JPWO2020213228A1 - 蒸着源及び蒸着装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】均一な膜厚分布の薄膜の長時間の連続生産が可能な蒸着源及び蒸着装置の提供。【解決手段】蒸着源は、収容箱と第1のノズル群と第2のノズル群とを具備する。収容箱は、蒸着対象物に成膜する蒸着材料を収容する。第1のノズル群は、収容箱の一方向における中央領域に設けられた第1のノズル孔を有する複数の第1のノズルからなる。第2のノズル群は、収容箱の一方向における中央領域よりも外方の各側の側方領域に設けられた、第2のノズル孔を有する複数の第2のノズルからなる。収容箱の一方向両端にそれぞれ位置する第2のノズル間の間隔が、蒸着対象物の上記一方向における長さよりも長く、第2のノズルの蒸着材料の気化物質が出射される開口端において、第2のノズル孔の孔軸に直交する仮想基準面からの高さが、中央領域側に位置する部分よりも一方向における外方側に位置する部分の方が低い。【選択図】図1

Description

本発明は、蒸着対象物に対し蒸着材料を出射するノズルを備えた蒸着源及び蒸着装置に関する。
例えば、特許文献1には、基板に対して蒸着材料を出射する複数のノズルが設けられた長尺状の蒸着源を備える蒸着装置が開示されている。蒸着源は、蒸着材料を収容する収容箱と、複数のノズルを備える。
特許文献1に記載される蒸着装置では、マスクエフェクトを抑制し、均一な膜厚分布の薄膜を得るために、蒸着源の長手方向の両側方領域それぞれの最も外方に位置するノズル間の間隔を基板の幅よりも狭くし、蒸着源の両側方領域それぞれに位置する複数のノズルの孔軸が外方に大きく傾くように配置し、更に、両側方領域それぞれに位置する複数のノズルを高密度に配置している。
国際公開第2018/025637号
このような蒸着装置においては、蒸着対象物に対して均一な膜厚分布を得るとともに、長時間の連続生産ができる蒸着源が望まれている。このような長時間の連続生産のためには、ノズルの詰まりの発生がなく、蒸着材料の劣化がないことが必要となっている。
以上のような事情に鑑み、本発明は、均一な膜厚分布の薄膜の長時間の連続生産が可能な蒸着源及び蒸着装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の一形態に係る蒸着源は、収容箱と、第1のノズル群と、第2のノズル群とを具備する。
上記収容箱は、蒸着対象物に成膜する蒸着材料を収容する。
上記第1のノズル群は、上記収容箱の一方向における中央領域に設けられた、上記蒸着対象物に向かって出射される上記蒸着材料の気化物質が通過する第1のノズル孔を有する複数の第1のノズルからなる。
上記第2のノズル群は、上記収容箱の上記一方向における上記中央領域よりも外方の各側の側方領域に設けられた、上記蒸着対象物に向かって出射される上記蒸着材料の気化物質が通過する第2のノズル孔を有する複数の第2のノズルからなる。
上記収容箱の上記一方向両端にそれぞれ位置する第2のノズル間の間隔が、上記蒸着対象物の上記一方向における長さよりも長い。
上記第2のノズルの上記蒸着材料の気化物質が出射される開口端において、上記第2のノズル孔の孔軸に直交する仮想基準面からの高さが、上記中央領域側に位置する部分よりも上記一方向における外方側に位置する部分の方が低い。
本発明のこのような構成によれば、第2のノズルを用いることにより第2のノズルから出射される蒸着材料の出射角度を制御することができ、膜厚分布の均一な成膜が可能となる。
上記一方向における外方側に位置する部分の端面は、上記第2のノズルの開口端の内縁部における上記中央領域側に位置する部分と上記一方向における外方側に位置する部分とを通り上記仮想基準面に投影した時に上記一方向に沿う仮想線と上記仮想基準面とのなす角度で上記仮想基準面に対して傾斜する、上記仮想線を含む仮想傾斜面より、上記蒸着対象物側に位置してもよい。
上記第2のノズル孔の孔軸を上記収容箱の深さ方向と上記一方向とで規定される平面に投影した線は、上記蒸着対象物の蒸着面又は上記蒸着面の延長面に対して直交する、又は、上記中央領域側に傾いて位置してもよい。
上記第2のノズルの開口端の形状は、上記一方向と直交する方向に長手方向を有してもよい。
上記第2のノズルは、上記一方向と直交する方向に沿って複数配置された副ノズルから構成されてもよい。
上記第1のノズルは、上記気化物質を出射し、上記仮想基準面からの高さが周縁に沿って同じ開口端を有してもよい。
上記目的を達成するため、本発明の一形態に係る蒸着装置は、蒸着源と、マスク材を具備する。
上記蒸着対象物に成膜する蒸着材料を収容する収容箱と、上記収容箱の一方向における中央領域に設けられた、上記蒸着対象物に向かって出射される上記蒸着材料の気化物質が通過する第1のノズル孔を有する複数の第1のノズルからなる第1のノズル群と、上記収容箱の上記一方向における上記中央領域よりも外方の各側の側方領域に設けられた、上記蒸着対象物に向かって出射される上記蒸着材料の気化物質が通過する第2のノズル孔を有する複数の第2のノズルからなる第2のノズル群とを具備する蒸着源であって、上記収容箱の上記一方向両端にそれぞれ位置する第2のノズル間の間隔が、上記蒸着対象物の上記一方向における長さよりも長く、上記第2のノズルの上記蒸着材料の気化物質が出射される開口端において、上記第2のノズル孔の孔軸に直交する仮想基準面からの高さが、上記中央領域側に位置する部分よりも上記一方向における外方側に位置する部分の方が低い。
上記マスク材は、上蒸着対象物と上記蒸着源との間に配置され、上記気化物質の上記蒸着対象物に対する付着範囲を制限する複数の開口を有する。
上記マスク材の開口の内面は、上記蒸着源から厚み方向に先細りするテーパ面を有し、
上記第2のノズルの開口端において、上記第2の開口端と上記仮想基準面とのなす角度である傾斜角をθとし、上記記マスク材の板面に対する上記テーパ面の角度をθmとしたときに、
Figure 2020213228
であってもよい。
上記蒸着対象物の上記一方向における長さをLwとし、上記第1のノズルが上記収容箱に配置され得る上記一方向における長さをL1とし、上記蒸着対象物と上記第2のノズルとの距離をHとしたときに、
上記第1のノズルは、上記収容箱の上記一方向における中心から上記一方向に次式で求められるL1/2の長さの領域内に配置されてもよい。
Figure 2020213228
上記収容箱の上記一方向両端にそれぞれ位置する第2のノズル間の間隔をLとし、上記収容箱の内寸の上記一方向における長さをL2としたときに、
Figure 2020213228
であってもよい。
上記蒸着源に対して上記蒸着対象物を上記一方向に相対移動させる移動手段を更に具備してもよい。
