WO1997024294A1

WO1997024294A1 - Unite de double vitrage

Info

Publication number: WO1997024294A1
Application number: PCT/JP1996/003720
Authority: WO
Inventors: Naoto Horiguchi
Original assignee: Nippon Sheet Glass Co., Ltd.
Priority date: 1995-12-28
Filing date: 1996-12-19
Publication date: 1997-07-10
Also published as: TW362091B; KR19990067379A; JPH09183636A

Description

明細書複層ガラス [技術分野]

この発明は複層ガラスに関し、詳しくは、一対の板ガラス間の介在空間に、熱媒となるものを極力位置させないようにして（例えば、真空にして）、断熱性の向上を図ってあり、例えば、一対の板ガラス間に、板面に沿って間隔をあけて多数のスぺ一サを介在させ、両板ガラス間の空隙部を減圧密閉してある複 IIガラスに関する。

[背景技術]

従来、この種の複層ガラスとしては、光を通したときの障害になり難いようにスぺーサは小径の目立ち難いものとし、一対の板ガラスを、夫々透明な板ガラスから構成していた。そして、板ガラスの強度に応じたスぺ一サ間隔を設定して、全体として薄型で、断熱性の高いものにしてあつた。

このような従来の複層ガラスによれば、当然のことながら、複層ガラスを通した視線を遮ることはできない。しかし、使用箇所や使用目的に応じて、光は通しても視線を遮ることができるようなものが要求される。

そこで、この課題を解決する手段として、使用する板ガラスを、例えば、スリ板ガラスにすることが考えられる。

し力、し、スリ板ガラスは、表面に細かい凹凸が形成してあるから、上述のスぺーザが当接するスリ板ガラスの面状態が場所によって異なり、スぺーサが安定しなかったりする。その結果、予定以上の応力がスリ板ガラスに作用して、ガラスが破壤しゃすくなるという問題点がある。

さらに、両板ガラスの外周縁部のシール処理に関しても、スリ板ガラスの凹凸が密閉上の弱点になりやすく、前記空隙部の減圧密閉状態を維持できない場合には、断熱性が低下するという問題点がある。従って、本発明の目的は、上記従来技術の有する問題点を解消し、光を通しながら視線を遮ることができる機能を持ち、かつ高い断熱性を長期間にわたって維持することができる複層ガラスを提供することにある。 [発明の開示]

上記目的は、請求項記載の発明により達成される。即ち、

本発明の複層ガラスの特徴構成は、複数のスぺーサを夫々の間に介在させてある一対の板ガラスの内の少なくとも一方を、凹凸加工面を両板ガラス間の空隙部とは反対側に向くように配 Sしたスリ板ガラスで構成してある点にある。

この構成によれば、複数のスぺーサを夫々の間に介在させてある一対の板ガラスの内の少なくとも一方を、スリ板ガラスで構成してあるから、光を通しながら視線を遮ることができる（以後、暴り効果という）。

前記スリ板ガラスを、その凹凸加工面を両板ガラス間の空隙部とは反対側に向くように配置してあるから、スぺーザが当接する板ガラス面は、何れも平滑な状態で、スぺーザが不安定になるのを防止することが可能となる。従つて、スぺーサによる板ガラスの支持状態にバラツキが少なくなり、減圧密閉に伴う局部的な応力集中によって不用意に壤れることがない。即ち、長期間にわたって、前記暴り効果、及び、断熱効果を維持することが可能となる。更には、両板ガラスの外周縁部のシール処理に関しても、前記空隙部に面する板ガラス面は平滑状態であるから、シール材との密着状態も良好なものとなり、高いシール効果を得ることが可能となる。

更に、本発明を、複数のスぺーサを夫々の間に介在させてある一対の板ガラスにおける両板ガラス間の空隙部とは反対側に向く面の少なくとも一面に、塗膜を形成するようにしてもよい。

