JPWO2020194377A1 - 電極、電池、及び電池パック - Google Patents

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Abstract

実施形態によれば、集電体と活物質含有層とを具備する電極が提供される。集電体は、第1方向に沿う第1端部と該第1端部に沿うタブ部とを含む主面を有する。活物質含有層は、集電体のタブ部を除く主面の上に設けられ、タブ部に隣接する第2端部と該第2端部の反対側にある第3端部を有し、電極活物質を含有する。集電体と活物質含有層とは、主面に直交する第2方向へ向かって凹んでいる複数の溝を形成している。複数の溝はタブ部と第2端部との境目と交差し、複数の溝は第1端部へ向かって減衰し且つ第3端部へ向かって減衰している。

Description

本発明の実施形態は、電極、電池、及び電池パックに関する。
非水電解質二次電池では、充放電に伴いガスが発生し得る。発生したガスが電極間に留まることで相間の距離が広がり、電池の性能が劣化する。またガスの滞留箇所が充放電に寄与できなくなるため、電池の性能が劣化する。
こうした課題に対し、電極集電体の長手方向に平行な一方の辺に沿って設けられた集電タブ(露出部)を有した電極板において、集電タブの一部を変形させることで電解液またはガスの流路を確保する試みが行われてきた。
また、タブ部を意図的に変形させることは、しばしば電極板の湾曲を矯正し、捲回体を製造しやすくするために行われてきた。
日本国特開2013− 73690号公報 日本国特開2015− 90805号公報
寿命性能に優れた電池を実現できる電極、寿命性能に優れた電池、及びこの電池を具備する電池パックを提供することを目的とする。
実施形態によれば、集電体と活物質含有層とを具備する電極が提供される。集電体は、第1方向に沿う第1端部と該第1端部に沿うタブ部とを含む主面を有する。活物質含有層は、集電体のタブ部を除く主面の上に設けられ、タブ部に隣接する第2端部と該第2端部の反対側にある第3端部を有し、電極活物質を含有する。集電体と活物質含有層とは、主面に直交する第2方向へ向かって凹んでいる複数の溝を形成している。複数の溝はタブ部と第2端部との境目と交差し、複数の溝は第1端部へ向かって減衰し且つ第3端部へ向かって減衰している。
他の実施形態によれば、正極と負極とを具備する電池が提供される。正極および負極の少なくとも一方は、上記実施形態に係る電極を含む。
更に他の実施形態によれば、上記実施形態に係る電池を具備する電池パックが提供される。
図1は、実施形態に係る電極を概略的に示す平面図である。 図2は、図1に示す電極のII-II線に沿った断面図である。 図3は、図1に示す電極のIII-III線に沿った断面図である。 図4は、実施形態に係る電極における溝の位置の一例を表すグラフである。 図5は、実施形態に係る電極における溝の位置の他の例を表すグラフである。 図6は、実施形態に係る電極における溝の位置のさらに他の例を表すグラフである。 図7は、実施形態に係る電極の製造の一例を概略的に示す説明図である。 図8は、図7に示すVIII-VIII線に沿った断面図である。 図9は、図7に示すIX-IX線に沿った断面図である。 図10は、一例の電極におけるタブ部と活物質含有層との境目に沿った変位量の測定結果を表す図である。 図11は、図10に示す測定結果における破線L1に沿うプロファイルを表すグラフである。 図12は、他の例の電極におけるタブ部と活物質含有層との境目に沿った変位量の測定結果を表す図である。 図13は、図12に示す測定結果における破線L2に沿うプロファイルを表すグラフである。 図14は、実施形態に係る一例の電極群を概略的に示す斜視図である。 図15は、電極群を部分的に展開した状態を概略的に示す斜視図である 図16は、図15に示す捲回型電極群の概略断面図である。 図17は、実施形態に係る一例の電池の概略断面図である。 図18は、図17のA部の拡大断面図である。 図19は、実施形態に係る他の例の電池を概略的に示す分解斜視図である。 図20は、実施形態に係る一例の電池パックの概略分解斜視図である。 図21は、図20の電池パックの電気回路を示すブロック図である。 図22は、実施例15における加工ローラーを用いた正極の製造を概略的に示す説明図である。 図23は、比較例3における正極の厚さ調整のための圧延を概略的に示す説明図である。
実施形態
電極におけるガスの発生箇所は、電極活物質などの電極材料を塗布した部分にある。そのため、集電タブだけを変形させてもガスを抜くための流路としては不十分である。そのため集電タブの変形だけでは、電池の充放電中に発生し得るガスの影響を抑制するには不十分である。
以下に、実施の形態について図面を参照しながら説明する。なお、実施の形態を通して共通の構成には同一の符号を付すものとし、重複する説明は省略する。
また、各図は実施の形態の説明とその理解とを促すための模式図であり、その形状や寸法、比などは実際の装置と異なる個所があるが、これらは以下の説明と公知の技術とを参酌して、適宜設計変更することができる。
[第1の実施形態]
第1の実施形態に係る電極は、集電体と活物質含有層とを具備する。集電体は、第1方向に沿う第1端部と該第1端部に沿うタブ部とを含む主面を有する。活物質含有層は、集電体のタブ部を除く主面の上に設けられている。活物質含有層は、タブ部に隣接する第2端部と該第2端部の反対側にある第3端部を有する。活物質含有層は、電極活物質を含有する。集電体と活物質含有層とは、主面に直交する第2方向へ向かって凹んでいる複数の溝を形成している。複数の溝の各々は、タブ部と第2端部との境目と交差している。複数の溝は、第1端部へ向かって各々減衰しているとともに、第3端部へ向かって各々減衰している。
集電体と活物質含有層により上述した複数の溝が形成されていることにより、活物質含有層の内側から集電体のタブ部へ向かって連通する流路が設けられている。溝は、電極を組み込んだ電池を充放電した際に発生するガスを電極内から電池内の空隙部へ移動させるための流路として機能することができる。これにより、ガス発生による電極の劣化、並びにガス発生に起因する電極群の膨れによる劣化を抑制することができる。電極の密度に関係なく、溝により流路を形成することで電極内からのガスの排出を促進できる。
溝が集電体のタブ部と活物質含有層の第2端部との境目を交差せず集電体上に活物質含有層が設けられている範囲に留まっている場合、第2端部から第1端部へ向かって外側に位置するタブ部によりガスの流路が妨げられる。そうするとガスの抜けが悪くなり、活物質含有層中にガスが滞留しやすくなるため好ましくない。複数の集電タブ(又は、多重に折り重ねられた集電タブ)が束ねられる設計の電池では第2端部側にある溝の端の開口部分が束ねられた集電タブ(タブ部)により囲われてしまい、ガスを排出する流路の確保がさらに難しい。
一方で、溝が減衰しない、第1端部から第3端部への全幅に亘って実質的な深さの変化がない溝を有する電極を用いた場合、ガスの流路を存分に確保できるものの、電池内の電気抵抗が高くなる。溝の大きさを適切にすることで、ガスを放出するための流路を形成しつつ、電池抵抗の上昇を抑えることができる。
次に、電極の構成の詳細を説明する。
電極は、電池の正極および負極のいずれでもあり得る。つまり電極は、電池用電極であり得る。
集電体は、1以上の主面を有し、例えば、第1の主面とその裏側に位置する第2の主面を有する薄板形状を有し得る。集電体は、例えば、帯状の箔であり得る。集電体の材質の具体例として、アルミニウムを挙げることができる。集電体の材質は先の具体例に限られず、集電体の材質は問わない。
集電体の主面は、第1方向に沿う第1端部と、この第1端部に沿うタブ部を含んでいる。第1方向は、例えば、帯状の集電体の長尺方向であり得る。第1端部は、帯状の集電体の長尺方向に沿う縁部であり得る。
活物質含有層は、集電体の主面の上に設けられている。例えば、活物質含有層は、薄板形状の集電体の一方の主面の上に設けられ得る。或いは、活物質含有層は、薄板形状の集電体の表裏の両方の主面(第1の主面および第2の主面の両方)の上に設けられ得る。つまり、活物質含有層は、集電体の片面または両面に設けられ得る。
活物質含有層は、集電体の主面のうち第1端部に沿う一部の領域を除いて集電体の主面上に設けられている。集電体の主面のうち活物質含有層が設けられていない領域、つまり集電体の第1端部に沿う露出部分は、集電タブとして機能することができるタブ部である。活物質含有層は、集電体のタブ部に隣接する第2端部を有している。言い換えると、活物質含有層の第2端部は、活物質含有層の外周のうち集電体のタブ部側に沿う部分である。そして活物質含有層は、第2端部の反対側にある第3端部を有する。第1乃至第3端部は、集電体の主面に平行な平面に沿って、集電体の第1端部、活物質含有層の第2端部、活物質含有層の第3端部の順に配置されている。第1端部、第2端部、及び第3端部は、何れも第1方向に沿っている。
活物質含有層は、電極活物質を含有する。電極活物質としては、例えば、電池用活物質として用いることのできる化合物を挙げることができる。電極活物質は、例えば、電池における電極およびその対極(例えば、正極およびその対極としての負極、或いは負極およびその対極としての正極)の設計に応じて適宜選択できる。電極活物質(正極活物質、又は負極活物質)の詳細は、後述する。
活物質含有層は、電極活物質に加え、導電剤、結着剤、又は導電剤および結着剤の両方を更に含み得る。
集電体と活物質含有層とは、集電体の主面に直交する第2方向へ向かって凹んでいる複数の溝を形成している。複数の溝が凹む方向、つまり第2方向は、集電体および活物質含有層の厚さ方向であり得る。
複数の溝は、集電体のタブ部と活物質含有層の第2端部との境目と交差している。各々の溝の底面および壁面は、活物質含有層により形成されている部分と集電体によって形成されている部分をそれぞれ含む。言い換えると各々の溝は、タブ部と第2端部との境目を跨いで集電体の第1端部へ向かって延び、且つ活物質含有層の第3端部へ向かって延びている。
複数の溝は、第1端部へ向かって減衰していると共に、第3端部へ向かって減衰している。複数の溝は、各々がタブ部と第2端部との境目付近で最も深く、第1端部へ向かう方向および第3端部へ向かう方向の両方向へ向かって浅くなる。集電体の第1端部では、集電体が溝を形成せず実質的に平坦であり得る。活物質含有層の第2端部と第3端部との間に、溝が形成されてなく実質的に平坦な領域が存在し得る。
タブ部と第2端部との境目に沿って複数の溝が形成されている位置は、電極を用いて作製する電極群の設計に応じて適宜調整することが望ましい。例えば、捲回型電極群を作製する場合は、電極を捲回して得られる捲回型構造の最内周に少なくとも一部の溝が配置されることが望ましい。タブ部と第2端部との境目の全域に沿って溝が形成されている方が、ガスを排出する効果が増大するため好ましい。なお、捲回後の電極において、例えば、円弧を描くように湾曲している部分では、活物質含有層の表面の曲面に対する接面に直交する方向を第2方向と見なせる。
