JPWO2020195829A1 - 皮膚の状態を評価する方法 - Google Patents

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Abstract

角層試料中のポリアミンを選択的に染色する方法、及びポリアミン量を指標として皮膚のキメを評価する方法を提供することを課題とする。解決手段として、角層試料中に存在するポリアミンに、選択的に5(6)−カルボキシテトラメチルローダミングリシンプロパギルエステル(Carboxytetramethylrhodamine Glycine Propagyl ester)で蛍光標識する工程を含むことを特徴とする蛍光顕微鏡観察用角層試料の調製方法を提供する。

Description

本発明は、皮膚角層中のポリアミンを指標として皮膚の状態を評価する方法に関する。
ポリアミンは体内でアミノ酸から合成される2つ以上のアミノ基を持つ物質である。全ての動物やヒトの細胞内で成長期に盛んに合成されている(非特許文献1)。細胞増殖時の核酸合成特にRNAと強く結合し、RNA構造を変化させ、成長期の多岐にわたる段階でタンパク質合成促進を行っている(非特許文献2)。
それ以外にも抗炎症作用(非特許文献3)、抗酸化作用(非特許文献4)、糖化抑制(非特許文献5)、寿命延長(非特許文献6)など様々な機能を有している。これらのことから、ポリアミンが細胞の生命現象に欠くべからざる物質であることが周知である。
加齢によって体内のポリアミン濃度が低下すること(非特許文献7)また、ポリアミンの合成には、一連の合成系酵素が必要であるが、この酵素は、加齢に伴って酵素活性が低下することが知られている(非特許文献8)。
全身各臓器におけるポリアミンの存在量は既知である。例えば皮膚においては、真皮、表皮共に存在する。真皮、表皮のポリアミン(スペルミン、スペルミジン、プトレスシン)存在量も知られている(非特許文献9)。しかし、皮膚角層におけるポリアミンの量についての報告はない。
また、皮膚角層におけるポリアミンを特異的に検出する方法は、見当たらない。また皮膚角層におけるポリアミンの機能についても報告がない。
一方、近年癌の研究に伴って、細胞のポリアミンの研究が進んでおり、細胞の生存に悪影響を及ぼさない生体のポリアミン染色方法が提案されている(非特許文献10)。この染色方法は、生細胞の生染色技術であって、皮膚角層のように生細胞と死細胞が混在する組織の染色に適用可能か不明である。
角層は、皮膚を構成する4層のうち、最外層に位置し、角質、角質層ともいう組織であるが、この角層を採取して染色を行なって、組織観察することで皮膚の構造や機能、構成成分の作用効果なども判明しつつある。例えば、角層の形状を評価するには、粘着性のテープで角層を剥離させて採取し、この角層をそのまま、もしくは採取した角層をスライドガラスに転写して、角層を青色1号、紫色401号、緑色201号、黄色4号、黄色5号、黄色407号、赤色102号、橙色205号、ブリリアントグリーン、ヘマトキシリンなどの色素と有機酸とアルコールを用いた試薬や、コンゴレッド色素で染色し、観察する方法が行われている(特許文献1〜2)。
また、角層中に存在する物質から肌状態を評価する染色方法として、蛍光標識抗体を用いてAGEs(advanced glycation end products)の存在量を指標として皮膚状態を評価する方法やTARC(Thymus and activation−regulated chemokine)の発現量を指標としてアトピー性皮膚炎の局所病態を評価する方法が記載されている(特許文献3〜4)。
特許文献5には、ヒドラジノ基含有蛍光物質によりカルボニル化した角層タンパク質を検出し、皮膚疾患の有無を検査する方法が記載されている。
このように皮膚角層を染色することで、皮膚の状態を判別する指標が開発されている。
皮膚において、「肌理」または「キメ」という指標は、皮膚の表面形態が乱れている肌状態をあらわす場合に使用されている。健康な皮膚の表面では、皮溝、皮丘によって規定されるキメ(肌理)が形成され、光学的にも規則的である。しかし、肌荒れした皮膚の表面では、キメが乱れて、さらには鱗屑(スケーリング)が発生し光学的に不規則になり、肉眼でもその乱れを認知できるようになる。また、肌触りもスムースさに欠け、かさついた感触になる。