上記一方向に沿って配列された上記蒸着源を3つ具備し、
上記3つの蒸着源のうち中央に位置する蒸着源に設けられる第1のノズルの孔軸は上記蒸着対象物の蒸着面と直交して位置し、第2のノズルの孔軸は上記蒸着面又は上記蒸着面の延長面に対して直交する、又は、上記中央領域側に傾いて位置し、
上記3つの蒸着源のうち上記中央の蒸着源の両側それぞれに位置する蒸着源に設けられる第1のノズルの孔軸は上記中央の蒸着源側に傾いて位置し、第2のノズルの孔軸は、上記中央領域側に傾き、かつ、上記中央の蒸着源側に傾いて位置してもよい。
以上述べたように、本発明によれば、均一な膜厚分布の成膜が可能となる。
本発明の実施形態に係る蒸着装置を説明する部分斜視図である。 上記蒸着装置を正面側からみた蒸着装置の部分断面図である。 上記蒸着装置に設けられる蒸着源の概略上面図である。 上記蒸着源に設けられる第1のノズルの斜視図である。 上記蒸着源に設けられる第2のノズルの斜視図である。 上記第2のノズルの断面図である。 上記蒸着源における第2のノズルの傾斜角とマスクプレートの開口の内面のテーパ角との関係を説明するための模式断面図、マスクエフェクトの発生を説明するためのマスクプレート及び基板の部分拡大断面図である。 上記蒸着源における第1のノズル及び第2のノズルが配置される領域を説明するための蒸着装置を正面側からみた模式図である。 第1のノズル及び第2のノズルそれぞれにより成膜される膜の膜厚分布を説明する図である。 図9に示す各ノズルにより成膜された膜の膜厚分布を説明するための図である。 第2のノズルの形状を説明するための図である。 第2のノズルの配置を説明するための図である。 第2のノズルの傾斜角θと、マスクエフェクト及び材料使用効率との関係を説明するための図である。 変形例の第2のノズルが設けられる蒸着源の概略上面図である。 図14に示す蒸着源に設けられる第2のノズルの斜視図である。 第2のノズルの他の変形例を示す斜視図及び断面図である。 第2のノズルの更に他の変形例を示す斜視図及び断面図である。 第2のノズルの更に他の変形例を示す断面図である。 第2のノズルの更に他の変形例を示す断面図である。 蒸着源の変形例を示す蒸着源の概略上面図及び断面図である。 従来例としての蒸着源の部分断面図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。後述する変形例の説明において、同様の構成については同様の符号を付し、先に既に説明されている構成についてはその説明を省略する場合がある。
図1は、本発明の一実施形態に係る蒸着装置100の模式断面図である。
図2は、蒸着装置100を正面側からみた部分断面図である。
蒸着装置100は、例えば矩形の平面形状の基板Sの一方の面(蒸着面)に薄膜を蒸着して成膜する真空蒸着装置である。
図1及び図2に示すように、蒸着装置100は、真空チャンバ1と、基板搬送装置2と、蒸着源3とを備える。
真空チャンバ1には、図示しない排気管を介して真空ポンプが接続され、真空チャンバ1内を所定圧力(真空度)に真空引きして保持できるようになっている。
基板搬送装置2は、真空チャンバ1内の上部に設けられている。基板搬送装置2は、蒸着面としての下面を解放した状態で基板Sを保持するキャリア21を有し、図示しない駆動装置によってキャリア21、ひいては基板Sを真空チャンバ1内の一方向に所定速度で移動するようになっている。以下、蒸着源3に対する基板Sの相対移動方向をX軸方向、X軸方向に直交する基板Sの幅方向を一方向としてのY軸方向とし、X軸方向及びY軸方向に直交する基板Sの膜厚方向をZ軸方向とする。
蒸着源3は、真空チャンバ1の底面側に、X軸方向に移動される基板Sに対向して設けられている。蒸着源3は一方向(Y軸方向)に延在する長尺状のライン型である。蒸着対象物である基板Sに対して、蒸着源3の長手方向と略直角な方向(X軸方向)に沿って蒸着源3を移動させながら成膜が行われる。尚、本実施形態では、蒸着源3を移動させる例をあげるが、基板Sを移動させてもよく、また双方を移動させてもよい。
また、基板搬送装置2によって搬送される基板Sと蒸着源3との間に介在させて板状のマスクプレート(マスク材)4が設けられている。本実施形態では、マスクプレート4は、基板Sと一体に取り付けられ、基板Sと共に基板搬送装置2によって搬送されるようになっている。尚、マスクプレート4は、真空チャンバ1に予め固定配置しておくこともできる。
マスクプレート4には、板厚方向(Z軸方向)に貫通し、成膜する薄膜パターンに対応する開口41が設けられている。開口41により、蒸着源3からの蒸着材料Vmの基板Sに対する付着範囲が制限され、所定のパターンで基板Sに薄膜を成膜することができる。
図7(A)に示されるマスクプレート4の部分断面図を用いて開口41の形状について説明する。
図7(A)に示すように、マスクプレート4の開口41の内面は、蒸着源3側から板厚方向(Z軸方向)に先細りする第1のテーパ面411と、末広がりの第2のテーパ面412とが連続した形状を有する。開口41におけるマスクプレート4の蒸着源3側の板面413に対する第1のテーパ面411の角度θm(以下、テーパ角θmと称す。)は例えば40°〜50°の範囲にある。本実施形態においては、マスクプレート4のテーパ角θmは50°とする。
マスクプレート4としては、アルミ、アルミナやステンレス、インバー合金等の他、ポリイミド等の樹脂製のものが用いられる。各開口41の形状や個数は基板Sに成膜しようとするパターンに応じて適宜選択される。
図3は、蒸着源3の概略上面図である。
図1〜図3に示すように、蒸着源3は、収容箱31と、複数の第1のノズル7からなる第1のノズル群10と、複数の第2のノズル8からなる第2のノズル群20とを有する。
収容箱31は、基板Sに成膜しようとする薄膜に応じて適宜選択される蒸着材料である蒸着材料Vmを収容する。収容箱31の基板S側に位置する上面31aには、第1のノズル群10と第2のノズル群20とが設けられている。
第1のノズル群10は、収容箱31の上面31aのY軸方向における中央領域61に位置する。第1のノズル群10は、上面31aに、Y軸方向に沿って、例えば等間隔に配置された複数の第1のノズル7から構成される。尚、図2及び図3において、後述の説明で用いるため、一部の第1のノズルに、便宜的に区別して符号7a、7bを付したが、特に区別して説明する必要がない場合は、第1のノズル7と称して説明する。
第2のノズル群20は、収容箱31の上面31aの中央領域61よりY軸方向に沿って外方側に位置する側方領域62に位置する。第2のノズル群20は、Y軸方向に沿って上面31aに配置された複数の第2のノズル8から構成される。尚、図2及び図3において、後述の説明で用いるため、一部の第2のノズルに、便宜的に区別して符号8a〜8gを付したが、特に区別して説明する必要がない場合は、第2のノズル8と称して説明する。
