JPWO2020195345A1 - 転写フィルム、及び、パターン付き基板の製造方法 - Google Patents

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Abstract

仮支持体と、ビニルベンゼン誘導体に由来する構成単位を含むアルカリ可溶性樹脂(A)、重合性化合物、及び重合開始剤を含む第一の樹脂層と、酸価が130mgKOH/g以上であるアルカリ可溶性樹脂(B)を含む第二の樹脂層と、をこの順に有し、上記アルカリ可溶性樹脂(A)におけるビニルベンゼン誘導体に由来する構成単位の含有率が、上記アルカリ可溶性樹脂(A)の全構成単位に対して、30質量%以上である、転写フィルム、並びに、パターン付き基板の製造方法。

Description

本開示は、転写フィルム、及び、パターン付き基板の製造方法に関する。
静電容量型入力装置等のタッチパネルを備えた表示装置〔有機エレクトロルミネッセンス(EL)表示装置、液晶表示装置等〕では、視認部のセンサーに相当する電極パターン、並びに、周辺配線部分及び取り出し配線部分の配線等の導電層パターンがタッチパネルの内部に設けられている。
一般に、パターン化した層の形成には、必要とするパターン形状を得るための工程数が少ないという理由から、感光性転写材料を用いる方法が広く用いられている。具体的には、感光性転写材料を用いて任意の基板上に設けた感光性樹脂組成物の層に対して、所望のパターンを有するマスクを介して露光した後、現像することで、必要とするパターン形状を得ることができる。
例えば、特開2018−24225号公報には、仮支持体上に、少なくとも重合性モノマー及び樹脂を含む第1の透明層と、少なくとも金属酸化物粒子及び樹脂を含み、かつ、平均厚みが200nm未満である第2の透明層と、平均厚みが上記第2の透明層の平均厚みより薄く、かつ、上記第2の透明層と接する面と反対側の最表面からX線光電子分光法にて測定した際の、300μm四方の面積中における、全原子に対する金属原子の比率が2%以下である第3の透明層と、を仮支持体側から順に有する転写フィルムが開示されている。
また、国際公開第2017/209002号には、I/O値が0.5以上であり、かつ、重量平均分子量が25,000以下であるバインダー、顔料、重合性モノマー、及び重合開始剤を含有し、上記顔料の含有量が、感光性樹脂組成物の全固形分量に対し、20質量%以上である感光性樹脂組成物の固形分を含む感光性樹脂層と、仮支持体と、を備える転写フィルムが開示されている。
ところで、転写フィルムに対しては、解像度に優れるパターンを形成できることが求められる。パターンの解像度を高める方法としては、樹脂層に、スチレンに由来する構成単位の割合が多い樹脂(所謂、バインダー樹脂)を含有させる方法がある。スチレンに由来する構成単位の割合が多いバインダー樹脂を含む樹脂層は、現像の際に膨潤し難いため、高解像度のパターンの形成を実現し得る。
しかし、本発明者らが、パターンの解像度を高めることを目的として、樹脂層に、スチレンに由来する構成単位の割合が多いバインダー樹脂を含有させたところ、基板が変色する場合があることがわかった。転写フィルムにおいて、パターンの解像度を高めるとともに、基板の変色を抑制することは、従来困難であった。
上述の点に関し、特開2018−24225号公報及び国際公開第2017/209002号に記載の転写フィルムは、いずれもスチレンに由来する構成単位を含むバインダー樹脂を含有する樹脂層を有している。しかし、特開2018−24225号公報及び国際公開第2017/209002号では、樹脂層に、スチレンに由来する構成単位の割合が多いバインダー樹脂を含有させた場合に生じ得る問題について、何ら着目しておらず、また、スチレンに由来する構成単位の割合が多いバインダー樹脂を含む樹脂層を有する転写フィルムにおいて、パターンの解像度向上及び基板の変色抑制を両立させることについては、何ら言及していない。
本発明の一実施形態が解決しようとする課題は、基板を変色させ難く、かつ、解像度に優れるパターンを形成できる転写フィルムを提供することである。
また、本発明の他の実施形態が解決しようとする課題は、上記転写フィルムを用いたパターン付き基板の製造方法を提供することである。
上記課題を解決するための手段には、以下の態様が含まれる。
<1> 仮支持体と、
ビニルベンゼン誘導体に由来する構成単位を含むアルカリ可溶性樹脂(A)、重合性化合物、及び重合開始剤を含む第一の樹脂層と、
酸価が130mgKOH/g以上であるアルカリ可溶性樹脂(B)を含む第二の樹脂層と、
をこの順に有し、
上記アルカリ可溶性樹脂(A)におけるビニルベンゼン誘導体に由来する構成単位の含有率が、上記アルカリ可溶性樹脂(A)の全構成単位に対して、30質量%以上である、転写フィルム。
<2> 上記アルカリ可溶性樹脂(A)の酸価が150mgKOH/g以上である、<1>に記載の転写フィルム。
<3> 上記アルカリ可溶性樹脂(B)の酸価が150mgKOH/g以上である、<1>又は<2>に記載の転写フィルム。
<4> 上記アルカリ可溶性樹脂(B)の酸価が250mgKOH/g以下である、<1>〜<3>のいずれか1つに記載の転写フィルム。
<5> 上記アルカリ可溶性樹脂(A)におけるビニルベンゼン誘導体に由来する構成単位の含有率が、上記アルカリ可溶性樹脂(A)の全構成単位に対して、70質量%以下である、<1>〜<4>のいずれか1つに記載の転写フィルム。
<6> 上記第二の樹脂層の厚さが、40nm〜120nmである、<1>〜<5>のいずれか1つに記載の転写フィルム。
<7> 上記第一の樹脂層の厚さが、2μm〜4μmである、<1>〜<6>のいずれか1つに記載の転写フィルム。
<8> 基板と、<1>〜<7>のいずれか1つに記載の転写フィルムとを、上記基板と上記転写フィルムの上記第二の樹脂層とを接触させて、貼り合わせる工程と、
上記転写フィルムの上記第一の樹脂層をパターン露光する工程と、
上記パターン露光を経た上記第一の樹脂層を現像してパターンを形成する工程と、
をこの順に含む、パターン付き基板の製造方法。
<9> 上記パターンを形成する工程の後、上記パターンが配置されていない領域における基板をエッチング処理する工程を含む、<8>に記載のパターン付き基板の製造方法。
<10> 上記基板の上記第二の樹脂層と接触する面の少なくとも一部が、銅である、<8>又は<9>に記載のパターン付き基板の製造方法。
本発明の一実施形態によれば、基板を変色させ難く、かつ、解像度に優れるパターンを形成できる転写フィルムが提供される。
また、本発明の他の実施形態によれば、上記転写フィルムを用いたパターン付き基板の製造方法が提供される。
本開示の転写フィルムの層構成の一例を示す概略断面図である。
以下、本開示の内容について詳細に説明する。以下に記載する構成要件の説明は、本開示の代表的な実施態様に基づいてなされることがあるが、本開示は、そのような実施態様に限定されるものではない。
本開示において「〜」を用いて示された数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を意味する。
本開示に段階的に記載されている数値範囲において、ある数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本開示に記載されている数値範囲において、ある数値範囲で記載された上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
本開示において、2以上の好ましい態様の組み合わせは、より好ましい態様である。
本開示における基(所謂、原子団)の表記について、置換及び無置換を記していない表記は、置換基を有さないもの及び置換基を有するものの両方を包含するものである。例えば、「アルキル基」とは、置換基を有さないアルキル基(所謂、無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(所謂、置換アルキル基)も包含するものである。
本開示では、化学構造式を、水素原子を省略した簡略構造式で記載する場合がある。
本開示において、「(メタ)アクリル酸」は、アクリル酸及びメタクリル酸の両方を包含する概念で用いられる語であり、「(メタ)アクリレート」は、アクリレート及びメタクリレートの両方を包含する概念で用いられる語あり、「(メタ)アクリロイル」は、アクリロイル及びメタクリロイルの両方を包含する概念で用いられる語であり、「(メタ)アクリロキシ」は、アクリロキシ及びメタクリロキシの両方を包含する概念で用いられる語である。
本開示において、組成物中の各成分の量は、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合には、特に断らない限り、組成物中に存在する上記複数の物質の合計量を意味する。
本開示において、「工程」の用語は、独立した工程だけではなく、他の工程と明確に区別できない場合であっても、その工程の所期の目的が達成されれば本用語に含まれる。
本開示において、分子量分布がある場合の分子量は、特に断りがない限り、重量平均分子量(Mw;以下、同じ。)を表す。
本開示における重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定した値である。ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)による測定は、測定装置として、HLC(登録商標)−8220GPC〔東ソー(株)製〕を用い、カラムとして、TSKgel(登録商標)Super HZM−M〔4.6mmID×15cm、東ソー(株)製〕、Super HZ4000〔4.6mmID×15cm、東ソー(株)製〕、Super HZ3000〔4.6mmID×15cm、東ソー(株)製〕、Super HZ2000〔4.6mmID×15cm、東ソー(株)製〕をそれぞれ1本、直列に連結したものを用い、溶離液として、THF(テトラヒドロフラン)を使用できる。
測定条件としては、試料濃度を0.2質量%、流速を0.35mL/min、サンプル注入量を10μL、及び測定温度を40℃とし、示差屈折率(RI)検出器を用いて行うことができる。
検量線は、東ソー(株)製の「標準試料TSK standard,polystyrene」:「F−40」、「F−20」、「F−4」、「F−1」、「A−5000」、「A−2500」、及び「A−1000」の7サンプルのいずれかを用いて作製できる。
本開示において、樹脂中の構成単位の割合は、特に断りがない限り、質量割合を表す。
本開示において、「透明」とは、波長380nm〜780nmにおける全光線透過率が、85%以上(好ましくは90%以上、より好ましくは95%以上)であることを意味する。上記全光線透過率は、温度23℃において、分光光度計〔例えば、(株)日立製作所製の分光光度計「U−3310(商品名)」〕を用いて測定される。
本開示において、「屈折率」は、特に断りがない限り、波長550nmにおける屈折率を指す。また、本開示における「屈折率」は、特に断りがない限り、エリプソメトリー法によって、温度23℃において、波長550nmの可視光により測定した値を意味する。
[転写フィルム]
本開示の転写フィルムは、仮支持体と、ビニルベンゼン誘導体に由来する構成単位を含むアルカリ可溶性樹脂(A)〔以下、単に「アルカリ可溶性樹脂(A)」ともいう。〕、重合性化合物、及び重合開始剤を含む第一の樹脂層と、酸価が130mgKOH/g以上であるアルカリ可溶性樹脂(B)〔以下、単に「アルカリ可溶性樹脂(B)」ともいう。〕を含む第二の樹脂層と、をこの順に有し、アルカリ可溶性樹脂(A)におけるビニルベンゼン誘導体に由来する構成単位の含有率が、アルカリ可溶性樹脂(A)の全構成単位に対して、30質量%以上である
本開示の転写フィルムは、上記のような構成を有することで、基板を変色させ難く、かつ、解像度に優れるパターンを形成できる。
