明 細 書 交通渋滞計測方法および装置並びに画像処理方法および装置 技術分野
本発明は、ビデオカメラにより撮影された道路と該道路上を行き来する車両 の動画像上にサンプル点を設定し、 サンプル点の輝度に基づいて道路の渋滞 状況を自動的に検出する方法および装置に関する。 また、 画像にサンプル点 を設定して画像を処理する方法および装置に関する。 背景技術
従来、 道路交通の円滑化を図るために、 交通渋滞の状況を計測する種々の 交通渋滞計測システムが提案されている。 このような交通渋滞計測システム としては、 車両の存在や動きを検知するセンサとして、 超音波センサを用い る超音波式交通渋滞計測システムゃループコイルを用いるループコィル式交 通渋滞計測システムがよく知られている。
超音波センサを用いた交通渋滞計測システムは、 道路の路面から所^高さ 隔てた位置に超音波センサを配置し、 該超音波センサによりセンサ直下近傍 の車両の存在、 車両の速度を検知して、 道路の渋滞状況を検出するものであ る。 ループコイルを用いた交通渋滞システムは、 道路にループコィ を埋め 込み、 ループコイルの上方の車両通過に伴う磁気の変化から、 車両の存在、 車両の速度を検知して、 道路の渋滞状況を検出するものである- これら超音波センサゃル一プコイルを用いた交通渋滞計測システム;こおい ては、 超音波センサやループコイルの設置地点のみの情報しか得られず、 所 定時間における通過台数、 または、 設置地点を通過する車両のうちのごく一 部の特定車の速度を用いて間接的に渋滞状況を推定しているのが現状であ る- このため、 超音波センサやループコイルを用いた交通渋滞計測システム では、 交通渋滞における正確な渋滞範囲をリアルタイムに自動計測するこご
は困難である。 例えば、 交差点からの渋滞の長さに応じて信号の切り替え時 期を制御する目的で、 上記の超音波センサやループコイルを採用した場合に は、 交通渋滞を速やかに緩和させるような信号制御が困難になるといった間 題がある。
上記の超音波センサやループコイルを用いた交通渋滞計測システム り正 確な渋滞状況をリアルタイムで計測できるものとして、 ビデオカメラを用い た以下の 2例の交通渋滞計測システムが提案されている。 第 1の例は、 wootton Jeffreys CONSULTANTSの" INP ACTS: A New TV Image Processing System for Monitoring Traffic Conditions"または欧州特許公報 0403 ! 93号 に 開示されているシステムである。 これは、 ビデオカメラにより撮影された画 像上の道路を 1台の車の長さ程度の大きさに車線毎にブコック化し、 それぞ れのブロックが、 車が検知されない空きのブロック、 移動している車を検知 したブロック、 止まっている車を検知したブロックの中のどのブロックに相 当するかを画像処理により調べ、 3種類のプロックの存在パターン;こ応じ て、 渋滞の状況検出、 例えば、 完全に停滞している、 少し移動している、 順 調に流れている等を検出する。
第 2の例は、 北村等による電気学会産業応用部門全国入会資料 ( 1 9 9 1 ) の 「道路交通渋滞計測システムの検討」 に開示されているシステムであ る。 これは、 ビデオカメラにより撮影された画像から車両密度、 車両の移動 量、 路面輝度の 3種の特徴量を抽出し、 これらの 3種の特徴量をニニ一ラル ネットワークの入力層に入力し、 0〜 1の範囲の 0 . 2刻みの 5段階に: ii力値 を求め、 その出力値に応じて、 渋滞の状況を 5段階に検出、 すなわち、 「空 き」 、 「定常走行」 、 「混雑」 、 「やや渋滞」 、 「渋滞」 の 5つの状況を検 出する。
しかしながら、 上述の第 1の従来例と第 2の従来例の交通渋滞計測システ ムには以下のような問題点があった。 すなわち前者の交通渋滞計測システム にあっては、 3種類のプロックの存在パターンと渋滞の状況との関係を各 ¾
点毎に事前に学習しておく必要がある。 また、 車線毎にブコック化処理が必 要になるので、 複数の車線に跨がった渋滞を検出することができず、 正確な 渋滞状況を検出できない。 更に、 遠方では車両が小さくなるので、 車 1台に 相当するプロック化が困難であり、 長い距離にわたる渋滞検出は行えない。 —方、 後者の交通渋滞計測システムにあっては、 ニニ一ラルネッ、フーク を利用しているので、 予め学習用の大量のデータを用いてニューラル ット ワークを構成しておかなければならず、 前準備が煩雑である。 また、 道路環 境が変化すると、 新たにニューラルネットワークを構成し直さなければなら ない。 さらに、 画像全体を一括して画像処理して渋滞状況を検出しているの で、 画像上の部分的な渋滞状況を検出することができず、 画像上の 分毎の 詳細な情報、 例えば、 「道路上の X 1地点からどの X 2地点まで yメー トル の渋滞が発生」 というような部分的な渋滞の長さの情報を提供できない- どちらの交通渋滞計測システムにも上述のような問題点があり、 実用化す るのは困難である。 本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、 事前 の学習量が少なくて良く、 複数の車線に跨がった渋滞も検出することがで き、 環境の変化、 例えば、 計測地点、 時間帯、 天候、 交通量等の変 :こ関わ らずに安定して渋滞状況を検出でき、 しかも渋滞の長さも検出できる交通渋 滞計測方法及び装置を提供することを目的とする。
また、 上記の利点を併せ持ってかつ、 例えば 2 0 k mZ h以下の速度で低 速運転している車両群による渋滞を正確に検出可能な、 高速道路の渋滞検出 に適した交通渋滞計測方法および装置を提供することを目的とする c
さらに、 上記交通渋滞計測万法および装置で採^した処理手順を ^した 画像処理方法およぴ装置を提供することを目的とする。 発明の開示
第 1の発明によれば、 ビデオカメラにより撮影された、 道路と該道路上を行 き来する車両とを描写した一連の複数の画像からなる動画像に基づいて.. 交通
渋滞の状況を計測する交通渋滞計測方法であって、 前記動画像上に、 それぞれ 輝度値を有する複数のサンプル点を設定するステップ (a ) ご、 前記一連の画 像のうちの所定時刻における画像上の、 車両が存在していると推測されるサン プル点を、 存在サンプル点として検出するステップ (b ) と、 前記所定時刻の 画像上の、 移動中の車両が存在していると推測されるサンブル点を、 移動サン プル点として検出するステップ (c ) と、 所定の割合以上の移動サンプノレ点を 含む互いに隣接する複数のサンプル点から構成されるブコックを、 移動プロッ クとして検出するステップ (d ) と、 前記移動ブロックから外れた存在了ンプ ル点を、 渋滞サンプル点として検出するステップ (e ) と、 所定の割合以上の 渋滞サンプル点を含む互いに隣接する複数のサンプル点から構成されるブコッ クを、 渋滞ブロックとして検出するステップ (f ) と、 前記渋滞ブロックに基 づいて、 前記所定時刻における前記道路上の交通渋滞の状況を計測するステツ プ (g ) と、 を備えた交通渋滞計測方法が提供される。
第 2の発明によれば、 ビデオカメラにより撮影された、 道路と該道路上を行 き来する車両とを描写した一連の複数の画像からなる動画像に基づいて、 交通 渋滞の状況を計測する交通渋滞計測装置であって、 前記動画像上に、 それぞれ 輝度値を有する複数のサンプル点を設定する第 1の手段と、 前記一連の画像の うちの所定時刻における画像上の、 車両が存在していると推測される—ンブノ 点を、 存在サンプル点として検出する第 2の手段と、 前記所定時刻の画像上 の、 移動中の車両が存在していると推測されるサンブル点を、 移動サンプル点 として検出する第 3の手段と、 所定の割合以上の移動サンプル点を含む互いに 隣接する複数のサンプル点から構成されるプロックを、 移動プロックとして検 出する第 4の手段と、 前記移動ブロックから外れた存在サンプル点を、 渋滞サ ンプル点として検出する第 5の手段と、 所定の割合以上の渋滞サンブル sを含 む互いに隣接する複数のサンプル点から構成されるブロックを、 渋滞ブコック として検出する第 6の手段と、 前記渋滞ブロックに基づいて、 前記所 時刻に おける前記道路上の交通渋滞の状況を計測する第 7の手段と、 を備えた交通渋 滞計測装置が提供される。
第 3の発明によれば、 ビデオカメラにより撮影された、 道路と該道路上を行 き来する車両とを描写した一連の複数の画像からなる動画像に基づ 、て、 交通 渋滞の状況を計測する交通渋滞計測方法であって、 輝度値をそれぞ 有すると ともに前記道路の横断方向に一列に前記動画像上に並ぶ複数のサンプ によ りそれぞれが構成される複数のサンプルラインを前記動画像上に設定するステ ップ (a ) と、 前記ビデオカメラにより撮影されて、 車両が道路上に存在して いないと推測される基準輝度画像を作成するステップ (b ) と、 前記一運の画 像のうちの所定時刻の画像と前記基準輝度画像との輝度の差を表す差分画像を 算出して、 前記所定時刻の画像と前記基準輝度画像との位置的に対応するサン プル点の輝度の差を表す輝度差分値を算出するステップ (c ) と、 前記差分画 像上の各サンプル点の輝度差分値に基づいて、 前記基準輝度画像上のサンブル ラインとの輝度の差が所定値より大きな前記所定時刻の画像上のサンプルライ ンを、 差分サンプルラインとして検出するステップ (d ) と、 前記差分画像を 空間微分して、 差分画像上の各サンプル点の微分値を算出するステツァ ( e ) と、 空間微分された前記差分画像上の各サンプル点の微分値に基づ'、'、'て、 前記 所定時刻の画像上のサンプルラインのうちの、 隣接するサンブルラノンごの輝 度の差が所定値より大きなサンプルラインを、 エッジラインとして検出するス テツブ ( ί ) と、 前記ステップ (d ) で検出された差分サンプルラインと前記 ステップ (f ) で検出されたエッジラインとの両方を、 車両が存在していると 推測される存在サンプルラインとして検出するステップ (g ) ご、 前記存在サ ンプルラインに基づいて、 交通渋滞の状況を計測するステップ (h ) と、 を備 えた交通渋滞計測方法が提供される。
第 4の発明によれば、 ビデオカメラにより撮影された、 道路と該道路上を行 き来する車両とを描写した一連の複数の西像からなる動画像に基づいて、 交通 渋滞の状況を計測する交通渋滞計測方法であって、 輝度値をそれぞれ有すると ともに前記道路の横断方向に一列に前記動画像上;こ並ぶ複数のマンブ ^ ,こよ りそれぞれが構成される複数のサンプルラインを設定するステップ (&; ご、 前記一連の画像のうちの所定時刻における画像上の各サンブル点の輝度に基づ
いて、 車両が存在していると推測されるサンプルラインを、 存在サンプルラノ ンとして検出するステップ (b ) と、 前記所定時刻の画像に描写された、 車両 の影を含む前記道路上の影の領域を推定するステップ (c ) と、 前記影の領域 に基づいて、 前記存在サンプルラインを補正するステップ (d ) と、 該ステツ プ (d ) で補正された存在サンプルラインに基づいて、 交通渋滞の状¾を計測 するステップ (e ) と、 を備えたことを特徴とする交通渋滞計測方法が提供さ れる。
第 5の発明によれば、 ビデオカメラにより撮影された、 道路と該道路上を行 き来する車両とを描写した一連の複数の画像からなる動画像に基づいて. 交通 渋滞の状況を計測する交通渋滞計測方法であって、 輝度値をそれぞれ有すると ともに前記道路の横断方向に一列に前記動画像上に並ぶ複数のサンブル^によ りそれぞれが構成される複数のサンプルラインを設定するステツァ 、' ) と、 前記所定時刻の画像上の、 移動中の車両が存在していると推測される ンプル ラインを、 移動サンプルラインとして検出するステップ (b ) と、 前記移動サ ンプルラインに基づいて、 交通渋滞の状況を計測するステップ (c ) とを備え たことを特徴とする交通渋滞計測方法が提供される。
第 6の発明によれば、 ビデオカメラにより撮影された、 道路と該道路上を行 き来する車両とを描写した一連の複数の画像からなる動画像に基づ 、'て、 交通 渋滞の状況を計測する交通渋滞計測方法であって、 輝度値をそれぞれ有すると ともに前記道路の横断方向に一列に前記動画像上に並ぶ複数のサンブル点によ りそれぞれが構成される複数のサンプルラインを設定するステップ ( と、 前記一連の画像のうちの所定時刻における画像上の各サンプル点の輝度;こ基づ いて車両が存在していると推測されるサンプルラインを、 存在サンブルライン として検出するステップ (b ) と、 前記存在サンプルラインに基づいて、 前記 所定時刻の前記道路上に存在する車両の密度を算出するステップ (c ) ご、 前 記所定時刻の画像に描写された全車両に対して、 所定サイズょり大きな車両が 含まれている割合を推定するステップ (d ) と、 該ステップ (d ) で推 され た割合に基づいて、 前記車両の密度を補正するステップ (e ) ご、 前記ステツ
プ (e ) で補正された車両の密度に基づいて、 交通渋滞の状況を計測するステ ップ (f ) と、 を備えた交通渋滞計測方法が提供される。
第 7の発明によれば、 ビデオカメラにより撮影された、 道路と該道路上を行 き来する車両とを描写した一連の複数の画像からなる動画像に基づいて. 交通 渋滞の状況を計測する交通渋滞計測方法であって、 輝度値をそれぞれ^丁るご ともに前記道路の横断方向に一列に前記動画像上に並ぶ複数のサンブル点によ りそれぞれが構成される複数のサンプルラインを設定するステップ (a ) と、 前記一連の画像のうちの所定時刻 tにおける画像上の各サンブルラインのサン ブル点の輝度値の平均を表す平均輝度値を算出するステップ (b ) と, フを正 の時間間隔として、 前記一連の画像のうちの前記時刻 t γにおける画像上の 各サンプルラインのサンプル点の輝度値の平均を表す平均輝度値を算 丁るス テツプ (c ) と、 前記時刻 tの画像上の、 移動中の車両が存在してい、るご推定 されるサンプルラインを、 移動サンプルラインとして検出するステツァ (d ) と、 前記時刻 t + γにおける画像上のサンプルラインの中から、 前記時刻 tに おける画像上の各移動サンプルラインの移動先と推測されるサンプルライン を、 移動先サンプルラインとして検出するステップ (e ) と、 前記移動サンプ ルラインと前記移動先移動サンプルラインとに対応する道路上の実際 C二つの 位置間の距離と前記時間 yとに基づいて、 各移動サンブルラノンの速度を算出 するステップ (f ) と、 前記ステップ (ί ) で算出された各移動サンアルライ ンの速度に基づいて、 前記道路の交通渋滞の状況を計測するステップ (g ) と、 を備えた交通渋滞計測方法が提供される。
第 8の発明によれば、 ビデオカメラにより撮影された、 道路と該道路上を行 き来する車両とを描写した一連の複数の画像からなる動画像に基づいて、 交通 渋滞の状況を計測する交通渋滞計測方法であって、 前記ビデオカメラにより撮 影されて、 車両が存在していないと推測される画像を基準輝度画像として設定 するステップ (a ) と、 所定時刻の画像と前記基準輝度画像とに基づいて、 前 記所定時刻の画像上の車両の存在を検出するステップ (b ) と、 該ステップ ( b ) 後、 前記基準輝度画像を更新するステップ (c ) と、 前記ステップ
