JPWO2020208743A1 - 電動機設備の異常診断装置、電動機設備の異常診断方法、および電動機設備の異常診断システム - Google Patents

電動機設備の異常診断装置、電動機設備の異常診断方法、および電動機設備の異常診断システム Download PDF

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Abstract

電動機設備の異常診断装置は、電動機の電源線に流れる電流の監視結果に基づいて、電動機および動力伝達機構の異常を診断する監視診断部を備え、監視診断部は、電流の周波数解析を実行する解析部と、周波数解析の結果から電動機および動力伝達機構の異常を診断する異常診断部とを備える。

Description

本発明は、電動機および動力伝達機構の異常を診断する電動機設備の異常診断装置、電動機設備の異常診断方法、および電動機設備の異常診断システムに関わる。
プラントには、電動機設備が多数存在している。電動機設備の診断は、メンテナンス部門が五感診断により判定している。特に、重要度の高い電動機設備に関しては、定期的な診断が必要になるため、診断に要するコストが高くなる。さらに、電動機設備では、劣化が始まると加速度的に劣化の進行が起こる。
電動機設備が交流機の場合には、機械的ストレスあるいは熱劣化によって生じた、絶縁物の空隙あるいは損傷部が、放電等でレヤショート(層間短絡)を誘発し、突然、絶縁破壊に至る場合がある。このため、一度電動機設備が劣化すると、劣化が進展する状態にしか進まなくなる。
このような背景から、電動機設備の常時監視技術に関心が高まっている。しかしながら、電動機設備の常時監視技術の多くは、電動機設備毎に様々なセンサを取り付けることを前提としている。様々なセンサとしては、例えば、トルクメータ、エンコーダ、加速度センサ等が挙げられる。ただし、数百〜数千台のモータを集中管理するモータコントロールセンタにおいて常時監視を行う場合には、配線の数が多くなることから、様々なセンサを追加することは現実的ではない。
そのため、特殊なセンサを用いずに計測される電流あるいは電圧の情報から、モータコントロールセンタにおいて電動機設備の状態を簡易的に診断し、信頼性および生産性を向上させる装置が望まれる。
電動機設備の常時監視、および異常を検出した場合の電動機の保護、に関しては、以下のような従来技術がある(例えば、特許文献1、2参照)。
特許文献1では、負荷トルクの検出値が下限値以下のとき、移動機構において負荷が異常に低下していると診断し、過小負荷要因の候補となる部品を履歴データとともに表示する方法が示されている。また、特許文献1では、負荷トルクの検出値が上限値以上のとき、移動機構において負荷が異常に増加していると診断する方法も示されている。
特許文献2では、電流波形を周波数解析し、診断対象機器における回転系異常の有無を判定する方法が示されている。
特開2003−080529号公報 特開2016−90546号公報
特許文献1は、負荷トルクの異常を監視している。しかしながら、特許文献1のような負荷トルクの監視だけでは、高精度に電動機設備の異常を判定することはできない。また、特許文献2は、電流の周波数解析結果を用いて診断対象機器における回転系異常を診断している。しかしながら、特許文献2では、故障部位の特定に関してまでは、言及されていない。
電動機設備は、電動機、動力伝達部、および機械設備で構成される。ここで、動力伝達部の具体例としてはベルトが挙げられ、機械設備の具体例としては、ファンが挙げられる。
現状、電流あるいは電圧の情報から、電動機設備の異常発生部位を特定することは不可能である。例えば、振動センサをあらゆる場所に設置すれば、電動機設備の異常発生部位の特定は可能かもしれない。しかしながら、このような手法は、コストが高くなるため、全ての電動機設備に適用することは現実的ではない。
また、電動機設備の異常発生部位が不明の場合には、どの部位を交換すべきか判断できない。この結果、電動機、動力伝達部、および機械設備の全てを交換することとなり、復旧までに時間が掛かる。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたもので、電流情報から電動機設備の異常箇所を特定することができる電動機設備の異常診断装置、電動機設備の異常診断方法、および電動機設備の異常診断システムを提供することを目的とする。
この発明に係る電動機設備の異常診断装置は、電動機の電源線に流れる電流の監視結果に基づいて、電動機および動力伝達機構の異常を診断する監視診断部を備え、監視診断部は、電流の周波数解析を実行する解析部と、周波数解析の結果から電動機および動力伝達機構の異常を診断する異常診断部とを備える。
この発明に係る電動機設備の異常診断方法は、電動機および動力伝達機構のそれぞれについて異常が生じたか否かを特定する電動機設備の異常診断方法であって、電動機の電源線に流れる電流を測定するステップと、電流の周波数解析を実行するステップと、周波数解析の結果から電動機および動力伝達機構の異常を診断するステップとを有するものである。
この発明に係る電動機設備の異常診断システムは、本発明に係る電動機設備の異常診断装置と、電動機の電源線に流れる電流を検出する電流検出器とを備えるものである。
この発明に係る電動機設備の異常診断装置および電動機設備の異常診断方法によれば、電流情報から電動機設備の異常箇所を特定することができる電動機設備の異常診断装置、電動機設備の異常診断方法、および電動機設備の異常診断システムを得ることができる。
