WO1999024666A1

WO1999024666A1 - Stratifie comprenant une pate a papier transparente

Info

Publication number: WO1999024666A1
Application number: PCT/JP1998/005036
Authority: WO
Inventors: Akio Mita
Original assignee: Akio Mita
Priority date: 1997-11-07
Filing date: 1998-11-09
Publication date: 1999-05-20

Description

透明性パルプ紙を含む積層体本発明の背景

発明の分野

本発明は透明性パルプ紙及びその製造方法に関するものである。

関連技術

オフィスコンピュータ、パーソナルコンピュータ、ワードプロセッサ一、電子カメラ、測定装置等の電子機器のアウトプットを記録する媒体としては、通常、上質紙が用いられている。

しかしながら、このような紙をプリント方式がィンクジエツト方式の機器用の記録媒体として適用する場合、その紙の上に記録された画像にインクの滲みを生じて、画像の解像度が悪くなるという問題がある。一方、このような画像滲みを防止するために、紙のサイズ度を高くすると、この場合には、紙のインク吸収性が悪くなり、インク画像が容易に乾燥しないという問題を生じる。

従って、インクジェット用記録紙としては、インクの吸収乾燥性が良くかつ高解像度の画像を与える用紙の出現が要望されている。

また、一般的に、電子機器用記録用紙としては、表面平滑性にすぐれ, かつ表面光沢に富むコート紙及びァート紙様質感を与えるものが要望されている。このような用紙は、特に、電子カメラ用記録媒体として用いることによリ、従来の写真印画紙上に形成された写真画像様の記録画像を与えることが期待される。さらに、印刷用媒体としても、水性インクを用いた印刷にょリ、インク滲みのない高解像度の印刷物を与えるものが要望されている。

一方、電飾表示、電飾広告、装飾及びオーバーヘッドプロジェクター ( O H P ) 等に用いる大型のカラー記録媒体を作るのには、従来フィルム又はガラス板に感光性の薄膜を置いてカラー画像を感光させるか有機溶媒を用いる印刷ィンクで薄膜にカラー画像を印刷するなどの方法によつてきた。しかしもって簡便に、かつ有機溶媒を用いずに、新しい透明画像記録フィルムが製造できるようになることは、ステンドグラス様の室内装飾、交通表示、学術発表、視覚教育や広告産業等の分野で望まれていた。

本発明は、水溶性のカラーインクの吸収性にすぐれるとともに、インクの滲みを生じることなく、精密な印刷ができる表面平滑性にすぐれた透明性パルプ紙とその製造方法及びその透明性パルプ紙を含む積層体を提供することを課題とする。

発明の開示

本発明者は、前記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成するに至った。

即ち、本発明によれば、イネ科植物の幹茎のパルプを主成分とし、実質的に填料を含有しない表面平滑度が少なくとも 5 0 0秒であることを特徴とする透明性パルプ紙が提供される。

また、本発明によれば、イネ科植物の幹茎のパルプを主成分とするパルプを抄紙機のワイヤーパートで湿紙に形成させ、圧縮してその中に含まれる水分を除去した後、乾燥ドラム上で乾燥し、必要に応じ、表面平滑処理することを特徴とする前記透明性パルプ紙の製造方法が提供される。

さらに、本発明によれば、前記透明性パルプ紙を透明又は不透明支持体の少なくとも一方の面に積層した構造を有することを特徴とする透明パルプ紙積層体が提供される。

本発明で用いる透明性パルプ紙を得るには、イネ科植物の幹茎を原料として用い、これをパルプ化する。稲わら、麦わら等のわらに含まれる葉はパルプと紙の濾水性と強度を損ねるので、パルプ化に先立って各種の方法で分別除去することが望ましい。わら類を 2〜 1 5 c m、好ましくは 4〜1 0 c m、に切断し風選することは簡易にして効果的な葉の分別除去の方法の 1つである。

