JP6895162B2 - 超音速フリージェット物理蒸着装置で用いる超音速ノズル、超音速フリージェット物理蒸着装置で用いる超音速ノズルの製造方法、超音速フリージェット物理蒸着装置で用いる超音速ノズルの設計方法及びコンピュータプログラム - Google Patents

超音速フリージェット物理蒸着装置で用いる超音速ノズル、超音速フリージェット物理蒸着装置で用いる超音速ノズルの製造方法、超音速フリージェット物理蒸着装置で用いる超音速ノズルの設計方法及びコンピュータプログラム Download PDF

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Description

本発明は、超音速フリージェット物理蒸着装置で用いる超音速ノズル、超音速フリージェット物理蒸着装置で用いる超音速ノズルの製造方法、超音速フリージェット物理蒸着装置で用いる超音速ノズルの設計方法及びコンピュータプログラムに関する。
低温でも実行可能な成膜装置として、例えば超音速フリージェット(SupersonicFree Jet:SFJ)物理蒸着(Physical Vapor Deposition:PVD)装置が知られている。SFJ−PVD装置とは、不活性ガス雰囲気において成膜原料素材をレーザ等で気化させ,形成させた微粒子を、超音速ノズルを用いて微粒子を含むガスを超音速に加速させ、成膜チャンバの内部に固定された基板に噴出する。噴出ガスに含まれる微粒子は、基板上に堆積し基板上に薄膜が成膜される。例えば、特許文献1には、SFD‐PVDで用いられる超音速ノズルであって、流入口部から流出口部にかけてその各部断面が円形でその内径が変化している事を特徴とし、さらに内径が最小となるスロート部の内径が0.1mm〜0.3mmである超音速ノズルが開示されている。
特許第5620137号公報
しかしながら、特許文献1に記載の超音速ノズル(円形断面)を用いて成膜した場合、必ずしも成膜領域が広いというわけでは無く、また、成膜領域の表面粗さが均一でなく、その改善が望まれている。
そこで本発明は、上記課題を鑑み発明されたものであって、より広い領域を成膜可能とするとともに成膜領域の表面粗さがより平坦に近い粗さを実現することが可能な超音速ノズル、超音速ノズルの製造方法、超音速ノズルの設計方法及びコンピュータプログラムを提供することを目的とする。
本発明は、流路を流体が流れる方向に直交する横断面での流路の断面積が流路の各部で変化している超音速フリージェット物理蒸着装置で用いる超音速ノズルであって、流体が流入する流入口部と、流体が流出する流出口部と、流路の各部の中で断面積が最小であるスロート部と、流入口部とスロート部とを接続する流入口側空洞部と、流出口部とスロート部とを接続する流出口側空洞部とを備え、流路に流体として比熱比(定圧比熱と定容比熱の比)γであるガスが流されたときに、流路の各部における流体の速度がマッハ数Mの速度となるように、流入口部、流入口側空洞部、流出口側空洞部及び流出口部の各部の断面積Aと、スロート部の断面積Aとが式(1)を満たす形状となっており、スロート部、流出口側空洞部及び流出口部での流路を流体が流れる方向に直交する横断面の形状が矩形である超音速フリージェット物理蒸着装置で用いる超音速ノズルである。
Figure 0006895162

この構成によれば、流入口部、流入口側空洞部、スロート部、流出口側空洞部及び流出口部を備え、流路10の断面積が流路の各部で変化し、スロート部から流出口部にかけて断面積が矩形である超音速ノズル1であって、流入口部、流入口側空洞部、スロート部、流出口側空洞部及び流出口部を備え、比熱比γであるガスが流されたときに、流路の各部における流体の速度がマッハ数Mの速度となるように、流入口部、流入口側空洞部、流出口側空洞部及び流出口部の各部の断面積A、スロート部の各部の断面積Aとが式(1)を満たす形状となっているため、流路の各部における流体の速度をマッハ数Mにすることができる。また、超音速ノズルを超音速フリージェットPVD装置に適用したときに、スロート部、流出口側空洞部及び流出口部での流路を流体が流れる方向に直交する横断面の形状が矩形であるため、同じ断面積の円形の横断面の超音速ノズルよりも、より広い領域を成膜可能とするとともに成膜領域の表面粗さがより平坦に近い粗さを実現することが可能となる。
この場合、流出口側空洞部は、スロート部に連続する初期膨張部と、流出口部に連続する相殺部とを有し、横断面の矩形の長辺に直交する縦断面での流路の流出口側空洞部の内壁面は、初期膨張部で発生した膨張波が膨張波同士の衝突によって角度が変化しながら相殺部の内壁面に衝突する際に発生する圧縮波を相殺するような形状であることが好適である。
この構成によれば、流出口側空洞部は、スロート部に連続する初期膨張部と流出口部に連続する相殺部とを有し、横断面の矩形の長辺に直交する縦断面での流路の流出口側空洞部の内壁面の形状は、初期膨張部で発生した膨張波が膨張波同士の衝突によって角度が変化しながら相殺部の内壁面に衝突する際に発生する圧縮波を相殺するような形状であるため、流出口部からの流れを一様な平行流にすることができる。
また、スロート部での横断面の矩形の短辺の長さに対する矩形の長辺の長さの比は、0.3以上10以下であることが好適である。
スロート部での横断面の矩形の短辺の長さに対する矩形の長辺の長さの比が、0.3以上10以下であることにより、同じ断面積の円形の横断面の超音速ノズルよりも、確実に成膜領域を拡大し、確実に成膜領域の表面粗さを減少させることができる。
また、本発明は、流路を流体が流れる方向に直交する横断面での流路の断面積が流路の各部で変化し、流体が流入する流入口部と、流体が流出する流出口部と、流路の各部の中で断面積が最小であるスロート部と、流入口部とスロート部とを接続する流入口側空洞部とを備えた超音速フリージェット物理蒸着装置で用いる超音速ノズルの製造方法であって、流路に流体として比熱比(定圧比熱と定容比熱の比)γであるガスが流されたときに、流路の各部における流体の速度がマッハ数Mの速度となるように、流入口部、流入口側空洞部、流出口側空洞部及び流出口部の各部の断面積Aと、スロート部の断面積Aとが式(1)を満たす形状とし、スロート部、流出口側空洞部及び流出口部での流路を流体が流れる方向に直交する横断面の形状を矩形とする超音速ノズルの製造方法である。
Figure 0006895162