2つの側方領域62は中央領域61を間に介してY軸方向に沿って対向配置され、第2のノズル群20は第1のノズル群10を介して対向配置される。複数の第1のノズル7及び複数の第2のノズル8はY軸方向に沿って一列に配置される。尚、ノズルの数は図示する数に限定されるものではない。
図2に示すように、上面31aのY軸方向に沿った両端それぞれの最も外方に位置する第2のノズル8aと第2のノズル8gとの間隔Lは、基板SのY軸方向における幅Lwよりも長くなっている。
図2に示すように、収容箱31の上面31aと基板Sとは平行に位置しており、基板Sを収容箱31に投影したとき、基板Sの投影領域内に第1のノズル群10と、第2のノズル群20の一部が位置する。各第2のノズル群20のうち、最も外方に位置する2つの第2のノズル8a及び8b、第2のノズル8f及び8gは、基板Sの投影領域外に位置する。
本実施形態において、各第2のノズル群20は、第2のノズル8を5つ有する。
図3に示すように、第2のノズル群20において、5つの第2のノズル8のうち、中央領域61側に位置する4つの第2のノズル8はaの間隔で等間隔に配置される。両側方領域62それぞれのY軸方向における外方側に位置する2つの第2のノズル(8aと8b、8fと8g)は、aの間隔よりも狭いbの間隔で配置される。このように、本実施形態では、第2のノズル群20において、外方側に位置する第2のノズル8は中央領域側に位置する第2のノズル8よりも密に配置される。
収容箱31には、蒸着材料Vmを加熱する図示しない加熱手段が付設されている。加熱手段により加熱された蒸着材料の気化物質は各第1のノズル7及び各第2のノズル8から出射される。
図4は、第1のノズル7の斜視図である。
図5は第2のノズル8の斜視図である。
図6は第2のノズル8の概略断面図である。
図4に示すように、第1のノズル7は、収容箱31内で昇華又は気化した蒸着材料が通過する通過孔である第1のノズル孔72を有する。第1のノズル7は、基板Sに向かって蒸着材料が出射される開口端71を有する。第1のノズル7の開口端71は、上面31aと平行な面となっており、図3に示すように、蒸着源3を上から見たときに矩形状を有する。
第1のノズル7は第1のノズル孔72となる中空部を有する筒状を有し、外形が直方体形状となっている。第1のノズル孔72の第1の孔軸73は上面31aに対し垂直に設けられる。第1のノズル7の開口端71は、上面31aからの高さが、周縁に沿って同じとなっている。
図5及び図6に示すように、第2のノズル8は、収容箱31内で昇華又は気化した蒸着材料が通過する通過孔である第2のノズル孔82を有する。第2のノズル8は、基板Sに向かって蒸着材料が出射される開口端81を有する。
第2のノズル8は第2のノズル孔82となる中空部を有する筒状を有する。
図6に示すように、第2のノズル孔82を形成する第2のノズル8は、内側面821を有する。
内側面821は、収容箱31の高さ方向(Z軸方向)に沿って第2のノズル孔82の開口形状が変化しない形状となっている。
第2のノズル孔82の孔軸である第2の孔軸83は上面31aに対し垂直となっている。
図6に示すように、Y軸方向に沿った断面図において、第2のノズル8及び第2のノズル孔82は、第2の孔軸83からみて左右非対称の形状を有する。
一方、第1のノズル7及び第1のノズル孔72は、Y軸方向に沿った断面図において、第1のノズル7の第1の孔軸73からみて左右対称の形状を有する。
図3に示すように、蒸着源3を上から見たときに、第2のノズル8の開口端81は、Y軸方向と直交するX軸方向に長手方向を有する矩形の額縁形状を有する。
図6に示すように、第2のノズル8の開口端81は、第2の孔軸83に対して垂直な仮想基準面9からの高さが、周縁に沿って異なっている。より具体的には、収容箱31に第2のノズル8を配置して蒸着源3としたときに、第2のノズル8の開口端81において、第2の開口端81の中央領域61側に位置する部分81aの仮想基準面9からの高さh1は、第2のノズル8の開口端81のY軸方向における外方側に位置する部分81bの仮想基準面9からの高さh2よりも高くなっている。
このように第2のノズル8の開口端81は、仮想基準面9に対して傾斜している。
尚、仮想基準面9は、第2の孔軸83と直交する面であって、上面31aと、第2のノズル8の開口端81のうち最も高さの低い部分(本実施形態においては符号81bが付される部分)との間に位置するものとする。
第2のノズル8の開口端81の内縁部を周縁とする平面を第2のノズル8の開口面とする。この開口面と仮想基準面9とのなす角度を第2のノズル8の傾斜角θとする。言い換えると、第2のノズル8の開口端81と仮想基準面9とのなす角度が傾斜角θであり、第2のノズル8の開口端81の内縁部における最も高さが低い部分と最も高さが高い部分を通る仮想線と仮想基準面9とのなす角度が傾斜角θとなる。尚、仮想線は上面31aに投影したときにY軸方向に沿うものとする。
本実施形態においては、仮想基準面9と上面31aとは平行に位置する。
蒸着源3に設けられる第2のノズル8の開口端81において、第2のノズル8の開口端81の中央領域61側に位置する部分81aは、第2のノズル8の開口端81の外方側に位置する部分81bよりも高くなっている。これにより、第2のノズル8から出射される蒸着材料の出射角度が制御され、1つの第2のノズル8から出射し基板Sに付着してなる薄膜の面内での膜厚分布をY軸方向で第2の孔軸83を中心として左右不均一のものとすることができる。詳細については図9を用いて後述する。
このような傾斜角を有する第2のノズル8の開口端81を有する第2のノズル8を設け、更に、上面31aの両端それぞれに位置する第2のノズル8aと第2のノズル8gとの間隔Lを基板SのY軸方向における幅Lwよりも長くなるように蒸着源3を構成することにより、面内で均一な膜厚分布の薄膜を成膜することができる。
また、本実施形態において、第2のノズル8の第2の孔軸83を収容箱の深さ方向(Z軸方向)とY軸方向とで規定されるZY平面に投影した線は、基板Sの蒸着面又は蒸着面の延長面に対して直交する。これにより、孔軸が外方にむけて傾くように設けるよりも、第2のノズル8の周辺の外方側での未使用の蒸着材料の堆積が抑制され、より長時間の連続生産が可能となる。
尚、第2のノズル8の第2の孔軸83をZY平面に投影した線が中央領域61側に傾くように第2のノズル8を設けても良い。これにより、基板Sの蒸着面又は蒸着面の延長面に対して直交するように設ける場合と同様に、孔軸が外方にむけて傾くように設けるよりも、第2のノズル8の周辺の外方側での未使用の蒸着材料の堆積が抑制され、より長時間の連続生産が可能となる。
