WO1999048127A1

WO1999048127A1 - Dispositif a tube cathodique

Info

Publication number: WO1999048127A1
Application number: PCT/JP1999/001251
Authority: WO
Inventors: Kouichi Soneda; Yuuichi Sano; Masahiro Yokota
Original assignee: Kabushiki Kaisha Toshiba
Priority date: 1998-03-16
Filing date: 1999-03-15
Publication date: 1999-09-23
Also published as: CN1258377A; JP3405675B2; TW540083B; KR20010012493A; EP0989581A1; EP0989581A4; CN1133197C; MY120242A; JPH11265666A; US6404117B1

Description

明細書

陰極線管装置

技術分野

この発明は、陰極線管装置に係り、特に偏向電力及び漏洩磁界を有効に低減できる偏向ヨークと、十分な耐気圧強度を確保できる真空外囲器とを備えた陰極線管装置に関する。

背景技術

一般に、陰極線管装置は、ガラス製の真空外囲器と、電子ビームを偏向するための偏向磁界を形成する偏向ヨークとを備えている。真空外囲器は、矩形状のパネル部、円筒状のネック部、及びパネル部とネック部とを接合するファンネル部によって構成される。偏向ヨークは、ネック部から、ファンネル部内のヨーク部にわたって装着される。

このような陰極線管装置では、偏向ヨークに供給される偏向電力が主な電力消費減である。近年、陰極線管装置の高輝度化及び高精細化の要求を満足するために、益々偏向電力が増大する傾向にある。陰極線管装置の消費電力の低減するためには、この偏向電力を低減する必要がある。また、このような陰極線管装置では、偏向ヨークから陰極線管装置の外部に漏洩する漏洩磁界を低減する必要がある。

一般に、偏向電力及び漏洩磁界を低減するためには、ネック部の外径及びヨーク部の外径を小径化することが望ましい。このような構造とすることにより、偏向磁界の作用空間が小さくなり、電子ビームに対して作用する偏向磁界の作用効率が向上される。

しかし、従来の陰極線管装置では、電子ビームがヨーク部内面に接近して通過する。このため、ネック部及びョーク部の外径を小径化すると、偏向角すなわち管軸に対する電子ビーム軌道のなす角度が大きな電子ビームは、ヨーク部内壁に衝突する。このような電子ビームは、蛍光体スクリーン上に衝突せず、表示不良を発生する。したがって、このような構成の陰極線管装置では、ネック部及びヨーク部の外径を小径化して、偏向電力及び漏洩磁界を低減させることが困難である。

U S P 3 , 7 3 1 ， 1 2 9 号によれば、電子ビームの通過領域に近似して、ヨーク部の管軸に垂直な断面形状が、ネック部側からパネル側に向かって、円形から次第に矩形状に変化する陰極線管が示されている。このように、ョ一ク部を角錐状に形成すると、ネック部及びヨーク部の外形を小径化してもヨーク部内壁への電子ビームの衝突は、避けられる。また、このような構造では、偏向磁界は、電子ビームに対して比較的効率良く作用する。

しかし、このような構成の陰極線管装置では、ヨーク部の断面形状が矩形に近づくほど、ヨーク部の側面がフラット化するため、真空外囲器におけるヨーク部の耐気圧強度が低下する。このため、安全性が損なわれる。

また、近年、パネル部の外面がフラット化されたフラットディスプレイが実用化されている。その外面の曲率半径が蛍光体スクリーンの有効対角寸法の 2 倍以上である（曲率半径が無限大のとき、パネル部は完全なフラッ卜である ) フラットディスプレイは、パネル部の耐気圧強度が低いのに加え、さらにヨーク部を角錐状に形成すると、ヨーク部の耐気圧強度も低下し、安全上必要な真空外囲器全体の機械的強度を確保することが困難である。以下、真空外囲器としての強度、すなわち耐気圧強度及び機械的強度をバルブ強度と総称する。

上述したように、従来の陰極線管装置は、偏向電力及び漏洩磁界を十分に低減するためにョーク部の断面形状を矩形化するという要求と、ヨーク部の断面形状を矩形化しても十分なバルブ強度を確保するという要求と、を |ϊ¾ _i£すことが困難である。特に、フラットディスプレイ用の陰極線管装置は、偏向電力及び漏洩磁界の低減と、十分なバルブ強度の確保と、を両立することが困難である。