この場合、流出口側空洞部に、スロート部に連続する初期膨張部と、流出口部に連続する相殺部とを含め、横断面の矩形の長辺に直交する縦断面での流路の流出口側空洞部の内壁面を、初期膨張部で発生した膨張波が膨張波同士の衝突によって角度が変化しながら相殺部の内壁面に衝突する際に発生する圧縮波を相殺するような形状とすることが好適である。
また、スロート部での横断面の矩形の短辺の長さに対する矩形の長辺の長さの比を、0.3以上10以下とすることが好適である。
また、本発明は、流路を流体が流れる方向に直交する横断面での流路の断面積が流路の各部で変化し、流体が流入する流入口部と、流体が流出する流出口部と、流路の各部の中で断面積が最小であるスロート部と、流入口部とスロート部とを接続する流入口側空洞部とを備えた超音速ノズルの設計方法であって、流路に流体として比熱比(定圧比熱と定容比熱の比)γであるガスが流されたときに、流路の各部における流体の速度がマッハ数Mの速度となるように、流入口部、流入口側空洞部、流出口側空洞部及び流出口部の各部の断面積Aと、スロート部の断面積Aとが式(1)を満たす形状とし、スロート部、流出口側空洞部及び流出口部での流路を流体が流れる方向に直交する横断面の形状を矩形とする超音速フリージェット物理蒸着装置で用いる超音速ノズルの設計方法である。
Figure 0006895162

