JPWO2020217363A1 - 冷蔵庫 - Google Patents

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Abstract

本発明にかかる冷蔵庫(1)は、温度に応じて許容電流が変化する照明素子を用いる庫内灯(7)を備える冷蔵室(4)と、冷蔵室(4)内の温度を検出する冷蔵室サーミスタ(5)と、冷蔵室(4)の温度および照明素子のジャンクション温度と、照明素子の通電率との対応を示す対応情報を記憶するROM(112)と、冷蔵室サーミスタ(5)により検出された温度と照明素子の現在の損失量が発生してからの経過時間とに基づいて、ジャンクション温度の推定値を計算し、冷蔵室サーミスタ(5)により検出された温度と、推定値と、対応情報とに基づいて、照明素子の通電率を決定し、決定した通電率に基づいて、照明素子に流れる電流を制御するマイコン(11)および庫内灯駆動回路(13)と、を備える。

Description

本発明は、庫内灯としてLED(Light Emitting Diode)、有機EL(Electro-Luminescence)照明などを用いる冷蔵庫に関する。
冷蔵庫の庫内灯としてLEDなどが用いられることがある。LEDなどは、周囲温度に応じて許容電流が変化する。一般的に、LEDは、周囲温度が高いほど許容電流が小さくなる。冷蔵庫であれば、使用環境下での最も高い周囲温度は、真夏の最も暑い季節で50℃程度と想定されるので、この温度を考慮してLEDに流れる電流を設定する。しかしながら、大半の季節における気温が30℃未満であることを考えると、周囲温度が低い場合には許容電流に対して余裕を持ちすぎた電流設定になっており、LEDの性能を十分に引き出せていない。このため、LEDの性能を十分に引き出すためには、周囲温度に応じて駆動電流が制御されることが望ましい。
特許文献1には、LED庫内灯の周囲温度を検出するための専用サーミスタを設けることなく、かつ周囲温度に対してLEDの性能を十分に引き出すことのできる冷蔵庫を得ることを目的とした技術が開示されている。特許文献1に記載の冷蔵庫は、庫内温度検出手段と、LEDを駆動する駆動手段と、LED周辺温度とLED電流値の対応関係データを格納した記憶手段と、を備え、駆動手段は、庫内温度検出手段の検出温度に基づき対応関係データを参照してLEDに流れる電流を制御している。これにより、特許文献1に記載の冷蔵庫は、LED庫内灯の周囲温度を検出するための専用サーミスタを設けることなく、かつ周囲温度に対してLEDの性能を引き出せるようLEDに流れる電流を制御することができる。
特開2008−275289号公報
一方、冷蔵庫では、一般的に使用者が扉を継続して開放した状態で使用することはなく、扉が連続して開かれている時間は、一般的に数秒程度の場合が多い。このため、扉の開放時間すなわち、庫内灯の点灯時間が短い場合は、特許文献1に記載の技術を適用しても、庫内の温度にはムラがあり、庫内温度検出手段の検出温度とLEDの周囲温度とに差が生じて、LEDの性能を十分に引き出せない可能性があるという課題があった。LEDをはじめとして、有機EL照明など、同様に周囲温度に応じて電流を制御することが望まれる照明素子を庫内灯として用いる場合には、LEDに限らず同様の課題がある。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、庫内灯として用いられる照明素子の性能をより引き出すことができる冷蔵庫を得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、温度に応じて許容電流が変化する照明素子を用いる庫内灯を備える貯蔵室と、貯蔵室内の温度を検出する温度検出部と、貯蔵室内の温度および照明素子のジャンクション温度と、照明素子の通電率との対応を示す対応情報を記憶する記憶装置と、を備える。この冷蔵庫は、さらに、温度検出部により検出された温度と照明素子の現在の損失量が発生してからの経過時間とに基づいて、ジャンクション温度の推定値を計算し、温度検出部により検出された温度と、推定値と、対応情報とに基づいて、照明素子の通電率を決定し、決定した通電率に基づいて、照明素子に流れる電流を制御する駆動回路と、を備える。
本発明にかかる冷蔵庫は、庫内灯として用いられる照明素子の性能をより引き出すことができるという効果を奏する。
本発明の実施の形態1にかかる冷蔵庫を模式的に示す図 実施の形態1にかかる冷蔵庫を模式的に示す図 実施の形態1の冷蔵庫の制御基板の構成例を示す図 第1の比較例の照明素子周囲温度と照明素子の損失量の関係の一例を示すグラフ 第2の比較例の照明素子周囲温度と照明素子の損失量の関係の一例を示すグラフ 実施の形態1の照明素子周囲温度と照明素子の損失量の関係の一例を示すグラフ 実施の形態1の経過時間に対する照明素子の温度および損失の変化の様子を示すグラフ 実施の形態1の照明素子の熱流の等価回路の一例を示す図 実施の形態1の記憶装置のデータ更新の一例を示す図 実施の形態1のマイコンが庫内灯駆動回路へ出力する指示信号の一例を示す図 実施の形態1の通電制御に用いるテーブルの一例を示す図 実施の形態1の冷蔵庫の庫内灯の駆動制御手順の一例を示すフローチャート 実施の形態2の冷蔵庫の庫内灯の駆動制御手順の一例を示すフローチャート 実施の形態3の冷蔵庫の庫内灯の駆動制御手順の一例を示すフローチャート 実施の形態4にかかる冷蔵庫の操作パネルの表示画面の一例を示す図 実施の形態4の冷蔵庫の庫内灯の駆動制御手順の一例を示すフローチャート 実施の形態5にかかる冷蔵庫の操作パネルの表示画面の一例を示す図 実施の形態5の冷蔵庫の庫内灯の駆動制御手順の一例を示すフローチャート
以下に、本発明の実施の形態にかかる冷蔵庫を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
図1および図2は、本発明の実施の形態1にかかる冷蔵庫を模式的に示す図である。図1は、正面からみた冷蔵庫1を模式的に示している。図2は、側面からみた冷蔵庫1を模式的に示している。なお、図1と図2は、構成要素を説明するための模式的な図であり、図1および図2は、各構成要素のサイズを示すものではない。
図1に示すように、冷蔵庫1は、ドア15を備える。ドア15の背面には図2に示す冷蔵室4が設けられている。ドア15には、ドア15の開閉状態を検出するドアスイッチ8が設けられている。ドアスイッチ8は、開閉状態の検出結果をドア開閉状態信号として出力する。また、ドア15には、ユーザが温度調節などを行うためのスイッチなどを設けた操作パネル9が設置されている。操作パネル9は、ユーザからの設定の入力を受け付ける。また、操作パネル9は、ユーザに対して冷蔵庫1の現在の設定、温度などを表示する。
図2に示すように、冷蔵庫1には、1つ以上の貯蔵室の一例として、冷蔵室4および冷蔵室4以外の貯蔵室である貯蔵室14とが設けられている。なお、冷蔵室4は、庫内灯7を備える貯蔵室の一例である。図1および図2に示した例では、冷蔵庫1は冷蔵室4および3つの貯蔵室14の合計4つの貯蔵室を備えているが、冷蔵庫1が備える貯蔵室の数は図1および図2に示した例に限定されない。冷蔵庫1は、冷凍サイクルの一部であり付近の空気を冷却する冷却器2を備える。冷蔵庫1は、冷却器2付近の冷気を庫内に循環させることにより、庫内の冷却を行っている。冷却器2には、冷却器2の温度を検出する冷却器サーミスタ3が取り付けられている。冷却器サーミスタ3は、冷却器2の温度を検出する冷却器温度検出部である。冷蔵室4には、冷蔵室4内の温度を検出する冷蔵室サーミスタ5が取り付けられている。冷蔵室サーミスタ5は、冷蔵室4内の温度を検出する温度検出部である。なお、図2においては冷却器2の周辺を拡大して記載するために、冷却器2の周辺が図1に比べて拡大して示されている。
