JPWO2020246130A1 - ワイヤロープ検査システムおよびワイヤロープ検査方法 - Google Patents
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Abstract
Description
図1に示すように、ワイヤロープ検査システム100は、検査対象物であるワイヤロープ101を検査するシステムである。ワイヤロープ検査システム100は、ワイヤロープ101の状態を磁気的に検知するワイヤロープ検査装置200と、ワイヤロープ101の状態を解析する外部装置300とを備えている。ワイヤロープ検査システム100は、ワイヤロープ検査装置200と外部装置300とによりワイヤロープ101の損傷を検査するように構成されている。
図2に示すように、ワイヤロープ検査装置200は、検査対象物であるワイヤロープ101の表面に沿って相対移動させながら、ワイヤロープ101を検査する。ワイヤロープ101は、エレベータ400を駆動する動索である。エレベータ400は、かご部401と、ワイヤロープ101を巻き上げてかご部401を昇降させる巻上機402と、かご部401(ワイヤロープ101)の位置を検知する位置センサ403とを備えている。エレベータ400では、ワイヤロープ101が巻上機402により移動されるため、ワイヤロープ検査装置200を固定した状態で、ワイヤロープ101の移動に伴って、検査が行われる。ワイヤロープ101は、ワイヤロープ検査装置200の位置において、X方向に延びるように配置されている。
ワイヤロープ101は、磁性を有する素線材料が編みこまれる(たとえば、ストランド編みされる)ことにより形成されている。ワイヤロープ101は、たとえば、鋼製のワイヤロープ(スチールワイヤロープ)である。ワイヤロープ101は、X方向に延びる長尺材からなる磁性体である。ワイヤロープ101は、劣化による切断が起こるのを防ぐために、状態(傷等の有無)を監視されている。そして、劣化が所定量より進行したワイヤロープ101は、交換される。
図4に示すように、磁界印加部4は、検査対象物であるワイヤロープ101に対して予めY方向(ワイヤロープ101の延びる方向に交差する方向)に磁界を印加し磁性体であるワイヤロープ101の磁化の大きさおよび方向を整えるように構成されている。また、磁界印加部4は、磁石41および42を含む第1磁界印加部と、磁石43および44を含む第2磁界印加部とを含んでいる。第1磁界印加部(磁石41および42)は、検知部1に対して、ワイヤロープ101の延びる方向の一方側(X1方向側)に配置されている。また、第2磁界印加部(磁石43および44)は、検知部1に対して、ワイヤロープ101の延びる方向の他方側(X2方向側)に配置されている。
検知コイル10(受信コイル11および12)と、励振コイル13とは、長尺材からなる磁性体であるワイヤロープ101の延びる方向を中心軸として、長手方向に沿うようにそれぞれ複数回巻回されている。また、検知コイル10および励振コイル13は、ワイヤロープ101の延びるX方向(長手方向)に沿って円筒形となるように形成される導線部分を含むコイルである。したがって、検知コイル10および励振コイル13の巻回される導線部分の形成する面は、長手方向に略直交している。ワイヤロープ101は、検知コイル10および励振コイル13の内部を通過する。また、検知コイル10は、励振コイル13の内側に設けられている。なお、検知コイル10および励振コイル13の配置はこれに限られない。検知コイル10の受信コイル11は、X1方向側に配置されている。また、検知コイル10の受信コイル12は、X2方向側に配置されている。受信コイル11および12は、数mm〜数cm程度の間隔を隔てて配置されている。
図3に示す電子回路部2の制御部21は、ワイヤロープ検査装置200の各部を制御するように構成されている。具体的には、制御部21は、CPU(中央処理装置)などのプロセッサ、メモリ、AD変換器などを含んでいる。
次に、図7〜図15を参照して、第1測定データ201aおよび第2測定データ201bの波形の位置合わせについて説明する。詳細には、エレベータ400からワイヤロープ101の位置に関する情報(位置センサ403の情報)が取得できない場合の、第1測定データ201aおよび第2測定データ201bの波形の位置合わせについて説明する
図7に示すように、エレベータ400に予め決められた検査動作を行わせることにより、エレベータ400の検査動作時の測定データ201が検知コイル10により取得される。検査動作では、エレベータ400は、予め決められた検査動作開始位置から、予め決められた検査動作終了位置まで移動される。検査動作時のエレベータ400の移動速度は、波形を位置合わせに適した測定データ201を得る観点から、人や荷物などの積載物の運搬時のエレベータ400の移動速度(すなわち、通常時のエレベータ400の移動速度)よりも小さい、一定速度とすることができる。
