JPWO2021095167A1 - 回転電機 - Google Patents

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Abstract

固定子に発生する高調波鉄損を低減させることができる回転電機を得る。この回転電機は、固定子と回転子とを備え、回転子は、複数の磁石挿入孔から構成された磁石挿入孔群が形成された回転子鉄心と、磁石挿入孔群に挿入され、複数の永久磁石から構成された永久磁石群とを有している。回転子鉄心には、第1磁気スリットと第2磁気スリットとが形成されている。第2磁気スリットには、第1q軸磁路と第2q軸磁路とを繋ぐ第1磁石磁束誘導路が配置されている。第1交差点と回転子鉄心の径方向中心点とを通る直線と、第2交差点と回転子鉄心の径方向中心点とを通る直線との間の角度をθ1とし、極対数をPとし、自然数をm1とし、n1をm1よりも小さい自然数とした場合に、θ1=2π×n1÷{P×(2m1−1)}[rad]を満たす。

Description

この発明は、永久磁石を備えた回転電機に関する。
従来、回転子と固定子とを備え、回転子は、複数の磁石挿入孔から構成された磁石挿入孔群が形成された回転子鉄心と、磁石挿入孔群に挿入され、複数の永久磁石から構成された永久磁石群とを有した回転電機が知られている。永久磁石群は、回転子における1つの磁極を構成している。回転子鉄心の径方向外側面と磁石挿入孔群との間における回転子鉄心の部分には、磁気的障壁である空洞が形成されている。回転子鉄心に空洞が形成されることによって、回転子鉄心におけるd軸方向の磁気抵抗が大きくなる。これにより、回転子の突極比が増加する。その結果、回転電機に発生するリラクタンストルクが向上する(例えば、特許文献1参照)。
特許第3819211号公報
しかしながら、回転子鉄心におけるd軸方向の磁気抵抗が大きくなることによって、回転子鉄心の径方向外側面における周方向の位置に対応して、回転子鉄心の径方向外側面を通る磁束に作用する回転子鉄心の磁気抵抗が大きく変動する。これにより、回転子鉄心の径方向外側面における磁束に含まれる高調波成分が増加する。その結果、固定子に発生する高調波鉄損が増加するという課題があった。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたものであり、その目的は、固定子に発生する高調波鉄損を低減させることができる回転電機を提供するものである。
この発明に係る回転電機は、固定子と、固定子の径方向内側に設けられた回転子とを備え、回転子は、複数の磁石挿入孔から構成された磁石挿入孔群が形成された回転子鉄心と、磁石挿入孔群に挿入され、複数の永久磁石から構成された永久磁石群とを有し、磁石挿入孔群を構成する複数の磁石挿入孔は、磁石挿入孔群の形状が、中間部が両端部よりも回転子鉄心の径方向内側に向かって突出した凸状となるように並べて配置され、永久磁石群を構成する複数の永久磁石は、回転子における1つの磁極を構成し、回転子鉄心の径方向外側面と磁石挿入孔群とによって囲まれた回転子鉄心の部分には、中間部が両端部よりも回転子鉄心の径方向内側に向かって突出した弧状の第1磁気スリットと、第1磁気スリットよりも磁石挿入孔群側に設けられ、中間部が両端部よりも回転子鉄心の径方向内側に向かって突出した弧状の第2磁気スリットとが形成され、第1磁気スリットと第2磁気スリットとの間の回転子鉄心の部分を第1q軸磁路とし、第2磁気スリットと磁石挿入孔群との間の回転子鉄心の部分を第2q軸磁路とし、第2磁気スリットには、第1q軸磁路と第2q軸磁路とを繋ぐ第1磁石磁束誘導路が配置され、第1q軸磁路の幅方向中心を通る曲線と回転子鉄心の径方向外側面とが交差する2個の交差点のうちの一方を第1交差点とし、2個の交差点のうちの他方を第2交差点とし、第1交差点と回転子鉄心の径方向中心点とを通る直線と、第2交差点と回転子鉄心の径方向中心点とを通る直線との間の角度をθ1とし、極対数をPとし、自然数をm1とし、n1をm1よりも小さい自然数とした場合に、θ1=2π×n1÷{P×(2m1−1)}[rad]を満たす。
この発明に係る回転電機によれば、固定子に発生する高調波鉄損を低減させることができる。
実施の形態1に係る回転電機を示す平面図である。 図1の回転電機1の要部を示す拡大図である。 実施の形態1における第1比較例の回転電機における回転子の径方向外側面における磁束密度分布を示す図である。 図3の回転電機における回転子に発生した磁束の空間位相と、回転子に発生して固定子に鎖交した磁束の時間位相と、固定子に発生した磁束の時間位相とを示す図である。 図1の回転電機1における回転子の径方向外側面における磁束密度分布を示す図である。 図1の回転子の要部を示す拡大図である。 図6の回転子の変形例の要部を示す図である。 図7の回転子の径方向外側面における磁束密度分布を示す図である。 図1の回転電機における回転子に発生した磁束の空間位相と、回転子に発生して固定子に鎖交した磁束の時間位相と、固定子に発生した磁束の時間位相とを示す図である。 図3の回転子における回転数とトルクとの関係を示すグラフである。 図7の回転子における回転数とトルクとの関係を示すグラフである。 実施の形態1における第2比較例の回転子の要部を示す正面図である。 