明 細 書 アル ミ ナ質セ ラ ミ ッ ク ス体、 研摩材料 およびそれらの製造方法 技術分野
本発明は、 ゾル、 ゲル法に基づく 、 アル ミ ナをべ一 ス とする 改良された超微結晶質、 高硬度、 高密度焼結セラ ミ ッ ク ス体お よび砥粒、 砥石、 研摩布紙等の研摩材料およびそれらの製造に 関する ものである。 背景技術
高密度でアル ミ ナ(A1203) をべ—スとする多結晶質焼結セラ ミ ッ ク ス研摩材砥粒のゾル、 ゲル法による製造は、 公知である , 特開昭 56 - 32369では、 アル ミ ナ一水和物を少な く と も一種類 の改質成分の前駆体と共にゲル化し、 脱水乾燥した後焼成して いる。 この場合の改質成分は、 Co, Hi, g, Ni , Zn, Zrの酸化 物である。 また特開眧 60 - 23 H 62には、 " -アル ミ ナ種結晶添 加によるアル ミ チのゾルゲルの高密度化増進製造法が記載され ていて、 Si, Cr, Mg, Zrの酸化物からなる結晶粒成長抑制剤を ゲルに添加しても よいと書かれている。 特に特開昭 61 - 254 5
には、 び - アル ミ ナ, " -酸化第二鉄あるいはそれらの前駆体 を核発生剤と してゾル中に添加する方法が述べられていて、 M g , Zn, Co, Ni, Zr, If, Cr, T iの酸化物の前駆体をゲル内に含有 していてもよいという記載がなされている。
前述の特開昭 60 - 23H62によ り開示される ゾルゲル法によ り 作られるアル ミ ナ質焼結砥粒は、 アル ミ ナゾル中に な - アルミ ナの微細粒を添加する こ と によ り 、 アル ミ ナ質乾燥ゲルの tr - アルミ ナ化、 更に な - アル ミ ナ化の転移エネルギーが低下する ことを利用 したものである と と もに、 この乾燥ゲルを 1400 °G以 下の温度で焼結する と、 2〜 0.4//mの微細組織の結晶からな り、 理論密度の 90%以上の密度を有するセラ ミ ッ ク ス体が得られる。 これを砥粒と して使用 した場合、 従来の溶融法による単結晶砥 粒に比べて優れた研削性能を示すが、 これは、 0.2~ 0.4/imとい う微細な結晶組織によるものである と考えられる。
しかし、 特開昭 60 - 231462で開示されている方法では Ο-2/im 以下の微細結晶の組織のもので、 90%以上の密度で 16G Pa以上 の硬度を有するセラ ミ ッ ク ス体は得られない。 発明の開示
本発明の目的は従来の " —アルミ ナ質セラ ミ ッ ク ス体と同等 以上の密度を有する と と もに、 平均粒径 0.2/ίπι以下の微細な結
晶組織からなるセラ ミ ッ ク ス体およびその製造方法を提供する こ と である。
本発明者等は、 微細な結晶組織からなる研削砥粒が優れた研 削性能を示すこ と に注目 し、 結晶組織が微細な程研削性能が増 すと いう考えの下に、 種々検討した結 *、 本発明を完成した。 本発明者等は、 アル ミ ナ質焼結セラ ミ ッ ク ス体の強度および 砥粒の性能に対する焼結体の結晶サイ ズの影響につき検討した 結果、 理論密度の 95 %以上およびビッ カース硬度 2, 000 k gZ mra2 以上の特性を有する場合、 焼結体の結晶サイ ズが従来造る こ と ができなかった 0.2 /m以下になる と極端にセラ ミ ッ ク ス体の強 度および砥粒の性能が向上する こ と を見出 した。
すなわち、 本発明は、 平均粒径 2 /m以下または実質的に 0.2 ini以下の結晶からな り、 95%以上の密度で 2 , 0 kg/mm2以上の ビッ カ ー ス硬度を有する tr アル ミ ナ質セラ ミ ッ ク ス体を提供 する。
また、 本発明は、 微細な " -アルミ ナ結晶粒を含有するアル ミ ナ ゾルをゲル化し、 最高温度を 1 Π (!〜 1300 °Cの範囲内に設定 して加熱し、 その際 900°Cから 1100°Cまでの昇温時間を 90秒以 内と し、 その後、 00~ lSOITCの温度に保持する こ とによ り、 平均 0.2 //m以下または実質的に Q .2 /im以下の結晶からなる び — 了 ル ミ ナ質セ ラ ミ ッ ク ス体または砥粒を製造する方法を提供する。
