JPWO2021053915A1 - コイル部品および、これを含むフィルタ回路 - Google Patents

コイル部品および、これを含むフィルタ回路 Download PDF

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Abstract

本開示は、コイル(L1)とコイル(L2)とを磁気結合させたコイル部品(1)であって、積層体(3)と、複数の第1配線パターン(10)と、複数の第2配線パターン(20)と、複数の第3配線パターン(30)と、を備える。コイル(L1)は、複数の第1配線パターン(10)から複数の第3配線パターン(30)までを貫くビア導体(52)およびビア導体(53)で電気的に接続して複数の配線パターンを並列接続する部分を含む。コイル(L2)は、複数の第2配線パターン(20)から複数の第3配線パターン(30)までを貫くビア導体(55)およびビア導体(56)で電気的に接続して複数の配線パターンを並列接続する部分を含む。

Description

本開示は、コイル部品および、これを含むフィルタ回路に関する。
電子機器では、フィルタ回路を用いたノイズ対策がよく行われる。ノイズ対策に用いるフィルタ回路には、例えばEMI(Electro-Magnetic Interference)除去フィルタなどがあり、導体を流れる電流のうち必要な成分を通して不要な成分を除去する。また、フィルタ回路は、キャパシタンス素子であるコンデンサを用いるため、当該コンデンサの寄生インダクタンスである等価直列インダクタンス(ESL:Equivalent Series Inductance)によりノイズ抑制効果が低下することが知られている。
コンデンサの等価直列インダクタンスESLを、二つのコイルを磁気結合することで生じる負のインダクタンスで打ち消し、フィルタ回路のノイズ抑制効果を広帯域化する技術が知られている(例えば、特許文献1)。
特開2001−160728号公報
コンデンサの等価直列インダクタンスESLを打ち消すためには、二つのコイルの相互インダクタンスMを適切に調整する必要がある。特許文献1に係るLCフィルタでは、磁性体中に二つのコイルを設けているので大きな相互インダクタンスMを得ることができるが、打ち消したい等価直列インダクタンスESLに合わせて相互インダクタンスMを適切に調整することが困難であった。
また、フィルタ回路を電源ラインに使用する場合、コイルに大きな直流電流を流す必要がある。コイルに大きな直流電流を流すことでコイルの配線で電流が集中する箇所が生じると、当該箇所で発熱する虞もあった。
そこで、本開示の目的は、コイルの配線で電流の集中を抑え、二つのコイルの相互インダクタンスを適切に調整することが可能なコイル部品、およびこれを含むフィルタ回路を提供することである。
本開示の一形態に係るコイル部品は、第1コイルと第2コイルとを磁気結合させたコイル部品であって、複数の積層されたセラミック層からなり、互いに対向する1対の主面と主面間を結ぶ側面とを有する、セラミック素体と、セラミック素体の内部に積み重ねられ、第1コイルの一部を構成する複数の第1配線パターンと、第1配線パターンの上層に積み重ねられ、第2コイルの一部を構成する複数の第2配線パターンと、第1配線パターンと第2配線パターンとの間に積み重ねられ、第1コイルの一部を構成する部分と第2コイルの一部を構成する部分とを含む複数の第3配線パターンと、を備え、第1コイルは、複数の第1配線パターンの間を第1ビア導体で電気的に接続して複数の配線パターンを並列接続する部分と、複数の第1配線パターンから複数の第3配線パターンまでを貫く第2ビア導体および第3ビア導体で電気的に接続して複数の配線パターンを並列接続する部分と、含み、第2コイルは、複数の第2配線パターンの間を第4ビア導体で電気的に接続して複数の配線パターンを並列接続する部分と、複数の第2配線パターンから複数の第3配線パターンまでを貫く第5ビア導体および第6ビア導体で電気的に接続して複数の配線パターンを並列接続する部分と、を含み、セラミック素体は、第1配線パターンと電気的に接続する第1電極と、第2配線パターンと電気的に接続する第2電極と、複数の配線パターンの間を第7ビア導体で電気的に接続した第3配線パターンと電気的に接続する第3電極と、を含む。
本開示の一形態に係るフィルタ回路は、上記のコイル部品と、コイル部品の第3電極に接続するコンデンサとを備える。
本開示の一形態によれば、コイル部品に、複数の第1配線パターンから複数の第3配線パターンまでを貫く第2ビア導体および第3ビア導体、および複数の第2配線パターンから複数の第3配線パターンまでを貫く第5ビア導体および第6ビア導体を含むので、コイルの配線で電流の集中を抑え、二つのコイルの相互インダクタンスを適切に調整することでき、複数個所でインダクタンスの並列接続を形成してコイルの発熱を抑制する。
本実施の形態に係るコイル部品の斜視図である。 本実施の形態に係るコイル部品の配線パターンの構造を説明するための斜視図である。 本実施の形態に係るコイル部品の構成を示す分解平面図である。 本実施の形態に係るコイル部品を含むフィルタ回路の回路図である。 本実施の形態に係るコイル部品の等価回路図である。 本実施の形態に係るコイル部品1に大きな直流電流を流した場合の電流集中をシミュレーションした結果を模式的に示した図である。 比較対象のコイル部品に大きな直流電流を流した場合の電流集中をシミュレーションした結果を模式的に示した図である。 相互インダクタンスMとコイルL1のインダクタンスとコイルL2のインダクタンスとの組み合わせを説明するための図である。
以下に、本実施の形態に係るコイル部品およびこれを含むフィルタ回路について説明する。