本開示の転写フィルムがこのような効果を奏し得る理由については明らかではないが、本発明者らは、以下のように推測している。但し、以下の推測は、本開示の転写フィルムを限定的に解釈するものではなく、一例として説明するものである。
本開示の転写フィルムは、仮支持体と、ビニルベンゼン誘導体に由来する構成単位の含有率が30質量%以上であるアルカリ可溶性樹脂(A)、重合性化合物、及び重合開始剤を含む第一の樹脂層と、アルカリ可溶性樹脂(B)を含む第二の樹脂層と、をこの順で有しており、基板に貼り合わせる際には、第二の樹脂層が被転写体である基板に接する。
第一の樹脂層は、ビニルベンゼン誘導体に由来する構成単位の割合が30質量%以上であるアルカリ可溶性樹脂(A)を含むため、現像の際に膨潤し難い。このため、本開示の転写フィルムは、解像度に優れるパターンを形成できる。
一方、アルカリ可溶性樹脂(A)は、ビニルベンゼン誘導体に由来する構成単位の割合が多い。このため、第一の樹脂層は、ビニルベンゼン誘導体に由来する残モノマー(所謂、未反応のモノマー)及び/又は残オリゴマー(所謂、未反応のモノマー同士の反応物)を含む。ビニルベンゼン誘導体に由来する残モノマー及び残オリゴマーは、現像液により除去され難い成分であるため、現像時に濃縮されて基板に付着しやすくなる。ビニルベンゼン誘導体に由来する残モノマー及び/又は残オリゴマーが基板に付着すると、基板が変色する。
これに対し、本開示の転写フィルムは、基板に貼り合わせたときに、第二の樹脂層が、第一の樹脂層と基板との間に介在するような構成を有する。第二の樹脂層は、酸価が130mgKOH/g以上と比較的高いアルカリ可溶性樹脂〔即ち、アルカリ可溶性樹脂(B)〕を含むため、現像液によって除去されやすい。第二の樹脂層を良好に除去できると、基板の変色の要因となり得る第一の樹脂層も第二の樹脂層とともに良好に除去できる。このため、本開示の転写フィルムは、基板を変色させ難いと考えられる。
また、ビニルベンゼン誘導体に由来する構成単位の割合が多いアルカリ可溶性樹脂(A)を含む第一の樹脂層が基板に直接触れると、変色の原因になり得る。
これに対し、本開示の転写フィルムは、既述のとおり、基板に貼り合わせたときに、第二の樹脂層が、第一の樹脂層と基板との間に介在するような構成を有するため、ビニルベンゼン誘導体に由来する構成単位の割合が多いアルカリ可溶性樹脂(A)を含む第一の樹脂層が基板に直接触れない。この点からも、本開示の転写フィルムは、基板を変色させ難いと考えられる。
以上により、本開示の転写フィルムは、基板を変色させ難く、かつ、解像度に優れるパターンを形成できると考えられる。
図1は、本開示の転写フィルムの層構成の一例を示す概略断面図である。
図1に示す転写フィルム100は、仮支持体10と、第一の樹脂層20と、第二の樹脂層30と、をこの順で有する。なお、本開示の図面において示される各要素の縮尺は、必ずしも正確ではない。
以下、本開示の転写フィルムの各構成について説明する。
〔仮支持体〕
本開示の転写フィルムは、仮支持体を有する。
仮支持体は、少なくとも、第一の樹脂層と第二の樹脂層とを支持し、かつ、被着体から剥離可能な支持体である。
仮支持体は、仮支持体を介したパターン露光が可能であるとの観点から、光透過性を有することが好ましい。
本開示において、「光透過性を有する」とは、パターン露光に使用する光の主波長の透過率が50%以上であることを意味する。
パターン露光に使用する光の主波長の透過率は、露光感度向上の観点から、60%以上であることが好ましく、70%以上であることがより好ましい。
透過率の測定方法としては、分光光度計を用いて測定する方法が挙げられる。
分光光度計としては、例えば、大塚電子(株)製のMCPD−6800(製品名)を好適に使用できる。但し、分光光度計は、これに限定されない。
仮支持体としては、ガラス基板、樹脂フィルム、紙等が挙げられる。
仮支持体は、強度及び可撓性の観点から、樹脂フィルムであることが好ましい。
樹脂フィルムとしては、ポリエチレンテレフタレートフィルム、トリ酢酸セルロースフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリカーボネートフィルム等が挙げられる。
これらの中でも、仮支持体としては、光学特性の観点から、ポリエチレンテレフタレートフィルムが好ましい。
仮支持体の厚さは、特に限定されず、材質に応じて適宜選択できる。
仮支持体の厚さは、取り扱いやすさ、汎用性等の観点から、5μm〜200μmであることが好ましく、10μm〜150μmであることがより好ましい。
仮支持体の好ましい態様については、例えば、特開2014−85643号公報の段落[0017]及び[0018]に記載があり、これらの記載は、参照により本明細書に取り込まれる。
〔第一の樹脂層〕
本開示の転写フィルムは、ビニルベンゼン誘導体に由来する構成単位を含むアルカリ可溶性樹脂(A)、重合性化合物、及び重合開始剤を含む第一の樹脂層を有する。
<アルカリ可溶性樹脂(A)>
第一の樹脂層は、アルカリ可溶性樹脂(A)を含む。
アルカリ可溶性樹脂(A)は、バインダーとして機能する。
アルカリ可溶性樹脂(A)は、ビニルベンゼン誘導体に由来する構成単位を含み、アルカリ可溶性樹脂(A)におけるビニルベンゼン誘導体に由来する構成単位の含有率が、アルカリ可溶性樹脂(A)の全構成単位に対して30質量%以上である。
本開示において、「アルカリ可溶性」とは、25℃の1mol/Lの水酸化ナトリウム溶液に可溶であることをいう。また、「可溶である」とは、100mLの溶媒に0.1g以上溶解することをいう。
(ビニルベンゼン誘導体に由来する構成単位)
アルカリ可溶性樹脂(A)は、ビニルベンゼン誘導体に由来する構成単位を含む。
本開示において、「ビニルベンゼン誘導体に由来する構成単位」とは、ビニルベンゼン誘導体が付加重合して形成される構成単位を意味する。
ビニルベンゼン誘導体に由来する構成単位は、特に限定されない。
ビニルベンゼン誘導体に由来する構成単位としては、例えば、下記式(1)で表される構成単位(以下、「構成単位(1)」ともいう。)が好ましい。
Figure 2020195345
式(1)中、nは、0〜5の整数を表す。
式(1)中、Rは、置換基を表す。
nが2以上である場合、2つのRは、互いに結合して縮環構造を形成していてもよい。
式(1)中、Rは、水素原子又はメチル基を表す。
で表される置換基は、特に限定されないが、例えば、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、又は水酸基であることが好ましい。
で表される置換基がハロゲン原子である場合、ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、又はヨウ素原子が好ましく、フッ素原子、塩素原子、又は臭素原子がより好ましい。
で表される置換基がアルキル基である場合、アルキル基の炭素数としては、1〜20が好ましく、1〜12がより好ましく、1〜6が更に好ましく、1〜3が更に好ましく、1又は2が更に好ましく、1が特に好ましい。
で表される置換基がアリール基である場合、アリール基の炭素数としては、6〜20が好ましく、6〜12がより好ましく、6〜10が更に好ましく、6が特に好ましい。
で表される置換基がアルコキシ基である場合、アルコキシ基の炭素数としては、1〜20が好ましく、1〜12がより好ましく、1〜6が更に好ましく、1〜3が更に好ましく、1又は2が更に好ましく、1が特に好ましい。
nは、0〜2の整数であることが特に好ましい。
nが2以上である場合において、2つのRが互いに結合することにより形成され得る縮環構造としては、ナフタレン環構造又はアントラセン環構造が好ましい。
構成単位(1)を形成するモノマー(即ち、ビニルベンゼン誘導体)としては、スチレン、α−メチルスチレン、1−ビニルナフタレン、2−ビニルナフタレン、ビニルビフェニル、ビニルアントラセン、4−ヒドロキシスチレン、4−ブロモスチレン、4−メトキシスチレン等が挙げられる。
これらの中でも、構成単位(1)を形成するモノマーとしては、スチレンが特に好ましい。
アルカリ可溶性樹脂(A)は、ビニルベンゼン誘導体に由来する構成単位を1種のみ含んでいてもよく、2種以上含んでいてもよい。
アルカリ可溶性樹脂(A)におけるビニルベンゼン誘導体に由来する構成単位の含有率は、アルカリ可溶性樹脂(A)に含まれる全ての構成単位〔即ち、アルカリ可溶性樹脂(A)の全構成単位〕に対して、30質量%以上であり、35質量%以上であることが好ましく、40質量%以上であることがより好ましい。
アルカリ可溶性樹脂(A)におけるビニルベンゼン誘導体に由来する構成単位の含有率が、アルカリ可溶性樹脂(A)の全構成単位に対して30質量%以上であると、現像の際に、第一の樹脂層の膨潤が抑制されるため、解像度に優れるパターンを形成し得る。
アルカリ可溶性樹脂(A)におけるビニルベンゼン誘導体に由来する構成単位の含有率の上限は、特に限定されない。
アルカリ可溶性樹脂(A)におけるビニルベンゼン誘導体に由来する構成単位の含有率が高すぎると、第一の樹脂層の酸価が過度に低くなり、現像の際に、ビニルベンゼン誘導体に由来する残モノマー及び/又は残オリゴマーが除去され難くなる場合がある。
このような観点から、アルカリ可溶性樹脂(A)におけるビニルベンゼン誘導体に由来する構成単位の含有率は、例えば、アルカリ可溶性樹脂(A)の全構成単位に対して70質量%以下であることが好ましく、65質量%以下であることがより好ましく、60質量%以下であることが更に好ましい。
アルカリ可溶性樹脂(A)におけるビニルベンゼン誘導体に由来する構成単位の含有率が、アルカリ可溶性樹脂(A)の全構成単位に対して70質量%以下であると、基板の変色がより抑制される。
(酸基を有するモノマーに由来する構成単位)
アルカリ可溶性樹脂(A)は、現像性の観点から、酸基を有するモノマーに由来する構成単位を含むことが好ましい。
本開示において、「酸基を有するモノマーに由来する構成単位」とは、酸基を有するモノマーが付加重合して形成される構成単位を意味する。
酸基としては、カルボキシ基、スルホン酸基、リン酸基等が挙げられる。
これらの中でも、酸基としては、カルボキシ基が好ましい。
カルボキシ基を有するモノマーの種類は、既述のビニルベンゼン誘導体と共重合可能であれば、特に限定されない。
カルボキシ基を有するモノマーとしては、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、グルタコン酸、シトラコン酸、ω−カルボキシ−ポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
これらの中でも、カルボキシ基を有するモノマーとしては、共重合性の観点から、(メタ)アクリル酸が好ましい。
カルボキシ基を有するモノマーについては、特開2012−8571号公報の段落[0043]、及び国際公開第2017/043544号の段落[0096]に記載がある。この記載は、参照により本明細書に取り込まれる。
アルカリ可溶性樹脂(A)は、酸基(好ましくは、カルボキシ基;以下、同じ。)を有するモノマーに由来する構成単位を含む場合、酸基を有するモノマーに由来する構成単位を1種のみ含んでいてもよく、2種以上含んでいてもよい。
アルカリ可溶性樹脂(A)が酸基を有するモノマーに由来する構成単位を含む場合、アルカリ可溶性樹脂(A)における酸基を有するモノマーに由来する構成単位の含有率は、特に限定されないが、例えば、アルカリ可溶性樹脂(A)の酸価に応じて、適宜設定できる。
一例を挙げると、アルカリ可溶性樹脂(A)における酸基を有するモノマーに由来する構成単位の含有率は、アルカリ可溶性樹脂(A)の全構成単位に対して、20質量%〜40質量%とすることができる。
(その他のモノマーに由来する構成単位)
アルカリ可溶性樹脂(A)は、ビニルベンゼン誘導体に由来する構成単位及び酸基を有するモノマーに由来する構成単位以外の構成単位(所謂、その他のモノマーに由来する構成単位)を含んでいてもよい。
