JPWO2020203261A1 - 焼入れ装置及び金属板の製造方法 - Google Patents

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Abstract

水噴出装置を通過する際において金属板の冷却速度を十分に確保することができるとともに、金属板の位置によって冷却速度の不均一が生じることを防止することができる金属板の焼入れ装置、及び金属板の焼入れ装置を用いた金属板の製造方法を提供する。本発明に係る焼入れ装置は、高温の金属板を液体に浸漬させて冷却する焼入れ装置であって、前記金属板を浸漬させる液体を収容する浸漬槽と、少なくとも一部が前記浸漬槽に収容される液体中に位置するように設けられ、前記金属板の両面側から前記金属板に冷却液を噴射する複数のノズルを備えた液体噴射装置と、前記液体噴射装置の通板方向の前と後とに、それぞれ金属板を拘束する一対の拘束ロールを備えることを特徴とする。

Description

本発明は、高温の金属板を液体に浸漬させて冷却する焼入れ装置、及び前記焼入れ装置を用いて行われる金属板の製造方法に関する。
鋼板をはじめとする金属板を製造する際には、連続焼鈍設備において、加熱後に金属板を冷却し、相変態を起こさせるなどして材質の造り込みを行う。近年、自動車業界では車体の軽量化と衝突安全性の両立を目的として、高張力鋼板の適用が進んでおり、そのような需要動向に対応するために、高張力鋼板の製造に有利な急速冷却(急冷)技術の重要性が増している。最も冷却速度が速い水焼入れ法としては、加熱された高温の鋼板を水中に浸漬させると同時に、水中内に設けられたクエンチノズルにより冷却水を鋼板に噴射し、急冷を行う方法が一般的である。しかしながら、その急冷の際に、鋼板に反りや波状変形などの面外変形による形状不良が発生することが、問題となっている。
このような問題に対して、特許文献1では、焼入れ装置内に一対の拘束ロールを配置し、該拘束ロールでマルテンサイト変態温度域前後の金属板を両面側から拘束することにより、面外変形を抑制する手法が提案されている。
特許文献2では、特許文献1のように焼入れ装置内における一対の拘束ロールによって金属板の冷却速度が低下するという問題を、水平面から傾斜させたノズルを用いることによって解決する焼入れ装置が開示されている。
特許文献3では、冷却水が通過可能な溝を設けたロールを使用することで、ロール近傍の冷却水の滞留を解消し、ロール近傍における冷却速度低下の問題を解決する焼入れ装置が提案されている。
特許第6094722号 特開2017−119912号 特開2018−135552号
しかしながら、特許文献1に記載された焼入れ装置を用いると、焼入れ時の金属板の変形を防止できるものの、金属板が水噴射装置の内側に設けられた拘束ロールを通過する際に、一時的に金属板の冷却速度が低下することで、金属板の特性が低下するという課題が見出された。具体的には、金属板の冷却速度の低下に起因して、所望の金属板の材料特性、例えば所望の引張強度を有する金属板が得られない場合がある。
また、特許文献2に記載された方法では、ノズルを斜めに設置するので、ノズル1本あたりの通板方向における設置範囲を大きく設ける必要があり、通板方向長さあたりのノズル設置本数が減少し、冷却速度の低下を招くという問題がある。この場合も上述と同様に、所望の金属板の材料特性が得られないことがある。
そして特許文献3では、特許文献1に記載された拘束ロールの設置によって発生する、拘束ロール近傍において冷却水が滞留するという問題点が、拘束ロールに溝を設けることによって解決される。しかし特許文献3に開示された方法では、溝部に優先的に冷却水が流れる一方で、溝以外の部分では冷却水の流れが妨げられることで、溝間隔と同じ周期で金属板の冷却速度の不均一が板幅方向に生じる。これにより、引張強度をはじめとする金属板の材質の不均一が、溝間隔と同じ周期で生じる。材質の不均一によって、金属板にプレスや曲げ等の加工を金属板に施す際に、種々の問題が生じる。例えば、加工時に金属板の変形が不均一となることで寸法精度の低下が生じる、或いは加工の方法によっては金属板表面に縞状の模様が生じる、といった問題が挙げられる。