複数の溝は、第1方向に沿って互いに隣接している溝を含み得る。タブ部と第2端部との境目と交差している溝のうち一部が、第1方向に沿って隣接している複数の溝の群として存在し得る。ここでいう隣接している複数の溝の一つの群とは、第1方向に沿って連続した起伏がある状態で連なっており、一つの溝と第1方向に並んで次に設けられている溝との間に実質的に平坦な部分が存在しない一連の溝を意味する。連なっている溝の群は、タブ部と第2端部との境目に沿って1以上存在し得る。例えば、第1方向に沿って隣接している複数の溝の一つの群が境目に沿う一部領域に設けられるとともに、第1方向に沿って隣接している複数の溝の他の一群が境目に沿う他の領域に設けられ得る。或いは、境目と交差しているすべての溝が連なっていてもよい。一つの群において、一定の法則をもって複数の溝が配置されて、例えば、タブ部と第2端部との境目に沿う断面にて波形形状が形成され得る。
図1−図3を参照して、実施形態に係る電極を説明する。
図1は、実施形態に係る一例の電極を概略的に示す平面図である。ここで示す電極は、正極の例である。図2は、図1に示す電極のII-II線に沿った断面図である。図3は、図1に示す電極のIII-III線に沿った断面図である。
正極4は、正極集電体4a及び正極活物質含有層4bを含む。正極活物質含有層4bは、正極集電体4aの表裏両面に担持されている。正極集電体4aは、第1方向101(図1の縦方向)に沿う一辺において、いずれの表面にも正極活物質含有層4bが担持されていない部分、つまり集電タブにあたる正極タブ部4cを含む。
図2は、複数の溝の一つに沿った断面図を示す。溝は、第1端部4d及び第3端部4fへ向かう両方向、つまり図の左側方向111及び右側方向113の両方へ向かって延びている。図2からわかるように、溝は正極活物質含有層4bの第2端部4eと正極集電体4aにおける正極タブ部4cとの境目Bと交差している。溝は、正極集電体4aにおける正極タブ部4cの第1端部4dに向かって減衰している。溝は、正極活物質含有層4bの第3端部4fへ向かっても減衰している。正極活物質含有層4bの第2端部4eと第3端部4fとの間には、正極集電体4a及び正極活物質含有層4bが平坦になっている領域が存在する。
正極4は、第1方向101に並ぶ複数の溝を有し、例えば、図1に示すII'-II'線に沿った断面は、II-II線に沿った断面(図2)に見られる溝と同様な溝を含み得る。また、複数の溝は、正極集電体4aの主面に直交する第2方向102(図2の縦方向)、つまり図1にて紙面に直交する方向へ向かって凹んでいる。
図3は、第1方向101に並ぶ複数の溝における1つの溝(図1に示すII-II線に沿う溝)とその次に並ぶ溝(図1に示すII'-II'線に沿う溝)との間を通る断面図を示す。一例として図示する断面では、第1端部4dから第2端部4eを経由して第3端部4fへ亘って正極集電体4a及び正極活物質含有層4bが平坦である。このように複数の溝は、第1方向101に隣り合うものの互いにつながっていない溝を含む。
第1方向101に並ぶ複数の溝のうち少なくとも一部、例えば、第1方向101に沿って互いに隣接している溝は、第1方向101に沿って50 mm以上150 mm以下の周期で配置されていることが望ましい。複数の溝の間の間隔I1を適切にすることで、ガスを放出するための流路を形成しつつ、電池抵抗の上昇を抑えることができる。複数の溝の周期は、二つの溝の間の間隔I1の平均値に対応し得る。複数の溝の周期の詳細な測定方法は後述する。
正極タブ部4cと第2端部4eとの境目Bと交差する溝の主要部分が、境目Bに跨っていることが望ましい。溝の深い部分が境目Bの付近に位置することで、ガスの流路が第2端部4eから抜ける際の開口部分が大きくなりガスの排出が促進される。例えば、境目Bから第1端部4dへ向かって2 mm以内の第1領域R1、及び境目Bから第3端部4fへ向かって2 mm以内の第2領域R2の少なくとも一方に、複数の溝の最大深さD1の50 %以上である深さの部分のうちの一部が含まれていることが好ましい。
図4−6を参照して、第1端部4dから第3端部4fへ向かう方向への溝の位置と、正極タブ部4cと第2端部4eとの境目Bの位置との好ましい位置関係を説明する。
図4は、実施形態に係る電極における溝の位置の一例を表すグラフである。図5は、実施形態に係る電極における溝の位置の他の例を表すグラフである。図6は、実施形態に係る電極における溝の位置のさらに他の例を表すグラフである。
図4−図6に示すグラフでは、電極(正極4)における溝の深さのみを、図2で例示した溝に沿った断面形状を簡略化した曲線Eにより表す。図4−図6のそれぞれにおいて、グラフの左側方向111を第1端部4d側と見なし、右側方向113を第3端部4f側と見なす。溝の深さの測定方法について後述するとおり、ここでいう溝の深さは第1方向101、つまり図4−図6の紙面に直交する方向に並ぶ複数の溝の間の部分(例えば、図3で示した断面)に基づく深さである。説明の簡略化のため、図2で示した例のように溝が第3端部4fへ向かう間に減衰しきり、図2で示した上側の正極活物質含有層4bの第3端部4f側の上面の第2方向102(図2の縦方向)への位置と、図3で示した上側の正極活物質含有層4bの第2端部4e側の上面の第2方向102への位置とが一致しているとみなす。
図4−図6のグラフでは、溝における最大深さD1に対し50 %である深さD2([(D2/D1)×100 %] = 50 %)の部分およびさらに深い部分からなる中心部Vを図示している。中心部Vは、いわば谷の中心にあたる部分である。
図4のグラフでは、中心部Vのうち一部が境目Bから第1端部4d側へ2 mm以内の第1領域R1の範囲内に含まれており、中心部Vのうち他の一部が境目Bから第3端部4fへ向かって2 mm以内の第2領域R2の範囲内に含まれている。詳細は測定方法と併せて後述するが、溝の最大深さD1は溝の最も低い位置と最も高い位置との高低差に対応する。溝を谷に見立てると、最大深さD1は谷の底から谷の縁までの高度の差に対応する。一方で図5のグラフでは、溝における中心部Vのうち一部が第2領域R2に含まれているものの、中心部Vのうち第1領域R1の範囲内に含まれている一部はない。図5とは対照的に中心部Vのうち一部が第1領域R1に含まれ、中心部Vのうち第2領域R2の範囲内に含まれている一部がない形態もあり得る。
図6のグラフでは、左側方向111への第1端部4dに近い部分で溝と境目Bとが交差しているものの、中心部Vの全体が第1領域R1及び第2領域R2の両方の範囲外にある。図6からわかるとおり、溝のうち境目Bと交差している部分が浅い。
図4及び図5に示すグラフで表すように、溝のうち最大深さD1の50 %以上である深さの部分にあたる中心部Vの一部が、境目Bの前後2 mm以内の領域に含まれている、即ち第1領域R1及び第2領域R2の少なくとも一方の範囲内に含まれていると、境目Bを交差する部分での溝の深さが大きくなり、正極活物質含有層4bの内部からガスが放出されやすくなる。そのため、溝の中心部Vの少なくとも一部が境目Bの前後2 mm以内の領域に含まれていることが好ましい。中心部Vの全体が、図4に示すように境目Bの前後2 mm以内の領域(第1領域R1及び第2領域R2を併せた領域)に収まっていることがより好ましい。
第1端部4dから第3端部4fへ向かう方向に溝が沿う範囲R3の距離が6 mm以下であることが好ましい。この距離は、溝が第1端部4dへ向かって減衰しきって正極タブ部4cが平坦になった点と、溝が第3端部4fへ向かって減衰しきって電極(正極活物質含有層4bおよび正極集電体4a)が平坦になった点との間の距離に対応し得る。溝の大きさを抑えることで、電池抵抗の上昇を抑制できる。
溝の最大深さD1の値が電極の厚さ、つまり図3に示す集電体と活物質含有層との合計厚さTの値を超えることが好ましい。言い換えると、複数の溝を、境目Bに凹部が形成されるように平坦な電極が変形したものと見なしたとき、変形した部分の第2方向102への移動距離が変形前の電極の厚さを超える。より深い溝が形成されていることで、ガスをより放出しやすい流路が得られる。一方で溝が大きすぎると、溝自体が正極と負極との間のリチウムイオンの移動を阻害するため好ましくない。電池抵抗の上昇を抑える観点からは、電極の変形が少ない方が望ましい。逆に溝が小さすぎるとガスの抜けが悪くなり、活物質含有層中にガスが滞留し易くなるため好ましくない。これらを鑑みて、溝の最大深さが50μm以上250μm以下であることが好ましい。
電極が正極である例を説明したが、上述したとおり電極は負極であってもよい。負極である場合は、正極についての正極集電体、正極活物質含有層、及び正極タブ部は、それぞれ負極集電体、負極活物質含有層、及び負極タブ部に対応する。
以下に、正極である形態、及び負極である形態をそれぞれ詳細に説明する。
(正極)
正極は、先に説明したように、正極集電体と、正極集電体上に、具体的にはその両面又は片面に形成された正極活物質含有層とを含むことができる。正極集電体は、表面に正極活物質含有層が形成されていない部分(タブ部)を含み、この部分は正極集電タブとして働くことができる。
正極集電体としては、例えば、アルミニウム、及び銅などの金属を含む箔を使用することができる。金属を含む箔には、金属箔の他、例えば、アルミニウム合金からなる箔などの合金箔が含まれる。
正極活物質含有層は、正極活物質を含むことができる。
正極活物質は、特に限定されるものではないが、充放電において活物質の体積変化が小さいものを用いることが好ましい。このような正極活物質を用いることで、充放電における正極の撚れを軽減することができるため、サイクル性能が向上する。また体積変化が小さい活物質を用いることで、充放電サイクルを繰り返しても集電体のタブ部と活物質含有層の第2端部との境目付近に形成されている溝を維持できる。例えば、Li, Fe, Ni, Mn, 及びCoからなる群より選択される1以上を含む化合物を挙げることができる。正極活物質は、リチウム含有ニッケルコバルトマンガン酸化物(例えば、Li1-xNi1-a-b-cCoaMnbM1c2(式中、M1はMg、Al、Si、Ti、Zn、Zr、Ca及びSnからなる群より選択される1以上であり、−0.2≦x≦0.5,0<a≦0.5、0<b≦0.5、0≦c<0.1、a+b+c<1である))を含むことが好ましい。その他に、種々の酸化物、例えば、リチウム含有コバルト酸化物(例えば、LiCoO2)、二酸化マンガン、リチウムマンガン複合酸化物(例えば、LiMn24、LiMnO2)、リチウム含有ニッケル酸化物(例えば、LiNiO2)、リチウム含有ニッケルコバルト酸化物(例えば、LiNi0.8Co0.22)、リチウム含有鉄酸化物(例えば、LiFePO)、リチウムを含むバナジウム酸化物や、二硫化チタン、二硫化モリブデンなどのカルコゲン化合物などを含んでいてもよい。使用する正極活物質の種類は1種類または2種類以上にすることができる。
正極活物質含有層は、必要に応じて、導電剤及び結着剤を更に含むことができる。
導電剤は、集電性能を高め、且つ正極活物質と正極集電体との接触抵抗を抑えるために必要に応じて配合される。導電剤は、カーボン材料を含むことが好ましい。カーボン材料としては、例えば、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、ファーネスブラック、グラファイト、カーボンナノチューブなどを挙げることができる。正極活物質含有層は、上記カーボン材料の1種若しくは2種以上を含むことができるし、又は他の導電剤を更に含むこともできる。