本発明の実施の形態1に係る電動機設備の異常診断装置を含む全体構成図である。 本発明の実施の形態1に係る監視診断部の機能ブロック図である。 電動機設備が正常な状態の場合におけるスペクトル波形である。 本発明の実施の形態1におけるベルト駆動時の電流周波数解析波形の一例を示した図である。 本発明の実施の形態1において、動力伝達機構起因のピークとモータ回転起因のピークとが重畳していないが近接している場合におけるベルト駆動時の電流周波数解析波形の一例を示した図である。 本発明の実施の形態1において、動力伝達機構起因のピークとモータ回転起因のピークとが重畳しておらず、かつ、近接していない場合におけるベルト駆動時の電流周波数解析波形の一例を示した図である。 本発明の実施の形態1に係る異常判定可否判断部において、判断処置に用いる異常判定不可領域を示した説明図である。 本発明の実施の形態1に係る異常診断部により実行される一連の異常診断処理を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態2に係る監視診断部の機能ブロック図である。 本発明の実施の形態2に係る異常診断部により実行される一連の異常診断処理を示すフローチャートである。 図2あるいは図9の監視診断部のハードウェア構成図である。
本発明の各実施の形態に係る電動機設備の異常診断装置、電動機設備の異常診断方法、および電動機設備の異常診断システムについて、以下、図を用いて説明する。なお、各図間において、同一符号は、同一あるいは相当のものであることを表す。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係る電動機設備の異常診断装置を含む全体構成図である。電動機駆動用の電源線1は、3相電線で構成されている。電源線1のそれぞれの相は、複数個の配線用遮断器2a、2b、2cと、複数個の電磁接触器3a、3b、3cと、をそれぞれ介して、電動機6に接続されている。電動機6には、動力伝達機構7を介して機械設備8が接続されている。
電動機6に接続されている3相電線のそれぞれの相には、電流検出器である相電流検出器4a、4b、4cと、電圧検出器である相電圧検出器5a、5b、5cと、が設置されている。監視診断部9は、相電流検出器4a、4b、4cを介して各相の電流を取得し、相電圧検出器5a、5b、5cを介して各相の電圧を取得する。すなわち、監視診断部9は、電動機6の電源線に流れる電流の監視結果、および電動機6に印加される電圧の監視結果を取得する。
監視診断部9は、取得した電流および電圧に基づいて、電動機設備の異常箇所を特定する診断処理を実行する。また、監視診断部9は、表示部10および警報部11の少なくともいずれか一方を介して、診断結果を報知することができる。
監視診断部9は、1つの電動機6に対して1つの構成である。なお、電動機6が複数台あるシステムでは、それぞれの監視診断部9による診断結果を上位装置側で統合して、総合判定しても良い。ここで、総合判定とは、1つの電動機6の解析結果から異常判定を実施するのではなく、他の異なる電動機6の解析結果との比較から1つの電動機6の異常判定を実施する手法である。
なお、図1において、監視診断部9は、相電流検出器4a、4b、4cのそれぞれが検出した電流と、相電圧検出器5a、5b、5cのそれぞれが検出した電圧との情報を、ネットワーク経由で入手してもよいし、ケーブル等の有線で入手してもよい。
図2は、本発明の実施の形態1に係る監視診断部9の機能ブロック図である。監視診断部9は、メモリ部21、電動機設定部22、解析部31、異常判定可否判断部41、異常診断部51、および診断結果格納部52で構成されている。
また、解析部31は、逆相電流電圧解析部32、スペクトルピーク列検知部33、回転子バースペクトル解析部34、モータ回転スペクトル解析部35、動力伝達機構スペクトル解析部36、およびトルク解析部37を有して構成されている。
次に、図2を用いて監視診断部9に関する機能の詳細を説明する。
メモリ部21は、電動機設定部22の情報を記録する機能を持つ。電動機設備の異常判定を行う上では、電動機6に取り付けられた銘板の情報等が必要となる。そこで、電動機設定部22は、例えば、次に記載する電動機を規定するための仕様値を、オペレータによる入力操作として受付け、メモリ部21に仕様内容を記憶させる機能を持つ。
電動機設定部22には、電動機6の回転周波数帯をオンライン、リアルタイムで高精度に特定するために、電動機6に取り付けられた銘板の情報として、電源周波数、極数、定格回転速度等が入力設定される。
無負荷時のモータ回転周波数は、電源周波数をfs、電動機6の極数をpとすると、2fs/pとして算出される。無負荷時の回転周波数は、銘板の情報で算出できる。ここで、電動機6の回転周波数は、無負荷時の回転周波数より小さく、定格負荷時の回転周波数よりも大きい値となり、回転周波数の範囲は限定される。
解析部31内の逆相電流電圧解析部32は、相電流検出器4a、4b、4cを介して取得した電流の情報、および相電圧検出器5a、5b、5cを介して取得した電圧の情報から、対称座標変換をすることで、逆相電流および逆相電圧を算出する。
逆相電流とは、本来の相回転方向とは逆な相回転の対称三相電流で、下式(1)の対称座標変換の式より、逆相電流Isnとして求められる。同時に、零相電流Iz、正相電流Ispも、下式(1)により算出される。これらの値を算出するために、相電流検出器4a、4b、4cを介して取得した三相交流電流Ia、Ib、Icが用いられる。
