JP7337849B2 - 高性能の真空絶縁グレージングユニット - Google Patents
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Description
大気圧応力は、離隔スペーサの上のVIGを構成するガラス板の外部表面に約105Pa(大気圧)の均一な圧力を加えたことによるものである。なぜなら、板の内部表面は真空に曝されるが、板の外部表面は大気圧に曝されてシートが互いに向かって曲がるからである。しかし、2つのガラス板を分離する離隔スペーサが存在すると、2つのガラス板の接触を防げるが、各離隔スペーサの上のガラス板の外部表面に永久に引張応力を誘発する。ガラス板の外部表面の離隔スペーサPiの上に発生される大気圧応力σpiは、よく知られている。ピッチλによって互いから分離された離隔スペーサの正方形配列に対して、この応力は、式σp=0.11λ2/d2[MPa]によって特徴づけられることができ、dはガラス板の厚さである。例えば厚さd=5mmの第1及び第2のガラス板、及びピッチλ=30mmの正方形配列に配置された離隔スペーサから構成されたVIGの外部表面に加えられる(引張)大気圧応力は、約4MPaのオーダであることができる。大気圧応力σpiの分布は、各スペーサの上に置かれた離散面積から構成される。単位面積当たりのスペーサの数は非常に高いので、また、計算及び表示を簡素化するために、大気圧応力σpiの分布は、本明細書では大気圧応力σpの連続した分布として取り扱う。例えばピッチλ=20mmの正方形配列に配置されたスペーサを備えた1000x1000mmのVIGは、k=2500のスペーサを含む。
熱誘発応力は、例えば周囲接着シール(4)のため、又はVIGの周囲を締め付ける枠のために、第1及び第2のガラス板が互いに対して自由に動かない時に、第1のガラス板の外部表面の温度T1と第2のガラス板の外部表面の温度T2との間に温度差があるとすぐに生じる。熱応力は、温度T1とT2との差が増加するにつれて増加する。熱応力σtは、例えばVIGが内部空間と外部空間との間の過酷な温度差に曝される時(典型的にはVIGが内部を外部環境から分離する時)に、ガラス板上に誘発する可能性がある。ほとんどの過酷な条件では、内部温度と外部温度との差は、40℃以上に達する可能性がある。温度差に曝された時、2つのガラス板は異なる膨張の仕方をする。ガラス板は、一方では周囲接着シールのため、また、他方ではVIGを締め付ける枠のために、互いに対して自由に動かないので、VIGの2つのガラス板の異なる熱膨張により板が曲がり、従って応力を生み出す。大気圧応力と違い、VIGの外部表面の上の熱応力σtを特徴づける解析方程式はなく、熱応力σtは離隔スペーサの数及び配置に依存しない。続いて、熱応力σtは、高温に曝された第1の板の外部表面の温度勾配によって誘発された引張応力を指し、温度勾配は、VIGの第1の板が高温に曝され、第2の板が低温に曝されることによって生み出される。
真空絶縁グレージングユニットが、
(a)第1のガラス板及び第2のガラス板と、
(b)平面面積にわたって分布され、第1のガラス板と第2のガラス板との間に位置付けられ、第1のガラス板と第2のガラス板との間の距離を維持するk個の離隔スペーサ(discrete spacer)(Pi)であって、離隔スペーサ(Pi)のそれぞれが、セル面積(Ai)を有するセル(Ri)を画定し、セル(Ri)が、全ての離隔スペーサと関連したセルと組み合わされてボロノイ分割(tessellation)を形成し、ボロノイ分割がセル面積分布によって特徴づけられ、但しk∈N及びk>8である、k個の離隔スペーサ(Pi)と、
