JPWO2020208785A1 - Motor drive, electric blower, vacuum cleaner and hand dryer - Google Patents
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Abstract
単相モータ(12)に交流電圧を出力するインバータ(11)と、インバータ(11)が出力する交流電圧を制御する制御部(25)と、単相モータ(12)に流れる電流を検出する電流検出部(22)と、を備え、制御部(25)は、交流電圧の極性の変化を基点とした位相による正弦波と電流検出部(22)で検出された電流との積によって算出される物理量に応じて単相モータ(12)の回転速度を制御する。An inverter (11) that outputs an AC voltage to the single-phase motor (12), a control unit (25) that controls the AC voltage output by the inverter (11), and a current that detects the current flowing through the single-phase motor (12). The detection unit (22) is provided, and the control unit (25) is calculated by the product of a sinusoidal wave having a phase based on a change in the polarity of an AC voltage and a current detected by the current detection unit (22). The rotation speed of the single-phase motor (12) is controlled according to the physical quantity.
Description
本発明は、単相モータを駆動するモータ駆動装置、電動送風機、電気掃除機及びハンドドライヤに関する。 The present invention relates to a motor drive device for driving a single-phase motor, an electric blower, an electric vacuum cleaner, and a hand dryer.
従来、モータには、ブラシ付き直流モータ、誘導モータ、PM(Permanent Magnet)モータなど様々な種類があり、モータの相数にも単相、三相などの種類がある。これらの種々のモータの中で、単相PMモータは、ブラシ付き直流モータと比較して、機械構造であるブラシを用いないブラシレス構造のため、ブラシの摩耗が発生しない。この特徴により、単相PMモータは、高寿命且つ高信頼性を確保することができる。また、単相PMモータは、誘導モータと比較して、ロータに2次電流が流れないため高効率なモータである。 Conventionally, there are various types of motors such as a DC motor with a brush, an induction motor, and a PM (Permanent Magnet) motor, and the number of phases of the motor also includes types such as single-phase and three-phase. Among these various motors, the single-phase PM motor has a brushless structure that does not use a brush, which is a mechanical structure, as compared with a DC motor with a brush, so that brush wear does not occur. Due to this feature, the single-phase PM motor can ensure a long life and high reliability. Further, the single-phase PM motor is a highly efficient motor because a secondary current does not flow in the rotor as compared with an induction motor.
単相PMモータは、相数が異なる三相PMモータと比較しても次の利点がある。
(1)三相PMモータの場合には三相インバータが必要であるのに対し、単相PMモータでは単相インバータでよい。
(2)三相インバータとして一般的に用いられるフルブリッジインバータを用いると、6つのスイッチング素子が必要であるのに対し、単相PMモータの場合、フルブリッジインバータを用いたとしても4つのスイッチング素子で構成できる。
(3)(1)及び(2)の特徴により、単相PMモータは、三相PMモータと比較して、装置の小型化が可能である。
特許文献1には、単相PMモータの駆動方式に関する技術が開示されている。The single-phase PM motor has the following advantages as compared with the three-phase PM motor having different numbers of phases.
(1) In the case of a three-phase PM motor, a three-phase inverter is required, whereas in a single-phase PM motor, a single-phase inverter may be used.
(2) When a full-bridge inverter generally used as a three-phase inverter is used, six switching elements are required, whereas in the case of a single-phase PM motor, four switching elements are required even if a full-bridge inverter is used. Can be configured with.
(3) Due to the features of (1) and (2), the single-phase PM motor can be made smaller than the three-phase PM motor.
しかしながら、特許文献1には、『電動送風機への通電量を制御する制御手段を有し、予め実験等によって求められている「通電量−電流−風量」の関係より風量を推定すると共に、推定風量が第一の所定の範囲内であるときに、前記推定風量が低下するにしたがって、前記電動送風機への通電量を下げる方向に制御し、且つ、前記通電量は、前記第一の所定の範囲となる風量領域において、前記集塵室内の真空度が略一定に、且つ、予め実験等によって設定された値となるように制御する』という記載がある。すなわち、特許文献1において、電動送風機による風量は、電動送風機の仕事量により決定されることになり、また、電動送風機における電気エネルギーの観点からは有効電力により決定されることになる。
However,
特許文献1の技術では、推定風量に応じて通電量を制御しているが、有効電力及び無効電力という観点での制御は行われていない。また、特許文献1の技術では、通電量のみでは皮相電力は制御されるものの、必要な有効電力を個別に制御することはできていない。そのため、特許文献1の技術では、電動機に流れる電流が最大効率点より大きくなり、効率が悪化する、という問題があった。
In the technique of
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、有効電力と無効電力とを制御して単相モータを駆動するモータ駆動装置を得ることを目的とする。 The present invention has been made in view of the above, and an object of the present invention is to obtain a motor drive device for driving a single-phase motor by controlling active power and reactive power.
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係るモータ駆動装置は、単相モータに交流電圧を出力するインバータと、インバータが出力する交流電圧を制御する制御部と、単相モータに流れる電流を検出する電流検出部と、を備える。制御部は、交流電圧の極性の変化を基点とした位相による正弦波と電流検出部で検出された電流との積によって算出される物理量に応じて単相モータの回転速度を制御する。 In order to solve the above-mentioned problems and achieve the object, the motor drive device according to the present invention includes an inverter that outputs an AC voltage to a single-phase motor, a control unit that controls the AC voltage output by the inverter, and a single-phase motor. It is provided with a current detection unit that detects the current flowing through the motor. The control unit controls the rotation speed of the single-phase motor according to the physical quantity calculated by the product of the sine wave based on the phase based on the change in the polarity of the AC voltage and the current detected by the current detection unit.
本発明に係るモータ駆動装置は、有効電力と無効電力とを制御して単相モータを駆動することができる、という効果を奏する。 The motor drive device according to the present invention has the effect of being able to drive a single-phase motor by controlling active power and reactive power.
以下に、本発明の実施の形態に係るモータ駆動装置、電動送風機、電気掃除機及びハンドドライヤを図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。また、以下では、電気的な接続と物理的な接続とを区別せずに、単に「接続」と称して説明する。 Hereinafter, the motor drive device, the electric blower, the vacuum cleaner, and the hand dryer according to the embodiment of the present invention will be described in detail with reference to the drawings. The present invention is not limited to this embodiment. Further, in the following, the description will be simply referred to as "connection" without distinguishing between an electrical connection and a physical connection.
