JPWO2021187369A5 - - Google Patents

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本発明は、(ハイドロ)ハロカーボンの製造方法に関する。
1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン(以下、HCFO-1233zd、1233zdともいう)など、分子内に二重結合を有する不飽和クロロフルオロカーボンは、沸点が低く、大気寿命が非常に短いため、オゾン層破壊係数と地球温暖化係数とが共に低い化合物である。そのため、HCFO-1233zdなどの不飽和クロロフルオロカーボンは、洗浄剤や冷媒などに利用可能な化合物の一つとして期待されている。
例えば、不飽和クロロフルオロカーボンの一つであるZ-1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン(以下、HCFO-1233zd(Z)、1233zd(Z)ともいう)は、1,1,1,3,3-ペンタクロロプロパン(以下、HCC-240fa、240faともいう)をフッ化水素でフッ素化して製造することができる。HCC-240faのフッ素化では、HCFO-1233zd(Z)とともに、幾何異性体であるE-1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン(以下、HCFO-1233zd(E)、1233zd(E)ともいう)や、3-クロロ-1,1,1,3-テトラフルオロプロパン(以下、HCFC-244fa、244faともいう)、2-クロロ-1,1,1,3,3-ペンタフルオロプロパン(以下、HCFC-235da、235daともいう)等の副生物、未反応のフッ化水素を含む反応生成物が得られる(特許文献1)。HCFC-244faやHCFC-235daは、目的物質であるHCFO-1233zd(Z)と共沸様組成を形成するため、反応生成物から高純度のHCFO-1233zd(Z)を精製することが難しい。
特開2013-103890号公報
本発明は、(ハイドロ)ハロカーボンと、該(ハイドロ)ハロカーボンとは異なる化合物とを含む共沸又は共沸様組成物から、純度の高い(ハイドロ)ハロカーボンを得るための方法を提供することを課題の一つとする。
本発明の一実施形態によれば、(ハイドロ)ハロカーボンと、前記(ハイドロ)ハロカーボンとは異なる化合物とを含む共沸又は共沸様組成物を減圧蒸留して、前記(ハイドロ)ハロカーボンを精製する工程を含む、(ハイドロ)ハロカーボンの製造方法が提供される。
前記減圧蒸留において、蒸留塔の塔頂圧力が50kPa以下であってもよい。
前記減圧蒸留において、蒸留塔の塔頂温度が20℃以下であってもよい。
前記(ハイドロ)ハロカーボン、及び前記化合物の標準沸点は、いずれも120℃以下であってもよい。
前記(ハイドロ)ハロカーボン、及び前記化合物の標準沸点は、いずれも80℃以下で
あってもよい。
前記(ハイドロ)ハロカーボンは、一般式(1)CCl(mは2~5のいずれかの整数であり、a、b、及びcは0以上の整数であり、b+c≧1を満たし、かつ、a+b+c=2m-2、2m、又は2m+2を満たす)で表される化合物であり、
前記化合物は、フッ化水素および前記一般式(1)で表される化合物(ただし、前記(ハイドロ)ハロカーボンとして選択された化合物を除く)から選択される少なくとも一つであってもよい。
前記(ハイドロ)ハロカーボンは、一般式(2)CCl(nは3~5のいずれかの整数であり、d、e、及びfは0以上の整数であり、gは1以上の整数であり、かつ、e+f≧1を満たし、かつ、d+e+f=2n-2、2n、又は2n+2を満たす)で表される化合物であり、
前記化合物は、フッ化水素および前記一般式(2)で表される化合物(ただし、前記(ハイドロ)ハロカーボンとして選択された化合物を除く)から選択される少なくとも一つであってもよい。
前記(ハイドロ)ハロカーボンは、シス-1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペンであり、前記化合物は、3-クロロ-1,1,1,3-テトラフルオロプロパンであってもよい。
前記(ハイドロ)ハロカーボンは、シス-1,2-ジクロロ-3,3,3-トリフルオロプロペンであり、前記化合物は、1,1-ジクロロ-3,3,3-トリフルオロプロペンであってもよい。
前記(ハイドロ)ハロカーボンは、シス-1,2-ジクロロ-3,3-ジフルオロプロペンであり、前記化合物は、トランス-1,2-ジクロロ-3,3-ジフルオロプロペンであってもよい。
本発明の別の一実施形態によれば、(ハイドロ)ハロカーボンと、前記(ハイドロ)ハロカーボンとは異なる化合物とを含む、共沸又は共沸様組成物を減圧蒸留して、前記(ハイドロ)ハロカーボンを精製する工程を含み、前記(ハイドロ)ハロカーボン、及び前記化合物の標準沸点は、いずれも80℃以下である、(ハイドロ)ハロカーボンの製造方法が提供される。
本発明の別の一実施形態によれば、シス-1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペンと、少なくとも3-クロロ-1,1,1,3-テトラフルオロプロパンを含む飽和ハイドロハロカーボンと、を含む共沸又は共沸様組成物を減圧蒸留して、シス-1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペンを主成分として含む留分を回収する工程、前記留分を塩基と接触させて、シス-1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペンを精製する工程、及び前記留分をさらに減圧蒸留して、3-クロロ-1,1,1,3-テトラフルオロプロパン含有量が3質量%以下の高純度シス-1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペンを得る工程を含む、高純度シス-1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペンの製造方法が提供される。