実施の形態2に係る回転電機の回転子の要部を示す平面図である。 実施の形態3に係る回転電機の回転子の要部を示す平面図である。 実施の形態4に係る回転電機の回転子の要部を示す平面図である。 実施の形態5に係る回転電機の回転子の要部を示す平面図である。 実施の形態5における変形例の回転電機の回転子の要部を示す平面図である。 実施の形態6に係る回転電機の回転子の要部を示す平面図である。 実施の形態7に係る回転電機を示す平面図である。 実施の形態7における変形例の回転電機を示す平面図である。 実施の形態8に係る回転電機の回転子の要部を示す平面図である。 図21のA部を示す拡大図である。 実施の形態8における第1比較例の固定子の要部を示す平面図である。 図23のB部を示す拡大図である。 実施の形態8における第2比較例の固定子の要部を示す平面図である。 図25のC部を示す拡大図である。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る回転電機を示す平面図である。回転電機1は、永久磁石式回転電機となっている。回転電機1は、固定子2と、固定子2に対して回転する回転子3とを備えている。この例では、軸方向とは、回転子3が回転する回転軸に沿った方向であり、径方向とは、回転子3が回転する回転軸を中心とした径方向であり、周方向とは、回転子3が回転する回転軸を中心とした周方向である。回転子3は、固定子2に対して径方向内側に配置されている。回転子3は、固定子2に対して周方向に回転する。
固定子2は、固定子鉄心201と、固定子鉄心201に設けられた複数のコイル202とを有している。固定子鉄心201は、円筒形状のコアバック203と、コアバック203から径方向内側に突出した複数のティース204とを含んでいる。複数のティース204は、周方向について並べて配置されている。それぞれのティース204の先端部は、回転子3に対向している。
コアバック203と、周方向について互いに隣り合う一対のティース204とによって区切られた空間をスロット205とする。言い換えれば、周方向について互いに隣り合う一対のティース204の間には、スロット205が形成されている。スロット205には、コイル202が配置されている。この例では、スロット205の数は、48個となっており、コイル202の巻き方は、分布巻となっている。
回転子3は、回転子鉄心301と、回転子鉄心301に設けられた複数の永久磁石群302とを有している。複数の永久磁石群302は、周方向に並んで配置されている。この例では、永久磁石群302の数は、8個となっている。1個の永久磁石群302は、回転子3における1個の磁極を構成している。したがって、この例では、回転子3の磁極の数は、8個となっている。
回転子鉄心301は、円筒形状に形成されている。回転子鉄心301には、複数の磁石挿入孔群303と、複数の空洞304と、複数の磁気スリット群305とが形成されている。複数の磁石挿入孔群303は、回転子3の周方向に等間隔に配置されている。磁石挿入孔群303の数は、永久磁石群302の数と一致している。したがって、磁石挿入孔群303の数は、8個となっている。
複数の空洞304および複数の磁気スリット群305は、複数の磁石挿入孔群303と同様に、周方向に等間隔に配置されている。複数の空洞304の数および複数の磁気スリット群305の数は、磁石挿入孔群303の数と一致している。空洞304は、非磁性領域である。
図2は、図1の回転電機1の要部を示す拡大図である。図2では、回転子3における1個の磁極を構成する部分と、1個の磁極を構成する回転子3の部分に対応する固定子2の部分とが示されている。1個の磁石挿入孔群303は、2個の磁石挿入孔306から構成されている。なお、1個の磁石挿入孔群303は、3個以上の磁石挿入孔306から構成されてもよい。
1個の磁石挿入孔群303を構成する2個の磁石挿入孔306は、磁石挿入孔群303の形状が、中間部が両端部よりも回転子鉄心301の径方向内側に向かって突出した凸状となるように並べて配置されている。回転子鉄心301の径方向外側面307は、回転子鉄心301における径方向外側を向く面である。言い換えれば、径方向外側面307は、回転子鉄心301における固定子2に対向する面である。
1個の永久磁石群302は、2個の永久磁石308から構成されている。1個の磁石挿入孔群303を構成する2個の磁石挿入孔306のそれぞれに挿入された2個の永久磁石308のそれぞれは、互いに近い側の面が同一の極となるように、磁化されている。なお、1個の永久磁石群302は、3個以上の永久磁石308から構成されてもよい。1個の永久磁石群302を構成する永久磁石308の数は、1個の磁石挿入孔群303を構成する磁石挿入孔306の数と一致している。
1個の磁石挿入孔306に1個の永久磁石308が挿入されている。なお、1個の磁石挿入孔306に複数の永久磁石308が挿入されてもよい。
磁気スリット群305は、複数の磁気スリット309を有している。磁気スリット309の数は、2個となっている。2個の磁気スリット309は、少なくとも一部が互いに平行に配置されている。2個の磁気スリット309のうちの一方を第1磁気スリット309Aとし、2個の磁気スリット309のうちの他方を第2磁気スリット309Bとする。2個の磁気スリット309のそれぞれの形状は、中間部が両端部よりも回転子鉄心301の径方向内側に向かって突出した弧状となっている。第2磁気スリット309Bは、第1磁気スリット309Aよりも磁石挿入孔群303側に配置されている。