さ らにまた、 本発明は微細な α -アル ミ ナ結晶粒を含有する アルミ ナゾルをゲルイ匕し、 最高温度を 1100 ~ 1300 °Cの範囲内と して加熱し、 その際 900から 1100°Cまでの昇温時間を 90秒以內 と し、 1100~ 1300 °Cの範囲で 30秒ないし 10分間保持した後、 更 に 1 G~ 12 °Cで I ~ 1GG時間保持する二段焼結法によ り、 平均 0.2 /im以下または実質的に 0.2 /im以下の結晶からなる c -アルミ ナ質セラ ミ ッ ク ス体または砥粒を製造する方法を提供する。 本発明による砥粒は、 ビ ト リ フ ア イ ド砥粒に してもまた、 研 摩布紙に しても、 従来のアルミ ナ質焼結砥粒に比べて結晶サイ ズを平均 0.2 ίια以下または実質的に 0.2/im以下にする こと と と も に、 結晶サイ ズを揃える こ とによ り、 砥粒の結晶の強度等を高 め、 砥粒の靭性を向上させたもので、 研削性能は、 従来品の最 高級アルミ ナ質焼結砥粒に比べて、 ビ ト リ フ ア イ ド砥石の場合 に約 2倍、 研摩布紙の場合に約 6倍と臨界的な値を示すもので ある。 図面の箇単な説明
第 1 図は、 実施例 2 および比較例 1 に従って造つた砥粒を実 施例 5 および比較例 2 に従つて測定して得た結晶粒径分布を示 すグラ フである。
第 2 図は、 実施例 2 および比較例 1 に従って造った砥粒につ いて実施例 5 および比較例 2 に従って得た砥粒の結晶粒の電子 顕微鏡写真である。 発明を実施するための最良の形態 本発明のセラ ミ ッ ク ス体はアル ミ ナ質砥粒およびそのアル ミ ナ質砥粒よ り なる砥石、 研摩布紙と して使用される。
また, 上記のセラ ミ ッ ク ス体, 砥粒, 砥石, 研摩布紙は、 Fe Cu , Ni , Ba, Be, Mg, Cr, Si , Mn, Zr , Ti, Ca , V, Gaおよび Rhの酸化物またはこれらの前躯体のう ちの少な く と も一種類を 酸化物換算でセ ラ ミ ッ ク ス体中に 2 Owt%以下の量を含有してい ても よい。
アル ミ ナ質焼結セラ ミ ッ ク ス体は、 理論密度が 35%以上であ り、 かつビッ カー ス硬度が 2 , 000 kgZmin2以上の特性を有しない と砥粒と して研削性能を発揮しないため、 これらの 2つの特性 は必要で本発明の前提と なる。
平均 0 · 2 /m以下または実質的に 0.2 /im以下の結晶サイ ズからな るアル ミ ナ質セ ラ ミ ッ ク スまたは砥粒を造る方法につき以下に 述べる。
市販の Condea社の SB Pura 1 Alumina等の (擬) ベーマイ 卜 を 硝酸等の酸でまずゾル化し、 その中に粒径 以下、 望ま し
く は、 G.l/ini以下の α -アル ミ ナ微粒子を焼成、 焼結時の相変 態促進剤と しての役割をさせるために混合する。 この相変態促 進剤となる 《 -アルミ ナ微粒子は、 ゾルの乾燥等によ り形成さ れるゲルの焼成時に、 ァ -形から a -形アルミナへの転移エネ ルギ—を低下させ、 低温で 化が進むと と もに、 焼結時に、 結 晶サイ ズが大き く なる こ とがなく、 緻密で硬度の高い焼結体を 造る働きをする。
この相変態促進剤を混合する方法は、 アル ミ ナ製ボールを用 いたポール ミ ルゃ振動ポール ミ ル等でゾルまたはゲルを ミ リ ン グ処理してもよ く、 またボール ミ ル等の空擦り によってできる アルミ ナボールの摩耗した破片粉をアルミ ナゾルやゲルに混合 してもよ く、 また、 市厭の微細な -アルミ ナ粉末を更に ミ リ ン グ処理した微粉をアルミ ナゾルまたはゲルに混合してもよい。
この相変態促進剤は、 微細な程、 上述の効果が大き く、 粒径 0.2/im以下、 望ま し く は 0-1 /ίπι以下のな -アルミ ナ微粒子がよい。 また、 混合する相変態促進剤の添加量は、 原料である (擬) ベ 一マイ トの A 1203換算量に対し、 1〜 8 wt%が適当であ り、 1.5 〜 3.5 %が好ま しい範囲である。 添加量が l¾rt%未満だと、 製 造されるセラ ミ ッ ク ス体等の結晶サイ ズが、 0.2 /zmを越えない と、 緻密とな り に く く、 また、 8 %を越える と結晶サイ ズはあ ま り大き く ならないがアル ミ ナ質セラ ミ ッ クス体の密度が上が
り に く く なる。
