の使用量は、 有機基質への硫黄酸基 (スルホン酸基、 スルフ
イ ン酸基など) の導入量に応じて選択でき、 例えば、 基質 1モルに対し て 1〜 5 0モル、 好ましくは 1. 5〜 3 0モル程度の範囲から選択でき る。 酸化硫黄の大過剰雰囲気下で反応を行ってもよい。 なお、 酸化硫黄 (例えば、 二酸化硫黄) と酸素とを併用する場合、 その割合は、 例えば 、 前者 Z後者 (モル比) = 1 9 9〜99Zl、 好ましくは前者/後者 (モル比) l OZS O S OZl C さらに好ましくは前者/後者 ( モル比) = 2 0ノ8 0〜 8 0/ 2 0程度である。
[触媒]
本発明の方法では、 金属化合物を触媒と して使用する。 金属化合物は 単独で又は 2種以上組み合わせて使用できる。
金属化合物を構成する金属元素と しては、 特に限定されず、 周期表 1 〜 1 5族の金属元素の何れであってもよい。 なお、 本明細書では、 ホウ 素 Bも金属元素に含まれるものとする。 例えば、 前記金属元素と して、 周期表 1族元素 (L i 、 N a、 Kなど) 、 2族元素 (M g、 C a、 S r 、 B aなど) 、 3族元素 ( S c、 ランタノィ ド元素、 ァクチノィ ド元素 など) 、 4族元素 (T i 、 Z r、 H f など) 、 5族元素 (Vなど) 、 6 族元素 (C r、 Mo、 Wなど) 、 7族元素 (Mnなど) 、 8族元素 (F e、 R uなど) 、 9族元素 (C o、 R hなど) 、 1 0族元素 (N i 、 P d、 P tなど) 、 1 1族元素 (C uなど) 、 1 2族元素 (Z nなど) 、 1 3族元素 (B、 A し I nなど) 、 1 4族元素 (S n、 P bなど) 、 1 5族元素 ( S b、 B i など) などが挙げられる。 好ましい金属元素に は、 遷移金属元素 (周期表 3〜 1 2族元素) が含まれる。 なかでも、 周 期表 5〜 1 1族元素、 特にバナジウムなどの 5族元素が好ましい。 金属 元素の原子価は特に制限されず、 1〜 6価程度であってもよいが、 3〜 5価である場合が多い。
金属化合物と しては、 前記金属元素の単体、 水酸化物、 酸化物 (複合
酸化物を含む) 、 ハロゲン化物 (フッ化物、 塩化物、 臭化物、 ヨウ化物 ) 、 ォキソ酸塩 (例えば、 硝酸塩、 硫酸塩、 リ ン酸塩、 ホウ酸塩、 炭酸 塩など) 、 ォキソ酸、 イソポリ酸、 ヘテロポリ酸などの無機化合物 ; 有 機酸塩 (例えば、 酢酸塩、 プロピオン酸塩、 青酸塩、 ナフテン酸塩、 ス テアリ ン酸塩など) 、 錯体などの有機化合物が挙げられる。 前記錯体を 構成する配位子と しては、 OH (ヒ ドロキソ) 、 アルコキシ (メ トキシ 、 エ トキシ、 プロポキシ、 イ ソプロボキシ、 ブ トキシなど) 、 ァシル ( ァセチル、 プロ ピオニルなど) 、 アルコキシカルボニル (メ トキシカル ボニル、 エ トキシカルボニルなど) 、 ァセチルァセ トナ ト、 シク ロペン タジェニル基、 ハロゲン原子 (塩素、 臭素など) 、 CO、 CN、 酸素原 子、 H2O (アコ) 、 ホスフィ ン ( ト リ フエニルホスフィ ンなどの ト リ ァ リ ールホスフィ ンなど) のリ ン化合物、 NH3 (アンミ ン) 、 NO、 NO 2 (ニ ト ロ) 、 NO3 (ニ トラ ト) 、 エチレンジァミ ン、 ジエチレン トリアミン、 ピリジン、 フエナント口 リ ンなどの窒素含有化合物などが 挙げられる。