(c)第1のガラス板と第2のガラス板との間の距離を密封する周囲接着シール(4)であって、第1のガラス板と第2のガラス板との間に閉囲され、平面面積を画定する周囲接着シールの内周によって囲まれた内部容積Vを画定する周囲接着シール(4)とを含む。但し内周が、縦軸X1に沿った長さLにわたって、及び縦軸X1に垂直な横軸X2に沿った幅Wにわたって延在する実質的に矩形の幾何形状を有し、L≧Wであり、内部容積が真空下にある。
・4つの角領域(B)であって、それぞれが、半径Rbの円の4分の1の幾何形状を有し、但しRb<W/2であり、それぞれが、周囲シールの矩形の内周の角に中心を持つ、4つの角領域(B)と、
・4つの角領域を除く平面面積を覆う補完領域(A)とに分割され、補完領域(A)が、それ自体、
・第1の角領域と第2の角領域との間に延在する第1の縦ストリップ領域(AL)、及び第3の角領域と第4の角領域との間に延在する第2の縦ストリップ領域(AL)であって、各縦ストリップ領域が、平面面積の縦縁部に隣接する縦軸X1に沿って延在し、縦縁部から0.1Wに等しい、横軸X2に沿って測定された幅を有する、第1の縦ストリップ領域(AL)及び第2の縦ストリップ領域(AL)と、
・第1の角領域と第3の角領域との間に延在する第1の横ストリップ領域(AW)、及び第2の角領域と第4の角領域との間に延在する第2の横ストリップ領域(AW)であって、各横ストリップ領域が、平面面積の横縁部に隣接する横軸X2に沿って延在し、横縁部から0.1Wに等しい、縦軸X1に沿って測定された幅を有する、第1の横ストリップ領域(AW)及び第2の横ストリップ領域(AW)と、
・第1及び第2の縦ストリップ領域(AL)並びに第1及び第2の横ストリップ領域(AW)を切り取った補完領域(A)の面積を覆う中心領域(AC)とに分割されている。
・対応する離隔スペーサ(Pi)が領域内に含まれる場合、又は
・対応する離隔スペーサが2つの領域(AC、AL、AW、B)に跨がっている場合、セル(Ri)は、セル面積(Ai)の最大の断片を含む領域に閉囲され、
・対応する離隔スペーサが2つの領域(AC、AL、AW、B)に跨がっており、セル面積が2つの領域の間で均等に分布される場合、前記セル面積は、第10のパーセンタイルSB10、SAC10、SAL10、及びSAW10の決定には無視される。
・公知の機械的及び熱的特性、並びに所与の厚さdの第1及び第2のガラス板(1a、1b)を準備することと、
・大気圧応力の最大許容値をもたらすための最大ボロノイセル面積Ai_maxを計算することと、(但しVIGの各ガラス板は、例えば前記離隔スペーサのボロノイセル面積に基づいて離隔スペーサの上に誘発された大気圧応力を概算し、あらゆるタイプの離隔スペーサの配置にも適用できる、本発明者らによって提案された方程式σp=0.11Ai_max/dj2[MPa]を使用して抵抗することができ、djは第1又は第2のガラス板の厚さである(j=1又は2)。離隔スペーサの正方形配列の配置について、ボロノイセル面積Ai=λ2であり、λはピッチである。前記方程式のAi_maxをλmax2に置換することにより、文献に提案されているようにσp=0.11λmax2/d2[MPa]をもたらす。)
・中心領域(AC)内で最大ボロノイセル面積Ai_maxによって特徴づけられる離隔スペーサ分布を画定し、中心領域(AC)内で離隔スペーサのこのセル面積分布の第10のパーセンタイルSAC10を決定することと、
・中心領域(AC)に置かれた離隔スペーサのセル面積の第10のパーセンタイルSAC10以下である、縦及び横ストリップ領域(AL、AW)に置かれた離隔スペーサのセル面積の第10のパーセンタイルSAL10、SAW10によって特徴づけられる、第1及び第2の縦ストリップ領域(AL)内並びに第1及び第2の横ストリップ領域(AW)内の離隔スペーサ分布を画定することと、
・中心領域(AC)並びに縦及び横ストリップ領域(AL、AW)に置かれた離隔スペーサのセル面積の第10のパーセンタイルSAC10、SAL10、及びSAW10より低い、各角領域(B)に置かれた離隔スペーサのセル面積の第10のパーセンタイルSB10によって特徴づけられる、4つの角領域(B)内の離隔スペーサ分布を画定することと、