( b ) とステップ (c ) とを所定の時間間隔で繰り返すステツブ (d , こ 、 を備え、 前記ステップ (c ) では、 前記基準輝度画像が、 次式によって更新 され、
Β η+1 = Βη+1 + η X ( Χη— Βη)
ここに、 Χηは、 時刻 t nの画像の各画素の輝度値、 B nは、 時刻 t nの画像 上の車両の存在を検出するのに使われる基準輝度画像の各画素の輝度値、 3 r. +1は、 時刻 t n+1の画像上の車両の存在を検出するのに使われる基準輝度画 像の各画素の輝度値を表し、 t riTl—し nが前記所定の時間間隔に等しく、 η は可変係数であり、 i X n— B n ;が大きレ、ほど小さくするごもに、 萆両の 渋滞度が高くなるほど小さくするようにした交通渋滞計測方法が提^され る。
第 9の発明によれば、 ビデオカメラにより撮影された、 道路と該道路二を行 き来する車両とを描写した一連の複数の画像からなる動画像に基づ 、て、 交通 渋滞の状况を計測する交通渋滞計測方法であって、 所定時刻の画像を複数個に 区分するメッシュ毎に、 存在する車両の平均速度を表す空間速度を算出するス テツプ (a ) と、 前記空問速度に基づいて、 渋滞が発生しているメッシュを渋 滞領域として検出するステップ (b ) と、 前記渋滞領域の末尾位置を検 する ステップ (c ) と、 を備えた交通渋滞計測方法が提洪される,
第 1 0の発明によれば、 ビデオカメラにより撮影された、 道路と該道路上を 行き来する車両とを描写した一連の複数の画像からなる動画像に基づいて、 交 通渋滞の状況を計測する交通渋滞計測装置であって、 輝度値をそれぞれ有する とともに前記道路の横断方向に一列に前記動画像上に並ぶ複数のサンブル点に よりそれぞれが構成される複数のサンプルラインを前記動画像上に設定する手 段と、 前記ビデオカメラにより撮影されて、 軍両が道路上に存在してい ご 推測される基準輝度画像を作成する手段と、 前記一連の画像のうちの所 時 の画像と前記基準輝度画像との輝度の差を表す差分画像を算出して、 前記所定 時刻の面像と前記基準輝度画像との位置的に対応するサンブ /レ点の輝度の差を 表す輝度差分値を算出する手段と、 前記差分画像上の各サンプル点の輝度差分
値に基づいて、 前記基準輝度画像上のサンプルラ ンとの輝度の差が所定値よ り大きな前記所定時刻の面像上のサンプルラインを、 差分サンブルラノンご一 て検出する手段と、 前記差分画像を空間微分して、 差分画像上の各サンプル = の微分値を算出する手段と、 空間微分された前記差分画像上の各サンブル点の 微分値に基づいて、 前記所定時刻の画像上のサンプルラインのうちの、 隣接す るサンプルラインとの輝度の差が所定値より大きなサンプルラインを、 ニッジ ラインとして検出する手段と、 前記差分サンプルラインと前記エッジラインと の両方を、 車両が存在していると推測される存在サンプルラノンとして検出す る手段と、 前記存在サンプルラインに基づいて、 交通渋滞の状況を計測丁る手 段と、 を備えた交通渋滞計測装置が提供される。
第 1 1の発明によれば、 ビデオカメラにより撮影された、 道路と該道路上を 行き来する車両とを描写した一連の複数の画像からなる動画像に基づいて、 交 通渋滞の状況を計測する交通渋滞計測装置であって、 輝度値をそれぞれ有する とともに前記道路の横断方向に一列に前記動画像上に並ぶ複数のサンプル点に よりそれぞれが構成される複数のサンプルラインを設定する手段と、 前記所定 時刻の画像上の、 移動中の車両が存在していると推測されるサンブルライン を、 移動サンプルラインとして検出する手段と、 前記移動サンアルラインに基 づいて、 交通渋滞の状況を計測する手段と、 を備えたことを特徴とする 通渋 滞計測装置が提供される。
第 1 2の発明によれば、 ビデオカメラにより撮影された、 道路と該道路上を 行き来する車両とを描写した一連の複数の画像からなる動画像に基づレ、て、 交 通渋滞の状況を計測する交通渋滞計測装置であって、 輝度値をそれぞれ有する とともに前記道路の横断方向に一列に前記動画像上に並ぶ複数のサンァ /レ^に よりそれぞれが構成される複数のサンプルラインを設定する手段と、 前記一連 の画像のうちの所定時刻における画像上の各サンプル点の輝度に基づいて車両 が存在していると推測されるサンプルラインを、 存在サンプルラノ ンこ ^て検 出する手段と、 前記存在サンプルラインに基づいて、 前記所定時刻の前記道路 上に存在する車両の密度を算出する手段と、 前記所定時刻の画像に描写された
全車両に対して、 所定サイズより大きな車両が含まれている割合を推定する手 段と、 前記割合に基づいて、 前記車両の密度を補正する手段と、 を備えた交通 渋滞計測装置が提供される。
第 1 3の発明によれば、 ビデオカメラにより撮影された、 道路と該道路上を 行き来する車両とを描写した一連の複数の画像からなる動画像に基づいて、 交 通渋滞の状況を計測する交通渋滞計測装置であって、 輝度値をそれぞれ有する とともに前記道路の横断方向に一列に前記動画像上に並ぶ複数のサンアル点に よりそれぞれが構成される複数のサンプルラインを設定する手段と、 前記一連 の画像のうちの所定時刻 tにおける画像上の各サンプルラインのサンプル点の 輝度値の平均を表す平均輝度値を算出する手段と、 '/を正の時間間隔ご て、 前記一連の画像のうちの時刻 t + における画像上の各サンブルラインのサン プル点の輝度値の平均を表す平均輝度値を算出する手段と、 前記時刻 tの画像 上の、 移動中の車両が存在していると推定されるサンプルラインを、 移動サン プルラインとして検出する手段と、 前記時刻 t + Ύにおける画像上のサンプル ラインの中から、 前記時刻 tにおける画像上の各移動サンプルラインの移動先 と推測されるサンプルラインを、 移動先サンプルラインとして検出する手段 と、 前記移動サンプルラインと前記移動先移動サンプルラインとに対応丁る道 路上の実際の二つの位置間の距離と前記時問 Ύとに基づいて、 各移動 7ンプル ラインの速度を算出する手段と、 算出された各移動サンプルラインの速度に基 づいて、 前記道路の交通渋滞の状況を計測する手段と、 を備えた交通渋滞計測 装置が提供される。
第 1 4の発明によれば、 カメラにより撮影され、 対象物と背景とを一緒に描 写した画像を処理する画像処理方法において、 前記背景のみを描写する基準輝 度画像を作成するステップご、 前記画像と前記基準輝度画像との輝度 ^差を表 す差分画像を算出するステップと、 前記差分画像に含まれた各画素の輝度値が 所定値より大きいか否かを判別するステップと、 前記カメラの位置から各画素 に対応する実際の各位置までの距離に応じて、 前記所定値を変化させるステツ プと、 を備えた画像処理方法が提供される。
第 1 5の発明によれば、 ビデオカメラにより撮影された一連の連続した画像 のうちの時刻 tにおける画像と、 αを正の時間間隔として、 時刻 こおけ る画像との輝度の差を表す第 1の差分画像を算出するステップと、 前記第 1の 差分画像に所定の第 1の閾値で二値化処理を施して、 「0」 および 「1」 のン ベルを有する画素のみからなる第 1の特徴抽出画像を作成するステップご、 前 記一連の連続した画像のうちの時刻 tにおける画像と、 ]3を正の時間間隔とし て、 時刻 t + 3における画像との輝度の差を表す第 2の差分画像を算出するス テツプと、 前記第 2の差分画像に所定の第 2の閾値で二値化処理を施して、 「0」 および 「1」 のレベルを有する画素のみからなる第 2の特徴抽出画像を 作成するステップと、 前記第 1の特徴抽出画像と前記第 2の特徴抽出画像との 論理積をとつて積画像を作成するステップと、 前記ビデオカメラの位置から の、 前記時刻 tにおける画像に含まれる各画素に対応する実際の各位置までの 各距離に応じて、 前記 αおよび 3を変化させるステップと、 を備えた画像処理 方法が提供される。
第 1 6の発明によれば、 カメラにより撮影された画像に含まれる画素の輝度 値に基づいて、 前記画素を第 1の画素と第 2の画素の何れかに分別するステツ プと、 前記画像のそれぞれを部分的に構成する複数の候補ブコックのそれぞれ に含まれる全画素に対する第 1の画素の個数の割合を算出するステツ 7ご、 前 記第 1の画素の割合が所定値より大きい候補プロックを検出するステップと、 前記カメラの位置からの、 前記各候補ブロックに対応する実際の各位置までの 各距離に応じて、 前記所定値を変化させるステップと、 を備えた画像処理方法 が提供される。
第 1 7の発明によれば、 カメラにより撮影された画像に含まれる画素の輝度 値に基づいて、 前記画素を第 1の画素と第 2の画素の何れかに分別するステツ プと、 前記画像のそれぞれを部分的に構成する複数の候補ブコックのそれぞれ に含まれる全画素に対する第 1の画素の個数の割合を算出するステップご、 前 記第 1の画素の割合が所定値より大きい候補プロックを検出するステップと、 前記カメラの位置からの、 前記各候補プロックに対応する実際の各位置までの
各距離に応じて、 各候補ブロックの大きさを変化させるステップと、 を備えた 画像処理方法が提供される。
第 1 8の発明によれば、 カメラにより撮影され、 対象物と背景とを一緒に描 写した画像を処理する画像処理装置において、 前記背景のみを描写する基準輝 度画像を作成する手段と、 前記画像と前記基準輝度画像との輝度の差を表す差 分画像を算出する手段と、 前記差分画像に含まれた各画素の輝度値が所定値よ り大きいか否かを判別する手段と、 前記カメラの位置から各画素に対^する実 際の各位置までの距離に応じて、 前記所定値を変化させる手段と、 を備えた画 像処理装置が提供される。
第 1 9の発明によれば、 ビデオカメラにより撮影された一連の連続した画像 のうちの時刻 tにおける画像と、 c を正の時間間隔として、 時刻 t一 こおけ る画像との輝度の差を表す第 1の差分画像を算出する手段と、 前記第 1の差分 画像に所定の第 1の閾値で二値化処理を施して、 「0」 および i - :, ベル を有する画素のみからなる第 1の特徴抽出画像を作成する手段と、 前記一連の 連続した画像のうちの時刻 tにおける画像と、 j3を正の時間間隔として.、 時刻 t + /3における画像との輝度の差を表す第 2の差分画像を算出する手段ご、 前 記第 2の差分画像に所定の第 2の閾値で二値化処理を施して、 「0」 および 「1」 のレベルを有する画素のみからなる第 2の特徴抽出画像を作成する手段 と、 前記第 1の特徴抽出画像と前記第 2の特徴抽出画像との論理積をとって積 画像を作成する手段と、 前記ビデオカメラの位置からの、 前記時刻 t ;こおける 画像に含まれる各画素に対応する実際の各位置までの各距離に応じて、 前記 α および を変化させる手段と、 を備えた画像処理装置が提供される。
第 2 0の発明によれば、 カメラにより撮影された画像に含まれる画素の輝度 値に基づいて、 前記画素を第 1の画素と第 2の画素の何れかに分 Τる手段 と、 前記画像のそれぞれを部分的に構成する複数の候補ブコックのそ ぞれ;こ 含まれる全画素に対する第 1の画素の個数の割合を算出する手段と、 前記第 1 の画素の割合が所定値より大きい候補プロックを検出する手段と、 前記刀メラ の位置からの、 前記各候補プロックに対応する実際の各位置までの各距離に応
じて、 前記所定値を変化させる手段と、 を備えた画像処理装置が提供される: 第 2 1の発明によれば、 カメラにより撮影された画像に含まれる画素の輝度 値に基づいて、 前記画素を第 1の画素と第 2の画素の何れかに分別する手段 と、 前記画像のそれぞれを部分的に構成する複数の候補ブコックのそれぞれに 含まれる全画素に対する第 1の画素の個数の割合を算出する手段と、 前記第 1 の画素の割合が所定値より大きい候補プロックを検出する手段と、 前記カメラ の位置からの、 前記各候補プロックに対応する実際の各位置までの各距離:こ^ じて、 各候補ブロックの大きさを変化させる手段と、 を備えた画像処理装置が 提供される。 図面の簡単な説明
本発明の上述の目的、 特徴および長所とその他の目的、 特徴および長所 は、 以下の図面と共に、 後述される発明の好適な実施例の詳細な記载 ら明 らカになる。
第 1図は、 本発明に係る交通渋滞計測方法および装置を適用した交通管制 システムの第 1の実施例を示す図である。
第 2図は、 第 1図に示されたビデオカメラが撮影する領域を示す斜視図で ある。
第 3図は、 第 1図に示された渋滞計測装置を示すブコック ¾である: 第 4図は、 第 1図に示された渋滞計測システムの渋滞計測手順を示 フコ —チヤ一トである c
第 5図は、 第 4図に示されたフローチヤ一トの各ステップの算出結果ゃ検 出結果の関係を示す図である。
第 6図は、 第 1図に示されたビデオ力メラで撮影された画像上に設^する サンプル点を示す図である。
第 7図は、 第 4図に示されたフローチャートのステップ S 2の詳細な手順 を示すフローチヤ一トである:
第 8図は、 第 7図に示されたフローチヤ一トのステップ S 2 bで作^さ る存在サンプル点を示す図である。
第 9図は、 第 4図に示されたフロ一チヤ一卜のステップ S 2で検出される 存在サンプル点を示す図である。
第 1 0図は、 第 4図に示されたフコーチャートのステップ S 3の詳細な手 順を示すフローチヤ一トである - 第 1 1図は、 第 1 0図に示されたフローチヤ一トのステップ S 3 a〜ステ ップ S 3 kにより作成される各画像の関係を示す図。
第 1 2図は、 第 1 0図に示されたフコーチヤ一トのステップ S 3 Jおよび S 3 kのそれぞれで作成される第 1の特徴抽出画像および第 2の特徴抽出画 像と、 第 1 0図のフローチヤ一トのステップ S 3 Iで作成される積画像との 関係を示す図である。
第 1 3図は、 第 4図に示されたフローチヤ一トのステップ S 4の詳細な手 順を示すフロ一チヤ一トである。
第 1 4図は、 第 4図に示されたフロ一チャートのステップ S 4で検 され る移動プロックを示す図である。
第 1 5図は、 第 4図に示されたフローチヤ一トのステ プ S 5で検 され る渋滞サンプル点の検出方法を説明する図である。
第 1 6図は、 第 4図に示されたフローチャートのステップ S 6の詳 な手 順を示すフローチャートである。
第 1 7図は、 第 4図に示されたフローチヤ一トのステップ S 6で検出され る渋滞プロックを示す図である。
第 1 8図は、 第 4図に示されたフローチヤ一卜のステッブ S 7の詳細な手 順を示すフロ一チヤ一トである。
第 1 9図は、 第 1 8図に示されたフロ一チヤ一トのステップ S 7 £で検 された渋滞範囲と、 ステップ S 7 cで補正された渋滞範囲の関係を示 T図で ある。
第 2 0図は、 本発明に係る交通渋滞計測方法および装置を適用し ΐΖ通管 制システムの第 2の実施例を示す図である。
第 2 1図は、 第 2 0図に示された渋滞計測装置の空間計測領域と交通流計 測領域との関係を示す図である。
第 2 2図は、 第 2 0図に示された渋滞計測システムの空間密度計測手順を 示すフロ一チヤ一トである。
第 2 3図は、 第 2 2図に示されたフローチヤ一トの各ステップの算 結果 や検出結果の関係を示す図である。