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係るモータ駆動装置2を含むモータ駆動システム1の構成例を示す図である。図1に示すモータ駆動システム1は、単相モータ12と、モータ駆動装置2と、バッテリ10と、電圧センサ20と、位置センサ21と、スイッチ102と、を備える。
FIG. 1 is a diagram showing a configuration example of a
モータ駆動装置2は、単相モータ12に交流電力を供給して単相モータ12を駆動する。バッテリ10は、モータ駆動装置2に直流電力を供給する直流電源である。電圧センサ20は、バッテリ10からモータ駆動装置2に出力される直流電圧Vdcを検出する。位置センサ21は、単相モータ12に内蔵されるロータ12aの回転位置であるロータ回転位置を検出する。The
単相モータ12は、不図示の電動送風機を回転させる回転電機として利用される。単相モータ12及び当該電動送風機は、電気掃除機及びハンドドライヤといった装置に搭載される。
The single-
なお、本実施の形態では、電圧センサ20が直流電圧Vdcを検出しているが、電圧センサ20の検出対象は、バッテリ10から出力される直流電圧Vdcに限定されない。電圧センサ20の検出対象は、モータ駆動装置2の出力電圧であるインバータ出力電圧でもよい。「インバータ出力電圧」は後述する「モータ印加電圧」と同義である。In the present embodiment, the
モータ駆動装置2は、インバータ11と、制御部25と、駆動信号生成部32とを備える。インバータ11は、単相モータ12に接続され、単相モータ12に交流電圧を出力する。なお、バッテリ10とインバータ11の間には不図示のコンデンサを電圧安定のために挿入してもよい。制御部25は、インバータ11が出力する交流電圧を制御する。
The
また、モータ駆動装置2は、単相モータ12に流れる電流、すなわちモータ電流を検出するための電流検出部22を備える。電流検出部22については、単相モータ12に流れる電流が検出できればどこに配置してもよい。モータ駆動装置2では、電流検出部22を、単相モータ12の配線に直列に配置してもよいし、インバータ11のスイッチング素子に対して直列に配置してもよいし、インバータ11の電源線またはグランド線に配置してもよい。また、電流検出部22における電流の検出方法について、抵抗値が既知な抵抗器を挿入し電圧値を検出することでオームの法則より電流値を算出する方法、トランスによる検出方法、ホール効果を用いた検出方法などが挙げられるが、どの方法を用いても電流が検出できればよい。本実施の形態では、単相モータ12の配線に直列にトランスの電流センサを挿入する方法を記載する。また、インバータ11は、単相インバータを想定しているが、単相モータ12を駆動できるものであればよい。
Further, the
制御部25には、電圧センサ20により検出された直流電圧Vdc、電流検出部22により検出された電流Im、保護信号、位置センサ21から出力された回転位置検出信号である位置センサ信号21a及びスイッチ102から出力された指令値が入力される。指令値は、トルクに起因する有効電流指令値Ip*、回転速度指令値ω*などが挙げられる。制御部25は、直流電圧Vdcと、位置センサ信号21aと、指令値とに基づいて、PWM(Pulse Width Modulation)信号Q1,Q2,Q3,Q4を生成する。The
スイッチ102は、例えば、物理スイッチであり、電気掃除機などに用いられる手元の強運転、弱運転の切り替えスイッチなどである。スイッチ102の形状は、押しボタン式、トグル式など様々な種類が存在するが、使用者の要求を制御部25に伝えられる形状であればどれでもよい。また、スイッチ102は、物理スイッチに限らず、使用時間、状態に合わせて指令値を自動で切り替える構成の場合には、ソフトウェア上の処理であっても構わない。
The
駆動信号生成部32は、制御部25から出力されたPWM信号Q1,Q2,Q3,Q4に基づいて、インバータ11のスイッチング素子を駆動するための駆動信号S1,S2,S3,S4を生成する。位置センサ信号21aは、ロータ12aで発生する磁束の方向に応じて変化する二値のディジタル信号である。なお、モータ駆動システム1では、単相モータ12の電流値などを用いて制御部25がロータ12aの位置を推定し、位置センサレスで駆動する場合には、位置センサ21及び位置センサ信号21aは不要としてもよい。
The drive signal generation unit 32 generates drive signals S1, S2, S3, S4 for driving the switching element of the
駆動信号生成部32は、制御部25から出力されたPWM信号Q1,Q2,Q3,Q4を、インバータ11を駆動するための駆動信号S1,S2,S3,S4に変換して、インバータ11に出力する。なお、駆動信号生成部32については、インバータ11に内蔵される構造であってもよいし、制御部25と一体になっている構造であってもよいし、図1では一例として示している。
The drive signal generation unit 32 converts the PWM signals Q1, Q2, Q3, Q4 output from the
単相モータ12の一例は、ブラシレスモータである。単相モータ12がブラシレスモータである場合、単相モータ12のロータ12aには、図示しない複数個の永久磁石が周方向に配列される。これらの複数個の永久磁石は、着磁方向が周方向に交互に反転するように配置され、ロータ12aの複数個の磁極を形成する。単相モータ12のステータ12bには図示しない巻線が巻かれている。当該巻線には交流電流が流れる。単相モータ12の巻線に流れる電流を適宜「モータ電流」と呼ぶ。本実施の形態では、ロータ12aの磁極数は4極を想定するが、ロータ12aの磁極数は4極以外でもよい。
An example of the single-
図2は、図1に示されるインバータ11の回路構成の例を示す図である。インバータ11は、ブリッジ接続された複数のスイッチング素子51,52,53,54を有する。スイッチング素子51,52は第1レグ5Aを構成する。第1レグ5Aにおいて、スイッチング素子51とスイッチング素子52とは直列に接続される。スイッチング素子53,54は第2レグ5Bを構成する。第2レグ5Bにおいて、スイッチング素子53とスイッチング素子54とは直列に接続される。
FIG. 2 is a diagram showing an example of the circuit configuration of the
スイッチング素子51,53は、高電位側に位置し、スイッチング素子52,54は、低電位側に位置する。インバータ回路では、一般的に、高電位側は「上アーム」と称され、低電位側は「下アーム」と称される。以下の説明において、第1レグ5Aのスイッチング素子51を「上アーム第1素子」と呼び、第2レグ5Bのスイッチング素子53を「上アーム第2素子」と呼ぶ場合がある。また、第1レグ5Aのスイッチング素子52を「下アーム第1素子」と呼び、第2レグ5Bのスイッチング素子54を「下アーム第2素子」と呼ぶ場合がある。
The switching
スイッチング素子51とスイッチング素子52との接続点6Aと、スイッチング素子53とスイッチング素子54との接続点6Bとは、ブリッジ回路における交流端を構成する。接続点6Aと接続点6Bとの間には、単相モータ12と、単相モータ12に流れる電流を検出するための電流検出部22とが接続される。前述のように、電流検出部22は単相モータ12に流れる電流が検出できればどこに挿入してもよく、電流検出部22における電流の検出方法も限定されない。
The
複数のスイッチング素子51,52,53,54のそれぞれには、金属酸化膜半導体電界効果型トランジスタであるMOSFET(Metal−Oxide−Semiconductor Field−Effect Transistor)が使用される。MOSFETは、FET(Field−Effect Transistor)の一例である。
For each of the plurality of switching
スイッチング素子51には、スイッチング素子51のドレインとソースとの間に並列接続されるボディダイオード51aが形成される。スイッチング素子52には、スイッチング素子52のドレインとソースとの間に並列接続されるボディダイオード52aが形成される。スイッチング素子53には、スイッチング素子53のドレインとソースとの間に並列接続されるボディダイオード53aが形成される。スイッチング素子54には、スイッチング素子54のドレインとソースとの間に並列接続されるボディダイオード54aが形成される。複数のボディダイオード51a,52a,53a,54aのそれぞれは、MOSFETの内部に形成される寄生ダイオードであり、還流ダイオードとして使用される。なお、別途還流ダイオードを接続してもよく、MOSFETに代えてIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)を用いてもよい。
The switching
複数のスイッチング素子51,52,53,54は、シリコン系材料により形成されたMOSFETに限定されず、炭化珪素、窒化ガリウム系材料、またはダイヤモンドといったワイドバンドギャップ半導体により形成されたMOSFETでもよい。複数のスイッチング素子51,52,53,54のうちの少なくとも1つがワイドバンドギャップ半導体で形成されてもよい。
The plurality of switching
一般的に、ワイドバンドギャップ半導体は、シリコン半導体に比べて耐電圧及び耐熱性が高い。そのため、複数のスイッチング素子51,52,53,54にワイドバンドギャップ半導体を用いることにより、スイッチング素子の耐電圧性及び許容電流密度が高くなり、スイッチング素子を組み込んだ半導体モジュールを小型化できる。また、ワイドバンドギャップ半導体は、耐熱性も高いため、半導体モジュールで発生した熱を放熱するための放熱部の小型化が可能であり、また、半導体モジュールで発生した熱を放熱する放熱構造の簡素化が可能である。
In general, wide bandgap semiconductors have higher withstand voltage and heat resistance than silicon semiconductors. Therefore, by using the wide bandgap semiconductors for the plurality of switching
図3は、図1に示される制御部25の機能部位のうちのPWM信号Q1,Q2,Q3,Q4を生成する機能部位を示すブロック図である。図3において、キャリア比較部38には、後述する電圧指令Vrefを生成するときに用いられる電圧位相θvが入力される。また、キャリア比較部38には、キャリア生成部33で生成されたキャリアと、直流電圧Vdcと、電圧指令Vrefの振幅値である電圧指令V*とが入力される。キャリア比較部38は、キャリア、電圧位相θv、直流電圧Vdc及び電圧指令V*に基づいて、PWM信号Q1,Q2,Q3,Q4を生成する。FIG. 3 is a block diagram showing a functional part that generates PWM signals Q1, Q2, Q3, and Q4 among the functional parts of the
図4は、図3に示されるキャリア比較部38の構成例を示すブロック図である。図4には、キャリア比較部38の一例であるキャリア比較部38A及びキャリア生成部33の詳細構成が示されている。図4において、キャリア生成部33には、キャリアの周波数であるキャリア周波数fC[Hz]が設定される。キャリア周波数fC[Hz]の矢印の先には、キャリア波形の一例として、“0”と“1”との間を上下する三角波キャリアが示される。インバータ11のPWM制御には、同期PWM制御と非同期PWM制御とがある。同期PWM制御の場合、電圧位相θvにキャリアを同期させる必要がある。一方、非同期PWM制御の場合、電圧位相θvにキャリアを同期させる必要はない。FIG. 4 is a block diagram showing a configuration example of the
キャリア比較部38Aは、図4に示されるように、絶対値演算部38a、除算部38b、乗算部38c、乗算部38d、乗算部38f、加算部38e、比較部38g、比較部38h、出力反転部38i及び出力反転部38jを有する。
As shown in FIG. 4, the
絶対値演算部38aは、電圧指令V*の絶対値|V*|を演算する。除算部38bは、絶対値|V*|を、電圧センサ20で検出された直流電圧Vdcによって除算する。図4に示す構成では、除算部38bの出力が変調率となる。バッテリ10の出力電圧であるバッテリ電圧は、電流を流し続けることにより変動する。そのため、キャリア比較部38Aでは、絶対値|V*|を直流電圧Vdcで除算することによって、変調率の値を調整し、バッテリ電圧の低下によってモータ印加電圧が低下しないようにできる。The absolute