肉眼的にはスケーリングの程度、炎症反応による紅斑の程度をスコア化することが、当業者間では行なわれている。また表面形態をデジタルマイクロスコープで撮影して、画像解析によりスケーリング部分のみ抽出して評価をする、あるいは皮膚の測色により赤みの程度を定量化することが行なわれている。また、肌荒れに伴う表面形態の変化は、レプリカ法などによって計測することも可能である。さらに、肌荒れに伴う角層水分量の低下やバリア機能の低下は、角層コンダクタンスや経表皮水分蒸散量の測定など、皮膚を傷つけないで測定する機器を用いた非侵襲的な方法により評価する様々な方法が提案されている(特許文献6〜12)。しかし必ずしも実感に即した評価方法が未だ提供されていないのが現状である。また評価にあたっても長年の経験が必要であり、習熟に専門的な訓練が必要であった。このキメの状態を客観的に評価測定する方法が求められている。
特開2006−53117号公報 特開2007−263655号公報 特許第5275898号公報 特許第5065237号公報 特開2009−36555号公報 特開2005−95326号公報 特開2006−180971号公報 特開2007−130101号公報 国際公開第2009/142069号 特開2010−273736号公報 特開2010−22547号公報 特開2017−216941号公報
Cell Tissue Kinet.1983.16,493-504 Biochem Biophys Res. Commun 2000 May 19;271(3):559-64. Igarashi et al. J Exp Med. 1997 May 19;185(10):1759-68.Zhang M et al. Proc. Natl. Acad. Sci. USA Vol. 95, pp. 11140-11145, September 1998 Life Sci. 2003 Apr 25;72(23):2603-16. Gugliucci et al. Aging,August,2011 Vol.3,No.8,Nadege Minois et al. Exp Gerontol. 1982;17(2):95-103. Ratna Das et al. Exp Gerontol. 1993 Nov-Dec;28(6):565-72. Kiego Yoshinaga et al. Arch Dermatol Res. 1983;275(4):218-21. P. EI Baze et al. Chemical Communications, 2017,53, 8403-8406, Katunori Tanaka et al
本発明者らは、皮膚角層におけるポリアミンの量に着目し、角層のポリアミン量が皮膚のキメの指標となりうることを見出し、本発明をなした。
すなわち、本発明は角層中のポリアミン量を測定して皮膚状態を評価する方法であり、 その1つとしてポリアミンを選択的に染色し、皮膚角層試料を調製する方法、及び調製した試料を用いた皮膚角層のポリアミン量を測定する方法、さらにはポリアミン量の測定結果に基づく皮膚のキメを評価する方法を提供することを課題とする。
本発明の主な構成は、次のとおりである。
(1)角層試料中に存在するポリアミン量を測定して、皮膚状態を評価する方法。
(2)角層試料中に存在するポリアミンを、染色する工程を含むことを特徴とする角層試料の調製方法。
(3)染色する工程が、5(6)−カルボキシテトラメチルローダミングリシンプロパギルエステル(Carboxytetramethylrhodamine Glycine propagyl ester)を含む溶液に、角層試料を浸漬する工程である(2)に記載の角層試料の調製方法。
(4)角層試料がテープストリッピング法によって採取されたものである(2)又は(3)に記載の角層試料の調製方法。
(5)5(6)−カルボキシテトラメチルローダミングリシンプロパギルエステルで蛍光標識された角層試料を、蛍光顕微鏡観察することによって選択的に蛍光標識された皮膚角層のポリアミンの蛍光量を測定して皮膚状態を評価する方法。
(6)ポリアミン量の測定が、画像解析の手法による蛍光輝度の測定である(5)に記載の皮膚状態を評価する方法。
(7)皮膚状態の評価が、皮膚表面形態を表す物性値としてキメの粗さ・キメの形状・キメの流れにくさ・キメスコアから選択されるいずれか1以上の項目である(5)または(6)に記載の皮膚状態を評価する方法。
(8)皮膚状態の評価が、目視によるキメスコアである(5)または(6)に記載の皮膚状態を評価する方法。
(9)角層試料の水抽出物から化学的分析方法により検出したポリアミン量を指標として皮膚状態を評価する方法。
(10)角層試料がテープストリッピング法によって採取されたものである(1)又は(5)〜(9)のいずれかに記載の皮膚状態を評価する方法。