Figure 2020208743
ここで、上式(1)におけるαは、
Figure 2020208743
である。逆相電圧も、逆送電流と同様に、相電圧検出器5a、5b、5cを介して取得した三相交流電圧から対称座標変換の式より求められる。
次に、逆相電流電圧解析部32は、各相の電圧と電流を対称座標変換することにより求められた逆相電圧Vsn、逆相電流Isn、および逆相アドミタンスYnを用いて、下式(2)の評価値ΔIsnを算出することで、レヤショートの有無を解析する。
Figure 2020208743
逆相アドミタンスYnに関しては、巻線短絡無しとして、導入初期に逆相電圧Vsnと逆相電流Isnを用いて算出した初期値を代入する。上式(2)で算出される評価値ΔIsnは、巻線短絡が無しの場合「0」となり、巻線短絡が有りの場合「0」より大きくなる。従って、逆相電流電圧解析部32は、算出した評価値ΔIsnと閾値との比較から、巻線短絡の有無を判定できる。
次に、スペクトルピーク列検知部33は、動力伝達機構7に起因するスペクトルピーク列を検知する。以下では、動力伝達機構7がベルトである場合について説明する。スペクトルピーク列検知部33は、スペクトルピーク列を検知するに当たって、相電流検出器4a、4b、4cを介して取得した電流の情報を用いる。
より具体的には、スペクトルピーク列検知部33は、電流FFT(First Fourier Transform)解析結果の中からスペクトルピーク列を全て検出することでピーク検知を行う。スペクトルピーク列を検出する範囲は、0〜1000Hzの間が好ましい。スペクトルピーク列検知部33は、検出したスペクトルピーク列の中から、側帯波の条件を満たすスペクトルピークを判定する。
図3は、本発明の実施の形態1において、ベルトありのときの電動機駆動電流スペクトル波形を示した図である。図3におけるスペクトル波形は、横軸が周波数[Hz]、縦軸が電流信号強度[任意単位系]として示されている。
図3に示すように、新品のベルトでは、一般に電源周波数fsを中心として周波数の上位側と下位側の両方に均等な間隔で規定される第1の周波数帯に、スペクトルピークが現れる。図3では、電源周波数fsから上位側に+fbelt、+2fbelt、+3fbelt等、下位側に−fbelt、−2fbelt、−3fbelt等で、等間隔にスペクトルピークが現れている状態を例示している。ここで、fbeltは、ベルト回転周波数と呼ばれる。
ベルト回転周波数fbeltは、ベルト長さL、電動機6側のプーリ半径D、電源周波数fs、モータ回転周波数frとしたときに、下式により規定される。
belt=(2πD・fr)/L
図3は、電動機設備が正常な状態の場合におけるスペクトル波形である。なお、スペクトルピーク列の電流信号強度は、モータ回転周波数によって変化する。
側帯波とは、電源周波数fsを中心として、上位側と下位側の両方に均等な間隔で発生するスペクトルピークのことである。例えば、図3のような波形では、電源周波数fsから+fbeltと−fbeltの両方にスペクトルピークが現れており、その両方のスペクトルピークが側帯波である。
動力伝達機構7により発生するスペクトルピークの信号強度は、電源周波数帯を除く他の周波数帯の信号強度等と比較して大きい傾向にある。そのため、信号強度の大きさからも、ベルト回転周波数fbeltの判定は可能である。ただし、ベルトの有無、ベルト長さ、電動機6側のプーリ半径の情報が事前に入力できれば、上述した数式を用いることで、ベルト回転周波数fbeltをより高精度に検出可能である。
次に、異常判定可否判断部41の機能について説明する。異常判定可否判断部41は、スペクトルピーク列検知部33での検知処理結果を用いて、電動機6の異常判定可否を判断する。図4は、本発明の実施の形態1におけるベルト駆動時の電流周波数解析波形の一例を示した図である。図4においては、動力伝達機構起因のピークとモータ回転起因のピークとが重畳している。すなわち、モータ回転起因のピークが存在する第2の周波数帯が、動力伝達機構起因のピークが存在する第1の周波数帯と重複している。動力伝達機構起因のピークと、モータ回転起因のピークとの位置関係は、ベルト長さ、電動機6の運転情報等によって変わる。
これら2つのピークが重畳している場合には、解析部31は、電動機6の異常判定をすることができない。なぜなら、異常判定可否判断部41は、検知したスペクトルピークが、動力伝達機構起因のピークか、モータ回転起因のピークかを識別できないためである。従って、異常判定可否判断部41は、動力伝達機構起因のピークと、モータ回転起因のピークとの位置関係が図4に示すような場合には、電動機6の機械系異常判定を実施しないと判断する。
これは、回転子バー起因のピークについても同様なことが言える。動力伝達機構起因のピークと回転子バー起因のピークとが重畳している場合には、異常判定可否判断部41は、回転子バーの異常判定を実施しないと判断する。なぜなら、異常判定可否判断部41は、検知したスペクトルピークが、動力伝達機構起因のピークか回転子バー起因のピークかを識別できないためである。
一方、回転子バー起因のピークあるいはモータ回転起因のピークが、スペクトルピーク列と重なっていたとしても、異常判定可否判断部41は、動力伝達機構7の異常判定に関しては、継続して実施することができると判断する。なぜなら、動力伝達機構起因のスペクトルピーク列は、複数存在するため、重なりのない複数のスペクトルピーク列を用いることで、動力伝達機構7の異常判定が可能だからである。
