明細書
無線通 ί言 その周波数割り当て方法および周波数割り当て装置 技 分野
本発明は、 複数の異なった事業者の通信設備によって構成された無線通信シス テム、 その周波数割り当て方法および周波数割り当て装置に関する。 技術背景
一般に、 携帯電話システムなどの無線通信システムでは、 広いサービスエリア をカバ一するために、 セル方式が採用されている。 このセル方式の無線通信シス テムでは、 複数の基地局がサービスエリア内に分散配置され、 これらの基地局に よりサービスエリア全域を隙間なく覆う多数のセル (ゾーン) が形成される。 こ れらのセル内において、 移動局は、 基地局を利用し、 他者との通信を行うことが できる。
このような移動通信サービスを提供する事業者には、 特定の周波数帯域が予め 割り当てられる。 そして、 無線通信システムの各セルでは、 この周波数帯域内の 通信チャネルを利用して移動局と基地局との間の通信が行われる。
最近では、 この移動局および基地局間の無線通信方式として、 C D MA (Code Division Multiple Access;符号分割多重接続) 方式が注目されている。 この C D MA方式の無線通信システムにおいて、 移動局および基地局は、 送信すべき信 号に対して拡散符号を用いたスぺクトラム拡散を施し、 このスぺクトル拡散のな された信号を相手方に向けて送信する。 ここで、 同時に通信を行う複数の移動局 に対しては、 異なった拡散符号が割り当てられる。 従って、 C D MA方式の無線 通信システムでは、 同一セル内または隣接した複数のセル内の複数の移動局が同 一周波数を使用して、 基地局との間での無線信号の授受を行うことができる。 図 7は、 C D MA方式の無線通信システムにおけるセル群を例示するものであ る。 この C D MA無線通信システムでは、 セル内での基地局および移動局間の通 信のための通信用周波数として、 f !、 f f 3、 f の 4種類が用意されている。 ただし、 全てのセルにおいて、 これらの 4種類の通信用周波数の使用を認める必
要はなく、 例えば、 都心などトラヒックの高い所では通信用周波数 〜: 4の使 用を認め、 郊外などトラヒックが低い所では通信用周波数 のみ使用を認め、 そ の他の地域では、 トラヒックの増加に対応し、 通信用周波数: f 、 f 、 f という 具合に使用可能な通信用周波数を順次追加していけばよい。
図 8は、 郊外から都心に向かうに従って、 各セル内で使用可能な通信用周波数 の種類を増やしていつた場合のシステム容量のマップを例示するものである。 各 セルでは、 各移動局毎に異なった拡散符号を用いることにより、 同一周波数帯域 に複数の通信チャネルを設定し、 これらにより複数のトラヒックを取り扱うこと ができる。 そして、 同時に取り扱うことができるトラヒックの量、 すなわち、 各 セル毎のシステム容量は、 各セルにおいて使用可能な周波数の個数に依存するこ ととなる。 従って、 要求されるシステム容量が都心において多く、 郊外に向かう に従って少なくなる場合には、 図 8に例示するように、 各セルにおいて使用可能 な通信用周波数の個数を都心から郊外に向かうに従って少なくすればよい。 なお、 図 8に示す例では、 ェリァ全体で同一の通信用周波数 f を利用できるようになつ ている。 このようにした場合、 セル間の移動等によって使用する通信用周波数を 切り替える必要がなく、 拡散符号の切替のみを行えばよいため、 通信の瞬断を最 小限とすることができる。
図 9は、 C D MA方式の無線通信システムにおいて、 ある事業者に割り当てら れた特定周波数帯域内の複数の通信用周波数帯域を例示したものである。
これらの通信用周波数帯域は、 周波数軸上、 周波数間隔 B !、 B 2、 …で並んで いる。 なお、 周波数間隔 B !、 B 2、 …は同一の値としてもよい。 基地局および移 動局は、 これらの各通信用周波数帯域のいずれかを使用し、 相手方との間で無線 信号の授受を行う。
しかし、 例えば移動局において、 ある通信用周波数帯域の無線信号を送信電力 増幅器が増幅して出力するときに非線形歪み等が発生すると、 その通信用周波数 帯域に隣接している通信用周波数帯域 (以下、 隣接周波数帯域という) への漏洩 信号が生じる。
図 1 0に示されるように、 この漏洩信号の電力は、 一般に隣接周波数帯域にお いて最も顕著に現れ、 さらにその次の隣りの隣接周波数帯域になると非常に小さ
くなる。
大きな電力を持った漏洩信号は、 隣接周波数帯域を使用している移動局や基地 局の受信動作に影響を与える。 ここで、 移動局や基地局は、 このような隣接周波 数帯域からの漏洩信号を減衰させる受信フィル夕を有している。 しかし、 この受 信フィル夕の帯域外減衰特性が十分なものでないと、 隣接周波数帯域からの干渉 (以下、 隣接チャネル干渉という) の影響が大きくなつてしまう。