結着剤は、特に限定されない。例えば、結着剤として、スラリー調製用の混合用溶媒によく分散するポリマーを用いることができる。このようなポリマーとしては、例えば、ポリフッ化ビニリデン、ヘキサフルオロプロピレン及びポリテトラフルオロエチレンなどが挙げられる。
正極活物質含有層における正極活物質、導電剤及び結着剤の配合割合は、正極活物質75質量%以上96質量%以下、導電剤3質量%以上20質量%以下、結着剤1質量%以上7質量%以下の範囲内にすることが好ましい。
(負極)
負極は、正極と同様に、負極集電体と、負極集電体上に、具体的にはその両面又は片面に形成された負極活物質含有層とを含むことができる。負極集電体は、表面に負極活物質含有層が形成されていない部分(タブ部)を含み、この部分は負極集電タブとして働くことができる。
負極集電体としては、例えば、アルミニウム、及び銅などの金属を含む箔を使用することができる。金属を含む箔には、金属箔の他、例えば、アルミニウム合金からなる箔などの合金箔が含まれる。
負極活物質含有層は、負極活物質を含むことができる。負極活物質として、例えば、金属、金属合金、金属酸化物、金属硫化物、金属窒化物、黒鉛質材料、炭素質材料などを挙げることができる。
金属としては、例えば、アルミニウムやリチウム等を挙げることができる。金属合金としては、例えば、アルミニウム合金、マグネシウム合金、リチウム合金等を挙げることができる。金属以外にも、例えば、シリコンのような半金属を負極活物質として用いることができる。
金属酸化物としては、例えば、チタンを含有する酸化物を挙げることができる。チタンを含有する酸化物の例として、リチウムチタン酸化物(例えば、スピネル型のチタン酸リチウム(Li4Ti5O12等)、単斜晶型ニオブチタン複合酸化物、及び直方晶型(orthorhombic)チタン含有複合酸化物)を挙げることができる。他の例として、TiとP、V、Sn、Cu、Ni、Nb及びFeよりなる群から選択される少なくとも1種類の元素とを含有する金属複合酸化物を挙げることができる。その他、例えば、SnB0.40.63.1等のアモルファススズ酸化物、SnSiO等のスズ珪素酸化物、WO等のタングステン酸化物といった金属酸化物が挙げられる。
チタン酸リチウムは、電池の充放電に伴う体積変化が少ない。充放電に伴う電極の体積変化が小さいことで、充放電を繰り返しても集電体のタブ部と活物質含有層の第2端部との境目の付近に形成されている溝を維持することができる。そのため、負極活物質としてチタン酸リチウムを好適に用いることができる。
単斜晶型ニオブチタン複合酸化物の例として、LixTi1-yM1yNb2-zM2z7+δで表される化合物が挙げられる。ここで、M1は、Zr,Si,及びSnからなる群より選択される少なくとも1つである。M2は、V,Ta,及びBiからなる群より選択される少なくとも1つである。組成式中のそれぞれの添字は、0≦x≦5、0≦y<1、0≦z<2、−0.3≦δ≦0.3である。単斜晶型ニオブチタン複合酸化物の具体例として、LixNb2TiO7(0≦x≦5)が挙げられる。
単斜晶型ニオブチタン複合酸化物の他の例として、LixTi1-yM3y+zNb2-z7-δで表される化合物が挙げられる。ここで、M3は、Mg,Fe,Ni,Co,W,Ta,及びMoより選択される少なくとも1つである。組成式中のそれぞれの添字は、0≦x≦5、0≦y<1、0≦z<2、−0.3≦δ≦0.3である。
直方晶型チタン含有複合酸化物の例として、Li2+aM(I)2-bTi6-cM(II)d14+σで表される化合物が挙げられる。ここで、M(I)は、Sr,Ba,Ca,Mg,Na,Cs,Rb及びKからなる群より選択される少なくとも1つである。M(II)はZr,Sn,V,Nb,Ta,Mo,W,Y,Fe,Co,Cr,Mn,Ni,及びAlからなる群より選択される少なくとも1つである。組成式中のそれぞれの添字は、0≦a≦6、0≦b<2、0≦c<6、0≦d<6、−0.5≦σ≦0.5である。直方晶型チタン含有複合酸化物の具体例として、Li2+aNa2Ti614(0≦a≦6)が挙げられる。
TiとP、V、Sn、Cu、Ni、Nb及びFeよりなる群から選択される少なくとも1種類の元素とを含有する金属複合酸化物としては、例えば、TiO−P、TiO−V、TiO−P−SnO、TiO−P−MeO(Meは、Cu、Ni及びFeよりなる群から選択される少なくとも1種類の元素である)などを挙げることができる。この金属複合酸化物は、結晶性が低く、結晶相とアモルファス相とが共存もしくは、アモルファス相単独で存在したミクロ構造であることが好ましい。このようなミクロ構造であることによりサイクル性能を大幅に向上させることができる。
金属硫化物としては、例えば、TiSのような硫化チタン、MoSのような硫化モリブデン、FeS、FeS、及びLiFeS(添字uは、0.9≦u≦1.2)のような硫化鉄が挙げられる。
金属窒化物としては、例えば、リチウムコバルト窒化物(例えば、LivCowN、ここで、0<v<4であり、0<w<0.5である)などのリチウム窒化物が挙げられる。
黒鉛質材料および炭素質材料としては、例えば、天然黒鉛、人造黒鉛、コークス、気相成長炭素繊維、メソフェーズピッチ系炭素繊維、球状炭素、樹脂焼成炭素を挙げることができる。
負極活物質含有層は、導電剤及び結着剤を更に含むことができる。負極活物質含有層が含むことができる導電剤及び結着剤は、正極活物質含有層が含むことができるそれらと同様のものを用いることができる。
負極活物質含有層における負極活物質、導電剤及び結着剤は、それぞれ70質量%以上96質量%以下、2質量%以上20質量%以下及び2質量%以上10質量%以下の割合で配合することが好ましい。導電剤の量を2質量%以上とすることにより、負極活物質含有層の集電性能を向上させることができる。また、結着剤の量を2質量%以上とすることにより、負極活物質含有層と負極集電体との結着性を高めることができ、優れたサイクル性能を期待できる。一方、導電剤及び結着剤はそれぞれ16質量%以下にすることが高容量化を図る上で好ましい。
<製造方法>
以上説明した電極は、例えば、次のようにして作製できる。
集電体を準備する。集電体としては、例えば、先に説明した材料からなる箔を用いることができる。
電極活物質、導電剤、結着剤、及び溶剤を混合してスラリーを調製する。溶剤としては、例えば、N−メチルピロリドン(NMP)等の汎用されている溶媒を用いることができる。スラリー中の電極活物質、導電剤、及び結着剤の配合割合には、活物質含有層(正極活物質含有層、又は負極活物質含有層)について先に説明した電極活物質(正極活物質、又は負極活物質)、導電剤、及び結着剤の配合割合を採用できる。
準備した集電体に調製したスラリーを塗布することで活物質含有層を形成する。活物質含有層は、集電体の一方の面に形成してもよく、或いは、集電体の表裏の両面に形成してもよい。集電体の一部にスラリーを塗布しない部分を残し、タブ部(集電タブ)を得る。
このようにして得られた集電体と活物質含有層との積層シートを圧延し、電池設計に合わせた寸法に裁断する。圧延には、例えば、ロールプレスを用いた圧延を行うことができ、この際活物質含有層の厚さを調整する。なお、このときに電極の厚さと塗液の目付量から電極密度を算出することができる。また圧延の際、集電体のうちスラリーを塗布しなかった部分にのみ圧力が掛かるよう、例えば、段付きローラーなど突出した圧延部を有するロールプレスを用いてタブ部に生じ得る湾曲を矯正しても良い。
凹凸部が形成されたローラーを用い活物質含有層の第2端部とタブ部との境目に圧力が掛かるようプレスすることで、境目を変形させる。集電体と活物質含有層との積層シートを圧延すると同時に、境目を変形させてもよい。或いは、例えば、ロールプレスを用いた圧延により活物質含有層の厚さを調整した後、境目を変形させるプレスを別途行ってもよい。
図7−図9を参照して、凹凸部が形成されたローラーを用いた加工により第2端部とタブ部との境目を変形させる方法の一例を詳細に説明する。
図7は、実施形態に係る電極の製造の一例を概略的に示す説明図である。図8は、図7に示すVIII-VIII線に沿った断面図である。図9は、図7に示すIX-IX線に沿った断面図である。ここで、正極を加工する例を説明する。
図7−図9に示すように、加工ローラー40は、主柱部41及び主柱部41の側面41aに配置された複数の突出部42を有する。主柱部41は円柱形状を有している。複数の突出部42は、主柱部41の側面41aに放射状に配置されている。複数の突出部42は、歯車の歯の上面にあたる突出面42aを有する。
加工ローラー40における主柱部41の柱径r1と、外径r2とは、r1<r2の関係を満たしている。主柱部41の柱径r1は、円柱形状の中心軸から側面41aまでの距離に対応する。加工ローラーにおける外径r2は、主柱部41の中心軸から突出部42の突出面42aまでの距離に対応する。突出部42の突出面42aは、主柱部41の側面41aよりも外側に位置する。突出部42が突出する高さ、つまり突出面42aと主柱部41の側面41aとの段差Sは、外径r2と柱径r1との差に等しい(S=r2−r1)。
なお、主柱部41の端面の外周が面取りされて逃げ面が形成されていてもよい。また、図8の例では、突出部42の縁が面取りされて逃げ面42bが形成されているが、逃げ面42bを省略してもよい。
加工ローラー40を用いて正極4を変形させる際、加工ローラー40と正極4との加工ローラー40の軸方向(図7及び図8の横方向)への位置関係を、図7及び図8に示すように正極タブ部4cと正極活物質含有層4bの第2端部4eとの境目およびその付近に突出部42が重なる位置に調整する。この位置関係でプレスを実施することで、正極4のうち突出部42と重なる部分に圧力を集中させることができる。
プレスの際、突出面42aが正極タブ部4cと第2端部4eとの境目を跨ぐ位置関係に調整することが望ましい。例えば、加工ローラー40の中心軸に平行な方向への突出部42の幅W1と比較して、突出部42と正極活物質含有層4bとが重なる部分の幅W2が半分(W2/W1=0.5)になる位置関係でプレスを行うことで、形成される溝が正極タブ部4cと第2端部4eとの境目を交差する構造に正極4をより確実に変形させることができる。
加工ローラー40の寸法を適宜調整することで、変形により生じる溝の構造を制御できる。具体的には、突出部42が突出する高さ(段差S)、軸方向への突出部42の幅W1及び突出部42と正極活物質含有層4bとの重なり幅W2、突出部42の突出方向と加工ローラー40の軸方向との両方に直交する方向へ突出部42が亘る長さG(歯車の歯の厚み)、並びに隣り合う突出部42の間の間隔I2などの設計を変更することで、形成される溝の構造および配置を制御できる。例えば、段差Sを大きくした場合に、正極集電体4aと正極活物質含有層4bの合計厚さTの値を超える最大深さを有する溝が形成され得る。ただし、プレス時の正極集電体4a及び正極活物質含有層4bの変形は、必ずしもプレス後も完全に維持されず、例えば、正極集電体4aの延びが部分的に戻り得ることに留意する。つまり、プレスにより変形した部分の形状は、加工ローラー40の表面形状を転写したものと必ずしも一致しない。
