JPWO2020261227A5 - - Google Patents
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本開示の広さ及び範囲は、上記の例示的実施形態のいずれによっても限定されるべきではなく、以下の特許請求の範囲及びその等価物に従ってのみ定義されるべきである。
本発明は、例えば、以下の項目を提供する。
(項目1)
次式を含むカチオン性キャリアユニットであって、
[WP]-L1-[CC]-L2-[AM](図式I)
または
[WP]-L1-[AM]-L2-[CC](図式II)
式中、
WPは、水溶性バイオポリマー部分であり、
CCは、正に荷電したキャリア部分であり、
AMは、アジュバント部分であり、
L1及びL2は、独立して、任意選択のリンカーであり、
約1:1のイオン比率で核酸と混合される場合、前記カチオン性キャリアユニットがミセルを形成する、
前記カチオン性キャリアユニット。
(項目2)
前記水溶性ポリマーが、ポリ(アルキレングリコール)、ポリ(オキシエチル化ポリオール)、ポリ(オレフィンアルコール)、ポリ(ビニルピロリドン)、ポリ(ヒドロキシアルキルメタクリルアミド)、ポリ(ヒドロキシアルキルメタクリレート)、ポリ(サッカライド)、ポリ(α-ヒドロキシ酸)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリグリセロール、ポリホスファゼン、ポリオキサゾリン(「POZ」)、ポリ(N-アクリロイルモルホリン)、またはそれらの任意の組み合わせを含む、項目1に記載のカチオン性キャリアユニット。
(項目3)
前記水溶性ポリマーが、ポリエチレングリコール(「PEG」)、ポリグリセロール、またはポリ(プロピレングリコール)(「PPG」)を含む、項目1に記載のカチオン性キャリアユニット。
(項目4)
前記水溶性ポリマーが、次式を含み、
式中、nは、1~1000である、項目1~3のいずれか1項に記載のカチオン性キャリアユニット。
(項目5)
前記nが、少なくとも約110、少なくとも約111、少なくとも約112、少なくとも約113、少なくとも約114、少なくとも約115、少なくとも約116、少なくとも約117、少なくとも約118、少なくとも約119、少なくとも約120、少なくとも約121、少なくとも約122、少なくとも約123、少なくとも約124、少なくとも約125、少なくとも約126、少なくとも約127、少なくとも約128、少なくとも約129、少なくとも約130、少なくとも約131、少なくとも約132、少なくとも約133、少なくとも約134、少なくとも約135、少なくとも約136、少なくとも約137、少なくとも約138、少なくとも約139、少なくとも約140、または少なくとも約141である、項目4に記載のカチオン性キャリアユニット。
(項目6)
前記nが、約80~約90、約90~約100、約100~約110、約110~約120、約120~約130、約140~約150、または約150~約160である、項目4に記載のカチオン性キャリアユニット。
(項目7)
前記水溶性ポリマーが、直鎖状、分枝鎖状、または樹枝状である、項目1~6のいずれか1項に記載のカチオン性キャリアユニット。
(項目8)
前記カチオン性キャリア部分が、1つ以上の塩基性アミノ酸を含む、項目1~7のいずれか1項に記載のカチオン性キャリアユニット。
(項目9)
前記カチオン性キャリア部分が、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、少なくとも6つ、少なくとも7つ、少なくとも8つ、少なくとも9つ、少なくとも10、少なくとも11、少なくとも12、少なくとも13、少なくとも14、少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20、少なくとも21、少なくとも22、少なくとも23、少なくとも24、少なくとも25、少なくとも26、少なくとも27、少なくとも28、少なくとも29、少なくとも30、少なくとも31、少なくとも32、少なくとも33、少なくとも34、少なくとも35、少なくとも36、少なくとも37、少なくとも38、少なくとも39、少なくとも40、少なくとも41、少なくとも42、少なくとも43、少なくとも44、少なくとも45、少なくとも46、少なくとも47、少なくとも48、少なくとも49、少なくとも50、少なくとも51、少なくとも52、少なくとも53、少なくとも54、少なくとも55、少なくとも56、少なくとも57、少なくとも58、少なくとも59、少なくとも60、少なくとも61、少なくとも62、少なくとも63、少なくとも64、少なくとも65、少なくとも66、少なくとも67、少なくとも68、少なくとも69、少なくとも70、少なくとも71、少なくとも72、少なくとも73、少なくとも74、少なくとも75、少なくとも76、少なくとも77、少なくとも78、少なくとも79、または少なくとも80の塩基性アミノ酸を含む、項目8に記載のカチオン性キャリアユニット。
(項目10)
前記カチオン性キャリア部分が、少なくとも60、少なくとも約70、少なくとも約80、少なくとも約90、少なくとも約100、少なくとも約110、少なくとも約120、少なくとも約130、少なくとも約140、または少なくとも約150の塩基性アミノ酸を含む、項目8に記載のカチオン性キャリアユニット。
(項目11)
前記カチオン性キャリア部分が、約30~約50の塩基性アミノ酸を含む、項目9に記載のカチオン性キャリアユニット。
(項目12)
前記カチオン性キャリア部分が、約60~約100、例えば、約70~約90、例えば、約80の塩基性アミノ酸を含む、項目10に記載のカチオン性キャリアユニット。
(項目13)
前記塩基性アミノ酸が、アルギニン、リジン、ヒスチジン、またはそれらの任意の組み合わせを含む、項目9~12のいずれか1項に記載のカチオン性キャリアユニット。
(項目14)
前記カチオン性キャリア部分が、約40のリジンモノマーを含む、項目1~13のいずれか1項に記載のカチオン性キャリアユニット。
(項目15)
前記カチオン性キャリア部分が、約70、約75、約80、または約85のリジンモノマーを含む、項目1~13のいずれか1項に記載のカチオン性キャリアユニット。
(項目16)