冷蔵室4の背面には、冷蔵室4への冷気の流量を調節するための冷蔵室ダンパー6が取り付けられている。また、冷蔵室4内には、冷蔵室4内の照明として、庫内灯7が取り付けられている。冷蔵庫1の背面には、制御基板10が取り付けられている。
本実施の形態では、庫内灯7として、LED、有機EL照明といった温度に応じて許容電流が変化する照明素子が用いられる。すなわち、庫内灯7は周囲温度に応じて流れる電流が制御されることが望ましい照明素子を備える。庫内灯7として用いられるLED、有機EL照明などを照明素子と呼び、照明素子の周囲温度を「照明素子周囲温度」と呼ぶ。なお、本実施の形態では、照明素子周囲温度を直接検出する専用のサーミスタは必須ではないが、より高精度に照明素子周囲温度を検出したい場合には、照明素子周囲温度を検出する専用のサーミスタを設けてもよい。
図3は、本実施の形態の冷蔵庫1の制御基板10の構成例を示す図である。制御基板10は、制御回路であるマイクロコンピュータ(以下、マイコンと呼ぶ)11、および庫内灯駆動回路13を搭載している。マイコン11は、CPU(Central Processing Unit)111、ROM(Read Only Memory)112およびRAM(Random Access Memory)113を備える。マイコン11内のROM112には、冷蔵庫1の制御に必要な温度判定、時間のカウントなどを行うプログラムが格納されている。CPU111が、ROM112に格納されたプログラムを実行することで、マイコン11による冷蔵庫1の制御が実現される。RAM113は、CPU111による演算の実行等に必要なメモリ領域として使用される。マイコン11は、グランドに接続されている。庫内灯駆動回路13は、マイコン11の指示に基づき庫内灯7を駆動する回路デバイス等で構成される。電源16〜19は、各部の電源を示す。
図3に示すように、マイコン11は、冷却器サーミスタ3、冷蔵室サーミスタ5、冷蔵室ダンパー6および操作パネル9と接続される。冷却器サーミスタ3は、冷却器2の温度を検出し、検出した温度を検出信号としてマイコン11へ出力する。冷蔵室サーミスタ5は、冷蔵室4の温度を検出し、検出した温度を検出信号としてマイコン11へ出力する。操作パネル9は、ユーザからの入力を受け付けるスイッチ、ユーザへ提示する情報を表示する液晶画面(図では液晶と略す)12を備える。なお、操作パネル9には、ユーザからの入力を受け付けるスイッチの替わりに、液晶画面と入力手段が一体化されたタッチパネルなどが設けられていてもよい。操作パネル9は、ユーザから受け付けた内容を示す信号をマイコン11へ出力する。ドアスイッチ8は、ドア15の開閉の状態を検出し、検出した状態をドア開閉状態信号としてマイコン11へ出力する。ドア開閉状態信号は、ドア15が開状態であるか閉状態であるかを示す信号である。マイコン11は、マイコン11に入力される信号に基づいて、以下の(1)〜(3)の動作制御を実行する。
(1)冷蔵室4の温度コントロール
マイコン11は、冷蔵室サーミスタ5の検出信号を受け取り、この検出信号に基づき冷蔵室ダンパー6を開閉することで冷気の流れをコントロールすることにより冷蔵室4の温度を制御する。また、マイコン11は、冷却器サーミスタ3の検出信号を受け取り、この検出信号に基づき冷却器2の動作を制御することにより冷蔵室4の温度を制御することもできる。
(2)庫内灯7の点灯および消灯制御
マイコン11は、ドアスイッチ8が出力したドア開閉状態信号を受け取る。マイコン11は、ドア開閉状態信号が、冷蔵室4のドア15が開状態であることを示す場合は、庫内灯駆動回路13に庫内灯7を点灯するよう指示する。マイコン11は、ドア開閉状態信号が、冷蔵室4のドア15が閉状態であることを示す場合は、庫内灯駆動回路13に庫内灯7を消灯するよう指示する。庫内灯7の点灯および消灯の指示は、例えば、マイコン11から庫内灯駆動回路13に対して、例えばHighまたはLowの2値のいずれかの値をとる指示信号を出力することにより行う。例えば、指示信号は、Highのときには点灯を示し、Lowの時には消灯を示す。指示信号のHighおよびLowと点灯および消灯との対応はこの例の逆であってもよい。
(3)操作パネル9からの操作入力受付
マイコン11は、ユーザが操作パネル9を操作することにより入力を行った際に、操作パネル9からこの操作内容に対応した信号を受け取り、受け取った信号に対応した命令を実行する。
なお、上記(1)〜(3)の動作は一般的な冷蔵庫の動作と同様であるため、詳細な説明は省略する。以下、本実施の形態の照明素子に流れる電流の制御方法について説明する。まず、図4および図5を用いて、第1の比較例、第2の比較例を説明する。
図4は、第1の比較例の照明素子周囲温度と照明素子の損失量の関係の一例を示すグラフである。図4では、横軸は照明素子周囲温度を示し、縦軸は照明素子の損失量を示す。図4では、照明素子の最大定格ジャンクション温度が125℃であり、最大許容損失が1Wであり、ジャンクション−雰囲気間熱抵抗が100℃/Wである例を示している。図4に示した実線201は、照明素子の周囲温度と許容損失の最大定格との関係を示している。なお、損失が大きいほど照明素子の照度も高い。
図4に示すように、一般的に照明素子周囲温度が高くなるとともに、許容損失は小さくなる。図4中、Aで示す領域は照明素子周囲温度により許容損失が変化しない温度帯、Bで示す領域は照明素子周囲温度が高くなるとともに許容損失が小さくなる温度帯である。図4に示した例では、Aで示す領域は、照明素子周囲温度が25℃以下の領域であり、Bで示す領域は、照明素子周囲温度が25℃を超える領域である。図4に示した例では、許容損失の最大定格は、最も電流を多く流せる温度帯であるAで示した温度領域では、1Wである。Bで示した領域では、照明素子周囲温度が25℃から1℃上昇する毎に、許容損失の最大定格が0.01W小さくなっており、許容損失の最大定格は照明素子周囲温度と、比例定数が負となるようなに比例関係にある。なお、図4に示した例は一例であり、Aで示す領域とBで示す領域との境目の温度、比例定数などは、図4に示した例に限定されない。
一般に、照明素子の熱による破損を防止するために、照明素子に印加する電流は、損失量が、許容損失の最大定格よりある程度小さくなるように設定される。図4に示した、損失量203は、照明素子周囲温度が最も高くなる場合の許容損失を基準に許容損失を決定した第1の比較例における、照明素子周囲温度と許容損失との関係を示している。図4に示した第1の比較例では、照明素子周囲温度が最も高くなる場合の許容損失を基準に損失量を決定しているため、照明素子周囲温度によらず、損失量は一定である。図4の破線202は、照明素子の熱による破損を防止できる損失量を示している。図4に示すように、例えば、最大定格の75%程度の損失量であれば、照明素子の熱による破損を防止できる。
図4に示した第1の比較例のように、照明素子周囲温度が50℃の場合を想定して照明素子の損失量を決定し、損失量に基づいて照明素子の通電電流を決定すると、照明素子周囲温度が50℃未満の領域では、破線202で示す損失量より小さい損失量で照明素子を制御することになる。したがって、第1の比較例では、特に照明素子周囲温度が低い領域において、照明素子の熱による破損を防止できる電流に対して、かなりの余裕があることになり、照明素子の性能を十分に発揮することができない。