この構成によれば、前記塗膜に、二種以上の異なる屈折率の材料を内在させて光散乱性を備えさせてあるものを採用することもできる。その場合、光を通しながら視線を遮ることができる。そして、前記塗膜を、前記空隙部に面した面に形成することに比べて、前記空隙部の減圧密閉度を高く維持して、長期間にわたって、前記 *り効果、および、断熱効果を維持することが可能となる。即ち、塗膜を、減圧された空隙部に面して配置すれば、塗膜からガスが発生して空隙部の減圧度を低下させてしまう危険性があり、更には、両板ガラスの外周縁部のシールに前記塗膜が介在し、その境界部から外気が入り込み、前記空隙部の密閉度が低下する危険性がある。し力、し、このような欠点のない本願発明は上記目的を容易 ·確実に達成する。

本発明の複層ガラスを、一対の板ガラスと、前記一対の板ガラス間に、板面に沿って間隔をあけて介在させ、前記両板ガラス間の空隙部を減圧密閉してある複数のスぺ一サとから構成し、前記一対の板ガラスの少なくとも一方の板ガラスに代えて、もしくは一体的に、通電により視線を遮蔽解除可能な液晶シートを有するガラスが配置されているようにしてもよい。

このようにしても、前述した目的を効果的に達成できる。

[図面の簡単な説明]

図 1 は第一の実施形態の複層ガラスを示す一部切欠斜視図、

図 2は第一の実施形態の複層ガラスを示す断面図、

図 3は第二の実施形態の複層ガラスを示す断面図、

図 4は別実施形態の複層ガラスを示す断面図である。

[発明を実施するための最良の形態] 本発明にかかる複層ガラスの実施形態を、図面を参照して詳細に説明する〔第一の実施形態〕

図 1 、 2は、本発明の複層ガラスの第一実施形態を示す。

複層ガラス Pは、一対の板ガラス 1間に、板面に沿って間隔をあけて多数のスぺ一サ 2を介在させ、両板ガラス 1 A , 1 B間の空隙部 Vを減圧密閉して形成してある。前記一対の板ガラス 1の内の一方の板ガラス 1 Aは、透明のフロー卜板ガラスで構成してある。他方の板ガラス 1 Bは、スリ板ガラスで構成してある。このスリ板ガラスは、凹凸加工面 3を前記空隙部 Vとは反対側に向くように配置してある。因に、両板ガラス 1 は、共にフロート板ガラス（厚み寸法 2. 6 5〜 3. 2 mm) であり、他方の板ガラス 1 Bについては、フロー卜板ガラスに対してサンドプラスト、エッチング等を施して凹凸加工面 3を形成し、光は通しながら視線を遮るスリ板ガラスに仕上げてある。

両板ガラス 1 A, 1 Bどうしの外周縁部間にわたっては、低融点ガラス (例えば、はんだガラス）のシール部 4を設けて、前記空隙部 Vの密閉を図つてある。この空隙部 Vは、例えば、真空環境下での複雇ガラス製作や、又は、複層ガラス製作後に吸引する等の方法によって減圧環境（し 0 X 1 0 -³T o r r以下）を呈する状態に構成してある。

因に、両板ガラス 1の外周縁部は、何れか一方の板ガラスが、板面方向に沿って突出する状態に形成してある。この突出部 5を形成してあることによつて、前記シール部 4を形成する際に、この突出部 5にシール材を載置した状態で、効率的に且つ確実に空隙部 V外周部を密閉することが可能となる。前記スぺーサ 2は、圧縮強度が、 5 tノ cm²以上の材料が好ましい。本実施形態においては、それぞれステンレス鋼（例えば、 J I S規格

S U S 3 0 4 ) で形成されている。スぺーザの強度が低いと、板ガラス 1 に作用する大気圧によってスぺーサ 2が破壤し、前記空隙部 Vを形成できなくなる危険性があり、断熱性能が低下してしまう。

スぺーサ 2の形状は、ほぼ円柱形状に成形してあることが好ましい。形状寸法は、直径が 0. 3~ 1. 0 mmで、高さ寸法が 0. 1 5 mm〜（スぺ一サ直径寸法）に設定してある。そして、ほぼ円柱形状に形成してあることによって、両板ガラス 1 に対する接当部分に、応力集中を生じ易い角部を造らないから、板ガラス 1 に対して優しい状態の支持を叶え、破壊し難くすることができる。

