WO2001058596A1 - Separateur centrifuge - Google Patents

Description

明 細 書 遠心分離装置 技術分野

本発明は下水汚泥や工業排水、 および化学 ·食品工業用諸生産品の濃縮、 脱水、 沈殿重成分および分離水の回収を、 遠心力により行うようにした遠心分離装置に 関する。 背景技術

汚泥等の固液分離には、 従来一般に、 デカンタ型の遠心分離装置が使用されて いる。 この分離装置は図 7に示すように、 横長の直胴部 3 0の先に円錐筒 3 1を 接続して形成した、 高速回転されるボウル （外側回転筒） 1内に、 内筒 （内側回 転筒） 1 1に螺旋翼 1 2を設け、 ボウル 1と相対速度差をもって回転されるスク リユーコンベア 1 0を収容し、 内筒 1 1からボウル 1内に汚泥等の処理液 aを供 給して、 遠心力によリ固液分離を行うものである。 そして、 ボウル 1内で遠心力 によリ、 沈降分離された重成分である脱水ケーキ bは、 螺旋翼 1 2により前端部 に向けて順次搔き寄せられて行き、 円錐筒 3 1内でさらに圧密脱液作用を受け、 前端の排泥ロ 7から機外に排出され、 分離液 cの方は、 反対側であるボウル 1の 後端壁 3に設けた排出孔 3 2からオーバーフローして流出されるようになつてい る。 （以下、 本明細書においては、 遠心力の作用する方向、 すなわちボウルの半 径の大きくなる方向を下、 半径の小さくなる方向を上と呼ぶ。 ）

このデカンタ型遠心分離装置は、 ボウル 1内にろ液を貯めこむため、 ろ液が、 ケーキを排出する排泥ロ 7から出てしまわないようにするために、 および、 ビー チと呼ばれる円錐部によって、 脱水ケーキをボウル内の水位以上に持ち上げ、 脱 水効果を高めようとするために、 分離液の排出孔 3 2と同程度以上のレベル （水 位） まで前端を小径に絞った円錐筒 3 1を必要としているのが特徴である.

これら従来の遠心分離装置は、 液相中の結晶などの濃縮や脱水のために発展し てきたものであるが、 これとはその性質を異にする汚泥のような被処理物の濃縮 や脱水に使用しょうとすると、 汚泥の沈殿層はペース ト状で親水性が強く、 脱水 率を高めるためにはいわば水を絞リだすために強い圧密効果を作用させることが 必要となる。 上記従来のデカンタ型遠心分離装置において処理液 aは、 ボウル 1 の中央部に供給されたとき、 供給直後のボウル直胴部 3 0においては、 高い遠心 力場 （約 2 0 0 0〜 3 0 0 0 G ) によリ固液分離されるものの、 脱水ケーキ bが 排出されるボウル円錐部 3 1では、 回転中心からの距離 （径） が短かくなるため に、 遠心力が弱くなリ、 含水率が高まってしまう現象が見られる。 事実、 図 7に 示す装置においては、 直胴部と円錐部の境界近くの d部分において含水率が最低 となることが観測されている。 さらに、 沈殿層が排出されるためには強い遠心力 に逆らって円錐部を上昇する必要がぁリ、 スクリユーコンべャによって移送しよ うとしても、 含水率が低い場合には摩擦抵抗による共廻リを生じてしまい、 ケー キは滞留したまま排出されず、 あるいは逆に、 直胴部 3 0の回転中心に近い含水 率の比較的に高いケーキのみが排出される傾向が見られる。