この隣接チャネル干渉は、 移動局や基地局において、 受信感度の低下や雑音混 入を引き起こす。 このため、 図 1 1に示されるように、 各通信用周波数帯域間に は隣接チャネル干渉を抑制するためにガードバンド Gが設けられる。
このガードバンド Gの幅は、 無線通信システムのシステム容量を左右する。 さらに詳述すると、 理論上のシステム容量 Sは、 下記式 ( 1 ) により与えられ る。
S = C (W - K G ) /D二 C N …… ( 1 )
上記式 ( 1 ) において、 Cは同一の通信用周波数帯域を利用可能な通信チヤネ ルの数、 Wは移動通信サービスの事業者に割り当てられた全周波数帯域の帯域幅、 Kはこの周波数帯域内に設けられるガ一ドバンドの数、 Gは各ガードバンドの幅、 Dは個々の通信用周波数帯域の帯域幅、 Nは通信用周波数帯域の個数である。 ここで、 図 1 2に示されるように、 ガードバンド Gが狭ければ、 通信用周波数 帯域の個数 Nを多くとれるのでシステム容量 Sを高くすることができる。 しかし、 ガードバンド Gが狭いと、 隣接チャネル干渉量が大きくなる。 さらにガードバン ド Gがあまりに狭い場合には、 隣接チャネル干渉の影響を受ける通信チャネルの 使用が制限されることとなるので、 却ってシステム容量の低下を招くこととなる。 一方、 図 1 3に示されるように、 ガードバンド Gを広くすれば、 隣接チャネル 干渉を小さく抑えることができる。 しかし、 この場合にはシステム容量 Sが低下 することとなる。
隣接チャネル干渉を抑制し、 かつ、 必要なシステム容量を確保するためには、 ガードバンド Gの幅を広げるという方法のみに頼るのではなく、 これ以外に、 隣 接チャネル干渉を抑制するための手段を別途設ける必要がある。
このため、 従来のセル方式の無線通信システムでは、 必要な通信品質を維持し
P T/JP99/0237 得る範囲で、 移動局や基地局の送信電力増幅回路の送信出力を可能な限り低く抑 える送信出力制御を行うことにより、 隣接チャネル干渉を抑制していた。
例えば、 図 1 4において、 移動局が基地局に近く、 基地局における移動局から の受信信号の品質が高いときは、 移動局の送信出力は低出力とされる。 一方、 移 動局が基地局から遠く離れており、 基地局における移動局からの受信信号の品質 が低いときには、 移動局の送信出力は高出力とされる。
さて、 複数の事業者が同一または重複したサービスエリアにおいて移動通信サ —ビスを提供することがある。 この場合、 各事業者は、 そのサービスのために用 意された周波数帯域を分け合って使用することとなる。 図 1 5 ( a ) および (b ) は、 その例を示すものである。 まず、 図 1 5 ( a ) に示す例では、 ある移動通信 サービスのために用意された周波数帯域が 3分割され、 分割された各周波数帯域 が事業者 A、 Bおよび Cに各々分け与えられている。 また、 図 1 5 ( b ) に示す 例では、 ある移動通信サービスのために用意された周波数帯域が事業者 Aおよび Bに分け与えられている。 各事業者は、 各々に分け与えられた周波数帯域を使用 して通信サービスを提供する。
ここで、 各事業者に対応した基地局および移動局では、 送信出力制御が行われ、 結果として隣接チャネル干渉の影響は最小限となる。
しかし、 複数の事業者が重複したサ一ビスエリァ内で移動通信サービスを提供 する場合、 たとえ各事業者に対応した基地局および移動局が協働して送信出力制 御を行ったとしても、 異なった事業者間で干渉量の大きな隣接チャネル干渉が生 じ、 これを十分に抑制することができない場合がある。
以下、 図 1 6を参照し、 この異なった事業者間の隣接チャネル干渉の問題が生 じる典型例について説明する。
図 1 6において、 基地局 2 O Aは事業者 Aの通信設備であり、 基地局 2 0 Bは 事業者 Bの通信設備である。 また、 セル 1 O Aは基地局 2 O Aによって形成され たセルであり、 セル 1 0 Bは基地局 2 0 Bによって形成されたセルである。 そし て、 移動局 3 O Aは、 事業者 Aと契約しているユーザの移動局であり、 移動局 3 0 Bは事業者 Bと契約しているユーザの移動局である。
図 1 6に示されるように、 事業者 Aの基地局 2 O Aは、 事業者 Bの基地局 2 0
Bによって形成されるセル 10 Bの端に配置されている。 異なった事業者の各基 地局がこのような地理的関係にあるとき、 同一事業者内において生じるものより も干渉量の大きな隣接チャネル干渉が起こりうる。
まず、 図 16において、 移動局 30Bは、 事業者 Aに割り当てられた周波数帯 域と隣接する通信チャネルを用いて通信中であるとする。