更に、 本発明は 0.2/ Π1以下の微細結晶を形成させるために、 a - アル ミ ナの微粒子の他に、 アル ミ ナ ゾルまたはゲルにアル ミ ナ質ゲルのァ形から 形アルミ ナヘの転移エネルギーを低下 させる効果のある Fe, Cu, Ni, Ba , Be , Mg, Cr , Si , Mn, Zr , Ti, Ca , V , Gaおよび Rhの酸化物、 これらの前駆体またはこれ らの塩のう ちの少な く と も一種類を酸化物換算で 20wt%以下の 量を添加、 混合していても よい。 酸化物換算で 20wt%を越える と最終物であるアルミ ナ質セラ ミ ッ ク ス体の結晶粒界にそれら の酸化物が析出し過ぎセラ ミ ッ ク ス体の硬度を低下する こ と に なる。
上記の酸化物、 前駆体またはこれらの塩をアルミ ナゾルまた はゲルに添加し混合する方法と しては、 撹拌による以外に、 ィ ン 《 ラ イ ン ミ キサーを使用する方法もある力 S、 よ り好ま しい方 法はボール ミ ル混合であ り、 更にその時アル ミ ナボールを用レ、 る とそのポールからの摩耗した α -アルミ ナ破片粉が混入され る と と もに十分混合できる点で優れている。 特に塩の状態で上 記元素を添加する場合、 アルミ ナゾルがゲル化するため、 均一 に添加混合するためには、 ボールミ ル又は振動ポ一ルミ ルによ る混合でなけれぱ十分に行なえない。
また、 上記の前駆体は、 アルコキシ ドゃ酸化物になる段階で の中間生成物等をいい、 前駆体の塩と しては、 硝酸塩, 塩化物, 炭酸塩, 酢酸塩, 硫化物等が用いられる。
a -アルミ ナ微粒子を含むアルミ ナゾルの場合には 1 ~ 4時 間十分に撹拌した後、 アルミ ナゾルがゲルになつた場合には、 十分に均一に混合した後、 8 0 ~ 1 2 () °0の温度で 1 0〜 7 2時間掛け てゆっ く り乾燥させる。 ゆつ く り乾燥させる理由は、 乾燥によ り ゾルはゲル化する力 乾燥前にゲル化している場合も含めて、 そのゲル中に含まれる気泡を十分に抜き、 組織をよ り緻密にす るためである。 乾燥温度が 8 0 °C未満では乾燥効率が悪いし、 ま た 1 2 Q °0 を越えて乾燥処理されたアルミ ナゲルは、 再びゾル化 する こ とができないため、 砥粒を造る場合には不要粒度の再利 用ができないこ とになる。
本発明によ り砥粒を造る場合、 上記の乾燥ゲルを焼成時の収 縮率を考慮し、 目的粒度よ り粗めに粉砕し、 整粒操作を行なレ、、 所定の粒度の乾燥粒を造り、 次の仮焼、 燒成工程にまわす。 不 要の粒度の乾燥粒は、 再度酸を添加してゾル化する こ とが可能 であるから前工程のゾル化工程に戻し再利用する ことができる。
この乾燥ゲルを, 更にゾル化に使用 した酸の除去のために、 5 0 (!〜 9 0 0 °Cで 1時間程度仮焼処理をするのが好ま しい。
その後、 アル ミ ナ質ゲルを ロ ー タ リ一キルン等の炉で加熱す る。 加熱は最高温度を 11 〜 1300 °Cの温度範囲に して行なう。 こ の際に、 900〜 1100 °Cの温度範囲を 90秒以内で急熱処理する 急熱する こ とによ り、 ァ形アルミ ナから "形アルミ ナへの相 変態が急激に起こる と と もに組織の緻密化が促進され、 硬度も 向上する。
本発明の方法では、 アルミ ナゲルを上記の温度範囲を急熱処 理して、 最髙温度を 1100〜 1300 °Cに した後、 1000~ 1300 °Cの温 度に保持する。 この温度に於ける保持時間は温度が高い程、 時 間は短く なる力 S、 1300 °Cでは 30秒程度、 1000 °Cでは 100時間程 度が適当であ り、 保持温度が 12 G ϋ〜 13 G D °Cの範囲の場合では 30 秒ない し 10分間、 1 Π 0 ~ 1200 °Cの範囲の場合では、 10分ない し 10時間、 また 1000 ~ 1100°Cの範囲の場合は 10~ 100 時間が好ま しい保持時間である。 また、 1100 ~ 1300 °Cの範囲で 30秒ない し 10分間保持した後、 更に 00 ~ 1200 °Cで 1〜 100時間保持する様 な二段焼結がよ り好ま しい熱処理方法であ り、 結晶サイ ズも実 質的に 0.2 //m以下と な り結晶サイ ズも揃ったもの と な り、 硬度 も高く なる。
これらの方法で結晶サイ ズが平均 0.2/im以下または実質的に 0.2 im 以下で、 理論密度の 95%以上の密度を有し、 ビッ カー ス 硬度 2,000kg/inm2以上のセラ ミ ッ ク ス体が得られる。 硬度と し
0 ては、 2, 300 kgZmm2以上のものも可能である。