この場合、流出口側空洞部に、スロート部に連続する初期膨張部と、流出口部に連続する相殺部とを含め、横断面の矩形の長辺に直交する縦断面での流路の流出口側空洞部の内壁面を、初期膨張部で発生した膨張波が膨張波同士の衝突によって角度が変化しながら相殺部の内壁面に衝突する際に発生する圧縮波を相殺するような形状とすることが好適である。
また、スロート部での横断面の矩形の短辺の長さに対する矩形の長辺の長さの比を、0.3以上10以下とすることが好適である。
また、本発明は、上記本発明の超音速フリージェット物理蒸着装置で用いる超音速ノズルの設計方法をコンピュータに実行させるコンピュータプログラムである。
本発明の超音速フリージェット物理蒸着装置で用いる超音速ノズル、超音速フリージェット物理蒸着装置で用いる超音速ノズルの製造方法、超音速フリージェット物理蒸着装置で用いる超音速ノズルの設計方法及びコンピュータプログラムによれば、より広い領域を成膜可能とするとともに成膜領域の表面粗さがより平坦に近い粗さを実現することが可能となる。
(A)は実施形態に係る超音速ノズルを流入口部から視た正面図であり、(B)は(A)のα線による縦断面図であり、(C)は実施形態に係る超音速ノズルを流出口部から視た背面図であり、(D)は(B)のβ線による横断面図である。 図1(B)の流出口側空洞部付近を拡大した縦断面図である。 本実施形態の超音速ノズルの設計方法及び製造方法の工程を示すフローチャートである。 凸面壁に沿うプラントルマイヤ流れを示した図である。 凹面壁に沿うプラントルマイヤ流れを示した図である。 波の相殺の原理を示す図である。 本実施形態の超音速ノズルの設計方法及び製造方法における相殺部の内壁面の形状を決定する方法を示す図である。 本実施形態の超音速ノズルが適用されたSFJ−PVD装置を示す図である。 本実施形態の超音速ノズルが適用されたSFJ−PVD装置の他の例を示す図である。 実験例での超音速ノズルの移動経路を示す図である。
以下、本発明の実施形態に係る超音速フリージェット(SupersonicFree Jet:SFJ)物理蒸着(Physical Vapor Deposition:PVD)装置で用いる超音速ノズル、超音速フリージェット物理蒸着装置で用いる超音速ノズルの製造方法、超音速フリージェット物理蒸着装置で用いる超音速ノズルの設計方法及びコンピュータプログラムについて、図面を用いて詳細に説明する。図1(A)、図1(B)及び図1(C)に示すように、本実施形態の超音速ノズル1は、流路10を流体が流れる方向(x軸方向)に直交する横断面での流路の断面積が流路10の各部で変化している。超音速ノズル1は、流体が流入する流入口部2と、流体が流出する流出口部6と、流路10の各部の中でその断面積が最小であるスロート部4と、流入口部2とスロート部4とを接続する流入口側空洞部3と、流出口部6とスロート部4とを接続する流出口側空洞部5とを備える。
超音速ノズル1の基本原理は、亜音速流れにおいて圧力エネルギーを運動エネルギーに変換し、流体を超音速に加速するというものである。すなわち、図1(B)に示す超音速ノズル1において、流体は流入口部2から流入し、流入口側空洞部3で加速され、スロート部4でほぼ音速となり、流出口側空洞部5でさらに加速され流出口部6から超音速となって流出する。
流入口側空洞部3は、超音速ノズル1の流入口部2からスロート部4までの部位であり、流体が流れる方向に向かって断面積が小さくなるよう形成されている。スロート部4は、矩形断面であって超音速ノズル1の流路10の各部の中で最も断面積が小さくなる部位である。流出口側空洞部5は、スロート部4から流出口部6までの部位であり、矩形断面であって流体が流れる方向に向かって断面積が大きくなるよう形成されている。
後述するように、流路10に流体として比熱比(定圧比熱と定容比熱の比)γであるガスが流されたときに、流路10の各部における流体の速度がマッハ数Mの速度となるように、流入口部2、流入口側空洞部3、流出口側空洞部5及び流出口部6の各部の断面積Aと、スロート部4の断面積Aとは、以下の式(1)を満たす形状となっている。
Figure 0006895162

図1(D)に示すように、本実施形態の超音速ノズル1では、スロート部4、流出口側空洞部5及び流出口部6での流路10を流体が流れる方向に直交する横断面の形状は、円形ではなく、矩形である。また、本実施形態の超音速ノズル1では、スロート部4での横断面の矩形の短辺の長さmに対する矩形の長辺の長さnの比(n/m)は、0.3以上10以下であり、好ましくは1以上10以下であり、より好ましくは1以上4以下である。なお、流入口部2及び流入口側空洞部3での流路10を流体が流れる方向に直交する横断面の形状は、円形、正方形、長方形、多角形等の形状に限定されない。
図2に示すように、本実施形態の超音速ノズル1では、流出口側空洞部5は、スロート部4に連続する初期膨張部7と、流出口部6に連続する相殺部8とを有する。後述するように、流路10を流体が流れる方向に直交する横断面の矩形の長辺に直交する縦断面(図1(D)及び図2中のxy平面での断面)での流路10の流出口側空洞部5の内壁面5sは、プラントルマイヤ関数に基づいて初期膨張部7で発生した膨張波同士の衝突によって角度が変化しながら反対側の内壁面に衝突する際に発生する圧縮波を相殺するように、プラントルマイヤ関数に基づいて算出された形状である。
以下、本実施形態の超音速ノズルの設計方法、超音速ノズルの製造方法及びコンピュータプログラムについて、詳述する。本実施形態の超音速ノズルの設計方法では、上記のような流路10におけるスロート部4、流出口側空洞部5及び流出口部6に流れる流体の方向に直交する横断面の形状が矩形である超音速ノズル1が設計され、本実施形態の超音速ノズルの製造方法では、当該超音速ノズル1が設計される。流路10を流れる流体の方向に直交する横断面の形状が矩形であるため、当該横断面の矩形の長辺に直交する縦断面(図1(D)及び図2中のxy平面での断面)での流路10の形状は、z軸方向に一様である。そのため、本実施形態では、xy平面において二次元的に超音速ノズル1の流路10の形状を設計し、製造することができる。
図3は、本実施形態の超音速ノズルの設計方法及び製造方法の工程を示すフローチャートである。図3に示すように、各部断面積決定工程により、超音速ノズル1の流路10の各部の断面積が決定される(S1)。各部断面積決定工程では、まず、流出口部6でのマッハ数が決定される。流出口部6でのマッハ数Mは、流入口部2での静圧p、流出口部6での背圧p、ガスの比熱比γに対して、以下の式(2)により決定される。静圧p及び背圧pは、真空ポンプの性能等により決定される値である。
Figure 0006895162