本発明により、皮膚角層のポリアミンを検出又は選択的に染色する方法が提供される。またポリアミンを選択的に観察可能な、角層試料の調製方法及び調製した試料を用いた皮膚状態を評価する方法が提供される。本発明の方法は、角層中のポリアミンに選択的に蛍光色素が結合しているので、ポリアミンの観察が極めて容易である。したがって、角層中におけるポリアミンの状態を容易に観察することが可能である。また観察画像を画像解析することでポリアミン量を容易に計測でき、これを基準として皮膚のキメを客観的な数値として解析評価することができる。この皮膚のキメ評価は、従来の方法と異なり、検査担当者の専門的な訓練の必要がなく、短時間で評価測定が可能となるため利便性が高い。
被験者19名の角層試料のポリアミン染色画像の蛍光顕微鏡撮影画像である。画像は、画像の目視観察結果に基づき3段階の評価によって分類している。 被験者の19名の角層試料のポリアミン染色画像の蛍光輝度の散布図である。X軸は画像の目視評価評点、Y軸は画像の平均輝度値/画像である。 被験者の19名の角層試料のポリアミン染色画像の蛍光輝度とマイクロスコープによるキメの粗さデータの散布図及び、相関を評価した回帰直線を示す図である。 被験者の19名の角層試料のポリアミン染色画像の蛍光輝度とマイクロスコープによるキメの形状データの散布図及び、相関を評価した回帰直線を示す図である。 被験者の19名の角層試料のポリアミン染色画像の蛍光輝度とマイクロスコープによるキメの流れにくさデータの散布図及び、相関を評価した回帰直線を示す図である。 被験者の19名の角層試料のポリアミン染色画像の蛍光輝度とマイクロスコープによるキメスコアデータの散布図及び、相関を評価した回帰直線を示す図である。 ヒト皮膚のレプリカ画像とその画像に対応するキメスコアを示す画像である。 被験者15名の角層試料のポリアミン染色画像の平均輝度値とキメ目視スコアの散布図及び相関を評価した回帰直線を示す図である。 被験者20名の角層試料のポリアミン染色画像の平均輝度値とポリアミンの化学分析値の散布図及び相関を評価した回帰直線を示す図である。
本願は、皮膚より採取した角層試料を、ポリアミン染色試薬により観察可能な状態とした角層試料を調製する方法の発明である。ポリアミン染色試薬とは、5(6)−Carboxytetramethylrhodamine−Glycine propagyl esterで、グリシンプロパギルエステルがポリアミンと特異的に反応し、5(6)カルボキシテトラメチルローダミン(TAMRA)を標識することにより、蛍光観察可能な状態とする。標識する色素は、5(6)カルボキシテトラメチルローダミン(TAMRA)に限らず、蛍光色素、発光色素、着色色素のいずれでも良い。例えば、メロシアニン(Merocyanine)、ペリレン(perylene)、アクリジン(acridine)、ルシフェリン(luciferin)、ローダミン(Rhodamine)、クマリン(coumarin)、フルオロセイン(fluorscein)、ウンベリフェロン(umbelliferone)などの色素があげられる。さらに、この試料の観察画像を画像解析にすることで皮膚角層のポリアミン量を蛍光輝度によって数値化して、皮膚の状態を評価することが、本発明の第2の発明である。さらにまた本発明の第3の発明は、観察画像の画像解析情報により、得られるポリアミン量を指標として皮膚のキメを評価するものである。以下に、更に詳細に説明を加える。
なお、本発明でいう「キメ」とは、ヒトの肌表面に本来存在する「皮溝」と呼ばれる溝と、その溝に囲まれ隆起した「皮丘」とからなる網目構造である。美しく、健康的な肌に見せるためには、キメを細かく目立たなくすることが重要なポイントである。キメは、加齢に伴って粗くなり、キメが流れて不規則、不明瞭となっていく傾向はあるものの、若年者でもキメが不明瞭な場合があることから、必ずしも老化とキメの粗さが直接影響するわけではない。このようにキメの形状は個人差が大きく、各人の持って生まれた皮膚形態であるといえる。
前記皮膚角層試料の採取、角層試料の処理及び角層試料の調製、画像解析データ取得と、皮膚状態の評価は、以下のように行うことが好ましい。
(工程1)角層剥離手段を用いて、皮膚より角層試料を採取する。
(工程2)工程1で採取した角層試料を、剥離面を上方にして透明板に貼り付ける。
(工程3)ポリアミンに対して特異的な結合能を有する5(6)−カルボキシテトラメチルローダミングリシンプロパギルエステルを含む溶液を滴下した後、一定時間静置する。
(工程4)工程3で得られた角層試料を水によって洗浄する。
(工程5)工程4で洗浄した角層試料を風乾して蛍光顕微鏡観察試料(標本)とする。
(工程6)工程5で得られた蛍光顕微鏡観察試料を、励起光560nm、蛍光光580nmの観察条件で蛍光顕微鏡観察して蛍光画像データとして取得する。
(工程7)工程6で取得した蛍光画像の蛍光輝度をピクセルごとに黒から白の順序の0〜255グレーレベルで表示し試験試料のポリアミンの指標とする。