発明の開示

この発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、真空外囲器のヨーク部を実質的に角錐状に形成しても十分なバルブ強度を確保できるとともに、偏向電力及び漏洩磁界を低減しても高輝度化及び高解像度化の要求を満足できる陰極線管装置を提供することにある。

この発明によれば、

( 1 ) 管軸に直交する水平軸方向の長さと、管軸及び水平軸に直交する垂直軸方向の長さとのァスぺク卜比が M

： N の矩形状の蛍光体スクリ一ンを内面 I ¾ するパネル部と、管軸方向に沿つて電子ビ一厶を放出する電子銃構体を内部に装備する円筒状のネック部と、前記パネル部とネック部とをつなぐフアンネル部と、前記ファンネル部のネック部側であつて管軸に垂直な断面がネック部と同径の円形から水平軸及び垂直軸方向以外の方向に最大径を有する非円形に変形するョーク部と、を有する真空外囲器と、

前記ネック部からヨーク部にわたる真空外囲器の外面に装着され、電子ビー厶を偏向するための偏向磁界を形成する偏向ョークと、

を備えた陰極線管装置において、

前記偏向ヨークは、前記偏向磁界を形成するための水平偏向コイル及び垂直偏向コィルの少なくとも一方を囲む磁性体によって形成された筒状のコア部を有し、

前記コア部の前記管軸に垂直な少なくとも 1 つの断面は

、前記管軸と前記コア部内面との距離を内径とするとき、前記垂直軸方向及び水平軸方向以外の方向に最大内径を有する非円形状をなし、前記垂直軸方向の内径を S B 、水平軸方向の内径を L B 、最大内径を D B とすると、

( M + N ) / ( 2 * ( M ² + N ² ) 1 ノ 2 ) < ( S B + L B ) / ( 2 D B ) ≤ 0 . 9 0

であることを特徴とする陰極線管装置が提供される。

図面の簡単な説明

図 1 は、この発明の陰極線管装置の構成を概略的に示す断面図であり、

図 2 は、図 1 に示した陰極線管装置の外観及び内部構造を概略的に示す一部断面図であリ、

図 3 は、図 1 に示した陰極線管装置に適用される偏向ョークの外観及び内部構造を概略的に示す一部断面図であリ図 4 は、図 1 に示した陰極線管装置のヨーク部を、偏向基準位置において、管軸に垂直に切断した時の断面のうち、外面形状を概略的に示す図であり、

図 5 A は、図 1 に示した陰極線管装置のパネル部を対角軸に沿って切断した時の断面図であり、図 5 B は、図 1 に示した陰極線管装置のパネル部の平面図であり、

図 6 は、陰極線管装置のヨーク部の平坦度に対する偏向電力の関係を示す図であり、

図 7 は、図 1 に示した陰極線管装置のヨーク部及び偏向ヨークを、偏向基準位置において、管軸に垂直に切断した時の断面図であり、

図 8 A は、図 7 に示した偏向ヨークのコア部のうち、管軸に垂直なスクリーン側端部の形状を示す図であり、図 8 B は、管軸に垂直なネック部側端部の形状を示す図であり図 9 は、この発明の一実施例にかかる陰極線管装置のョーク部の、管軸位置に対する最大外径、水平軸方向の外径、及び垂直軸方向の外径の関係を示す図である。

発明を実施するための最良の形態以下、図面を参照してこの発明に係る陰極線管装置の実施の形態について詳細に説明する。

この発明は、真空外囲器のヨーク部形状を角錐化した場合であっても、偏向電力の低減とバルブ強度の確保とを両立できる最適形状のヨーク部を有する真空外囲器と、このヨーク部に装着される最適形状の偏向ヨークとを備えた陰極線管装置を提供するものである。

図 1 に示すように、この陰極線管装置 1 は、ガラス製の真空外囲器 1 1 と、電子ビームを偏向するための偏向磁界を形成する偏向ヨーク 2 0 とを備えている。真空外囲器 1 1 は、実質的に矩形状の有効パネル面 1 2 を含むパネル部 P と、管軸に一致した中心軸を有する円筒状のネック部 N と、パネル部 P とネック部 N とを接合するファンネル部 F とを有している。ファンネル部 F は、そのネック部 N 側に、偏向ヨーク 2 0 が装着されるヨーク部 Y 含んでいる。