砂糖きびのケーンラインドは、本発明で用いる好ましいパルプ原料である。このものは、砂糖きびの幹茎を破砕し、圧縮して汁液を分離した後のバガス（残渣物）から、ビス（節間柔細胞組織）を除去することにょリ得ることができるし、砂糖きびを縦に割り液汁とビス又は及び表皮に付着するワックスを機械的に取リ除くことによって得ることもできる。同様にスウイ一トソルガム及びトウモロコシ等類似植物のラインドも原植物の幹茎から分取が可能である。この場合、得られるラインドには、ビスが残存することがあるが、パルプ及び紙の濾水性と強度を損ねるので、そのビスの混入量は、絶乾重量基準で、 1 0 w t %以下、好ましくは 3 w t %以下にするのがよい。本発明においては、 0 . 5〜5 w t % のビスの混入した砂糖きびのラインドをパルプ原料として有利に用いることができる。前記ラインドのパルプ化法としては、ソーダ法、クラフト法、アルカリ性亜硫酸ソーダ法、 PA法（過酸化水素—アルカリ法）等のアル力リ性蒸解薬液を用いる従来の各種化学パルプ化法を用いることができるが、特に P A法の使用が好ましい。この P A法は蒸解薬液として、過酸化水素とアルカリ（N a OH、 N a ₂C 0₃、 N a HC O₃、 KOH、 K₂CO₃、 KHC 0₃等）を含むアルカリ水溶液を用いる方法である。この PA法によれば、高白色度でリグニンの含有量が少なく、ペントサン含有量の大きい叩解性の良好な未晒パルプを得ることができる。また、この P A法にょリ得られる晒パルプは、強度にすぐれかつ密度が大きく透明度が高く、表面平滑性の良い紙を与える。

前記のようにして得られたイネ科植物の幹茎のパルプは所望により単独でまた数種以上を配合し、粘状叩解する。この場合の目安は、 C . S . F . 9 0〜 5 0 0 m l 、好ましくは 1 5 0〜 3 5 0 m lである。前記の叩解パルプには紙料成分を加えて完全紙料を調製する。イネ科以外の植物のパルプを配合することができるが、全パルプ中のイネ科植物のパルプの割合は絶乾重量基準で、 6 0 w t %以上、好ましくは 8 0〜 1 0 0 w t %である。

前記のようにしてパルプ紙を得る場合、そのパルプ紙の厚さは、 5〜 4 0 g/ \ 好ましくは 1 0〜 3 0 g/m²の坪量を与えるような厚さに調節する。パルプ紙の厚さは抄紙機に供給する完全紙料の濃度、量及び抄紙速度によって調節することができる。

一方、パルプ紙の表面平滑度は、原料パルプのペントーサン含有量、単繊維の構造、特に繊維の中心に縦の方向の孔隙の太さと形、及び完全紙料を調製する際の叩解度によって調節が可能である。また、パルプ紙の表面平滑度は、叩解を進め、抄紙の際に得られる湿潤パルプ紙を乾燥するときに用いる乾燥ドラムの平滑度によっても調節することができる。また、抄紙機から得られる乾燥紙を表面処理することによリさらに高度の表面平滑度を有するパルプ紙を得ることができる。この場合の表面平滑化処理は、プレートカレンダやスーパーカレンダ、シートカレンダ等の力レンダを用いて平滑度 1， 0 0 0秒以上、好ましくは 1 5 0 0以上に上昇させることも可能である。その上限値は、通常、 3 0 0 0秒程度である。

パルプ紙の密度は、通常 0 . 7 5 g / c m ³以上、好ましくは 0 . 8 5 〜1 . 0 5 g / c m ³である。なお、本明細書で言う表面平滑度は、 J I S P 8 1 1 9— 1 9 7 6に規定されているベックの表面平滑度（秒表示）を意味する。

本発明で用いるイネ科の植物のパルプ、特に砂糖きびのラインドパルプは、その繊維長が短く、内孔が大きく、ベントサン含有量が極めて大きいため、容易に粘状叩解ができ、密度の大きく、透明度も高く、表面が特に平滑なパルプ紙を与え易い。さらに本発明者の研究によれば、該ラインドパルプに填料を加えずに製紙することにょリ、透明度の高いパルプ紙を得ることができることが見出された。