前記アジュバント部分が、免疫反応、炎症反応、及び/または組織微小環境を調節することができる、項目1~15のいずれか1項に記載のカチオン性キャリアユニット。
(項目17)
前記アジュバント部分が、免疫反応を調節することができる、項目16に記載のカチオン性キャリアユニット。
(項目18)
前記アジュバント部分が、腫瘍を有する対象における腫瘍微小環境を調節することができる、項目16に記載のカチオン性キャリアユニット。
(項目19)
前記アジュバント部分が、前記腫瘍微小環境における低酸素状態を阻害または低減することができる、項目16に記載のカチオン性キャリアユニット。
(項目20)
前記アジュバント部分が、イミダゾール誘導体、アミノ酸、ビタミン、またはそれらの任意の組み合わせを含む、項目17~18のいずれか1項に記載のカチオン性キャリアユニット。
(項目21)
前記アジュバント部分が、次式を含み、
式中、G1及びG2の各々が、H、芳香環、もしくは1~10アルキルであるか、またはG1及びG2がともに芳香環を形成し、nが1~10である、項目20に記載のカチオン性キャリアユニット。
(項目22)
前記アジュバント部分がニトロイミダゾールを含む、項目21に記載のカチオン性キャリアユニット。
(項目23)
前記アジュバント部分が、メトロニダゾール、チニダゾール、ニモラゾール、ジメトリダゾール、プレトマニド、オルニダゾール、メガゾール、アザニダゾール、ベンズニダゾール、またはそれらの任意の組み合わせを含む、項目22に記載のカチオン性キャリアユニット。
(項目24)
前記アジュバント部分がアミノ酸を含む、項目16に記載のカチオン性キャリアユニット。
(項目25)
前記アジュバント部分が、次式を含み、
式中、Arが、
であり、
Z1及びZ2の各々が、HまたはOHである、項目16に記載のカチオン性キャリアユニット。
(項目26)
前記アジュバント部分が、炎症反応を阻害または低減することができる、項目16に記載のカチオン性キャリアユニット。
(項目27)
前記アジュバント部分がビタミンである、項目26に記載のカチオン性キャリアユニット。
(項目28)
前記ビタミンが、環式環または環式ヘテロ原子環及びカルボキシル基またはヒドロキシル基を含む、項目27に記載のカチオン性キャリアユニット。
(項目29)
前記ビタミンが、次式を含み、
式中、Y1及びY2の各々が、C、N、O、またはSであり、nが1または2である、項目28に記載のカチオン性キャリアユニット。
(項目30)
前記ビタミンが、ビタミンA、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB3、ビタミンB6、ビタミンB7、ビタミンB9、ビタミンB12、ビタミンC、ビタミンD2、ビタミンD3、ビタミンE、ビタミンM、ビタミンH、及びそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される、項目27~29のいずれか1項に記載のカチオン性キャリアユニット。
(項目31)
前記ビタミンがビタミンB3である、項目30に記載のカチオン性キャリアユニット。
(項目32)
前記アジュバント部分が、少なくとも約2つ、少なくとも約3つ、少なくとも約4つ、少なくとも約5つ、少なくとも約6つ、少なくとも約7つ、少なくとも約8つ、少なくとも約9つ、少なくとも約10、少なくとも約11、少なくとも約12、少なくとも約13、少なくとも約14、少なくとも約15、少なくとも約16、少なくとも約17、少なくとも約18、少なくとも約19、または少なくとも約20のビタミンB3を含む、項目1~31のいずれか1項に記載のカチオン性キャリアユニット。
(項目33)
前記アジュバント部分が、少なくとも約20、少なくとも約21、少なくとも約22、少なくとも約23、少なくとも約24、少なくとも約25、少なくとも約26、少なくとも約27、少なくとも約28、少なくとも約29、少なくとも約30、少なくとも約31、少なくとも約32、少なくとも約33、少なくとも約34、少なくとも約35、少なくとも約36、少なくとも約37、少なくとも約38、少なくとも約39、または少なくとも約40のビタミンB3を含む、項目1~31のいずれか1項に記載のカチオン性キャリアユニット。
(項目34)
前記アジュバント部分が、約10のビタミンB3、約20のビタミンB3、約30のビタミンB3、約40のビタミンB3、または約50のビタミンB3を含む、項目32または33に記載のカチオン性キャリアユニット。
(項目35)
約120~約130のPEGユニットを有する水溶性バイオポリマー部分、約30~約40のリジンを有するポリリジンを含むカチオン性キャリア部分、及び約5~約10のビタミンB3を有するアジュバント部分を含む、項目1~34のいずれか1項に記載のカチオン性キャリアユニット。
(項目36)
約120~約130のPEGユニットを有する水溶性バイオポリマー部分、約70~約90のリジン、例えば、約80のリジンを有するポリリジンを含むカチオン性キャリア部分、及び約20~約40のビタミンB3、例えば、約30のビタミンB3を有するアジュバント部分を含む、項目1~34のいずれか1項に記載のカチオン性キャリアユニット。
(項目37)
イオン結合により前記カチオン性キャリアユニットと相互作用するアニオン性ペイロードをさらに含む、項目1~36のいずれか1項に記載のカチオン性キャリアユニット。
(項目38)
項目1~37のいずれか1項に記載のカチオン性キャリアユニット及びアニオン性ペイロードを含むミセルであって、前記カチオン性キャリア複合体の前記カチオン性キャリア部分及び前記アニオン性ペイロードが互いに会合している、前記ミセル。
(項目39)
前記会合が共有結合である、項目38に記載のミセル。
(項目40)
前記会合が非共有結合である、項目38に記載のミセル。
(項目41)
前記会合がイオン結合である、項目40に記載のミセル。
(項目42)
項目1~36のいずれか1項に記載のカチオン性キャリアユニット、前記カチオン性キャリアユニットの前記カチオン性キャリア部分の正電荷が、溶液中でアニオン性ペイロードと混合される場合に、ミセルを形成するのに十分であり、前記溶液中の前記カチオン性キャリアユニットの前記カチオン性キャリア部分の正電荷及び前記アニオン性ペイロードの負電荷の全体的イオン比率が約1:1である、項目38~41のいずれか1項に記載のミセル。
(項目43)
