WO1991007286A1

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Publication number: WO1991007286A1
Application number: PCT/JP1989/001169
Authority: WO
Inventors: Katsuyuki Oshima; Hideo Fujimura; Jitsuhiko Ando
Original assignee: Dai Nippon Insatsu Kabushiki Kaisha
Priority date: 1988-09-12
Filing date: 1989-11-16
Publication date: 1991-05-30
Also published as: DE68925419D1; DE68928872D1; EP0659579A2; EP0390928A1; DK116190D0; EP0659579B1; DE68925419T3; EP0390928B1; DE68928872T2; EP0390928B2; WO1990002660A1; DE68925419T2; DK174469B1; DK116190A; EP0659579A3; EP0390928A4

Description

明細

受像媒体

技術分野

本発明は記録材料に関し、更に詳しくは熱転写方式によって I Dカードに形成す景る顔写真等の複雑な画像を容易かつ鮮明に形成することができるポリ塩化ビニル製受像媒体に関する。

術

冃

従来、身分証明書、運転免許証、会員証等の多くの力ードが使用され、これらのカードには所有者の身分等を明らかにする各種情報が記録されている。特に I Dカード等においては顔写真が最も重要である。各種カード類に顔写真を付与する古典的な方法は、顔写真をカード基材の所定の部分に接着剤を用いて貼付する方法であるが、この方法はその操作が非常に煩雑であるとともに、カード表面に凹凸が生じて平滑性が失われるという欠点がある。

ところで、従来、昇華転写方法による画像形成方法が開発されている。この昇華転写方法は、基材フィルムの表面に熱によって昇華転写する染料を含む層を設けた昇華転写シートと受像シートとを重ねて、昇華転写シ一トの背面からサーマルへッドにより画像情報に従つて加熱することにより受像シ一卜上に所望の画像を形成する方法であり、簡単な熱転写プリンターで実施できるという利点がある。

ところが、上記の様な昇華転写方式を I Dカードの様なカード媒体に適用する場合には、カード基材は昇華性染料に対して十分な染着性を有していることが要求される。しかしながら、従来のカード基材の大部分は、昇華性染料に対して十分な染着性を有していないため、そのままでは画像形成ができない。このような欠点を解決する方法として、カード基材の表面に、予め昇華性染料に対する染着性にすぐれた受像層を形成しておく方法が考えられるが、この様な受像層をカード基材上に形成することは、工程上繁雑であり、カード基材の製造コストを増大させるという問題がある。さらに、カード基材の表面に別途、受像層を設けた場合、画像形成時に印加される熱に起因して力一ド基材がカールしたり、受像層が剥離するといつた新たな問題が生じる。

発明の開示

本発明は上述した従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、カード基材上に別途受像層を設ける必要がなく、熱転写方式による顔写真などの画像形成を鮮明かつ迅速に行うことができ、しかも熱転写に起因するカールが発生しない受像媒体を提供することを目的としてい上記のような目的を達成するために、本発明の受像媒体は、熱転写シー卜と組み合わせて使用される受像媒体であって、この受像媒体が 1 または複数のポリ塩化ビニル樹脂シ一卜の積層体からなり、かつ、前記受像媒体の構成層のうち、少なくとも前記熱転写シー卜と重ね合わせられて熱転写シートからの染料を受容する層が、ポリ塩化ビニル樹脂 1 0 0重量部に対して 0 . 1 〜 1 0重量部の可塑剤を含有してなるポリ塩化ビニル樹脂組成物からなることを特徴としている。

本発明の受像媒体は、主剤としてポリ塩化ビニル樹脂を用い、しかもこの主剤に可塑剤を含有させ、その含有量を厳格に制御するようにしたので、別途、受像層を形成する必要もなく、画像形成特性と画像品質の双方にすぐれた受像媒体を得ることができる。

特に、本発明において、受像媒体の構造を 3層の対称積層体構造にすることによつて、従来、熱転写方式において発生しがちであつたカールの問題を効果的に防止することができる。

さらに本発明においては、受像媒体の受像面の柔軟温度を特定の範囲内に厳格に制御することによって、印字特性の一層の向上を図ることができる。

さらにまた、本発明の受像媒体においては、受像媒体の受像面に顔料を一切含有させないことによつて画像品質を一層すぐれたものにすることができ、この点においても特徵を有している。

図面の簡単な説明

第 1図、第 2図、第 3図、第 5図ならびに第 6図は各々本発明の実施例に係る受像媒体の構成を示す断面図、第 4図は保護層転写シー卜の断面図である。

発明を実施するための最良の形態次に好ましい実施態様を挙げて本発明を更に詳しく説明する。

本発明において使用するポリ塩化ビニル樹脂それ自体は公知のものであってもよい。

本発明では、ポリ塩化ビニルから受像媒体を作成するに際して、少なくとも受像面を構成する層としてポリ塩化ビニル 1 0 0重量部当り 0 . 1乃至 1 0重量部の可塑剤を包含させたものを用いて受像媒体に成形する。これにより、受像媒体は昇華性染料に対して十分良好な染着性を発揮する。

本発明で使用する可塑剤としては、フタル酸エステル系可塑.剤、リン酸エステル系可塑剤、脂肪族二塩基酸ェステル系可塑剤、エポキシ系可塑剤、ポリエステル系可塑剤、塩素化パラフィンなどが用いられ得る。具体的にはフタル酸ジブチル、フ夕ル酸ジ n - ォクチル、フタル酸ジ（ 2 - ェチルへキシル）、フタル酸ジノニル、フタル酸ジラウリル、フタル酸ブチルラウリル、フタル酸ブチルベンジル、アジピン酸ジ（ 2 - ェチルへキシル）、セバチン酸ジ（ 2 - ェチルへキンル）、リン酸卜リクレジル、リン酸トリ（ 2 - ェチルへキシル）、卜リエチレングリコールエステル、テトラエチレングリコールエステル、エポキシ脂肪酸エステル等従来公知の可塑剂が好ましく使用できる。