乗算部38cは、電圧位相θvの正弦値を演算する。乗算部38cは、電圧位相θvの正弦値を、除算部38bの出力である変調率に乗算する。乗算部38dは、乗算部38cの出力である電圧指令Vrefに“1/2”を乗算する。加算部38eは、乗算部38dの出力に“1/2”を加算する。乗算部38fは、加算部38eの出力に“−1”を乗算する。加算部38eの出力は、複数のスイッチング素子51,52,53,54のうち、上アームの2つのスイッチング素子51,53を駆動するための正側電圧指令Vref1として比較部38gに入力される。乗算部38fの出力は、下アームの2つのスイッチング素子52,54を駆動するための負側電圧指令Vref2として比較部38hに入力される。The
比較部38gは、正側電圧指令Vref1と、キャリアの振幅とを比較する。比較部38gの出力を反転した出力反転部38iの出力は、スイッチング素子51へのPWM信号Q1となり、比較部38gの出力は、スイッチング素子52へのPWM信号Q2となる。同様に、比較部38hは、負側電圧指令Vref2と、キャリアの振幅とを比較する。比較部38hの出力を反転した出力反転部38jの出力は、スイッチング素子53へのPWM信号Q3となり、比較部38hの出力は、スイッチング素子54へのPWM信号Q4となる。出力反転部38iにより、スイッチング素子51とスイッチング素子52とが同時にオンされることはない。出力反転部38jにより、スイッチング素子53とスイッチング素子54とが同時にオンされることはない。The
図5は、図4に示されるキャリア比較部38Aにおける要部の波形例を示すタイムチャートである。図5には、加算部38eから出力される正側電圧指令Vref1の波形と、乗算部38fから出力される負側電圧指令Vref2の波形と、PWM信号Q1,Q2,Q3,Q4の波形と、インバータ出力電圧の波形とが示されている。FIG. 5 is a time chart showing a waveform example of a main part in the
PWM信号Q1は、正側電圧指令Vref1がキャリアよりも大きいときに“ロー(Low)”となり、正側電圧指令Vref1がキャリアよりも小さいときに“ハイ(High)”となる。PWM信号Q2は、PWM信号Q1の反転信号である。PWM信号Q3は、負側電圧指令Vref2がキャリアよりも大きいときに“ロー(Low)”となり、負側電圧指令Vref2がキャリアよりも小さいときに“ハイ(High)”となる。PWM信号Q4は、PWM信号Q3の反転信号である。このように、図4に示される回路は、“ローアクティブ(Low Active)”で構成されているが、それぞれの信号が逆の値となる“ハイアクティブ(High Active)”で構成されていてもよい。PWM signal Q1 is "high (High)" when "low (Low)" next when the positive voltage command V ref1 is greater than the carrier, the positive voltage command V ref1 is smaller than the carrier. The PWM signal Q2 is an inverted signal of the PWM signal Q1. PWM signal Q3 is "high (High)" when "low (Low)" becomes when negative voltage instruction V ref2 is larger than the carrier, the negative-side voltage instruction V ref2 smaller than the carrier. The PWM signal Q4 is an inverted signal of the PWM signal Q3. As described above, the circuit shown in FIG. 4 is configured with "Low Active", but even if each signal is configured with "High Active" having opposite values. good.
インバータ出力電圧の波形は、図5に示されるように、PWM信号Q1とPWM信号Q4との差電圧による電圧パルスと、PWM信号Q3とPWM信号Q2との差電圧による電圧パルスとが表れる。これらの電圧パルスが、モータ印加電圧として、インバータ11から単相モータ12に印加される。
As shown in FIG. 5, the waveform of the inverter output voltage shows a voltage pulse due to the difference voltage between the PWM signal Q1 and the PWM signal Q4 and a voltage pulse due to the difference voltage between the PWM signal Q3 and the PWM signal Q2. These voltage pulses are applied from the
キャリア比較部38AがPWM信号Q1,Q2,Q3,Q4を生成する際に使用する変調方式としては、バイポーラ変調と、ユニポーラ変調とが知られている。バイポーラ変調は、電圧指令Vrefの1周期ごとに正または負の電位で変化する電圧パルスを出力する変調方式である。ユニポーラ変調は、電圧指令Vrefの1周期ごとに3つの電位で変化する電圧パルス、すなわち正の電位と負の電位と零の電位とに変化する電圧パルスを出力する変調方式である。図5に示される波形は、ユニポーラ変調によるものである。本実施の形態のモータ駆動装置2においては、何れの変調方式を用いてもよい。なお、モータ電流波形をより正弦波に制御する必要がある用途では、バイポーラ変調よりも、高調波含有率が少ないユニポーラ変調を採用することが好ましい。Bipolar modulation and unipolar modulation are known as modulation methods used by the
また、図5に示される波形は、電圧指令Vrefの半周期T/2の区間において、第1レグ5Aを構成するスイッチング素子51,52と、第2レグ5Bを構成するスイッチング素子53,54の4つのスイッチング素子をスイッチング動作させる方式によって得られる。この方式は、正側電圧指令Vref1と負側電圧指令Vref2の双方でスイッチング動作させることから、「両側PWM」と呼ばれる。これに対し、電圧指令Vrefの1周期Tのうちの一方の半周期では、スイッチング素子51,52のスイッチング動作を休止させ、電圧指令Vrefの1周期Tのうちの他方の半周期では、スイッチング素子53,54のスイッチング動作を休止させる方式もある。この方式は、「片側PWM」と呼ばれる。以下、「片側PWM」について説明する。Further, the waveform shown in FIG. 5 shows the switching
図6は、図3に示されるキャリア比較部38の他の構成例を示すブロック図である。図6には、上述した「片側PWM」によるPWM信号の生成回路の一例が示され、具体的には、キャリア比較部38の一例であるキャリア比較部38B及びキャリア生成部33の詳細構成が示されている。なお、図6に示されるキャリア生成部33の構成は、図4に示されるものと同一または同等である。また、図6に示されるキャリア比較部38Bの構成において、図4に示されるキャリア比較部38Aと同一または同等の構成部には同一の符号を付して示している。
FIG. 6 is a block diagram showing another configuration example of the
キャリア比較部38Bは、図6に示されるように、絶対値演算部38a、除算部38b、乗算部38c、乗算部38k、加算部38m、加算部38n、比較部38g、比較部38h、出力反転部38i及び出力反転部38jを有する。
As shown in FIG. 6, the
絶対値演算部38aは、電圧指令V*の絶対値|V*|を演算する。除算部38bは、絶対値|V*|を、電圧センサ20で検出された直流電圧Vdcによって除算する。図6の構成でも、除算部38bの出力が変調率となる。The absolute
乗算部38cは、電圧位相θvの正弦値を演算する。乗算部38cは、電圧位相θvの正弦値を、除算部38bの出力である変調率に乗算する。乗算部38kは、乗算部38cの出力である電圧指令Vrefに“−1”を乗算する。加算部38mは、乗算部38cの出力である電圧指令Vrefに“1”を加算する。加算部38nは、乗算部38kの出力、即ち電圧指令Vrefの反転出力に“1”を加算する。加算部38mの出力は、複数のスイッチング素子51,52,53,54のうち、上アームの2つのスイッチング素子51,53を駆動するための第1電圧指令Vref3として比較部38gに入力される。加算部38nの出力は、下アームの2つのスイッチング素子52,54を駆動するための第2電圧指令Vref4として比較部38hに入力される。The
比較部38gは、第1電圧指令Vref3と、キャリアの振幅とを比較する。比較部38gの出力を反転した出力反転部38iの出力は、スイッチング素子51へのPWM信号Q1となり、比較部38gの出力は、スイッチング素子52へのPWM信号Q2となる。同様に、比較部38hは、第2電圧指令Vref4と、キャリアの振幅とを比較する。比較部38hの出力を反転した出力反転部38jの出力は、スイッチング素子53へのPWM信号Q3となり、比較部38hの出力は、スイッチング素子54へのPWM信号Q4となる。出力反転部38iにより、スイッチング素子51とスイッチング素子52とが同時にオンされることはない。出力反転部38jにより、スイッチング素子53とスイッチング素子54とが同時にオンされることはない。The
図7は、図6に示されるキャリア比較部38Bにおける要部の波形例を示すタイムチャートである。図7には、加算部38mから出力される第1電圧指令Vref3の波形と、加算部38nから出力される第2電圧指令Vref4の波形と、PWM信号Q1,Q2,Q3,Q4の波形と、モータ印加電圧の波形とが示されている。なお、図7では、便宜的に、キャリアのピーク値よりも振幅値が大きくなる第1電圧指令Vref3の波形部分と、キャリアのピーク値よりも振幅値が大きくなる第2電圧指令Vref4の波形部分は、フラットな直線で表されている。FIG. 7 is a time chart showing a waveform example of a main part in the
PWM信号Q1は、第1電圧指令Vref3がキャリアよりも大きいときに“ロー(Low)”となり、第1電圧指令Vref3がキャリアよりも小さいときに“ハイ(High)”となる。PWM信号Q2は、PWM信号Q1の反転信号である。PWM信号Q3は、第2電圧指令Vref4がキャリアよりも大きいときに“ロー(Low)”となり、第2電圧指令Vref4がキャリアよりも小さいときに“ハイ(High)”となる。PWM信号Q4は、PWM信号Q3の反転信号である。このように、図6に示される回路は、“ローアクティブ(Low Active)”で構成されているが、それぞれの信号が逆の値となる“ハイアクティブ(High Active)”で構成されていてもよい。PWM signal Q1 is "low (Low)" next when the first voltage command V ref3 is larger than the carrier, the first voltage command V ref3 is "high (High)" when less than the carrier. The PWM signal Q2 is an inverted signal of the PWM signal Q1. PWM signal Q3, the second voltage command V ref4 is "high (High)" when "low (Low)" becomes when larger than the carrier, the second voltage command V ref4 smaller than the carrier. The PWM signal Q4 is an inverted signal of the PWM signal Q3. As described above, the circuit shown in FIG. 6 is configured with "Low Active", but even if each signal is configured with "High Active" having opposite values. good.