本開示において、「その他のモノマーに由来する構成単位」とは、その他のモノマーが付加重合して形成される構成単位を意味する。
その他のモノマーの種類は、少なくともビニルベンゼン誘導体と共重合可能であれば、特に限定されない。
その他のモノマーとしては、水酸基を有するモノマー、アミノ基を有するモノマー、(メタ)アクリル酸エステルモノマー〔(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸アリル等〕などが挙げられる。
その他のモノマーとしては、無置換の(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマーが好ましい。
(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマーの種類は、特に限定されない。
(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマーのアルキル基は、直鎖状であってもよく、分岐鎖状であってもよく、環状であってもよい。
(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマーのアルキル基の炭素数は、特に限定されないが、例えば、4〜24であることが好ましく、4〜20であることがより好ましい。
その他のモノマーについては、例えば、特開2012−8571号公報の段落[0044]〜[0075]、及び国際公開第2017/043544号の段落[0097]〜[0101]に記載がある。この記載は、参照により本明細書に取り込まれる。
アルカリ可溶性樹脂(A)は、ビニルベンゼン誘導体に由来する構成単位、酸基を有するモノマーに由来する構成単位、及び(メタ)アクリル酸エステルモノマーに由来する構成単位を有することが好ましく、式(1)で表される構成単位〔即ち、構成単位(1)〕、カルボキシ基を有するモノマーに由来する構成単位、及び(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマーに由来する構成単位を有することがより好ましい。
アルカリ可溶性樹脂(A)の酸価は、特に限定されない。
アルカリ可溶性樹脂(A)の酸価は、例えば、150mgKOH/g以上であることが好ましく、160mgKOH/g以上であることがより好ましく、170mgKOH/g以上であることが更に好ましい。
アルカリ可溶性樹脂(A)の酸価が150mgKOH/g以上であると、第一の樹脂層が現像液によって除去されやすくなる。また、アルカリ可溶性樹脂(A)の酸価が150mgKOH/g以上であると、現像の際に、現像液へのビニルベンゼン誘導体に由来する残モノマー及び残オリゴマーの分散性がより向上するため、ビニルベンゼン誘導体に由来する残モノマー及び残オリゴマーがより除去されやすくなる。このため、ビニルベンゼン誘導体に由来する残モノマー及び/又は残オリゴマーが基板に直接触れ難くなり、基板がより変色し難くなる。
パターンの矩形性を向上させるためには、第一の樹脂層に含まれるアルカリ可溶性樹脂(A)は、疎水性であり、かつ、酸価が高いことが望ましい。しかし、酸価が高すぎる(換言すると、酸基の割合が多すぎる)と、疎水性が低下するため、良好な矩形性を保持できなくなる場合がある。
このような観点から、アルカリ可溶性樹脂(A)の酸価は、例えば、250mgKOH/g以下であることが好ましく、240mgKOH/g以下であることがより好ましく、230mgKOH/g以下であることが更に好ましい。
アルカリ可溶性樹脂(A)の酸価が250mgKOH/g以下であると、パターンの解像度がより向上し得る。
本開示において、アルカリ可溶性樹脂の酸価は、理論酸価を意味する。
アルカリ可溶性樹脂の理論酸価は、アルカリ可溶性樹脂1g中に含まれる酸成分の全てを中和するために必要な水酸化カリウムのミリグラム(mg)数で表される。
理論酸価の求め方については、特開2012−211228号公報の段落[0070]に記載がある。この記載は、参照により本明細書に取り込まれる。
アルカリ可溶性樹脂(A)のI/O値は、特に限定されないが、例えば、パターンの解像度向上の観点から、0.45以上であることが好ましく、0.5以上であることがより好ましく、0.55以上であることが更に好ましい。
アルカリ可溶性樹脂(A)のI/O値の上限は、特に限定されないが、例えば、0.9以下であることが好ましい。
本開示において、「I/O値」は、有機概念図に基づく無機性値Iを有機性値Oで除したI/O値の平均値である。
I/O値については、有機概念図(甲田善生 著、三共出版(1984));KUMAMOTO PHARMACEUTICAL BULLETIN、第1号、第1項〜第16項(1954年);化学の領域、第11巻、第10号、第719項〜第725項(1957年);フレグランスジャーナル、第34号、第97項〜第111項(1979年);フレグランスジャーナル、第50号、第79項〜第82項(1981年);等の文献に詳細な説明がある。
I/O値の概念は、化合物の性質を、共有結合性を表す有機性基と、イオン結合性を表わす無機性基とに分け、全ての有機化合物を有機軸及び無機軸と名付けた直行座標上の1点ずつに位置づけて示すものである。
アルカリ可溶性樹脂(A)が、2種以上の樹脂を含む場合のI/O値については、以下のように考えることができる。例えば、アルカリ可溶性樹脂(A)が3種のアルカリ可溶性樹脂(A)(樹脂1〜樹脂3)を含む場合、樹脂1のI/O値をA1、質量分率をM1、樹脂2のI/O値をA2、質量分率をM2、樹脂3のI/O値をA3、質量分率をM3、としたときに、混合成分のI/O値「Am」は下記のように推定可能である。
Am = A1 × M1 + A2 × M2 + A3 × M3
なお、アルカリ可溶性樹脂(A)がアルカリ可溶性樹脂(A)を1種のみ含む場合、含まれる1種のアルカリ可溶性樹脂(A)のI/O値が、アルカリ可溶性樹脂(A)におけるI/O値の平均値となる。
アルカリ可溶性樹脂(A)の重量平均分子量は、特に限定されないが、例えば、第一の樹脂層の強度、製造性、及び現像性の観点から、2,000〜200,000であることが好ましく、4,000〜100,000であることがより好ましい。
第一の樹脂層は、アルカリ可溶性樹脂(A)を1種のみ含んでいてもよく、2種以上含んでいてもよい。
第一の樹脂層におけるアルカリ可溶性樹脂(A)の含有率は、特に限定されないが、例えば、第一の樹脂層の全質量に対して、10質量%〜90質量%であることが好ましく、20質量%〜80質量%であることがより好ましく、30質量%〜70質量%であることが更に好ましい。
アルカリ可溶性樹脂(A)の製造方法(所謂、合成法)は、特に限定されず、公知の方法を適用できる。
アルカリ可溶性樹脂(A)の製造方法としては、例えば、ビニルベンゼン誘導体、カルボキシ基を有するモノマー、及びその他のモノマーを、有機溶剤中、重合開始剤を用いて重合する方法が挙げられる。
<重合性化合物>
第一の樹脂層は、重合性化合物を含む。
第一の樹脂層において、重合性化合物は、パターン形成性の向上に寄与する。
重合性化合物としては、重合可能な化合物、例えば、ラジカル重合性化合物、カチオン重合性化合物等の化合物が挙げられる。
重合性化合物は、光重合性化合物であることが好ましく、エチレン性不飽和化合物であることがより好ましい。
エチレン性不飽和化合物は、1つ以上のエチレン性不飽和基を有する化合物である。
エチレン性不飽和基としては、(メタ)アクリロイル基が好ましい。
エチレン性不飽和化合物としては、(メタ)アクリレート化合物が好ましい。
エチレン性不飽和化合物は、2官能以上のエチレン性不飽和化合物を含むことが好ましく、2官能以上のエチレン性不飽和化合物であることがより好ましい。
本開示において、「2官能以上のエチレン性不飽和化合物」とは、一分子中にエチレン性不飽和基を2つ以上有する化合物を意味する。
2官能のエチレン性不飽和化合物は、特に限定されない。
2官能のエチレン性不飽和化合物としては、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
2官能のエチレン性不飽和化合物としては、市販品を使用できる。
2官能のエチレン性不飽和化合物の市販品の例としては、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート〔商品名:NKエステル A−DCP、新中村化学工業(株)製〕、トリシクロデカンジメタノールジメタクリレート〔商品名:NKエステル DCP、新中村化学工業(株)製〕、1,9−ノナンジオールジアクリレート〔商品名:NKエステル A−NOD−N、新中村化学工業(株)製〕、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート〔商品名:NKエステル A−HD−N、新中村化学工業(株)製〕、エトキシ化ビスフェノールAジメタクリレート〔商品名:BPE−500、新中村化学工業(株)製〕、ポリプロピレングリコールジアクリレート〔商品名:アロニックス(登録商標) M−270、東亞合成(株)製〕等が挙げられる。
3官能以上のエチレン性不飽和化合物は、特に限定されない。
3官能以上のエチレン性不飽和化合物としては、ジペンタエリスリトール(トリ/テトラ/ペンタ/ヘキサ)(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトール(トリ/テトラ)(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート骨格の(メタ)アクリレート化合物等が挙げられる。
本開示において、「(トリ/テトラ/ペンタ/ヘキサ)(メタ)アクリレート」は、トリ(メタ)アクリレート、テトラ(メタ)アクリレート、ペンタ(メタ)アクリレート、及びヘキサ(メタ)アクリレートを包含する概念で用いられる語である。また、「(トリ/テトラ)(メタ)アクリレート」は、トリ(メタ)アクリレート及びテトラ(メタ)アクリレートの両方を包含する概念で用いられる語である。
エチレン性不飽和化合物は、現像性向上の観点から、酸基を有するエチレン性不飽和化合物を含んでいてもよい。
酸基としては、リン酸基、スルホン酸基、カルボキシ基等が挙げられる。
これらの中でも、酸基としては、カルボキシ基が好ましい。
酸基を有するエチレン性不飽和化合物としては、酸基を有する2官能以上のエチレン性不飽和化合物(酸基を有する3〜4官能のエチレン性不飽和化合物、酸基を有する5〜6官能のエチレン性不飽和化合物等)が挙げられる。
酸基を有するエチレン性不飽和化合物は、カルボキシ基を有する2官能以上のエチレン性不飽和化合物及びそのカルボン酸無水物からなる群より選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
カルボキシ基を有する2官能以上のエチレン性不飽和化合物としては、市販品を使用できる。
カルボキシ基を有する2官能以上のエチレン性不飽和化合物の市販品の例としては、アロニックス(登録商標) TO−2349〔東亞合成(株)製〕、アロニックス(登録商標) M−520〔東亞合成(株)製〕、アロニックス(登録商標) M−510〔東亞合成(株)製〕等が挙げられる。
酸基を有するエチレン性不飽和化合物については、特開2004−239942号公報の段落[0025]〜[0030]に記載がある。これらの記載は、参照により本明細書に取り込まれる。
重合性化合物の分子量(Mw)は、200〜3,000であることが好ましく、250〜2,600であることがより好ましく、280〜2,200であることが更に好ましく、300〜2,200であることが特に好ましい。
第一の樹脂層は、重合性化合物を1種のみ含んでいてもよく、2種以上含んでいてもよい。
第一の樹脂層における重合性化合物の含有率は、特に限定されないが、例えば、第一の樹脂層の全質量に対して、1質量%〜70質量%であることが好ましく、10質量%〜70質量%であることがより好ましく、20質量%〜60質量%であることが更に好ましく、30質量%〜50質量%であることが特に好ましい。