図5は、本発明の実施の形態1において、動力伝達機構起因のピークとモータ回転起因のピークとが重畳していないが近接している場合におけるベルト駆動時の電流周波数解析波形の一例を示した図である。例えば、図5のように、動力伝達機構起因のピークとモータ回転起因のピークとが重畳していないが、近接している場合を考える。この場合、近接であるか否かを判断するための周波数範囲を、例えば、下式(3)および下式(4)で示すこととする。
r100<k・fbelt<fr0 (3)
0<k・fbelt<2s100・fs (4)
上式(3)、(4)では、無負荷時の回転周波数をfr0、定格負荷時の回転周波数をfr100、定格負荷時のすべりをs100としており、kは、k=1、2、3・・・である。無負荷時の回転周波数fr0は、2fs/pで算出される。また、定格負荷時の回転周波数fr100は、定格情報、例えば銘板に記載された情報、から分かる。
モータ回転起因のピークと、回転子バー起因のピークとは、無負荷から定格負荷範囲内で運転中の場合、必ず、上式(3)または上式(4)の範囲内に存在する。例外として、定格負荷を超えると、上式(3)および上式(4)の範囲から外れる。上式(3)の範囲内に動力伝達機構起因のピークが発生した場合には、異常判定可否判断部41は、電動機6の機械系異常判定を実施しないと判断する。
また、上式(4)の範囲内に動力伝達機構起因のピークが発生した場合には、異常判定可否判断部41は、電動機6の回転子バー異常判定を実施しないと判断する。すなわち、異常判定可否判断部41は、両者の区別が難しいと判断し、回転子バー異常判定を実施しないと判断する。
ただし、動力伝達機構起因のピークとモータ回転起因のピークとが近接しており、上式(3)および上式(4)の範囲であったとしても、異常判定可否判断部41は、両者を識別することもできる。例えば、異常判定可否判断部41は、上式(3)と上式(4)の範囲内に存在するピークの個数を検知し、2個以上ピークが存在していた場合には、片方が動力伝達機構起因のピークであり、もう片方がモータ回転起因のピークであると判断できる。このように識別できる場合には、異常判定可否判断部41は、電動機6の機械系異常判定を実施すると判断する。
異常判定可否判断部41によるこのような判断は、動力伝達機構起因のピークと回転子バー起因のピークとが近接しており、かつ、上式(3)および上式(4)の範囲であった場合についても、同様である。
図6は、本発明の実施の形態1において、動力伝達機構起因のピークとモータ回転起因のピークとが重畳しておらず、かつ、近接していない場合におけるベルト駆動時の電流周波数解析波形の一例を示した図である。例えば、図6のように、動力伝達機構起因のピークとモータ回転起因のピークとが近接していない場合には、異常判定可否判断部41は、動力伝達機構起因のピークとモータ回転起因のピークとを識別でき、電動機6の機械系異常判定を実施できると判断する。
すなわち、解析部31は、動力伝達機構起因のピーク検知結果に基づいて、動力伝達機構7の異常判定を実施でき、かつモータ回転起因のピーク検知結果に基づいて電動機6の機械系異常の判定を実施できる。異常判定可否判断部41によるこのような判断は、動力伝達機構起因のピークと回転子バー起因のピークとが重畳しておらず、かつ、近接していない場合についても、同様である。
図7は、本発明の実施の形態1に係る異常判定可否判断部41において、判断処置に用いる異常判定不可領域を示した説明図である。例えば、図7に示すように、異常判定可否判断部41は、上式(3)および上式(4)に基づいて、電動機6の異常判定不可領域をあらかじめ定めておくことができる。ここで、異常判定不可領域は、異常判定可否判断部41による異常判定可否の判断に用いられる周波数範囲に相当する。
そして、異常判定可否判断部41は、あらかじめ定めた異常判定不可領域の範囲内にモータ回転起因のピークが存在していた場合には、電動機6の機械系異常判定を実施しないと判断する。
このような判断手法は、モータ回転起因のピークばかりでなく、回転子バー起因のピークに対しても、同様に適用可能である。すなわち、異常判定可否判断部41は、あらかじめ定めた異常判定不可領域の範囲内に回転子バー起因のピークが存在していた場合にも、電動機6の機械系異常判定を実施しないと判断する。
次に、異常判定可否判断部41において電動機6の機械系異常判定を実施すると判断された後に、解析部31において実行される解析処理について説明する。
回転子バースペクトル解析部34は、スペクトルピーク列検知部33によって検知されたスペクトルピーク列に基づいて、回転子バー由来のスペクトルを解析する。回転子バー由来のスペクトルは、
s(1±2s)
で測定波として発生する。そのため、回転子バースペクトル解析部34は、スペクトルピーク列に基づいて、上式の関係を満たすスペクトルピークを解析し、その信号強度を検知する。
モータ回転スペクトル解析部35は、スペクトルピーク列検知部33によって検知されたスペクトルピーク列に基づいて、モータ回転由来のスペクトルを解析する。モータ回転由来のスペクトルは、
s±fr
で測定波として発生する。そのため、モータ回転スペクトル解析部35は、上式の関係を満たすスペクトルピークを解析し、その信号強度を検知する。
