WO1996025221A1

WO1996025221A1 - Soufflante

Info

Publication number: WO1996025221A1
Application number: PCT/JP1996/000351
Authority: WO
Inventors: Toshihide Imamura
Original assignee: Komatsu Ltd.
Priority date: 1995-02-17
Filing date: 1996-02-16
Publication date: 1996-08-22

Description

明細害送風機

この発明は、送風機であって、特に、空気中の水分や、臭い等の極性物質，有機物を吸着したり、酸化または分解しながら送風するようにした送風機に関する。背景技術

この種の従来の送風機としては、一般的なファン類、例えば、シロッコ，ターボ，クロスフロー等のファンを用い、これらの送風路の途中に除湿剤，脱臭剤さらに除塵フィルタ等を介装するようにしたものがある。

また、円盤表面に触媒を付着させて、主として脱臭機能を有するようにしたものが、特開平 5 — 2 3 5 3 1 号公報に示された多層円盤積層型送風機として知られている。

上記従来の送風機の中で送風路の途中に除湿剤，脱臭剤さらに除塵フィルタ等を介装したものにあっては、送風機は送風機能だけを有するものが用いられる。そして、この送風機は、送風路內に介装する介装物による圧力損失分だけ送風圧力の高いものを用いなければならず、どうしても大型になってしまう。

また、上記介装物も、ハニカム式，充填塔式等のものがあるが、いずれもこれらが装置の一部として用いられることから、その存在が装置全体のコンパクト化の阻害事由になっていた。一方、上記特開平 5 — 2 3 5 3 1 号公報に示されたものには, 送風機能はあるが、その風量は少ないという問題があった。

本発明は、一般の多翼型の送風機と殆ど同等の送風量を得ることができると共に、送風路内にフィルタ等を介装したものに比較して圧力損失を小さくすることができ、さらにコンパク卜に構成でき、その上極めて高い除湿，脱臭機能を有する送風機を提供することを目的とするものである。発明の開示

上記目的を達成するために、本発明に係る送風機の第 1 の態様は、

多翼型の送風機において、

翼車の内周側あるいは外周側の少なくとも一方に、維維材からなり、吸湿性、吸着性、及び酸化分解性のうちの少なくとも 1 つの機能を付与したシート状部材を、各翼間を塞ぐようにして各翼に固着して設けたことを特徴とするものである。

また、上記構成において、

前記シート状部材は、活性炭織維，ガラス雄維，アルミナ維維，シリカアルミナ繊維，アルミ繊維，銅繊維，鉄繊維，ニッケル繊維，ステンレス繊維，ニクロム繳維，カンタル繊維等の金属繊維，無機維維のいずれかあるいはこれらの組合わせてシート状にし、該シート状のものの表面に、シリカゲル，シリカアルミナゲル，アルミナゲル等の吸湿剤を反応生成して成ることを特徵とするものである。

さらに、上記構成において、前記シート状部材の表面に、さらに銅，ニッケル，鉄. クロ一ム，白金，パラジウム. ロジウム等の、極性物質や有機物を酸化分解する酸化分解剤を反応生成したことを特徴とするものである。また、本発明に係る送風機の第 2の態様は、

多翼型の送風機において、

翼車の各翼間に、吸湿性、吸着性、さらに酸化分解性のうちの少なくとも 1 つの機能を付与した無機繊維中空糸の束を充填したことを特徴とするものである。

また、上記各構成において、

翼車の内側にヒータを設置したことを特徵とするものである。上記構成によれば、

翼車の回転により送風される空気は、この翼車と一体になって回転するシート状部材または中空糸束を透過してケーシングの出口より送出される。そして、この送出空気は、上記シート状部材または中空糸束を透過する際に、シート状部材または中空糸束に付与された各機能に応じて吸湿され、そして/または極性物質及び有機物が吸着され、さらに極性物質及び有機物が酸化分解されて、除湿あるいは脱臭等の処理がなされる。

そして、上記シート部材または中空糸束が、上述したように翼車と一体回転することにより、送出空気がシート部材または中空糸束の全体にわたって極めて平均化した状態で透過するので、送出空気がシート部材または中空糸束を透過するにあたっての圧力損出は殆ど生じない。

さらに、上記シート状部材または中空糸束がはヒータによる加熱されて再生される。図面の簡単な説明

本発明は、以下の詳細な説明及び本発明の実施例を示す添付図面により、より良く理解されるものとなろう。なお、添付図面に示す実施例は、発明を特定することを意図するものではなく、単に説明及び理解を容易とするものである。