<重合開始剤>
第一の樹脂層は、重合開始剤を含む。
第一の樹脂層において、重合開始剤は、パターン形成性の向上に寄与する。
重合開始剤としては、光重合開始剤、熱重合開始剤等が挙げられる。
これらの中でも、光重合開始剤が好ましい。
光重合開始剤は、特に限定されない。
光重合開始剤としては、オキシムエステル構造を有する光重合開始剤(以下、「オキシム系光重合開始剤」ともいう。)、α−アミノアルキルフェノン構造を有する光重合開始剤(以下、「α−アミノアルキルフェノン系光重合開始剤」ともいう。)、α−ヒドロキシアルキルフェノン構造を有する光重合開始剤(以下、「α−ヒドロキシアルキルフェノン系重合開始剤」ともいう。)、アシルフォスフィンオキサイド構造を有する光重合開始剤(以下、「アシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤」ともいう。)、N−フェニルグリシン構造を有する光重合開始剤(以下、「N−フェニルグリシン系光重合開始剤」ともいう。)、ヘキサアリールビイミダゾール構造を有する光重合開始剤(以下、「ヘキサアリールビイミダゾール系光重合開始剤」ともいう。)等が挙げられる。
光重合開始剤としては、ヘキサアリールビイミダゾール系光重合開始剤が好ましい。
ヘキサアリールビイミダゾール系光重合開始剤としては、例えば、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾールが挙げられる。
光重合開始剤については、例えば、特開2011−95716号公報の段落[0031]〜[0034]、特開2015−014783号公報の段落[0064]〜[0081]、及び特開2010−015062号公報の段落[0132]〜[0135]に記載がある。これらの記載は、参照により本明細書に取り込まれる。
光重合開始剤としては、市販品を使用できる。
光重合開始剤の市販品の例としては、1−[4−(フェニルチオ)フェニル]−1,2−オクタンジオン−2−(O−ベンゾイルオキシム)〔商品名:IRGACURE(登録商標) OXE−01、BASF社製〕、1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]エタノン−1−(O−アセチルオキシム)〔商品名:IRGACURE(登録商標) OXE−02、BASF社製〕、IRGACURE(登録商標) OXE−03〔商品名、BASF社製〕、IRGACURE(登録商標) OXE−04〔商品名、BASF社製〕、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン〔商品名:IRGACURE(登録商標) 379EG、BASF社製〕、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン〔商品名:IRGACURE(登録商標) 907、BASF社製〕、2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)ベンジル]フェニル}−2−メチルプロパン−1−オン〔商品名:IRGACURE(登録商標) 127、BASF社製〕、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1〔商品名:IRGACURE(登録商標) 369、BASF社製〕、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン〔商品名:IRGACURE(登録商標) 1173、BASF社製〕、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン〔商品名:IRGACURE(登録商標) 184、BASF社製〕、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン〔商品名:IRGACURE(登録商標) 651、BASF社製〕、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール〔商品名:B−CIM、保土谷化学工業(株)製〕等が挙げられる。
第一の樹脂層は、重合開始剤を1種のみ含んでいてもよく、2種以上含んでいてもよい。
第一の樹脂層における重合開始剤の含有率は、特に限定されないが、例えば、第一の樹脂層の全質量に対して、0.1質量%以上であることが好ましく、0.5質量%以上であることがより好ましく、1.0質量%以上であることが更に好ましい。
また、第一の樹脂層における重合開始剤の含有率は、第一の樹脂層の全質量に対して、10質量%以下であることが好ましく、8質量%以下であることがより好ましい。
<重合禁止剤>
第一の樹脂層は、重合禁止剤を含んでいてもよい。
第一の樹脂層が重合禁止剤を含むと、形成されるパターンの解像度がより向上し得る。また、重合禁止剤は、カブリ防止に寄与し得る。
重合禁止剤は、特に限定されない。
重合開始剤としては、例えば、特許第4502784号公報の段落[0018]に記載された熱重合防止剤を使用できる。
重合開始剤としては、フェノチアジン、フェノキサジン、及び4−メトキシフェノールからなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましく、フェノキサジンがより好ましい。
第一の樹脂層は、重合禁止剤を含む場合、重合禁止剤を1種のみ含んでいてもよく、2種以上含んでいてもよい。
第一の樹脂層が重合禁止剤を含む場合、第一の樹脂層における重合開始剤の含有率は、特に限定されないが、例えば、第一の樹脂層の全質量に対して、0.01質量%〜3質量%であることが好ましく、0.01質量%〜1質量%であることがより好ましく、0.01質量%〜0.5質量%であることが更に好ましい。
<界面活性剤>
第一の樹脂層は、界面活性剤を含んでいてもよい。
第一の樹脂層が界面活性剤を含むと、第一の樹脂層の厚さの均一性が向上し得る。
界面活性剤は、特に限定されない。
界面活性剤としては、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、ノニオン系(即ち、非イオン系)界面活性剤、両性界面活性剤等が挙げられる。
界面活性剤については、特許第4502784号公報の段落[0017]、特開2009−237362号公報の段落[0060]〜[0071]、及び特開2018−189754号公報の段落[0085]〜[0087]に記載がある。これらの記載は、参照により本明細書に取り込まれる。
界面活性剤としては、ノニオン系界面活性剤が好ましい。
ノニオン系界面活性剤としては、ポリオキシエチレン高級アルキルエーテル化合物、ポリオキシエチレン高級アルキルフェニルエーテル化合物、ポリオキシエチレングリコールの高級脂肪酸ジエステル化合物、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤等が挙げられる。
これらの中でも、ノニオン系界面活性剤としては、フッ素系界面活性剤が好ましい。
界面活性剤としては、市販品を使用できる。
界面活性剤の市販品の例としては、KP〔信越化学工業(株)製〕、ポリフロー〔共栄社化学(株)製〕、エフトップ(JEMCO社製)、メガファック(登録商標)〔商品例:F551A、F444等、DIC(株)製〕、フロラード〔住友スリーエム(株)製〕、アサヒガード(登録商標)〔AGC(株)製〕、サーフロン(登録商標)〔AGCセイケミカル(株)製〕、PolyFox(OMNOVA社製)、サーフィノール〔日信化学工業(株)製〕、SH−8400〔東レ・ダウコーニング(株)製〕等の各シリーズが挙げられる。なお、上記各シリーズは、いずれもノニオン系界面活性剤である。
第一の樹脂層は、界面活性剤を含む場合、界面活性剤を1種のみ含んでいてもよく、2種以上含んでいてもよい。
第一の樹脂層が界面活性剤を含む場合、第一の樹脂層における界面活性剤の含有率は、特に限定されないが、例えば、第一の樹脂層の全質量に対して、0.05質量%〜10質量%であることが好ましく、0.05質量%〜5質量%であることがより好ましい。
<増感剤>
第一の樹脂層は、増感剤を含んでいてもよい。
増感剤は、光重合開始剤の活性光線に対する感度を向上させる、酸素による重合性化合物の重合阻害を抑制する等の作用を有する。
増感剤は、特に限定されない。
増感剤としては、公知の増感色素、染料、顔料等が挙げられる。
増感色素としては、ジアルキルアミノベンゾフェノン化合物、ピラゾリン化合物、アントラセン化合物、クマリン化合物、キサントン化合物、チオキサントン化合物、オキサゾール化合物、ベンゾオキサゾール化合物、チアゾール化合物、ベンゾチアゾール化合物、トリアゾール化合物、スチルベン化合物、トリアジン化合物、チオフェン化合物、ナフタルイミド化合物、トリアリールアミン化合物、アミノアクリジン化合物、アクリドン化合物(例えば、2−クロロ−N−ブチルアクリドン)、N−フェニルグリシン化合物等が挙げられる。
染料又は顔料としては、フクシン、フタロシアニングリーン、オーラミン塩基、カルコキシドグリーンS,パラマジエンタ、クリスタルバイオレット、メチルオレンジ、ナイルブルー2B、ビクトリアブルー、ベイシックブルー20、マラカイトグリーン〔例えば、保土谷化学工業(株)製のアイゼン(登録商標) MALACHITE GREEN〕、ダイヤモンドグリーン〔例えば、保土谷化学工業(株)製のアイゼン(登録商標) DIAMOND GREEN GH〕等が挙げられる。
増感剤については、特開2018−189754号公報の段落[0069]〜[0074]に記載がある。これらの記載は、参照により本明細書に取り込まれる。
第一の樹脂層は、増感剤を含む場合、増感剤を1種のみ含んでいてもよく、2種以上含んでいてもよい。
第一の樹脂層が増感剤を含む場合、第一の樹脂層における増感剤の含有率は、特に限定されないが、例えば、第一の樹脂層の全質量に対して、0.01質量%〜5質量%であることが好ましく、0.03質量%〜3質量%であることがより好ましく、0.05質量%〜1質量%であることが更に好ましい。
<他の成分>
第一の樹脂層は、上記成分以外の成分(以下、「他の成分」ともいう。)を含んでいてもよい。
他の成分は、特に限定されず、目的等に応じて、適宜選択できる。
他の成分としては、着色剤〔例えば、保土谷化学工業(株)製のビクトリアピュアブルーNAPS〕、焼き出し剤〔例えば、ロイコクリスタルバイオレット〕、紫外線吸収剤、現像促進剤等が挙げられる。
(第一の樹脂層の厚さ)
第一の樹脂層の厚さは、特に限定されない。
第一の樹脂層の厚さは、例えば、1μm以上であることが好ましく、1.5μm以上であることがより好ましく、2μm以上であることが更に好ましい。
第一の樹脂層の厚さが1μm以上であると、ラミネート性がより向上し得る。
第一の樹脂層が薄い程、ビニルベンゼン誘導体に由来する残モノマー及び/又は残オリゴマーの量が少ないため、基板の変色が生じ難い。
このような観点から、第一の樹脂層の厚さの上限は、例えば、5μm以下であることが好ましく、4.5μm以下であることがより好ましく、4μm以下であることが更に好ましい。
また、第一の樹脂層の厚さは、例えば、基板の変色抑制とラミネート性向上とをバランス良く実現する観点から、2μm〜4μmであることが特に好ましい。
第一の樹脂層の厚さは、以下の方法により測定される。
第一の樹脂層の厚さ方向の断面観察像において、無作為に選択した5箇所で測定される第一の樹脂層の厚さの算術平均値を求め、得られた値を第一の樹脂層の厚さとする。
第一の樹脂層の厚さ方向の断面観察像は、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて得ることができる。
(第一の樹脂層の最低透過率)
波長400nm〜700nmにおける第一の樹脂層の最低透過率は、80%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましい。