本発明はかかる事情に鑑みて完成されたものであって、水噴射装置を通過する際において金属板の冷却速度を十分に確保することができるとともに、金属板の位置によって冷却速度の不均一が生じることを防止することができる金属板の焼入れ装置、及び当該金属板の焼入れ装置を用いた金属板の製造方法を提供することを課題とする。
発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、以下のような知見を得た。鋼板の製造においては、水中への浸漬および冷却水の噴射による高温の鋼板の急冷中に、鋼板にマルテンサイト変態を起こさせる組織制御が用いられる場合がある。この際、マルテンサイト変態が起こると組織が急速に体積膨張するので、鋼板は複雑で不均一な凹凸状の形状になってしまうことがある。マルテンサイト組織を有するような高張力鋼板(高強度鋼板)は、焼入れ時に、熱収縮中に変態膨張が生じるMs点からMf点の近傍で、鋼板に最も大きな応力が働き、形状が崩れる。なお、Ms点とはマルテンサイト変態が開始する温度のことであり、Mf点とはマルテンサイト変態が終了する温度のことである。
さらにこの時、板幅方向や板厚方向の冷却速度に不均一が生じると、マルテンサイト変態が生じている部分で発生した応力が、未だ変態が完了していない部分で解放され、著しく大きな面外変形が発生することがわかった。冷却速度の不均一の原因として、冷却中に金属板の面外方向位置がずれることが挙げられる。具体的には、噴射した冷却水により金属板が面外方向(金属板の表面と垂直な方向)に押圧され、金属板のパスラインの位置がずれる。金属板は表面側のノズルと裏面側のノズルとから等距離にある面外方向中心部を通ることが望まれるが、冷却水によって金属板のパスラインが当該面外方向中心部から面外方向にずれることがある。特に、前述したようにロール近傍での冷却速度の低下を防止する目的で、水噴射装置の内側に拘束ロールを設けない場合、水噴射装置の内側での金属板の張力が不足し、金属板のパスラインの位置はずれやすくなる。
金属板のパスラインの位置ずれにより、ノズルから金属板までの距離が、金属板の表裏面や板幅方向位置によって不均一となり、冷却速度の不均一が発生する。本発明者らは、金属板のパスラインを面外方向中心部に保持することが、冷却速度の均一化を実現し、ひいては金属板の形状崩れの抑制には効果的であることを見出した。
本発明の手段は、次のとおりである。
[1]高温の金属板を液体に浸漬させて冷却する焼入れ装置であって、前記金属板を浸漬させる液体を収容する浸漬槽と、少なくとも一部が前記浸漬槽に収容される液体中に位置するように設けられ、前記金属板の両面側から前記金属板に冷却液を噴射する複数のノズルを備えた液体噴射装置と、前記液体噴射装置の前と後とに、それぞれ金属板を拘束する一対の拘束ロールを備える焼入れ装置。
[2]前記一対の拘束ロールは、それぞれのロールの中心軸が通板方向における位置を違えるように配置される[1]に記載の焼入れ装置。
[3]前記拘束ロールは、前記液体噴射装置のノズル冷却開始点とノズル冷却終了点それぞれから、0m〜1.2mの位置に設置される[1]又は[2]に記載の焼入れ装置。
[4]連続焼鈍炉にて金属板に焼鈍処理を行った後、焼入れ装置を用いて焼入れを行う金属板の製造方法において、前記焼入れ装置は、前記金属板を浸漬させる液体を収容する浸漬槽と、少なくとも一部が前記浸漬槽に収容される液体中に位置するように設けられ、前記金属板の両面側から前記金属板に冷却液を噴射する複数のノズルを備えた液体噴射装置と、前記液体噴射装置の通板方向の前と後とに、それぞれ配置された一対の拘束ロールと、を有し、前記金属板が前記液体噴射装置を通過する際に、前記金属板のパスラインを面外方向中心部に保持するように、前記一対の拘束ロールにより前記金属板を拘束する金属板の製造方法。
[5]前記一対の拘束ロールは、それぞれのロールの中心軸が通板方向における位置を違えるように配置される[4]に記載の金属板の製造方法。
[6]前記拘束ロールは、前記液体噴射装置のノズル冷却開始点とノズル冷却終了点それぞれから、0m〜1.2mの位置に設置される[4]又は[5]に記載の金属板の製造方法。
本発明では、水噴射装置を通過する際における金属板の冷却速度の低下を防止するとともに、位置による金属板の冷却速度の不均一を防止することにより、所望の材料特性を均一に備えた金属板を製造することができる。