項目1~36のいずれか1項に記載のカチオン性キャリアユニット、前記カチオン性キャリアユニットの前記カチオン性キャリア部分の正電荷が、溶液中でアニオン性ペイロードと混合される場合に、ミセルを形成するのに十分であり、前記溶液中の前記カチオン性キャリアユニットの前記カチオン性キャリア部分の正電荷及び前記アニオン性ペイロードの負電荷の全体的イオン比率が約1:3~約3:1である、項目38~41のいずれか1項に記載のミセル。
(項目44)
前記カチオン性キャリアユニットが、DNアーゼ及び/またはRNアーゼによる分解から前記アニオン性ペイロードを保護することができる、項目38~43のいずれか1項に記載のミセル。
(項目45)
前記アニオン性ペイロードが、共有結合により前記カチオン性キャリアユニットにコンジュゲートされていない、及び/または前記アニオン性ペイロードが、イオン相互作用によってのみ前記カチオン性キャリアユニットの前記カチオン性キャリア部分と相互作用する、項目38~44のいずれか1項に記載のミセル。
(項目46)
前記アニオン性ペイロードの半減期が、ミセルに取り込まれていない遊離アニオン性ペイロードの半減期と比較して延長される、項目38~45のいずれか1項に記載のミセル。
(項目47)
前記ミセルにおける前記カチオン性キャリアユニットの前記カチオン性キャリア部分の正電荷及び前記アニオン性ペイロードの負電荷が、約2:1、約1.9:1、約1.8:1、約1.7:1、約1.6:1、約1.5:1、約1.4:1、約1.3:1、約1.2:1、約1:1、約1:1.1、約1:1.2、約1:1.3、約1:1.4、約1:1.5、約1:1.6、約1:1.7、約1:1.8、約1:1.9、または約1:2のイオン比率である、項目36~46のいずれか1項に記載のミセル。
(項目48)
前記ミセルにおける前記カチオン性キャリアユニットの前記カチオン性キャリア部分の正電荷及び前記アニオン性ペイロードの負電荷が、約3:1、約2.9:1、約2.8:1、約2.7:1、約2.6:1、約2.5:1、約2.4:1、約2.3:1、約2.2:1、約2.1:1、約1:2.1、約1:2.2、約1:2.3、約1:2.4、約1:2.5、約1:2.6、約1:2.7、約1:2.8、約1:2.9、または約1:3のイオン比率である、項目36~46のいずれか1項に記載のミセル。
(項目49)
前記ミセルにおける前記カチオン性キャリアユニットの前記カチオン性キャリア部分の正電荷及び前記アニオン性ペイロードの負電荷が、1:1の電荷比率である、項目48に記載のミセル。
(項目50)
前記ミセルの直径が、約1nm~100nm、約10nm~約100nm、約10nm~約90nm、約10nm~約80nm、約10nm~約70nm、約20nm~約100nm、約20nm~約90nm、約20nm~約80nm、約20nm~約70nm、約30nm~約100nm、約30nm~約90nm、約30nm~約80nm、約30nm~約70nm、約40nm~約100nm、約40nm~約90nm、約40nm~約80nm、または約40nm~約70nmである、項目38~49のいずれか1項に記載のミセル。
(項目51)
前記アニオン性ペイロードが核酸を含む、項目38~50のいずれか1項に記載のミセル。
(項目52)
前記核酸が、mRNA、miRNA、miRNAスポンジ、タフデコイmiRNA、antimiR、低分子RNA、rRNA、siRNA、shRNA、gDNA、cDNA、pDNA、PNA、BNA、アンチセンスオリゴヌクレオチド(ASO)、アプタマー、環状ジヌクレオチド、またはそれらの任意の組み合わせを含む、項目51に記載のミセル。
(項目53)
前記核酸が少なくとも1つのヌクレオシドアナログを含む、項目1~52のいずれか1項に記載のミセル。
(項目54)
前記ヌクレオシドアナログが、ロックド核酸(LNA);2’-O-アルキルRNA;2’-アミノDNA;2’-フルオロDNA;アラビノ核酸(ANA);2’-フルオロANA、ヘキシトール核酸(HNA)、インターカレーティング核酸(INA)、拘束エチルヌクレオシド(cEt)、2’-O-メチル核酸(2’-OMe)、2’-O-メトキシエチル核酸(2’-MOE)、またはそれらの任意の組み合わせを含む、項目53に記載のミセル。
(項目55)
前記核酸が、5~30ヌクレオチド長を有するヌクレオチド配列を含む、項目51~54のいずれか1項に記載のミセル。
(項目56)
前記ヌクレオチド配列が、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、または26ヌクレオチド長である、項目55に記載のミセル。
(項目57)
前記ヌクレオチド配列が、ホスホジエステル結合、リン酸トリエステル結合、メチルホスホン酸結合、ホスホロアミダート結合、ホスホロチオエート結合、及びそれらの組み合わせを含む骨格を有する、項目55または56に記載のミセル。
(項目58)
前記カチオン性キャリアユニットが、任意選択的にリンカーにより前記水溶性ポリマーに連結されている標的化部分をさらに含む、項目38~57のいずれか1項に記載のミセル。
(項目59)
前記標的化部分が、組織を標的とすることができる、項目58に記載のミセル。
(項目60)
前記組織が、肝臓、脳、腎臓、肺、卵巣、膵臓、甲状腺、胸部、胃、またはそれらの任意の組み合わせである、項目59に記載のミセル。
(項目61)
前記組織ががん組織である、項目59に記載のミセル。
(項目62)
前記組織が肝臓である、項目59に記載のミセル。
(項目63)
前記標的化部分がコレステロールを含む、項目62に記載のミセル。
(項目64)
前記組織が膵臓である、項目59に記載のミセル。
(項目65)
前記標的化部分が、インテグリンを標的とするリガンドを含む、項目59に記載のミセル。
(項目66)
前記標的化部分が中枢神経系を標的とする、項目59に記載のミセル。
(項目67)
前記標的化部分が、大型中性アミノ酸輸送体1(LAT1)により輸送されることができる、項目66に記載のミセル。
(項目68)
前記標的化部分がアミノ酸である、項目67に記載のミセル。
(項目69)
前記標的化部分が分枝鎖または芳香族アミノ酸を含む、項目68に記載のミセル。
(項目70)
前記アミノ酸が、バリン、ロイシン、及び/またはイソロイシンである、項目68に記載のミセル。
(項目71)
前記アミノ酸が、トリプトファン及び/またはチロシンである、項目68に記載のミセル。
