WO1998001537A1 - Compositions cellulaires - Google Patents

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WO1998001537A1
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Kiyozo Asada
Haruko Konishi
Nobuto Koyama
Ikunoshin Kato
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Takara Shuzo Co., Ltd.
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Description

明 細 書 細胞組成物 発明の属する技術分野
本発明は、 細胞組成物、 さらに詳しくは、 純化した造血幹細胞の組成物 に関する。 従来の技術
細胞生物学の進歩により、 種々の細胞の生理学的性質ならびにその機能 が明らかにされるにつれ、 細胞そのものを医療目的に使用する方法が開発 されてきた。 例えば、 癌の治療法である化学療法や放射線照射は正常な細 胞、 特に、 骨髄細胞に致命的な障害を与える場合があるが、 その危険性を 低減するために治療前に採取しておいた骨髄細胞を治療後に戻してやる自 己骨髄移植という方法がある。 また、 近年、 遺伝子治療法として、 標的細 胞に、 目的の外来遺伝子を導入し、 標的細胞の形質転換を行う技術が発展 している。 例えば、 骨髄細胞に多剤耐性遣伝子を導入すれば、 骨髄細胞が 多剤耐性を獲得し、 従来、 重篤な骨髄細胞毒性のために使用できなかった 薬剤を用いた癌治療が可能になる。 発明の目的
このように、 適当な細胞を含む組成物、 あるいは適当な修飾を施した細 胞を含む組成物は医療分野において極めて重要である。 しかしながら、 こ れらの標的細胞組成物中に癌細胞が混在していた場合には、 十分な治療効 果は得られない。 特に、 上記のような多剤耐性遺伝子の導入が癌細胞の混 在する細胞組成物に対して行われた場合には、 癌細胞自体も多剤耐性を獲 得する結果となり、 目的の癌治療に逆効果となる。
本発明の目的は、 遺伝子治療に好適な、 癌細胞が実質的に除去された標 的細胞組成物およびその取得方法を提供することにある。
発明の概略
本発明者らは、 癌細胞に特異的にアポトーシスを誘発するアポ卜一シス 誘発剤を使用することにより、 造血幹細胞組成物中に混在する癌細胞のみ が特異的に除去されること、 このアポトーシス誘発剤処理後の造血幹細胞 に、 目的の外来遺伝子を導入することによって、 安全性の確立された遺伝 子治療が可能であることを見出し、 本発明を完成するに至った。
すなわち、 本発明の第 1の態様は、 癌細胞が実質上除去された、 造血幹 細胞を含有する細胞組成物、 ことに、 癌細胞に特異的なアポトーシス誘発 剤を用いて癌細]^を実質的に除去した造血幹細胞を含有する細胞組成物で あり、 代表例として、 当該造血幹細胞を含有する緩衝液が挙げられる。 造血幹細胞の含有量は特に限定するものではなく、 組成物の使用目的に よって決定される。 また、 緩衝液中には、 他の造血細胞、 ス トローマ細胞 等が含有されていてもよく、 造血幹細胞培養基質、 造血幹細胞増殖因子、 幹細胞分化因子、 造血幹細胞保護剤等を含有してもよい。
本発明の第 2の態様は、 癌細胞が実質上除去された、 造血幹細胞を含有 する細胞組成物を取得する方法であって、 癌細胞に特異的なアポ卜一シス 誘発剤を使用して細胞組成物中の癌細胞を選択的に除去する工程を含んで なる方法である。
本発明の第 3の態様は、 癌細胞が実質上除去された、 造血幹細胞を含有 する細胞組成物であって、 該造血幹細胞が外来遺伝子を導入されている細 胞組成物、 ことに、 癌細胞に特異的なアポトーシス誘発剤を用いて癌細胞 を実質的に除去した、 外来遺伝子を導入した造血幹細胞を含有する細胞組 成物である。
アポ一トシスは、 壊死とは異なる細胞死の一様式で、 形態学的には、 核 の凝縮、 細胞縮小、 空胞化、 細胞表面の平滑化、 細胞の断片化等を経て起 こり、 プログラム細胞死の代表的な様式である (日経バイオテク編、 日経 バイオ最新用語辞典、 第 4版、 第 2 1 ~ 2 2頁) 。
本発明によれば、 アポトーシス誘発剤を使用して、 癌細胞に遺伝子導入 を行うという危険なしに、 外来遺伝子を導入した目的の細胞を安全に宿主 に移入することができる。 発明の詳細な説明
本発明において使用されるアポ卜一シス誘発剤は、 癌細胞特異的アポト 一シス誘発作用を有するものであれば、 特に限定するものではなく、 正常 細胞と癌細胞を使用することによって、 その選択性を特定することができ る。 例えば、 硫酸化多糖およびノまたはその分解物を含有するアポトーシ ス誘発剤、 ゥロン酸および Zまたはゥロン酸誘導体を含有する糖化合物お .よび Zまたはその分解物を含有するアポトーシス誘発剤、 式 (1 )
Figure imgf000005_0001
で表される 4 , 5—ジヒ ドロキシー 2—シクロペンテン一 1 一オンを含有 する誘発剤が挙げられる。
アポト一シス誘発剤は、 公知の方法で、 それ自体または公知の医薬用担 体と組み合わせて製剤化されていてもよい。 医薬用担体は、 剤形に応じて 適宜選択することができ、 例えば、 固体製剤の場合は、 乳糖、 白糖、 マン ニッ ト、 デンプン、 カルボキシメチルセルロース、 無機塩糖が使用できる。 上記製剤を、 細胞組成物に溶解または添加することにより、 アポトーシス 誘発剤と細胞とを接触させることができる。
本発明に使用される硫酸化多糖としては、 例えば、 フコィダン、 デキス トラン硫酸等が例示される。
フコィダンとは、 分子中にフコース硫酸を含有する多糖であり、 特に限 定はないが、 例えば、 褐藻植物、 ナマコ等に含有されている (左右田徳郎 監修、 江上不二夫編集、 共立出版株式会社、 昭和 3 0年 1 2月 1 5曰発刊、 多糖類化学、 第 3 1 9頁、 第 3 2 1頁) 。 なお、 褐藻植物由来のフコース 硫酸含有多糖はフコィダン、 フコィジン、 フカンと通称され、 いくつかの 分子種があることが知られているが、 本明細書では、 フコィダンは、 これ らを包含するものとする。 また、 本発明にはフコィダンの分解物も使用す ることができる。 · 本発明において使用するフコィダンとしては、 フコィダン含有物より得 られるフコィダン含有抽出液、 該抽出液よりの精製物を使用することがで きる。 フコィダン含有抽出液の調製方法、 抽出液からの精製方法は公知の 方法で行えばよく、 特に限定するものではない。
また、 フコィダン分解物とは、 フコィダンを酵素化学的方法、 化学的方 法、 物理学的方法で分解して得られるものであり、 公知の酵素化学的方法、 化学的方法、 物理学的方法を使用することができる。 フコィダンを含有する褐藻植物としては、 例えば、 山田幸雄序、 瀬川宗 吉著、 保育社、 昭和 5 2年発刊の原色日本海藻図鑑、 第 2 2〜5 2頁に記 載の褐藻植物があり、 例えば、 ヒバマタ (Fucus evanescens) 、 ガゴメ昆 布 (Kjellmaniella crassifolia)ヽ マ昆布 (Laniinaria japonica; 、 ワカ メ (Undaria pinnatifida)等を使用し、 フコィダンを調製することができ る
フコィダンを含有するナマコとしては、 例えば、 特開平 4一 9 1 0 2 7 号公報記載のナマコがあり、 例えば、 マナマコ (Stichopus japonicus), ニセクロナマコ (Holothuria leucospilota)等を使用することができ、 該 公報記載の方法にて、 フコィダンを調製することができる。
フコィダンを含有する褐藻植物、 ナマコ等は乾燥後、 粉砕処理を行うこ とにより、 フコィダン含有粉体を調製することができる。
さらに、 フコィダン含有粉体から熱水抽出、 希酸抽出を行うことによつ てフコィダン含有抽出液を調製することができる。
フコィダン含有率を高めるための抽出物精製手段としては、 塩化カルシ ゥム、 酢酸バリウム等を用いたフコィダンの分画方法、 塩化セチルピリジ 二ゥム等の酸性多糖凝集剤を用いたフコィダンの分画方法、 塩類の存在下 で酸性多糖凝集剤を用いるフコィダンの分画方法、 ゲルろ過、 イオン交換 クロマトグラフィ一等があり、 必要に応じこれらを組合せて、 精製を行う ことができる。
フコィダンの分解方法としては、 フコィダン分解酵素を使用する方法、 酸分解を行う方法、 超音波処理を行う方法等フコィダン分解方法として公 知の方法を使用することができ、 分解物の精製は上記方法にて行えばよい。 フコィダンは硫酸基を分子中に有しており、 該基は種々の塩基と反応し 塩を形成する。 フコィダン、 その分解物は塩になった状態が安定であり、 通常、 ナトリウムおよびノまたはカリウム等の塩の形態で単離される。 こ れらの物質の塩はダウエックス 5 0 W等の陽イオン交換樹脂で処理するこ とによって遊離の硫酸基を有するフコィダンおよびその分解物に導くこと が可能である。 また、 これらは、 さらに必要に応じ、 公知慣用の塩交換を 行い、 所望の種々の塩に交換することができる。 フコィダン、 それらの分 解物の塩としては、 薬学的に許容される塩が用いられ、 例えば、 カリウム、 ナトリウム等のアルカリ金属塩、 カルシウム、 マグネシウム、 ノくリウム等 のアルカリ土類金属塩、 ピリジニゥム等の有機塩基との塩、 アンモニゥム 塩等が挙げられる。
フコィダンの分子種の中にはフコースを主成分とする一群と、 ゥロン酸 を数%含み構成糖にフコースゃマンノースを多く含む一群の分子種がある。 以下、 本明細書においてはゥロン酸を実質的に含まない方をフコィダン一 Fと称し、 ゥロン酸を含むフコィダンをフコィダン一 Uと称し、 両者の混 合物を単にフコィダンと記載する。
本発明においてはフコィダン一 Fとフコィダン— Uをそれぞれ単独で用 いても良く、 また併用して用いても良い。
. すなわち、 本発明において使用するアポトーシス誘発剤は、 例えば; 実 施例 1に記載のように調製した下記理化学的性質のフコィダン一 Uを含有 する。
