明 細 書
ェポキシシク ϋへキセンジォン誘導体
技 術 分 野
本発明は、 抗菌活性および抗腫瘍活性を有するェポキシシクロへキセンジォン 誘導体またはその薬理的に許容される塩に関する。
従 来 の 技 術
ras癌遺伝子は、 ヒ トの多くの腫瘍組織で点突然変異を受け、 正常細胞をトラ ンスフォ一ムできる活性化型で検出される。 ras癌遺伝子産物のトランスフォー メーシヨン活性の発現には、 12、 13もしくは G1蕃目のアミノ酸の点突然変異に加 え、 C末端領域に存在するシスティン残基のフアルネシル化による細胞膜への結 合が必須である。 本反応は、 フアルネシルトランスフヱラーゼ (以下、 FTase と いう) により触媒を受ける。 従って、 FTase阻害物質は、 ras癌遺伝子産物の機 能を抑制することが予想され、 抗癌作用を有することが期待できる。
FTase阻害活性を有するエポキシシクロへキセン誘導体としては、 下記式で示 される化合物が知られている。
マニュマイシン [プロシーディング '才ブ 'ナショナル ·ァカデミ一 .ォブ .サ ィエンス ·ォブ 'ザ,ュナイテッ ド 'ステート 'ォブ '了メ リ力(p
roc. Natl.Aca d. Sci.USA), 90. 2281 (1993)] 。 酵母由来の FTaseを用い酵母由来の ras タンパ クを基質として用いた時に、 IC
50= 5 imol と報告されている。
マ二ユマイシン誘導体 (化合物 I V a、 I V b、 I V c) [プロシーデイング . ォブ 'ナショナル ·ァカデミー ·ォブ 'サイェンス 'ォブ ·ザ ·ュナイテッ ド ' ステート 'ォブ 'アメ リカ(Proc. Natl. Acad. Sci. USA), 90. 2281 (1993)、 テトラ へドロン ' レターズ(Tetrahedron Letters), 4995 (1973) 、 ジャーナル 'ォブ ' アンチビォテイクス(j.Antibiotics),_a^ 1530 および 1549(1986) 、 特開平 4 - 2 2 1 3 7 7号公報] 。 ただし、 活性を認めたというのみで活性値に関する記 載は無い。
また、 下記式で示されるエポキシシク σへキセンジオン誘導体が知られている が、 これらの化合物の FTase阻害作用は知られていない。
ァスカマイシン誘導体 [ジャーナル ·ォブ '了メ リカン 'ケミカル 'ソサイティ -(J. Am. Chem. Soc.), 101丄 3402(1979) ] 。
LL-C 10037 誘導体 [ジャーナル ·ォブ · アメ リカン 'ケミカル · ソサ ィティ一(丄 Am. Chem. Soc.), UJL 7932 (1989) 、 ジャーナル 'ォブ 'オーガニッ ク ·ケミカス -(J. Org. Chem.),59. 3581 (1994)]。
発 明 の 開 示
本発明は、 一般式 U)
(式中、 Rは炭素数 10〜25の直鎖または分岐状のアルカノィル、 炭素数 10〜25の 直鎖ァルケノィルまたは式 (Λ)
(A)
(式中、 nは 1〜 4の整数を表す) を表す) で表されるエポキシシクロへキセン ジオン誘導体またはその薬理的に許容される塩に関する。
以下、 式 ( I ) で表される化合物を化合物 Iという。 他の式番号の化合物につ いても同様である。
式 ( I ) の各基の定義において、 炭素数 10〜^の直鎖または分岐状の了ルカノ ィルとしては、 例えばラゥロイル、 ミ リス トイル、 パルミ トイル、 ステ了ロイル 、 3, 7, 11- ト リメチルラウロイル、 3, 7, 11, 15 -テ トラメチルパルミ トイル等を表 し、 炭素数 10〜25の直鎖了ルケノィルとしては、 例えばパルミ トレオイル、 リノ レオイル、 リノレノィル等を表し、 式 (Α) で表される基としては、 ゲラノィル 、 フアルネソィル、 ゲラニルゲラノィル、 またはゲラニルフアルネソィルを表す
化合物 Iの薬理的に許容される塩としては、 薬理的に許容される酸付加塩が挙 げられ、 塩酸塩、 硫酸塩、 リン酸塩等の無機酸塩、 酢酸塩、 マレイン酸塩、 フマ ル酸塩、 酒石酸塩、 クェン酸塩等の有機酸塩が挙げられる。 '