(工程8)工程8は、次のA又はBいずれかの方法によってキメスコアを決定する工程である。
A.多数の被験者から採取した角層試料の前記ポリアミンの指標値と、被験者の皮膚のキメの粗さ、キメの形状、キメの流れにくさ、キメスコアに基づく相関式から回帰直線をもとめ、この回帰直線から工程6で得られたポリアミン指標に対応する被験者の皮膚のキメの粗さ、キメの形状、キメの流れにくさ、キメスコアを決定する。
B.多数の被験者から採取した角層試料の前記ポリアミンの指標値と目視評価スコアに基づく相関式から回帰直線をもとめ、この回帰直線から工程6で得られたポリアミン指標に対応する被験者のキメスコアを決定する。
工程1の角層剥離手段は、バイオプシーや粘着テープを用いる方法のいずれであっても良い。被験者の負担を考慮すると粘着テープを用いる方法が好ましい。粘着テープを用いる方法は、テープストリッピング法と呼ばれる。
テープストリッピング法は、粘着性テープを皮膚に貼り付けた後、剥がして皮膚の表層を採取する方法である。
粘着剤としては、天然ゴム、ポリイソブチレン、ポリブタジエン、シリコーンゴム、ポリイソプレン、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体等の合成ゴム、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリル酸エステル共重合体等の合成樹脂等が用いられている。テープストリッピング法に用いる粘着テープは市販されており、これを使用しても良い。
工程2において、工程1で採取した角層試料を、剥離面を上方にして透明板に貼り付ける場合の透明板は、顕微鏡観察に適したガラス製あるいはアクリル製のものを用いることが好ましい。
工程3で用いる5(6)−カルボキシテトラメチルローダミングリシンプロパギルエステルを含む溶液は、市販されている細胞用のポリアミン染色試薬を用いることができる。5(6)−カルボキシテトラメチルローダミングリシンプロパギルエステルはグリシンプロパギルエステルが特異的にポリアミンに結合する特性を利用して、生細胞などの組織内に存在するポリアミンに結合することで、ポリアミンに赤色蛍光を付するものである。このような染色試薬としては、「PolyamineRED」(フナコシ株式会社)を例示することができる。
工程4における洗浄は、工程3で用いたポリアミン染色用試薬の、角層中のポリアミンと未反応の5(6)−カルボキシテトラメチルローダミングリシンプロパギルエステルを除去するために行なうものである。充分量の水を用いて少なくとも1〜10回程度(好ましくは3〜5回)繰り返し洗浄する。洗浄に用いる水は、純水、イオン交換水、蒸留水、水道水等があげられるが、純水が好ましい。
工程5においては、前記工程4終了後、試料の水分を風乾させた後、顕微鏡観察用の試料(標本)とする。なお、長期間試料を保存する場合に用いる水溶性の封入剤(グリセリン系、クロラール系、ゼラチン系、特殊封入剤)によって封入標本としても良い。
工程6においては、前記工程5で用いた標本を蛍光顕微鏡により観察する。このとき、励起光560nm、蛍光光580nmの条件で蛍光顕微鏡観察して蛍光データを取得する。蛍光データの取得は、あるいは標本をビデオスコープ等でモニターに写し出し、剥離採取した角層試料に含まれているポリアミンの量を蛍光輝度として確認する。このとき、ポリアミンは、赤色の蛍光を発し、蛍光輝度がすなわちポリアミン量の指標となる。この特異的な蛍光は、ポリアミン量と1対1の対応があることが確認されている(非特許文献10参照)。
工程7において、上記工程6における蛍光顕微鏡に観察によって、確認評価したい標本の観察画像を選択して、デジタルカメラ等を用いて画像データとしてコンピュータに取り込む。そして取得した観察画像の取り込みデータを、画像処理によって数値化したデータを取得する。画像処理は、公知の画像処理システムであればどのようなシステムであっても使用可能である。このような画像処理システムとしては、本発明にあっては、「ImageJ」が適切な画像処理システムとして使用可能である。「ImageJ」は、オープンソースでパブリックドメインの画像処理ソフトウェアである。当業者であれば、容易に入手可能である。
前記ポリアミン類の存在に由来する、蛍光画像の輝度をピクセル(画素)ごとに黒から白の順序の0〜255グレーレベルで表示する。なお、グレーレベルの閾値の設定は、各画像の角層が写っていない部分(バックグラウンド)のグレーレベルの平均輝度をaとし、角層の重層部分(積層した部分)のグレーレベルの平均輝度値をbとし、グレーレベルa以上、b未満の平均輝度値を、角層のポリアミン出力データとなるように、グレーレベル閾値を設定する。