第1磁気スリット309Aと第2磁気スリット309Bとの間の回転子鉄心301の部分を第1q軸磁路310Aとする。第2磁気スリット309Bと磁石挿入孔群303との間の回転子鉄心301の部分を第2q軸磁路310Bとする。第2磁気スリット309Bにおける径方向内側の部分には、第1磁石磁束誘導路311が配置されている。第1磁石磁束誘導路311は、第1q軸磁路310Aと第2q軸磁路310Bとを繋いでいる。第1磁石磁束誘導路311は、回転子鉄心301の径方向に沿って配置されている。
回転子鉄心301に磁気スリット群305が形成されることによって、回転子鉄心301におけるd軸方向の磁気抵抗が大きくなる。これにより、回転子3の突極比が増加して、回転電機1に発生するリラクタンストルクが向上する。
一方、回転子鉄心301におけるd軸方向の磁気抵抗が大きくなることによって、回転子鉄心301の径方向外側面307における周方向の位置に対応して、回転子鉄心301の径方向外側面307を通る磁束に作用する回転子鉄心301の磁気抵抗が大きく変動する。これにより、回転子鉄心301の径方向外側面307における磁束に含まれる高調波成分が増加する。磁束に含まれる高調波成分を高調波磁束とする。高調波磁束が固定子2に鎖交することによって、固定子2に発生する高調波鉄損が増加する。固定子2に発生する高調波鉄損が増加するメカニズムを以下に示す。
回転子3に発生する起磁力と回転子3のパーミアンスとによる空間n次高調波磁束は、電気角をθとした場合に、Ansin(nθ)と表される。回転子鉄心301の径方向中心点を中心としたティース204における周方向両端の間の角度を電気角で2π/a[rad]とする。この場合に、ティース204に鎖交する磁束Φは、Ansin(nθ)を2π/a[rad]の範囲で移動平均をとりながら積分されたものと考えることができる。したがって、下記の式(1)が満たされる。
Figure 2021095167
上記の式(1)において、ωは回転子3の角速度であり、tは時間である。なお、他のティース204に鎖交する磁束に関しては、位相差が異なるものとして扱うことができる。
固定子鉄心201に鎖交する磁束は、上記の式(1)の右項に示される磁束に、固定子2に発生する起磁力によって発生する磁束を加えたものとなる。
回転子3に由来する高調波磁束と固定子2に由来する高調波磁束の時間位相とが互いに反転した関係となることによって、回転子3に由来する高調波磁束と固定子2に由来する高調波磁束とが互いに相殺される。これにより、固定子2に発生する高調波鉄損が低減される。
m次の時間高調波磁束をsin(mωt+δtm)とし、m次の空間高調波磁束をsin(mθ+δθm)とする。δtmは、m次の時間高調波磁束の初期位相であり、δθmは、m次の空間高調波磁束の初期位相である。θは電気角である。
自然数をm1とし、回転子3に発生する空間高調波磁束における2個の次数を2m1−1、2m1+1とする。2m1−1次の空間高調波磁束と2m1+1次の空間高調波磁束とが互いに同位相であるとする。この場合には、上記の式(1)にしたがって、固定子鉄心201に鎖交した時の2m1−1次の時間高調波磁束と2m1+1次の時間高調波磁束との間の時間位相差は、(2m1−1)×π/2−(2m1+1)×π/2=−π[rad]となる。したがって、この場合には、固定子鉄心201に鎖交した時の2m1−1次の時間高調波磁束と2m1+1次の時間高調波磁束とが互いに逆位相となる。
一方、2m1−1次の空間高調波磁束と2m1+1次の空間高調波磁束とが互いに逆位相であるとする。この場合には、上記の式(1)にしたがって、固定子鉄心201に鎖交した時の2m1−1次の時間高調波磁束と2m1+1次の時間高調波磁束との間の時間位相差は、(2m1−1)×π/2+π−(2m1+1)×π/2=0[rad]となる。したがって、この場合には、固定子鉄心201に鎖交した時の2m1−1次の時間高調波磁束と2m1+1次の時間高調波磁束とが互いに同位相となる。
回転子3に由来する高調波磁束と固定子2に由来する高調波磁束とが互いに相殺されるためには、下記の式(2)を満たす必要がある。
δs−δr=π×(2n1−1)[rad] (2)
上記の式(2)において、δsは、固定子2に発生する2m1−1次の時間高調波磁束と2m1+1次の時間高調波磁束との間の時間位相差とし、δrは、回転子3に発生する2m1−1次の空間高調波磁束と2m1+1次の空間高調波磁束との間の空間位相差とし、n1は、m1よりも小さい自然数とする。
図3は、実施の形態1における第1比較例の回転電機1における回転子3の径方向外側面307における磁束密度分布を示す図である。図3では、磁束密度分布を周波数分析した場合の1次、3次、5次および7次のそれぞれの成分も示されている。図4は、図3の回転電機1における回転子3に発生する磁束の空間位相と、回転子3に発生して固定子2に鎖交した磁束の時間位相と、固定子2に発生した磁束の時間位相とを示す図である。
