WO2000006937A1 - Joint a vis pour canalisation de puits de petrole et procede et appareil de vissage pour ce dernier - Google Patents

Description

明 細 書 油井管用ねじ継手、 ねじ切り方法およびその装置 技術分野

本発明は、 油井管用ねじ継手に係わり、 特に、 外圧、 引張力、 圧縮力及び 曲げ応力等が作用しても、 耐流体漏れ性に優れたものおよび、 油井管用ねじ 継手のねじ切り方法及び装置に係わり、 特に、 油井管用継手の所謂ネガティ ブ ·ねじを、 ツール回転方式のねじ切り装置を用いて短時間で切削、 完成さ せる技術に関する。 背景技術

今日、 深さ数千 mにも及ぶ天然ガス田や原油田等の探査 ·生産に使用され る油井管を接続する技術としてねじ継手が広く用いられている。 油井管 （以 下、 単に管ということあり） は、 高圧、 高荷重及び悪循環下で使用されるた め、 そのねじ継手には、 接続された管の自重による軸方向の引張力に耐え得 ること、 外圧に耐え得ること、 数十回の繰り返し使用ができること、 等の性 能が要求されている。

一般に、 油井管用ねじ継手には、 管の一端に雄ねじを有するピン部を、 他 端に雌ねじを有するボックス部を設けて、 それらを介して管同士を接続する インテグラル方式と、 図 1に示すように、 両端に二つのボックス部 1を設け たカップリング 2 (雌ねじ） を使用して、 両端にピン部 3 (雄ねじ） を設け た管 4を接続するカツプリング方式とがある。 * —方、 これらのねじ継手に設けるねじの形状に関しては、 A P I (American Petroleum Institute) 規格に規定された台形ねじが一般的であ る。 それは、 図 2 ( a ) 、 ( b ) および （c) に示すように、 雄ねじ 5と雌 ねじ 6の締結時の嚙合いにより、 雄ねじ 5及び雌ねじ 6のそれぞれの荷重面

7 b、 7 aでねじの荷重面 7が、 雄ねじ 5及び雌ねじ 6のそれぞれの挿入面

8 b、 8 aでねじの挿入面 8が、 雄ねじの頂面 9 bと雌ねじの底面 1 0 aで ねじの頂面 9が、 雄ねじ 5の底面 1 0 bと雌ねじ 6の頂面 9 aとでねじの底 面 1 0が形成されている。 この場合、 ねじの荷重面 7及び揷入面 8が管軸に 垂直な線となす角は、 フランク角 （荷重面側をロード ' フランク角 α、 ねじ 挿入面側をスタツビング ·フランク角 j3という） と称され、 正又は負の値で 表される。 このねじ荷重面 7のロード ·フランク角 αは、 反時計回りの角度 を負、 ねじ挿入面 8のスタツビング ·フランク角 /3は、 反時計回りの角度を 正としている。

この A P Iで規定された台形ねじは、 3。 のロード'フランク角ひ、 1 0 ° のスタツビング ·フランク角 で形成され、 締結時のねじ面の接触状態は、 前記図 2 ( c ) に示したように、 荷重面 7で接触、 挿入面 8で非接触 （隙間 が存在） 、 頂面 9及び底面 1 0の少なくとも一方で接触となっている。

ところで、 油井管 4の施工時に、 最近、 頻度が高くなつてきたが、 油井管 の軸方向に圧縮力が負荷される。 この場合、 その後に管の自重でねじに引張 力あるいは曲げ力が負荷されると、 前記 A P Iの台形ねじでは、 ねじ山が浮 き、 内部流体 （天然ガス、 原油） が外部に漏れるという不具合が生じること がある。 * そこで、 特開平 6— 2 8 1 0 5 9号公報ゃ特開平 6 _ 2 8 1 0 6 1号公報 に開示されたように、 前記ねじの荷重面 7のロード ·フランク角 αを負にし て、 ねじの浮き上がりを防止することが提案された。