動力伝達機構スペクトル解析部36は、スペクトルピーク列検知部33によって検知されたスペクトルピーク列に基づいて、動力伝達機構起因のスペクトルを解析する。
例えば、動力伝達機構がベルトの場合、ベルトが断線すると、動力伝達機構起因のピークがスペクトルピーク列から消滅する。そこで、動力伝達機構スペクトル解析部36は、動力伝達機構起因のピークの有無を検知する。
動力伝達機構スペクトル解析部36は、ピークを検知できる場合には、解析結果として、ベルトが断線していないと判断できる。一方、動力伝達機構スペクトル解析部36は、ピークを検知できていたにもかかわらず、ある時点からピークを検知できなくなった場合には、解析結果として、ベルトが断線したと判断できる。
トルク解析部37は、相電流検出器4a、4b、4cを介して取得した電流の情報、および相電圧検出器5a、5b、5cを介して取得した電圧の情報に基づいて、トルクの解析を実施する。本実施の形態1に係るトルク解析部37は、電圧および電流からトルクを算出することとする。トルク解析部37は、負荷トルクの異常検出にあたっては、下式(5)の理論式を用いて、固定子電流id、iq、鎖交磁束φd、φq、および磁極数Ppから、トルク推定値Teを計算する。
Figure 2020208743
さらに、トルク解析部37は、算出したトルク推定値Teに基づいて、負荷トルク異常を判断する。なお、鎖交磁束φd、φqは、下式(6)、(7)から計算される。
Figure 2020208743
ここで、vd、qは固定子電圧であり、Rsは固定子抵抗である。
異常診断部51は、解析部31による解析結果に基づき、電動機6に関連する異常診断を実施する。図8は、本発明の実施の形態1に係る異常診断部51により実行される一連の異常診断処理を示すフローチャートである。まず、ステップS1において、逆相電流電圧解析部32は、電流情報および電圧情報から、レヤショート判定を実施する。
逆相電流電圧解析部32は、逆相電流電圧解析を実施し、上述した式(2)の評価値ΔIsnを算出し、評価値ΔIsnに対して例えば閾値δtfを用いた閾値判定を行うことで、レヤショート判定を実施する。逆相電流電圧解析部32は、評価値ΔIsnが閾値δtf以上となった場合には、固定子異常、すなわちレヤショートが発生したと判断する。
さらに、逆相電流電圧解析部32は、表示部10を介して固定子異常が発生したことを表示させることができ、警報部11を介して固定子異常が発生したことを報知することができる。
レヤショート判定は、スペクトルピーク列検知の前に実施するのが好ましい。なぜなら、レヤショートが発生すると、レヤショート起因のピークが複数発生する可能性があるためである。レヤショート起因のピークと動力伝達機構起因のピークとの識別は難しい。同様に、レヤショート起因のピークとモータ回転起因のピークとの識別も難しい。同様に、レヤショート起因のピークと回転子バー起因のピークとの識別も難しいからである。
次に、ステップS2において、スペクトルピーク列検知部33は、電流情報に基づいてスペクトルピーク列検知を実施する。そして、スペクトルピーク列検知部33は、動力伝達機構起因のピークとモータ回転起因のピークとの重畳を確認する。また、スペクトルピーク列検知部33は、動力伝達機構起因のピークと回転子バー起因のピークとの重畳を確認する。ピーク重畳がない場合には、ステップS3に進む。
なお、ステップS2において、スペクトルピーク列検知部33は、必ずしも、スペクトルピーク列検知を実施せずとも、ピーク重畳の可否を判断できる。スペクトルピーク列検知部33は、スペクトルピーク列検知を実施しない場合には、まず、モータの回転周波数を予測する。ここで、スペクトルピーク列検知部33は、モータテストレポート、銘板情報、負荷率等からモータの回転周波数を予測できる。
次に、スペクトルピーク列検知部33は、ベルトの長さ、およびモータ軸に取り付けられたプーリの径から、スペクトルピーク列の発生位置を予測する。例えば、ベルト長さL、プーリ半径D、電源周波数fs、モータの回転周波数frとすると、スペクトルピーク列検知部33は、スペクトルピーク列の発生位置を、下式により理論的に求めることができる。
s±fbelt、fs±2fbelt、fs±3fbelt
・・・、fs±k×fbelt、(k=1、2、3、・・・)
ただし、ベルト回転周波数fbeltは、
belt=(2πD・fr)/L
である。
これにより、スペクトルピーク列検知部33は、動力伝達機構起因のスペクトルピーク列を求めることができる。そして、スペクトルピーク列検知部33は、動力伝達機構起因のピークと、モータ起因のピークとが重畳するか否かを確認する。具体的には、スペクトルピーク列検知部33は、ベルト回転周波数fbeltが、上述した式(3)または式(4)の範囲を満たすか否かを計算する。
ベルト回転周波数fbeltが、上式(3)を満たす場合には、スペクトルピーク列検知部33は、電動機6の機械系異常判定を実施しないと判断する。一方、ベルト回転周波数fbeltが、上式(3)を満たさない場合には、スペクトルピーク列検知部33は、電動機6の機械系異常判定を実施すると判断する。
また、ベルト回転周波数fbeltが、上式(4)を満たす場合には、スペクトルピーク列検知部33は、回転子バー異常判定を実施しないと判断する。一方、ベルト回転周波数fbeltが、上式(4)を満たさない場合には、スペクトルピーク列検知部33は、回転子バー異常判定を実施すると判断する。