これら可塑剤の使用量は前記ポリ塩化ビニル 1 0 0重量部当り 0 . 1乃至 1 0重量部であり、特に好ましい範囲は 3乃至 5重量部である。可塑剤の使用量は厳格に制御する必要があり、 0 . 1重量部未満では、昇華性染料に対する染着性が不十分であり、一方、 1 0重量部を超えるとカード基材の剛性が不足し柔かくなり、熱転写時に昇華型熱転写シートの染料層が融着し、カード基材と熱転写シー卜が剥離不能になったり、染料層が熱転写シートよりはがれ落ちるなどの異常転写が起こる。また、昇華転写時に印字画像に滲みが生じ、鮮明な画像が得られないので好ましくない。

また、本発明の好ましい態様では、上記可塑剤に加えて、更にポリ塩化ビニル 1 0 0重量部当り 0 . 1乃至 5 重量部の滑剤を包含させた場合は、可塑剤を比較的多量に、例えば 5乃至 1 0重量部の割合でポリ塩化ビニルに包含させたとしても、悪影響は出ず、逆に印字特性が向上することを確認している。すなわち、本発明者は、このような複合的な添加によって、転写時における転写シ - トのブ口ッキングが防止され、しかも得られる受像媒体の昇華性染料による染着性が更に向上することを見出している。

このような滑剤としては、脂肪酸、脂肪酸ァミド、ヮックス、パラフィン等従来公知のいずれの滑剤も使用することができる。これらの滑剤の使用量は少なすぎると添加による効果がなく、また、多すぎると得られる受像媒体の表面荒を生じるので好ましくない。また、これらの滑剤を使用することによって、昇華性染料の染着性が向上するのみならず、昇華転写時に比較的高い温度を用いても熱転写シ一卜と受像媒体との間の融着が少なく、より高濃度の画像を更に効率的に形成することができる, 本発明の受像媒体を構成する主要成分は以上の通りであるが、勿論本発明においては、更に着色顔料、白色顔料、体質顔料、充填剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、熱安定剤、酸化防止剤、螢光增白剤等も任意に使用することができる。

本発明の受像媒体は上記の如き必要な成分をブレンドし、このブレンド物をカレンダ一法、押出法等の如き周知の形成方法によって、例えば、 0 . 0 5乃至 l imn程度の厚みのシート状に成形することによって得られ、いわゆるカードサイズに裁断する前のシート及び力一ドサイズに裁断したものの両方を本発明は包含する。

第 1 図及び第 2図は本発明の受像媒体の基本的形態を示す断面図であり、これは厚みが約 0 . 1乃至 1 m のシ一卜状である。この受像媒体 1の表面に公知の昇華型熱転写シート Αの染料層 2を対向して重ね、昇華転写シー卜 Aの背面からサーマルヘッド 3等により加熱することによって、受像媒体 1の表面に所望の画像 4が形成される。勿論、このような受像媒体 1 は予めその面に必要なエンボス模様 5や他の印刷模様 6を予め形成しておいてもよいし、また、昇華転写後にこれらのエンボス 5や印刷模様 6を設けてもよく、更にこれらの画像の耐久性向上のためにその表面に透明保護層 7を全面または一部に形成してもよい。

第 3図示の例は本発明の別の好ましい態様の受像媒体の断面を示すものである。この例の受像媒体 1 1 は、白色顔料を含むセンターコア 1 2 (例えば、厚み ϋ . 1乃至◦ . 8麵白色硬質ポリ塩化ビニル樹脂等）の双方の面にオーバーシート（透明なポリ塩化ビニル層） 1 3をラミネ一トしたものである。このオーバーシー卜 1 3の少なくとも一方が前述の如く特定量の可塑剤（及び滑剤）を含有している。この例においてはセンターコアュ 2は必ずしも所定量の可塑剤を含む必要はなく、その表面のオーバーシート 1 3は前述と同様に十分な染着性を有している。この例ではセンターコア 1 2の表面に予め各種の印刷模様 1 4を形成しておくことができる。

上記のように、受像媒体の構造を 3層の対称積層体搆造にすることは、従来熱転写に際して発生しがちであつたカールの問題を効果的に防止する上で極めて有効である。また、染料受容面を透明なポリ塩化ビニル樹脂で形成することによって、画像の深み、立体感が良く、さらに染料受容面が顔料を含まないことから、艷が良く、印字面のザラツキも少ない。

さらに、本発明の受像媒体は、予めその表面に他の記録、例えば、磁気記録層、筆記層、 I Cメモリ一、バーコ一ド等を設けておくこともできる。

また、本発明においては、受像媒体を構成する前記ポリ塩化ビニル樹脂組成物の柔軟温度（ J I S— K -

6 7 3 4に規定された基準によるもの）を 5 0〜 7 〇の範囲に厳格に制限することによって、サーマルへッドを用いた熱転写における印字特性、特に操作性、染料染着性ならびに画像のにじみ防止性を向上させることができ、さらにはエンボス特性（エンボス文字の形成特性）においても良好なものを得ることができる。

この場合において、柔軟温度が 5 0 未満においては、異常転写が頻繁に起こり、また、特に印字後の画像のにじみが増大し、一方、柔軟温度が 7 0 Cを超えてしまうと染料染着性が著しく低下するので好ましくない。しかも、柔軟温度が 7 0 Cを超えると、良好なエンボス文字を形成することが困難となり、エンボス部分に細かいクラックが入ったりするので不適当である。

本発明における受像媒体は、帯電防止剤を含有してもよく、または帯電防止剤を表面に塗布してもよい。帯電防止剤としては、陽イオン型界面活性剤（例えば、第 4 級アンモニゥム塩、ポリアミン誘導体等）、陰イオン型界面活性剤（例えば、アルキルホスフュート等）、両性イオン型界面活性剤（例えば、ベタイン型のもの等）若しくは非イオン型界面活性剤（例えば、脂肪酸エステル等）が使用でき、更にポリシロキサン系のものも使用できる。これらの帯電防止剤を塗布、または含有させることによつて染料受容体を枚様で印字する際の静電気による搬送トラブルを解消し、また、染料受像体が磁気記録層や I Cメモリーをもつ場合は、メモリ一内容の静電破壊を防止することができる。このような観点で、表面抵抗値の好ましい範囲は、 1 0 ⁸ 〜： L 0 ^ Q Z cifである。また、 I Cメモリー、光メモリーの付与については、公知の技術、たとえば日本特許公開昭 6 1 - 1 0 3 2 8 7 号公報に記載の技術を適用することができる。