図9は、基板Sと蒸着源3とを図8に示すように対向配置させ、図3に示す蒸着源3に設けられる第1のノズル7a、7bと第2のノズル8a〜8eそれぞれを用いて基板Sに薄膜を成膜したときの、各ノズルの基板Sの中心からの距離に対する相対膜厚のシミュレーション結果を示す。
図9に示すように、第1のノズル7a及び7bを用いて成膜された薄膜の相対膜厚はピーク部分を境にほぼ左右対称の形状を示す。一方、第2のノズル8a〜8eを用いて成膜された薄膜の相対膜厚はピーク部分を境に左右非対称の形状を示す。各第2のノズル8で成膜される薄膜において、ピーク部分よりも右側、すなわち基板Sの中心からの距離がより遠い方の側が、ピーク部分よりも左側、すなわち基板Sの中心からの距離がより近い方の側よりも膜厚が厚くなっている。各ピーク部分は、対応するノズルの孔軸の位置に対応する。
すなわち、傾斜角θの第2のノズル8の開口端81を有する第2のノズル8を用いることにより、出射される蒸着材料の出射角度が制御され、1つの第2のノズル8で成膜される薄膜の膜厚分布を非均一とすることができる。より詳細には、第2のノズル8を用いることにより、第2のノズル8の開口端81の最も高さが高くなる部分81a側に位置する薄膜の膜厚の方が、低くなる部分81b側よりも薄くなるように、第2の孔軸83に対して左右非対称の膜厚分布の薄膜を成膜することができる。
図9では各ノズルで成膜された薄膜の膜厚分布を示したが、図10は、これら各ノズルを含む蒸着源3に設けられる全てのノズル(第1のノズル群及び2つの第2のノズル群)を用いて薄膜を成膜したときの基板Sの中心からの距離に対する薄膜の相対膜厚のシミュレーション結果を示す。
図10に示すように、第2のノズル8を用いることにより基板SのY軸方向における両端部にも薄膜を十分に成膜することができ、また、面内で均一な膜厚分布の薄膜を成膜することができる。更に、マスクエフェクトを抑制することができる。
このように、蒸着源の両側方領域に設けられる第2のノズルにおいて、その開口端を中央領域側に位置する部分が外方側に位置する部分よりも高くなるように構成することにより、第2のノズルから出射される蒸着材料の出射角度を制御することができる。これにより、面内で均一な膜厚分布の薄膜を成膜しつつ、マスクエフェクトを抑制することができる。
図7(B)はマスクプレート4と基板Sの部分拡大断面図である。図7(B)に示すように、マスクプレート4を介して基板Sの領域Aと領域Bの双方に同じ膜厚の薄膜を形成しようとする場合、マスクプレート4への蒸着材料の入射角度が大きくなると、領域Aでは、領域Bと比較して、蒸着材料の基板Sへの入射がマスクプレート4により遮られてしまうため、成膜される薄膜の膜厚が薄くなってしまうといった所謂マスクエフェクトが生じる。
これに対し、本実施形態では、第2のノズルから出射される蒸着材料の出射角度を制御することにより、マスクエフェクトの発生を抑制することができる。
更に、蒸着源に設けられる複数のノズルのうちY軸方向に沿って最も外方に位置する両側の第2のノズル間距離を基板SのY軸方向の幅よりも長くすることにより、基板SのY軸方向における両端部においても十分に成膜することができ、面内均一の膜厚分布で成膜することができる。
また、第2のノズル8の第2のノズル8の開口端81は、Y軸方向に沿った長さよりも、Y軸方向に直交するX軸方向に沿った長さの方が長い形状となっている。このように、第2のノズル8の開口は、X軸方向に長手方向を有する形状となっている。
このように、第2のノズル8の開口をX軸方向に長手方向を有する形状とすることにより、ノズル詰まりの発生を抑制することができる。以下、図11を用いて説明する。
図11(A)は比較例としてのノズルの斜視図、断面図、上面図を示す。図11(B)は本実施形態の第2のノズル8の斜視図、断面図、上面図を示す。いずれも断面図は、蒸着源3の長手方向であるY軸方向に沿った断面で切断した図に相当する。
図11(A)に示すノズル90と図11(B)に示す第2のノズル8とは、開口面積が等しいものとなっている。ここで開口面積とは、蒸着材料が出射される側の開口端の内縁部を通る平面(開口面)における第2のノズル孔82の領域の面積を示す。
図11(A)及び(B)において、符号12はリフレクタを示し、符号13は防着板を示す。リフレクタ12は複数の板状部材から構成され、収容箱31から放出される熱を遮断する。防着板13は、ノズルの開口端を閉塞しないように配置される。防着板13が設けられることにより、ノズル周辺への蒸着材料の付着が防止される。尚、図1〜図3においてはリフレクタ及び防着板の図示は省略している。
図11(A)に示すノズル90は、開口端91が傾斜面となっており、仮想基準面からの高さが周縁で異なっている。ノズル90の孔軸93に対して垂直な面で切断したノズル90の開口は正円形状を有し、開口面は楕円形状となっている。
一方、図11(B)に示す第2のノズル8でも、第2のノズル8の開口端81は傾斜面を有しており、仮想基準面からの高さが周縁で異なっている。第2のノズル8の開口面は矩形状となっている。
第2のノズル8は開口が長手方向を有しているため、同じ開口面積を有し、楕円形状の開口面を有するノズル90と比較して、開口面のY軸方向における長さを短くすることができる。
これにより、隣り合う第2のノズル8間距離を、ノズル90を用いる場合よりも広く取ることができる。
図12は、第2のノズル8の配置を説明するための図である。
傾斜する開口端を有する第2のノズル8を複数用いる場合、隣り合う第2のノズル8間の距離が短いと、図12に示すように、一方の第2のノズル8の開口端81のうち最も高さの低い部分81b側から出射される蒸着材料が他方の第2のノズル8で跳ね返って基板Sの所望の領域に付着されないといった問題がある。このため、このような跳ね返りの発生を抑制するために隣り合う第2のノズル8をある程度離して配置することが望ましい。
従って、本実施形態のX軸方向に長手方向を有する開口を有する第2のノズル8を用いることにより、蒸着材料の出射量を確保しつつ、上述のような第2のノズル8での蒸着材料の跳ね返りによる影響が抑制されるように第2のノズル8間距離を離すことが可能となる。これにより、基板Sの所望の領域に蒸着材料を付着させることができ、薄膜の膜厚分布を均一化することができる。
更に、第2のノズル8において、開口面のY軸方向における長さを短くすることができることにより、ノズル詰まりの発生を抑制することができる。
図11に示すように、第2のノズル8はその開口形状が長手方向を有するので、同じ開口面積を有するノズル90と比較して、高さをより低くすることができる。したがって、第2のノズル8は、ノズル90と比べて、防着板13から突出するノズル部分の長さを短くすることができ、ノズル詰まりの発生を抑制することができる。