(項目72)
項目1~37のいずれか1項に記載のカチオン性キャリアユニット及び負に荷電した分子を含む組成物。
(項目73)
項目1~37のいずれか1項に記載のカチオン性キャリアユニット、項目72に記載の組成物、または項目38~71のいずれか1項に記載のミセル、及び薬学的に許容されるキャリアを含む医薬組成物。
(項目74)
前記カチオン性キャリアユニットを合成することを含む、項目1~37のいずれか1項に記載のカチオン性キャリアユニットを調製する方法。
(項目75)
溶液中で前記カチオン性キャリアユニットを前記負に荷電した分子と、1:1のイオン比率で混合することを含む、項目38~71のいずれか1項に記載のミセルを調製する方法。
(項目76)
溶液中で前記カチオン性キャリアユニットを前記負に荷電した分子と、約1:3~約3:1のイオン比率で混合することを含む、項目38~71のいずれか1項に記載のミセルを調製する方法。
(項目77)
前記ミセルを精製することをさらに含む、項目76に記載の方法。
(項目78)
疾患または状態を処置することを、それを必要とする対象において行う方法であって、項目38~71のいずれか1項に記載のミセルを前記対象に投与することを含む、前記方法。
(項目79)
前記ミセルの核の前記アニオン性ペイロードが、ミセルに組み込まれていない対応するアニオン性ペイロードより長い半減期を示す、項目78に記載の方法。
(項目80)
前記対象が哺乳動物である、項目78または79に記載の方法。
(項目81)
がんを処置することを、それを必要とする対象において行う方法であって、治療上有効量の項目38~71のいずれか1項に記載のミセルを前記対象に投与することを含む、前記方法。
(項目82)
前記がんが、神経膠腫、乳癌、膵臓癌、肝臓癌、皮膚癌、または子宮頸癌である、項目81に記載の方法。
(項目83)
前記膵臓癌が膵臓腺癌である、項目82に記載の方法。
(項目84)
神経変性疾患に罹患している対象における炎症を低減する方法であって、治療上有効量の項目38~71のいずれか1項に記載のミセルを前記対象に投与することを含む、前記方法。
(項目85)
神経変性疾患に罹患している対象において神経形成を回復させる、及び/または誘発する方法であって、治療上有効量の項目38~71のいずれか1項に記載のミセルを前記対象に投与することを含む、前記方法。
(項目86)
神経変性疾患に罹患している対象の認知機能を改善する方法であって、治療上有効量の項目38~71のいずれか1項に記載のミセルを前記対象に投与することを含む、前記方法。
(項目87)
前記神経変性疾患がアルツハイマー病である、項目84~86のいずれか1項に記載の方法。
(項目88)
アルツハイマー病に罹患している対象におけるアミロイドプラーク負荷を低減する方法であって、治療上有効量の項目38~71のいずれか1項に記載のミセルを前記対象に投与することを含む、前記方法。
(項目89)
前記ミセルが、LAT1を標的とするカチオン性キャリアユニット、及び配列番号18のアンチセンスオリゴヌクレオチド、またはその断片、バリアント、もしくは誘導体を含むペイロードを含む、項目84~88のいずれか1項に記載の方法。
(項目90)
前記断片が、配列番号18の14、15、16、17、18、19、20、または21個の連続ヌクレオチドを含む、項目89に記載の方法。
(項目91)
前記バリアントが、配列番号18に対する少なくとも70%の配列同一性を有する、項目89に記載の方法。
(項目92)
前記誘導体が、少なくとも1つの糖修飾及び/または少なくとも1つの骨格修飾を含む、項目89に記載の方法。
本発明は、例えば、以下の項目を提供する。
(項目1)
次式を含むカチオン性キャリアユニットであって、
[WP]-L1-[CC]-L2-[AM](図式I)
または
[WP]-L1-[AM]-L2-[CC](図式II)
式中、
WPは、水溶性バイオポリマー部分であり、
CCは、正に荷電したキャリア部分であり、
AMは、アジュバント部分であり、
L1及びL2は、独立して、任意選択のリンカーであり、
約1:1のイオン比率で核酸と混合される場合、前記カチオン性キャリアユニットがミセルを形成する、
前記カチオン性キャリアユニット。
(項目2)
前記水溶性ポリマーが、ポリ(アルキレングリコール)、ポリ(オキシエチル化ポリオール)、ポリ(オレフィンアルコール)、ポリ(ビニルピロリドン)、ポリ(ヒドロキシアルキルメタクリルアミド)、ポリ(ヒドロキシアルキルメタクリレート)、ポリ(サッカライド)、ポリ(α-ヒドロキシ酸)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリグリセロール、ポリホスファゼン、ポリオキサゾリン(「POZ」)、ポリ(N-アクリロイルモルホリン)、またはそれらの任意の組み合わせを含む、項目1に記載のカチオン性キャリアユニット。
(項目3)
前記水溶性ポリマーが、ポリエチレングリコール(「PEG」)、ポリグリセロール、またはポリ(プロピレングリコール)(「PPG」)を含む、項目1に記載のカチオン性キャリアユニット。
(項目4)
前記水溶性ポリマーが、次式を含み、
式中、nは、1~1000である、項目1~3のいずれか1項に記載のカチオン性キャリアユニット。
(項目5)
前記nが、少なくとも約110、少なくとも約111、少なくとも約112、少なくとも約113、少なくとも約114、少なくとも約115、少なくとも約116、少なくとも約117、少なくとも約118、少なくとも約119、少なくとも約120、少なくとも約121、少なくとも約122、少なくとも約123、少なくとも約124、少なくとも約125、少なくとも約126、少なくとも約127、少なくとも約128、少なくとも約129、少なくとも約130、少なくとも約131、少なくとも約132、少なくとも約133、少なくとも約134、少なくとも約135、少なくとも約136、少なくとも約137、少なくとも約138、少なくとも約139、少なくとも約140、または少なくとも約141である、項目4に記載のカチオン性キャリアユニット。
(項目6)
前記nが、約80~約90、約90~約100、約100~約110、約110~約120、約120~約130、約140~約150、または約150~約160である、項目4に記載のカチオン性キャリアユニット。
(項目7)