( 1 ) 構成糖: フコース、 マンノース、 ガラク トースを主体とし、 ゥロン 酸を含有する。
( 2 ) フラボパクテリゥム (Flavobacterium) sp. S A— 0 0 8 2 (FER BP- 5402) の生産するフコィダン分解酵素により低分子化する。
また、 本発明で使用するアポトーシス誘発剤は、 例えば、 実施例 2に記 載のように調製した下記理化学的性質のフコィダン一 Fを含有する。
( 1 ) 構成糖: フコースを主体とし、 ゥロン酸を実質的に含有しない。
( 2 ) フラボバクテリゥム (Flavobacterium) sp. S A - 0 0 8 2 (FER BP-5402) の生産するフコダイン分解酵素により実質上低分子化されな い。
フコィダンをフコィダン分解性の微生物、 例えば、 上記フコィダン分解 酵素生産性のフラボパクテリゥム sp. S A— 0 0 8 2により処理すること により、 フコィダンの微生物分解物を調製することができる。
また、 上記フコィダン一 Uをフコィダン分解酵素、 例えば、 フラボパク テリゥム sp. S A - 0 0 8 2の生産するフコィダン分解酵素で処理するこ とにより、 フコィダン一 Uの酵素分解物を調製することができる。 また、 これらの分解物より、 各々の分解物の分子量分画物を調製することができ る o
なお、 一般にフコィダンは酸やアルカリに対して弱いため、 酸性溶液や アルカリ性溶液を使用する場合、 低分子化が進行し易い。 加熱温度、 時間、 p H等を調整することにより、 任意の分解物を調製することができ、 例え ば、 ゲルろ過処理、 分子量分画膜処理等により、 分解物の平均分子量、 分 子量分布等を調整することができる。 また、 フコィダンの分子量および糖 組成はフコィダンの原料の収穫期、 該原料の乾燥方法、 該原料の保存方法 により異なり、 また、 フコィダンの抽出時の加熱条件、 P H条件等により 異なる。 例えば、 酸によりフコィダンは加水分解され、 アルカリ条件下で はゥロン酸の 5—脱離により、 低分子化が進行する。 したがって、 本明細 書に記載したフコィダン一 U、 フコィダン— Fの場合においても、 その分 子量、 分子量分布はその 1例にすぎず、 フコィダンの処理条件により、 そ の分子量、 分子量分布は容易に変化させ得る。 例えば、 弱アルカリ性で 1 0 0 °C 1時間加熱し、 脱塩に際し、 ポアサイズ 3 0 0の分子ふるい膜を 使用すれば、 分子量分布 1 0 0 0から 1万程度のフコィダン、 フコィダン 一 U、 フコィダン— F等が調製できる。 使用する条件によって任意の分子 量、 分子量分布のフコィダンを調製でき、 本発明において、 これらのフコ イダンを含有するアポトーシス誘発剤を使用することができる。
フコィダンまたはその分解物を癌細胞の培養液に 1 g /m 1以上の濃 度で添加すれば、 添加後 1曰から数日で癌細胞はアポトーシスを起こし、 フコィダン、 その分解物が強いアポトーシス誘発作用を有することが確認 される。 なお、 これらの物質は正常細胞にはアポトーシスを誘発せず、 毒 性も示さない。 特に、 食用褐藻植物、 ナマコ由来のフコィダン、 その分解 物は天然由来物質であり、 安全性が高く、 マウスに経口投与を行っても毒 性は認められない。
フコィダンをアポトーシス誘発剤として使用する場合は、 フコィダンお よび/またはその分解物を公知の医薬用担体と組合せ製剤化して、 所望の 細胞と接触させればよい。
デキス トラン硫酸は、 微生物、 例えば、 ロイコノス ト ック · メ ッセンテ ロイテス (Leuconostoc mesenteroides) によって生産される α— 1 , 6 結合した D—グルコビラノースのポリマーであるデキス卜ランの硫酸-エス テルであり、 本発明においては市販のデキストラン硫酸を使用することが できる。
デキストラン硫酸またはその加熱処理物を癌細胞の培養液に添加すると、 添加後 1日から数日で癌細胞はアポトーシスを起こし、 デキストラン硫酸 およびその加熱処理物がアポトーシス誘発作用を有することが確認される。 これをアポトーシス誘発剤として使用する場合には、 公知の医薬用担体と 組合せ製剤化して、 所望の細胞と接触させればよい。 また、 本発明で使用するゥロン酸および/またはゥロン酸誘導体を含有 する糖化合物とは、 分子中にゥロン酸および Zまたはゥロン酸誘導体を含 有する多糖、 オリゴ糖、 単糖より選択される糖化合物であり、 アポトーシ ス誘発性を有すれば特に限定するものではない。
分子内にゥロン酸および またはゥロン酸誘導体を含有する多糖として は例えばべクチン、 ぺクチン酸、 アルギン酸、 ヒアルロン酸等が挙げられ o
分子内にゥロン酸および Zまたはゥロン酸誘導体を含有するォリゴ糖と しては、 上記多糖由来のオリゴ糖が例示され、 公知の方法により製造する ことができる。 また合成法により合成されるオリゴ糖も本発明に包含され るものである。
ゥロン酸またはゥロン酸誘導体としては、 ガラクッロン酸、 グルクロン 酸、 マンヌロン酸、 これらのラク トン、 これらのエステル、 例えば、 メチ ルエステル、 およびこれらのアミ ドが例示され、 公知の方法により製造す ることができる。
本発明に使用するアポト一シス誘発性を有する、 ゥ口ン酸およびノまた はゥロン酸誘導体を含有する糖化合物は、 ゥロン酸および Zまたはゥロン 酸誘導体を含有する糖化合物を原料とし製造することができる。 その原料 の起源、 製造方法に関して特に限定するものではないが、 例えば、 ゥロン 酸および またはゥロン酸誘導体を構成成分とする多糖、 例えば、 ぺクチ ン、 ぺクチン酸を原料として使用することができる。 また、 該糖化合物の 製造においてはその方法は問わないが、 例えば、 原料物質よりの化学的、 酵素的、 物理的な単独または組合わせての製造方法が挙げられる。
本発明に使用する糖化合物の製造における化学的な処理方法としては、 例えば、 室温〜 2 0 (TCで数秒〜数時間、 好ましくは、 5 0〜 1 3 0 °Cで 数秒〜 60分処理すれば良く、 ぺクチンの場合、 例えば、 pH6. 8、 9 5 °Cで数分〜数十分処理することにより ^一脱離反応が生じ、 235 nm 付近の吸光度が增大した不飽和ゥ口ン酸および/または不飽和ゥ口ン酸誘 導体を有する糖化合物が得られる。 本発明の糖化合物はゥロン酸および またはゥロン酸誘導体を含有する多糖類の yS—脱離反応により生成する非 還元末端に不飽和ゥ口ン酸および Zまたはゥロン酸誘導体を含有する糖化 合物が含まれる。
本発明に使用する糖化合物の製造における酵素学的な処理方法としては、 ゥロン酸および またはゥロン酸誘導体含有多糖加水分解酵素によるゥロ ン酸および またはゥロン酸誘導体含有多糖の公知の分解が挙げられる。 また、 ゥロン酸および/またはゥ口ン酸誘導体含有多糖リア一ゼによるゥ ロン酸および またはゥロン酸誘導体含有多糖の公知の分解が挙げられる。 例えば、 ぺクチン、 ぺクチン酸の場合、 各々、 公知のぺクチンリアーゼ (E C 4. 2. 2. 10) 、 ぺクチン酸リアーゼ (EC 4. 2. 2. 2) 、 ェ キソポリガラクッロン酸リアーゼ (E C 4. 2. 2. 9) で分解すること によって、 非還元末端に 4ーデォキシー Lースレオーへキサ一4—エノピ ラノシル♦ゥロネートまたはそのメチルエステルを有する本発明に使用す る糖化合物が得られる。 また、 ヒアルロン酸の場合はヒアルロン酸リア一 ゼ (EC 4. 2. 2. 1) 、 アルギン酸の場合はアルギン酸リアーゼ (E C 4. 2. 2. 3) が使用される。
本発明に使用する糖化合物の製造における物理的な処理方法としては、 近赤外線、 赤外線、 マイクロ波、 超音波処理等が挙げられ、 例えば、 ぺク チンおよび Zまたはべクチン酸を p H中性またはアル力リ性の溶液中に入 れ、 温度は適宜、 室温以上で、 適宜還元下、 例えば、 ァスコルビン酸存在 下で、 時間は 1秒以上、 好ましくは 5秒〜 1時間の超音波処理をし、 振動 エネルギーを与えることが挙げられる。 なお、 超音波以外にもマイクロ波、 近赤外線、 赤外線等の照射も有効で、 これらを組合せ照射しても良い。 照 射は連続的に行っても良く、 断続的に行っても良い。
本発明に使用するアポトーシス誘発性を有する、 ゥロン酸および/また はゥ口ン酸誘導体を含有する糖化合物の分解物とは、 ゥ口ン酸および Zま たはゥ口ン酸誘導体を含有する糖化合物を原料とし製造することができる。 該分解物の製造においてはその方法は問わないが、 例えば、 原料物質より の化学的、 酵素的、 物理的な単独または組合わせての製造方法が挙げられ る。
本発明において使用する上記分解物としては、 例えば、 ゥロン酸および ノまたはゥロン酸誘導体を含有する糖化合物の加熱処理物がある。
本発明に使用する上記加熱処理物の製造における加熱処理方法としては、 糖化合物を、 例えば、 6 0〜3 5 0 °Cで数秒〜数日、 好ましくは 8 0〜1 5 0 °Cで数分〜数日加熱処理すればアポ卜一シス誘発性を有する加熱処理 物が得られる。
糖化合物として使用されるべクチンとしては特に限定されるものではな く、 例えば、 柑橘類の果皮およびリンゴの果実より抽出される高分子の多 糖類を使用することができる。 工業的なぺクチン製造の原料はフルーツで、 レモン、 ライム等の柑橘類の搾汁粕 (主として内果皮) が用いられるほか、 リンゴの搾汁粕も用いられている。 搾汁柏には主として不溶性のプロ トぺ クチンが含まれており、 製造の段階でこれを可溶化 (抽出) し、 ぺクチン を調製する。 可溶化は酸性の温水〜熱水で抽出することにより行うことが でき、 抽出時の温度、 p H、 時間条件を原料に合せコントロールすること により、 分子量やエステル化度の一定なぺクチンを高収量で製造すること ができる。 抽出液は遠心分離やろ過によって精製し、 濃縮後アルコールを 添加してぺクチンを沈殿させ回収することができる。 沈殿は乾燥、 粉砕後、 所定の乾燥べクチンを調製することができる。
