WO1999016881A1 - Proteine antigenique et acide nucleique codant pour elle - Google Patents

Proteine antigenique et acide nucleique codant pour elle Download PDF

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Shigetoshi Mizutani
Masahiro Endo
Junko Ogawa
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Description

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明 細 書 抗原タンパク質及び該タンパク質をコードする核酸 技術分野
本発明は、 真菌による感染症やアレルギー疾患の予防、 治療、 診断に有用な力 ンジダ ·アルビカンス (Candida albicans) 抗原タンパク質及びそれをコードす る核酸に関する。 さらに本発明は、 該核酸を含有してなるベクター、 及び該べク 夕一によって形質転換されてなる形質転換体に関する。 さらに本発明は、 かかる 形質転換体を培養する本発明の抗原夕ンパク質の生産方法に関する。 さらに本発 明は、 本発明の抗原夕ンパク質又は核酸を含有する医薬組成物及び診断用組成物 に関する。 背景技術
カンジダ *アルビカンスはヒトの常在菌であるが、 健常人は通常本菌の感染に 対して抵抗性を示し、 全身的感染症を起こすことはほとんどない。 しかし、 本菌 は、 健常人でも部分的な感染症を起こす場合があり、 女性、 特に妊婦においては 膣カンジダ症を起こすことがある。 一方、 白血病等の癌を治療するため制癌剤の 投与を受けた場合、 臓器移植に伴う免疫抑制剤の投与を受けた場合、 A I D S感 染を起こした場合等により免疫的易感染状態になったヒトでは、 内臓を始めとす る全身的な感染症を起こすことがある。 更に本菌は、 真菌の中では最も頻度の高 いアレルゲンであり、 アレルギー疾患の原因でもある。 また殆どのヒトは常在菌 であるカンジダ ·アルビカンスの免疫感作状態にあり、 カンジダ ·アルビカンス の構成成分に対する抗体を有しており、 また細胞性免疫を獲得している。
抗原となっているものの多くは、 細胞表面のマンナン (mannan) 、 グルカン ( glucan) 等の多糖を中心とする細胞壁構成成分であり、 特にマンナン及びそのタ ンパク質との結合物が多い。 またカンジダ ·アルビカンス感染患者又はアレルギ 一疾患患者の血清中には上記細胞壁構成成分に対する抗体の他、 細胞内成分であ るエノラ一ゼ (enolase:)、 HSP90 (heat shock protein90)、 ホスホグリセレート キナーゼ (phosphoglycerate kinase)、 アルコールデヒドロゲナーゼ (alcohol dehydrogenase)に対する抗体等が検出されている。
カンジダ 'アルビカンス以外のカンジダ属真菌、 例えばカンジダ' トロピカリ ス (C . tropical is) 、 カンジダ,グラブラー夕 (C . glabrata) 等も主として 免疫的易感染宿主に感染症を起こす。 カンジダ属真菌以外の真菌、 例えばァスぺ ルギルス (Aspergillus ) 属、 ぺニシリウム (Penici Il ium ) 属、 アルタナリア (Alternaria) 属真菌も環境中に広く存在しヒトを始めとする哺乳類にとって非 常に身近な存在である。 これらの真菌の細胞増殖形態は酵母状もしくは菌糸状で あるが、 その細胞構造は基本的には類似しており、 表層は全て厚い細胞壁に囲ま れている。 細胞壁構成成分の化学構造は真菌の種類によりある程度異なるが、 マ ンナン、 グルカン、 キチン (chi tin) 等の多糖を主成分としている。 また細胞壁 に取り囲まれた細胞膜、 細胞質内のタンパク質を始めとする構成成分も基本的に は類似している。 これらの真菌も多くのものが免疫的易感染宿主に感染症を起こ したり、 アレルギーの原因となっている。
真菌が関与する疾患の病原因子やアレルゲンとして、 いくつかの真菌由来の抗 原分子が単離同定されている。 これら抗原分子の単離同定には一般に真菌に対し 感作状態にある哺乳類の血清を利用しており、 同定されたこれらの抗原分子とし ては真菌の表層を取り巻く細胞壁構成成分が最も一般的である。 該成分以外にも 単離同定されている抗原分子は数多くあり、 診断や治療を目的として研究されて いる。 しかし、 真菌感作状態において保有されている抗体に反応する抗原が全て 感染症やアレルギー疾患において有効に働く抗原とは限らない。
本発明の目的はカンジダ ·アルビカンスを始めとする真菌による疾患の治療及 び診断に有用な新規な抗原タンパク質を提供することにある。 さらに本発明の目 的は該抗原夕ンパク質をコードする核酸を提供することにある。 さらに本発明の 目的は、 該核酸を含有してなるベクター、 及び該ベクターによって形質転換され てなる形質転換体を提供することにある。 さらに本発明の目的は、 かかる形質転 換体を培養する本発明の抗原タンパク質の生産方法を提供することにある。 さら に本発明の目的は、 本発明の抗原タンパク質又は核酸を含有する医薬組成物及び 診断用組成物を提供することにある。 発明の開示
本発明者らは、 マウス、 ラット等のカンジダ'アルビカンス感染に感受性の哺 乳類に対してカンジダ ·アルビ力ンス感染抵抗性を付与する方法について検討し てきた。 その結果、 これらの哺乳類に対して、 抗原としてカンジダ 'アルビカン ス細胞を用い、 不完全フロイントアジュバン卜のアジュバントと混ぜて免疫する ことにより強レ、感染抵抗性を獲得させることができることを明らかにした。 そし て、 この感染抵抗性に C D 4陽性 T細胞が重要な働きを果たしていることを明ら かにした。 更に上記感染抵抗性を獲得した免疫感作状態にある哺乳類より得られ た抗血清は、 例えば市販の抗カンジダ血清である因子血清 N o . 1 (ャトロン製 ) に比べ、 意外にも真菌細胞表層に存在する細胞壁由来成分には低い抗体価を示 し、 細胞壁を除去した真菌のプロトプラスト細胞由来の成分により高い抗体価を 示した。
本発明者らは上記感染抵抗性を示す免疫感作状態にある哺乳類の血清中には真 菌感染症に有効に働く抗体をより多く含有すると考え該血清に含有される抗体に 着目し、 該抗血清により認識される抗原タンパク質を探索した。 即ち、 カンジダ •アルビカンスの c D NAを基に、 発現ライブラリーを作製し、 ィムノスクリ一 ニングにより探索した。 その結果、 大腸菌の組み換えタンパク質として 8種類の 抗原タンパク質を見い出し、 その D N Aを単離し、 塩基配列を決定すると共に、 塩基配列よりアミノ酸配列を決定し、 本発明を完成させた。 即ち、 本発明の要旨は、
〔 1〕 カンジダ ·アルビカンス感染抵抗性哺乳類由来の抗血清により認識され ることを特徴とする、 抗原タンパク質、
〔2〕 前記 〔 1〕 記載の抗原タンパク質と免疫学的に同等な抗原タンパク質、
〔 3〕 カンジダ ·アルビ力ンス感染抵抗性哺乳類由来の抗血清により認識され る抗原タンパク質をコードする核酸、
〔4〕 前記 〔3〕 記載の核酸を含有してなるベクター、
〔5〕 前記 〔4〕 記載のベクターによって形質転換されてなる形質転換体、
〔 6〕 前記 〔5〕 記載の形質転換体を、 前記 〔3〕 記載の核酸にコードされる 抗原タンパク質の発現可能な条件下で培養することを特徴とする、 カンジダ ·ァ ルビ力ンス感染抵抗性哺乳類由来の抗血清により認識される抗原タンパク質の生 産方法、
〔7〕 前記 〔 1〕 若しくは 〔2〕 記載の抗原タンパク質、 又は前記 〔6〕 記載 の生産方法により得られる抗原タンパク質を含有することを特徴とする医薬組成 物、
〔8〕 前記 〔 1〕 若しくは 〔2〕 いずれか記載の抗原タンパク質、 又は前記 〔 6〕 記載の生産方法により得られる抗原タンパク質を含有することを特徴とする 診断用組成物、
〔 9〕 前記 〔 3〕 記載の核酸を含有することを特徵とする医薬組成物、
〔 1 0〕 前記 〔3〕 記載の核酸を含有することを特徴とする診断用組成物、 〔 1 1〕 前記 〔 1〕 または 〔2〕 いずれか記載の抗原タンパク質に特異的に結 合する抗体又は抗体断片、 並びに
〔 1 2〕 前記 〔3〕 記載の核酸に特異的に結合する核酸、
に関するものである。 1
図面の簡単な説明
第 1図は、 C. アルビカンスのリシル tRNAシンテターゼホモログ遺伝子と TPI ホモログ遺伝子由来の組み換えタンパク質を、 SDS—ポリアクリルアミ ドゲル 電気泳動に供した結果を示す図である。 発明を実施するための最良の形態
1. 本発明の抗原タンパク質
本発明の抗原タンパク質は、 カンジダ ·アルビカンス感染抵抗性哺乳類由来の 抗血清により認識されるタンパク質である。
本明細書において 「カンジダ'アルビカンス感染抵抗性哺乳類」 とは、 カンジ ダ ·アルビカンス由来の抗原を免疫して感染抵抗性を獲得させた哺乳類であり、 免疫前の致死量のカンジダ 'アルビカンス細胞 (静脈内感染後 10日以内に死ぬ 細胞数) を投与されても死ななくなつた状態の哺乳類である。
