m 糸田 β 通信用無線機の送受信回路及び半導体集積回路装握
[技術分野]
本発明は、 送受信回路及び該送受信回路を有する半導体集積回路装置に関し、 特に 送信用の周波数及び受信用の周波数として同一の周波数を使用する通信用無線機に適 した送受信回路及び半導体集積回路装置に関する。
[背景技術]
近年、 通信用無線機、 例えば、 携帯用電話無線機においては、 小型化、 軽量化及び 低価格化が進み、 その利用者数が急増している。 従来の通信方式は、 送信用の周波数 と受信用の周波数とを分ける方式が採られている。 一方、 さらに多くの利用者に対応 するためにデジタル化が進められており、 従来 1回線当たり 2つの周波数が必要であ つたが、 このデジタル方式の通信用無線機によると、 送信と受信とを時分割すること により、 同一の周波数を用いて送受信を行なうことができる。
しかしながら、 デジタル方式を用いる通信用無線機器に使用されている送信用増幅 器、 受信用低雑音増幅器、 及び送受信を切り替える送受信切替えスィッチ等の無線部 の回路は従来方式の回路が用いられているため、 新しいデジタル方式に適合する小型 の送受信回路、 特にこれらを集積した半導体集積回路の開発が重要な課題となってい る。
また、 デジタル方式の通信用無線機の送受信回路における送信用増幅器、 受信用低 雑音増幅器、 及び送受信切替えスィッチには、 低電圧動作、 高効率、 低雑音特性及び 高分離度特性を持つガリウム砒素電界効果トランジスタ (以下、 G a A s F E Tと略 記する。 ) を有する回路がよく用いられている。
以下、 図面を参照しながら、 従来の送受信回路の一例について説明する。
図 1 1は F E Tを用いた従来のデジタル方式の送受信回路の構成を示している。 図 1 1において、 1 1 0は入力された送信信号を増幅して出力する送信用増幅器、 1 2 0は入力された受信信号を増幅して出力する受信用低雑音増幅器、 1 3 0は送信状態 と受信状態とを時分割に切り替える切替えスィツチ、 1 4 0は入力された受信信号の ィンピーダンスと受信用低雑音増幅器 1 2 0の入カインピ一ダンスとの整合をとる第 1の整合回路、 1 5 0は送信用増幅器 1 1 0の出力インピーダンスを所定のィンピー ダンスに整合する第 2の整合回路、 1 6 0は前段の F Ε Τ 1 1 2の出力インピーダン スと後段の F E Tの入カインピ一ダンスとの整合をとる第 3の整合回路、 1 7 1は送 信用増幅器 1 1 0と第 2の整合回路 1 5 0とを交流的に結合する第 1の結合容量、 1 7 2は切替えスィツチ 1 3 0と第 1の整合回路 1 4 0とを交流的に結合する第 2の結 合容量、 1 7 3は切替えスィツチ 1 3 0と第 2の整合回路 1 5 0とを接続する特性ィ ンピ一ダンスが 5 0 Ωである第 1の配線、 1 7 4は切替えスィツチ 1 3 0と第 1の整 合回路 1 4 0とを接続する特性インピーダンスが 5 0 Ωである第 2の配線、 1 7 5は 切替えスィッチ 1 3 0と送受信兼用のアンテナ 1 8 0とを接続する特性ィンピ一ダン スが 5 0 Ωである第 3の配線である。
図 1 1に示す送信用増幅器 1 1 0において、 1 1 1は送信信号が入力される入力端 子、 1 1 2は入力された送信信号がゲート ¾極に入力され、 ソース接地されている前 段の F Ε Τ、 1 1 3は前段の F Ε Τ 1 1 2のドレイン電極に接続されている第 1の電 源端子、 1 1 4は第 3の整合回路 1 6 0を介して送信信号がゲー卜電極に入力され、 ソース接地されている後段の F Ε Τ、 1 1 5は後段の F Ε Τ 1 1 4のドレイン電極に 接続されている第 2の電源端子、 1 1 6は後段の F Ε Τ 1 1 4のドレイン電極に接続 されている出力端子である。
図 1 1に示す受信用低雑音増幅器 1 2 0において、 1 2 1は第 1の整合回路 1 4 0 を介して受信信号が入力される入力端子、 1 2 2は受信信号がゲ一ト電極に入力され 、 ソース接地されている低雑音 F Ε Τ、 1 2 3は低雑音 F Ε Τ 1 2 2のドレイン電極 に接続されている出力端子である。
図 1 1に示す切替えスィツチ 1 3 0において、 1 3 1は第 2の整合回路 1 5 0に接 続される送信側入力端子、 1 3 2は送信時に送信用増幅器 1 1 0により増幅され第 2 の整合回路 1 5 0を介して入力された送信信号をアンテナ 1 8 0に出力し、 また、 受 信時にアンテナ 1 8 0が受信した受信信号を入力するアンテナ側入出力端子、 1 3 3 はアンテナ側入出力端子 1 3 2から入力された受信信号を出力する受信側出力端子、 1 3 4 Aは第 1のスィツチ用 F E T 1 3 5及び第 3のスィツチ用 F E T 1 3 7を制御 する第 1のスィツチ制御信号入力端子、 1 3 4 Bは第 2のスィッチ用 F E T 1 3 6及 び第 4のスィツチ用 F E T 1 3 8を制御する第 2のスィツチ制御信号入力端子である 図 1 1に示す第 1の整合回路 1 4 0において、 1 4 1は第 2の結合容量 1 7 2を介 して切替えスィツチ 1 3 0の受信側出力端子 1 3 3に接続される入力端子、 1 4 2は 受信用低雑音増幅器 1 2 0の入力端子 1 2 1に接続される出力端子、 1 4 3は一端が 入力端子 1 4 1に接続され、 他端が接地されている第 1の整合回路 1 4 0を構成する 第 1のィンダクタ、 1 4 4は一端が入力端子 1 4 1に接続され、 他端が出力端子 1 4 2に接続されている第 1の整合回路 1 4 0を構成する第 2のインダクタである。 図 1 1に示す第 2の整合回路 1 5 0において、 1 5 1は第 1の結合容量 1 7 1を介 して送信用増幅器の出力端子 1 1 6に接続される入力端子、 1 5 2は切替えスィツチ 1 3 0の送信側入力端子 1 3 1に接続される出力端子、 1 5 3は一端が入力端子 1 5 1に接続され、 他端が接地されている第 2の整合回路 1 5 0を構成する第 1のキャパ シ夕、 1 5 4は一端が入力端子 1 5 1に接続され、 他端が第 2のキャパシ夕 1 5 5に 接続されている第 2の整合回路 1 5 0を構成するィンダク夕、 1 5 5は一端がィンダ クタ 1 5 4に接続され、 他端が出力端子 1 5 2に接続されている第 2の整合回路 1 5 0を構成する第 2のキャパシ夕である。
図 1 1に示す第 3の整合回路 1 6 0において、 1 6 1は一端が送信用増幅器 1 1 0 における前段の F E T 1 1 2のドレイン電極に接続され、 他端がィンダクタ 1 6 2に 接続されている第 3の整合回路 1 6 0を構成する第 1のキャパシタ、 1 6 2は一端が