前記留分を回収する工程の後、且つ前記シス-1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペンを得る工程の前に、前記留分を塩基と接触させて、シス-1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペンを精製する工程をさらに含んでもよい。
前記1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペンを精製する工程は、前記留分に含まれる3-クロロ-1,1,1,3-テトラフルオロプロパンを脱ハロゲン化水素する工程であってもよい。
本発明の一実施形態によれば、(ハイドロ)ハロカーボンと、該(ハイドロ)ハロカーボンとは異なる化合物とを含む共沸又は共沸様組成物から、純度の高い(ハイドロ)ハロカーボンを得ることができる。
以下、本発明の各実施形態について説明する。但し、本発明は、その要旨を逸脱しない範囲において様々な態様で実施することができ、以下に例示する実施形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。また、以下の実施形態の態様によりもたらされる作用効果とは異なる他の作用効果であっても、本明細書の記載から明らかなもの、又は、当業者において容易に予測し得るものについては、当然に本発明によりもたらされるものと解される。
[共沸様組成物]
共沸組成物は、所定の圧力下で液体組成物の沸点が固定されており、沸騰中の該液体組成物の蒸気(気相)の組成が沸騰中の液体組成物(液相)の組成と同一であることを特徴とする。即ち、共沸組成物は、液体組成物の沸騰時に該液体組成物の成分の分留が起こらない。これに対して、共沸様組成物は、共沸組成物と同様の挙動をする組成物を指し、所定の圧力下で液体組成物の沸点が実質的に固定されており、液体組成物が揮発する際に、液体の組成と実質的に同一の組成で揮発するため、沸騰中の該液体組成物の蒸気(気相)の組成が沸騰中の液体組成物(液相)の組成に対して無視できる程度にしか変化しないことを特徴とする。即ち、共沸様組成物は、液体組成物の沸騰時に該液体組成物の成分の分留が起こりにくい。一方、共沸様でない非共沸組成物は、蒸発又は凝縮の間に組成物の気相の組成と組成物の液相の組成とが変化することを特徴とする。
以下、本実施形態に係る、(ハイドロ)ハロカーボンを製造するための方法(以下、本製造方法と記す)について説明する。本製造方法では、(ハイドロ)ハロカーボンと不純物とを含む共沸または共沸様組成物から(ハイドロ)ハロカーボンを選択的に製造することができる。
(ハイドロ)ハロカーボンは、分子中に炭素原子、ハロゲン原子を少なくとも含む化合物である。(ハイドロ)ハロカーボンは、さらに水素原子および/または酸素原子を含んでもよい。一実施形態において、(ハイドロ)ハロカーボンは、一般式(1):CClで表される化合物である。一般式(1)において、mは2~5のいずれかの整数であり、a、b、及びcは0以上の整数であり、b+c≧1を満たし、かつ、a+b+c=2m-2、2m、又は2m+2を満たす。一般式(1)で表される化合物は、例えば、工業的に製造されている飽和炭化水素化合物や不飽和炭化水素化合物のハロゲン化(例えば、フッ素化、塩素化)や、工業的に製造されているハロゲン化飽和炭化水素化合物やハロゲン化不飽和炭化水素化合物の脱ハロゲン化水素(例えば、脱フッ化水素、脱塩化水素)することにより製造することができる。また、別の一実施形態において、(ハイドロ)ハロカーボンは、一般式(2):CClで表される化合物である。一般式(2)において、nは3~5のいずれかの整数であり、d、e、及び、fは0以上の整数であり、gは1以上の整数であり、e+f≧1を満たし、かつ、d+e+f=2n-2、2n、又は2n+2を満たす。一般式(2)で表される化合物は、例えば、工業的に製造されているハロゲン化飽和炭化水素化合物やハロゲン化不飽和炭化水素化合物のヒドロキシ化や、工業的に製造されているハロゲン化飽和/不飽和エーテルのアルキル化により製造することができる。
これらの反応において、(ハイドロ)ハロカーボンとともに副生成物が生成されることがある。該副生成物が、目的物である(ハイドロ)ハロカーボンと共沸または共沸様組成物を形成する場合、目的物である(ハイドロ)ハロカーボンの純度が下がってしまう。また、これらの反応において未反応の原料(例えば、ハロゲン化に用いるフッ化水素)が残留することがある。この残留したフッ化水素も目的物である(ハイドロ)ハロカーボンの純度を低下させてしまう要因の一つである。
本発明者は、目的物である(ハイドロ)ハロカーボンと、該(ハイドロ)ハロカーボンとは異なる化合物とを含む共沸または共沸様組成物を減圧蒸留することにより、高純度の目的物である(ハイドロ)ハロカーボンを得られるという知見を得て、本発明を完成させた。