かかる哺乳類は、 例えば次のようにして得ることができる。
カンジダ ·アルビカンス感染感受性の動物、 例えば、 C57BL/6、 BAL B/c、 DB AZ2等のマウス、 及び S P r ague— Dawl ey、 Wi s t a r等のラット等に対して、 抗原としてカンジダ'アルビカンス生細胞、 アジュ バントとして細胞性免疫を強く誘導するために不完全フロイントアジュバント ( I FA) を用いた混合物を、 皮下又は腹腔内に 1〜 2週間隔で少なくとも 2回投 与し免疫する。 このようにして免疫されて感染抵抗性を獲得した動物をカンジダ •アルビ力ンス感染抵抗性哺乳類とする。
本明細書において 「カンジダ*アルビカンス感染抵抗性哺乳類由来の抗血清」 とは、 カンジダ .アルビカンス感染抵抗性哺乳類から得られる抗血清である。 かかる抗血清としては、 例えば、 カンジダ,アルビカンス感染抵抗性哺乳類に おいて、 最終免疫後 1〜2週後に採血したものを用いることができる。 このよう な抗血清は、 好ましくは哺乳類としてマウス、 更に好ましくは 5週令以上の C 5 7 B L/ 6 , B A L BZ c又は D B AZ 2を用い、 これに例えば 1 x 1 0 5 〜 1 X I 0 8 個の生きた細胞を I F Aと混ぜ、 得られた混合物を用いて約 1週間隔で 2回以上免疫し、 その後 1週〜 1 ヶ月経過以降に得られる抗血清である。 本発明 において使用される抗血清は、 真菌細胞の細胞膜成分及び細胞内分子に対して高 い抗体価を示すものである。 これに対し、 一般的に使用される抗カンジダ抗血清 は、 感染抵抗性哺乳類由来のものではなく、 表層の細胞壁の構成成分、 例えばマ ンナンやマンナンタンパク質に対して高い抗体価を有しており、 本発明における 抗血清とは異なる。
なお本発明において使用できるカンジダ ·アルビカンス細胞としては特に限定 されるものではなく、 例えば、 カンジダ 'アルビカンス T I MM 1 7 6 8株、 力 ンジダ ·アルビカンス AT C C 1 0 2 3 1株等が挙げられる。
本明細書において、 「抗血清により認識される」 とは、 抗血清中に含まれる抗 体成分と結合することを意味し、 通常、 この結合を測定するために使用されるィ ムノブロッティングゃ E L I S A、 免疫沈降法等の免疫学的手法によりその抗原 を検出及び Z又は定量できる。 抗原と抗体の結合は、 通常、 4 °C〜室温で適当な 溶液中やゲル内又は抗原固定化プレート上で実施する。
これらの抗原タンパク質は、 哺乳類において、 カンジダ ·アルビカンスに代表 されるカンジダ菌による感染や他の真菌感染に対する感染防御免疫を誘導するた めのワクチン用の抗原として、 また感染の有無や進行状態を診断するための抗原 として有用である。 また、 カンジダ,アルビカンスに代表される真菌を原因とす るアレルギー疾患の予防、 治療や診断のための抗原として有用である。 また、 力 ンジダ ·アルビカンスはヒトの常在菌であるため、 殆どのヒ卜の免疫細胞 (リン パ球、 マクロファージ等) がカンジダ ·アルビカンス由来の抗原タンパク質に対 して各種サイトカイン遊離、 免疫細胞の活性化等の免疫反応を起こす。
即ち、 本発明の抗原タンパク質はインターフェロン 7、 インターロイキン 4等 の有効な免疫調節物質を遊離させたり、 活性化させるための抗原として有用であ る。 また本発明の抗原タンパク質は生体内診断の目的で、 個体に対し、 例えば、 吸入誘発試験、 皮膚テスト、 鼻や眼の粘膜試験における抗原性成分として使用す ることが出来る。 更に実験室診断、 例えば、 抗原抗体反応である凝集反応、 沈降 反応、 中和反応、 標識抗体法を用いた診断法、 ヒスタミン遊離試験、 リンパ球幼 若化試験、 白血球遊走阻止試験等における抗原性成分にも使用することができる o
本発明の抗原夕ンパク質としては、 カンジダ ·アルビ力ンス感染抵抗性哺乳類 由来の抗血清により認識されるタンパク質又はボリべプチドであれば特に限定さ れない。 かかるタンパク質又はボリペプチドは、 例えば、 カンジダ.アルビカン ス c D NAのライブラリー発現物に対する、 カンジダ ·アルビカンス感染抵抗性 哺乳類由来の抗血清を用いたィムノスクリ一ニングにより得ることができる。 なお本明細書における 「タンパク質」 とは生物体の主要構成成分を意味し、 ポ リベプチド鎖からなるものを示す。 また本明細書におけるポリべプチドとは複数 のァミノ酸がぺプチド結合によって結合したものを意味し、 構成ァミノ酸の数は 特に限定されない。 また本明細書におけるポリペプチドは、 アミノ酸のみから構 成される単純ポリぺプチド又はァミノ酸以外の構成成分を含む複合ポリぺプチド のいずれであってもよい。 更に本明細書で 「融合タンパク質」 なる語を使用する が、 これは 2つ以上のタンパク質の一部又は全部が結合したタンパク質又はボリ ペプチドを意味する。
本発明の抗原タンパク質の具体例としては、 例えば、 以下のポリペプチドが挙 げられる。
(A— 1 ) 配列番号: 1〜9に示されるアミノ酸配列のいずれかを有するポリ ぺプチド、
(A— 2 ) 配列番号: 1〜9に示されるアミノ酸配列のいずれかにおいて、 1 個以上、 例えば 1若しくは複数個のアミノ酸が欠失、 置換、 挿入又は付加された ァミノ酸配列を有するポリぺプチド、 (A— 3 ) 配列番号: 1 0〜1 8に示される塩基配列のいずれかを有する核酸 にコ一ドされるポリぺプチド、
(A— 4 ) 配列番号: 1 0〜1 8に示される塩基配列のいずれかにおいて、 1 個以上、 例えば 1若しくは複数個の塩基が欠失、 置換、 揷入又は付加された塩基 配列を有する核酸にコードされるポリペプチド。
また、 本発明においては、 前記抗原タンパク質と免疫学的に同等なタンパク質 も包含する。
ここで、 配列番号: 1〜9に示されるアミノ酸配列からなるポリペプチドはそ れぞれ、 カンジダ'アルビカンス感染抵抗性哺乳類由来の抗血清を用いてのィム ノスクリーニングにより得られる、 カンジダ ·アルビカンス T I MM 1 7 6 8株 の c D NAライブラリー由来のものである。 また、 ィムノスクリーニングにおい ては大腸菌を宿主とする発現ライブラリーを用いた場合、 ポリべプチドは単純ポ リペプチドとして発現されている。 従って、 抗カンジダ血清中に多く含まれる糖 鎖に対する抗体の影響を除き、 ポリぺプチド部分に対する抗体により抗原タンパ ク質をスクリーニングしたことになる。
配列表の配列番号: 1に示されるァミノ酸配列からなるポリべプチドは 2 4 8 ァミノ酸よりなり、 サッカロミセス ·セレピシェのトリオースホスフエ一トイソ メラーゼ (triosephosphate isomerase ; T. Alber and G. Kawasaki, Journal of Molecular and Appl ied Genetics, Vol. 1, 419-434 (1982) ) とホモロジー を有する。 カンジダ ·アルビカンス培養菌体から単離されたタンパク質の N末端 アミノ酸配列解析結果によると、 N末のメチォニンは脱離していることから、 抗 原タンパク質として利用しやすい部分は少なくとも配列表の配列番号: 1の 2〜 2 4 8番目の領域の中に存在すると思われる。 更に、 ホモロジ一解析の結果も合 わせ考えると、 配列表の配列番号: 1に示されるポリペプチドはカンジダ ·アル ビカンスのトリオースホスフェートイソメラーゼの全長構造であると判断される 配列表の配列番号: 2に示されるアミノ酸配列からなるポリペプチドは 1 32 アミノ酸よりなり、 サッカロミセス ·セレピシェのリシル t RNAシン夕一ゼ ( 5 90アミノ酸よりなる ; M. irande and J. P. Walker, Journal of Biologic al Chemistry, Vol, 263, 18443-18451 (1988)) の N末端付近の領域 (アミノ酸 番号: 1 0〜 1 3 7) とホモロジ一を有する。
配列表の配列番号: 3に示されるアミノ酸配列からなるポリペプチドは 54 8 アミノ酸よりなり、 このポリペプチドの 2 6 0〜54 6番目の部分がサッカロミ セス ·セレピシェの第 3染色体の YCR 0 3 0 C (8 70アミノ酸よりなるタン パク質をコードする ; M. R. Red et al., Yeast, Vol. 7, 533-538 (1991) ) の 配列番号: 3の 5 2 3〜8 6 8番目の領域とホモロジ一を有する。
配列表の配列番号: 4に示されるアミノ酸配列からなるポリペプチドは 1 75 アミノ酸よりなり、 サッカロミセス 'セレピシェの EGD 2 ( 1 74アミノ酸よ りなる ; . Johnston et al., Science, Vol. 265, 2077-2082 (1994) ) とホモ ロジーを有する。
配列表の配列番号: 5に示されるァミノ酸配列からなるポリべプチドは 8 8ァ ミノ酸よりなり、 サッカロミセス 'セレピシェの ATP シンターゼ デルタ鎖 (2 44アミノ酸よりなる ; J. Velours et al. , European Journal of Biochemistr y, Vol. 170, 637-642 (1988) ) の C末付近の領域 (アミノ酸番号: 1 5 8〜2 42) とホモロジ一を有する。
