JP2002260548A - シャドウマスク及びカラー陰極線管 - Google Patents

シャドウマスク及びカラー陰極線管

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JP2002260548A
JP2002260548A JP2001381597A JP2001381597A JP2002260548A JP 2002260548 A JP2002260548 A JP 2002260548A JP 2001381597 A JP2001381597 A JP 2001381597A JP 2001381597 A JP2001381597 A JP 2001381597A JP 2002260548 A JP2002260548 A JP 2002260548A
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electron beam
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mask
beam passage
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JP2001381597A
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Toru Takahashi
亨 高橋
Masachika Inoue
雅及 井上
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Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】シャドウマスクの板厚を厚くすることなくマス
ク強度を向上させたシャドウマスク、および画像品位の
向上したカラー陰極線管を提供することにある。 【解決手段】蛍光体スクリーンに対向して設けられたシ
ャドウマスクは、直交する短軸および長軸を有したほぼ
矩形状の有効面を備えたマスク本体23を具備してい
る。有効面に形成された多数の電子ビーム通過孔24の
各々は、有効面の一方の表面に開口した大孔27と他方
の表面に開口した小孔28とを繋げた連通孔で形成され
ている。有効面の少なくとも中心部に設けられた電子ビ
ーム通過孔の大孔と小孔との合致部29は、マスク本体
の厚さ方向の中心部に位置している。有効面の周辺部に
設けられた電子ビーム通過孔の大孔と小孔との合致部
は、マスク本体の厚さ方向の中心部よりも有効面の一方
の表面側に接近して位置しているとともに、大孔は小孔
に対し長軸方向にオフセットしている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シャドウマスク、
及びこのシャドウマスクを備えたカラー陰極線管に関す
る。
【0002】
【従来の技術】一般に、カラーテレビジョン受像機やカ
ラー端末ディスプレイ等に使用されているカラー陰極線
管は、略矩形状のフェースパネル、およびこのフェース
パネルに一体的に接合されたファンネルを有する外囲器
を備えている。フェースパネルの内面には、青、緑、赤
に発光する3色蛍光体層を有するブラックマトリクス形
またはブラックストライプ形の蛍光体スクリーンが形成
されている。
【0003】外囲器内には、色選別を行うためのシャド
ウマスクが蛍光体スクリーンに対向して配置されてい
る。シャドウマスクには、電子ビームが通過する多数の
電子ビーム通過孔が形成されている。また、シャドウマ
スクはマスクフレームに固定され、このマスクフレーム
は、フェースパネルの内側面にスタッドピンを介して取
着されている。マスクフレームには、磁気シールド板も
取着されている。
【0004】更に、ファンネルのネック内には、センタ
ービーム及び一対のサイドビームからなる電子ビームを
放出するインライン型の電子銃が配設されている。カラ
ー陰極線管では、電子銃から放出された電子ビームを、
ファンネルの外側に装着された偏向ヨークの発生する磁
界によって偏向し、シャドウマスクを介して蛍光体スク
リーンを水平、垂直方向に走査することにより、蛍光体
スクリーン上にカラー画像を再生表示している。
【0005】シャドウマスクは、略矩形状の金属薄板に
多数の電子ビーム通過孔を穿設して形成されている。こ