かくして出力された画像データの画素数あたりの平均輝度値をポリアミン量の指標とする。
工程8においてはA、Bいずれかの工程を採用できる。
工程8のAでは、皮膚表面形態を表す物性値として「キメの粗さ」、「キメの形状」、「キメの流れにくさ」、「キメスコア」について測定するものである。例えば、特開2017−140206号公報に記載の、肌理評価システムがあげられる。
工程8のBでは、従来の皮膚の表面形態を表す物性値として、目視によるキメ評価を採用するものである。
以下、肌理評価システムを用いた皮膚表面形態を表す物性値として、肌理パラメータを算出する方法を工程に沿って説明する。また目視によるキメ評価値を、ポリアミンを指標として決定する方法について説明する。
(1)複数者の肌拡大画像撮影
まず、複数者の肌の拡大画像を撮像する。この撮像装置は、レンズ部と照光部とを備える。撮像した画像に影が生じると、モノクロ画像とした時に影部分が実際よりも濃くなり、濃淡値から算出する肌理パラメータに狂いが生じるため、レンズ部を取り囲むように複数の照光部を配置することが好ましい。例えば、LED等の点光源からなる複数の照光部を、レンズ部を中心とする円周上にn回回転対象(n≧3)に配置することが好ましい。また、照光部は、同心円である2個以上の円周上に配置することもでき、全円周上を照光部とすることもできる。このような撮像装置としては、デジタル式のマイクロスコープが望ましく、例えば、i−SCOPE(株式会社モリテックス製)をあげることができる。
撮像箇所は、小じわ、しわ等が存在しない滑らかな部分が好ましく、例えば頬、額などがあげられる。また、反射光が強くなるテカリ(油脂)を拭き取り、女性の場合はメイク等を落としてから撮像する。
(2)モノクロ画像変換
撮像した画像は、画像データとしてコンピュータに取りこみ、拡大画像をモノクロ画像に変換する。ここで、モノクロ画像とは、多階調単色画像を意味する。モノクロ画像の色調は特に制限されず、例えば、赤成分(R)、緑成分(G)、青成分(B)のいずれかを用いることができる。画像の濃淡が最も明確に判断できるため、緑成分(G)を用いることが好ましい。また、モノクロ画像に変換する前、または後に、ノイズ低減のためのスムージング処理、照明ムラを補正するうねり取り処理等を行うことができる。
(3)工程8Aによる肌理パラメータ算出と評価
このモノクロ画像の各画素(x、y)における濃淡を表す数値Z(x、y)から肌理の状態と相関を有する肌理パラメータとして、Sa’、PSm’、Str’を算出する。
Sa’:画面全体のZ(x、y)の絶対値の平均値を計算して、Sa’とした。
PSm’:情報によりノイズ除去を行った後、最大値の1/10の値を正のしきい値、最小値の1/10の値を負のしきい値とし、画面内に縦8本、横6本のサンプリングラインを等間隔にとり、サンプリングライン上でスキャンして、負のしきい値以下になる点から次に負のしきい値以下になる点までの距離を求めた。縦ごと、横ごとにこの値を平均し、最後に縦と横の値の平均をPSm’とした。
Str’:画像中心部の120×120画素の領域を切り出し、この領域から計算した自己相関係数(ACF)の最大値の0.3倍をしきい値として、長軸半径と短軸半径を求め、この比(長軸半径/短軸半径)をStr’とした。
本発明における、「キメの粗さ」とは、表面粗さパラメータである算術平均高さ(ISO 25178)に相当し、前記算出したSa’(肌の凹凸に関する疑似算術平均高さ)として、数値が大きいほどキメが粗い状態を意味する。また、「キメの形状」とは表面粗さパラメータの輪郭曲線要素の平均長さ(JIS B0601−2001)に相当し、前記算出したPSm’(疑似輪郭曲線要素の平均長さ)として数値が小さいほどキメが細かい状態を意味する。「キメの流れにくさ」とは表面粗さパラメータの表面性状のアスペクト比(ISO 25178)に相当し、前記算出したStr’(疑似表面性状のアスペクト比)として、数値が小さいほどキメが流れている状態を意味する。なお、「キメスコア」とは、肌の拡大画像の肌理の細かさ、規則正しさ、等方性を専門判定者が総合的に数値化した目視スコア実測値(1〜10の10段階を数値化)を目的変数、前記算出したSa’、PSm’、Str’を説明変数として得られた重回帰式から求められる目視スコア理論値であり、下記式にあてはめ算出した。キメスコアは、数値が大きいほど目視スコアの数字が高く、キメがよいことを意味する。
キメスコア=A×Sa’+B×PSm’+C×Str’+D(ただし、A、B、Cは係数、Dは定数である。)