配列表の配列番号: 6に示されるアミノ酸配列からなるポリペプチドは 264 アミノ酸よりなり、 サッカロミセス .セレピシェの BMH 2 (272アミノ酸よ りなる ; G. P. H. von Heusden et al. , European Journal of Biochemistry, V ol. 229, 45-53 (1995) ) とホモ口ジーを有する。
配列表の配列番号: 7に示されるァミノ酸配列からなるポリべプチドは 224 アミノ酸よりなり、 サッカロミセス ·セレピシェのリポソ一厶 YL 8タンパク質 ( 24 3アミノ酸よりなる ; K. izuta et al., Nucleic Acids Res., Vol. 20, 1011-1016 (1992) ) とホモロジ一を有する。
配列表の配列番号: 8に示されるアミノ酸配列からなるボリペプチドは 1 1 5 アミノ酸よりなり、 配列番号: 8の 4 6番目〜 C末部分がサッカロミセス ·セレ ピシェの Y N L 0 8 3 w ( 4 9 4アミノ酸よりなる; A. Soler - Mira et al. , Ye ast, Vol. 12, 485-491 (1996)) の 2 8 4〜3 5 3番目の部分とホモロジ一を有 する。
配列表の配列番号: 9に示されるァミノ酸配列からなるボリべプチドは公知の H S P 7 0 S S Bタイプのポリペプチドであり、 ゥサギ抗カンジダ血清により 認識される抗原タンパク質として発見されたものである。 全長は 6 1 3アミノ酸 であり、 配列番号: 9の 2 8 0番目〜 C末端 (3 3 3アミノ酸) よりなるポリべ プチドが抗原タンパク質として得られている [V. Maneu et al. . Yeast, Vol . 13, 677-681. ( 1997) ] 。
一方、 本発明においては、 配列表の配列番号: 9に示されるアミノ酸配列に係 る c D N Aにおいて、 発現物のィムノスクリ一二ングの結果が陽性の c D N Aは 4種類得られており、 これらは配列表の配列番号: 9に示されるアミノ酸配列中 、 3 2 0番目〜 C末端 (2 9 4アミノ酸) 、 4 5 2番目〜 C末端 ( 1 6 2ァミノ 酸) 、 4 9 6番目〜 C末端 ( 1 1 8アミノ酸) 、 5 1 3番目〜 C末端 ( 1 0 1ァ ミノ酸) をコードするものである。 従って、 C末側の少なくとも 1 0 0アミノ酸 の長さのボリべプチドが抗原性の発現に重要であると考えられる。 このことから 、 前記 4種のタンパク質を含め C末端側の少なくとも 1 0 0アミノ酸を含む約 1 0 0〜2 9 4アミノ酸を有するポリペプチドは本発明の抗原タンパク質に包含さ れる。 即ち本発明の配列表の配列番号: 9に されるアミノ酸配列において、 N 末から 3 1 9〜5 1 2アミノ酸の長さのアミノ酸が除かれたポリペプチドも本発 明における抗原タンパク質に包含される。
本発明においては、 カンジダ *アルビカンス感染抵抗性哺乳類由来の抗血清に より認識される限り、 配列表の配列番号: 1〜9に示されるアミノ酸配列からな るポリペプチドのそれぞれにおいて、 1個以上、 例えば 1若しくは複数個のアミ ノ酸が欠失、 置換、 挿入又は付加されたアミノ酸配列を有するポリペプチドをも 本発明の抗原タンパク質に包含される。 ここで複数個とは、 数個乃至それ以上の 個数を言う。 例えば、 配列番号: 1及び配列番号: 2に示される抗原タンパク質 は N末端には T 7夕グを含むぺプチドが付加された融合夕ンパク質として得られ ており、 このような抗原性に無関係のぺプチドが付加されたタンパク質又はポリ ぺプチドも本発明の抗原タンパク質に包含されるが、 T 7夕グ部分が欠失したも のも本発明の抗原タンパク質に包含される。 また、 前記のように配列番号: 9に 示されるアミノ酸配列において、 N末端側から約 3 1 9〜5 1 2アミノ酸を欠失 させたポリべプチドも欠失させた例として挙げられるが、 これも本発明における 抗原タンパク質に包含される。
また、 本発明においては、 カンジダ ·アルビカンス感染抵抗性哺乳類由来の抗 血清により認識される限り、 配列表の配列番号: 1〜9に示されるアミノ酸配列 の一部からなるポリべプチドも本発明の抗原タンパク質に包含される。 さらに、 カンジダ ·アルビカンス感染抵抗性哺乳類由来の抗血清により認識される限り、 その一部からなるァミノ酸配列において 1個以上、 例えば 1若しくは複数個のァ ミノ酸が欠失、 置換、 挿入又は付加されたアミノ酸配列を有するポリペプチドを も本発明の抗原タンパク質に包含される。 また、 さらに前述のようなこれらの本 発明の抗原夕ンパク質に抗原性に無関係のぺプチドが付加された夕ンパク質又は ボリペプチドも本発明の抗原タンパク質に包含される。
配列表の配列番号: 1〜 9に示されるァミノ酸配列の一部からなるポリぺプチ ドは、 例えば、 配列表の配列番号: 1〜9に示されるアミノ酸配列からなる抗原 タンパク質を原料として、 リシルエンドペプチドダーゼ、 トリプシン等のプロテ ァ一ゼを用いた酵素消化による切断後、 又は臭化シアン等による化学的処理によ る切断後、 目的の抗原性を有するぺプチド断片を夕ンパク質の精製における既知 の方法により単離精製すること等により得ることができる。 更に、 上記の方法等 により得られたポリべプチドの化学構造に関する情報を基に、 ぺプチド合成技術 を利用しての化学合成による製造も可能である。 また該ボリぺプチドのァミノ酸 配列をコ一ドする核酸を用いて遺伝子工学的に製造することも可能である。
ァミノ酸配列において 1個以上、 例えば 1若しくは複数個のァミノ酸の欠失、 置換、 揷入又は付加を行う手法としては、 モレキュラー クローニング:ァ ラ ボラトリー マニュアル第 2版 ( 1 9 8 9年、 コールド スプリング ハーバー ラボラトリ一発行、 T. マニアテイスら編集) 等に記載されている、 種々の遺 伝子工学的手法を用いれば困難なことではない。
配列表の配列番号: 1 0〜1 8に示される塩基配列はそれぞれ、 配列番号: 1 〜 9に示されるァミノ酸配列からなるポリべプチドをコ一ドする核酸の配列の例 である。 従って、 本発明においては、 カンジダ *アルビカンス感染抵抗性哺乳類 由来の抗血清により認識されるタンパク質又はポリぺプチドであつて、 配列表の 配列番号: 1 0〜 1 8に示される塩基配列のそれぞれからなる核酸にコードされ るポリべプチドを本発明の抗原タンパク質に包含する。
該核酸は発現ライブラリーのィムノスクリーニングにより得られる抗原タンパ ク質を発現する c D N Aであるが、 該 c D N Aは遺伝子全長若しくは部分塩基配 列よりなる。 例えば、 配列表の配列番号: 1 0および配列番号: 1 5に示される 塩基配列は抗原タンパク質遺伝子の全長であり、 配列表の配列番号: 1 1、 配列 番号: 1 2、 配列番号: 1 3、 配列番号: 1 4、 配列番号: 1 6、 配列番号: 1 7および配列番号: 1 8に示される塩基配列は抗原タンパク質遺伝子の部分配列 である。 例えば、 配列番号: 1 8記載の核酸にコードされる H S P 7 0 S S B夕 イブ由来の抗原タンパク質は、 上記の最も小さい抗原タンパク質、 例えば、 配列 表の配列番号: 9に示されるアミノ酸配列の 5 1 3番目〜 C末の 1 0 1アミノ酸 からなるポリペプチドの場合、 配列番号: 1 0の 5 8 0〜8 8 2番目の塩基配列 にコードされている。 従って、 抗原性の高い部分をコードする組み換え D N Aは 配列表の配列番号: 1 0の 5 8 0〜8 8 2番目の塩基配列を含有するように設計 することが好ましい。
また本発明においては、 カンジダ *アルビカンス感染抵抗性哺乳類由来の抗血 清により認識される限り、 配列表の配列番号: 1 0〜1 8に示される塩基配列の それぞれにおいて、 1個以上、 例えば 1若しくは複数個の塩基が欠失、 置換、 挿 入又は付加された塩基配列を有する核酸にコードされるポリぺプチドも本発明の 抗原タンパク質に包含する。 ここで複数個とは、 数個乃至それ以上の個数を言う o
このように、 塩基配列において 1個以上、 例えば 1若しくは複数個の塩基の欠 失、 置換、 挿入又は付加を行うためには、 公知の種々の遺伝子工学的手法、 例え ば、 ギャップド ·デュプレックス法 [Wi lfried, K. et al., Nucleic Acids Rese arch, Vol. 12, 9441-9456(1984) ] 、 デレージヨン法 [Celeste, Y. P. et al. , ethods in Enzymology, Vol. 154, 367-382(1987)] 、 ゥラシル D NA法 [Thomas , A. K. et al. , Gene, Vol. 34. 315-323 (1987) ] やカセット変異法 [James, A. W., et al. , Gene. Vol. 34, 315-323(1985) ] 等を利用すれば良い。