また、 脱水ケーキ bは、 ボウル内の水位を越えて排出させるための大きな傾斜 の円錐筒を通過するので、 この部分でのスリ ップをおこして排出が悪くなリ、 分 離液と共に、 汚泥が分離液排出口 3 2から排出されて分離液が汚くなる等の欠点 がある。 また、 排出される脱水ケーキは、 直胴部 3 1の回転中心に近い含水率の 比較的高いものが排出されることから、 排出される脱水ケーキの含水率を低くす るために、 ボウル 1の回転数を必要以上に高め （約 2， 0 0 0〜3， 0 0 0 r p m) で運転しているのが実情である。 したがって大きな動力を要している。 汚泥のようなスクリユーコンべャでの移送が難しいペース ト状の沈殿層を排出 するために、 分離液の排出口の位置が沈殿層の排出口より高いいわゆる 「負のダ ム」 あるいは 「上側溢流」 とよばれる状態での運転が行われる。 この 1つ、 例え ば Amb l e r型 （米国特許第 3， 1 7 2 , 8 5 1号， 特開平 6— 1 9 0 3 0 2号） に おいては、 ボウル内の被処理液の水頭圧を利用して沈殿層の排出を助けている。 しかし、 ボウル内の液面が高いため、 沈殿層はビーチ部分でも液面下にぁリ、 そのまま遠心力による水頭圧の低いビーチを上昇するため、 含水率が高まってし まうという問題があった。 （ボウル内には強い遠心力が作用してぉリ、 ボウル内 の或る層には、 その上の液層あるいは沈殿層に作用する遠心力による強い押圧力 を受ける。 本明細書においては、 この押圧力を水頭圧とよぶこととする。 ） また、 Lee型遠心分離装置においては、 直胴部と円錐部の境界近傍に、 ボウル 壁と僅かの間隙を設けた仕切リ板を配置し、 このボウル壁と仕切リ板の間隙から 沈殿層の最下部のみを取リ出すことによって低い含水率を得ようとしている。 しかし、 上記のように、 含水率の低いペースト状の沈殿層はスクリューコンべ ャによる移送は困難でぁリ、 利用できる水頭もボウル内の水位のみであるので、 排出のために搔き揚げ装置 （特開平 4一 5 9 0 6 5号） などの特殊構造を必要と する。

このタイプのものの 1つとして、 ボウルの回転軸から処理液を供給し、 回転軸 から分離液、 沈殿層を排出するものもあるが （特公昭 6 3— 3 1 2 6 1号） 、 分 離装置としては優れた性能を有するものの、 脱水ケーキの含水率の低いものでは 排出が困難になる場合が生じる。

上記の各種遠心分離装置は、 基本的に、 沈殿層の排出口はボウル内の液面と同 等ないしはそれより高い位置にあり、 排出にボウル内の水頭圧を利用するとして も、 ボウル内の処理液の水頭圧は、 重い沈殿層の水頭圧よリも小さく、 水頭圧の みで排出することは原理的に不可能であリ、 なんらかの排出機構を必要とする。 発明の開示

本発明は、 上述のようなデカンタ型遠心分離装置における問題点を解決するた めになされたもので、 上記従来型の遠心分離装置において、 最も含水率の低い d 部分から直接に汚泥を排出することができる遠心分離装置を得ようとするもので ある。 これにより、 分離の促進によって分離効率の向上が図れるとともに、 ボウ ル回転数の低減化が実現でき、 動力の節減と円錐状のビーチ部分を持たないため に装置の簡易、 小型化が可能となる。

本発明の遠心分離装置においては、 高速回転されるボウル内に、 これと相対速 度差をもって回転されるスクリユーコンベアを収容した遠心分離装置において、 ボウルの一端壁内に脱水ケーキの排出経路を設け、 該経路のボウル内への開口は ボウルの内周壁近傍に設けられる。 （本明細書において、 ボウルとは、 遠心力の 作用にょリ、 処理液が固液分離作用を受けている部分を意味するものとする。 ） これによリ、 排出経路からの排出ケーキは、 ボウル一端に堆積した沈殿層中、 堆積物に作用する遠心力の水頭圧による圧密効果の最も高い部分からのもののみ が排出経路を経て排出されることとなる。