まず、本実施の形態に係るコイル部品について図面を参照しながら説明する。図1は、本実施の形態に係るコイル部品の斜視図である。図2は、本実施の形態に係るコイル部品の配線パターンの構造を説明するための斜視図である。図3は、本実施の形態に係るコイル部品の構成を示す分解平面図である。図4は、本実施の形態に係るコイル部品を含むフィルタ回路の回路図である。ここで、図1および図2では、コイル部品1の短辺方向をX方向、長辺方向をY方向、高さ方向をZ方向としている。また、基板の積層方向はZ方向で、矢印の向きが上層方向を示している。
フィルタ回路100は、例えば、EMI除去フィルタであり、3次のT型LCフィルタ回路である。このフィルタ回路100にコイル部品1が用いられている。なお、以下の実施の形態では、フィルタ回路100の構成として3次のT型LCフィルタ回路を用いて説明するが、5次のT型LCフィルタ回路や、より高次のT型LCフィルタ回路に対しても同様の構成のコイル部品を適用することができる。まず、フィルタ回路100は、図4に示すように、コンデンサC1、電極4a,4b,4c、コイルL1(第1コイル)、およびコイルL2(第2コイル)を備えている。
コンデンサC1は、図4に示すように一方の端部を電極4cに接続し、他方の端部をGND配線に接続している。なお、コンデンサC1は、BaTiO3(チタン酸バリウム)を主成分とした積層セラミックコンデンサだけでなく、他の材料を主成分とした積層セラミックコンデンサでも、積層セラミックコンデンサでない、例えばアルミ電解コンデンサなどの他の種類のコンデンサでもよい。コンデンサC1は、寄生インダクタンス(等価直列インダクタンス(ESL))としてインダクタL3を有しており、インダクタL3がキャパシタC1aに直列に接続された回路構成と等価である。なお、コンデンサC1は、さらに寄生抵抗(等価直列抵抗(ESR))がインダクタL3およびキャパシタC1aに直列に接続された回路構成と等価であるとしてもよい。
電極4cには、コンデンサC1の他にコイルL1およびコイルL2が接続されている。コイルL1とコイルL2とは磁気結合しており、負のインダクタンス成分を生じている。この負のインダクタンス成分を用いて、コンデンサC1の寄生インダクタンス(インダクタL3)を打ち消すことができ、コンデンサC1のインダクタンス成分を見かけ上小さくすることができる。コンデンサC1、コイルL1およびコイルL2で構成されるフィルタ回路100は、コイルL1とコイルL2との相互インダクタンスによる負のインダクタンス成分で、コンデンサC1の寄生インダクタンスを打ち消すことにより、高周波帯のノイズ抑制効果を向上させることができる。
コイル部品1は、図1〜図3に示すようにコイルの配線を形成した基板(セラミックグリーンシート)が複数枚積層されたセラミック層の積層体3(セラミック素体)で構成されている。積層体3は、互いに対向する1対の主面と主面間を結ぶ側面とを有している。積層体3の主面に対して平行に、複数の第1配線パターン10と、複数の第3配線パターン30と、複数の第2配線パターン20とが下から順に積み重ねられ、コイルL1およびコイルL2を形成している。そのため、コイルL1とコイルL2との磁気結合の変動を、第1配線パターン10〜第3配線パターン30の積みズレの精度で制御することができる。
積層体3の側面は、長辺側の第1の側面(電極4a(第1電極)を形成した側面)および第2の側面(電極4b(第2電極)を形成した側面)と、短辺側の第3の側面(電極4c(第3電極)を形成した側面)および第4の側面(電極4dを形成した側面)と有している。
コイル部品1は、図2に示すように、コイルL1,L2を構成する配線パターン10a〜10c(第1配線パターン10)、配線パターン20a〜20c(第2配線パターン20)および配線パターン30a〜30c(第3配線パターン30)が積層体3の内部に配置されている。配線パターン30a〜30cは、一部がコイルL1を構成し、残りがコイルL2を構成している、つまり、配線パターン30a〜30cは、コイルL1,L2を構成する共通部分である。第3配線パターン30のように、コイルL1,L2の共通部分を持つことで、コイルL1とコイルL2との磁気結合の変動を低減することができる。コイルL1,L2のコイル形状は、電極4cに対しほぼ線対称の形状である。
下層に積層されている第1配線パターン10のうち、最下層の配線パターン10cの端部11が電極4aと電気的に接続される。他の配線パターン10a,10bは、配線パターン10cとビア導体51(第1ビア導体)を介して電気的に接続されている。なお、ビア導体51は、1つのビア導体で形成しても、複数のビア導体で形成してもよい。複数の第1配線パターン10のうち、少なくとも1つの第1配線パターン(例えば、配線パターン10c)が電極4aと電気的に接続していればよい。複数の第1配線パターン10のすべてが電極4aと電気的に接続すれば、ビア導体51を設けて複数の第1配線パターン10の間を電気的に接続する必要はない。ただし、複数の第1配線パターン10のすべてを電極4aと電気的に接続させると製造する際に割れが生じやすくなる。つまり、複数の第1配線パターン10のすべてに電極4aと電気的に接続するための端部11を設けると、複数の第1配線パターン10を積み重ねて押し固める際に割れが生じやすくなる。もちろん、製造する際に割れが生じにくいのであれば、複数の第1配線パターン10のすべてを電極4aと電気的に接続させてビア導体51自体を設けない構成であってもよい。