ベルト回転周波数fbeltが、上式(3)を満たし、かつ上式(4)を満たす場合には、ステップS5に進む。一方、ベルト回転周波数fbeltが、上式(3)および上式(4)の少なくともいずれか一方を満たさない場合には、ステップS3に進む。
次に、先のステップS2において回転子バー異常判定を実施すると判断された場合には、ステップS3において、回転子バースペクトル解析部34は、回転子バー判定を実施する。具体的には、回転子バースペクトル解析部34は、回転子バーのスペクトル解析を実施する。そして、回転子バースペクトル解析部34は、回転子バー由来のスペクトルに相当する電流信号強度PSDbarが、閾値δbar以上となった場合には、回転子異常、すなわち回転子バー異常、が発生したと判断する。
さらに、回転子バースペクトル解析部34は、表示部10を介して回転子バー異常が発生したことを表示させることができ、警報部11を介して回転子バー異常が発生したことを報知することができる。
次に、先のステップS2において電動機6の機械系異常判定を実施すると判断された場合には、ステップS4において、モータ回転スペクトル解析部35は、機械系判定を実施する。具体的には、モータ回転スペクトル解析部35は、モータ回転周波数のスペクトル解析を実施する。そして、モータ回転スペクトル解析部35は、モータ回転由来のスペクトルに相当する電流信号強度PSDmechが、閾値δmech以上となった場合には、機械系異常、すなわち、軸受異常、偏心異常等が発生したと判断する。
さらに、モータ回転スペクトル解析部35は、表示部10を介して機械系異常が発生したことを表示させることができ、警報部11を介して機械系異常が発生したことを報知することができる。
次に、ステップS5において、動力伝達機構スペクトル解析部36は、動力伝達部判定を実施する。具体的には、動力伝達機構スペクトル解析部36は、スペクトルピーク列解析を実施し、例えば、あらかじめ設定した閾値δbeltを上回る電流信号強度PSDbeltが検出されていたにもかかわらず、ある時点から検出できなくなることで、ベルトが断線したことによる動力伝達部異常が発生したと判断する。
さらに、動力伝達機構スペクトル解析部36は、表示部10を介して動力伝達部異常が発生したことを表示させることができ、警報部11を介して動力伝達部異常が発生したことを報知することができる。
次に、ステップS6において、トルク解析部37は、トルク解析を実施する。具体的には、トルク解析部37は、トルク推定解析を実施し、例えば、上述した式(5)を用いて算出したトルク推定値Teが、あらかじめ設定した閾値δtor以上となった場合には、負荷トルクの異常が発生したと判断する。
さらに、トルク解析部37は、表示部10を介してトルク異常が発生したことを表示させることができ、警報部11を介してトルク異常が発生したことを報知することができる。
ここで、ステップS6によるトルク推定解析は、ステップS1からステップS5までの一連処理により、電動機6および動力伝達機構7が異常でないと判断された後に実施されることが重要である。なぜなら、ステップS1からステップS5までで異常無しと判断されたにもかかわらず、ステップS6においてトルク異常と判断された場合には、トルク異常を引き起こす原因が、機械設備しか考えられないとして、負荷トルクの異常要因である機械設備を特定できるからである。
以上のように、実施の形態1に係る電動機設備の異常診断装置、電動機設備の異常診断方法、および電動機設備の異常診断システムは、電動機の電流情報および電圧情報から、電動機、動力伝達部、および機械設備のどこで異常が発生したかを特定することができる。
具体的には、実施の形態1に係る電動機設備の異常診断装置は、電動機の電源線に流れる電流の監視結果、および電動機に印加される電圧の監視結果に基づいて、電動機および動力伝達機構の異常を診断する監視診断部を備えている。そして、監視診断部は、電流の周波数解析を実行する解析部と、周波数解析の結果から電動機および動力伝達機構の異常を診断する異常診断部とを備えている。
また、異常診断部は、電流および電圧の監視結果に基づいてレヤショート判定を実施できる。さらに、異常診断部は、周波数解析の結果から電動機および動力伝達機構の異常を診断した後に、電流および電圧の監視結果に基づいて負荷トルク異常の判定を実施することができる。
また、実施の形態1に係る電動機設備の異常診断方法は、電動機の電源線に流れる電流を測定するステップと、電流の周波数解析を実行するステップと、周波数解析の結果から電動機および動力伝達機構の異常を診断するステップとを有している。さらに、実施の形態1に係る電動機設備の異常診断方法は、電動機に印加される電圧を測定するステップを有している。
この結果、電流および電圧の監視結果に基づいてレヤショート判定を実施できる。さらに、周波数解析の結果から電動機および動力伝達機構の異常を診断した後に、電流および電圧の監視結果に基づいて負荷トルク異常の判定を実施することができる。
従って、実施の形態1によれば、電流検出器および電圧検出器を用いることにより、特別なセンサを用いることなく、比較的低コストで、電動機設備の異常箇所を特定することができる。
また、電動機の固定子、電動機の回転子、電動機の機械系、動力伝達機構、および機械設備(負荷)のそれぞれについて異常が発生したか否かを特定でき、異常発生部位のみを交換することが可能となる。従って、全設備の交換と比較して、交換費用を削減でき、かつ設備の早期復旧を実現できる。
実施の形態2.