第 1のキャパシ夕 1 6 1に接続され、 他端が送信用増幅器 1 1 0における後段の F E T 1 1 4のゲート電極に接続されている第 3の整合回路 1 60を構成するィンダクタ 、 1 6 3は一端がィンダクタ 1 6 2及び後段の FET 1 1 4のゲート電極に接続され 、 他端が接地されている第 3の整合回路 1 6 0を構成する第 2のキャパシ夕である。 以下、 前記のように構成された送受信回路の動作を説明する。
まず、 受信時の動作を説明する。
アンテナ 1 80から入力された微弱な受信信号は特性インピーダンス 5 0 Ωの第 3 の配線 1 7 5を通って切替えスィツチ 1 30のアンテナ側入出力端子 1 3 2に入力さ れる。 このとき、 切替えスィッチ 1 30において、 第 1のスィッチ制御信号入力端子 1 34 Aから入力された制御信号によって第 1のスィッチ用 FET 1 3 5及び第 3の スィッチ用 F ET 1 3 7がオンにされており、 第 2のスィツチ制御信号入力端子 1 3 4 Bから入力された制御信号によって第 2のスィツチ用 FET 1 3 6及び第 4のスィ ツチ用 FET 1 38がオフにされているため、 入力された信号はオンにされた第 3の スィツチ用 F ET 1 3 7を通って受信用低雑音増幅器 1 20側に切り替えられる。 ま た、 送信用増幅器 1 1 0側は、 第 2のスィッチ用 F ET 1 36がオフにされているた め、 受信用低雑音増幅器 1 2 0側とは電気的に切り放されると共に、 第 1のスィッチ 用 FET 1 3 5がオンにされているため、 短絡されている。
導通状態の第 3のスィッチ用 F ET 1 3 7を通って切り替えられた信号は、 切替え スィッチ 1 30の受信側出力端子 1 33から特性ィンピ一ダンス 50 Ωの第 2の配線 1 74及び第 2の結合容量 1 7 2を介して第 1の整合回路 140に入力される。 次に 、 第 1の整合回路 1 40の第 1のインダク夕 1 43及び第 2のインダク夕 1 44によ つてィンピーダンス整合を行なって、 受信用低雑音増幅器 1 2 0の入力端子 1 2 1に 入力される。 受信用低雑音増幅器 1 2 0に入力された受信信号は低雑音 F ET 1 2 2 によって増幅され、 出力端子 1 2 3から出力される。
次に、 送信時の動作について説明する。
まず、 変調を受けた送信信号は送信用増幅器 1 1 0の入力端子 1 1 1に入力される 。 前段の F E T 1 1 2によって第 1段階の電力増幅がされ、 第 3の整合回路 1 6 0に よりインピーダンス変換された後、 後段の F E T 1 1 4に入力されて、 この後段の F E T 1 1 4によって所定の電力にまで増幅される。 増幅された送信信号は第 1の結合 容量 1 Ί 1を介して第 2の整合回路 1 5 0に入力されて、 特性ィンピーダンス 5 0 Ω にィンピ一ダンス変換された後、 特性インピーダンス 5 0 Ωの第 1の配線 1 7 3を介 して切替えスィツチ 1 3 0の送信側入力端子 1 3 1に入力される。
このとき、 切替えスィッチ 1 3 0において、 第 2のスィッチ制御信号入力端子 1 3 4 Bから入力された制御信号によって第 2のスィツチ用 F ET 1 3 6及び第 4のスィ ツチ用 F E T 1 3 8がオンにされており、 第 1 のスィツチ制御信号入力端子 1 3 4 A から入力された制御信号によって第 1のスィッチ用 F E T 1 3 5及び第 3のスィッチ 用 F E T 1 3 7がオフにされているため、 入力された送信信号はオンにされた第 2の スィッチ用 F E T 1 3 6を通ってアンテナ 1 8 0側に切り替えられる。 また、 受信用 低雑音増幅器 1 2 0側は、 第 3のスィッチ用 F ET 1 3 7がオフにされているため、 送信用増幅器 1 1 0側とは電気的に切り放されると共に、 第 4のスィッチ用 F E T 1 3 8がオンにされているため、 短絡されている。
増幅された送信信号は、 導通状態の第 2のスィツチ用 F ET 1 3 6及び特性ィンピ 一ダンス 5 0 Ωの第 3の配線 1 7 5を通ってアンテナ 1 8 0に入力され、 該アンテナ 1 8 0から電波として出力される。 しかしながら、 前記従来の送受信回路は、 切替えスィッチ 1 3 0を通過する信号の 損失が大きいという問題があった。 特に、 大電力が必要である送信信号の損失が問題 となるため、 送信側のスルーのスィッチ用 F E Tの性能を向上させる必要があり、 一 般に通過損失を下げるためにはゲート長の大きなスィツチ用 F E Tが必要となる。 ま た、 これらのサイズの大きなスィッチ用 F E Tを集積化すると、 切替えスィッチ 1 3 0が占有する面積が送信用増幅器 1 1 0の面積にほぼ匹敵するほどチップ面積が増加
してしまうため、 小型化及び低価格化が困難であるという問題を有していた。 本発明は、 前記従来の問題を一挙に解決し、 切替えスィッチによる送信信号の通過 損失をなくして消費電力を下げると共に、 送受信回路における切替えスィツチの占有 面積を縮小して通信用無線機の小型化を図ることを目的とする。
[発明の開示】
前記の目的を達成するため、 本発明は、 送信用増幅器のオフ時の出力インピーダン スと受信用増幅器の出力インピーダンスとを併せて受信用増幅器の入力整合を行なう ことにより、 送信用増幅器とアンテナとの間を切替えスィツチを介することなく接続 するものである。
本発明に係る通信用無線機の送受信回路は、 入力された送信信号を増幅して出力す る送信用増幅器と、 入力された受信信号を増幅して出力する受信用増幅器と、 送受信 兼用のアンテナに接続され、 前記送信用増幅器が出力する送信信号を前記アンテナに 出力する送信状態と前記受信用増幅器に入力される受信信号を前記アンテナから入力 する受信状態とを切り替える切替えスィッチとを備え、 前記送信用増幅器は、 ゲート 電極が送信信号の入力端子に接続され、 ドレイン電極が電源端子に接続され、 ソース 電極が接地されている増幅用の F E丁と、 前記 F E Tのドレイン電極と前記アンテナ との間に接続され、 前記!7 E Tの出カインピーダンスと前記アンテナ側のィンビーダ ンスとの整合をとる整合回路と、 前記 F E Tのゲ一ト電極に接続された制御端子と、 前記切替えスィッチを介することなく前記アンテナに接続された出力端子とを有して いる。
前記の通信用無線機の送受信回路によりと、 送信時には、 送信用増幅器の出力端子 が切替えスィツチを介することなくアンテナに接続されているため、 送信信号のスィ ツチによる通過損失がなくなるので、 消費電力を低減することができる。 また、 受信 時には、 送信用増幅器の F E Tのゲ一ト電極に接続される制御端子を有しているため