すなわち、防着板13から突出するノズル部分の長さが長いほど蒸着材料が冷めやすくなって、蒸着材料のノズル詰まりが生じやすくなる。本実施形態においては、第2のノズル8は、その開口が長手方向を有するので、開口面積を変えることなく防着板13から突出するノズル部分の長さを短くすることができる。従って、蒸着材料の出射量を確保しつつ、蒸着材料が冷めにくく、ノズル詰まりの発生を抑制することができる。これにより、長時間の連続生産が可能となる。
ここで、図21は、従来例としての蒸着源503のY軸方向側方部の部分断面図である。図21に示す蒸着源503は、Y軸方向に沿った断面において収容箱531の全体が凸形状を有する。収容箱531は、そのY軸方向中央部に基板Sと平行な上面531aと、Y軸方向両側方部に上面531aに対して斜めの斜面531bを有する。上面531aには第1のノズル507が配置され、斜面531bには第1のノズル507よりも開口径の大きい第2のノズル508が配置される。蒸着源503を用いた蒸着装置では、蒸着源503のY軸方向の長さは、基板SのY軸方向の長さよりも短く、蒸着源503のY軸方向両側方領域それぞれに配置される第2のノズル508は、その孔軸が外方に傾いている。
図21に示すような蒸着源503では、両側方領域に位置する第2のノズル508近傍で基板に付着しなかった未使用の蒸着材料の堆積量が増加する。未使用蒸着材料の堆積物によってノズルの開口がふさがれないようにメンテナンスが必要となってくるため、蒸着材料の堆積量が増加するとメンテナンスの頻度が高くなる。メンテナンスの頻度が高くなると、連続して生産する期間が短くなるため生産効率が低下する。
例えば、連続生産期間を長くするため、未使用蒸着材料の堆積物によってノズルの開口がふさがれないように防着板から突出するノズルの長さを長くすることが考えられるが、突出したノズルは冷えやすいため、ノズルの中に蒸着材料が付着してノズルが詰まりやすい。このようなノズル詰まりの発生を抑制するために、ノズルの温度を上げると、収容箱に収容されている蒸着材料の表面温度が上昇し、蒸着材料の劣化という問題が生じる。
これに対し、本実施形態では、第2のノズル8の第2の孔軸83は、基板Sの蒸着面又は蒸着面の延長面に対して直交するように設けられるため、孔軸が外方に傾くように配置する場合と比較して、未使用の蒸着材料の堆積量を減少させることができる。従って、蒸着材料の使用効率を向上させることができ、生産効率を向上させることができる。更に、メンテナンス頻度を低くすることができるため、長時間の連続生産が可能となる。
また、上述のように、第2のノズル8の開口を、長手方向を有する形状とすることにより防着板から突出するノズルの長さを短くすることができるので、ノズル詰まりの発生を抑制することができる。従って、ノズル詰まりの発生を抑制するためにノズルの温度を上げる必要がなく、収容箱に収容されている蒸着材料の表面温度が上昇し、蒸着材料の劣化を招くといった問題の発生を抑制することができる。
図6において、第2のノズル8の開口端81の内縁部における中央領域側に位置する部分81aとY方向における外方側に位置する部分81bを通り、仮想基準面9に投影した時にY方向に沿う仮想線85をひく。開口端81の外方側に位置する部分81bの端面は、仮想線85と仮想基準面9とのなす角度θで仮想基準面9に対して傾斜する、仮想線85を含む仮想傾斜面よりも基板S側に位置する。図6に示す例では、外方側に位置する部分81bの端面の全てが仮想傾斜面よりも基板S側に位置し、外方側に位置する部分81bの端面は仮想基準面9と平行に位置する。
ここで、第2のノズルは、後述する図17に示す変形例の第2のノズル38のように、開口端381の外方側に位置する部分381bの端面が仮想基準面9に対して斜めに位置する斜面であってもよい。図17に示す第2のノズル38では、外方側に位置する部分381bの端面は仮想傾斜面上に位置する。この仮想傾斜面は、開口端381の内縁部における中央領域側に位置する部分381aとY方向における外方側に位置する部分381bを通り、仮想基準面9に投影した時にY方向に沿う仮想線385と仮想基準面9とのなす角度θで仮想基準面9に対して傾斜する、仮想線385を含む面である。
本実施形態における第2のノズル8は、その開口端81の外方側に位置する部分81bが仮想傾斜面よりも基板S側に位置しているため、図17に示す変形例の第2のノズル38と比較して、ノズルの周囲に配置される防着板へ飛散する蒸着材料を外方側に位置する部分81bでより多く遮ることができる。
このように、外方側に位置する部分81bの端面が仮想傾斜面よりも基板S側に位置することが好ましく、防着板13への蒸着材料の堆積速度を遅くすることができ、より長時間の連続生産が可能となる。
尚、本実施形態では、外方側に位置する部分81bは、その端面の全てが仮想傾斜面よりも基板S側に位置している例をあげたが、端面の少なくとも一部が仮想傾斜面よりも基板S側に位置していればよい。
図7(A)は、第2のノズル8の傾斜角θとマスクプレート4の開口41の第1のテーパ面411のテーパ角θmとの関係を説明するための図である。
図7(A)に示すように、マスクプレート4の開口41は、蒸着源3に向かって末広がりの第1のテーパ面411を有している。
図7(B)はマスクプレート4と基板Sの部分拡大断面図である。マスクプレート4を介して基板Sの領域Aと領域Bの双方に同じ膜厚の薄膜を形成しようとした場合を例にあげる。図7(B)に示すように、マスクプレート4への蒸着材料の入射角度が大きくなると、基板Sの領域Bには蒸着材料が到達するのに対し、領域Aでは、蒸着材料の基板Sへの入射がマスクプレート4により遮られてしまうため、成膜される薄膜の膜厚が領域Bよりも薄くなってしまうといった所謂マスクエフェクトが生じる。
図13は、第2のノズル8の傾斜角θと、マスクエフェクト及び蒸着材料使用効率との関係を説明するための模式図である。
図13に示すように、マスクエフェクトの発生の抑制のためθの値を大きくしてノズルからの蒸着材料の出射角度を調整すると蒸着材料使用効率が低下し、蒸着材料使用効率の向上のためにθの値を小さくしていくとマスクエフェクトが低下する。このように、マスクエフェクトと蒸着材料使用効率との関係はトレードオフの関係にある。
第2のノズル8の傾斜角θは、マスクプレート4のテーパ角θmを用いて次式の範囲に設定することが好ましい。
Figure 2020213228
上式のように、第2のノズル8の傾斜角θは、マスクプレート4のテーパ角θmよりも15°小さい数値よりも大きければよく、テーパ角θmよりも10°小さい数値よりも大きいことが更に好ましい。