図5は、第2の比較例の照明素子周囲温度と照明素子の損失量の関係の一例を示すグラフである。図5に示した第2の比較例では、照明素子周囲温度の推定値として冷蔵室サーミスタ5の温度を用い、冷蔵室サーミスタ5の温度に応じて損失量を決定している。実線301、破線302は、それぞれ図4に示した実線201、破線202と同様である。図5に示した損失量303は、冷蔵室サーミスタ5の温度に応じて照明素子の損失量を階段状に変更した場合の、第2の比較例の損失量を示している。図5に示した例では、冷蔵室サーミスタ5の温度の温度領域を5つの領域に区分し、区分ごとに、破線302で示される照明素子の熱による破損を防止できる損失量を超えないように損失量を決定している。
図5に示した第2の比較例では、図4に示した第1の比較例より、照明素子の性能を引き出すことはできる。しかしながら、ドア15の開状態の時間が短い場合などには、冷蔵室サーミスタ5の温度が上昇しても、実際の照明素子の温度は上昇していない場合もあり、第2の比較例では、照明素子の性能を十分に引き出せない場合もある。本実施の形態では、このような場合でも、照明素子の性能を十分に引き出せるように、実際の照明素子の許容電流を決める照明素子のジャンクション温度を推定し、冷蔵室サーミスタ5の温度だけでなくジャンクション温度の推定値を用いて照明素子の損失量を決定する。すなわち、本実施の形態では、後述するように、庫内灯7の、すなわち照明素子の通電率を、冷蔵室サーミスタ5の温度およびジャンクション温度の推定値に応じて決定する。これにより、本実施の形態では、照明素子の熱による破損を抑制しつつ、より明るい高い照度を実現することができる。
図6は、本実施の形態の照明素子周囲温度と照明素子の損失量の関係の一例を示すグラフである。実線401、破線405は、それぞれ図4に示した実線201、破線202と同様である。本実施の形態では、照明素子周囲温度と照明素子の損失量との対応関係として、第1、第2および第3の対応関係の3つの対応関係を用意しておき、ジャンクション温度の推定値に応じてこれら3つの対応関係を使い分ける。図6では、第1の対応関係を損失402として示し、第2の対応関係を損失403として示し、第3の対応関係を損失404として示している。なお、ここでは、照明素子の飽和ジャンクション温度を100℃とする。
詳細は、後述するが、本実施の形態では、例えば、ジャンクション温度の推定値が90℃未満の場合には、1つめの対応関係である損失402を用い、ジャンクション温度の推定値が90℃以上95℃未満の場合には、損失403を用い、ジャンクション温度の推定値が95℃以上の場合には損失404を用いる。このように、ジャンクション温度の推定値を用いて、照明素子の損失量を決定して照明素子の電流を制御することで、ジャンクション温度が100℃を超えることなく、第2の比較例より高い照度を実現することができる。
なお、本実施の形態では、LEDまたは有機EL照明を用いた庫内灯7の照明素子周囲温度を、冷蔵室サーミスタ5の検出結果で代用する例を説明するが、上述したように、別途精度を上げるため照明素子の周囲に専用のサーミスタを設けてもよい。
図7は、本実施の形態の経過時間に対する照明素子の温度および損失の変化の様子を示すグラフである。図7では、横軸は経過時間を示し、縦軸は温度および損失を示している。図7では、照明素子のケースの熱容量Cを0.1J/℃、ジャンクション−ケース間熱抵抗θjcを20℃/Wとし、ケース−雰囲気間熱抵抗θcaを80℃/Wとし、ジャンクションにて0.75Wの損失が発生した場合の経過時間に対するジャンクション温度照明素子のケースの温度、および損失を示している。
破線501は、本実施の形態の照明素子の電流制御方法により電流を制御した場合のジャンクション温度の時間変化の様子を示している。実線502は、第2の比較例の照明素子の電流制御方法により電流を制御した場合のジャンクション温度の時間変化の様子を示している。破線503は、本実施の形態の照明素子の電流制御方法により電流を制御した場合の照明素子のケースの温度の時間変化の様子を示している。実線504は、第2の比較例の照明素子の電流制御方法により電流を制御した場合の照明素子のケースの温度(以下、ケース温度ともいう)の時間変化の様子を示している。破線505は、本実施の形態の照明素子の電流制御方法により電流を制御した場合の照明素子の損失の時間変化の様子を示している。実線506は、第2の比較例の照明素子の電流制御方法により電流を制御した場合の照明素子の損失の時間変化の様子を示している。
物質には熱容量が一定量あるため、図7に示すように、飽和温度に達するまで、すなわち発熱量=放熱量となるまでには、時間を要する。したがって、電流を流し続ければ飽和時のジャンクション温度が100℃以上となるような電流であっても、照明素子に印加する時間が短時間であればジャンクション温度が100℃を超えることはない。すなわち、電流を流し続ければ飽和時のジャンクション温度が100℃以上となるような電流であっても、該電流を照明素子に印加した後のジャンクション温度が100℃未満であり、かつこの後に電流を低下させれば照明素子の熱による破損を抑制しつつ高い照度を確保できる。
次に、本実施の形態の第1、第2および第3の対応関係の決定方法について説明する。図8は、本実施の形態の照明素子の熱流の等価回路の一例を示す図である。照明素子は、図8に示すように、接続された抵抗値のジャンクション−ケース間熱抵抗θjcと、ジャンクション−ケース間熱抵抗θjcに直列に接続されたケース−雰囲気間熱抵抗θcaと、ケース−雰囲気間熱抵抗θcaに並列に接続された照明素子のケースの熱容量Cとを有する。基準温度Tは、0℃であるとする。なお、ジャンクション−ケース間熱抵抗θjcおよびケース−雰囲気間熱抵抗θcaのそれぞれの抵抗値をそれぞれθjcおよびθcaとも表す。
照明素子のケースの熱容量Cを0.1J/℃、ジャンクション−ケース間熱抵抗θjcを20℃/Wとし、ケース−雰囲気間熱抵抗θcaを80℃/Wとし、ジャンクション定格最大温度を125℃とする。また、初期のケース温度は照明素子周囲温度Tと等しいとし、照明素子周囲温度Tを25℃とする。このとき、照明素子に電流を流し点灯させる場合を考える。照明素子周囲温度Tは、照明素子の点灯の有無によらず一定とする。
以上の条件で、飽和ジャンクション温度は100℃であり、照明素子の損失量Pが0.75Wとなるように電流を流すと、ジャンクション温度は100℃に近づいていく。ただし、上述したとおり、この条件で照明素子に電流を流しても、熱容量の影響により、すぐにジャンクション温度が100℃付近になるわけではなく時間の経過とともに徐々にジャンクション温度が100℃に近づいていく。