<測定方法>
電極における溝の有無は、レーザー変位計を用いて電極における変位量を測定することにより確認することができる。具体的には、電極における変位量から溝の深さを見積もることができる。
レーザー変位計は、測定対象物にレーザー光を照射し、対象から反射した光を受光レンズで集光して受光素子上で結像する。レーザーの投光部および受光レンズを含んだ部位、例えば、ヘッドと対象物との距離が変わると、集光される反射光の角度が変わり、それに伴って受光素子上の結像位置が変化する。結像位置の変化が対象との距離の変化に比例していることから、距離の変化を算出する。
レーザー変位計のヘッドと測定対象物とを相対的に平行に移動させながら対象にレーザーを照射し対象表面で反射するレーザーをモニタリングする。例えば、1 m/minの速度で測定対象物を移動させながら測定を行う。対象表面における起伏に伴う照射レーザーと反射レーザーの位相差を測定し、対象表面の変位量データを取得する。なお、変位計により照射するレーザー光は、溝の中で活物質含有層の表面または集電体のタブ部(活物質含有層が設けられていない露出部)の何れによっても反射され得る。活物質含有層の第2端面とタブ部との境目にて段差があり得るが、この段差は溝の深さと比較して小さく、測定結果への影響が少ない。
先ず、観察対象の電極を含んだ電池を放電する。電池を解体し、電極を取り出す。取り出した電極を適切な溶媒を用いて洗浄する。洗浄に用いる溶媒としては、例えば、エチルメチルカーボネート(EMC)を挙げることができる。洗浄後、電極を乾燥させる。乾燥後の電極を測定試料とする。
測定試料としての電極に張力をかけた状態でレーザー変位計による測定に供する。測定時に電極に張力をかけることで、たわみ及びスラリー塗布時のムラなどの影響を軽減することができる。電極にかける張力は、例えば、40 N/m程度が望ましい。
測定により変位量のスペクトルを取得し、次のように解析する。スペクトルから溝の有無、溝の配置、及び溝の形状を確認する。
活物質含有層の表面(レーザー光を照射する面)のうち、0.2 mm以上の距離に亘る変位量の変化が30 μm以下である領域には、実質的な起伏がないと判断する。例えば、先に説明した第2端部から第3端部へ向かって溝が減衰しきった先の第2端部と第3端部との間にある平坦な領域を測定した場合に、このような結果が観測され得る。
複数の溝の最大深さD1は、次のようにして確認できる。ここで、タブ部と活物質含有層の第2端部との境目の付近で第1方向に沿うスペクトル、例えば、第2端部に沿って測定したスペクトルを用いることができる。分析対象の溝における最も低い位置と、溝の両側における最も高い位置との高さの差(電極の厚み方向への位置の差)を確認する。
具体的には、ある基準面の変位から少なくとも30 μm以上の変位の変化がある領域を経て、基準面の変位に再び戻るまでを一つの溝として数える。基準面としては、例えば、先に説明した活物質含有層の表面のうち実質的な起伏がない領域と同じ変位の部分を基準面とする。対象の溝の両側にて変位が極小値となる位置を記録する。このような極小値がある位置は、例えば、複数の溝が隣接して連なることで波形形状が形成されているとみなしたときに、溝の両側にある波の頂点の位置に対応し得る。両側の位置の極小値に対する、対象の溝における変位の差の最大値を求める。溝の両側の極小値の間で変位が異なる場合は、変位の差がより大きくなる方の極小値に基づく値を採用する。少なくとも10箇所の溝について最大値を求め、求めた最大値の平均値を算出する。算出した平均値を長さに換算して、溝の最大深さD1を求める。
複数の溝の周期は、次のようにして確認できる。ここで、タブ部と第2端部との境目の付近で第1方向に沿うスペクトルを用いることができる。隣り合う溝の位置を確認し、溝の間の間隔I1を求める。具体的には、例えば、ある基準面に対し変位量が極大値となる位置を記録する。このような極大値がある位置は、溝における最も低い位置に対応し得る。極大値がある一つの位置と、スペクトルにてその次に極大値がある位置との間の距離を求める。こうして、隣り合う二つの溝の間の間隔I1を求めることができる。少なくとも10組の溝の間の間隔I1を求める。求めた間隔I1の平均値を算出し、複数の溝の周期を求める。
図10に、一例の電極における変位量の測定結果を表す図を示す。図11に、図10における破線L1に沿うプロファイルを表すグラフを示す。図10に示す破線L1は、電極における集電体のタブ部と活物質含有層の第2端部との境目に沿っている。つまり図11は、図10に示す電極のタブ部と第2端部との境目に沿って測定された変位量スペクトルを示す。
図10における暗い部分が溝に対応する。溝は、タブ部と第2端部との境目(破線L1)の前後にそれぞれ約2 mmから3 mmの範囲まで延びている。図11が示すとおり、この例の電極はタブ部と第2端部との境目に沿って波形形状を有する。この例の電極では、波形の周期が約10 cm、波高(peak-to-peak amplitude)が約100 μmから200 μmである。
図12に、他の例の電極における変位量の測定結果を表す図を示す。図13に、図12における破線L2に沿うプロファイルを表すグラフを示す。図12に示す破線L2は、電極における集電体のタブ部と活物質含有層の第2端部との境目に沿っている。つまり図13は、図12に示す電極のタブ部と第2端部との境目に沿って測定された変位量スペクトルを示す。
図12における白く縁取られた部分が溝に対応する。図13が示すとおり、この例の電極でもタブ部と第2端部との境目に沿って波形形状が形成されている。波形の周期は約10 cmであり、波高(peak-to-peak amplitude)は約100 μmから200 μmである。また、電極における複数の溝は、タブ部と第2端部との境目(破線L1)の前後にそれぞれ約2 mmから3 mmの範囲まで延びている。
第1の実施形態に係る電極は、集電体と活物質含有層とを具備する。集電体は、第1方向に沿う第1端部と該第1端部に沿うタブ部とを含む主面を有する。活物質含有層は、集電体のタブ部を除く主面の上に設けられている。活物質含有層は、タブ部に隣接する第2端部と該第2端部の反対側にある第3端部を有する。活物質含有層は、電極活物質を含有する。集電体と活物質含有層とは、主面に直交する第2方向へ向かって凹んでいる複数の溝を形成している。複数の溝の各々は、タブ部と第2端部との境目と交差している。複数の溝は、第1端部へ向かって各々減衰しているとともに、第3端部へ向かって各々減衰している。当該電極は、寿命性能に優れた電池を実現できる。
[第2の実施形態]
第2の実施形態に係る電極群は、正極と負極とを具備している。正極および負極の少なくとも一方は、第1の実施形態に係る電極を含む。
電極群は、セパレータをさらに含むことができる。電極群においてセパレータは、正極の正極活物質含有層と負極の負極活物質含有層との間に介在し得る。
電極群の構造は、特に限定されない。例えば、電極群は捲回型構造を有することができる。捲回型構造は、正極と負極とを含んだ積層体が、先に説明した第1方向に直交する方向に中心が位置するように捲回されてなる構造である。このような捲回型構造を有する電極群では、電極群の捲回中心に直交する端面からタブ部が突出し得る。或いは、電極群はスタック構造を有してもよい。
電極(正極、負極、又は両方)のタブ部と第2端部との境目に沿って形成されている複数の溝のうち、少なくとも一部の溝が捲回型構造の最内周に配置されることが望ましい。電極のタブ部と第2端部との境目の全域に沿って溝が形成されている方がガスを排出する効果が増大するため、好ましい。
図14−図16を参照して、実施形態に係る電極群を説明する。
図14は、実施形態に係る一例の電極群を概略的に示す斜視図である。図15は、電極群を部分的に展開した状態を概略的に示す斜視図である。図16は、図15に示す捲回型電極群の概略断面図である。
電極群3は、図15に示すように、扁平形状で、正極4と、負極5と、正極4と負極5の間に配置されたセパレータ6とを含む。正極4は、例えば箔からなる帯状の正極集電体と、正極集電体の長辺に平行な一端部からなる正極タブ部4cと、少なくとも正極タブ部4cの部分を除いて正極集電体に形成された正極活物質含有層4bとを含む。一方、負極5は、例えば箔からなる帯状の負極集電体と、負極集電体の長辺に平行な一端部からなる負極タブ部5cと、少なくとも負極タブ部5cの部分を除いて負極集電体に形成された負極活物質含有層5bとを含む。
電極群3は、正極4の正極活物質含有層4bと負極5の負極活物質含有層5bがセパレータ6を介して対向すると共に、電極群3の捲回軸にあたる仮想線C−C’の一方側に正極タブ部4cが負極5の第3端部5f及びセパレータ6よりも突出し、かつ他方側に負極タブ部5cが正極4の第3端部4f及びセパレータ6よりも突出するように、正極4、セパレータ6及び負極5が扁平形状に捲回されたもの、即ち扁平状捲回型電極群である。よって、電極群3において、仮想線C−C’に直交する第一端面に、扁平の渦巻き状に捲回された正極タブ部4cの第1端部4dが位置する。また、仮想線C−C’に直交する第二端面に、扁平の渦巻き状に捲回された負極タブ部5cの第1端部5dが位置する。
正極活物質含有層4bの第2端部4eの位置と負極活物質含有層5bの第3端部5fの位置とが、仮想線C−C’に沿う方向に揃っている。同様に、負極活物質含有層5bの第2端面5eの位置と正極活物質含有層4bの第3端部4fの位置とが、仮想線C−C’に沿う反対向きの方向に揃っている。電極(正極4又は負極5)における第2端部の位置と他方の電極(負極5又は正極4)における第3端部の位置とは、揃っていなくてもよい。
捲回型電極群3は、図15及び図16に示す最内周3Aを含んでいる。また捲回型電極群3は、図16に示す最外周3Bを含んでいる。捲回型電極群3の最内周3Aは、正極4のうち捲き始めの端部から捲回一周目までの一部4Aと、負極5のうち捲き始めの端部から捲回一周目までの一部5Aと、各々のセパレータ6のうち正極4の一部4Aと負極5の一部5Aとに挟まれているそれぞれの一部6Aとを含んでいる。捲回型電極群3の最外周3Bは、正極4のうち捲き終わりの端部とこれよりも1週内側で捲き終わり端部と対向する部分までの一部4Bと、負極5のうち捲き終わりの端部とこれよりも1週内側で捲き終わり端部と対向する部分までの一部5Bと、各々のセパレータ6の正極4の一部4Bと負極5の一部5Bと重なるそれぞれの一部6Bとを含んでいる。
捲回型電極群3における最内周3Aにある正極4の一部4A及び負極5の一部5Aの少なくとも一方の箇所にて、集電体のタブ部と活物質含有層の第2端部との境目に沿って複数の溝が形成されていることが望ましい。正極4におけるタブ部と第2端部との境目の全域、つまり最内周3Aにある一部4Aから最外周3Bにある一部4Bに至るまで境目に複数の溝が形成されている、或いは負極5におけるタブ部と第2端部との境目の全域、つまり最内周3Aにある一部5Aから最外周3Bにある一部5Bに至るまで境目に複数の溝が形成されていることが好ましい。正極4及び負極5の両方について、最内周3Aから最外周3Bまでの全域に亘ってタブ部と第2端部との境目に沿う溝が形成されていることがさらに好ましい。