次に、 化合物 Iの製造法について説明する。
化合物 I は、 2 -ァミノ -4- メ トキシフヱノールの了シル化 (工程 1 ) 、 ヰノ ン への酸化 (工程 2 ) 次いでエポキシ化 (工程 3 ) の各反応工程に従い製造するこ とができる。
工程 2
2 -アミノ -4-メ トキシ
フエノール
(III) (I)
(式中、 Rは前記と同意義を表す)
工程 1
化合物 I Iは、 2-了ミノ -4- メ トヰシフヱノールと 1〜 2当量のァシルハライ ド 、 了シルアンハイ ドライ ドまたは目的のァシル基を有する混合酸無水物等とを、 ピリジン、 N,N-ジメチルァニリ ン、 Ν, Ν-ジェチルァニリ ン等の適当な塩基の存在 下、 ジメチルホルムアミ ド、 ジメチルスルホキシド、 クロ口ホルム、 ジク πロメ タン、 トルェン等の溶媒中または適当な塩基を溶媒として反応させることにより 得ることができる。 反応温度は、 0〜50° (:、 好適には 20〜3ϋでであり、 反応時問 は、 反応条件により変化するが、 薄層ク1 aマトグラフィ一で原料の消失した時点 で終了し、 通^は 1〜48時問である。
工程 2
化合物 Ι Π は、 化合物 I Iを、 1〜 2当量の四酢酸! {}、 硝酸セリウム(I V)了ンモ 二ゥ厶、 ビス (トリフルォロ了セトキシ) ョードベンゼン等の酸化剤の存在下、
テ トラヒ ドロフラン、 ジェチリレエーテ Jレ、 ジォキサン、 了セ トニト リ」レ、 クロ口 ホルム、 酢酸、 水等の溶媒またはこれらの混合溶媒中で酸化することにより得る ことができる。 反応温度は、 0 ~50 :、 好適には 20〜30でであり、 反応時間は、 反応条件により変化するが、 薄層クロマトグラフィーで原料の消失した時点で終 了し、 通常は 1ϋ〜120分である。
工程 3
化合物 Iは、 化合物 11 1 を、 1 ~ 2当量の次亜塩素酸ナトリゥム、 次亜塩素酸 力ルシゥム等の次亜塩素酸塩等の存在下、 テトラヒドロフラン、 ジォキサン等の 溶媒中で酸化することにより得ることができる。 反応温度は、 -10 〜20でが好適 であり、 反応時間は、 反応条件により変化するが、 薄層クロマトグラフィーで目 的物が適当量生成した時点で終了し、 通常は 10〜60分である。
上記製造法における生成物の単離、 精製は、 通常の有機合成で用いられる方法 、 例えば濾過、 抽出、 洗浄、 乾燥、 濃縮、 結晶化、 各種クロマトグラフィ一等を 適宜組み合わせて行うことができる。 また、 中間体においては、 特に精製するこ となく次の反応に供することも可能である。
以上の製造法によって得られる化合物は、 通常、 エポキシ基の立体配置に基づ く立体異性体の混合物である。 それらは、 通常用いられる分離方法、 例えば、 光 学活性体付加塩形成によるジ了テレオマ一の分別結晶、 光学活性カラムを用いる 高速液体クロマトグラフィ -- (H P L C ) 等により分離することができる。 なお、 化合物 Iは、 幾何異性体または光学異性体のような立体異性体が存在し 得るが、 可能な異性体のいかなる比率における混合物も本発明に包含される。 化合物 Iの塩を取得したいとき、 化合物 Iが塩の形で得られる場合には、 その まま精製すればよく、 また、 遊離の形で得られる場合には、 適当な溶媒に溶解ま たは懸濁し、 酸を加え塩を形成させればよい。
また、 化合物 Iまたはその薬理的に許容される塩は、 水あるいは各種溶媒との 付加物の形で存在することもある力 これら付加物も本発明に包含される。 化合物 Iの具体例を下記に示す。
次に、 化合物 Iの薬理活性について試験例で説明する。
試験例 1 FTase 阻害活性
アツセィに用いた FTase は、 下記の方法によりラッ トの脳より精製した c 雄のラ