ここで、例えば、実使用における最大のジャンクション温度Tjmaxを、定格最大温度125℃より25℃低い100℃とすると仮定する。つまり、定格最大温度125℃に対して、25℃のマージンをとり、ジャンクション温度を、100℃以下に抑えるように設計すると仮定する。このとき、時間の経過とともにジャンクション温度が徐々に上昇することを考慮して、ジャンクション温度が第1の温度未満の場合には、0.75Wより大きい第1の損失量の損失が発生する電流を照明素子に流す。詳細には、ジャンクション温度が第1の温度未満の場合には、第1の対応関係に基づいて損失量を決定する。ジャンクション温度が第1の温度以上であり第2の温度未満のときには、0.75Wより大きくかつ第1の損失量より少ない第2の損失量の損失が発生する電流を照明素子に流す。詳細には、ジャンクション温度が第1の温度以上であり第2の温度未満のときには、第2の対応関係に基づいて損失量を決定する。第1の温度、第2の温度は、いずれも最大のジャンクション温度Tjmax未満であり、第1の温度は第2の温度より低い。ジャンクション温度が第2の温度以上のときには、0.75Wの損失が発生する電流を照明素子に流す。詳細には、ジャンクション温度が第2の温度以上のときには、第3の対応関係に基づいて損失量を決定する。このように、ジャンクション温度の推定値に応じて、用いる対応関係を切り替えることを、以下ジャンクション損失量切替ともよぶ。
ここでは、第1の温度、第2の温度は、それぞれ90℃、95℃であるとし、第1の損失量、第2の損失量は、それぞれ0.95W、0.85Wであるとする。第1の温度、第2の温度、第1の損失量、第2の損失量は、これらに限定されず、ジャンクション温度が100℃を超えないように、照明素子の熱容量などに応じて適宜、シミュレーション、実測などにより設定すればよい。
第1、第2および第3の対応関係の決定方法についても、照明素子の熱容量などに応じて適宜、シミュレーション、実測などにより設定すればよいが、例えば、第3の対応関係としては、図5に示した第2の比較例の損失量303と同様の対応関係を用いることができる。そして、第2の対応関係としては、第2の比較例の損失量303に対して、各温度領域に対応する損失量を0.1Wずつ増加させたものとする。また、第3の対応関係としては、第2の比較例の損失量303に対して、各温度領域に対応する損失量を0.2Wずつ増加させたものとする。
以上の設定で、ジャンクション温度に応じた電流制御を行うことにより、すなわち、ジャンクション温度が第2の温度未満の場合には、照度を高くできるように電流制御を行い、ジャンクション温度が第2の温度以上の場合には、ジャンクション温度が第2の温度の場合より、損失量を少なくするように電流を流す。図7の破線501に示すように、本実施の形態では、ジャンクション温度が100℃に到達する前に損失を落とす、すなわち照度を落とすことで、ジャンクション温度が100℃を超えることなく、ジャンクション温度が第2の温度未満の間第2の比較例に比べて高い照度を実現することができる。冷蔵庫1の庫内灯7のように、1回の点灯時間が短い場合には、上述したジャンクション温度が第2の温度未満のうちに消灯となる可能性も高い。したがって、冷蔵庫1の庫内灯7の照明素子では、1回のドア15の開状態の間高い照度を保ったままとなることも多いと予想される。
なお以上の例では、図8に示した等価回路を用いて飽和ジャンクション温度に対応する損失などを計算したが、厳密に計算したい場合は熱解析等を行い、放熱経路の熱等価回路を組み立てて計算すればよい。
次に、本実施の形態のジャンクション温度の推定値の算出方法を、図8に示した照明素子の熱流の等価回路(以下、熱等価回路ともいう)を例に挙げて説明する。なお、熱等価回路は、図8の例に限定されずどのような熱等価回路であってもよい。照明素子の熱流が、図8に示した熱等価回路以外の熱等価回路で表される場合には、その回路に応じた過渡解析を行うことで、同様に、ジャンクション温度の推定値を算出することができる。ここで、まず、照明素子の損失量P、照明素子周囲温度Ta0が一切変化しないと仮定する。また、経過時間tは、点灯開始からの経過時間すなわち照明素子の損失が発生してからの経過時間である。マイコン11は、経過時間tにおける、ケース温度T(t)、ジャンクション温度の推定値T(t)を、以下の式(1)〜(2)により算出することができる。なお、ジャンクション−ケース間熱抵抗θjc、ケース−雰囲気間熱抵抗θca、照明素子のケースの熱容量Cの各値はあらかじめマイコン11のROM112に記憶させておく。照明素子周囲温度Tは、冷蔵庫サーミスタ5により検出された温度を用いる。なお、照明素子の周囲温度を検出する専用のサーミスタを用いる場合には、照明素子周囲温度Tとして、専用のサーミスタの温度を用いる。
Figure 2020217363
ここで、照明素子の損失量、照明素子周囲温度が途中で変化した場合について説明する。上述した例と同様に、経過時間tは、点灯開始からの経過時間すなわち照明素子の損失が発生してからの経過時間である。経過時間tより前の経過時間tP0→P1で、損失量がPからPに変化し、照明素子周囲温度がTa0からTa1に変化したとする。例えば、図7に示して例で、損失発生時の損失量をPとし、損失量がPからPに変化したときの、損失発生からの経過時間を経過時間tP0→P1とし、経過時間tが経過時間tP0→P1より後であるとする。このとき、マイコン11は、経過時間tにおけるケース温度の推定値(推定ケース温度ともいう)T(t)、ジャンクション温度の推定値T(t)を、以下の式(3)〜(6)により算出することができる。式(3)〜(6)では、ケース温度Tc1は、経過時間tP0→P1における推定ケース温度である。ジャンクション推定温度Tj1は、経過時間tP0→P1におけるジャンクション温度の推定値である。なお、上述した例と同様に、ジャンクション−ケース間熱抵抗θjc、ケース−雰囲気間熱抵抗θca、照明素子のケースの熱容量Cの各値はあらかじめマイコン11のROM112に記憶させておく。照明素子周囲温度Tは、冷蔵庫サーミスタ5により検出された温度を用いる。なお、照明素子の照明素子周囲温度を検出する専用のサーミスタを用いる場合には、照明素子周囲温度Tとして、専用のサーミスタの温度を用いる。
Figure 2020217363
同様の考えで、周期tごとに、ケース温度およびジャンクション温度の推定値の算出を行う例を考える。マイコン11は、初回に、ケース温度の推定値および照明素子周囲温度と、損失量とを記憶装置に記憶し、周期tごとに、ケース温度およびジャンクション温度の推定値とを算出し、記憶装置のケース温度の推定値および照明素子周囲温度と、損失量とを更新する。このとき、マイコン11は、n−1番目の周期では、損失Pn−1、ケース温度の推定値Tcn−1、照明素子周囲温度Tan−1を記憶装置に記憶する。なお、ジャンクション−ケース間熱抵抗θjc、ケース−雰囲気間熱抵抗θca、照明素子のケースの熱容量Cの各値はあらかじめマイコン11のROM112に記憶させておく。そして、n番目の周期では、マイコン11は、損失量Pn−1、ケース温度の推定値Tcn−1、照明素子周囲温度Tan−1を用いて、式(7)〜(8)により、ケース温度の推定値Tcn、ジャンクション温度の推定値Tjnを算出する。そして、ケース温度の推定値Tcn、照明素子周囲温度Tanおよび損失量Pを記憶装置に記憶する。これにより、n+1番目の周期では、同様に、マイコン11は、損失量P、ケース温度の推定値Tcn、照明素子周囲温度Tanを用いて、式(7)〜(8)により、ケース温度の推定値Tcn+1、ジャンクション温度の推定値Tjn+1を算出する。これを繰り返すことで、ジャンクション損失、照明素子周囲温度が変化した場合でも、マイコン11は、ジャンクション温度の推定値を求めることができる。なお、詳細は後述するが、損失量すなわちジャンクション損失は、ケース温度の推定値およびジャンクション温度の推定値に基づいて決定される。
Figure 2020217363