・前述の離隔スペーサ分布に従って、第1のガラス板(1a)の表面にk個の離隔スペーサを位置付け、表面に周囲接着シール(4)を付与して矩形平面面積の周囲を画定することと、
・第1のガラス板と第2のガラス板との間にギャップを残して、周囲接着シールによって囲まれた、k個の離隔スペーサ及び周囲接着シール(4)の上の第2のガラス板(1b)を結合することと、
・圧力を0.1ミリバール未満に低下させるために、第1のガラス板と第2のガラス板との間のギャップから気体を排出することとを含み、
SB10は、矩形平面面積の縁部に隣接するセルを無視して決定され、SAL10及びSAW10は、矩形平面面積の縁部に隣接するセルを無視して決定される。
・中心領域(AC)に置かれた離隔スペーサのセル面積の第90のパーセンタイルSAC90を決定することと、
・中心領域(AC)に置かれた離隔スペーサのセル面積の第90のパーセンタイルSAC90の1/m倍以下である、各角領域(B)に置かれた離隔スペーサのセル面積の第10のパーセンタイルSB10によって特徴づけられる、4つの角領域(B)内の離隔スペーサ分布を画定することを更に含むことができ、m≧1.6、好ましくはm≧1.8、より好ましくはm≧2.0である。
図2は、内部空間と外部空間との温度差40℃に曝された、2つの5mmの厚さのガラス板によって形成された、木製枠で長さL、及び幅W(L=W=1000mm)に締め付けられたVIGの4分の1への熱応力σt分布のグラフ表示を示す。図2は、より高い温度に曝されたVIG板の外部表面に誘発された引張応力分布を表す。応力レベルは、約0MPaの白い面積から約24MPaの最も濃い面積まで増加する。このデータは独自のものであり、本発明者らによる内部作業の結果である。上に論じたように、ピッチλ=30mmの正方形配列に配置された離隔スペーサについては、大気圧応力σpは約4MPaのオーダであることができる。
平面面積は、応力分布を反映するためにいくつかの帯域、すなわち
・4つの角領域(B)であって、それぞれが、半径Rbの円の4分の1の幾何形状を有し、但しRb<W/2であり、好ましくはRb<W/10であり、それぞれが、周囲接着シール(4)の矩形の内周の角に中心を持つ、4つの角領域(B)と、
・4つの角領域を除く平面面積を覆う補完領域(A)とを含む。
補完領域(A)は、3つの小領域、すなわち
・第1の角領域と第2の角領域との間に延在する第1の縦ストリップ領域(AL)、及び第3の角領域と第4の角領域との間に延在する第2の縦ストリップ領域(AL)であって、各縦ストリップ領域が、平面面積の縦縁部に隣接する縦軸X1に沿って延在し、縦縁部から0.1Wに等しい、横軸X2に沿って測定された幅を有する、第1の縦ストリップ領域(AL)及び第2の縦ストリップ領域(AL)と、
・第1の角領域と第3の角領域との間に延在する第1の横ストリップ領域(AW)、及び第2の角領域と第4の角領域との間に延在する第2の横ストリップ領域(AW)であって、各横ストリップ領域が、平面面積の横縁部に隣接する横軸X2に沿って延在し、横縁部から0.1Wに等しい、縦軸X1に沿って測定された幅を有する、第1の横ストリップ領域(AW)及び第2の横ストリップ領域(AW)と、
・第1及び第2の縦ストリップ領域(AL)並びに第1及び第2の横ストリップ領域(AW)を切り取った補完領域(A)の面積を覆う中心領域(AC)とに更に分割される。