各部断面積決定工程では、流路に流体として比熱比γであるガスが流されたときに、流路10の各部における流体の速度がマッハ数Mの速度となるように、流入口部2、流入口側空洞部3、流出口側空洞部5及び流出口部6の各部の断面積Aと、スロート部4の断面積Aとが以下の式(1)を満たす形状に決定される。流入口部2及び流入口側空洞部3でのマッハ数M<1である。スロート部4でのマッハ数M=1である。流出口側空洞部5でのマッハ数M>1であり、M<Mである。上述したように、流出口部6でのマッハ数M=Mである。各部断面積決定工程により、超音速ノズル1の流路10の各部の断面積が決定される。
Figure 0006895162

各部断面積決定工程により、スロート部4を含む超音速ノズル1の流路10の各部の断面積が決定されるため、スロート部4での横断面の矩形の短辺の長さmに対する矩形の長辺の長さnの比(n/m)が決定されることにより、スロート部4の横断面の矩形の短辺の長さm及び長辺の長さnが決定される。上述したように、n/mは、0.3以上10以下であり、より好ましくは1以上4以下に決定される。
次に、以下の工程について説明する前に、超音速ノズル1の流路10の形状を決定するための基本的な考え方について説明する。なお、超音速ノズル1の流路10の形状の設計において、最も重要であるのは、流出口側空洞部5の形状の設計である。従って、以下の説明では、流入口部2及び流入口側空洞部3の形状については詳細に説明を行わない。流入口部2及び流入口側空洞部3の形状については、上記の各部断面積決定工程で決定された超音速ノズル1の流路10の各部の断面積を満たす範囲において、超音速ノズル1の使用目的及び使用状況に応じて決定されればよい。
以下では、超音速ノズル1の流路10の流体の流れを2次元定常超音速等エントロピ流れであるプラントルマイヤ流れとして考える。まず、図4に示すように、直線壁ABに沿うマッハ数M1の一様な2次元定常流れが、角Bで角θだけ曲げられ、再び直線壁BDに沿うマッハ数M2の一様な流れになる場合を考える。角Bの影響は,壁ABに対してマッハ角αをなすマッハ線BDと、壁BCに対しマッハ角αをなすマッハ線BEに囲まれた領域DBE内に限られる。なお、マッハ角α及びαは以下の式(3)によって与えられる。
Figure 0006895162

一般に超音速流れでは、流路面積の拡大によってマッハ数や速度は増加し、圧力、密度および温度は減少するため、領域EBCにおけるマッハ数M2は、領域ABDにおけるマッハ数M1より大きい。一般に、流体粒子が波を通過するとき、そのマッハ数や速度が増加し、圧力や密度が減少する波を膨張波、逆にマッハ数や速度が減少し、圧力や密度が増加する波を圧縮波と称する。すなわち、図4の角Bから発生する波は膨張波Weである。そして、このような角をまわる2次元定常超音速等エントロピ流れをプラントルマイヤ流れという。
次に図5に示す、凹面壁に沿う流れについて説明する。図5に示す凹面壁に沿う流れでは、θ>0であり、流路面積の減少によってマッハ数や速度は減少し、圧力、密度および温度は増加するため、圧縮波Wcが発生する。壁BCから発生するマッハ波は壁から離れたところで交わり、衝撃波Wsを形成する。圧縮波Wcは等エントロピ的であるが、衝撃波Wsが一度形成されると衝撃波Wsを通る流れのエントロピは増大する。
図4及び図5のように、膨張波Weや圧縮波Wcによって流れが等エントロピ的に曲げられるときの流れの転向角θとマッハ数Mの関係を以下に示す。図4及び図5に示すように、マッハ波が流路10の進行方向に対して左向きである場合について考える。微少角Δθと速度の微少変化ΔVの間には、以下の式(4)の関係がある。
Figure 0006895162

式(4)を微分形で書くと、以下の式(5)のように表すことができる。
Figure 0006895162

ここで、新しい変数としてνを以下の式(6)のように定義する。
Figure 0006895162

また、エネルギーの式として、ガスの比熱比γ、ガスの音速a及びガス流の流速uについて、以下の式(7)が成り立つ。
Figure 0006895162

式(7)に、a=V/Mの関係を代入し、微分すると、以下の式(8)が導出される。
Figure 0006895162

式(8)を式(6)に代入し、M=1のときν=0の条件の下に積分すると、以下の式(9)が導出される。式(9)に示すν(M)をプラントルマイヤ関数という。νはマッハ数Mの増加とともに単調に増加する。
Figure 0006895162

νの最大値であるνmaxは、式(8)において、M→∞として、以下の式(10)により求められる。
Figure 0006895162

式(5)と式(6)とにより、dθ+dν=0である。ここでν=0(M=1)のときのθをθとしてこの式を積分すると、以下の式(11)が導出される。つまり、すなわち、流路10の進行方向に対して左向きの膨張波と圧縮波とに対してθとνの和は一定に保たれる。
Figure 0006895162