前記工程1〜6で得られた角層ポリアミンの蛍光輝度情報と二次回帰式を求めておき、得られた回帰式と測定しようとする被験者の角層ポリアミンの蛍光輝度情報データによって、皮膚の「キメの粗さ」、「キメの形状」、「キメの流れにくさ」、「キメスコア」の評価を行なう。
(4)工程8Bの目視評価
工程8のBでは、従来の皮膚の表面形態を表す物性値として、目視によるキメ評価を採用する。これを、被験者の角層ポリアミンの蛍光輝度情報データと相関を回帰分析によって評価する。
以上の工程を経ることで、短時間で、角層中のポリアミンを選択的に染色し、皮膚角層試料を調製でき、調製した試料を用いた皮膚角層のポリアミン量を測定し、さらにはポリアミン量の測定結果に基づく皮膚のキメを評価することができる。
なお、皮膚角層のポリアミン量を検出する方法は上記以外にもあり、適宜選択してよい。例えば、高速液体クロマトグラフ法などの化学的分析方法、免疫組織染色方法などの生化学的分析方法、化学的特徴を利用してポリアミン残基に蛍光標識する方法が例示でき、それらのいずれであっても良い。化学的分析方法や生化学的分析方法は剥離した角層試料をホモジネートし、これによりポリアミンを水抽出したものを試料とする。抽出方法は、たとえば凍結融解法、超音波破砕法、ホモジネート法等を介して可溶性画分とする方法があげられる。ポリアミン残基に蛍光標識する方法は、剥離した角層を試料とする。
以下に試験例を示し、本発明を具体的に説明する。
<試験1>
本試験においては、皮膚角層のポリアミン量を染色により検出する方法によって角層中のポリアミンを直接観察した例を示す。
1.蛍光顕微鏡観察用試料の調製
皮膚の角層剥離用粘着テープとして2.5cm×2.5cmの角質チェッカー(アサヒバイオメッド社)を用いた。
年齢46歳〜55歳の女性被験者19名の頬部より前記の角質チェッカーを用いて、テープストリッピング法により角層を採取した。
採取した角層を透明スライドガラス上にのせ、PolyamineRED(フナコシ株式会社)を500μlジメチルスルフォオキシド(DMSO)で溶解し1640μMに調製した。この希釈液は、小分け分注して−20℃保存した。
この凍結保存試薬を、使用直前に、さらに蒸留水にて1000倍に希釈(1.64μM)し、染色に用いた。
角層チェッカーの角層採取面に、前記1.64μMのPolyamineRED染色液を50ml滴下し、30秒反応させた後、精製水を用いて充分洗浄した。風乾後、観察試料とした。
2.蛍光顕微鏡観察
Olympus BX63蛍光顕微鏡を用いて、顕微鏡付属の蛍光ユニットWIGフィルターで励起波長:560nm、蛍光波長:585nmで、視野倍率10〜20倍で観察し、デジタルカメラにより画像を撮影した。
3.画像解析
得られた画像を、米国国立衛生研究所 (NIH)で公開されているImageJマニュアルにしたがって画像解析を行った。蛍光を有する角層細胞の領域を抽出するため、背景部分及び角層の重層部分を除いて、蛍光測定閾値を設定した。この閾値の輝度の平均した数値を、1画像あたりの輝度値とした。
4.結果
全19例の被験者の、角層の蛍光観察画像及び、被験者の個体番号、並びに画像の輝度を図1に示した。なお各画像は、蛍光顕微鏡観察にあたって、従来専門の研究員が行なっている観察基準に沿って、目視による蛍光強度評価1(低い)、評価2(普通)、評価3(強い)の3段階に分類した。
また、被験者のID、目視評価、画像の輝度を下記の表1に一覧表として示した。
Figure 2020195829
このデータを、X軸を目視判定評価値、Y軸を輝度値とした二次元配置でプロットしたところ図2に示すような散布図を得た。
図2から、皮膚角層のポリアミン染色の画像から読み取ることのできた蛍光輝度の値は、蛍光顕微鏡観察における目視評価に代替できるものと考えられた。
すなわち、皮膚角層の5(6)−Carboxytetramethylrhodamine Glycine propagyl esterで蛍光染色したとき、顕微鏡画像の輝度を画像解析処理によって読み取るだけで、熟練した研究者と同等に、角層試料中のポリアミン量の多寡を瞬時に読み取ることが可能となった。
<試験2(皮膚角層ポリアミンを指標とする皮膚のキメ評価)>
試験1で被験者とした19名について、角層試料採取部位の近傍におけるキメの状態を特開2017−140206号公報に記載の肌理評価システムを参考に、マイクロスコープを用いたキメ評価を行った。
(1)評価方法
マイクロスコープ(株式会社モリテックス製)、撮像ソフト(アイスコープビューワー Ver3.0)を用いて拡大画像の撮像を行った。得られた画像は画像データとしてコンピュータに取りこみ、緑成分のみ抜き出し256諧調のモノクロ画像に変換した。3次関数でフィッティングして、うねり取り処理(うねり面のZ座標を0とする)を行った。