各離隔スペーサは、隣接する離隔スペーサが影響を与える面積に囲まれた、影響のある所与の面積にわたってガラス板に支持効果を有する。このような状況は、ボロノイ分割を形成するボロノイセルを使用して記載することができる。数学では、ボロノイ分割又は図形は、平面の特定のサブセット内の点への距離に基づいた領域への平面の分割である。その点のセットは、平面面積にわたって分布されたk個の離隔スペーサによって形成される。各離隔スペーサに対して、他のいずれに対してよりもその離隔スペーサに近い全ての点から成る対応する領域がある。これらの領域は、「ボロノイセル」(Ri)又は単にセル面積(Ai)を有する「セル」と呼ばれ、セル面積(Ai)は、各離隔スペーサが影響を与える面積を画定する。k個のセルによって形成されたボロノイ分割は、セル面積分布によって特徴づけられる。ボロノイ分割のセル面積(Ai)は、単位面積当たりの離隔スペーサの数kが低減するにつれて増加する。例えば第2のVIGの離隔スペーサ、又はVIGの第2の部分の離隔スペーサの数k2より小さい離隔スペーサの数k1を含む、第1のVIG又はVIGの第1の部分は、第2のVIG、又はVIGの第2の部分より大きい平均セル面積を有するセル面積分布を特徴づける。
図6に示されたように、最小から最大へと分類されたセル面積のN個の値のリストの第Pのパーセンタイルは、本明細書ではリスト内の最小値と定義され、ここで、前記最小値は、P%以下のデータが前記最小値より厳密に低く、セル面積のN個の値の少なくともP%はその最小値以下であるようなものであり、Pは0~100に含まれる。セル面積のN個の値の分類されたリストの第Pのパーセンタイルは、公式n=NP/100でk個の分類された値の対応するランクnを決定することから成る、最も近いランクメソッド(the nearest-rank method)によって得ることができる。この公式で得た値nが整数でない場合は、nは最も近い整数に四捨五入される。第Pのパーセンタイルのセル面積値は、セル面積のN個の値の分類されたリストの(四捨五入した)第nのランクに一覧にされた(listed)値である。N<100について、同じ値が2つ以上のパーセンタイルに使用されることができることは明らかである。第50のパーセンタイルは中央値と呼ばれ、第1及び第100のパーセンタイルは、それぞれが番号付きリストにおける最小値及び最大値と定義される。
所与の厚さのガラス板から作成されたVIGの大気圧への抵抗を増加するための簡単な解決策は、離隔スペーサ(Pi)の数を増加することである。しかし、離隔スペーサの数が増加すると、VIGの断熱特性に弊害をもたらす。離隔スペーサの数を低減し、従ってVIGの断熱特性を向上し、同時に大気圧応力及び熱応力への機械的抵抗を確保するように平面面積にわたる離隔スペーサ分布を最適化するために、以下の条件が本発明において提案される。
・中心領域(AC)に置かれたセルのセル面積分布の第10のパーセンタイルSAC10、並びに
・第1及び第2の縦ストリップ領域(AL)のそれぞれに置かれたセルのセル面積分布の第10のパーセンタイルSAL10、並びに/又は
・第1及び第2の横ストリップ領域(AW)のそれぞれに置かれたセルのセル面積分布の第10のパーセンタイルSAW10より小さい。
・対応する離隔スペーサ(Pi)が前記領域内に含まれる場合、又は
・対応する離隔スペーサが2つの領域(AC、AL、AW、B)に跨がっている場合、セル(Ri)は、セル面積(Sk)の最大の断片を含む領域に閉囲され、
・対応する離隔スペーサが2つの領域(AC、AL、AW、B)に跨がっており、セル面積が2つの領域の間で均等に分布される場合、前記セル面積は、第10のパーセンタイルSB10、SAC10、SAL10、及びSAW10の決定には無視される。
本発明は、上記のようなVIGを生産するための方法にも関する。方法は、以下のステップ、すなわち
・公知の機械的及び熱的特性の、並びに所与の厚さdの第1及び第2のガラス板(1a、1b)を準備することと、
・例えば公式σp=0.11Ai_max/dj2[MPa]を使用して、大気圧応力の最大許容値をもたらすための最大ボロノイセル面積Ai_maxを計算することと、