回転子3に発生する3次の高調波磁束の空間位相は、ほぼ0度である。したがって、回転子3に発生した3次の高調波磁束が固定子鉄心201に鎖交した時に、回転子3に発生した3次の高調波磁束の時間位相は、上記の式(1)にしたがって、−90[deg]となる。
回転子3に発生する5次の高調波磁束の空間位相は、180度である。したがって、回転子3に発生した5次の高調波磁束が固定子鉄心201に鎖交した時に、回転子3に発生した5次の高調波磁束の時間位相は、上記の式(1)にしたがって、−90[deg]となる。
回転子3に発生する7次の高調波磁束の空間位相は、180度である。したがって、回転子3に発生した7次の高調波磁束が固定子鉄心201に鎖交した時に、回転子3に発生した7次の高調波磁束の時間位相は、上記の式(1)にしたがって、+90[deg]となる。なお、各次数の高調波磁束の空間位相は、磁気スリット309の形状、永久磁石308の形状などに依存する。
一方、固定子2に発生する3次、5次および7次の高調波磁束の時間位相は、すべて90[deg]である。したがって、比較例の回転電機1では、回転子3に発生した3次の高調波磁束と固定子2に発生した3次の高調波磁束とが互いに相殺され、回転子3に発生した5次の高調波磁束と固定子2に発生した5次の高調波磁束とが互いに相殺される。
しかしながら、回転子3に発生した7次の高調波磁束と固定子2に発生した7次の高調波磁束とは、互いに強め合う。これは、比較例1の回転電機1では、回転子3に発生する5次および7次の高調波磁束の空間位相それぞれが互いに同位相であり、固定子2に発生する5次および7次の高調波磁束の時間位相のそれぞれが互いに同位相であるからである。
回転子3に発生する7次の高調波磁束と固定子2に発生する7次の高調波磁束とが互いに相殺されるためには、回転子3に発生する5次および7次の高調波磁束の時間位相のそれぞれが互いに逆位相となる必要がある。言い換えれば、回転子3に発生する7次の高調波磁束の位相を反転させる必要がある。
図3に示すように、電気角a1および電気角a2において、回転子3に発生する7次の高調波磁束は、下向きに凸となっている。図3では、7次の高調波磁束における下向きに凸となっている部分に矢印が示されている。これは、磁気スリット群305が永久磁石群302から出た磁束を遮っているからである。回転子3に発生する7次の高調波磁束の位相を反転させるためには、電気角a1と電気角a2において、回転子3に発生する7次の高調波磁束が上向きに凸とする必要がある。
図5は、図1の回転電機1における回転子3の径方向外側面307における磁束密度分布を示す図である。図5では、磁束密度分布を周波数分析した場合の1次、3次、5次および7次の成分も示されている。図6は、図1の回転子3の要部を示す拡大図である。
第2磁気スリット309Bにおける径方向内側の部分には、第1磁石磁束誘導路311が配置されている。第1磁石磁束誘導路311は、第1q軸磁路310Aと第2q軸磁路310Bとを繋いでいる。第1磁石磁束誘導路311は、永久磁石群302から出た磁束を第1磁気スリット309Aと第2磁気スリット309Bとの間に誘導する。これにより、径方向外側面307における電気角a1および電気角a2の部分において、永久磁石群302から出た磁束が誘導される。したがって、比較例の回転電機1と比較して、回転子3に発生する7次の高調波磁束の振幅が小さくなる。なお、図5では、電気角a1および電気角a2において、回転子3に発生する7次の高調波磁束は、下向きに凸となっている。
第1q軸磁路310Aの幅方向中心を通る曲線と回転子鉄心301の径方向外側面とが交差する2個の交差点のうちの一方を第1交差点A1とし、2個の交差点のうちの他方を第2交差点A2とする。第1交差点A1と回転子鉄心301の径方向中心点Oとを通る直線と、第2交差点A2と回転子鉄心301の径方向中心点Oとを通る直線との間の角度をθ1とする。θ1は、2m−1次の高調波磁束の腹の位置である必要がある。これは、高調波磁束の位相を反転させるため、高調波磁束の腹の位置に磁束を誘導する必要があるからである。したがって、極対数をPとし、自然数をm1とし、m1よりも小さい自然数をn1とした場合に、2m−1次の高調波磁束の振幅が増加するために、下記の式(3)を満たす必要がある。
θ1=2π×n1÷{P×(2m1−1)}[rad] (3)
さらに、複数の次数の高調波磁束において、2m1−1次の高調波磁束の振幅が増加するためには、上記の式(3)を満たす自然数m1が1個以上存在する必要がある。この場合に、7次の高調波磁束の振幅が減少する。
図7は、図6の回転子3の変形例の要部を示す図である。図8は、図7の回転子3の径方向外側面307における磁束密度分布を示す図である。図9は、図1の回転電機1における回転子3に発生した磁束の空間位相と、回転子3に発生して固定子2に鎖交した磁束の時間位相と、固定子2に発生した磁束の時間位相とを示す図である。
径方向外側面307における電気角b1および電気角b2のそれぞれの位置には、磁気的障壁である凹部312が形成されている。これにより、7次の高調波磁束の振幅がさらに小さくなる。7次の高調波磁束は、図5に示す7次の高調波磁束と比較して、位相が反転している。これにより、3次、5次および7次の高調波磁束のすべてが、回転子3に発生した高調波磁束の時間位相と固定子2に発生した高調波磁束の時間位相とが互いに反転している。その結果、それぞれの高調波磁束が互いに相殺される。