かかるフランク角を負にした部分を含むねじは、 ネガティブ ·ねじあるい はフック ·ねじと称されている。

しかしながら、 このロード 'フランク角 αを負にすると、 油井管 4の施工 (接続） 作業時に雄ねじ 5と雌ねじ 6の荷重面 7が強接触して応力が集中し、 ねじの角部が損傷してしまい、 ガス及び液漏れの原因となる。 そのため、 今 日では、 圧縮や曲げにも対抗できるねじ継手の出現が熱望されるようになつ た。

また、 かかるネガティブ ·ねじを実際に多用するには、 まだ多くの解決す べき問題が存在している。 その問題の一つに、 ねじを切削する技術がある。 現在、 ネガティブ ·ねじを切削するには、 所謂旋盤と同様に、 ねじ切り用刃 物 （通称、 チェザ一） を 1個だけ固定し、 そのチェザ一に被ねじ切り対象物 の管体 （ワークということあり） を回転させながら前後進させることで行つ ている。 しかも、 その際使用されるチェザ一 1 1は、 図 3に示すように、 1 つあるいはせいぜい 2つの刃先 1 2を備えたものであり、 また、 ねじ切りを 完了するには、 管体 1 3の軸方向への前後進を 6〜1 2行程 （6〜1 2パス ともいう） 繰り返す必要があった。 つまり、 図 3に示すように、 ねじ 1 4が 負のフランク角 1 5を有するので、 各パス毎に径方向の切込量 （a ) と負の 角度分の軸方向への移動量 （b ) の調整が必要であり、 切削時間も、 通常の ねじを切る場合に比較して長い。 また、 製造した継手は、 使用時にねじのフ * ランク面 1 6に山ずれが発生し易く、 ピッチのズレに起因して、 特に圧縮や 引張り力がかかると移動し、 結果的に流体の漏れを生じ易いという問題があ つた。 発明の開示

本発明は、 かかる事情に鑑み、 引張ばかりでなく、 圧縮や曲げにも強い、 耐流体漏れ性に優れた油井管用ねじ継手を提供することを目的としている。 油井管の施工時あるいは使用時にねじの角部が損傷することがなく、 圧縮 や曲げがかかってもガスや流体の漏れが防止できるようになる。

本発明は、 さらに、 従来より質の良いネガティブ 'ねじを短時間で切削す ることが可能な油井管用ねじ継手のねじ切り方法及び装置を提供すること を目的としている。

本発明は、 雄ねじおよび雌ねじで形成された油井管用ねじ継手において、 負のロード .フランク角を呈する雄ねじおよび雌ねじで形成された荷重面を 有し、 この荷重面を雄ねじの高さ方向で上下に二分する位置で、 前記ロー ド ·フランク角を変化させ、 上方のロード ·フランク角を下方のロード ·フ ランク角より小さくする油井管用ねじ継手である。

また、 本発明は、 雄ねじ、 雌ねじで形成された油井管用ねじ継手において、 負のロード ·フランク角を呈する雄ねじおよび雌ねじで形成された荷重面を 有し、 前記雄ねじおよび前記雌ねじのロード ·フランク角を互いに異ならせ た油井管用ねじ継手である。 さらに、 本発明は、 油井管用ねじ継手のねじ形成方法において、 1つの回 * 転体に、 多種類の刃先形状を順次分配した複数のチェザ一を取り付け、 ねじ の切りこみ開始から終了までにこのチェザ一を使用し、 前記回転体を回転さ せねじ切りをするものである。

また、 本発明は、 油井管用ねじ継手のねじ切り装置において、 前記回転体 が、

•回転体の中心軸を中心に回転する機能を有し、

•回転体の中心軸の軸方向に移動する機能を有し、

•多種類の刃先形状を順次分配した複数のチェザ一が取り付けられた 油井管用ねじ継手のねじ切り装置である。 図面の簡単な説明

図 1

力ップリング方式の油井管用ねじ継手を示す縦断面図である。

図 2

ねじ継手の台形のねじ部を説明する図であり、 （a ) は雌ねじを、 （b ) は雄ねじを、 （c ) は両者のかみ合いを示している。

図 3

従来のチェザ一によるねじ切り状況を示す図である。

図 4

本発明に係る油井管用ねじ継手のねじ部を拡大した図である。 図 5 * 本発明に係る油井管用ねじ継手のねじ部を示す図であり、 （a ) は雌ねじ 側、 （b ) は雄ねじ側である。 （ θ > Θ , )