以下に、本発明の一実施形態に係る製造方法(以下、本製造方法という)を説明する。本製造方法は、目的物である(ハイドロ)ハロカーボンと、該(ハイドロ)ハロカーボンとは異なる化合物とを含む共沸または共沸様組成物を減圧蒸留して、目的物である(ハイドロ)ハロカーボンを精製する工程を含む。ここで、(ハイドロ)ハロカーボンとは異なる化合物とは、目的物である(ハイドロ)ハロカーボンと同一の化合物でない、分子中に炭素原子とハロゲン原子とを少なくとも含む化合物である。(ハイドロ)ハロカーボンとは異なる化合物は、炭素原子とハロゲン原子とに加え、さらに水素原子を分子中に含んでもよい。(ハイドロ)ハロカーボンとは異なる化合物は、フッ化水素および上記一般式(1)で表される化合物(ただし、(ハイドロ)ハロカーボンとして選択された化合物を除く)から選択される少なくとも一つであってもよい。また、(ハイドロ)ハロカーボンとは異なる化合物は、フッ化水素および上記一般式(2)で表される化合物(ただし、(ハイドロ)ハロカーボンとして選択された化合物を除く)から選択される少なくとも一つであってもよい。
[第1実施形態]
[製造方法]
本製造方法の一例として、シス-1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン(1233zd(Z))を製造する方法を説明する。
1233zdは、1,1,1,3,3-ペンタクロロプロパン(240fa)をフッ化水素と反応させることで、以下のスキームに従って得ることができる。
240faのフッ素化反応によって得られる組成物中には、反応条件によるが、通常、シス-1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン(1233zd(Z))とトランス-1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン(1233zd(E))とが所定の割合で含まれている。また、この反応では、主成分としての1233zdだけでなく、他のハロゲン化物が副生することがある。反応条件にも依存するが、例えば、3-クロロ-1,1,1,3-テトラフルオロプロパン(244fa)、2-クロロ-1,1,1,3,3-ペンタフルオロプロパン(235da)などがハロゲン化物として副生する。244fa及び235daは、1233zd(Z)と共沸、若しくは共沸様挙動を示す。
[精製工程]
240faのフッ素化反応により得られた組成物を精製して、目的物質である1233zd(Z)を高純度で得る。本製造方法では、減圧蒸留を行って、1233zd(Z)と244faの共沸様組成物を含む組成物から高純度の1233zd(Z)を得る。
減圧蒸留に使用できる蒸留塔としては、通常の減圧蒸留に必要な機能を備えていればよいが、棚段塔、充填塔等の精留塔を使用することが好ましい。蒸留塔の理論段数は、通常10~60段、好ましくは20~50段であるが、この範囲に限定されるものではない。
減圧蒸留工程における系内の圧力は、50kPa以下に設定してもよく、工業的な実用性の観点から1kPa~30kPaに設定することが好ましい。特に、減圧蒸留時において、使用する蒸留塔の塔頂圧力は好ましくは20kPa以下、より好ましくは10kPa以下である。
減圧蒸留工程における塔頂液温は、特に限定されるものではないが、工業的な実用性の観点から、+20℃以下に設定することが好ましく、+10℃以下に設定することが特に好ましく、また、-20℃以上に設定することが好ましい。塔頂液温が-20℃以上であれば、冷却器の大型化などの設備コストの増大を避けられるため、工業的に採用しやすい。また、塔頂液温が+20℃以下であれば、蒸留分離効率が良好である。一実施形態において、減圧蒸留工程における塔頂液温は、-20℃以上+20℃以下に設定することが好ましく、-20℃以上+10℃以下に設定することが特に好ましい。
尚、精製工程において、減圧蒸留は、複数回行ってもよい。減圧蒸留を2回以上行う場合、同一の蒸留塔を複数回使用してもよく、複数個の蒸留塔を使用してもよい。
1233zd(Z)と244faの共沸様組成物を含む組成物を2回以上減圧蒸留することにより、高純度の1233zd(Z)を得ることができる。ここで、高純度の1233zd(Z)とは、1233zd(Z)と244faの総量に対して、244faの含有量が3質量%以下、好ましくは1質量%以下、さらに好ましくは0.5質量%、特に好ましくは0.3質量%である1233zd(Z)を意味する。
減圧蒸留を2回以上行う場合、蒸留工程は連続して行ってもよく、2回以上の蒸留工程の間に別の工程を挟んでもよい。例えば、少なくとも1回の減圧蒸留した後、次の減圧蒸留を行う前に、脱ハロゲン化水素処理工程を行うことができる。具体的には、少なくとも1回の減圧蒸留した後、1233zd(Z)を主成分として含む留分(例えば、1233zd(Z)を30重量%以上、50重量%以上、70重量%以上、80重量%以上、90重量%以上、あるいは、95重量%以上含む留分)を回収し、回収した留分に塩基を加えることにより、留分中に残存する244fa及び235daを脱ハロゲン化水素する。脱ハロゲン化水素処理後の留分を再度減圧蒸留することにより、高純度の1233zd(Z)を得ることができる。
脱ハロゲン化水素処理工程を行う際には、1233zd(Z)を含む留分と塩基性水溶液とを相溶させる相溶化剤を添加することが好ましい。相溶化剤を共存させることにより、塩基と1233zd(Z)との反応を抑制し、且つ留分中に残存する244fa及び235daを分解することができる。244faは、脱ハロゲン化水素処理工程における脱塩化水素反応によって、対応する含フッ素オレフィン(1234ze)に変換される。235daは、脱ハロゲン化水素処理工程における脱フッ化水素反応によって、対応する含フッ素オレフィン(1224xe)に変換される。脱ハロゲン化水素処理工程において生成したこれらの含フッ素オレフィンの沸点は、1233zd(Z)の沸点と十分に差があるため、蒸留により容易に1233zd(Z)と分離することができる。