急熱処理の最高温度を 11 〜 1300 °Cと した理由は、 最高温度 が I 300 °Cを越える と硬度は 2, 0001 /mm2以上になる力 S、 急熱処 理を しても、 結晶サイ ズを所定の平均 Q.2/ini以下にする こ とは 難し く、 また最高温度が 1100°C未満の場合では結晶サイ ズは平 均 Ο-2/ini以下または実質的に fl.2/im以下となる力 硬度は 1,800 mm2以下であ り、 理論密度の 95%を下回るセラ ミ ッ ク ス体 しか得られないためである。 また、 1000 °C未満の温度に保持の 熱処理では硬度および密度を向上させられない。
上記の二段焼結法が優れた熱処理法であるのは、 比較的高温 の温度域で急熱焼成、 焼結 (第一段) した後、 結晶サイ ズが極 度に成長しない比較的低温の温度域で長時間保持 (第二段) す る こ と に よ り 、 結晶粒の成長を抑えたまま、 密度を高く し、 結 晶歪を軽減させるァニール効果によ り硬度および強度を更に向 上させる こ とになるからである。
実際、 後述の実施例 5 に従って得られた砥粒の結晶粒の電子 顕微鏡写真 (第 2図) は結晶サイ ズが揃っているだけでな く、 結晶の形も揃っている。
本発明で使用する相変態促進剤の添加量は、 前述の様に原料 である (擬) ベーマイ 卜の A 1203換算量に対し、 l~ 8 vt%であ り、 し 5~ 3.5wt%が好ま しい範囲である力 S、 添加量が多い場合
には焼成温度を高く する方が好ま しい。 これは、 添加量が多く なる と、 焼結性が悪く なるため密度、 硬度が上がらず、 3.5 %以上の添加の場合には焼成温度を 2(!〜 50°C髙く する必要があ る力、らである。
上記のよ うに、 本発明によ って初めて、 従来造る こ とができ なかった平均 0.2 ίηι以下または実質的に 0.2 //m以下の結晶サイ ズ よ り な り、 少な く と も理論密度の 95 %以上の密度および 2 , 000 kg/ mm2以上の硬度を有するセラ ミ ッ ク ス体または砥粒を造る こ とができ、 更に結晶サイ ズも微細である と と もに結晶サイ ズ が揃うため実際の使用時の強度等の増進が図られ、 特に砥粒の 場合には、 実施例で後述するが研削比が 2倍以上向上した結果 が得られる こ とになる。 特に、 二段焼結法による と、 よ り一層 これらの優れた特性を有する砥粒を得る こ とができる。
砥粒の場合には、 一段焼結または二段焼結された粒子を室温 にまで冷却後、 砥粒の所定粒度に再度篩分け等で整粒し、 目的 の粒度の砥粒を得る。
本発明の砥石は、 上述の砥粒を ビ ト リ フ ア イ ドボン ド、 メ タ ルボン ドまたはレジンポン ド等の結合剤で成形硬化させたもの である。 特に ビ ト リ フ ア イ ドボン ドによる砥石が本発明の砥粒 の特長を発揮する ものである。
ビ ト リ フ ア イ ドボン ド砥石に用いられている結合剤は長石, 陶石, ホウ砂, 粘度等を適宜混合し、 一般的にフ リ ッ 卜 といわ れるもので、 その成分は Si02, B 2 O 3 , A 1203 , Fe 203 , CaO, MgO, Na20, K20 等である。 ビ ト リ フ アイ ド砥石は、 この様な結合剤 に若干のデキス ト リ ン等の糊を入れて、 砥粒と混合し、 プレス 成形し、 乾燥した後、 焼成して造られる。 本髡明の場合、 砥粒 の結晶サイ ズを粗大化する こ と のない様、 焼成温度は 950 ~ 11 50°Oが好ま しい。
また研摩布紙は、 基材と砥粒とを接着剤で接着させる こ と に よ り製造され、 各接着剤と しては優れた研摩特性と耐水性のた めにフ エ ノ ール樹脂系接着剤が多く用いられ、 レゾルシノ ール、 またはその誘導体を併用するこ とによ り硬化条件を緩和する こ と もでき る。
基材と しては、 紙, 織布, 不織布等が例示される。
(以下、 余白)
(実施例)
以下、 本発明を実施例をも って詳細に説明する。 実施例 1 ~ 4
市販の Condea社の SB Pural Alumina 等の (擬) ベ—マイ ト 200 g と水し 5£を ビーカ一内で混合した。 次に 3.6wt% HN03を 0.3 添加し、 p H値を 2 と してゾル化した。 次に容量 7.3 Δアル ミ ナポッ 卜にアル ミ ナボール 7 kgを入れ、 水 1.5 β入れて空擦り 状態で 96時間ミ リ ン グする こ と に よ っ て得られる主と してアル ミ ナポールの摩耗した破片粉を含むス ラ リ 一を造った。 この破 片粉の比表面積は 75m2/ gであった。