インバータ出力電圧の波形は、図7に示されるように、PWM信号Q1とPWM信号Q4との差電圧による電圧パルスと、PWM信号Q3とPWM信号Q2との差電圧による電圧パルスとが表れる。これらの電圧パルスが、モータ印加電圧として、インバータ11から単相モータ12に印加される。
As shown in FIG. 7, the waveform of the inverter output voltage shows a voltage pulse due to the difference voltage between the PWM signal Q1 and the PWM signal Q4 and a voltage pulse due to the difference voltage between the PWM signal Q3 and the PWM signal Q2. These voltage pulses are applied from the
図7に示される波形では、電圧指令Vrefの1周期Tのうちの一方の半周期では、スイッチング素子51,52のスイッチング動作が休止し、電圧指令Vrefの1周期Tのうちの他方の半周期では、スイッチング素子53,54のスイッチング動作が休止している。In the waveforms shown in FIG. 7, in one half cycle of one cycle T of the voltage command V ref, the switching operation of the switching
また、図7に示されるように、インバータ出力電圧の波形は、電圧指令Vrefの1周期ごとに3つの電位で変化するユニポーラ変調となる。前述の通り、ユニポーラ変調に代えてバイポーラ変調を用いてもよいが、モータ電流波形をより正弦波に制御する必要がある用途では、ユニポーラ変調を採用することが好ましい。Further, as shown in FIG. 7, the waveform of the inverter output voltage is unipolar modulation that changes at three potentials in each cycle of the voltage command V ref. As described above, bipolar modulation may be used instead of unipolar modulation, but in applications where it is necessary to control the motor current waveform to a more sinusoidal wave, it is preferable to adopt unipolar modulation.
キャリア生成部33は、これらPWM信号Q1,Q2,Q3,Q4の生成に使用されるキャリアとして、所望の周波数fcから山と谷の三角波を生成している。周波数fcは単相モータ12の回転速度に合わせて可変であり、キャリア生成部33は、単相モータ12の回転速度が高くなるほど、キャリアの周波数fcも高くする。キャリア生成部33では、単相モータ12の回転速度に対して2倍以上の周波数fcでキャリアを生成することが望ましい。なお、キャリア生成部33は、生成するキャリアは三角波でなく、鋸波などでも構わない。
The
図8は、実施の形態1に係るインバータ11から単相モータ12に印加される電圧Vm及び単相モータ12に流れる電流Imの位相差を回転座標上に示す図である。電圧Vm及び電流Imは、それぞれ交流であるため下記の式(1)及び式(2)で表すことができる。Figure 8 is a diagram showing the phase difference of the current I m flowing through the voltage V m and the single-
Vm=Vm_ampsinθv …(1)
Im=Im_ampsin(θv+α) …(2)V m = V m_amp sinθ v ... (1)
I m = I m_amp sin (θ v + α) ... (2)
ここで、Vm_ampは電圧波形振幅であり、Im_ampは電流波形振幅である。また、θvは電圧位相、すなわちθv=ωetであり、ωeは電気角速度、すなわちωe=2πfeであり、feは電気角周波数である。また、αは電圧Vmに対する電流Imの電流位相差である。電圧位相θvは、ある電気角周波数feで0〜360度で回転する位相である。電圧位相θvは、単相モータ12に印加される電圧Vmすなわち交流電圧の極性の変化を基点とした位相である。電流位相差αは電圧波形に対する電流波形の遅れを表しており、定常状態において定数である。電流Imに電圧Vmと同位相のsinθv及びcosθvを乗算すると以下の式(3)及び式(4)が得られる。式(3)は、交流電圧の極性の変化を基点とした位相による正弦波と、電流検出部22で検出された電流Imとの積によって算出される物理量である。また、式(4)は、交流電圧の極性の変化を基点とした位相による余弦波と、電流検出部22で検出された電流Imとの積によって算出される物理量である。Here, V m_amp is the voltage waveform amplitude, and Im_amp is the current waveform amplitude. Further, theta v is the voltage phase, i.e. θ v = ω e t, ω e is the electrical angular velocity, i.e. ω e = 2πf e, f e is the electrical angular frequency. Moreover, alpha is a current phase difference of the current I m with respect to the voltage V m. The voltage phase θ v is a phase that rotates at a certain electric angular frequency fe from 0 to 360 degrees. The voltage phase θ v is a phase based on a change in the polarity of the voltage V m, that is, the AC voltage applied to the single-
式(3)及び式(4)より、第二項及び第三項は2θvの周波数成分を含んでいることが確認できる。また、第一項はcosαまたはsinαを含む定数であり、周波数成分を含まない直流成分となる。αは電圧Vmに対する電流Imの遅れ成分であるため、cosαは力率を表している。一般的に、モータの回転に寄与する有効電流及び無効電流は、下記の式(5)及び式(6)で示される。From equation (3) and (4), the second term and the third term can be confirmed to contain the frequency component of the 2 [Theta] v. Further, the first term is a constant including cosα or sinα, and is a DC component not including a frequency component. α is because it is delayed component of the current I m with respect to the voltage V m, cos [alpha] represents the power factor. Generally, the active current and reactive current that contribute to the rotation of the motor are represented by the following equations (5) and (6).