画像形成

—般に、熱転写シー卜は大別すると、それらの熱転写層が加熱によって溶解または軟化して画像状に被熱転写材に熱転写される、所謂溶融ィンキ転写タイプの熱転写シートと、加熱によつて熱転写層中の染料が昇華（熱移行）して染料のみが画像状に被熱転写材上に熱転写する、所謂昇華染料転写タイプの熱転写シートとに大別される。

以上の如き熱転写シー卜で、身分証明書等の I Dカードを作成する場合、溶融ィンキ転写タイプの熱転写シ一卜の場合は、文字や数字等の如き単調な画像の形成は容易であるが、顔写真等の如き階調性画像の形成が困難であるという問題があり、一方、昇華転写型の熱転写シ一卜の場合には、逆に顔写真等の階調性画像は優れるが、文字や記号等の画像は濃度及びシヤープさが不足し、赤外線で読み取り可能な 0 C R文字やバーコ一ド等が形成出来ず、従っていずれも満足出来る画像が形成出来ない。

この様な欠点を解決する方法としては、上記溶融型転写シートによる印字と昇華型転写シートによる印字とを併用する方法が好ましい。

上記の方法において用いられる熱溶融性インキ層形成用のインキは、着色剤とビヒクルとからなり、更に必要に応じて種々の添加剤を加えたものでもよい。

上記着色剤としては、有機または無機の顔料若しくは染料のうち、記録材料として良好な特性を有するもの、例えば、十分な着色濃度を有し、光、熱、温度等により変褪色しないものが好ましい。着色剤としては、シアン、マゼン夕、イェロー等も使用出来るが、本発明の目的には高濃度で明瞭な文字や記号を印字出来るブラックの着色剤が好ましい。

ビヒクルとしては、ワックスを主成分とし、その他ヮックスと乾性脂、樹脂、鉱油、セルロース及びゴムの誘導体等との混合物が用いられる。ワックスの代表例としては、マイクロクリス夕リンヮックス、カルナウノくワックス、ノ、。ラフィンワックス等力く' ある。更に、フィッシヤートロプシュワックス、各種低分子量ポリエチレン、木ロウ、ミツロウ、鯨ロウ、イボタロウ、羊毛ロウ、セラックワックス、キャンデリラヮックス、ペトロラクタム、一部変性ワックス、脂肪酸ェステル、脂肪酸ァミド等、種々のワックスが用いられるしかしながら、塩化ビニル樹脂への接着性、耐スクラッチ性の観点からブラックインキは、以下の樹脂バインダ —を使用することがより好ましい。

① ァクリル樹脂

② ァクリル樹脂 +塩化ゴム

③ ァクリル樹脂 +塩化ピニル /酢酸ビニル共重合体樹脂

④ アクリル樹脂 +セルロース系樹脂

⑤ 塩化ビニル /酢酸ビニル共重合体樹脂

基材フィルム上又はその上に予め設けた剥離層上に熱溶融性ィンキ層を形成する方法としては、ホットメノレトコートの外、ホットラッカ一コート、グラビアコート、グラビアリバースコート、ロールコートその他多くの手段で上記インキを塗布する方法等が挙げられる。形成されるィンキ層の厚さは、必要な濃度と熱感度との調和がとれる様に決定すべきであって、例えば、通常はインキ層の厚みが約 0 . 2乃至 l O mの範囲が好ましい。上記熱溶融性インキ層の形成に先立って、熱溶融性ィンキ層の剥離を容易にする為に基材フィルムの面に剥離層を形成することが好ましい。かかる剥離層は前記の如くきワックス類、シリコーンワックス、シリコーン樹脂、弗素樹脂、アクリル樹脂、セルロース樹脂、塩化ビニル Z酢酸ビニル共重合樹脂、硝化面樹脂等の剥離剤から形成する。形成方法は前記昇華性染料層や熱溶融性インキ層の形成方法と同様でよく、その厚みは 0 . 1乃至 5 m程度で十分である。また、転写後に艷消し印字ゃ艷消し保護層が望ましい場合には、剥離層中に各種の粒子を包含させて表面をマツト状にすることが出来る。

次に、昇華型熱転写シー卜について説明する。

まず、熱転写シートの基材フィルムとしては、従来の熱転写シートに使用されているものと同じ基材フイルムがそのまま用いることが出来ると共に、その他のものも使用することが出来、特に制限されない。

好ましい基材フィルムの具体例としては、例えば、グラシン紙、コンデンサ紙、パラフィン紙等の薄葉紙が有用であり、その他に、例えば、ポリエステル、ポリプロピレン、セロハン、ポリカーボネート、酢酸セルロース、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ナイ口ン、ポリイミド、ポリ塩化ビニリデン、アイオノマ一等のプラスチック或いはこれらと前該紙とを複合した基材フィルム等が挙げられる。この基材フィルムの厚さは、その強度及び耐熱性等が適切になる様に、材料に応じて適宜変更することが出来るが、その厚さは、好ましくは、 3乃至 1 0 0 mである 0

熱転写シートの染料層は、昇華性染料を任意のバインダー榭脂で上記基材フィルム上に担持させた層である。使用する染料としては、従来公知の昇華タイプの熱転写フィルムに使用される染料はいずれも本発明に有効に使用可能であり、特に制限されない。例えば、幾つかの好ましい染料としては、赤色染料として、 MS Red G、

Macro l ex Red Vi o l et R 、 Ceres Red 7B、 Samaron Red HBSL、 SKルビン SEGL等が挙げられ、又、黄色の染料としては、ホロンブリリアントイエロー、 S-6GL 、 PTY-52. マクロレックスイエロ一 S - 6G等が挙げられ、又、青色染料としては、カャセットブル一 714 、ワクソリンブルー AP-FW 、ホロンブリリアントブルー S-R 、 MSブル一 100 、ダイ卜一ブル一 No. 1等が挙げられる。