金属化合物の具体例としては、 例えば、 コバルト化合物を例にとると 、 水酸化コバル ト、 酸化コバル ト、 塩化コバル ト、 臭化コバル ト、 硝酸 コバル ト、 硫酸コバル ト、 リ ン酸コバル トなどの無機化合物 ; 酢酸コバ ノレト、 ナフテン酸コバル卜、 ステアリ ン酸コバルトなどの有機酸塩 ; コ バルトァセチルァセ トナトなどの錯体等の 2価又は 3価のコバルト化合 物などが挙げられる。 また、 バナジウム化合物の例と しては、 水酸化バ ナジゥム、 酸化バナジウム、 塩化バナジウム、 塩化バナジル、 硫酸バナ ジゥム、 硫酸バナジル、 バナジン酸ナ ト リ ウム、 リ ンモリブドバナジン 酸アンモニゥムなどの無機化合物 ; バナジウムァセチルァセ トナト [V ( a c a c ) 3など] 、 バナジルァセチルァセ トナト [VO ( a c a c ) 2など 1 、 ステアリ ン酸バナジル [VO (C .7H35C OO) 2] 、 バナ
ジルイ ソプロボキシド [VO (O CH (CH3) 2 ) 3 ] などの有機化合 物 (錯体を含む) 等の 2〜 5価のバナジウム化合物などが挙げられる。 他の金属元素の化合物と しては、 前記コバルト又はバナジウム化合物に 対応する化合物などが例示される。 特に好ましい金属化合物には、 バナ ジゥム化合物が含まれる。
金属化合物の使用量は、 例えば、 基質 1モルに対して、 0. 0 0 0 1 〜 0. 7モル、 好ましくは 0. 0 0 1〜 0. 5モル、 さらに好ましくは 0. 0 0 1 5〜 0. 1モル程度であり、 0. 0 0 1 5〜 0. 0 5モノレ程 度である場合が多い。
本発明の方法では、 反応速度や反応の選択性を向上するため、 必要に 応じて前記金属化合物と助触媒とを併用することもできる。 このような 助触媒には、 例えば、 少なく とも 1つの有機基が結合した周期表 1 5族 又は 1 6族元素を含む多原子陽イオン又は多原子陰イオンと力ゥンタ一 イオンとで構成された有機塩などが含まれる。 助触媒は単独で又は 2種 以上組み合わせて使用できる。
前記有機塩において、 周期表 1 5族元素には、 N、 P、 A s、 S b、 B i が含まれる。 周期表 1 6族元素には、 0、 S、 S e、 T eなどが含 まれる。 好ましい元素と しては、 N、 P、 A s、 S b、 Sが挙げられ、 特に、 N、 P、 Sなどが好ましい。
前記元素の原子に結合する有機基には、 置換基を有していてもよい炭 化水素基、 置換ォキシ基などが含まれる。 炭化水素基と しては、 メチル 、 ェチノレ、 プロピル、 イソプロピル、 ブチノレ、 イソブチル、 s —ブチル 、 t —ブチル、 ペンチル、 へキシル、 ォクチル、 デシル、 テ トラデシル 、 へキサデシル、 ォクタデシル、 ァリルなどの炭素数 1〜 3 0程度 (好 ましくは炭素数 1〜 2 0程度) の直鎖状又は分岐鎖状の脂肪族炭化水素 基 (ァノレキル基、 アルケニル基及びァノレキニル基) ; シクロペンチル、
シク口へキシルなどの炭素数 3〜 8程度の脂環式炭化水素基 ; フエニル 、 ナフチルなどの炭素数 6〜 1 4程度の芳香族炭化水素基などが挙げら れる。 炭化水素基が有していてもよい置換基と して、 例えば、 ハロゲン 原子、 ォキソ基、 ヒ ドロキシル基、 置換ォキシ基 (例えば、 アルコキシ 基、 ァリールォキシ基、 ァシルォキシ基など) 、 カルボキシル基、 置換 ォキシカルボニル基、 置換又は無置換力ルバモイル基、 シァノ基、 ニ ト 口基、 置換又は無置換アミノ基、 アルキル基 (例えば、 メチル、 ェチル 基などの C 4アルキル基など) 、 シクロアルキル基、 ァリール基 (例 えば、 フエニル、 ナフチル基など) 、 複素環基などが例示できる。 好ま しい炭化水素基には、 炭素数 1〜 3 0程度のアルキル基、 炭素数 6〜 1 4程度の芳香族炭化水素基 (特に、 フ ニル基又はナフチル基) などが 含まれる。 前記置換ォキシ基には、 アルコキシ基、 ァリールォキシ基、 ァラルキルォキシ基などが含まれる。