よって、図4及び図5のいずれに対しても、以下の式(12)が成り立つ。
Figure 0006895162

一方、流路10の進行方向に対して右向きの膨張波と圧縮波とに対しては、以下の式(13)及び式(14)が成り立つ。
Figure 0006895162


Figure 0006895162

上記説明したようなプラントルマイヤ流れを想定した場合の、超音速ノズル1の設計では、流路10の内壁面5sの凹部や凸部から発生する衝撃波を制御する必要がある。すなわち、本実施形態の超音速ノズル1では、流出口部6からの流れが一様な平行流となるように、発生する波を打ち消すように設計することになる。
図6において、マッハ数M1の一様な超音速流れが下壁の点AでΔθだけ曲げられると、点Aからの左向きの波は上壁の点Bに入射する。このとき、上壁を点Bで同じ角Δθだけ同じ方向に曲げると、入射波は点Bから発生する右向きの波によって相殺され、反射波は生じず、点Bの下流は平行な一様流れとなる。このようにして、反射波を生じないようにすることを波の相殺という。
図7において、初期膨張部7において衝撃波が発生し、相殺部8においてその衝撃波が相殺されるように、初期膨張部7の内壁面7s及び相殺部8の内壁面8sの形状は設計される。図3及び図7に示すように、折れ線近似工程で、横断面の矩形の長辺に直交する縦断面での流路10の流出口側空洞部5の内壁面5sがスロート部4を起点とする折れ線によって近似される(S2)。
まず、スロート部4において超音速ノズル1の中心軸に垂直な音速線aa’を仮定する。図7に示す超音速ノズル1の断面図における初期膨張部7の上壁面abを微少角Δθずつ曲がったn−1個の折れ線PLで構成する。下壁面a’b’も同様に構成する。点aから点bにかけて折れ線ごとにΔθずつ曲がって行くとすると、曲がり点はn個あるため、点bにおける内壁面7sの傾き角θmax=nΔθとなる。図7では、n=4とした場合を示している。
図3及び図7に示すように、プラントルマイヤ関数算出工程で、比熱比及び初期膨張部7の各部のマッハ数に基づいてプラントルマイヤ関数が算出される(S3)。また、衝撃波算出工程で、プラントルマイヤ関数に基づいて初期膨張部7の折れ線PLから発生する衝撃波の傾きが算出される(S4)。
上記説明したように、初期膨張部7の各曲がり点からは衝撃波(圧縮波)が発生する。これらの波はそれぞれ流れがΔθずつ転向している。各波の傾きは、その両側の流れのマッハ角の平均値とする。すなわち、ある衝撃波における上流側のマッハ角α1と、下流側のマッハ角α2とを用いて、当該衝撃波の傾き角は、以下の式(15)により表される。
Figure 0006895162

図7に示す初期膨張部7と相殺部8の間の部位bcは所定の長さの直線に設定される。図3及び図7に示すように、衝撃波入射位置算出工程で、衝撃波算出工程で算出された初期膨張部7の折れ線PLから発生する衝撃波の傾きに基づいて、衝撃波が相殺部8の内壁面8sに相殺されつつ入射する位置が算出される(S5)。また、内壁面決定工程で、縦断面での相殺部8の内壁面8sの形状が、衝撃波入射位置算出工程で算出された衝撃波が相殺部8の内壁面8sに相殺されつつ入射する位置を結んだ形状に決定される(S6)。
相殺部8の壁面cd間は下壁のa’b’からの波を相殺するように構成する。すなわち、各入射点において壁面をそれぞれΔθずつ曲げることにより入射波を相殺し、cdより下流を中心軸に平行な一様流れとすることができる。従って、相殺部8の内壁面8sは、初期膨張部7における衝撃波が相殺部8の内壁面8sに入射する位置を、超音速ノズル1の上流から下流へと逐一算出することにより設計される。初期膨張部7の壁面abが終了する点bのすぐ下流のプラントルマイヤ関数をνとすれば、式(13)においてθ=0、θ=θmaxであるから、以下の式(16)が成り立つ。
Figure 0006895162

ここで、流出口部6における流れのプラントルマイヤ関数をνとすれば、相殺部8の壁面cdの前後の流れに対して、式(11)から、以下の式(17)が成り立つ。
Figure 0006895162

式(16)及び式(17)より、以下の式(18)が得られる。すなわち、図7のように初期膨張部7の折れ線PLのそれぞれにおいて発生する衝撃波を、流路10の反対側の壁に入射する点において相殺するように設計する超音速ノズル1では、流出口部6におけるマッハ数Mに対応するプラントルマイヤ関数νは超音速ノズル1の最大広がり角である傾き角θmaxの2倍となる。
Figure 0006895162