上記の如き染料を担持する為のバインダ一としては、従来公知のものがいずれも使用出来、好ましいものを例示すれば、ェチルセルロース、ヒドロキシェチルセル口ース、ェチルヒドロキシセノレロース、ヒドロキシプロピノレセルロース、メチルセルロース、詐酸セルロース、酪酸セルロース等のセルロース系樹脂、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルプチラール、ポリビニルァセタール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド等のビニル系樹脂等が挙げられるが、特にポリビニルァセタ一ルゃポリビニルプチラ一ル等が耐熱性や染料の熱移行性等の点から好ましいものである。

染料層は基本的には上記の材料から形成されるが、その他必要に応じて従来公知の各種の添加剤も包含することが出来る。

この様な染料層は、好ましくは適当な溶剤中に前記の染料、バインダー樹脂、その他の任意成分を加えて各成分を溶解又は分散させて染料層形成用ィンキを調製し、これをグラビア印刷法等により上記の基材フィルム上に印刷及び乾燥させて形成する。勿論、この印刷に際しては単色印刷でもよいが、本発明の目的には力ラー画像が形成出来る様にイェロー、マゼン夕及びシアンの 3色又はブラックを加えた 4色の多色印刷が好ましい。

保護層の形成

前述したように、昇華型の画像形成の場合には、顔写真等の階調性画像を形成することが出来るが、形成された画像は通常の印刷ィンキとは異なり、ビヒクルが無い為、画像の光沢が不足し、また、同様の理由で耐摩擦性等の耐久性に劣るという問題がある。

この様な問題点を解決する方法としては、形成された画像面に透明フィルムをラミネー卜する方法がある。しかし、この方法は操作が煩雑であると共に、カード全体にラミネートする為、カードにカールが生じたり、更にラミネ一卜の操作上あまり薄いフィルムは使用出来ず、従ってラミネ一卜されたカード全体が厚くなるという問題がある。

上記の問題は、以下の様な保護層転写用シートを用いて保護層を形成することによつて解決することができるこの方法で用いる保護層転写用シー卜は、基材フィルム上に、ヮックス含有透明樹脂よりなる剥離保護層と熱により塩化ビニル樹脂に融着転写されるヒートシール) とからなる保護層を剥離可能に設けてなることを特徴としている。

上記のシートを用いて、保護層を画像の表面に転写すると、この保護層は印字時の熱によって画像上に容易に転写されるので、簡便な操作で耐久性、特に耐摩擦性、光沢、発色性等に優れ且つカールを生じない優れた印刷物を得ることができる。

第 4図は好ましい 1実施例に係る保護層転写シー卜の断面を図解的に示すものである。この実施例の保護層転写シ一卜は、基材フィルム 4 1上に、接着改良層 4 2を介してヮックス含有透明樹脂よりなる剥離保護層 4 3、ヒートシール層 4 4が剥離可能に設けられている。

尚、図中の 4 2は接着改良層であり、剥離保護 lgと基材フィルムとの接着性を改良して保護層のはく切れを良くする作用を有する。剥離保護層と基材フィルムとの接着性が悪いと転写の際に保護層の加熱部分以外が加熱部分とともに剥離してしまい、はく切りが悪くなる。

4 5は耐熱滑性層であり、プリンターのサ一マルへッドは粘着を防止する作用を有している。この層 4 5は、基材フィルムの耐熱性ゃスリップ性が良好である場台には不要である。

上記基材フイルム 4 1 としては、従来の熱転写フィルムに使用されていると同じ基材フィルムがそのまま用いることが出来ると共に、その他のものも使用することが出来、特に制限されない。

好ましい基材フィルム 4 1の具体例としては、例えば、グラシン紙、コンデンサ紙、パラフィン紙等の薄葉紙が有用であり、その他に、例えば、ポリエステル、ポリプロピレン、セロハン、ポリカーボネート、酢酸セル口一ス、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ナィロン、ポリイミド、ポリ塩化ビニリデン、アイオノマ一等のプラスチック或いはこれらと前該紙とを複合した基材フィルム等が挙げられる。

この基材フィルム 4 1の厚さは、その強度及び耐熱性等が適切になる様に、材料に応じて適宜変更することが出来るが、その厚さは、好ましくは、 3乃至 1 0 0 m である。

接着性改良層 4 2としては基材フィルムと剥離保護層 4 3の接着をより強固にするものであればよく、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、アクリルポリオール系樹脂、塩化ビニル -酢酸ビニル共重台体系樹脂等を単独若しくは混合して塗布し使用する。また、必要に応じてポリィソシァネート等の反応性硬化剤を添加してもよい。更にチタネート及びシラン系のカツプリング剤を使用してもかまわない。また、必要に応じて 2層以上積層してもよい。

剥離保護層 4 3は、上記接着性改良層上に設ける透明樹脂とワックスとの混合物から形成する。

透明樹脂としては、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、ァクリル樹脂、エポキシ樹脂、変性セルロース樹脂、ポリビニルァセタール樹脂、シリコーン樹脂、フッ素系樹脂等が挙げられ、好ましくは、ァクリル樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂である。これらの樹脂は透明性に優れており、比較的強靭な被膜を形成する。また転写時における膜切れも良好である。しかし、滑性が不十分であるので表面摩擦によつて傷が付き易い。

本発明ではこれらの透明樹脂にワックスを混合することによつて保護層の滑性が良好になる。

本発明で使用するワックスの代表例としては、マイク口クリスタリンワックス、カノレナウノくワックス、ハ。ラフィンワックス等がある。更にフィッシヤートロプシュヮックス、各種低分子量ポリエチレン、木ロウ、ミツロウ、鲸ロウ、イボタロウ、羊毛ロウ、セラックワックス、キヤンデリラワックス、ペトロラクタム、一部変性ヮックス、脂肪酸エステル、脂肪酸ァミド等の種々のワックスが用いられる。