また、粘状叩解を進めることにより、サイジングを殆ど、又は全く施さないでも得られるパルプ紙は、吸水性があり、水溶性のカラーインクを吸いながら、ほとんどィンク滲みを生じない性質が発現されることが確認された。この場合のサイジングには表面サイジングと内面サイジングが包含され、従来公知の方法にょリ行うことができる。表面サイジングには、抄造乾燥した紙の表面に対し、二カヮ、澱粉、カルボキシメチルセルロース（C M C ) 、ポリビュルアルコール、アルキルケテンダイマー等のサイズ剤を塗布し、乾燥することによって実施される。一方内面サイジングはァノレキノレケテンダイマーや、ロジン、ァノレキノレスチレンポリマー、ワックス等のサイズ剤を紙料中に加えることによリ実施される。一方、内面サイジングはアルキルケテンダイマーや、ロジン、アルキルスチレンポリマー、ヮックス等のサイズ剤を紙料中に加えることにより実施される。表面サイジングの場合、そのサイズ剤の使用量は、パルプに対して、 0 . 5重量％以下、好ましくは 0 〜 0 . 2重量％である < 内面サイジングの場合、そのサイズ剤の使用量は、パルプに対して、 1 . 0重量％以下、好ましくは 0 〜 0 . 5重量％である。

前記のようにして得られるイネ科植物のパルプを主成分とするパルプ紙は、これを透明支持体の一方の面又は両方の面に接着させることによリ、透明画像記録フィルムとすることができる。この場合の接着法には, 接着剤を用いる方法及び熱融着法が包含される。また、接着剤には、溶液型接着剤、ェマルジヨン型接着剤、フィルム状接着剤、ホットメルト型接着剤等が包含される。この接着剤を用いる接着法での支持体の種類は無色で透明なセロファン、プラスチックフィルム、及ぴガラス板等の各種のものであることができる。一方熱融着法の場合は、その支持体は, その少なくとも表面部熱溶融性高分子からなるもので、例えばプラスチックフィルムからなるものであり、そのフィルム上にパルプ紙を積層し、加熱、加圧することで両者を接着させることができる。

図 1に本発明のパルプ紙を用いて形成された透明画像記録媒体の説明構成図を示す。

図 1において、 1はイネ科植物の幹茎のパルプを主成分とするパルプ紙からなる。一方、 2の支持体は 1の表面層を支持する透明なシートでガラス板、または各種高分子膜である。高分子膜としてはポリエステルフィルム、ポリアミドフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリェチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム等のプラスチックフィルムゃァセチルセルロースフイノレム、セロファン紙、セノレ口イドフイノレム等が使用可能である。

前記の透明画像記録媒体は、力ラーインクジエツトプリンターによる電飾表示、電飾広告、カラーオーバーへッデプロジェクター（O H P ) 等カラー複写機、カラーファックス、デジタルカメラ、パーソナルコンピュータ等の電子機器のァゥトプットの資材として有利に用いられる。本発明の透明性パルプ紙は、通常の紙や不透明プラスチックの一方の面又は両面に積層することもできる。このような不透明紙は、通常の紙と同様に用いることができる。

図 2に本発明の透明パルプ紙を用いて形成した表面の平滑な不透明積層体の説明構成図を示す。図 2において、 1 1は上層を示し、 1 2は下層を示し、 1 3は支持体を示す。

上層及び Z又は下層は、イネ科植物の幹茎のパルプを主成分とする透明性パルプ紙からなる。

支持体 3は不透明のものであればよく、特に制約されない。

透明性パルプ紙と透明支持体 2又は不透明支持体 1 3とを積層接着させる場合の接着法には、接着剤を用いる方法及び熱融着法が包含されるまた、接着剤には、溶液型接着剤、ェマルジヨン型接着剤、フィルム状接着剤、ホットメルト型接着剤等が包含される。この接着剤を用いる接着法では、支持体の種類は特に制約されず、パルプ紙、合成紙、合成繊維紙、不織布、不透明プラスチックフィルム、金属フィルム等の各種のものであることができる。一方、熱融着法の場合は、その支持体は、その少なくとも表面部が熱溶融性高分子からなるもので、例えば不透明プラスチックフィルムからなるものでぁリ、そのフィルム上にパルプ紙を積層し、加熱、加圧することで両者を接着させることができる。