脱ハロゲン化水素で用いられる塩基としては、特に限定されるわけではないが、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物、炭酸塩、リン酸塩、アルコキシド、酸化物、水素化物などの無機塩基が挙げられる。アルカリ金属としては、例えば、ナトリウム、カリウム、リチウムなどが挙げられる。アルカリ土類金属としては、例えば、カルシウム、マグネシウムなどが挙げられる。無機塩基としては、具体的には、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、酸化ナトリウム、水素化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム、リン酸カリウム、酸化カリウム、水素化カリウム、水酸化リチウム、水酸化カルシウム、酸化カルシウム、水酸化マグネシウムが挙げられる。無機塩基としては、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウムが好ましく、入手性の良い水酸化ナトリウムが最も好ましい。これらの塩基は一種を単独でも用いてもよいし、二種以上を併用してもよい。
基性水溶液中の塩基量は、留分中の244fa及び235daの量に依存する。1モルの235da及び/又は244faに対して、1.5~4モル当量(ここで、「当量」とは化学当量を表す。)の無機塩基量が好ましく、特に2~3モル当量が好ましい。
相溶化剤は、留分中の1233zd(Z)と無機塩基水溶液の相溶を補助する。相溶化剤としては、相関移動触媒、またはアルコール、ケトン等の水溶性有機物が好ましい。
相関移動触媒の例としては、アンモニウムフルオリド、アンモニウムクロリド、アンモニウムブロミド、アンモニウムヨージド、アンモニウムヒドロキシド等の第四級アンモニウム化合物類、クラウンエーテル類、カリックスアレーン類、シクロファン類、シクロデキストリン類、ホスホニウム化合物類、ピリジニウム化合物類が挙げられる。具体的には、テトラブチルアンモニウムフルオリド、ベンジルジメチルアルキルアンモニウムクロリド、1-ブチル-1-メチルピロリジニウムクロリド、フェニルトリエチルアンモニウムクロリド、1-ブチル-1-メチルピペリジニウムブロミド、トリメチル-3-トリフルオロメチルフェニルアンモニウムブロミド、トリメチル-α,α,α-トリフルオロ-m-トリルアンモニウムヒドロキシド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルフェニルアンモニウムヨージド、2,3-ベンゾ-1,4,7,10-テトラオキサドデカ-2-エン、24-クラウン8-エーテル、トリフェニル(2-クロロベンジル)ホスホニウムクロリド、4-(ジメチルアミノ)-1-(トリフェニルメチル)ピリジニウムクロリドが挙げられる。
水溶性有機物としては、常温で水と完全混合する化合物が使用可能である。水溶性有機物としては、例えば、アルコール類、ポリアルコール類、アミド類、ケトン類、エーテル類、ポリエーテル類、環状エーテルが挙げられる。入手性および、廃溶液の処理等を考慮すると、水溶性有機物としては、アルコール類が好ましい。
相溶化剤としてのアルコールは特に限定されないが、炭素数1~4のアルコールが好ましい。具体的には、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ノルマルプロパノール、n-ブタノール、s-ブタノール、t-ブタノール等の汎用アルコールの単品もしくは混合物が好ましく、特にメタノール、エタノールが好ましい。アルコールの添加量は留分に対して、5~40質量%が好ましく、特に10~30質量%が好ましい。
[第2実施形態]
[製造方法]
本製造方法の一例として、シス-1,2-ジクロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン(HCFO-1223xd(Z)、1223xd(Z)ともいう)を製造する方法を説明する。
1223xd(Z)は、1,1,2-トリクロロ-3,3,3-トリフルオロプロパン(HCFC-233da、233daともいう)の脱塩化水素反応により製造することができる。この反応によって得られる組成物中には、反応条件によるが、通常1223xd(Z)とE-1,2-ジクロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン(HCFO-1223xd(E)、1223xdともいう)とが所定の割合で含まれている。また、この組成物は、1,1-ジクロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン(HCFO-1223za、1223zaともいう)を含むことがある。1223xd(E)および/または1223zaは、1223xd(Z)と共沸、若しくは共沸様挙動を示す。
[精製工程]
233daの脱塩化水素反応により得られた組成物を精製して、目的物質である1223xd(Z)を高純度で得る。本製造方法では、減圧蒸留を行って、1223xd(Z)と1223xd(E)および/または1223zaの共沸様組成物を含む組成物から高純度の1223xd(Z)を得る。