電極4aと電気的に接続する第1配線パターン10の数は、複数の第1配線パターン10の数より少なくすることが、製造する際の割れを考慮すると望ましく、特に、複数の第1配線パターン10のうち1つの第1配線パターン(例えば、配線パターン10c)で電極4aと電気的に接続する構成が望ましい。複数の第1配線パターン10を電極4aに接続する場合、電極4aと電気的に接続する一の第1配線パターン10と他の第1配線パターン10との間には、電極4aと電気的に接続しない第1配線パターン10の層を少なくとも1層含む構成でもよい。具体的に、複数の第1配線パターン10が、図2に示すように配線パターン10a〜10cを含む場合、配線パターン10a,10bに電極4aと電気的に接続するための端部11を設け、配線パターン10bに電極4aと電気的に接続するための端部11を設けない。
中層に積層されている第3配線パターン30のうち、最下層の配線パターン30cの端部31が電極4cと電気的に接続される。他の配線パターン30a,30bは、配線パターン30cとビア導体57(第7ビア導体)を介して電気的に接続されている。なお、ビア導体57は、1つのビア導体で形成しても、複数のビア導体で形成してもよい。複数の第3配線パターン30のうち、少なくとも1つの第3配線パターン(例えば、配線パターン30c)が電極4cと電気的に接続していればよい。複数の第3配線パターン30のすべてが電極4cと電気的に接続すれば、ビア導体57を設けて複数の第3配線パターン30の間を電気的に接続する必要はない。つまり、中層に積層されている第3配線パターン30のすべてに電極4cと電気的に接続するための端部31を設けても、上層、下層の配線パターンのすべてに電極と電気的に接続するための端部を設ける場合に比べて製造する際に割れが生じにくいのであれば、ビア導体57自体を設けない構成であってもよい。
そこで、電極4cと電気的に接続する第3配線パターン30の数は、複数の第3配線パターン30の数より少なくすることが、製造することを考慮すると望ましく、特に、複数の第3配線パターン30のうち1つの第3配線パターン(例えば、配線パターン30c)で電極4cと電気的に接続する構成が望ましい。複数の第3配線パターン30を電極4cに接続する場合、電極4cと電気的に接続する一の第3配線パターン30と他の第3配線パターン30との間には、電極4cと電気的に接続しない第3配線パターン30の層を少なくとも1層含む構成でもよい。具体的に、複数の第3配線パターン30が、図2に示すように配線パターン30a〜30cを含む場合、配線パターン30a,30bに電極4cと電気的に接続するための端部31を設け、配線パターン30bに電極4cと電気的に接続するための端部31を設けない。
中層に積層されている第3配線パターン30は、ビア導体52,53を介して下層の第1配線パターン10と電気的に接続されている。なお、ビア導体52,53は、それぞれ1つのビア導体で形成しても、それぞれ複数のビア導体で形成してもよい。ビア導体52,53は、第1配線パターン10の配線パターン10a〜10c、および第3配線パターン30の配線パターン30a〜30cのそれぞれと電気的に接続されている。また、ビア導体52(第2ビア導体)を設ける第1配線パターン10と、ビア導体53(第3ビア導体)を設ける第1配線パターン10とは、積層体3の異なる側面側にある。具体的に、ビア導体52を設ける第1配線パターン10は、図3に示すように長辺側の第1の側面側(図3では、ビア導体52と接続する接続部52a,52bが図示してある)になり、ビア導体53を設ける第1配線パターン10の短辺側の第4の側面側(図3では、ビア導体53と接続する接続部53a,53bが図示してある)と異なる。
つまり、ビア導体52とビア導体53とは、第1配線パターン10の一つの角を跨いで形成されている。ビア導体51とビア導体52との間で、3つの配線パターン10a〜10cの一部が並列に接続され、3つのインダクタが並列接続した構成となる。また、ビア導体52とビア導体53との間でも、3つの配線パターン10a〜10cの一部が並列に接続され、3つのインダクタが並列接続した構成となる。さらに、ビア導体52,53は、第3配線パターン30の配線パターン30a〜30cにも形成される。そのため、ビア導体52とビア導体53との間には、3つの配線パターン30a〜30cの一部が並列に接続され、3つのインダクタが並列接続した構成となり、配線パターン10a〜10cの部分と合わせて6つのインダクタが並列接続した構成となる。図5は、本実施の形態に係るコイル部品の等価回路図である。図5に示すように、コイルL1は、ビア導体51とビア導体52との間に並列接続の3つのインダクタ、ビア導体52とビア導体53との間に並列接続の6つのインダクタ、ビア導体53とビア導体57との間に並列接続の3つのインダクタで構成される。このような構成にすることでビア導体52とビア導体53との間、およびビア導体55とビア導体56との間を構成する配線が倍となって抵抗値が下がることで発熱が抑制される。
ビア導体52とビア導体53との間の形成される6つのインダクタは、ビア導体52とビア導体53との間の距離によりインダクタンスを調整することができる。特に、ビア導体52を設ける位置とビア導体53を設ける位置との距離は、積層体3の短辺側の第4の側面(一の側面)の長さの半分と長辺側の第1の側面(一の側面と直交する他の側面)の長さとの合計値より短い範囲で調整することができる。コイルL1を構成する並列接続の6つのインダクタのインダクタンスを調整することで、二つのコイルL1,L2の相互インダクタンスを適切に調整することできる。