前記有機塩の代表的な例と して、 有機アンモニゥム塩、 有機ホスホニ ゥム塩、 有機スルホニゥム塩などの有機ォニゥム塩が挙げられる。 有機 アンモニゥム塩の具体例と しては、 テ トラメチルアンモニゥムクロ リ ド 、 テ トラエチルアンモニゥムクロ リ ド、 テ トラプチルアンモニゥムクロ リ ド、 テ トラへキシルァンモニゥムクロ リ ド、 ト リオクチルメチルァン モニゥムクロ リ ド、 トリェチルフエ二ルアンモニゥムクロ リ ド、 ト リブ チル (へキサデシル) アンモニゥムクロ リ ド、 ジ (ォクタデシル) ジメ チルアンモニゥムク口 リ ドなどの第 4級アンモニゥムク口 リ ド、 及び対 応する第 4級アンモニゥムブロ ミ ドなどの、 窒素原子に 4つの炭化水素 基が結合した第 4級アンモニゥム塩 ; ジメチルピペリジニゥムクロ リ ド 、 へキサデシルピリ ジニゥムクロ リ ド、 メチルキノ リニゥムクロリ ドな どの環状第 4級アンモニゥム塩などが挙げられる。 また、 有機ホスホニ ゥム塩の具体例と しては、 テ トラメチルホスホニゥムクロ リ ド、 テ トラ
ブチルホスホニゥムクロ リ ド、 ト リブチル (へキサデシル) ホスホニゥ ムクロ リ ド、 ト リェチルフエニルホスホニゥムクロ リ ドなどの第 4級ホ スホニゥムクロ リ ド、 及び対応する第 4級ホスホニゥムブロ ミ ドなどの 、 リ ン原子に 4つの炭化水素基が結合した第 4級ホスホ-ゥム塩などが 挙げられる。 有機スルホニゥム塩の具体例と しては、 ト リェチルスルホ ニゥムィォジド、 ェチルジフエニルスノレホニゥムィォジドなどの、 ィォ ゥ原子に 3つの炭化水素基が結合したスルホニゥム塩などが挙げられる また、 前記有機塩には、 メ タンスルホン酸塩、 エタンスルホン酸塩、 オクタンスルホン酸塩、 ドデカンスルホン酸塩などのアルキルスルホン 酸塩 (例えば、 C アルキルスルホン酸塩) ; ベンゼンスルホン酸塩 、 p— トルエンスルホン酸塩、 ナフタ レンスルホン酸塩、 デシルベンゼ ンスルホン酸塩、 ドデシルベンゼンスルホン酸塩などのアルキル基で置 換されていてもよいァリールスルホン酸塩 (例えば、 C 6-18アルキル一 ァリールスルホン酸塩) ; スルホン酸型イオン交換樹脂 (イオン交換体 ) ; ホスホン酸型イオン交換樹脂 (イオン交換体) なども含まれる。 前記有機塩の使用量は、 例えば、 基質 1モルに対して 0. 0 0 0 1〜 0. 7モル、 好ましくは 0. 0 0 1〜 0. 5モル、 さらに好ましくは 0 . 0 0 2〜 0. 1モル程度であり、 0. 0 0 5〜0. 0 5モル程度であ る場合が多い。
また、 本発明の方法では、 系内に t ーブチルヒ ドロペルォキシド (T BH P) などの過酸化物を存在させると、 反応が促進され、 目的化合物 の収率が大幅に向上する場合がある。 前記過酸化物の使用量は、 前記基 質 1モルに対して、 例えば 0. 0 0 0 1〜 0. 2モル程度、 好ましくは 0. 0 0 1〜 0. 1モル程度、 さらに好ましくは 0. 0 0 3〜 0. 0 5 モル程度である。
[反応]
反応は、 溶媒の存在下又は非存在下で行うことができる。 溶媒と して は、 例えば、 ベンゼンなどの芳香族炭化水素類 ; ジクロロメタン、 クロ 口ホルム、 ジクロロェタン、 ジクロロベンゼンなどのハロゲン化炭化水 素類 ; tーブタノ一ル、 t 一アミノレアルコールなどのァノレコール類 ; ァ セ トニ トリノレ、 ベンゾニ ト リルなどの二 ト リル類 ; 酢酸、 プロピオン酸 などの有機酸 ; ホルムァミ ド、 ァセ トアミ ド、 ジメチルホルムァミ ド ( D M F ) 、 ジメチルァセ トアミ ドなどのアミ ド類などが例示でき、 これ らの溶媒は混合して使用してもよい。