パネル部 P は、その内面に、赤、綠、青にそれぞれ発光するス卜ライプ状あるいはドット状の 3 色蛍光体層を有する蛍光体スクリーン 1 7 を備えている。ここでは、ノ\°ネル部 P の平坦度は、パネル部 P の外面形状を円近似した曲率半径で規定する。すなわち、パネル部 P の曲率半径は、蛍光体スクリーンの中央 1 7 a から対角端 1 7 d での管軸 Z 方向のネック部 N 側への落差 d をもとに、円近似することによって得られる。この実施の形態では、パネル部 P の平坦度は、曲率半径が有効パネル面 1 2 の対角寸法の 2 倍以上である。曲率半径が無限大のときは、パネル部 P の外面が完全にフラットな場合に相当する。すなわち、この発明は、実質的にフラッ卜な外面形状のパネル部 P を有する、いわゆるフラッ卜ディスプレイに適用される。

パネル部 P は、蛍光体スクリーン 1 7 に対向する位置に所定間隔をおいて配置されたシャドウマスク 1 9 を備えている。このシャドウマスク 1 9 は、その内側に、電子ビー厶を通過させるための多数のアパーチャ 1 8 を有しているネック部 N は、その内部に、同一水平面上を通る一列配置の 3 電子ビーム e を放出する電子銃構体 1 8 、いわゆるインライン型電子銃構体を備えている。これら 3 電子ビーム e は、水平軸 H に沿って一列配置され、管軸 Z に平行な方向に沿って放出される。 3 電子ビームのうち、センタービームとしての電子ビームは、ネック部 N の中心軸に最も近接した軌道を進行する。また、一対のサイドビームとしての電子ビームは、センタービームの両サイドの軌道を進行する。

この電子銃構体 1 8 は、これら 3 電子ビーム e を蛍光体スクリーン 1 7 に向けてコンバージエンスすると同時に、 3 電子ビーム e をそれぞれ蛍光体スクリーン 1 7 上に集束する。

偏向ヨーク 2 0 は、図 3 に示すように、ピンクッション型の水平偏向磁界を形成する水平偏向コイル 2 2 、バレル型の垂直偏向磁界を形成する垂直偏向コイル 2 3 、水平偏向コイル 2 2 と垂直偏向コイル 2 3 との間に介在される筒状のセパレータ 2 1 、及び筒状に形成された高透磁率のコァ部 2 4 によって構成される。偏问ョ一ク 2 0 は、これら水平偏向コイル 2 2 及び垂直偏向コィル 2 3 によリ、電子ビームを偏向するための非斉一偏向磁界を形成する。

セパレ— タ 2 1 は、ネック部 N 側の開口径がパネル部 P 側よリ小さいホーン型の合成樹脂によって形成されている。水平偏向コイル 2 2 は、サドル型であり、セパレ一タ 2 1 の内壁に形成された溝に固定される。垂直偏向コイル 2 3 は、サドル型であリ、セノレ - タ 2 1 の外壁に固定される。偏向ヨーク 2 0 から漏洩す ιΜ洩磁界は、それぞれサドル型の水平偏向コイル 2 2 及び垂直偏向コイル 2 3 を組み合わせることにより、低減できる。コァ部 2 4 は、これら水平偏向コイル 2 2 及び垂直偏向コイル 2 3 の外側を取リ囲んで固定配置され、偏向磁界の磁心となる。

このような構造の陰極線管装置では、電子銃構体 1 8 から放出された 3 電子ビーム e は、偏向ョーク 2 0 によって発生された非斉一偏向磁界によリ、自己集中しながら偏向される。すなわち、 3 電子ビーム e は、シャドウマスク 1 9 を介して蛍光体スクリ ― ン 1 7 を水平軸 H 及び垂直軸 V のそれぞれの方向に走査されるれにより、力ラー画像が表示される。

図 1 に示すように、ファンネル部 F の管軸 Z に沿う外面形状は、パネル部 P 側からネック部 N 側にわたり、略 S 字曲線状に形成されてしゝる。すなわち、ファンネル部 F は、パネル部 P 側で凸状に形成され、ヨーク部 Y のネック部 N 側で凹状に形成されている。ヨーク部 Y のパネル部側の境界 1 4 a は、 S 字曲線の変曲点である。ヨーク部丫のネック部 N 側の境界 1 4 b は、ネック部 N との連接部である。偏向ョーク 2 0 は、そのパネル部側の端部 2 0 a が境界 1 4 a の近傍に位置するように装着される。偏向ヨーク 2 0 のネック部側の端部 2 0 b は、境界 1 4 b よりネック部側に位置する。偏向基準位置 2 5 は、ヨーク部 Y の範囲内に位置する。