減圧蒸留に使用できる蒸留塔としては、通常の減圧蒸留に必要な機能を備えていればよいが、棚段塔、充填塔等の精留塔を使用することが好ましい。蒸留塔の理論段数は、通常10~60段、好ましくは20~50段であるが、この範囲に限定されるものではない。
減圧蒸留工程における系内の圧力は、50kPa以下に設定してもよく、工業的な実用性の観点から1kPa~20kPaに設定することが好ましい。特に、減圧蒸留時において、使用する蒸留塔の塔頂圧力は好ましくは10kPa以下、より好ましくは5kPa以下である。
減圧蒸留工程における塔頂液温は、特に限定されるものではないが、工業的な実用性の観点から、+20℃以下に設定することが好ましく、また、-20℃以上に設定することが好ましい。塔頂液温が-20℃以上であれば、冷却器の大型化などの設備コストの増大を避けられるため、工業的に採用しやすい。また、塔頂液温が+20℃以下であれば、蒸留分離効率が良好である。一実施形態において、減圧蒸留工程における塔頂液温は、-20℃以上+20℃以下に設定することが好ましい。
本実施形態においても、精製工程において、減圧蒸留は複数回行ってもよい。減圧蒸留を2回以上行う場合、同一の蒸留塔を複数回使用してもよく、複数個の蒸留塔を使用してもよい。
1223xd(Z)と1223xd(E)および/または1223zaの共沸様組成物を含む組成物を2回以上減圧蒸留することにより、高純度の1223xd(Z)を得ることができる。ここで、高純度の1223xd(Z)とは、1223xd(Z)と1223xd(E)および/または1223zaの総量に対して、1223xd(E)および/または1223zaの含有量が3質量%以下、好ましくは1質量%以下、さらに好ましくは0.5質量%、特に好ましくは0.3質量%である1223xd(Z)を意味する。
また、減圧蒸留を2回以上行う場合、蒸留工程は連続して行ってもよく、2回以上の蒸留工程の間に、不純物の脱ハロゲン化水素処理工程等の別の工程を挟んでもよい。脱ハロゲン化水素処理工程の詳細は、上述した第1実施形態と同様であるため、重複する説明は省略する。また、脱ハロゲン化水素処理工程を行う際には、第1実施形態と同様に、1223xd(Z)を含む留分と塩基性水溶液とを相溶させる相溶化剤を添加することが好ましい。脱ハロゲン化水素で用いられる塩基及び相溶化剤としては、第1実施形態において述べた、脱ハロゲン化水素で用いられる塩基及び相溶化剤と同様である。これにより、塩基と1223xd(Z)との反応を選択的に抑制し、且つ留分中に残存する1223xd(E)および/または1223zaを分解することができる。例えば、1223xd(E)や1223zaは1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロピンや3,3,3-トリフルオロプロピオン酸に変換される。
[第3実施形態]
[製造方法]
本製造方法の一例として、シス-1,2-ジクロロ-3,3-ジフルオロプロペン(以下、HCFO-1232xd(Z)、1232xd(Z)ともいう)を製造する方法を説明する。
1232xd(Z)は、1,2,3,3-テトラクロロプロペン(HCO-1230xd、1230xdともいう)をフッ化水素と反応させることで製造することができる。この反応によって得られる組成物中には、反応条件によるが、通常1232xd(Z)とトランス-1,2-ジクロロ-3,3-ジフルオロプロペン(以下、HCFO-1232xd(E)、1232xd(E)ともいう)とが所定の割合で含まれている。1232xd(E)は、1232xd(Z)と共沸、若しくは共沸様挙動を示す。
[精製工程]
HCO-1230xdのフッ素化反応により得られた組成物を精製して、目的物質である1232xd(Z)を高純度で得る。本製造方法では、減圧蒸留を行って、1232xd(Z)と1232xd(E)の共沸様組成物を含む組成物から高純度の1232xd(Z)を得る。
減圧蒸留に使用できる蒸留塔としては、通常の減圧蒸留に必要な機能を備えていればよいが、棚段塔、充填塔等の精留塔を使用することが好ましい。蒸留塔の理論段数は、通常10~60段、好ましくは20~50段であるが、この範囲に限定されるものではない。
減圧蒸留工程における系内の圧力は、50kPa以下に設定してもよく、工業的な実用性の観点から1kPa~20kPaに設定することが好ましい。特に、減圧蒸留時において、使用する蒸留塔の塔頂圧力は好ましくは10kPa以下、より好ましくは5kPa以下である。
減圧蒸留工程における塔頂液温は、特に限定されるものではないが、工業的な実用性の観点から、+20℃以下に設定することが好ましく、また、-20℃以上に設定することが好ましい。塔頂液温が-20℃以上であれば、冷却器の大型化などの設備コストの増大を避けられるため、工業的に採用しやすい。また、塔頂液温が+20℃以下であれば、蒸留分離効率が良好である。一実施形態において、減圧蒸留工程における塔頂液温は、-20℃以上+20℃以下に設定することが好ましい。
本実施形態においても、精製工程において、減圧蒸留は複数回行ってもよい。減圧蒸留を2回以上行う場合、同一の蒸留塔を複数回使用してもよく、複数個の蒸留塔を使用してもよい。
1232xd(Z)と1232xd(E)の共沸様組成物を含む組成物を2回以上減圧蒸留することにより、高純度の1232xd(Z)を得ることができる。ここで、高純度の1232xd(Z)とは、1232xd(Z)と1232xd(E)の総量に対して、1232xd(E)含有量が3質量%以下、好ましくは1質量%以下、さらに好ましくは0.5質量%、特に好ましくは0.3質量%である1232xd(Z)を意味する。