本発明による透明性パルプ紙と不透明パルプ紙との好ましい積層方法は、植物パルプ紙の少なくとも一方の表面に透明パルプ紙を湿潤状態で積層させ、次いで脱水させることによリ、両者のパルプ紙の繊維間の水素結合によリ接合させる方法である。このようにして積層パルプ紙を好ましく製造するには、植物繊維パルプを主成分とする湿潤パルプ紙と、砂とうきびのラインドパルプ等を主成分とする湿潤パルプ紙を用意する。これらの湿潤パルプ紙は、抄紙機のワイヤーパートから得ることができ、その湿潤パルプ紙の原質濃度は 1 0〜3 0重量％、好ましくは 1 5〜2 0重量％である。次に、植物パルプを主成分とする湿潤パルプ紙の一方の面又は両方の面に砂とうきびのケーンラインドパルプ等を主成分とする湿潤パルプ紙を積層し、圧縮して水を除去する。この場合、水の除去率は、湿潤パルプ紙の原質濃度が 4 5〜 5 5重量％となるような割合である。次に、この圧縮された湿潤積層パルプ紙は、これを、そのラインドパルプ等を主成分とする湿潤パルプ紙を乾燥ドラム表面に密着させて加熱乾燥させた後、表面平滑化処理を行う。この場合の表面平滑化処理は、プレートカレンダ、スーパーカレンダ、シートカレンダ等のカレンダ装置を用いて行うことができる。前記乾燥ドラムとして表面研磨された乾燥ドラムを用いる場合、例えば、ヤンキー抄紙機の乾燥ドラム等を用いる場合には、後続の表面平滑化処理は省略することもできる。

前記植物パルプは、木材パルプや非木材パルプであることができる。非木材パルプとしては、稲わらパルプ、バガスパルプ、とうもろこしの皮パルプ、スイートソルガムパルプ等が挙げられる。これらの植物パルプは、各種のパルプ化法によって製造されたパルプであることができる、好ましくは P A法によって得られたパルプである。

前記ラインドパルプを主成分とする湿潤パルプ紙の厚さは、乾燥紙としたときに、 5〜3 0 g/m²、好ましくは 1 0〜 20 g Zm²の坪量を与えるような厚さである。一方、植物パルプを主成分とする湿潤パルプ紙の厚さは、その紙の用途にょリ異なるが、乾燥紙としたときに、一般的に 1 5〜3 00 gZm²の坪量を与える厚さでぁリ、軽量紙では 1 0 〜3 0 g/m²、普通紙では 4 0〜8 0 g/m², 板紙では 1 00〜 20 0 g/m²の坪量を与えるような厚さである。

前記のようにして得られる不透明の媒体は、オフィスコンピュータ、パーソナルコンピュータ、ワードプロセッサー、電子カメラ、カラー複写機、ファクシミリ、測定装置等の電子機器のアウトプットを記録するための画像記録用媒体として有利に用いられる他、オフセット印刷ゃグラビア印刷等の印刷用媒体として有利に用いられる。

実施例

次に、本発明を実施例によって更に具体的に説明するが、本発明はこの実施例によって限定されない。なお、以下に記す％は重量％である。実施例 1

砂糖きびのラインド（砂糖きぴの厚皮）の晒 P AP (P A法パルプ） 1 0 0 k g , 稲わらの晒 P AP 5 k g、とうもろこしの皮の晒 P A P 5 k gをビータ一に入れ、水を加えて原質濃度 3. 5 %とし、 C . S . F . 3 9 0 m 1になるまで叩解を行い、叩解後サイズ剤も填料もまったく加えず、原質濃度 0. 2 5 %になるまで水を希釈し、円網抄紙機に送リ、円網で原質濃度 1 7 %の湿紙を形成させ、プレスパートで脱水し原質濃度 5 1 %にし、鏡面仕上げした表面の平滑なヤンキードライヤーの表面に密着させて乾燥し、坪量 3 0 g/m²、密度 0. 8 8/ c m²の表面平滑度 6 3 0秒のパルプ紙を得た。

次に、このパルプ紙を厚さ 0. 1 0 mmのポリエチレンテレフタレート（P E T) フィルムの上に重ね、その P E Tフィルムの軟化温度で加圧プレスして P E Tフィルムとパルプ紙とのラミネ一ト体を得た。