ここで、偏向基準位置 2 5 とは、以下のように規定される位置である。すなわち、図 5 A 及び B に示すように、管軸 Z を挟んだスクリーン対角両端 1 フ d から管軸 Z 上のある点 0 に直線を結んだ場合に、 2 直線が成す角度が陰極線管装置の規格の最大偏向角 0 に相当するような管軸上の点 O を偏向基準位置 2 5 とする。この偏向基準位置 2 5 は、電子ビームを偏向する際の偏向中心となる位置である。

図 4 に示すように、偏向基準位置 2 5 における管軸に垂直なヨーク部外面の断面形状は、非円形状である。すなわち、水平軸 H とヨーク部の外面との交点を H P 、垂直軸 V とヨーク部外面との交点を V P 、対角軸 D とヨーク部外面との交点を D P とする。また、管軸 Z から交点 H P までの距離を L A 、管軸 Z から交点 V P までの距離を S A 、管軸 Z から交点 D P までの距離を D A とする。

このとき、ヨーク部の外面形状は、水平軸 H 及び垂直軸 V 以外の方向の外径が最大となる非円形状である。図 4 に示したヨーク部外面の断面形状は、 L A 及び S A が D A よリ小さく、且つ D A が最大となる略矩形状である。

したがって、このような形状のヨーク部を有する陰極線管装置では、交点 H P 及び V P 近傍に配置される偏向コィルを電子ビームに近づけることが可能となり、電子ビームに作用する偏向磁界の作用効率を向上できる。このため、偏向電力及び漏洩磁界を低減することができる。

なお、図 4 に示した例では、対角軸 D 方向の径が最大径であるが、必ずしも対角軸 D 方向の径が最大径となるとは限らない。ク部外面の断面形状において、垂直軸 V に交差する主面 V s は、垂直軸 V 上に曲率中心を有する曲率半径 R V の円弧状に形成されている。また、水平軸 H に交差する主面 H S は、水平軸 H 上に曲率中心を有する曲率半径 R h の円弧状に形成されてしゝる。さらに、交点 D P 近傍の外面は、対角軸 D 上に曲率中心を有する曲率半径 R d の円弧状である。ヨーク部の外面形状は、これらの円弧をつなげた形状である。また、これらの面は、その他に種々の数式を用いて規定しても良い。このように、ョーク部の外面形状は、矩形の長辺 L 及び短辺 S よりも管軸 Z 側に凹むことのない非円形状であ ^) 。図 4 に示した例では、ョーク部の外面形状は、たる型の断面を有し、実質的に角錐状に形成されている

3 ―ク部の断面形状を矩形状に近づけるほど、真空外囲器としてのバルブ強度は劣化する反面、偏向電力及び漏洩磁界を低減することができる。ここでは、断面形状の矩形度を表す指標値として

X = ( L A + S A ) / ( 2 D A )

を設定する。ヨーク部の外面形状が円形の断面形状を有する円錐状である場合、 L A 及び S A は、 D A に等しし、力、ら、指標値 X は 1 である。ョーク部の外面形状が矩形の断面形状を有する角錐状である口、 D A は、最外電子ビーム軌道とヨーク部内壁との余白を確保するため、 D A は、円錐状の場合と同等であるが、 L A 及び S A は、円錐状の場合より小さくなる。つまり、 L A 及び S A は、 D A より小さくなるため、指標値 X は、 1 よリ小さくなる。

ク部の外面形状が完全な角錐状である場合は、矩形状の断面のァスぺク卜比（水平軸方向の長さ：垂直軸方向長さ）を M ： N とすると、指標値 X は軌。強方場、が対指のスは向たで向るミ 2

X = ( M + N ) ノ（ 2 * ( M ² + N ² ) 1 2 ) となる

この標値 X はーク部の外面形状を矩形化した際に、水平向及び垂直方向の外径縮小分を合わせた形であるが、シュレ一ション解析結果では、水平方向のみを矩形化した合でも垂直方向のみを矩形化した場合でもほぼ同様の偏電力低減効果があり、 L A 及び S A のいずれかを重視す必要は無い。