・中心領域(AC)内で最大ボロノイセル面積Ai_maxによって特徴づけられる離隔スペーサ分布を画定し、中心領域(AC)内で離隔スペーサのこのセル面積分布の第10のパーセンタイルSAC10を決定することと、
・中心領域(AC)に置かれた離隔スペーサのセル面積の第10のパーセンタイルSAC10以下である、縦及び横ストリップ領域(AL、AW)に置かれた離隔スペーサのセル面積の第10のパーセンタイルSAL10、SAW10によって特徴づけられる、第1及び第2の縦ストリップ領域(AL)内並びに第1及び第2の横ストリップ領域(AW)内の離隔スペーサ分布を画定することと、
・中心領域(AC)並びに縦及び横ストリップ領域(AL、AW)に置かれた離隔スペーサのセル面積の第10のパーセンタイルSAC10、SAL10、及びSAW10より低い、各角領域(B)に置かれた離隔スペーサのセル面積の第10のパーセンタイルSB10によって特徴づけられる、4つの角領域(B)内の離隔スペーサ分布を画定することと、
・前述の離隔スペーサ分布に従って、第1のガラス板(1a)の表面にk個の離隔スペーサを位置付け、表面に周囲接着シール(4)を付与して矩形平面面積の周囲を画定することと、
・第1のガラス板と第2のガラス板との間にギャップを残して、周囲接着シールによって囲まれた、k個の離隔スペーサ及び周囲接着シール(4)の上の第2のガラス板(1b)を結合することと、
・圧力を0.1ミリバール未満に低下させるために、第1のガラス板と第2のガラス板との間のギャップから気体を排出することとを含む。
但しSB10、SAL10、及びSAW10は、矩形平面面積の縁部に隣接するセルを無視して決定される。縁部に隣接するボロノイセルは、それらの幾何形状が、周囲接着シール(4)の存在によって干渉されるので無視される。
本発明のVIGの第1及び第2のガラス板は、フロート透明、超透明又は色ガラス技術の中から選択することができる。用語「ガラス」は、本明細書ではミネラルガラス若しくは有機ガラスなどのあらゆるタイプのガラス又は等価の透明材料を意味すると理解されたい。使用されるミネラルガラスは、ソーダ石灰シリカ、アルミノケイ酸若しくホウケイ酸、結晶体及び多結晶性ガラスなどの1つ又は複数の公知のタイプのガラスに無関係であってもよい。ガラス板は、フロート処理、引抜処理、ロール処理、又は溶融ガラス組成物から始まるガラス板の製造に公知のあらゆる他の処理によって得ることができる。ガラス板は、任意選択で縁部を研磨することができる。縁部を研磨することにより、鋭い縁部を滑らかな縁部にし、これは真空絶縁グレージング、具体的にはグレージングの縁部と接触する可能性がある人々にはるかに安全である。好ましくは本発明による第1及び/又は第2のガラス板の少なくとも1つは、ソーダ石灰シリカガラス、アルミノケイ酸ガラス又はホウケイ酸ガラスの板である。より好ましく又より低い生産原価のために、本発明によるガラス板はソーダ石灰シリカガラスの板である。
本発明の真空絶縁グレージングユニットは、2つのガラス板を互いから分離したままにし、従って内部容積Vを形成するために、第1のガラス板(1a)と第2のガラス板(1b)との間に挟まれた複数の離隔スペーサを含む。離隔スペーサは、上述したようにボロノイセルによって画定された配列に従って平面面積に分布される。
本発明の真空絶縁グレージングユニットのガラス板(1a、1b)の間の内部容積Vは、ガラス板の周囲に隣接して置かれた密閉接着シール(4)内に閉囲される。密閉接着シールは、VIGを包囲する大気中に存在する空気又はあらゆる他の気体に対して不透過性であり、好ましくは硬質である。
0.1ミリバール未満、好ましくは0.01ミリバール未満の絶対圧力の真空が、第1及び第2のガラス板並びに離隔スペーサの組によって画定され、本発明のVIG内の周囲接着シールによって閉鎖された、内部容積V内に生成することができる。
1a、1b 第1及び第2のガラス板
4 周囲接着シール
A 補完領域
AC 中心領域
Ai ボロノイセルRiの面積