、 該ゲート電極に所定の電圧を印加し、 ソース接地されている F E Tを抵抗として用 いることにより送信側が短絡されるので、 従来必要であった送信側の切替えスィツチ が不要になる。 これにより、 受信側の切替えスィッチをただ 1つのスィッチ素子で構 成できるようになるため、 切替えスィッチの回路の面積を小さくできるので、 送受信 回路全体を小さくすることができる。 本発明に係る通信用無線機の送受信回路は、 入力された送信信号を増幅して出力す る送信用増幅器と、 入力された受信信号を増幅して出力する受信用増幅器と、 送受信 兼用のアンテナに接続され、 前記送信用増幅器が出力する送信信号を前記アンテナに 出力する送信状態と前記受信用増幅器に入力される受信信号を前記アンテナから入力 する受信状態とを切り替える切替えスィッチとを備え、 前記送信用増幅器は、 ゲート 電極が送信信号の入力端子に接続され、 ドレイン電極が電源端子に接続され、 ソース 電極が接地されている増幅用の F E丁と、 前記 F E Tのドレイン電極と前記アンテナ との問に接続され、 前記 F E Tの出カインピ一ダンスと前記アンテナ側のィンビーダ ンスとの整合をとる整合回路と、 前記 F E Tのゲート電極に接続された制御端子と、 前記切替えスィツチを介することなく前記アンテナに接続された出力端子とを有して おり、 前記切替えスィッチのアンテナ側の入力端子は、 前記整合回路の送信信号の出 力端子とは異なる前記整合回路の他の端子に接続されている。
前記の通信用無線機の送受信回路によると、 送信時には、 送信用増幅器の出力端子 が切替えスィツチを介することなくアンテナに接続されているため、 送信信号のスィ ツチによる通過損失がなくなるので、 消費電力を低減することができる。 また、 受信 時には、 送信用増幅器の F E Tのゲート電極に接続される制御端子を有しているため 、 該ゲート電極に所定の電圧を印加して、 ソース接地されている F E Tを抵抗として 用いることにより送信側が短絡されるので、 従来必要であった送信側の切替えスィッ チが不要となる。 これにより、 受信側の切替えスィッチをただ 1つのスィッチ素子で 構成できるようになるため、 切替えスィッチの回路の面積を小さくできるので、 送受
信回路全体を小さくすることができる。 さらに、 切替えスィッチと受信用増幅器との 間に受信信号と受信用増幅器の入力インピーダンスとの整合をとる受信用整合回路を 設ける場合には、 受信用整合回路の回路定数を最適化できる端子を選択できるため、 受信用整合回路の設計の自由度が増すので、 受信用整合回路を小さくすることができ る。 本発明に係る半導体集積回路装置は、 半導体基板と、 該半導体基板上に形成されて おり、 入力された送信信号を増幅して出力する送信用増幅器と、 前記半導体基板上に 形成されており、 入力された受信信号を増幅して出力する受信用増幅器と、 前記半導 体基板上に形成されており、 送受信兼用のアンテナ側入出力端子に接続され、 前記送 信用增幅器が出力する送信信号を前記アンテナ側入出力端子に出力する送信状態と前 記受信用増幅器に入力される受信信号を前記アンテナ側入出力端子から入力する受信 状態とを切り替える切替えスィッチとを備え、 前記送信用増幅器は、 ゲート電極が送 信信号の入力端子に接続され、 ドレイン電極が電源端子に接続され、 ソース電極が接 地されている増幅用の F E丁と、 前記 F E Tのドレイン電極と前記アンテナ側入出力 端子との問に接続され、 前記 F E Tの出カインピ一ダンスと前記アンテナ側のィンピ 一ダンスとの整合をとる整合回路と、 前記 F E Tのゲ一卜電極に接続された制御端子 と、 前記切替えスィツチを介することなく前記アンテナ側入出力端子に接続された出 力端子とを有している。
前記の半導体集積回路装置によると、 送信時には、 送信用増幅器の出力端子が切替 えスィッチを介することなくアンテナ側入出力端子に接続されているため、 送信信号 のスィッチによる通過損失がなくなるので、 消費電力を低減することができる。 。 ま た、 受信時には、 送信用増幅器の F E Tのゲート電極に接続される制御端子を有して いるため、 該ゲート電極に所定の電圧を印加し、 該 F E Tを抵抗として用いることに より送信側が短絡されるので、 送信側の切替えスィッチが不要になる。 これにより、 受信側の切替えスィツチをただ 1つのスィツチ素子で構成できるようになるため、 切
替えスィッチの回路の面積を小さくできるので、 高集積化に有利となり、 装置を小型 化することができる。 本発明に係る半導体集積回路装置は、 半導体基板と、 該半導体基板上に形成されて おり、 入力された送信信号を増幅して出力する送信用増幅器と、 前記半導体基板上に 形成されており、 入力された受信信号を増幅して出力する受信用増幅器と、 前記半導 体基板上に形成されており、 送受信兼用のアンテナ側入出力端子に接続され、 前記送 信用増幅器が出力する送信信号を前記アンテナ側入出力端子に出力する送信状態と前 記受信用増幅器に入力される受信信号を前記アンテナ側入出力端子から入力する受信 状態とを切り替える切替えスィッチとを備え、 前記送信用増幅器は、 ゲート電極が送 信信号の入力端子に接続され、 ドレイン電極が電源端子に接続され、 ソース電極が接 地されている増幅用の F E Tと、 前記 F E Tのドレイン電極と前記アンテナ側入出力 端子との間に接続され、 前記 F E Tの出力インピーダンスと前記アンテナ側のィンピ —ダンスとの整合をとる整合回路と、 前記 F E Tのゲ一ト電極に接続された制御端子 と、 前記切替えスィツチを介することなく前記アンテナ側入出力端子に接続された出 力端子とを有しており、 前記切替えスィッチのアンテナ側の入力端子は、 前記整合回 路の送信信号の出力端子とは異なる前記整合回路の他の端子に接続されている。 前記の半導体集積回路装置によると、 送信時には、 送信用増幅器の出力端子が切替 ぇスィツチを介することなくアンテナ側入出力端子に接続されているため、 送信信号 のスィッチによる通過損失がなくなるので、 消費電力を低減することができる。 また 、 受信時には、 送信用増幅器の F E Tのゲート電極に接続される制御端子を有してい るため、 該ゲート電極に所定の電圧を印加し、 該 F E Tを抵抗として用いることによ り送信側が短絡されるので、 送信側の切替えスィッチが不要になる。 これにより、 受 信側の切替えスィツチをただ 1つのスィツチ素子で構成できるようになるため、 切替 えスィッチの回路の面積を小さくすることができる。 さらに、 切替えスィッチと受信 用増幅器との間に受信信号と受信用増幅器の入力インピーダンスとの整合をとる受信
用整合回路を設ける場合には、 受信用整合回路の回路定数を最適化できる端子を選択 できるため、 受信用整合回路の設計の自由度が増すので、 受信用整合回路を小さくす ることができる。 その結果、 装置をさらに小型化することができる。
[図面の簡単な説明]