遠心分離装置の始動時に、 処理液がボウル内へ供給されると、 固形分が濃縮 - 脱水されること無く、 直ちに排出口から排出されることは好ましくなく、 固形分 が十分に沈殿する （従って、 分離液の清澄度を高める。 ） には、 ボウル内で一定 時間、 遠心力の作用を受ける必要がある。 従って、 少なくとも、 始動初期の段階 では、 排出経路はポウル内で所期の液面を保持できる構造を有することが有利で ある。

もっとも、 運転中は、 分離液の排出口が脱水ケーキの排出口よリも低い下側溢 流と呼ばれる態様であっても、 逆に高い上側溢流と呼ばれる態様であってもよい。 上側溢流の場合、 分離液の排出口の高さによつて決定されるボウル内の水面は排 出経路側に堆積した沈殿層によって保持される。

上記排出経路は、 沈殿層からの脱水ケーキの排出量を制限する絞リとして作用 する。 本発明の遠心分離装置においては、 排出経路中の脱水ケーキは、 主として その背面に作用する沈殿層の遠心力による水頭圧によって、 また、 これに加える にスクリューの搬送力、 場合によっては、 ボウル内への処理液の供給圧によって 押し出される。

排出量は、 排出経路から受ける排出抵抗と、 これを押し出す圧力によって定ま るので、 排出経路の開口近傍に沈殿する重成分の堆積層の厚さが小さい場合は、 脱水ケーキに作用する圧密効果も小さく、 排出量も少ない。 従って、 排出経路の 開口近傍の堆積層の厚さは、 スクリユーコンべャによって搔き寄せられる沈殿重 成分の堆積によって次第に増加することとなる。 しかし、 堆積層の厚さが増せば、 押出し力が強くなリ、 排出抵抗に打ち勝って排出量を増大させ、 沈殿重成分の堆 積層の厚さが堆積量と排出量のバランスによって一定に保たれることとなる。 そして、 沈殿層の比重は処理液の比重に比して大きいので、 排出に利用できる 水頭圧は、 従来装置で利用している処理液の水頭圧に比して大きなものとなるが、 特に排出量を絞る効果によって沈殿層が液面よりも高く盛リ上がる状態では、 水 頭圧は極めて大きなものとなり、 脱水ケーキの排出を容易にする。 そして、 この 場合の堆積層による脱水ケーキに対する圧密効果は最大となリ、 排出固形分の低 レ、含水率を達成することが出来る。 図面の簡単な説明

図 1は本発明装置の遠心分離装置の 1実施例の構造を示す側断面図である。 図 2は図 1の A— A断面図である。 図 3は同 B— B断面図である。

図 4は本発明装置の遠心分離装置における排出経路の構造を示す部分断面図で ある。 図 5は排出経路の他の実施の態様を示す部分断面図である。 図 6は排出経 路の、 さらに他の実施の態様を示す部分断面図である。 図 7は従来のデカンタ型 遠心分離装置を示す側断面図である。 図 8はボウル端の他の実施の態様を示す部 分断面図である。 図 9は、 排出経路のさらに他の実施の態様を示す部分断面図で ある。 図 1 0は、 排出経路端の排出口に設けられるバルブの態様を示す部分断面 図である。 図 1 1は、 バルブの他の実施の態様を示す部分断面図である。 発明を実施するための最良の形態

以下、 本発明を実施するための最良の形態について、 図面を参照して説明する。 図 1は本発明装置の 1実施例を示す側断面図、 図 2は図 1の A— A断面図、 図 3は同 B— B断面図、 図 4は要部の拡大図である。

図 1〜図 4において、 1は高速回転されるボウル （外側回転筒） で、 横型円筒 の直胴形をなし、 その前端に付設された排泥室壁 6および後端壁 3の中央部には 中空軸 4 , 5が突設され、 図示を略した軸受に支承されて、 駆動装置によリ高速 回転されるようになっている。 そして、 ボウル 1の前端部に付設された排泥室の 周壁には、 周方向に沿って複数の排泥ロ 7が隔設されている。