上層に積層されている第2配線パターン20のうち、最下層の配線パターン20cの端部21が電極4bと電気的に接続される。他の配線パターン20a,20bは、配線パターン20cとビア導体54(第4ビア導体)を介して電気的に接続されている。なお、ビア導体54は、1つのビア導体で形成しても、複数のビア導体で形成してもよい。複数の第2配線パターン20のうち、少なくとも1つの第2配線パターン(例えば、配線パターン20c)が電極4bと電気的に接続していればよい。複数の第2配線パターン20のすべてが電極4bと電気的に接続すれば、ビア導体54を設けて複数の第2配線パターン20の間を電気的に接続する必要はない。ただし、複数の第2配線パターン20のすべてを電極4bと電気的に接続させると製造する際に割れが生じやすくなる。つまり、複数の第2配線パターン20のすべてに電極4bと電気的に接続するための端部21を設けると、複数の第2配線パターン20を積み重ねて押し固める際に割れが生じやすくなる。もちろん、製造する際に割れが生じにくいのであれば、複数の第2配線パターン20のすべてを電極4bと電気的に接続させてビア導体54自体を設けない構成であってもよい。
電極4bと電気的に接続する第2配線パターン20の数は、複数の第2配線パターン20の数より少なくすることが、製造する際の割れを考慮すると望ましく、特に、複数の第2配線パターン20のうち1つの第2配線パターン(例えば、配線パターン20c)で電極4bと電気的に接続する構成が望ましい。複数の第2配線パターン20を電極4bに接続する場合、電極4bと電気的に接続する一の第2配線パターン20と他の第2配線パターン20との間には、電極4bと電気的に接続しない第2配線パターン20の層を少なくとも1層含む構成でもよい。具体的に、複数の第2配線パターン20が、図2に示すように配線パターン20a〜20cを含む場合、配線パターン20a,20bに電極4bと電気的に接続するための端部21を設け、配線パターン20bに電極4bと電気的に接続するための端部21を設けない。
上層に積層されている第2配線パターン20は、ビア導体55,56を介して中層の第2配線パターン20と電気的に接続されている。なお、ビア導体55,56は、それぞれ1つのビア導体で形成しても、それぞれ複数のビア導体で形成してもよい。ビア導体55,56は、第2配線パターン20の配線パターン20a〜20c、および第3配線パターン30の配線パターン30a〜30cのそれぞれと電気的に接続されている。また、ビア導体55(第5ビア導体)を設ける第2配線パターン20と、ビア導体56(第6ビア導体)を設ける第2配線パターン20とは、積層体3の異なる側面側にある。具体的に、ビア導体55を設ける第2配線パターン20は、図3に示すように長辺側の第2の側面側(図3では、ビア導体55と接続する接続部55a,55bが図示してある)になり、ビア導体56を設ける第2配線パターン20の短辺側の第4の側面側(図3では、ビア導体56と接続する接続部56a,56bが図示してある)と異なる。
つまり、ビア導体55とビア導体56とは、第2配線パターン20の一つの角を跨いで形成されている。ビア導体54とビア導体55との間で、3つの配線パターン20a〜20cの一部が並列に接続され、3つのインダクタが並列接続した構成となる。また、ビア導体55とビア導体56との間でも、3つの配線パターン20a〜20cの一部が並列に接続され、3つのインダクタが並列接続した構成となる。さらに、ビア導体55,56は、第3配線パターン30の配線パターン30a〜30cにも形成される。そのため、ビア導体55とビア導体56との間には、3つの配線パターン30a〜30cの一部が並列に接続され、3つのインダクタが並列接続した構成となり、配線パターン20a〜20cの部分と合わせて6つのインダクタが並列接続した構成となる。図5に示すように、コイルL2は、ビア導体54とビア導体55との間に並列接続の3つのインダクタ、ビア導体55とビア導体56との間に並列接続の6つのインダクタ、ビア導体56とビア導体57との間に並列接続の3つのインダクタで構成される。
ビア導体55とビア導体56との間の形成される6つのインダクタは、ビア導体55とビア導体56との間の距離によりインダクタンスを調整することができる。特に、ビア導体55を設ける位置とビア導体56を設ける位置との距離は、積層体3の短辺側の第4の側面(一の側面)の長さの半分と長辺側の第2の側面(一の側面と直交する他の側面)の長さとの合計値より短い範囲で調整することができる。コイルL2を構成する並列接続の6つのインダクタのインダクタンスを調整することで、二つのコイルL1,L2の相互インダクタンスを適切に調整することできる。
第1配線パターン10、第2配線パターン20および第3配線パターン30の各々は、図3に示すように、基板であるセラミックグリーンシート3a〜3fに、導電性ペースト(Niペースト)をスクリーン印刷法により印刷して配線パターンを形成する。セラミックグリーンシート3aには、配線パターン20a,20bが形成されている。配線パターン20a,20bは、セラミックグリーンシート3aの図中下側の長辺の真中から各辺に沿って図中左回りに1周するように形成され、始端と終端との間に隙間が形成されている。また、配線パターン20a,20bは、始端にビア導体54と接続する接続部54a、図中左側の短辺にビア導体55と接続する接続部55a、終端にビア導体56と接続する接続部56aをそれぞれ設けている。
セラミックグリーンシート3bには、配線パターン20cが形成されている。配線パターン20cは、セラミックグリーンシート3bの図中下側の長辺の真中から各辺に沿って図中左回りに1周するように形成され、始端と終端との間に隙間が形成されている。さらに、配線パターン20cは、始端に電極4bと接続するための端部21を設けている。また、配線パターン20cは、始端にビア導体54と接続する接続部54b、図中左側の短辺にビア導体55と接続する接続部55b、終端にビア導体56と接続する接続部56bをそれぞれ設けている。このセラミックグリーンシート3aを2枚積層し、セラミックグリーンシート3bを1枚積層(計3層)することで、図1に示す第2配線パターン20を構成している。