ッ トの脳を破砕して得られた抽出液を硫安により塩析分画し、 50%飽和状態での 沈殿画分を再度バッファ一 (20mM Tris- 1IC1 pli7.5、 ImM ジチオスレィ トール ( DTT) 、 20Λ« ZnCl2)に溶解させ、 Mono Q 10/10カラムクロマ トグラフィーで、 さらに分画を行なった。 0.3〜0.4M NaCl の濃度勾配で溶出を行ない、 0.35M N aCl 付近で溶出されてくる活性画分を部分精製標品として用いた。 活性測定は、 上記の方法で得た酵素を使用し、 基質として玉沖らの方法 [バイオケミカル ·バ ィォフィ ジカル ' リサーチ ' コ ミュニケーションズ (Diochem. Biophys. Res. Comm un. )032, 126(1985)] に従って、 大腸菌で高発現させ精製を行なって得られた、 v-Ki-ras p21を用いた。 測定方法は、 eiss, Y.らの方法 [セル(Cel 1)^81 (199 0)] に従って、 v-Ki-ras P21に転移された [311]- FPPを液体シンチレーシヨンカウ ンターで測定することにより定量した。 酵素阻害活性に関しては、 上記の反応系 を用いて、 試験検体による v-Ki-ras P21の C末端フアルネシル化阻害を測定した 。 無処理群と既知濃度の検体で処理した群の酵素阻害活性を比較することにより 、 フアルネシル化を 50%阻害する検体濃度 (1C5D) を算出した。
結果を第 1表に示す。
^ 1 ¾
実験 2
第 1表によれば、 化合物 I一 1は、 FTase に対して明らかな酵素阻害活性を示 した。 また FTase阻害が報告されているマニュマイシン、 および化合物 I Vaと 比較しても有意に強い阻害活性を示した。
試験例 2 FTase 阻害活性
FTase は、 牛の脳を破砕して得られた抽出液を DBAE- Sephacel (フアルマシ了 社製) カラムクロマトグラフィーにかけ、 その活性画分を限外濾過で濃縮し、 透 析 [20mM Tr i s-IICl ρΙΙ8. 0 、 50mM' NaCl 、 20mM ZnCl 2、 ImM DTT、 0. 2mM フエ二 ルメチルスルホニルフルオラィ ド(PMSF) ] したものを粗酵素液として用いた。 活 性測定は、 上記の方法で得た酵素を使用し、 FTase [3 H] SPA酵素アツセィヰ ッ ト (Amersham社製) を用いて行った。 酵素阻害活性に関しては、 上記の反応系 を用いて、 試験検体による l ami n B の C末端ペプチドへのフアルネシル化阻害を 測定した。 無処理群と既知濃度の検体で処理した群の酵素阻害活性を比較するこ とにより、 フアルネシル化を 50%阻害する検体濃度(I C5。)を算出した。
結果を第 2表に示す。 第 2表
第 2表によれば、 化合物 I一 1、 2、 . 5は FTase に対して明らかな酵素阻 害活性を示した。
試験例 3 細胞増殖抑制活性
抗腫瘍活性は、 発癌遺伝子!] J-rasで形質転換した ΝΠΙ 3T3繊維芽細胞 (以下、 NI II 3T3/BJ- rasという) を用いて測定した。
24穴プレートの各穴に、 DME培地 (二ッスィ社製) 、 10%牛胎児血清、 ぺニシ リン (100 U/ml ) 、 ス トレブトマイシン (100 i g/ml) からなる培地 (以下、 培地 Λとする) で 1. 0 X 104 個/ ml に調製した NI II 3T3A - ras細胞を lml ずつ分 注し、 単層培養した。 該プレートを炭酸ガスィンキュベータ一内で 37 :、 24時間 培養後、 これに培地 Aで適宜希釈した検体 (試験化合物) Q. lml ずつを加えた。
炭酸ガスインキュベータ一内で 37で、 72時問培養した。 ト リプシン処理して細胞 を回収し、 セルカウンターで細胞数を測定した。 細胞の増殖を 50%阻害する検体 濃度( 5。)を算出した。
結果を第 3表に示す。 第 3 ¾
第 3表によれば、 化合物 I一 1は、 発癌遺伝子 BJ- rasで形質^換した Ν ΠΙ 3T3 繊維芽細胞に対して明らかな細胞増殖抑制活性を示し、 抗癌剤として有用である ο
試験例 4 抗菌活性