図1は、本発明に係る焼入れ装置の一例を示す模式図である。 図2は、図1の焼入れ装置の水噴射装置付近を示す拡大図である。 図3は、本発明に係る焼入れ装置の他の一例を示す模式図である。
本発明に係る焼入れ装置の一例を、図1〜図2を用いて説明する。図1は、焼入れ装置10を示す模式図である。図2は、図1の焼入れ装置10の水噴射装置14付近を示す拡大図である。この焼入れ装置10は、連続焼鈍炉の均熱帯の出側に設けられた冷却設備に適用される。以下では、金属板の具体例として鋼板11、液体(冷却液)の一例として水12、浸漬槽の一例として水槽13、及び液体噴射装置の一例として水噴射装置14を用いて説明するが、本発明はこれらの例に限定されるわけではない。
図1における焼入れ装置10では、水噴射装置14の少なくとも一部が水12中に位置するように、水12が水槽13に収容される。加熱、均熱、冷却及び再加熱といった一連の焼鈍処理を行う連続焼鈍炉の均熱帯から排出された高温の鋼板11は、水槽13の上方から水12中に搬送される。そして、水噴射装置14のノズル16から鋼板11の両面に冷却水が噴射され、鋼板11の焼入れが行われる。鋼板11は、水12中への浸漬および冷却水の噴射により例えば冷却水の温度まで急冷された後、水槽13の出口19から排出されて、次の工程へと搬送される。
図1に示すように、焼入れ装置10は、鋼板(鋼帯)11を浸漬させる水12を収容する水槽(浸漬槽)13と、鋼板11に冷却水を噴射する水噴射装置14とを備える。また、焼入れ装置10は、水槽13に収容される水12中に位置するように設けられ、鋼板11の搬送方向(通板方向)を変更するシンクロール15を備える。
そして、水噴射装置14は、少なくともその一部が水槽13内に収容される水12中に位置するように設けられ、図1においては、鋼板11が通過する鋼板通板ラインの両側に相対し所定の隙間を介して設置される。また、水噴射装置14は、鋼板11の板幅方向に延び、鋼板11にその両面側から冷却水を噴射する複数のノズル16を有する。ノズル16は、鋼板11が通過するパスラインの両側に、鋼板11の搬送方向に所定の隙間を介して、図1においては8つずつ配置される。また、図1においてノズル16は、全て水槽13内に収容される水12中に位置するように設けられる。
鋼板11は、水槽13に収容された水12中、すなわち水槽13の水面より下方において、水噴射装置14のノズル16から噴射された冷却水によって急冷されることにより熱収縮する。特に、鋼板11がマルテンサイト変態を生じるような材料の場合には、鋼板11の温度が、マルテンサイト変態が開始する温度であるMs点からマルテンサイト変態が終了する温度であるMf点となったときに、鋼板11に急激な熱収縮と変態膨張が同時に生じ、鋼板11に働く応力が最も大きくなり、鋼板11の形状が崩れる。このとき、鋼板11のパスラインが面外方向の中心から外れると、ノズルから鋼板までの距離が板幅方向、表裏で不均一となることで、板幅方向や板厚方向の冷却速度に不均一が生じ、著しく大きな面外変形が発生する。
本発明に係る焼入れ装置10では、水噴射装置14の通板方向の前と後のそれぞれに、一対の拘束ロール20が設けられる。拘束ロール20は、水噴射装置14の内側を通過する際の鋼板11を平らに保持し、鋼板11のパスラインを保持する。より具体的には、水噴射装置14前後の所定の通板方向位置に、二対のピンチロールを配置して、ピンチロールによって圧延や焼鈍によって変形した鋼板11を両面側から拘束することにより、水噴射装置14の内側で鋼板11を平らに保持し、面外方向中心部に鋼板11のパスラインを保持する。鋼板11を平らに保持し、鋼板11の面外方向の位置ずれを防ぎ、パスラインを安定化させることにより、鋼板11の位置ずれに起因する水噴射装置14の内側での冷却の不均一性を防止することができる。よって、金属板(鋼板)の製造方法において本発明に係る焼入れ装置を用いることにより、所望の材料特性を均一に備えた鋼板11を製造することができる。拘束ロール20の径は特に制限されないが、鋼板11に十分な拘束力を付与するという観点から、直径100mm〜200mmとすることが好ましい。