図9は、本実施の形態の記憶装置のデータ更新の一例を示す図である。図9に示すように、マイコン11は、周期tごとに、ケース温度の推定値(図ではケース温度と略す)、照明素子周囲温度、および損失量を更新する。すなわち、マイコン11は、一定周期ごとに、記憶装置に記憶されている前回のケース温度の推定値、前回の素子周囲温度、および前回の損失量を用いて、その時点でのケース温度の推定値およびジャンクション温度の推定値を算出する。そして、算出したケース温度の推定値およびジャンクション温度の推定値と、冷蔵庫サーミスタ5または専用のサーミスタにより検出された照明素子周囲温度と、適用した損失量を記憶装置に上書きすることにより記憶することを繰り返す。これにより、ジャンクション温度が変化する場合であっても、ジャンクション温度を監視することができる。
なお、上述した例では、一定時間ごとに、各データを更新することとしたが、これに限らず、損失量または照明素子周囲温度が変化したときに、上述したデータの更新を行うようにしてもよい。
なお、照明素子の熱容量およびケース−雰囲気間熱抵抗は実装される基板の面積、素材などで変化する。これらの計算には、照明素子メーカーから提供されるデータを使用してもよいが、下記の手順で簡易的に熱容量を確認できる。
下記式(9)、(10)のように、初期条件として照明素子周囲温度とケース温度が同じ状態で損失量Pの損失が発生したときの飽和温度から、ケース−雰囲気間熱抵抗θcaが算出でき、ケース温度と照明素子周囲温度との差がケース飽和温度と照明素子周囲温度との差の(1−e−1)倍となったときの経過時間から熱容量を計算できる。
Figure 2020217363
次に、本実施の形態の庫内灯7の通電制御について説明する。本実施の形態では、マイコン11は、上述したとおり、ジャンクション温度に基づいて、照明素子周囲温度と損失量の関係として、第1、第2および第3の対応関係の3つの対応関係を切替えて使用する。そして、マイコン11は、第1、第2および第3の対応関係のいずれかと照明素子周囲温度の検出結果とに基づいて損失量を決定する。照明素子周囲温度の検出結果としては、冷蔵室サーミスタ5の温度を代用することができる。
本実施の形態では、このように決定した損失量を、通電率を制御することにより、実現する。例えば、マイコン11は、ドアスイッチ8から出力されるドア開閉状態信号に基づいて、ドア15が開状態であると判断した場合、庫内灯駆動回路13に対し方形波の指示信号を出力する。指示信号は、上述したHighまたはLowの2値により、点灯または消灯を示す信号である。マイコン11は、方形波の1周期中の点灯時間を、方形波1周期で割ることにより得られる点灯時間の割合すなわちオンデューティ率を調整することにより、損失量を調整することができる。このオンデューティ率を通電率と呼ぶ。なお、1周期の長さは、庫内灯7がちらついて見えないよう、例えば10msとするが、1周期の長さはこれに限定されない。
図10は、本実施の形態のマイコン11が庫内灯駆動回路13へ出力する指示信号の一例を示す図である。図10の上段には、ドア15の開閉状態を示し、図10の下段には、マイコン11が庫内灯駆動回路13へ出力する出力信号である指示信号を示す。図10に示すように、例えば、通電率が60%になるように制御する場合は、1周期を10msとすると、1周期内で指示信号が点灯を示す値である時間が6msとなるように、マイコン11から庫内灯駆動回路13へ方形波の指示信号を出力すればよい。
すなわち、本実施の形態では、マイコン11および庫内灯駆動回路13が、照明素子に流れる電流を制御する駆動回路である。
次に、本実施の形態の庫内灯7の通電制御に用いるテーブルの例について説明する。図11は、本実施の形態の通電制御に用いるテーブルの一例を示す図である。図11に示したテーブルは、マイコン11のROM112に記憶される。なお、図11に示したテーブルは、ROM112ではなく、マイコン11に接続される図示しないフラッシュメモリ等外部の記憶装置などに記憶されていてもよい。以下、マイコン11のROM112、外部の記憶装置を、単に記憶装置とも呼ぶ。図11に示すように、庫内灯7の通電制御に用いるテーブルは、温度段階ごとに、前回の照明素子の周囲温度の範囲と通電率とを含む。前回の照明素子の周囲温度の範囲は、図11では、前回の照明素子周囲温度Tの範囲として示されている。例えば、温度段階が1の場合には、照明素子周囲温度Tは25℃以下であり、温度段階が2の場合は、照明素子周囲温度Tは25℃を超え27.5℃以下である。照明素子周囲温度は、少なくとも冷蔵室4内の温度であればよく、冷蔵室サーミスタ5の検出結果であってもよいし、照明素子の温度を検出する専用のサーミスタにより検出された温度であってもよい。照明素子の温度を検出する専用のサーミスタも庫内灯7を有する冷蔵室4内に設けられるため、照明素子の温度を検出する専用のサーミスタも、冷蔵室4内の温度を検出する温度検出部の一例である。すなわち、テーブルは冷蔵室4内の温度および照明素子のジャンクション温度と、照明素子の通電率との対応を示す対応情報を含むものである。
各温度段階に対応する通電率は、図11に示すように、推定Tj区分A、推定Tj区分B、推定Tj区分Cの3つに区分されている。この各区分が上述した第1、第2および第3の対応関係に対応する。したがって、3つの区分は、ジャンクション温度によって区分されており、区分ごとに通電率が決定されている。推定Tj区分Aは、ジャンクション温度90℃未満に対応し、推定Tj区分Bは、ジャンクション温度90℃以上95℃未満に対応し、推定Tj区分Cは、ジャンクション温度95℃以上に対応する。各区分の通電率は、上述した第1、第2および第3の対応関係に対応する損失に基づいて決定されるものである。損失と通電率との間の変換は、印加する電流量、照明素子の抵抗値などに応じて決定することができる。
なお、温度段階の列は便宜上設けられたものであるため、実際のテーブルでは省略されていてもよい。例えば、ジャンクション温度が90℃未満であり、照明素子周囲温度Tが25℃以下の場合には、通電率は95%が適用され、ジャンクション温度が90℃以上95未満であり、照明素子周囲温度Tが25℃以下の場合には、通電率は85%が適用される。また、ジャンクション温度が95℃以上であり、照明素子周囲温度Tが25℃以下の場合には、通電率は75%が適用される。
マイコン11は、温度検出部により検出された温度と、対応情報である上述したテーブルとに基づいて、照明素子の通電率を決定する。マイコン11および庫内灯駆動回路13は、決定した通電率に基づいて、照明素子に流れる電流を制御する。
なお、図11では説明の簡易の観点からテーブル形式を例に説明したが、データ形式はテーブル形式に限られるものではなく、任意のものでよい。
図11のテーブル例では、冷蔵室サーミスタ5の温度検出結果の温度帯に応じて照明素子周囲温度を12の段階に分け、ジャンクション温度の段階を3段階に分けているが、それぞれの温度の段階の数は、図11の例に限定されない。
なお、図11に示した例では、実際に庫内灯7に通電する損失量の最大値は、最大定格に対して5%の余裕を設けて照明素子周囲温度Tが25℃における許容損失の最大定格の95%である0.95Wとしている。図11に示した例では、この95%を推定Tj区分(推定ジャンクション温度区分ともいう)Aに対応させている。推定Tj区分Bでは、推定Tj区分Aから10%低下させて、照明素子周囲温度Tが25℃の場合の通電率を85%とし、推定Tj区分Cでは、推定Tj区分Aから20%低下させて、照明素子周囲温度Tが25℃の場合の通電率を75%としている。