図 6

本発明に係るねじ切り装置で使用するチェザ一の一例を示す図である。 図 7

本発明に係るねじ切り装置に用いる回転体に、 チェザ一を取り付けた正面 図である。 符号の説明

1 ボックス部

2 カップリング

3 ピン部

4 油井管 （管）

5 雄ねじ

6 雌ねじ

7 ねじの荷重面

7 a 雌ねじの荷重面

7 b 雄ねじの荷重面

8 ねじの挿入面

8 a 雌ねじの挿入面

8 b 雄ねじの挿入面 9 ねじの頂面 ♦

9 a 雌ねじの頂面

9 b 雄ねじの頂面

1 0 ねじの底面

1 0 a 雌ねじの底面

1 0 b 雄ねじの底面

1 1 チヱザ一

1 2 刃先

1 3 管体

1 4 ねじ

1 5 フランク角

1 6 フランク面

1 7 回転体

1 8 同心円

1 9 切削屑 発明を実施するための最良の形態

発明者は、 上記目的を達成するため、 油井管施工時のねじ山損傷対策につ いて鋭意検討し、 上述のようにねじの形状に工夫を凝らすことで解決した。 また、 発明者は、 上記目的を達成するため、 1パスでネガティブ 'ねじを 切る手段の開発に鋭意努力し、 その成果を本発明に具現化した。 すなわち、 本発明は、 雄ねじおよび雌ねじで形成された油井管用ねじ継手 において、 負のロード ·フランク角を呈する雄ねじおよび雌ねじで形成され た荷重面を有し、 この荷重面を雄ねじの高さ方向で上下に二分する位置で、 前記ロード ·フランク角を変化させ、 上方のロード ·フランク角を下方の口 一ド ·フランク角より小さくする油井管用ねじ継手であり、とくに、ロード · フランク角が一 3 ° 〜一 2 5 ° の範囲を呈する雄ねじおよび雌ねじで形成 された荷重面を有し、 さらに、 上方のロード 'フランク角を下方のロード ' フランク角より 0 . 5〜2 . 0 ° 小さくする、 油井管ねじ継手である。

また、 本発明は、 雄ねじ、 雌ねじで形成された油井管用ねじ継手において、 負のロード ·フランク角を呈する雄ねじおよび雌ねじで形成された荷重面を 有し、 前記雄ねじおよび前記雌ねじのロード · フランク角を互いに異ならせ た油井管用ねじ継手であり、 とくに、 雄ねじおよび雌ねじで形成された油井 管用ねじ継手において、 一3。 "一 2 5。 のロード 'フランク角を呈する雄 ねじおよび雌ねじで形成された荷重面を有し、 前記雄ねじおよび前記雌ねじ のロード . フランク角を、 互いに、 0 . 1 ° 〜0 . 7 5。 の範囲で異ならせた 油井管用ねじ継手である。 本発明は、 ねじ形状に対応する刃先を備えたチェザ一を用い、 ねじのフラ ンク角の一部が負の油井管用ねじ継手のねじを切るに際し、 ねじの切り込み 開始から終了までに使用する多種類の刃先形状を順次分配したチェザ一を、 1つの回転体に複数枚取り付け、 前記回転体の 1回転で 1山のねじを切るこ とを特徴とする油井管用ねじ継手のねじ切り方法である。 とくに、 前記回転 体の中心軸と前記管体の中心軸を一致させ、 回転体面は、 管体の中心軸に垂， 直となるように、 回転体を設置し、 多種類の刃先形状を順次分配した複数の チェザ一の刃先を回転体に、 管体方向を向くように取り付け、 管体の端部に チェザ一刃先を接触させ、 回転体または管体をそれらの軸方向に動かしなが ら、 同時に、 切削終了までねじ形成に必要とする多種類の刃先で、 回転体を 同一方向に回転させ、 順次切削する、 工程を含む油井管用ねじ切り方法であ る。

また、 本発明は、 前記チェザ一の数を 3〜 6個とし、 それぞれに 1〜5の 刃先を備えたチェザ一を用いることを特徴とする油井管用ねじ継手のねじ 切り方法である。