本発明の方法は、 比較的温和な条件であってもスルホン化などの反応 が円滑に進行するという特色がある。 また、 反応に光を必要とせず、 遮 光条件下でも反応は円滑に進行する。 反応温度は基質の種類などに応じ て、 例えば 0 °C〜 1 5 0 °C、 好ましくは 1 0〜: 1 2 5 ° (:、 さらに好まし くは 1 5〜 1 0 0 °C程度の範囲から選択できる。 反応圧力は、 常圧又は 加圧下の何れであってもよい。 反応はバッチ式、 セミバッチ式、 連続式 の何れの方式で行うこともできる。
反応により、 基質に対応するスルホン酸、 スルフィ ン酸などの有機硫 黄酸が生成する。 例えば、 二酸化硫黄と酸素とを併用した場合には、 ス ルホン酸が良好な収率で生成する。 生成した有機硫黄酸は、 慣用の方法 、 例えば、 水などの適当な溶媒中で、 アルカ リ金属水酸化物、 アルカ リ 金属炭酸塩、 アルカ リ金属炭酸水素塩、 アルカ リ土類金属水酸化物、 ァ ルカリ土類金属炭酸塩、 アミン類、 チォ尿素類、 イソチォ尿素類などと 反応させることにより対応する有機硫黄酸塩 (例えば、 チウロニゥム塩 など) に変換できる。
反応終了後、 反応生成物は、 慣用の分離精製手段、 例えば、 濾過、 濃 縮、 蒸留、 抽出、 昌析、 再結晶、 カラムクロマ トグラフィーなどの分離
T JP01/01462
16 手段やこれらの組み合わせにより分離精製できる。
本発明の方法により得られる重要な化合物には、 1ーァダマンタンス ルホン酸 ; 3, 5—ジメチル一 1 ーァダマンタンスルホン酸、 3 —カル ボキシ一 1 ーァダマンタンスノレホン酸、 3 —ク ロロー 1 —ァダマンタン スルホン酸、 4 —ォキソ一 1—ァダマンタンスルホン酸などのァダマン タン環にメチル基、 カルボキシル基、 ハロゲン原子、 ォキソ基等の置換 基を有する 1 ーァダマンタンスルホン酸誘導体 ; シク ロへキサンスルホ ン酸、 シク ロオクタンスルホン酸などのシク ロアルカンスルホン酸類 ; オクタンスルホン酸、 2 , 5 —ジメチルへキサンスルホン酸などのアル カンスルホン酸類等が含まれる。 これらの化合物は、 医薬、 農薬、 染料 などの原料、 洗剤、 ポリマー原料、 光酸発生剤又はその原料などと して 有用である。 産業上の利用可能性
本発明の方法によれば、 N—ヒ ドロキシフタルイ ミ ド等の前記式 ( 1 ) で表されるイ ミ ド化合物を用いることなく、 入手容易な少量の触媒に より、 温和な条件で効率よく有機硫黄酸又はその塩を製造できる。 また 、 非芳香族性の炭化水素類から直接且つ効率的に対応する有機硫黄酸又 はその塩を得ることができる。 実施例
以下に、 実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、 本発明は これらの実施例に限定されるものではない。 なお、 生成したスルホン酸 のべンジルチウロニゥム塩は、 反応混合液を水で抽出し、 水酸化ナトリ ゥム水溶液で中和し、 さらに塩酸で弱酸性にした後、 塩酸べンジルイソ チォ尿素水溶液を過剰量加え、 析出した固体を濾過することにより得た
実施例 1