の電子ビーム通過孔には、大別して円形状のドットタイ
プと、矩形状のスリットタイプの2種類がある。主に文
字や図形を表示するディスプレイ管には、主として円形
状のドットタイプの電子ビーム通過孔を有したシャドウ
マスクが用いられ、また、カラーテレビジョン受像機等
の民生用のカラー陰極線管には、主として矩形状のスリ
ットタイプの電子ビーム通過孔を有するシャドウマスク
が用いられている。
【0006】いずれのシャドウマスクにおいても、基本
的に、各電子ビーム通過孔は、シャドウマスクの蛍光体
スクリーンと対向する面側に形成された大孔と、電子銃
と対向する反対面側に形成された小孔とが連通した連通
孔により構成されている。そして、大孔と小孔と底部が
互いにつながる合致部の径により、実質的に電子ビーム
通過孔としての開孔径が決定される。
【0007】シャドウマスクの有効面の中央部分におい
て、各電子ビーム通過孔の合致部は、シャドウマスクの
板厚方向中心よりも電子銃側にずれて位置し、また、各
電子ビーム通過孔の大孔と小孔とは同軸的に形成されて
いる。
【0008】シャドウマスク有効面の短軸付近から長軸
方向にずれた有効面周辺部分では、各電子ビーム通過孔
の大孔の中心軸は、小孔の中心軸に対し、有効面の中心
から遠ざかる方向にオフセットしている。そのため、電
子ビーム通過孔の合致部は、有効面中央部に位置した電
子ビーム通過孔の合致部よりも、シャドウマスクの肉厚
方向で更に電子銃側に位置している。このようなオフセ
ットした電子ビーム通過孔を用いることにより、電子ビ
ームの偏向角が大きいシャドウマスクの周辺部分におい
て、電子ビームが電子ビーム通過孔の内面や大孔の開孔
縁に衝突することを避けることができる。その結果、電
子ビーム通過孔を通って蛍光体スクリーンに入射する電
子ビームの形状歪を防止することができる効果がある。
【0009】一方、カラーテレビジョン受像機等の民生
用のカラー陰極線管では、画面の大形化が進み、且つ外
光の反射が少なく画像歪の少ない平坦な画面を有するフ
ラットスクェア管が、現在の主流をなしている。更に、
最近では、フェースパネルの外表面を、略完全なフラッ
トとした完全フラット管が市場で好評を博しており、今
後のカラー陰極線管の主流をなすものと考えられる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】このようなフラット管
において、シャドウマスクの有効面は、フェースパネル
の内面形状に対応して平坦化され、従来用いられていた
パネル外面が曲率を有するカラー陰極線管のシャドウマ
スクよりもマスク曲率が小さく(曲率半径が大きい)な
っている。
【0011】このようにシャドウマスクの曲率が小さく
なると、シャドウマスクは曲面保持力(以下、マスク強
度と称する)が低下し、自重または外力に対してマスク
曲面を保持することが難しくなる。シャドウマスクのマ
スク強度が低い場合、製造中および輸送中に加わる僅か
な外力によりシャドウマスクの曲面が変形してしまう。
そして、シャドウマスクの変形は、電子ビーム通過孔位
置とパネル内面との距離関係を崩すことになり、その結
果、電子ビームが所定の蛍光体にランディングせず、色
ずれを引き起こす。
【0012】また、マスク強度が低い場合、シャドウマ
スクは、TVセットなどに組み込まれた際、スピーカか
らの音声などの振動に対してシャドウマスク曲面が共振
しやすくなる。そして、シャドウマスクが共振した場
合、画面上に輝度変動を伴う不要な明暗が映し出され、
画像品位が劣化する。
【0013】マスク強度の低下は、有効面中心部分が最
も顕著であり、有効面の周辺に行くに従って、その強度
は高いものとなっている。即ちシャドウマスク全面に一
定の荷重を与えた場合、シャドウマスクの変位量が有効
面中心部分では大きく、有効面周辺部分では小さくなっ
ている。シャドウマスクの有効面周辺部分にはスカート
が設けられ、かつ、このスカートにはシャドウマスクが
溶接固定されているため、有効面周辺部分のマスク強度
が高くなっている。
【0014】従ってシャドウマスクとしてのマスク強度
を向上させるためには、シャドウマスクの有効面中心部
分で強度アップを図る必要がある。マスク強度を上げる
最も簡単な方法は、シャドウマスク板厚を厚くすること
である。しかしながら、シャドウマスク板厚が増加する