第 2 4図は、 第 2 2図に示されたフコーチヤ一トのステップ Ρ 1で作成さ れるサンプル点画像と、 同ステップで設定されるサンプルラインとの関係を 示す図。
第 2 5図は、 第 2 2図に示されたフローチヤ一トのステップ Ρ 4の詳細な 手順の第 1例を示すフロ一チヤ一トである。
第 2 6図は、 第 2 2図に示されたフローチヤ一トのステップ Ρ 4の詳細な 手順の第 2例を示すフローチャートである。
第 2 7図は、 第 2 2図に示されたフローチヤ一トのステップ Ρ 5の詳細な 手順の第 1例を示すフロ一チヤ一トである。
第 2 8図は、 第 2 2図に示されたフローチヤ一トのステップ Ρ 5の詳細な 手順の第 2例を示すフローチヤ一トである。
第 2 9図は、 第 2 2図に示されたフローチャートのステップ Ρ 7の詳細な 手順を示すフローチヤ一トである。
第 3 0図は、 第 2 2図に示されたフローチヤ一トのステップ Ρ 7に ける 存在サンプルラインの補正前、 途中、 後の変化を示す図である c
第 3 1図は、 第 2 2図に示されたフコ一チヤ一トのステップ P 8の詳細な 手順を示すフローチャートである c
第 3 2図は、 第 2 2図に示されたフロ一チヤ一卜のステップ P 9の詳細な 手順を示すフローチヤ一トである。
第 3 3図は、 第 2 2図に示されたフコ一チヤ一 のステップ P 1 0.の詳細 な手順を示すフローチヤ一トである c
第 3 4図は、 第 2 2図に示されたフローチヤ一トのステップ P I 0二お;丁 る存在サンプルラインの補正前後の変化を示す図。
第 3 5図は、 第 2 2図に示されたフコーチヤ一卜のステップ P 1 2 ,こおけ るメッシュ毎の空間密度を表す図。
第 3 6図は、 第 2 2図に示されたフロ一チヤ一トのステップ P 1 5,こお る大型車混入率に基づく空間密度の補正が必要になる理由を説明するための 図である。
第 3 7図は、 第 2 0図に示された渋滞計測システムの空間速度の計測手順 を示すフロ一チヤ一トである。
第 3 8図は、 第 3 7図に示されたフローチヤ一トの各ステップの算^結杲 や検出結果の関係を示す図である:
第 3 9図は、 第 3 7図に示されたフローチヤ一トのステップ Q 4の詳細な 手順の第 1例を示すフローチャートである。
第 4 0図は、 第 3 7図に示されたフローチヤ一トのステップ Q 4の詳細な 手順の第 2例を示す図である。
第 4 1図は、 第 4 0図に示されたフローチヤ一トのステップ Q 4 Jにおけ る移動サンプルラインおよび該移動サンプルライン前後の 2つのサンプルラ インと、 これら移動サンプルライン、 2つのサンプルラインのそれぞれの予 想移動範囲との関係を示す図である。
第 4 2図は、 第 2 0図に示された渋滞計測システムの渋滞領域末尾位置の 計測手順の第 1例を示すフ口一チャートである。
第 4 3図は、 第 2 0図に示された渋滞計測システムの渋滞領域末尾'立置の 計測手順の第 2例を示すフ ーチヤ一トである。
第 4 4図は、 第 4 2図および第 4 3図に示されたフコーチヤ一トの各ステ ップの算出結果や検出結果の関係を示す図である。
第 4 5図は、 第 4 2図に示されたフローチヤ一トの手順で計測され Γこ渋滞 領域渋滞末尾位置を示す図である c 発明の好ましい実施例
(第 1の実施例)
本発明に係る交通渋滞計測方法および装置を採用した交通管制システムの 第 1の実施例を、 第 1図〜第 1 9図を参照しつつ以下に詳細に説明する- 第 1図に示すように、 交通管制システムは、 交差点 I S近傍に配置された ビデオ力メラ 1 1〜 1 4、 渋滞計測装置 2 1〜 2 4、 信号機 3 1〜 3 4、 信 号制御装置 4 1〜4 4および中継装置 5 0、 並びに、 交差^ I S ら 遠く 離れた所に位置する交通管制センタ一内に設けられた中央制御装置 S )を備 えている。 ビデオカメラ 1 1〜 1 4は、 第 2図に示すように、 交差点: S近 傍の路面から例えば高さ 1 O mの位置に配置され、 交差点近傍位置から 1 5 O mの距離の 3車線分の領域 Yを撮影する。 また本実施例においては、 ビデ ォカメラ 1 1〜1 4は、 車両の進行方向下流側から上流側を撮影する うに 向けられている。
渋滞計測装置 2 1〜2 4は、 交差点 I Sに流入する車両の台数、 速度およ び車種に基づいて交通流量を計測するとともに、 渋滞範囲、 言い換えれば渋 滞長を計測することができる。 渋滞計測装置 2 1〜2 4のそれぞれは、 第 3 図に示すように、 C P U 2、 画像メモリ 3、 入力装置 4、 表示装置 5、 格納 装置 6、 伝送装置 7、 R AM (Random Access Memory) 8および R O M ( ead-only Memory) 9をfeえてレ、る。
ビデオ力メラ 1 1〜1 4により撮影された画像デ一タは、 それぞれ渋滞計 測装置 2 1〜2 4の C P U 2に伝送される。 伝送された画像データは C Pじ 2を介して画像メモリ 3に格納される- R OM 9には、 渋滞検出に関する各 種プログラムが格納されており、 C Pじ 2は、 R OM 9から必要なブコダラ ムを読み出して、 R AM 8を作業エリアとして、 プログラムを実行する。 ブ
ログラムの実行により、 画像メモリ 3から必要な画像データが読み出され、 この画像データに基づいて、 種々の計算値が算出され、 最終的には後述の状 態状況の計測結果が算出される。 プログラムの実行中に算出される各種計算 値は、 一時的に、 画像メモリ 3に記憶されるようになっている 渋滞状況の 計測結果は、 表示装置 5、 格納装置 6および伝送装置 7に出刀される: 表示 装置 5は、 入力された渋滞状況を表示する。 格納装置 6は、 入力された渋滞 状況を格納する。 伝送装置 7は、 入力された渋滞状況を中継装置 5 0を通し て、 第 1図に示された交通管制センタ一の中央制御装置 6 0に送信 Tる。 入 力装置 4は、 各種設定値や閾値を入力したり、 これらを変更したりする際に 用いられる入力手段である。
再び第 1図において、 交通管制センタ一の中央制御装置 6 0は、 渋滞計測 装置 4 1 4 4の計測結果に基づいて、 中継装置 5 0を介して信号制御装置 4 1 4 4に信号制御パターンを送信する。 例えば、 ビデオカメラ 1 : 1 3から画像データを入力する渋滞計測装置 2 1 2 3が、 ビデオカメラ】 2 1 4から画像データを入力する渋滞計測装置 2 2 2 4よりも、 長い渋 滞範囲を計測した場合、 中央制御装置 6 0は、 信号機 3 1 3 3の青信号の 時間間隔が、 信号機 3 2 3 4の青信号の時間間隔よりも長くなる うな、 信号制御パターンを信号制御装置 4 :! 4 4に送出して、 ビデ:^カメラ 1 1 3により撮影されている道路上の渋滞を緩和させるようにしている。 ここで、 上述のように構成される交通渋滞計測装置により実行される渋滞 計測方法を、 まず、 第 4図に示されるステップ S 1 S 8のフローチャート に従って、 概略的に説明する。
ステップ S 1で、 ビデオカメラにより撮影された画像上に複数のアンプル 点を設定する。 例えば、 第 6図に示される画像 7 1がビデ才力メラに り撮 影された場合、 サンプル点は 「·」 により示される。 ステップ S 2で、 時刻 t nにおける面像上の、 車両が存在していると推測されるサンブル点を、 存在サ ンプル点として検出する。 ステップ S 3で、 時刻 t nの画像上の、 移動中の車
両が存在していると推測されるサンプル点を、 移動サンプル点と ^て検出丁 る。 ステップ S 4で、 所定の割合以上の移動サンプル点を含む互いに^接丁る 複数のサンプル点から構成される矩形のプロックを、 移動ブコックご ^て検 m する。 ステップ S 5で、 移動ブロックから外れた存在サンプル sを、 渋滞サン プル点として検出する。 ステップ S 6で、 所定の割合以上の渋滞サンブル点を 含む互いに隣接する複数のサンプル点から構成される矩形のプロックを、 渋滞 ブロックとして検出する。 ステップ S 7で、 渋滞ブロックに基づいて、 時刻: nにおける計測領域内の交通渋滞の状況を計測する。 ステップ S 8で、 — 1として、 ステップ S 2に戻る。 「n」 は、 正の整数であり、 t n+!— t n ;は 一定である。 したがって、 上記ステップ S 2〜S 7の各手順は一定の時間間隔 で繰り返される。
第 5図は、 上記ステップ S 1〜S 7における検出結果あるいは算出結果の概 略的な関係を示す図である。 これら検出結果あるいは算出結果の詳細は、 後述 する各ステップ S 1〜S 7の詳細な説明により明らかになる s
上記ステップ S 1のサンプル点の設定について、 下記に詳説する: 第 6図に示された画像 7 1は、 同図の下側がビデオカメラから距離が近い 領域に相当し、 第 6図の上側がビデオカメラから距離が遠い領域に相当す る c また、 画像 7 1には 3車線が示されており、 画像 7 1内の実線で示す矩 形は車両を示している。 第 6図から理解されるように、 サンブル点の道路横 断方向の間隔が実際の道路上で等間隔になるようにサンプル点を道路横断方 向に配置する。 このようにサンプル点を配置するのは、 道路横断方向では位 置の歪みが小さく、 また簡単に実際の長さに変換できるためである
一方、 車両走行方向については、 ビデオカメラから遠い位置ではサンプル 点の間隔を狭くし、 近い位置ではサンプル点の間隔を広くする。 このように サンプル点を配置するのは、 ビデオカメラ近傍では車両が入きく写る 3で ンプル点が疎であってもその走行状態を検出できるが、 遠方では草 R 小さ く写るのでサンプル点を密にしないとその走行状態を検出できない^ であ る。 例えば、 計測範囲内のビデオカメラから最遠地点における走行方向のサ
ンプル点間隔を画像上での 1画素間隔とし、 それより近いところでは、 車両 を検知できる程度にサンプル点間隔を広くする。 この場合、 予め決めておい たサンブル点のトータル数の上限値に応じて、 サンプル点間隔を設 する c このようにしておく と、 遠方での車両の走行状態の検出を確保できると共 に、 処理時間を短縮できる。 そして、 ビデオカメラから遠方である領域の検 出を入力画像の限界まで確保しつつ、 サンプル点数の上限を設定したことに より、 検出処理を高速化させるとももに、 高価な専用ハードウェアを不要と することができる。 また、 ビデオカメラの解像度を定数として設定丁るだけ で様々な解像度のビデオカメラを簡単に利用することができる。 この ンフ ル点の設定時に、 ビデオカメラの路面上の位置から各車線に沿った各サンプ ル点までの実際の距離と、 各車線に沿った各サンプル点間の実際の距離を、 車線毎に格納装置 6の記憶領域に作成された距離テ一ブルに記憶しておく。 次に、 第 4図のステップ S 2の存在サンプル点の検出手順を、 第 7図のス テツプ S 2 a〜S 2 gのフローチヤ一トに従って、 下記に詳説する:
ステップ S 2 aで、 後述の二値化処理に用いる各閾値 T H 1を、 ビデオ力 メラの道路上の位置から各サンプル点に対応する道路上の実際の各位置まで の距離に応じて設定する。 ステップ S 2 bでは、 時刻 t nの画像のアンプル 点に対応する画素のみからなるサンプル点画像を作成する- 第 8図は、 サン プル点画像の一例を示す図であり、 同図から理解されるように、 サンプル点 画像は、 時刻 t nの画像上のサンプル点を直行座標系に変換して構成されて おり、 第 8図に示すサンプル点の配列と同じ 2次元配列のデータ形式メモリ 上に記憶されるようになっている: また、 サンプル点画像ヱのサンブ 点に 対応する各画素の輝度値は 8ビットデータで表されるようになっている。 ステップ S 2 bからステップ S 2 cに進むと、 サンプル点画像と基準輝度 画像との各サンプル点の輝度値の差を表す輝度差分値を算出するこご;こより 差分画像を算出する。 存在サンプル点検出の最初のフローにおける基準輝度 画像は、 車両に対する背景のみを描写したものであり、 計測を開始する環境
に近い状態において撮影されたものである。 望ましくは、 最初の基準輝度画 像としては、 渋滞計測領域内の道路上に車両が全く存在していない画像であ ることが望ましい。 しかしながら、 適切な基準輝度画像を予め準備 Tるの は、 天候の変化や時間経過により時々刻々と画像上の輝度が変化するため非 常に困難であるため、 実際には、 車両が存在していないとみなすこと でき る画像、 すなわち、 実際には数台の車両が存在していたとしても、 実際に車 両が全く存在していない場合の画像と近似した画素データを有する画像であ ればよい。 また、 この基準輝度画像もサンプル点に対応する画素のみ^らな り、 上述のサンプル点画像と同様に構成されている。
ステップ S 2 dでは、 ステップ S 2 cでの差分画像を用いて、 次の時刻 t n
+1のサンプル点画像に対応する差分画像を算出するのに使わ る基準輝度 像 Bn+lを次式によって更新する。
Βητ1 = Β η + τ] Χ (Χ η— Β η) … (i) ここに、 X nは、 時刻 t nのサンプル点画像の各サンプル点の輝度値、 B n は、 時刻 tnのサンプル点画像に対応する差分画像を算出するのに使われた基 準輝度画像の各サンプル点の輝度値、 Bn+lは、 時刻 t n+1のサンブ 点画 像の差分画像を算出するのに使われる輝度値とする。 ηは可変値であ 、 X n -B n iが大きいほど、 あるいは、 渋滞度が高いほど、 小さく Tる。
X n— B n Iが大きいほど 7?を小さくするのは、 輝度変化が大きいほど車両 が存在する可能性が高いからである。 このときの Πは、 各サンプル点毎に設 定される。 一方、 渋滞度が高いほど を小さくするのは、 渋滞中の草両の輝 度を基準輝度画像に取り込まないようにするためである: このときの .は、 車線毎あるいは所定の領域毎に設定する。 渋滞度は後述の渋滞範蹈の検出結 果から判定する。
上式 ) で基準輝度画像を更新することにより、 天候や時間経過:こ伴う 日差しの変化に基準輝度画像を自動的に追随させることができる: また、 上 式 ( i ) で基準輝度画像を更新するのは、 ステップ S 2 cで算出する 「X n
一 B n」 の計算値をそのまま利^することができ、 計算量を削減 Tることが できるからである。 なお、 計算量が多くなるが、 基準輝度画像の更新 垤を 次式 ( i i ) を使ってステップ S 2 cの直前に行ってもよい:
Bn+1 = B n + a X (Xn+l - B η ) ■· · (n) ステップ S 2 eで、 差分画像を車両進行方向にソ一ベル微分子で空間微分 し、 次いでステップ S 2 f で、 空間微分された差分画像のサンプル点の各微 分値をステップ S 2 aで設定された各閾値 T H 1で二値化する:. この結果、 サンプル点は、 「0」 レベルか 「1」 レベルのどちらかの値になる 「 1— レベルのサンプル点には、 車両が存在していると推測することができ、 「0」 レベルのサンプル点には、 車両が存在していないと推測するこ -がで きるので、 ステップ S 2 gで、 「1」 レベルのサンプノレ点を、 存在サンプノレ 点として検出する。 このようにして検出された存在サンプル点の配置例を第 9図に示す。