また、 カンジダ'アルビカンスの変異株、 近縁種 (例えばカンジダ' トロピカ リス等のカンジダ属真菌) 、 サッカロミセス .セレピシェ以外の他の真菌由来の 夕ンパク質であって、 本発明の抗原夕ンパク質と免疫学的に同等の性質を有する タンパク質又はポリべプチドも本発明の抗原タンパク質に包含される。 本明細書 における 「免疫学的に同等の性質を有するタンパク質」 とはアミノ酸配列或いは 糖鎖などの修飾は異なるが、 配列番号: 1〜9に示されるアミノ酸配列のいずれ かを有する本発明の抗原夕ンパク質により免疫された哺乳類由来の抗血清に含有 される抗体で認識されるタンパク質又はポリペプチドを意味する。
なお、 抗原としての安定性の強化及び Z又は所望の反応性の強化、 即ち治療に 用いる場合、 個体防御免疫能の誘導強化や、 アレルギー反応の減弱化又は酵素活 性の消失を目的として、 また診断に用いる場合、 抗原と抗体との特異的結合の強 化を目的として、 本発明の抗原タンパク質を改変して誘導体としてもよい。 改変 法としては、 例えば、 ピリジルェチル化、 還元、 アルキル化、 ァシル化、 適当な 単体への化学的カップリング、 温和なホルマリン処理、 又は塩酸グァニジン処理 が挙げられる。 誘導体の作製法としては、 例えば、 ポリエチレングリコール (P E G) 法 [Wie et al., Int. Arch. Al lergy Appl. Immunol. , Vol. 64, 84 -99 , (1981)] を用いて P E Gと結合させてもよい。
2. 本発明の核酸
本発明の核酸は、 カンジダ ·アルビ力ンス感染抵抗性哺乳類由来の抗血清によ り認識される抗原夕ンパク質をコードする核酸である。
かかる核酸は、 例えば本発明の抗原タンパク質と同様に、 カンジダ 'アルビ力 ンスの c D NA発現ライブラリーを作製し、 カンジダ 'アルビカンス感染抵抗性 哺乳類由来の抗血清によるィムノスクリ一ニングを行うことにより得ることがで きる。 また、 カンジダ ·アルビカンスのゲノムライブラリー又は c D NAライブ ラリ一を作製し、 本発明の抗原夕ンパク質のァミノ酸配列の一部をコードすると 推定されるオリゴヌクレオチドをプローブとする該ライブラリーのスクリーニン グによって得ることもできる。
本発明の核酸は、 哺乳類において、 カンジダ 'アルビカンスを始めとするカン ジダ菌による感染や他の真菌感染に対する感染防御免疫を誘導するためのワクチ ン用の抗原遺伝子として、 また、 カンジダ,アルビカンスを始めとする真菌を原 因とするアレルギー疾患の予防、 治療や診断のための抗原遺伝子として有用であ る。
本発明の核酸の具体例としては、 例えば、 以下のような核酸が挙げられる。
( B— 1 ) 配列番号: 1〜9に示されるアミノ酸配列のいずれかを有するポリ ぺプチドをコ一ドする核酸、
( B— 2 ) 配列番号: 1〜9に示されるアミノ酸配列のいずれかにおいて、 1 個以上、 例えば 1若しくは複数個のアミノ酸が欠失、 置換、 挿入又は付加された ァミノ酸配列を有するポリべプチドをコ一ドする核酸、
( B— 3 ) 配列番号: 1 0〜1 8に示される塩基配列のいずれかを有する核酸
( B— 4 ) 配列番号: 1 0〜1 8に示される塩基配列のいずれかにおいて、 1 個以上、 例えば 1若しくは複数個の塩基が欠失、 置換、 挿入又は付加された塩基 配列を有する核酸、
( B - 5 ) ( B— 1 ) 〜 (B - 4 ) いずれか記載の核酸または該核酸に相補的 な核酸に、 ストリンジエントな条件下でハイプリダイズする核酸。
ここで、 核酸としては D NA又は R N Aのいずれでも良い。
配列表の配列番号: 1 0〜1 8に示される塩基配列はそれぞれ、 配列番号: 1 〜9に示されるァミノ酸配列からなるポリべプチドをコ一ドする核酸の配列の例 である。
なお遺伝子上でアミノ酸を指定するコドン (3つの塩基の組み合わせ) はアミ ノ酸の種類ごとに 1〜 6種類ずつが存在することが知られている。 したがって、 あるアミノ酸配列をコードする核酸には、 そのアミノ酸配列にもよるが、 多数の 種類が存在し得る。 核酸は自然界において決して安定に存在しているものではな く、 その塩基配列に変異が起こることはまれではない。 核酸上に起こった変異が そこにコードされるアミノ酸配列には変化を与えない場合 (サイレント変異と呼 ばれる) もあり、 かかる変異を有する核酸は、 変異前の核酸と同じアミノ酸配列 をコードする異なる核酸といえる。 したがって、 ある特定のアミノ酸配列をコ一 ドする核酸が単離されても、 それを含有する生物が継代されていくうちに同じァ ミノ酸配列をコードする多種類の核酸ができていく可能性は否定できない。 さら に同じァミノ酸配列をコードする多種類の核酸を人為的に作製することは種々の 遺伝子工学的手法を用いれば困難なことではない。
例えば、 遺伝子工学的なタンパク質の生産において、 目的のタンパク質をコ一 ドする本来の D N A上で使用されているコドンが宿主中では使用頻度の低いもの である場合には、 タンパク質の発現量が低いことがある。 このような場合にはコ ードされているァミノ酸配列に変化を与えることなく、 コドンを宿主での使用頻 度の高いものに人為的に変換することにより、 目的夕ンパク質の高発現を図るこ とが行われている (たとえば特公平 7— 1 0 2 1 4 6号公報等) 。 このように特 定のァミノ酸配列をコードする多種類の核酸は人為的に作成可能なことは言うま でもなく、 自然界においても作成され得るものである。
このことから、 本明細書における (B— 1 ) に示される、 配列番号: 1〜9に 示されるァミノ酸配列のそれぞれからなるポリべプチドをコ一ドする核酸は、 ( B— 3 ) に示される配列番号: 1 0〜1 8に示される塩基配列のそれぞれからな る核酸に限定されるものではない。
従って、 本発明においては、 その発現物がカンジダ,アルビカンス感染抵抗性 哺乳類由来の抗血清により認識される限り、 配列表の配列番号: 1 0〜1 8に示 される塩基配列のそれぞれにおいて、 1個以上、 例えば 1若しくは複数個の塩基 が欠失、 置換、 挿入又は付加された塩基配列を有する核酸も本発明の核酸に包含 される。 ここで複数個とは、 数個乃至それ以上の個数をいう。
例えば、 配列表の配列番号: 1〜9に示されるアミノ酸配列を有するそれぞれ の抗原夕ンパク質の抗原性を保持したまま、 前記タンパク質の一部を適当に脱離 させたタンパク質、 及び N末端または C末端に、 例えば T 7ファージ由来のタン パク質、 ヒスチジンタグ、 マルトース結合タンパク質、 グルタチオン一S—トラ ンスフェラ一ゼ、 S—ガラクトシダ一ゼ等の他のポリべプチドが付加された抗原 タンパク質の融合タンパク質をコードする、 配列表の配列番号: 1 0〜1 8に示 される核酸の誘導体である核酸も本発明の核酸に含まれる。
さらに、 (B— 1 ) 〜 (B— 4 ) のいずれかに示される核酸または該核酸に相 補的な核酸に、 ストリンジェン卜な条件下でハイプリダイズする核酸であって、 カンジダ 'アルビ力ンス感染抵抗性哺乳類由来の抗血清により認識される抗原夕 ンパク質をコードする核酸 (即ち、 (B— 5 ) の核酸) も本発明の核酸に包含さ れる。 かかる核酸は次のようにして検出することができる。
即ち、 対象となる核酸を固定したメンブレンを 0. 5重量%SDS、 0. 1重 量%ゥシ血清アルブミン (BS A) 、 0. 1重量%ポリビニルピロリ ドン、 0. 1重量%フイコール 4 0 0、 0. 0 1重量%変性サケ精子 DNAを含む 6 XSS C ( l xSSCは 0. 1 5M Na C K 0. 0 1 5M クェン酸ナトリウム、 pH7. 0を示す) 中で、 5 0°Cにて 1 2〜20時間、 プローブとともにインキ ュべ一卜する。 インキュベーション終了後、 0. 5重量%SDSを含む 2 XSS C中、 37。Cでの洗浄から始めて、 33(:濃度は0. 1 XSSCまでの範囲で、 また、 温度は 5 0°Cまでの範囲で変化させ、 固定された核酸由来のシグナルがバ ックグラウンドと区別できるようになるまでメンブレンを洗浄したうえ、 プロ一 ブの検出を行う。 このような条件で対象の核酸が検出された場合、 該核酸を 「ス トリンジェントな条件下でハイブリダィズする核酸」 とする。 ここで用いるプロ —ブとしては、 (B— 1) 〜 (B— 4) に示される核酸または該核酸に相補的な 核酸の一部である。
このような核酸には、 例えば、 カンジダ 'アルビカンスの変異株や近縁菌 (例 えばカンジダ ' トロピカリス等のカンジダ属真菌) の有する、 (B— 1) 〜 (B — 4) に示される核酸または該核酸に相補的な核酸とストリンジェントな条件下 でハイプリダイズ可能な核酸であって、 免疫学的に同等な抗原性を有するタンパ ク質をコードする核酸等が挙げられる。