図中、

図 1 は、本発明による送風機の第 1 の実施例を示す断面図である。

図 2は、本発明に対する第 1比較例を示す断面図である。

図 3は、本発明に対する第 2比較例を示す断面図である。

図 4は、本発明に対する第 3比較例を示す断面図である。

図 5は、上記各例における風量を示す線図である。

図 6は、本発明による送風機の第 2 の実施例を示す断面図である。

図 7は、本発明による送風機の第 3の実施例を示す断面図である。

図 8は、上記各実施例のヒータの構成を示す斜視図である。

発明を実施するための好適な態様

以下に、本発明の好適実施例による送風機を添付図面を参照しながら説明する。

本発明の実施例を図面に基づいて説明する。

図 1 は本発明の第 1 の実施例を示している。図中、 1 はシロッコファン 2 とケーシング 3からなる多翼型の送風機であり、シロッコファン 2が図中において時計方向に回転することにより、ケーシング 3のうず卷き室 4 の中心部から吸入された空気が出口 5から送出されるようになっていて、これの構造は一般的な多翼形の送風機と同じである。シッコ口ファン 2は、複数の翼 2 aから構成されている。

上記シロッコファン 2の内周側には、通気性を有する円筒状のシート状部材 6がその外周面をシロッコファン 2の翼 2 aの内側端に当接させて装着され、該シート状部材 6 により各翼 2 a間が塞がれている。

上記シート状部材 6は、活性炭維維，ガラス繊維，アルミナ雄維，シリカアルミナ繊維，アルミ繊維，銅繊維，鉄繊維，ニッケル繊維，ステンレス繊維，ニクロム繊維，カンタル繊維等の金属繳維ゃ無機繊維のいずれかあるいはこれらを組合わせたものを織布状あるいは不織布状に束ねてシート状にし、そのシート状のものの表面に、吸湿剤、及び/または極性物質及び有機物を吸着する吸着剤、及び/または極性物質及び有機物を酸化分解する酸化分解剤を反応生成した構成となっている。

上記吸湿剤としては、シリカゲル，シリカアルミナゲル，アルミナゲル等があり、また吸着剤としては、活性炭（脱臭用），多孔質ガラス繊維（脱臭，除湿用）等があり、さらに酸化分解剤としては、銅，ニッケル，鉄，クローム. 白金，パラジウム，ロジゥム等がある。

上記構成において、シロッコファン 2の回転により、通常のこの種の送風機と同様に、空気はシロッコファン 2の中間部から吸入されて外周側へ放出され、出口 5 より送出される。そして、この空気は、シロッコファン 2の外周側へ放出される際にシート状部材 6を通過し、その際に、吸湿され、そして/あるいは極性物質及び有機物が吸着され、そして/あるいは極性物質及び有機物が酸化分解されて、除湿及び/または脱臭等の処理がなされる。上記シート状部材 6が上述のようにシロッコファン 2 と一体回転するので、送出空気はシート状部材 6の全体にわたって極めて平均化した状態で透過することになり、その結果シート状部材 6 を透過するにあたつての圧力損出は殆ど生じない。

図 1 に示す本発明の実施例による送風機の性能を知るために図 2 , 図 3及び図 4に第 1 , 第 2及び第 3比較例をそれぞれ示す, なお、この図 1から図 4 に示す各送風機はシッコ口ファン 2を同 —にして、かつ回転数も同一にして実験した。また、用いたシート状部材 6 も同一性質のものである。

図 2に示すものは、シート状部材 6を装着しないもの、図 3 に示すものは、シロッコファン 2の外側に筒状にしたシート状部材 6 aをケーシング 3側に固着して設けたもの、図 4 は送風機の送風ダクト 7にシート状部材 6 bを介装したものである。

上記各図に示した送風機を上述したようにそれぞれ同一の回転数で回転したときの送風量を示すと、図 5 に示すようになり、この図 5で aは図 1 に示す本発明の第 1 実施例の場合、 bは図 2 に示す第 1比較例の場合、 c は図 3 に示す第 2比較例の場合、 dは図 4に示す第 3比較例の場合のそれぞれの風量である。

この図 5から明らかなように、図 2 に示す第 1 比較例のようにシート状部材 6を用いないものが当然一番送風量が多いことがわかったが、図 1 に示した本発明の第 1実施例のものも、シート状部材 6を用いないものと殆ど変らない風量を得ることができた。一方、図 3 , 図 4 に示したものは、送風機の送風路の途中にシート状部材 6 a , 6 bをそれぞれ介装した栂成であることからシート状物による圧力損失を大きく受けてしまい、その送風量は上記のものに比較して少ないものであつた。