なお、 上記ステップ S 2 aにおける各閾値 T H 1は、 ビデオカメラの道路 上の位置からから遠い位置に対応するサンプル点の識別に ¾いられる のほ ど、 小さくなるように設定するとよい。 これは、 ビデオカメラから遠い位置 では近い位置に比べて画像がぼやけ、 車両と背景との輝度差が小さくなるか らである。 このようにビデオカメラの道路上の位置から各サンプル^ :こ対応 する道路上の各位置までの実際の距離に応じて各サンプル点での閾値を設定 することにより、 ビデオカメラからの距離に影響されることなく、 どの位置 でも同程度の精度で存在サンプル点を検出することができる。
次に、 第 4図のステップ S 3の移動サンプル点の検出手順を、 第 1 G図の ステップ S 3 a〜S 3 mのフローチャートに従って、 下記に詳説する。 な お、 各ステップの説明において、 第 1 1図おょぴ第 1 2図を参照するご理解 が容易になる。
まず、 ステップ S 3 aで、 サンプル点画像を M個の領域に分割する。 不実施 例では、 ビデオカメラから遠い領域、 中間距離の領域、 近い領域の 3つ,こ分割
するので、 M= 3になる。 ステップ S 3 bで、 m番目の領域に対応する時間間 隔 am、 Γηと、 後述の二値化の閾値 ΤΗ 1、 ΤΗ 2を設定する。 ここ 、 a m、 πιは正の時間であり、 α 1 < α 2< α 3、 1 < 2 < /93とする c こ のように、 am、 j3mを設定するのは以下の理由による。 ビデオカメラから近 い位置では遠い位置に比べて、 画像における見かけ上の車両の移動は速くな る。 よって、 ビデオカメラから近い位置では車両の移動を短時間差の画像間 の比較により十分に検出することができるので、 ビデオカメラから近、、位置 にあるサンプル点に対する am、 j3mの値は小さく設定する。 一方、 ビデオ カメラから遠い位置では車両の移動を短時間差の画像間の比較では検^する ことが困難であるので、 ビデオカメラから遠い位置にあるサンプル 、'こお丁 る am、 /3 mの値は大きく設定する。 また、 am、 πには、 異なる値を用 いてもよいが、 通常は、 とするのが好ましい。
上記ステップ S 3 bに続くステップ S 3 cで、 時刻 t n、 t η - a xr., ι η + πιに対応するサンプル点画像を作成する。 ステップ S 3 dで、 時刻 nの サンプル点画像の m番目の領域と、 時刻 t— amのサンプル点画像の 番目の 領域との輝度の差を表す第 1の差分領域を算出する。 ステップ S 3 eでは、 第 1の差分領域をステップ S 3 bで設定された閾値 TH 1で二値化し、 第 1の特 徴抽出領域を算出する。 この結果、 第 1の特徴差分領域のサンプル^の値は 「0」 レベル力 Γΐ」 レベルの何れ力 こなる。
ステップ S 3 f で、 時刻 t nのサンプル点画像の m番目の領域と、 B寺刻 t n
+ β mのサンプル点画像の m番目の領域との輝度の差を表す第 2の差分領域を 算出する。 ステップ S 3 f からステップ S 3 gに進み、 第 2の差分領域をステ ップ S 3 bで設定された閾値 TH 2で二値化し、 第 2の特徴抽出領域を算出す る。 この結果、 第 2の特徴抽出領域のサンプル点の値は 「0」 レベルか Γι」 レベルの何れかになる。
ステップ S 3 gに続くステップ S 3 hとステップ S 3 i とにより、 m = Mに なるまで、 ステップ S 3 b〜S 3 gが繰り返される。 この結果、 3つの第 1の 特徴抽出領域と 3つの第 2の特徴抽出領域が算出される。 ステップ S 3 j で
は、 全部の第 1の特徴抽出領域を結合して、 第 1の特徴抽出画像を作成する。 同様に、 ステップ S 3 kでは、 全部の第 2の特徴抽出領域を結合して、 第 2の 特徴抽出画像を作成する。
ステップ S 3 1では、 第 1の特徴抽出画像と第 2の特徴抽出画像との論理積 をとつて、 積画像を作成し、 ステップ S 3 mでは、 積画像の 「1」 レベルのサ ンプル点を、 移動サンプル点として検出する。 第 1、 第 2の特徴抽出画像と積 画像の関係は、 第 1 2図に例示される。
上述のように、 時刻 t nの前後の画像を使って、 移動サンプ 点を検出す るのは、 時刻 t nの前あるいは後だけの画像を使って移動サンプル ^を検出 しょうとすると、 第 1 2図の第 1または第 2の特徴抽出画像から分かるよう に、 時刻 t nの画像には存在していない移動車両が特徴抽出画像に残り、 第 1の特徴抽出画像だけから、 あるいは、 第 2の特徴抽出画像だけからでは、 正確な移動サンプル点を検出することができないからである。
なお、 この移動サンプル点の検出処理において、 時間間隔 a m、 jS を調 整することにより、 例えば 2 0 k mZ h以下の低速で移動する車両について のサンプル点が移動サンプル点として検出されないようにすることも可能で あり、 このように c m、 j3 mを設定することにより、 本実施例を低速萆両に よる渋滞の検出にも適用することができる。
次に、 第 4図のステップ S 4の移動ブロックの検出手順を、 第 1 3図のス テツプ S 4 a〜S 4 jのフローチャートに従って、 下記に詳説する c
ステップ s 4 aで、 計算開始位置を、 サンプル点画像の左上角に設定す る c 候補ブロックとは、 それぞれが時刻 t nのサンプル点画像を部分的に構 成する縦横に隣接して並ぶサンプル点からなる矩形のブロックであ , 移動 ブロックの検出対象になるブロックである。 ステップ S 4 bで、 ビデオカメ ラの道路上の位置からの各候補ブロックに対応する道路上の各位置までの距 離に応じたブ πックサイズおよび閾値 T H 1を設定する。
ステップ S 4 cで、 候捕ブロック内に含まれるサンプル点の総数に対する
移動サンプル点の割合を算出し、 ステップ S 4 dで、 候補ブコック内の移動 サンプル点の割合がステップ S 4 bで設定された閾値 T H iより入きいか否 かが判定される。 ステップ S 4 bの判定が 「Y E S」 であれば、 ステップ S
4 dからステップ S 4 eに進み、 候補ブロックを移動ブコックとして検出す る c ステップ S 4 bの判定が 「N O」 であれば、 ステップ S 4 dか S 4 ί に進む。 ステップ S 4 f とステップ S 4 gによって、 右方向 (道路横断方向 の右) に 1サンプル点ピッチで並ぶ各候補ブロック全部に対して、 ステップ
5 4 c〜S 4 eが繰り返される。
ステップ S 4 f に続くステップ S 4 hでは、 候補ブロックの計算開始位置 をサンブル点画像の最左端に移動する。 ステップ S 4 i d:ステップ S 4 jに よって、 ステップ S 4 b〜S 4 hが繰り返される。 すなわち、 横一列分づっ の候補ブロックに対する検出処理が下方向 (車両走行方向の手前) に繰り返 される。 この結果、 サンプル点画像に含まれる全ての候補ブコックに対して 検出処理が実行され、 サンプル点画像に含まれる移動プロックを全て検出す ることができる。
第 1 4図は、 互いに部分的に重なり合う二つの移動ブコックが検 された 例を示されている。 第 1 4図に示された移動ブロックは、 縦 5列、 横 3列の サンプル点から構成され、 「@」 が移動サンプル点、 「〇」 が移動サンプル 点以外のサンプル点を示す。 検出された移動プロック内の移動サンプル点の 割合は 6 0 %であり、 このときの、 移動ブロック検出の判定基準である閾値 丁1^ 1は5 5 %でぁる。 なお、 第 1 4図に示すように、 移動ブコック円に入 らない移動サンプル点はノイズとして除去する。
上記ステップ S 4 bにおける候補ブロックのサイズ、 すなわち、 候補ブコ ックに含まれるサンプルの総数と、 閾値 T H 1は以下のように設定するとよ い。 候補ブロックのサイズは、 画像上に描写される平均的な車両のサイズに ほぼ一致させるように設定し、 結果的に移動ブコックがサンプレ点画像上で 一つの車両を表すようにする。 このため、 ビデオカメラから遠い領域では、
車両が小さい像として得られるので候補プロックの大きさを小さく設定し、 ビデオ力メラから近い領域では、 車両が大きい像として得られるのでブ口ッ クの大きさを大きくする。 一方、 閾値 T H 1は、 ビデオカメラから遠 領域 では隣接する画素間の輝度差が小さいので小さくし、 ビデオカメラから近い 領域では逆に大きくする このようにすることにより、 ビデオカメラからの 距離に影響されることなく、 すべての領域において同程度の精度で移動プロ ックを検出することができる
第 4図のステップ S 5では、 上記の移動プロックから外れた存在サンプル 点を、 渋滞サンプル点として検出する。 第 1 5図は、 渋滞サンプル点の検^ 例を示している。 第 1 5において、 「·」 は存在サンプル点、 「0」 は存在サ ンプル点以外のサンプル点、 「☆」 は渋滞サンプル点を示している c
次に、 第 4図のステップ S 6の渋滞ブロックの検出手順を、 第 1 6図のス テツプ S 6 a〜S 6 jのフローチヤ一トに従って、 下記に詳説する- ステップ S 6 aで、 計算開始位置を、 サンプル点画像の左上角に設定す る。 候補プロックとは、 それぞれが時刻 t nのサンプル点画像を部分的に構 成する縦横に隣接して並ぶサンプル点からなる矩形のブコックであり、 渋滞 ブロックの検出対象になるブロックである。 ステップ S 6 bで、 ビデオカメ ラの道路上の位置からの各候補プロックに対応する道路上の各位置までの距 離に応じたプロックサイズおよび閾値 T H 1を設定する。
ステップ S 6 cで、 候補ブロック内のサンプル点の総数に対する渋滞サン プル点の数の割合を算出し、 ステップ S 6 dで、 候補ブコック^の渋滞サン プル点の割合がステップ S 6 bで設定された閾値 T H 1より大きいか否かが 判定される。 ステップ S 6 dでの判定が 「Y E S」 であれば、 ステップ S 3 dからステップ S 6 eに進み、 候補ブロックを渋滞ブロックとして検 する: ステップ S 6 bでの判定が 「N O」 であれば、 ステップ S 6 dから S 6 f に 進む。
ステップ S 6 f とステップ S 6 gによって、 右方向 (道路横断方向の右)
に 1サンプル点ピッチで並ぶ各候補ブロック全部に対して、 ステップ S 6 c 〜S 6 f の各動作が繰り返される。
ステップ S 6 f からステップ S 6 hに進むと、 候補プロックの計算開始位 置をサンプル点画像の最左端に移動する。 ステップ S 6 i とステップ S 6 j によって、 ステップ S 6 b〜S 6 hが操り返される。 すなわち、 横一列分づ つの候補ブロックに対する検出処理が下方向 (車両走行方向の手前) に繰り 返される。 この結果、 サンプル点画像に含まれる全ての候補ブロックに対し て検出処理が実行され、 サンプル点画像に含まれる渋滞ブコックを全て検出 することができる。
第 1 7図は、 互いに部分的に重なり合う二つの渋滞ブロックが検出された 例を示している。 第 1 7図に示された渋滞ブロックは、 縦 5列、 横 3列のサ ンプル点から構成され、 「☆」 が渋滞サンプル点、 「0」 が渋滞サンプル点 以外のサンプル点を示す。 このときの、 渋滞ブロック検出の判定基準である 閾値 T H 1は 4 5 %であり、 第 1 7図に示す検出された渋滞ブロックの渋滞 サンプル点の割合は、 4 7 %である。 なお、 第 1 7図に示すように、 渋滞ブ 口ック内に入らない渋滞サンプル点はノイズとして除去する c
上記ステップ S 6 bにおける候補プロックのサイズと、 閾値 T H I 前逑 の移動プロックの検出処理における設定と同様にすればよい。 候補ブ πック のサイズは、 画像上に描写される平均的な車両のサイズにほぼ一致させるよ うに設定し、 結果的に渋滞ブロックがサンプル点画像上で一つの車両を表す ようにする。 このため、 ビデオカメラから遠い領域では、 車両が小さ 像と して得られるので候補ブロックの大きさを小さく設定し、 ビデオ力メラから 近い領域では、 車両が大きい像として得られるのでブコックの大きさを大き くする。 一方、 閾値 T H 1は、 ビデオカメラから遠い領域では隣接する画素 間の輝度差が小さいので小さくし、 カメラから近い領域では逆に大きくす る。 このようにすることにより、 カメラからの距離に影響されることなく、 すべての領域において同程度の精度で渋滞プロックを検出することができ
る。
次に、 第 4図のステップ S 7の渋滞状況の計測手順を、 第 1 8図のステツ プ S 7 a 〜 S 7 cのフローチヤ一トに従って、 下記に詳説する。
ステップ S 7 aで、 車線毎に渋滞プロックが存在するユリアを渋滞範囲と 検出する。 各渋滞ブロックエリアには、 単独の渋滞プロック、 互いに連結あ るいは互いに重なり合う複数の渋滞ブロックが存在する。 第 1 9図^、 計測 領域内の渋滞ブロックが存在する領域の一例を示している: もし、 2軍線に 跨った渋滞プロックがあるときは、 その存在範囲が大きい万の車線に渋滞ブ ロックが存在するものと判定する。
ステップ S 7 bで、 各車線にて検出した渋滞範囲を、 前述の距離テーブル を参照して、 実際の道路上の距離に変換する c ステップ S 7 cで、 過去の渋 滞位置のプロファイルから、 急激な渋滞位置の変動をノイズとして除去し、 渋滞位置を平滑化する補正処理を行うことにより、 渋滞範囲を補正して、 渋 滞状況の最終的な計測結果として出力する。
上述の実施例によれば、 画像の全ての画素の輝度データを処理ぜずに、 特 定のサンプル点に対応する画素のみの輝度データを処理しているので、 計算 処理に要するデータ量を大幅に削減することができ、 結果的に装置のハード 構成を簡素化することができ、 コストを低減することができる: ま 、 高速 処理が可能になって、 リアルタイムの渋滞計測が可能になる。 詳細に 、 計 測結果を 1〜2秒以内 (時間差分の最大時間間隔 +処理時間)のほぼリアルタイ ムで出力できるので、 交通管制の分野において、 本実施例のように渋滞長に 応じて青または黄信号時間を調整するような交通管制システムに利用すると 非常に効果的である。 また、 上記実施例の説明から理解されるように、 事前 の学習をほとんどすることなく、 装置を設定してから直ぐに精度良い渋滞計 測が可能になり、 また、 環境の変化、 例えば、 計測地点、 時間帯、 天候、 交 通量等の変化に関わらずに安定して渋滞状況を計測することができ、 しかも 渋滞の長さも簡単に検出することができる。
さらにまた、 各種判定の基準になる閾値等の各種パラメータを、 ビデオ力 メラの道路上の位置から各サンプル点に対応する道路上の各位置まで 距離 に応じて変化させているので、 高精度の渋滞計測が可能になる。 また、 丄記 パラメータを各サンプル点のビデオカメラからの距離により自動的に検出で きるため、 交通管制システムの管理運用上の有効である。 さらにま 、 最後 の出力段階まで車線位置を考慮する必要がなく、 2車線に跨った渋滞車両の 計測も可能になり、 安定した渋滞計測が可能になる。 また、 検出された移動 サンプル点および渋滞サンプル点から、 移動ブロックおよぴ渋滞ブコックの 形式、 すなわち、 移動車両および渋滞車両を移動車群および渋滞軍群::して 検出しているので、 移動ブロックおよび渋滞ブロックから外れた移動サンプ ル点および渋滞サンプル点を、 ノイズとして簡単に除去することができる。 さらに、 道路上に計測可能な距離だけ隔てて本実施例のビデオカメラと渋 滞計測装置を、 複数個連ねて配置するようにすれば、 長距離にわたる連続し た渋滞状況を計測することもできる。 さらに、 本実施例は、 計測領¾ の一 部の計測結果から計測領域の全体の渋滞状況を推定しているのではなく、 計 測領域全体の渋滞状況を直接的に計測しているので、 計測領域内で事故や車 両故障が発生した場合に、 直ちにそれを検知することもできる。