図8を参照して、エレベータ400の検査動作時に検知コイル10により取得した測定データ201について説明する。図8に示すグラフでは、縦軸が測定時の検知コイル10の出力値(電圧値など)を示し、横軸が測定時の時間を示している。なお、図9、図10、図12、図14および図15のグラフの縦軸および横軸も、図8に示すグラフと同様である。
そこで、図9に示すように、制御部21は、エレベータ400の検査動作開始前の区間からの測定値(出力値)の変化開始点(急激な変化の開始点)を、エレベータ400の検査動作開始点として抽出する制御を行うように構成されている。この際、制御部21は、エレベータ400の検査動作開始前の区間の測定値に基づいて、測定値の変化開始点を決定する制御を行うように構成されている。
また、図13〜図15に示すように、制御部21は、第1測定データ201aおよび第2測定データ201bの波形を位置合わせした後、差分202を取得する前に、波形を位置合わせした第1測定データ201aおよび第2測定データ201bの位置を微調整する制御を行うように構成されている。
本実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく、請求の範囲によって示され、さらに請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
上記した例示的な実施形態は、以下の態様の具体例であることが当業者により理解される。
エレベータを駆動するワイヤロープの磁界の変化を検知する検知コイルと、
前記エレベータの検査動作時に前記検知コイルにより取得した、測定日時が互いに異なる第1測定データおよび第2測定データに基づいて、前記ワイヤロープの状態を検査する制御を行う制御部と、を備え、
前記制御部は、前記第1測定データおよび前記第2測定データの各々から前記エレベータの検査動作開始点を抽出するとともに、抽出した前記第1測定データの前記エレベータの検査動作開始点および前記第2測定データの前記エレベータの検査動作開始点が一致するように、前記第1測定データおよび前記第2測定データの波形の位置合わせを行うように構成されている、ワイヤロープ検査システム。
前記第1測定データおよび前記第2測定データは、波形が平坦状の区間である前記エレベータの検査動作開始前の区間のデータを含み、
前記制御部は、前記エレベータの検査動作開始前の区間からの測定値の変化開始点を、前記エレベータの検査動作開始点として抽出する制御を行うように構成されている、項目1に記載のワイヤロープ検査システム。
前記制御部は、前記エレベータの検査動作開始前の区間の測定値に基づいて、前記エレベータの検査動作開始前の区間の測定値の微小なばらつきを示す標準偏差を取得するとともに、取得した前記標準偏差を考慮して、測定値の変化開始点を決定する制御を行うように構成されている、項目2に記載のワイヤロープ検査システム。
前記制御部は、前記標準偏差に基づいて、測定値の変化開始点を決定するためのしきい値を取得するとともに、測定値が前記しきい値を超えた点を、測定値の変化開始点として決定する制御を行うように構成されている、項目3に記載のワイヤロープ検査システム。
前記制御部は、測定値が前記しきい値を連続的に超えた区間の開始点を、測定値の変化開始点として決定する制御を行うように構成されている、項目4に記載のワイヤロープ検査システム。
前記制御部は、前記第1測定データおよび前記第2測定データの波形を前記エレベータの検査動作開始点が一致するように位置合わせした状態で、波形を位置合わせした前記第1測定データおよび前記第2測定データ間の類似度に基づいて、前記第1測定データおよび前記第2測定データのうちの少なくとも一方の波形の位置を調整する制御を行うように構成されている、項目1〜5のいずれか1項に記載のワイヤロープ検査システム。
前記制御部は、波形を位置合わせした前記第1測定データおよび前記第2測定データを複数の分割区間に分割するとともに、前記分割区間において、前記類似度に基づいて、前記第1測定データおよび前記第2測定データのうちの少なくとも一方の波形の位置を調整する制御を行うように構成されている、項目6に記載のワイヤロープ検査システム。
前記制御部は、波形を位置合わせした前記第1測定データおよび前記第2測定データの差分を取得するとともに、取得した前記差分に基づいて、前記ワイヤロープの状態を検査する制御を行うように構成されている、項目1〜7のいずれか1項に記載のワイヤロープ検査システム。
エレベータを駆動するワイヤロープの磁界の変化を検知するステップと、