抗菌活性は、 バク ト ' ト リプトン (D i fco社製) 3g、 肉エキス 3g、 酵母エキス lg、 グルコース lgおよび寒天 16g を水 1Lに溶解して作成した培地 (pi を用いて 、 寒天希釈法で測定した。 抗菌活性は、 最小生育阻止濃度 (Ml C) で表した。 結果を第 4表に示す。
第 4表
SA ; ス タ フ イ ロ コ ッ カス ァ ゥ レ ウス
(Staphylococcus aureus) A TCC 6538P
EF ; ェ ンテ ロ コ ッ カ ス フ エ シ ゥ ム
(Enterococcus faecium ) ATCC 10541
BS; ノ チルス ズブチリ ス
(Bacillus subtilis) No. 10707
第 4表によれば、 化合物 I 一 1、 2、 4、 5は明らかな抗菌活性を示し、 抗菌 剤として有用である。
化合物 Iまたはその薬理的に許容される塩は、 そのままあるいは各種の医薬組 成物として経口的または非経口的に投与される。 このような医薬組成物の剤形と しては、 例えば錠剤、 丸薬、 散剤、 顆粒剤、 カプセル剤、 坐剤、 注射剤、 点滴剤 等が挙げられる。
上記剤形の製剤化には、 通常知られた方法が適用され、 例えば各種の賦形剤、 潤滑剤、 結合剤、 崩壊剤、 懸濁化剤、 等張化剤、 乳化剤、 吸収促進剤等を含有し ていてもよい。
医薬組成物に使用される担体としては、 例えば水、 注射用蒸留水、 生理食塩水 、 グルコース、 フラク ト一ス、 白糖、 マンニッ ト、 ラクトース、 澱粉、 コーン . スターチ、 セ Jレロース、 メチ Jレセリレ口一ス、 カリレポヰシメチ jレセ jレロース ヒ ド ロキシプロピルセルロース、 アルギン酸、 タルク、 クェン酸ナト リウム、 炭酸力 ルシゥム、 リ ン酸水素力ルシゥ厶、 ステ了リ ン酸マグネシゥ厶、 尿素、 シリコー ン樹脂、 ソルビタン脂肪酸エステル、 グリセリ ン脂 (1方酸エステル等が挙げられ、 これらは製剤の種類に応じて適宜選択される。
投与量および投与回数は、 目的とする治療効果、 投与方法、 治療期問、 年齢、 体重等により異なるが、 経口もしくは非経口 (例えば、 注射、 点滴、 坐剤による 直腸投与、 皮膚貼付等) 的投与方法により、 通常成人 1日当り 0. 01〜2 mg/kgで ある。
以下に、 実施例および参考例によって本発明の態様を説明する。
実施例 1
4, 5 -ェポヰシ- 1- ファルネソィルァミノ -3, 6- ジォキソシクロへキセン (化合 物 I一 1 )
フアルネサン酸 61. 0 mgをトルエンに溶解し、 これに塩化ォキザリル 0. (Mmlを 滴下し、 室温で 3時問攪桦した。 溶媒を留去し、 フアルネサン酸クロリ ドを粗生 成物として得た。 - 1 2
参考例 2で得られる 2 了ミノ -4 - ノ トキシフヱノ一ル 31. 6 mg をピリジン 2 ml に溶解し、 これに上記で得られたフアルネサン酸クロリ ドを滴下し、 室温で 4時 P 攪拌した。 反応溶液を酢酸ェチルで希釈し、 2 M塩酸を加えた。 有機層を水、 次いで飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、 硫酸ナトリゥムで乾燥した。 溶 媒を留去し、 残揸をシリカゲルク σマ トグラフィ一 (5/95 酢酸ェチル トルェ ン) で精製し、 2 -フアルネソィル了ミノ- 4- メ トキシフヱノール 46. 0 mg (57 % ) を得た。
Rf 0. 38 (1/9酢酸ェチル Zトルエン)
'隱 (CDC13) δ ; 1. 60 (s, 311) , 1. 62 (s, 311) , 1. 68 (d, 311, J=0. 76 Hz) , 1. 99-2. 23 (m, 811) , 2. 24 (d, 3H, J-0. 84 Hz) , 3. 74 (s, 3H), 5. 11 (m, 2H) , 5. 78 (bs, 111) , 6. 59 (d, 111, J=2. 9 Hz), 6. 69 (dd, 111, J=2. 9, 8. 9 Hz) , 6 . 94 (d, 111, 9 Hz) , 7. 33 (bs, 111) .