また ― ク部の外面形状を矩形化する場合、管軸上のいずれ位置から矩形化することがよリ効果的であるカヽ、解析し。結果として、偏向基準位置 2 5 から偏向ヨーク 2 0 のクリ ― ン側端部 2 0 a までの間の領域を矩形化することであることが見出された。

図 1 は、電子ビ一ム e が偏向磁界によって蛍光体スクリーン角 ¾ 1 7 d の方向に偏向された場合の、電子ビー厶 e の道の一例が示されている。偏向磁界中心が偏向基準位置 5 よリネック部側に近付くと、ネック部側の偏向磁界がまるため、電子ビーム e がよリネック部側で偏向されるこのため、対角 ¾ 1 7 d 方向に偏向される電子ビ —ム e -ク部の内壁に衝突す。 3^に、偏向磁界中心が偏基準位置 2 5 よリスクリーン側であると、電子ビ —ム e ク部内壁とのマ一ジンが増える。このため、偏向ョクのネック部側の端部 2 0 b を延長することが可能とな、更に偏向電力を低減することができる。

また上述したネック部とは異なる外径を有する陰極線管装置おいても、ーク部の形状は、概ね偏向基準位置 2 5 まで異なるが、偏向基準位置 2 5 よリスクリーン側で略同一となるのため、解析結果は、概ね同一であるといえる次に、偏向電力の低減効果について説明する。図 6 は、矩形度の指標値 X に対する偏向電力のシミュレ — ション結果を示したものである。

ここでは、偏向ヨークの仕様を固定し、ヨーク部が矩形化された分だけ偏向コイル 2 2 、 2 3 及びコア部 2 4 が電子ビームに近づくものとしてシミュレーションした。偏向電力は、水平偏向コイル 2 2 に供給される水平偏向電力である。指標値 X = 1 の陰極線管装置において、電子ビーム e を所定の偏向量で偏向するときの偏向電力を 1 0 0 % とした。

図 6 に示すように、指標値 X が概ね 0 . 8 6 より小さくなると、急激に偏向電力の軽減効果が現れる。すなわち、所定の偏向量で電子ビーム e を偏向する場合、ヨーク部を円錐状（ X = 1 ) とした場合と比較して、約 1 0 〜 3 0 % の偏向電力を削減できる。逆に、指標値 X が O . 8 6 以上であれば、偏向電力の軽減効果は、 1 0 % 以下に過ぎない以上をまとめると、真空外囲器のヨーク部を、以下の条件を満たすような略角錐状とすることにより、偏向電力の低減とバルブ強度の確保とを両立することができる。すなわち、略矩形状の蛍光体スクリーンのァスぺクト比を M ： N としたとき、角錐状に形成したヨーク部の矩形状の断面のァスぺク卜比に蛍光体スクリーンのァスぺク卜比が実質的に一致するものとし、ヨーク部断面のアスペクト比を M ： N とする。また、偏向基準位置 2 5 での管軸に垂直な断面において、垂直軸方向のヨーク部外径を S A 、水平軸方向のヨーク部外径を L A 、ヨーク部の最大外径を D A としたとき、

( M + N ) / ( 2 * ( M ² + N 2 ) 1 2 ) < ( S A + L A ) Z ( 2 D A 0 . 8 6

を満足するよフな断面形状とする。

また図 4 示すように、偏向基準位置 2 5 での管軸に垂直な断面の 3一ク部外面形状を、管軸 Z 側に突出しない略矩形状とするの矩形状の外面は、垂直軸上に曲率中心を有する曲率半怪 R V の円弧と、水平軸上に曲率中心を有する曲率半 R h の円弧と、最大外径となる点と管軸とを結ぶ直線上曲率中心を有する曲率半径 R d の円弧とで近似される。のとき、 R h または R V 力 9 0 0 m m 以下となるよつに 3一ク部の断面形状を構成する。これにより、バルブ強度を十分に確保でさる。

以上のは、蛍光体スクリーンのァスぺクト比カ 4 ： 3 の場 6 ： 9 の場合、 3 ： 4 の場合などにも適用可能である

また偏向電力をより低減するために、偏向コィルを構成するコィル線の断面積を考慮して、偏向ヨーク 2 0 に備えられるコア部 2 4 の矩形度の指標値 X は、以下のようにして、決定される