この場合において、 移動局 30 Bが、 遠方の基地局 20Bへ送信信号を到達さ せるために、 事業者 Aの基地局 2 OA近傍において、 最大出力で送信する状況が 起こり得る。
このとき、 移動局 30Bによって送信された上り送信波には、 移動局 30Bに 割り当てられた上りチャネルに対応した信号の他、 この上りチャネルと隣接する チャネル、 すなわち、 事業者 Aの基地局 2 OAが使用している通信チャネルに対 応した漏洩信号が含まれている。 この漏洩信号は、 事業者 Aの基地局 2 OAに対 する干渉となる。 セル 1 OAに存在する移動局 3 OAは、 この干渉の影響によつ て通信品質が低下するのを補うために、 送信出力を増加する必要がある。
ここで、 移動局 3 OAが、 図 16に示されるように、 セル 10 Aの端に移動す したとすると、 移動局 3 OAは基地局 2 OAとの距離に応じて送信出力を高くす る必要がある。
しかし、 図 16に例示するように、 移動局 3 OAが基地局 2 OAから遠く、 隣 接チャネル干渉の原因となる漏洩信号を出力する移動局 30 Bが基地局 20 Aの 直ぐ近くに所在する場合には、 移動局 3 OAおよび基地局 2 OA間の通信に対し、 極めて大きな干渉量の隣接チャネル干渉が及ぶこととなる。
この場合、 移動局 3 OAが送信出力を最大にしても、 移動局 30Bからの漏洩 信号による隣接チャネル干渉の影響を低減することができなくなる可能性が高い。 一般に、 移動局および基地局は、 いずれもその数が多い。 また、 サービスエリ ァ内の移動局は、 任意に移動する。
従って、 隣接チャネル干渉によるシステム容量の低下は、 サービスエリア内に おける所定の品質が得られない場所の比率の増加あるいは同一地点において所定 の品質が得られなレ、時間比率の増加として現れる。
移動通信サービスのユーザの信頼を得るためには、 この所定品質が得られない
場所や時間の比率を低減する必要がある。 発明の開示
この発明は、 上述した事情に鑑みてなされたものであり、 その目的とするとこ ろは、 ある特定の周波数帯域を複数の事業者に割り当てたセル方式に係る無線通 信システムにおいて、 事業者間において隣接する通信用周波数帯域間において生 じる漏洩電力の干渉を低減して、 システム容量の低下を大幅に抑えることにある。 上記目的を達成するため、 この発明は、 複数の事業者が所定の周波数帯域を分 け合い、 各事業者が各々に分け与えられた周波数帯域を使用して無線通信サービ スを提供するセル方式の無線通信システムにおける周波数割り当て方法において、 各事業者に分け与えられた周波数帯域のうち他の事業者に割り当てられた周波数 帯域に隣接する隣接周波数帯域を低出力の通信に割り当て、 他の事業者に割り当 てられた周波数帯域に隣接しない非隣接周波数帯域を高出力の通信に割り当てる ことを特徴とする無線通信システムにおける周波数割当方法を提供するものであ る。
この発明によれば、 他の事業者の周波数帯域に隣接しない非隣接周波数帯域が 高出力の通信に割り当てられるとともに、 他の事業者の周波数帯域に隣接する隣 接周波数帯域が低出力の通信に割り当てられるので、 一の事業者と他の事業者と の隣接チャネルにおいて、 漏洩電力による干渉を低減させることが可能となる。
図面の簡単な説明
図 1は、 この発明の第 1の実施形態である無線通信システムの構成を示す図で ある。
図 2は、 同実施形態における周波数割り当て方法を示す図である。
図 3は、 この発明の第 2の実施形態である無線通信システムの基地局の構成を 示すプロック図である。
図 4は、 同実施形態の変形例における周波数割り当て装置の構成を示すプロッ ク図である。
図 5は、 この発明の第 3の実施形態である無線通信システムにおける周波数割
P T/JP99/ り当て方法を示す図である。
図 6は、 この発明の第 4の実施形態である無線通信システムにおける周波数割 り当て方法を示す図である。
図 7は、 セル方式の無線通信システムにおける周波数配置の一例を示す図であ る。
図 8は、 セル方式の無線通信システムにおける周波数配置とシステム容量との 関係を示す図である。
図 9は、 通信サービス用の周波数帯域内に設けられた複数の通信用周波数帯域 を例示した図である。
図 1 0は、 送信時の漏洩信号によって発生する隣接チャネル干渉を説明するた めの図である。
図 1 1は、 隣接チャネル干渉防止のためにガードバンドを設けた場合の通信用 周波数帯域の配置例を示す図である。
図 1 2は、 ガードバンドを狭くした場合の通信用周波数帯域の配置例を示す図 である。
図 1 3は、 ガードバンドを広くした場合の通信用周波数帯域の配置例を示す図 である。