第一の樹脂層の最低透過率の測定方法としては、分光光度計を用いて測定する方法が挙げられる。
分光光度計としては、例えば、大塚電子(株)製のMCPD−6800を好適に使用できる。但し、分光光度計は、これに限定されない。
(第一の樹脂層の形成方法)
第一の樹脂層の形成方法は、特に限定されず、公知の方法を適用できる。
第一の樹脂層としては、例えば、既述の各成分を含む第一の樹脂層形成用塗布液を、被塗布物上に塗布し、乾燥させる方法が挙げられる。
塗布方法は、特に限定されず、公知の塗布方法を適用できる。
塗布方法としては、スリット塗布、スピン塗布、カーテン塗布、インクジェット塗布等が挙げられる。
乾燥温度は、特に限定されず、溶剤等の揮発性成分の種類に応じて、適宜設定できる。
乾燥温度は、例えば、60℃〜120℃に設定できる。
第一の樹脂層形成用塗布液は、例えば、既述の各成分、及び溶剤を任意の割合で混合することによって調製できる。
溶剤は、特に限定されず、公知の溶剤を適用できる。
溶剤としては、エチレングリコールモノアルキルエーテル化合物、エチレングリコールジアルキルエーテル化合物、エチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート化合物、プロピレングリコールモノアルキルエーテル化合物、プロピレングリコールジアルキルエーテル化合物、プロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート化合物、ジエチレングリコールジアルキルエーテル化合物、ジエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート化合物、ジプロピレングリコールモノアルキルエーテル化合物、ジプロピレングリコールジアルキルエーテル化合物、ジプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート化合物、エステル化合物、ケトン化合物、アミド化合物、ラクトン化合物、アルコール化合物等が挙げられる。
溶剤の好ましい例としては、以下に記載のエステル化合物、エーテル化合物、ケトン化合物、アルコール化合物等が挙げられる。
エステル化合物としては、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソブチル、酢酸sec−ブチル、酢酸t−ブチル、酢酸イソプロピル、酢酸n−ブチル、1−メトキシ−2−プロピルアセテート等が挙げられる。
エーテル化合物としては、ジイソプロピルエーテル、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、1,3−ジオキソラン、プロピレングリコールジメチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノール、テトラヒドロフラン等が挙げられる。
ケトン化合物としては、メチルn−ブチルケトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジエチルケトン、メチルn−プロピルケトン、メチルイソプロピルケトン等が挙げられる。
アルコール化合物としては、メタノール等が挙げられる。
第一の樹脂層において、第一の樹脂層形成用塗布液に含まれる溶剤は、完全に除去されている必要はない。
第一の樹脂層における溶剤の含有率は、第一の樹脂層の全質量に対して、1質量%以下であることが好ましく、0.5質量%以下であることがより好ましい。
第一の樹脂層形成用塗布液の固形分濃度は、特に限定されない。
第一の樹脂層形成用塗布液の固形分濃度としては、塗布適性の観点から、1質量%〜40質量%であることが好ましく、5質量%〜30質量%であることがより好ましい。
本開示において、「第一の樹脂層形成用塗布液の固形分濃度」とは、第一の樹脂層形成用塗布液の全質量に対する、第一の樹脂層形成用塗布液から溶剤等の揮発性成分を除いた残渣の割合を意味する。
〔第二の樹脂層〕
本開示の転写フィルムは、酸価が130mgKOH/g以上であるアルカリ可溶性樹脂(B)を含む第二の樹脂層を有する。
<アルカリ可溶性樹脂(B)>
第二の樹脂層は、アルカリ可溶性樹脂(B)を含む。
アルカリ可溶性樹脂(B)は、バインダーとして機能する。
アルカリ可溶性樹脂(B)の酸価は、130mgKOH/g以上である。
アルカリ可溶性樹脂(B)の酸価は、130mgKOH/g以上であり、140mgKOH/g以上であることが好ましく、150mgKOH/g以上であることが更に好ましい。
アルカリ可溶性樹脂(B)の酸価が130mgKOH/g以上であると、第二の樹脂層が現像液により除去されやすくなる。このため、現像の際に、第一の樹脂層を効果的に除去でき、基板がより変色し難くなる。
アルカリ可溶性樹脂(B)の酸価の上限は、特に限定されないが、例えば、パターンのサイドエッチを抑制して解像度を向上させる観点から、250mgKOH/g以下であることが好ましく、240mgKOH/g以下であることがより好ましく、230mgKOH/g以下であることが更に好ましい。
アルカリ可溶性樹脂(B)のI/O値は、特に限定されないが、例えば、現像性の観点から、0.45以上であることが好ましく、0.5以上であることがより好ましく、0.55以上であることが更に好ましい。
アルカリ可溶性樹脂(B)のI/O値の上限は、特に限定されないが、例えば、0.9以下であることが好ましい。
アルカリ可溶性樹脂(B)の種類は、酸価が130mgKOH/g以上であれば、特に限定されない。
アルカリ可溶性樹脂(B)としては、酸基を有する樹脂が好適に挙げられる。
酸基としては、カルボキシ基、スルホン酸基、リン酸基等が挙げられる。
これらの中でも、酸基としては、カルボキシ基が好ましい。
アルカリ可溶性樹脂(B)としては、例えば、カルボキシ基を有するアクリルモノマーを構成単位として有するアクリル共重合体、セルロースエーテル、ポリヒドロキシエチルメタクリレート等の水酸基を有する樹脂に、マレイン酸無水物又はフタル酸無水物を反応させて得られる重合体などが挙げられる。
カルボキシ基を有するアクリルモノマーを構成単位として有するアクリル共重合体としては、カルボキシ基を有するモノマーとその他の共重合可能なモノマー(所謂、その他のモノマー)との共重合体が好ましい。
アルカリ可溶性樹脂(B)におけるカルボキシ基を有するモノマーの具体例及び好ましい態様は、「アルカリ可溶性樹脂(A)」の項において説明したカルボキシ基を有するモノマーの具体例及び好ましい態様と同義であるため、ここでは説明を省略する。
アルカリ可溶性樹脂(B)におけるその他のモノマーの具体例及び好ましい態様は、「アルカリ可溶性樹脂(A)」の項において説明したその他のモノマーの具体例及び好ましい態様と同義であるため、ここでは説明を省略する。
アルカリ可溶性樹脂(B)は、酸基を有するモノマーに由来する構成単位及び(メタ)アクリル酸エステルモノマーに由来する構成単位を有することが好ましく、カルボキシ基を有するモノマーに由来する構成単位及び(メタ)アクリル酸アリルに由来する構成単位を有することがより好ましい。
アルカリ可溶性樹脂(B)の重量平均分子量は、特に限定されないが、例えば、第二の樹脂層の強度、製造性、及び現像性の観点から、2,000〜100,000であることが好ましく、4,000〜50,000であることがより好ましい。
第二の樹脂層は、アルカリ可溶性樹脂(B)を1種のみ含んでいてもよく、2種以上含んでいてもよい。
第二の樹脂層におけるアルカリ可溶性樹脂(B)の含有率は、特に限定されないが、例えば、第二の樹脂層の全質量に対して、50質量%〜98質量%であることが好ましく、60質量%〜96質量%であることがより好ましく、70質量%〜94質量%であることが更に好ましい。
アルカリ可溶性樹脂(B)の製造方法(所謂、合成法)は、特に限定されず、公知の方法を適用できる。
アルカリ可溶性樹脂(B)の製造方法としては、例えば、アルカリ可溶性樹脂(B)を形成するモノマーを、有機溶剤中、重合開始剤を用いて重合する方法が挙げられる。
<重合性化合物>
第二の樹脂層は、重合性化合物を含んでいてもよい。
重合性化合物としては、重合可能な化合物、例えば、ラジカル重合性化合物、カチオン重合性化合物等の化合物が挙げられる。
重合性化合物は、光重合性化合物であることが好ましく、エチレン性不飽和化合物であることがより好ましい。
第二の樹脂層がエチレン性不飽和化合物である重合性化合物を含むと、第一の樹脂層と第二の樹脂層との密着性が向上し得る。
エチレン性不飽和基としては、(メタ)アクリロイル基が好ましい。
エチレン性不飽和化合物としては、(メタ)アクリレート化合物が好ましい。
エチレン性不飽和化合物は、2官能以上のエチレン性不飽和化合物を含むことが好ましく、2官能以上のエチレン性不飽和化合物であることがより好ましい。
第二の樹脂層における2官能以上のエチレン性不飽和化合物の具体例及び市販品の例は、「第一の樹脂層」の項において説明した2官能以上のエチレン性不飽和化合物の具体例及び市販品の例と同義であるため、ここでは説明を省略する。
エチレン性不飽和化合物は、基板への密着性向上の観点から、酸基を有するエチレン性不飽和化合物を含んでいてもよい。
第二の樹脂層における酸基を有するエチレン性不飽和化合物は、「第一の樹脂層」の項において説明した酸基を有するエチレン性不飽和化合物と同義であるため、ここでは説明を省略する。
重合性化合物の分子量(Mw)は、200〜3,000であることが好ましく、250〜2,600であることがより好ましく、280〜2,200であることが更に好ましく、300〜2,200であることが特に好ましい。
第二の樹脂層は、重合性化合物を含む場合、重合性化合物を1種のみ含んでいてもよく、2種以上含んでいてもよい。
第二の樹脂層が重合性化合物を含む場合、第二の樹脂層における重合性化合物の含有率は、特に限定されないが、例えば、第二の樹脂層の全質量に対して、1質量%〜30質量%であることが好ましく、2質量%〜25質量%であることがより好ましく、3質量%〜20質量%であることが更に好ましく、5質量%〜15質量%であることが特に好ましい。
<界面活性剤>
第二の樹脂層は、界面活性剤を含んでいてもよい。
第二の樹脂層が界面活性剤を含むと、第二の樹脂層の厚さの均一性が向上し得る。
第二の樹脂層における界面活性剤の具体例、好ましい態様、及び市販品の例は、「第一の樹脂層」の項において説明した界面活性剤の具体例、好ましい態様、及び市販品の例と同義であるため、ここでは説明を省略する。
第二の樹脂層は、界面活性剤を含む場合、界面活性剤を1種のみ含んでいてもよく、2種以上含んでいてもよい。
第二の樹脂層が界面活性剤を含む場合、第二の樹脂層における界面活性剤の含有率は、特に限定されないが、例えば、第二の樹脂層の全質量に対して、0.05質量%〜10質量%であることが好ましく、0.05質量%〜5質量%であることがより好ましい。
<他の成分>
第二の樹脂層は、上記成分以外の成分(以下、「他の成分」ともいう。)を含んでいてもよい。
他の成分は、特に限定されず、目的等に応じて、適宜選択できる。
他の成分としては、重合開始剤、重合禁止剤、増感剤、紫外線吸収剤、現像促進剤等が挙げられる。
(第二の樹脂層の厚さ)
第二の樹脂層の厚さは、特に限定されない。
第二の樹脂層の厚さは、例えば、30nm以上であることが好ましく、35nm以上であることがより好ましく、40nm以上であることが更に好ましい。
第二の樹脂層の厚さが30nm以上であると、現像の際に、第一の樹脂層をより良好に除去できるため、基板がより変色し難くなる。
第二の樹脂層の厚さは、例えば、150nm以下であることが好ましく、135nm以下であることがより好ましく、120nm以下であることが更に好ましい。
第二の樹脂層の厚さが150nm以下であると、パターンのサイドエッチが抑制され、解像度がより向上し得る。