すなわち、図 7 に示すように、水平偏向コィル 2 2 は、ピンクッシヨン型の偏向磁界を形成するために、水平軸 H 近傍に集中してコィル線を巻き付けるよって形成される。水平偏向コィル 2 2 のコィル線は、水平軸 H から離れるほその巻数を少なくする。垂直偏向コィル 2 3 を構成する ZJ ィル線の断面積は、バレノレ型の偏向磁界を形成するため、垂直軸 V 近傍で最大となリ、垂直軸 V から離れるにしがって徐々に減少するように分布させる。

これのコイル線の断面積と偏向電力の低減化とを考慮するとコア部 2 4 の内面の指標値 X を概ね O . 9 0 以下に設定することが有効であると分かつた。図 7 では、コァ部 2 4 の内面に、ス □ ッ卜 2 4 c を形成したスロッ卜コアの構造が示されている。コァ部 2 4 が図 7 に示したような構造の ¾1 口、水平軸方向の内径 L B 、垂直軸方向の内径 S B 、及びコア部 2 4 の最大内径 D B は、管軸 Z カヽらスロット底部 2 4 d までの径と、管軸 Z 力、らスロット頂部 2 4 e までの径との平均値とする

図 8 A 及び B に、代表的な偏向ョ —ク 2 0 のコア部 2 4 の端部の形状を示す。すなわち、 Z] ァ部 2 4 のネック部側の端部 2 4 b は、図 8 B に示すよラに、ネック部の外径に合わせて円形に形成されている。管軸 Z に垂直な断において、コア部 2 4 の内径は、端部 2 4 b から境界 1 4 b までの間では、ネック部の外面形状に合わせてほぼ同形の円形である。水平軸方向の内径 L B 及び垂直軸方向の内径 s B は、境界 1 4 b から管軸 Z に沿つてスクリ - ン側に近付くにしたがつて、次第に小さくなる o これにより、境界 1 4 b よリスクリーン側での管軸垂直な断面は、 L B 及ぴ S B ょリ大きな最大内径 D B を有する非円形状すなわち矩形状となる。このコア部 2 4 のスクリーン側の端部 2 4 a は、図 8 A に示すように、角錐状のヨーク部の外面形状に合わせて、矩形状の内径を有するように形成されている。図 8 A に示した例では、内径のァスぺクト比は、スクリーンのァスぺクト比に実質的に一致し、例えば、 M ： N = 4 ： 3 である

すなわち、ネック部の管軸に垂直な断面の外面形状は、円形であリ、ヨーク部は、ネック部との境界からパネル側にかけて、非円形状に変化する。このような外面形状のネック部及びョーク部に沿って装着された偏向ヨークは、以下に規定するような形状のコア部を有している。すなわち、コァ部の管軸に垂直な少なくとも 1 つの断面は、ネック部とヨーク部との境界 1 4 b よりネック部側で、ネック部の外面形状に等しい円形である。また、コア部の管軸に垂直な少なくとも 1 つの断面は、境界 1 4 b よリスクリーン側で、垂直軸方向及び水平軸方向以外の方向に最大内径を有する非円形である。境界 1 4 b よリスクリーン側のこの断面は、略矩形状の蛍光体スクリーンのァスぺクト比を M

： N としたとき、矩形状である。その断面の内径のァスぺクト比と蛍光体スクリーンのァスぺクト比とが実質的に一致するものとし、コア部の内径のァスぺクト比を M ： N とする。また、この断面において、垂直軸方向のコア部の内径を S B 、水平軸方向のコア部の内径を L B 、コア部の最大内径を D B としたとき、その断面は、

( M + N ) / ( 2 * ( M ² + N 2 ) 1 2 ) く ( S B + L B ) / ( 2 D B ) ≤ 0 . 9 0

を満足するような形状とする。

また、コア部のネック部側の端部 2 4 b において、垂直軸方向コア部内径を S B N 、水平軸方向コア部内径を L B N 、最大コア部内径を D B N とすると、

0 . 9 5 ≤ S B N / D B N ≤ 1 . 0 5

0 . 9 5 ≤ L B N / D B N ≤ 1 . 0 5

の条件を満足することが望ましい。

以下に好ましい実施例について説明する。

なお、基本構造は、上述した通りであり、詳細な説明は省略する。

図 1 に示すように、この実施例の陰極線管装置 1 の真空外囲器 1 1 は、ガラス製のノネル部 P 、ファンネル部 F 、ヨーク部 Y 、及びネック部 Ν を有してし、る。パネル部 Ρ の有効パネル面 1 2 の中央部は、 1 0 ~ 1 4 m m の肉厚である。ヨーク部 Y は、 2 〜 8 m m の肉厚であり、対角軸近傍の肉厚が薄く水平軸及び垂直軸近傍の肉厚が厚い角錐状に形成されている。