さらに、 本発明は、 ねじ形状に対応する刃先を備えたチェザ一を有し、 ね じのフランク角の一部が負の油井管用ねじ継手のねじ切り装置であって、 ね じの切り込み開始から終了までに使用する多種類の刃先形状をそれぞれ 1 〜5つ分だけ分配して準備した複数個のチェザ一と、 被ねじ切り対象の管体 を、 該管体面にチェザ一を押し付けながら前後進自在な回転体とを備えると 共に、 該回転体に前記刃先が使用順に配置されるように、 回転方向の同心円 上に等間隔に離隔し、 且つ切り込み開始時に使用するチェザ一からそれ以降 に使用するチェザ一を、 該回転体に順次取り付けたことを特徴とする油井管 用ねじ継手のねじ切り装置である。

加えて、 本発明は、 前記同心円の径を拡縮自在としてなることを特徴とす る油井管用ねじ継手のねじ切り装置でもある。 以下、 図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。 _φ 1) ねじ継手

図 4は、 本発明に係るねじ継手のねじ部分の拡大図である。 雄ねじ 5と雌 ねじ 6の荷重面 7は、 互いに接触し、 挿入面 8は隙間が生じるようになって いる。 また、 雄ねじ 5の頂面 9 bと雌ねじ 6の底面 1 0 a間は、 隙間があり、 雄ねじの底面 1 0 bと雌ねじの頂面 9 aは接触するようになっている。

本発明は、 かかるねじ部において、 前記荷重面 7を、 ねじ山の中間位置、 つまり雄ねじ 5の高さ方向を二分して、 上方と下方のロード ·フランク角 α

1、 α 2が異なるようにしたものである。 具体的には、 荷重面 7のロード · フランク角を一 3° 2 5° の範囲にすると共に、 上方のロード 'フラン ク角 （ct l) を下方のもの （α 2) より 0. 5° 〜2. 0° 小さくしてある。 これによつて、 ねじの角部が損傷しなくなり、 実際には実施されたことのな い口一ド ·フランク角の 2段マイナス化が達成できた。 なお、 雌ねじの口一 ド 'フランク角は、 2段にせず、 一 5° である。

なお、 本発明で雄ねじ及び雌ねじのロード ·フランク角をいずれも一 3° 〜一 2 5° としたのは、 一 3° 未満では、 曲げや外圧でねじがジャンプァゥ トする不具合があり、 一2 5° 超えでは、 ロード 'フランク面山頂部の損傷 が生じるからである。 好ましくは、 一 3° 〜一 1 5° 、 さらに好ましくは、 — 3。 〜一 6° である。 また、 雄ねじの上方のロード . フランク角 （α ΐ ) を下方のもの （α 2) より、 0. 5° 〜 2. 0° 小さく したのは、 0. 5° 未 満では、 ねじ加工用刃物の製造公差で 0. 5° 未満のねじは加工できず、 2. 0° 超えでは、 下方のロード ·フランク角が強接触しすぎになり、 不都合だ からである。 * また、 本発明では、 雄ねじ及び雌ねじの挿入面 8 b、 8 a間の隙間を、 0.

0 5〜0. 2 5腿とすることによって、 前記折損防止の効果を促進させてい る。 ここで、 0. 0 5腿未満では、 ねじの公差によって接触し、 損傷が発生 する。 一方、 0. 2 5腿超えだと、 圧縮時の効果がないからである。

さらに、 発明者は、 雄ねじのロード ·フランク角 αを、 雄ねじの高さ位置 で二分せずに、 1段にした場合も試行してみた。

つまり、 図 5 (a ) 及ぴ （b) に示すようなピン （雄ねじ 5) とカツプリ ング （雌ねじ 6) を試作し、 実際の油井管として使用できるかどうかを、 試 験で検討した。

その結果、雄ねじ 5及ぴ雌ねじ 6のロード'フランク角を互いに、 0. 1° 〜0. 7 5° 異なるようにすれば、 前記した 2段のロード · フランク角の場 合とほぼ同様の折損防止効果の期待できることが確認された。