例えば、本実施形態では、マスクプレート4のテーパ角θmを50°とした場合、第2のノズル8の傾斜角θは35°〜55°の範囲で設定されることが好ましく、更に好ましくは40°〜50°である。傾斜角θの好ましい設定範囲の上限値は、蒸着材料の種類、マスクプレート4のテーパ角θm、基板Sの幅Lw等により適宜設定される。本実施形態では、第2のノズル8の傾斜角θを40°とした。
このように、本実施形態では、仮想基準面9に対して傾斜する第2のノズル8の開口端81を有する第2のノズル8を、中央領域61側が外方側よりも高さが高くなるように配置し、収容箱31のY軸方向における両端それぞれに位置する第2のノズル8aと第2のノズル8gとの間隔Lを基板SのY軸方向における幅Lwよりも長くなるように蒸着源3を構成し、更に、第2のノズル8の傾斜角θを上述のように設定することにより、均一な膜厚分布の成膜が可能となるのに加え、マスクエフェクトの発生を抑制しつつ、蒸着材料の使用効率を向上させることができる。
また、蒸着源3において、第1のノズル7は次のように配置される。
すなわち、図8に示すように、基板SのY軸方向における中心を通る基板厚み方向(Z軸方向)に沿った中心線C上に収容箱31のY軸方向における中心を位置させ、基板SのY軸方向における長さをLwとし、収容箱31の上面31aでの複数の第1のノズル7が配置され得るY軸方向における長さをL1とし、基板Sの蒸着面と第2のノズル8との距離をHとしたときに、第1のノズル7は、中心線CからY軸方向に、次式で求められるL1/2の長さの領域内に配置される。
Figure 2020213228
一例として、基板SのY軸方向における長さLwを900mmとし、基板Sの蒸着面と第2のノズル8との距離Hを500mmとし、θを40°としたとき、L1の値は528mmとなる。この場合、収容箱31の上面31aに、中心線CからY軸方向に264mmの領域内に第1のノズル7が設けられる。
一方、複数の第2のノズル8は、収容箱31の上面31a上の中心線CからY軸方向に264mmの領域よりも外方の領域に設けられる。
更に、図8に示すように、収容箱31のY軸方向両端にそれぞれ位置する第2のノズル8間の間隔をLとし、収容箱31の内寸のY軸方向における長さをL2としたときに、L/L2の値が次式を満たすことが好ましい。これにより、収容箱31内の蒸着材料の表面温度を均一にしやすく、長期の連続生産中に材料が劣化することを抑制することができる。
Figure 2020213228
ここで、図21を用いて説明する。図21に示す従来例としての蒸着源503のY軸方向における長さは、基板Sの長さよりも短い。このような蒸着源503を用いる場合、本実施形態のように基板Sの長さよりもY軸方向両端にそれぞれ位置する第2のノズル8間の間隔Lが長い蒸着源3を用いる場合と同様の量の蒸着材料を収容箱531に収容させるには、収容箱531の収容部の深さを深くするか、或いは、収容箱531の内寸のY軸方向における長さL2´をY軸方向両端にそれぞれ位置する第2のノズル508間の間隔L´よりも十分長くする必要がある。
収容箱531の収容部の深さを深くする場合、蒸着装置全体が大きくなってしまう。
収容箱531の内寸のY軸方向における長さL2´をY軸方向両端にそれぞれ位置する第2のノズル508間の間隔L´よりも十分長くする場合、収容箱531の両側方部のノズルが位置しない領域と、間隔L´を規定する領域となるノズルが位置する領域とで、収容する蒸着材料の温度を均一にすることが難しく、収容箱531内の蒸着材料表面の温度が不均一になりやすい。このため、長時間の連続生産中に蒸着材料が劣化するといった問題が生じやすい。
これに対し、本実施形態では、L/L2の値を0.8以上1より小さい値とし、収容箱31の上面31aに広範囲で第1及び第2のノズルを配置するため、収容箱31に収容される蒸着材料の表面温度を均一にすることができる。これにより、蒸着材料の劣化を抑制することができ、長時間の連続生産においても、蒸着材料の品質を安定したものとすることができる。
以上のように、本実施形態においては、面内均一な膜厚分布での成膜が可能となる。
更に、マスクエフェクトを抑制しつつ、蒸着材料の使用効率を向上させることができる。マスクエフェクトの抑制により、より高精細のパターンの成膜が可能となる。蒸着材料の使用効率の向上により、生産効率を向上させることができ、長時間の連続生産が可能となる。更に、蒸着材料の劣化を抑制することができる。
本発明の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
例えば、上述の実施形態においては、第2のノズルとして、X軸方向に沿って長手方向を有する1つの開口端81を有する第2のノズル8を用いる例をあげたが、これに限定されない。例えば、X軸方向に沿って配置される複数の副ノズルから第2のノズルを構成してもよい。図14及び図15は、その一例である変形例としての第2のノズルを説明する図である。
図14は、変形例としての第2のノズル18が設けられる蒸着源103の上面図である。
図15は、図14の蒸着源103が備える第2のノズル18の斜視図を示す。
図14に示すように、蒸着源103は、収容箱31と、収容箱31の上面31a上に設けられた第1のノズル群10と第2のノズル群120とを有する。
第2のノズル群120は、蒸着源103の両側方領域62に設けられた複数(図においては5つ)の第2のノズル18を有する。図14及び図15に示すように、第2のノズル18は、X軸方向に沿って配設された3つの副ノズル181から構成される。各副ノズル181は、開口端1811が傾斜面となる円筒状を有する。副ノズル181は、開口端1811において、開口端1811の中央領域61側に位置する部分1811aの高さが、開口端1811の外方側に位置する部分1811bの高さよりも高くなっている。
このように、第2のノズル18を複数の副ノズル181から構成して、第2のノズル18の開口の長手方向を形成してもよい。この場合、第2のノズル18の開口面積は、1つの副ノズル181の開口端1811の内縁部を周縁部とする平面である開口面の面積の3倍の値となる。
これにより、上述の第2のノズル8と同様に、図11に示す1つのノズル90を用いる場合と比べて、防着板から突出するノズル部分の長さを短くすることができ、ノズル詰まりの発生を抑制することができる。
また、第2のノズルの形状は上述の実施形態及び変形例で示したものに限定されず、仮想基準面に対しての高さが周縁で異なる開口端を有するノズルであればよく、例えば図16〜図19に示すような形状であってもよい。
図16(A)は変形例としての第2のノズル28の斜視図であり、図16(B)は第2のノズル28の断面図である。