セラミックグリーンシート3cには、配線パターン30a,30bが形成されている。配線パターン30a,30bは、セラミックグリーンシート3cの図中左側の短辺の真中から各辺に沿って図中左回りに1周するように形成され、始端と終端との間に隙間が形成されている。また、配線パターン30a,30bは、始端にビア導体56と接続する接続部56c、図中下側の長辺にビア導体55と接続する接続部55c、図中右側の長辺にビア導体57と接続する接続部57a、図中上側の長辺にビア導体52と接続する接続部52d、終端にビア導体53と接続する接続部53dをそれぞれ設けている。
セラミックグリーンシート3dには、配線パターン30cが形成されている。配線パターン30cは、セラミックグリーンシート3dの図中左側の短辺の真中から各辺に沿って図中左回りに1周するように形成され、始端と終端との間に隙間が形成されている。さらに、配線パターン30cは、図中右側の短辺の真中に電極4cと接続するための端部31を設けている。また、配線パターン30cは、始端にビア導体56と接続する接続部56d、図中下側の長辺にビア導体55と接続する接続部55d、図中右側の長辺にビア導体57と接続する接続部57b、図中上側の長辺にビア導体52と接続する接続部52c、終端にビア導体53と接続する接続部53cをそれぞれ設けている。このセラミックグリーンシート3cを2枚積層し、セラミックグリーンシート3dを1枚積層(計3層)することで、図1に示す第3配線パターン30を構成している。
セラミックグリーンシート3eには、配線パターン10a,10bが形成されている。配線パターン10a,10bは、セラミックグリーンシート3eの図中上側の長辺の真中から各辺に沿って図中右回りに1周するように形成され、始端と終端との間に隙間が形成されている。また、配線パターン10a,10bは、始端にビア導体51と接続する接続部51b、図中左側の短辺にビア導体53と接続する接続部53b、終端にビア導体52と接続する接続部52bをそれぞれ設けている。
セラミックグリーンシート3fには、配線パターン10cが形成されている。配線パターン10cは、セラミックグリーンシート3fの図中上側の長辺の真中から各辺に沿って図中右回りに1周するように形成され、始端と終端との間に隙間が形成されている。さらに、配線パターン10cは、始端に電極4aと接続するための端部11を設けている。また、配線パターン10cは、始端にビア導体51と接続する接続部51a、図中左側の短辺にビア導体53と接続する接続部53a、終端にビア導体52と接続する接続部52aをそれぞれ設けている。このセラミックグリーンシート3eを2枚積層し、セラミックグリーンシート3fを1枚積層(計3層)することで、図1に示す第1配線パターン10を構成している。
コイル部品1では、図3に示した複数のセラミックグリーンシート3a〜3fの各々を少なくとも1枚積層するとともに、その上下両面側に配線パターンが印刷されていないセラミックグリーンシート(ダミー層)を複数積層する。ダミー層を含め複数のセラミックグリーンシートを圧着することにより、未焼成の積層体3(セラミック素体)を形成する。形成した積層体3を焼成し、焼成した積層体3の外部に、配線パターンと導通するように銅電極を焼き付けて電極4a〜4dを形成する。
コイル部品1では、コイルL1,L2を構成する第1配線パターン10、第2配線パターン20および第3配線パターン30の配線を形成したセラミックグリーンシートを複数積層している。そのため、コイル部品1では、第1配線パターン10、第2配線パターン20および第3配線パターン30を多層構造にして形成したコイルL1とコイルL2との磁気結合の変動を低減することができる。
前述したようにコイル部品1は、金属部分の配線パターンとセラミック部分のセラミックグリーンシートとを複数積層し、加圧すること形成される。しかし、金属部分とセラミック部分とでは展延性が異なるため、加圧時に金属部分とセラミック部分との圧縮率の差で積層体3に割れが生じる恐れがある。前述したようにコイル部品1は、加圧した後に焼成が行われるので、焼成時の金属部分とセラミック部分との熱収縮率の差で積層体3に割れが生じる恐れがある。
そこで、本実施の形態に係るコイル部品1では、製造時に割れが生じ難くするために、第1配線パターン10のうち電極4aと接続するための端部11を設ける配線パターンの数を減らす。同様に、コイル部品1では、第2配線パターン20のうち電極4bと接続するための端部21を設ける配線パターンの数を減らしても、第3配線パターン30のうち電極4cと接続するための端部31を設ける配線パターンの数を減らしてもよい。
本実施の形態に係るコイル部品1では、第1配線パターン10と第3配線パターン30とを接続するためにビア導体52,53を設け、第2配線パターン20と第3配線パターン30とを接続するためにビア導体55,56を設けている。コイル部品1では、複数の配線パターン間を複数のビア導体で電気的に接続することで、コイルL1,L2に大きな直流電流を流した場合でも、コイルL1,L2の配線で電流の集中を抑えることができる。図6は、本実施の形態に係るコイル部品1に大きな電流を流した場合の電流集中をシミュレーションした結果を模式的に示した図である。また、図7は、比較対象のコイル部品に大きな電流を流した場合の電流集中をシミュレーションした結果を模式的に示した図である。図6および図7では、ハッチングの濃淡で電流集中の程度を模式的に表しており、ハッチングの濃い部分が電流集中の程度が高いことを示している。このような構成にすることで、高周波帯での電流集中が抑制され、相互インダクタンスMを安定して調整可能となる。