この排泥室壁 6と排泥ロ 7とは、 本実施の態様においてはボウルと一体に構成 されているが、 遠心分離装置の基本構成ではなく、 必要によってボウル 1と別体 に作成するなど、 適宜の設計変更が可能である。

また、 ボウル 1の後端壁 3には、 分離液の排出口 8が設けられている。 この排 出口 8は例えば複数の扇形のものを周方向に隔設したリ、 或は、 図 2のように後 端壁 3に多数の小孔を同心状に隔設するのがよい。 1 0はボウル 1内に収容されたスクリユーコンベアで、 横型円筒形の回転胴 1 1の外周に螺旋翼 1 2が卷装されておリ、 その両端部を、 ボウル 1の中空軸 4， 5のボウル内突出部に支承され、 中空軸 4に挿通された回転軸 1 3によリ、 ボウ ル 1と所要の速度差をもって回動されるようになっている。 そして、 回転胴 1 1 内には、 処理液 aの供給室 1 4が設けられ、 その周壁には、 ボウル 1と回転月同 1 1との間の環状空間 1 7と通ずる供給口 1 5が開設されているとともに、 ボウル 1の後部中空軸 5から揷通された処理液の供給管 1 6が供給室 1 4に開口して設 けられている。

ボウル 1の環状空間 1 7の前端には壁 2が設けられ、 この壁 2内に脱水ケーキ bの排出経路 2 0が設けられている。 図 1、 図 4を参照して、 排出経路 2 0のボ ウル内への開口部 2 0 aは、 ボウル 1の周壁内面に接して設けられ、 一方、 本実 施の態様においては、 ボウル外への排出口となる開口部 2 0 bは半径方向への高 さを有している。 従って、 開口部 2 0 aによリ排出経路に侵入できる沈殿物は堆 積層の最も下部の部分のみに限定されることとなる。 一方、 開口部 2 O bは、 運 転初期において、 処理液がこの開口部 2 0 bを溢流しない程度に供給されるもの で、 ボウル内の液面の初期の高さを定める。

この開口部 2 0 bが高過ぎると、 排出経路 2 0内の脱水ケーキに作用する遠心 力がボウル内の堆積層に作用する押圧力を相殺することによって、 脱水ケーキの 排出力を低減してしまうので、 必要な範囲でなるべく低いことが望ましい。 一方、 分離液の排出口 8は、 運転中の環状空間 1 7の液面を定め、 排出口 8の 位置が開口部 2 0 bよりも低いときはいわゆる 「下側溢流」 の状態での運転とな リ、 高いときは 「上側溢流」 の状態での運転となる。 そして、 上側溢流の状態で の運転の場合、 処理液の排出経路 2 0からの流出は、 開口部 2 0 aの近傍に堆積 した沈殿層によって阻止される。

その最も極端な場合は、 分離液の排出は軸心からの排出とすることも可能であ る。

上記の装置において、 脱水処理する処理液 aは、 矢印のように供給管 1 6から 供給室 1 4に入り、 供給口 1 5から環状空間 1 7内に供給され、 ボウル 1及びス クリユーコンベア 1 0の回転の遠心力で固液分離されながら螺旋翼 1 2によリ前 端に向け搬送されるようになる。 そして、 分離された液体分である分離液 cは、 後端壁の排出口 8から機外に排出される。

一方、 沈殿層は螺旋翼 1 2によってボウル 1の前端方向へと搔き寄せられて行 きながら、 さらに遠心力による分離作用を受けて、 残留液分の分離が進み、 その 分離液 cも排出口 8から排出される。