上述したような超音速ノズル1の設計方法をコンピュータに実行させるコンピュータプログラムは、例えば、CPU[CentralProcessing Unit]、ROM[Read Only Memory]、RAM[Random Access Memory]等を有するコンピュータにおけるROMに記憶されている。ROMに記憶されている当該プログラムがRAMにロードされ、CPUで実行されることで、上述したような超音速ノズル1の設計方法の各工程が実行される。図3に示すように、加工工程で、上述したような超音速ノズル1の設計方法で決定された超音速ノズル1の流路10の形状に基づいて、超音速ノズル1の母材が加工されることにより、本実施形態の超音速ノズル1が製造される(S7)。
次に、図8を用いて本実施形態の超音速ノズル1を備えたSFJ−PVD装置について説明する。SFJ−PVD装置100aは、図8に示すように蒸発チャンバ101aと、成膜用の真空チャンバである成膜チャンバ102とを備えている。蒸発チャンバ101aと成膜チャンバ102との間は、移送管110により接続されている。
蒸発チャンバ101aには真空ポンプVP1に接続された排気管109が設けられている。真空ポンプVP1の作動により蒸発チャンバ101aの内部が排気され、10−10Torr程度の超高真空雰囲気とされる。蒸発チャンバ101aの雰囲気ガスとしては、He、ArあるいはNなどの不活性ガスが使用される。図8の例では、マスフローコントローラ103を介して設けられたガス供給源104から、He、ArあるいはNなどの不活性ガスが所定の流量で供給され、蒸発チャンバ101aの内部が所定の圧力雰囲気とされる。
蒸発チャンバ101aの内部には、水冷された銅製の坩堝106が設置されている。坩堝106の中に成膜材料107が収容されている。成膜材料107の近傍にアークトーチ、プラズマトーチ、抵抗加熱部、レーザ加熱部などの加熱部105が設置されている。加熱部105により成膜材料107が加熱されて蒸発し、成膜材料107から蒸発した原子からナノメートルオーダーの直径の微粒子が形成される。
一方、成膜チャンバ102には真空ポンプVP3に接続した排気管111が設けられており、真空ポンプVP3の作動により成膜チャンバ102の内部が排気され、10−10Torr程度の超高真空雰囲気とされる。成膜チャンバ102の内部には、水平方向に移動自在なステージが設けられている。このステージに電気抵抗加熱システムを有する基板ホルダー112が取り付けられている。基板ホルダー112に、成膜用の基板113が固定される。
蒸発チャンバ101aに接続されている移送管110の他方の端部が成膜チャンバ102の内部に導かれており、移送管110の先端に本実施形態の超音速ノズル1が取り付けられている。上記の蒸発チャンバ101aと成膜チャンバ102の間において、圧力差によりガスの流れが生じ、蒸発チャンバ101aで生成された微粒子は雰囲気ガスとともに移送管110を通して成膜チャンバ102へと移送される。微粒子と雰囲気ガスを含む流体は、超音速ノズル1から超音速ガス流(超音速フリージェットの気流)として成膜チャンバ102中において基板113に向けて噴出する。雰囲気ガスに含まれる微粒子は、成膜対象である基板113上に堆積(物理蒸着)する。以上のようにして、基板113の上に微粒子からなる膜が形成される。
なお、ここでは図8に示すように蒸発チャンバ101aは一つである実施形態について説明したが、成膜材料が複数必要である場合には、例えば図9に示すSFJ−PVD装置100bのように坩堝108と真空ポンプVP2に接続された排気管109とを有する蒸発チャンバ101bをさらに備え、複数の蒸発チャンバ101a、101bを備える構成であってもよく、その数に限定されない。
本実施形態によれば、流入口部2、流入口側空洞部3、スロート部4、流出口側空洞部5及び流出口部6を備え、流路10の断面積が流路の各部で変化し、スロート部から流出口部にかけて断面積が矩形である超音速ノズル1であって、比熱比γであるガスが流されたときに、流路10の各部における流体の速度がマッハ数Mの速度となるように、流入口部2、流入口側空洞部3、流出口側空洞部5及び流出口部6の各部の断面積A、スロート部4の各部の断面積Aとが式(1)を満たす形状となっているため、流路10の各部における流体の速度をマッハ数Mにすることができる。また、超音速ノズル1をSFJ−PVD装置に適用したときに、スロート部4、流出口側空洞部5及び流出口部6での流路10を流体が流れる方向に直交する横断面の形状が矩形であるため、同じ断面積の円形の横断面の超音速ノズルよりも、より広い領域を成膜可能とするとともに成膜領域の表面粗さがより平坦に近い粗さを実現することが可能となる。