有効電流Ip=Im_rmscosα …(5)
無効電流Iq=Im_rmssinα …(6)Active current I p = I m_rms cos α… (5)
Reactive current I q = I m_rms sin α… (6)
ここで、Im_rmsは電流波形の実効値、すなわちIm_rms=Im_amp/(√2)である。なお、√2は2の平方根を示す。式(5)及び式(6)より、式(3)の第一項は単相モータ12に流れる電流Imの有効電流の1/√2倍であり、式(4)の第一項は単相モータ12に流れる電流Imの無効電流の1/√2倍であることを表している。そのため、制御部25は、式(3)及び(4)の算出結果から、ローパスフィルタなどの信号処理によって基本波の2倍の周波数2θvの成分を取り除き、√2倍した値を有効電流Ip及び無効電流Iqとして扱う。電圧位相θvは電圧Vmの位相であるため既知である。制御部25は、電流Imを電流センサ、シャント抵抗などの電流検出部22から取得、またはオブザーバ器などで推定することで式(3)及び式(4)を算出する。Here, Im_rms is an effective value of the current waveform, that is, Im_rms = Im_amp / (√2). Note that √2 indicates the square root of 2. The equation (5) and (6), the first term of equation (3) is 1 / √2 times the effective current of the current I m flowing through the single-
前述のローパスフィルタは、式(3)及び式(4)から基本波の2倍の周波数を低減でき、直流成分が抽出できれば、フィルタの形態、係数などに制限はない。単相モータ12の回転速度が増加すると低減したい周波数も高くなるため、単相モータ12の回転速度に対して低減する帯域が可変となるローパスフィルタを設計する。可能であれば、ローパスフィルタから出力される信号の遅れが少なく、直流成分以外の帯域を可能な限り減衰できるローパスフィルタが理想である。
The above-mentioned low-pass filter can reduce the frequency twice that of the fundamental wave from the equations (3) and (4), and as long as the DC component can be extracted, there are no restrictions on the form and coefficient of the filter. Since the frequency to be reduced increases as the rotation speed of the single-
有効電流Ip及び無効電流Iqを算出する方法は、上記に限らない。制御部25は、例えば、検出された電流に対して90度位相差のある仮想的な電流を算出する。制御部25は、検出された電流と仮想的な電流とを足し合わせた波形に、前述と同様に電圧位相波形sinθvを積算して、定数として有効電流Ipを算出することができる。制御部25において、仮想的な電流を算出する方法として、電流Imの微分結果または積分結果を使用する方法がある。交流の微分は交流位相を90度進ませ、交流の積分は交流位相を90度遅らせるため、制御部25は、下記の式(7)のように係数を調整することで、同じ振幅で90度位相差のある仮想電流を算出できる。前述のように、θv=ωetであり、電圧位相θvは時間tによって変化する変数である。The method for calculating the active current I p and the reactive current I q is not limited to the above. The
すなわち、制御部25は、電流検出部22で検出された電流Imである第1の電流から第1の電流と位相差のある第2の電流を算出し、第1の電流及び第2の電流を用いて単相モータ12の回転速度を制御する。制御部25は、この他にも、検出された電流Imを周期毎に保存し、次の周期で保存した波形から90度位相差をもたせた波形を算出してもよい。また、モータ駆動装置2では、単相モータ12に物理的に90度の位相差を持つ補助巻線を追加することで、電流検出部22において位相差をもつ電流を検出することが可能である。図9は、実施の形態1に係る単相モータ12に補助巻線101を追加した状態を示す図である。図9は、単相モータ12において、主巻線100に対して、90度の位相差をもつ補助巻線101を追加した状態を示している。この場合、電流検出部22は、電流Imである第1の電流及び第1の電流に対して位相差のある第2の電流を検出する。制御部25は、第1の電流及び第2の電流を用いて単相モータ12の回転速度を制御する。That is, the
式(5)及び式(6)からも分かるように、α=0すなわち力率cosαが大きいと有効電流Ipが大きくなり、無効電流Iqが小さくなる。これは、電流Imが電圧Vmの位相に対して遅れが0となる状態であり、遅れが大きくなるほど無効電流Iqの割合が増えることが式(5)及び式(6)、さらに図10から図12によって確認できる。図10は、実施の形態1に係るモータ駆動装置2において電流位相差0度のときの電圧Vm、電流Im、有効電流Ip及び無効電流Iqを示す図である。図11は、実施の形態1に係るモータ駆動装置2において電流位相差30度のときの電圧Vm、電流Im、有効電流Ip及び無効電流Iqを示す図である。図12は、実施の形態1に係るモータ駆動装置2において電流位相差60度のときの電圧Vm、電流Im、有効電流Ip及び無効電流Iqを示す図である。図10から図12に示すように、電流位相差αが大きくなるほど、有効電流Ipが小さくなる。As can be seen from the equations (5) and (6), when α = 0, that is, when the power factor cos α is large, the active current I p becomes large and the reactive current I q becomes small. This is a state where the current I m is delayed 0 to the phase of the voltage V m, it is an expression that delay increases the proportion of reactive current I q as the larger (5) and (6), further drawing It can be confirmed from 10 to FIG. FIG. 10 is a diagram showing a voltage V m , a current Im , an active current I p, and a reactive current I q when the current phase difference is 0 degrees in the
式(3)より求めた有効電流Ipに、電圧Vmの実効値Vm_rms=Vm_amp/√2を乗算することで、有効電力Pが算出される。下記の式(8)は、有効電力を意味する式であり、一般的に示されている。The active power P is calculated by multiplying the active current I p obtained from the equation (3) by the effective value V m_rms = V m_amp / √2 of the voltage V m. The following equation (8) is an equation meaning active power and is generally shown.
有効電力P=Vm_rmsIm_rmscosα=(Vm_amp/√2)(Im_amp/√2)cosα …(8)Active power P = V m_rms I m_rms cosα = (V m_amp / √2) (I m_amp / √2) cosα… (8)
インバータ11と単相モータ12との間の寄生インピーダンスが小さく、制御上で影響を及ぼさないと仮定した場合、式(8)で算出した有効電力Pと、単相モータ12の内部で実施されるモータ仕事Wは等しくなる。簡略化のために銅損、鉄損及び機械損は微小な値として省略する。
Assuming that the parasitic impedance between the
有効電力P=モータ仕事W+銅損+鉄損+機械損≒emIm+RmIm 2 …(9)Active power P = motor power W + copper loss + iron loss + mechanical loss ≒ e m I m + R m I m 2 ... (9)
ここで、emはモータ誘起電圧em=Pnωmφfsinωmtであり、Pnは極対数であり、ωmは回転速度であり、φfは鎖交磁束であり、Rmは単相モータ12の内部抵抗である。式(8)より、有効電力Pを増加させることで、単相モータ12での仕事emImを増加させることが可能である。このとき、電流Imの増加は単相モータ12のトルクの増加を意味し、モータ誘起電圧emの増加は単相モータ12の回転速度ωmの増加を意味している。この有効電力P及び無効電力の増減を実現する制御をPQ制御と定義する。Here, e m is the motor induced voltage e m = P n ω m φ f sinω m t, P n is the number of pole pairs, omega m is the rotation speed, phi f is the flux linkage, R m is the internal resistance of the single-
算出した有効電流Ip及び無効電流Iqを用いてPQ制御を実現する制御部25の具体的な構成について説明する。図13は、実施の形態1に係る制御部25の第1の構成例を示す図である。また、図14は、実施の形態1に係る制御部25の第2の構成例を示す図である。A specific configuration of the
図13は、速度制御を目的とした構成であり、制御部25に入力される指令値は回転速度指令値ω*である。図13において、演算器45は、所望の回転速度を実現するのに必要な有効電流指令値Ip *を算出する。検出電流信号処理部44は、電流検出部22で検出された電流Imに対して信号処理、例えば、アナログ信号からディジタル信号に変換する。制御部25は、信号処理後の電流Imに対してsinθを乗算し、LPF(Low Pass Filter)でフィルタ処理を行って実際の有効電流Ipを算出する。また、減算器71は、演算器45で算出された有効電流指令値Ip *から、実際の有効電流Ipを減算し、差分をPI(Proportional Integral)制御器73に出力する。PI制御器73は、指令値である回転速度指令値ω*を実現するために必要な有効電圧Vp *を算出する。演算器46は、所望の回転速度を実現するのに必要な無効電流指令値Iq *を算出する。制御部25は、信号処理後の電流Imに対してcosθを乗算し、LPFでフィルタ処理を行って実際の無効電流Iqを算出する。減算器72は、演算器46で算出された無効電流指令値Iq *から、実際の無効電流Iqを減算し、差分をPI制御器74に出力する。PI制御器74は、指令値である回転速度指令値ω*を実現するために必要な無効電圧Vq *を算出する。FIG. 13 is a configuration for the purpose of speed control, and the command value input to the
図15は、実施の形態1に係るモータ駆動装置2における電圧指令V*、有効電圧Vp、無効電圧Vq及び位相θangleの関係を示す図である。逆PQ変換部42は、PI制御器73で算出された有効電圧Vpと、PI制御器74で算出された無効電圧Vqとを用いて逆PQ変換によって、図15に示すように、下記の式(10)〜(12)から電圧指令V*及び電圧位相θvを算出する。FIG. 15 is a diagram showing the relationship between the voltage command V * , the effective voltage V p , the invalid voltage V q, and the phase θ angle in the