上記ヮックスの使用量は、前記透明樹脂 1 ◦ 0重量部当り 0 . 5乃至 2 0重量部の範囲が好ましく、ワックスの使用量が少なすぎると、保護層形成時の保護層の耐摩耗性が不十分となり、一方、多すぎると、保護層被膜の耐久性、透明性が不十分になるので好ましくない。

上記透明樹脂とワックスとの混合方法は、両者を溶融混合する方法や、両者を溶解する適当な有機溶剤中に溶解して混合する方法等、その混合方法は特に限定されない。

特に好ましくは、透明樹脂を分散液（又は乳化液）として使用し、一方、ワックスを溶液又は分散液（乳化液）として使用し、両者を混合することが好ましい。この様な分散液（乳化液）を使用し、基材フィルムに塗工した後、これらの樹脂粒子の少なくとも一部が残る様に、比較的低温で乾燥して成膜する。この様に形成された被膜は樹脂粒子が残っているので表面が粗く、一部白濁しているが、熱転写時に熱及び圧力によって表面が平滑になり透明被膜として転写させることが出来る。

基材フィルム 4 1 に予め設けた接着性改良層 4 2上に剥離保護層 4 3を形成する方法としては、グラビアコート、グラビアリノ、ースコート、ロールコートその他多くの手段で上記樹脂とワックスとからなるィンキを塗布及び乾燥する方法等が挙げられる。透明樹脂層を樹脂とヮックスとの混合分散液から形成する場合には、塗工後の乾燥は樹脂粒子の溶融点以下の温度、例えば、 5 0乃至 1 0 O t:程度の比較的低温で行うことが好ましい。この様な温度で乾燥することによって、樹脂粒子が残ったまま成膜されるので、転写時の膜切れが著しく向上し、転写被膜の滑性が保持される。

また、剥離保護層には実質的に透明な無機または有機の微粒子を混合させることができる。微粒子を混合させることにより、剥離保護層のハク切れ、耐摩耗性をさらに向上させることができる。また、保護層の表面の光沢をおさえ、マツ卜な表面を得ることができる。

このような微粒子としては、シリカ及びテフロンバウダー、ナイロンパウダー等の比較的透明性の高いものが好ましい。添加量は、剥離保護層の樹脂に対して 1 〜 3 0重量％であることが好ましい。この場合の添加量が多過ぎると、保護層の透明性、被膜の耐久性が悪くなる < 剥離保護層の厚みは、好ましくは 0 . 5乃至 5 mである。

更に上記の剥離保護層の表面には、塩化ビニル榭脂よりなる染料受像体への転写性を良好にする為に、ヒー卜シール層 4 4を設ける。ヒートシール層は、例えば、ァクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニル ♦ 酢酸ビニル共重合樹脂、アクリル，塩化ビニル ·酢酸ビニル共重合体、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、等の如く熱時接着性の良好な樹脂の溶液を塗布及び乾燥することによつて、好ましくは 0 . 5乃至 m程度の厚みに形成する。

これらの樹脂のうち、特に塩化ビニル樹脂との接着性が良好でしかもハク切れの良いものは、塩化ビニル ♦酢酸ビニル共重合体、アクリル♦塩化ビニル ♦酢酸ビニル共重合体、アクリル樹脂、ポリアミド樹脂である。

また、上記剥離保護層および/またはヒ一卜シール層の形成に際しては、該層に、紫外線吸収剤、酸化防止剤、螢光増白剤等の添加剤を含有させることによって、被覆される各種画像の光沢、耐光性、耐候性、白色度等を向上させることができる。

以上が本発明で用いる保護層転写シート構成であるが、かかる保護層転写シー卜の保護層は、基材フィルム上に単独に設けてもよいし、昇華型染料層や溶融転写ィンキ層と面順次に設けてもよいのは当然である。

上記の如き保護層転写シートを用いて保護する画像は、塩化ビニル樹脂よりなる染料受像体上に昇華型熱転写方法及び/又は溶融ィンク型熱転写方法による画像または、文字情報であるバーコ一ド等が、これらに限定されない。特に昇華転写画像に適用する場合には、該画像の保護層が形成されるとともに、転写時の熱によって幽像を形成している染料が再発色処理されるので、画像が一層鲊明になるという効果がある。

受像媒体には、エンボス、サイン、 I C メモリー、光メモリ一、磁気記録層、他の印刷等が設けられていてもよいし、保護層転写後にエンボス、サイン、磁気記録層等を設けることも可能である。また、本発明のカード基材をもちいれば、画像形成後の顔写真上にエンボスを施こすこともでき、カードの改ざん防止に非常に有効である

上記本発明の染料受像体、及び保護層転写シートを用いる転写印字物（カード）の製造例を第 5図、第 6図を参照して説明する。

先ず、白色顔料を含む塩化ビニル樹脂よりなるセン夕一コア 5 6の両面に、可塑剤及び滑剤を含み、有色顔料を含まない透明塩化ビニル樹脂 5 7， 5 7 ' をラミネ一卜したカード形態の受像媒体 5 8を用意した。この受像媒体の表面に、昇華型熱転写シー卜のイエロ—染料層を重ね、色分解信号に従って作動するサ一マルプリン夕ーによりイェロー画像 5 9 Yを転写する。同様に同一領域にマゼン夕画像 5 9 M及びシアン画像 5 9 Cを転写して所望のカラー画像 5 9を形成する。次に溶融インキ型熱転写シートを用いて同様に所望の文字、記号、バーコ一ド等 5 8を印字する。更に上記の保護層転写シートを用いて上記カラー画像 5 9及びノ又は文字等の画像 6 0上に剥離保護層及びヒートシール層を転写して保護餍を形成する。この様にして所望の情報、画像が形成された力一ドが得られる。

上記の転写に際しては、サーマルプリンターは、昇華転写用、溶融ィンキ転写用、保護層転写シート用と別々に（好ましくは連続して）設定してもよいし、また、これらの転写は、共通のプリンタ—で夫々印字エネルギーを適切に調整して行ってもよい。尚、本発明では保護層転写シ一トを加熱する手段としてはサーマルプリン夕ーに限定されず、その他熱板、熱ロール、アイロン等であつてもよい。