また、本実施形態によれば、流出口側空洞部5は、スロート部4に連続する初期膨張部7と流出口部6に連続する相殺部8とを有し、横断面の矩形の長辺に直交する縦断面での流路10の流出口側空洞部5の内壁面5sの形状は、初期膨張部7で発生した膨張波が膨張波同士の衝突によって角度が変化しながら相殺部8の内壁面8sに衝突する際に発生する圧縮波を相殺するような形状であるため、流出口部6からの流れを一様な平行流にすることができる。特に、本実施形態では、流出口側空洞部5の内壁面5sの形状は、初期膨張部7で発生した膨張波が膨張波同士の衝突によって角度が変化しながら相殺部8の内壁面8sに衝突する際に発生する圧縮波を相殺するように、プラントルマイヤ関数に基づいて算出された形状である。プラントルマイヤ関数は、本来、流路10を流体が流れる方向に直交する横断面が矩形であることを前提とする関数であって、当該矩形の長辺方向の次元を考慮しない(長さが無限大)モデルに基づくものであるから、円形の横断面の超音速ノズルよりも、矩形の横断面の超音速ノズル1の方がプラントルマイヤ関数により合致している。そのため、本実施形態の超音速ノズル1は、従来の円形の横断面の超音速ノズルよりも、精度が高い。
また、本実施形態によれば、スロート部4での横断面の矩形の短辺の長さに対する矩形の長辺の長さの比が、0.3以上10以下であることにより、同じ断面積の円形の横断面の超音速ノズルよりも、確実に成膜領域を拡大し、確実に成膜領域の表面粗さを減少させることができる。
(実験例)
以下、本発明の実験例について説明する。図8に示したようなSFJ−PVD装置100aにおいて、同じ成膜の条件により、スロート部4、流出口側空洞部5及び流出口部6にかけての横断面の形状が矩形である超音速ノズル1と、横断面の形状が円形である超音速ノズルとを用いて、長さ52mm×幅28mm×厚さ1mmの無酸素銅の基板113の上の7mm×7mmのエリアに成膜した。横断面の形状が矩形である超音速ノズル1と、横断面の形状が円形である超音速ノズルとのいずれにおいても、流路10に流体として流されたHeガスの比熱比γ=1.667であり、流出口部6での流体のマッハ数M=4.2であり、スロート部4の横断面の断面積A=4mmであり、流出口部6の断面積A=25.342mmであった。
横断面の形状が矩形である超音速ノズル1のスロート部4の横断面の短辺の長さは2mmであり、長辺の長さは2mmであった。横断面の形状が矩形である超音速ノズル1の流出口部6の横断面の短辺の長さは2.000mmであり、長辺の長さは12.671mmであった。一方、横断面の形状が円形である超音速ノズルのスロート部の横断面の直径は、2.257mmであり、流出口部の横断面の直径は5.680mmであった。
図10に示すように、基板113の長手方向をX軸方向とし、基板113の長手方向と垂直な方向をY軸方向とすると、超音速ノズルと基板113とが対向する位置について、Y軸方向に+7mm移動、X軸方向に+0.05mm移動、Y軸方向に+7mm移動及びX軸方向に+0.05mm移動が繰り返され、基板113の7mm×7mmの領域が走査された。つまり、初期位置座標(y,z)=(0,0)に対して、最終位置座標(y,z)=(7,7)であった。横断面の形状が矩形である超音速ノズル1による成膜時には、超音速ノズル1の流出口部6の長辺の方向がX軸と平行になるように、超音速ノズル1が設置された。
成膜の結果、本発明の横断面の形状が矩形である超音速ノズル1により実質的に成膜されたエリアは、X軸方向26.0mm×Y軸方向9.0mmであり、成膜された膜の表面粗さは、X軸方向でRa=0.399μmであり、Y軸方向で0.433μmであった。一方、横断面の形状が円形である超音速ノズルにより実質的に成膜されたエリアは、X軸方向8.0mm×Y軸方向8.9mmであり、成膜された膜の表面粗さは、X軸方向でRa=1.06μmであり、Y軸方向で0.881μmであった。以上の成膜の結果は、本発明の横断面の形状が矩形である超音速ノズル1は、横断面の形状が円形である超音速ノズルによりも一度に広い面積に成膜が可能であり、横断面の形状が円形である超音速ノズルに対して成膜された膜の表面粗さを約半分にすることができることを示している。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されることなく様々な形態で実施される。
1…超音速ノズル、2…流入口部、3…流入口側空洞部、4…スロート部、5…流出口側空洞部、5s…内壁面、6…流出口部、7…初期膨張部、7s…内壁面、8…相殺部、8s…内壁面、10…流路、100a,100b…SFJ−PVD装置、101a,101b…蒸発チャンバ、102…成膜チャンバ、103…マスフローコントローラ、104…ガス供給源、105…加熱部、106…坩堝、107…成膜材料、108…坩堝、109…排気管、110…移送管、111…排気管、112…基板ホルダー、113…基板、m,n…長さ、We…膨張波、Wc…圧縮波、Ws…衝撃波、PL…折れ線。