ァダマンタン 2 ミ リモル、 バナジウムァセチルァセ トナ ト [V ( a c a c ) 3 ] 0. 0 1 ミ リモル、 酢酸 1 0 m l の混合液を、 二酸化硫黄 ( S O.) ( 0. 5 a t m = 5 0. 5 k P a ) 及び酸素 ( 0. 5 a t m = 5 0. 5 k P a ) の雰囲気下、 4 0 °Cで 2時間攪拌した。 反応混合液を 高速液体ク口マ トグラフィ一により分析したところ、 1 —ァダマンタン スルホン酸が収率 4 7 % (選択率 9 4 %) で生成していた。 ァダマンタ ンの転化率は 5 0 %であった。
実施例 2
バナジウムァセチルァセ トナ ト [V ( a c a c ) 3] の代わりに、 バ ナジルァセチルァセ トナ ト [VO ( a c a c ) 2] を 0. 0 1 ミ リモル 用いた以外は実施例 1 と同様の操作を行ったところ、 1—ァダマンタン スルホン酸が収率 4 2 % (選択率 9 8 %) で生成していた。 ァダマンタ ンの転化率は 4 3 %であった。
実施例 3
バナジウムァセチルァセ トナト [V ( a c a c ) 3] の代わりに、 ス テアリ ン酸バナジル [VO (C HasC OO) 2 ] を 0. 0 1 ミ リモル 用いた以外は実施例 1 と同様の操作を行ったところ、 1—ァダマンタン スルホン酸が収率 4 9 % (選択率 8 8 %) で生成していた。 ァダマンタ ンの転化率は 5 6 %であった。
実施例 4
バナジウムァセチルァセ トナ ト [V ( a c a c ) 3] の代わりに、 バ ナジルイ ソプロボキシド [VO (O C H (CH3) 2 ) 3 ] を 0. 0 1 ミ リモル用いた以外は実施例 1 と同様の操作を行ったところ、 1 —ァダマ ンタンスルホン酸が収率 2 9 % (選択率 7 8 %) で生成していた。 ァダ
マンタンの転化率は 3 7 %であった。
実施例 5
バナジウムァセチルァセ トナ ト [V ( a c a c ) 3] の代わりに、 塩 化バナジル ( V O C 1 3) を 0. 0 1 ミ リモル用いた以外は実施例 1 と 同様の操作を行ったところ、 1 —ァダマンタンスルホン酸が収率 3 3 % (選択率 8 5 %) で生成していた。 ァダマンタンの転化率は 3 9 %であ つた。
実施例 6
バナジウムァセチルァセ トナ ト [V ( a c a c ) 3] の代わりに、 リ ンモリブドバナジン酸ァンモニゥムを 0. 0 1 ミ リモル用いた以外は実 施例 1 と同様の操作を行ったところ、 1 ーァダマンタンスルホン酸が収 率 1 5 % (選択率 6 0%) で生成していた。 ァダマンタンの転化率は 2 5 %であった。
実施例 7
1 , 3—ジメチルァダマンタン 2 ミ リ モル、 バナジルァセチルァセ ト ナ ト [VO ( a c a c ) 2] 0. 0 1 ミ リモル、 酢酸 1 0 m l の混合液 を、 二酸化硫黄 (S O 2) ( 0. 5 a t m= 5 0. 5 k P a ) 及び酸素 ( 0. 5 a t m= 5 0. 5 k P a ) の雰囲気下、 4 0°Cで 5時間攪拌し た。 反応混合液を高速液体ク口マ トグラフィ一により分析したところ、 3 , 5—ジメチル— 1—ァダマンタンスルホン酸が収率 5 0 %で生成し ていた。 1 , 3—ジメチルァダマンタンの転化率は 5 4 %であった。
[ 3 , 5—ジメチルー 1 —ァダマンタンスノレホン酸のスぺク トノレデ— タ]
' C - NMR (CDaOD) δ 59.8, 52.4, 44.4, 44.3, 37.2, 33.1, 32.3 Ή - NMR (CD30D) δ : 5.59 (br, -SOsH) , 2.16-2.10 (m, 1H) , 1.85- 1.83 (ra, 2H), 1.70—1.50 (m, 4H) , 1.50-1.30 (m, 4H) , 1.30—1.10 (m, 2H) , 0.83 (