と、シャドウマスク製造時のエッチング速度制御が困難
になり、電子ビーム通過孔の孔径のバラツキが大きくな
る。その結果、シャドウマスク製造時およびカラー陰極
線管製造時の歩留まりが低下するとともに、画面に輝度
や色ムラが発生し、画像品位を劣化させる一因にもなっ
てしまう。
【0015】この発明は以上の点に鑑みなされたもの
で、その目的は、シャドウマスクの板厚を厚くすること
なくマスク強度を向上させたシャドウマスク、および画
像品位の向上したカラー陰極線管を提供することにあ
る。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、この発明の態様に係るシャドウマスクは、直交する
短軸および長軸を有したほぼ矩形状の有効面を備えたマ
スク本体と、上記有効面に形成された多数の電子ビーム
通過孔と、を備えている。各電子ビーム通過孔は、上記
有効面の一方の表面に開口した大孔と他方の表面に開口
した小孔とを繋げた連通孔で形成され、上記有効面の少
なくとも中心部に設けられた電子ビーム通過孔の上記大
孔と小孔との長軸に沿った断面における合致部は、上記
マスク本体の厚さ方向の中心部に位置している。上記有
効面の長軸上の周辺部に設けられた電子ビーム通過孔の
上記大孔と小孔との長軸に沿った断面における合致部
は、上記有効面の中心部に設けられた電子ビーム通過孔
における合致部よりも上記有効面の一方の表面側に接近
して位置しているとともに、上記大孔は小孔に対し上記
長軸方向にオフセットしている。
【0017】また、この発明の態様に係るカラー陰極線
管は、内面に蛍光体スクリーンが設けられたほぼ矩形状
のフェースパネルを備えた外囲器と、上記蛍光体スクリ
ーンに対向して設けられたシャドウマスクと、上記シャ
ドウマスクを介して上記蛍光体スクリーンに電子ビーム
を放出する電子銃と、を備えている。
【0018】上記シャドウマスクは、直交する短軸およ
び長軸を有したほぼ矩形状の有効面を備えたマスク本体
と、上記有効面に形成された多数の電子ビーム通過孔
と、を備えている。各電子ビーム通過孔は、上記有効面
の一方の表面に開口した大孔と他方の表面に開口した小
孔とを繋げた連通孔で形成され、上記有効面の少なくと
も中心部に設けられた電子ビーム通過孔の上記大孔と小
孔との長軸に沿った断面における合致部は、上記マスク
本体の厚さ方向の中心部に位置している。上記有効面の
長軸上の周辺部に設けられた電子ビーム通過孔の上記大
孔と小孔との長軸に沿った断面における合致部は、上記
有効面の中心部に設けられた電子ビーム通過孔における
合致部よりも上記有効面の一方の表面側に接近して位置
しているとともに、上記大孔は小孔に対し上記長軸方向
にオフセットしている。
【0019】上記構成のシャドウマスクおよびカラー陰
極線管によれば、従来のシャドウマスクと同じ板厚とし
た場合でも、電子ビーム通過孔を形成する際のエッチン
グにおいて、シャドウマスクのエッチング量を少なくす
ることができる。これにより、エッチング後のシャドウ
マスクの体積を増大し、マスク強度の向上を図ることが
できる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら、この
発明の実施の形態に係るカラー陰極線管について詳細に
説明する。
【0021】図1に示すように、カラー陰極線管は、略
矩形状のフェースパネル11と、このフェースパネル1
1に一体的に接合されたファンネル12とを有する外囲
器を備えている。フェースパネル11の内面には、青、
緑、赤に発光する3色蛍光体層を有する蛍光体スクリー
ン13が形成されている。
【0022】このような蛍光体スクリーン13として
は、写真印刷法を用いて、光吸収層の間隙部に埋め込ま
れたドット状またはストライプ状の3色蛍光体層を有し
たブラックマトリクス形、またはブラックストライプ形
の蛍光体スクリーンが使用されている。
【0023】また、フェースパネル11内には、この蛍
光体スクリーン13に対向して、色選別を行うためのシ
ャドウマスク15が配置されている。このシャドウマス
ク15は、後述する多数の電子ビーム通過孔が形成され
たマスク本体23と、マスク本体の周縁部を支持したマ
スクフレーム16とを有している。そして、シャドウマ
スク15は、マスクフレーム16に設けた複数の弾性支
持体18を、フェースパネル11の内側面に突設された