また、 本発明の核酸は、 配列番号: 1〜9に示されるアミノ酸配列のいずれか を有するポリペプチドをコードする核酸、 あるいは配列番号: 1〜9に示される アミノ酸配列のいずれかにおいて、 1個以上、 例えば 1若しくは複数個のァミノ 酸が欠失、 置換、 揷入又は付加されたアミノ酸配列を有するポリペプチドをコー ドする核酸において、 その変異型、 対立遺伝子、 相同遺伝子、 コドンの縮重が伴 う核酸も、 その発現物がカンジダ 'アルビカンス感染抵抗性哺乳類由来の抗血清 により認識される限り、 本発明の核酸に包含される。 さらに、 本発明の核酸としては、 カンジダ ·アルビカンス感染抵抗性哺乳類由 来の抗血清により認識される抗原タンパク質をコードする核酸、 例えば、 (B— 1)〜(B— 5) に示される核酸に特異的に結合する核酸も挙げられる。 ここで の、 本発明の核酸は公知の蛍光物質や放射性物質によりラベルされていてもよい 。 該核酸は、 ハイプリダイゼーションによるカンジダ ·アルビカンス抗原タンパ ク質遺伝子の検出に用いるプローブや DNAポリメラ一ゼを用いる DNA増幅方 法におけるプライマーとして利用可能である。
3. 本発明のベクター、 形質転換体
本発明のベクターは、 本発明の核酸を含有してなるベクターである。 このよう なベクターは、 本発明の核酸を、 大腸菌等の宿主に安定に保持させることができ る。 かかるベクターの構築に用いられるベクターとしては、 例えば pUC 1 1 8 、 pWH5、 pTV 1 1 8、 pSCREEN- 1 b等が挙げられるが、 本発明の 核酸が挿入でき、 発現可能なベクターであれば特に限定されない。 また、 適当な 発現ベクターにつなぎ、 発現用組み換え DNAとすることもできる。 配列番号: 1 0〜1 8に示される塩基配列を有する核酸は、 pSCREEN— 1 bにつなぎ 、 発現用組み換え DNAとして大腸菌に導入し、 本発明に使用された。 核酸をべ クタ一に挿入する方法は特に限定されるものではなく、 T 4 DNAリガーゼを用 いる方法等の公知の方法を用いることができる。
本発明の形質転換体は、 本発明のべクターによつて形質転換されてなるもので ある。 このような形質転換体は、 本発明のベクターを宿主に導入することにより 得られる。 宿主としては、 大腸菌、 バチルス属等の細菌、 サッカロミセス 'セレ ピシェ等の酵母、 ァスペルギルス属、 ピキア ·パストリス等の真菌の他、 昆虫細 胞、 COS— 7、 Ve r 0細胞等の動物細胞を用いることができる。 ベクタ一を 宿主に導入する方法としては、 例えば、 リン酸カルシウム法、 CaC l 2 法、 D EAEデキストラン法、 エレクトロポーレーシヨン法等の公知の方法が挙げられ る。 かかる形質転換体は、 例えば用いたベクタ一の選択マーカーを指標とするこ とにより選択することができ、 また、 例えば該形質転換体より抽出した核酸と本 発明の核酸を特異的に検出可能なプローブを用いたハイプリダイゼ一シヨンによ り、 所望の核酸が導入されていることを確認することができる。
このような形質転換体は本発明の核酸を調製する際に、 及び本発明の抗原夕ン パク質を調製する際に利用することができる。
4. 本発明の抗原タンパク質の生産方法
本発明の、 カンジダ 'アルビカンス感染抵抗性哺乳類由来の抗血清により認識 される抗原タンパク質の生産方法は、 本発明の形質転換体を、 本発明の核酸にコ ードされる抗原タンパク質の発現可能な条件下で培養することを特徴とする。 培養条件としては特に限定されるものではなく、 例えばベクターとしてラムダ ファージベクタ— A SCREEN— 1と Phage Make r™ Sy s t e m Phage Pack Ex t r a c t 〔共にノヴァジェン (N o v a g e n)社製〕 を用いて得られる形質転換体の場合、 選択圧としてのアンピシリンを 含む LB培地で培養し、 適当な時期に I PTG (イソプロピル一チォー — D— ガラクトシド) による発現誘導をかければよい。 他のベクタ一及び宿主を用いて 得られた形質転換体においても、 適当な選択圧をかけた培地中でタンパク質の発 現に適した条件で培養すればよい。 このように培養して目的のタンパク質を発現 させる。
発現されたタンパク質又はポリべプチドは、 当該分野で知られる公知のタンパ ク質の精製方法により回収、 精製することができる。 また、 得られたタンパク質 又はポリペプチドの抗原性の有無は、 例えば、 ィムノブロッテイング法、 EL I S A又は免疫沈降法などの免疫学的手法により確認することができる。
また本発明の抗原夕ンパク質は、 遺伝子工学的手法を用いて得られる本発明の 形質転換体から生産してもよく、 カンジダ ·アルビカンス培養物から公知のタン ノヽ'ク質精製方法によって得てもよい。
5 . 本発明の医薬組成物及び診断用組成物
本発明の医薬組成物及び診断用組成物は、 1 ) 本発明の抗原タンパク質、 又は 本発明の生産方法により得られる抗原タンパク質を含有するもの、 及び 2 ) 本発 明の核酸を含有するものである。
1 ) 本発明の抗原タンパク質、 又は本発明の生産方法により得られる抗原タンパ ク質を含有する医薬組成物及び診断用組成物
本発明の医薬組成物及び診断用組成物には、 哺乳類において、 カンジダ 'アル ビカンスを始めとするカンジダ菌による感染や他の真菌感染に対する感染防御免 疫を誘導するためのワクチン、 また感染の有無や進行状態を判断するための診断 用組成物が包含される。 更に、 カンジダ'アルビカンスを始めとする真菌を原因 とするアレルギー疾患の予防、 治療や診断に用いられる組成物が包含される。 ま た、 カンジダ 'アルビカンスはヒトの常在菌であるため、 殆どのヒトの免疫細胞 (リンパ球、 マクロファージ等) がカンジダ ·アルビカンス由来の抗原タンパク 質に対して各種サイトカイン遊離、 免疫細胞の活性化等の免疫反応を起こす。 即 ち、 本発明の医薬組成物及び診断用組成物にはインタ一フ ロン 7、 インタ一口 ィキン 4等の有効な免疫調節物質を遊離させたり、 活性化させるための組成物も 包含される。
感染防御免疫を誘導するための組成物は、 より強レ、体液性及び Z又は細胞性免 疫を得るために、 本発明の抗原タンパク質を下記のようなアジュバントを含む懸 濁液又は溶液とした製剤として用いられることが一般的である。 アジュバントは 、 普通、 抗原性成分と共に投与されるが、 抗原性成分を投与する前または後に与 えてもょレ、
哺乳類のワクチン接種に適当なアジュバントとしては、 フロイント (F r e u n d ' s ) の完全または不完全アジュバント ;水酸化アルミニウム、 みょうばん 等の無機物ゲル; リゾレシチン、 ジメチルォクタデシルアンモニゥムブロマイド 等の界面活性剤;硫酸デキストラン、 ポリ I C等のポリア二オン;ムラミルぺプ チド、 タフトシン等のぺプチド: R i b i社製のモノホスフォリルリピド A (M P L ) ; コレラトキシンの Bサブユニッ トがあるが、 これらには限定されない。 抗原はリボソームまたは他のマイクロキヤリア一に取り込ませて投与することが できる。 当然、 いくつかの異なる抗原タンパク質を混合して用いることも可能で める。
アレルギー疾患の予防、 治療や診断のための組成物は、 本発明の抗原タンパク 質を適当な塩溶液や懸濁液の形にして用いれば良い。 場合によりポリエチレング リコールゃフヱノールが添加されていても良い。 更に上記のようなアジュバント を含む懸濁液又は溶液としてもよい。 アジュバントは、 普通、 抗原と共に投与さ れるが、 抗原投与の前または後に与えてもよい。 抗原はまたリボソームまたは他 のマイクロキヤリア一に取り込ませて投与することができる。
本発明の医薬用組成物は、 所望により各種の添加剤を配合されていてもよく、 またその剤型も種々の剤型である事ができる。 かかる添加剤としては、 所望剤型 を形成するための調剤用添加剤類を挙げることができる。 これらの添加剤類の例 としては、 例えばァスコルビン酸、 ピオチン、 パントテン酸カルシウム、 ナイァ シン等の栄養剤; メタリン酸ナトリウム、 リン酸ナトリウム (第 1、 第 2、 第 3 塩) 、 ピロリン酸ナトリゥム等の隠蔽剤; ソルビン酸カルシウム、 安息香酸等の 保存料、 ァラビヤゴム、 トラガント、 アルギン酸ナトリウム、 マンニッ ト、 ソル ビトール、 乳糖、 果糖、 可溶性澱粉、 アミノ酸類、 葡萄糖、 砂糖、 蜂蜜、 脂肪酸 エステル他の添加剤類又は希釈剤類を挙げることができる。
本発明の医薬用組成物は、 経口又は非経口投与することができ、 例えば、 散剤 、 顆粒、 ペレッ ト若しくは錠剤、 コーティング剤、 カプセル剤、 液剤、 シロップ 剤等の経口投与に適した剤型;注射剤、 点滴剤、 坐剤、 点眼剤、 点募剤、 噴霧剤 などの非経口投与に適した剤型にすることができる。 本発明の医薬組成物を特にワクチンとして使用する場合、 安定剤として適当な 濃度のヒト血清アルブミン、 ゼラチン、 アミノ酸類等、 防腐剤として適当な濃度 のフヱノール、 チメロサール等を必要に応じ添加してもよい。 また、 該医薬用組 成物は液状製剤として用いてもよく、 凍結乾燥を行なうことにより乾燥製剤とし て用いてもよい。 乾燥製剤は使用に際して適当な溶剤、 例えば注射用蒸留水など で懸濁して用いてもよい。
医薬組成物の投与方法としては、 経口、 経粘膜 (鼻、 膣等) 、 経皮 (皮下また は皮内) 的に、 または静脈内に投与すればよい。 代表的な投与量は、 タンパク質 量として、 0 . 0 1 〜 5 . O m gZk g体重の範囲が好ましく、 l g 〜 1 0 0 z gZk g体重の範囲がより好ましいが、 必要に応じて、 投与量を増加したり、 投与回数を増大させればよい。