このモノクロ画像の各画素における濃淡を示す値(Z(x、y))から、肌理パラメータSa’、PSm’、Str’を算出し、下記重回帰式を用いてキメスコアを算出した。
キメスコア=−38.649×Sa’−0.287×PSm’+2.884×Str’+19.460
1)キメの粗さ:前記算出したSa’(肌の凹凸に関する疑似算術平均高さ)を測定値として、数値が大きいほどキメが粗い状態を意味する。
2)キメの形状:前記算出したPSm’(疑似輪郭曲線要素の平均長さ)を測定値として、数値が小さいほどキメが細かい状態を意味する。
3)キメの流れにくさ:前記算出したStr’(疑似表面性状のアスペクト比)を測定値として、数値が小さいほどキメが流れている状態を意味する。
4)キメスコア:キメの目視スコアの理論値であり前記重回帰式にあてはめ算出した結果を測定値として、数値が大きいほど目視スコアの数字が高く、キメがよいことを意味する。
(2)評価結果
各項目の測定結果及び蛍光輝度値を下記の表2に示す。
Figure 2020195829
表2に示す各項目の測定データ、及び試験1で得た、角層のポリアミン染色による蛍光輝度データを重回帰分析することで、前記の1)キメの粗さ、2)キメの形状、3)キメの流れにくさ、4)キメスコアとの相関係数を求めた。
各項目の相関係数及び回帰直線の回帰式は次のとおりである。
キメの粗さと蛍光輝度の相関係数R=−0.432
回帰式:y=−0.0005x+0.1861
キメの形状と蛍光輝度の相関係数R=−0.216
回帰式:y=−0.0379x+26.502
キメの流れにくさと蛍光輝度の相関係数R=0.312
回帰式:y=0.002x+0.328
キメスコアと蛍光輝度の相関係数R=0.372
回帰式:y=0.0467x+−1.926
また、各評価項目と輝度データの二次元配置の散布図、回帰直線を図3〜6に示す。
各項目の相関係数Rと図3〜6から、キメの粗さと蛍光輝度は逆相関、キメの形状と蛍光輝度は逆相関、キメの流れにくさと蛍光輝度は正の相関、キメスコアと蛍光輝度は正の相関であることがわかった。
<試験3(皮膚角層ポリアミン(ポリアミン平均輝度値)と目視キメ評価(キメ目視スコア)の相関試験)>
(1)試験方法
26歳〜49歳の男性の左右頬部より、角層チェッカー(アサヒバイオメッド社)を用いた角層を、同部位よりSKIN CAST(アール・エス・アイ社)を用いたレプリカを、各15検体採取した。
角層のポリアミン染色は、0.5枚の角層チェッカーの角層採取面にDMSOで調製した1.64μMのPolyamineRED(フナコシ株式会社)を滴下し、30秒反応させた後に蒸留水中で洗浄、風乾後に、オールインワン蛍光顕微鏡 BZ−X800(株式会社キーエンス)で画像を撮影した。
取得した画像から、Image J(NIH)を用いて、背景部分及び角層の重層部分を除く蛍光測定閾値の範囲内の画素を抽出し、角層ポリアミン染色の平均輝度値を算出した。また、採取した皮膚のレプリカはマイクロスコープ(VL−7EXII、スカラ株式会社製)を用いて30倍の拡大画像の撮像を行い、得られた画像からキメの目視スコアを作成した。
キメの目視スコアとは、キメが細かく、規則正しく、等方性であると、キメの状態がいいと判断される。この拡大画像のキメの細かさ、規則正しさ、等方性を、専門判定者が総合的に数値化して目視スコア実測値を作成したものをいう。このスコア数値が高い程肌が滑らかであり、見た目の肌年齢が若いことを表している。なお目視スコアとレプリカ画像を対応させたものを図7に示す。
そして同一部位で得られたポリアミン染色の平均輝度値とキメの目視スコア相関を評価計算した。
(2)結果
下記表3に輝度値/画像(平均輝度値)とキメの目視スコアを示す。
Figure 2020195829
表3のデータに基づくキメ目視スコア(y)と平均輝度値(x)の相関係数及び回帰式は次のとおりである。
キメ目視スコアとポリアミン平均輝度値の相関係数R=0.77
回帰式:y=0.0664x−1.0233
このように、キメ目視スコアと皮膚角層のポリアミン平均輝度値は、高い相関性があることが分かった。
以上の試験1、試験2、試験3の結果から、角層中のポリアミン量の多寡を、5(6)−カルボキシテトラメチルローダミンで蛍光標識することで容易に測定することが可能となった。またこの5(6)−カルボキシテトラメチルローダミンで角層中のポリアミンを選択的に蛍光標識すると、蛍光量を指標として皮膚のキメを容易に評価できることが明らかとなった。
<試験4(化学分析による角層中のポリアミン量の測定)>
(1)試験方法
6歳〜49歳の男女20名の左右頬部より各1枚、角層チェッカー(アサヒバイオメッド社)により角層を採取した。採取した角層の角層テープは、1枚を4等分し、1.75枚を抽出に、0.25枚を染色による定量に用いた。