また、減圧蒸留を2回以上行う場合、蒸留工程は連続して行ってもよく、2回以上の蒸留工程の間に、不純物の脱ハロゲン化水素処理工程等の別の工程を挟んでもよい。脱ハロゲン化水素処理工程の詳細は、上述した第1実施形態と同様であるため、重複する説明は省略する。
[変形例]
本製造方法の変形例として、トランス-1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン(1233zd(E))を回収する方法を説明する。
1,1,1,3,3-ペンタフルオロプロパン(HFC-245fa、245faともいう)は、1233zd(E)をフッ素化することにより得られる。1233zd(E)のフッ素化によって得られる組成物中には、反応条件によるが、1,1,1,3,3-ペンタフルオロプロパン(245fa)と未反応の1233zd(E)とが所定の割合で含まれることがある。245faは、1233zd(E)と共沸、若しくは共沸様挙動を示す。得られた組成物から未反応の1233zd(E)を回収することができれば、回収された1233zd(E)を245faの原料として再度使用することができる。
[精製工程]
1233zd(E)のフッ素化反応により得られた組成物を精製して、245faあるいは、1233zd(E)を高純度で得る。本精製方法では、減圧蒸留を行って、1233zd(E)と245faの共沸様組成物を含む組成物から高純度の1233zd(E)を得ることができる。
減圧蒸留に使用できる蒸留塔としては、通常の減圧蒸留に必要な機能を備えていればよいが、棚段塔、充填塔等の精留塔を使用することが好ましい。蒸留塔の理論段数は、通常10~60段、好ましくは20~50段であるが、この範囲に限定されるものではない。
減圧蒸留工程における系内の圧力は、50kPa以下に設定してもよく、工業的な実用性の観点から1kPa~50kPaに設定することが好ましい。特に、減圧蒸留時において、使用する蒸留塔の塔頂圧力は好ましくは40kPa以下、より好ましくは30kPa以下である。
減圧蒸留工程における塔頂液温は、特に限定されるものではないが、工業的な実用性の観点から、+20℃以下に設定することが好ましく、また、-20℃以上に設定することが好ましい。塔頂液温が-20℃以上であれば、冷却器の大型化などの設備コストの増大を避けられるため、工業的に採用しやすい。また、塔頂液温が+20℃以下であれば、蒸留分離効率が良好である。減圧蒸留工程における塔頂液温は、-20℃以上+20℃以下に設定することが好ましい。
精製工程において、上述した第1実施形態~第3実施形態と同様に、減圧蒸留は、複数回行ってもよい。また、減圧蒸留を2回以上行う場合、蒸留工程は連続して行ってもよく、2回以上の蒸留工程の間に、上述のような不純物の脱ハロゲン化水素処理工程等の別の工程を挟んでもよい。
以上に説明した第1実施形態~第3実施形態に係る製造方法及び変形例である精製方法において、減圧蒸留によって互いに分離可能であるという観点から、組成物に含まれる(ハイドロ)ハロカーボン、及び該(ハイドロ)ハロカーボンとともに含まれる不純物は、いずれも120℃以下の標準沸点を有していることが好ましく、80℃以下の標準沸点を有していることがさらに好ましい。
以上に説明した第1実施形態~第3実施形態に係る製造方法によれば、組成物の中にフッ化水素や水が残留している場合、組成物の減圧蒸留によって、(ハイドロ)ハロカーボンはフッ化水素や水からも分離することができる。
以上では、(ハイドロ)ハロカーボンとして1233zd(Z)、1223xd(z)、1232xd(Z)及び1233zd(E)、これらの(ハイドロ)ハロカーボンと共沸様組成物を構成する不純物として244fa、1223za、1223xd(E)、1232xd(E)及び245faを例に挙げて説明したが、(ハイドロ)ハロカーボン及び該(ハイドロ)ハロカーボンと共沸又は共沸様挙動を示す不純物はこれらに限定されるわけではない。
一実施形態において、組成物に含まれ、減圧蒸留によって該組成物から分離可能な(ハイドロ)ハロカーボンとしては、一般式(1):CClで表される化合物が挙げられる。一般式(1)において、mは2~5のいずれかの整数であり、a、b、及びcは0以上の整数であり、b+c≧1を満たし、かつ、a+b+c=2m-2、2m、又は2m+2を満たす。
以下の表1及び表2には、組成物に含まれ、一般式(1)で表される(ハイドロ)ハロカーボンと、該(ハイドロ)ハロカーボンと常圧で共沸又は共沸様挙動を示し、該(ハイドロ)ハロカーボンとは異なる化合物との組み合わせを示す。しかしながら、該(ハイドロ)ハロカーボン、及び該(ハイドロ)ハロカーボンとは異なる化合物はこれらに限定されない。

また、一実施形態において、組成物に含まれ、減圧蒸留によって該組成物から分離可能な(ハイドロ)ハロカーボンとしては、一般式(2):CClで表される化合物が挙げられる。一般式(2)において、nは3~5のいずれかの整数であり、d、e、及び、fは0以上の整数であり、gは1以上の整数であり、e+f≧1を満たし、かつ、d+e+f=2n-2、2n、又は2n+2を満たす。
般式(2)で表される(ハイドロ)ハロカーボンと、該(ハイドロ)ハロカーボンと常圧で共沸又は共沸様挙動を示し、該(ハイドロ)ハロカーボンとは異なる化合物との組み合わせを表3に示す。しかしながら、該(ハイドロ)ハロカーボン、及び該(ハイドロ)ハロカーボンとは異なる化合物は、これらに限定されない。