図 1 4は、 隣接チャネル干渉の影響を防止するために行われる送信出力制御を 説明するための図である。
図 1 5 ( a ) および (b ) は、 複数の事業者が 1つの周波数帯域を分け合って 通信サービスを提供する場合の例を示す図である。
図 1 6は、 異なった事業者に属する 2つの移動局間に生じる隣接チャネル干渉 を説明するための図である。 発明を実施するための最良の形態
以下、 本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
<第 1の実施形態 >
図 1は、 この発明の第 1の実施形態に係る無線通信システムの構成を示す図で ある。 この無線通信システムでは、 事業者 A、 Bおよび Cが移動通信サービスを
P T JP99 75 提供する。 また、 この無線通信システムは、 C D MA (Code Division Multiple Access;符号分割多重接続) 方式の移動通信システムである。
図 1において、 移動通信交換局 2 Aおよび基地局 3 Aは事業者 Aの通信設備、 移動通信交換局 2 Bおよび基地局 3 Bは事業者 Bの通信設備、 移動通信交換局 2 Cおよび基地局 3 Cは事業者 Cの通信設備である。 なお、 各事業者は、 図示され た以外にも多数の基地局や移動通信交換局を有しているが、 図面が煩雑になるの を防止するため、 これらの図示を省略した。
また、 図 1において、 移動局 4 Aは事業者 Aと契約しているユーザの移動局、 移動局 4 Bは事業者 Bと契約しているユーザの移動局、 移動局 4 Cは事業者 Cと 契約しているユーザの移動局である。 事業者 Aと契約しているユーザは、 移動局 Aにより、 事業者 Aの通信設備を利用して他者との通信を行うことができる。 他 の事業者 B、 Cと契約しているユーザも同様であり、 各々の移動局により、 各々 が契約している事業者の通信設備を利用して他者との通信を行うことができる。 各事業者のサービスエリアは、 相互に重複している。 各事業者は、 移動通信サ —ビスを提供するため、 各々のサービスエリア内に上記基地局を満遍なく設けて いる。 このため、 各事業者の基地局が接近して配置され、 異なった事業者の基地 局に対応した各セルがオーバラップする場合がある。 このため、 何等対策を講じ ないとすると、 上述した異なった事業者間の隣接チヤネル干渉の問題が生じるこ ととなる。
そこで、 本実施形態における各事業者に対応した通信設備および移動局では、 他の事業者に割り当てられた周波数帯域と隣接する通信用周波数帯域を低出力の 通信に割り当て、 それ以外の通信用周波数帯域を高出力の通信に割り当てる。 この周波数割り当て方法を図 2を参照して説明すると、 次の通りである。
図 2に示す例では、 事業者 Aに割り当てられた周波数帯域には、 通信用周波数 帯域 A l、 A 2、 A 3および A 4がある。 事業者 Aに対応した各セルでは、 これ らの通信用周波数帯域 A 1、 A 2、 A 3および A 4のうち任意のものを選択し、 基地局および移動局間の通信のための通信チャネルに用いることが可能である。 また、 各セルでは、 複数の移動局が異なる拡散符号を使用することにより、 同一 の通信用周波数帯域を使用した無線通信を同時に行うことが可能である。
ここで、 通信用周波数帯域 A 1、 A 2、 A 3および A 4のうち最も周波数の低 い通信用周波数帯域 A 1は、 事業者 B用の通信用周波数帯域 B 4と隣接しており、 最も周波数の高い通信用周波数帯域 A 4は、 事業者 C用の通信用周波数帯域 C 1 と隣接している。 これらの通信用周波数帯域を、 以下、 便宜上、 隣接周波数帯域 と呼ぶ。
本実施形態に係る無線通信システムにおいて、 この隣接周波数帯域 A 1および A 4は、 低出力の通信に優先的に割り当てられる。
一方、 通信用周波数帯域 A 2および A 3は、 他の事業者 Bおよび C用の周波数 帯域から離れている。 これらの通信用周波数帯域を、 以下、 便宜上、 非隣接周波 数帯域と呼ぶ。
本実施形態に係る無線通信システムにおいて、 この非隣接周波数帯域 A 2およ び A 3は、 高出力の通信に優先的に割り当てられる。
他の事業者 B、 Cに対応したセルでも同様である。 すなわち、 事業者 Bに対応 したセルでは、 隣接周波数帯域 B 4が低出力の通信に優先的に割り当てられる一 方、 非隣接周波数帯域 B l、 B 2、 B 3は高出力の通信に優先的に割り当てられ る。 また、 事業者 Cに対応したセルでは、 隣接周波数帯域 C 1が低出力の通信に 優先的に割り当てられる一方、 非隣接周波数帯域 C 2、 C 3、 C 4は高出力の通 信に優先的に割り当てられるのである。