なお、 上記の詳細な実施例の説明から理解されるように、 本実施例は、 本 発明の画像処理方法および装置の好適な実施例でもある。
次に、 上記の道路渋滞状況計測装置を、 1 9 9 5年、 東京、 大阪の 2力所 の地点において設定して、 計測を行った結果を以下に説明する。
(東京での計測結果)
(A) 計測条件
場所:東京の内幸町交差点
環境:天候 (晴、 晷、 雨) 、 時間帯 (昼間、 薄暮、 夜間) 、 交通量 (軽 交通、 重交通) の点を考慮して次の 6つの異なる環境で行った。
① 8月 2日 15:00〜17:00 (昼間、 暴のち雨、 重交通)
② 8月 2日 18:30〜20:30 (薄暮 ·夜間、 暴、 重交通)
③ 8月 3日 14:45〜16:45 (昼間 ·晴、 重交通)
④ 8月 3日 18:30〜20:30 (薄暮'夜間、 晴、 重交通)
⑤ 8月 5日 15:00〜 17:00 (昼間 ·暴、 軽交通)
⑥ 8月 5日 18:30〜20:30 (薄暮,夜間、 蠹、 軽交通)
( B ) 計測方法
計測領域:カメラの設置位置から長さ 150mの 2車線を設定した c 渋滞の判定:低速走行車両は渋滞中にあると見なした。
渋滞の途中が動いており、 その後に渋滞が続いてレヽる場合 には最遠の渋滞位置を渋滞末尾とした。
渋滞位置を 1秒毎に出力し、 5分間毎の渋滞長のピーク値 の平均値を計測した。 この平均値を計測値のピーク値の平 均値とする。
( C ) 計測評価の基準
渋滞計測精度を以下の式に基づいて算出した。 但し、 真値のピーク値 の平均値とは、 信号サイクル毎に渋滞長のピーク値を求め、 その 5分間 毎のピ一ク値の平均値を示す。
渋滞計測精度 (%) = (計測値のピーク値の平均渋滞長 (m) ÷
真値のピーク値の平均渋滞長 (m) } X 100 … (iii)
(D) 精度評価
上記①〜⑥の環境時における渋滞計測精度の結果は以下の うであつ た。
①: 95.4% ②: 96.4% ③: 98.6%
②: 95.5% ⑤: 98.2% ⑥: 95.7%
何れの環境下においても、 ほぼ真値どおりに渋滞状況を計測できてお り、 渋滞長のピーク値も 95%以上の計測精度が得られた。 (大阪での計測結果)
(A) 計測条件
場所:枚方の国道 1号出屋敷南交差点
環境:天候 (晴れ、 雨) 、 時間帯 (昼間、 薄暮、 夜間) の点を考慮して 次の 5つの異なる環境で行った。
(1) 8月 30日 20:45〜21 : 15 (夜間、 雨)
(2) 8月 31日 10:20〜10:50 (昼間、 雨)
(3) 9月 4日 1 1 :00〜11 :30 (昼間、 晴)
(4) 9月 4日 18:20〜18:50 (薄暮、 晴)
(5) 9月 4 S 19:30〜20:00 (夜間、 晴)
( B ) 計測方法
計測領域:カメラの設置位置から長さ 100mの 2車線を設定した - 渋滞の判定:低速走行車両は渋滞中にあると見なした- 渋滞の途中が動いており、 その後に渋滞が続いている場合 には最遠の渋滞位置を渋滞末尾とした。
渋滞位置: 2車線のうち、 よりビデオカメラ近くに発生し 渋滞位置渋 滞先頭位置とし、 よりビデオ力メラ遠くに発生した渋滞位置 を渋滞末尾位置とした。
渋滞位置の出力値はカメラ位置からの距離に対して、 次のよ うにした。
カメラ位置からの距離 X (m ) 出力値 (m)
0 < X≤10 10
10< x≤20 20 20 < x≤30 30 30ぐ x≤40 40 40 < x≤50 50 50< x≤60 60 60 < x≤75
75 < x≤100 10C 渋滞位置を 1秒毎に出力した (
( C ) 真値の計測
8月 30日、 31日においては、 ビデオカメラ位置から 10、 20、 30、 40、 50、 60、 100m地点の渋滞位置の真値をカメラ面像から目視計測した
9月 4日においては、 50、 75 、 100m地点に計測員を配置して渋滞位置 の真値を計測し、 ビデオカメラ位置から 10、 20、 30、 40、 60ιτι地^の渋 滞位置の真値をカメラ画像から目視計測した。
( D ) 計測評価の基準
本発明の手法による計測値と上述の手法による真値とについて、 以下の 式にて総停止時間を求め、 その比を渋滞計測精度として算出した。
総停止時間 (m,秒) =渋滞長 (m) X時間 (秒)
= {渋滞末尾位置 (m) —渋滞先頭位置 ( ) }
X時間 (秒) … (IV)
渋滞計測精度 (%) = {計測値の総停止時間 (m ·秒) ÷
真値の総停止時間 ( '秒) · Ο
… (ν)
( Ε ) 精度評価
上記 (1)〜(5)の環境時における計測値の総停止時間 (a) 、 真値の総停
止時間 (b) 、 渋滞計測精度 (c) の結果は以下のようであつたし
(a) (m ·秒) (b) (m ·秒) (c) (%)
(1) 42350 43775 96.7
(2) 36620 37135 98.6
(3) 38755 39030 99.3
(4) 45940 46695 98.4
(5) 44690 46465 96.2
何れの環境下においても、 ほぼ真値どおりに渋滞状況を計測できてお り、 総停止時間も 96° /。以上の計測精度が得られた。
以上のように、 何れの場合にあっても、 精度評価の結果が示すように、 計 測地点、 時間帯、 天候及び交通量に関わらず、 安定した渋滞長、 渋滞位置の 計測を行えている。
(第 2の実施例)
本発明に係る交通渋滞計測方法および装置を採用した交通管制システムの 第 2の実施例を、 第 2 0図から第 4 5図を参照しつつ以下に詳細に説明す る。
第 2 0図に示すように、 交通管制システムの第 2の実施例は、 ビデオカメ ラ 8 1、 渋滞計測装置 8 2、 情報表示板 9 1、 表示制御装置 9 2および交通 管制センター内の中央制御装置 1 0 0により構成される。 ビデオカメラ 8 1 同士は互いに所定の間隔で高速道路上に配置されている。 また、 各ビデオ力 メラ 8 1は、 第 2 1図に示すように、 車両の進行方向上流側から下流側に向 けて配置、 すなわち、 車両の後面サイドを撮影するように配置されている £ このようにビデオカメラの向きを設定すると、 渋滞範囲の末尾位置を り正 確に計測することができる: 逆に、 渋滞範囲の開始位置をより正確に計測す るためには、 ビデオカメラを車両の進行方向下流側から上流側に向 て配 置、 すなわち、 車両の前面サイ ドを撮影するように配置すればよい c
情報表示板 9 1は、 ビデオカメラ 8 1よりも車両進行方向上流側の高速道 路上に、 車両進行方向上流側に向けて配置されている。 渋滞計測装置 8 2 は、 第 3図に示した第 1の実施例の渋滞計測装置 2 1〜2 4と同様な構成に なっているので、 重複説明をさけるため、 ここではその説明は省略するが、 計測を実行するための各種プログラムや初期設定値は、 第 1実施例のものと は勿論異なるものである。 本実施例の渋滞計測装置 8 2は、 第 2 1図;こ示さ れる空間計測領域 E、 交通流計測領域 Fの渋滞状況を計測するものである。 交通流計測領域 Fは、 ビデオカメラ 8 1から車両の進行方向に 1 0 m離れた 位置から、 車両の進行方向に 3 O mの位置までの 4車線分の範囲に相当す る。 また、 この交通流計測流域 Fでは、 車両の識別とともに、 感知ライン D L上の車両の通過台数、 速度、 車長、 車種等、 通過台数、 を計測することが できる。 この交通流計測領域 Fでの計測手法については、 特開平 5— 3 0 7 6 9 5号公報に記載されているので、 ここでは、 その説明は省略する。
一方、 空間計測領域 Eは、 ビデオカメラから車両の進行方向に 1 O m離れ た位置から、 車両の進行方向に 2 0 O mまでの 2車線分の範囲に相当する。 この空間計測領域 Eにおける計測手法は、 以下に詳述されるが、 空間密度、 空間速度、 渋滞末尾位置を計測するためのものである。
渋滞計測装置 8 2の計測結果は、 交通管制センタ一の中央制御装置 1 0 0 に送信される。 中央制御装置 1 0 0では、 受信した計測結果に基づいて、 高 速道路上のドライバ一にとつて有益となる交通情報を作成して、 表示制御部 9 2に送信し、 情報表示板 9 1に交通情報が表示されるようになって'、' "る。 ここで、 上述のように構成される渋滞計測装置 8 2により実行される空間 密度の算出方法を、 まず、 第 2 2図に示されるステップ P 1〜P 1 6のフコ —チャートに従って、 概略的に説明する。
ステップ P 1で、 時刻 t nにおけるサンプル点画像を作成するとごもに、 画像内にサンプルラインを設定する。 その作成方法については、 前述の第 1 の実施例のサンプル点画像と同様であり、 重複説明を避けるため、 ここでは
その説明は省略する。 サンプルラインは、 道路横断方向に並ぶ車線幅分のサ ンプル点により構成される。 第 2 4図は、 サンプル点画像上におけるサンプ ル点とサンプルラインとの関係を示している。
また、 ステップ P 1に続くステップ P 2 、 P 3もそれぞれ、 前述の第 7図 のステップ S 2 c 、 S 2 dと同様の処理であり、 重複説明を避けるため、 こ こでの説明は省略する。
ステップ P 4およびステップ P 5のそれぞれで、 差分画像に基づいて、 差 分サンプルラインおよびエッジサンプルラインをそれぞれ検出する: ステツ プ P 6では、' ステップ P 4およびステップ P 5でそれぞれ検出され 差分サ ンプルラインおよびエッジサンプルラインに基づいて、 存在サンプルライン を検出する。 ステップ P 6に続くステップ P 7では、 存在サンプルラインの 配置に基づいて存在サンプルラインを補正し、 ステップ P 8では、 ステップ P 4で検出された差分サンプルラインの配置に基づいて、 存在サンプルライ ンを補正する。
ステップ P 9では、 時刻 t n、 時刻 t n— ct m、 時刻 t n + mのサンプ ル点画像に基づいて、 移動サンプルラインを検出する。 ステップ? 1 0で は、 移動サンプルラインの配置に基づいて、 存在サンプルラインを補正す る。
ステップ P 1 1では、 計測領域を複数のメッシュに分割し、 ステップ P 1 2では、 ステップ P 1 0で補正された存在サンプルラインに基づいて、 時刻 t nにおけるメッシュ毎の空間密度を算出する。
ステップ P 1 3では、 時刻 t nの計測領域における大型車両の混入率を算 出し、 ステップ P 1 4で、 時刻 t nの計測領域における車間距離を算出し、 ステップ P 1 5で、 大型車の混入率および車間距離に基づいて、 空間密度を 補正する。
ステップ P 1 6で、 n— n +1として、 ステップ P iに戻る c 「 r 、 正^ 整数であり、 ; t n+1— t n Uま一定である c したがって、 上記ステップ P l 〜
P 16の各手順は一定の時間間隔で繰り返される。
第 23図は、 上記ステップ P 1〜P 1 5における検出結果あるいは算出結果 の概略的な関係を示す図である。 これら検出結果あるいは算出結果の詳細は、 後述する各ステップ P 1〜P 15の詳細な説明により明らかになる c
次に、 第 22図のステップ P 4の差分サンプルラインの検出手順の第 1例 を、 第 25図に示すステップ P 4 a〜P 4 jのフローチャートに従って、 以 下に詳説する。
ステップ P 4 aで、 M個のサンプル点からなる k番目のサンプルラノンの ビデオカメラからの距離に基づいて、 正の閾値 TH 1、 負の閾値 TH 2およ び正の整数閾値 TH 3を設定する。 ステップ P 4 bで、 k番目のサンプルラ ィンの m番目のサンプル点の輝度差分値が、 TH 1より大か否かが判別され る。 ここで、 輝度差分値は、 第 22図のステップ P 2で算出された差分画像 の各サンプル点の値を指す。
ステップ P 4 bでの判定が 「YE S」 であれば、 ステップ P 4 dに進み、 ステップ P 4 bでの判定が 「NOj であれば、 ステップ P 4 cに進む。 ステ ップ P 4 cでは、 k番目のサンプルラインの m番目のサンプル点の輝度差分 値が TH2より小さいか否かを判定する。 ステップ P 4 cでの判定が 「YE S」 であれば、 ステップ P 4 dに進み、 ステップ P 4 cの判定が 「NO」 で あれば、 ステップ P 4 f に進む。
ステップ P 4 dでは、 k番目のサンプルラインの m番目のサンプル点のフ ラグを 「ON」 にして、 ステップ P4 eに進む e ステップ P 4 eとステップ P 4 f により、 ステップ P 4 b〜P 4 dの動作が、 m = Mになるまで繰り返 される。 この繰り返しにより、 k番目のサンプルラインの全てのサンプル点 の輝度差分値について、 正の閾値 TH1より大か、 あるいは、 負の閾値 TH 2より小かが判別される。
ステップ P 4 gでは、 k番目のサンプルラインの 「ON」 のフラグ数が T H3より大か否かを判定する。 ステップ P 4 gでの判定が 「YE S_ であれ
ば、 ステップ P 4 hに進み、 k番目のサンプノレラインを、 差分サンブルライ ンとして検出する。 ステップ P 4 gの判定が 「NO」 であれば、 ステップ P 4 jに進み、 mを 1に戻し、 kを k+ 1に置き換える。 ステップ P 4 i とス テツプ P 4 jにより、 ステップ P 4 a〜P 4 hの動作が、 k -Kになるまで 繰り返される。 ここに Kは計測領域内の 1車線分のサンプルライン数を表 す。 この繰り返し動作により、 計測領域の一車線分の全ての差分サンプルラ インが検出される。
ステップ P 4 aにおける正の閾値 TH 1は、 ビデオカメラから遠い位置の サンプルラインに対応するものほど小さく、 逆に負の閾値 TH 2は、 ビデオ カメラから遠い位置のサンプルラインに対応するものほど大きくなる うに 設定するとよい。 これは、 これは、 ビデオカメラから遠い位置では近、'、位置 に比べて画像がぼやけ、 車両と背景との輝度差が小さくなるからである。 こ のようにビデオ力メラからの距離に応じて T H 1、 TH 2を設定することに より、 ビデオカメラからの距離に影響されることなく、 どの位置でも同程度 の精度で差分サンプルラインを検出することができる。 ステップ P 4 aにお ける正の整数閾値 TH 3は、 輝度差の変化が少ないビデオカメラから遠い領 域では小さくし、 輝度差の変化が大きいカメラから近い領域では逆に大きく する。 このようにすることにより、 カメラからの距離に影響されることな く、 すべての領域において同程度の検出レベルで差分サンプルサン 7ルラノ ンを検出することが可能になる。
次に、 第 22図のステップ P 4の差分サンプルラインの検出手順の第 2例 を、 第 26図に示すステップ P 4 A〜P 4Hのフローチ 一' に ¾つて、 以 下に詳説する。