ぺクチンの主構造は、 部分的にメチル化されたガラクッロン酸のポリマ 一である。 カルボキシル基はメチルエステル化されたり、 フリーの酸のま ま力、、 あるいはアンモニゥム塩化、 カリウム塩化、 またはナトリウム塩化 されている。 ぺクチンはメチルエステル化度 (DM度:全カルボキシル基 に対するメ トキシル基の割合) によって、 DM度の高い HMぺクチンおよ び DM度の低い LMぺクチンに分類され 〔吉積智司ほか編、 (株) 光琳発 行、 新食品開発用素材便覧、 第 114〜 119頁 (1991) 〕 、 本発明 においては市販の食品添加物べクチン 〔外山章夫編、 食品と科学社発行、 天然物便覧、 第 12版、 第 138頁 (1993) 〕 、 市販の HMぺクチン、 LMぺクチン等 (前出の新食品開発用素材便覧) を使用することができる。 本発明にはべクチン、 ぺクチン酸の分解物も使用することができる。 ぺ クチンの分解方法としては酸処理、 アル力リ処理等の化学的に分解する方 法、 超音波処理、 熱処理、 加圧処理、 加圧熱処理など物理的に分解する方 法、 あるいは酵素的に分解する方法等が挙げられる。
. 本発明において使用するゥロン酸および Zまたはゥロン酸誘導体を含有 する糖化合物および/またはその分解物とはその薬学的に許容される塩を 包含する。
アポトーシス誘発剤として使用するには、 ゥロン酸および/またはゥロ ン酸誘導体を含有する糖化合物および Zまたはその分解物を公知の医薬用 担体と組合せ製剤化すれば良い。
ゥロン酸および またはゥロン酸誘導体を含有する糖化合物および _ ま たはその分解物を癌細胞の培養液に添加すれば、 添加後 1曰から数日で癌 細胞がアポトーシスを起こす。 また、 正常細胞に対しては毒性を示さない。 本発明のゥロン酸および またはゥロン酸誘導体を含有する糖化合物お よび Zまたはその分解物は天然由来物質であり、 マウスに経口投与、 非経 口投与を行っても毒性は認められない。
本発明に使用するアポトーシス誘発活性を有する式 (1) で表される 4, 5—ジヒ ドロキシー 2—シクロペンテン一 1一オン (以下、 単にシクロべ ンテノンと称す) は化学合成法 [カーボハイ ドレー卜 リサーチ (Ca r b ohy d r a t e Re s. ) 、 第 247巻、 第 217〜 222頁 (1 993) 、 ヘルべチカ キミ力 ァク夕 (He l v e t i c a Ch i m i c a Ac t a) 、 第 55巻、 第 2838〜 2844頁 (1972) ] で合成することができ、 そのトランス体、 シス体も本発明に使用すること ができる。
また、 D—グルクロン酸の水溶液を 121 で 4時間加熱処理すること により、 加熱処理物中にシクロペンテノンが生成される。 この加熱物中の シクロペンテノンを溶媒で抽出し、 抽出物を濃縮する。 ついで、 この濃縮 物をシリカゲルカラムクロマトグラフィ一で分離し、 溶出するシク口ペン テノン画分を濃縮し、 濃縮物からシクロペンテノンをクロ口ホルムで抽出 し、 抽出濃縮物の順相カラムクロマトグラフィーを行うことにより、 精製 シクロペンテノンを得ることができる。
シクロペンテノンの物性を下記に示す。 なお、 シクロペンテノンの質量 分析は DX 302質量分析計 (日本電子社製) を用いて行った。 また、 重 クロロホルム溶媒を用いた NMRスぺク トルの測定は J NM- A 500 (曰 本電子社製) を用いた。 比旋光度は D I P— 370型旋光計 (日本分光社 製) 、 UV吸収スペク トルは UV— 2500分光光度計 (島津製作所社製) 、 赤外吸収スぺク トル ( I R) は FT I R— 8000赤外分光光度計 (島 津製作所社製) をそれぞれ用い、 測定した。
MS mノ z 1 15 [M + H] 4
•H-NMR (CDC】 3 )
64. 20 (1 H, d, J = 2. 4H z, H— 5) 、 4. 83 (1 H, m, H— 4) 、 6. 30 (1 H, d d, J - 1. 2, 6. 1 H z, H- 2) 、 7. 48 (1 H, d d, J = 2. 1. 6. 1 H z, H - 3)
ただし、 'H— NMRの化学シフ 卜値は CHC 13 の化学シフ ト値を 7. 26 P pmとして表した。
旋光度: [ひ] D20 0 ° ( 1. 3、 水)
I R (KBr法) : 3400、 1715、 1630、 11 15、 106 0、 1025 cm'1 に吸収を有する。
UV: Ama x 215 nm (水) シクロペンテノンをアポトーシス誘発剤として使用するには、 シクロべ ンテノンを公知の医薬用担体と組合せ製剤化すれば良い。
シクロペンテノンを癌細胞の培養液に添加すれば、 添加後 1曰から数日 で癌細胞がアポトーシスを起こす。 また、 正常細胞に対しては毒性を示さ ない。
本発明に使用するシクロペンテノンはマウスに毒性を示さない。
造血幹細胞は、 1個の細胞から赤血球、 顆粒球、 血小板、 リンパ球など の成熟血液細胞を作出す能力 (多分化能) を有するとともに、 自己複製能 を持つ細胞である。
造血幹細胞は ( 1 ) 造血幹細胞を欠く宿主の造血系の再生、 ( 2 ) 薬物 の投与または放射線照射等の治療に先立つて疾病宿主より骨髄を取り出し て調製した造血幹細胞を、 治療後の宿主に再移植する治療、 (3 ) 種々の 造血細胞の生産、 (4 ) 自系造血幹細胞への遺伝子導入による疾病の治療 等に用途を有する。
造血幹細胞を得るには、 骨髄または他の造血源中の細胞集団中から多能 性の造血幹細胞を単離、 調製する必要がある。 まず、 骨髄細胞は骨髄源、 例えば、 腸骨稜、 脛骨、 大腿骨、 脊椎または他の骨腔 (bone cavity) か ら得ることができる。 造血幹細胞の他の入手源は胚卵黄包、 胎児肝臓、 胎 児および成体の脾臓、 成体末梢血液および臍帯血をはじめとする血液を包 含する。
造血幹細胞の単離、 組成物の調製方法としては公知のいずれの方法も使 用することができるが、 現在最も簡便で効率の良い造血幹細胞組成物の調 製方法は、 特開平 7— 3 1 3 1 5 0号公報に記載の造血幹細胞の調製方法 であり、 該公報に記載の方法によりヒ 卜造血幹細胞の実質上均質な組成物 を調製することができる。 例えば、 抗体で被覆した磁性ビーズを用いる磁 気分離、 ァフィ二ティ一クロマトグラフィー、 モノクローナル抗体の使用 等により、 所望の細胞を含む画分を得、 これを蛍光活性化セルソーターに よりさらに分けて、 所望の細胞を得、 緩衝剤培地に懸濁する。
. 単離された、 造血幹細胞を含有する組成物はその目的に応じ使用するこ とができる力 該組成物中に癌細胞が混入していれば、 その使用方法によつ ては種々の問題が生じうる。
かく して、 本発明では、 癌細胞に特異的なアポトーシス誘発剤を使用す ることによって、 造血幹細胞組成物中に混在する癌細胞のみを消滅させる ことに成功したものである。
本発明に使用するアポトーシス誘発剤は、 癌細胞にアポトーシスを誘発 させ、 癌細胞のみを消滅させる濃度で使用することができる。 アポト一シ ス誘発剤は造血幹細胞の培養液中に添加すればよく、 また、 造血幹細胞組 成物の調製時のいずれかの工程において添加すればよいが、 調製後の造血 幹細胞組成物に添加するのがもつとも効率が良い。
本発明の細胞組成物は、 このようにして得られた造血幹細胞を含有する 組成物で、 自体公知の方法によって製造でき、 造血幹細胞の含有量は特に 限定するものではなく、 組成物の使用目的によって決定される。 また、 他 の造血細胞、 ストローマ細胞等が含有されていてもよく、 造血幹細胞培養 基質、 造血幹細胞増殖因子、 増殖幹細胞分化因子、 造血幹細胞保護剤等を 含有してもよい。
本発明によれば、 現在癌細胞の除去された造血幹細胞組成物の調製がもつ とも困難なマルチプル ミエローマ (multiple myeloma) 患者の末梢血 [ブ ラッ ド (Blood) 、 第 8 6巻、 第 3 8 1〜 3 8 9頁 (1 9 9 5 ) ] からも、 癌細胞が検出されない、 すなわち、 癌細胞が実質上除去された造血幹細胞 組成物を調製することができる。
調製した造血幹細胞は公知の方法、 例えば、 上記、 特開平 7— 3 1 3 1 5 0号公報に記載の方法により増殖させることができる。 例えば、 スト口 一マ細胞との共存培養や、 維持因子を含有する培地等で増殖させることが できる。
造血幹細胞は遺伝子導入の標的細胞とすることができる。 遺伝子の標的 細胞への導入方法は公知の方法に従って行うことができるが、 造血幹細胞 等の標的細胞への遺伝子導入方法としては、 1 9 9 5年に国際公開された W0 9 5 / 2 6 2 0 0号公報に記載の方法が最も効率のよい方法である。 本発明において標的細胞に導入される遺伝子、 すなわち、 外来遺伝子は、 細胞への導入が望まれる任意の遺伝子とすることができる。 例えば、 外来 遺伝子は、 疾患に関連しているアデノシンデァミナーゼ (adenosine deam inase; ADA) のようなタンパク質、 アンチセンス核酸もしくはリボザ ィムまたはフォルスプライマー (例えば、 1990年 1 1月 15日に公開 された WO 90/136 1号参照) 、 細胞内抗体 (例えば、 1994 年 2月 3日に公開された WO 94/02610号参照) 、 増殖因子等を コ一ドするものでよい。
このような外来遺伝子は、 これらの遺伝子の発現を制御するのに適当な プロモーター、 典型的には外来プロモーターの制御下に導入することがで きる。 また、 必要に応じてプロモーター以外の発現制御因子、 例えば、 タ 一ミネ一夕一配列ゃェンハンサ一配列を付加してもよい。
造血幹細胞への遺伝子導入は、 例えば、 レトロウイルスベクターを使用 して実施することができる。 該ベクターは、 遺伝子を導入された細胞の選 択が容易となるように、 抗生物質耐性遺伝子のようなマーカー遺伝子を含 有することができる。 本発明に使用することができる代表的なベクターに は、 例えば、 NZZZipTKNEO (TKNEO) ベクタ一 (力価: N I H 3T3 細胞で 1 x l O5 G 418r cfuノ ml)、 ZipPGK— hADA ベクターおよび ZipPGK— mAD Aベクター等が含まれ、 これらは全て モリッツ (Moritz) ら [ジャーナル ォブ ェクスペリメンタル メディ .シン (J. Exp. Med.) 、 第 178巻、 第 529頁 (1993) ] によつ て報告されている。