Claims (7)

  1. 流路を流体が流れる方向に直交する横断面での前記流路の断面積が前記流路の各部で変化している超音速フリージェット物理蒸着装置で用いる超音速ノズルであって、
    前記流体が流入する流入口部と、
    前記流体が流出する流出口部と、
    前記流路の各部の中で前記断面積が最小であるスロート部と、
    前記流入口部と前記スロート部とを接続する流入口側空洞部と、
    前記流出口部と前記スロート部とを接続する流出口側空洞部と、
    を備え、
    前記流路に前記流体として比熱比(定圧比熱と定容比熱の比)γであるガスが流されたときに、前記流路の各部における前記流体の速度がマッハ数Mの速度となるように、前記流入口部、前記流入口側空洞部、前記流出口側空洞部及び前記流出口部の各部の断面積Aと、前記スロート部の断面積A*とが式(1)を満たす形状となっており、
    前記スロート部、前記流出口側空洞部及び前記流出口部での前記流路を前記流体が流れる方向に直交する前記横断面の形状が矩形であり、
    前記スロート部での前記横断面の前記矩形の短辺の長さに対する前記矩形の長辺の長さの比は、0.3以上10以下である、超音速フリージェット物理蒸着装置で用いる超音速ノズル。
    Figure 0006895162

  2. 前記流出口側空洞部は、
    前記スロート部に連続する初期膨張部と、
    前記流出口部に連続する相殺部と、
    を有し、
    前記横断面の前記矩形の長辺に直交する縦断面での前記流路の前記流出口側空洞部の内壁面は、前記初期膨張部で発生した膨張波が膨張波同士の衝突によって角度が変化しながら前記相殺部の前記内壁面に衝突する際に発生する圧縮波を相殺するような形状である、請求項1に記載の超音速フリージェット物理蒸着装置で用いる超音速ノズル。
  3. 流路を流体が流れる方向に直交する横断面での前記流路の断面積が前記流路の各部で変化し、前記流体が流入する流入口部と、流体が流出する流出口部と、前記流路の各部の中で前記断面積が最小であるスロート部と、前記流入口部と前記スロート部とを接続する流入口側空洞部と、前記流出口部と前記スロート部とを接続する流出口側空洞部とを備えた超音速フリージェット物理蒸着装置で用いる超音速ノズルの製造方法であって、
    前記流路に前記流体として比熱比(定圧比熱と定容比熱の比)γであるガスが流されたときに、前記流路の各部における前記流体の速度がマッハ数Mの速度となるように、前記流入口部、前記流入口側空洞部、前記流出口側空洞部及び前記流出口部の各部の断面積Aと、前記スロート部の断面積A*とが式(1)を満たす形状とし、
    前記スロート部、前記流出口側空洞部及び前記流出口部での前記流路を前記流体が流れる方向に直交する前記横断面の形状を矩形とし、
    前記スロート部での前記横断面の前記矩形の短辺の長さに対する前記矩形の長辺の長さの比を、0.3以上10以下とする、超音速フリージェット物理蒸着装置で用いる超音速ノズルの製造方法。
    Figure 0006895162

  4. 前記流出口側空洞部に、前記スロート部に連続する初期膨張部と、前記流出口部に連続する相殺部とを含め、
    前記横断面の前記矩形の長辺に直交する縦断面での前記流路の前記流出口側空洞部の内壁面を、前記初期膨張部で発生した膨張波が膨張波同士の衝突によって角度が変化しながら前記相殺部の前記内壁面に衝突する際に発生する圧縮波を相殺するような形状とする、請求項に記載の超音速フリージェット物理蒸着装置で用いる超音速ノズルの製造方法。
  5. 流路を流体が流れる方向に直交する横断面での前記流路の断面積が前記流路の各部で変化し、前記流体が流入する流入口部と、流体が流出する流出口部と、前記流路の各部の中で前記断面積が最小であるスロート部と、前記流入口部と前記スロート部とを接続する流入口側空洞部と、前記流出口部と前記スロート部とを接続する流出口側空洞部とを備えた超音速フリージェット物理蒸着装置で用いる超音速ノズルの設計方法であって、
    前記流路に前記流体として比熱比(定圧比熱と定容比熱の比)γであるガスが流されたときに、前記流路の各部における前記流体の速度がマッハ数Mの速度となるように、前記流入口部、前記流入口側空洞部、前記流出口側空洞部及び前記流出口部の各部の断面積Aと、前記スロート部の断面積A*とが式(1)を満たす形状とし、
    前記スロート部、前記流出口側空洞部及び前記流出口部での前記流路を前記流体が流れる方向に直交する前記横断面の形状を矩形とし、
    前記スロート部での前記横断面の前記矩形の短辺の長さに対する前記矩形の長辺の長さの比を、0.3以上10以下とする、超音速フリージェット物理蒸着装置で用いる超音速ノズルの設計方法。
    Figure 0006895162

  6. 前記流出口側空洞部に、前記スロート部に連続する初期膨張部と、前記流出口部に連続する相殺部とを含め、
    前記横断面の前記矩形の長辺に直交する縦断面での前記流路の前記流出口側空洞部の内壁面を、前記初期膨張部で発生した膨張波が膨張波同士の衝突によって角度が変化しながら前記相殺部の前記内壁面に衝突する際に発生する圧縮波を相殺するような形状とする、請求項に記載の超音速フリージェット物理蒸着装置で用いる超音速ノズルの設計方法。
  7. 請求項5又は6に記載の超音速フリージェット物理蒸着装置で用いる超音速ノズルの設計方法をコンピュータに実行させるコンピュータプログラム。
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