また、第二の樹脂層の厚さは、例えば、基板の変色抑制とパターンの解像度向上とをバランス良く実現する観点から、40nm〜120nmであることが特に好ましい。
第二の樹脂層の厚さは、以下の方法により測定される。
第二の樹脂層の厚さ方向の断面観察像において、無作為に選択した5箇所で測定される第二の樹脂層の厚さの算術平均値を求め、得られた値を第二の樹脂層の厚さとする。
第二の樹脂層の厚さ方向の断面観察像は、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて得ることができる。
(第二の樹脂層の最低透過率)
波長400nm〜700nmにおける第二の樹脂層の最低透過率は、80%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましい。
第二の樹脂層の最低透過率の測定方法としては、分光光度計を用いて測定する方法が挙げられる。
分光光度計としては、例えば、大塚電子(株)製のMCPD−6800を好適に使用できる。但し、分光光度計は、これに限定されない。
(第二の樹脂層の形成方法)
第二の樹脂層の形成方法は、特に限定されず、公知の方法を適用できる。
第二の樹脂層としては、例えば、既述の各成分を含む第二の樹脂層形成用塗布液を、被塗布物上に塗布し、乾燥させる方法が挙げられる。
塗布方法は、特に限定されず、公知の塗布方法を適用できる。
塗布方法としては、スリット塗布、スピン塗布、カーテン塗布、インクジェット塗布等が挙げられる。
乾燥温度は、特に限定されず、溶剤等の揮発性成分の種類に応じて、適宜設定できる。
乾燥温度は、例えば、60℃〜120℃に設定できる。
第二の樹脂層形成用塗布液は、例えば、既述の各成分、及び溶剤を任意の割合で混合することによって調製できる。
溶剤は、特に限定されないが、例えば、水系の溶剤であることが好ましい。
溶剤としては、水(イオン交換水、純水等)、1質量%〜5質量%アンモニア水、低級アルコール(メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール等)、1−メトキシ−2−プロパノールなどが挙げられる。
第二の樹脂層において、第二の樹脂層形成用塗布液に含まれる溶剤は、完全に除去されている必要はない。
第二の樹脂層における溶剤の含有率は、第二の樹脂層の全質量に対して、1質量%以下であることが好ましく、0.5質量%以下であることがより好ましい。
第二の樹脂層形成用塗布液の固形分濃度は、特に限定されない。
第二の樹脂層形成用塗布液の固形分濃度としては、塗布適性の観点から、1質量%〜40質量%であることが好ましく、5質量%〜30質量%であることがより好ましい。
本開示において、「第二の樹脂層形成用塗布液の固形分濃度」とは、第二の樹脂層形成用塗布液の全質量に対する、第二の樹脂層形成用塗布液から溶剤等の揮発性成分を除いた残渣の割合を意味する。
〔保護フィルム〕
本開示の転写フィルムは、第二の樹脂層の第一の樹脂層側とは反対側の面に、保護フィルムを有していてもよい。
保護フィルムとしては、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリカーボネートフィルム等が挙げられる。
保護フィルムについては、例えば、特開2006−259138号公報の段落[0083]〜[0087]、及び[0093]に記載がある。これらの記載は、参照により本明細書に取り込まれる。
[パターン付き基板の製造方法]
本開示のパターン付き基板の製造方法は、基板と、本開示の転写フィルムとを、上記基板と上記転写フィルムの上記第二の樹脂層とを接触させて、貼り合わせる工程(以下、「貼り合わせ工程」ともいう。)と、上記転写フィルムの上記第一の樹脂層をパターン露光する工程(以下、「露光工程」ともいう。)と、上記パターン露光を経た上記第一の樹脂層を現像してパターンを形成する工程(以下、「現像工程」ともいう。)と、をこの順に含む。
本開示のパターン付き基板の製造方法によれば、基板の変色が抑制され、かつ、パターンの解像度に優れるパターン付き基板を製造できる。
以下、各工程の詳細について説明する。
なお、本開示のパターン付き基板の製造方法における転写フィルムは、既述の「転写フィルム」の項において説明したとおりであり、好ましい態様も同様であるため、ここでは説明を省略する。
〔貼り合わせ工程〕
本開示のパターン付き基板の製造方法は、基板と、本開示の転写フィルムとを、上記基板と上記転写フィルムの上記第二の樹脂層とを接触させて、貼り合わせる工程(即ち、貼り合わせ工程)を含む。
基板は、ガラス、シリコン、フィルム等の基材自体が基板であってもよく、ガラス、シリコン、フィルム等の基材上に、必要により、導電層等の任意の層が設けられた基板であってもよい。基板は、基材上に導電層を有する基板であることが好ましい。
基材は、透明であることが好ましい。
透明の基材については、例えば、特開2010−86684号公報、特開2010−152809号公報、及び特開2010−257492号公報に記載がある。これらの記載は、参照により本明細書に取り込まれる。
基材の屈折率は、1.50〜1.52であることが好ましい。
基材は、ガラス基材又はフィルム基材であることが好ましく、フィルム基材であることがより好ましい。
ガラス基材としては、例えば、強化ガラスが挙げられる。
強化ガラスとしては、例えば、コーニング社のゴリラガラスを適用できる。
フィルム基材は、光学的に歪みが小さく、かつ、透明度が高いことが好ましい。
フィルム基材としては、樹脂フィルムが好ましい。
樹脂フィルムの材料としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、トリアセチルセルロース、シクロオレフィンポリマー等が挙げられる。
導電層としては、一般的な回路配線、タッチパネル配線等に用いられる任意の導電層が挙げられる。例えば、導電層としては、金属層、導電性金属酸化物層等が挙げられる。
本開示において、「導電性」とは、体積抵抗率が1×10Ωcm未満(好ましくは、1×10Ωcm未満)であることを意味する。
金属層の材料としては、Al(アルミニウム)、Zn(亜鉛)、Cu(銅)、Fe(鉄)、Ni(ニッケル)、Cr(クロム)、Mo(モリブデン)、Ag(銀)等が挙げられる。
金属層を形成する金属は、1種の金属元素からなる単体の金属であってもよく、2種以上の金属元素を含む金属混合物であってもよく、少なくとも1種の金属元素を含む合金であってもよい。
導電性金属酸化物層を形成する導電性金属酸化物としては、ITO(Indium Tin Oxide)、IZO(Indium Zinc Oxide)、SiO等が挙げられる。
導電層は、導電性及び細線形成性の観点から、金属層及び導電性金属酸化物層からなる群より選ばれる少なくとも1種の層であることが好ましく、金属層であることがより好ましく、銅層であることが更に好ましい。
すなわち、基板の第二の樹脂層と接触する面の少なくとも一部は、金属及び導電性金属酸化物からなる群より選ばれる少なくとも1種であることが好ましく、金属であることがより好ましく、銅であることが更に好ましい。
導電層は、静電容量型タッチパネルに用いられる視認部のセンサーに相当する電極パターン又は周辺取り出し部の配線であることが好ましい。
貼り合わせ工程では、基板と転写フィルムとを、基板と転写フィルムの第二の樹脂層とを接触させて、貼り合わせる。
基板と転写フィルムとの貼り合わせは、真空ラミネーター、オートカットラミネーター等の公知のラミネーターを用いて行うことができる。
ラミネート温度は、特に限定されない。
ラミネート温度は、例えば、80℃〜150℃であることが好ましく、90℃〜150℃であることがより好ましく、100℃〜150℃であることが更に好ましい。
ゴムローラーを備えたラミネーターを用いる場合、ラミネート温度とは、ゴムローラーの温度を指す。
ラミネート時の基板温度は、特に限定されない。
ラミネート時の基板温度は、例えば、10℃〜150℃であることが好ましく、20℃〜150℃であることがより好ましく、30℃〜150℃であることが更に好ましい。
基板が樹脂フィルムである場合には、ラミネート時の基板温度は、10℃〜80℃であることが好ましく、20℃〜60℃であることがより好ましく、30℃〜50℃であることが更に好ましい。
ラミネート時の線圧は、特に限定されない。
ラミネート時の線圧は、例えば、0.5N/cm〜20N/cmであることが好ましく、1N/cm〜10N/cmであることがより好ましく、1N/cm〜5N/cmであることが更に好ましい。
ラミネート時の搬送速度(所謂、ラミネート速度)は、特に限定されない。
ラミネート時の搬送速度は、例えば、0.5m/分〜5m/分であることが好ましく、1.5m/分〜3m/分であることがより好ましい。
〔露光工程〕
本開示のパターン付き基板の製造方法は、貼り合わせ工程後、転写フィルムの第一の樹脂層をパターン露光する工程(即ち、露光工程)を含む。
露光工程では、転写フィルムの第一の樹脂層をパターン露光することによって、第一の樹脂層に露光部と非露光部とを形成する。
露光工程では、露光された第一の樹脂層(所謂、露光部)が硬化する。また、第二の樹脂層が重合性化合物を含む場合には、露光された第二の樹脂層についても硬化し得る。
パターン露光の方法は、マスク(「フォトマスク」ともいう。)を介した露光であってもよく、レーザ等を用いたデジタル露光であってもよい。
露光の光源は、特に限定されない。
露光の光源は、第一の樹脂層に含まれる成分に応じて、適宜選択できる。
光源としては、例えば、露光部が硬化し得る波長域の光(例えば、365nm又は405nm)を照射できる光源が挙げられる。
光源の具体例としては、各種レーザ、発光ダイオード(LED)、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、メタルハライドランプ等が挙げられる。
露光量は、特に限定されない。
露光量は、例えば、5mJ/cm〜200mJ/cmであることが好ましく、10mJ/cm〜200mJ/cmであることがより好ましい。
露光工程では、基板に貼り合わされた転写フィルムから仮支持体を剥離した後、第一の樹脂層をパターン露光してもよく、仮支持体を残したまま、第一の樹脂層をパターン露光してもよい。
〔現像工程〕
本開示のパターン付き基板の製造方法は、パターン露光を経た第一の樹脂層を現像してパターンを形成する工程(即ち、現像工程)を含む。
現像工程では、転写フィルムの非露光部を現像液によって除去することで、パターンを形成できる。
現像工程では、第二の樹脂層についても、第一の樹脂層のパターンをマスクとして現像されるため、第二の樹脂層についても同時にパターンを形成できる。
現像液は、特に限定されず、公知の現像液を使用できる。
現像液としては、例えば、特開平5−72724号公報に記載の現像液が挙げられる。
現像液は、アルカリ性水溶液であることが好ましい。
アルカリ性水溶液に含まれ得るアルカリ性化合物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、コリン(2−ヒドロキシエチルトリメチルアンモニウムヒドロキシド)等が挙げられる。
アルカリ性水溶液のpHは、特に限定されない。
アルカリ性水溶液の25℃におけるpHは、例えば、8〜13であることが好ましく、9〜12であることがより好ましく、10〜12であることが更に好ましい。
アルカリ性水溶液におけるアルカリ性化合物の含有率は、特に限定されないが、例えば、アルカリ性水溶液の全質量に対して、0.1質量%〜5質量%であることが好ましく、0.1質量%〜3質量%であることがより好ましい。
現像液の液温度は、特に限定されない。
現像液の液温度は、例えば、20℃〜40℃であることが好ましい。
現像の方式としては、例えば、パドル現像、シャワー現像、スプレー現像、シャワー及びスピン現像、ディップ現像等の方式が挙げられる。
パターン露光、現像等については、例えば、特開2006−23696号公報の段落[0035]〜[0051]に記載がある。これらの記載は、参照により本明細書に取り込まれる。