TKNEOベクターは、 単純へルぺスウィルス チミジンキナーゼ (th yraidine kinase) プロモーターによって発現されるネオマイシンホスホト ランスフェラ一ゼ (neomycin phosphotransferase) 遺伝子を保持してい る。 このベクターを用いて遺伝子を導入された細胞は、 該遺伝子によって 付与されるネオマイシン耐性を利用して選択することができる。 ZipPG K- h AD Aベクタ一では、 ヒ 卜 ADA ( 「hADA」 ) c DNAはヒ 卜 ホスホグリセレ一卜キナーゼ (human phosphoglycerate kinase; P G K) プロモーターによって発現される。 このべクタ一は発現可能な遺伝子とし ては該遺伝子しか含有しておらず、 選択に利用できるマーカ一遺伝子を有 していない。 ZipPGK— mADA (PGK-mADA) ベクタ一は、 ヒ ト ADA c DNAがマウス ADA ( 「mADA」 ) c DNAで置き換え られていることを除いて、 ZipPGK— h ADAベクターと同一である。 これらのウィルスべクターや他のウィルスべクターの性質およびそれらべ クタ一の製造方法は良く知られており、 それらの選択および使用は、 本明 細書の開示により当業者が適宜選択する範囲内にある。
このように遺伝子を導入した造血幹細胞の組成物は遺伝病の治療に使用 することができる。 造血細胞に関連する遺伝病は、 該疾患の原因である遺 伝子の欠損、 あるいはその異常を補完しうる遺伝子を有する自己、 または 同種異系由来の造血幹細胞組成物を患者に移植することにより治療するこ とができる。
例えば、 yS—サラセミア ( S— thalaseraia;地中海貧血) 、 鎌状赤血球 貧血、 ADA欠乏症、 リコンビナーゼ (recorabinase) 欠乏症、 リコンビ ナーゼ調節遺伝子欠乏症等の疾患は、 原因である遺伝子が特定されており、 造血幹細胞の遺伝子上に正常な野生型遺伝子を相同もしくはランダムな組 換えにより導入したうえ、 これを患者に移植して治療を行うことができる。 また、 同種異系の造血幹細胞移植の場合には、 遺伝子に異常のない、 正 常な造血幹細胞が治療に用いられる。
遺伝子治療の他の適応は薬物耐性遺伝子の導入によって正常造血幹細胞 に薬物耐性を付与し、 通常は危険と考えられる高濃度薬物を用いた治療を 可能とすることである。 特に、 本発明により得られる、 癌細胞が実質的に 除去された造血幹細胞組成物に抗癌剤に対する薬物耐性遺伝子、 例えば、 多剤耐性遺伝子を導入することにより、 高濃度の該抗癌剤を用いた治療が 可能である。
造血系に関連するもの以外の疾患であっても、 該疾患がホルモン、 酵素、 サイ トカイン、 増殖因子等の特定の分泌タンパク質の欠損に関するもので あれば造血幹細胞を用いて治療することができる。 問題のタンパク質をコ 一ドする遺伝子を適切なプロモーターの制御下において造血幹細胞に導入 することにより、 欠損タンパク質の誘導発現を行うことができる。 このタ ンパク質の発現は、 かかるタンパク質を正常に発現する細胞型とは異なる 細胞型による発現であっても、 天然における発現と同様の作用が得られる ように制御することが可能である。
上記のように遺伝子の欠損や異常を補完する他、 リボザィム、 アンチセ ンス核酸等をコードする遺伝子やその他の適当な遺伝子を挿入することに より、 細胞での特定の遺伝子産物の発現を制御したり、 または病気、 特に 血液系の疾患へのかかり易さを抑制することも可能である。
例えば、 H I V、 H T L V— I、 H T L V - I I等の血液性病原体に対 しては、 造血幹細胞を遺伝子的に修飾し、 造血幹細胞または造血幹細胞か ら分化させた細胞中において上記病原体の増殖を防止するアンチセンス核 酸もしくはリボザィムを発現させることができる。 · また、 別法として、 T細胞に属する細胞から細胞表面の受容体のうちの 特定の分子を除去する事もできる。 すなわち、 相同組換えによる該受容体 遺伝子の修飾、 または該受容体遺伝子の発現を妨げるようなアンチセンス 核酸もしくはリボザィムを用いて特定の受容体の発現を抑制しうる。
得られた遺伝子導入造血幹細胞組成物は細胞移植におけるレシピエント となる脊椎動物に、 例えば、 静脈内投与によって、 慣用的に導入すること ができる。 レシピエントは好ましくはドナ一自身であるカ^ 同種異系移植 であってもよく、 特に臍帯血液細胞を移植に使用する場合には後者である。 本発明に開示の癌細胞選択性を有するアポトーシス誘発剤を使用するこ とにより、 遺伝子導入の標的細胞組成物中の癌細胞を選択的に除去するこ とができる。 遺伝子導入の標的細胞は、 特に限定されないが、 例えば、 幹 細胞 (stem cells) 、 造血細胞、 プライモディアル ジャーム セル (prim ordial germ cell) 、 卵母細胞、 卵原細胞、 卵子、 精母細胞、 精子、 C D 3 4 +細胞、 C一 kit +細胞、 リンパ球、 B細胞、 T細胞、 骨髄系細胞等 から選択される細胞が挙げられる。 これらの細胞を含む細胞組成物はそれ ぞれ公知の方法により調製することができる。
さらに、 標的細胞として、 胚性幹細胞、 プライモディアル ジャーム セ ル、 卵母細胞、 卵原細胞、 卵子、 精母細胞、 精子等を使用すれば、 簡便に 形質転換脊椎動物を作成することができる。
以下、 実施例を挙げて、 本発明をさらに具体的に説明するが、 本発明は これらの記載に何ら限定されるものではない。 なお、 実施例における%は 重量%を意味する。
実施例 1
( 1 ) ガゴメ昆布を十分乾燥後、 2 k gを自由粉砕機 M— 2型 (奈良機 械製作所製) により粉砕し、 得られた乾燥粉末を 9リッ トルの 8 0 %エタ ノールに懸濁し 8 0 °C、 2時間処理した。 処理後ろ紙によりろ過し残渣を 得た。 この残渣に対して上記エタノール洗浄、 ろ過という操作を 3回繰り 返しエタノール洗净残渣を得た。 この残渣を 3 6リ ッ トルの 0 . 2 Mg乍酸 カルシウム溶液に懸濁後、 9 5 C、 2時間処理し、 ろ過した。 残渣を 4 リ ツ トルの 0 . 2 M酢酸カルシウム溶液で洗浄し、 ガゴメ昆布のフコイダン抽 出液 3 6リ ッ トルを得た。
このろ液を排除分子量 1 0万の限外ろ過膜を装着した限外ろ過器により 2リ ッ トルに濃縮し、 つぎに、 終濃度が 1 . 5 Mとなるように塩化ナトリ ゥムを添加し 5 %の塩化セチルピリジニゥムをこれ以上沈殿が生じなくな るまで添加した。 生じた沈殿を遠心分離により除去した。 得られた上清を 限外ろ過により 1 リ ッ トルに濃縮し、 4 リッ トルのェタノールを添加し、 生じた沈殿を遠心分離により集めた。 この沈殿に 1 0 0 m lの 4 M塩化ナ トリウムを添加し、 よく攪拌後、 エタノールを 8 0 %となるように添加し、 攪拌後、 遠心分離により沈殿を得た。 この沈殿を 8 0 %エタノール中に懸 濁し遠心分離する操作を、 上清中の 2 6 0 n mの吸光度がなくなるまで繰 り返した。 この沈殿を 2 Mの塩化ナトリウム 2 リ ツ トルに溶解し、 不溶物 を遠心分離により除去後、 5 0 m l の D E A E—セル口ファイン A— 8 0 0 (生化学工業社製) を添加し、 撹拌後、 加えた樹脂をろ過により除去し た。 ろ液を 2 Mの塩化ナトリウムで平衡化した D E A E—セル口ファイン A— 8 0 0カラムにかけ非吸着分を排除分子量 1 0万以下のホロファイバ 一を備えた限外ろ過装置で限外ろ過し、 着色性物質および塩化ナトリウム を完全に除去後、 遠心分離およびろ過により不溶性物質を除去し、 凍結乾 燥し、 フコィダン一 Uを調製した。 凍結乾燥フコィダン一 Uの重量は 1 5 であった。
. 得られたフコィダン一 Uの分子量をセファクリル S— 5 0 0を用いたゲ ルろ過法により求めたところ、 約 1 9万を中心とした分子量分布を示した。
( 2 ) 上記のフコィダン一 Uおよび下記実施例 2で調製したフコィダン 一 Fの各塩化ナトリウ厶濃度における、 過剰量の塩化セチルピリジニゥム 存在下における沈殿形成性を図 1に示す。
図 1の縦軸は沈殿形成率 (%) を示し、 横軸は塩化ナ トリウム濃度 (M) を示す。 図中、 実線および白丸は本発明のフコィダン一 Uの各塩化ナトリ ゥム濃度での沈殿形成率を示し、 図中、 点線および白三角はフコィダン一 Fの各塩化ナトリウム濃度 (M) での沈殿形成率を示す。
沈殿形成率の測定は、 溶液温度 37°Cにて、 以下のように行った。
フコィダン— Uおよびフコィダン一 Fをそれぞれ 2 %の濃度で水および 4 Mの塩化ナトリウムに溶解し、 これらを様々な割合で混合することによ り様々な濃度の塩化ナトリウ厶に溶解したフコィダン一 Uおよびフコイダ ンー F溶液を各 125 μ 1ずつ調製した。 つぎに、 塩化セチルピリジニゥ ムを 2. 5%の濃度で水および 4 Μの塩化ナトリウムに溶解し、 それらを 混合することにより様々な濃度の塩化ナトリウ厶に溶解した 1. 25%の 塩化セチルピリジニゥム溶液を調製した。
水に溶解している 2%のフコィダン— 'Uおよびフコィダン一 Fを 1. 2 5%の塩化セチルピリジニゥムで完全に沈殿させるには容量で 3. 2倍必 要であった。 そこで、 各濃度の塩化ナトリウムに溶解した 2%のフコイダ ン一 Uおよびフコィダン一 Fの各 125〃 1に対して各々の濃度の塩化ナ 卜リウムに溶解した塩化セチルピリジニゥム溶液を 400 】添加後、 十 分攪拌し、 30分放置後、 遠心分離し上清中の糖含量をフニノール一硫酸 法 [アナリティカル ケミストリ一 (Analytical Chemistry) 、 第 28巻、 第 350頁 (1956) ] により測定し、 各塩化ナトリウム濃度下での各 フコィダンの沈殿形成率を算出した。 - ( 3 ) 上記のフコィダン一 Uの成分を以下に示す方法で分析した。