スタッドピン17にそれぞれ係止することにより、フェ
ースパネル11の内側に取着されている。また、マスク
フレーム16には、更に磁気シールド板19が取着され
ている。マスク本体23は、例えば、低熱膨張材である
板厚0.22mmのアンバー材(Fe−Ni合金)で形
成されている。
【0024】ファンネル12のネック20内には、水平
方向に一列に配列された電子ビーム14B、14G、1
4Rを放出するインライン型の電子銃21が配設されて
いる。そして、カラー陰極線管では、電子銃21から放
出された3電子ビーム14B、14G、14Rを、ファ
ンネル12の外側に装着された偏向ヨーク22の発生す
る磁界によって偏向し、シャドウマスク15を介して蛍
光体スクリーン13を水平、垂直方向に走査することに
よって、蛍光体スクリーン13上にカラー画像を表示す
る。
【0025】偏向ヨーク22としてはセルフコンバーゼ
ンス方式の偏向ヨークを用いている。この偏向ヨーク
は、水平偏向コイルにて発生する水平偏向磁界をピンク
ッション形に、垂直偏向コイルにて発生する垂直偏向磁
界をバレル形とした非斉一磁界を形成し、3電子ビーム
14B、14G、14Rを自己集中させる。
【0026】次に、シャドウマスク15について詳細に
説明する。図1ないし図3に示すように、シャドウマス
ク15は、蛍光体スクリーン13に対向した略矩形状の
有効面Aを有したマスク本体23を備え、有効面Aに
は、電子銃21から放出され蛍光体スクリーン13に入
射する電子ビーム14B、14G、14Rを選別する複
数個の電子ビーム通過孔24が形成されている。
【0027】マスク本体23の有効面Aは管軸Zと直交
した長軸X、並びに、管軸および長軸と直交した短軸Y
を有している。そして、電子ビーム通過孔24は、有効
面Aの長軸X方向を幅方向とする略矩形状に形成されて
いる。電子ビーム通過孔24は、それぞれ有効面Aの短
軸Y方向にブリッジ25を介して例えば、0.6mmの
配列ピッチで直線状に配置された複数の電子ビーム通過
孔を含む複数の通過孔列を形成し、これらの通過孔列
が、長軸X方向に所定の配列ピッチで複数列配置されて
いる。例えば、電子ビーム通過孔列は、長軸X方向の配
列ピッチが、短軸Y付近で0.75mm、長軸方向周辺
で0.82mmであり、短軸から長軸方向周辺に近づく
に従って配列ピッチが大きくなったバリアブルピッチで
配列されている。また、マスク本体23は、その周縁部
を折り曲げて形成されスカート部26を有し、このスカ
ート部がマスクフレーム16と溶接されている。
【0028】図4(a)および図4(b)に示すよう
に、各電子ビーム通過孔24は、マスク本体23の蛍光
体スクリーン13側の面に開口した矩形状の大孔27
と、マスク本体の電子銃21と対向する面に開口した略
矩形状の小孔28とを、底部同士で連通させた連通孔に
よって形成されている。大孔27および小孔28はそれ
ぞれエッチングにより形成され、これら大孔27と小孔
28との合致部29の形状および開口径により、電子ビ
ーム通過孔24の形状および開口径が決定されている。
【0029】例えば、大孔27はほぼ矩形のスリット状
に形成され、幅方向の開孔寸法は、短軸Y上の大孔で
0.46mm、長軸X方向周辺の大孔で0.50mmに
設定されている。また、小孔28もほぼ矩形のスリット
状に形成され、幅方向の開孔寸法は、短軸Y上で小孔で
0.18mm、長軸方向周辺の小孔で0.20mmに設
定されている。
【0030】有効面Aの中央部分、特に、短軸Y上およ
びその近傍において、電子ビーム通過孔24は、図4
(a)に示すように、大孔27の中心軸C1と小孔28
の中心軸C2とが一致した同軸孔に形成されている。ま
た、各電子ビーム通過孔24の合致部29は、マスク本
体23の板厚方向中央部に位置しているともに、大孔2
7および小孔28の中心軸C1、C2に向かって突出し
ている。
【0031】有効面Aの内、短軸Yから長軸X方向に離
れた短辺付近、つまり、有効面Aの周辺部分において、
各電子ビーム通過孔24は、図4(b)に示すように、
大孔27の中心軸C1が、小孔28の中心軸C2に対
し、有効面Aの短軸Yから遠ざかる方向にずれた偏心孔
として形成している。また、各電子ビーム通過孔24の
合致部29は、マスク本体23の厚さ方向において、中
心よりも電子銃側の表面に接近して位置している。
【0032】例えば、電子ビーム14が長軸X方向周辺