先の実施の形態1では、電流検出値および電圧検出値の両方を用いることで、図8に示した一連の異常診断処理を実行し、電動機設備の異常箇所を特定する場合について説明した。これに対して、本実施の形態2では、電流検出値のみを用いることで一連の異常診断処理を実行し、電動機設備の異常箇所を特定する場合について説明する。
先の図8に示した一連の異常診断処理において、ステップS1およびステップS6は、電流検出値および電圧検出値の両方を用いて異常診断処理を実行する工程である。一方、ステップS2〜ステップS5は、電圧検出値は不要であり、電流検出値のみを用いて異常診断処理を実行する工程である。
本実施の形態2に係る電動機設備の異常診断装置を含む全体構成図は、先の実施の形態1における図1に示した構成から、相電圧検出器5a、5b、5cをなくしたものに相当する。そこで、本実施の形態2に係る電動機設備の異常診断装置を含む全体構成に関しては、図示を省略する。
図9は、本発明の実施の形態2に係る監視診断部9の機能ブロック図である。先の実施の形態1における図2の機能ブロック図と比較すると、図9に示した本実施の形態2に係る機能ブロック図は、逆相電流電圧解析部32およびトルク解析部37を備えていない点と、解析部31に入力される計測値が、電流値のみである点と、が異なっている。
図10は、本発明の実施の形態2に係る異常診断部51により実行される一連の異常診断処理を示すフローチャートである。図10に示したフローチャートは、先の図8に示したフローチャートからステップS1およびステップS6を削除したものに相当する。なお、図10におけるステップS2〜ステップS5での各処理内容は、先の図8におけるステップS2〜ステップS5での各処理内容と同一であり、説明を省略する。
本実施の形態2に係る解析部31は、電流検出値のみを用いることによって、ステップS2におけるスペクトルピーク列の検知処理、ステップS3における回転子バー判定処理、ステップS4における機械系判定処理、およびステップS5における動力伝達部判定処理を実行することができる。その結果、解析部31は、回転子異常、機械系異常、および電力伝達部異常を識別して特定することができる。
以上のように、実施の形態2に係る電動機設備の異常診断装置、電動機設備の異常診断方法、および電動機設備の異常診断システムは、電動機の電流情報のみから、電動機および動力伝達部のどこで異常が発生したかを特定することができる。
具体的には、実施の形態2に係る電動機設備の異常診断装置は、電動機の電源線に流れる電流の監視結果に基づいて、電動機および動力伝達機構の異常を診断する監視診断部を備えている。そして、監視診断部は、電流の周波数解析を実行する解析部と、周波数解析の結果から電動機および動力伝達機構の異常を診断する異常診断部とを備えている。
また、実施の形態2に係る電動機設備の異常診断方法は、電動機の電源線に流れる電流を測定するステップと、電流の周波数解析を実行するステップと、周波数解析の結果から電動機および動力伝達機構の異常を診断するステップとを有している。
従って、電流検出器のみを用いることにより、特別なセンサを用いることなく、比較的低コストで、電動機設備の異常箇所を特定することができる。
また、電動機の回転子、電動機の機械系、および動力伝達機構のそれぞれについて異常が発生したか否かを特定でき、異常発生部位のみを交換することが可能となる。従って、全設備の交換と比較して、交換費用を削減でき、かつ設備の早期復旧を実現できる。
図11は、図2あるいは図9の監視診断部9のハードウェア構成図である。図11において、監視診断部9は、プロセッサ60と、メモリ部21を含んで構成されている。プロセッサ60は、メモリ部21に記憶されたプログラムを実行することにより、解析部31の処理を行う。
ここで、メモリ部21は、解析部31による処理を記述したプログラムなどが記憶されたメモリにより構成される。プロセッサ60は、マイクロコンピュータ、DSP(Digital Signal Processor)、FPGAなどのハードウェア回路に論理構成されたプロセッサにより構成される。また、複数のプロセッサおよび複数のメモリ部が連携して解析部31の機能を実行してもよい。
1 電源線、4a、4b、4c 相電流検出器(電流検出器)、5a、5b、5c 相電圧検出器(電圧検出器)、6 電動機、7 動力伝達機構、8 機械設備、9 監視診断部、10 表示部、11 警報部、21 メモリ部、22 電動機設定部、31 解析部、32 逆相電流電圧解析部、33 スペクトルピーク列検知部、34 回転子バースペクトル解析部、35 モータ回転スペクトル解析部、36 動力伝達機構スペクトル解析部、37 トルク解析部、41 異常判定可否判断部、51 異常診断部、52 診断結果格納部、60 プロセッサ。
この発明に係る電動機設備の異常診断装置は、電動機の電源線に流れる電流の監視結果に基づいて、電動機および動力伝達機構の異常を診断する監視診断部を備え、監視診断部は、電流の周波数解析を実行する解析部と、周波数解析の結果から電動機および動力伝達機構の異常を診断する異常診断部と、周波数解析によって検知された、動力伝達機構に起因するピークが発生する第1の周波数帯に基づいて、電動機の異常判定可否を判断する異常判定可否判断部とを備え、異常診断部は、異常判定可否判断部で電動機の異常判定が可能と判断された場合に、電動機および動力伝達機構の異常を診断するものである
この発明に係る電動機設備の異常診断方法は、電動機および動力伝達機構のそれぞれについて異常が生じたか否かを特定する電動機設備の異常診断方法であって、電動機の電源線に流れる電流を測定するステップと、電流の周波数解析を実行するステップと、周波数解析の結果から電動機および動力伝達機構の異常を診断するステップと、周波数解析によって検知された、動力伝達機構に起因するピークが発生する第1の周波数帯に基づいて、電動機の異常判定可否を判断するステップとを有し、異常を診断するステップは、異常判定可否を判断するステップで電動機の異常判定が可能と判断された場合に、電動機および動力伝達機構の異常を診断するものである。

Claims (19)

  1. 電動機の電源線に流れる電流の監視結果に基づいて、前記電動機および動力伝達機構の異常を診断する監視診断部を備え、
    前記監視診断部は、
    前記電流の周波数解析を実行する解析部と、
    前記周波数解析の結果から前記電動機および前記動力伝達機構の異常を診断する異常診断部と
    を備える電動機設備の異常診断装置。