図 3 に示すよラ（こ、偏向ヨーク 2 0 は、そのスクリーン側端部が境界 1 4 a の近傍に位置するようにヨーク部 Y に装着される。の偏向ヨーク 2 0 は、ホーン型のセパレ一タ 2 1 によつて互いに絶縁された水平偏向コイル 2 2 及び垂直偏向コィル 2 3 を有してしヽる。これらの偏向コイルは、サドル型であリ、いわゆるサドル一サドル型である。すなわち、水平偏向コィル 2 2 は、セパレータ 2 1 の内壁に設けた溝で固される。垂直偏向コイル 2 3 は、セパレータ 2 1 の外壁固定される。高透磁率の磁性体によって形成された筒状のコァ部 2 4 は、垂直偏向コイル 2 3 の外側を取リ囲むよフに固定される。

コァ部 2 4 は、角錐状のヨーク部 1 4 の外面形状に沿うような内面形状を有してしヽる。このコア部 2 4 の管軸 Z に垂直な断面は図 8 B に示すように、ネック部側の端部 2 4 b で略円形の内面形状を有し、図 8 A に示すように、スクリーン側の部 2 4 a で非円形、すなわち略矩形状の内面形状を有するコァ部 2 4 の管軸 Z に垂直な断面は、ネック部側端部 2 4 b からスクリーン側端部 2 4 a に向カヽぅにしたがつて次第に円形から非円形に変形し、スクリ一ン側の端部 2 4 a で最大径となる。

さらに説明すると、ヨーク部 Y は、管軸 Z 上の位置において、図 9 にすような各長さ寸法を有するような垂直な断を有している。すなわち、図 9 において、横軸は、ネック部 N と 3 ク部 Y との境界 1 4 b 力、ら偏向ヨーク 2 0 のスクリーン側端部 2 0 a の位置を示す。このとき、偏向基準位置 2 5 を 0 とし、スクリーン側を正、ネック側を負とする。曲線 2 6 は、対角軸方向の外径 D A を示し、曲線 2 7 は、水平軸方向の外径 L A を示し、曲線 2 8 は、垂直軸方向の外径 S A を示す。

これら曲線 2 6 乃至 2 8 で示すように、境界 1 4 b 付近において、対角軸方向、水平軸方向及び垂直軸方向の外径

D A 、 L A 及び S A は、ともに同一である。水平軸及ぴ垂直軸方向の外径 L A 及び S A は、スクリーン側に向かうにしたがつて、対角軸方向の外径 D A より相対的に小さくなる。すなわち、ョーク部 Y の境界 1 4 b 付近で断面形状は、略ネック部 N と同径の円形状である。また、ヨーク部 Y のスクリーン側での断面形状は、対角軸方向に最大径を有する略矩形状である。

この s 口、虽光体スクリ — ン 1 7 のァスぺクト比 M N は、 4 ： 3 である

は、偏向基準位置 2 5 におけるヨーク部 Y の断面は

D A = 3 0 . 2 m m 、 L A = 2 7 . 5 m m 、 S A = 2 2 5 m m

であり、

( L A + S A ) / ( 2 D A ) = 0 . 8 3

である。また、偏向基準位置 2 5 におけるヨーク部 Y の断面において、ヨーク部外面の曲率半径は、それぞれ、

R h = 1 1 3 m m 、 R v = 3 1 2 m m 、 R d = 8 . 8 m m

である。このとき、ヨーク部 Y の最大真空応力は、 8 . 0 フ H P a であり、真空外囲器のバルブ強度として十分な値である。

また、偏向ヨーク 2 0 のコア部 2 4 のスクリーン側の端部 2 4 a の断面は、

D B = 4 8 . 2 m m 、 L B = 4 4 . 7 m m 、 S B = 3 9 • 8 m m

であり、

( L B + S B ) / ( 2 D B ) = 0 . 8 8

である。

このような構造を有する陰極線管装置は、円錐状のョーク部をもつ陰極線管装置に対して約 1 8 % ほど偏向電力を低減化することができた。このように、偏向電力を低減することができると、漏洩磁界も低減することが可能となるさらに、偏向ヨーク 2 0 のコア部 2 4 は、ネック部側の端部 2 4 b の断面において、略円形の内面形状を有している。この内径、すなわち管軸から内面までの距離は、 4 5 m m でこの場合、水平偏向コイル及び垂直偏向コィルの端部形状ゃセパレ一タの形状に合わせて、円形形状を基準に変形させることがあるが、その程度は、コア部内径の水平軸方向、垂直軸方向の比率で ± 5 % 以内にするのが偏向電力の低減上、好ましい。