なお、 この場合、 ロード 'フランク角の差を 0. 1° 〜0. 7 5° の範囲に 限定したのは、 0. 1° 未満では、 差が小さ過ぎて折損防止効果が期待でき ず、

0. 7 5° 超えでは、 ねじ山に 「むしれ （ゴーリングという） 」 が生じる恐 れがあったからである。 また、 雄ねじ及び雌ねじのいずれのロード ·フラン ク角を大きくするかについては、 どちらでもよレ、。 実施例 1

油井管 4及びカツプリング 2の先端に、 図 1及び図 2に示した形状のねじ 部を有するねじ継手を設け、 両者を接続し、 流体漏れの調査を行った。 その, 際使用した油井管 4及びカップリング 2のサイズは、 表 1の通りである。 ま た、 同じ油井管 4及び力ップリング 2に従来のねじ継手を設けたものでの調 査も行った。 いずれの調査も、 流体として原油や天然ガスに替え高圧の水及 びガスを採用し、 漏れ程度の評価は、 AP I規格別で A 1クラス （最上級） に準ずる方法で行った。 なお、 各継手の荷重面及び挿入面のロード ·フラン ク角 α及びスタビング · フランク角 は、 種々の値を組み合わせるようにし た。

調査の結果を表 2に一括して示す。 表 2より、 本発明に係るねじ継手は、 ロード · フランク角が 2段 （図 4) 及び 1段 （図 5) のいずれの場合も、 施 ェ時のねじ山損傷が皆無で、 且つガス及び液漏れも生じないことが明らかで ある。 それに対して、 従来のねじ継手の場合は、 やはり損傷及び流体漏れが 生じていた。 なお、 表 2の損傷率、 あるいは流体漏れ率は、 各実施例でそれ ぞれ油井管 4の接続を 50本行い、 それらの発生率で示している。

油井管のピン部 カツプリング

長さ 910腿 172. 5 mm

外径 88. 9讓 98. α腿

肉厚 6. 4 omm

鋼種 13 C r (8 OKS i ) 13 C r (8 OKS i ) 表 2

なお、 上記実施例では、 ねじ継手をカップリング方式のものとしたが、 本 発明は、 インテグラル方式のものにも適用できることは言うまでもない。

2 ) ねじ切り方法、 装置

ネガティブ ·ねじを形成するためのねじ切り方法、 装置について、 以下、 図面を参照して、 本発明の実施の形態を説明する。

まず、 本発明で採用するチェザ一 1 1の 1例を図 6に示す。 それは、 図 6 より明らかなように、 1個のチェザ一 1 1が 3つの刃先 1 2を備えている。 そして、 本発明では、 かかるチェザ一 1 1を複数個同時に使用することで、 従来のねじ切りの問題点を解消したのである。 そのため、 発明者は、 終了ま， での間に、 チェザ一 1 1の刃先形状を少しずつ変化させることを着想した。 つまり、 切削終了までに、 最初から最後までに必要とする形状の刃先 1 2で、 順次切削することを考え、 1 2種類の形状の刃先 1 2を、 4個のチェザ一 1 1に分配させた。 具体的には、 図 6に示したチェザ一 1 1を 1個目とすると、 記号 1— 1の刃先 1 2力 番目に、 記号 1一 2の刃先 1 2が 5番目に、 記号 1—3の刃先 1 2が 9番目に使用されることになる。 2個目以降は、 同様に すれば、 何番目に使用されるかが容易に理解できる。 従って、 管体 1 3が、 4個目のチェザ一 1 1の最終刃先に接触すれば、該管体 1 3に 1山（ピッチ） のねじが形成されることになる。