図14に示すように、電極群3を電池に実装する際、正極リード17及び負極リード18を電極群3に電気的に接続したり、絶縁シート10を電極群3に設けたりすることができる。正極リード17は、正極タブ部4cに電気的に接続される。負極リード18は、負極タブ部5cに電気的に接続される。絶縁シート10は、例えば、電極群3の最外周3Bのうち、正極タブ部4c及び負極タブ部5cを除いた部分を被覆する。なお、電池に実装された電極群3は、電解質(図示しない)を保持し得る。
次に、実施形態に係る電極群を、より詳細に説明する。
[正極および負極]
電極群が含む正極および負極として、第1の実施形態に係る電極の正極としての形態および負極としての形態をそれぞれ用いることができる。説明が重複するため、正極および負極のそれぞれの詳細を省略する。
第2の実施形態に係る電極群は、正極および負極の一方にのみ第1の実施形態の電極を含み、他方の電極は複数の溝が設けられた第2端部を有さない態様も含み得る。第2端部の溝に関する詳細を除き説明が重複するため、他方の電極の詳細を省略する。
正極および負極のうち、少なくとも正極として第1の実施形態に係る電極を含むことが望ましい。電池の充放電に伴って発生するガスは、電解質の分解により発生するものが中心と考えられる。このようなガスは、正極で発生しやすい傾向がある。
[セパレータ]
セパレータは、特に限定されるものではなく、例えば、微多孔性の膜、織布、不織布、これらのうち同一材または異種材の積層物などを用いることができる。セパレータを形成する材料としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合ポリマー、エチレン−ブテン共重合ポリマー、セルロースなどを挙げることができる。
第2の実施形態に係る電極群は、正極と負極とを具備し、正極および負極の少なくとも一方が第1の実施形態に係る電極を含んでいる。当該電極群は、寿命性能に優れた電池を実現できる。
[第3の実施形態]
第3の実施形態に係る電池は、正極と負極とを具備している。正極および負極の少なくとも一方は、第1の実施形態に係る電極を含む。第3の実施形態に係る電池は、第2の実施形態に係る電極群を具備し得る。
電池が含む正極および負極として、第1の実施形態に係る電極の正極としての形態および負極としての形態をそれぞれ用いることができる。説明が重複するため、正極および負極のそれぞれの詳細を省略する。
第3の実施形態に係る電池は、正極および負極の一方にのみ第1の実施形態の電極を含み、他方の電極は活物質含有層とタブ部との境目を交差する複数の溝が形成されていない態様も含み得る。境目を交差する溝に関する詳細を除き説明が重複するため、他方の電極の詳細を省略する。
正極および負極のうち、少なくとも正極として第1の実施形態に係る電極を含むことが望ましい。これは、電池の充放電に伴って発生するガスは正極で発生しやすい傾向があるためである。
実施形態に係る電池は、電解質を更に具備することができる。電解質は、例えば、電極群に保持され得る。
また、実施形態に係る電池は、例えば、電極群及び電解質を収容する外装部材を更に具備することができる。
さらに、実施形態に係る電池は、負極に電気的に接続された負極端子及び正極に電気的に接続された正極端子を更に具備することができる。負極端子は、負極リードを介して負極に接続され得る。正極端子は、正極リードを介して正極に接続され得る。電極リード(正極リード、又は負極リード)は、束ねられた複数のタブ部に接合され得る。
実施形態に係る電池は、例えば、リチウムイオン二次電池であり得る。また、電池は、例えば、電解質として非水電解質を含んだ非水電解質電池を含む。
以下、電解質、外装部材、負極端子及び正極端子について詳細に説明する。
[電解質]
電解質としては、例えば液状非水電解質又はゲル状非水電解質を用いることができる。液状非水電解質は、溶質としての電解質塩を有機溶媒に溶解することにより調製される。
電解質塩には、例えば、過塩素酸リチウム(LiClO4)、六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)、四フッ化ホウ酸リチウム(LiBF4)、六フッ化砒素リチウム(LiAsF6)、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム(LiCF3SO3)などのリチウム塩を挙げることができる。電解質塩は単独で使用しても、2種以上混合して使用してもよい。
電解質塩の濃度、つまり有機溶媒に対する電解質塩の溶解量は、0.5 mol/L以上3 mol/L以下であることが好ましい。電解質塩の濃度が低すぎると十分なイオン伝導性を得ることができない場合がある。一方、濃度が高すぎると電解質塩を完全に溶解できない場合がある。
有機溶媒としては、例えば、エチレンカーボネート(ethylene carbonate;EC)、プロピレンカーボネート(propylene carbonate;PC)、ブチレンカーボネート(butylene carbonate;BC)、ジメチルカーボネート(dimethyl carbonate;DMC)、ジエチルカーボネート(diethyl carbonate;DEC)、エチルメチルカーボネート(ethyl methyl carbonate;EMC)、γ−ブチロラクトン(γ-butyrolactone;γ−BL)、スルホラン(sulfolane;SL)、アセトニトリル(acetonitrile;AN)、1,2−ジメトキシエタン(1,2-dimethoxy ethane)、1,3−ジメトキシプロパン(1,3-dimethoxy propane)、ジメチルエーテル(dimethyl ether)、テトラヒドロフラン(tetrahydrofuran;THF)、2−メチルテトラヒドロフラン(2-methyl tetrahydrofuran;2MeTHF)などを挙げることができる。有機溶媒は、単独で使用しても、2種以上混合して使用してもよい。
ゲル状非水電解質は、液状非水電解質と高分子材料とを複合化することにより調製される。高分子材料の例には、ポリフッ化ビニリデン(polyvinylidene fluoride;PVdF)、ポリアクリロニトリル(polyacrylonitrile;PAN)、ポリエチレンオキサイド(polyethylene oxide;PEO)、又はこれらの混合物が含まれる。
或いは、非水電解質としては、液状非水電解質及びゲル状非水電解質の他に、リチウムイオンを含有した常温溶融塩(イオン性融体)、高分子固体電解質、及び無機固体電解質等を用いてもよい。
常温溶融塩(イオン性融体)は、有機物カチオンとアニオンとの組合せからなる有機塩の内、常温(15℃以上25℃以下)で液体として存在し得る化合物を指す。常温溶融塩には、単体で液体として存在する常温溶融塩、電解質塩と混合させることで液体となる常温溶融塩、有機溶媒に溶解させることで液体となる常温溶融塩、又はこれらの混合物が含まれる。一般に、二次電池に用いられる常温溶融塩の融点は、25℃以下である。また、有機物カチオンは、一般に4級アンモニウム骨格を有する。
高分子固体電解質は、電解質塩を高分子材料に溶解し、固体化することによって調製される。
無機固体電解質は、Liイオン伝導性を有する固体物質である。
[外装部材]
外装部材としては、例えば、ラミネートフィルムからなる容器、又は金属製容器を用いることができる。
ラミネートフィルムの厚さは、例えば、0.5 mm以下であり、好ましくは、0.2 mm以下である。
ラミネートフィルムとしては、複数の樹脂層とこれらの樹脂層間に介在した金属層とを含む多層フィルムが用いられる。樹脂層は、例えば、ポリプロピレン(polypropylene;PP)、ポリエチレン(polyethylene;PE)、ナイロン、及びポリエチレンテレフタレート(polyethylene terephthalate;PET)等の高分子材料を含んでいる。金属層は、軽量化のためにアルミニウム箔又はアルミニウム合金箔からなることが好ましい。ラミネートフィルムは、熱融着によりシールを行うことにより、外装部材の形状に成形され得る。
金属製容器の壁の厚さは、例えば、1 mm以下であり、より好ましくは0.5 mm以下であり、更に好ましくは、0.2 mm以下である。
金属製容器は、例えば、アルミニウム又はアルミニウム合金等から作られる。アルミニウム合金は、マグネシウム、亜鉛、及びケイ素等の元素を含むことが好ましい。アルミニウム合金は、鉄、銅、ニッケル、及びクロム等の遷移金属を含む場合、その含有量は100質量ppm以下であることが好ましい。
金属製容器の材質の他の例として、ニッケル(Ni)めっきした鉄、及びステンレス(SUS)などを挙げることができる。
外装部材の形状は、特に限定されない。外装部材の形状は、例えば、扁平型(薄型)、角型、円筒型、コイン型、又はボタン型等であってもよい。外装部材は、電池寸法や電池の用途に応じて適宜選択することができる。
[負極端子]
負極端子は、上述の負極活物質のLi吸蔵放出電位において電気化学的に安定であり、且つ導電性を有する材料から形成することができる。具体的には、負極端子の材料としては、銅、ニッケル、ステンレス若しくはアルミニウム、又は、Mg,Ti,Zn,Mn,Fe,Cu,及びSiからなる群より選択される少なくとも1つを含むアルミニウム合金が挙げられる。負極端子の材料としては、アルミニウム又はアルミニウム合金を用いることが好ましい。負極端子は、負極集電体との接触抵抗を低減するために、負極集電体と同様の材料からなることが好ましい。
負極リードには、負極端子に用いることのできる材料を用いることができる。接触抵抗を低減するために、負極端子、負極リード、及び負極集電体の材料が同様の物であることが好ましい。
[正極端子]
正極端子は、リチウムの酸化還元電位に対し3V以上4.5V以下の電位範囲(vs.Li/Li)において電気的に安定であり、且つ導電性を有する材料から形成することができる。正極端子の材料としては、アルミニウム、或いは、Mg、Ti、Zn、Mn、Fe、Cu及びSiからなる群より選択される少なくとも1つを含むアルミニウム合金が挙げられる。正極端子は、正極集電体との接触抵抗を低減するために、正極集電体と同様の材料から形成されることが好ましい。
正極リードには、正極端子に用いることのできる材料を用いることができる。接触抵抗を低減するために、正極端子、正極リード、及び正極集電体の材料が同様の物であることが好ましい。
次に、実施形態に係る電池について、図面を参照しながらより具体的に説明する。
図17は、実施形態に係る一例の扁平型電池の概略断面図である。図18は、図17のA部の拡大断面図である。
図17及び図18に示す電池1は、図17に示す扁平状の捲回型電極群3を具備している。扁平状の捲回型電極群3は、金属層と、これを挟む2枚の樹脂フィルムとを含んだラミネートフィルムからなる袋状外装部材2内に収納されている。