次に、 この破片粉の量がゾル中のアルミ ナ (A 1203 ) に対し、 1.5wt% になる様に破片粉を含むスラ リ ーを上記のよ う に作成 したアル ミ ナ ゾルに添加し、 2時間撹拌後そのゾルをバッ ト に 移し、 80°Cで 48時間、 その後、 1 °Cで 24時間乾燥した。 乾燥 後、 乳鉢にて乾燥ゲルを粉砕し、 最大粒径 500/im、 最小粒径 350 /imになる様に篩分けした。 この整粒乾燥ゲルを 750 °Cで 1 時間 処理し、 硝酸に伴なう NOx を除去した後、 これをロータ リ ーキ ルンにて 60秒で常温から急熱し 1150, 1200 , 1250および 1300 °C の 4水準の焼成温度に し、 その温度に 2分間保持した後、 1150 °Cで 10時間熱処理した。 一段目および二段目焼結後のそれぞれ
の段階での粒子の荷重 50 ϋ gでのピツ カ—ス硬度、 S E Mによ る結晶サイ ズおよび密度を測定し、 その結果を表 1 に示す。 なお、 焼成後の粒子の大きさは 350 ~ 25 Q/im の範囲の砥粒で JIS R6001- 19Πの # 60に相当するものである。 比較例 1
乾燥後、 乾燥ゲルを 50G~ 350 /imに篩分けし、 NOx の除去まで は実施例 1 と同様に処理する。 その後、 特開昭 60 - 231462に基 づき、 ロ ータ リ ーキルンにて、 I 0 °Cで 1分間焼成した。 U 00 °Cへの昇温時間は、 15分間であった。
焼成された粒子すなわち砥粒の結晶サイ ズは、 Q .2~ 0.5/imで 平均値は D .3 imであ り 、 荷重 50 G gでのビッカー ス硬度は 2230 k g /mm2で、 密度は 3. Π g /cm3で理論密度の 98%であった。
これに対して、 表 1 から明らかなよ うに、 実施例 1 - 4の砥 粒はいずれも ピツ カ—ス硬度が 2000 kg/mm2以上であ り 、 密度も 比較例 1 のものと少な く と も同等である力 S、 その上、 平均粒径 が 0.2 m以下の緻密なものとなっている。
(以下、 余白)
ビッカース硬度 密 度 結晶サイズ ( ) 試 料
Hv5oo(kg/ mm2) (g/cm3) 平均粒径 範 実施例 1段目焼結後 1,340 3.12 0.08 0.03-0.12 実施例 1
1 2段目焼結後 2,120 3.89 0.18 0.05-0.20 実施例 1段目 " 1,490 3.58 0.12 0.07-0.15
" 2
2 2段目 " 2,140 3.90 0.18 0.10〜! ).22 実施例 1段目 2,250 3.86 0.15 0.07-0.20 " 3
3 2段目 " 2,460 3.92 0.20 0.10~0.30 実施例 1段目 " 2,280 3.87 0.19 0.17-0.25 " 4
4 2段目 " 2,390 3.91 0.20 0.10-0.30
実施例 5 および比較例 2 実施例 2 および比較例 1 の砥粒の結晶サイ ズ分布を測定した 測定は、 以下の様に行った。 すなわち、 実施例、 比較例に従 つて作成した砥粒を、 80°Cの硼砂 (Na2B<07*l(IH20) 飽和水溶 液に浸漬後、 砥粒を液から取り 出し、 ムラ イ ト製ボー トに入れ 900 °C 30分間加熱エッチング処理を行った。 室温迄冷却後生じ たガラ スを 12wt%の塩酸で煮沸処理する こ とによ り洗い流した, この粒を水洗乾燥後、 40 , 000倍で SEM写真をと り、 粒径を測定 した。
実施例 2 および比較例 1 の砥粒のそれぞれ 3および 452の結 晶粒にっき粒径のデータ を得た。
実施例 2 の砥粒では、 平均粒径は 0.176/imで標準偏差は 028 であった。 一方、 比較例 1 の砥粒では平均粒径 で標準 偏差は 0.077であった。
結晶粒径分布を第 1 図に示す。 第 1 図および標準偏差から明 らかな様に、 本発明である実施例 2 の砥粒は、 実質的に粒径が 0.2/im以下であ り、 結晶粒径がよ く揃っている こ とがわかる。
また、 最高温度を 1300 °C以上にする と、 粒成長が促進され成 長の速い粒は、 以上とな り、 粒径の分布が広く なる。 比 較例 1 の砥粒の結晶の粒径分布では、 以上の粒が 2 %程 度あるが、 実施例 2では G .3/im以上の粒は認められなかつた。