次に、 発明者は、 上記した各チェザ一 1 1の刃先 1 2を、 切削開始から終 了まで順次正しく使用するため、 前記 4個のチェザ一 1 1を、 1つの回転体 1 7に一緒に取り付けた。 この回転体 1 7の軸は、 通常、 水平に載置、 固定 されたねじ切り対象物である管体 1 3の軸と一致しており、 その面は、 管体 1 3の軸に垂直になるよう設けられる。 そして、 4個のチェザ一 1 1は、 回 転体面の同心円 1 8上に、 図 7に示すように、 回転方向で互いに等しい間隔 (具体的には、 9 0 ° ) を維持するように取り付けられる。 その際、 回転体 1 7の回転及び前進で、 最初に管体内面と接触する刃先 1 2を有するチェザ 一 1 1を 1個目とし、 それ以降に使用するチェザ一 1 1は、 前記した刃先関 係を維持するように、 回転方向に順次取り付けることが重要である。 なお、 この回転体 1 7は、 管体 1 3にねじを切るため、 管体 1 3に向けて前後進さ せる移動手段が備えられているが、 公知の手段で良いので、 説明及び図示を 省略する。 また、 図 7は、 管体 1 3の外周面にねじを切る場合の例が示され * ているが、 該ねじは、 管体 1 3の內面に切る場合 （カップリング 2 ) もある。 そのような場合には、 前記チェザ一 1 1の刃先 1 2は、 管体 1 3の内面を押 し、 且つ切削できるように、 回転体 1 7の外周方向に向けて取り付ければ良 レ、。 さらに、 管体 1 3の外径又は内径が種々変化した場合にも、 同一装置で 処理できるように、 本発明では、 前記同心円 1 8の径は、 拡大 ·縮小機能を 有する。

したがって、 かかる構成のねじ切り装置を用いると、 回転体 1 7を 1回転 させるだけで、 4個のチェザ一 1 1で 1山 （ピッチ） のねじが形成され、 管 体 1 3の軸方向に 1パスだけ移動させるだけで、 1本のねじ継手として必要 な数のねじがすべて完成されることになる。

なお、 上記実施の形態では、 チェザ一 1 1の数を 4個として説明したが、 本発明に係る装置は、 その数に限定するものではなく、 3〜 6個の範囲が好 ましい。 3個未満では、 寿命が問題であり、 6個超えでは、 ねじの山ずれが 生じるからである。 この場合、 前記刃先関係は、 当然のことながらもっと種 類 （形状） が少なくなつたり、 多くなる。 なお、 本発明では、 それぞれ 1個 のチェザ一は、 形状の異なる 3つの刃先を有するのが好ましいが、 1〜5つ 分の刃先を有していても良い。 実施例 2

被ねじ切り対象の管体 1 3として、 1 3 C r鋼で外径が多種にわたるねじ 継手用鋼管を用い、 前記ネガティブ ·ねじを切削した。 ねじの負のフランク 角 1 5の範囲は、 一 0 . 5 ^ "— 2 5 ° である。 その際、 本発明に係るねじ切 * り方法及ぴ装置を適用すると同時に、 前記した従来の装置でのねじ切りも行 つた。 なお、 この場合の回転体は、 1回転で 5 . 0 8醒前進させた。

その結果、 本発明に係る方法及び装置を適用したねじ継手は、 管体 1 3を 該装置に 1パスさせるだけでねじが円滑に切れたので、 ピッチずれが発生せ ず、 質の良いねじが切削できた。 また、 切削に要した時間は、 いずれの内径 を有する継手も、 従来の装置による場合と比較して、 1 3〜1 4に短縮 できた。 従って、 この結果より、 ねじ継手の最大の課題である流体の漏れ性 及びネガティブ ·ねじを有する継手の生産性が、 従来より著しく向上するも のと期待できる。 産業上の利用可能性

本発明のねじ継手により、 引張ばかりでなく、 従来のような損傷および液 漏れが生じない圧縮や曲げにも強い、 耐流体漏れ性に優れた油井管用ねじ継 手を提供することが可能となった。

また、 本発明ねじ切り方法 ·装置により、 従来よりピッチずれが発生せず、 質の良いネガティブ ·ねじを短時間で切削することが可能になった。

Claims

請 求 の 範 囲 * 1 .雄ねじおよび雌ねじで形成された油井管用ねじ継手において、

負のロード ·フランク角を呈する雄ねじおよび雌ねじで形成された荷重面を 有し、 この荷重面を雄ねじの高さ方向で上下に二分する位置で、 前記ロー ド ·フランク角を変化させ、 上方のロード ·フランク角を下方のロード *フ ランク角より小さくする油井管用ねじ継手。