FAB-MS {WD ; 356 (M+l) +
上記で得られた 2 -フアルネソィル了ミノ- 4- メ トキシフヱノール 4G. 0 m をテ トラヒドロフラン 2 mlおよび水 2 mlの混合溶媒に溶解し、 これに四酢酸鉛 69 mg を加え、 室温で 30分攪袢した。 エーテルで希釈し、 飽和炭酸水素ナトリウム水溶 液を加えた後、 有機層を飽和食塩水で洗浄し、 硫酸ナトリゥムで乾燥した。 溶媒 を留去し、 残浓をシリ力ゲルク σマトグラフィー (5/95 酢酸ェチル Ζトルェン
) で精製し、 2-フアルネソィル了ミノ- 1, 4 -キノ ン 15.7 mg (36 %) を得た。 f 0.56 (1/9酢酸ェチル トルエン)
1隱 (CDC13) δ ; 1.60 (s, 311), 1.62 (d, 311, J-l.1 Hz), 1.68 (d, 311, J=l.1 Hz), 1.98-2.21 (m, 810, 2.22 (d, 311, J=l.2 Hz), 5. OG-5.11 (m, 211), 5.75 (d, 111, J=l.1 Hz), 6.72 (dd, 111, J=2.3, 10.1 Hz), 6.76 (d, 111, J=10 .1 Hz), 7.64 (d, 1H, J=2.3 Hz), 7.92 (br s, 111).
PAB-MS {WD ; 344 ( +3) +
上記で得られた 2 -フアルネソィル了ミノ- 1, 4-キノン 15.0 mgをジォキサン 0. 05 ml に溶解し、 これに水冷下次亜塩素酸ナトリウム溶液 0.045 mlを滴下し、 室 温で 30分攪拌した。 反応溶液にリン酸バッファ一(PII 7)を加え、 酢酸ェチルで抽 出した後、 有機層を飽和食塩水で洗浄し、 硫酸ナトリウムで乾燥した。 溶媒を留 去し、 残渣をシリカゲルクロマトグラフィー (1/7酢酸ェチル Zn-へキサン〜 4/ 3 ジクロロメタン Zトルエン) で精製し、 化合物 1— 1、 1.7 mg (11 %) を得た o
Rf 0.29 (2/8酢酸ェチル Zn-へキサン)
MINMR (CDC ) δ ; 1.59 (s, 311), 1.61 (d, 311, J=0.9 Hz), 1.67 (d, 3H, J =1.0 Hz), 1.96-2.11 (m, 411), 2.21 (s, 3il), 2.18-2.24 (m, 411), 3.81 (dd, 1H, J=2.2, 3.7 Hz), 3.90 (d, 1H, J=3.7 llz), 5.08 (m, 211), 5.70 (d, 111, J=l.0 Hz), 7.59 (d, 111, ,】=2.2 llz), 7.73 (bs, 1H).
FAB- MS (WD ; 358 (M+l) +
化合物 I一 1 (ラセミ体) について、 光学活性体分取用カラム CIURACEし 0D(1 0X25cm)を用い、 へキサン- イソプロパノール(15:1)を溶出溶媒として分取 HP LC (流速 4ml/min ) により、 保持時 1¾324分と 26.2分のピークを分取した。
化合物 I一 1 /9 (5 S, 6 R体) :
HPLC保持時間 24分、 CDスペク トルで 367nm, 317nmに負のコッ トン効果を JNした。
化合物 I一 1ひ (5 R, 6 S体) :
HP LC保持時間 26.2分、 CDスペク トルで 366nm, 317nmに正のコッ トン効果 不した。
以下の実施例 2〜5の化合物は、 フアルネサン酸クロ リ ドに代えて、 相当する 酸ク口リ ドまたは酸無水物を用いる以外は、 実施例 1の方法に準じて合成した。 実施例 2
4, 5-ェポヰシ- 1- ラウロイル了ミノ -3, 6- ジォキソシクロへキセン (化合物 I -2)
Rf 0.45 (1/4酢酸ェチル へキサン)
M1NMR (CDC ) δ; 0.88 (L, 311, J-B.9 Hz), 1.2-1.4 (m, 1611), 1. G7 (quin tet, 211, J=7.5 llz), 2. 0 (t, 211, J-7.5 Hz), 3.82 (dd, 111, J=2. , 3.7 Hz) , 3.90 (d, 1H, J=3.7 Hz), 7.54 (d, 111, J=2.2 llz), 7.80 (bs, 111)
FAB-MS (M/Z) ;322(M+1) +
実施例 3