の電子ビーム通過孔24に46°の偏向角度で人射する
ように設計した場合、長軸方向周辺の電子ビーム通過孔
24を構成する大孔27は、小孔28に対して0.06
mmだけ偏心して形成される。
【0033】以上のように構成されたカラー陰極線管に
よれば、以下に述べるように、シャドウマスク15の機
械的強度を向上し、画像品位の向上を図ることができ
る。
【0034】このシャドウマスク15の板厚を厚くする
ことなく、マスク強度を向上させてシャドウマスクの板
厚を厚くしたのと同様な効果を得るためには、マスク本
体の無駄なエッチング量を極力減少させ、エッチング後
のマスク本体の体積を増加させれば良い。特にフラット
管の場合、マスク強度の低い有効面中心部のマスク本体
体積を優先的に増加させれば、シャドウマスク15全体
のマスク強度を向上することができる。
【0035】通常、電子ビーム通過孔24の有効径は、
その最小径部分によって決定されるため、大孔27と小
孔28との合致部29によって支配されることになる。
電子ビーム通過孔24の有効径が同じであると仮定した
場合、電子ビーム通過孔の合致部29をマスク本体23
の板厚方向の中心部に設定すれば、マスク本体23の体
積を最も大きくすることができる。
【0036】換言すると、エッチングにより形成された
電子ビーム通過孔24内面の傾斜角度が共通の場合、大
孔27と小孔28との合致部29をシャドウマスク15
の板厚方向中心部に位置させれば、最も少ないエッチン
グ量で電子ビーム通過孔を形成し、マスク本体23の体
積を最も大きくすることが可能となる。
【0037】マスク本体23の体積が大きいということ
は、とりもなおさずシャドウマスク材質が等価的に厚い
ことを意味している。即ち、従来と同じ板厚のシャドウ
マスクを用いた場合でも、より厚いシャドウマスクを使
用していることと等価となり、マスク強度の向上を図る
ことが可能となる。
【0038】図5(a)および図5(b)において、網
目状のハッチング部分は、電子ビーム通過孔24を形成
する際のエッチング部分30、31を示している。図5
(a)に示すように、合致部29がマスク本体23の板
厚方向中央部に設定されている場合、エッチング部分3
0、31は合致部29からマスク本体23の両面側へ均
等にエッチングされていることが解る。また、図5
(b)に示すように、合致部29がマスク本体23のい
ずれかの表面に接近して位置している場合、一方のエッ
チング部分30は大きな面積に達すことが分かる。
【0039】合致部29の位置とマスク本体23のエッ
チング量との関係は、図6のように表すことができる。
図6において、横軸はマスク本体23の表面から合致部
29までの距離をマスク本体の板厚で規格化した数値を
示し、縦軸はエッチング量を示している。ここで、合致
部29の位置が0.5の場合、合致部はマスク本体23
の板厚方向中心にあり、また、0あるいは1の場合、合
致部がマスク本体の電子銃側表面あるいは蛍光体スクリ
ーン側表面にあることを示している。
【0040】そして、図6から分かるように、合致部2
9が0.5の位置、即ち、マスク本体23の板厚方向の
中心にあるときに、マスク本体のエッチング量が最も少
なく、マスク本体の体積が最も大きくなる。逆に、合致
部29がマスク本体のいずれかの表面に近づく程、エッ
チング量が増加し、マスク本体の体積が減少することと
なる。
【0041】このように、マスク本体23の有効面A中
心部分において電子ビーム通過孔24の大孔27おいび
小孔28の合致部29をマスク本体の板厚方向の中心付
近に設定することにより、電子ビーム通過孔を形成する
ために必要なエッチング量を最小にすることが可能とな
る。従って、エッチング後のマスク本体23の体積を最
大し、マスク強度の向上を図ることがきる。
【0042】有効面Aの周辺部分に設けられた電子ビー
ム通過孔24の合致部29も、マスク本体23の板厚方
向中心部に配置させることで、マスク周辺部分のマスク
強度も向上させることが可能である。しかしながら、前
述したように、マスク本体23の周辺部分は、スカート
部26とマスクフレーム16との溶接により、もともと
高い強度を有している。そのため、マスク周辺部におい
ては、必ずしも、合致部29をマスク本体の板厚方向中
心部に設ける必要はない。
【0043】逆に、マスク本体23周辺部のマスク強度