一方、冷蔵室サーミスタ5が検出する最大温度は、夏場の最も暑い時期における50℃程度と想定できるため、照明素子周囲温度Tが50℃を超える温度帯については、50℃の場合の通電率をそのまま適用する。例えば、図5に示した第2の比較例のように、最大定格の75%を超えないように階段状に設定した損失量に基づいた通電率を推定Tj区分Cの通電率として設定し、推定Tj区分Bでは、各温度段階で、推定Tj区分Cより10%増加させた通電率とし、推定Tj区分Aでは、各温度段階で、推定Tj区分Cより20%増加させた通電率とする。これにより、照明素子の熱による破損を防止しつつ、第2の比較例より高い照度を実現することができる。
次に、本実施の形態の冷蔵庫1の庫内灯7の駆動制御の手順について説明する。図12は、本実施の形態の冷蔵庫1の庫内灯7の駆動制御手順の一例を示すフローチャートである。図12に示すように、まず、マイコン11は冷蔵室4の温度を検出する(ステップS1)。具体的には、冷蔵室サーミスタ5が冷蔵室4内の温度を検出し、マイコン11は、冷蔵室サーミスタ5からこの温度の検出結果を受け取る。
次に、マイコン11は、冷蔵室4の温度段階を決定する(ステップS2)。具体的には、マイコン11は、冷蔵室サーミスタ5の検出結果を照明素子周囲温度Tとみなして、照明素子周囲温度Tと上述したテーブルとに基づいて、温度段階を決定する。上述した図11に示したテーブルを用いる場合には、マイコン11は、温度段階1から12のいずれであるかを決定する。
マイコン11は、前回推定ケース温度Tc0、前回照明素子周囲温度Ta0を記憶装置から読み込む(ステップS3)。前回推定ケース温度Tc0および前回照明素子周囲温度Ta0は、前回の後述するステップS15で記憶装置に記憶された推定ケース温度Tおよび照明素子周囲温度Tである。
マイコン11は、ドアスイッチ8から出力されたドア開閉状態信号に基づいて、ドア15が開であるか否かを判断する(ステップS4)。ドア15が開である場合(ステップS4 Yes)、マイコン11は、推定ジャンクション温度区分Aの通電率を適用したときの、ジャンクション温度の推定値T、ケース温度Tを計算する(ステップS5)。
推定ジャンクション温度区分Aの通電率を適用したとき(図では「通電率がAのとき」と略す)、マイコン11は、ジャンクション温度の推定値Tが90℃未満であるか否かを判断する(ステップS6)。ジャンクション温度の推定値Tが90℃未満である場合(ステップS6 Yes)、マイコン11は、推定ジャンクション温度区分A(図では区分Aと略す)の通電率を適用し(ステップS7)、記憶装置のケース温度Tおよび取得した照明素子周囲温度Tを、今回計算したケース温度Tおよび今回取得した照明素子周囲温度Tで更新することにより記憶装置へ格納する(ステップS15)。マイコン11は、終了条件を満たすか否かを判断し(ステップS16)、終了条件を満たす場合(ステップS16 Yes)、処理を終了する。終了条件は、例えば、冷蔵庫1の電源が遮断されるである。
終了条件を満たさない場合(ステップS16 No)、マイコン11はステップS1からの処理を繰り返す。ステップS6で、ジャンクション温度の推定値Tが90℃以上であると判断した場合(ステップS6 No)、マイコン11は、推定ジャンクション温度区分Bの通電率を適用したときの、ジャンクション温度の推定値T、ケース温度Tを計算する(ステップS8)。
推定ジャンクション温度区分Bの通電率を適用したとき(図では「通電率がBのとき」と略す)、マイコン11は、ジャンクション温度の推定値Tが95℃未満であるか否かを判断する(ステップS9)。ジャンクション温度の推定値Tが95℃未満である場合(ステップS9 Yes)、マイコン11は、推定ジャンクション温度区分B(図では区分Bと略す)の通電率を適用し(ステップS10)、ステップS15の処理へ進む。
ステップS9で、ジャンクション温度の推定値Tが95℃以上であると判断した場合(ステップS9 No)、マイコン11は、推定ジャンクション温度区分Cの通電率を適用したときの、ジャンクション温度の推定値T、ケース温度Tを計算する(ステップS11)。その後、マイコン11は、推定ジャンクション温度区分C(図では区分Cと略す)の通電率を適用し(ステップS12)、ステップS15の処理へ進む。
ステップS4で、ドア15が開でないと判断された場合(ステップS4 No)、マイコン11は、消灯のときのジャンクション温度の推定値T、ケース温度Tを計算し(ステップS13)、庫内灯7を消灯させ(ステップS14)、ステップS15の処理へ進む。
データ更新周期を0.1秒以上とし、冷蔵室4の温度が25℃で変動しなかったとし、前回の点灯から十分時間が経過し、ケース温度と冷蔵室4の温度が同じとなった状態で、ドア15が開けられて点灯が開始された状況を例として考える。この場合に、図12に示した動作を行うと、図7に示した破線505に示すように、本実施の形態の損失量は、図7に実線506で示した第2の比較例の損失量より、点灯から7.4秒後では0.2W、それ以降から、点灯から10.5秒までは0.1W、それぞれ損失量を増やすことができる。これにより、点灯から10.5秒までの間、第2の比較例に比べて庫内灯7の照度を高めることができる。
以上のように、本実施の形態では、冷蔵室4の温度制御を行うための冷蔵室サーミスタ5による温度検出結果およびジャンクション温度の推定値を用いて、庫内灯7の通電率を調整するようにした。このため、照明素子周囲温度を検出するための専用サーミスタを設けない場合には低コストで、庫内灯7として用いられる照明素子の性能を引き出すことができる。一方、照明素子周囲温度を検出するための専用のサーミスタを設ける場合は、追加コストがかかるものの、照明素子周囲温度の検出精度を上げることができるため、より確保すべきマージンを小さくすることができすなわち通電率をより高めることができ、より高い照度を実現することができる。
また、本実施の形態1では、照明素子周囲温度の温度段階とジャンクション温度の推定値に基づいて、庫内灯7の通電率を複数の通電率から選択可能である。これにより、照明素子の熱による破損を防止しつつ、照明素子周囲温度だけで通電率を決定する第2の比較例に比べて照度を高くすることができる。
なお、本実施の形態1では、冷蔵室4に取り付けた庫内灯7の通電率決定に、冷蔵室サーミスタ5の温度検出結果を使用する例を示したが、庫内灯7の取り付け位置は冷蔵室4に限らず、貯蔵室14であってもよい。その場合は、冷蔵室4の例と同様に、庫内灯を取り付けた貯蔵室14の温度制御を行うために使用しているサーミスタ温度とジャンクション推定温度と庫内灯通電率のテーブルを作成し、庫内灯を取り付けた貯蔵室14の温度制御を行うためのサーミスタによる温度検出結果および推定ジャンクション温度により、庫内灯の通電率を決定すればよい。
また、図11に示したテーブルは、温度段階ごとの通電率の値を全て格納しているが、例えば「温度段階=1」と「温度段階=12」の通電率の値のみテーブルに格納しておき、その間の温度段階の通電率は、マイコン11が比例演算で求める、などとしてもよい。また、周囲温度段階と同様に図11に示したテーブルは、ジャンクション温度の推定値の区分ごとの通電率の値を全て格納しているが、例えば推定ジャンクション温度区分Aと推定ジャンクション温度区分Cの通電率の値をテーブルに格納しておき、推定ジャンクション温度区分Bの通電率は、マイコン11が比例演算で求める、などとしてもよい。
また、本実施の形態1では、庫内温度を検出する手段としてサーミスタを用いた例を説明したが、これに限られるものではなく、その他の温度検出手段を用いてもよい。
実施の形態2.