また、 砥粒の結晶粒の電子顕微鏡写真を第 2 図に示す。 実施 例 2の砥粒は結晶粒径がよ く揃っているだけでな く、 結晶の形 も均質である ことがよ く分かる。 これに対して、 比較例 1 の砥 粒は小さい粒子の中に大きな粒子が散在しており、 結晶粒径が 揃っていないだけでな く 、 結晶の形自体も不揃いである。 実施例 6 ~ 7
乾燥ゲルを 8 ~ 1410/imに篩分けし、 UOx抜きまでは実施例 1 と同様に処理する。 その後、 整粒された粒子をロ ータ リ 一キル
ンにて 60秒で常温から急熱し、 1200 °Cおよび 1250 °Cの 2水準の 焼成温度に し、 その温度に 2分間保持した後、 1 0°Cで 60時間 熱処理し二段焼成を行なった。
できた粒子すなわち砥粒の荷重 500 gでの ビッ カー ス硬度、 SEM 芩真による結晶サイ ズおよび密度の測定値を表 2 に示す。 またできた砥粒の粒度は # 24であった。 実施例 8〜 9
容量 6 の撹拌機付き容器にて、 Condea社の SB Pura l Alumin a 5. Okgを水 42flに混合分散した。 次に 17 % M03を 1 · 8β添 加し、 ベ一マイ ト ゾルを得た。
こ のゾルに実施例 1〜 4 で記した主と してアル ミ ナポール摩 耗の微細破片粉を 10wt%含むス ラ リ ーを 1. Okg添加し、 よ く 混 合した。 この時用いた A 1203微細粉の比表面積は、 112m2Z gで あった。 こ のゾルをステ ン レ ス製バッ 卜に移し、 1 °Cで 24時 間、 120°Cで 24時間、 計 48時間乾燥し、 ゲル化した。 乾燥終了 後、 口一ルプレーカーでゲルを粉砕し、 篩で 500 ~ 350 /imになる 様に篩分けた。 次にこの粒子を 75 (TC、 1 時間仮焼し、 水分お よび NOxを除去した。
この粒を実施例 1〜 4 と同様に ロータ リ一キルンで 1250 °Cお よび 1300 の 2水準の温度まで 60秒で昇温し、 その温度に 1 分
8 間保持した後、 1100°Oで 40時間熱処理した。
この砥粒の ビッ カース硬度、 密度、 結晶サイ ズを表 2に示す, 実施例 10~ 11
実施例 1 ~ 4と同様にべ一マイ ト ゾルを造り、 その後 Μ ίίΟ) 6Η20を Α1203 に対し、 MgOが 0.7wt% 含まれる様に添加する。 その後、 実施例 1 ~ 4 と同 じ様に破片粉スラ リ ーを添加、 乾燥 ゲル化し、 500 ~ 350 /im に整粒し、 750 °Cで 1時間仮焼した後、 ロータ リ ーキルンにて 60秒で常温から 1150°Cに昇温し、 その温 度に 10時間保持し、 その後 1 I 00 °Cおよび 1150 °Cでそれぞれ 10時 間処理し、 2種類の砥粒を造った。 この砥粒の ビッ カー ス硬度. 密度、 結晶サイ ズを表 2に示す。
(以下、 余白)
9 表 2
実施例 12〜 13および比較例 3 ~ 4 実施例 1 と同様に作成した乾燥ゲルを 750°C 1時間処理した ァ -アル ミ ナ粒を常温から 900 °C迄、 1 時間で昇温し、 続いて、 900から 1100 °C までの昇温時間を表 3 の様に変えて焼成した後 1100。Cから 1250 °C迄を 5分間で昇温し、 その 1250 °Cに 2分間保 持した後、 1150 °Cで 10時間熱処理した。 それぞれの粒子の荷重 500 gでのビッ カー ス硬度、 密度及び S E M写真による粒径の 測定結果を表 3 に示す。
(以下、 余白)
表 3
a - A1
20
3の微粒子を 1 ~ 8 wt%含有するアル ミ ナ質ゲルを 900°C以下で脱水, NOxを除去したァ ーアルミ ナは、 90 (!〜 1100 °Cで な - A 1
20
3 に転移する。 この転移温度域を表 3からわかる 様に急にする こ と、 すなわち、 90秒以内にする ことによ り、
a - A 1
20
3 核の発生点が多く な り、 結晶粒径を細かく する と共に 組織の緻密化が促進される。 実施例 14 ~ 15および比較例 5 ~ 6 実施例 1 で作成した 1段目焼結後の砥粒を表 4に示す様に 90 0°C , 1000 °C , 1200 , 1350°Cで 1 ~ 100時間熱処理した結果を表 4 に示す。
(以下、 余白)
表 4
結晶粒を過大に成長させる こ と な く 1 段目の焼成で上がらな かった密度、 硬度を必要な値まで上昇させる作用がある こ とが 表 4 からわかる。 比較例 7 ~ 12