「面外方向」(out-of-planedirection)とは、鋼板11の表裏面と直行する方向を示す。面外方向におけるずれとは、鋼板11のパスラインが理想状態から表裏面と直交する方向(図1では左右方向)に位置ずれすることをいう。理想状態のパスラインでは、図1のような鋼板11の板幅方向から見た側面視において、鋼板11の板厚方向中央部が、向かい合うノズル16とノズル16とから等距離にある中間点を結んだ直線状の面外方向中心部を通過する。本発明の効果が得られる限りにおいて、金属板(鋼板)のパスラインの面外方向中心部からの微小なずれを許容することができる。具体的には、図1のような側面視において、鋼板の板厚方向中央部の面外方向中心部からのずれ量として、ノズルと鋼板表面との間の距離に対して8%以内の大きさであれば許容することができる。
本発明では水噴射装置14の内側、より具体的には鋼板11のパスラインとノズル16との間、にロールを別途設ける必要がない。よって、本発明では、鋼板11が鋼板11のパスラインとノズル16ロール近傍を通過する際に、一時的に鋼板11の冷却速度が低下することがなく、鋼板11の特性が低下するという問題を解消できる。
本発明では、各ノズル16を水平方向に、より具体的には鋼板11の面外方向に対して略平行に、設置できる。よって、ノズル1本あたりの通板方向における設置範囲を抑えて、通板方向長さあたりのノズル設置本数を多く確保でき、高い冷却能を実現することができる。
図1および図2の例では、対となる2本のロールの中心軸の通板方向における位置が同じになるように拘束ロールを設置したが、鋼板11を水噴射装置14の面外方向中心に保持することが達成されれば、他の実施形態によっても本発明の効果を得ることができる。例えば、図3のように対となる拘束ロールを、それぞれのロールの中心軸が通板方向における位置を違えるように、言い換えると通板方向にオフセットさせて設置してもよい。
図3のように、対となる拘束ロールを通板方向にオフセットさせて設置することにより、鋼板11を平らに保持する効果を高めることができる。より具体的には、対となる拘束ロール20のうち、水噴射装置14とは遠い側のロールを、鋼板11を押し込む方向に位置させることで、当該効果が高められる。一対の拘束ロール20に鋼板11が接する状態(鋼板11が一対の拘束ロール20と接触しつつ、拘束ロール20における鋼板11の巻き付け角が0°になる状態)を0mmとした場合に、水噴射装置14とは遠い側のロールを、1mm〜5mm程度、鋼板11側に移動させることが好ましい。
水噴射装置14の前の拘束ロール20と後の拘束ロール20との間の距離が大きくなるにつれて、鋼板11を平らに保持する効果が小さくなり、鋼板11のパスラインを面外方向中心部に保持する能力が減退する。よって、前後の拘束ロール20の間の距離は、小さければ小さいほど望ましい。一方で、特許文献1〜3に開示された焼入れ装置のように、拘束ロールを水噴射装置14のノズル16に干渉する位置に設置すると、十分な冷却能を確保できない、或いは拘束ロール近傍での冷却水の流れが妨げられる、といった問題が生じる。よって本発明では、ノズル16の冷却水の流れに干渉しない範囲で、可能な限り前後の拘束ロールの間隔を短くすることが好ましい。
具体的に拘束ロール20は、水噴射装置14のノズル冷却開始点とノズル冷却終了点のそれぞれから、0〜1.2mの範囲に設置されることが好ましい。当該範囲内であると、冷却水の流れに干渉せず、かつ十分に鋼板を平らに保持することができる。ノズル冷却開始点は最入側ノズルから噴射される水流の上端と鋼板11の表面(又は裏面)との接触位置とし、ノズル冷却終了点は最出側ノズルから噴射される水流の下端と鋼板11の表面(又は裏面)との接触位置とする。また、ノズル冷却開始点又はノズル冷却終了点から拘束ロール20までの距離を測定する際は、より水噴射装置14に近い側のロールの上端部又は下端部を起点とすればよい。
本発明は、引張強度590MPa以上の鋼板の製造装置に適用することが好ましい。
以下に、本発明の更なる理解のために実施例を用いて説明するが、実施例はなんら本発明を限定するものではない。