次に、本発明にかかる実施の形態2の庫内灯7の通電率の制御方法について説明する。本実施の形態の冷蔵庫1の構成は、実施の形態1と同様である。実施の形態1と重複する部分は説明を省略し、以下、実施の形態1と異なる部分を説明する。
実施の形態1では、冷蔵室サーミスタ5の検出温度により、庫内灯7の通電率を決定していたが、仮に冷蔵室サーミスタ5が故障したとすると、冷蔵室サーミスタ5の検出値を取得できず、庫内灯7の通電率を決定することができない。そこで、実施の形態2では、冷蔵室サーミスタ5が故障している場合でも、庫内灯7の通電率を決定できるようにする。
本実施の形態2においては、冷蔵室サーミスタ5が正常に動作していない際には、冷蔵室4内が高い温度状態にあるものと仮定し、温度段階を高めに設定して照明素子を駆動制御する。具体的には、本実施の形態では、例えば、図11に示したテーブルの温度段階の10であると想定してマイコン11が動作する。すなわち、マイコン11は、温度検出部が故障していると判断した場合、冷蔵室4内の温度としてあらかじめ定めた仮の値を設定し、仮の値と照明素子の現在の損失量が発生してからの経過時間とに基づいて、ジャンクション温度の推定値を計算する。そして、マイコン11は、仮の値と、ジャンクション温度の推定値と、対応情報であるテーブルとに基づいて、照明素子の通電率を決定する。
図11に示したテーブルの温度段階の10は、冷蔵室サーミスタ5の検出温度が45℃を超え47.5℃未満であることに対応している。以下、このように高めの温度状態を想定して照明素子の駆動制御を行う理由を説明する。
冷蔵室サーミスタ5が故障している場合、冷蔵室4の温度を検出することができないため、実施の形態1で説明したような通電率の決定を行うことができない。このため、冷蔵室サーミスタ5の検出温度として仮の設定値を決める必要がある。冷蔵室サーミスタ5の検出温度が十分に低い、例えば0℃など、と仮定した場合、庫内灯7の通電率として95%などといった高い値を適用することになる。この場合、実際の冷蔵室4の温度が、仮の設定値より高いと照明素子が熱により破損する可能性がある。
このため、冷蔵室サーミスタ故障時に設定する仮の設定値は、十分に高いものを適用する。ただし、冷蔵室サーミスタ5の検出温度を、例えば75℃以上といった極端に高い値と想定すると、通電率が0%となってしまう。本実施の形態では、低い通電率でありながらも庫内灯7を通電することにより庫内灯7としての役割を果たすことができる最低限の通電率を維持できるように仮の設定値を決定する。本実施の形態では、仮の設定値として温度段階を10とし、冷蔵室サーミスタ5の検出温度の仮の値として温度段階を10の最高温度である47.5℃を設定することにより、最低限の通電率を維持しつつ照明素子が熱により破損することを防止する。
冷蔵庫1は、一般に、冷蔵室サーミスタ5が故障した場合であっても、例えば、冷蔵室4外の貯蔵室14に取り付けたサーミスタによる温度検出結果を用いて冷蔵室ダンパー6を開閉するなどして、冷蔵室4をある程度冷却することができるような応急運転モードを備えている。このため、冷蔵室サーミスタ5が故障した場合であっても、冷蔵室4の温度制御は維持され、冷蔵室4の温度が異常に高くなるようなことは、非常に稀な状態であると考えられる。このため、本実施の形態では、冷蔵室サーミスタ5故障時の仮の温度段階を最高段階の12ではなく10に設定している。なお、仮の温度段階をどの段階に設定するかは、冷蔵庫1の応急運転の精度、冷蔵庫1の構造、照明素子が最低限の明るさを保てる通電率などに応じて適宜設定すればよく、温度段階10に限定されない。
図12は、本実施の形態の冷蔵庫1の庫内灯7の駆動制御手順の一例を示すフローチャートである。図12に示すように、マイコン11は、冷蔵室サーミスタ5が正常か否かを判断する(ステップS20)。例えば、マイコン11は、マイコン11に入力される冷蔵室サーミスタ5からの検出信号が極めて小さいすなわち冷蔵室サーミスタ5からの検出信号が第1の閾値以下の場合にオープン状態であるとして異常と判断する。また、マイコン11は、マイコン11に入力される冷蔵室サーミスタ5からの検出信号が極めて大きい場合にすなわち冷蔵室サーミスタ5からの検出信号が第2の閾値以上の場合にショート状態として異常と判断する。第1の閾値、第2の閾値は、それぞれオープン状態、ショート状態を判断するための閾値であり、冷蔵室サーミスタ5の仕様、回路設計などに応じて定めておく。
マイコン11は、冷蔵室サーミスタ5が正常であると判断した場合(ステップS20 Yes)、ステップS1の処理へ進む。マイコン11は、冷蔵室サーミスタ5が正常でないと、判断した場合(ステップS20 No)、冷蔵室4の温度段階を設定する(ステップS21)。具体的には、冷蔵室4の温度段階を、あらかじめ定めた仮の温度段階である10に設定する。ステップS21の後、マイコン11はステップS3の処理へ進む。ステップS1からステップS16の処理は実施の形態1と同様であるため、説明を省略する。
以上のように、実施の形態2では、冷蔵室サーミスタ5が故障している場合でも、庫内温度が高いものと仮定して庫内灯7の通電率を調整することができる。このため、仮に冷蔵室4の温度がある程度上昇していても、照明素子の熱による破損を防止しつつ庫内灯7を点灯させることができる。
実施の形態3.
次に、本発明にかかる実施の形態3の庫内灯7の通電率の制御方法について説明する。本実施の形態の冷蔵庫1の構成は、実施の形態1と同様である。実施の形態1と重複する部分は説明を省略し、以下、実施の形態1と異なる部分を説明する。
冷蔵庫1は、継続して運転されている場合には、冷蔵室4は冷却されているが、初回の電源投入時、運転停止した後に電源投入された場合などには、冷蔵室4内が冷却されるまでには時間がかかる。実施の形態3では、電源投入時の冷蔵庫1の冷却状態を確認し、冷蔵庫1内の温度が高く、十分な冷却状態にない場合には、庫内灯7の通電率を抑える。冷蔵庫1内の温度が高い場合は、庫内灯7の周囲温度も高いものと考えられる。この場合、照明素子の許容電流は小さくなるので、大きな電流で庫内灯7を通電することができないことは明らかである。したがって、本実施の形態では、このような場合には、庫内灯7の通電率を抑える。具体的には、マイコン11は、冷却器サーミスタ3により検出された温度が閾値以上である場合に、冷蔵室4内の温度としてあらかじめ定めた仮の値を設定し、仮の値と前記照明素子の現在の損失量が発生してからの経過時間とに基づいて、ジャンクション温度の推定値を計算する。そして、マイコン11は、仮の値と、ジャンクション温度の推定値と、対応情報であるテーブルとに基づいて、照明素子の通電率を決定する。
図14は、本実施の形態の冷蔵庫1の庫内灯7の駆動制御手順の一例を示すフローチャートである。図14に示すように、マイコン11は、冷却器サーミスタ3により検出された温度が閾値未満であるか否かを判断する(ステップS30)。この閾値は、例えば5℃を設定する。この閾値は、冷却器2が正常に動作しているときの温度に基づいて設定すればよく、5℃に限定されない。
冷却器サーミスタ3により検出された温度が閾値未満である場合(ステップS30 Yes)、マイコン11は、ステップS1の処理へ進む。冷却器サーミスタ3により検出された温度が閾値以上である場合(ステップS30 No)、マイコン11は、冷蔵室4の温度段階を設定する(ステップS21)。マイコン11は、このときに温度段階として、実施の形態2と同様に、例えば温度段階10を設定する。ステップS21の後、マイコン11は、ステップS3の処理へ進む。ステップS1からステップS16の処理は実施の形態1と同様であるため、説明を省略する。
本実施の形態では、冷却器サーミスタ3の検出温度が閾値以上である間は、温度段階として高めの段階が設定されて、低い通電率が適用される。このため、庫内が十分冷却されるまでは、低い通電率が適用されるため、照明素子の熱による破損を抑制しつつ庫内灯7を点灯させることができる。
なお、本実施の形態では、冷却器サーミスタ3の検出温度が閾値未満になったタイミングで、通常の通電率が適用される例を示したが、電源投入時に冷却器サーミスタ3の温度が閾値より高かった場合に、以降一定時間、例えば4時間経過するまでの間は、ステップS21で決定した高い周囲温度段階の適用を継続してもよい。これにより、冷蔵庫1内が十分に冷却されるまで、余裕をもって低い通電率を選択することで、確実に照明素子の熱による破損を抑制しつつ庫内灯7を点灯させることができる。
なお、本実施の形態3では、マイコン11は、冷却器サーミスタ3の検出温度に基づいてステップS30の判定を行ったが、冷蔵室サーミスタ5の検出温度を併用してもよい。この場合は、マイコン11は、例えば冷蔵庫1の電源投入時は冷却器サーミスタ3の検出温度に基づきステップS30の判定を行い、一定時間経過した後は冷蔵室サーミスタ5の検出温度が定められた閾値以上であるか否かに基づいて、ステップS1へ進むかステップS21へ進むかを判断する。また、実施の形態2と実施の形態3を組み合わせて、例えば、マイコン11は、図13のステップS20の前にステップS30を設けて、ステップS30でYesの場合にステップS20を実施してもよい。
実施の形態4.