AL 縦ストリップ領域
AW 横ストリップ領域
B 角領域
c 矩形平面面積の中心
cs 矩形平面面積の(挿入された)角
d VIGの厚さ
D 矩形平面面積の対角線
k 離隔スペーサの数
L 矩形平面面積の長さ
n ランク
N リストの値の総数
P パーセンタイル
Pi 離隔スペーサi
Rb B領域の半径
Ri スペーサPiに関連したボロノイセル
Sxp 領域x=A、AL、AW、又はBに置かれたセル面積の第pのパーセンタイル
W 矩形平面面積の幅
X1、X2 縦及び横軸
λ、λmax ピッチ、及び大気圧応力σpに対する所与の抵抗のための最大ピッチ
σp、σt 大気圧及び熱応力
Claims (14)
- 平面面積を含む真空絶縁グレージングユニット(VIG)(1)であって、前記真空絶縁グレージングユニットが、
(a)第1のガラス板(1a)及び第2のガラス板(1b)と、
(b)前記平面面積にわたって分布され、前記第1のガラス板と前記第2のガラス板との間に位置付けられ、前記第1のガラス板と前記第2のガラス板との間の距離を維持するk個の離隔スペーサ(Pi)であって、前記離隔スペーサ(Pi)のそれぞれが、セル面積(Ai)を有するセル(Ri)を画定し、前記セル(Ri)が、全ての前記離隔スペーサと関連した前記セルと組み合わされてボロノイ分割を形成し、前記ボロノイ分割がセル面積分布によって特徴づけられ、但しk∈N及びk>8である、k個の離隔スペーサ(Pi)と、
(c)前記第1のガラス板と前記第2のガラス板との間の距離を密封する周囲接着シール(4)であって、前記第1のガラス板と前記第2のガラス板との間に閉囲され、前記平面面積を画定する前記周囲接着シールの内周によって囲まれた内部容積Vを画定する周囲接着シール(4)とを含み、但し前記内周が、縦軸X1に沿った長さLにわたって、及び前記縦軸X1に垂直な横軸X2に沿った幅Wにわたって延在する実質的に矩形の幾何形状を有し、L≧Wであり、前記内部容積が真空下にあり、
前記平面面積が以下のように、すなわち
・4つの角領域(B)であって、それぞれが、半径Rbの円の4分の1の幾何形状を有し、但しRb<W/2であり、それぞれが、前記周囲シールの前記矩形の内周の角に中心を持つ、4つの角領域(B)と、
・前記4つの角領域を除く前記平面面積を覆う補完領域(A)とに分割され、前記補完領域(A)が、それ自体、
・第1の角領域と第2の角領域との間に延在する第1の縦ストリップ領域(AL)、及び第3の角領域と第4の角領域との間に延在する第2の縦ストリップ領域(AL)であって、各縦ストリップ領域が、前記平面面積の縦縁部に隣接する前記縦軸X1に沿って延在し、前記縦縁部から0.1Wに等しい、横軸X2に沿って測定された幅を有する、第1の縦ストリップ領域(AL)及び第2の縦ストリップ領域(AL)と、
・前記第1の角領域と前記第3の角領域との間に延在する第1の横ストリップ領域(AW)、及び前記第2の角領域と前記第4の角領域との間に延在する第2の横ストリップ領域(AW)であって、各横ストリップ領域が、前記平面面積の横縁部に隣接する前記横軸X2に沿って延在し、前記横縁部から0.1Wに等しい、前記縦軸X1に沿って測定された幅を有する、第1の横ストリップ領域(AW)及び第2の横ストリップ領域(AW)と、
・前記第1及び第2の縦ストリップ領域(AL)並びに前記第1及び第2の横ストリップ領域(AW)を切り取った前記補完領域(A)の前記面積を覆う中心領域(AC)とに分割されているものにおいて、
前記4つの角領域(B)のそれぞれに置かれた前記セルの前記セル面積分布の第10のパーセンタイルSB10は、それぞれが前記中心領域(AC)、並びに前記第1及び第2の縦ストリップ領域(AL)のそれぞれ、並びに/又は前記第1及び第2の横ストリップ領域(AW)のそれぞれに置かれた前記セルの前記セル面積分布の第10のパーセンタイルSAC10、及びSAL10及び/又はSAW10より小さく、前記中心領域(AC)に置かれた前記セルの前記セル面積分布の第10のパーセンタイルSAC10は、前記第1及び第2の縦及び横ストリップ領域(AL、AW)の前記第10のパーセンタイルSAL10及びSAW10以上であり、