扁平状の捲回型電極群3は、図17に示すように、外側から負極5、セパレータ6、正極4、セパレータ6の順で積層した積層体を渦巻状に捲回し、プレス成型することにより形成されている。負極5のうち最も外側に位置する部分は、図18に示すように負極集電体5aの内面側の片面上に負極活物質を含む負極活物質含有層5bを形成している。負極5のその他の部分では、負極集電体5aの両面上に負極活物質含有層5bが形成されている。正極4については、正極集電体4aの両面に正極活物質含有層4bが形成されている。
捲回型の電極群3の外周端近傍において、負極端子8が、負極5の最外層の部分の負極集電体5aに接続されており、正極端子7が、内側に位置する正極4の正極集電体4aに接続されている。これらの負極端子8および正極端子7は、袋状外装部材2の開口部から外部に延出されている。
図17及び図18に示す電池1は、図示しない電解質を更に具備する。電解質は、電極群3に含浸された状態で、袋状外装部材2内に収容されている。
実施形態に係る電池の態様は、図17及び図18に示すものに限られない。図19を参照して、他の例を説明する。
図19は、実施形態に係る他の例の電池を概略的に示す分解斜視図である。
電池1は、開口部を有する金属製の角型外装部材12と、角型外装部材12の開口部に溶接された蓋体(封口板)13と、角型外装部材12内に収容された扁平状の捲回型電極群3と、角型外装部材12内に収納され且つ電極群3に含浸された電解質(図示しない)とを備えている。
捲回型電極群3は、一対の長辺を有する帯状の正極4と、一対の長辺を有する帯状の負極5とを備える。図17及び図18を参照して説明した電池における電極群3と同様に、正極4及び負極5は、一対の長辺を有する帯状のセパレータ6を間に挟んで捲回されている。正極4、負極5及びセパレータ6は、長辺の方向が合わされた状態で捲回されている。
正極4は、正極集電体4aと正極集電体4aの表面に担持された正極活物質含有層4bとを含む。正極集電体4aは、図15に示した電極群3と同様に、正極集電体4aの長辺と平行な方向(第1方向)に延び、その表面に正極活物質含有層4bを担持していない帯状の部分にあたる正極タブ部4cを含む。正極タブ部4cは正極集電タブとして用いることができる。
負極5は、負極集電体5aと負極集電体5aの表面に担持された負極活物質含有層5bとを含む。負極集電体5aは、図15に示した電極群3と同様に、負極集電体5aの長辺と平行な方向(第1方向)に延び、その表面に負極活物質含有層5bを担持していない帯状の部分にあたる負極タブ部5cを含む。負極タブ部5cは負極集電タブとして用いることができる。電極群3では、図19に示すように、一方の端面から渦巻状に捲回された正極タブ部4cが突出し、且つ他方の端面から渦巻状に捲回された負極タブ部5cが突出している。
図19に示すように、電極群3は、2つの挟持部材16を有する。挟持部材16は、第1の挟持部16aと、第2の挟持部16bと、この第1および第2の挟持部16aおよび16bを連結する連結部16cとを有する。正極タブ部4cおよび負極タブ部5cは、扁平状に捲回されているため、捲回の中心が空間になっている。この空間のうち、正極タブ部4c内の空間に一方の挟持部材16の連結部16cが配置されており、負極タブ部5c内の空間に他方の挟持部材16の連結部16cが配置されている。このような配置により、正極タブ部4cおよび負極タブ部5cは、それぞれ、連結部16cを境にして、その一部が第1の挟持部16aによって挟持され、且つ正極タブ部4c又は負極タブ部5c内の空間を挟んで上記一部と向き合う他の一部が第2の挟持部16bによって挟持されている。
電極群3の最外周のうち、正極タブ部4c及び負極タブ部5cを除いた部分は、絶縁テープ11により被覆されている。
蓋体13は、矩形形状を有する。蓋体13は、図示しない2つの貫通孔を有している。蓋体13には、例えば液状の電解質を注入するための注液口(図示しない)が更に開口されている。注液口は、電解質の注液後、封止蓋(図示しない)によって封止される。
図19に示す電池は、正極リード17と正極端子7と負極リード18と負極端子8とをさらに備える。
正極リード17は、正極端子7と電気的に接続するための接続プレート17aと、接続プレート17aに開口された貫通孔17bと、接続プレート17aから二股に分岐し、下方に延出した短冊状の集電部17cとを有する。正極リード17の2つの集電部17cは、その間に正極タブ部4cを挟持する挟持部材16と正極タブ部4cとを挟み、溶接によって挟持部材16に電気的に接続されている。
負極リード18は、負極端子8と電気的に接続するための接続プレート18aと、接続プレート18aに開口された貫通孔18bと、接続プレート18aから二股に分岐し、下方に延出した短冊状の集電部18cとを有する。負極リード18の2つの集電部18cは、その間に負極タブ部5cを挟持する挟持部材16と負極タブ部5cとを挟み、溶接によって負極タブ部5cに電気的に接続されている。
正極リード17および負極リード18を正極タブ部4cおよび負極タブ部5cにそれぞれ電気的に接続する方法としては、特に限定されるものではないが、例えば超音波溶接やレーザー溶接等の溶接が挙げられる。
正極端子7及び正極リード17が外部絶縁部材14及び図示しない内部絶縁部材を介して蓋体13にかしめ固定されている。このような配置により、正極端子7及び正極リード17は、互いに電気的に接続されており、かつ蓋体13から電気的に絶縁されている。負極端子8及び負極リード18が外部絶縁部材14及び図示しない内部絶縁部材を介して蓋体13にかしめ固定されている。このような配置により、負極端子8及び負極リード18は、互いに電気的に接続されており、かつ蓋体13から電気的に絶縁されている。
第3の実施形態に係る電池は、第1の実施形態に係る電極を含む。そのため、寿命性能に優れている。
[第4の実施形態]
第4の実施形態によると、電池パックが提供される。この電池パックは、第3の実施形態に係る電池を具備する。
実施形態に係る電池パックは、複数の電池を備えることもできる。複数の電池は、電気的に直列に接続することもできるし、又は電気的に並列に接続することもできる。或いは、複数の電池を、直列及び並列の組み合わせで接続することもできる。
例えば、電池パックは、第3の実施形態に係る電池を5つ具備することもできる。これらの電池は、直列に接続されることができる。また、直列に接続された電池は、組電池を構成することができる。すなわち、実施形態に係る電池パックは、組電池を具備することもできる。
実施形態に係る電池パックは、複数の組電池を具備することができる。複数の組電池は、直列、並列、又は直列及び並列の組み合わせで電気的に接続することができる。
実施形態に係る電池パックを図20及び図21を参照して詳細に説明する。単電池には、例えば、図17に示す扁平型電池を使用することができる。
図20は、実施形態に係る電池パックの一例を概略的に示す分解斜視図である。図21は、図20に示す電池パック20の電気回路の一例を示すブロック図である。
前述した図17に示す扁平型電池から構成される複数の単電池21は、外部に延出した負極端子8及び正極端子7が同じ向きに揃えられるように積層され、粘着テープ22で締結することにより組電池23を構成している。これらの単電池21は、図21に示すように互いに電気的に直列に接続されている。
プリント配線基板24は、負極端子8及び正極端子7が延出する単電池21の側面と対向して配置されている。プリント配線基板24には、図21に示すようにサーミスタ25、保護回路26及び外部機器への通電用端子27が搭載されている。なお、組電池23と対向するプリント配線基板24の面には組電池23の配線と不要な接続を回避するために絶縁板(図示せず)が取り付けられている。
正極側リード28は、組電池23の最下層に位置する正極端子7に接続され、その先端はプリント配線基板24の正極側コネクタ29に挿入されて電気的に接続されている。負極側リード30は、組電池23の最上層に位置する負極端子8に接続され、その先端はプリント配線基板24の負極側コネクタ31に挿入されて電気的に接続されている。これらのコネクタ29及び31は、プリント配線基板24に形成された配線32及び配線33を通して保護回路26に接続されている。
サーミスタ25は、単電池21の温度を検出し、その検出信号は保護回路26に送信される。保護回路26は、所定の条件で保護回路26と外部機器への通電用端子27との間のプラス側配線34a及びマイナス側配線34bを遮断できる。所定の条件とは、例えばサーミスタ25の検出温度が所定温度以上になったときである。また、所定の条件とは単電池21の過充電、過放電、過電流等を検出したときである。この過充電等の検出は、個々の単電池21若しくは組電池23全体について行われる。個々の単電池21を検出する場合、電池電圧を検出してもよいし、正極電位もしくは負極電位を検出してもよい。後者の場合、個々の単電池21中に参照極として用いるリチウム電極が挿入される。図20及び図21の場合、単電池21それぞれに電圧検出のための配線35を接続し、これら配線35を通して検出信号が保護回路26に送信される。
正極端子7及び負極端子8が突出する側面を除く組電池23の三側面には、ゴムもしくは樹脂からなる保護シート36がそれぞれ配置されている。
組電池23は、各保護シート36およびプリント配線基板24と共に収納容器37内に収納される。すなわち、収納容器37の長辺方向の両方の内側面と短辺方向の内側面それぞれに保護シート36が配置され、短辺方向の反対側の内側面にプリント配線基板24が配置される。組電池23は、保護シート36およびプリント配線基板24で囲まれた空間内に位置する。蓋38は、収納容器37の上面に取り付けられている。
なお、組電池23の固定には粘着テープ22に代えて、熱収縮テープを用いてもよい。この場合、組電池の両側面に保護シートを配置し、熱収縮テープを周回させた後、熱収縮テープを熱収縮させて組電池を結束させる。
図20及び図21では単電池21を直列接続した形態を示したが、電池容量を増大させるためには並列に接続してもよい。組み上がった電池パックを直列及び/又は並列に接続することもできる。
第4の実施形態に係る電池パックは、第3の実施形態に係る電池を含む。そのため、優れた寿命性能を示す。
[実施例]
以下、実施例を説明する。
(実施例1)
実施例1では、以下の手順により、非水電解質電池を作製した。
[正極の作製]
正極活物質としてリチウムニッケルコバルトマンガン酸化物(LiNi0.33Co0.33Mn0.332)粉末90重量%と、カーボンブラック5.0重量%と、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)5.0重量%とを、N−メチルピロリドンに添加して混合し、スラリーを調製した。撹拌後に得られた正極スラリーを、塗工装置で、厚さ15μm、幅100mmのアルミニウム箔の両面に塗布した。この際、アルミニウム箔の一方の縁にスラリーを塗布しない部分、つまりタブ部を幅10mm残した。得られた塗膜を、乾燥させたのち、ロールプレス機で圧延した。圧延後の電極の厚さ(集電体と両面の活物質含有層とを含む合計厚さT)は、65 μmだった。最後に、図7−図9に示した加工ローラー40と同様な形状を有し、100 mm間隔で幅5 mm及び厚み(長さG)50 mm、高さ100 μmの凸部(間隔I2 = 100 mm、幅W1 = 5 mm、長さG = 50 mm、段差S = 100 μm)を持つ加工ローラーを用い、電極塗工部とタブ部との境目(第2端部とタブ部との境目)及びその近辺の部分をプレスし、電極の形状を加工した。加工ローラーによるプレスは、上記境目に沿う長さ方向の全域に亘って実施した。また、凸部と活物質含有層との重なり幅(W2)を2.5 mmに調整して、プレスを実施した。