次に実施例及び比較例を挙げて本発明の実施例を更に具体的に説明する。尚、文中、部又は％とあるのは特に断りのない限り重量基準である。

実施例 1乃至 7及び比較例 1乃至 3

下記第 1表の組成により本発明及び比較例の染料受容シート（白色のカード基材）（厚み 0 . 2誦、サイズ 1 0 X 2 0 cm ) を作成した。

成分

実施例 P V C 顔料可塑剤滑剤実施例 1 1 0 0 1 0 0. 5 〇 . 〇実施例 2 1 0 0 1 0 1 0. 〇実施例 3 1 0 0 1 0 3 0. 5 実施例 4 1 0 0 1 0 5 1 実施例 5 1 0 0 1 0 1 0 0. 0 実施例 6 1 0 0 1 0 1 0 3 実施例 7 1 0 0 1 0 1 〇 5 比較例

比較例 1 1 0 0 1 0 0. 0 0. 〇比較例 2 1 0 0 1 〇 1 5 0. 0 比較例 3 1 0 0 1 〇 2 0 〇 . 0

P V A ：安定剤等の添加剤を約 1 0 %含有するポリ塩化ビニル（重合度 80 0 ) コンパウンド顔料：酸化チタン

可塑剤： D O P (フタル酸ジォクチル）

滑剤：ステアリン酸アミド

次に、下記組成の 3色の昇華性染料を夫々含む 3色のィンキを調製した。

イェローィンキ

分散染料（Macrolex Yellow 6G、バイエル社製、 C.I . Disperse Yel low 201 ) 5 , 5部ポリビニルプチラール樹脂（エスレック BX-i、積水化学製） 4. 5部

メチルェチルケトン / トルエン（重量比 1 Z 1 )

89. 0部マゼンタインキ

染料としてマゼンタ分散染料（ 1. Disperse Red 60 ) を使用した他はイエロ一インキと同様。

シアンィンキ

染料としてシアン分散染料（ I. Solvent Blue 63 ) を使用した他はイェローインキと同様。

上記ィンキ組成物をダラビアコート方法により、背面に耐熱スリップ層（厚み 1 m) を形成し、且つ表面にポリウレタン系樹脂からなる接着改良層（厚み ϋ . 5 U m ) を形成してある厚さ 4, 5 mのポリエステルフイルムの表面に、塗布量が約 3 g /irfになる様に、夫々イェロー、マゼンタ及びシアンの順に面順次に幅 1 5 cm に鎳り返し塗布及び乾燥して 3色の昇華性染料層を含む熱転写シートを形成した。

前記のカード基材の面に上記昇華型熱転写シートを重ね、顔写真を色分解して得た電気信号に連結したサーマルへッドで熱エネルギーを付与し、シアン、マゼン夕及びイエローの順に昇華転写を行い、フルカラ一の顔写真を形成した。

次に上記と同様のポリエステルフィルムの表面に下記の組成の剥離層用ィンキを固形分基準で 1 g Z nfの割合でグラビアコート方法により塗布及び乾燥して剥離層を形成した。

剥離層用ィンキ

アタリル系樹脂 2 〇部メチルェチルケトン 1 0 0部トルエン 1 0 0部次に、上記剥離層の表面に塗布量が約 3 g-ノ nfになる様にグラビアコート法により下記ィンキを塗布及び乾燥して熱溶融性インキ層を形成し、熱溶融型の熱転写シートを作成した。

熱溶融性ィンキ

ァクリル Z塩化ビニル /酢酸ビニル共重合体系樹脂

2 〇部カーボンブラック 1 0部トルエン 3 5部メチルェチルケトン 3 5部前記の顔写真を形成したカードの画像余白部分に上記溶融ィンキ型熱転写シートを重ね、数字、漢字等文字及びバーコ一ド等の記号画像を形成した。

上記で得られた本発明及び比較例のカードの顔写真の発色濃度、鮮明性及び昇華転写時の熱転写シー卜の異常転写の状態を調べ下記第 2表の結果を得た。第 2 表

* 1 ；熱転写シートの染料層がそのまま部分的に転移し解像度が著しく不良。

* 2 ；画像に滲みが生じ、解像度が不良。

発色濃度は肉眼で比較し、最も高濃度のものを ©、中程度のものを〇、劣るものを Xで表した。

鮮明性は肉眼で比較し、最も鮮明なものを◎、中程度のものを〇、劣るものを Xで表した。

耐異常転写性は、昇華転写後転写シー卜の剥離が容易であるものを◎、やや困難なものを〇、剥離困難で染料層自体が力一ド基材に転写するものを Xとした。実施例 8乃至 1 4及び比較例 4乃至 6

下記の組成により白色の力一ド基材コア（厚み 0. 2 rams サイズ 3 0 x 3 0 cm) を作成した。

安定剤等の添加剤を約 1 0 %含有するポリ塩化ビニル（重合度 80 0 ) コンパウンド 1 0 0部白色顔料（酸化チタン） 1 5部次に下記第 3表の組成により透明シート（厚み

0. 1 5 ram) を作成し、上記白色コアの両面に熱圧着させて実施例及び比較例のカード基材を作成した。

上記の力一ド基材の面に実施例 1 と同様にして階調画像及び単調転写画像を形成し同様な性能を調べたところ、第 2表と同様な結果が得られた。

実施例 1 5ないし 1 9及び参考例 1 ， 2

受像媒体を構成する前記ポリ塩化ビニル樹脂組成物の柔軟温度（ J I S— K一 6 7 3 4に規定された基準によるもの）の与える影響を調べるために、下記のような試験を行った。

まず、厚さ 6 7 0 mの白色顔料を含有する塩化ビニル樹脂よりなるセンターコァの両面に、下記の組成の透明塩化ビニル樹脂組成物からなるオーバーシート（厚さ 7 0 〜 1 5 0 ^ m ) をラミネートし、受像媒体を形成した。この場合のオーバーシートの柔軟温度としては、下記第 4表に示すものを製造した。柔軟温度の調整は、可塑剤、滑剤の種類及び量、 P V Cの分子量及び他の樹脂との共重合等で適宜調整することによって行った。