1)ポリアミン定量
ガラスビーズを入れた蒸留水500μlへ採取した角層テープを入れ、ビーズ式細胞破砕装置(株式会社トミー精工)を用い、4500rpm180secの条件で角層中タンパク質を抽出した。本角層抽出液にLC−MS(液体クロマトグラフィー質量分析)用誘導体化処理を行った。誘導体化処理はダンシルクロリドのアセトン溶液(10mg/ml)300μlを添加し、攪拌後、飽和炭酸ナトリウム水溶液50μlを添加し、再び攪拌後に室温にて一晩静置した。翌日、プロリン水溶液(100mg/ml)50μlを添加し、室温で30分間静置後、トルエン500μlを加えて攪拌し、遠心後に分取したトルエン層を窒素により乾固し、アセトン:水=1:1混液100μlに溶解した。誘導化処理サンプルをLC−MSで分析し、ポリアミンを定量した。LC−MS分析条件を以下に示す。
カラム:Capcell Pak UG120 2.0 x 100mm 5μm (株式会社大阪ソーダ)
カラム温度:40℃
移動相A:0.01M 酢酸アンモニウム/水
移動相B:アセトニトリル
イオン化法:ESI(正イオン検出モード)
検出法:SIMモード
m/z:555(プトレシン)、845(スペルミジン)、1135(スペルミン)
上記角層抽出液より一部を分取し、Pierce BCA protein assay kit (Thermo SCIENTIFIC)を用いて角層中総タンパク量の測定を行った。同時に精製ウシ血清アルブミンを標準品として検量線を作成し、吸光度からタンパク量を算出した。LC−MSによる各ポリアミン (プトレシン、スペルミジン、スペルミン)の合計値を総蛋白量で除した値を、総ポリアミン量とした。
2)ポリアミン染色
上記で述べたとおり、分割した0.25枚の角層チェッカーの角層採取面にDMSOで調整した1.64μMのPolyamineRED(フナコシ株式会社)を滴下し、30秒反応させた後に蒸留水中で洗浄、風乾後に、Olympus BX63蛍光顕微鏡、WIGフィルター(励起波長:560nm、蛍光波長585nm)で観察して画像を取得した。
取得した画像は、Image J(NIH)を用いて、背景部分及び角層の重層部分を除く蛍光測定閾値の範囲内の画素を抽出し、1画像あたりの角層のポリアミン染色の平均輝度値を算出し、3視野の平均を分析値と比較した。
(2)結果
20名の角層をポリアミン染色による平均輝度値及び化学分析を行った結果を下記の表4に示す。
Figure 2020195829
表4に基づいて得られた散布図を図9に示す。
相関を確認したところ、輝度値と総ポリアミン量に相関関係が見られた(図9)。この結果より、角層ポリアミン染色の輝度値は、ポリアミンの化学的分析値に代替できることが明らかとなった。すなわち、角層中のポリアミンを化学的分析を行うことで皮膚のキメの状態を評価可能である。

Claims (10)

  1. 角層試料中に存在するポリアミン量を測定して、皮膚状態を評価する方法。
  2. 角層試料中に存在するポリアミンを、染色する工程を含むことを特徴とする角層試料の調製方法。
  3. 染色する工程が、5(6)−カルボキシテトラメチルローダミングリシンプロパギルエステル(Carboxytetramethylrhodamine Glycine propagyl ester)を含む溶液に、角層試料を浸漬する工程である請求項2に記載の角層試料の調製方法。
  4. 角層試料がテープストリッピング法によって採取されたものである請求項2又は3に記載の角層試料の調製方法。
  5. 5(6)−カルボキシテトラメチルローダミングリシンプロパギルエステルで蛍光標識された角層試料を、蛍光顕微鏡観察することによって選択的に蛍光標識された皮膚角層のポリアミンの蛍光量を測定して皮膚状態を評価する方法。
  6. ポリアミン量の測定が、画像解析の手法による蛍光輝度の測定である請求項5に記載の皮膚状態を評価する方法。
  7. 皮膚状態の評価が、皮膚表面形態を表す物性値としてキメの粗さ・キメの形状・キメの流れにくさ・キメスコアから選択されるいずれか1以上の項目である請求項5または6に記載の皮膚状態を評価する方法。
  8. 皮膚状態の評価が、目視によるキメスコアである請求項5または6に記載の皮膚状態を評価する方法。
  9. 角層試料の水抽出物から化学的分析方法により検出したポリアミン量を指標として皮膚状態を評価する方法。
  10. 角層試料がテープストリッピング法によって採取されたものである請求項1又は請求項5〜9のいずれかに記載の皮膚状態を評価する方法。

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