2 ·請求項 1において、 ロード'フランク角が一 3。 〜一 25° の範囲を呈する 雄ねじおょぴ雌ねじで形成された荷重面を有し、 さらに、 上方のロード ·フ ランク角を下方のロード ·フランク角より 0.5° 〜2.0° 小さくする、 油井管 用ねじ継手。

3 .請求項 2において雄ねじおよび雌ねじで形成された挿入面間は、非接触で ある油井管用ねじ継手。

4，請求項 3において、雄ねじおよぴ雌ねじで形成された挿入面間は、 0.05 〜 0.25mmの隙間を設けてなる油井管用ねじ継手。

5 .雄ねじおよび雌ねじで形成された油井管用ねじ継手において、 負のロー ド ·フランク角を呈する雄ねじおよび雌ねじで形成された荷重面を有し、 前 記雄ねじおよび前記雌ねじのロード ·フランク角を互いに異ならせた油井管 用ねじ継手。

6 .請求項 5において、 一 3 ° 〜一 25° のロード ·フランク角を呈する雄ねじ およぴ雌ねじで形成された荷重面を有し、 前記雄ねじおよぴ前記雌ねじの口 ード ' フランク角を、 互いに、 0. 1° 〜0. 75° の範囲で異ならせた油井管用 ねじ継手。

7 .油井管用ねじ継手のねじ形成において、 1つの回転体に、多種類の刃先形 状を順次分配した複数のチェザ一を取り付け、 ねじの切りこみ開始から終了 までにこのチェザ一を使用し、 前記回転体を回転させねじ切りをする 工程 を含む油井管用ねじ切り方法。

8 .請求項 7において、 前記回転体の中心軸と前記管体の中心軸を一致させ、 回転体面は、 管体の中心軸に垂直となるように、 回転体を設置し、 多種類の 刃先形状を順次分配した複数のチェザ一の刃先を回転体に、 管体方向を向く ように取り付け、 管体の端部にチェザ一刃先を接触させ、 回転体または管体 をそれらの軸方向に動かしながら、 同時に、 切削終了までねじ形成に必要と する多種類の刃先で、 回転体を同一方向に回転させ、 順次切削する工程を含 む油井管用ねじ切り方法。

9 .請求項 7および 8において、前記チヱザ一数を 3〜 6個とし、それぞれに 1〜 5種類の刃先を備えたチェザ一を用いる油井管用ねじ切り方法。

1 0 .請求項？〜 9において、 雄ねじおょぴ雌ねじで形成された荷重面のロー ド ·フランク角の少なくとも一部が負となるねじを形成する油井管用ねじ切 り方法。

1 1 .油井管用ねじ継手のねじ切り装置において、 前記回転体が、

1 ) 回転体の中心軸を中心に回転する機能を有し、

2 ) 回転体の中心軸の軸方向に移動する機能を有し、

3 ) 多種類の刃先形状を順次分配した複数のチェザ一が取り付けられた 油井管用ねじ継手のねじ切り装置。

1 2 .請求項 11において、 前記回転体が、 その同心円径を拡大 ·縮小自在さ せる機能を有する油井管用ねじ継手のねじ切り装置。

1 3 .請求項 11において、 チェザ一先端の多種類の刃先を、 ねじ切り回転使 用順にチェザ一に配置され、 チェザ一をねじ切り回転使用順に回転体に取り 付け、 チェザ一を同心円状等間隔に配置する油井管用ねじ継手のねじ切り装

4 .請求項 11〜13において、 前記チェザ一数を 3〜 6個とし、 それぞれに 〜 5種類の刃先を備えたチェザ一を用いる油井管用ねじ継手のねじ切り

1 5 .請求項 13において、 前記回転体内周面側にチェザ一刃先を向けて、 管 体外周面のねじ切りを行う油井管用ねじ継手のねじ切り装置。

1 6 .請求項 13において、 前記回転体外周面側にチェザ一刃先を向けて、 管 体内周面のねじ切りを行う油井管用ねじ継手のねじ切り装置。

1 7 .請求項 11〜14において、 多種類の刃先形状を順次分配した複数のチエ ザ一を用いて、 雄ねじおよび雌ねじで形成された荷重面のロード ·フランク 角の少なくとも一部が負となるねじを形成する油井管用ねじ継手のねじ切 り装置。