一方、 ボウル 1の前部に搬送された沈殿層は、 環状空間 1 7の前端に、 排出経 路 2 0からの排出量との差分だけ堆積する。 この堆積層は、 沈殿した重成分が例 えば砂であれば比重は約 2 . 5〜3であリ、 水の 1に比して格段に重いため、 こ の堆積層に作用する遠心力による水頭圧も水の場合に比して 2倍以上となる。 さ らに、 分離液排出口 8によって決定される液面の高さが、 回転胴 1 1より低く、 その間に空間が残っていれば、 堆積層は液面を超えて盛リ上がリ、 その比重の大 きさと盛り上がリの高さによって、 排出経路の開口 2 0 a近傍には大きな遠心水 頭圧が作用して堆積層に対する大きな圧密効果を生じ、 この遠心水頭圧とスクリ ユーの搬送力とにより排出経路への押出し作用が生じる。

本発明の遠心分離装置は、 上記の構造に限られるものではなく、 その発明の範 囲内で種々の設計変更が可能である。

図 5は排出経路 2 0の他の実施の態様を示したものである。 この態様において は、 排出経路 2 0が先の実施の態様のように、 その断面が端に傾斜した直線状を なすのではなく、 開口 2 0 a、 2 O bの間に、 壁 2とほとんど平行な部分を含ん でいる。

このような形状の排出経路は、 壁 2の厚さが比較的に薄い場合でも、 開口 2 0 a、 2 O bの間に必要な長さ （すなわち、 排出抵抗） および高さの差を取ること が出来る。

上記の環状空間 1 7の前端壁 2は、 上記の排出経路 2 0を形成するように、 僅 かの間隔をおいて配設された 2つの部材によって構成することが出来る。 すなわ ち、 ボウル内壁近傍から回転軸方向に突設された部材 2 1と、 回転胴 1 1に突設 され、 上記部材 2 1と実質上一定の間隔を置いて延び、 その間に排出経路を形成 する部材 2 2とで構成することが出来る。

あるいは、 図 6に示すように、 これらの排出経路 2 0を形成する部材はボウル 1および回転胴 1 1とは別体とし、 ボルト、 その他の手段によって固定するよう にしてもよい。 この時、 スぺーサ 2 3を介して組み付けるようにし、 スぺーサの 厚さを適宜選択することによって、 その間に形成される排出経路 2 0の太さを変 えることが出来る。 図 6において、 上半分は排出経路が細い場合、 下半分は太い 場合を示す。

このように排出経路の太さを変えることによって排出抵抗を調節することが出 来るが、 部材 2 2先端のボウル内壁からの高さは一定でぁリ、 堆積層中の排出さ れる部分は不変である。

また、 このような部材 2 1と 2 2との間隔調節は、 スぺーサによらず、 ねじな どで各部材を移動可能にすることによってなされてもよいことは云うまでもない。 このような排出抵抗の調節によリ、 排出量と含水率との調節が可能となる。

さらに、 必要に応じ、 部材 2 2の高さを変えることによリ、 堆積層中の排出さ れる部分を変えることもできる。

上記の実施の態様においては、 脱水ケーキの排出経路 2 0が設けられるボウル 前端の壁 2は、 ボウル周壁とスクリユーコンべャ 1 0の対向部分として形成され ていたが、 図 8に示す実施の態様においては、 ボウル前端の壁 3 2はボウル 1と 一体として回転する部材であリ、 スクリユーコンべャ 3 0はボウル 1内に封入さ れる。 このような構造をとる場合は、 ベアリング 3 3への処理液の侵入を防ぐた め、 高圧パッキング 3 4でシールされなければならない。

また、 上記の実施の態様においては、 運転初期において、 処理液がそのまま排 出経路 2 0から流出することがないよう、 ボウル外への開口 2 0 bはボウル内へ の開口 2 0 aよりも高い位置とされていた。 しかし、 運転初期においては排出経 路をバルブ 3 5で閉じるなどの方法にょリ、 図 9に見るように、 開口 2 O bを開 口 2 0 aと同じ高さあるいは開口 2 0 aよりも低い位置とすることが出来、 これ によって脱水ケーキの排出をよリ容易にすることが出来る。