本実施形態によれば、 各事業者に対応したセルにおいて、 このような方法によ る周波数の割り当てが行われるため、 事業者間で隣接する隣接周波数帯域が通信 に使用された場合にその通信における送信出力が低くなる。
このため、 例えば事業者 Aおよび Bに対応した各基地局並びに各基地局と無線 通信を行う 2台の移動局が前掲図 1 6に示すような状況にあり、 かつ、 2台の移 動局が隣接周波数帯域 A 1および B 4を各々使用して通信を行っているような場 合であっても、 各移動局が行っている通信における送信出力が低いため、 隣接チ ャネル干渉の干渉量を小さくすることができる。 また、 隣接チャネル干渉が大き い場合には各移動局の送信出力を増加させる制御が行われることとなるが、 各移 動局の送信出力は元々低いため、 送信出力の増加量を大きくすることができ、 異 なった事業者間で生じる隣接チャネル干渉に起因する品質への影響を有効に防止
することができる。
なお、 以上説明した実施形態では、 3つの事業者により運用されるシステムを 例に挙げたが、 勿論、 本発明は 4以上の事業者により運用されるシステムにも適 用可能である。
また、 以上説明した実施形態において、 事業者 Bにおける最も低域側の通信用 周波数帯域 B 1と、 事業者 Cにおける最も高域側の通信用周波数帯域 C 4は、 他 の事業者の周波数帯域と隣接しない非隣接周波数帯域なので、 高出力の通信に割 り当てた。 しかし、 例えば新規な事業者の参入などの事情を考慮し、 これらの非 隣接周波数帯域 B 1および C 4を低出力の通信に割り当てるようにしてもよい。 <第 2の実施形態 >
上記第 1の実施形態において、 低出力の通信および高出力の通信の定義如何に より、 幾つかの実施形態が生じる。
本実施形態において、 低出力の通信とは、 例えば低出力の移動局による上り送 信信号の送信であり、 高出力の通信とは、 例えば高出力の移動局による上り送信 信号の送信である。
ここで、 低出力の移動局に該当するものとして、 例えば音声通信専用の携帯電 話などがあり、 高出力の移動局に該当するものとしては、 例えば高速データ通信 機能を持つた車載用移動局などがある。
本実施形態では、 あるセルに移動局が在圏したときに、 そのセルの基地局また はその上位の移動通信交換局がその移動局が高出力の移動局か低出力の移動局か を判別する。 そして、 基地局または移動通信交換局は、 その移動局が低出力の移 動局である場合には、 上り送信信号を送信するのための上りチャネルとして上述 した隣接周波数帯域を優先的に使用し、 高出力の移動局である場合には、 上述し た非隣接周波数帯域を優先的に使用する。
このような周波数割り当て方法を実施するためには、 例えば移動局がセルに在 圏するときに、 送信出力の大きさを示す情報を基地局に送信し、 基地局がこの情 報に基づいて移動局の送信出力の高低を判定する、 という方法により実施可能で ある。
図 3は、 この周波数割り当て方法を実施するための基地局の構成を示すもので
ある。 この基地局は、 移動局との間で無線信号の送受信を行う送受信機 1 0 0と、 制御装置 2 0 0とを有している。 ここで、 制御装置 2 0 0は、 送受信機 1 0 0を 含む基地局各部の制御をするための装置 (図示略) の他、 移動局に対する通信用 周波数の割り当てを行う周波数割り当て装置 3 0 0を含んでいる。 この周波数割 り当て装置 3 0 0は、 出力種別判定部 3 0 1と、 周波数決定部 3 0 2を含んでい る。
上述したように、 この基地局によって形成されるセルに新たに在圏することと なった移動局は、 送信出力の大きさを示す情報を基地局に向けて送信する。 この 情報は基地局の送受信機 1 0 0によって受信され、 周波数割り当て装置 3 0 0に 供給される。 周波数割り当て装置 3 0 0内の出力種別判定部 3 0 1は、 この移動 局からの受信情報に基づき当該移動局が高出力の移動局か低出力の移動局かを判 定する。 そして、 周波数決定部 3 0 2は、 上記割り当て方法に従い、 この出力種 別判定部 3 0 1における判定結果に対応した通信用周波数帯域を求め、 その通信 用周波数帯域を当該移動局に割り当てるべき旨の周波数割り当て指令を送受信機 1 0 0に送る。 送受信機は、 この周波数割り当て指令に従って、 当該移動局に上 りチャネルを割り当てる。 なお、 このような割り当て方法を採る以外に、 例えば ネットワークのデータベースに蓄積された移動局情報に基づいて、 当該移動局が 高出力の移動局か低出力の移動局かを判断し、 この判断結果に従って上りチヤネ ルの割り当てを行ってもよい。
ところで、 送信出力の高い移動局のトラヒックに比べ、 送信出力の低い移動局 のトラヒックが大きくなる場合がある。