このラミネート体のパルプ紙表面に、水溶性のカラーインクを用いジエツト方式のプリンターを介しカラー画像を記録したところ、 OH P用の鮮明な透明カラー画像フィルムが得られた。

実施例 2

ケィンラインドの晒 P A P 1 5 0 k gをビータ一に入れ、水を加えて原質濃度 4. 0 %とし、 C. S . F . 1 9 0 m 1になるまで粘状叩解を行い、叩解後サイズ剤も填料もまったく加えず、原質濃度 0. 2 0 % になるまで水を希釈し、円網抄紙機でパルプ紙用の薄葉紙を得た。この薄用紙をスーパ一力レンダ一にかけ坪量 1 8 g/m 密度 0. 9 8 g/ (： 111³の表面平滑度 1， 600秒のパルプ紙を得た。

次にこのパルプ紙とガラス板の間に熱溶融フィルムを挟み軟化温度で加圧接着し、解像度の良い電飾用の透明カラー画像記録媒体が得られた。

この透明カラー画像記録媒体に水溶性の力ラーインクを用いインクジエツト方式のプリンターを介してカラー画像を記録したところ、解像度の良い鮮明な透明カラー画像が得られた。

実施例 3

2層で構成された片面記録打ち出し用の表面平滑な不透明積層体を非木材パル 1 00 %で抄造した。上層は稲わらの晒 P A P 1 00 k g、ケインラインド（砂糖きびの厚皮）の晒 PAP 5 k g、とうもろこしの皮の晒 P AP 5 k gをビータ一に入れ水を加えて原質濃度 3. 5%とし、 C. S . F. 1 80 m 1になるまで強い粘状叩解を行った。叩解後サイズ剤も填料もまったく加えず、原質濃度 0. 1 5%になるまで水で希釈し、円網で原質濃度 1 7%の湿紙（乾物換算坪量 1 2 g/m²、密度 0. 9 3 g/ c m³) を形成させた。支持層はケインラインドの P A P 40 O k g, 稲わらの晒 PAP 1 00 k g, 及ぴコットンリンターの P AP 1 00 k gをビータでそれぞれを C . S . F . 5 1 0m lまで叩解し、叩解後各パルプ合わせてチャイナクレイ 50 k gと中性サイズ剤アルキルケテンダイマー 1. 5 k gに水を加えて完全紙料とした。完全紙料は水を加えて原湿濃度 0. 3 2%となるまで希釈し、短網で原質濃度 1 8 w t %の湿紙（乾物換算坪量で 4 5 g/m²密度 0. T l gZc m³) を形成させた。下層は上層まったく同じ条件で完全紙料を調製し、円網で湿紙抄造した。支持体層と上層及び下層の湿紙は、 3層間にまったく接着剤等を使わずにプレスパートを通すことによって水分 5 1 %になるまで水を搾リ 1枚の湿紙とした。この湿紙の上下の面と磨き上げたドライヤーの表面が密着するようにして加熱乾燥して表面平滑性のある積層紙を得た。この紙は更にスーパーキャレンダ一で表面の平滑処理を行った _c 得られた紙は、ベック平滑度 1， 5 20秒、白色度 8 7. 1 %、裂断長、縦 5. 2 km, 横 2. 8 km、比破裂強さ 3. 7、比引き裂き度 1 1 2であった。この用紙は 3 6 0 X 3 6 0 d p i の打ち出し可能なカラ一コピー機用い、表面に絵画を裏面に写真を複写し、鮮明な画像が得られた。また、デジタルカメラのカラー打ち出しを行い鮮明な画像が得られた。なお、カラー印刷を行い接着剤を塗工処理することによリ、鮮明な圧着はがきが得られた。