かくして、正極を作製した。
[負極の作製]
負極活物質としてスピネル型のリチウムチタン酸化物粉末90重量%とカーボンブラック5.0重量%と、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)5.0重量%とを、N−メチルピロリドンに添加して混合し、スラリーを調製した。撹拌後に得られた負極スラリーを、塗工装置で、厚さ15 μm、幅100 mmのアルミニウム箔の両面に塗布した。この際、アルミニウム箔の一方の縁にスラリーを塗布しない部分を幅6mm残した。得られた塗膜を、乾燥させたのち、ロールプレス機で圧延した。圧延後の電極の厚さ(集電体と両面の活物質含有層とを含む合計厚さ)は、84μmだった。
かくして、負極を作製した。
[電極群の作製]
厚さが30μmの帯状の微多孔膜セパレータを準備した。作製した正極、セパレータ、負極、セパレータの順に積層して積層体を得た。積層体を捲回した。この際、正極と負極のタブ部が捲回体から互いに捲回中心に沿って反対方向に延出するようにした。最後に、得られた捲回体に対して巻き止めテープを貼り、電極群とした。電極群の放電容量は3.0 Ahとなるよう電極面積および捲回数を調整した。
[非水電解質の調製]
非水電解質には、非水溶媒としてエチレンカーボネートとジメチルカーボネートとを1:1で混合したものを用い、電解質塩として1 mol/Lの六フッ化リン酸リチウムを用いた。
[非水電解質電池の作製]
作製した電極群を外装部材としての金属製容器に収容した。容器の開口部から非水電解質を容器内へ注入した。容器の開口部に封止板を設置し、溶接した。
かくして、非水電解質電池を得た。
(実施例2)
負極活物質として、スピネル型リチウムチタン酸化物の代わりに単斜晶型ニオブチタン複合酸化物Nb2TiO7を用いたことを除き、実施例1と同様の手順で負極を作製した。この負極を用いたことを除き、実施例1と同様の手順で非水電解質電池を作製した。
(実施例3)
負極活物質として、スピネル型リチウムチタン酸化物の代わりにLi2Na1.5Ti5.5Nb0.514で表される直方晶型チタン含有複合酸化物を用いたことを除き、実施例1と同様の手順で負極を作製した。この負極を用いたことを除き、実施例1と同様の手順で非水電解質電池を作製した。
(実施例4)
正極を作製する際、加工ローラーを用いた電極の加工を省略した。つまり、ロールプレス機を用いて厚さを調整した電極を、そのまま正極として用いた。
負極を作製する際、加工ローラーを用いた電極の加工を行った。つまりロールプレス機を用いて厚さを調整した後、電極塗工部とタブ部との境目及びその近辺の部分を加工ローラーを用いてプレスした。加工ローラーには、実施例1にて正極の加工に用いたと同様の加工ローラーを用いた。加工ローラーによるプレスは、上記境目に沿う長さ方向の全域に亘って実施した。また、凸部と活物質含有層との重なり幅(W2)を2.5 mmに調整して、プレスを実施した。
上記正極および負極を用いたことを除き、実施例1と同様の手順で非水電解質電池を作製した。
実施例4では正極の作製には加工ローラーを用いた追加プレスを行わず、負極の作製にて追加プレスを行った。
(実施例5)
実施例4と同様の手順で負極を作製した。この負極を用いたことを除き、実施例1と同様の手順で非水電解質電池を作製した。
実施例5では正極の作製および負極の作製の何れにおいても、追加プレスを行った。
(実施例6)
正極の作製における追加プレスを行う際、加工ローラーの設計を変更したことを除き、実施例1と同様の手順で非水電解質電池を作製した。
実施例6で用いた加工ローラーは、凸部の高さが300 μm(段差S = 300 μm)だった点で実施例1で用いた加工ローラーと設計が異なっていた。
(実施例7)
正極の作製における追加プレスを行う際、加工ローラーの設計を変更したことを除き、実施例1と同様の手順で非水電解質電池を作製した。
実施例7で用いた加工ローラーは、凸部の高さが50 μm(段差S = 50 μm)だった点で実施例1で用いた加工ローラーと設計が異なっていた。
(実施例8)
正極の作製における追加プレスを行う際、加工ローラーの設計を変更したことを除き、実施例1と同様の手順で非水電解質電池を作製した。
実施例8で用いた加工ローラーは、凸部の間隔が155 mm(間隔I2 = 155 mm)だった点で実施例1で用いた加工ローラーと設計が異なっていた。
(実施例9)
正極の作製における追加プレスを行う際、加工ローラーの設計を変更したことを除き、実施例1と同様の手順で非水電解質電池を作製した。
実施例9で用いた加工ローラーは、凸部の間隔が60 mm(間隔I2 = 60 mm)だった点で実施例1で用いた加工ローラーと設計が異なっていた。
(実施例10)
正極の作製における追加プレスを行う際、加工ローラーの凸部と活物質含有層との重なり幅(W2)を4 mmに変更して追加プレスを実施した。
得られた正極を用いたことを除き、実施例1と同様の手順で非水電解質電池を作製した。
(実施例11)
正極の作製における追加プレスを行う際、加工ローラーの凸部と活物質含有層との重なり幅(W2)を1 mmに変更して追加プレスを実施した。
得られた正極を用いたことを除き、実施例1と同様の手順で非水電解質電池を作製した。
(実施例12)
正極の作製における追加プレスを行う際、加工ローラーの設計を変更したことを除き、実施例1と同様の手順で非水電解質電池を作製した。
実施例12で用いた加工ローラーは、凸部の幅が3 mm(幅W1 = 3 mm)だった点で実施例1で用いた加工ローラーと設計が異なっていた。
(実施例13)
正極の作製における追加プレスを行う際、加工ローラーの設計を変更したことを除き、実施例1と同様の手順で非水電解質電池を作製した。
実施例13で用いた加工ローラーは、凸部の幅が7 mm(幅W1 = 7 mm)だった点で実施例1で用いた加工ローラーと設計が異なっていた。
(実施例14)
正極を作製する際、追加プレスを電極塗工部とタブ部との境目(第2端部とタブ部との境目)に沿う長さ方向の全域には実施しなかった。追加プレスは、上記境目が沿う長さ方向の領域のうち一方の端部側(第1方向への端部の片方)にのみ実施した。追加プレスの際、後段の捲回後に得られる電極群の捲回型構造の最内周の周辺長さに対応するよう上記境目にプレス領域が沿う長さを調整した。
上記正極、実施例1で作製したと同様の負極、及び実施例1で用いたと同様のセパレータを用いて、電極群を作製した。正極と負極とセパレータとの積層体を捲回する際、正極のうち追加プレスを実施した領域を含む部分が捲回型構造の最内周に含まれる正極の部分となるよう、積層体を捲回した。
上記電極群を用いたこを除き、実施例1と同様の手順で非水電解質電池を作製した。
(実施例15)
正極を作製する際に用いた加工ローラーを、下記設計の加工ローラーに変更したことを除き、実施例1と同様にして正極を作製した。
図22を参照して、実施例15における加工ローラーによる電極の加工を説明する。図22は、実施例15における加工ローラーを用いた正極の製造を概略的に示す説明図である。図22は、加工ローラーの中心軸に沿う断面を示す。この加工ローラーの中心軸に直交する断面は、図9に示す断面と同様の形状を有する。
図22に示すように、加工ローラー40は、主柱部41及び主柱部41の側面41aに配置された複数の突出部42を有していた。主柱部41は円柱形状を有していた。複数の突出部42は、主柱部41の側面41aに100 mm間隔(間隔I2 = 100 mm)で放射状に配置されていた。複数の突出部42のそれぞれについてのローラーの中心軸に沿う断面は、半円形状だった。
突出部42がローラーの軸方向に沿う幅W1は、5 mmだった(幅W1 = 5 mm)。突出部42の厚み(図9に示す長さG)は、50 mmだった(長さG = 50 mm)。突出部42が主柱部41の側面41aから最も突出する高さ、つまり最大の外径r2と主柱部41の柱径r1との間の差(S=r2−r1)は、100 μmだった(段差S = 100 μm)。
加工ローラーによるプレスの際、突出部42と正極活物質含有層4bとの重なり幅(W2)を2.5 mmに調整して、プレスを実施した。
上記正極を用いたことを除き、実施例1と同様の手順で非水電解質電池を作製した。
(実施例16)
正極活物質としてリチウムニッケルコバルトマンガン酸化物の代わりにリチウムコバルト酸化物(LiCoO2)を用いたことを除き、実施例1と同様の手順で正極を作製した。この正極を用いたことを除き、実施例1と同様の手順で非水電解質電池を作製した。
(実施例17)
正極活物質としてリチウムニッケルコバルトマンガン酸化物の代わりにリチウムマンガン酸化物(LiMn24)を用いたことを除き、実施例1と同様の手順で正極を作製した。この正極を用いたことを除き、実施例1と同様の手順で非水電解質電池を作製した。
(比較例1)
正極をロールプレス機で圧延した後、追加のプレスを省略した以外は実施例1と同様の手順で正極を作製した。この正極を用いたことを除き、実施例1と同様の手順で非水電解質電池を作製した。
比較例1では、正極および負極の何れについても追加プレスを行っていない。
(比較例2)
追加プレスを行う際、加工ローラーの凸部と活物質含有層との重なり幅(W2)を0 mmに変更して追加プレスを実施したことを除き、実施例1と同様の手順で正極を作製した。つまり、正極におけるタブ部にのみ追加プレスを実施した。
追加プレスを行う際、加工ローラーの凸部と活物質含有層との重なり幅(W2)を0 mmに変更して追加プレスを実施したことを除き、実施例4と同様の手順で負極を作製した。つまり、負極におけるタブ部にのみ追加プレスを実施した。
何れもタブ部にのみ追加プレスを行った上記正極および負極を用いたことを除き、実施例1と同様の手順で非水電解質電池を作製した。
(比較例3)
正極の作製においてロールプレス機を用いて電極厚さを調整する際、段付きローラーを用いた。段付きローラーを用いることで正極における湾曲を矯正した。
図23を参照して、比較例3における電極の矯正を説明する。図23は、比較例3における正極の厚さ調整のための圧延を概略的に示す説明図である。
図23に示すとおり段付きローラー50は、主柱にあたる小径部51と小径部51より直径が大きい大径部52とを有していた。小径部51と大径部52とは、それぞれの円柱形状の同一軸上に連結されていた。小径部51の側面51aを電極塗工部の正極活物質含有層4bにあてて圧延すると同時に、大径部52の側面52aを正極タブ部4cにあてて圧延した。こうすることで、正極集電体4aであるアルミニウム箔のうち電極塗工部に対応する部分と正極タブ部4cに対応する部分とで受けるプレス圧を同じにした。
なお、図23に示す段付きローラー50の大径部52は逃げ面52bを有しているが、逃げ面52bは省略してもよい。また、小径部51の柱径r11と大径部52の柱径r12との差は、電極スラリーの塗布量、目的の電極厚さ、及びプレス圧等に応じて適宜調整できる。