まず、 ジャーナル ォブ バイオロジカル ケミストリー (Journal of Biological Chemistry), 第 175巻、 第 595頁 (】 948) の記載に 従いフコース量を定量した。
得られたフコィダン一 Uの乾燥標品を 1規定の塩酸に 0. 5%の濃度で 溶解し、 110°Cで 2時間処理し、 構成単糖に加水分解した。 グライコタツ グ (GlycoTAGTM) およびグライコタツグ リージェン卜 キッ ト (GlycoT AG™ Reagent Kit) (共に宝酒造社製) を用いて加水分解して得られた単 糖の還元性末端をピリジルー (2) —ァミノ化 (PA化) し、 H PL Cに より構成糖の比率を調べた。
つぎに、 アナリティカノレ バイオケミストリ一 (Analytical Biochenis try), 第 4巻、 第 330頁 (1962) の記載に従いゥロン酸量を定量し た。
また、 くィォケミカル ジャーナル (Biochemical Journal)^ 第 84巻、 第 106頁 (1962) の記載に従い硫酸含量を定量した。
以上の結果、 フコィダン一 Uの構成糖はフコース、 マンノース、 ガラク トース、 グルコース、 ラムノース、 キシロース、 ゥロン酸であった。
その他の中性糖は実質的に含有されていなかった。 また、 主要成分のフ コース : マンノース : ガラク トース: ゥロン酸:硫酸基はモル比で約 10 : 7 : 4 : 5 : 20であった。
(4) フコィダン一 Uの構造は以下のようにして決定した。
(4) 一 1 精製したフコィダン一 Uに下記エン ド型フコィダン分解酵 素を作用させ分解物の精製を行った。
すなわち、 1 %のフコィダン一 U溶液 16m】 と、 50mMのリン酸緩 衝液 (pH8. 0) 12m 1 と 4Mの塩化ナトリウム 4m 1 と 32mUZ m 1の下記ェンド型フコィダン分解酵素溶液 8 m 1を混合し、 25°Cで 4 8時間反応させた。 反応の進行と共に 230 nmの吸光度が増加すること を確認し、 本酵素によりフコィダン一 Uが分解されていることが判明した。 この反応液をマイクロァシライザ一 G 3 (旭化成社製) により脱塩後、 DEAE—セファロース FF (フアルマシア社製) により 3つの画分 (a) 、 (b) 、 および (c) に分離精製した。 なお、 このエンド型フコィダン分解酵素は以下の方法により調製される。 該ェンド型フコィダン分解酵素の生産に用いる菌株としては、 該ェンド 型フコィダン分解酵素生産能を有する菌株であればいかなる菌株でもよい 、 具体例としては例えば、 フラボパクテリゥム (Flavobacteriuni) sp. SA— 0082株 (FERM BP— 5402) が挙げられる。
本菌株は青森県の海水中より新たに検索して得た菌株で、 この菌株は F lavobacteriuni sp. S A— 0082と表示され、 平成 7年 3月 29日 (原 寄託日) より、 ブタペスト条約の下、 曰本国茨城県つくば巿東 1丁目 1番 3号の工業技術院生命工学工業技術研究所に FERM BP— 5402の 受託番号で寄託されている。
本菌株の培地に加える栄養源は使用する菌株が利用し、 ェンド型フコィ ダン分解酵素を生産するものであればよく、 炭素源としては例えばフコィ ダン、 海藻粉末、 アルギン酸、 フコース、 グルコース、 マンニ卜一ル、 グ リセロール、 サッカロース、 マルトース、 ラク トース、 デンプン等が利用 でき、 窒素源としては、 酵母エキス、 ぺプトン、 カザミノ酸、 コーンスティ 一プリカ一、 肉エキス、 脱脂大豆、 硫安、 塩化アンモニゥム等が適当であ る。 その他にナトリウム塩、 リン酸塩、 力リウム塩、 マグネシウム塩、 亜 鉛塩等の無機質、 および金属塩類を加えてもよい。
本ェンド型フコィダン分解酵素の生産菌を培養するにあたり、 生産量は 培養条件により変動するが、 一般に培養温度は 15°C〜30°C、 培地の p Hは 5〜9がよく、 5〜72時間の通気撹拌培養で本ェンド型フコィダン 分解酵素の生産量は最高に達する。 培養条件は使用する菌株、 培地組成等 に応じ、 本ェンド型フコィダン分解酵素の生産量が最大になるように設定 するのは当然のことである。
本ェンド型フコィダン分解酵素は菌体中にも培養物上清中にも存在する。 上記のフラボバクテリゥム sp. S A— 0082株を適当な培地で培養し、 その菌体を集め、 通常用いられる細胞破壊手段、 例えば、 超音波処理など で菌体を破砕すると無細胞抽出液が得られる。
ついで、 この抽出液から通常用いられる精製手段により精製酵素標品を 得ることができる。 例えば、 塩析、 イオン交換カラムクロマト、 疎水結合 カラムクロマト、 ゲルろ過等により精製を行い、 他のフコィダン分解酵素 を含まない純化された本エンド型フコィダン分解酵素を得ることができる。 また、 上記の培養液から菌体を除去した培養液上清中にも本酵素 (菌体 外酵素) が大量に存在するので、 菌体内酵素と同様の精製手段により精製 することができる。
ェンド型フコィダン分解酵素の精製例を示す。
フラボバクテリゥム sp. SA— 0082 (F ERM BP— 5402) をグルコース 0. 25%、 ペプトン 1. 0%、 酵母エキス 0. 05%を含 む人工海水 (ジャマリンラボラ トリ一製) p H 7. 5からなる培地 600 m 1を分注して殺菌した (120°C、 20分) 2リ ツ トルの三角フラスコ に接種し、 24°Cで 24時間培養して種培養液とした。 グルコース 0. 2 5%、 ペプトン 1. 0%、 酵母エキス 0. 05 %、 及び消泡剤 (信越化学 ェ業製 KM 70) 0. 01 %を含む人工海水 (ジャマリンラボラ トリ "製) pH 7. 5からなる培地 20リツ トルを 30リ ツ トル容のジャーファーメ ンターに入れ 120°Cで 20分殺菌した。 冷却後、 上記の種培養液 600 m 1を接種し、 24°Cで 24時間、 毎分 10リ ッ トルの通気量と毎分 12 5回転のかくはん速度の条件で培養した。 培養終了後、 培養液を遠心分離 して菌体を得た。
この菌体を、 20 OmMの塩化ナトリウムを含む 2 OmMの酢酸一リン 酸緩衝液 (pH7. 5) に懸濁し、 超音波破砕後、 遠心分離して菌体抽出 液を得た。 この菌体抽出液中の本発明のェンド型フコィダン分解酵素の活 性を測定したところ、 培地 1 m 1中に 5mUの活性が検出された。 なお、 活性測定については後に記載する。
■ 本抽出液に、 終濃度が 90%飽和となるように硫酸アンモニゥムを加え、 撹拌溶解後、 遠心分離し、 沈殿を上記菌体抽出液と同じ緩衝液に懸濁して、 5 OmMの塩化ナ卜リゥムを含む 2 OmMの酢酸—リン酸緩衝液 (p H 7. 5) で十分透析した。 透析により生じた沈殿を遠心分離により除去後、 あ らかじめ 5 OmMの塩化ナトリウムを含む 2 OmMの酢酸一リン酸緩衝液 (p H 7. 5) で平衡化した DEAE—セファロ一ス FFのカラムに吸着 させ、 吸着物を同緩衝液にて十分洗浄後、 5 OmMから 600 mMの塩化 ナトリウムの直線濃度勾配により溶出させ、 活性画分を集めた。 つぎに、 この活性画分に終濃度が 4 Mとなるように塩化ナトリゥムを加え、 あらか じめ 4Mの塩化ナトリウムを含む 2 OmMのリン酸緩衝液 (pH8. 0) で平衡化したフユ二ルセファロース CL— 4 B (フアルマシア社製) の力 ラムに吸着させ、 吸着物を同緩衝液で十分洗浄後、 41^から 11\4の塩化ナ トリウムの直線濃度勾配により溶出させ、 活性画分を集めた。 つぎに、 こ の活性画分を限外ろ過器で濃縮後、 あらかじめ 5 OmM塩化ナトリウムを 含む 1 OmMリン酸緩衝液で平衡化したセフアクリル S—300 (ゥァ ルマシア社製) でゲルろ過を行い活性画分を集めた。 この酵素の分子量を セフアクリル S— 300の保持時間から求めたところ約 46万であった。 次にこの活性画分に 25 mMの塩化ナ卜リウムを含む 1 OmMのリン酸緩 衝液 (pH7) で透析した。 この酵素液を、 あらかじめ 25 OmMの塩化 ナ卜リウムを含む 1 OmMのリン酸緩衝液 (p H 7) で平衡化したモノ (M ono) Q HR 5/5 (フアルマシア社製) のカラムに吸着させ、 吸着物 を同緩衝液で十分洗净後、 25 OmMから 45 OmMの塩化ナ トリウムの 直線濃度勾配により溶出させ、 活性画分を集め、 精製酵素を得た。 以上の 精製工程を表 1に示す。 なお、 タンパク質の定量は、 酵素液の 280 nm の吸光度を測定することにより行う。 その際 lmg/m 1のタンパク質溶 液の吸光度を 1. 0として計算する。
1 総タンパク量 総活性 比活性 収率 工程 (mg) (ミリ単位) (ミ リ単位/ rag) (%) 菌体抽出液 61,900 101, 000 I.63 100 硫安塩析 33, 800 88, 600 2.62 87.7
DEAE—セファロース FF 2, 190 40, 400 18.4 40.0 フエ二ルセフ 7。-ス CL - 4B 48.2 29, 000 601 28.7 セフアクリル S-300 7.24 19, 600 2,710 19.4 モノ Q 0.824 15, 000 18, 200 14.9 本酵素の活性測定は下記のように行う。
- 2. 5%のガゴメ昆布由来のフコィダン溶液 50 】 と、 10〃 1め本 酵素と、 60 】の 667mM塩化ナ卜リウムを含む 83mMリン酸緩衝 液 pH 7. 5を混合し、 37°C、 3時間反応させた後、 反応液 105 1 と水 2m】 を混台、 撹拌し、 その 230 nmにおける吸光度 (AT) を測 定する。 対照として、 本酵素の代りに、 本酵素を溶解している上記緩衝液 のみを用いて同様の条件により反応させたもの、 およびフコィダン溶液の 代りに水のみを用いて反応を行ったものを用意し、 それぞれ同様に吸光度 を測定する (八81ぉょび八82) 。 1単位の酵素は、 上記反応系において 1分間に 1 / mo 1のマンノース とゥロン酸の間のグリコシド結合を脱離的に切断する酵素量とする。 切断 された結合の定量は、 脱離反応の際に生じた不飽和ゥロン酸のミ リモル分 子吸光係数を 5. 5として計算し行う。 なお、 酵素の活性は式:
(AT - AB 1 - AB 2) X 2. 105 x 120/5. 5 x 105 0. 01x 180 = U/m 1
式中、
2. 105は吸光度を測定するサンプルの液量 (m 1 ) 、
120は酵素反応液の液量 ( 】) 、
5. 5は不飽和ゥロン酸の 23 Onmにおけるミ リモル分子吸光係数 (ノ mM) 、
105は希釈に用いる反応液の液量 ( 〗) 、
0. 01は酵素液量 (m 1 ) 、
180は反応時間 (分)
である。
なお、 基質のガゴメ昆布由来のフコィダンはつぎのように調製した。 乾燥ガゴメ昆布を自由粉砕機 M— 2型により粉砕し、 ] 0倍量の 85% メタノール中で 70 °C、 2時間処理後、 ろ過し、 残渣を 10倍量のメタノ ール中で 70°C、 2時間処理し、 ろ過する。 残渣に 20倍量の水を加え 、 100°C、 3時間処理しろ過により抽出液を得る。 抽出液の塩濃度を 4 0 OmMの塩化ナトリウム溶液と同じにした後、 セチルピリジニゥムクロ リ ドをこれ以上沈殿が生じなくなるまで添加し、 遠心分離する。 その沈殿 を、 エタノールで十分洗浄し、 セチルピリジニゥムクロリ ドが完全に除去 できたら、 限外ろ過器 (ろ過膜の排除分子量 10万) (アミコン社製) に より脱塩及び低分子物質の除去を行い、 この際生じた沈殿を遠心分離によ り除去する。 この上清を凍結乾燥して精製ガゴメ昆布フコィダンを得る。
(4) - 2 上記のエンド型フコィダン分解酵素は、 複合多糖中に存在 する D—マンノースと D—グルク口ン酸の間のな 1—4結合を脱離的に分 解する酵素であり、 フコィダンに作用させると、 以下の式 (2) 、 (3) および (4) の式で表される構造を有するオリゴ糖を生成する。
Figure imgf000031_0001
OH
Figure imgf000031_0002
OH
Figure imgf000032_0001
そこで、 上記の DEAE—セファロ一ス FFで分離精製した 3つの画分 (a) 、 (b) および (c) をそれぞれ一部だけグライコタツグおよびグ ライコタツグ リージヱント キッ トを用いて還元性末端を、 ピリジルー (2) —ァミノ化 (PA化) し、 各 PA化糖 (PA— a) 、 (PA-b) および (PA— c ) を得た。 (PA— a) 、 (P A— b) および (PA— c) を HPL Cにより分析し、 上記の式 (2) 、 (3) および (4) の構 造式で表される 3種のォリゴ糖の P A化物との相違性を調べた。
なお、 HP LCの条件は下記によった。
(ァ) 分子量分画カラムを用いた HPLC分析
装置: L一 6200型 (日立製作所製)
カラム : SHODEX S B— 803 (4. 6 x 250mm)
(昭和電工社製)
溶離液: 0. 2M塩化ナ トリウム : ジメチルスルホキシ ド= 9 : 1 検出:蛍光検出器 F— 1150 (日立製作所製) にて励起波長 320 n m、
蛍光波長 400 nmで検出
流速 : 1m l /分
カラム温度: 50°C
(ィ) 逆相カラムを用いた HPL C分析
装置: L一 6200型 (日立製作所製)
カラム : L一力ラム (4. 6 x 250mm) [ (財) 化学薬品検査協会] 溶離液: 5 OmM酢酸ー ト リエチルァミ ン (p H 5. 5)
検出 :蛍光検出器 F— 1150 (日立製作所製) にて励起波長 320 n m、 ― 蛍光波長 400 nmで検出
流速: 1 m 1 Z分
カラム温度: 40°C
上記 2種の H P L C分析の結果、 フコィダン一 Uを上記ェンド型フコィ ダン分解酵素で分解して得られた 3種のオリゴ糖と上記の式 (2) 、 (3) および (4) の構造式で表される 3種のオリゴ糖は同一のものであった。 したがって (a) は、 還元末端残基である D—マンノースに不飽和 D— グルク口ン酸と、 硫酸基が結合した L—フコースが結合した構造を持ち、 ( b ) は硫酸基が結合した還元末端残基である D—マンノースに不飽和 D —グルクロン酸と、 2個の硫酸基が結合した L—フコースが結合した構造 を持ち、 (c ) は還元末端残基である D—マンノースに D—グルクロン酸 と、 硫酸基が結合した L—フコースが結合し、 その D—グルクロン酸に D —マンノースが結合し、 さらにその D—マンノースに不飽和 D—グルク口 ン酸と、 硫酸基が結合した L一フコースが結合した構造を持つ。
以上より、 得られたフコィダン一 Uは、 D—グルクロン酸と D—マンノ ースが交互に結合した構造を持ち、 少なく とも 1つ以上の D—マンノース に L—フコースが結合している構造を有する。
また、 式:
Figure imgf000034_0001
の構造式で表される部分構造を有する (ただし、 式中の少なくとも 1つの アルコール性水酸基は硫酸エステル化しており、 また nは 1以上の整数を 表す) 。 以上このフコィダン一 uに上記のエンド型フコイダン分解酵素を作用さ せると上記の化 2、 化 3および化 4の構造式で表されるオリゴ糖を生じた。 このフコィダン一 Uの凍結乾燥物の比旋光度を高速 ·高感度旋光計 S E PA— 300 (堀場製作所製) により測定したところ、 一53. 6度であつ た。
実施例 2
(1) ガゴメ昆布を十分乾燥後、 2 k gを自由粉砕機 M— 2型により粉 砕し、 得られた乾燥粉末を 9リッ トルの 80%エタノールに懸濁し 80°C、 2時間処理した。 処理後ろ紙によりろ過し残渣を得た。 この残渣に対して 上記エタノ一ル洗浄、 ろ過という操作を 3回繰り返しエタノール洗浄残渣 を得た。 この残渣を 36リッ トルの 0. 2 M酢酸カルシウムに懸濁後、 9 5°C、 2時間処理し、 ろ過した。 残渣を 4リ ッ トルの 0. 2 M酢酸カルシ ゥムで洗浄し、 ガゴメ昆布のフコィダン抽出液 36リ ッ トルを得た。
得られたろ液に 5 %の塩化セチルビリジニゥムをそれ以上沈殿が生じな くなるまで添加し、 遠心分離により沈殿を集めた。 この沈殿を 3リ ッ トル の 0. 4M塩化ナトリウムに懸濁後遠心分離し、 洗浄した。 この洗浄操作 を 3回繰り返した後沈殿に 1リッ トルの 4 M塩化ナ卜リウムを添加しミ よ く撹拌後、 エタノールを 80%となるように添加し、 攪拌後、 遠心分離に より沈濺を得た。 この沈殿を 80%エタノール中に懸濁し遠心分離する操 作を、 上清中の 260 nmの吸光度をがなくなるまで繰り返した。 この沈 殿を 2 M塩化ナトリウム 3リツ トルに溶解し、 不溶物を遠心分離により除 去後、 100m】 の DE AE—セルロフアイン A— 800を添加し、 攪拌 後、 加えた樹脂をろ過により除去した。 ろ液を 2 M塩化ナ ト リウムで平衡 化した DEAE—セル口ファイン A—800カラムにかけ、 非吸着分を排 除分子量 10万以下のホロファイバーを備えた限外ろ過装置で限外ろ過し、 着色性物質及び塩化ナトリゥムを完全に除去後、 遠心分離およびろ過によ り不溶性物質を除去し、 凍結乾燥し、 フコィダンを調製した。
該凍結乾燥フコィダンの重量は 90 gであった。
このフコィダンの凍結乾燥物を 7 g秤量し、 0. 2Mの塩化カルシウム に溶解した。 次に、 4000m 1の DE AE—セファロース FFのカラム を 0. 2Mの塩化カルシウムで平衡化した。 0. 2Mの塩化カルシウムに 溶解したフコース硫酸含有多糖混合物を D EAE—セファロース FFの力 ラムにかけ、 0. 2Mの塩化カルシウムで十分洗浄し、 つぎに、 0〜4M の塩化ナトリウムの直線濃度勾配で溶出させた。 溶出画分のうち、 塩化ナ トリウム濃度が 0. 05〜0. 8 Mの画分を集め透析により脱塩後凍結乾 燥し、 実質的にフコィダン一 Fと分離されたフコィダン一 Uを 2. 1 g得 た。
また、 上記溶出画分のうち、 塩化ナトリウム濃度が 0. 9〜1. 5Mの 画分を集め透析により脱塩後凍結乾燥し、 実質的にフコィダン一 Uと分離 されたフコィダン一 Fを 4. 7 g得た。
上記のフコィダン一 Fの分子量をセフアクリル S— 500を用いたゲル ろ過法により求めたところ、 約 19万を中心とした分子量分布を示した。
(2) フコィダン一 Fの成分を実施例 1に記載の方法に準じ分析した。 このフコィダン一 Fの構成糖はフコース、 ガラク ト一スで、 そのモル比 は約 10 : 1であった。 ゥロン酸およびその他の中性糖は実質的に含有さ れていなかった。 また、 フコースと硫酸基のモル比は約 1 : 2であった。
1%のフコィダン一 F溶液 16m 1と、 5 OmMのリン酸緩衝液 (pH 8. 0) 12m 1と 4Mの塩化ナトリウム 4 m 1と 32mUZm 1の実施 例 1— (3) に記載のエンド型フコィダン分解酵素溶液 8m 1を混合し、 25°Cで 48時間反応させた。 反応による分解物の生成は認められなかつ た。
このフコィダン一 Fの凍結乾燥物の比旋光度を高速 ·高感度旋光計 S E PA- 300 (堀場製作所製) により測定したところ、 一 135度であつ
実施例 3
(1) 56°C、 30分間処理した牛胎児血清 ( J RHバイオサイエンス 社製) を 10%含む RPM I 1640培地 (ギブコ社製) にて 37°Cで培 養したミエ口一マ細胞 (P 3X63A g 8 : ATCC T I B— 9) を牛 胎児血清を 10%含む RPM 1 1 640培地にて 1 x 104個ノ 1. 8m
1 となるように懸濁した。 それぞれの懸濁液 1. 8m l に対し、 5、 10、 20mg/m l となるように 10 OmMの塩化ナ卜リウムを含む 5 OmM
HEPE S緩衝液 (pH7. 2) に溶解し、 120DC、 20分間加熱処 理をした実施例 1記載のフコィダン一 U、 実施例 2記載のフコィダン— F を 0. 2m l添加し、 37°C、 5 % C 02存在下で 92時間培養した。