それぞれの凹部312は、回転子鉄心301の径方向外側面307における第2q軸磁路310Bに対応する2箇所のそれぞれに形成されている。2箇所に形成された凹部312のうちの一方を第1凹部312Aし、2箇所に形成された凹部312のうちの他方を第2凹部312Bとする。第1凹部312Aの幅方向中心と回転子鉄心301の径方向中心点Oとを通る直線と、第2凹部312Bの幅方向中心と回転子鉄心301の径方向中心点とを通る直線との間の角度をθ2とする。自然数をm2とし、n2をm2よりも小さい自然数とする。この場合に、下記の式(4)を満たす。
θ2=2π×n2÷{P×(2m2−1)}[rad] (4)
図10は、図3の回転子3における回転数とトルクとの関係を示すグラフである。図11は、図7の回転子3における回転数とトルクとの関係を示すグラフである。図10および図11において、色が濃いほど回転電機1の効率が低く、色が薄いほど回転電機1の効率が高いことが示されている。図3の回転子3を備えた第1比較例の回転電機1と比較して、図7の回転子3を備えた実施の形態1の回転電機1では、固定子2における高調波鉄損が低減されて、回転数の高い領域において、効率が向上している。
図12は、実施の形態1における第2比較例の回転子3の要部を示す正面図である。第2比較例の回転子3では、回転子鉄心301に磁気スリット群305が形成されていない。磁気スリット群305が形成されていない場合には、永久磁石群302から出た磁束を径方向外側面307における特定の位置に誘導することができない。これにより、永久磁石群302に囲まれた回転子鉄心301の部分に均等に磁束が流れる。その結果、上記の式(3)を満たす高調波磁束を得ることができない。
なお、実施の形態1では、コイル202に通電する電流の電流進角を45度以上としている。電流進角を45度以上とすることによって、d軸電流を増加させ、永久磁石308から出た磁束に起因する高調波磁束を効果的に弱めることができる。
以上説明したように、実施の形態1に係る回転電機1では、θ1=2π×n1÷{P×(2m1−1)}[rad]が満たされている。これにより、回転子3に発生する高調波磁束の空間位相を反転させることができる。その結果、固定子2に発生する高調波鉄損を低減させることができる。
また、この回転電機1では、δs−δr=π×(2n1−1)[rad]が満たされている。固定子2に発生する高調波鉄損を低減させることができる。
また、この回転電機1では、θ2=2π×n2÷{P×(2m2−1)}[rad]が満たされている。これにより、回転子3に発生する高調波磁束の空間位相を反転させることができる。その結果、固定子2に発生する高調波鉄損を低減させることができる。
実施の形態2.
図13は、実施の形態2に係る回転電機の回転子の要部を示す平面図である。図13では、回転子3における1個の磁極を構成する部分が示されている。第2磁気スリット309Bにおいて、永久磁石308に最も近い部分には、第1磁石磁束誘導路311が配置されている。実施の形態2では、第2磁気スリット309Bの2箇所に第1磁石磁束誘導路311が配置されている。第1磁石磁束誘導路311には、永久磁石308から出た磁束が誘導される。その他の構成は、実施の形態1と同様である。
以上説明したように、実施の形態2に係る回転電機1では、実施の形態1と同様に、固定子2に発生する高調波鉄損を低減させることができる。また、第2磁気スリット309Bの2箇所に第1磁石磁束誘導路311が形成されている。これにより、回転子3の強度を向上させることができる。また、第2磁気スリット309Bにおける径方向内側の部分に第1磁石磁束誘導路311が配置された場合と比較して、永久磁石308から出た磁束を第1磁石磁束誘導路311に容易に誘導することができる。
実施の形態3.
図14は、実施の形態3に係る回転電機の回転子の要部を示す平面図である。図14では、回転子3における1個の磁極を構成する部分が示されている。第1磁気スリット309Aにおいて、第2磁気スリット309Bに対向する部分には、第2磁石磁束誘導路313が配置されている。実施の形態3では、第1磁気スリット309Aの2箇所に第2磁石磁束誘導路313が配置されている。
第2磁石磁束誘導路313は、第1q軸磁路310Aと、第1磁気スリット309Aよりも永久磁石308から離れた回転子鉄心301の部分とを繋いでいる。第2磁石磁束誘導路313は、第1磁気スリット309Aと第2磁気スリット309Bとの間の回転子鉄心301の部分を通る磁束を第1磁気スリット309Aよりも永久磁石308から離れた回転子鉄心301の部分に誘導する。それぞれの第2磁石磁束誘導路313に誘導された磁束が通る領域の延長線が径方向外側面307と交差する点と回転子3の径方向中心点Oとが成す角をθ1とした場合に、上記の式(3)が満たされている。その他の構成は、実施の形態1または実施の形態2と同様である。
以上説明したように、実施の形態3に係る回転電機1では、実施の形態1と同様に、固定子2に発生する高調波鉄損を低減させることができる。また、径方向外側面307に出る磁束の出口の数が増加することによって、上記の式(3)を満たす複数のm次の空間高調波に対して、位相の調整を行うことができる。
実施の形態4.