が高くなり過ぎると、有効面Aの中心部分と強度的なバ
ランスがとれず、その結果、有効面A中心部分の強度が
相対的に弱くなり、結果としてシャドウマスク変形量が
増大することになる。
【0044】このようなマスク本体23の強度的なバラ
ンス劣化を防止するためには、図7に示すように、有効
面Aの中心部分では、電子ビーム通過孔24の合致部2
9をマスク本体23の板厚方向中心部分とし、マスク本
体の短辺側近傍、即ち有効面Aの周辺部分では、有効面
Aの中心部の電子ビーム通過孔29の合致部よりも表面
側に接近させている。強度的なバランスの点及び電子ビ
ーム14の入射角の点から、電子ビーム通過孔24の合
致部29をマスク本体の板厚方向中心部よりも電子銃2
1側の表面に近づけて設定することが望ましい。
【0045】ここで、板厚方向中心部とは、マスク本体
23の板厚を1とし、板厚方向中心を0.5とした場
合、0.5±1/6の範囲を示している。また、マスク
本体23の短軸Yから有効面Aの短辺までの長さをLと
した場合、少なくとも短軸Yから2L/3までの領域に
位置した電子ビーム通過孔24は、その合致部29が上
述した板厚方向中心部に設けられていることが望まし
い。
【0046】このようなバランスに設定することで、有
効面A中心部分と周辺部分との強度差を減少させ、最も
マスク強度が低い中心部分の変形量を減少させることが
できる。この際、マスク本体23の周辺部分では、電子
ビーム通過孔24の小孔28側と大孔27側との孔位置
をずらせているため、同一孔内でもマスク本体中心側と
周辺側とでは合致部29が異なる場合も考えられる。こ
の場合、同一孔内の両側に位置する合致部の平均位置を
目安にすればよい。
【0047】以上のことから、電子ビーム通過孔の形成
時、マスク本体23のエッチング量を最小限にすること
ができ、実質的なマスク本体の体積を増大することがで
きる。このマスク本体の体積増大は、マスク本体の板厚
増加と等価と見なすことができ、結果的にマスク強度を
向上させることができる。また、マスク本体23の中心
部と周辺部との機械的強度のバランスを良好にすること
が可能となる。従って、シャドウマスクの変形や振動を
抑制し、画像品位の向上したカラー陰極線管を得ること
ができる。
【0048】なお、この発明は上述した実施の形態に限
定されることなく、この発明の範囲内で種々変形可能で
ある。例えば、大孔および小孔の合致部よりも、小孔の
開口径の方が小さくなるような電子ビーム通過孔を備え
たシャドウマスクについても、各電子ビーム通過孔は、
マスク本体の板厚内で電子ビーム通過孔の中心方向へ突
出する合致部を有しているため、この発明を適用するこ
とができ、その合致部を基準にとれば、上述した実施の
形態と同様の効果を得ることが可能である。
【0049】また、上述した実施の形態では、合致部の
位置は、有効面Aの中心部から長軸方向周辺部側へ離れ
るに従って、マスク本体の板厚方向中心付近からマスク
本体の表面側へ緩やかに近づく構成について説明した
が、マスク本体を所定区域毎に区切ってエッチングする
ことで、長軸方向に階段的に合致部の形成位置が変化す
る構成としても良い。
【0050】
【発明の効果】以上詳述したように、この発明によれ
ば、シャドウマスクの板厚を厚くすることなくマスク強
度を向上させたシャドウマスク、および画像品位の向上
したカラー陰極線管を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に実施の形態に係るカラー陰極線管を示
す断面図。
【図2】上記カラー陰極線管のシャドウマスクを示す平
面図。
【図3】図2の線B−Bに沿った上記シャドウマスク断
面図。
【図4】上記シャドウマスクの中心部および周辺部の電
子ビーム通過孔をそれぞれ拡大して示す断面図。
【図5】上記シャドウマスクの中心部および周辺部にお
ける電子ビーム通過孔のエッチング状態をそれぞれ模式
的に示す図。
【図6】上記シャドウマスクの電子ビーム通過孔の合致
部位置とエッチング量との関係を示す特性図。
【図7】上記シャドウマスクにおける電子ビーム通過孔
の合致部の位置関係を示す図。
【符号の説明】
11…フェースパネル 12…ファンネル 13…蛍光体スクリーン 15…シャドウマスク 16…マスクフレーム 21…電子銃 23…マスク本体 24…電子ビーム通過孔 27…大孔 28…小孔 29…合致部