  2. 前記周波数解析によって検知された、前記動力伝達機構に起因するピークが発生する第1の周波数帯に基づいて、前記電動機の異常判定可否を判断する異常判定可否判断部
    をさらに備え、
    前記異常診断部は、前記異常判定可否判断部で前記電動機の異常判定が可能と判断された場合に、前記電動機および前記動力伝達機構の異常を診断する
    請求項1に記載の電動機設備の異常診断装置。
  3. 前記異常判定可否判断部は、前記第1の周波数帯と、モータ回転起因のピークが発生する第2の周波数帯とに基づいて、前記電動機の異常判定可否を判断する
    請求項2に記載の電動機設備の異常診断装置。
  4. 前記解析部は、前記電流の周波数解析を実行することで、前記動力伝達機構に起因するピーク検知を実施し、
    前記異常診断部は、
    前記解析部により前記動力伝達機構に起因する前記ピーク検知が実施された後に、モータ回転起因のピーク検知を実施し、
    前記モータ回転起因のピーク検知結果に基づいて前記電動機の異常を診断し、
    前記動力伝達機構に起因するピーク検知結果に基づいて前記動力伝達機構の異常を診断する
    請求項2または3に記載の電動機設備の異常診断装置。
  5. 前記異常判定可否判断部は、前記解析部が前記動力伝達機構に起因するピーク検知を実施した後に、前記動力伝達機構に起因するピーク検知結果と、周波数範囲の閾値との比較に基づいて前記電動機の異常判定可否を判断する
    請求項4に記載の電動機設備の異常診断装置。
  6. 前記解析部は、前記動力伝達機構に起因するピークを理論的に算出することで前記ピーク検知を実施する
    請求項4または5に記載の電動機設備の異常診断装置。
  7. 前記異常診断部は、前記電動機における回転子バー起因のピーク検知を実施し、回転子バー異常を診断する
    請求項1から6のいずれか1項に記載の電動機設備の異常診断装置。
  8. 前記監視診断部は、前記電動機の前記電源線に流れる電流の監視結果、および前記電動機に印加される電圧の監視結果に基づいて、前記電動機および前記動力伝達機構の異常を診断し、
    前記異常診断部は、
    前記電流および前記電圧に基づいてレヤショート判定を実施し、
    前記レヤショート判定の結果、レヤショートが発生していないと判定した後に、前記周波数解析の結果から前記電動機および前記動力伝達機構の異常を診断する
    請求項1から7のいずれか1項に記載の電動機設備の異常診断装置。
  9. 前記異常診断部は、前記周波数解析の結果から前記電動機および前記動力伝達機構の異常を診断した後に、前記電流および前記電圧に基づいて負荷トルク異常の判定を実施する
    請求項8に記載の電動機設備の異常診断装置。
  10. 前記監視診断部は、前記電動機の前記電源線に流れる電流の監視結果、および前記電動機に印加される電圧の監視結果に基づいて、前記電動機および前記動力伝達機構の異常を診断し、
    前記異常診断部は、前記周波数解析の結果から前記電動機および前記動力伝達機構の異常を診断した後に、前記電流および前記電圧に基づいて負荷トルク異常の判定を実施する
    請求項1から7のいずれか1項に記載の電動機設備の異常診断装置。
  11. 電動機および動力伝達機構のそれぞれについて異常が生じたか否かを特定する電動機設備の異常診断方法であって、
    前記電動機の電源線に流れる電流を測定するステップと、
    前記電流の周波数解析を実行するステップと、
    前記周波数解析の結果から前記電動機および前記動力伝達機構の異常を診断するステップと
    を有する電動機設備の異常診断方法。
  12. 前記周波数解析によって検知された、前記動力伝達機構に起因するピークが発生する第1の周波数帯に基づいて、前記電動機の異常判定可否を判断するステップ
    をさらに有し、
    前記異常を診断するステップは、前記異常判定可否を判断するステップで前記電動機の異常判定が可能と判断された場合に、前記電動機および前記動力伝達機構の異常を診断する
    請求項11に記載の電動機設備の異常診断方法。
  13. 前記周波数解析を実行するステップは、前記動力伝達機構に起因するピーク検知を実施し、
    前記異常判定可否を判断するステップは、前記周波数解析を実行するステップにより前記動力伝達機構に起因する前記ピーク検知が実施された後に、前記動力伝達機構に起因するピーク検知結果と、周波数範囲の閾値との比較に基づいて前記電動機の異常判定可否を判断する
    請求項12に記載の電動機設備の異常診断方法。
  14. 前記周波数解析を実行するステップは、前記動力伝達機構に起因するピークを理論的に算出することで前記ピーク検知を実施する
    請求項13に記載の電動機設備の異常診断方法。
  15. 前記異常を診断するステップは、前記電動機における回転子バー起因のピーク検知を実施し、回転子バー異常を診断する
    請求項11から14のいずれか1項に記載の電動機設備の異常診断方法。
  16. 前記電動機に印加される電圧を測定するステップ
    をさらに有し、
    前記異常を診断するステップは、
    前記電流および前記電圧に基づいてレヤショート判定を実施し、
    前記レヤショート判定の結果、レヤショートが発生していないと判定した後に、前記周波数解析の結果から前記電動機および前記動力伝達機構の異常を診断する
    請求項11から15のいずれか1項に記載の電動機設備の異常診断方法。
  17. 前記電動機に印加される電圧を測定するステップ
    をさらに有し、
    前記異常を診断するステップは、前記周波数解析の結果から前記電動機および前記動力伝達機構の異常を診断した後に、前記電流および前記電圧に基づいて負荷トルク異常の判定を実施する
    請求項11から15のいずれか1項に記載の電動機設備の異常診断方法。
  18. 請求項1から7のいずれか1項に記載の電動機設備の異常診断装置と、
    前記電動機の電源線に流れる電流を検出する電流検出器と
    を備える電動機設備の異常診断システム。
  19. 請求項8から10のいずれか1項に記載の電動機設備の異常診断装置と、
    前記電動機の電源線に流れる電流を検出する電流検出器と、
    前記電動機に印加される電圧を検出する電圧検出器と
    を備える電動機設備の異常診断システム。
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