図15は、実施の形態4に係る回転電機の回転子の要部を示す平面図である。図15では、回転子3における1個の磁極を構成する部分が示されている。1個の磁石挿入孔群303は、3個の磁石挿入孔306を有している。1個の永久磁石群302は、3個の永久磁石308を有している。
第2磁気スリット309Bにおいて、回転子3の径方向について内側の部分には、第1磁石磁束誘導路311が配置されている。言い換えれば、第1磁石磁束誘導路311は、磁極の中心に配置されている。これにより、3個の永久磁石308のうちの中央に配置された永久磁石308から出た磁束が第1磁石磁束誘導路311に誘導される。3個の永久磁石308のうちの両端に配置された永久磁石308から出た磁束は、第2磁気スリット309Bと磁石挿入孔群303との間の回転子鉄心301の部分を通って、径方向外側面307に向かう。その他の構成は、実施の形態1から実施の形態3までと同様である。
以上説明したように、実施の形態4に係る回転電機1では、実施の形態1と同様に、固定子2に発生する高調波鉄損を低減させることができる。また、第2磁気スリット309Bと磁石挿入孔群303との間の回転子鉄心301の領域に磁気飽和が発生することが抑制される。これにより、リラクタンストルクを低下させることなく、磁気スリット群305を配置することができる。
実施の形態5.
図16は、実施の形態5に係る回転電機の回転子の要部を示す平面図である。図16では、回転子3における1個の磁極を構成する部分が示されている。1個の磁石挿入孔群303は、4個の磁石挿入孔306を有している。1個の永久磁石群302は、4個の永久磁石308を有している。
第2磁気スリット309Bにおいて、回転子3の径方向について内側の部分には、第1磁石磁束誘導路311が配置されている。言い換えれば、第1磁石磁束誘導路311は、磁極の中心に配置されている。これにより、4個の永久磁石308のうちの中央側に配置された2個の永久磁石308から出た磁束が第1磁石磁束誘導路311に誘導される。4個の永久磁石308のうちの両端に配置された2個の永久磁石308から出た磁束は、第2磁気スリット309Bと磁石挿入孔群303との間の回転子鉄心301の部分を通って、径方向外側面307に向かう。その他の構成は、実施の形態1から実施の形態4までと同様である。
以上説明したように、実施の形態5に係る回転電機1では、実施の形態1と同様に、固定子2に発生する高調波鉄損を低減させることができる。また、第2磁気スリット309Bと磁石挿入孔群303との間の回転子鉄心301の領域に磁気飽和が発生することが抑制される。これにより、リラクタンストルクを低下させることなく、磁気スリット群305を配置することができる。
図17は、実施の形態5における変形例の回転電機1の回転子3の要部を示す平面図である。第2磁気スリット309Bにおいて、永久磁石308に最も近い部分には、第1磁石磁束誘導路311が配置されてもよい。実施の形態5における変形例では、第2磁気スリット309Bの2箇所に第1磁石磁束誘導路311が配置されている。この場合に、2個の永久磁石308から出た磁束が第1磁石磁束誘導路311に誘導される。
実施の形態6.
図18は、実施の形態6に係る回転電機の回転子の要部を示す平面図である。第2磁気スリット309Bにおける径方向外側面307側の部分は、径方向外側面307に繋がっている。言い換えれば、第1q軸磁路310Aおよび第2q軸磁路310Bのそれぞれの径方向外側部分は、互いに分離されている。したがって、回転子鉄心301における径方向外側面307側の部分には、第1q軸磁路310Aおよび第2q軸磁路310Bを繋ぐブリッジが存在しない。その他の構成は、実施の形態1から実施の形態5までと同様である。
以上説明したように、実施の形態6に係る回転電機1では、第1q軸磁路310Aおよび第2q軸磁路310Bのそれぞれの径方向外側部分は、互いに分離されている。したがって、回転子鉄心301における径方向外側面307側の部分において、第1q軸磁路310Aと第2q軸磁路310Bとの間で、永久磁石308から出た磁束が通ることを抑制することができる。また、回転子鉄心301における径方向外側面307側の部分において、第1q軸磁路310Aと第2q軸磁路310Bとの間で、コイル202に発生した磁束が通ることを抑制することができる。
実施の形態7.
図19は、実施の形態7に係る回転電機を示す平面図である。実施の形態1の回転電機1では、毎極毎相が2であり、磁極の数が8であり、スロットの数が48であり、コイル202の巻き方が分布巻であった。実施の形態7の回転電機1では、毎極毎相が3であり、磁極の数が8であり、スロットの数が72であり、コイルの巻き方が分布巻である。なお、コイルの巻き方は、コイルピッチが磁極ピッチよりも短い短節巻であってもよい。
図20は、実施の形態7における変形例の回転電機を示す平面図である。毎極毎相が1であり、磁極の数が8であり、スロットの数が24であり、コイル202の巻き方が分布巻の回転電機1であってもよい。その他の構成は、実施の形態1から実施の形態6までと同様である。
以上説明したように、実施の形態7に係る回転電機1では、毎極毎相が3となっている。毎極毎相の数を変更することによって、固定子2の各ティース204に鎖交する磁束の位相が変化する。したがって、回転子3に発生する磁束に対して位相を反転するように固定子2を設計する設計自由度が向上する。
実施の形態8.