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】直交する短軸および長軸を有したほぼ矩形
    状の有効面を備えたマスク本体と、 上記有効面に形成された多数の電子ビーム通過孔と、を
    備え、 各電子ビーム通過孔は、上記有効面の一方の表面に開口
    した大孔と他方の表面に開口した小孔とを繋げた連通孔
    で形成され、 上記有効面の少なくとも中心部に設けられた電子ビーム
    通過孔の上記大孔と小孔との長軸に沿った断面における
    合致部は、上記マスク本体の厚さ方向の中心部に位置
    し、 上記有効面の長軸上の周辺部に設けられた電子ビーム通
    過孔の上記大孔と小孔との長軸に沿った断面における合
    致部は、上記有効面の中心部に設けられた電子ビーム通
    過孔における合致部よりも上記有効面の一方の表面側に
    接近して位置しているとともに、上記大孔は小孔に対し
    上記長軸方向にオフセットしているシャドウマスク。
  2. 【請求項2】上記マスク本体の厚さを1とした場合、上
    記有効面の少なくとも中心部に設けられた電子ビーム通
    過孔の上記大孔と小孔との合致部は、上記マスク本体の
    厚さ方向において0.5±1/6の範囲内に位置してい
    る請求項1に記載のシャドウマスク。
  3. 【請求項3】上記有効面の上記短軸から長軸方向端まで
    の長さをLとした場合、上記有効面の短軸とこの短軸か
    ら長軸方向に2L/3離れた位置との間の領域に設けら
    れた電子ビーム通過孔の上記合致部は、上記マスク本体
    の厚さ方向において0.5±1/6の範囲内に位置し、 上記有効面の上記短軸から長軸方向に2L/3以上離れ
    た領域に設けられた電子ビーム通過孔の上記合致部は、
    上記マスク本体の厚さ方向において0.5±1/6の範
    囲外に位置している請求項2に記載のシャドウマスク。
  4. 【請求項4】内面に蛍光体スクリーンが設けられたほぼ
    矩形状のフェースパネルを備えた外囲器と、 上記蛍光体スクリーンに対向して設けられたシャドウマ
    スクと、 上記シャドウマスクを介して上記蛍光体スクリーンに電
    子ビームを放出する電子銃と、を具備し、 上記シャドウマスクは、 直交する短軸および長軸を有したほぼ矩形状の有効面を
    備えたマスク本体と、 上記有効面に形成された多数の電子ビーム通過孔と、を
    備え、 各電子ビーム通過孔は、上記有効面の一方の表面に開口
    した大孔と他方の表面に開口した小孔とを繋げた連通孔
    で形成され、 上記有効面の少なくとも中心部に設けられた電子ビーム
    通過孔の上記大孔と小孔との長軸に沿った断面における
    合致部は、上記マスク本体の厚さ方向の中心部に位置
    し、 上記有効面の長軸上の周辺部に設けられた電子ビーム通
    過孔の上記大孔と小孔との長軸に沿った断面における合
    致部は、上記有効面の中心部に設けられた電子ビーム通
    過孔における合致部よりも上記有効面の一方の表面側に
    接近して位置しているとともに、上記大孔は小孔に対し
    上記長軸方向にオフセットしているカラー陰極線管。
  5. 【請求項5】上記マスク本体の厚さを1とした場合、上
    記有効面の少なくとも中心部に設けられた電子ビーム通
    過孔の上記大孔と小孔との合致部は、上記マスク本体の
    厚さ方向において0.5±1/6の範囲内に位置してい
    る請求項4に記載のカラー陰極線管。
  6. 【請求項6】上記有効面の上記短軸から長軸方向端まで
    の長さをLとした場合、上記有効面の短軸とこの短軸か
    ら長軸方向に2L/3離れた位置との間の領域に設けら
    れた電子ビーム通過孔の上記合致部は、上記マスク本体
    の厚さ方向において0.5±1/6の範囲内に位置し、 上記有効面の上記短軸から長軸方向に2L/3以上離れ
    た領域に設けられた電子ビーム通過孔の上記合致部は、
    上記マスク本体の厚さ方向において0.5±1/6の範
    囲外に位置している請求項5に記載のカラー陰極線管。
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