以下、上述した実施形態に従った実施例を説明する。ただし、本発明の実施態様は以下の実施例によって限定されることは無い。以下の実施例において、有機物の組成は、別途注釈のない限り、FID検出器を備えたガスクロマトグラフィーによって得られるクロマトグラムの面積によって決定した。
以下の表4に示す組成を有する組成物を、表5に示した蒸留条件によって蒸留した。尚、蒸留では、蒸留釜として2Lフラスコを用い、蒸留塔の理論段数は40段とした。
表4に示した実施例1~5及び比較例1~4の組成物を表5に示した条件により、蒸留した後の回収物の組成を以下の表6に示す。尚、以下の表6において、実施例1,3,4及び比較例1,3,4は蒸留塔の塔頂から留出した回収物の組成を指し、実施例2,5及び比較例2は釜残の組成物の組成を指す。
表6を参照すると、実施例1と比較例1とを比較すると、減圧蒸留することにより、常圧での蒸留よりも1233zd(Z)(低沸点物質)が高純度で回収されている。実施例2と比較例2とを比較すると、減圧蒸留によって、常圧での蒸留よりも1233zd(E)(高沸点物質)が高純度で回収されている。実施例3,4と比較例3とを比較すると、減圧蒸留することにより、常圧での蒸留よりも1223xd(Z)が高純度で回収されている。また、実施例3と実施例4とを参照すると、蒸留時に塔頂温度をより低くし、さらに塔頂圧力をより低く設定した実施例4のほうが実施例3よりも1223xd(Z)(低沸点物質)がより高純度で得られた。また、実施例5と比較例4とを比較すると、減圧蒸留によって、常圧での蒸留よりも1232xd(Z)(高沸点物質)が高純度で回収されている。
(実施例5:多段階減圧蒸留による高純度1233zdの精製)
以下の表7において上段に示す組成を有する組成物(表7中、「仕込組成」と記す)を、理論段数40段の蒸留塔に仕込み、蒸留圧力8~10kPaで減圧蒸留し、表7において下段に示す組成を有する組成物(表7中、「主留」と記す)を回収した。
上記主留1208.23gを理論段数40段の蒸留塔に仕込み、蒸留を行った。表8に示すように、蒸留圧力101kPaで常圧蒸留してフラクション1を回収した後、蒸留圧力8~9kPaで減圧蒸留し、フラクション2~10を回収した。減圧蒸留にて回収したフラクションから、244fa含有量が3%以下である高純度1233zd(Z)として、829.13g得ることができ(フラクション2~9)、244fa含有量が1%以下である高純度1233zd(Z)として、749.95g得ることができ(フラクション2~7)、244fa含有量が0.5%以下である高純度1233zd(Z)として、639.06g得ることができ(フラクション2~6)、244fa含有量が0.3%以下である高純度1233zd(Z)として、129.44g得ることができた(フラクション4)。ここで、フラクション2~10は、蒸留塔から取り出すタイミング順の留分である。
また、釜残物から、1233zd(Z)含有量が1%以下である高純度244faとして、204.68g得た。

以上の実施例及び比較例から、組成物中で互いに共沸又は共沸様挙動を示す化合物を、減圧蒸留によって精製することにより、常圧蒸留よりも該組成物中の各成分をより高純度で得られることが分かる。

Claims (19)

  1. (ハイドロ)ハロカーボンと、前記(ハイドロ)ハロカーボンとは異なる化合物とを含む共沸又は共沸様組成物を減圧蒸留して、前記(ハイドロ)ハロカーボンを精製する工程を含む、(ハイドロ)ハロカーボンの製造方法。
  2. 前記減圧蒸留において、蒸留塔の塔頂圧力が50kPa以下である、請求項1に記載の(ハイドロ)ハロカーボンの製造方法。
  3. 前記減圧蒸留において、蒸留塔の塔頂温度が20℃以下である、請求項1又は2に記載の(ハイドロ)ハロカーボンの製造方法。
  4. 前記(ハイドロ)ハロカーボン、及び前記化合物の標準沸点は、いずれも120℃以下である、請求項1に記載の(ハイドロ)ハロカーボンの製造方法。
  5. 前記(ハイドロ)ハロカーボン、及び前記化合物の標準沸点は、いずれも80℃以下である、請求項4に記載の(ハイドロ)ハロカーボンの製造方法。
  6. 前記(ハイドロ)ハロカーボンは、一般式(1)CCl(mは2~5のいずれかの整数であり、a、b、及びcは0以上の整数であり、b+c≧1を満たし、かつ、a+b+c=2m-2、2m、又は2m+2を満たす)で表される化合物であり、
    前記化合物は、フッ化水素および前記一般式(1)で表される化合物(ただし、前記(ハイドロ)ハロカーボンとして選択された化合物を除く)から選択される少なくとも一つである、
    請求項1に記載の(ハイドロ)ハロカーボンの製造方法。
  7. 前記(ハイドロ)ハロカーボンは、一般式(2)CCl(nは3~5のいずれかの整数であり、d、e、及びfは0以上の整数であり、gは1以上の整数であり、e+f≧1を満たし、かつ、d+e+f=2n-2、2n、又は2n+2を満たす)で表される化合物であり、
    前記化合物は、フッ化水素および前記一般式(2)で表される化合物(ただし、前記(ハイドロ)ハロカーボンとして選択された化合物を除く)から選択される少なくとも一つである、
    請求項1に記載の(ハイドロ)ハロカーボンの製造方法。
  8. 前記(ハイドロ)ハロカーボンは、シス-1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペンであり、
    前記化合物は、3-クロロ-1,1,1,3-テトラフルオロプロパンである、
    請求項1に記載の(ハイドロ)ハロカーボンの製造方法。
  9. 前記(ハイドロ)ハロカーボンは、シス-1,2-ジクロロ-3,3,3-トリフルオロプロペンであり、