図16に示すように、第2のノズル28を上方からみたときに第2のノズル28の開口端281は矩形状を有する。仮想基準面9からの矩形の一辺に対応する開口端281までの高さh1は、他の三辺に対応する開口端281までの高さh2よりも高くなっている。第2のノズル28の開口端281のうち仮想基準面9からの高さが最も高い部分を281aとし、最も低い部分を281bとする。第2のノズル28を収容箱に設けて蒸着源としたとき、部分281aは中央領域61側に位置し、部分281bは中央領域61よりもY軸方向の外方側に位置する。
開口端281の内縁部における最も高さが低い部分と最も高さが高い部分を通る仮想線と仮想基準面9とのなす角度が第2のノズル28の傾斜角θとなる。尚、仮想線は上面31aに投影したときにY軸方向に沿うものとする。
図17(A)は変形例としての第2のノズル38の斜視図であり、図17(B)は第2のノズル38の断面図である。
図17に示すように、第2のノズル38は開口端381を有している。開口端381の内縁部を周縁とする平面である開口面は、仮想基準面9に対して傾斜角θで傾斜している。第2のノズル38の開口端381のうち仮想基準面9からの高さが最も高い部分を381aとし、最も低い部分を381bとする。第2のノズル38を収容箱に設けて蒸着源としたとき、部分381aは中央領域61側に位置し、部分381bは中央領域61よりもY軸方向の外方側に位置する。
図18は変形例としての第2のノズル48の断面図である。
図18に示すように、第2のノズル48の第2のノズル孔482が、収容箱31の上面31aに対して傾斜していてもよい。図18に示す例では、第2のノズル48の外側壁は上面31aに対して垂直に位置する。
図18に示すように、第2のノズル48は開口端481を有している。開口端481の内縁部を周縁とする平面である開口面は、仮想基準面9に対して傾斜角θで傾斜している。第2のノズル48の開口端481のうち仮想基準面9からの高さが最も高い部分を481aとし、最も低い部分を481bとする。図では、部分481aの仮想基準面9からの高さをh1とし、部分481bの仮想基準面9からの高さをh2としている。第2のノズル48を収容箱に設けて蒸着源としたときに、部分481aは中央領域61側に位置し、部分481bは中央領域61よりもY軸方向の外方側に位置する。
第2のノズル48を収容箱に設けて蒸着源として蒸着装置に設けたとき、第2のノズル孔482の第2の孔軸483は中央領域61側に傾き、基板Sの蒸着面に対して斜めに位置する。尚、上述の実施形態及び各変形例においては、蒸着装置の状態で、第2のノズルの孔軸は基板Sの蒸着面又はこの蒸着面の仮想延長面に対して直交するように位置する。
図19は変形例としての第2のノズル58の断面図である。
図19に示すように、第2のノズル58の第2のノズル孔582の第2の孔軸583が上面31aに対して斜めになるのに加えて、第2のノズル58の外側壁が上面31aに対して斜めに位置してもよい。外側壁は第2の孔軸583と平行となっている。
図19に示すように、第2のノズル58は開口端581を有している。開口端581の内縁部を周縁とする平面である開口面は、仮想基準面9に対して傾斜角θで傾斜している。第2のノズル58の開口端581のうち仮想基準面9からの高さが最も高い部分を581aとし、最も低い部分を581bとする。図では、部分581aの仮想基準面9からの高さをh1とし、部分581bの仮想基準面9からの高さをh2としている。第2のノズル58を収容箱に設けて蒸着源としたときに、部分581aは中央領域61側に位置し、部分581bは中央領域61よりもY軸方向の外方側に位置する。
第2のノズル58を収容箱に設けて蒸着源として蒸着装置に設けたとき、第2のノズル孔582の第2の孔軸583は中央領域61側に傾き、基板Sに対して斜めに位置する。
また、上述の実施形態の蒸着装置においては、1つの蒸着源を設ける例をあげたが、図20に示すように3つの蒸着源を設けてもよい。
図20(A)は、X軸方向に沿って3つの蒸着源203、3、203を配列させたときの上面図である。図20(B)は図20(A)の線A−Aで切断した概略断面図である。
図20に示すように、蒸着装置に搭載された状態で、3つの蒸着源203、3、203のうち中央に位置する蒸着源3に設けられる第1のノズル7の第1の孔軸73は基板Sの蒸着面と直交して位置する。中央に位置する蒸着源3に設けられる第2のノズル8の第2の孔軸83は基板Sの蒸着面又は蒸着面の延長面に対して直交する、又は、中央領域61側に傾いて位置する。
3つの蒸着源203、3、203のうち中央の蒸着源3の両側それぞれに位置する蒸着源203に設けられる第1のノズル7の第1の孔軸73は中央の蒸着源3側に傾いて位置する。蒸着源203に設けられる第2のノズル8の第2の孔軸83は、中央領域61側に傾き、かつ、中央の蒸着源3側に傾いて位置する。
図20に示す例では、中央に位置する蒸着源3の上面31aは、基板Sの蒸着面と平行に位置する。中央の蒸着源3の両側それぞれに位置する蒸着源203の上面231aは、中央に位置する蒸着源3の上面31aに対して鈍角に位置する。このように3つの蒸着源のうち両側に位置する蒸着源203の上面231aは中央に位置する蒸着源3に向かって傾いている。
各蒸着源203において、第1のノズル7、第2のノズル8は、それぞれの第1の孔軸73及び第2の孔軸83と、上面231aとが直交するように、上面231a上に配置される。従って、各蒸着源203に設けられる第1のノズル7の第1の孔軸73及び第2のノズル8の第2の孔軸83は基板Sに対して斜めに位置する。
蒸着源3(203)の第1のノズル7の第1の孔軸73をZY平面に投影した線は基板Sの蒸着面又は蒸着面の延長面に対して直交する。
蒸着源3(203)の第2のノズル8の第2の孔軸83をZY平面に投影した線は基板Sの蒸着面又は蒸着面の延長面に対して直交する。尚、本実施形態では、蒸着源3(203)において、第2のノズル8の第2の孔軸83が上面31a(231a)に対して垂直に位置する例をあげたが、中央領域61側に傾いて位置してもよく、この場合、第2の孔軸83をZY平面に投影した線は中央領域61側に傾く。
尚、ここでは、蒸着源203、3、203が、それぞれ収容箱を有する構成としたが、1つの収容箱を共有するように構成してもよい。
また、蒸着源203の収容箱231の上面231aと蒸着源3の収容箱31の上面31aとが鈍角に位置するように構成する例をあげたが、上面231aと上面31aとが平坦な位置関係となるように構成してもよい。この場合、蒸着源203に設けられる第1のノズル7の第1の孔軸73が中央の蒸着源3側に傾いて位置するように構成し、蒸着源203に設けられる第2のノズル8の第2の孔軸83が、中央領域61側に傾き、かつ、中央の蒸着源3側に傾いて位置するように構成すればよい。
3、103、203…蒸着源