水分と NOx を除去するまでは、 実施例 1 ~ 4 と同様に して作 成 した粒子を ロ ー タ リ ーキルンにて、 1050 °Cに常温から 60秒で 昇温し、 その温度に 2分間保持した後、 1150°Cで 10時間、 1250 °Cで 1及び 10時間、 13Gfl°Cで 0.5及び 2時間熱処理した。 それぞ れの粒子のビッ カー ス硬度、 密度、 及び粒径の測定結果を表 5 に示す。
表 5
表 5 よ りわかる様に 1 段目の焼結温度が 11 G Q°C未満では、 密 度、 硬度の上昇が不十分でその後の 1QG0~ U G Q°Cの熱処理によ つても、 密度、 硬度が上らないか、 あるいは上ってもよ り高い 温度で時間をかけなければばらないため粒成長を起し、 0.2/im 以下の結晶粒組織は得られない。
また、 実施例 1 〜 4の 1段目焼結のみの例 (表 1 ) では保持 時間が 2分間である力 S、 温度が 1150 C, 1200 Cの場合に当たる 実施例 1 ~ 2 の 1段目焼結のみで l G ~ 13 fl O°Cの温度に保持し ないものは、 使用に耐える程度の密度, 硬度が得られていない,
比較例 13 水分と NOx を除去するまでは実施例 1 ~ 4 と 同様に作成した 粒子をロータ リ ーキル ン にて、 1350 °Cに常温から 60秒で昇温し その温度に 2分間保持した粒子の ビッ カー ス硬度, 密度および 平均粒径はそれぞれ 2260 kg/mm2, 3.90 g / cm3 , G.27/imであつ た。
実施例 および比較例 U ~ 18 比較例 Uと同様に常温から 60秒で所定の温度まで昇温し、 その 温度に到達後直ちに温度を下げた場合の各砥粒の特性を表 6 に 示す。
表 6 比較例 比較例 比較例 比較例 実施例 比較例
14 15 16 17 16 18 温 度 (°c) 1050 1150 1200 1250 1300 1350 ビッカース硬度
< 200 480 1220 1980 2030 2120 kg/ mm2
2.30 2.90 3.05 3.78 3.80 3.83 結晶サイズ <0.05 <0.05 0.07 0.13 0.18 0.24 μ m
表 6 および比較例 13の結果から して焼結の最高温度と して 13 50 °Cは不適当である こ とがわかる。 実施例 17~ 2G
実施例 3 , 4 , 8および 11の # 60の砥粒 100部に対し、 ビ 卜 リ フ ァ イ ド砥石様ボン ドと して硼珪酸フ リ ッ トを 13部、 更にデ キス ト リ ン 2部、 水 2.5部に ミ キサーで混合した。 なお使用 し た硼珪酸フ リ ツ 卜の組成は、 SiOz 70% , il 203 7 % , Β 203 18 % , Na20 + 20 4 % , CaO+ MgO 0.5%であった。
混合後、 プレス成形し、 その砥粒率 45%の成形体を U0°Cで 乾燥した後、 1050 °Cで 20時間熟処理する。 冷却の際、 特に 500 ~ 600 °G間はゆっ く り行ない、 放冷する。 この様に して J I S £ 6210規定の結合度 Κの ビ ト リ フ ア イ ド砥石を造った。 実施例 3 , 4 , 8 および 11の砥粒に対応し、 造った砥石のそれぞれの試料 番号と して実施例 17, 18 , 19および 20と し、 例えば実施例 17の 砥石の表示は、 SF (3) 60Κ 8 Vと な り、 実施例 17~ 20の砥石の 寸法は 2QQni m X 19m m x 76.2m mである。 比較例 19 ~ 20
比較例 1 の # 60の砥粒およびノ ル ト ン社製単結晶アル ミ ナ質 砥粒 32Aの # 60にっき実施例 17〜 20と同様に ビ ト リ フ ァ ィ ド砥
石 (寸法 200m m x l 9m m x 76.2ni m ) を造り、 試料番号と し てそれぞれ比較例 19および 20とする。
実施例 21
実施例 17〜 20および比較例 19〜 20の ビ ト リ フ ァ ィ ド砥石につ き下記の試験条件で研削性能を評価した。
表 7 試験条件
械 岡本平研 CFG- 52 ( 3.7KW)
研 削 方 式 プラ ンジ研削 Down Cu t 手動切込 被 削 材 S D K — 1 (HRC60) L 100 X h 50 x O 砥 石 周 速 度 2 , 000 m /mi n