かかる場合に、 本実施形態に係る方法により周波数割り当てを行うと、 隣接周 波数帯域を利用したトラヒックが多くなり、 非隣接周波数帯域を使用したトラヒ ックは少なくなる。
しかし、 非隣接周波数帯域のトラヒックが小さく、 この非隣接周波数帯域に通 信チャネルを設定する余裕が残っているのなら、 移動局の送信出力如何によらず、 なるべく非隣接周波数帯域の使用を認めた方が、 事業者間の隣接チャネル干渉を 防止する上で望ましい。
そこで、 本実施形態の好ましい変形例では、 非隣接周波数帯域を使用したトラ
ヒックが少なく、 非隣接周波数帯域に通信チャネルを設定する余裕が残っている 場合には、 送信出力の低い移動局に対しても非隣接周波数帯域を割り当てる、 と いう方法をとる。
勿論、 この方法では、 非隣接周波数帯域に割り当てるべき送信出力の高い移動 局のトラヒックが相当数ある場合には、 送信出力の低い移動局よりも送信出力の 高い移動局に対する周波数割当を優先する。
この変形例に係る周波数割り当て方法を実施するため、 例えば図 4に示す周波 数割り当て装置を基地局内の制御装置内に設ける。 この周波数割り当て装置では、 前掲図 3の周波数割り当て装置に対してトラヒック監視部 3 0 3が追加されてい る。
この変形例では、 非隣接周波数帯域のシステム容量がシミュレーションなどの 方法により予め求められる。 そして、 非隣接周波数帯域を利用したトラヒックが このシステム容量の何パ一セントに達したら上述した移動局の送信出力に応じた 周波数割り当ての実施を開始するかが予め定められ、 そのパ一センテ一ジが閾値 として各基地局の周波数割り当て装置内の周波数決定部 3 0 2に予め設定される。 トラヒック監視部 3 0 3は、 基地局の送受信機を経由して行われる通信の卜ラ ヒックを監視し、 各通信用周波数帯域毎に当該通信用周波数帯域を利用したトラ ヒックの量を求めて周波数決定部 3 0 2に報告する。
周波数決定部 3 0 2は、 このトラヒック監視部 3 0 3からの報告を監視し、 非 隣接周波数帯域を使用したトラフィックが上記閾値よりも小さいときは、 新たに セルに在圏することとなった移動局に対し、 その移動局が送信出力の高い移動局 であるか送信出力の低い移動局であるかに拘わらず、 非隣接周波数帯域を割り当 てるための周波数割り当て指令を前掲図 3の送受信機に送る。 その後、 非隣接周 波数帯域を使用したトラヒックが上記閾値以上になると、 周波数決定部 3 0 2は、 非隣接周波数帯域を使用している送信出力の低い移動局について、 使用する通信 用周波数帯域を隣接周波数帯域に変更させるための周波数切替指令を前掲図 3の 送受信機に送る。 送受信機は、 この指令に従い、 該当する移動局の上りチャネル の周波数を隣接周波数帯域に変更するための処理を行う。 また、 非隣接周波数帯 域を使用したトラヒックが上記閾値以上である期間、 周波数決定部 3 0 2は、 送
信出力の高い移動局に非隣接周波数帯域を割り当て、 送信出力の低い移動局に隣 接周波数帯域を割り当てる周波数割り当て方法を実施する。
以上の構成によれば、 非隣接周波数帯域を使用したトラヒックが小さいときは、 移動局に対しその送信出力の高低如何に拘わらず非隣接周波数帯域が割り当てら れ、 非隣接周波数帯域を使用したトラヒックが大きいときは、 移動局の送信出力 の高低に応じて通信用周波数帯域の割り当てが行われることとなる。
ところで、 基地局に接続される移動局の数の変化により基地局が受ける干渉量 が変化する。
従って、 干渉量の変化に応じた適切な周波数割り当てを行えるようにするため、 閾値を変更することができるように構成しておくことが望ましい。
すなわち、 基地局に接続される移動局の数が少ない場合にはトラヒックの大小 判定をするための閾値を大きくし、 基地局に接続される移動局の数が多い場合に は閾値を小さくするのである。
ここで、 基地局に接続される移動局の数が少ないときには、 閾値が大きいので、 非隣接周波数帯域のトラヒックがかなり増加するまで、 高出力の移動局および低 出力の移動局の両方に非隣接周波数帯域が割り当てられ、 非隣接周波数帯域のト ラヒックが増加する。 しかし、 このとき基地局が受ける干渉量が小さいので問題 は生じない。
一方、 基地局に接続される移動局の数が多い場合には、 閾値が小さいので、 非 隣接周波数帯域のトラヒックが比較的少ない段階で、 低出力の移動局に対する隣 接周波数帯域の割り当てや再割り当てが行われる。
このように、 基地局に多くの移動局が接続され、 基地局が受ける干渉量が大き いときには、 各移動局が使用する通信用周波数帯域が非隣接周波数帯域と隣接周 波数帯域とに適度に分散されるため、 干渉量の増加によって基地局が受ける悪影 響を低減することができる。