図7に示す比較対象のコイル部品では、第1配線パターン10と第3配線パターン30とを接続するためにビア導体52のみ設け、第2配線パターン20と第3配線パターン30とを接続するためにビア導体55のみ設けている。つまり、図6に示すコイル部品1からビア導体53,56を省いた構成である。そのため、比較対象のコイル部品では、複数の配線パターン間を1つビア導体で電気的に接続している。図6に示すシミュレーション結果では、特にビア導体52,53を設けた部分で、図7に示すシミュレーション結果に比べて電流集中の程度が低くなっていることが分かる。また、図6に示すシミュレーション結果では、ビア導体55,56を設けた部分でも、図7に示すシミュレーション結果に比べて電流集中の程度が高い部分が小さくなっていることが分かる。
図1に示すコイル部品1では、コイルL1とコイルL2とが同じインダクタンスとなる構成について説明した。しかし、コイル部品1は、コイルL1とコイルL2とが同じインダクタンスの場合に限定されない。コンデンサC1の寄生インダクタンスを打ち消すために必要な相互インダクタンスMは、M=k(L1×L2)−2で計算される。なお、kは、結合係数を表している。そのため、同じ相互インダクタンスMの値であっても、コイルL1のインダクタンスとコイルL2のインダクタンスとの組み合わせは無限に存在する。
図8は、相互インダクタンスMとコイルL1のインダクタンスとコイルL2のインダクタンスとの組み合わせを説明するための図である。図8では、相互インダクタンスMをある値(例えば、10nH)で固定した場合のコイルL1のインダクタンスとコイルL2のインダクタンスと合計(L1+L2)と、コイルL1のインダクタンス(L1)との変化をグラフ化してある。図8に示すグラフから分かるように、コイルL1のインダクタンスとコイルL2のインダクタンスとが共に同じ10nHとなる場合、コイルL1のインダクタンスとコイルL2のインダクタンスと合計(L1+L2)が最小値(20nH)となる。
相互インダクタンスMが同じ値であるなら、コイルL1のインダクタンスとコイルL2のインダクタンスと合計(L1+L2)が小さい方が、コイル部品1のサイズを小型化でき、導体損失による特性劣化を減らすことができる。そのため、コイル部品1は、コイルL1とコイルL2とが同じインダクタンスとなる構成が望ましいが、コイルL1のインダクタンスとコイルL2のインダクタンスとの比率が4倍以下であれば、コイルL1のインダクタンスとコイルL2のインダクタンスと合計(L1+L2)を最小値の±25%以内に収めることができる。具体的に、コイルL1のインダクタンスを5nH、コイルL2のインダクタンスを20nHとした場合、両者の比率は4倍であるが、コイルL1のインダクタンスとコイルL2のインダクタンスと合計(L1+L2)は、25nHとなり最小値(20nH)の25%増となる。
以上のように、本実施の形態に係るコイル部品1では、コイルL1とコイルL2とを磁気結合させたコイル部品であって、積層体3と、複数の第1配線パターン10と、複数の第2配線パターン20と、複数の第3配線パターン30と、を備える。積層体3は、複数の積層されたセラミック層からなり、互いに対向する1対の主面と前記主面間を結ぶ側面とを有する。複数の第1配線パターン10は、積層体3の内部に積み重ねられ、コイルL1の一部を構成する。複数の第2配線パターン20は、第1配線パターン10の上層に積み重ねられ、コイルL2の一部を構成する。複数の第3配線パターン30は、第1配線パターン10と第2配線パターン20との間に積み重ねられ、コイルL1の一部を構成する部分とコイルL2の一部を構成する部分とを含む。コイルL1は、複数の第1配線パターン10の間をビア導体51で電気的に接続して複数の配線パターンを並列接続する部分と、複数の第1配線パターン10から複数の第3配線パターン30までを貫くビア導体52およびビア導体53で電気的に接続して複数の配線パターンを並列接続する部分と、を含む。コイルL2は、複数の第2配線パターン20の間をビア導体54で電気的に接続して複数の配線パターンを並列接続する部分と、複数の第2配線パターン20から複数の第3配線パターン30までを貫くビア導体55およびビア導体56で電気的に接続して複数の配線パターンを並列接続する部分と、を含む。積層体3は、第1配線パターン10と電気的に接続する電極4aと、第2配線パターン20と電気的に接続する電極4bと、複数の配線パターンの間をビア導体57で電気的に接続した第3配線パターン30と電気的に接続する電極4cと、を含む。これにより、本実施の形態に係るコイル部品1は、ビア導体52およびビア導体53で複数の第1配線パターン10と複数の第3配線パターン30とを、ビア導体55およびビア導体56で複数の第2配線パターン20と複数の第3配線パターン30とをそれぞれ電気的に接続するので、コイルの配線で電流の集中を抑え、二つのコイルの相互インダクタンスを適切に調整することでき、複数個所でインダクタンスの並列接続を形成してコイルL1,L2の発熱を抑制する。
コイル部品1は、ビア導体52を設ける第1配線パターン10と、ビア導体53を設ける第1配線パターン10とは、積層体3の異なる側面側にあり、ビア導体55を設ける第2配線パターン20と、ビア導体56を設ける第2配線パターン20とは、積層体3の異なる側面側にあってもよい。これにより、コイル部品1は、第1配線パターン10または第2配線パターン20の角で電流の集中を抑えることができる。
コイル部品1は、ビア導体52を設ける位置とビア導体53を設ける位置との距離およびビア導体55を設ける位置とビア導体56を設ける位置との距離は、積層体3の一の側面の長さの半分と一の側面と直交する他の側面の長さとの合計値より短くてもよい。これにより、コイル部品1は、ビア導体52を設ける位置とビア導体53を設ける位置との距離、またはビア導体55を設ける位置とビア導体56を設ける位置との距離により、二つのコイルの相互インダクタンスを適切に調整することできる。