前記エレベータの検査動作時に取得した、測定日時が互いに異なる第1測定データおよび第2測定データに基づいて、前記ワイヤロープの状態を検査するステップと、を備え、
前記ワイヤロープの状態を検査するステップは、
前記第1測定データおよび前記第2測定データの各々から前記エレベータの検査動作開始点を抽出するステップと、
抽出した前記第1測定データの前記エレベータの検査動作開始点および前記第2測定データの前記エレベータの検査動作開始点が一致するように、前記第1測定データおよび前記第2測定データの波形の位置合わせを行うステップと、
を含む、ワイヤロープ検査方法。
21 制御部
100 ワイヤロープ検査システム
101 ワイヤロープ
201a 第1測定データ
201b 第2測定データ
202 差分
203 検査動作開始点
205 しきい値
207 分割区間
400 エレベータ
σ 標準偏差
Claims (9)
- エレベータを駆動するワイヤロープの磁界の変化を検知する検知コイルと、
前記エレベータの検査動作時に前記検知コイルにより取得した、測定日時が互いに異なる第1測定データおよび第2測定データに基づいて、前記ワイヤロープの状態を検査する制御を行う制御部と、を備え、
前記制御部は、前記第1測定データおよび前記第2測定データの各々から前記エレベータの検査動作開始点を抽出するとともに、抽出した前記第1測定データの前記エレベータの検査動作開始点および前記第2測定データの前記エレベータの検査動作開始点が一致するように、前記第1測定データおよび前記第2測定データの波形の位置合わせを行うように構成されている、ワイヤロープ検査システム。 - 前記第1測定データおよび前記第2測定データは、波形が平坦状の区間である前記エレベータの検査動作開始前の区間のデータを含み、
前記制御部は、前記エレベータの検査動作開始前の区間からの測定値の変化開始点を、前記エレベータの検査動作開始点として抽出する制御を行うように構成されている、請求項1に記載のワイヤロープ検査システム。 - 前記制御部は、前記エレベータの検査動作開始前の区間の測定値に基づいて、前記エレベータの検査動作開始前の区間の測定値の微小なばらつきを示す標準偏差を取得するとともに、取得した前記標準偏差を考慮して、測定値の変化開始点を決定する制御を行うように構成されている、請求項2に記載のワイヤロープ検査システム。
- 前記制御部は、前記標準偏差に基づいて、測定値の変化開始点を決定するためのしきい値を取得するとともに、測定値が前記しきい値を超えた点を、測定値の変化開始点として決定する制御を行うように構成されている、請求項3に記載のワイヤロープ検査システム。
- 前記制御部は、測定値が前記しきい値を連続的に超えた区間の開始点を、測定値の変化開始点として決定する制御を行うように構成されている、請求項4に記載のワイヤロープ検査システム。
- 前記制御部は、前記第1測定データおよび前記第2測定データの波形を前記エレベータの検査動作開始点が一致するように位置合わせした状態で、波形を位置合わせした前記第1測定データおよび前記第2測定データ間の類似度に基づいて、前記第1測定データおよび前記第2測定データのうちの少なくとも一方の波形の位置を調整する制御を行うように構成されている、請求項1に記載のワイヤロープ検査システム。
- 前記制御部は、波形を位置合わせした前記第1測定データおよび前記第2測定データを複数の分割区間に分割するとともに、前記分割区間において、前記類似度に基づいて、前記第1測定データおよび前記第2測定データのうちの少なくとも一方の波形の位置を調整する制御を行うように構成されている、請求項6に記載のワイヤロープ検査システム。
- 前記制御部は、波形を位置合わせした前記第1測定データおよび前記第2測定データの差分を取得するとともに、取得した前記差分に基づいて、前記ワイヤロープの状態を検査する制御を行うように構成されている、請求項1に記載のワイヤロープ検査システム。
- エレベータを駆動するワイヤロープの磁界の変化を検知するステップと、
前記エレベータの検査動作時に取得した、測定日時が互いに異なる第1測定データおよび第2測定データに基づいて、前記ワイヤロープの状態を検査するステップと、を備え、
前記ワイヤロープの状態を検査するステップは、
前記第1測定データおよび前記第2測定データの各々から前記エレベータの検査動作開始点を抽出するステップと、
抽出した前記第1測定データの前記エレベータの検査動作開始点および前記第2測定データの前記エレベータの検査動作開始点が一致するように、前記第1測定データおよび前記第2測定データの波形の位置合わせを行うステップと、
を含む、ワイヤロープ検査方法。
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