以上、本発明の実施例として、サドル一サドル型偏向ョークについて説明したが、サドルートロイダル型の偏向ョークを使用した陰極線管装置にも適用することができる。この場合、コァ部は、トロイダルコイルのコアとなる。

産業上の利用可能性

以上説明したように、この発明によれば、十分なバルブ強度を確保でき、かつ偏向電力を有効に低減できる外面形状のヨーク部を備えた真空外囲器に適する偏向ヨークを装着することにより、高輝度化や高周波偏向の要求を満たす陰極線管装置を得ることができる。

Claims

請求の範囲

1 - 管軸に直交する水平軸方向の長さと、管軸及び水平軸に直交する垂直軸方向の長さとのァスぺク卜比が M ： N の矩形状の蛍光体スクリーンを内面に有するパネル部と、管軸方向に沿って電子ビームを放出する電子銃構体を内部に装備する円筒状のネック部と、前記パネル部とネック部とをつなぐファンネル部と、前記ファンネル部のネック部側であって管軸に垂直な断面がネック部と同径の円形から水平軸及び垂直軸方向以外の方向に最大径を有する非円形に変形するヨーク部と、を有する真空外囲器と、

前記ネック部からヨーク部にわたる真空外囲器の外面に装着され、電子ビームを偏向するための偏向磁界を形成する偏向ヨークと、

を備えた陰極線管装置において、

前記偏向ヨークは、前記偏向磁界を形成するための水平偏向コイル及び垂直偏向コイルの少なくとも一方を囲む磁性体によって形成された筒状のコア部を有し、

前記コア部の前記管軸に垂直な少なくとも 1 つの断面は、前記管軸と前記コア部内面との距離を内径とするとき、前記垂直軸方向及び水平軸方向以外の方向に最大内径を有する非円形状をなし、前記垂直軸方向の内径を S B 、水平軸方向の内径を L B 、最大内径を D B とすると、

( M + N ) / ( 2 * ( M ² + N 2 ) 1 Z 2 ) < ( _S B + L B ) / ( 2 D B ) ≤ 0 . 9 0

であることを特徴とする陰極線管装置。

2 . 管軸を挟んだ蛍光体スクリーン対角端から管軸上のある点に直線を結んだ場合に、この直線と管軸との成す角度が陰極線管装置の最大偏向角の 1 2 に相当するような管軸上の点を偏向基準位置とするとき、前記断面は、前記偏向基準位置よリ前記蛍光体スクリーン側に位置することを特徴とする請求項 1 に記載の陰極線管装置。

3 . 前記コア部の前記管軸に垂直な少なくとも 1 つの断面は、前記ネック部側の端部において、前記垂直軸方向の内径を S B N 、水平軸方向の内径を L B N 、最大内径を D B N とすると、

0 . 9 5 ≤ S B N / D B N ≤ 1 . 0 5

0 . 9 5 ≤ L B N /^/ D B N ≤ 1 . 0 5

であることを特徴とする請求項 1 に記載の陰極線管装置。

4 . L B N = S B N = D B N であることを特徴とする請求項 3 記載の陰極線管装置。

5 . 前記偏向基準位置において、前記ヨーク部の前記管軸に垂直な断面は、前記管軸と前記ヨーク部外面との距離を外径とするとき、前記垂直軸方向及び水平軸方向以外の方向に最大外径を有する非円形状をなし、前記垂直軸方向の外径を S A 、水平軸方向の外径を L A 、最大内径を D A とすると、

( M + N ) / ( 2 * ( M ² + N 2 ) 1 2 ) く ( S A + L A ) / ( 2 D A ) ≤ 0 . 8 6

であることを特徴とする請求項 2 に記載の陰極線管装置。

6 . 前記パネル部は、外面形状を円近似したとき、その曲率半径が前記蛍光体スクリーンの対角有効寸法の 2 倍以上であることを特徴とする請求項 1 に記載の陰極線管装置。