前記水溶性ポリマーが、直鎖状、分枝鎖状、または樹枝状である、項目1~6のいずれか1項に記載のカチオン性キャリアユニット。
(項目8)
前記カチオン性キャリア部分が、1つ以上の塩基性アミノ酸を含む、項目1~7のいずれか1項に記載のカチオン性キャリアユニット。
(項目9)
前記カチオン性キャリア部分が、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、少なくとも6つ、少なくとも7つ、少なくとも8つ、少なくとも9つ、少なくとも10、少なくとも11、少なくとも12、少なくとも13、少なくとも14、少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20、少なくとも21、少なくとも22、少なくとも23、少なくとも24、少なくとも25、少なくとも26、少なくとも27、少なくとも28、少なくとも29、少なくとも30、少なくとも31、少なくとも32、少なくとも33、少なくとも34、少なくとも35、少なくとも36、少なくとも37、少なくとも38、少なくとも39、少なくとも40、少なくとも41、少なくとも42、少なくとも43、少なくとも44、少なくとも45、少なくとも46、少なくとも47、少なくとも48、少なくとも49、少なくとも50、少なくとも51、少なくとも52、少なくとも53、少なくとも54、少なくとも55、少なくとも56、少なくとも57、少なくとも58、少なくとも59、少なくとも60、少なくとも61、少なくとも62、少なくとも63、少なくとも64、少なくとも65、少なくとも66、少なくとも67、少なくとも68、少なくとも69、少なくとも70、少なくとも71、少なくとも72、少なくとも73、少なくとも74、少なくとも75、少なくとも76、少なくとも77、少なくとも78、少なくとも79、または少なくとも80の塩基性アミノ酸を含む、項目8に記載のカチオン性キャリアユニット。
(項目10)
前記カチオン性キャリア部分が、少なくとも60、少なくとも約70、少なくとも約80、少なくとも約90、少なくとも約100、少なくとも約110、少なくとも約120、少なくとも約130、少なくとも約140、または少なくとも約150の塩基性アミノ酸を含む、項目8に記載のカチオン性キャリアユニット。
(項目11)
前記カチオン性キャリア部分が、約30~約50の塩基性アミノ酸を含む、項目9に記載のカチオン性キャリアユニット。
(項目12)
前記カチオン性キャリア部分が、約60~約100、例えば、約70~約90、例えば、約80の塩基性アミノ酸を含む、項目10に記載のカチオン性キャリアユニット。
(項目13)
前記塩基性アミノ酸が、アルギニン、リジン、ヒスチジン、またはそれらの任意の組み合わせを含む、項目9~12のいずれか1項に記載のカチオン性キャリアユニット。
(項目14)
前記カチオン性キャリア部分が、約40のリジンモノマーを含む、項目1~13のいずれか1項に記載のカチオン性キャリアユニット。
(項目15)
前記カチオン性キャリア部分が、約70、約75、約80、または約85のリジンモノマーを含む、項目1~13のいずれか1項に記載のカチオン性キャリアユニット。
(項目16)
前記アジュバント部分が、免疫反応、炎症反応、及び/または組織微小環境を調節することができる、項目1~15のいずれか1項に記載のカチオン性キャリアユニット。
(項目17)
前記アジュバント部分が、免疫反応を調節することができる、項目16に記載のカチオン性キャリアユニット。
(項目18)
前記アジュバント部分が、腫瘍を有する対象における腫瘍微小環境を調節することができる、項目16に記載のカチオン性キャリアユニット。
(項目19)
前記アジュバント部分が、前記腫瘍微小環境における低酸素状態を阻害または低減することができる、項目16に記載のカチオン性キャリアユニット。
(項目20)
前記アジュバント部分が、イミダゾール誘導体、アミノ酸、ビタミン、またはそれらの任意の組み合わせを含む、項目17~18のいずれか1項に記載のカチオン性キャリアユニット。
(項目21)
前記アジュバント部分が、次式を含み、
式中、G1及びG2の各々が、H、芳香環、もしくは1~10アルキルであるか、またはG1及びG2がともに芳香環を形成し、nが1~10である、項目20に記載のカチオン性キャリアユニット。
(項目22)
前記アジュバント部分がニトロイミダゾールを含む、項目21に記載のカチオン性キャリアユニット。
(項目23)
前記アジュバント部分が、メトロニダゾール、チニダゾール、ニモラゾール、ジメトリダゾール、プレトマニド、オルニダゾール、メガゾール、アザニダゾール、ベンズニダゾール、またはそれらの任意の組み合わせを含む、項目22に記載のカチオン性キャリアユニット。
(項目24)
前記アジュバント部分がアミノ酸を含む、項目16に記載のカチオン性キャリアユニット。
(項目25)
前記アジュバント部分が、次式を含み、
式中、Arが、
であり、
Z1及びZ2の各々が、HまたはOHである、項目16に記載のカチオン性キャリアユニット。
(項目26)
前記アジュバント部分が、炎症反応を阻害または低減することができる、項目16に記載のカチオン性キャリアユニット。
(項目27)
前記アジュバント部分がビタミンである、項目26に記載のカチオン性キャリアユニット。
(項目28)
前記ビタミンが、環式環または環式ヘテロ原子環及びカルボキシル基またはヒドロキシル基を含む、項目27に記載のカチオン性キャリアユニット。
(項目29)
前記ビタミンが、次式を含み、
式中、Y1及びY2の各々が、C、N、O、またはSであり、nが1または2である、項目28に記載のカチオン性キャリアユニット。
(項目30)
前記ビタミンが、ビタミンA、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB3、ビタミンB6、ビタミンB7、ビタミンB9、ビタミンB12、ビタミンC、ビタミンD2、ビタミンD3、ビタミンE、ビタミンM、ビタミンH、及びそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される、項目27~29のいずれか1項に記載のカチオン性キャリアユニット。
(項目31)
前記ビタミンがビタミンB3である、項目30に記載のカチオン性キャリアユニット。
(項目32)