V*=√(Vp 2+Vq 2) …(10)
θangle=tan−1(Vp/Vq) …(11)
θv=θe^+θangle+θlead …(12)V * = √ (V p 2 + V q 2 )… (10)
θ angle = tan -1 (V p / V q )… (11)
θ v = θ e ^ + θ angle + θ lead … (12)
ここで、θangleは所望の有効電圧Vp及び無効電圧Vqの位相であり、θe^は基準位相すなわちPn∫ω*dtであり、θleadは演算処理による遅れを補正する進角指令である。なお、「θe^」における「^」の表記は、本来であれば「θe」の文字の上部に「^」の記号を付すべきところであるが、その表記ができない。このため、本明細書では、イメージで挿入する式を除き、概要文字の後に「^」の文字を付して表記する。図13に示すように、制御部25では、信号処理後の電流Imに対してsinθまたはcosθを乗算する際に使用されるθe^を、回転速度指令値ω*を用いて算出することができる。制御部25において、キャリア比較部38は、算出された電圧指令V*及び電圧位相θvによる交流電圧V*sinθvを単相モータ12に印加するため、PWM信号Q1,Q2,Q3,Q4を生成し、インバータ11のスイッチング素子51,52,53,54を制御する。以上のことから、前述した電圧波形振幅Vm_ampと電圧指令V*とは等しくなる。Here, θ angle is the phase of the desired active voltage V p and invalid voltage V q , θ e ^ is the reference phase, that is, P n ∫ω * dt, and θ lead is the advance angle for correcting the delay due to arithmetic processing. It is a directive. The notation of "^" in "θ e ^" should be that the symbol of "^" should be added to the upper part of the character of "θ e", but that notation is not possible. Therefore, in the present specification, except for the formula to be inserted in the image, the character "^" is added after the summary character. As shown in FIG. 13, the
前述した基準位相θe^は、単相モータ12が脱調することなく目標の回転速度指令値ω*に追従していると仮定したとき、基準となる電圧位相である。制御部25では、電力を制御しない場合、キャリア比較部38が、基準位相θe^を基準とした電圧波形V*sinθe^からPWM信号Q1,Q2,Q3,Q4を生成し、インバータ11のスイッチング素子51,52,53,54を制御する。これに対して、制御部25は、θangleを基準位相θe^に足し合わせることで、有効電力P及び無効電力Qの割合を制御することが可能となっている。The above-mentioned reference phase θ e ^ is a reference voltage phase when it is assumed that the single-
前述した進角指令θleadは、制御部25の演算処理による遅れ分を補正する目的で電圧位相θvに挿入されている。制御部25は、実際の演算処理では、ある制御周期Tsごとに演算を行う。モータ駆動システム1では、図13で示される制御部25の各構成要素の演算処理で費やされた時間だけ単相モータ12が回転しているため、この分の遅れを補正する必要がある。例えば、制御部25は、制御周期Tsに対して演算処理及び次の構成要素への値の挿入を1回の演算で実現(Nstep×1)しているため、下記の式(13)から進角指令θleadを算出し、電圧位相θvを補正する。The advance angle command θ lead described above is inserted in the voltage phase θ v for the purpose of correcting the delay due to the arithmetic processing of the
θlead=Nstep×ω*×Ts …(13)θ lead = N step × ω * × T s … (13)
演算処理のステップ数Nstepは、PI制御器73,74の演算処理以外にもフィルタ、具体的には、図13で示されるLPFによる遅れ、検出された電流Imの処理など様々な遅れの要因が想定される。また、単相モータ12が高速回転になり制御周期Tsと回転周期の差が小さくなるほど演算処理による遅れの影響が大きくなる。本実施の形態では、上記の式(13)のような構成で補正しているが、補正方法について限定するためではない。このように、制御部25は、単相モータ12の回転速度に応じて制御周期Tsを変更し、交流電圧の極性の変化を基点とした位相に、演算の遅れを補正する進角指令値を加算する。Step number N step of arithmetic process, a filter other than the arithmetic processing of the
図14は、有効電流指令値Ip *を指令値としたトルク制御の構成となっており、回転速度ωは成り行きになる。制御部25は、トルクに寄与する有効電流Ipを制御することで、単相モータ12の回転を維持する。制御部25は、回転速度ωについては、速度推定器、位置センサなどを用いて取得する。図14では、速度推定器43が、電流Imから回転速度ωを推定する例を示しており、速度推定器43で推定された回転速度ωを回転速度ω^としている。図14に示すように、制御部25では、信号処理後の電流Imに対してsinθまたはcosθを乗算する際に使用されるθe^を、回転速度ω^を用いて算出することができる。図13の構成に対して制御対象が違うだけで、有効電流Ip及び無効電流Iqをそれぞれ制御する方式は同様である。FIG. 14 has a torque control configuration in which the effective current command value I p * is used as the command value, and the rotation speed ω is random. The
制御部25は、前述のように、式(3)及び式(4)の算出結果に対してフィルタを用いることで、基本波の2倍の周波数を取り除き、有効電流Ip及び無効電流Iqにあたる直流成分のみを抽出している。しかしながら、単相モータ12の回転速度が低いときには、この基本波の2倍の周波数を一般的なフィルタで完全に取り除くことができない。そのため、算出した有効電流Ip及び無効電流Iqが振動してしまう。PI制御器73,74は、この振動を取り除くために基本波に対して2倍の周波数で振動する電圧指令を出力する。その結果、PI制御器73,74が自ら有効電流Ip及び無効電流Iqを振動させてしまう。電流検出、フィルタなどによる遅れから有効電流Ip及び無効電流Iqの振動が正帰還でフィードバックされると、PI制御器73,74が発散してしまうおそれがある。そのため、制御周期Tsを遅らせることで発散を防ぐ。すなわち、制御部25は、交流電圧の極性の変化を基点とした位相による正弦波と電流検出部22で検出された電流との積によって算出される物理量の振動を検知した場合、制御周期Tsを遅くする。As described above, the
図16は、図13及び図14で示される制御周期決定部48の構成例を示す図である。図16に示すように、制御周期決定部48は、算出した有効電流Ip及び無効電流Iqの振幅を振幅検出部105で検出し、セレクタ108によって振幅の大きい値から制御周期Tsを決定する。この振幅と制御周期のテーブルは、予め実験などで制御が破綻しない制御周期Tsを求めておく。FIG. 16 is a diagram showing a configuration example of the control
ここで、有効電流Ip及び無効電流Iqを算出する式を再掲し、展開する。前述のように、ωeは電気角速度であり、feは電気角周波数である。Here, the formulas for calculating the active current I p and the reactive current I q are reprinted and expanded. As described above, ω e is the electric angular velocity and fe is the electric angular frequency.
Im×sinθv=Im×sin(ωet)=Im×sin(2πfet) …(14)
Im×cosθv=Im×cos(ωet)=Im×cos(2πfet) …(15) I m × sinθ v = I m × sin (ω e t) = I m × sin (2πf e t) ... (14)
I m × cosθ v = I m × cos (ω e t) = I m × cos (2πf e t) ... (15)
単相モータ12の回転数が上がると、印加する電圧指令V*の電気角周波数feも高くなる。図17に示すように、制御周期Tsが十分に速くないと、三角関数sin(2πfet)及びcos(2πfet)の波形が歪み、制御部25において、算出した有効電流Ip及び無効電流Iqの演算精度が劣化し、最悪の場合は制御破綻に陥るおそれがある。図17は、実施の形態1に係る制御部25の制御周期Ts及び三角関数sin(2πfet)の関係を示す図である。図17では、低速時の電気角周波数f1においては制御周期Ts1で十分な演算精度であったが、高速時の電気角周波数f2では制御周期Ts1が電気角周波数f2に比べて相対的に遅くなっているため、演算精度が悪くなる。そこで、制御部25は、制御周期Ts1よりも速い制御周期Ts2で演算を行うことで、演算精度を保っている。このように、制御部25は、単相モータ12の回転速度に合わせて制御周期Tsを速めることで、演算精度を確保する。As the rotation speed of the single-
具体的には、制御部25において、図16で示した制御周期決定部48が制御周期Tsを決定する。前述のように、低速回転時においては、有効電流Ip及び無効電流Iqの振動から制御周期Tsを遅くする必要があった。今回、高速回転時においては、回転速度の増加に合わせて制御周期Tsを速める必要がある。そのため、制御周期決定部48は、最後にセレクタ109を用いて、使用する制御周期Tsを決定する。セレクタ109は、制御周期Tsを決定するため、現在の回転速度、すなわち図13に示す回転速度指令値ω*または図14に示す回転速度ω^を参照する。セレクタ109は、低速時には振幅による制御周期算出部106の出力を選択し、高速時には回転速度による制御周期算出部107の出力を選択して、制御周期Tsとして使用する。Specifically, the
ここで、制御周期Tsを速めるには限界がある。特に5万rpmを越える高速回転時においては、制御周期Tsの荒さによる演算精度の劣化だけでなく、演算結果をモータ制御に反映させるまでに単相モータ12が回転してしまい、制御対象の状況が変わってしまう問題がある。このような問題に対して、制御部25は、前述のように、進角指令θleadを用いることで補正する。Here, there is a limit to increase the control period T s. During particularly high-speed rotation exceeding 50,000 rpm, the control period T s as well deterioration of the operational accuracy due roughness, operation result will be a single-