生体内診断の目的で、 個体に対し、 例えば、 吸入誘発試験、 皮膚テスト、 鼻や 眼の粘膜試験で使用する診断用組成物は、 本発明の抗原タンパク質を凍結乾燥粉 末、 若しくは適当な塩溶液や懸濁液の形にしたものが挙げられ、 ポリエチレング リコールやフエノールが添加されていてもよい。 パッチテストには、 白色ヮセリ ンを基剤としてラウリル硫酸ナトリゥム等の界面活性剤を添加したものに本発明 の抗原タンパク質を混合すればよい。 また、 I g E抗体価測定用の抗原として使 用する際には、 ペーパーディスク、 セルローススポンジ、 マイクロプレート等の 固相体に上記抗原夕ンパク質を固定化して使用することができる。
2 ) 本発明の核酸を含有する医薬組成物及び診断用組成物
本発明の医薬組成物及び診断用組成物は、 哺乳類において、 カンジダ*アルビ カンスを始めとするカンジダ菌による感染や他の真菌感染に対する感染防御免疫 を誘導するためのワクチン、 また、 カンジダ*アルビカンスを始めとする真菌を 原因とするアレルギー疾患の予防、 治療や診断に用いることができる。 感染防御 やアレルギー疾患の治療のために用いる場合、 本発明の核酸を哺乳類細胞内で発 現可能となるように、 適当なプロモーターの下流に本発明の核酸を含んでいるプ ラスミ ドをそのまま、 又はレトロウイルスやアデノウイルスに入れ、 適当な塩溶 液や懸濁液の形とする。 また本発明の核酸をリボソームまたは他のマイクロキヤ リア一に取り込ませたり、 適当なポリカチオン系脂質に混合してもよい。
前記核酸は、 細胞内への移行性または細胞内での安定性を高めることができる 化学的修飾を含んだものを用いてもよい。 前記化学修飾としては、 例えば、 ホス ホロチォェ一ト、 ホスホロジチォエート、 アルキルホスホトリエステル、 アルキ ルホスホナート、 アルキルホスホアミデ一トなどの誘導体があげられる。
本発明の医薬組成物の投与方法としては、 筋肉内、 皮下、 静脈内、 経口、 直腸 内、 経皮、 経鼻、 舌下、 腹腔内等に投与すればよい。 代表的な投与量は、 核酸量 として 0 . 0 1 g〜 1 O m g/ k g体重の範囲が好ましく、 l g 〜5 m g Z k g体重の範囲がより好ましいが、 必要に応じて、 投与量を増加したり、 投与回 数を増大させればよい。
6 . 本発明の抗体又は抗体断片
本発明の抗体は、 本発明の抗原タンパク質に特異的に結合する抗体である。 こ こで、 抗体としては、 本発明の抗原タンパク質に特異的に結合する限り、 抗体断 片をも包含する。
本発明の抗体は常法により得ることができ、 ポリクローナル抗体でも、 モノク 口一ナル抗体のいずれでもよい。 また、 本発明においては、 本発明の抗原タンパ ク質に特異的に結合する単鎖抗体であってもよい。 該抗体又は抗体断片は、 カン ジダ ·アルビカンス或いはその類縁菌による感染症における真菌の検出や、 カン ジダ ·アルビカンス或いはその類縁菌によるアレルギー疾患におけるアレルゲン 同定等に利用可能である。
本発明の抗体又は抗体断片を、 感染症における真菌の検出、 アレルギー疾患に おけるアレルゲン同定等に用いる場合、 公知の蛍光物質や放射性物質によりラベ ルされていてもよい。 また、 本発明の抗原タンパク質の精製等に使用することもできる。 この場合、 例えば、 本発明の抗体又は抗体断片を担体などに固定化することにより、 本発明 の抗原夕ンパク質の精製を一層容易に精製することが可能になる。
7 . 本発明の抗原タンパク質をコ一ドする核酸に特異的に結合する核酸
本発明の抗原タンパク質をコ一ドする核酸に特異的に結合する核酸は、 ハイブ リダイゼーシヨンによる本発明の抗原タンパク質をコードする核酸の検出に用い るプローブや D N Aポリメラ一ゼを用いた D N A増幅方法による検出等に用いる プライマーとして利用可能である。 本発明の抗原夕ンパク質をコードする核酸に 特異的に結合する核酸は、 抗原タンパク質をコードする核酸のセンス側またはァ ンチセンス側いずれかに結合するものが含まれる。 該核酸は公知の蛍光物質や放 射性物質によりラベルされていてもよい。 実施例
以下、 実施例により本発明を具体的に説明するが、 本発明はこれら実施例に限 定されるものではない。 実施例 1 . 感染抵抗性の誘導及び C D 4陽性 T細胞の感染抵抗性への関与
1 ) 感染抵抗性の誘導
カンジダ 'アルビカンス (C . アルビカンス) T I MM 1 7 6 8をサブロー
•デキストロース培地で一晩振とう培養し、 細胞を遠心で回収、 生理食塩水で洗 浄した。 得られた細胞を 1 X 1 0 6 、 1 X 1 0 7 、 1 X 1 0 8 個 Zm 1 となるよ うに生理食塩水に懸濁した。 各々の懸濁液に等量の I F A (フロイン卜の不完全 アジュバント) を加えて混合し、 この混合物を C57BL Z6 マウスに一匹当たり 0. 1 m lずつ皮下接種して、 カンジダ生細胞でマウスを免疫した。 一週間後、 上記 と同様に調製したカンジダ生細胞を同量ずつ皮下接種し、 マウスをさらに免疫し た。 即ち、 一匹のマウスに対して、 5 X 1 04 個、 5 X 1 05 個、 又は 5 X 1 0 6 個のカンジダ生細胞で二回免疫したことになる。 対照として、 カンジダ生細胞 の懸濁液の代わりに生理食塩水を用いて、 該生理食塩水と等量の I F Aを混合し たものを一週間隔で二回皮下接種により投与した。
二回目の免疫の一週間後、 全ての免疫マウス及び対照マウスに、 サブロー 'デ キストロ一ス培地で培養して得られた C. アルビカンス TIMM 1768細胞を 2. 5 X 1 06 個ずつ静脈内に投与して感染させた。 感染後、 30日間マウスの生死を 観察した。 結果を表 1に示す。
投与物 1回当りの 平均生存日数 30曰後生存数
投与量 (個) 土標準偏差 /"使用マウス数 生理食塩水 4.0 土 1.4 0/5
生菌
Figure imgf000027_0001
表 1より、 上記投与量で対照マウス (非免疫マウス) は全例 1 0日以内に死亡 したが、 免疫マウスは明らかに感染抵抗性を獲得していることが分かつた。
2) CD 4陽性 T細胞による感染抵抗性の獲得
5 X 1 08 個のカンジダ 'アルビカンス生細胞を用いて、 上記 1 ) と同様の方 法で一週間の間隔で二回免疫された BALBZc マウスに対して、 最終免疫後 23日 目、 26日目、 及び 29日目の計 3回、 抗 CD 4抗体 (ATCC T I B 207 より調製) 又は抗 CD 8抗体 (ATCC T I B 1 05より調製) を一匹当り 0. 3 mgずつ腹腔内に投与した。 最終免疫後 2 9日目にサブロー ·デキストロース 培地で培養して得られた C. アルビカンス TIMM 0136細胞を 1 x 1 05 個ずっ静 脈内に投与した。 対照として、 非免疫マウス、 及び免疫をするが抗体を投与しな いマウスを用意し、 これらにも同様に C. アルビカンス TI讀 0136細胞を 1 X 1 06 個ずつ静脈内に投与した。 その投与後 7日目に腎臓内の生残 C. アルビカン ス細胞数を測定した。
抗 CD 4抗体及び抗 CD 8抗体は常法に従い、 ハイプリ ドーマを s c i dマウ ス腹腔に注射しハイプリ ドーマを増殖させた腹水より精製した。 また得られた抗 体はフローサイトメーター (オルソダイァグノスチック社製) により各細胞が除 かれていることを確認した。
その結果、 抗 CD 4抗体の投与により腎臓内の菌数の抑制が有意に阻害され、 感染抵抗性に C D 4陽性 T細胞が重要な役割を果たしていることが明らかとなつ た。 実施例 2. 感染抵抗性哺乳類の血清の採取とその性質、 及び各種吸収血清の作製
1 ) 感染抵抗性哺乳類の血清の採取
実施例 1— 2) と同様の方法で、 アジュバントに CFA (フロイントの完全ァ ジュバント) 5 1 06 個の(:. アルビカンス TI園 1768生細胞で 3回免疫され た BALBZc マウスより、 最終免疫後 7日目に常法により血清を採取した。 このも のを抗カンジダ血清とした。
2 ) 感染抵抗性哺乳類の血清の性質
実施例 2— 1 ) で得られた抗カンジダ血清の性質を検討した。
まず抗原成分として C. アルビカンス細胞壁画分 (CW) 、 細胞質画分 (HS S) 、 細胞膜画分 (LSP) を調製した。
C. アルビカンス TIMM 1768 のサブロー寒天斜面培養物の一白金耳分を 5 m l の YPD培地 (イーストエキストラクト 1重量%、 ポリペプトン 2重量%、 グルコ —ス 2重量 を入れた試験管に植菌した。 30°Cで 24時間振とう培養後、 その培 養液 50 t Lを、 YPD培地 500 m lを入れた 2 L容三角フラスコに植菌し、 35eCで 一晩振とう培養した。 この 2 L容三角フラスコを合計四つ用いて培養した。
得られた約 2Lの培養液 (約 7 x 1 07 細胞 Zm l ) から、 2,000 xg、 10分間 の遠心により細胞を集めた。 細胞を 500 m 1の滅菌水で 2回洗浄後、 500 m 1の SSB溶液 (0.8 M ソルビトール入り 50 ID リン酸緩衝液 (pH 7.5) ) で 1回洗浄 した。 細胞を約 500 m 1の SSB溶液に懸灝後、 100 m EDTA入り SSB溶液を 70m