〔エッチング処理工程〕
本開示のパターン付き基板の製造方法は、現像工程後、パターンが配置されていない領域における基板をエッチング処理する工程(以下、「エッチング処理工程」ともいう。)を含んでいてもよい。
エッチング処理工程では、第一の樹脂層から形成されたパターンを、エッチングレジストとして使用し、エッチング処理を行う。
エッチング処理の方法は、特に限定されず、公知の方法を適用できる。
例えば、エッチング処理の方法としては、一般的に行われている、エッチング液に浸漬するウェットエッチング法が挙げられる。
ウェットエッチングに用いられるエッチング液は、エッチングの対象に合わせて、酸性タイプ又はアルカリ性タイプのエッチング液を適宜選択すればよい。
酸性タイプのエッチング液としては、塩酸、硫酸、硝酸、酢酸、フッ酸、シュウ酸、リン酸等の酸性成分単独の水溶液が挙げられる。また、酸性タイプのエッチング液としては、上記酸性成分と、塩化第2鉄、フッ化アンモニウム、過マンガン酸カリウム等の塩と、の混合水溶液が挙げられる。酸性成分は、複数の酸性成分を組み合わせた成分であってもよい。
アルカリ性タイプのエッチング液としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア、有機アミン、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイドのような有機アミンの塩等のアルカリ成分単独の水溶液が挙げられる。また、アルカリ性タイプのエッチング液としては、上記アルカリ成分と、過マンガン酸カリウム等の塩と、の混合水溶液が挙げられる。アルカリ成分は、複数のアルカリ成分を組み合わせた成分であってもよい。
エッチング液の温度は、特に限定されないが、45℃以下であることが好ましい。
本開示において、エッチングマスクとして使用されるパターンは、45℃以下の温度域のエッチング液に対して、特に優れた耐性を発揮することが好ましい。これにより、エッチング処理工程中に、第一の樹脂層が剥離することが防止され、第一の樹脂層の存在しない部分が選択的にエッチングされることになる。
エッチング処理の方法については、例えば、特開2010−152155号公報の段落[0048]〜[0052]に記載がある。これらの記載は、参照により本明細書に取り込まれる。
〔その他の工程〕
本開示のパターン付き基板の製造方法は、貼り合わせ工程、露光工程、現像工程、及びエッチング処理工程以外の工程(所謂、その他の工程)を含んでいてもよい。
本開示のパターン付き基板の製造方法は、例えば、エッチング処理工程後、工程ラインの汚染を防ぐために、必要に応じて、上記基板を洗浄する工程(所謂、洗浄工程)を含んでいてもよい。
基板を洗浄する方法としては、例えば、基板に対し、常温(即ち、10℃〜35℃)の純水をかけることで、基板を洗浄する方法が挙げられる。
また、本開示のパターン付き基板の製造方法は、例えば、洗浄工程後の基板を乾燥する工程(所謂、乾燥工程)を含んでいてもよい。
基板を乾燥する方法としては、例えば、エアブローにより、基板を乾燥させる方法が挙げられる。エアブロー圧は、特に限定されないが、例えば、0.1kg/cm〜5kg/cm程度に設定するとよい。
本開示のパターン付き基板の製造方法は、例えば、エッチング処理工程後、第一の樹脂層及び第二の樹脂層を、剥離液を用いて剥離する工程(所謂、剥離工程)を含んでいてもよい。
エッチング処理工程後、パターン形成された第一の樹脂層及び第二の樹脂層が残存している。第一の樹脂層及び第二の樹脂層が不要である場合には、残存する全ての第一の樹脂層及び第二の樹脂層を除去すればよい。
剥離液を用いて剥離する方法としては、例えば、好ましくは30℃〜80℃、より好ましくは50℃〜80℃にて撹拌中の剥離液に、第一の樹脂層及び第二の樹脂層を有する基板を5分間〜30分間浸漬する方法が挙げられる。
剥離液としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の無機アルカリ成分、又は、第三級アミン、第四級アンモニウム塩等の有機アルカリ成分を、水、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、又は、これらの混合溶液に溶解させた剥離液が挙げられる。
剥離液を用いて剥離する方法としては、スプレー法、シャワー法、パドル法等の方法も挙げられる。
[タッチパネルの製造方法]
本開示のタッチパネルの製造方法は、本開示のパターン付き基板の製造方法を含む。すなわち、本開示のタッチパネルの製造方法は、本開示のパターン付き基板の製造方法を適用できる。
本開示のタッチパネルの製造方法におけるパターン付き基板の製造方法は、既述の「パターン付き基板の製造方法」に項において説明したパターン付き基板の製造方法と同義であり、好ましい態様も同様であるため、ここでは説明を省略する。
[タッチパネル]
本開示のタッチパネルは、本開示のパターン付き基板の製造方法により製造されたパターン付き基板を有する。
本開示のタッチパネルは、本開示のパターン付き基板の製造方法により製造されたパターン付き基板を有するため、基板の変色が抑制されている。また、本開示のタッチパネルは、本開示のパターン付き基板の製造方法により製造されたパターン付き基板を有するため、解像度に優れる。
本開示のタッチパネルにおける検出方法としては、抵抗膜方式、静電容量方式、超音波方式、電磁誘導方式、光学方式等が挙げられる。
これらの中でも、検出方法としては、静電容量方式が好ましい。
タッチパネル型としては、所謂、インセル型(例えば、特表2012−517051号公報の図5、図6、図7、及び図8に記載のもの)、所謂、オンセル型(例えば、特開2013−168125号公報の図19に記載のもの、並びに、特開2012−89102号公報の図1及び図5に記載のもの)、OGS(One Glass Solution)型、TOL(Touch-on-Lens)型(例えば、特開2013−54727号公報の図2に記載のもの)、その他の構成(例えば、特開2013−164871号公報の図6に記載のもの)、各種アウトセル型(所謂、GG、G1・G2、GFF、GF2、GF1、G1F等)が挙げられる。
本開示のタッチパネルとしては、『最新タッチパネル技術』〔2009年7月6日、(株)テクノタイムズ社発行〕、三谷雄二監修、“タッチパネルの技術と開発”、シーエムシー出版(2004,12)、FPD International 2009 Forum T−11講演テキストブック、Cypress Semiconductor Corporation アプリケーションノートAN2292等に開示されている構成を適用できる。
以下、本開示を実施例により更に具体的に説明する。
以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本開示の趣旨を逸脱しない限り、適宜、変更できる。したがって、本開示の範囲は、以下に示す具体例に限定されるものではない。
本実施例において用いた各樹脂の詳細を表1及び表2に示す。
表1に示す樹脂A1〜樹脂A7の各樹脂は、第一の樹脂層形成用塗布液の調製に用いたアルカリ可溶性樹脂である。また、表2に示す樹脂B1〜樹脂B5の各樹脂は、第二の樹脂層形成用塗布液の調製に用いたアルカリ可溶性樹脂である。
表1及び表2における各樹脂の理論酸価(単位:mgKOH/g)及びI/O値は、既述の方法により求めた。また、表1及び表2における各樹脂の重量平均分子量(Mw)は、既述の方法により測定した。
Figure 2020195345
表1中、「−」は、該当する成分を含まないことを意味する。
表1中、以下の略語は、それぞれ以下の化合物を表す。
「St」:スチレン
「α−MeSt」:α−メチルスチレン
「MAA」:メタクリル酸
「MMA」:メチルメタクリレート
Figure 2020195345
表2中、以下の略語は、それぞれ以下の化合物を表す。
「MAA」:メタクリル酸
[第一の樹脂層形成用塗布液の調製]
〔材料1−1〜材料1−7〕
表1に示す組成となるように各成分を混合し、第一の樹脂層形成用塗布液である材料1−1〜材料1−7を調製した。
[第二の樹脂層形成用塗布液の調製]
〔材料2−1〜材料2−5〕
表2に示す組成となるように各成分を混合し、第二の樹脂層形成用塗布液である材料2−1〜材料2−5を調製した。
Figure 2020195345
表3中、「−」は、該当する成分を含まないことを意味する。
表3に記載の下記成分の詳細は、以下に示すとおりである。
ポリプロピレングリコールジアクリレート〔商品名:アロニックス(登録商標) M−270、東亞合成(株)製〕:2官能のエチレン性不飽和化合物
エトキシ化ビスフェノールAジメタクリレート〔商品名:BPE−500、新中村化学工業(株)製〕:2官能のエチレン性不飽和化合物
2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール〔商品名:B−CIM、保土谷化学工業(株)製〕:ヘキサアリールビイミダゾール系光重合開始剤
メガファック(登録商標) F551A〔商品名;DIC(株)製〕:フッ素系界面活性剤
ビクトリアピュアブルーNAPS〔商品名;保土谷化学工業(株)製〕:ビクトリアピュアブルーのナフタレンスルホン酸塩
化合物A:下記の構造を有するN−フェニルグリシン化合物
Figure 2020195345
Figure 2020195345
表4中、「−」は、該当する成分を含まないことを意味する。
表4に記載の下記成分の詳細は、以下に示すとおりである。
カルボキシ基を有するモノマー〔商品名:アロニックス(登録商標) TO−2349、東亞合成(株)製〕:5官能のエチレン性不飽和化合物と6官能のエチレン性不飽和化合物との混合物
メガファック(登録商標) F444」〔商品名;DIC(株)製〕:フッ素系界面活性剤
[転写フィルムの作製]
〔実施例1〜実施例16、比較例1、及び比較例2〕
仮支持体〔商品名:ルミラー(登録商標) 16QS62、ポリエチレンテレフタレートフィルム、厚さ:16μm、東レ(株)製〕の上に、スリット状ノズルを用いて、第一の樹脂層形成用塗布液である材料(即ち、材料1−1〜材料1−7のいずれか)を塗布し、塗布膜を形成した。材料1−1〜材料1−7の各塗布量は、乾燥後の層の厚さが表5に示す厚さとなる量とした。次いで、形成した塗布膜を、100℃に温度設定したコンベクションオーブン内で2分間乾燥させて、第一の樹脂層を形成した。
次に、第一の樹脂層の上に、スリット状ノズルを用いて、第二の樹脂層形成用塗布液である材料(即ち、材料2−1〜材料2−5のいずれか)を塗布し、塗布膜を形成した。材料2−1〜材料2−5の各塗布量は、乾燥後の層の厚さが表5に示す厚さとなる量とした。次いで、形成した塗布膜を、100℃に温度設定したコンベクションオーブン内で2分間乾燥させて、第二の樹脂層を形成した。
次に、第二の樹脂層の上に、保護フィルム〔商品名:トレファン(登録商標) BO、型番:12D、タイプKW37のポリプロピレンフィルム、厚さ:12μm、東レ(株)製〕を圧着した。
以上のようにして、実施例1〜実施例16、比較例1、及び比較例2の転写フィルムをそれぞれ作製した。
〔比較例3〕
仮支持体〔商品名:ルミラー(登録商標) 16QS62、ポリエチレンテレフタレートフィルム、厚さ:16μm、東レ(株)製〕の上に、スリット状ノズルを用いて、第一の樹脂層形成用塗布液である材料1−1を塗布し、塗布膜を形成した。材料1−1の塗布量は、乾燥後の層の厚さが表5に示す厚さとなる量とした。次いで、形成した塗布膜を、100℃に設定したコンベクションオーブン内で2分間乾燥させて、第一の樹脂層を形成した。
次に、第一の樹脂層の上に保護フィルム〔商品名:トレファン(登録商標) BO、型番:12D、タイプKW37のポリプロピレンフィルム、厚さ:12μm、東レ(株)製〕を圧着した。
以上のようにして、比較例3の転写フィルムを作製した。
[回路パターン形成用基板の作製]