なお、 本実施形態およびその変形例では、 周波数割り当て装置を基地局に設け たが、 移動通信交換局など、 基地局以外の網側通信設備の中にこの周波数割り当 て装置を設けてもよい。 また、 本実施形態以外の他の実施形態において周波数割 り当て装置を設ける場合も同様である。
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<第 3実施形態 >
セル方式の無線通信システムにおいて、 例えば郊外などのようにトラヒックが 低い領域では、 セル半径が比較的広いマクロセルが形成されている。 一方、 都心 などのようにトラヒックが高い領域では、 マクロセルが形成されるとともに、 こ れらのマクロセルではカバ一しきれないトラヒックを吸収するために、 セル半径 がマクロセルよりも狭いマイクロセルが形成される。 また、 マクロセルではカバ 一し切れない隙間の部分をカバーするためにマイクロセルが形成される場合もあ る。 本実施形態は、 このようなマクロセル/マイクロセル共存方式の無線通信シ ステムに適用されるものである。
図 5は、 本実施形態に係る周波数割り当て方法を示すものである。 本実施形態 では、 例えば事業者 Aの場合、 この事業者 A用の各通信用周波数帯域のうち他の 事業者 B、 Cの各周波数帯域に隣接しない非隣接周波数帯域 A 2、 A 3はマクロ セルにおいて使用し、 他事業者 B、 Cの各周波数帯域と隣接する隣接周波数帯域 A l、 A 4はマイクロセルにおいて使用する。
事業者 Bおよび Cの場合も同様であり、 事業者 B用の隣接周波数帯域 B 4およ び事業者 C用の隣接周波数帯域 C 1はそれぞれマイクロセルにおいて使用され、 事業者 B用の非隣接周波数帯域 B 1、 B 2、 B 3および事業者 C用のの非隣接周 波数帯域 C 2、 C 3、 C 4はそれぞれマクロセルにおいて使用される。
ここで、 マクロセルは、 例えばセル半径が 1 . 5 k m〜数十 k mであり、 セル 内における上り送信出力は最大数 W、 下り送信出力は数十 Wである。 また、 マイ クロセルは、 例えばセル半径が 1 0 0〜3 0 O mであり、 セル内における上り送 信出力は数 mW〜数十 mW、 下り送信出力は 1 O mW〜数百 mWである。
本実施形態によれば、 マイクロセルの送信出力は、 マクロセルのそれよりも低 出力で運用されるので、 漏洩電力による隣接チャネルへの干渉を低減することが 可能となる。
また、 マイクロセルにおいては、 移動局の上り送信出力が低いので、 干渉に対 応して送信出力を増加させる制御を行う場合に、 その送信出力の増加量を大きく とることができる。
このため、 通信用周波数帯域 A 1 _ B 4間、 あるいは、 通信用周波数帯域 A 4
- C 1間のように事業者同士で隣接するチャネル間において、 マイクロセル間の 干渉に容易に対処することができる、 という利点がある。
なお、 以上説明した実施形態では、 3つの事業者により運用されるシステムを 例に挙げたが、 勿論、 本発明は 4以上の事業者により運用されるシステムにも適 用可能である。
また、 以上説明した実施形態において、 事業者 Bにおける最も低域側の通信用 周波数帯域 B 1と、 事業者 Cにおける最も高域側の通信用周波数帯域 C 4は、 他 の事業者の周波数帯域と隣接しない非隣接周波数帯域なので、 マクロセルにおい て使用するようにした。 しかし、 例えば新規な事業者の参入などの事情を考慮し、 これらの非隣接周波数帯域 B 1および C 4をマイクロセルにおいて使用するよう
<第 4実施形態 >
次に、 本発明の第 4実施形態に係る無線通信システムにおける周波数割り当て 方法について説明する。
一般に、 ディジタル移動通信における音声通信では、 双方向のリアルタイムの 会話を妨げることのないように、 音声デ一夕を圧縮し、 低い信号速度でその伝送 が行われる。 また、 ディジタル移動通信では有線通信に比べて大きな符号誤りが 生じうるので、 圧縮された音声データの伝送に当たって、 誤り訂正符号処理を施 さなければならない。 このため、 伝送品質、 例えば、 符号誤り率への要求値は比 較的緩く設定されている (例: B E R (ビヅトエラ一レート) = l x l 0—3 ) 。 また、 パケット通信においては、 データが小さなブロックに分割され、 各プロ ックが無線チャネルを介して伝送されるとともに、 プロックが誤った場合には再 送信制御が行われる。 このため、 比較的高いエラ一レートで伝送する場合、 ある いは、 瞬断が起こった場合においても、 デ一夕の伝送には支障が発生しない。 一方、 ディジタルデータ通信では、 一般に、 高速のスループットを保証したサ 一ビスを提供することが要求される。 このため、 データ圧縮や大きな冗長デ一夕 などを付加する強力な誤り訂正などにも限度がある。 さらに、 T V会議などのよ うなアプリケーションにおいて、 高速のビデオデ一夕を伝送する際に、 パケット 伝送のようなデ一夕誤りによる再送を行うと、 デ一夕伝送時間の遅延量が大きく