SB10、SAL10、及びSAW10の前記値は、前記内周に隣接した全ての前記セルの前記セル面積を無視して決定され、セル(Ri)が、領域(AC、AL、AW、B)に閉囲されており、
・前記対応する離隔スペーサ(Pi)が前記領域内に含まれる場合、又は
・前記対応する離隔スペーサが2つの領域(AC、AL、AW、B)に跨がっている場合、前記セル(Ri)は、前記セル面積(Ai)の最大の断片を含む前記領域に閉囲され、
・前記対応する離隔スペーサが2つの領域(AC、AL、AW、B)に跨がっており、前記セル面積が前記2つの領域の間で均等に分布されている場合、前記セル面積は、前記第10のパーセンタイルSB10、SAC10、SAL10、及びSAW10の決定には無視され、
前記中心領域(AC)に置かれた前記セルの前記セル面積分布の第90のパーセンタイルS AC90 は、前記4つの角領域(B)のそれぞれに置かれた前記セルの前記セル面積分布の前記第10のパーセンタイルS B10 のm倍より大きく(S AC90 >mS B10 )、m≧2.0である、真空絶縁グレージングユニット。 - 前記内周に隣接する前記4つの角領域(B)のそれぞれに置かれた全ての前記セルの前記セル面積は、それに直接隣接する全ての前記セルの前記セル面積以下である、請求項1に記載の真空絶縁グレージングユニット。
- Rbは、前記幅Wの20%~40%、典型的には前記幅Wの30%±5%であり、好ましくは前記長さLの15%~35%であり、より好ましくは80~400mm、さらに好ましくは100~300mmである、請求項1又は2に記載の真空絶縁グレージングユニット。
- SB10は、20~5000mm2、好ましくは25~3600mm2、より好ましくは100~2500mm2、最も好ましくは150~900mm2である、請求項1~3のいずれか一項に記載の真空絶縁グレージングユニット。
- S AC10 は、50~9000mm2、好ましくは100~7200mm2、より好ましくは400~5000mm2、最も好ましくは500~1800mm2である、請求項1~4のいずれか一項に記載の真空絶縁グレージングユニット。
- 前記第1及び第2の縦ストリップ領域(AL)のそれぞれ、及び/又は前記第1及び第2の横ストリップ領域(AW)のそれぞれに置かれた前記セルの前記セル面積分布の第90のパーセンタイルSAL90及びSAW90は、それぞれが前記中心領域(AC)に置かれた前記セルの前記セル面積分布の第90のパーセンタイルSAC90より小さい、請求項1~5のいずれか一項に記載の真空絶縁グレージングユニット。
- 縦又は横ストリップ領域(AL、AW)内に含まれるボロノイセルの前記セル面積の前記第10のパーセンタイルSAL10、SAW10は、25~9000mm2、好ましくは36~7200mm2、より好ましくは121~5000mm2である、請求項1~6のいずれか一項に記載の真空絶縁グレージングユニット。
- 前記平面面積の対角線を遮る前記セル面積(Ai)は、前記平面面積の角から前記中心(c)へと単調に増加し、任意選択で前記平面面積の縁部に隣接する前記セルを無視して、一定値の1つ又は複数のプラトーを含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の真空絶縁グレージングユニット。
- 前記第1及び第2のガラス板の少なくとも1つは、ソーダ石灰シリカガラス、アルミノケイ酸ガラス又はホウケイ酸ガラスから作られる、請求項1~8のいずれか一項に記載の真空絶縁グレージングユニット。