培養した細胞を顕微鏡で観察し、 増殖の程度および細胞の形態を調べた。 この結果フコィダン一 Uまたはフコィダン一 Fを添加したミエローマ細胞 は細胞縮小及び細胞核断片化等のアポトーシスの特徴を示した。 試料無添 加の対照のミエローマ細胞は細胞数が約 70倍に増加したが、 フコィダン 一 Uまたはフコィダン一 Fを添加したミエローマ細胞は死滅し、 これら 2 種のフコィダンは強いアポトーシス誘発作用を示した。 なお、 培養開始後 経時的に、 生細胞数を 「組織培養の技術 (第 2版) 」 朝倉出版、 日本組織 培養学会編 (1 990年) 記載の方法 (第 26〜28頁) に従って計測し た。 すなわち、 トリパンブルー染色された細胞を血球計算板上で計数し、 生細胞数を求めた。 結果を図 2、 図 3に示す。 図 2、 図 3は培養時間と生細胞数の関係を示 す図であり、 横軸は培養時間、 縦軸は培養液中の生細胞数を示す。 図 3は 図 2の縦軸のスケールを拡大したものである。 図 2、 図 3中 X印は試料無 添加対照 (C) 、 白丸はフコィダン一 Uを 0. 5mgZm l添加、 白三角 はフコィダン一 Uを lmgZm】添加、 白四角はフコィダン一 Uを 2mg /m 1添加、 黒丸はフコィダン一 Fを 0. SmgZm 1添加、 黒三角はフ コィダン— Fを ImgZm l添加、 黒四角はフコィダン一 Fを 2 m gZm 1添加したことを示す。
(2) 56°C、 30分間処理した牛胎児血清 ( J RHバイオサイエンス 社) を 1 0%含む RPM 1 1640培地 (ギブコ社製) にて 37°Cで培養 したヒ ト前骨髄性白血病細胞 HL— 60 (ATCC C CL一 240) を A S F 104培地 (味の素社製) にて 5 X 104個 Z900 β 1 となるよ うに懸濁し、 FALCON社製 6ゥヱルプレート上の各ゥヱルに 4. 5 m 】ずつ分注した。 それぞれの懸濁液に対し、 実施例 1記載のフコィダン— U、 及び実施例 2記載のフコィダン一 Fを 1 OmgZm 1 となるように 1 2 OmMの塩化ナトリウムを含む 3 OmM HE PE S緩衝液 (pH7) に溶解し、 フィルターろ過処理したものを 0. 5m l添加し、 37。C、 5 %C02存在下で培養した。 なお、 対照として上記緩衝液のみを同量添加 し同様に培養した。 培養開始 16時間後と 40時間後の生細胞数を上記同 様の方法で計測した。
得られた結果を図 4に示す。 すなわち、 図 4は HL— 60細胞の培養液 にフコィダン一 Uまたはフコィダン一 Fを lmg/m 1 となるように添加 したときの培養時間と培養液中の生細胞数の関係を表す図であり、 横軸は 培養時間、 縦軸は培養液中の生細胞数を示す。 図 4中の培地に添加したフ コィダンの種類は白丸がフコィダン一 U、 黒丸がフコィダン一 Fであるこ とを示す。 なお、 対照 (試料無添加) の培養液中の生細胞数は培養 16時 間後で 7 X 104個 1、 40時間後で1. 4 x 105個 Zm〗であった。 この結果 HL— 60細胞はフコィダン一 Uおよびフコィダン一 Fにより アポトーシスを誘発され細胞増殖速度が抑制されることが判明した。
また、 フコィダン一 U、 フコィダン一 Fを 1 Omg/m 1となるように 12 OmMの塩化ナトリウムを含む 3 OmM HEPES緩衝液 (pH7) に溶解し、 121°C、 20分間オートクレープ処理したもののアポトーシ ス誘発作用を上記方法に準じ測定し、 同様の結果を得た。
(3) 6~8週齢のマウス (C3HZHe J) に 150mg/kgの 5 一フルォロウラシル (5— FU、 アムレスコ社製) を腹腔内投与し、 その
2日後に大腿骨および脛骨を摘出して骨髄を採取した。 得られた骨髄をフィ コール一ハイパク (Ficoll Hypaque密度 1.0875 g 1、 フアル マシア社製) を用いた密度勾配遠心分離に供し、 低密度単核細胞画分を調 製してこれをマウス骨髄細胞とした。
マゥス骨髄細胞は実施例 1記載のフコィダン一 U、 または実施例 2記載 のフコィダン一 Fの存在下、 または非存在下で液体培養した。 すなわち、 20%牛胎児血清、 100単位/ m 1組換えヒ 卜インターロイキン一 6 .(rhl L— 6、 アムジヱン社製) 、 100 n gZm 1組換えマウス幹細胞 因子 (rmSCF、 アムジヱン社製) 、 50単位 Zmlのペニシリ ンおよび 5 0 zgZnilのストレプトマイシンを含有する 一 MEM (ギブコ社製) 中 に 1 X 106個 Zm 1の細胞密度で上記のマウス骨髄細胞を添加し、 更に フコィダン一 Uまたはフコィダン一 Fを lmg/m 1の濃度で添加した。 これを 5% CO 2中、 37 °Cで 48時間インキュベートした。
ィンキュベー卜終了後、 非接着細胞をデカンテ一ションによって、 また プレー トに接着した細胞は細胞解離緩衝液 (CDB、 酵素を含まない、 ギ ブコ社製) を使用してそれぞれ採集し、 これらを合わせて細胞数を計数し た。 採集した細胞は HP P— CF C (High Proliferative Potential-Col ony Forming Cells, 高增殖能コロニー形成細胞) アツセィに供した。
H P P— C F Cアツセィはブラッ ドレー (Bradley) 等の方法 [Aust. J. Exp. Biol. Med. Sci,、 第 44卷、 第 287〜293頁 (1966年) ] に従って行った。 培地には 1%/0.66%重層軟寒天培地を使用し、 1 ゥエルあたりに 5 X 104個の感染細胞を添加し、 10% CO 2中、 37 °Cで 13日間インキュベートした。 インキュベーション終了後、 出現した コロニーを倒立顕微鏡で観察し、 !^??ーじ じ由来の高密度コロニー (径 0.5rara以上) を計数した。
その結果を図 5に示す。 すなわち図 5はフコィダンと高密度コロニー数 の関係を示す図であり、 横軸に使用したフコィダンおよびフコィダン無添 加の対照を、 縦軸に高密度コロニー数を示す。 図 5に示されるように、 形 成される高密度コロニーの数に関して、 フコィダン一 Uまたはフコィダン 一 Fを培地中に添加した場合と対照との間に有意差は認められなかった。 実施例 4
56°C、 30分間処理した牛胎児血清 ( J RHバイオサイエンス社製) を 10%含む1¾?1^ I 1640培地 (ギブコ社製) にて 37 °Cで培養した ミエ口一マ細胞 (P3X63Ag8U. 1 : ATCC CRL- 1597) を、 牛胎児血清を 10%含む尺?^ 1 1640培地にて 2. 5 X 105個 /4. 5m 1となるように懸濁した。 それぞれの懸濁液 4. 5m】に対し、 l OmgZmlとなるように 12 OmMの塩化ナトリウ厶を含む 5 Om HE PES緩衝液 (pH7. 0) に溶解し、 フィルター滅菌したデキス トラン硫酸 [オンコー (On c 0 r ) 社製、 分子量 50万] を 0. 5m l 添加し、 37 、 5%C02存在下で 60時間培養した。 培養した細胞を顕微鏡で観察し、 増殖の程度および細胞の形態を調べた。 この結果デキス卜ラン硫酸を添加したミエローマ細胞は細胞縮小および細 胞核断片化等のアポトーシスの特徴を示した。 試料無添加の対照のミエ口 一マ細胞は細胞数が約 20倍に増加したが、 デキストラン硫酸を添加した ミエローマ細胞は死滅し、 デキストラン硫酸は強いアポトーシス誘発作用 を示した。 なお、 培養開始後経時的に、 生細胞数をトリパンブル一染色に よって計数した。
結果を図 6に示す。 図 6は培養時間と生細胞数の関係を示す図であり、 横軸は培養時間、 縦軸は培養液中の生細胞数を示す。 図 6中、 白四角は試 料無添加 (対照) 、 白丸はデキス トラン硫酸 1 mgZm 1添加を示す。 つぎに、 l OmgZmlとなるように 12 OmMの塩化ナトリゥムを含 む 50mM HEPES緩衝液 ( p H 7. 0 ) に溶解し、 120 °C、 20 分間加熱処理したデキストラン硫酸 [オンコ一 (On c 0 r) 社製、 分子 量 50万] を用い、 上記方法に準じそのアポトーシス誘発作用を測定した。 結果を図 7に示す。 図 7は培養時間と生細胞数の関係を示す図であり、 横軸は培養時間、 縦軸は培養液中の生細胞数を示す。 図 7中、 白四角は試 料無添加 (対照) 、 黒丸は加熱処理デキストラン硫酸 1 mg//m 1添加を 示す。 加熱処理デキストラン硫酸においても強いアポトーシス誘発作用が 認められた。
実施例 5
市販のレモン製べクチンを 12 OmM塩化ナトリウムを含む 5 OmM HE PES緩衝液 (pH7. 0) に l OmgZm lとなるように溶解する と pH5. 0であった。 これを 121°C、 30分間加熱処理したものの紫 外部吸収スぺク トルを測定すると、 加熱処理物では 235 nm付近の吸光 度が増大していた。 これらの試料を 1 N水酸化ナトリウムで p H 7. 0に調整し、 アポトー シス誘発活性を実施例 3— (2) の方法に従って測定した。
その結果を図 8に示す。 ぺクチン加熱処理物は顕著なアポ卜一シス誘発 活性を示した。 すなわち、 図 8は HL— 60細胞の培養液にぺクチンの加 熱処理物溶液を 1 mgZm 1となるように添加したときの培養時間と培養 液中の生細胞数の関係を示す図であり、 横軸は培養時間、 縦軸は培養液中 の生細胞数を示す。 図 8中において白四角は試料無添加 (対照) 、 白菱形 はべクチン加熱処理物添加をそれぞれ示す。
実施例 6
(1) 10 gの D—グルクロン酸 (シグマ社製 G 5269) を 1リ ツ トルの水に溶解し、 121°Cで 4時間加熱した後約 10 m 1になるまで減 圧下濃縮した。 これに酢酸プチル:酢酸:水 = 3 : 2 : 2混合液の上層 4 Om 1を加えて混合後、 遠心によって得た上清を減圧下約 1 Om 1まで濃
Aした。
上記抽出液をカラムクロマトグラフィ一用シリカゲル BW— 300 S P (2 X 28 cm、 富士シリシァ化学社製) に供し、 酢酸ブチル:酢酸:水 = 3 : 2 : 2の上層を溶離液としてコンプレッサーで 0. 2 k gZcm2 に加圧し、 毎分 5m 1の流速で分離を行った。 1画分当り 1 Om 1になる ように分画し、 各画分の一部をとつて薄層クロマトグラフィ一で分析した ところ 61番から 80番までの画分に高純度のシクロペンテノンが含まれ ていた。 これらの画分を集めて減圧下濃縮した後 4 Om 1のクロ口ホルム で抽出し、 抽出液を減圧下濃縮することによって約 1 O Omgのシクロべ ンテノンを得た。