図21は、実施の形態8に係る回転電機の回転子の要部を示す平面図である。図22は、図21のA部を示す拡大図である。実施の形態8では、第2磁気スリット309Bにおいて、永久磁石308に最も近い部分には、第1磁石磁束誘導路311が配置されている。実施の形態8では、第2磁気スリット309Bの2箇所に第1磁石磁束誘導路311が配置されている。
第2磁気スリット309Bの幅方向中心を通り第2磁気スリット309Bに沿った曲線を仮想中心曲線L1とする。第1磁石磁束誘導路311の幅方向中心を通り第1磁石磁束誘導路311に沿った直線を仮想中心直線L2とする。仮想中心曲線L1および仮想中心直線L2は、最小二乗法によって得られる。仮想中心曲線L1と仮想中心直線L2との交点における仮想中心曲線L1の接線と仮想中心直線L2との間の角度をα1とする。この場合に、α1=90[deg]となっている。
図23は、実施の形態8における第1比較例の回転子3の要部を示す平面図である。図24は、図23のB部を示す拡大図である。仮想中心曲線L1と仮想中心直線L2との交点における仮想中心曲線L1の接線と仮想中心直線L2との間の角度をα2とする。第1比較例では、α2<90[deg]となっている。
図25は、実施の形態8における第2比較例の回転子3の要部を示す平面図である。図26は、図25のC部を示す拡大図である。仮想中心曲線L1と仮想中心直線L2との交点における仮想中心曲線L1の接線と仮想中心直線L2との間の角度をα3とする。第2比較例では、α3>90[deg]となっている。
回転子3に作用する遠心力の方向は、径方向である。しかしながら、回転子鉄心301には、磁気スリット群305、磁石挿入孔群303および空洞304が形成され、磁石挿入孔306に永久磁石308が挿入されている。これにより、回転子3における質量密度が不均一となる。この場合に、回転子鉄心301の変形は一様ではない。第2磁気スリット309Bよりも径方向外側面307側の回転子鉄心301の部分に作用する遠心力が、第1磁石磁束誘導路311に作用する。
第1磁石磁束誘導路311に作用する力を分散させるためには、第1磁石磁束誘導路311の幅方向寸法を大きくすることが考えられる。しかしながら、この場合には、回転子3におけるd軸のインダクタンスが大きくなる。これにより、回転子3における突極比が低下する。
第2磁気スリット309Bよりも永久磁石群302から離れた回転子鉄心301の部分に作用する遠心力によって、第1磁石磁束誘導路311には、仮想中心曲線L1に対して垂直の方向への変形が発生すると考えられる。したがって、仮想中心曲線L1と仮想中心直線L2との交点における仮想中心曲線L1の接線と仮想中心直線L2との間の角度α1が90[deg]である場合に、第1磁石磁束誘導路311に曲げが発生することが抑制される。
一方、図24に示すように、仮想中心曲線L1と仮想中心直線L2との交点における仮想中心曲線L1の接線と仮想中心直線L2との間の角度α2が90[deg]よりも小さい場合に、第1磁石磁束誘導路311に曲げが発生する。また、図26に示すように、仮想中心曲線L1と仮想中心直線L2との交点における仮想中心曲線L1の接線と仮想中心直線L2との間の角度α3が90[deg]よりも大きい場合に、第1磁石磁束誘導路311に曲げが発生する。その他の構成は、実施の形態1から実施の形態7までと同様である。
以上説明したように、実施の形態8に係る回転電機1では、仮想中心曲線L1と仮想中心直線L2との交点における仮想中心曲線L1の接線と仮想中心直線L2との間の角度α1が90[deg]である。これにより、第1磁石磁束誘導路311に曲げが発生することを抑制することができる。その結果、回転子3における耐遠心力強度を向上させることができる。
1 回転電機、2 固定子、3 回転子、201 固定子鉄心、202 コイル、203 コアバック、204 ティース、205 スロット、301 回転子鉄心、302 永久磁石群、303 磁石挿入孔群、304 空洞、305 磁気スリット群、306 磁石挿入孔、307 径方向外側面、308 永久磁石、309 磁気スリット、309A 第1磁気スリット、309B 第2磁気スリット、310A 第1q軸磁路、310B 第2q軸磁路、311 第1磁石磁束誘導路、312 凹部、313 第2磁石磁束誘導路。
この発明に係る回転電機は、固定子と、固定子の径方向内側に設けられた回転子とを備え、回転子は、複数の磁石挿入孔から構成された磁石挿入孔群が形成された回転子鉄心と、磁石挿入孔群に挿入され、複数の永久磁石から構成された永久磁石群と、複数の磁気スリットを有する磁気スリット群と、を有し、磁石挿入孔群を構成する複数の磁石挿入孔は、磁石挿入孔群の形状が、中間部が両端部よりも回転子鉄心の径方向内側に向かって突出した凸状となるように並べて配置され、永久磁石群を構成する複数の永久磁石は、回転子における1つの磁極を構成し、回転子鉄心の径方向外側面と磁石挿入孔群とによって囲まれた回転子鉄心の部分には、中間部が両端部よりも回転子鉄心の径方向内側に向かって突出した弧状の、磁気スリット群に含まれる複数の磁気スリットのうちの1つである第1磁気スリットと、第1磁気スリットよりも磁石挿入孔群