実施例 4

3層抄きで上層及び下層の両面が平滑な不透明積層体を製造した。すなわち、上層及び下層はバガスの APを 1 00%用い実施例 1と同様にパルプを叩解し完全紙料を調整し、 2台の円網でそれぞれ上層と下層の湿紙を抄き出した。支持層は例 1 と同様非木材パルプを叩解し、長網抄紙機で湿紙を調整し、まったく接着剤等を使わずにプレスパートで脱水し以上 3層を圧着して 1枚の湿紙にまとめ、上下両面を鏡面仕上げした二筒ヤンキードライヤーで乾燥し、両面が平滑な用紙を 3 5 0 k g作成した。得られた用紙は表面と裏面はそれぞれベックの平滑度が 1， 03 0秒及ぴ 9 7 5秒と表裏差は少なかった。なお、白色度は 8 6. 2 %、密度 0. 76 g / c m³で、裂断長 5. 5 km, 比破裂強度 3. 8、比引裂強さ 1 0 9であった。この紙はそのままでィンクジエツト用紙として高度のカラーコピーが可能であること、凸版、凹版及びオフセット印刷を行い新しい証券用紙として使用可能なこと、コート紙の代用可能なこと、圧着用紙の原紙として使用可能なことが分かった。

実施例 5

2層抄きで和紙風の片面平滑な不透明積層体を製造した。

すなわち、上層はケィンラインドの晒 PAP 80 k g、稲わらの晒 P AP 20%を配合し、ビータ一で混合叩解し、 C. S . F . 1 70m l の完全紙料を調製した。これを円網で乾燥坪量 1 5 gZm²の湿紙を抄造した。

支持層はアバ力の晒 P A P 270 k g、稲わらの晒 P A P 27 k g、ケインラインドの晒 PAP 27 k g、コトンの晒 PAP 27 k gをそれぞれビータ一で C S F約 4 5 Om 1に叩解し、長網で乾燥坪量 60 g / m²の湿紙を抄き出した。これらをまったく接着剤等を使わずにプレスパートで脱水し以上 2層を圧着して 1枚の湿紙にまとめ、上層の面を鏡面仕上げしたヤンキードライヤーに密着して乾燥し、さらにスーパー力レンダー処理をして表面平滑な和紙風の片面平滑な不透明積層体を製造した。

表面平滑度はベック 6 5秒で、白色度は 84. 5%、裂断長 8. 6 k m、比破裂度 5. 1、比引裂度 1 96であった。デジタルカメラとパブルインクジェットでカラー写真の打ち出しを行ったが極めて良好な写真の画像が得られた。発明の効果

本発明の透明性パルプ紙は、これを無色で透明度の高いプラスチックフィルム、セロファン、ガラス板等の上に積層することによリ、透明度が高くその表面層が平滑で、しかも水分の吸収乾燥性の良い積層体を得ることができる。このものは、水溶性のカラーインクによる手描き、印刷及び各種電子機器のァゥトプットのインクジエツトによる色の再現性が高く解像度の高い図形が容易に作成できる。しかして、 O H P、電飾表示板、室内装飾、電飾広告用透明画像記録媒体として好適のものである。

また、本発明の透明パルプ紙は、これを不透明の紙やプラスチックフイルム等に積層して、各種の電子機器のァゥトプット記録用及び印刷用媒体として有利に用いられる。

Claims

請求の範囲

( 1 ) イネ科植物の幹茎のパルプを主成分とし、填料を実質的に含有しない表面平滑度が少なくとも 5 0 0秒であることを特徴とする透明性パルプ紙。

(2) 坪量が 5〜40 g/c m²である請求の範囲（ 1 ) の透明性パルプ紙。

(3) イネ科植物の幹茎を過酸化水素を含むアル力リ水溶液中で蒸解して得られたパルプを主成分とするパルプ紙である請求の範囲（ 1 ) 又は（2) の透明性パルプ紙。

(4) 砂糖きびの幹茎の厚皮（ラインド）を過酸化水素を含むアル力リ水溶液中で蒸解して得られたパルプを主成分とするパルプ紙である請求の範囲（ 1 ) 又は（2) の透明性パルプ紙。

(5) イネ科植物の幹茎のパルプを主成分とするパルプを抄紙機のヮィヤーパートで湿紙に形成させ、圧縮してその中に含まれる水分を除去した後、乾燥ドラム上で乾燥し、必要に応じ、表面平滑処理することを特徴とする請求の範囲（1 ) 〜（4) のいずれかの透明性パルプ紙の製造方法。

(6) 請求の範囲（1 ) 〜（4) のいずれかの透明性パルプ紙を透明又は不透明支持体の少なくとも一方の面に積層した構造を有することを特徴とする透明パルプ紙積層体。