図18は、実施の形態1に係る制御部25の第3の構成例を示す図である。図18は、前述の仮想電流を用いたPQ制御を実現する制御部25の具体的な構成である。ここでは、制御対象を図13と同様に回転速度指令値ω*としているが、制御対象を図14に示すトルクに寄与する有効電流指令値Ip *としてもよい。制御対象を有効電流指令値Ip *とする場合、制御部25は、図14に示すように回転速度ω^を推定または検出する必要がある。制御部25は、90度位相差のある仮想電流Im_virtualを用いて有効電流Ipを求める。制御部25は、図13及び図14に示す構成と異なり、電流Imに対する微分処理を行う微分器47を追加している。また、制御部25は、微分後の電流Imに対してcosθを乗算する演算器、微分後の電流Imに対してsinθを乗算する演算器、sinθ乗算後の電流Imとcosθ乗算後の微分後の電流Imとを加算する加算器、及びcosθ乗算後の電流Imとsinθ乗算後の微分後の電流Imとを加算する加算器を追加している。制御部25は、下記の式(16)により算出した結果を係数調整のための√2で除算すると、式(5)と同等の結果を得る。なお、詳細な説明は省略するが、制御部25は、無効電流Iqについても同様の計算によって求めることができる。制御部25は、仮想電流を用いて算出する有効電流Ip及び無効電流Iqには基本波に対する2倍の周期の振動成分が含まれないため、LPFを用いないで算出することが可能である。FIG. 18 is a diagram showing a third configuration example of the
なお、図13、図14及び図18で使用されるPI制御器73,74は一例であり、指令値を実現するのに十分な制御器であればP(Proportional)制御器、PID(Proportional Integral Differential)制御器などでもよい。
The
図13及び図18の演算器45で使用される回転速度に対する有効電流指令値Ip *の関係、また、図13、図14及び図18の演算器46で使用される回転速度に対する無効電流指令値Iq *の関係については、予め実験によって必要な値を算出する、または、モータパラメータから必要な値を算出する方法などが挙げられる。一般的に、有効電流Ipが増えることはモータの仕事を増加させるため、制御対象のモータの回転数が何れでも増加させることが求められる。これに対して、一般的に、無効電流Iqはモータの仕事に直接寄与しないため、0になるように制御する必要がある。図19は、実施の形態1に係る制御部25において有効電力Pを一定値とした際に無効電流Iqを増減させた場合の効率の変化の例を示す図である。図19は、単相モータ12の回転数が既知である状態で、一定の有効電力Pを供給している状態を示している。時刻t1で無効電流Iqの指令値を0にする。無効電流Iqが減ったことで、モータ巻線に流れる電流が減少する。その結果、モータ駆動システム1では、図20に示すように、有効電力Pの一部を消費していたRmIm 2の割合が減り、emImにかかる有効電力Pの割合が増え、回転速度が上昇する。図20は、実施の形態1に係るモータ駆動装置2におけるモータ仕事Wと銅損との関係を示す図である。また、有効電力Pの略全てがモータ仕事Wとして消費されるため、モータ効率も上昇していることが図19より確認できる。 Relationship of effective current command value Ip * with respect to the rotation speed used in the
一般的に、モータの高速回転領域においては、回転速度に起因する誘起電圧が増加することで誘起電圧とインバータが印加する電圧との差が小さくなり、モータ巻線に電流が流せなくなるといった問題がある。また、印加する交流電圧の周波数が高くなることでモータ巻線のインダクタンス成分による電流の遅れが大きく、モータトルクが小さくなり回転速度を上げられないといった問題がある。これらの問題を解決するため、本実施の形態において、制御部25は、PQ制御として、回転に直接寄与しない無効電力を増加させることで電圧位相を進ませる。制御部25は、電圧位相を誘起電圧よりも進めることで、モータ巻線に電流が流せるようになる。また、制御部25は、遅れていた電流位相を補正することでモータトルクの減少を抑えることができる。そのため、図13、図14及び図18で示した演算器46の回転速度に対する無効電流指令値Iq *は、高速回転時において増加する。これは、モータを5万rpm以上の高速回転で動作させることが求められる電気掃除機、ハンドドライヤなどにおいて、特に効果を発揮する。Generally, in the high-speed rotation region of a motor, there is a problem that the difference between the induced voltage and the voltage applied by the inverter becomes small due to the increase in the induced voltage due to the rotation speed, and the current cannot flow through the motor winding. be. Further, since the frequency of the applied AC voltage becomes high, there is a problem that the current delay due to the inductance component of the motor winding is large, the motor torque becomes small, and the rotation speed cannot be increased. In order to solve these problems, in the present embodiment, the
ここで、トルクを指令値として電気掃除機のような羽を負荷とするモータを制御する場合、吸引口が塞がれることで密閉状態になることが考えられる。図21は、実施の形態1に係るモータ駆動装置2において密閉を検出したときの回転速度ω、有効電力P及び無効電力Qの変化の様子を示す図である。電気掃除機などでは、密閉中は羽の負荷が減少するため、あるトルク指令値を出し続けている場合、図21の時刻t1から時刻t2までのように回転速度ωが上昇する。このとき、制御部25は、単相モータ12の回転速度の上昇に合わせて無効電力指令を増加させることで、モータの脱調を回避する。制御部25は、図21の時刻t2に示すように、回転速度ωの回転速度が単相モータ12で保証されている最大回転速度に到達した場合、吸引口の密閉を検知する。最大回転速度を、第1の回転速度と称することがある。制御部25は、回転速度が規定された第1の回転速度に到達した場合、交流電圧の極性の変化を基点とした位相による正弦波と電流検出部22で検出された電流との積によって算出される物理量を低下させるように制御する。制御部25は、吸引口の密閉を検知すると、有効電力P及び無効電力Qの指令値を下げることで、回転速度ωを低下させる。なお、制御部25は、図21の例では、時刻t3以降は単相モータ12が一定の回転速度ωを保っているが、安全性のために単相モータ12の回転を完全に停止させてもよい。
Here, when controlling a motor that uses a wing as a load, such as a vacuum cleaner, using torque as a command value, it is conceivable that the suction port is closed and the motor is sealed. FIG. 21 is a diagram showing changes in the rotational speed ω, the active power P, and the active power Q when the
図22は、実施の形態1に係る制御部25の第4の構成例を示す図である。図22は、密閉検知によって単相モータ12の回転速度ωを低下させる制御部25の構成の一部分を示すものである。制御部25は、スイッチ102による指令値とは別に、あらかじめ指令値選択部104において密閉時の有効電流指令値Ip *のテーブルを保持しておく。有効電流指令値Ip *については、密閉中の負荷において単相モータ12が脱調することなく回転速度ωを減少させられる、または停止に至る値が望ましく、あらかじめ実測などで求めておく。密閉検知部103は、現在の回転速度ωが最大回転速度に到達した場合、到達したことを指令値選択部104に通知する。回転速度ωについては、推定値でも実測値でもよい。指令値選択部104は、密閉検知部103から通知を取得していない場合はスイッチ102からの指令値をそのまま出力し、密閉検知部103から通知を取得した場合はあらかじめテーブルで保持していた指令値を出力する。指令値選択部104は、密閉が解除された場合、または再度スイッチ102が押された場合、再びスイッチ102からの指令値を出力する。FIG. 22 is a diagram showing a fourth configuration example of the
モータ駆動装置2が備える制御部25の動作を、フローチャートを用いて説明する。図23は、実施の形態1に係る制御部25の動作を示すフローチャートである。制御部25は、電圧センサ20で検出された直流電圧Vdc、電流検出部22で検出された電流Im、スイッチ102からの指令値などの情報を取得する(ステップST1)。制御部25は、インバータ11から単相モータ12に印加される交流電圧の極性の変化を基点とした位相に応じた物理量を算出する(ステップST2)。具体的には、制御部25は、交流電圧の極性の変化を基点とした位相による正弦波と、電流検出部22で検出された電流Imとを乗算し、物理量として有効電流Ipを算出する。または、制御部25は、交流電圧の極性の変化を基点とした位相による余弦波と、電流検出部22で検出された電流Imとを乗算し、物理量として無効電流Iqを算出する。制御部25は、算出した物理量に応じて、単相モータ12の回転速度を制御する(ステップST3)。具体的には、制御部25は、算出した物理量に応じてPWM信号Q1,Q2,Q3,Q4を生成し、インバータ11のスイッチング素子51,52,53,54を制御する。The operation of the
つづいて、モータ駆動装置2が備える制御部25のハードウェア構成について説明する。図24は、実施の形態1に係るモータ駆動装置2が備える制御部25を実現するハードウェア構成の一例を示す図である。制御部25は、プロセッサ201及びメモリ202により実現される。
Next, the hardware configuration of the
プロセッサ201は、CPU(Central Processing Unit、中央処理装置、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、プロセッサ、DSP(Digital Signal Processor)ともいう)、またはシステムLSI(Large Scale Integration)である。メモリ202は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリー、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)といった不揮発性または揮発性の半導体メモリを例示できる。また、メモリ202は、これらに限定されず、磁気ディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク、またはDVD(Digital Versatile Disc)でもよい。
The
以上説明したように、本実施の形態によれば、モータ駆動装置2において、制御部25は、交流電圧の極性の変化を基点とした位相による正弦波と電流検出部22で検出された電流Imとの積によって算出される物理量に応じて、単相モータ12の回転速度を制御する。また、制御部25は、交流電圧の極性の変化を基点とした位相による余弦波と電流Imとの積によって算出される物理量を、回転速度に比例して増加させるように制御する。これにより、モータ駆動装置2は、有効電力と無効電力とを制御して、単相モータ12の効果的な電力制御及び回転数制御を実現することができる。As described above, according to the present embodiment, in the
実施の形態2.