s, 6H)
[ 3 , 5—ジメチル一 1—ァダマンタンスルホン酸のベンジルチウ口 ニゥム塩のスぺク トルデータ]
13 C - NMR (CDaOD) δ : 135.9, 130.9, 130.8, 130.2, 59.5, 52.4, 4 4.8, 44.5, 37.4, 37.0, 33.2, 31.7
1 Η - NMR (CDaOD) δ : 7· 43-7.32 (m, 5Η) , 4.85 (s, 4Η) ' 4· 43 (s, 2Η ), 2.15-2.12 (m, 1H), 1.85-1.84 (m, 2H) , 1.69—1.58 (m, 4H), 1.34(s, 4H) , 1.1 3(m, 2H), 0.85 (m, 6H)
F T— I R ( c m-1) : 3323, 3133, 2942, 2900, 1455, 1388, 1088, 104 1, 708, 692
実施例 8
反応温度を 2 5 °C、 反応時間を 2 4時間と した以外は実施例 7 と同様 の操作を行ったところ、 3 , 5—ジメチルー 1ーァダマンタンスルホン 酸が収率 4 5 %で生成していた。 1 , 3—ジメチルァダマンタンの転化 率は 5 0。/。であった。
実施例 9
1 —ァダマンタンカルボン酸 2 ミ リ モノレ、 バナジノレァセチノレアセ トナ ト [VO ( a c a c ) 0. 0 1 ミ リモル、 酢酸 1 0 m l の混合液を 、 二酸化硫黄 ( S O2) ( 0. 5 a t m= 5 0. 5 k P a ) 及び酸素 ( 0. 5 a t m= 5 0. 5 k P a ) の雰囲気下、 4 0 °Cで 5時間攪拌した 。 反応混合液を高速液体クロマ トグラフィーにより分析したところ、 3 —カルボキシー 1—ァダマンタンスルホン酸が収率 6 5 %で生成してい た。 1 —ァダマンタンカルボン酸の転化率は 7 0%であった。
[ 3一カルボキシ一 1ーァダマンタンスルホン酸のスぺク トノレデータ
]
1 3 C - NMR (CDaOD) δ : 180.0, 58.8, 42.8, 39.6, 39.2, 38.8, 37.2
462
20
, 36.2, 30.3
' H - NMR (CDaOD) δ : 6.24(br, -SOaH), 2.15-1.60 (m, 14H)
[ 3—カノレボキシ一 1—ァダマンタンスノレホン酸のベンジノレチウ口二 ゥム塩 ( · Η20) のスぺク トルデータ]
' 3 C - NMR (CDaOD) δ : 180.6, 135.1, 130.1, 130.0, 129.4, 56.9, 42.4, 39.4, 39.0, 37.1, 36.3, 36.2, 29.7
Ή-NMR (CDaOD) δ : 7.43- 7.32 (m, 5Η) , 4.89 (s, 4Η), 4.43 (s, 2Η ),2.14-1.67 (m, 14H)
F T— I R ( c m— ') : 3061, 2819, 2664, 1693, 1460, 1202, 1161, 103
6, 701, 625
実施例 1 0
1—クロロアダマンタン 2 ミ リモル、 バナジルァセチルァセ トナト [ V O ( a c a c ) 2] 0. 0 1 ミ リ モル、 酢酸 1 0 m l の混合液を、 二 酸化硫黄 ( S O 2) ( 0. 5 a t m= 5 0. 5 k P a ) 及び酸素 ( 0. 5 a t m= 5 0. 5 k P a ) の雰囲気下、 4 0でで 5時間攪拌した。 反 応混合液を高速液体ク口マ トグラフィ一により分析したところ、 3—ク ロロ一 1ーァダマンタンスルホン酸が収率 5 3 %で生成していた。 1 一 ク口ロアダマンタンの転化率は 5 6 %であった。