図 1は本発明の第 1の実施形態に係る通信用無線機の送受信回路の回路図である。 図 2は本発明の第 1の実施形態に係る通信用無線機の送受信回路における受信時の 等価回路図である。
図 3は本発明の第 2の実施形態に係る通信用無線機の送受信回路の回路図である。 図 4は本発明の第 2の実施形態に係る通信用無線機の送受信回路における受信時の 等価回路図である。
図 5 ( a ) 〜 (d ) は本発明の第 2の実施形態に係る通信用無線機の送受信回路に おける第 2の整合回路及び受信信号出力端子の変形例を示す回路図である。
図 6 ( a ) 〜 (d ) は本発明の第 2の実施形態に係る通信用無線機の送受信回路に おける第 2の整合回路及び受信信号出力端子の変形例を示す回路図である。
図 7は本発明の第 3の実施形態に係る半導体集積回路装置に G a A s F E Tを用い た送受信回路の回路図である。
図 8は本発明の第 4の実施形態に係る半導体集積回路装置に G a A s F E Tを用い た送受信回路の回路図である。
図 9は本発明の第 5の実施形態に係る通信用無線機の送受信回路の回路図である。 図 1 0は本発明の第 5の実施形態に係る通信用無線機の送受信回路の送信時におけ る等価回路図である。
図 1 1は F E Tを用いた従来のデジタル方式の送受信回路の回路図である。
[発明を実施するための最良の形態]
(第 1の実施形態)
本発明の第 1の実施形態を図面を参照しながら説明する。
図 1は本発明の第 1の実施形態に係る通信用無線機の送受信回路の回路図である。 図 1において、 1 0は入力された送信信号を増幅して出力する送信用増幅器、 2 0は 入力された受信信号を増幅して出力する受信用低雑音増幅器、 3 0は送信状態と受信 状態とを時分割に切り替える切替えスィツチ、 4 0は入力された受信信号のィンピー ダンスと受信用低雑音増幅器 2 0の入力インピーダンスとの整合をとる第 1の整合回 路、 5 0は送信用増幅器 1 0の出力インピーダンスを所定のィンピーダンスに整合す る第 2の整合回路、 6 0は入力された送信信号のィンピーダンスと送信用増幅器 1 0 のハイパワー F E T 1 2の入カインピ一ダンスとの整合をとる第 3の整合回路、 7 0 は切替えスィツチ 3 0及び送信用増幅器 1 0と送受信兼用のアンテナ 8 0とを接続す る特性ィンピーダンス 5 0 Ωの配線、 7 1は切替えスィツチ 3 0と第 1の整合回路 4 0とを交流的に結合する結合容量である。
図 1に示す送信用増幅器 1 0において、 1 1は送信信号が入力される入力端子、 1 2は入力された送信信号が第 3の整合回路 6 0を介してゲ一ト電極に入力され、 ソ一 ス接地されているハイパワー F E T、 1 3はハイパワー F E T 1 2のドレイン電極に 接続されている電源端子、 1 4はハイパワー F E T 1 2のゲート電極に抵抗を介して 接続されている制御端子、 1 5 Aは特性ィンピ一ダンス 5 0 Ωの配線 7 0を介してァ ンテナ 8 0に接続されると共に切替えスィツチ 3 0の入力端子 3 1に接続されている 出力端子である。
図 1に示す受信用低雑音増幅器 2 0において、 2 1は第 1の整合回路 4 0を介して 受信信号が入力される入力端子、 2 2は受信信号がゲ一卜電極に入力され、 ソース接 地されている低雑音 F E T、 2 3は低雑音 F E T 2 2のドレイン電極に接続されてい る出力端子である。
図 1に示す切替えスィツチ 3 0において、 3 1は特性インピーダンス 5 0 Ωの配線 7 0を介してアンテナ 8 0に接続されると共に送信用増幅器 1 0の出力端子 1 5 Aに 接続されている入力端子、 3 2はスィツチ用 F E T 3 4を制御するスィツチ制御信号
入力端子、 3 3はアンテナ 8 0から入力された受信信号を出力する出力端子である。 図 1に示す第 1の整合回路 4 0において、 4 1は結合容量 7 1を介して切替えスィ ツチ 3 0の出力端子 3 3に接続される入力端子、 4 2は受信用低雑音増幅器 2 0の入 力端子 2 1に接続される出力端子、 4 3は一端が入力端子 4 1に接続され、 他端が接 地されている第 1の整合回路 4 0を構成する第 1のインダクタ、 4 4は一端が入力端 子 4 1に接続され、 他端が出力端子 4 2に接続されている第 1の整合回路 4 0を構成 する第 2のィンダク夕である。
図 1に示す第 2の整合回路 5 0において、 5 1は一端がハイパワー F E T 1 2のド レイン電極に接続され、 他端が接地されている第 2の整合回路 5 0を構成する第 1の キャパシタ、 5 2は一端がハイパワー F E T 1 2のドレイン電極に接続され、 他端が 第 2のキャパシ夕 5 3に接続されている第 2の整合回路 5 0を構成するィンダク夕、 5 3は一端がィンダクタ 5 2に接続され、 他端が出力端子 1 5 Aに接続されている第 2の整合回路 5 0を構成する第 2のキャパシ夕である。
図 1に示す第 3の整合回路 6 0において、 6 1は一端が送信用増幅器 1 0の入力端 子 1 1に接続され、 他端がィンダクタ 6 2に接続されている第 3の整合回路を構成す る第 1のキャパシタ、 6 2は一端が第 1のキャパシタ 6 1に接続され、 他端が送信用 増幅器 1 0のハイパワー F E T 1 2のゲー卜電極に接続されている第 3の整合回路 6 0を構成するィンダク夕、 6 3は一端がィンダクタ 6 2及びハイパワー F E T 1 2の ゲ一ト電極に接続され、 他端が接地されている第 3の整合回路を構成する第 2のキヤ パシ夕である。
なお、 本実施形態においては、 送信用増幅器 1 0、 受信用低雑音増幅器 2 0及び切 替えスィッチ 3 0を構成している F E Tは、 G a A s F E T又はシリコン M O S F E Tを想定している。 以下、 前記のように構成された送受信回路の動作を図 1及び図 2を用いて説明する
図 2は本発明の第 1の実施形態に係る通信用無線機の送受信回路の受信時における 等価回路図である。 図 2において、 図 1に示した送受信回路と同一の構成要素には同 一の符号を付すことにより説明を省略する。
まず、 受信時の動作を説明する。
図 1に示すように、 アンテナ 8 0から入力された微弱な受信信号は特性インピーダ ンス 5 0 Ωの配線 7 0を通って切替えスィツチ 3 0に入力される。
次に、 切替えスィッチ 3 0において、 スィッチ制御信号入力端子 3 2から入力され た制御信号によってスィツチ用 F E T 3 4がオンにされているため、 入力された受信 信号はスィッチ用 F E T 3 4を通って切替えスィッチ 3 0の出力端子 3 3から結合容 量 7 1を介して第 1の整合回路 4 0に入力される。