なお、ここでは実施例を示してないが、上記筒状のシート状部材 6をシロッコファン 2の外周の固着して、これをシロッコファン 2 と共に回転させた場合も、これを内側に固着したもの、すなわち第 1 実施例とほぼ同じ結果となり、さらに内，外周の双方にシート状部材 6を固着しても使用上問題なかった。

上記第 1 の実施例に用いるシート状部材 6の一例であるアルミ不織布の単位容積当たりの見かけ表面積は下記表 1 に示すようになった。

表 1

また、アルミ不雜布の圧力損失は 5 5 0 m m a q · c m² ' m i n / c m · m³でめった。

そして、このアルミ不雄布は、アルミシートに 3号硅酸ソーダ 5 0 %液を c o n c H₂ S 0₄ 5 0 %溶液 1 5 gに強制撹拌しつつ混合均一化した液体中に浸潸して、余分の液を除去したものである。

図 6は本発明の第 2の実施例を示している。この第 2実施例は. 送風機 1 のシロッコファン 2の各翼 2 aの間に吸湿性付加処理を施した無機雄維からなる中空糸束 8 を詰めた構成となっている , そして、その 1 本の中空糸は長さが 4 O m mで、その両端部の 5 m m程度を組紐の中空状になっており、中間部の 3 O m mはフィラメント状になっている。

また、この中空糸の構成は、

材質：シリ力アルミナ長繊維、ニチビ社製 R 9 6 0 D— G 2 中空糸を構成する糸の数： 3 2本

糸を構成するフィラメントの数： 9 6 0本

フィラメント直径マ fi m

中空糸末端部における外/内径： 3. 0 / 2. 6 mm

単位容積当たりの中空糸フィラメン卜の表面積： 9 6 2 c m Vcc 直径 1 3 c m、幅 4 c m、フィラメント部厚さ 3 c m

のランナを使用した場合フィラメントの表面積は 4 7 1 0 0 0 c m² となり、大きな見かけ表面積となる。

そして、この実施例における送風機を用いて空気を処理した結果下記表 2に示すようになつた。

表 2 項目結果

処理風量 3m³ /m i n

被処理温度 25°C

被処理湿度 65%

処理温度 45V

処理湿度 5% 上記第 1，第 2の実施例において、シロッコファン 2の内側にヒータ 9を設置する。そして、このヒータ 9は間欠的に加熱状態にできるように電源に接続されている。

このヒータ 9は上記中空糸束 8の再生に用いるもので、一定時間の使用によって吸湿したり、そして/あるいは有機物や極性物質を吸着した中空糸束 8は一定時間の加熱により再生される。

なお、ヒータ 9は上記第 1実施例のシート状部材 6の再生に用いることができるのは言うまでもない。

図 7は本発明の第 3の実施例を示している。これは、 2台の送風機 l a , 1 bを並設し、この両送風機 1 a , l bを交互に用い、一方の送風機で空気を吸入処理し、他方の送風機では加熱再生するようになっている。

両送風機 l a , 1 bは 1台のモータ 1 0にて同軸状に回転駆動されるようになつており、各送風機 l a， l bの出口 5 a， 5 b にはそれぞれ湿り空気管 1 1 a , 1 2 a と乾燥空気管 l i b , 1 2 bが設けてあり、それぞれの送風機 1 a , 1 bの湿り空気管 1 1 a , 1 2 a と乾燥空気管 l i b , 1 2 b は開閉弁 1 3 a , 1 3 bで交互に切り替えることができるようになつている。そして、両送風機 l a , 1 bのそれぞれの乾燥空気管 1 1 b , 1 2 b は 1本の乾燥空気ダクト 1 4に連接されている。

また、各送風機 l a , l bのシロッコファン 2の外周部にアルミファイバーに吸湿性付加処理を施したシート状部材 6が固着してあり、内側にはヒータ 9が図示しない支持部材を介してケーシング 3に支持されている。

この構成において、両開閉弁 1 3 a , 1 3 bを開閉操作して、一方の送風機 1 aの乾炫空気管 1 1 bを開、湿り空気管 1 1 a を閉とし、他方の送風機 1 bの乾燥空気管 1 2 bを閉、湿り空気管 1 2 aを開にし、乾燥空気管を閉とした方の送風機 1 b 内のヒータ 9を加熱状態にする。