一方、各スぺ一サ 2は、板面方向に沿った縦横に、 7 mn！〜（6. 5 x板ガラス厚み寸法 + 0. 5 ) mmの間隔で夫々設置してある。

〔第二の実施形態〕

図 3は、本発明の複層ガラスの第二実施形態を示す。

第一実施形態と同様に、複層ガラス Pは、一対の板ガラス 1間に、板面に沿って間隔をあけて多数のスぺーサ 2を介在させ、両板ガラス 1 A. 1 B間の空隙部 Vを減圧密閉して形成してある。

つぎに、第一実施形態と異なる構成について説明する。

前記他方の板ガラス 1 Bを、スリ板ガラスに替えて、フロートガラスの前記空隙部 Vとは反対側に向く面に塗膜 6を形成したフロートガラスで構成してある。

前記塗膜 6は、 P b O ( 3 2 %) 、 S i 0₂ (2 0%) 、 T i 0₂ ( 2 5 %) 金属酸化物の微粉末（5 %) 、及び、オイル成分（ 1 8 %) からなる塗料を板ガラス 1 Bの表面にコーティングした後、 2 0 0 ~ 7 0 0 °Cの熱処理によつて焼成工程を経て形成してある。この塗膜 6によって、前述のスリ板ガラスと同様に、光は通しながら視線を遮ることができる。

〔別実施形態〕

以下、本発明の他の実施形態を説明する。

( 1 ) 前記スリ板ガラスは、先の実施形態で説明したように、フロート板ガラスに対してサンドプラスト、エッチング等を施して凹凸加工面 3を形成してあるものに限るものではなく、他の公知の加工方法によって形成することも可能である。本明細書では、それらを総称してスリ板ガラスという。

凹凸加工面 3は、ガラス面の全体にわたって凹凸加工を施してあるもの以外に、ガラス面の一部分や、模様状（例えば、格子模様）に凹凸加ェを施してあってもよく、更には、凹凸度合いを異ならせて模様付けを施してあってもよい。本明細書では、それらを総称して凹凸加工面という o

( 2 ) 前記スぺ一サは、先の実施形態で説明したステンレス鋼製のものに限るものではなく、例えば、インコネル 7 1 8や、それ以外にも、圧縮強度が 5 t Z c m ²以上の金属 ·石英ガラス · セラミツクス等であってもよい。要するに、圧縮強度が 5 t Z c m ²以上で、外力を受けて両板ガラスどうしが接することがないように変形しにくいものであればよい。 ( 3 ) 前記塗膜は、先の実施形態で説明したものに限るものではなく、例えば、無機ゲイ酸塩を主成分として、この中にシリ力 · アルミナの微粒子を添加したものや、シリコンアクリル系樹脂を主成分として、この中にシリカ · アルミナの微粒子を添加したものや、前記シリコンァクリル系樹脂に替えて、ウレタンアクリル樹脂、又は、フッ素樹脂、又は、ェポキシ樹脂を主成分とするもの等であってもよい。要するに、複層ガラスに、光は通しながら視線を遮ることができる機能をもたせることができるものであればよい。

( 4 ) 第二の実施形態で説明した複層ガラスにおいて、図 4に示すように、塗膜 6の外側に、他の板ガラス 1 Cを一体的に設けてもよい。この場合は、 1 Bと 1 Cと塗膜 6とから合せガラスが構成され、一層強化されると共に、塗膜 6の劣化を抑えることが可能となる。

( 5 ) 本発明の複層ガラスは、上述の各実施形態で説明したように、複層ガラスの一方側の板ガラスにのみ凹凸加工面または塗膜を設けてあることに限らず、空隙部を挟んだ両板ガラスそれぞれに凹凸加工面または塗膜を設けてあってもよい。

( 6 ) 前記両板ガラス 1の他方の板ガラス 1 Bを、スリ板ガラスとすることに代えてフロートガラス（f loa t g l ass)で構成し、両板ガラス間の空隙部とは反対側に向く面に液晶シ一トを接着剤などで貼着して、この液晶シ一卜に電圧を入切することにより視線を遮ることが可能なようにしてもよい。即ち、この液晶シートは、ポリエチレンテレフ夕レート（P E T ) 等のプラスチック材料からなる一対の透明なシ一卜の対向する面に、真空蒸着などにより透明電極が形成されており、かつ一対の透明なシ一ト間に液晶層を介在させたものである。そして、透明電極はスィッチを介して電源に接続されている。