次に、 入力された受信信号は、 受信信号のインピーダンスと受信用低雑音増幅器 2 0の入カインピ一ダンスとの整合がとられ、 受信用低雑音増幅器 2 0の入力端子 2 1 に入力される。 このとき、 送信用増幅器 1 0においてハイパワー F E T 1 2の制御端 子 1 4に制御電圧を印加してハイパワー F E T 1 2をオン状態にすることにより、 図 2に示すようにハイパワー F E T 1 2を純抵抗 1 2 Aと等価にすることができるため 、 受信時には送信側の回路を短絡させることができる。 従って、 第 1の整合回路 4 0 を構成している第 1のインダク夕 4 3及び第 2のインダク夕 4 4並びに第 2の整合回 路 5 0を構成しているィンダク夕 5 2によって受信用低雑音増幅器 2 0の入力インピ —ダンスの整合をとることができる。
次に、 受信用低雑音増幅器 2 0に入力された受信信号は低雑音 F E T 2 2により增 幅され、 受信用低雑音増幅器 2 0の出力端子 2 3から出力される。
なお、 送信用増幅器 1 0が複数の F E Tによる多段増幅の場合は、 最終堦幅段の F E Tに制御端子 1 4を設ければよい。
次に、 図 1を参照しながら送信時の動作について説明する。
まず、 変調を受けて、 所定の信号レベルまで増幅された送信信号は送信用増幅器 1 0の入力端子 1 1に入力される。
次に、 入力された送信信号のィンピーダンスとハイパワー F E T 1 2の入力インピ 一ダンスとを第 3の整合回路 6 0によって整合をとつた後、 入力された送信信号をハ ィパワー F E T 1 2により所望の電力にまで増幅する。
次に、 増幅された送信信号は第 2の整合回路 5 0によりインピーダンス変換された 後、 特性インピーダンス 5 0 Ωの配線 7 0を通ってアンテナ 8 0に入力され、 該アン テナ 8 0から電波として出力される。 切替えスィッチ 3 0はスィッチ用 F E T 3 4が オフにされているため、 受信側はアンテナ 8 0及び送信用増幅器 1 0から切り放され た状態にある。 本実施形態の特徴として、 送信用増幅器 1 0のオフ時の出力インピーダンスと受信 用低雑音増幅器 2 0の第 1の整合回路 4 0の出カインピーダンスとを併せて受信用低 雑音増幅器 2 0の入力整合を行なうことにより、 送信用増幅器 1 0とアンテナ 8 0と をスィッチを介することなく接続することができる。 従って、 送信用のスィッチを用 いなくても済むため、 送信用増幅器 1 0の出力信号のスィッチ素子による通過損失を なくすることができるので、 送信時の低消費電力化が可能となる。
また、 スィッチ用 F E Tがー個で足りるため、 切替えスィッチの小面積化及び高集 積化が容易となる。
なお、 送信オフ時において、 ハイパワー F E T 1 2の制御端子 1 4に電圧を印加し てオン状態として使用する際の抵抗値は、 一般的な F E Tのオン抵抗である 1オーム 以下であるため、 受信用低雑音増幅器 2 0の入力整合に及ぼす影響は無視できる。
(第 2の実施形態)
以下、 本発明の第 2の実施形態を図面を参照しながら説明する。
図 3は本発明の第 2の実施形態に係る通信用無線機の送受信回路の回路図である。 図 3において、 1 0は入力された送信信号を増幅して出力する送信用増幅器、 2 0は 入力された受信信号を増幅して出力する受信用低雑音増幅器、 3 0は送信状態と受信
状態を時分割に切り替える切替えスィツチ、 4 0は入力された受信信号のィンピ一ダ ンスと受信用低雑音増幅器 2 0の入カインピーダンスとの整合をとる第 1の整合回路 、 5 0は送信用増幅器 1 0の出カインピ一ダンスを所定のインピーダンスに整合する 第 2の整合回路、 6 0は入力された送信信号のィンピーダンスと送信用増幅器 1 0の ハイパワー F E T 1 2の入カインピ一ダンスとの整合をとる第 3の整合回路、 7 0は 送信用増幅器 1 0の送信用出力端子兼受信用入力端子 1 5 Bと送受信兼用のアンテナ 8 0とを接続する特性インピーダンス 5 0 Ωの配線、 7 1は切替えスィツチ 3 0と第 1の整合回路 4 0とを交流的に結合する結合容量である。 なお、 図 3において、 図 1 に示す各回路の構成要素と同一の構成要素には同一の符号を付すことにより説明を省 略する。
第 1の実施形態と異なる点は、 切替えスィッチ 3 0の入力端子 3 1が、 送信用増幅 器 1 0の送信用出力端子兼受信用入力端子 1 5 Bに接続される代わりに、 第 2の整合 回路 5 0におけるハイパワー F E T 1 2のドレイン電極及び第 1のキャパシ夕 5 1の 反接地端子の共通端子となる受信信号出力端子 1 6に接続されていることである。 以下、 前記のように構成された送受信回路の動作を図 3及び図 4を用いて説明する 送信時の動作は第 1の実施形態において説明した送受信回路と同様であるので、 説 明を省略して、 受信時の動作のみ説明する。
図 4は第 2の実施形態に係る通信用無線機の送受信回路の受信時における等価回路 図である。
まず、 図 3に示すように、 アンテナ 8 0から入力された微弱な受信信号は特性イン ピーダンス 5 0 Ωの配線 7 0を通って送信用増幅器 1 0の送信用出力端子兼受信用入 力端子 1 5 Bから第 2の整合回路 5 0を経て、 切替えスィツチ 3 0に入力される。 次に、 切替えスィッチ 3 0において、 スィッチ制御信号入力端子 3 2から入力され た制御信号によってスィツチ用 F E T 3 4がオンにされているため、 入力された受信
信号はスィッチ用 F E T 3 4を通って切替えスィッチ 3 0の出力端子 3 3から結合容 量 7 1を介して第 1の整合回路 4 0に入力される。
次に、 入力された受信信号は、 第 1の整合回路 4 0により受信信号のインピ一ダン スと受信用低雑音増幅器 2 0の入カインピ一ダンスとの整合がとられ、 受信用低雑音 増幅器 2 0の入力端子 2 1に入力される。 このとき、 送信用増幅器 1 0においてハイ パワー F E T 1 2の制御端子 1 4に制御電圧を印加してハイパワー F E T 1 2をオン 状態にすることにより、 図 4に示すようにハイパワー F E T 1 2を純抵钪 1 2 Aと等 価にすることができるため、 受信時には送信側の回路を短絡させることができる。 従 つて、 第 1の整合回路 4 0を構成している第 1のインダク夕 4 3及び第 2のインダク 夕 4 4並びに第 2の整合回路 5 0を構成しているィンダク夕 5 2によって受信用低雑 音増幅器 2 0の入力インピーダンスの整合をとることができる。
次に、 受信用低雑音増幅器 2 0に入力された受信信号は低雑音 F E T 2 2により増 幅され、 受信用低雑音増幅器 2 0の出力端子 2 3から出力される。