図15は、本発明の実施の形態4にかかる冷蔵庫1の操作パネル9の表示画面の一例を示す図である。本実施の形態の冷蔵庫1の構成は、実施の形態1と同様である。実施の形態1と重複する部分は説明を省略し、以下、実施の形態1と異なる部分を説明する。
本実施の形態4では、図15に示すように、操作パネル9上の液晶画面12に、一般的な冷蔵庫で表示される庫内温度表示、製氷モードの設定状態のほかに、庫内灯7の通電率の設定状態を表示する。図15では、液晶画面12に、現在、冷蔵庫1に設定されている通電率が示されている。すなわち、液晶画面12は、照明素子の通電率を表示可能な表示部である。
図16は、本実施の形態の冷蔵庫1の庫内灯7の駆動制御手順の一例を示すフローチャートである。ステップS1からステップS15までは、実施の形態1と同一であるため、説明を省略する。ステップS15の後、マイコン11は、現時点で適用している通電率を操作パネル9に表示し(ステップS40)、ステップS16の処理へ進む。ステップS16は実施の形態1と同様である。ステップS40では、具体的には、マイコン11は、操作パネル9に通電率を表示するよう指示し、操作パネル9が通電率を液晶画面12に表示する。
以上のように、本実施の形態では、現在選択している庫内灯7の通電率を操作パネル9の液晶画面12で表示するようにしたので、現在どの通電率で庫内灯7を通電しているのかをユーザが確認することができる。
もし、庫内温度が高い状態で、操作パネル9に表示されている通電率が異常に高くなっているときには、操作パネル9に設けたOFFスイッチ等により庫内灯7を消灯できるようにしておけば、照明素子の熱による破損を防止できる。
なお、本実施の形態4では、実施の形態1で説明したフローチャートにステップS40を追加したが、同様に、実施の形態2および実施の形態3においても、ステップS40を追加して、通電率を表示するようにしてもよい。
実施の形態5.
図17は、本発明の実施の形態5にかかる冷蔵庫1の操作パネル9の表示画面の一例を示す図である。本実施の形態の冷蔵庫1の構成は、実施の形態1と同様である。実施の形態1と重複する部分は説明を省略し、以下、実施の形態1と異なる部分を説明する。
本実施の形態では、図17に示すように、操作パネル9上の液晶画面12と、スイッチなどの入力手段を用いて、実施の形態1で述べた庫内灯7の通電率のジャンクション温度に応じた制御を行うか否かの設定をユーザから受け付ける。すなわち、本実施の形態では、温度検出部により検出された温度とジャンクション推定値と対応情報とに基づいて照明素子の通電率を決定する通電率制御、を行うか否かを設定可能である。例えば、図17に示すように、実施の形態1で述べた庫内灯7の通電率のジャンクション温度に応じた制御を「明るさUP」などという名称で表示し、ユーザからの設定により、「明るさUP」のONとOFFを選択できるようにしておく。「明るさUP」がONと設定された場合には、通電率のジャンクション温度に応じた制御を行い、「明るさUP」がOFFと設定された場合には、ジャンクション温度は用いずに冷蔵室サーミスタ5に応じた通電率の制御を行う。なお、この制御の名称は、「明るさUP」に限定されず、ユーザにわかりやすい名称が適宜用いられればよい。
図18は、本実施の形態の冷蔵庫1の庫内灯7の駆動制御手順の一例を示すフローチャートである。ステップS1からステップS4までは、実施の形態1と同一であるため、説明を省略する。ステップS4の後、マイコン11は、本制御すなわち実施の形態1で述べた庫内灯7の通電率のジャンクション温度に応じた制御を適用するか否かを判断する(ステップS50)。具体的には、マイコン11は、ユーザから受け付けた「明るさUP」に関する設定情報を記憶しておき、この設定情報がONの場合には、本制御を適用すると判断し、この設定情報がOFFの場合には、本制御を適用しないと判断する。本制御を適用すると判断した場合(ステップS50 Yes)、マイコン11は、ステップS5の処理へ進む。本制御を適用しないと判断した場合(ステップS50 No)、マイコン11は、ステップS11の処理へ進む。すなわち、マイコン11は、本制御を適用しないと判断した場合(ステップS50 No)、推定ジャンクション温度区分Cの通電率が適用される。ステップS5からステップS16の処理は実施の形態1と同様であるため、説明を省略する。
本実施の形態では、本制御を適用しない場合でもジャンクション温度およびケース温度を計算し、記憶装置に格納している。この理由は、ユーザが本制御の非適用から適用へ切替えても、正しいジャンクション温度を計算できるようにするためである。すなわち、ジャンクション温度の推定値を計算するにはデータ更新前の前回推定ケース温度、前回照明素子周囲温度が必要となるためである。
以上のように、本実施の形態では、ジャンクション温度の推定値を用いた通電率を適用するか否かをユーザが設定できるため、庫内灯7の照度を高めるかどうかをユーザが選択することができる。
なお、本実施の形態では、実施の形態1のフローチャートに、ステップS50を追加しているが、同様に実施の形態2から実施の形態4のフローチャートにステップS50を追加して、ジャンクション温度の推定値を用いた通電率を適用するか否かをユーザが設定できるようにしてもよい。
以上の実施の形態に示した構成は、本発明の内容の一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。
1 冷蔵庫、2 冷却器、3 冷却器サーミスタ、4 冷蔵室、5 冷蔵室サーミスタ、6 冷蔵室ダンパー、7 庫内灯、8 ドアスイッチ、9 操作パネル、10 制御基板、11 マイコン、12 液晶画面、13 庫内灯駆動回路、14 貯蔵室、15 ドア、111 CPU、112 ROM、113 RAM。

Claims (6)

  1. 温度に応じて許容電流が変化する照明素子を用いる庫内灯を備える貯蔵室と、
    前記貯蔵室内の温度を検出する温度検出部と、
    前記貯蔵室内の温度および前記照明素子のジャンクション温度と、前記照明素子の通電率との対応を示す対応情報を記憶する記憶装置と、
    前記温度検出部により検出された温度と前記照明素子の現在の損失量が発生してからの経過時間とに基づいて、前記ジャンクション温度の推定値を計算し、前記温度検出部により検出された温度と、前記推定値と、前記対応情報とに基づいて、前記照明素子の通電率を決定し、決定した通電率に基づいて、前記照明素子に流れる電流を制御する駆動回路と、
    を備える冷蔵庫。
  2. 前記駆動回路は、前記温度検出部が故障していると判断した場合、前記貯蔵室内の温度としてあらかじめ定めた仮の値を設定し、前記仮の値と前記照明素子の現在の損失量が発生してからの経過時間とに基づいて、前記ジャンクション温度の推定値を計算し、前記仮の値と、前記推定値と、前記対応情報とに基づいて、前記照明素子の通電率を決定し、決定した通電率に基づいて、前記照明素子に流れる電流を制御する請求項1に記載の冷蔵庫。
  3. 前記冷蔵庫が備える冷却器の温度を検出する冷却器温度検出部、
    を備え、
    前記冷却器温度検出部により検出された温度が閾値以上である場合に、前記貯蔵室内の温度としてあらかじめ定めた仮の値を設定し、前記仮の値と前記照明素子の現在の損失量が発生してからの経過時間とに基づいて、前記ジャンクション温度の推定値を計算し、前記仮の値と、前記推定値と、前記対応情報とに基づいて、前記照明素子の通電率を決定し、決定した通電率に基づいて、前記照明素子に流れる電流を制御する請求項1または2に記載の冷蔵庫。
  4. 前記貯蔵室は、冷蔵室であり、
    前記温度検出部は、前記冷蔵庫の温度制御に用いられる請求項1から3のいずれか1つに記載の冷蔵庫。
  5. 前記照明素子の通電率を表示可能な表示部、
    を備える請求項1から4のいずれか1つに記載の冷蔵庫。
  6. 前記温度検出部により検出された温度と、前記推定値と、前記対応情報とに基づいて、前記照明素子の通電率を決定する通電率制御を行うか否かを設定可能である請求項1から5のいずれか1つに記載の冷蔵庫。
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