前記アジュバント部分が、少なくとも約2つ、少なくとも約3つ、少なくとも約4つ、少なくとも約5つ、少なくとも約6つ、少なくとも約7つ、少なくとも約8つ、少なくとも約9つ、少なくとも約10、少なくとも約11、少なくとも約12、少なくとも約13、少なくとも約14、少なくとも約15、少なくとも約16、少なくとも約17、少なくとも約18、少なくとも約19、または少なくとも約20のビタミンB3を含む、項目1~31のいずれか1項に記載のカチオン性キャリアユニット。
(項目33)
前記アジュバント部分が、少なくとも約20、少なくとも約21、少なくとも約22、少なくとも約23、少なくとも約24、少なくとも約25、少なくとも約26、少なくとも約27、少なくとも約28、少なくとも約29、少なくとも約30、少なくとも約31、少なくとも約32、少なくとも約33、少なくとも約34、少なくとも約35、少なくとも約36、少なくとも約37、少なくとも約38、少なくとも約39、または少なくとも約40のビタミンB3を含む、項目1~31のいずれか1項に記載のカチオン性キャリアユニット。
(項目34)
前記アジュバント部分が、約10のビタミンB3、約20のビタミンB3、約30のビタミンB3、約40のビタミンB3、または約50のビタミンB3を含む、項目32または33に記載のカチオン性キャリアユニット。
(項目35)
約120~約130のPEGユニットを有する水溶性バイオポリマー部分、約30~約40のリジンを有するポリリジンを含むカチオン性キャリア部分、及び約5~約10のビタミンB3を有するアジュバント部分を含む、項目1~34のいずれか1項に記載のカチオン性キャリアユニット。
(項目36)
約120~約130のPEGユニットを有する水溶性バイオポリマー部分、約70~約90のリジン、例えば、約80のリジンを有するポリリジンを含むカチオン性キャリア部分、及び約20~約40のビタミンB3、例えば、約30のビタミンB3を有するアジュバント部分を含む、項目1~34のいずれか1項に記載のカチオン性キャリアユニット。
(項目37)
イオン結合により前記カチオン性キャリアユニットと相互作用するアニオン性ペイロードをさらに含む、項目1~36のいずれか1項に記載のカチオン性キャリアユニット。
(項目38)
項目1~37のいずれか1項に記載のカチオン性キャリアユニット及びアニオン性ペイロードを含むミセルであって、前記カチオン性キャリア複合体の前記カチオン性キャリア部分及び前記アニオン性ペイロードが互いに会合している、前記ミセル。
(項目39)
前記会合が共有結合である、項目38に記載のミセル。
(項目40)
前記会合が非共有結合である、項目38に記載のミセル。
(項目41)
前記会合がイオン結合である、項目40に記載のミセル。
(項目42)
項目1~36のいずれか1項に記載のカチオン性キャリアユニット、前記カチオン性キャリアユニットの前記カチオン性キャリア部分の正電荷が、溶液中でアニオン性ペイロードと混合される場合に、ミセルを形成するのに十分であり、前記溶液中の前記カチオン性キャリアユニットの前記カチオン性キャリア部分の正電荷及び前記アニオン性ペイロードの負電荷の全体的イオン比率が約1:1である、項目38~41のいずれか1項に記載のミセル。
(項目43)
項目1~36のいずれか1項に記載のカチオン性キャリアユニット、前記カチオン性キャリアユニットの前記カチオン性キャリア部分の正電荷が、溶液中でアニオン性ペイロードと混合される場合に、ミセルを形成するのに十分であり、前記溶液中の前記カチオン性キャリアユニットの前記カチオン性キャリア部分の正電荷及び前記アニオン性ペイロードの負電荷の全体的イオン比率が約1:3~約3:1である、項目38~41のいずれか1項に記載のミセル。
(項目44)
前記カチオン性キャリアユニットが、DNアーゼ及び/またはRNアーゼによる分解から前記アニオン性ペイロードを保護することができる、項目38~43のいずれか1項に記載のミセル。
(項目45)
前記アニオン性ペイロードが、共有結合により前記カチオン性キャリアユニットにコンジュゲートされていない、及び/または前記アニオン性ペイロードが、イオン相互作用によってのみ前記カチオン性キャリアユニットの前記カチオン性キャリア部分と相互作用する、項目38~44のいずれか1項に記載のミセル。
(項目46)
前記アニオン性ペイロードの半減期が、ミセルに取り込まれていない遊離アニオン性ペイロードの半減期と比較して延長される、項目38~45のいずれか1項に記載のミセル。
(項目47)
前記ミセルにおける前記カチオン性キャリアユニットの前記カチオン性キャリア部分の正電荷及び前記アニオン性ペイロードの負電荷が、約2:1、約1.9:1、約1.8:1、約1.7:1、約1.6:1、約1.5:1、約1.4:1、約1.3:1、約1.2:1、約1:1、約1:1.1、約1:1.2、約1:1.3、約1:1.4、約1:1.5、約1:1.6、約1:1.7、約1:1.8、約1:1.9、または約1:2のイオン比率である、項目36~46のいずれか1項に記載のミセル。
(項目48)
前記ミセルにおける前記カチオン性キャリアユニットの前記カチオン性キャリア部分の正電荷及び前記アニオン性ペイロードの負電荷が、約3:1、約2.9:1、約2.8:1、約2.7:1、約2.6:1、約2.5:1、約2.4:1、約2.3:1、約2.2:1、約2.1:1、約1:2.1、約1:2.2、約1:2.3、約1:2.4、約1:2.5、約1:2.6、約1:2.7、約1:2.8、約1:2.9、または約1:3のイオン比率である、項目36~46のいずれか1項に記載のミセル。
(項目49)
前記ミセルにおける前記カチオン性キャリアユニットの前記カチオン性キャリア部分の正電荷及び前記アニオン性ペイロードの負電荷が、1:1の電荷比率である、項目48に記載のミセル。
(項目50)
前記ミセルの直径が、約1nm~100nm、約10nm~約100nm、約10nm~約90nm、約10nm~約80nm、約10nm~約70nm、約20nm~約100nm、約20nm~約90nm、約20nm~約80nm、約20nm~約70nm、約30nm~約100nm、約30nm~約90nm、約30nm~約80nm、約30nm~約70nm、約40nm~約100nm、約40nm~約90nm、約40nm~約80nm、または約40nm~約70nmである、項目38~49のいずれか1項に記載のミセル。
(項目51)