なお、 送信用増幅器 1 0が複数の F E Tによる多段増幅の場合は、 最終増幅段の F E Tに制御端子 1 4を設ければよい。 このように、 第 2の実施形態によると、 受信時において、 例えば、 図 4に示すよう に第 1の整合回路 4 0に必要なィンダクタ 4 3を第 2の整合回路 5 0内のィンダク夕 5 2と兼用することにより、 結果的に素子数が減らせるので、 第 1の整合回路 4 0を 小さくすることができる。
すなわち受信時には、 第 1の整合回路 4 0及び第 2の整合回路の素子により、 アン テナ 8 0と受信用低雑音増幅器 2 0とのインピーダンス整合がとれておればよく、 第 1の実施形態の場合に比べて、 第 1の整合回路 4 0の設計の自由度が大きくなる。 例えば、 いったん、 第 1の整合回路 4 0を固定してしまうと、 第 1の整合回路 4 0 自体の変更はできないが、 この場合でも、 第 2の整合回路 5 0において、 受信用低雑 音増幅器 2 0とのィンピーダンス整合が最適化される位置に受信信号出力端子 1 6を
設けることにより、 受信信号出力端子 1 6に接続することもできるため、 素子数の低 減も同時に図ることができる。
ここで、 図 5及び図 6に第 2の整合回路 5 0の各変形例と、 各変形例における、 受 信用低雑音増幅器 2 0とのインピーダンス整合が最適化される位置の受信信号出力端 子 1 6の変形例とを示す。 図 5 ( a ) に示す第 2の整合回路 5 0において、 受信信号 出力端子 1 6 Aはィンダク夕 5 2と第 2のキャパシタ 5 3との接点に接続されている 。 図 5 ( b ) に示す第 2の整合回路 5 0 Aは、 インダク夕が 5 2 Aと 5 2 Bとに分割 されており、 受信信号出力端子 1 6 Bは図示しないハイパワー F E T 1 2のドレイン 電極及び第 1のキャパシ夕 5 1の反接地端子である共通端子に接続されている。 図 5
( c ) に示す第 2の整合回路 5 0 Aにおいて、 受信信号出力端子 1 6 Cはインダク夕 5 2 A , 5 2 Bの共通端子に接続されている。 図 5 ( d ) に示す第 2の整合回路 5 0 Bは、 ィンダク夕 5 2の一端が接地され、 他端がハイパワー F E T 1 2のドレイン電 極及び第 1のキャパシ夕 5 1の反接地端子の共通端子に接続されており、 受信信号出 力端子 1 6 Dは該共通端子に接続されている。 図 6 ( a ) に示す第 2の整合回路 5 0 Cは、 第 2の整合回路 5 0に対して第 2のインダク夕 5 4が新たに追加され、 第 2の ィンダクタ 5 4の一端が接地され、 他端がハイパワー F E T 1 2のドレイン電極及び 第 1のキャパシタ 5 1の反接地端子である共通端子に接続されており、 受信信号出力 端子 1 6 Eは該共通端子に接続されている。 図 6 ( b ) に示す第 2の整合回路 5 0 C おいて、 受信信号出力端子 1 6 Fはィンダク夕 5 2と第 2のキャパシ夕 5 3との接点 に接続されている。 図 6 ( c ) に示す第 2の整合回路 5 0 Dは、 第 2の整合回路 5 0 Cに対して第 3のキャパシ夕 5 5が新たに追加され、 第 3のキャパシ夕 5 5の一端が 接地され、 他端がィンダクタ 5 2と第 2のキャパシタ 5 3との接点に接続されており 、 受信信号出力端子 1 6 Gは図示しないハイパワー F E T 1 2のドレイン電極及び第
1のキャパシタ 5 1の反接地端子である共通端子に接続されている。 図 6 ( d ) に示 す第 2の整合回路 5 0 Dおいて、 受信信号出力端子 1 6 Hはインダク夕 5 2、 第 2の キャパシタ 5 3及び第 3のキャパシ夕 5 5との共通接点に接続されている。
(第 3の実施形態)
以下、 本発明の第 3の実施形態を図面を参照しながら説明する。
図 7は本発明の第 3の実施形態に係る半導体集積回路装置に G a A s F E Tを用い た送受信回路の回路図であって、 第 1の実施形態として説明した通信用無線機の送受 信回路を半導体基板上に集積化した装置の回路図である。
図 7において、 1 0は入力された送信信号を増幅して出力する送信用増幅器、 2 0 は入力された受信信号を増幅して出力する受信用低雑音増幅器、 3 0は送信状態と受 信状態を時分割に切り替える切替えスィツチ、 4 0は入力された受信信号のインピー ダンスと受信用低雑音増幅器 2 0の入力インピーダンスとの整合をとる第 1の整合回 路、 5 0は送信用増幅器 1 0の出カインピ一ダンスを所定のインピーダンスに整合す る第 2の整合回路、 6 0は入力された送信信号のインピーダンスと送信用増幅器 1 0 のハイパワー F E T 1 2の入力インピーダンスとの整合をとる第 3の整合回路、 7 0 はアンテナ側入出力端子 7 2と送受信兼用のアンテナ 8 0とを接続する特性ィンピー ダンス 5 0 Ωの配線、 7 1は切替えスィツチ 3 0と第 1の整合回路 4 0とを交流的に 結合する結合容量である。
以上説明した、 第 2の整合回路 5 0及び第 3の整合回路 6 0を含む送信用増幅器 1 0、 受信用低雑音増幅器 2 0、 切替えスィッチ 3 0及び第 1の整合回路 4 0の各回路 が半導体基板 1の上に形成されている。
図 7に示す送信用増幅器 1 0において、 1 1は送信信号が入力される入力端子、 1 2は入力された送信信号が第 3の整合回路 6 0を介してゲート電極に入力され、 ソー ス接地されているハイパワー F E T、 1 3はハイパワー F E T 1 2のドレイン電極に 接続されている電源端子、 1 4はハイパワー F E T 1 2のゲ一ト電極に接続されてい る制御端子、 1 5 Aはアンテナ側入出力端子 7 2と切替えスィツチ 3 0の入力端子 3 1とに接続されている送信側出力端子兼受信側入力端子である。
図 7に示す受信用低雑音増幅器 2 0において、 2 1は第 1の整合回路 4 0を介して
受信信号が入力される受信用低雑音増幅器 2 0の入力端子、 2 2は受信信号がゲート 電極に入力され、 ソース接地されている低雑音 F E T、 2 3は低雑音 F E T 2 2のド レイン電極に接続されている受信用低雑音増幅器 2 0の出力端子である。
図 7に示す切替えスィツチ 3 0において、 3 1は特性ィンピ一ダンス 5 0 Ωの配線 7 0を介してアンテナ 8 0に接続されると共に送信用増幅器 1 0の出力端子 1 5に接 続されている入力端子、 3 2はスィツチ用 F E Tを制御するスィッチ制御信号入力端 子、 3 3はアンテナ 8 0から入力された受信信号を出力する出力端子、 3 4は切替え スィッチ 3 0を構成するスィッチ用 F E Tである。 なお、 図 7において、 図 1に示す 各整合回路の構成要素と同一の構成要素には同一の符号を付すことにより説明を省略 する。