側に設けられ、中間部が両端部よりも回転子鉄心の径方向内側に向かって突出した弧状の、磁気スリット群に含まれる複数の磁気スリットのうちの1つである第2磁気スリットとが形成され、第1磁気スリットと第2磁気スリットとの間の回転子鉄心の部分を第1q軸磁路とし、第2磁気スリットと磁石挿入孔群との間の回転子鉄心の部分を第2q軸磁路とし、第2磁気スリットには、第2磁気スリットを複数の部分に分割し複数の部分が互いに離隔するように回転子鉄心の径方向に沿って配置され、第1q軸磁路と第2q軸磁路とを繋ぐ第1磁石磁束誘導路が配置され、第1磁石磁束誘導路の径方向外側に設けられる第1磁気スリットは、非磁性領域であり、第1q軸磁路の幅方向中心を通る曲線と回転子鉄心の径方向外側面とが交差する2個の交差点のうちの一方を第1交差点とし、2個の交差点のうちの他方を第2交差点とし、第1交差点と回転子鉄心の径方向中心点とを通る直線と、第2交差点と回転子鉄心の径方向中心点とを通る直線との間の角度をθとし、極対数をPとし、自然数をmとし、nをmよりも小さい自然数とした場合に、θ=2π×n÷{P×(2m−1)}[rad]を満たす。

Claims (5)

  1. 固定子と、
    前記固定子の径方向内側に設けられた回転子と
    を備え、
    前記回転子は、
    複数の磁石挿入孔から構成された磁石挿入孔群が形成された回転子鉄心と、
    前記磁石挿入孔群に挿入され、複数の永久磁石から構成された永久磁石群と
    を有し、
    前記磁石挿入孔群を構成する前記複数の磁石挿入孔は、前記磁石挿入孔群の形状が、中間部が両端部よりも前記回転子鉄心の径方向内側に向かって突出した凸状となるように並べて配置され、
    前記永久磁石群を構成する前記複数の永久磁石は、前記回転子における1つの磁極を構成し、
    前記回転子鉄心の径方向外側面と前記磁石挿入孔群とによって囲まれた前記回転子鉄心の部分には、中間部が両端部よりも前記回転子鉄心の径方向内側に向かって突出した弧状の第1磁気スリットと、前記第1磁気スリットよりも前記磁石挿入孔群側に設けられ、中間部が両端部よりも前記回転子鉄心の径方向内側に向かって突出した弧状の第2磁気スリットとが形成され、
    前記第1磁気スリットと前記第2磁気スリットとの間の前記回転子鉄心の部分を第1q軸磁路とし、前記第2磁気スリットと前記磁石挿入孔群との間の前記回転子鉄心の部分を第2q軸磁路とし、
    前記第2磁気スリットには、前記第1q軸磁路と前記第2q軸磁路とを繋ぐ第1磁石磁束誘導路が配置され、
    前記第1q軸磁路の幅方向中心を通る曲線と前記回転子鉄心の径方向外側面とが交差する2個の交差点のうちの一方を第1交差点とし、前記2個の交差点のうちの他方を第2交差点とし、
    前記第1交差点と前記回転子鉄心の径方向中心点とを通る直線と、前記第2交差点と前記回転子鉄心の径方向中心点とを通る直線との間の角度をθ1とし、
    極対数をPとし、
    自然数をm1とし、
    1をm1よりも小さい自然数とした場合に、
    θ1=2π×n1÷{P×(2m1−1)}[rad]
    を満たす回転電機。
  2. 前記固定子は、
    固定子鉄心と、
    前記固定子鉄心に設けられたコイルと
    を有し、
    前記コイルによって発生し、前記固定子鉄心に鎖交する2m1−1次の時間高調波磁束と2m1+1次の時間高調波磁束との間の時間位相差をδsとし、
    前記永久磁石から出て前記回転子鉄心を通って前記固定子鉄心に鎖交する2m1−1次の空間高調波磁束と2m1+1次の空間高調波磁束との間の空間位相差をδrとした場合に、
    δs−δr=π×(2n1−1)[rad]
    を満たす請求項1に記載の回転電機。
  3. 前記回転子鉄心の径方向外側面における前記第2q軸磁路に対応する2箇所のそれぞれには、凹部が形成されており、
    前記2箇所に形成された前記凹部のうちの一方を第1凹部とし、前記2箇所に形成された前記凹部のうちの他方を第2凹部とし、
    前記第1凹部の幅方向中心と前記回転子鉄心の径方向中心点とを通る直線と、前記第2凹部の幅方向中心と前記回転子鉄心の径方向中心点とを通る直線との間の角度をθ2とし、
    自然数をm2とし、
    2をm2よりも小さい自然数とした場合に、
    θ2=2π×n2÷{P×(2m2−1)}[rad]
    を満たす請求項1または請求項2に記載の回転電機。
  4. 前記第1q軸磁路および前記第2q軸磁路のそれぞれの径方向外側部分は、前記回転子鉄心の周方向について互いに切り離されている請求項1から請求項3までの何れか一項に記載の回転電機。
  5. 前記第1磁石磁束誘導路の中心を通り前記第1磁石磁束誘導路に沿った直線である仮想中心直線と、前記第2磁気スリットの中心を通り前記第2磁気スリットに沿った曲線である仮想中心曲線とが交差する交差点における前記仮想中心曲線の接線と前記仮想中心直線との間の角度は、90度である請求項1から請求項4までの何れか一項に記載の回転電機。
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