4…マスクプレート(マスク材)
7…第1のノズル
8、18、28、38、48、58…第2のノズル
9…仮想基準面
10…第1のノズル群
20…第2のノズル群
31…収容箱
41…開口
61…中央領域
62…側方領域
71…第1のノズルの開口端
72…第1のノズル孔
73…第1の孔軸(第1のノズル孔の孔軸)
81、281、381、481、581…第2のノズルの開口端
81a、281a、381a、481a、581a…第2のノズルの開口端において中央領域側に位置する部分
81b、281b、381b、481b、581b…第2のノズルの開口端において外方側に位置する部分
82、482、582…第2のノズル孔
83、4083、5083…第2の孔軸(第2のノズル孔の孔軸)
85…仮想線
100…蒸着装置
181…副ノズル
231…収容箱
411…第1のテーパ面
413…板面
S…基板(蒸着対象物)
Vm…蒸着材料

Claims (12)

  1. 蒸着対象物に成膜する蒸着材料を収容する収容箱と、
    前記収容箱の一方向における中央領域に設けられた、前記蒸着対象物に向かって出射される前記蒸着材料の気化物質が通過する第1のノズル孔を有する複数の第1のノズルからなる第1のノズル群と、
    前記収容箱の前記一方向における前記中央領域よりも外方の各側の側方領域に設けられた、前記蒸着対象物に向かって出射される前記蒸着材料の気化物質が通過する第2のノズル孔を有する複数の第2のノズルからなる第2のノズル群と
    を具備する蒸着源であって、
    前記収容箱の前記一方向両端にそれぞれ位置する第2のノズル間の間隔が、前記蒸着対象物の前記一方向における長さよりも長く、
    前記第2のノズルの前記蒸着材料の気化物質が出射される開口端において、前記第2のノズル孔の孔軸に直交する仮想基準面からの高さが、前記中央領域側に位置する部分よりも前記一方向における外方側に位置する部分の方が低い
    蒸着源。
  2. 請求項1に記載の蒸着源であって、
    前記第2のノズルの開口端の前記一方向における外方側に位置する部分の端面は、前記第2のノズルの開口端の内縁部における前記中央領域側に位置する部分と前記一方向における外方側に位置する部分とを通り前記仮想基準面に投影した時に前記一方向に沿う仮想線と前記仮想基準面とのなす角度で前記仮想基準面に対して傾斜する、前記仮想線を含む仮想傾斜面より、前記蒸着対象物側に位置する
    蒸着源。
  3. 請求項1又は2に記載の蒸着源であって、
    前記第2のノズル孔の孔軸を前記収容箱の深さ方向と前記一方向とで規定される平面に投影した線は、前記蒸着対象物の蒸着面又は前記蒸着面の延長面に対して直交する、又は、前記中央領域側に傾いて位置する
    蒸着源。
  4. 請求項1に記載の蒸着源であって、
    前記第2のノズルの開口端の形状は、前記一方向と直交する方向に長手方向を有する
    蒸着源。
  5. 請求項1に記載の蒸着源であって、
    前記第2のノズルは、前記一方向と直交する方向に沿って複数配置された副ノズルから構成される
    蒸着源。
  6. 請求項1に記載の蒸着源であって、
    前記第1のノズルは、前記気化物質を出射し、前記仮想基準面からの高さが周縁に沿って同じ開口端を有する
    蒸着源。
  7. 蒸着対象物に成膜する蒸着材料を収容する収容箱と、
    前記収容箱の一方向における中央領域に設けられた、前記蒸着対象物に向かって出射される前記蒸着材料の気化物質が通過する第1のノズル孔を有する複数の第1のノズルからなる第1のノズル群と、
    前記収容箱の前記一方向における前記中央領域よりも外方の各側の側方領域に設けられた、前記蒸着対象物に向かって出射される前記蒸着材料の気化物質が通過する第2のノズル孔を有する複数の第2のノズルからなる第2のノズル群と
    を具備する蒸着源であって、
    前記収容箱の前記一方向両端にそれぞれ位置する第2のノズル間の間隔が、前記蒸着対象物の前記一方向における長さよりも長く、
    前記第2のノズルの前記蒸着材料の気化物質が出射される開口端において、前記第2のノズル孔の孔軸に直交する仮想基準面からの高さが、前記中央領域側に位置する部分よりも前記一方向における外方側に位置する部分の方が低い
    蒸着源と、
    前記蒸着対象物と前記蒸着源との間に配置され、前記気化物質の前記蒸着対象物に対する付着範囲を制限する複数の開口を有するマスク材
    を具備する蒸着装置。
  8. 請求項7に記載の蒸着装置であって、
    前記マスク材の開口の内面は、前記蒸着源から厚み方向に先細りするテーパ面を有し、
    前記第2のノズルの開口端において、前記第2のノズルの開口端と前記仮想基準面とのなす角度である傾斜角をθとし、前記マスク材の板面に対する前記テーパ面の角度をθmとしたときに、
    Figure 2020213228
    である
    蒸着装置。
  9. 請求項8に記載の蒸着装置であって、
    前記蒸着対象物の前記一方向における長さをLwとし、前記第1のノズルが前記収容箱に配置され得る前記一方向における長さをL1とし、前記蒸着対象物と前記第2のノズルとの距離をHとしたときに、
    前記第1のノズルは、前記収容箱の前記一方向における中心から前記一方向に次式で求められるL1/2の長さの領域内に配置される
    Figure 2020213228
    蒸着装置。
  10. 請求項8又は9に記載の蒸着装置であって、
    前記収容箱の前記一方向両端にそれぞれ位置する第2のノズル間の間隔をLとし、前記収容箱の内寸の前記一方向における長さをL2としたときに、
    Figure 2020213228
    である
    蒸着装置。
  11. 請求項8に記載の蒸着装置であって、
    前記蒸着源に対して前記蒸着対象物を前記一方向に相対移動させる移動手段
    を更に具備する蒸着装置。
  12. 請求項7に記載の蒸着装置であって、
    前記一方向に直交する方向に配列された前記蒸着源を3つ具備し、
    前記3つの蒸着源のうち中央に位置する蒸着源に設けられる第1のノズルの孔軸は前記蒸着対象物の蒸着面と直交して位置し、第2のノズルの孔軸は前記蒸着面又は前記蒸着面の延長面に対して直交する、又は、前記中央領域側に傾いて位置し、
    前記3つの蒸着源のうち前記中央の蒸着源の両側それぞれに位置する蒸着源に設けられる第1のノズルの孔軸は前記中央の蒸着源側に傾いて位置し、第2のノズルの孔軸は、前記中央領域側に傾き、かつ、前記中央の蒸着源側に傾いて位置する
    蒸着装置。
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