実施の形態2では、実施の形態1で説明したモータ駆動装置2の適用例について説明する。
In the second embodiment, an application example of the
図25は、実施の形態2に係るモータ駆動装置2を備える電動送風機64の構成例を示す図である。電動送風機64は、実施の形態1で説明したモータ駆動装置2を備え、モータ駆動装置2が駆動する単相モータ12に対してプロペラ69が装着されている。電動送風機64は、モータ駆動装置2が単相モータ12を回転させることで、風を送り出すまたは吸引する構造となっている。
FIG. 25 is a diagram showing a configuration example of an
図26は、実施の形態2に係る電動送風機64を備える電気掃除機61の構成例を示す図である。電気掃除機61は、図1に示されるバッテリ10に相当するバッテリ67、図1に示されるモータ駆動装置2、図1に示される単相モータ12により駆動される電動送風機64を備える。また、電気掃除機61は、集塵室65と、センサ68と、吸込口体63と、延長管62と、操作部66とを備える。
FIG. 26 is a diagram showing a configuration example of an
電気掃除機61を使用する使用者は、操作部66を持ち、電気掃除機61を操作する。電気掃除機61のモータ駆動装置2は、バッテリ67を電源として電動送風機64を駆動する。電動送風機64が駆動されることにより、吸込口体63からごみの吸込みが行われる。吸込まれたごみは、延長管62を介して集塵室65へ集められる。
The user who uses the
単相モータ12に電圧指令に基づく電圧を出力する際、制御部25は、電圧指令の周期のうちの一方の半周期では、上アーム第1素子と下アーム第1素子とのスイッチング動作を休止させ、電圧指令の周期のうちの他方の半周期では、上アーム第2素子と下アーム第2素子とのスイッチング動作を休止させる。これにより、スイッチング損失の増加が抑制され、効率のよい電気掃除機61を実現することができる。
When outputting the voltage based on the voltage command to the single-
また、実施の形態に係る電気掃除機61は、インバータ11のスイッチング素子51,52,53,54をワイドバンドギャップ半導体により形成することで、放熱部品の簡素化により小型化及び軽量化することができる。
Further, in the
図27は、実施の形態2に係る電動送風機64を備えるハンドドライヤ90の構成例を示す図である。ハンドドライヤ90は、ケーシング91と、手検知センサ92と、水受け部93と、ドレン容器94と、カバー96と、センサ97と、吸気口98と、電動送風機64と、を備える。ここで、センサ97は、ジャイロセンサ及び人感センサの何れかである。ハンドドライヤ90では、水受け部93の上部にある手挿入部99に手が挿入されることにより、電動送風機64による送風で水が吹き飛ばされ、吹き飛ばされた水は、水受け部93で集められた後、ドレン容器94に溜められる。
FIG. 27 is a diagram showing a configuration example of a
ハンドドライヤ90は、図26に示す電気掃除機61と同様に、モータ回転数が0[rpm]から10万[rpm]を超えて変動する製品である。このため、ハンドドライヤ90においても、前述した実施の形態に係る制御手法が好適であり、電気掃除機61と同様な効果を得ることができる。
Similar to the
以上の説明の通り、本実施の形態では、電気掃除機61及びハンドドライヤ90にモータ駆動装置2を適用した構成例を説明したが、モータ駆動装置2は、モータが搭載された電気機器に適用することができる。モータが搭載された電気機器は、焼却炉、粉砕機、乾燥機、集塵機、印刷機械、クリーニング機械、製菓機械、製茶機械、木工機械、プラスチック押出機、ダンボール機械、包装機械、熱風発生機、OA機器、電動送風機などである。電動送風機は、物体輸送用、吸塵用、または一般送排風用の送風手段である。
As described above, in the present embodiment, the configuration example in which the
以上の実施の形態に示した構成は、本発明の内容の一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。 The configuration shown in the above-described embodiment shows an example of the content of the present invention, can be combined with another known technique, and is one of the configurations as long as it does not deviate from the gist of the present invention. It is also possible to omit or change the part.
1 モータ駆動システム、2 モータ駆動装置、5A 第1レグ、5B 第2レグ、6A,6B 接続点、10,67 バッテリ、11 インバータ、12 単相モータ、12a ロータ、12b ステータ、20 電圧センサ、21 位置センサ、21a 位置センサ信号、22 電流検出部、25 制御部、32 駆動信号生成部、33 キャリア生成部、38,38A,38B キャリア比較部、38a 絶対値演算部、38b 除算部、38c,38d,38f,38k 乗算部、38e,38m,38n 加算部、38g,38h 比較部、38i,38j 出力反転部、42 逆PQ変換部、44 検出電流信号処理部、45,46 演算器、47 微分器、48 制御周期決定部、51,52,53,54 スイッチング素子、51a,52a,53a,54a ボディダイオード、61 電気掃除機、62 延長管、63 吸込口体、64 電動送風機、65 集塵室、66 操作部、68,97 センサ、69 プロペラ、71,72 減算器、73,74 PI制御器、90 ハンドドライヤ、91 ケーシング、92 手検知センサ、93 水受け部、94 ドレン容器、96 カバー、98 吸気口、99 手挿入部、100 主巻線、101 補助巻線、102 スイッチ、103 密閉検知部、104 指令値選択部、105 振幅検出部、106,107 制御周期算出部、108,109 セレクタ。 1 motor drive system, 2 motor drive, 5A 1st leg, 5B 2nd leg, 6A, 6B connection points, 10,67 batteries, 11 inverters, 12 single-phase motors, 12a rotors, 12b stators, 20 voltage sensors, 21 Position sensor, 21a position sensor signal, 22 current detection unit, 25 control unit, 32 drive signal generation unit, 33 carrier generation unit, 38, 38A, 38B carrier comparison unit, 38a absolute value calculation unit, 38b division unit, 38c, 38d , 38f, 38k multiplication unit, 38e, 38m, 38n addition unit, 38g, 38h comparison unit, 38i, 38j output inversion unit, 42 inverse PQ conversion unit, 44 detection current signal processing unit, 45, 46 arithmetic unit, 47 differential unit. , 48 Control cycle determination unit, 51, 52, 53, 54 switching element, 51a, 52a, 53a, 54a body diode, 61 electric vacuum cleaner, 62 extension tube, 63 suction port, 64 electric blower, 65 dust collector, 66 operation unit, 68,97 sensor, 69 propeller, 71,72 subtractor, 73,74 PI controller, 90 hand dryer, 91 casing, 92 hand detection sensor, 93 water receiver, 94 drain container, 96 cover, 98 Intake port, 99 manual insertion part, 100 main winding, 101 auxiliary winding, 102 switch, 103 sealed detection part, 104 command value selection part, 105 amplitude detection part, 106, 107 control cycle calculation part, 108, 109 selector.
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係るモータ駆動装置は、単相モータに交流電圧を出力するインバータと、インバータが出力する交流電圧を制御する制御部と、単相モータに流れる電流を検出する電流検出部と、を備える。制御部により、交流電圧の極性の変化を基点とした位相による正弦波と電流との積によって算出される物理量のフィルタ処理による平均値に応じて単相モータの回転速度が制御されるように交流電圧を制御する。 In order to solve the above-mentioned problems and achieve the object, the motor drive device according to the present invention includes an inverter that outputs an AC voltage to a single-phase motor, a control unit that controls the AC voltage output by the inverter, and a single-phase motor. It is provided with a current detection unit that detects the current flowing through the motor. The control unit, so that the rotational speed of the single-phase motor according to the average value by the filter processing of the physical quantity calculated by the product of the sine wave and the current with a polar phase of a base point of change of the AC voltage is controlled Control the AC voltage.
Claims (12)
前記インバータが出力する前記交流電圧を制御する制御部と、
前記単相モータに流れる電流を検出する電流検出部と、
を備え、
前記制御部は、前記交流電圧の極性の変化を基点とした位相による正弦波と前記電流検出部で検出された前記電流との積によって算出される物理量に応じて前記単相モータの回転速度を制御するモータ駆動装置。An inverter that outputs AC voltage to a single-phase motor,
A control unit that controls the AC voltage output by the inverter,
A current detector that detects the current flowing through the single-phase motor,
Equipped with
The control unit determines the rotation speed of the single-phase motor according to a physical quantity calculated by the product of a sine wave having a phase based on a change in the polarity of the AC voltage and the current detected by the current detection unit. Motor drive to control.
前記電流検出部は、前記電流である第1の電流及び前記第1の電流に対して位相差のある第2の電流を検出し、
前記制御部は、前記第1の電流及び前記第2の電流を用いて前記単相モータの回転速度を制御する請求項1から4のいずれか1つに記載のモータ駆動装置。The single-phase motor has an auxiliary winding having a phase difference with respect to the main winding.
The current detecting unit detects a first current, which is the current, and a second current having a phase difference with respect to the first current.
The motor drive device according to any one of claims 1 to 4, wherein the control unit controls the rotation speed of the single-phase motor using the first current and the second current.
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