前記アニオン性ペイロードが核酸を含む、項目38~50のいずれか1項に記載のミセル。
(項目52)
前記核酸が、mRNA、miRNA、miRNAスポンジ、タフデコイmiRNA、antimiR、低分子RNA、rRNA、siRNA、shRNA、gDNA、cDNA、pDNA、PNA、BNA、アンチセンスオリゴヌクレオチド(ASO)、アプタマー、環状ジヌクレオチド、またはそれらの任意の組み合わせを含む、項目51に記載のミセル。
(項目53)
前記核酸が少なくとも1つのヌクレオシドアナログを含む、項目1~52のいずれか1項に記載のミセル。
(項目54)
前記ヌクレオシドアナログが、ロックド核酸(LNA);2’-O-アルキルRNA;2’-アミノDNA;2’-フルオロDNA;アラビノ核酸(ANA);2’-フルオロANA、ヘキシトール核酸(HNA)、インターカレーティング核酸(INA)、拘束エチルヌクレオシド(cEt)、2’-O-メチル核酸(2’-OMe)、2’-O-メトキシエチル核酸(2’-MOE)、またはそれらの任意の組み合わせを含む、項目53に記載のミセル。
(項目55)
前記核酸が、5~30ヌクレオチド長を有するヌクレオチド配列を含む、項目51~54のいずれか1項に記載のミセル。
(項目56)
前記ヌクレオチド配列が、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、または26ヌクレオチド長である、項目55に記載のミセル。
(項目57)
前記ヌクレオチド配列が、ホスホジエステル結合、リン酸トリエステル結合、メチルホスホン酸結合、ホスホロアミダート結合、ホスホロチオエート結合、及びそれらの組み合わせを含む骨格を有する、項目55または56に記載のミセル。
(項目58)
前記カチオン性キャリアユニットが、任意選択的にリンカーにより前記水溶性ポリマーに連結されている標的化部分をさらに含む、項目38~57のいずれか1項に記載のミセル。
(項目59)
前記標的化部分が、組織を標的とすることができる、項目58に記載のミセル。
(項目60)
前記組織が、肝臓、脳、腎臓、肺、卵巣、膵臓、甲状腺、胸部、胃、またはそれらの任意の組み合わせである、項目59に記載のミセル。
(項目61)
前記組織ががん組織である、項目59に記載のミセル。
(項目62)
前記組織が肝臓である、項目59に記載のミセル。
(項目63)
前記標的化部分がコレステロールを含む、項目62に記載のミセル。
(項目64)
前記組織が膵臓である、項目59に記載のミセル。
(項目65)
前記標的化部分が、インテグリンを標的とするリガンドを含む、項目59に記載のミセル。
(項目66)
前記標的化部分が中枢神経系を標的とする、項目59に記載のミセル。
(項目67)
前記標的化部分が、大型中性アミノ酸輸送体1(LAT1)により輸送されることができる、項目66に記載のミセル。
(項目68)
前記標的化部分がアミノ酸である、項目67に記載のミセル。
(項目69)
前記標的化部分が分枝鎖または芳香族アミノ酸を含む、項目68に記載のミセル。
(項目70)
前記アミノ酸が、バリン、ロイシン、及び/またはイソロイシンである、項目68に記載のミセル。
(項目71)
前記アミノ酸が、トリプトファン及び/またはチロシンである、項目68に記載のミセル。
(項目72)
項目1~37のいずれか1項に記載のカチオン性キャリアユニット及び負に荷電した分子を含む組成物。
(項目73)
項目1~37のいずれか1項に記載のカチオン性キャリアユニット、項目72に記載の組成物、または項目38~71のいずれか1項に記載のミセル、及び薬学的に許容されるキャリアを含む医薬組成物。
(項目74)
前記カチオン性キャリアユニットを合成することを含む、項目1~37のいずれか1項に記載のカチオン性キャリアユニットを調製する方法。
(項目75)
溶液中で前記カチオン性キャリアユニットを前記負に荷電した分子と、1:1のイオン比率で混合することを含む、項目38~71のいずれか1項に記載のミセルを調製する方法。
(項目76)
溶液中で前記カチオン性キャリアユニットを前記負に荷電した分子と、約1:3~約3:1のイオン比率で混合することを含む、項目38~71のいずれか1項に記載のミセルを調製する方法。
(項目77)
前記ミセルを精製することをさらに含む、項目76に記載の方法。
(項目78)
疾患または状態を処置することを、それを必要とする対象において行う方法であって、項目38~71のいずれか1項に記載のミセルを前記対象に投与することを含む、前記方法。
(項目79)
前記ミセルの核の前記アニオン性ペイロードが、ミセルに組み込まれていない対応するアニオン性ペイロードより長い半減期を示す、項目78に記載の方法。
(項目80)
前記対象が哺乳動物である、項目78または79に記載の方法。
(項目81)
がんを処置することを、それを必要とする対象において行う方法であって、治療上有効量の項目38~71のいずれか1項に記載のミセルを前記対象に投与することを含む、前記方法。
(項目82)
前記がんが、神経膠腫、乳癌、膵臓癌、肝臓癌、皮膚癌、または子宮頸癌である、項目81に記載の方法。
(項目83)
前記膵臓癌が膵臓腺癌である、項目82に記載の方法。
(項目84)
神経変性疾患に罹患している対象における炎症を低減する方法であって、治療上有効量の項目38~71のいずれか1項に記載のミセルを前記対象に投与することを含む、前記方法。
(項目85)
神経変性疾患に罹患している対象において神経形成を回復させる、及び/または誘発する方法であって、治療上有効量の項目38~71のいずれか1項に記載のミセルを前記対象に投与することを含む、前記方法。
(項目86)
神経変性疾患に罹患している対象の認知機能を改善する方法であって、治療上有効量の項目38~71のいずれか1項に記載のミセルを前記対象に投与することを含む、前記方法。
(項目87)
前記神経変性疾患がアルツハイマー病である、項目84~86のいずれか1項に記載の方法。
(項目88)
アルツハイマー病に罹患している対象におけるアミロイドプラーク負荷を低減する方法であって、治療上有効量の項目38~71のいずれか1項に記載のミセルを前記対象に投与することを含む、前記方法。
(項目89)
前記ミセルが、LAT1を標的とするカチオン性キャリアユニット、及び配列番号18のアンチセンスオリゴヌクレオチド、またはその断片、バリアント、もしくは誘導体を含むペイロードを含む、項目84~88のいずれか1項に記載の方法。