コイル部品1は、ビア導体51〜ビア導体57の少なくとも1つは、複数のビア導体を含んでもよい。つまり、ビア導体51〜ビア導体57のそれぞれは、1つのビア導体で形成しても、複数のビア導体で形成してもよい。
コイル部品1は、複数の第1配線パターン10のうち少なくとも1つの第1配線パターン10で電極4aと電気的に接続し、複数の第2配線パターン20のうち少なくとも1つの第2配線パターン20で電極4bと電気的に接続し、複数の第3配線パターン30のうち少なくとも1つの第3配線パターン30で電極4cと電気的に接続してもよい。さらに、コイル部品1は、電極4aと電気的に接続する第1配線パターン10の数は、複数の第1配線パターン10の数より少なく、電極4bと電気的に接続する第2配線パターン20の数は、複数の第2配線パターン20の数より少なく、電極4cと電気的に接続する第3配線パターン30の数は、複数の第3配線パターン30の数より少なくてもよい。これにより、コイル部品1は、製造時の割れを生じさせ難くすることができる。
さらに、コイル部品1は、電極4aと電気的に接続する一の第1配線パターン10と他の第1配線パターン10との間には、電極4aと電気的に接続しない第1配線パターン10の層を少なくとも1層含み、4b電極と電気的に接続する一の第2配線パターン20と他の第2配線パターン20との間には、電極4bと電気的に接続しない第2配線パターン20の層を少なくとも1層含み、電極4cと電気的に接続する一の第3配線パターン30と他の第3配線パターン30との間には、電極4cと電気的に接続しない第3配線パターン30の層を少なくとも1層含んでもよい。また、コイル部品1は、複数の第1配線パターン10のうち1つの第1配線パターン10で電極4aと電気的に接続し、複数の第2配線パターン20のうち1つの第2配線パターン20で電極4bと電気的に接続し、複数の第3配線パターン30のうち1つの第3配線パターン30で電極4cと電気的に接続してもよい。
コイル部品1は、ビア導体57に代えて、複数の第3配線パターン30のすべてと電極4cとを電気的に接続してもよい。これにより、コイル部品1は、ビア導体57を設ける必要がなく、構造を簡略化させることができる。また、コイル部品1は、ビア導体51に代えて、複数の第1配線パターン10のすべてと電極4aとを電気的に接続してもよい。これにより、コイル部品1は、ビア導体51を設ける必要がなく、構造を簡略化させることができる。さらに、コイル部品1は、ビア導体54に代えて、複数の第2配線パターン20のすべてと電極4bとを電気的に接続してもよい。これにより、コイル部品1は、ビア導体54を設ける必要がなく、構造を簡略化させることができる。コイル部品1は、ビア導体57に代えて、複数の第3配線パターン30のすべてと電極4cとを電気的に接続する構成、ビア導体51に代えて、複数の第1配線パターン10のすべてと電極4aとを電気的に接続する構成、ビア導体54に代えて、複数の第2配線パターン20のすべてと電極4bとを電気的に接続する構成のうち、すべての構成または一部の構成を組み合わせてもよい。
コイル部品1は、コイルL1のインダクタンスとコイルL2のインダクタンスとの比率は4倍以下であってもよい。これにより、コイル部品1は、サイズを小型化でき、導体損失による特性劣化を減らすことができる。
さらに、フィルタ回路100は、上記のコイル部品1と、コイル部品1において磁気結合させた複数のコイルL1,L2の一端(電極4c)に接続するコンデンサC1とを備える。これにより、フィルタ回路100は、寄生インダクタンスを打ち消すように、コイル部品1に含まれる二つのコイルの相互インダクタンスを適切に調整することでき、複数個所でインダクタンスの並列接続を形成してコイルL1,L2の発熱を抑制する。
(変形例)
これまで説明したコイル部品1では、第1配線パターン、第2配線パターンおよび第3配線パターンの各々は、3つの配線パターンを積層して構成されていると説明したが、2つ以上の配線パターンを積層させた構成であればよい。
また、これまで説明したコイル部品1では、ビア導体53およびビア導体56が複数の第3配線パターン30のすべての配線パターンと電気的に接続すると説明したが、すべての配線パターンと電気的に接続していなくてもよい。つまり、ビア導体53およびビア導体56は、複数の第3配線パターン30のうち少なくとも1つの配線パターンと接続していればよい。コイル部品1は、ビア導体53およびビア導体56が電気的に接続する配線パターンの数によっても、二つのコイルの相互インダクタンスを適切に調整することできる。
また、これまで説明したコイル部品1では、複数枚積層されたセラミック層の積層体3(セラミック素体)で構成されていると説明したが、誘電体の多層構造であればよい。
また、これまで説明したコイル部品1では、第1配線パターン、第2配線パターンおよび第3配線パターンの各々の配線パターンの厚みが同じであることを前提に説明したが、各々の配線パターンで厚みが異なってもよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなく、請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 コイル部品、4a,4b,4c 電極、10,20,30 配線パターン、51〜57 ビア導体、100 フィルタ回路、C1 コンデンサ。

Claims (13)

  1. 第1コイルと第2コイルとを磁気結合させたコイル部品であって、
    複数の積層されたセラミック層からなり、互いに対向する1対の主面と前記主面間を結ぶ側面とを有する、セラミック素体と、
    前記セラミック素体の内部に積み重ねられ、前記第1コイルの一部を構成する複数の第1配線パターンと、