ステップ P 4 Aで、 k番目のサンプルラインのビデオカメラからの位置に 基づいて、 第 1、 第 2の正の閾値 TH1、 TH2と、 第 1、 第 2の負の閾値 TH3、 TH 4を設定する。 なお、 TH4く TH3く 0く TH 1く TH2で ある。 このように閾値を、 正負を分けて設定するのは、 以下の理由による。
すなわち、 各サンプルラインに含まれるサンプル点の輝度差分値は、 王の値 のものあれば、 負の値のものもある。 これを、 正、 負の区別なく処理しょう とすると、 正、 負の輝度差分値同士の相殺が生じたりノイズを拾い易くなつ たりして、 これらの影響により誤検出し易くなる。 このような誤検出を避け るために、 上述の閾値を正、 負に分けて、 正の輝度差分値と負の輝度差分値 を別に処理するようにしている
ステップ P 4 Bでは、 k番目のサンプルラインのサンプル点のうち、 第 1 の正の閾値 TH 1より大きなサンプル点の輝度差分値の平均値 PMを算出す る。 P 4 Cでは、 k番目のサンプルラインのサンプル点のうち、 第 iの負の 閾値 TH 3より小さなサンプル点の輝度差分値の平均値 NMを算出する。 ステップ P 4 Cからステップ P Dに進み、 平均値 PMが第 2の正の閾値 TH 2より大か否かが判定される。 ステップ P 4 Dでの判定が 「YE S」 で あれば、 ステップ P 4 Fに進み、 ステップ P 4 Dでの判定が 「NO」 であれ ば、 ステップ P 4 Eに進む。 ステップ P 4Eでは、 平均値 NMが第 2の負の 閾値 TH4より小か否かが判別される。 ステップ P 4 Eでの判定が 「YE S」 であれば、 ステップ P 4 Fに進み、 k番目のサンプルラインを差分サン プルラインとして検出する。 ステップ P 4 Eの判定が 「NO」 であれば、 ス テツプ P 4Hに進み、 kを k丄 1に置き換える。 ステップ P 4Gとステップ P4Hにより、 ステップ P 4 A〜P 4 Fの動作が、 k-Κになるまで繰り返 される。 この繰り返しにより、 計測領域の一車線分の全ての差分サンプルラ インが検出される。
ステップ P 4 Aにおける正の閾値 TH 1、 TH2は、 ビデオカメラから遠 い位置のサンプルラインに対応するものほど小さく、 逆に負の閾値 TH 3、 TH 4は、 ビデオカメラから遠い位置のサンプルラインに対応するものほど 大きくなるように設定するとよレ、。 このようにビデオカメラからの距離に応 じて TH 1〜TH 4を設定することにより、 ビデオカメラからの距離に影響 されることなく、 どの位置でも同程度の精度にて差分サンプルラインを検出
することができる。
次に、 第 22図のステップ P 5のエッジサンプルラインの検出手順の第 i 例を、 第 27図に示すステップ P 5 a〜P 5 kのフローチヤ一卜に従って、 以下に詳説する。
ステップ P 5 aで、 第 22図のステップ P 2で算出された差分画像を車両 進行方向にソ一ベル微分子で空間微分して、 各サンプル点の空間微分値を算 出する。 ステップ P 5 bでは、 k番目のサンプルラインのビデオカメラから の位置に基づいて、 正の閾値 TH 1、 負の閾値 TH2、 正の整数閾値丁 H 3 を設定する。
ステップ P 5 bに続くステップ P 5 cでは、 k番目のサンプルラインの m 番目のサンプル点の空間微分値が T H 1より大か否かが 定される- ステツ プ P 5 cでの判定が 「YES」 ならば、 ステップ P 5 eに進み、 ステップ P 5 cでの判定が 「NO」 であれば、 ステップ P 5 dに進む: ステップ? 5 d では、 k番目のサンプルラインの m番目のサンプル点の空間微分値が 'Γ H 2 より小か否かが判定される c ステップ P 5 dでの判定が 「YE S」 であれ ば、 ステップ P 5 eに進み、 ステップ P 5 dでの判定が 「NO」 であれば、 ステップ P 5 gに進む。
ステップ P 5 cあるいはステップ P 5 dからステップ P 5 eに進むと、 k 番目のサンプルラインの m番目のフラグを 「ON」 にして、 ステップ P 5 f に進む。 ステップ P 5 f とステップ P 5 gにより、 ステップ 50〜 56 の動作が、 m = Mになるまで繰り返される。 この繰り返しにより、 k番目の サンプルラインの全てのサンプル点の空間微分値について、 IEの閾値 TH 1 より大力、、 あるいは、 負の閾値 TH 2より小かが判定される c
ステップ P 5 f からステップ P 5 hに進むと、 Γ〇Ν」 のフラグ数が正の 整数閾値 ΤΗ 3より大か否かが判別される。 ステップ Ρ 5 r:での判 ^が —Y ES」 であれば、 ステップ P 5 iに進み、 k番目のサンブルラインをエッジ サンプルラインとして検出する。 ステップ P 5 hでの判定が 「NO」 であれ
ば、 ステップ P 5 kに進み、 mを 1に戻し、 kを k+ 1に置き換える。 ステ ップ P 5 j とステップ P 5 kにより、 ステップ P 5 b〜P 5 iの動作が、 k =Kになるまで繰り返される。 この繰り返しにより、 計測領域の一草線分の 全てのェッジサンプルラインが検出される。
ステップ Ρ 5 bにおける正の閾値 TH 1は、 ビデオカメラから遠い位置の サンプルラインに対応するものほど小さく、 逆に負の閾値丁 H 2は、 ビデオ カメラから遠い位置のサンプルラインに対応するものほど大きくなる うに 設定するとよい。 このようにビデオカメラからの距離に応じて TH 1、 TH 2を設定することにより、 ビデオ力メラカゝらの距離に影響されるこごなく、 どの位置でも同程度の精度にてエッジサンプルラインを検岀するこごができ る。 ステップ P 5 bにおける正の整数閾値 TH3は、 輝度差の変化が^ない ビデオカメラから遠い領域では小さくし、 輝度差の変化が大きいカメラから 近い領域では逆に大きくする。 このようにすることにより、 カメラからの距 離に影響されることなく、 すべての領域において同程度の検出レベルでエツ ジサンプルサンプルラインを検出することが可能になる。
次に、 第 22図のステップ P 5のエッジサンプルラインの検出手順の第 2 例を、 第 28図に示すステップ P 5 A〜P 5 Iのフローチヤ一トに従って、 以下に詳説する。
ステップ P 5 Aで、 第 22図のステップ P 2で箅出された差分画像を車両 進行方向にソーベル微分子で空間微分して、 各サンプル点の空間微分値を算 出する。
ステップ P 5 Bで、 k番目のサンプルラインのビデオカメラからの位置に 基づいて、 第 i、 第 2の正の閾値 TH1、 TH2、 第 1、 第 2の負の閾値 T H3、 TH4を設定する。 なお、 なお、 TH4く TH3く 0く TH 1く TH 2である。 このように閾値を、 正負を分けて設定するのは、 以下の理由によ る。 すなわち、 各サンプルラインに含まれるサンプル点の空間微分値は、 正 の値のものあれば、 負の値のものもある。 これを、 正、 負の区別なく処理し
ようとすると、 正、 負の空間微分値同士の相殺が生じたりノイズを拾い易く なったりして、 これらの影響により誤検出し易くなる- このような誤検出を 避けるために、 上述の閾値を正、 負に分けて、 正の空間微分値と負の空間微 分値を別に処理するようにしている c
ステップ P 5 Cでは、 k番目のサンプルラインのサンプル点のうち、 第 1 の正の閾値 TH 1より大きなサンプル点の空間微分値の平均値 PMを算出す る。 P 5Dでは、 k番目のサンプルラインのサンプル点のうち、 第 1の負の 閾値 TH 3より小さなサンプル点の空間微分値の平均値 NMを算出する。 ステップ P 5 Dからステップ P 5 Eに進み、 平均値 PMが第 2の正の閾値 TH 2より大か否かが判別される- ステップ P 5 Eでの判定が 「YE S」 で あれば、 ステップ P 5 Gに進み、 ステップ P 5 Eでの判定が 「N〇― であれ ば、 ステップ P 5 Fに進む。 ステップ P 5 Fでは、 平均値 NMが第 2の負の 閾値 TH 4より小か否かが判定される。 ステップ P 5 Fでの判定が 「YE SJ であれば、 ステップ P 5 Gに進み、 k番目のサンプルラインを差分サン プルラインとして検出する。 ステップ P 5 Fでの判定が ΓΝΟ」 であれば、 ステップ Ρ 5 Ιに進み、 kを k十 1に置き換える。 ステップ P 5Hごステツ プ P 5 1により、 ステップ P 5 B〜P 5 Gの動作が、 k=Kになるまで繰り 返される。 この繰り返しにより、 計測領域の一車線分の全てのエッジサンプ ルラインが検出される。
ステップ P 5 Bにおける正の閾値 TH 1、 TH2は、 ビデオカメラから遠 い位置のサンプルラインに対応するものほど小さく、 逆に負の閾値 TH 3、 TH4は、 ビデオカメラから遠い位置のサンプルラインに対応するものほど 大きくなるように設定するとよい。 このようにビデオ力メラからの距離に応 じて TH 1〜TH 4を設定することにより、 ビデオカメラからの距離に影響 されることなく、 どの位置でも同程度の精度でエッジサンプルラインを検出 することができる。
第 22図のステップ P 6における存在サンプルラインは、 以下のようにし
て検出する。 すなわち、 第 2 2図のステップ P 4で検出された差分サンブル ラインと、 ステップ P 5で検出されたエッジサンプルラインのうちの少、なく とも一方のサンプルラインであれば、 そのサンプルラインを存在サンプルラ インとして検出する。
次に、 第 2 2図のステップ P 7の存在サンプルラインの配置に基づいた存 在サンプルラインの補正手順を、 第 2 9図に示すステップ? 7 a〜P 7 mの フローチャートに従って、 以下に詳説する。 この存在サンプルラノンの配置 に基づいた存在サンプルラインの補正は、 前半のステップ P 7 a〜ステップ P 7 eが車体範囲内における、 存在サンプルラインの検出漏れを補正するた めの処理であり、 後半のステップ P 7 g〜P 7 mが車体範囲外の存在サンプ ルラインの誤検出を補正するための処理である。
ステップ P 7 aで、 k番目と k— 1番目の存在サンブルラインのビデオ力 メラからの位置に基づいて、 閾値 T H 1を設定する。 ステップ P 7 cで、 k 番目と k + 1番目の存在サンプルライン間に存在するサンプルラインの数を カウントする c
ステップ P 7 bに続くステップ P 7 cで、 カウントされたライン数が T H 1より小か否かが判定される。 ステップ P 7 cでの判定が 「Y E S」 であれ ば、 ステップ P 7 dに進み、 k番目と k十 1番目の存在サンプルラノンの間 のサンプルラインを存在サンプルラインとして追加する。 ステップ P 7 cで の判定が 「NO」 であれば、 ステップ P 7 f に進み、 kを k + 1に置き換え る。 ステップ P 7 eとステップ P 7 f により、 ステップ P 7 a〜P 7 dの動 作が、 k = Kになるまで繰り返される。 この繰り返しにより、 計測領域の一 車線分の全ての存在サンプルラインに対して、 第 2 2図のステップ P 6で検 出された存在サンプルラインの配置に基づいた存在サンプルラインを追加す る補正がなされたことになる。
例えば、 第 2 2図のステップ P 6で、 第 3 0図の (a ) に示丁ような配置 で存在サンプルラインが検出された場合、 k番目と k + 1番目の存在サンプ
ルラインの間のサンプルラインの数は以下のようになる。 上から 1番目と 2 番目の存在サンプルラインの間と、 2番目と 3番目の存在サンプルラインの 間とには 0個のサンプルライン、 3番目と 4番目の存在サンプルラインの間 の領域 L 1には 2個のサンプルライン、 4番目と 5番目の存在サンブルライ ンの間には 0個のサンプルライン、 5番目と 6番目の間の存在サンプルライ ンの間の領域 L 2には 5個のサンプルライン、 6番目と 7番目の存在サンプ ルラインの間には 7個のサンプルライン、 7番目と 8番目の存在サンプルラ ィンの間と、 8番目と 9番目の存在サンプルラインの間には 0個のサンプル ラインがそれぞれ存在する。 したがって、 ステップ P 7 bで閾値 TH 1を T H I =3=—定に設定した場合、 第 30図の (a) および (b) に示すよう に、 領域し 1のサンプルラインのみが存在サンプルラインとして追加され る。
再び第 29図において、 ステップ P 7 eからステップ P 7 gに進むご、 存 在サンプルラインを、 他のサンプルラインを含まないで連続した存在サンプ ルラインからなる複数のライングループに分類する。 ステップ P 7 hで、 各 ライングループのビデオカメラからの位置に基づいて、 閾値 TH 2を設定す る。 ステップ P 7 iでは、 r番目のライングループに含まれる存在サンプル ラインの数を算出する。
ステップ P 7 iに続くステップ P 7 jでは、 カウントされた存在サンプル ラインの数が、 TH2より小か否かが判定される。 ステップ P 7 〗 での判定 力; 「YE S」 であれば、 ステップ P 7 kに進み、 r番目のライングループに 含まれる全ての存在サンプルラインを除去する。 ステップ P 7 jでの判定が 「NO」 であれば、 ステップ P 7mに進み、 rを Γ + lに置き換える- ステ ップ P 7 1 とステップ P 7mにより、 ステップ P 7 g〜P 7 kの動作が、 r =Rになるまで繰り返される。 なお、 Rは計測領域の 1車線分に含まれるラ イングループの総数である。 この繰り返し動作により、 計測領域の一萆線分 の全ての存在サンプルラインに対して、 P 7 dで補正された存在サンプルラ
ィンの配置に基づいて存在サンプルラインを除去する補正がなされたことに なる。
ステップ P 7 d終了後に、 第 3 0図 (b ) に示すような配置で存在サンプ ルラインが検出された場合、 r番目のライングループの存在サンプルライン の数は以下のようになる。 領域 L 4で示される 1番目のライングループには 7個の存在サンプルライン、 領域し 5で示される 2番目のライングループに は、 1個の存在サンプルライン、 領域 L 6で示される 3番目のライングルー プには、 3個の存在サンプルラインがそれぞれ存在している。 したがって、 ステップ P 7 hで閾値 T H 2を T H 2 = 3 =一定に設定しておけば、 第 3 0 図の (b ) および (c ) に示すように、 領域 L 5のライングループの存在了 ンプルラインが除去される。
ステップ P 7 a、 P 7 hにおける閾値 T H 1、 T H 2は、 画像上に描写さ れる平均的な車両の長さの 1 4に相当するサンプルライン数に一致させる とよレ、。 このため、 閾値 T H 1、 T H 2は、 ビデオカメラから遠い領域では 車両が小さい像として得られるので、 小さく し、 ビデオカメラから近い領域 では、 車両が大きい像として得られるので、 大きくする = このようにするこ とにより、 カメラからの距離に影響されることなく、 すべての領域において 同程度の精度で存在サンプルラインを追加あるいは削除する補正処理をする ことができる。