[ 3—クロロ一 1 —ァダマンタンスノレホン酸のスぺク トノレデータ]
13C -NMR (CDaOD) 6 : 68.2, 60.0, 47.3, 36.2, 35.2, 32.9
1 Η - NMR (CDsOD) δ : 5.58 (br, -SOaH) , 2.33-1.60 (m, 14H)
[ 3—ク口口一 1 ーァダマンタンスノレホン酸のベンジノレチウロニゥム 塩のスぺク トルデータ]
13 C - NMR (CDaOD) δ 135.1, 130.2, 130.1, 129.5, 68.3, 59.7, 4
7.7, 42.6, 36.4, 36.2, 35.4, 32.7
Ή - NMR (CDaOD) δ 7.40-7.34 (m, 5H) , 4.85 (s, 4H) , 4.43 (s, 2H
),2.33-1.63 (m, 14H)
F T— I R ( c m— ') : 3088, 2910, 1666, 1495, 1334, 1174, 1013, 714 , 629
実施例 1 1
二酸化硫黄 ( S 02) ( 0. 6 7 a t m= 6 7. 7 k P a ) 及び酸素 (0. 3 3 a t m= 3 3. 3 k P a ) の雰囲気下で反応を行った点以外 は実施例 1 0 と同様の操作を行ったところ、 3—クロ口一 1—ァダマン タンスルホン酸が収率 7 5 %で生成していた。 1 —クロ口ァダマンタン の転化率は 8 2 %であった。
実施例 1 2
2—ォキソァダマンタン 2 ミ リモル、 バナジルァセチルァセ トナ ト [ V O ( a c a c ) 0. 0 1 ミ リモル、 酢酸 1 0 m l の混合液を、 二 酸化硫黄 (S 02) ( 0. 5 a t m= 5 0. 5 k P a ) 及び酸素 ( 0. 5 a t m= 5 0. 5 k P a ) の雰囲気下、 4 0。 で 3 0時間攪拌した。 反応混合液を高速液体クロマ トグラフィーにより分析したところ、 4一 ォキソ _ 1 ーァダマンタンスルホン酸が収率 2 0 %で生成していた。 2 ーォキソァダマンタンの転化率は 2 6 %であった。
[4—ォキソ一 1—ァダマンタンスルホン酸のスぺク トルデータ] 13C -NMR (CD30D) δ : 106.6, 57.6, 37.4, 34.9, 34.8, 33.3, 28.9 ,28.3
'H— NMR (CDaOD) δ : 6.95 (br, - SC H) , 2· 50- 1.40 (m, 13H) 実施例 1 3
シクロへキサン 2 ミ リモル、 バナジルァセチルァセ トナト [VO ( a c a c ) 2 ] 0. 0 1 ミ リモル、 酢酸 1 0 m l の混合液を、 二酸化硫黄 ( S O 2) ( 0. 5 a t m = 5 0. 5 k P a ) 及び酸素 ( 0. 5 a t m = 5 0. 5 k P a ) の雰囲気下、 4 0°Cで 2 4時間攪拌した。 反応混合
液を高速液体ク口マ トグラフィ一により分析したところ、 シクロへキサ ンスルホン酸が収率 3 6 %で生成していた。 シク口へキサンの転化率は 4 6 %であつた。
[シクロへキサンスルホン酸のベンジノレチウロニゥム塩 ( · H 2O) のスぺク トノレデータ ]
13 C - NMR (CDsOD) δ 135.9, 130.9, 130.8, 130.2, 61.4, 37.0, 2 9.5, 27.5, 27.4
Ή-NMR (CDsOD) δ 7.44-7.30(ra, 5H), 4.88(s, 4H), 4.43(s, 2H ), 2.65-2.55 (in, 1H), 2.18-2.14 (m, 2H) , 1.84—1.14 (m, 8H)