テ ー ブ ル 速度 20 m m ι n
切 込 寸 法 Δ R20 im pass
総 切 込 寸 法 5 mm
研 削 幅 1 Omm
スパークァゥ ト 1 a s s
研 削 油 乾式 (な し)
ド レ ス 条 件 単石ダイ ヤモ ン ド ドレッサ
切込み : A R2 Q /in/pass
U ― 卜 - 0.2 mm/ r . o . w
スパークァゥ ト : な し
その結果、 研削比、 最大消費電力費 (無負荷電力〔0.40) を 除いた値) および面粗さにつき表 8 に示す値を得た。 表 8
表 8から分かる様に本発明による砥粒を使用 した場合、 研削 比は市販の単結晶アル ミ ナ質砥粒 32 Αの比較例 20に比べて 6倍 程度、 特開昭 60 - 231462に開示された ト レー ス品の程度を用い た砥石である比較例 19に比べても 2倍程度になっていて、 従来 品である比較例に比べて顕著な研削性能を示している。 研削性 能が良いのに最大消費電力費も比較例に比べて同等かそれ以下 の値を示しており、 更に面粗さも、 比較例に比べて数段優れて おり、 比較例 20では著し く また比較例 19でも見れる砥石の焼け も本発明である実施例 17〜 20には全然見られなかった。 種々の
研削性能の面で本発明のものは従来にない砥粒であ り砥石であ る こ とが分かる。 実施例 22~ 24
10部のレゾルシ ノ 一ルを 10部のエタ ノ 一ルに溶解し、 これと 100 部の実施例 3 , 4および 8 の 3種のそれぞれの本発明砥粒 と を混合した後、 100°Cにて 1時間乾燥してエタ ノ 一ルを蒸発 除去し、 表面がレ ゾルシノ ールでコ ーテ ィ ン グされた状態の 3 種類の研摩材を得た。
圧縮不織布基材にフ ニ ノ —ル樹脂接着剤 BRい 2867 (固形分約 70% , 昭和高分子(株)製) を nO g Zm2 の割合で均一に塗布し た後、 その上に上記コーテ ィ ン グ処理された研摩材を散布し、 過剰の研摩材を除去した。 なおこのと きの研摩材の基材への付 着量は、 3種類と も 250 g /m2 であった。 このものを 80 °Cで 4 時間乾燥した後、 更にその上に前記接着剤を 200 g Zm2 の割合 で均一に塗布し、 80 °Cで 4時間乾燥させた後、 2時間で 80 °Cか ら 135 °Cまで昇温し、 135 °Cで 30分間保持して 3種類の研摩布を 得た。
(以下、 余白)
比較例 21
比較例 1 の砥粒につき実施例 22~ 24と同じ方法にて不織布基 材の研摩布を造つた。 実施例 25
実施例 22〜 24および比較例 21の研摩布をパンチ抜き し、 180 ?! のディ スク状研摩布を造り、 次に示す試験条件にて乾式研削 を行なった。 表 9 試験条件 サンダー : 日立 P H D — 1 8 0 C
研削時間 : 1 分 X 10回
被 削 材 : (ィ :) S P C 10 X 250 t
(口) S U S 3 0 4 9 X 250 X t 荷 3 L B S その結果、 表 10および表 11に示す様な研削量値を得た
表 Π 被削材 S P Cの場合 初 期 研 削 量 9 ~ 10分研削量 研 削 量 試料 No- ( g / mi n) ( /mi n) 実施例 22 22.6 6.7 130.3
/, 23 17.1 5.8 123.0
" 24 20.9 11.6 170.8
,, 21 19.0 3.3 96.1
表 11 被削材 S U S · 3 0 4の場合
表 11にて比較例 21にっき 9 〜 10分研削量に値がないのは, 研 削時間 4分間にて被削材に焼けが入り、 研削量が極度に低下し 研削されないため 4分間でス ト ッ プせざるを得なかつたためで ある。
本発明の性能は、 特開昭 60 - 23 U62に開示された 卜 レー ス品 の砥粒を用いた研摩布である比較例 Πに比べて、 被削材が冷間 圧縮鋼板 S P Cの場合の表 10から分かる様に総研削量は し 3~ 1.8倍であ り、 また、 被削材がステン レス S U S · 304の場合の 表 11から分かる様に総研削量は実に 5.4~ 5.7倍であ り、 従来品 に比べて著し く顕著な結果を示している。 産業上の利用可能性
本発明によ り得られる製品は超微結晶質、 高硬度, 高密度, 焼結セラ ミ ッ ク ス体および砥粒, 砥石, 研摩布紙等の研摩材料 と して有用であ り、 従つて本発明は研摩 ·研削の分野において 有用である。
(以下、 余白)