次に、 第 2 2図のステップ P 8の差分サンプルラインの配置に基づいた存 在サンプルラインの補正手順の 1例を、 第 3 1図に示すステップ P 8 £〜P 8 iのフローチャートに従って、 以下に詳説する。 この差分サンプルライン の配置に基づいた存在サンプルラインの補正は、 建物や車両等の影を誤って 車両が存在していると認識して検出された存在サンプル点を除去するための 処理である。 詳しくは、 上述の差分サンプルラインは、 時刻 のサンプル 点画像と基準輝度画像との輝度差から単純に検出されるので、 車両の影の範 囲や、 日差しの急激な変化により突然現れた建物の影の範囲 <
ンが誤って存在サンプルラインとして検出されることになる。 したがって、 差分サンプルラインの配置から建物や車両の影によって生じる誤検 ώを補正 する必要がある。
ステップ Ρ 8 aで、 エッジサンプルラインを含まないで連続する差分サン プルラインからなるライングループを検出する。 ここで、 エッジケンプルラ インを含まないライングループを特定するのは、 下記の理由による: 一般的 に影の範囲はエッジが検出され難く、 また影の範囲のサンブル点の輝度値も 相対的に小さいため、 通常、 エッジサンプルラインが検出されない- このた め、 ニッジサンプルラインが検出された領域は影が存在してレ、ないとみなす ことができるからである。 ステップ P 8 で、 k番目のライングループの ビデオカメラからの位置に基づいて、 閾値 T H 1、 T H 2を設定する: ステ ップ P 8 cで、 k番目のライングループに含まれる差分サンプルラインの数 をカウントする。
ステップ P 8 cに続くステップ P 8 dで、 カウントされたライン数が閾値 T H 1より大か否かが判別される。 ステップ P 8 dでの判定が 「Y E S」 で あれば、 ステップ P 8 eに進み、 k番目のライングループの各差分サンプル ラインに位置的に対応する時刻 t nのサンプル点画像上の各サンブルライン 内のサンプル点の輝度値の平均値 B Mを算出する。 ステップ P 8 dでの^定 「N O」 であれば、 ステップ P 8 iに進み、 kを k + 1に置き換える。 ステップ P 8 eからステップ P 8 f に進むと、 上記 B Mが閾値 T H 2より 小か否かが判別される。 ステップ P 8 f での判定が 「Y E S j であれば、 ス テツブ P 8 gに進み、 k番目のライングノ! ^一プの差分サンプルライン:こ位置 的に対応する存在サンプルラインを除去する。 ステップ P 8 ίでの判定が 「Ν Ο」 であれば、 ステップ Ρ 8 iに進み、 kを k T lに置き換える: ステ ップ P 8 hとステップ P 8 iにより、 ステップ P 8 b〜P 8 gの動作が、 k = Kになるまで繰り返される。 この繰り返しにより、 計測領域の一車線分の 全ての存在サンプルラインに対して、 差分サンプルラインの配置に基づいて
存在サンプルラインを除去する補正がなされたことになる: ステップ P 8 bにおける閾値 T H 1は、 画像上に描写される平均的な車両 の長さの 1 4に相当するサンプルライン数に一致させるとよい。 このた め、 閾値 T H 1は、 ビデオカメラから遠い領域では車両が小さい像として得 られるので、 小さくし、 ビデオカメラから近い領域では、 車両が大きい像と して得られるので、 大きくする。 またステップ P 8 bにおける閾値 T H 2 は、 ビデオカメラから遠い領域のものほど小さくするように設定するとよ レ、。 これは、 ビデオカメラから遠い位置では近い位置に比べて画像がぼや け、 車両と背景との輝度差が小さくなるからである e このようにビデオカメ ラからの距離に応じて T H 1、 T H 2を設定することにより、 ビデ カメラ からの距離に影響されることなく、 どの位置でも同程度の精度にて存在サン プルラインを除去することができる。
次に、 第 2 2図のステップ P 9の移動サンプルラインの検出手順の 1例 を、 第 3 2図に示すステップ P 9 a〜P 9 gのフローチャートに従って、 以 下に詳説する。
ステップ P 9 aで、 移動サンプル点を検出する。 この移動サンプル点の検 出手順は、 前述の第 1の実施例の第 1 0図に示された検出手順と同じであ り、 重複説明を避けるため、 ここではその説明を省略する:
ステップ P 9 bでは、 k番目のサンプルラインのビデオカメラからの位置 に基づいて、 閾値 T H 1を設定する。 ステップ P 9 cでは、 k番目のサンプ ルラインに含まれる移動サンプル点の数をカウントする。
ステップ P 9 cに続くステップ P 9 dでは、 カウントされた移動サンプル 点数が閾値 T H 1より大か否かが判別される。 ステップ? 9 dでの判定が 「Y E S」 であれば、 ステップ P 9 eに進み、 k番目のサンプルラノ ンを移 動サンプルラインとして検出する。 ステップ P 9 dでの判定が 「N〇- であ れば、 ステップ P 9 gに進み kを k T 1に置き換える。 ステップ P 9 f とス テツプ P 9 gにより、 ステップ P 9 'り〜 P 9 eの動作が、 k = Kになるまで
繰り返される。 この繰り返しにより、 計測領域の一車線分の移動サ.
ィンが全て検出される。
ステップ P 9 bにおける閾値 T H 1は、 ビデオカメラから遠い領域のもの ほど小さくなるように設定するとよい このようにビデオカメラからの距離 に応じて T H 1を設定することにより、 ビデオカメラからの距離に影響され ることなく、 どの位置でも同程度の精度で移動サンプルラインを検出するこ とができる。
次に、 第 2 2図のステップ P 1 0の移動サンプルラノンの配置に基づいた 存在サンプルラインの補正手順の 1例を、 第 3 3図に示すステップ P I 0 a 〜P 1 0 gのフローチャートに従って、 以下に詳説する。 この移動サンブル ラインの配置に基づいた存在サンプルラインの捕正は、 第 2 9図のステップ P 7 a〜P 7 f で補正されなかった、 車体範囲内の存在サンプルラインの検 出漏れを補正するための処理である。 詳しくは、 基準輝度画像とのコントラ ストが小さく、 車体範囲内での輝度変化の小さい車両が道路上に存在してい る場合には、 この車両の存在は差分サンプルラインやエッジサンプルライン として検出され難く、 また上記のステップ P 7 a〜P 7 f の処理では補正さ れない。 このような車両の存在は、 移動サンプルラインによって検 できる ことがあり、 移動サンプルラインの配置に基づいて、 存在サンブルラインの 検出漏れを補正する。
ステップ P 1 0 aで、 k番目と k + 1番目の存在サンプルラインのビデオ カメラからの位置に基づいて、 閾値 T H 1、 T H 2を設定する。 ただし、 T H Iく T H 2である。 このステップ P 1 0 aで設定される閾値 T H 1;ま、 第 2 9図のステップ P 7 aで設定される閾値 T H 1と一致させる: このように 設定するのは、 ステップ P 1 0 a〜P 1 0 gでの処理の補正対象のサンプル ラインを、 ステップ P 7 aから P 7 f での処理の補正対象から外れたものだ けに限定するためである。 この結果、 無駄な処理や補正漏れを防 itするこ ができる。
ステップ P 1 0 bで、 k番目と k+ 1番目の存在サンプルライン間に存在 するサンプルラインの数をカウントする。 ステップ P 1 0 cでは、 カウント されたライン数が TH 1以上かつ、 TH 2より小か否かが判定される。 ステ ップ P 1 0 cでの判定が 「YE S」 であれば、 ステップ?; L 0 dに進み、 ス テツプ P 1 0 cでの判定が 「NO」 であれば、 ステップ P 1 0 gに進む c ステップ P I 0 cからステップ P l O dに進むと、 k番目と k+ 1番目の 存在サンプルラインの間に、 移動サンプルラインが存在するか否かが判定さ れる。 ステップ P 1 0 dでの判定が 「YES」 であれば、 ステップ P l O e に進み、 k番目と k + 1番目の存在サンプルラインの間の移動サンプルライ ンを含むサンブルラインを、 存在サンプルラインに追加する。 ステップ P 1 0 dでの判定が 「NO」 であれば、 ステップ P 1 0 gに進み、 kを k十 1に 置き換える。 ステップ P 10 f とステップ P 1 0 gにより、 ステップ P 1 0 a〜P 1 0 eの動作が、 k =Kになるまで繰り返される。 この繰り返しによ り、 計測領域の一車線分の全ての存在サンプルラインに対して、 移動サンプ ルラインの配置に基づいて、 存在サンプルラインを追加する補正がなされた ことになる。
例えば、 第 22図のステップ Ρ 8、 Ρ 9のそれぞれで、 第 34図の (a) に示すような配置の存在サンプルラインおよび移動サンプルラインが得られ た場合、 k番目と k+ 1番目の存在サンプルラインの間のサンブルラインの 数は以下のようになる。 上から 1番目〜 7番目の隣接する二つの存在サンプ ルラインのそれぞれの間には 0個のサンプルライン、 7番目と 8番目の存在 サンプルラインの間の領域 L 7には 3個のサンプルライン、 8番目〜 i 0番 目の隣接する二つの存在サンプルラインのそれぞれの間には 0個のサンプル ライン、 i 0番目と 1 1番目の存在サンプルラインの間の領域 L 8 6個 のサンプルライン、 1 1番目〜 14番目の隣接する二つの存在サンプルライ ンのそれぞれの間には 0個のサンプルラインが存在している。 一方、 領域し 7には 1個の移動サンプルライン、 領域 L 8には 0個の移動サンブルライン
がそれぞれ存在している。 したがって、 ステップ P 1 0 aで閾値 TH 1、 T H 2を TH 1 = 3 =—定、 TH 2 = 5 =—定に設定した場合、 第 3 4図の (a ) および (b) に示すように、 領域 L 7のサンプルラインが存在サンプ ルラインとして追加される。
ステップ P 1 0 aにおける閾値 TH 1、 TH 2は、 それぞれ画像 に描写 される平均的な車両の長さの 1 4、 1Z2に相当するサンプルライン数に 一致させるとよい。 このため、 閾値 TH 1、 TH 2は、 ビデオカメラから遠 い領域では車両が小さい像として得られるので、 小さくし、 ビデオ刀メラか ら近い領域では、 車両が大きい像として得られるので、 大きくする: このよ うにすることにより、 カメラからの距離に影響されることなく、 すべての領 域において同程度の精度にて存在サンプルラインを補正することができる。 第 2 2図のステップ P 1 1におけるメッシュは、 第 3 5図に示される。 こ のメッシュは、 ビデオカメラからの距離が近くなるにつれて、 縦サノズが大 きくなるように設定されている。 このようにメッシュサイズをビデオカメラ からの距離に応じて設定することにより、 各メッシュで指定される実際の道 路上の各領域のサイズを同程度にすることができる。
第 2 2図のステップ P 1 2おける各メッシュの空間密度は、 下記の弍で算 出される。
D (m) =P S L (m) /Ύ S L (m) … (vi) ここに、 D (m) は m番目のメッシュの空間密度、 卩 しは!!!番目のメッ シュに含まれる存在サンプルラインの数、 T S L (m) は、 m番目のメッシ ュに含まれるサンプルラインの総数である。 第 3 5図に示すような配置で存 在サンプルラインが求められた場合、 メッシュ Mlの空間密度は 3 3¾、 メ ッシュ M 2〜M4の空間密度は 1 0 0 %、 メッシュ M 5の空間密度は 7 5 %、 メッシュ M 6の空間密度は 0 %、 メッシュ \ 7の空間密度は 8 0 %と なる。
第 2 2図のステップ P 1 3おける大型車の混入率は、 以下のような手法で
算出する。
ます、 5分または 1 0分間の単位時間内での第 2 1図に示す交通流計測領 域 Fでの大型車両の混入率 R tを次式により箅出する。
ここに、 NLは、 第 2 1図の感知ライン DLを通過した大型車両台数、 Ντ は、 感知ライン DLを通過した全車両台数である。 なお、 第 2 1図に示す交 通流計測領域 Fでは、 前述したように、 車両の通過台数、 車両の大型車、 普 通車の区別を計測できるので、 これらの計測データを利^して、 混入率 R ΐ を算出する。
第 22図のステップ Ρ 14おける車間距離は、 ビデオカメラからの情報か らでは実際に計測するのは困難であるので、 実際には、 車間距離と比例関係 のあると推定される車両の速度あるいは単位時間当たりの通過台数を算出し て、 これらの算出値を車間距離に相当するものとして利用する
第 22図のステップ Ρ 1 5における大型車両混入率と車間距離に基づく空 間密度の補正は、 以下の手法でなされる。 大型車の混入による補正は、 見か け上の車両存在範囲によって算出された空間密度を補正するための^理であ る。 具体的には、 第 36図のハッチング領域で示す車両が大型車両であると き、 車両の実際の存在範囲よりも見かけ上の車両存在範囲が非常に大きくな る。 この見かけ上の車両存在範囲により算出された空間密度が補正される: まず、 上記単位時間内に交通流計測領域 Fを通過した全車両の平均車高 h a、 平均車長 1 aをそれぞれ次式により算出する。
h a =R t X hL-r (l -R t) X hs … (viii)
1 a =R t X 1 L+ ( 1 -R i) X 1 s … (") ここに、 h は大型車両の高さ、 hsは普通車両の高さ、 1 Lは大型車両の長 さ、 〖 sは普通車両の長さである。
次に、 第 36図のハッチング領域で示す車両による隠れ範囲 1 hを次式に より算出する。
1 h = h a XL/ (H— h a) … (x) ここに、 Hはビデオカメラの路面からの高さ、 Lはビデオカメラから車両の 先端位置までの距離である。
上記 1 h、 1 aにより、 見かけ上の車両存在範囲を実際の車両存在範囲に 補正するための補正率 R eを次式により算出する。
Re = l a/ ( l a + l h) … (xi)
なお、 第 21図に示す交通流計測領域 Fでは、 前述したように、 車両の通 過台数、 車両の大型車、 普通車の区別、 車両の長さ等を計測できるので、 こ れらの計測データを利用して、 補正率 Reを算出する。 また、 補三率 R eに よる補正は、 交通流計測領域 F以外の空間計測領域 Eの計測結果に利用すれ ばよい。 交通流計測領域 Fでは、 個々の車両の車長を直接計測することがで きるので、 個々の車両毎に、 補正率を算出すればよい。
上記のようにして算出された補正率 Reは、 車間距離が長ければ、 そのま ま使うことができるが、 車間距離が短くなれば、 すなわち、 ビデオカメラで 撮影された画像上で車両が重なって見えれば、 (Xりで算出された Reをそのま ま使うことができず、 増加させる必要がある。 具体的には、 車間距離が長い ほど、 捕正率 R eを式 (xi)で算出された値に近づけ、 車間距離が短くなるほ ど、 補正率 Reを 1に近づける。