    前記化合物は、1,1-ジクロロ-3,3,3-トリフルオロプロペンである、
    請求項1に記載の(ハイドロ)ハロカーボンの製造方法。
  10. 前記(ハイドロ)ハロカーボンは、シス-1,2-ジクロロ-3,3-ジフルオロプロペンであり、
    前記化合物は、トランス-1,2-ジクロロ-3,3-ジフルオロプロペンである、
    請求項1に記載の(ハイドロ)ハロカーボンの製造方法。
  11. (ハイドロ)ハロカーボンと、前記(ハイドロ)ハロカーボンとは異なる化合物とを含む、共沸又は共沸様組成物を減圧蒸留して、前記(ハイドロ)ハロカーボンを精製する工程を含み、
    前記(ハイドロ)ハロカーボン、及び前記化合物の標準沸点は、いずれも80℃以下である、(ハイドロ)ハロカーボンの製造方法。
  12. シス-1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペンと、少なくとも3-クロロ-1,1,1,3-テトラフルオロプロパンを含む飽和ハイドロハロカーボンと、を含む共沸又は共沸様組成物を減圧蒸留して、シス-1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペンを主成分として含む留分を回収する工程、及び
    前記留分をさらに減圧蒸留して、3-クロロ-1,1,1,3-テトラフルオロプロパン含有量が3質量%以下のシス-1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペンを得る工程
    を含む、シス-1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペンの製造方法。
  13. 前記留分を回収する工程の後、且つ前記シス-1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペンを得る工程の前に、前記留分を塩基と接触させて、シス-1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペンを精製する工程をさらに含む、請求項12に記載のシス-1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペンの製造方法。
  14. 前記シス-1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペンを精製する工程は、前記留分に含まれる3-クロロ-1,1,1,3-テトラフルオロプロパンを脱ハロゲン化水素する工程である、請求項13に記載のシス-1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペンの製造方法。
  15. 前記塩基は、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物、炭酸塩、リン酸塩、アルコキシド、酸化物、及び水素化物のうちから選択される少なくとも一種である、請求項13に記載のシス-1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペンの製造方法。
  16. シス-1,2-ジクロロ-3,3,3-トリフルオロプロペンと、トランス-1,2-ジクロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン及び1,1-ジクロロ-3,3,3-トリフルオロプロペンのうちの少なくとも一つと、を含む共沸又は共沸様組成物を減圧蒸留して、シス-1,2-ジクロロ-3,3,3-トリフルオロプロペンを主成分として含む留分を回収する工程、及び
    前記留分をさらに減圧蒸留して、トランス-1,2-ジクロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン及び1,1-ジクロロ-3,3,3-トリフルオロプロペンのうちの少なくとも一つの含有量が3質量%以下のシス-1,2-ジクロロ-3,3,3-トリフルオロプロペンを得る工程
    を含む、シス-1,2-ジクロロ-3,3,3-トリフルオロプロペンの製造方法。
  17. 前記留分を回収する工程の後、且つ前記シス-1,2-ジクロロ-3,3,3-トリフルオロプロペンを得る工程の前に、前記留分を塩基と接触させて、シス-1,2-ジクロロ-3,3,3-トリフルオロプロペンを精製する工程をさらに含む、請求項16に記載のシス-1,2-ジクロロ-3,3,3-トリフルオロプロペンの製造方法。
  18. 前記シス-1,2-ジクロロ-3,3,3-トリフルオロプロペンを精製する工程は、前記留分に含まれるトランス-1,2-ジクロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン及び1,1-ジクロロ-3,3,3-トリフルオロプロペンのうちの少なくとも一つを脱ハロゲン化水素する工程である、請求項17に記載のシス-1,2-ジクロロ-3,3,3-トリフルオロプロペンの製造方法。
  19. 前記塩基は、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物、炭酸塩、リン酸塩、アルコキシド、酸化物、及び水素化物のうちから選択される少なくとも一種である、請求項17に記載のシス-1,2-ジクロロ-3,3,3-トリフルオロプロペンの製造方法。
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