4, 5 -ェポキシ- 1-パルミ トィル了ミノ -3, 6- ジォキソシクロへキセン (化合物 1 -3)
Rf 0.20 (1/4酢酸ェチル Zへヰサン)
'隱 (CDC13) δ ; 0.88 (t, 311, J=7.0 llz), 1.2-1. (m, 2411), 1.67 (qui ntet, 211, J=7.5 llz), 2.40 (t, 211, J=7.5 llz), 3.82 (dd, 111, J=2.3, 3.7 llz ), 3.91 (d, 1H, J=3.7 llz), 7.54 (d, 111, J=2.3 llz), 7.80 (bs, 1H)
FAB-MS (M/Z) ;322 ( +1) +
実施例 4
4, 5 -エポキシ- 1- リノレオイルァミノ- 3, 6 - ジォキソシクロへキセン (化合物 1 -4)
Rf 0.30 (1/4酢酸ェチル /へキサン)
'HNMR (CDCU) 6; 0.89 (t, 311, J=6.8 llz), 1.2-1.4 (m, 1411), 1.67 (quin tet, 211, J=7.0 llz), 2.05 (q, 411, J=7.0 llz), 2. 0 (t, 211, J=7.5 llz), 2.77 (t, 2H, J=6.8 llz), 3.82 (dd, 111, J=2.3, 3.7 llz), 3.90 (d, III, J=3.7 Hz) , 5.29-5.41 (m, 411), 7.54 (d, 111, J=2.3 llz), 7.80 (bs, 111)
FAB-MS (M/Z) ;402(M+1) +
実施例 5
4, 5-エポキシ - 1-ゲラニルゲラノィルァミノ- 3, 6- ジォキソシクロへキセン (
化合物 I一 5 )
Rf 0.30 (1/4酢酸ェチルズへキサン)
1讓 R (CDCU) δ ; 1.59 (d, 311, J=0.7 Hz), 1.60 (bs, 311), 1.62 (bs, 3il ), 1.68 (d, 3H, J=l.1 Hz), 1.98 (quintet, 211, J=7.5 Hz), 2.07 (quintet, 2H, J=7.5 Hz), 2.19-2.21 (m, 711), 3.81 (dd, 111, M.3, 3.7 Hz), 3.90 (d, 1H, J=3.7 Hz), 5.07-5.11 (m, 3H), 5.70 (bs, 111), 7.54 (d, 111, J=2.2 llz) , 7.59 (d, 111, J=2.3 Hz), 7.73 (bs, 111)
FAD-MS ( /Z) ;426(M+1) +
参考例 1
4 -メ トキシ- 2- ニトロフエノール
- 1
4-メ トキシフヱノール 124 mgをジクロロメタンに溶解し、 これにシリカゲル lg を加えて攪拌し、 室温で濃硝酸 0.077 m】を滴下した。 薄層クロマトグラフィー で反応が終了したことを確認した後、 セライ ト濾過した。 溶媒を留去し、 残馇を シリカゲルクロマ トグラフィ一 (ジクロロメタン) で精製し、 4 -メ トキシ- 2- 二 トロフヱノール 98.5 mg (58 %) を得た。
Rf 0.65 (1/9酢酸ェチル /トルエン)
1議 R (CDC13) δ; 3.83 (s, 310, 7.08 (d, 1H, J=9.3 Hz), 7.24 (dd, Hi, J=2.9, 9.3 Hz), 7.51(d, III, J=2.9 Hz), 10.33 (s, 111)
FAB-MS (M/Z) ; 168 (M- 1)一
参考例 2
2-ァミノ- 4- メ トキシフェノール
参考例 1で得られた 4 -メ トキシ- 2- ニトロフヱノール 120 mgを酢酸ェチル 2.4m 1 に溶解し、 これに酸化白金 12 mg を加え、 水素気流下、 室温で 1時間攪拌した 。 反応溶液をセライ ト濾過し、 濾液に塩化水素酢酸ェチル溶液を加えた。 析出物 を濾過後、 乾燥し、 2-ァミノ- 4- メ トキシフヱノール 111 mg (89 %) を得た。
Rf 0.47 (1/9 クロ口ホルム Zメタノール)
'IINMR (CDC13) δ ; 3.75 (s, 311), 6.90 (m, 311).
発 明 の 効 果
本発明により、 抗菌活性および抗腫瘍活性を有するヱポキシシクロへキセンジ
ォン誘導体またはその薬理的に許容される塩が提供される。
1G