空間計測領域 Eにおいては、 ビデオ力メラからの情報しか渋滞計測装置は 入手することができないため、 複数の車両が重なって撮影されるような車間 距離が短くなつている場合には、 車間距離を計測することができな 。 この ため、 上記の車間距離は、 直接算出するのではなく、 車間距離と比例関係が ある計測値、 本実施例は、 後述の方法で算出される空間速度と交通流計測領 域 Fで計測された単位時間当たりの通過台数を車間距離に相当するものとし て利用する。 具体的には、 空間速度が大きいほど、 補正率 Reを式 (Xりで算出 された値に近づけ、 空間速度が小さいほど、 補正率 Reを 1に近づける。 一 方、 通過台数が少ないほど、 補正率 Reを式 (Xりで算出された値に近づ 、 通
過台数が多いほど、 補正率 R eを 1に近づける c
第 2 2図のステップ P 1 5においては、 上記のようにして算出され補正さ れた補正率 R eを、 各メッシュの空間密度に乗算することにより、 空間密度 を補正する。
次に、 渋滞計測装置 8 2、 8 4により実行される空間速度の算出万法を、 まず、 第 3 7図に示されるステップ Q 1〜Q 1 5のフローチヤ一、に従つ て、 概略的に説明する。
ステップ Q 1で、 時刻 t n、 t n + 7の各画像のサンブル点画像を作成す る。 ステップ Q 2で、 各サンプル点画像の各サンプルラインに含まれるサン プル点の輝度値の平均値を算出して、 各サンプルラインのライン輝度 均値 を算出する。
ステップ Q 3で、 時刻 t nのサンプル点画像上の移動サンプルラインを検 出する。 移動サンプルラインは、 前述の第 3 2図のフローチャートと同じ手 順で検出するので、 重複説明を避けるため、 ここではその説明を省略する。 ステップ Q 4で、 時刻 t nのサンプル点画像上での各移動サンプルライン の時刻 t n + yの画像上での移動先を検出する。 ステップ Q 5では、 移動先 が検出された移動サンプルラインの速度を算出する。
ステップ Q 6で、 時刻 t nのサンプル点画像を複数のメッシュに分割す る。 ステップ Q 7で、 k番目のメッシュ内の移動先を追跡することができた 移動サンプルラインの平均速度を算出する。 ステップ Q 8で、 k番目のメッ シュで移動先を追跡することができた移動サンプルライン数の k番目のメッ シュに含まれる全サンプルライン数に対する割合を算出する。
ステップ Q 8に続くステップ Q 9で、 k番目のメッシュの移動サンプルラ ィンの割合が所定の閾値より大か否かが判別される。 ステップ Q 9で: 判定 力; 「Y E S」 であれば、 ステップ Q 1 0に進み、 k番目のメッシュ^の移動 サンプルラインの平均速度を、 k番目のメッシュの空間速度として検出す る c ステップ Q 9での判定が 「N〇j であれば、 ステップ Q l 1に進み、 速
度 0 km/hを、 k番目のメッシュの空間速度として設定する。
ステップ Q 9からステップ Q 1 2に進むと、 k番目の空間速度を指数平滑 ィ匕して、 ステップ Q 1 3に進む。 ステップ Q 1 3、 Q 1 4により、 k =Kに なるまで、 ステップ Q 7〜ステップ Q1 2が繰り返される。 この結果、 時刻 t nのサンプル点画像における各メッシュの空間速度が算出されたこごにな る c
上記のステップ Q 1〜Q 1 5は、 所定の時間間隔で繰り返される。 上記ステ ップ Q 1〜Q 1 5で必要な画像データや、 検出あるいは算出されるデータの概 略的な関係を、 第 38図に示す。
次に、 第 3 7図のステップ Q 4の移動サンプルラインの移動先を検出する 手順の第 1例を、 第 39図に示すステップ Q 4 a〜Q4 gのフ口一チヤ一ト に従って、 以下に詳説する。
ステップ Q 4 aで、 時刻 t nのサンプル点画像上の k番目の移動サンブル ラインの位置と、 時間間隔 7とに基づいて、 k番目の移動サンプルラインの t η + γのサンプル点画像上の予想移動範囲を算出する。 ステップ Q 4 b で、 時刻 t nのサンプル点画像上の k番目の移動サンプルラインと、 時刻 t η+γのサンプル点画像上の予想移動範囲内の各サンプルラインとの輝度値 の差を表す輝度差分値の絶対値を算出する。
ステップ Q 4 bに続くステップ Q 4 cで、 最小の輝度差分値の絶対値が所 定の閾値より小さいか否かが判別される。 ステップ Q4 cでの判定が 「YE S」 であれば、 ステップ Q4 dに進み、 最小の輝度差分値の絶対値のサンプ ルラインを k番目の移動サンプルラインの移動先として検出する。 ステップ Q4 dでの判定が 「NO」 であれば、 ステップ Q 4 eに進み、 k番目の移動 サンプルラインの移動先を無しと検出する c
ステップ Q 4 dおよびステップ Q 4 eに続くステップ Q 4 ίおよびステツ プ Q4 gにより、 ステップ Q4 a〜ステップ Q4 eの動作が、 k=K:こなる まで繰り返される。 結果的に、 時刻 t nのサンプル点画像上の全ての移動サ
ンプルラインの移動先の有無と移動先の位置が検出される。
次に、 第 3 7図のステップ Q 4の移動サンプルラインの移動先を検出する 手順の第 2例を、 第 4 0図に示すステップ Q 4 A〜Q 4 Mのフローチヤ一ト に従って、 以下に詳説する。
ステップ Q 4 Aで、 時刻 t nのサンプル点画像上の k番目の移動サンプル ラインの位置と、 時間間隔 γとに基づいて、 k番目の移動サンプルラインの t η + τ/のサンプル点画像上の第 1の予想移動範囲を算出する。 ステップ Q 4 Βで、 第 1の予想移動範囲の 1サンプルライン分前後にずれた範囲を、 そ れぞれ第 2、 第 3の予想移動範囲として検出する。
ステップ Q 4 Cで、 時刻 t ηのサンプル点画像上の k番目の移動サンプル ラインと、 時刻 t n + yのサンプル点画像上の第 1の予想移動範囲 の m番 目のサンプルラインとの輝度値の差を表す輝度差分値の絶対値じ 1を算出す る。
ステップ Q 4 Dで、 時刻 t nのサンプル点画像上の k番目の移動サンプル ラインの直前のサンプルラインと、 時刻 t η + γのサンプル点画像上の第 2 の予想移動範囲内の m番目のサンプルラインとの輝度値の差を表す輝度差分 値の絶対値 U 2を算出する。
ステップ Q 4 Eで、 時刻 ηのサンプル点画像上の k番目の移動サンブル ラインの直後のサンプルラインと、 時刻 t n屮 γのサンプル点画像上の第 3 の予想移動範囲内の m番目のサンプルラインとの輝度値の差を表す輝度差分 値の絶対値 U 3を算出する。
ステップ Q 4 Fで、 し T l、 U 2、 し' 3を加算して輝度差分値の総 じ を 算出する。 ステップ Q 4 Gとステップ Q 4 Hにより、 m = .Mになるまで、 ス テツプ Q 4 C〜ステップ Q 4 Fを繰り返し、 第 1、 第 2、 第 3の予想移動範 囲の全てのサンプルラインに対する移動サンプルラインとその前後のサンプ ルラインとの輝度差分値の計算とその総和処理を実行する:
ステップ Q 4 Iで、 総和 U mのうちの最小の U mが閾値より小か否かを判
別する- ステップ Q4 Iでの判定が 「YE S」 であれば、 ステップ Q4 Jに 進み、 最小の総和 Umの第 1の予想移動範囲内の m番目のサンプルライン を、 時刻 t nのサンプル点画像上の k番目の移動サンプルラインの移動先と して検出する。 ステップ Q 4 Iでの判定が 「NO」 であれば、 ステップ Q 4 Kに進み、 時刻 t nのサンプル点画像上の k番目の移動サンプルラインの移 動先無しと判定する。
ステップ Q4 Lとステップ Q4Mにより、 k =Kになるまで、 ステップ Q 4 A〜ステップ Q4Kを繰り返す。 この結果的、 時刻 t nのサンプル点画像 上の全ての移動サンプルラインの時刻 t η + γの画像上での移動先が検出さ れる c
ここで、 第 4 1図の (a) に示すように、 時刻 t nのサンブ /レ点画像上 に、 移動サンプルライン MV dが検出され、 第 1の予想移動範囲は第 4 1図 の (b) に示す第 1予想移動範囲 PA 1を得るとすると、 PA2が第 2の予 想移動範囲、 P A3が第 3の予想移動範囲になる。 上記のステップ Q4 Fで 算出される総和 Umのうちの最小の総和に対応する 3つのサンプルラノンが 第 4図の (b) の時刻 t n + yのサンプル点画像上の位置 b、 b— 1、 b + 1に位置するサンプルラインであるとき、 位置 bのサンブルラノンが移動サ ンプルライン MV aの移動先となる。
第 3 7図のステップ Q 5における各移動サンプルラインの速度 Vkは、 次 式により算出される。
ここに、 L aは、 時刻 t nのサンプル点画像上の各移動サンプルラノ ンの車 両走行方向における座標位置、 L bは、 各移動サンプルラインの時刻 t n -r γのサンプル点画像上の移動先の車両走行方向における座標位置である: 第 3 7図のステップ Q 1 2における空間速度の指数平滑化処理は、 次式に 従ってよつて実行される。
V (m, tn) = ( 1 - θ ) XV (m, tn-l) + Θ X V (-, t π)
'·■ (xiii) ここに、 V (m, t n) は、 m番目のメッシの時刻 tでの空間速度、 V (m, tn-1) は、 m番目のメッシュの時刻 tn-1での空間速度、 eは指数係 数で 0 < θ < 1である。 この空間速度の指数平滑化処理により、 ノイズを除 去することができる。
次に、 渋滞計測装置 8 2により実行される渋滞領域の末尾位置の検岀方法 の第 1例を、 第 4 2図に示されるステップ Ζ 1〜Ζ 4のフローチヤ一、に従 つて以下に説明する。
ステップ Z 1で、 各メッシュの空間速度を算出する。 この空間速度の算出 方法は下記の 2通りがある。
最初の算出方法は、 前述の第 3 7図のフローチャートに従った手順で空間 速度を算出する方法であり、
二つめの算出方法は、 第 2 2図のフローチヤ一トの手順で算出した空間密 度と、 第 2 1図の交通流計測領域 Fで計測される交通量と、 を用いて次式に より空間速度 V (m, t n) を算出する方法である。
V (m, t n) = (q ( t n) X 1 a ) /d (m, t n) … (ix) ここに、 q ( t n) は時刻 t nにおける空間計測領域内の単位時間あたりの 交通量、 1 aは時刻 t nにおける空間計測領域内の車両の平均車長、 d
(m, t n) は m番目のメッシュの空間密度である。
さらに、 ノイズ成分を除去するために、 空間速度 V (m, t n) を次式で 指数平滑化する。
V (m, t n) = (1 - ) X V (m, tn-1) + μ XV (m, i n)
… (xv) ここに、 μは指数係数で 0 < M < 1である。
ステップ Ζ 2で、 ノイズ成分および渋滞の疎密波による影響を除去 Τるた めに、 各メッシュの平均化空間速度 Mv (m) を次式により算出する:
ここに、 Mv (m) m番目のメッシュにおける平均化空間速度、 M メッシ 二の総数である- ステップ Z 3で、 上記の平均化空間速度 Mv (m) のうち、 Mv (m) < Cvを満たす Mv (m) を有するメッシュを全て渋滞領域として検出する。 C Vは予め設定された速度で、 例えば、 高速道路では、 C v = 40 km/ h、 一般道路では、 C V = 20 km/hとする。 ステップ Z 4で、 渋滞領域 の上流側端部の位置を渋滞末尾位置として検出する。 第 4 5図は、 メッシ ュ、 渋滞領域および渋滞末尾位置との関係を示す図である C
次に、 渋滞計測装置 82、 84により実行される渋滞領域の禾尾位置の検 出方法の第 2例を、 第 43図に示されるステップ Z 1' 〜Ζ 4' のフコーチ ャ一トに従って以下に説明する。
ステップ Z 1' で、 各メッシュ内に含まれる移動サンプル点の数をカウン トする。 ステップ Ζ 2' で、 各メッシュの移動密度 Mr (m) 各メッシュの 移動サンプル点の数を各メッシュに含まれる総サンプル点の数で除算するこ とにより、 算出する。
ステップ Z 3' で、 空間密度 D (m) が所定の閾値 C 1より大で、 移動密 度 Mr (m) が所定の閾値 C 2より小であるメッシュを、 渋滞領域として検 出する。 ステップ Z 4' で、 渋滞領域の上流側端部の位置を渋滞末尾位置と して検出する。
第 42図のステップ Z 1〜Z 4および第 43図の Z 1 ' 〜Ζ 4' 、 所定の 時間間隔で繰り返される。 上記ステップ ζ ι〜ζ4および z i ' 〜τ— ' で必 要な画像データや、 検出あるいは算出されるデータの概略的な関係を第 44図 に示す c
第 20図に示される渋滞計測装置 82は、 第 22図のフコ一チヤ一 :、に従 つて計測した空間密度、 第 3 7図のフコーチャートに従って計測した空間速 度、 並びに、 第 42図あるいは第 43図のフローチャートに従って計測され
た渋滞末尾位置を、 第 2 1図の交通流計測装置 Fで計測された各種の計測結 果とともに、 交通管制センターの中央制御装置 1 0 0に送信する。 中央制御 装置 1 0 0は、 受信した計測結果に基づいて、 ビデオカメラ 8 1により撮影 されている道路上を走行中の車両の運転者に知らせる交通情報を作成して、 表示制御装置 9 2に送信する。 表示制御装置 9 2は、 受信した交通情報を情 報表示板 9 1に表示させる。
上述の第 2の実施例によれば、 画像の全ての画素の輝度データを処理ぜず に、 特定のサンプル点に対応する画素のみの輝度データを処理しているの で、 計算処理するデータ量を大幅に削減することができ、 結果的に装置のハ —ド構成を簡素化することができ、 コス トを低減することができる: た、 高速処理が可能になって、 リアルタイムの渋滞計測が可能になる。
また、 第 2の実施例では、 サンプルライン単位で車両の存在や移動を検出 しているので、 メッシュ毎の空間速度および空間密度を検出することができ る。 この結果、 例えば、 4 0 k mZ h以下の車両の一団が占める領域を渋滞 として認識するように渋滞計測装置を設定した場合に、 その渋滞領域^の車 両の速度や密度ををリアルタイムに直接的に計測することができ、 詳細な渋 滞情報を提供することができる。 したがって、 本実施例の交通管制システム は、 高速道路に適用すると効果的である。
また、 事前の学習をほとんどすることなく、 装置を設定してから直ぐに精 度良い渋滞計測が可能になり、 また、 環境の変化、 例えば、 計測地点、 時間 帯、 天候、 交通量等の変化に関わらずに安定して渋滞状況を検出することが でき、 しかも渋滞の長さも簡単に検出することができる。
さらにまた、 各種判別の基準になる閾値等の各種パラメータを、 ビデオ力 メラから各サンプル点での距離に応じて変化させているので、 高精度の渋滞 計測が可能になる。 また、 上記パラメ一タを各サンプル点のカメラからの距 離により自動的に検出できるため、 交通管制システムの管理運用上の有効で ある。
またさらに、 道路上に計測可能な距離だけ隔てて本実施例のビデオカメラ と渋滞計測装置を、 複数個連ねて配置するようにすれば、 長距離にわたる連 続した渋滞状況を計測することもできる。 さらに、 本実施例は、 計測領域内 の一部の計測結果から計測領域の全体の渋滞状況を推定しているのではな く、 計測領域全体の渋滞状況を直接的に計測しているので、 計測領域内で事 故や車両故障が発生した場合に、 直ちにそれを検知できる効果もある。