実施例 1 三菱樹脂製ビニホィル C 1 4 3 6 実施例 2 三菱樹脂製ビニホイル C 0 4 3 6 実施例 3 三菱樹脂製ビニホイル C 0 4 4 6 実施例 4 三菱樹脂製ビニホィル C 4 0 2 0 参考例 1 三菱樹脂製ビニホィル C 8 5 0 " 参考例 2 三菱樹脂製ヒシレックス 5 0 2 " これらのサンプル媒体について、異常転写の有無、染料染着性、印字後の画像のにじみ、ならびにエンボス適性を試験した。結果を下記第 4表に示す。第 4 表実施例 15 実施例 16 実施例 17 実施例 18 '雄例 19 参考例 1 参考例 2 柔軟温度 V 66 65 62 60 57 45 j: L L

ίまとんと 1

ίまとんと ίまとんと

異常転写なしなしありなしなしなしなし染料染着性普通普通良好良好良好不良良好

Ρ qΠ J宁 - 3- 1¾四 1豕 V·

なしなしなしなしなし発生にじみなしエンボス適性良好良好良好良好良好不適良好

実施例 2 0 , 2 1及び参考例 3ないし 5

実施例 2 0

片面に耐熱滑性層を設けた 4. の P E Tフィルムのもう一方の面にポリエステル系接着改良層（ 0. 1 i/ m) を設け、その上面に更に下記組成のヒートシール層剥離保護層をダラビアコート方法により順次塗布、乾燥して保護層とし、保護層転写シートを作成した。

剥離保護層（乾燥後の塗布量： 4 g- /nf)

ァクリル樹脂

(三菱レ一ヨン㈱製： B R— 83 ) 2 0重量部ポリエチレンワックス 1重量部メチルェチルケトン 5 〇重量部トルエン 5 0重量部ヒートシール層（乾燥後の塗布量： 1 g /irf)

アクリル ·塩化ビニル♦酢酸ビニル共重合体

(昭和ィンク㈱製： H S— 3 2 G) 2 0重量部メチルェチルケトン 1 0 0重量部トルェン 1 0 0重量部次に、前記実施例 1 において画像を形成した受像媒体の表面に上記保護層転写シートを重ねて、耐熱滑性層側よりサーマルへッドで加熱し、染料画像上に保護層を転写した。

実施例 2 1

実施例 2 0において剥離保護層、ヒートシール層を下記の組成に変えて同様に塗布し、保護層転写シートを作製した。

剥離保護層（乾燥後の塗布量： 2 g /irf)

ァクリル樹脂

(三菱レーヨン㈱製： B R— 8 5 ) 2 0重量部ポリエチレンワックス 1重量部微粒子シリカ 1重量部

(日本ァェロジェル㈱製： R _ 9 7 2 )

メチルェチルケトン 1 0 0重量部トルェン 1 0 0重量部ヒートシール層（乾燥後の塗布量： 1 g Znf) ナイロン樹脂 2 0重量部

(東亜合成化学㈱製： F S 1 7 5 )

メチルェチルケトン 1 0 0重≤部トルェン 1 0 0重量部次に実施例 2 0と同様にして上記保護層転写シートを用いて染料画像上に保護層を転写した。

参考例 3

片面に耐熱滑性層を設けた 4 , 5 mの P E Tフィルムのもう一方の面にポリエステル系接着改良層（ 0. 1 m) を設け、その上面に下記組成の 1層よりなる保護層を塗布し、保護層転写シートを作製した。

保護層（乾燥後の塗布量： 4 g- /irf)

ポリビニルプチラール樹脂 2 0重量部 (積水化学㈱製：エスレック B X— 1 )

メチルェチルケトン 5 0重量部トルェン 5 0重量部次に実施例 2 0と同様にして上記保護層転写シー卜を用いて染料画像上に保護層を転写した。

参考例 4

実施例 2 ◦において剥離保護層、ヒートシール層を下記の組成に変えて同様に塗布し、保護層転写シートを作製した。

剥離保護層（乾燥後の塗布量： 4 g- /rr )

ポリスチレン樹脂 2 0重量部

(電気化学工業㈱製： T P— S X 3 0 1 )

メチルェチルケトン 5 0重量部トルエン 5 0重量部ヒートシール層（乾燥後の塗布量： 1 g Znf)

エチレン ♦ ェチルァクリレート樹脂 2 0重量部 (三井，デュポンポリケミカル線製： A— 7 04 ) メチルェチルケトン 1 0 0重量部トルェン 1 0 0重量部次に実施例 2 0と同様にして上記保護層転写シートを用いて染料画像上に保護層を転写した。

参考例 5

実施例 1において画像を形成した受像媒体の表面に保護層を設けないものを作成した。以上で得られた染料転写印字物を評価し、下記第 5表の結果を得た。

第 5 表

*耐摩擦性はゲート適性試験機（立石電機製： N A W 2 ) にて 1 0 0 0回及び 3◦ 0 0回ゲートを通し、熱転写印字記録物を目視により観察した。

◎ ：摩擦による染料画像のにじみも傷による保護層の曇りもなかった。

〇摩擦による染料画像のにじみはなかつたが、傷により保護層がやや曇つた

△ 摩擦により染料画像がややにじんだ。また、傷による保護層の曇りがひどく画像が観察しづらい。

X 摩擦により染料画像がにじみ、観察不能となった。

産業上の使用可能性

本発明の受像媒体は、カード形態の受像媒体として特にすぐれた特性を有しており、身分証明書、運転免許証、会員証などの各種情報カードとして広く用いることがでさ o

Claims

請求の範囲

1 . 熱転写シートと組み合わせて使用される受像媒体であつて、この受像媒体が 1または複数のポリ塩化ビニル樹脂シー卜の積層体からなり、且つ、前記受像媒体

■ 5 の構成層のうち、少なくとも前記熱転写シー卜と重ね合わせられて熱転写シートからの染料を受容する層が、ポリ塩化ビュル樹脂 1 0 0重量部に対して 0 . 1 〜 1 〇重量部の可塑剤を含有してなるポリ塩化ビニル榭脂組成物からなることを特徴とする、受像媒体。