1、 そして 2-メルカプトエタノールを 1 m 1加え、 緩やかに振とうした。 続いて 、 この懸濁液に、 1 m lあたり 3. 3mgのザィモリエース 2 0 T (生化学工業 社製) を含有する SSB溶液を 70m l加え、 35°Cで 1時間緩やかに振とうした。 さ らに、 1 m 1あたり 1 2 mgのトリコデルマ ·ライジングェンザィム (シグマ社 製) を含有する SSB溶液を 70m 1加え、 35°Cで 1時間緩やかに振とうした。 得ら れた懸濁液を 2,000 xg、 10分間の遠心にかけ、 プロトプラスト細胞を集めると 共に、 上清を細胞壁画分 (CW) とした。
上記の様にして得られたプロトプラスト細胞に滅菌生理食塩水を 140 m 1加え
(この懸濁液 l m lあたりプロトプラスト細胞は約 1 X 1 09 個) 、 充分攪拌し た後、 氷上に 10分間静置した。 プロトプラスト細胞がバーストしたことを確認後 、 10,000xg、 30分間遠心し、 得られた沈殿を不溶性画分 (LS Pという) とし た。 遠心上清をさらに 100, 000 xg、 60分間遠心し、 その結果得られた遠心上清 を可溶性画分 (HSSという) とした。 LSPを 1 4 0m 1の生理食塩水に懸濁 後、 超音波処理し、 さらに沸騰水浴下、 5分間加熱処理して殺菌し、 膜タンパク 質等を含有する LSP抗原液とした。 また、 CWについても同様に超音波処理、 加熱処理を行って CW抗原液を得た。 なお HSSについては、 そのままの液を H SS抗原液とした。
上記のようにして得られた LSP抗原液のタンパク質濃度は 2.3 mg/m l、 HS S抗原液のタンパク質濃度は 3.5 mgZm l、 CW抗原液のタンパク質濃度は 2 . l mgZm lであった (タンパク質量は BSA を標準としてビシンコニン酸 (BC A ) 試薬により定量した) 。 抗原成分として得られた CW抗原液、 LSP抗原液、 HSS抗原液を、 各々の タンパク質濃度が 10 g 1 となるように PBS で希釈後、 ィムノ 'モジュール [ヌンク (Nunc) 社製] に 50 z lずつ加え、 4°Cにー晚放置し、 各ィムノ ,モジ ユールをそれぞれの抗原でコーティングした。 1重量%牛血清アルブミンを入れ た PBS溶液で、 コーティングされたィムノ ·モジュールのブロッキング処理を行 つた。 次いで、 60倍に希釈した抗カンジダ血清又はコントロール血清をィムノ · モジュールに 50 1加え、 37°Cで 1時間ィンキュベートした後、 パーォキシダー ゼ標識抗マウス I gG抗体 (2000倍希釈) と 37°Cで 1時間インキュベートした。 インキュベート後、 PBS で洗浄し、 次いで基質溶液を加えた。 15分後、 405nmで の吸光度を測定した。 該吸光度が高いほど抗原を認識する抗体量が多い、 即ち抗 原に対する抗体価が高い事を示す。 その結果を表 2に示す。 なお、 上記コント口 一ル血清は生菌の代わりに生理食塩水を用いて該生理食塩水と等量の C F Aを混 合したものを 1週間隔で 3回皮下接種により投与したマウスの血清より調製した
表 2
吸光度
抗原画分
抗カンジダ血清 コントロール血清
CW 0. 0 1 3 0. 0 0 6
LSP 0. 0 5 1 0. 0 0 6
HSS 0. 2 3 7 0. 0 0 6 表 2より明らかなように、 抗カンジダ血清は HSSに対する抗体価が最も高い が、 LSPに対しても抗体価を有していることが明らかとなった。 CWに対する 抗体価は低かった。
実施例 3. C. アルビカンス cDNA発現ライブラリ一による抗原タンパク質のスク リ一二ング
1 ) C. アルビカンスの cDNA発現ライブラリーの作製
C. アルビカンス TI M1768株の cDNA発現ライブラリーを作製するため、 菌体よ り全 RNAを抽出、 精製した。 すなわち、 上記の菌を 200 m l YPD培地で 35 'C で培養後、 遠心 (20 0 Orpm、 5分間) により菌体を回収し、 一度蒸留水で洗 浄した。 菌体を液体窒素により急速凍結し、 乳鉢により凍結菌体を粉末状に破砕 した。 この菌体粉末より、 RNA ェクストラクシヨンキット [フアルマシア (Ph a rma c i a) 社製) ] を用いて全 RNAを回収、 精製した。 この全 RNAか らオリゴテックス一 dT 30くスーパ一 > (宝酒造社製) を用いて、 ボリ (A) + RNAを調製した。 cDNA合成キット (宝酒造社製) を用いて、 ポリ (A) + R NA5 zgから cDNAを合成した。 合成された c DNAをラムダファージべク 夕一; ISCREEN-1 [ノヴァジヱン (Novagen ) 社製] と連結した後、 Phage Maker ™ System P agePack Extract (ノヴァジェン社製) によりインビトロパッケ一 ジングを行い c DNAライブラリーを構築した。
2) C. アルビカンス生細胞免疫による抗カンジダ血清と認識する抗原タンパク 質のィムノスクリ一ニング
C. アルビカンス生細胞免疫による抗血清と反応するタンパク質を発現してい るファージクローンをィムノスクリーニングにより検出した。 なお、 ファージべ クタ一; ISCREEN-1を用いて作成された c DNAライブラリ一において、 その c D N Aは T 7夕グ配列等を含むぺプチドとの融合タンパク質または c D N A内の翻 訳開始コドンから始まるポリペプチドとして発現した。
すなわち、 cDNAライブラリーを宿主大腸菌 BL21(DE3)pLysE株に接種し、 トップァガロース (0. 7重量%ァガロースを含む LB培地) と混合後、 2 XYT (1.6重量%パクトトリプトン、 1重量%イーストエキストラクト、 0.5 重量% NaCl ) プレート上に重層し、 37°C、 6時間培養することにより、 ファージブ ラークを形成させた。 生じたプラーク上にナイロンメンブレン [Hyb on d— N、 アマシャム (Ame r s ham) 社製] を重ね、 4てで一夜静置した後、 3 7°Cで 4時間保温した。 メンブレンをプレートから剝がし、 PBST (組成は 1 0 OmM NaC l, 1 0 mMリン酸バッファ一 ρ H 7. 5, 0. 1 %Twe e n 20) で 1 0分間洗浄した後、 そのメンブレンを適当量のブロックエース ( 大日本製薬社製) に浸すことによりブロッキングした。 一夜室温で放置後、 この メンブレンを実施例 2— 1 ) で調製した抗カンジダ血清 (5 00倍希釈液) と 3 時間室温でインキュベートした。 インキュベート後洗浄し、 次いでバーオキシダ ーゼ標識抗マウス I gG抗体 ( 1 ひ 00倍希釈) と 1時間室温でインキュベート した。 インキュベート後洗浄し、 次いで SuperSignal Substrate Western Blotti ng [ピアス (Pierce) 社製] により発光させ、 抗カンジダ血清と反応するファー ジプラークを検出した。
5 X 1 04 個のプラークをスクリーニングした結果、 抗血清と反応するファー ジプラークは 1 0 0〜1 5 0個存在した。 これらのうち、 特に強く反応したブラ —クに注目し、 さらにクローニングを行った。 クローニングされたファージを宿 主大腸菌 BM25.8株に接種することにより、 大腸菌内でォ一トマチックサブクロー ニングがおこり、 ファージ DNA に存在する cDNAを含む領域がプラスミ ド DN Aへ自動的にサブクロ一ニングされた。 このプラスミ ドを含む大腸菌からプラス ミ ドを精製し、 cDNAの塩基配列を決定した。 塩基配列の解析の結果、 2クロ —ンはサッカロミセス ·セレピシェ (S. セレピシェ) のトリオ一スフォスフエ 一トイソメラ一ゼ (triosephosphate isomerase ) とホモロジ一を有する新規遺 伝子であり、 全長の c DN Aを有していた。 さらに、 S. セレピシェのリシル t RNAシンテタ一ゼ (lysy卜 tRNA synthetase ) と S. セレピシェの第 3染色体 の DNA 9 8とホモロジ一を有する新規遺伝子もそれぞれ 1 クローン存在した。 これらの cDNAはそれぞれの遺伝子の一部分を含んでおり、 この領域内に抗血 清と反応する抗原決定基が存在していることが明らかとなった。 上記の新規遺伝子である s. セレピシェのトリオースフォスフエ一トイソメラ ーゼホモログ遺伝子、 S. セレピシェリシル t RNAシンテターゼホモログ遺伝 子及び S. セレピシェ第 3染色体の DNA 9 8のホモログ遺伝子の塩基配列は各 々配列表の配列番号: 1 0、 配列番号: 1 1、 配列番号: 1 2に示す通りであり 、 この塩基配列よりこれらの核酸は各々配列表の配列番号: 1、 配列番号: 2、 配列番号: 3に示したアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードしている。