F T— I R ( c m一') : 3087, 2838, 1669, 1451, 1225, 1044, 698, 526 実施例 1 4
シクロオクタン 2 ミ リモル、 バナジルァセチルァセ トナト [VO ( a c a c ) 0. 0 1 ミ リモル、 酢酸 1 0 m l の混合液を、 二酸化硫黄 ( S O 2) ( 0. 5 a t m= 5 0. 5 k P a ) 及び酸素 ( 0. 5 a t m = 5 0. 5 k P a ) の雰囲気下、 4 0 °Cで 5時間攪拌した。 反応混合液 を高速液体クロマ トグラフィーにより分析したところ、 シクロオクタン スルホン酸が収率 4 5 %で生成していた。 シクロォクタンの転化率は 5 3 %であった。
[シクロオクタンスルホン酸のスペク トルデータ]
' 3C - NMR (CDaOD) δ 61.9, 28.8, 28.4, 28.3, 37.6
ιΗ - NMR (CDaOD) δ : 7.45(br, -SOaH), 3.00-2.70(m, 1H) , 2.40- 1.25 (m, 14H)
[シクロオクタンスルホン酸のベンジルチゥロニゥム塩のスぺク トル データ]
1 3 C - NMR (CDsOD) 5 : 136.0, 130.9, 130.8, 130.3, 62.0, 37.1, 3 0.0, 28.4, 28.3, 27.5
1 H - NMR (CDaOD) δ : 7.43-7.32 (m, 5H) , 4.85 (s, 4H), 4.43 (s, 2H ),2.84-2.80 (m, 1H), 2.21—2.17 (m, 2H) , 1.73-1.54 (m, 12H)
F T - I R ( c m—リ : 3094, 2927, 1670, 1454, 1188, 1040, 761, 611 実施例 1 5
反応時間を 2 4時間と した点以外は実施例 1 4 と同様の操作を行った ところ、 シクロオクタンスルホン酸が収率 6 2 %で生成していた。 シク ロォクタンの転化率は 6 8 %であった。
実施例 1 6
2 , 5—ジメチルへキサン 2 ミ リモル、 バナジノレァセチルァセ トナト [ V O ( a c a c ) 2] 0. 0 1 ミ リモル、 酢酸 1 0 m l の混合液を、 二酸化硫黄 ( S 02) ( 0. 5 a t m= 5 0. 5 k P a ) 及ぴ酸素 ( 0 . 5 a t m= 5 0. 5 k P a ) の雰囲気下、 6 0°Cで 2 4時間攪拌した 。 反応混合液を高速液体クロマ トグラフィーにより分析したところ、 2 , 5—ジメチルへキサンスルホン酸が収率 6 %で生成していた。 2 , 5 一ジメチルへキサンの転化率は 1 8 %であった。
実施例 1 7
n—オクタン 2 ミ リモル、 バナジルァセチルァセ トナト [VO ( a c a c ) 2] 0. 0 1 ミ リモル、 酢酸 1 0 m l の混合液を、 二酸化硫黄 ( S O 2) ( 0. 6 7 a t m= 6 7. 7 k P a ) 及び酸素 ( 0. 3 3 a t m= 3 3. 3 k P a ) の雰囲気下、 6 0 °Cで 1 5時間攪拌した。 反応混 合液を高速液体ク口マ トグラフィ一により分析したところ、 オクタンス ルホン酸が生成していた。 n—ォクタンの転化率は 6 4 %であった。
[オクタンスルホン酸のスぺク トルデータ]
1 3 C - NMR (CDsOD) δ : 56.6, 54.0, 53.1, 39.3, 37.3, 29.7, 18.7, 15.5, 13.9, 13.7, 13.2, 11.4, 9.1