(項目90)
前記断片が、配列番号18の14、15、16、17、18、19、20、または21個の連続ヌクレオチドを含む、項目89に記載の方法。
(項目91)
前記バリアントが、配列番号18に対する少なくとも70%の配列同一性を有する、項目89に記載の方法。
(項目92)
前記誘導体が、少なくとも1つの糖修飾及び/または少なくとも1つの骨格修飾を含む、項目89に記載の方法。
Claims (30)
- (i)ポリエチレングリコール(PEG)を含む水溶性バイオポリマー部分、
(ii)1つ以上のリジンを含む正に荷電したキャリア部分、
(iii)ビタミンB3を含むアジュバント部分、および
(iv)大型中性アミノ酸輸送体1(LAT1)により輸送されることができるリガンドを含む標的化部分
を含む、カチオン性キャリアユニット。 - 複数の請求項1に記載のカチオン性キャリアユニットおよびアニオン性ペイロードを含むミセルであって、前記正に荷電したキャリア部分および前記アニオン性ペイロードが共有結合、非共有結合またはイオン結合を介して互いに会合している、ミセル。
- 前記複数のカチオン性キャリアユニットの前記正に荷電したキャリア部分および前記アニオン性ペイロードが共有結合を介して互いに会合している、請求項2に記載のミセル。
- 前記複数のカチオン性キャリアユニットの前記正に荷電したキャリア部分および前記アニオン性ペイロードがイオン結合を介して互いに会合している、請求項2に記載のミセル。
- 前記ミセルにおけるカチオン性キャリア部分の正電荷および前記アニオン性ペイロードの負電荷が、約3:1~約1:3の電荷比率である、請求項2に記載のミセル。
- 前記ミセルにおけるカチオン性キャリア部分の正電荷および前記アニオン性ペイロードの負電荷が、約1:1の電荷比率である、請求項5に記載のミセル。
- 前記ミセルにおけるカチオン性キャリア部分の正電荷および前記アニオン性ペイロードの負電荷が、約1:2または2:1の電荷比率である、請求項5に記載のミセル。
- 前記アニオン性ペイロードが、メッセンジャーリボ核酸(mRNA)、マイクロRNA(miRNA)、miRNAスポンジ、タフデコイmiRNA、antimir、低分子RNA、rRNA、低分子干渉RNA(siRNA)、短鎖ヘアピンRNA(shRNA)、ゲノムデオキシリボ核酸(gDNA)、相補的(cDNA)、プラスミド(pDNA)、ペプチド核酸(PNA)、架橋化核酸(BNA)、アンチセンスオリゴヌクレオチド(ASO)、アプタマー、環状ジヌクレオチドまたはそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される核酸を含む、請求項7に記載のミセル。
- 前記アニオン性ペイロードが、アンチセンスオリゴヌクレオチド(ASO)を含む、請求項8に記載のミセル。
- 前記アニオン性ペイロードが、siRNAを含む、請求項8に記載のミセル。
- 前記核酸が、5~30ヌクレオチド長を有するヌクレオチド配列を含む、請求項8に記載のミセル。
- nが約80~約90、約90~約100、約100~約110、約110~約120、約120~約130、約130~約140、約140~約150または約150~約160である、請求項12または13に記載のミセル。
- 前記水溶性バイオポリマー部分が、約100~約150のエチレングリコール単位を含む、請求項2~13のいずれか一項に記載のミセル。
- 前記正に荷電したキャリア部分が約30~約1000のリジンを含む、請求項2~13のいずれか一項に記載のミセル。
- 前記正に荷電したキャリア部分が約30、約40、約50、約60、約70または約80のリジンを含む、請求項2~13のいずれか一項に記載のミセル。
- 前記アジュバント部分が、前記正に荷電したキャリア部分に沿って1以上の位置で結合されている、請求項2~13のいずれか一項に記載のミセル。
- 前記アジュバント部分が、少なくとも10のビタミンB3を含む、請求項2~13のいずれか一項に記載のミセル。
- 前記アジュバント部分が、20~40のビタミンB3を含む、請求項2~13のいずれか一項に記載のミセル。
- (a)水溶性ポリマーが約40~約1000のエチレングリコール単位を含み、
(b)前記カチオン性キャリア部分が約3~約100のリジンを含み、
(c)前記アジュバント部分が1~100のビタミンB3を含む、
請求項2~13のいずれか一項に記載のミセル。 - (a)水溶性ポリマーが約40、100、150、200、300、400、500、600、700、800、900または1000のエチレングリコール単位を含み、
(b)前記カチオン性キャリア部分が約3、10、20、30、40、50、60、70、80、90または100のリジンを含み、
(c)前記アジュバント部分が約1、5、10、20、30、40、50、60、70、80、90または100のビタミンB3を含む、
請求項2~13のいずれか一項に記載のミセル。 - (a)水溶性ポリマーが約100~約120のエチレングリコール単位を含み、
(b)前記カチオン性キャリア部分が約30~約40のリジンを含み、
(c)前記アジュバント部分が約5~約10のビタミンB3を含む、
請求項2~13のいずれか一項に記載のミセル。 - (a)水溶性ポリマーが約120~約130のエチレングリコール単位を含み、
(b)前記カチオン性キャリア部分が約70~約90のリジンを含み、
(c)前記アジュバント部分が約20~約40のビタミンB3を含む、
請求項2~13のいずれか一項に記載のミセル。 - 前記標的化部分がフェニルアラニンを含む、請求項2~13のいずれか一項に記載のミセル。
- 請求項2~13のいずれか一項に記載のミセルおよび薬学的に許容されるキャリアを含む医薬組成物。
- 請求項2~13のいずれか一項に記載のミセルを含む、疾患または状態の処置のための組成物。
- 前記疾患が、神経膠腫、乳癌、膵臓癌、肝臓癌、皮膚癌、および子宮頸癌から選択されるがんである、請求項27に記載の組成物。
- 前記疾患が神経変性疾患である、請求項27に記載の組成物。
- 前記疾患がアルツハイマー病であり、前記ミセルがアミロイドプラーク負荷を低減する、請求項27に記載の組成物。
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