厚さ100μmのシクロオレフィンポリマーフィルム〔商品名:ゼオノアフィルム(登録商標) ZF16、日本ゼオン(株)製〕の両面に、直径3μmの複数の粒子〔商品名:SSX103、積水化成品工業(株)製〕及び直径2μmの複数の粒子〔商品名:SSX102、積水化成品工業(株)製〕を、バインダー樹脂(商品名:ユニディック17−824−9、DIC社製)100質量部に対して、それぞれ0.05質量部及び0.02質量部添加した塗工液を、バーコーターを用いて塗布し、塗布膜を形成した。次いで、形成した塗布膜を、80℃に設定したオーブン内で1分間乾燥させた後、紫外線(光源:超高圧水銀灯)を積算光量500mJ/cmで照射することにより、両面に70nmのアンチブロッキング層を有するフィルムを形成した(以下、「COP基材」という)。
次に、COP基材の片面に、屈折率調整剤〔商品名:OPSTAR(登録商標) K7415、JSR(株)製〕を、バーコーターを用いて塗布し、塗布膜を形成した。次いで、形成した塗布膜を、80℃に設定したオーブン内で1分間乾燥させた後、紫外線(光源:高圧水銀灯)を積算光量300mJ/cmで照射することにより、厚さ100nm及び屈折率1.65の屈折率調整層を形成した。
次に、巻き取り式スパッタ装置を用いて、COP基材の屈折率調整層の表面に、第2層の導電層として、厚さ23nmのインジウムスズ酸化物(ITO)層を積層した。次いで、ITO層の上に、第1層の導電層として、銅を真空蒸着法により200nm厚にて成膜し、銅層を有する回路パターン形成用基板(以下、単に「基板」という。)を得た。
[評価]
実施例1〜実施例16及び比較例1〜比較例3の各転写フィルムを用いて、以下の評価を行った。結果を表5に示す。
1.基板の変色
上記にて作製した基板の銅層上に、保護フィルムを剥離した転写フィルムを貼り合わせること(以下、「ラミネート加工」という。)により、積層体を得た。
ラミネート加工は、線圧0.8MPa、線速度4.0m/min、及びロール温度100℃の条件で行った。また、ラミネート加工においては、転写フィルムから保護フィルムを剥離することにより露出する面を、基板の銅層の表面に接触させた。
得られた積層体に対し、仮支持体上から、パターン形成装置を用いて、ライン/スペース=1:1で、ライン幅4μm〜20μmまでは1μm刻みで、ライン幅20μm〜50μmまでは5μm刻みで、各線幅の露光を行った。パターン形成装置は、光照射手段として405nmのレーザ光源を有する装置である。露光量は、55mJ/cmとした。なお、実施例1〜実施例16、比較例1、及び比較例2の各転写フィルムを用いて作製された積層体では、上記露光により、第一の樹脂層の露光部及び第二の樹脂層の露光部が硬化した。また、比較例3の転写フィルムを用いて形成された積層体では、上記露光により、第一の樹脂層の露光部が硬化した。
露光後の積層体から仮支持体を剥離した後、現像処理を行った。現像処理は、仮支持体の剥離により露出した第一の樹脂層の全面に、液温30℃の1質量%炭酸ナトリウム水溶液を、スプレー圧0.10MPaにて37秒間スプレーすることにより行った。現像処理では、非露光部〔即ち、未硬化領域(実施例1〜実施例16、比較例1、及び比較例2の各転写フィルムを用いた場合:第一の樹脂層の未硬化領域及び第二の樹脂層の未硬化領域、比較例3の転写フィルムを用いた場合:第一の樹脂層の未硬化領域)〕が溶解除去された。
現像処理後、パターンが形成された基板に純水をかけて、基板上の残渣を除去した。
残渣を除去した基板にエアを吹きかけて、基板を乾燥させ、パターン付き基板を得た。
ラミネート加工前の基板の銅層が形成された面の波長550nmにおける反射率(X)と、上記にて得られたパターン付き基板のパターンが形成されていない面(即ち、銅層が露出した面)の波長550nmにおける反射率(Y)とを、分光光度計〔製品名:紫外可視近赤外分光光度計 V−570、日本分光(株)製〕を用いて測定し、両者の反射率の差〔反射率(X)−反射率(Y)、単位:%〕を求めた。
反射率の差は、小さいほど好ましい。反射率の差が4.0%以下であると、基板を変色させ難い転写フィルムであると判断した。
2.解像度
上記「1.基板の変色」の評価と同様にして、パターン付き基板を得た。
上記にて得られたパターン付き基板の表面を、光学顕微鏡(倍率:50倍)を用いて観察し、パターンのラインにツマリ、ヨレ等の異常がない最小ライン幅を確認した。そして、この最小ライン幅を解像度とし、下記の評価基準に従って、評価した。
評価結果が「A」、「B」又は「C」であれば、解像度に優れるパターンを形成できる転写フィルムであると判断した。
また、下記の評価基準において、「A」は、解像度が最も優れる場合を示し、「E」は、解像度が最も劣る場合を示す。
(評価基準)
A:解像度が4μm以下である。
B:解像度が4μmを超えて8μm以下である。
C:解像度が8μmを超えて15μm以下である。
D:解像度が15μmを超えて25μm以下である。
E:解像度が25μmを超える。
3.ラミネート性
上記にて作製した基板の銅層上に、保護フィルムを剥離した転写フィルムを貼り合わせること(即ち、ラミネート加工)により、積層体を得た。ラミネート加工は、線圧0.8MPa、線速度4.0m/min、及びロール温度100℃の条件で行った。また、ラミネート加工においては、転写フィルムから保護フィルムを剥離することにより露出する面を、基板の銅層の表面に接触させた。
上記にて得られた積層体から仮支持体を剥離した後、光学顕微鏡(倍率:50倍)を用いて、第一の樹脂層側から積層体を観察し、銅層と第二の樹脂層との間(比較例3においては、銅層と第一の樹脂層との間)に発生した気泡の数を測定した。詳細には、任意に選択した範囲(大きさ:9cm×9cm)における気泡の数を、場所を変えて100回測定した。100回の測定により得られた値を算術平均した後、小数点以下2桁目を四捨五入した。そして、得られた値を「気泡の数」とし、下記の評価基準に従って、ラミネート性を評価した。
なお、「気泡」は、ラミネート加工の際に空気が巻き込まれることにより発生し得る。
評価結果が「A」、「B」又は「C」であれば、ラミネート性が優れる転写フィルムであると判断した。
また、下記の評価基準において、「A」は、ラミネート性が最も優れる場合を示し、「E」は、ラミネート性が最も劣る場合を示す。
(評価基準)
A:気泡の数が0.1個以下である。
B:気泡の数が0.1個を超えて0.2個以下である。
C:気泡の数が0.2個を超えて0.3個以下である。
D:気泡の数が0.3個を超えて1.3個以下である。
E:気泡の数が1.3個を超える。
Figure 2020195345
表5に示すように、実施例1〜実施例16の転写フィルムは、基板を変色させ難いことが確認された。また、実施例1〜実施例16の転写フィルムによれば、解像度に優れるパターンを形成できることが確認された。さらに、実施例1〜実施例16の転写フィルムは、ラミネート性に優れることが確認された。
一方、仮支持体と、ビニルベンゼン誘導体に由来する構成単位を含むアルカリ可溶性樹脂、重合性化合物、及び重合開始剤を含む第一の樹脂層と、酸価が130mgKOH/g以上であるアルカリ可溶性樹脂を含む第二の樹脂層と、をこの順に有するが、第一の樹脂層に含まれるアルカリ可溶性樹脂におけるビニルベンゼン誘導体に由来する構成単位の含有率が、全構成単位に対して30質量%未満である、比較例1の転写フィルムを用いて形成されたパターンの解像度は、実施例1〜実施例16の転写フィルムを用いて形成されたパターンの解像度と比較して、劣ることが確認された。
また、第二の樹脂層に含まれるアルカリ可溶性樹脂の酸価が130mgKOH/g未満である比較例2の転写フィルムは、実施例1〜実施例16の転写フィルムと比較して、基板を変色させやすいことが確認された。
また、第二の樹脂層を有さない比較例3の転写フィルムについても、実施例1〜実施例16の転写フィルムと比較して、基板を変色させやすいことが確認された。
[回路パターン基板の作製]
実施例1〜実施例16の転写フィルムを用いて、以下の方法により、回路パターン基板を作製した。
上記「1.基板の変色」の評価と同様にして、パターン付き基板を得た。
得られたパターン付き基板について、銅エッチング液〔商品名:Cu−02、関東化学(株)製〕を用いて、銅層をエッチングし、ITOエッチング液〔商品名:ITO−02、関東化学(株)製〕を用いて、ITO層をエッチングした。これらのエッチングにより残った第一の樹脂層及び第二の樹脂層を、剥離液〔商品名:KP−301、関東化学(株)製〕を用いて剥離することにより、銅層とITO層とが共にパターニングされた基板(所謂、回路パターン基板)を得た。
得られた回路パターン基板を、顕微鏡(倍率:50倍)を用いて観察したところ、剥がれ、欠け等の欠陥が無く、良好にパターニングできることが確認された。
2019年3月27日に出願された日本国特許出願2019−061577号の開示は、その全体が参照により本明細書に取り込まれる。
本明細書に記載された全ての文献、特許出願、及び技術規格は、個々の文献、特許出願、及び技術規格が参照により取り込まれることが具体的に、かつ、個々に記された場合と同程度に、本明細書中に参照により取り込まれる。

Claims (10)

  1. 仮支持体と、
    ビニルベンゼン誘導体に由来する構成単位を含むアルカリ可溶性樹脂(A)、重合性化合物、及び重合開始剤を含む第一の樹脂層と、
    酸価が130mgKOH/g以上であるアルカリ可溶性樹脂(B)を含む第二の樹脂層と、
    をこの順に有し、
    前記アルカリ可溶性樹脂(A)におけるビニルベンゼン誘導体に由来する構成単位の含有率が、前記アルカリ可溶性樹脂(A)の全構成単位に対して、30質量%以上である、転写フィルム。
  2. 前記アルカリ可溶性樹脂(A)の酸価が150mgKOH/g以上である、請求項1に記載の転写フィルム。
  3. 前記アルカリ可溶性樹脂(B)の酸価が150mgKOH/g以上である、請求項1又は請求項2に記載の転写フィルム。
  4. 前記アルカリ可溶性樹脂(B)の酸価が250mgKOH/g以下である、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の転写フィルム。
  5. 前記アルカリ可溶性樹脂(A)におけるビニルベンゼン誘導体に由来する構成単位の含有率が、前記アルカリ可溶性樹脂(A)の全構成単位に対して、70質量%以下である、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の転写フィルム。
  6. 前記第二の樹脂層の厚さが、40nm〜120nmである、請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の転写フィルム。
  7. 前記第一の樹脂層の厚さが、2μm〜4μmである、請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の転写フィルム。
  8. 基板と、請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の転写フィルムとを、前記基板と前記転写フィルムの前記第二の樹脂層とを接触させて、貼り合わせる工程と、
    前記転写フィルムの前記第一の樹脂層をパターン露光する工程と、
    前記パターン露光を経た前記第一の樹脂層を現像してパターンを形成する工程と、
    をこの順に含む、パターン付き基板の製造方法。
  9. 前記パターンを形成する工程の後、前記パターンが配置されていない領域における基板をエッチング処理する工程を含む、請求項8に記載のパターン付き基板の製造方法。
  10. 前記基板の前記第二の樹脂層と接触する面の少なくとも一部が、銅である、請求項8又は請求項9に記載のパターン付き基板の製造方法。
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