正極と同様に、負極の作製においてもロールプレス機を用いて電極厚さを調整する際、段付きローラーを用いた。小径部の側面を電極塗工部にあてて圧延すると同時に、大径部の側面をタブ部にあてて圧延した。こうすることで、集電体であるアルミニウム箔のうち電極塗工部に対応する部分とタブ部に対応する部分とでうけるプレス圧を同じにした。
これらの正極および負極を用いたことを除き、実施例1と同様の手順で非水電解質電池を作製した。
下記表1及び表2において、正極および負極の設計をそれぞれ示す。具体的には、正極に用いた電極活物質および加工ローラーを用いた追加プレスの詳細を表1にまとめる。負極に用いた電極活物質および加工ローラーを用いた追加プレスの詳細を表2にまとめる。追加プレスの詳細としては、追加プレスを実施したか否か、タブ部と第2端部との境目に沿う部分の第1方向への長さのうち追加プレスを実施した範囲、並びに追加プレスに用いた加工ローラーの設計を示す。加工ローラーの設計としては、凸部の形状が図8に示すと同様の断面を有するものであるか図22に示すと同様の断面を有するものであるか、隣り合う凸部の間の間隔I2、活物質含有層とタブ部との境目と交差する方向への凸部の幅W1、第1方向への凸部の長さG(凸部の厚み)、及び凸部が突出する高さ(段差S)を示す。なお、表における「−」という記号は、対象の項目に“該当しない”ことを意味する。
Figure 2020194377
Figure 2020194377
[変位量の測定]
先に説明したレーザー変位計を用いた測定方法によりそれぞれの実施例および比較例にて作製した電極を確認した。測定および分析により得られた結果を下記表3、表4、及び表5に示す。具体的には、正極について、集電体のタブ部と活物質含有層の第2端部との境目と交差する溝の有無並びに溝の詳細を、表3及び表4にまとめる。負極についての同様の詳細を、表5にまとめる。溝の詳細として、溝の減衰の仕方の詳細、第1方向へ並ぶ複数の溝の周期、溝の最大深さD1、第1端部から第3端部への方向(主面にて第1方向に直交する方向)に溝が沿う範囲R3、及びタブ部と第2端部との境目の前後2 mmの範囲にある第1領域R1と第2領域R2にて中心部V(最大深さの50 %以上の深さの部分)が含まれているか否かを示す。例えば、実施例1で作製した正極では、長尺方向、即ち第1方向への全域に亘って集電体のタブ部と活物質含有層の第2端部との境目に沿う溝が100 mm周期で形成されていた。実施例1の正極における溝は、タブ部と第2端部との境目から両方向(第1端部への方向および第3端部への方向)へ減衰しており、境目から両方向へそれぞれ2mmの範囲まで延びていた。また、溝の最大深さが100 μmであった。
Figure 2020194377
Figure 2020194377
Figure 2020194377
[評価]
(容量測定)
各々の実施例及び比較例で得られた非水電解質電池を、25℃に保持された恒温槽内で電池電圧が2.8Vになるまで3.0Aで充電し、そのまま2.8Vで3時間保持した。その後、開回路状態で電池を30分間放置し、続いて電池電圧が1Vになるまで電池を3.0Aで放電した。上記の充放電を3サイクル行い、3サイクル目の放電時に得られた容量を基準容量とした。
(電池抵抗の測定)
各々の非水電解質電池を、基準容量に対して充電率50%の容量まで充電した。その後、これらの非水電解質電池を25℃環境下で放電した。ここでの放電は、10Cレートで10秒間実施した。この際の抵抗を以下のようにして測定した。電流印加前の電圧をV0とした。一方、10秒放電時の電圧をV10とした。10Cレートに相当する電流値をI10Cとしたとき、10秒抵抗R10secは下記(式1)から算出される:
10sec =|V10−V0|/I10C (1)。
(充放電サイクル性能)
各々の実施例および比較例で作製した非水電解質電池の充放電サイクル性能を以下の手順により測定した。
非水電解質電池に対して、45℃の環境下で充放電を1000回繰り返して行った。充電は、3.0 Aの電流で電池電圧2.8 Vになるまで充電し、2.8 Vで保持した際の電流値が0.5 Aになった時点で終了した。開回路状態で電池を10分間放置した後、3.0 Aの電流で電圧が2.0 Vになるまで放電した。以上の充放電を1サイクルとし、1000サイクル繰り返し充放電を行った。
1000サイクル後、25℃に保持された恒温槽内で電圧が2.8 Vになるまで3.0 Aで充電し、そのまま2.8 Vで3時間保持した。その後、開回路状態で電池を30分間放置し、3.0 Aの電流で電池電圧が2 Vになるまで電池を放電した。上記の充放電を3サイクル行った。追加3サイクル目の放電時に得られた容量を基準容量(1000サイクル充放電する前の容量)と比較した。基準容量に対する、1000サイクル充放電後の容量の比率を容量維持率とした(容量維持率 = [1000サイクル充放電後の容量/基準容量]×100 %)。
また、追加3サイクル目の放電時に得られた容量の50%になるよう各々の電池を充電し、先に説明した(式1)に基づく方法と同様の方法で10秒抵抗R10secを測定した。
充放電サイクル前のR10secと充放電サイクル後のR10secとを、それぞれRsとRfとすると、サイクル前後の抵抗上昇比率IRは以下の(式2)から算出される:
R=(Rf−Rs)/Rs (2)。
下記表6に、各実施例および各比較例の非水電解質電池について得られた評価結果をまとめる。具体的には、非水電解質電池の基準容量、1000サイクルの充放電を繰り返した後の容量、1000サイクルの充放電における容量維持率、1000サイクルの充放電の前後の10秒抵抗R10sec(サイクル前の値Rs及びサイクル後の値Rf)、及び1000サイクルの充放電における抵抗上昇比率IRを表6にまとめる。例えば、実施例1の非水電解質電池の基準容量は3 Ahだった。実施例1では、容量維持率が93 %であった。実施例1では、電気抵抗の上昇率IRが15 %だった。
Figure 2020194377
1000サイクルの充放電を伴う充放電サイクル性能を評価した結果、各々の比較例で作製した電池についての容量維持率と比較して、各々の実施例で作製した電池についての容量維持率が高かった。各々の比較例で作製した電池についての抵抗上昇比率IRと比較して、各々の実施例で作製した電池についての抵抗上昇比率IRが低かった。
各比較例の電池と比較して各実施例の電池の方が望ましい電池性能を示した理由は、各実施例の電池では正極および負極の少なくとも一方の電極が、活物質含有層と集電体のタブ部との境目を跨ぐ溝を有していたことに起因すると考えられる。溝が活物質含有層からタブ部へ通じる流路として働き、電極内部からガスを放出して劣化および電気抵抗の上昇を抑えることができたと考えられる。
比較例1及び3では、電極に溝が形成されなかった。比較例2では、正極集電体のタブ部にのみ溝が形成された。何れの比較例においても、活物質含有層とタブ部との境目を跨ぐ溝がなかった。従って、電極内部からガスを放出できる流路を確保できなかった。その結果、電極内部に留まったガスによって電極が劣化し、容量が低下したと考えられる。また、電極の劣化およびガスの滞留に起因して、電気抵抗が上昇したと考えられる。
以上に説明した少なくとも一つの実施形態および実施例に係る電極は、集電体と活物質含有層とを具備する。集電体は、第1方向に沿う第1端部と該第1端部に沿うタブ部とを含む主面を有する。活物質含有層は、集電体のタブ部を除く主面の上に設けられている。活物質含有層は、タブ部に隣接する第2端部と該第2端部の反対側にある第3端部を有する。活物質含有層は、電極活物質を含有する。集電体と活物質含有層とは、主面に直交する第2方向へ向かって凹んでいる複数の溝を形成している。複数の溝の各々は、タブ部と第2端部との境目と交差している。複数の溝は、第1端部へ向かって各々減衰しているとともに、第3端部へ向かって各々減衰している。当該電極は、寿命性能に優れた電池、及びこの電池を具備する電池パックを実現できる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。

Claims (14)

  1. 第1方向に沿う第1端部と前記第1端部に沿うタブ部とを含む主面を有する集電体と、
    前記集電体の前記タブ部を除く前記主面の上に設けられ、前記タブ部に隣接する第2端部と前記第2端部の反対側にある第3端部とを有し、電極活物質を含有する活物質含有層と
    を具備し、
    前記集電体と前記活物質含有層とは前記主面に直交する第2方向へ向かって凹んでいる複数の溝を形成しており、前記複数の溝は前記タブ部と前記第2端部との境目と交差し、前記複数の溝は前記第1端部へ向かって減衰し且つ前記第3端部へ向かって減衰している電極。
  2. 前記複数の溝の最大深さの値が前記集電体と前記活物質含有層との合計厚さの値を超える、請求項1に記載の電極。
  3. 前記境目から前記第1端部へ向かって2 mm以内の第1領域および前記境目から前記第3端部へ向かって2 mm以内の第2領域の少なくとも一方に、前記複数の溝の最大深さの50 %以上である深さの部分のうちの一部が含まれている、請求項1に記載の電極。
  4. 前記複数の溝の前記最大深さの値が前記集電体と前記活物質含有層との合計厚さの値を超える、請求項3に記載の電極。
  5. 前記複数の溝の前記最大深さは50μm以上250μm以下である、請求項2乃至4の何れか1項に記載の電極。
  6. 前記複数の溝の少なくとも一部は前記第1方向に沿って50 mm以上150 mm以下の周期で配置されている、請求項1乃至5の何れか1項に記載の電極。
  7. 前記電極活物質は、Li, Fe, Ni, Mn, 及びCoからなる群より選択される1以上を含む、請求項1乃至6の何れか1項に記載の電極。
  8. 前記電極活物質は、一般式Li1-xNi1-a-b-cCoaMnbM1cO2で表され、前記一般式においてM1はMg, Al, Si, Ti, Zn, Zr, Ca, 及びSnからなる群より選択される1以上であり、−0.2≦x≦0.5、0<a≦0.5、0<b≦0.5、0≦c<0.1、a+b+c<1であるリチウム含有ニッケルコバルトマンガン酸化物を含む、請求項1乃至6の何れか1項に記載の電極。
  9. 前記電極活物質は、チタン酸リチウムを含む、請求項1乃至6の何れか1項に記載の電極。
  10. 正極と、
    負極と
    を具備し、
    前記正極および前記負極の少なくとも一方が請求項1乃至9の何れか1項に記載の電極を含む、電池。
  11. 前記正極と前記負極とを含んだ積層体が前記第1方向に直交する方向に中心が位置するように捲回されてなる捲回型構造を有する、請求項10に記載の電池。
  12. 前記捲回型構造の最内周に前記溝の少なくとも一部が配置されている、請求項11に記載の電池。
  13. 電解質を更に具備する、請求項10乃至12の何れか1項に記載の電池。
  14. 請求項10乃至13の何れか1項に記載の電池を具備する、電池パック。
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