液晶層としては、特開昭 5 8— 5 0 1 6 3 1号公報に開示されているように、分散媒中に複数散在させた、ポリビニルアルコール（P V A ) 等の高分子材料からなる球殻伏のカプセル内にネマチック液晶を封入させたものを用いることができる。

このような液晶シー卜において、前記一対の透明電極間に電圧が印加されていない状態では、前述のスリ板ガラスと同様に液晶シートは光の散乱により視線を遮ることができる。そして、透明電極間に、例えば 2 4 Vの交流電圧が印加されている状態では、カプセル内の液晶がこの印加電圧に応じて電界の方に配列するので、光は散乱されることなく視野を確保することができる。

さらに、液晶シ一卜の外側に他の板ガラスを一体的に設けて合わせガラスとしてもよい。

Claims

請求の範囲

1. 一対の板ガラス（ 1 ) と、これら一対の板ガラス（ 1 ) 間に、板面に沿って間隔をあけて介在させ、前記両板ガラス（ 1 ) 間の空隙部（V) を減圧密閉してある複数のスぺ一サ（ 2 ) とを備えていて、

前記一対の板ガラス（ 1 ) の内の少なくとも一方が、凹凸加工面（ 3 ) を前記空隙部（V) とは反対側に向くように配置したスリ板ガラスで構成してあることを特徴とする複層ガラス。

2. —対の板ガラス（ 1 ) と、これら一対の板ガラス（ 1 ) 間に、板面に沿って間隔をあけて介在させ、前記両板ガラス（ 1 ) 間の空隙部（V) を減圧密閉してある複数のスぺーサ（2) とを備えていて、

前記一対の板ガラス（ 1 ) 力く、少なくとも一方の板ガラス（ 1 ) の前記空隙部（V) とは反対側に向く面の少なくとも一面に、塗膜（6) が形成されていることを特徴とする複層ガラス。

3. 前記スぺーサ（2 ) は、圧縮強度が 5 t/cm² 以上の材料からなる請求項 1又は 2の複層ガラス。

4. 前記一対の板ガラス（ 1 ) は、一方の板ガラスの外周縁部が、板面方向に沿って他方の板ガラスの外周縁部より突出した突出部（ 5) を形成している請求項 1又は 2の複層ガラス。

5. 前記一対の板ガラス（ 1 ) どうしの外周縁部間にわたって、低融点ガラスのシール部（4 ) が設けられて、前記空隙部（V) の密閉が図られている請求項 1又は 2の複層ガラス。

6. 前記塗膜（6) は、ガラス表面に塗布されることにより、光を通しながら視線を遮ることができる機能を有する材料である請求項 2の複層ガラス。

7. 前記塗膜（ 6 ) は、 P b 0、 S i 0₂、 T i 0₂を主成分とする塗料を前記一方の板ガラス（ 1 ) の表面にコーティングした後、 2 0 0~7 0 0 °C の熱処理による焼成工程を経て形成されたものである請求項 6の複層ガラス。

8. 前記塗膜（ 6 ) は、無機ゲイ酸塩、シリコンァクリル系樹脂、ウレタンアクリル樹脂、フッ素樹脂、又は、エポキシ樹脂のいずれかを主成分とするものからなる請求項 6の複層ガラス。

9. 前記塗膜（ 6 ) の外側に、板ガラス（ 1 C) がー体的に設けられている請求項 2の複層ガラス。

1 0. —対の板ガラス（ 1 ) と、これら一対の板ガラス（ 1 ) 間に、板面に沿って間隔をあけて介在させ、前記両板ガラス（ 1 ) 間の空隙部（V) を減圧密閉してある複数のスぺーサ（ 2 ) とを備えていて、

前記一対の板ガラス（ 1 ) が、少なくとも一方の板ガラスに代えて、もしくは一体的に、通電により視線を遮蔽解除可能な液晶シートを有するガラスが配置されている複層ガラス。