これにより、ヒータ 9が加熱状態でない方の送風機 1 a にて吸入された空気はシート状部材 6 を通って吸湿されて乾燥空気となって乾燥空気管 1 1 bより乾燥空気ダクト 1 4へ送風される。

—方ヒータ 9が加熱状態にある方の送風機 1 bにて吸入された空気はヒータ 9にて加熱されてからシート状部材 6を通って湿り空気管 1 2 aを通って再び大気へ放出され、この間にこの送風機のシート状部材 6は加熱再生される。

この動作を交互に操り返すことにより、乾燥空気ダクト 1 4からは連続して乾燥等処理された空気が得られ、両送風機 1 a , 1 bのシート状部材 6は交互に再生される。

この第 3実施例において、シート状部材 6 としてアルミ不織布表面に硅酸ソーダを通常の方法によりシリカゲル化したものを用いて空気の処理結果を示すと下記表 3のようになる。

表 3 項目結果

処理風量 5 m ^J /m i n

被処理空気温度 2 5 °C

被処理空気湿度 7 0 %

処理空気温度 4 6で

処理空気.湿度 1 5 % ヒータ 9の材料を以下に示す。

無機雄維：アルミナ繳維（R 9 6 0 D— G 2、二チビ社製）無機繊維本数： 8本

金属雄維：ニクロム N C H W、東京抵抗線社製

直径 0 . 3 m m

金属織維本数： 4本

また、この構成のヒータ 9の性能を以下に示す。

抵抗値： 2 0 Ω / m

ヒ一夕直径： 2 . 3 m m

常温→ 7 0 0 到達時間： 4 s e c

7 0 0 °C→常温到達時間： 3 0 s e c

次に、除臭実験を行なった例を示す。

上記第 3の実施例のシート状部材 6 と同じシリカゲル化処理をアルミ不織布に施し、さらに酸化第 1銅—ァスコルビン酸の混合液に浸漬して乾燥させた後、これをシロッコファン 2 の内側（あるいは外側）に取り付けてメルカブタンに対する官能テストによる脱臭作用について実験を行なつた。

その結果、ファンにより処理された気体は全く臭気を感じることができなかった。

上記各実施例において、シロッコファン 2 の内側に設置するヒータ 9は、図 8に示すように無機維維からなる中空糸 1 5の周囲に複数本の細い金属繊維 1 6を巻いたものが用いられる。

なお、金属線卷線方法は、 1 本ずつ交互上下、フレキシブルである。

本発明によれば、一般の多翼型の送風機と殆ど同等の送風量を得ることができると共に、送風路内にフィルタ等を介装したものに比較して圧力損失を小さくすることができ、さらにコンパクトに構成でき、その上、極めて高い除湿. 脱臭機能を有する送風機を得ることができる。

なお、本発明は例示的な実施例について説明したが、開示した実施例に関して、本発明の要旨及び範囲を逸脱することなく - 種々の変更、省略、追加が可能であることは、当業者において自明である。従って、本発明は、上記の実施例に限定されるものではなく、請求の範囲に記載された要素によって規定される範囲及びその均等範囲を包含するものとして理解されなければならない。

Claims

請求の範囲

1 . 多翼型の送風機において、

翼車の内周側あるいは外周側の少なくとも一方に、繊維材からなり、吸湿性、吸着性、さらに酸化分解性のうちの少なくとも 1 つの機能を付与したシート状部材を、各翼間を塞ぐようにして各翼に固着して設けたことを特徴とする送風機。

2 . 前記シート状部材は、活性炭繊維，ガラス繊維. アルミナ維維，シリカアルミナ戡維，アルミ繊維，銅繊維，鉄繊維，ニッケル繊維，ステンレス繊維，ニクロム雄維，カンタル雄維等の金属繊維，無機維維のいずれかあるいはこれらの組合わせてシート状にし、該シート状のものの表面に、シリカゲル，シリカアルミナゲル，アルミナゲル等の吸湿剤を反応生成して成ることを特徴とする、請求項 1 に記載の送風機。

3 . 前記シート状部材の表面に、さらに銅，ニッケル，鉄. クローム，白金，パラジウム，ロジウム等の、極性物質や有機物を酸化分解する酸化分解剤を反応生成したことを特徵とする、請求項 2に記載の送風機。

4 . 多翼型の送風機において、

翼車の各翼間に、吸湿性、吸着性、さらに酸化分解性のうちの少なくとも 1つの機能を付与した無機維維中空糸の束を充填したことを特徴とする送風機。

5 . 翼車の内側にヒータを設置したことを特徴とする請求項 1 乃至 4のいずれかに記載の送風機。