3) 吸収抗カンジダ血清による C. アルビカンス抗原タンパク質のスクリーニン グ
C. アルビカンス生細胞免疫血清由来の吸収抗血清を用いて、 上記 1 ) 記載の cDNAライブラリ一より C. アルビカンス抗原タンパク質のィムノスクリー二 ングを行った。 すなわち、 抗カンジダ血清と HSSと CWを 1 : 1 : 1 (vZv /v) に混合した溶液を作製し、 これを吸収抗血清とした。
この吸収抗血清を用いて、 実施例 3— 2) と同様の方法により抗原分子のスク リーニングを行った。 用いた抗血清は、 吸収抗血清の 50 0倍希釈液である。 こ の抗血清と反応するファージプラークについて、 さらにクローニングを行った。 クローニングされた c DNAの塩基配列の解析の結果、 1 クローンは S. セレビ シェの E G D 2遺伝子とホモロジ一を有する新規遺伝子をほとんど全長含んでお り、 1クローンは ATP シンターゼ デルタ鎖 (ATP synthase delta chain) とホ モロジ一を有する新規遺伝子の一部分であることが明らかとなった。 得られた塩 基配列情報を各々配列表の配列番号: 1 3、 配列番号: 1 4に示す。 また、 この 塩基配列は各々配列表の配列番号: 4、 配列番号: 5に示したアミノ酸配列を有 するポリべプチドをコ一ドしている。
また、 既知の HSP 70 SSBタイプの cDNAの一部分を含むクローンが 4クローン得られ、 各々 C末側の 294アミノ酸、 1 62アミノ酸、 1 1 8アミ ノ酸、 1 0 1アミノ酸をコードしている c DNAであった。 この結果、 HSP 7 0 SSBタイプ抗原は、 C末側の 1 1 8アミノ酸の領域内に抗血清と反応する 抗原決定基が存在していることが明らかとなった。 最も長い 2 9 4アミノ酸をコ ードする HSP 7 0 S SBタイプ遺伝子の塩基配列、 及び該塩基配列から推定 されるアミノ酸配列は各々配列番号: 1 8、 配列番号: 9に示す通りである。 次に、 HSSを加えて得られた吸収抗血清に対しては陽性であるが、 HSSと CWを加えて得られた上記の吸収抗血清に対しては陰性のファージプラークが存 在していたので、 これらプラークの c DNAを上記 2) と同様の方法により解析 した。 2クローンが S. セレピシェの BMH 2遺伝子とホモロジ一を有する新規遺 伝子を全長含んでおり、 1クローンは S. セレピシェのリボソームタンパク質の L 7遺伝子とホモロジ一を有する新規遺伝子をほとんど全長含んでいた。 1クロ ーンは S. セレピシェの YNL 0 8 3W とホモロジ一を有する新規遺伝子の一部分 ( 1 1 5アミノ酸) を含んでいた。
これらの新規遺伝子である S. セレピシェの BMH 2ホモログ遺伝子、 S. セレ ピシェのリボソームし 7タンパク質ホモログ遺伝子、 S. セレピシェの YNL 0 8 3W ホモログ遺伝子の塩基配列は各々配列表の配列番号: 1 5、 配列番号: 1 6 、 配列番号: 1 7に示す通りであり、 この塩基配列よりこれらの遺伝子は各々配 列表の配列番号: 6、 配列番号: 7、 配列番号: 8に示したアミノ酸配列を有す るポリべプチドをコ一ドしている。 実施例 4. C. アルビカンス感染抵抗性哺乳類由来の抗血清に認識される抗原タ ンパク質の製造
実施例 3— 2) 及び 3— 3) において得られた cDNAは、 S. セレピシェの YNL 0 8 3 W とホモロジ一を有する遺伝子以外は全て、 融合タンパク質として発 現していた。 YNL 0 8 3W とホモロジ一を有する遺伝子は c DN A内の開始コド ン (ATG) よりポリペプチドを発現していた。 融合タンパク質の発現を示す一 例としてトリオースフォスフエ一トイソメラーゼ (TP I ) とホモロジ一を有す る遺伝子と、 リシル t RNAシンテクーゼとホモロジ一を有する遺伝子より発現 されるボリべプチドを明らかにした。
すなわち、 実施例 3— 2) において得られた TPI とホモロジ一を有する遺伝子 を含むプラスミ ド、 及びリシル t RNAシンテターゼとホモロジ一を有する遺伝 子を含むプラスミ ドを、 それぞれ大腸菌 BL 21 (DE 3) pLysSへ形質転 換し、 形質転換体を得た。 これらの形質転換体をアンピシリンを含む LB培地に 植菌し、 37°Cで 3. 5時間培養した。 I PTG (イソプロピル— 1一チォー —D—ガラクトシド) を終濃度 ImMとなるように添加し、 さらに 2. 5時間培 養を続けた。 培養液を遠心し菌体を回収、 洗浄後、 菌体を 30 1の 1 xSDS サンプルバッファーに懸濁した。 100 で、 5分間加熱処理した後、 遠心し、 そ の上清の一部分を SDS—ポリアクリルアミ ドゲル (12.5%ゲル) 電気泳動にか け、 ポリペプチドの発現を確認した。
発現する融合タンパク質の予想分子量は TPI ホモログが 63kDa (TPI ホモ ログ 27 kDa+T7タグ領域 36 kD a) で、 リシル t RN Aシンテターゼホ モログは 50 kD a (リシル t RNAシンテターゼホモログ 14 kDa+T7夕 グ領域 36 kDa) である。 これらの融合タンパク質は予想された分子量のポリ ぺプチドとして発現していることが第 1図より明らかとなった。
第 1図のレーン 1におけるサンプルはリシル tRNAシンテ夕一ゼホモログ遺伝子 を導入した形質転換体の発現誘導前 (IPTG添加前) 、 レーン 2におけるサンプル は誘導後 (IPTG添加後) より得られたポリペプチドである。 レーン 3におけるサ ンプルは TPI ホモログ遺伝子を導入した形質転換体の発現誘導前、 レーン 4にお けるサンプルは誘導後より得られたポリペプチドである。 産業上の利用可能性
本発明の抗原タンパク質は力ンジダ ·アルビカンス感染抵抗性哺乳類由来の抗 血清に認識される抗原であり、 カンジダ 'アルビカンス感染の治療及び診断に有 用である。 また、 本発明の核酸は本発明の抗原タンパク質をコードするものであ り、 カンジダ 'アルビカンス感染の治療及び診断に有用である。

Claims

請 求 の 範 囲
1 . カンジダ ·アルビカンス感染抵抗性哺乳類由来の抗血清により認識される ことを特徴とする、 抗原タンパク質。
2 . 抗原タンパク質が、
(A— 1 ) 配列番号: 1〜9に示されるアミノ酸配列のいずれかを有するボリ ぺプチド、
(A— 2 ) 配列番号: 1〜9に示されるアミノ酸配列のいずれかにおいて、 1 個以上のァミノ酸が欠失、 置換、 挿入又は付加されたァミノ酸配列を有するポリ ぺプチド、
(A— 3 ) 配列番号: 1 0〜1 8に示される塩基配列のいずれかを有する核酸 にコードされるポリペプチド、 又は
(A— 4 ) 配列番号: 1 0〜1 8に示される塩基配列のいずれかにおいて、 1 個以上の塩基が欠失、 置換、 挿入又は付加された塩基配列を有する核酸にコード されるポリべプチドである、 請求項 1記載の抗原タンパク質。
3 . 請求項 1又は 2記載の抗原タンパク質と免疫学的に同等な抗原タンパク質
4 . カンジダ ·アルビ力ンス感染抵抗性哺乳類由来の抗血清により認識される 抗原タンパク質をコ一ドする核酸。
5 . 核酸が、
( B— 1 ) 配列番号: 1〜9に示されるアミノ酸配列のいずれかを有するボリ ペプチドをコードする核酸、 (B— 2) 配列番号: 1〜9に示されるアミノ酸配列のいずれかにおいて、 1 個以上のアミノ酸が欠失、 置換、 挿入又は付加されたアミノ酸配列を有するポリ ペプチドをコードする核酸、
(B- 3) 配列番号: 1 0〜1 8に示される塩基配列のいずれかを有する核酸
(B- 4) 配列番号: 1 0〜1 8に示される塩基配列のいずれかにおいて、 1 個以上の塩基が欠失、 置換、 挿入又は付加された塩基配列を有する核酸、 又は
(B— 5) (B— 1 ) 〜 (B— 4) いずれか記載の核酸または該核酸に相補的 な核酸に、 ストリンジェントな条件下でハイブリダィズする核酸である、 請求項 4記載の核酸。
6. 請求項 4又は 5記載の核酸を含有してなるベクタ一。
7. 請求項 6記載のベクタ一によつて形質転換されてなる形質転換体。
8. 請求項 7記載の形質転換体を、 請求項 4又は 5記載の核酸にコードされる 抗原タンパク質の発現可能な条件下で培養することを特徴とする、 カンジダ*ァ ルビカンス感染抵抗性哺乳類由来の抗血清により認識される抗原タンパク質の生 産方法。
9. 請求項 1〜 3いずれか記載の抗原タンパク質、 又は請求項 8記載の生産方 法により得られる抗原タンパク質を含有することを特徴とする医薬組成物。
1 0. 請求項 1〜3いずれか記載の抗原タンパク質、 又は請求項 8記載の生産 方法により得られる抗原タンパク質を含有することを特徴とする診断用組成物。
1 1 . 請求項 4又は 5記載の核酸を含有することを特徴とする医薬組成物。
1 2 . 請求項 4又は 5記載の核酸を含有することを特徴とする診断用組成物。
1 3 . 請求項 1〜3いずれか記載の抗原タンパク質に特異的に結合する抗体又 は抗体断片。
1 4 . 請求項 4又は 5記載の核酸に特異的に結合する核酸。
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