- 前記第1及び第2のガラス板はそれぞれ、内部表面及び外部表面を有し、前記内部表面は前記内部容積Vに面し、前記内部表面及び外部表面の少なくとも1つは、少なくとも熱線反射フィルム又は低放射率フィルムを備える、請求項1~9のいずれか一項に記載の真空絶縁グレージングユニット。
- 前記第1のガラス板及び第2のガラス板はそれぞれ、外部表面を有し、前記外部表面は、前記真空絶縁グレージングユニットの外部に面し、前記外部表面の少なくとも1つは、積層アセンブリを形成する少なくとも1つのポリマー中間層によって少なくとも1つのガラスシートに積層される、請求項1~10のいずれか一項に記載の真空絶縁グレージングユニット。
- 前記第1及び第2のガラス板の前記外部表面の少なくとも1つは、周囲スペーサバーを介して前記真空絶縁グレージングユニットの前記周囲に沿って第3のガラス板に結合されて、周囲縁部シールによって密封された絶縁空洞を生成する、請求項1~11のいずれか一項に記載の真空絶縁グレージングユニット。
- 請求項1~12のいずれか一項に記載の真空絶縁ガラスを生産するための方法であって、前記方法は、以下のステップ、すなわち
・公知の機械的及び熱的特性の、並びに所与の厚さdの第1及び第2のガラス板(1a、1b)を準備することと、
・大気圧応力の最大許容量をもたらすための最大ボロノイセル面積Ai_maxを計算することと、
・中心領域(AC)内で前記最大ボロノイセル面積Ai_maxによって特徴づけられる離隔スペーサ分布を画定し、前記中心領域(AC)内で離隔スペーサのこのセル面積分布の第10のパーセンタイルSAC10を決定することと、
・前記中心領域(AC)に置かれた前記離隔スペーサの前記セル面積の前記第10のパーセンタイルSAC10以下である、前記縦及び横ストリップ領域(AL、AW)に置かれた前記離隔スペーサの前記セル面積の前記第10のパーセンタイルSAL10、SAW10によって特徴づけられる、前記第1及び第2の縦ストリップ領域(AL)内並びに前記第1及び第2の横ストリップ領域(AW)内の離隔スペーサ分布を画定することと、
・前記中心領域(AC)並びに前記縦及び横ストリップ領域(AL、AW)に置かれた前記離隔スペーサの前記セル面積の前記第10のパーセンタイルSAC10、SAL10、及びSAW10より低い、各角領域(B)に置かれた前記離隔スペーサの前記セル面積の第10のパーセンタイルSB10によって特徴づけられる、4つの角領域(B)内の離隔スペーサ分布を画定することと、
・前述の離隔スペーサ分布に従って、前記第1のガラス板(1a)の表面にk個の離隔スペーサを位置付け、前記表面に周囲接着シール(4)を付与して矩形平面面積の周囲を画定することと、
・前記第1のガラス板と前記第2のガラス板との間にギャップを残して、前記周囲接着シールによって囲まれた、前記k個の離隔スペーサ及び周囲接着シール(4)の上の前記第2のガラス板(1b)を結合することと、
・圧力を0.1ミリバール未満に低下させるために、前記第1のガラス板と前記第2のガラス板との間の前記ギャップから気体を排出することとを含み、
SB10は、前記矩形平面面積の縁部に隣接するセルを無視して決定され、SAL10及びSAW10は、前記矩形平面面積の縁部に隣接するセルを無視して決定される、方法。 - 以下のステップ、すなわち
・前記中心領域(AC)に置かれた離隔スペーサの前記セル面積の第90のパーセンタイルSAC90を決定することと、
・前記中心領域(AC)に置かれた前記離隔スペーサの前記セル面積の前記第90のパーセンタイルSAC90の1/m倍以下である、各角領域(B)に置かれた前記離隔スペーサの前記セル面積の第10のパーセンタイルSB10によって特徴づけられる、前記4つの角領域(B)内の離隔スペーサ分布を画定することを含み、
m≧1.6、好ましくはm≧1.8、より好ましくはm≧2.0である請求項13に記載の方法。
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