図1の焼入れ装置10を用い、板厚1.0mm、板幅1m、引張強度1470MPa級の高張力冷延鋼板を、通板速度100mpmで製造した。鋼板11の焼入れ開始温度(水槽13への浸漬開始温度)が750℃で、水温30℃まで冷却を行った。水噴射装置14の通板方向前後に、ノズル冷却開始点及びノズル冷却終了点からの距離がそれぞれ20mmとなる位置に、二対のピンチロールからなる拘束ロール20をそれぞれ設置した(実施例1)。拘束ロール20の直径は150mmとした。一方、比較例1は、特許文献1で示されるように、水噴射装置の内側に一対の拘束ロールを設ける例で同様の実験を行った。比較例2は、特許文献3で示されるように、水噴射装置の内側に溝を有する一対の拘束ロールを設ける例で同様の実験を行った。
実施例および比較例で製造された鋼板について、引張強度、引張強度変動、鋼板形状を評価した。評価結果を表1に示す。引張強度は、引張方向が圧延方向となるように、JIS5号引張試験片を採取し、JIS Z 2241の規定に準拠して引張試験を実施して求め、引張強度が1470MPa未満の場合は×、1470MPa以上の場合は○と評価した。また、上記引張強度試験を、鋼板の板幅方向に40mm毎に採取した試験片にて実施し、板幅全体の平均値と、最大の値から最小の値を引いた変動代との比を、引張強度変動率として求め、変動率が4%未満であれば○、4%以上は×と評価した。また、鋼板形状判定については、鋼板の反りが10mm以下の場合は○、鋼板の反りが10mm超えの場合は×とした。鋼板の反りは、鋼板を水平面に置いた場合の、最も高い位置の高さとした。
水噴射装置14の内側に冷却水の流れを妨げるロールの無い実施例1では、鋼板の形状が良好であり、且つ、引張強度が高く、板幅方向の強度変動も発生していないことが確認された。一方、溝を有さない拘束ロールを水噴射装置14内側にて用いた比較例1では、鋼板の形状は良好なものの、実施例1および比較例2に比べて冷却速度が低下したことにより、引張強度が所定の数値に到達しなかった。また、溝を有する拘束ロールを水噴射装置14内側に設置した比較例2では、鋼板の形状は良好で、引張強度も所定の値以上を有していたものの、溝部と溝部以外での冷却速度の差が大きいことにより、引張強度の変動が大きくなった。
Figure 2020203261
10 焼入れ装置
11 鋼板
12 水
13 水槽
14 水噴射装置
15 シンクロール
16 ノズル
19 出口
20 拘束ロール

Claims (6)

  1. 高温の金属板を液体に浸漬させて冷却する焼入れ装置であって、
    前記金属板を浸漬させる液体を収容する浸漬槽と、
    少なくとも一部が前記浸漬槽に収容される液体中に位置するように設けられ、前記金属板の両面側から前記金属板に冷却液を噴射する複数のノズルを備えた液体噴射装置と、
    前記液体噴射装置の通板方向の前と後とに、それぞれ前記金属板を拘束する一対の拘束ロールを備える焼入れ装置。
  2. 前記一対の拘束ロールは、それぞれのロールの中心軸が通板方向における位置を違えるように配置される請求項1に記載の焼入れ装置。
  3. 前記拘束ロールは、前記液体噴射装置のノズル冷却開始点とノズル冷却終了点それぞれから、0m〜1.2mの位置に設置される請求項1又は2に記載の焼入れ装置。
  4. 連続焼鈍炉にて金属板に焼鈍処理を行った後、焼入れ装置を用いて焼入れを行う金属板の製造方法において、
    前記焼入れ装置は、前記金属板を浸漬させる液体を収容する浸漬槽と、少なくとも一部が前記浸漬槽に収容される液体中に位置するように設けられ、前記金属板の両面側から前記金属板に冷却液を噴射する複数のノズルを備えた液体噴射装置と、前記液体噴射装置の通板方向の前と後とに、それぞれ配置された一対の拘束ロールと、を有し、
    前記金属板が前記液体噴射装置を通過する際に、前記金属板のパスラインを面外方向中心部に保持するように、前記一対の拘束ロールにより前記金属板を拘束する金属板の製造方法。
  5. 前記一対の拘束ロールは、それぞれのロールの中心軸が通板方向における位置を違えるように配置される請求項4に記載の金属板の製造方法。
  6. 前記拘束ロールは、前記液体噴射装置のノズル冷却開始点とノズル冷却終了点それぞれから、0m〜1.2mの位置に設置される請求項4又は5に記載の金属板の製造方法。
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