W P T/JP 揺らぐため、 T V会議等の双方向、 リアルタイムの用途への適用が難しくなると いう問題がある。 このような理由から、 ディジタルデ一夕通信では、 B E R等の 伝送品質に対する要求が厳しい。
従って、 同じサ一ビスエリアでサービスを提供する場合、 ディジタルデ一夕通 信では、 音声通信やバケツト通信に比べて最大送信出力を高くする必要が生じる。 そこで、 本実施形態では、 図 6に示されるように、 各事業者に割り当てられた 周波数帯域内の各通信用周波数帯域のうち他の事業者に割り当てられた周波数帯 域と隣接する隣接周波数帯域 A 1、 A 4、 B 4、 C Iは、 伝送品質の要求が低い 音声通信やバケツト通信に割り当てる。
この場合、 音声通信やパケット通信のチャネルは、 低出力で運用可能なため、 隣接チャネルへの干渉を低減することができる。
一方、 各事業者に割り当てられた周波数帯域内の各通信用周波数帯域のうち、 他の事業者の周波数帯域と隣接しない非隣接周波数帯域 A 2、 A 3、 B l、 B 2、 B 3、 C 2、 C 3、 C 4は、 干渉による品質劣化が少ない。
このため、 これら非隣接周波数帯域は、 高出力が必要な高速 ·高品質のデイジ タルデータ通信に割り当てる。
ここで、 ディジタルデータ通信のトラヒックに比べ、 音声通信、 パケット通信 のトラヒックが大きくなる場合がある。 このような場合には、 非隣接周波数帯域 を音声通信、 パケット通信に割り当てるとよい。
ただし、 ディジタルデータ通信は、 そのサービスの性質上、 高速 ·高品質が要 求されるため、 非隣接周波数帯域に割り当てるべきディジ夕ルデータ通信のトラ ヒックが相当数ある場合には、 音声通信、 パケット通信よりもディジタルデータ 通信への周波数割当を優先する構成が望ましい。
具体的な周波数割り当て制御の方法としては、 次の 2通りの方法がある。
( 1 ) デ一夕通信のトラヒックが少ないときは、 音声通信およびパケット通信に 対しても非隣接周波数帯域を割り当てる。 データ通信のトラヒックが多くなつた ときは、 既に非隣接周波数帯域を割り当てた音声通信やバケツト通信に対して隣 接周波数帯域への割り当て変更を行う。 また、 デ一夕通信のトラヒックが多いと きは、 新たに開始される音声通信やバケツト通信には隣接周波数帯域を割り当て
る。
( 2 ) 全ての通信に対し、 最初は非隣接周波数帯域を割り当てる。 この割り当て 後、 データ通信のトラヒックが多いときには、 音声通信およびパケット通信に対 し、 非隣接周波数帯域から隣接周波数帯域への割り当て変更を行う。
このような周波数割り当て方法を実施するためには、 例えば前掲図 4のような 周波数割り当て装置を基地局または移動通信交換局などの網内通信設備に設けれ ばよい。 ただし、 この場合、 出力種別判定部 3 0 1に代えて、 新たに在圏した移 動局が行う通信の種別を判定する装置を設けるとともに、 この装置によって判定 された通信種別に従って当該移動局に割り当てる通信用周波数帯域を決定するよ うに周波数決定部 3 0 2の構成を変更する必要がある。
以上説明した本実施形態によれば、 隣接周波数帯域が割り当てられた音声通信 やパケット通信では伝送速度は低く、 その要求品質も低いので、 その送信出力も 低くて済む。 このため、 事業者間の干渉に対して送信出力を増加させる制御を行 う場合に、 その増加量を大きくとることができるので、 通信用周波数帯域 A 1— B 4間、 あるいは、 通信用周波数帯域 A 4— C 1間のように事業者同士で隣接す るチヤネル間の干渉に対して送信出力を増加して対応できる、 という利点がある。 さらに、 パケット通信では、 パケットが無線送信されるときしか漏洩信号の送 出も起こらない。 従って、 本実施形態のように隣接周波数帯域をパケット通信に 割り当てた場合には、 他の種類の通信に割り当てる場合に比べて、 隣接チャネル 干渉を引き起こす確率を低くすることができるという利点もある。
なお、 以上説明した実施形態では、 3つの事業者により運用されるシステムを 例に挙げたが、 勿論、 本発明は 4以上の事業者により運用されるシステムにも適 用可能である。
また、 以上説明した実施形態において、 事業者 Bにおける最も低域側の通信用 周波数帯域 B 1と、 事業者 Cにおける最も高域側の通信用周波数帯域 C 4は、 他 の事業者の周波数帯域と隣接しない非隣接周波数帯域なので、 データ通信に割り 当てた。 しかし、 例えば新規な事業者の参入などの事情を考慮し、 これらの非隣 接周波数帯域 B 1および C 4を音声通信ゃパケット通信に割り当てるようにして もよい。