この画分をパルパックタイプ S (PALPAK TypeS) カラム (宝酒造社製) を用いた順相 H P L Cで分離し、 215 nmの紫外線吸収で検出したとこ ろ、 純度は 98%であった。
(2) 臍帯血管内皮細胞である HUV EC細胞 (初代培養、 クロネティ クス(Clonetics)社製、 CC— 2517) を 1回継代後、 常法に従い凍結 保存したものを解凍し、 リン酸緩衝食塩水 (宝酒造社製) で 2回洗浄後、 10%牛胎児血清を含む RPM I 1640培地に 1 x 105個/111とな るように懸濁した。 この細胞懸濁液を 96穴マイクロタイタープレートの 各ゥエルに 90 】ずつ分注し、 10、 20、 50、 100、 200、 5 00、 又は 100◦ / Μシクロペンテノン水溶液、 あるいは対照として水 を 10 1添加した。 5 %C02存在下 37でで 48時間培養した後、 5 mg/m】 の 3— (4, 5—ジメチルチアゾ一ルー 2—ィル) 一 2 , 5 - ジフヱニルテトラゾリゥムブ口ミ ド (MTT; シグマ社製) リン酸緩衝食 塩水溶液 10 1を加えて更に 4時間培養を続けた後、 顕微鏡で細胞の生 育状態を観察した。 また、 0. 04N塩酸含有 2—プロパノール 100 1を加えてよく撹拌し、 590 nmにおける吸光度を測定した。 シクロべ ンテノン添加区分の 590 nmにおける吸光度の、 水を加えて培養した対 照区分の 590 nmにおける吸光度に対する比を計算し、 アポトーシス誘 発作用を細胞増殖抑制活性で測定した。
. HL— 60細胞に関しても同様の操作を行った。 ただし、 本細胞は 10 %牛胎児血清を含む RPM 1 1640培地で継代培養したものを用いた。 その結果、 シクロペンテノンは正常細胞である HUVE C細胞に対する よりも癌細胞株である HL— 60細胞に対して強い細胞增殖抑制活性をもつ ていた。
その結果を図 9に示す。 すなわち、 図 9はシクロペンテノ ン添加量 (最 終濃度) と細胞増殖の度合いの関係を示す図であり、 図 9において横軸は シクロペンテノン濃度 (最終濃度、 / M) を、 縦軸は各濃度のシクロペン テノン添加区分の 590 nmにおける吸光度の、 水添加区分の 590 nm における吸光度に対する比 (%) を示す。 また、 図中、 白丸は HUVEC を用いた場合、 黒丸は HL— 60を用いた場合の結果を示す。 また顕微鏡 観察下の細胞の生育と 590 nmにおける吸光度は平行関係にあった。
(3)線維芽細胞である N I HZ3T3細胞 (ATCC CRL- 16 58) を常法通り トリブシンで分散させた後、 5 X 104個 Zm 1になる ように 10%牛血清含有ダルべッコ改変イーグル培地に懸濁し、 96穴マ イクロタイタ一プレー卜のゥヱルに 90〃 1ずつ分注した。 15. 6、 3 1. 3、 62. 5、 125、 250、 500または 1000 シクロべ ンテノ ン水溶液、 あるいは対照として水 10〃 1を添加し、 5%C02存 在下 37 °Cで 48時間培養した。 SmgZml MTTリン酸緩衝食塩水 溶液 10 / 1を加えて、 さらに 4時間培養を続けた後、 顕微鏡で細胞の生 育状態を観察し、 アポトーシス誘発作用を細胞增殖抑制活性で測定した。
HL— 60細胞についても同様の操作を行った。 ただし、 本細胞は 10 %牛胎児血清含有 RPMI 1640培地で培養した。
その結果、 N I H/ 3 T 3細胞では終濃度 25 Mシクロペンテノン添 加区分で細胞の増殖が見られず、 終濃度 12. 5 Mシクロペンテノン添 加区分では対照の水添加区分と同様の細胞増殖が見られた。 _ これに対して、 HL— 60細胞では終濃度 6. シクロペンテノ ン添加区分において細胞増殖が見られず、 大部分の細胞が死滅していた。 よって、 シクロペンテノンは非癌細胞株である N I H/3 T 3よりも癌細 胞株である H L— 60に対して選択的に細胞増殖抑制作用と殺細胞作用を 示すことが明らかになった。
実施例 7
フコィダン一 Uの HUVEC、 HL— 60に対する作用 HUVE C細胞を 1回継代後、 常法に従い凍結保存したものを解凍し、 リン酸緩衝食塩水で 2回洗浄後、 10%牛胎児血清と 0. 1%牛脳抽出液 を含む EBM培地 (三光純薬社製) に 1 X 105個 Zm 1となるように懸 濁した。 この細胞懸濁液を 12穴マイクロタイ夕一プレートの各ゥエルに 900 】ずつ分注し、 1 OmgZm 1のフコィダン一 U水溶液、 あるい は対照として生理食塩水を 1 ΟΟίί 1添加した。 5% CO 2存在下 37 °Cで 24時間又は 48時間培養した後、 細胞をトリブシン処理して集め、 トリパンブルーで染色して生細胞数と死細胞数を測定し、 生細胞率を算出 することによりアポトーシス誘発作用を測定した。
HL— 60細胞に関しても同様の操作を行った。 但し、 本細胞は 10% 牛胎児血清を含む RPM 11640培地で継代培養したものを用い、 トリ プシン処理は行わなかった。
その結果、 HU VE C細胞に終濃度 1 rngZm】のフコィダン一 Uを添 加した区分では対照の生理食塩水添加区分と同様の生細胞率が見られたの に対して、 HL— 60細胞に終濃度 lmgZm 1のフコィダン一 Uを添加 した区分では対照の生理食塩水添加区分と比較して明らかな生細胞率の低 下が見られた。 よって、 フコィダン一 Uは癌細胞特異的にアポトーシスを 誘発し、 生細胞率を低下させることが明らかになった。
その結果を図 10および図 11に示す。 すなわち、 図 10は培養時間と HUV EC細胞の生細胞率の関係を示す図であり、 横軸は培養時間 (時間) 、 縦軸は生細胞率 (%) を示す。 図 10において黒丸はフコィダン一 U添 加を、 白丸は生理食塩水添加 (対照) を示す。 なお、 フコィダン一 U添加 時の生細胞率と生理食塩水添加時の生細胞率はほぼ同一の値を示したため 図 10において黒丸と白丸がほぼ重なる結果となった。 また、 図 11は培 養時間と HL— 60細胞の生細胞率の関係を示す図であり、 横軸は培養時 間 (時間) 、 縦軸は生細胞率 (%) を示す。 図 1 1において黒丸はフコィ ダン一 U添加を、 白丸は生理食塩水添加 (対照) を示す。
以上記載したごとく、 本発明により、 実質的に癌細胞を含有しない造血 幹細胞組成物が提供される。 該組成物に外来遺伝子を導入し、 宿主に移入 れば、 癌細胞に遺伝子導入を行うという危険が無く、 安全な宿主への造血 肝細胞の移入を行うことができる。 本発明により、 遺伝子導入の標的細胞 組成物中の癌細胞の除去を行うことができ、 遺伝子導入の安全性が確立さ な 0 図面の簡単な説明
図 1は、 フコィダン— Uおよび Fの沈殿形成性を示すグラフである。 図 2は、 フコィダン一 Uおよび F存在下の培養時間と生細胞数の関係を 示すグラフである。
図 3は、 図 2の縦軸のスケ一ルを拡大したグラフである。
図 4は、 H L— 6 0細胞の培養時間と生細胞数の関係を示すグラフであ る o
図 5は、 フコイダンと高密度コロニー数の関係を示すグラフである。 図 6は、 デキストラン硫酸存在下の培養時間と生細胞数の関係を示すグ ラフである。
図 7は、 加熱デキストラン硫酸存在下の培養時間と生細胞数の関係を示 すグラフである。
図 8は、 ベクチン加熱処理物存在下の培養時間と生細胞数の関係を示す グラフである。
図 9は、 シクロペンテノン添加量と、 細胞増殖の関係を示すグラフであ る。 図 10は、 HUV EC細胞の培養時間と生細胞率の関係を示すグラフで める。
図 11は、 HL— 60細胞の培養時間と生細胞率の関係を示すグラフで のる。

Claims

請 求 の 範 囲
1 . 癌細胞が実質的に除去された、 造血幹細胞を含有する細胞組成物。
2. 癌細胞に特異的なアポト一シス誘発剤を使用して癌細胞を選択的に 除去した請求項 1記載の細胞組成物。
3. アポトーシス誘発剤が硫酸化多糖および/またはその分解物を含有 する誘発剤である請求項 2記載の細胞組成物。
4.. 硫酸化多糖がフコィダンまたはデキストラン硫酸である請求項 3記 載の細胞組成物。
5. アポトーシス誘発剤がゥロン酸およびノまたはゥロン酸誘導体を含 有する糖化合物および またはその分解物を含有する誘発剤である請求項 2記載の細胞組成物。
6. アポトーシス誘発剤が式:
Figure imgf000048_0001
で表される 4 , 5 —ジヒドロキシ一 2—シクロペンテン一 1 一オンを含有 する誘発剤である請求項 2記載の細胞組成物。
7 . 癌細胞が実質的に除去された、 造血幹細胞を含有する細胞組成物を 取得する方法であって、 癌細胞に特異的なアポトーシス誘発剤を使用して 細胞組成物中の癌細胞を選択的に除去する工程を含んでなる方法。
8 . アポトーシス誘発剤が硫酸化多糖および またはその分解物を含有 する誘発剤である請求項 7記載の方法。
9. 硫酸化多糖がフコィダンまたはデキストラン硫酸である請求項 8記 載の方法。
1 0. アポトーシス誘発剤がゥロン酸および またはゥロン酸誘導体を 含有する糖化合物および/またはその分解物を含有する誘発剤である請求 項 7記載の方法。
1 1 . アポトーシス誘発剤が式:
Figure imgf000049_0001
で表される 4 , 5—ジヒ ドロキシ一 2—シクロペンテン一 1 一オンを含有 する誘発剤である請求項 7記載の方法。
1 2. 癌細胞が実質的に除去された造血幹細胞を含有する細胞組成物で あって、 該造血幹細胞が、 外来遺伝子を導入されている細胞組成物。 .
1 3. 癌細胞に特異的なアポトーシス誘発剤を使用して癌細胞を選択的 に除去した請求項 1 2記載の細胞組成物。
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