    前記第1配線パターンの上層に積み重ねられ、前記第2コイルの一部を構成する複数の第2配線パターンと、
    前記第1配線パターンと前記第2配線パターンとの間に積み重ねられ、前記第1コイルの一部を構成する部分と前記第2コイルの一部を構成する部分とを含む複数の第3配線パターンと、を備え、
    前記第1コイルは、
    複数の前記第1配線パターンの間を第1ビア導体で電気的に接続して複数の配線パターンを並列接続する部分と、
    複数の前記第1配線パターンから複数の前記第3配線パターンまでを貫く第2ビア導体および第3ビア導体で電気的に接続して複数の配線パターンを並列接続する部分と、を含み、
    前記第2コイルは、
    複数の前記第2配線パターンの間を第4ビア導体で電気的に接続して複数の配線パターンを並列接続する部分と、
    複数の前記第2配線パターンから複数の前記第3配線パターンまでを貫く第5ビア導体および第6ビア導体で電気的に接続して複数の配線パターンを並列接続する部分と、を含み、
    前記セラミック素体は、
    前記第1配線パターンと電気的に接続する第1電極と、
    前記第2配線パターンと電気的に接続する第2電極と、
    複数の配線パターンの間を第7ビア導体で電気的に接続した前記第3配線パターンと電気的に接続する第3電極と、を含む、コイル部品。
  2. 前記第2ビア導体を設ける前記第1配線パターンと、前記第3ビア導体を設ける前記第1配線パターンとは、前記セラミック素体の異なる側面側にあり、
    前記第5ビア導体を設ける前記第2配線パターンと、前記第6ビア導体を設ける前記第2配線パターンとは、前記セラミック素体の異なる側面側にある、請求項1に記載のコイル部品。
  3. 前記第2ビア導体を設ける位置と前記第3ビア導体を設ける位置との距離および前記第5ビア導体を設ける位置と前記第6ビア導体を設ける位置との距離は、前記セラミック素体の一の側面の長さの半分と前記一の側面と直交する他の側面の長さとの合計値より短い、請求項2に記載のコイル部品。
  4. 前記第1ビア導体〜前記第7ビア導体の少なくとも1つは、複数のビア導体を含む、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のコイル部品。
  5. 複数の前記第1配線パターンのうち少なくとも1つの前記第1配線パターンで前記第1電極と電気的に接続し、
    複数の前記第2配線パターンのうち少なくとも1つの前記第2配線パターンで前記第2電極と電気的に接続し、
    複数の前記第3配線パターンのうち少なくとも1つの前記第3配線パターンで前記第3電極と電気的に接続する、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のコイル部品。
  6. 前記第1電極と電気的に接続する前記第1配線パターンの数は、複数の前記第1配線パターンの数より少なく、
    前記第2電極と電気的に接続する前記第2配線パターンの数は、複数の前記第2配線パターンの数より少なく、
    前記第3電極と電気的に接続する前記第3配線パターンの数は、複数の前記第3配線パターンの数より少ない、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のコイル部品。
  7. 前記第1電極と電気的に接続する一の前記第1配線パターンと他の前記第1配線パターンとの間には、前記第1電極と電気的に接続しない前記第1配線パターンの層を少なくとも1層含み、
    前記第2電極と電気的に接続する一の前記第2配線パターンと他の前記第2配線パターンとの間には、前記第2電極と電気的に接続しない前記第2配線パターンの層を少なくとも1層含み、
    前記第3電極と電気的に接続する一の前記第3配線パターンと他の前記第3配線パターンとの間には、前記第3電極と電気的に接続しない前記第3配線パターンの層を少なくとも1層含む、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のコイル部品。
  8. 複数の前記第1配線パターンのうち1つの前記第1配線パターンで前記第1電極と電気的に接続し、
    複数の前記第2配線パターンのうち1つの前記第2配線パターンで前記第2電極と電気的に接続し、
    複数の前記第3配線パターンのうち1つの前記第3配線パターンで前記第3電極と電気的に接続する、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のコイル部品。
  9. 前記第7ビア導体に代えて、複数の前記第3配線パターンのすべてと前記第3電極とを電気的に接続する、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のコイル部品。
  10. 前記第1ビア導体に代えて、複数の前記第1配線パターンのすべてと前記第1電極とを電気的に接続する、請求項1〜請求項4、請求項9のいずれか1項に記載のコイル部品。
  11. 前記第4ビア導体に代えて、複数の前記第2配線パターンのすべてと前記第2電極とを電気的に接続する、請求項1〜請求項4、請求項9〜請求項10のいずれか1項に記載のコイル部品。
  12. 前記第1コイルのインダクタンスと前記第2コイルのインダクタンスとの比率は4倍以下である、請求項1〜請求項11のいずれか1項に記載のコイル部品。
  13. 請求項1〜請求項12のいずれか1項に記載の前記コイル部品と、
    前記コイル部品の前記第3電極に接続するコンデンサと、を備える、フィルタ回路。
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