10 2 . 前記熱転写シートと重ね合わせられて熱転写シートからの染料を受容する層が、さらにポリ塩化ビニル樹脂 1 0 0重量部に対して 0 . 1 ~ 5重量部の滑剤を含有する、請求項 1に記載の受像媒体。

3 . 前記熱転写シー卜と重ね合わせられて熱転写シ

15 一卜からの染料を受容する層が、顔料を含まない暦からなる、請求項 1に記載の受像媒体。

4 . 前記受像媒体が、硬質ポリ塩化ビニル樹脂からなるセンターコアの両面にポリ塩化ビニル樹脂組成物からなるオーバ一シートが積層された 3層構造の積層体か

20 らなる、請求項 1 に記載の受像媒体。

5 . 前記ポリ塩化ビニル樹脂組成物の柔軟温度

( J I S — K — 6 7 3 4の基準による）力《 5 0〜 7 0。C の範囲にある、請求項 1 に記載の受像媒体。

6 . 前記センタ一コアとオーバ一シートとの間に印刷情報を有する、請求項 4に記載の受像媒体。

7 . 前記センターコアが白色硬質ポリ塩化ビニル樹脂からなり、前記オーバーシートが実質的に透明のポリ

5 塩化ビニル樹脂組成物からなる、請求項 4に記載の受像 - 媒体。

8 . 熱転写シー卜と受像媒体とを組み合わせて受像媒体に画像を記録する方法であって、 1 または複数のポリ塩化ビニル樹脂シートの積層体からなり、かつ、前記

10 受像媒体の構成層のうち、少なくとも前記熱転写シートと重ね合わせられて熱転写シートからの染料を受容する層が、ポリ塩化ビニル樹脂 1 ◦ ◦重量部に対して◦ . 1 〜 1 0重量部の可塑剤を含有してなるポリ塩化ビニル樹脂組成物からなる受像媒体に対して、昇華型熱転写シ

15 トによる昇華画像形成と溶融型熱転写シートによる溶融ィンキ画像形成とを複合的に組み台わせて行うことを特徴とする、熱転写画像形成方法。

9 . 前記昇華型熱転写シートによる昇華画像形成によってイェロー、マゼンタおよびシアンの階調画像を形

20 成し、前記溶融型熱転写シートによる黒色の堪調画像を形成する、請求項 8に記載の熱転写画像形成方法。

1 0 . 熱転写シ一トと受像媒体とを組み合わせて受像媒体に画像を記録するにあたって、 1 または複数のポリ塩化ビニル樹脂シートの積層体からなり、かつ、前記受像媒体の構成層のうち、少なくとも前記熱転写シ一トと重ね合わせられて熱転写シートからの染料を受容する層が、ポリ塩化ビニル樹脂 1 0 ◦重量部に対して、

0 . 1 〜 1 0重量部の可塑剤を含有してなるポリ塩化ビニル樹脂組成物からなる受像媒体に対して、昇華型熱転写シートによる昇華画像形成と溶融型熱転写シートによる溶融ィンキ画像形成とを複合的に組み合わせて行うことによつて得られた熱転写印刷物。

1 1 . 複合的な画像形成を行ったのちに、さらに印字画像表面に保護層を積層した、請求項 1 0に記載の熱転写印刷物。

1 2 . 前記保護層が、熱により溶融ないし軟化して前記オーバーシート表面に融着し得る樹脂からなるヒー卜シート層と、このヒ一卜シール層表面に形成された剥離保護層とからなる、請求項 1 0に記載の熱転写印刷物 <

1 3 . 前記剥離保護層中に、さらに滑剂及び/または実施的に透明な有機ないし無機物質の微粒子を含有する、請求項 1 0に記載の熱転写印刷物。

1 4 . エンボス情報を有する、請求項 1 0に記載の熱転写印刷物。

1 5 . 前記ヒートシール層が、塩化ビニル · 酢酸ビニル共重合体、アクリル .塩化ビニル · 酢酸ビニル共重合体、ァクリル樹脂およびポリァミド樹脂からなる群より選択された少なくとも 1種からなる、請求項 1 0に記載の熱転写印刷物。

1 6 . 前記剥離保護層が、アクリル樹脂、変性セルロース樹脂、シリコーン樹脂およびフッ素樹脂からなる群より選択された少なくとも 1種からなる、請求項 1 0 5 に記載の熱転写印刷物。

•

1 7 . 受像媒体が磁気記録層を有している、請求項 1 0に記載の熱転写印刷物。

1 8 . 受像媒体が I C メモリーを有している、請求項 1 0に記載の熱転写印刷物。

10 1 9 . 受像媒体が光記録層を有している、請求項

1 0に記載の ¼転写印刷物。

2 0 . 基材フィルムの一方の面に耐熱滑性層を設け、他方の面に接着改良層、剥離保護層ならびにヒー卜シール層をこの順序で積層してなることを特徴とする、保護 15 層転写シート。

2 1 . 前記ヒートシール層が、塩化ビニル♦酢酸ビニル共重合体、アクリル ·塩化ビニル ·酢酸ビニル共重合体、ァクリル樹脂およびポリアミド樹脂からなる群より選択された少なくとも 1種からなる、請求項 2 0に記 20 載の保護層転写シート。

2 2 . 前記剥離保護層が、アクリル樹脂、変性セルロース樹脂、シリコーン榭脂およびフッ素榭脂からなる群より選択された少なくとも 1種からなる、請求項 2 0 に記載の保護層転写シート。

23. 受像媒体がカード形態である、請求 ¾ 1に記載の受像媒体。

24. 受像媒体がカード形態である、請求項 1 0に記載の熱転写印刷物。

25. 受像媒体の表面抵抗値が、 1 0⁸ 〜 1 0¹²Ω Ζ (^である、請求項 1に記載の受像媒体。