バルブ 3 5は、 ボウルの運転に伴う遠心力で開口することなく、 堆積層の水頭 圧の上昇によってはじめて開放されなければならない。 図 1 0、 図 1 1はこのよ うなバルブの一例としてのニードル弁を示す。

これら図 8ないし図 1 1の実施例においては、 排出経路 2 0は、 ポウル壁の円 周方向に沿って配列された、 複数の排出孔として設けられる。 産業上の利用の可能性

以上説明したように、 本発明の遠心脱水装置は、 従来の遠心分離装置における 常識とは異なる技術思想に基づき、 ボウル内の沈殿物の堆積層のうち、 最も高い 圧密作用を受けている部分のみを直接に排出するので、 脱水ケーキの含水率を従 前の遠心分離装置に例を見ないほどに下げることが出来た。

そして、 含水率の低い堆積層は、 排出が困難となるのが常であつたが、 本発明 の遠心分離装置においては、 排出経路の排出抵抗によって高い堆積層を形成させ ることによリ発生する高い水頭圧を利用して、 特別の排出手段を設けること無く、 排出することを可能にしている。

このため、 比較的に単純な構成で、 比較的に小型の装置でありながら、 高い脱 水率と、 高い分離効率を得ることが出来たものである。

Claims

請求の範囲

l —方向に回転する円筒形のボウルと、 このボウル内でボウルと同軸に、 かつ 回転速度差を有して同方向に回転するスクリュコンベアとを有し、 回転中のボウ ル内に供給される処理液から重成分を遠心力によって分離沈降させ、 これをスク リュコンベアによってボウルの一側に集積させ、 重成分と分離液とを分離排出す る遠心分離装置において、

ボウルの一端壁内に沈殿した重成分の排出経路を設け、 該排出経路のボウル内 への開口がボウル内周壁近傍に設けられ、 沈殿層は、 主として該開口近傍の重成 分の堆積層の遠心水頭圧によつて排出されることを特徴とする遠心分離装置

2 上記排出経路は排出量を制限する絞リ通路となってぉリ、 これによつて上記 排出経路の開口近傍の重成分の堆積層を形成させることを特徴とする請求項 1の 遠心分離装置

3 上記排出経路からの堆積重成分のボウル外への排出口は、 ボウル半径よリ小 さな半径位置に設けられることを特徴とする請求項 1あるいは請求項 2の遠心分

4 ボウル内壁近傍から回転軸方向に延びる部材と、 これと実質上一定の間隔を 置いて延び、 上記部材との間に排出経路を形成する部材とを有することを特徴と する請求項 1あるいは請求項 2の遠心分離装置

5 上記ボウル内壁近傍から回転軸方向に延びる部材は、 円錐形内面を有する部 材であり、 これと一定の間隔を置いて延びる部材は、 円錐形外面を有する部材で あることを特徴とする請求項 4の遠心分離装置

6 上記ボウル内壁近傍から回転軸方向に延びる部材と、 これと一定の間隔を置 いて延びる部材とは、 交換可能にボウルに配設されていることを特徴とする請求 項 4の遠心分離装置

7 上記ボウル内壁近傍から回転軸方向に延びる部材は、 円錐形内面を有する部 材であリ、 これと一定の間隔を置いて延びる部材は、 円錐形外面を有する部材で あることを特徴とする請求項 6の遠心分離装置

8 上記ボウル内壁近傍から回転軸方向に延びる部材と、 これと一定の間隔を置 いて延びる部材とは、 少なくともその一方がボウル軸方向に移動可能であること を特徴とする請求項 4の遠心分離装置

9 上記ボウル内壁近傍から回転軸方向に延びる部材は、 円錐形内面を有する部 材であり、 これと一定の間隔を置いて延びる部材は、 円錐形外面を有する部材で あることを特徴とする請求項 8の遠心分離装置