本実施形態による半導体集積回路装置の動作は第 1の実施形態と同様であるため、 説明を省略する。 本実施形態によると、 送信用増幅器 1 0のオフ時の出力インピーダンスと受信用低 雑音増幅器 2 0の第 1の整合回路 4 0の出カインピーダンスとを併せて受信用低雑音 増幅器 2 0の入力整合を行なうことにより、 送信用増幅器 1 0とアンテナ 8 0とをス イッチを介することなく接続することができる。 従って、 送信用のスィッチを用いな くても済むため、 送信用増幅器 1 0の出力信号のスィツチ素子による通過損失をなく することができるので、 送信時の低消費電力化が可能となる。
また、 スィッチ用 F E Tが 1つで足りるため、 切替えスィッチの送受信回路の占有 面積を縮小できるので、 高集積化が容易となり、 ひいては本実施形態に係る半導体集 積回路装置を搭載した通信用無線機の小型化及び低コスト化に寄与することができる なお、 本実施形態において、 送信用増幅器 1 0、 受信用低雑音増幅器 2 0及び切替 えスィッチ 3 0を構成している F E Tには G a A s F E Tを用いているが、 シリコン M O S F E Tとしてもよい。
また、 送信オフ時において、 ハイパワー F E T 1 2の制御端子 1 4に電圧を印加し てオン状態として使用する際の抵抗値は、 一般的な F E Tのオン抵抗である 1オーム 以下であるため、 受信用低雑音増幅器 2 0の入力整合に及ぼす影響は無視できる。
(第 4の実施形態)
以下、 本発明の第 4の実施形態について図面を参照しながら説明する。
図 8は本発明の第 4の実施形態に係る半導体集積回路装置に G a A s F E Tを用い た送受信回路の回路図であって、 第 2の実施形態として説明した通信用無線機の送受 信回路を半導体基板上に集積化した装置の回路図である。
図 8において、 1 0は入力された送信信号を増幅して出力する送信用増幅器、 2 0 は入力された受信信号を増幅して出力する受信用低雑音増幅器、 3 0は送信状態と受 信状態を時分割に切り替える切替えスィツチ、 4 0は入力された受信信号のィンピー ダンスと受信用低雑音増幅器 2 0の入力インピーダンスとの整合をとる第 1の整合回 路、 5 ◦は送信用増幅器 1 0の出力インピーダンスを所定のィンピ一ダンスに整合す る第 2の整合回路、 6 0は入力された送信信号のインピーダンスと送信用増幅器 1 0 のハイパワー F E T 1 2の入カインピ一ダンスとの整合をとる第 3の整合回路、 7 0 はアンテナ側入出力端子 7 2と送受信兼用のアンテナ 8 0とを接続する特性ィンピ一 ダンス 5 0 Ωの配線、 7 1は切替えスィツチ 3 0と第 1の整合回路 4 0とを交流的に 結合する結合容量である。 なお、 図 3に示す各回路の構成要素と同一の構成要素には 同一の符号を付すことにより説明を省略する。
以上説明した、 第 2の整合回路 5 0及び第 3の整合回路 6 0を含む送信用増幅器 1 0、 受信用低雑音増幅器 2 0、 切替えスィッチ 3 0及び第 1の整合回路 4 0の各回路 が半導体基板 1の上に形成されている。
第 4の実施形態の特徴は、 切替えスィッチ 3 0の入力端子 3 1が、 送信用増幅器 1 0の送信用出力端子兼受信用入力端子 1 5 Βに接続される代わりに、 第 2の整合回路 5 0内の受信信号出力端子 1 6に接続されていることである。
受信時及び送信時の動作は第 2の実施形態において説明した送受信回路と同様であ るので、 説明を省略する。 第 4の実施形態によると、 受信時において、 図 8に示す送信用増幅器 1 0はハイパ ヮー F E T 1 2の制御端子 1 4に制御電圧を印加することによりハイパワー F E T 1 2をオン状態にして、 ハイパワー F E T 1 2を純抵抗 1 2 Aとして用いることにより 、 送信側を短絡させて切り離すことができる。
従って、 図 8に示すように第 1の整合回路 4 0に必要なインダク夕を第 2の整合回 路 5 0内のインダクタ 5 2と兼用することにより、 結果的に素子数が減らせるため、 第 1の整合回路 4 0を小さくすることができる。
すなわち、 受信時には、 第 1の整合回路 4 0及び第 2の整合回路の素子により、 7 ンテナ 8 0と受信用低雑音増幅器 2 0とのィンピ一ダンス整合がとれておればよく、 第 3の実施形態に比べて、 第 1の整合回路 4 0の設計の自由度が大きくなる。 例えば 、 第 2の整合回路 5 0において、 受信用低雑音増幅器 2 0とのインピーダンス整合が 最適化される位置に受信信号出力端子 1 6を設けることにより、 該受信信号出力端子 1 6に切替えスィッチ 3 0の入力端子 3 1を接続することができるため、 素子数の低 減も同時に図ることができる。 ここでも、 図 5及び図 6に示した第 2の整合回路 5 0 の各変形例 5 0 A〜 5 0 D及び該変形例における受信信号出力端子 1 6 A〜 1 6 Hの 変形例をそれぞれ適用できることはいうまでもない。
また、 スィッチ用 F E Tも 1つで済むため、 切替えスィッチ 3 0と第 1の整合回路 4 0との送受信回路におけるそれぞれの占有面積を縮小できるので、 高集積化がさら に容易となり、 ひいては本実施形態に係る半導体集積回路装置を搭載した通信用無線 機の小型化及び低コスト化に一層寄与することができる。
(第 5の実施形態)
以下、 本発明の第 5の実施形態を図面を参照しながら説明する。
図 9は本発明の第 5の実施形態に係る通信用無線機の送受信回路の回路図である。 第 5の実施形態の特徴として、 送受信の切替えスィツチをこれまで説明した実施形 態のようにアンテナと受信用低雑音増幅器との問に接続するのではなくて、 アンテナ と送信用増幅器との間に接続する構成とする。 図 9において、 1 0は入力された送信 信号を増幅して出力する送信用増幅器、 2 0は入力された受信信号を増幅して出力す る受信用低雑音増幅器、 3 0は送信状態と受信状態とを時分割に切り替える切替えス ィツチ、 4 0は入力された受信信号のインピーダンスと受信用低雑音増幅器 2 0の入 カインピ一ダンスとの整合をとる第 1の整合回路、 5 0は送信用増幅器 1 0の出カイ ンピーダンスを所定のインピーダンスに整合する第 2の整合回路、 6 0は入力された 送信信号のィンピーダンスと送信用増幅器 1 0のハイパワー F E T 1 2の入力インピ —ダンスとの整合をとる第 3の整合回路、 7 0は切替えスィツチ 3 0と第 1の整合回 路 4 0と送受信兼用のアンテナ 8 0とを接続する特性ィンピ一ダンス 5 0 Ωの配線、 7 1は切替えスィツチ 3 0と第 1の整合回路 4 0とを交流的に結合する結合容量であ る。
図 9に示す送信用増幅器 1 0において、 1 1は送信信号が入力される入力端子、 1 2は入力された送信信号が第 3の整合回路 6 0を介してゲート電極に入力され、 ソー ス接地されているハイパワー F E丁、 1 3はハイパワー F E T 1 2のドレイン電極に 接続されている電源端子、 1 5 Aは切替えスィツチ 3 0の入力端子 3 1に接続されて いる出力端子である。
図 9に示す受信用低雑音増幅器 2 0において、 2 1は結合容量 1 1及び第 1の整合 回路 4 0を介して受信信号が入力される入力端子、 2 2は受信信号がゲート電極に入 力され、 ソース接地されている低雑音 F E T、 2 3は低雑音 F Ε Τ 2 2のドレイン電 極に接続されている出力端子、 2 4は低雑音 F Ε Τ 2 2のゲート電極に接続されてい る制御端子ある。
図 9に示す切替えスィツチ 3 0において、 3 1は送信用増幅器 1 0の出力端子 1 5 に接続されている入力端子、 3 2はスィツチ用 F E Tを制御するスィツチ制御信号入
力端子、 3 3は増幅された送信信号をアンテナ 8 0に出力する出力端子、 3 4は切替 えスィッチ 3 0を構成するスィツチ用 F E Tである。
図 9に示す第 1の整合回路 4 0において、 4 1は結合容量 7 1及び特性ィンビーダ ンス 5 0 Ωの配線を介してアンテナ 8 0に接続されると共に切替えスィツチ 3 0の出 力端子 3 3に接続されている入力端子、 4 2は受信用低雑音増幅器 2 0の入力端子 2 1に接続されている出力端子, 4 3は一端が第 1の整合回路 4 0の入力端子 4 1に接 続され、 他端が接地されている第 1の整合回路 4 0を構成する第 1のインダク夕、 4 4は一端が第 1の整合回路 4 0の入力端子 4 1に接続され、 他端が出力端子 4 2に接 続されている第 1の整合回路 4 0を構成する第 2のインダクタである。
図 1に示す第 2の整合回路 5 0において、 5 1は一端がハイパワー F E Tのドレイ ン電極に接続され、 他端が接地されている第 2の整合回路 5 0を構成する第 1のキヤ パシ夕、 5 2は一端がハイパワー F E Tのドレイン電極に接続され、 他端が第 2のキ ャパシ夕 5 3に接続されている第 2の整合回路 5 0を構成するィンダクタ、 5 3は一 端がィンダクタ 5 2に接続され、 他端が送信用増幅器 1 0の出力端子 1 5 Aに接続さ れている第 2の整合回路 5 0を構成する第 2のキャパシ夕である。
なお、 本送受信回路の送信用増幅器 1 0、 受信用低雑音増幅器 2 0及び切替えスィ ツチ 3 0を構成している F E Tは、 すべて G a A s F E Tを想定している。 以下、 前記のように構成された送受信回路の動作を図 9及び図 1 0を用いて説明す る。
図 1 0は本発明の第 5の実施形態に係る通信用無線機の送受信回路の送信時におけ る等価回路図である。 図 1 0において、 図 9に示した送受信回路と同一の構成要素に は同一の符号を付すことにより説明を省略する。
まず、 受信時の動作を説明する。
アンテナ 8 0から入力された微弱な受信信号は特性インピーダンス 5 0 Ωの配線 7 0 を通り、 結合容量 7 1を介して図 9に示す第 1の整合回路 4 0に入力される。
次に、 入力された受信信号は、 第 1の整合回路 4 0により受信用低雑音増幅器 2 0 の入カインピーダンスとの整合がとられ、 受信用低雑音増幅器 2 0の入力端子 2 1に 入力される。 入力された受信信号は低雑音 F E T 2 2により増幅された後、 受信用低 雑音増幅器 2 0の出力端子 2 3から出力される。 切替えスィッチ 3 0はスィッチ用 F E T 3 4がオフにされているため、 送信側はアンテナ 8 0及び受信用低雑音増幅器 2 0から切り離された状態にある。
次に、 送信時の動作について説明する。
まず、 変調を受けて、 所定の信号レベルまで増幅された送信信号は送信用増幅器 1 0の入力端子 1 1に入力される。
次に、 第 3の整合回路 6 0によって、 入力された送信信号のインピーダンスとハイ パワー F E T 1 2の入力インピーダンスとの整合がとられ、 入力された送信信号はハ ィパワー F E T 1 2により所望の電力にまで増幅される。
このとき、 図 9に示す受信用低雑音増幅器 2 0において低雑音 F E T 2 2の制御端 子 2 4にショットキ一電圧以上の正の電圧を印加して低雑音 F E T 2 2をオン状態に することにより、 図 1 0に示すように低雑音 F E T 2 2を純抵抗 2 2 Aと等価にする ことができるため、 送信時には受信側の回路を短絡させることができる。 従って、 第 1の整合回路 4 0を構成している第 1のインダク夕 4 3及び第 2のインダク夕 4 4並 びに第 2の整合回路 5 0を構成しているインダク夕 5 2によって送信用増幅器 1 0の 出力インピーダンスと所定のィンピーダンスとの整合をとることができる。
次に、 インピーダンスの整合がとられた送信信号は、 特性インピ一ダンス 5 0 Ωの 配線 7 0を通ってアンテナ 8 0に入力され、 該アンテナ 8 0から電波として出力され る。
なお、 増幅された送信信号が受信用低雑音増幅器 2 0側に流れないように第 1の整 合回路と第 2の整合回路とのィンピーダンス整合をとる必要がある。 以上説明したように、 第 5の実施形態によると、 受信用低雑音増幅器 2 0のオフ時
のィンピーダンスと送信用増幅器 1 0の第 2の整合回路 5 0のインピーダンスとを併 せて送信用増幅器 1 0の出力整合を行なうことにより、 受信用低雑音増幅器 2 0とァ ンテナ 8 0とをスィッチを介することなく接続することができる。 これにより、 受信 用のスィッチを省くことができるため、 受信用低雑音増幅器 2 0の入力信号のスイツ チによる通過損失をなくすることができる。
さらに、 微弱な受信信号も減衰しないので、 増幅時における S Z N比を向上させる ことができる。 また、 スィッチ用 F E Tがー個で足りるため、 スィッチの小型化及び 集積化が容易になる。
[産業上の利用の可能性]
以上のように、 本発明に係る通信用無線機の送受信回路によると、 送信時には、 送 信用増幅器の出力端子が切替えスィツチを介することなくアンテナに接続されている ため、 送信信号のスィッチによる通過損失がなくなるので、 消費電力を低減すること ができる。 また、 受信時には、 送信増幅用の F E Tを抵抗として用いることにより送 信側が短絡されるため、 送信側の切替えスィッチが不要となるので、 受信側の切替え スィッチはただ 1つのスィッチ素子により構成できるようになる。 これにより、 切替 ぇスィツチの回路の面積を小さくできるため、 送受信回路全体の小型化を図ることが できる。
また、 本発明に係る半導体集積回路装置によると、 本発明に係る通信用無線機の送 受信回路により構成されているため、 送信時の消費電力を低減できると共に、 送受信 回路全体の小型化を図れるので、 高集積化に有利となり、 その結果、 半導体集積回路 装置の低価格化を図ることができる。