JPWO2020183774A1 - 液体クロマトグラフ用送液システム - Google Patents

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Abstract

送液システム(2)は、プランジャを往復駆動することにより送液を行なう少なくとも1つのプランジャポンプ(12;14)によって液を連続的に送液するように構成された送液機構(3)と、前記送液機構(3)による送液圧力を検出するための圧力センサ(16)と、前記圧力センサ(16)により検出される送液圧力を前記送液機構(3)の1駆動周期内の変動が読み取れるような周期で取り込み、取り込んだ送液圧力を用いて前記送液機構(3)の送液不良を検出するように構成された送液不良検知部(22)と、を備えた液体クロマトグラフ用送液システム(2)であって、前記送液不良検知部(22)は、前記送液機構(3)の一定駆動周期内の前記送液圧力の変動幅を求め、前記変動幅が所定の基準値を超えている周期の連続数が所定の基準回数を超えたことを条件として脈動を検出する脈動検出ステップと、前記脈動検出ステップで前記脈動を検出したときに、前記送液機構(3)の送液不良を検知する送液不良検知ステップと、をその順に実行するように構成されている。

Description

本発明は、液体クロマトグラフ分析システムにおいて移動相を連続的に送液するための送液システムに関するものである。
液体クロマトグラフ用の送液システムには、設定された流量で移動相となる溶媒を安定して送液する性能が求められている。送液システムの送液機構として、単一のプランジャポンプを備えたシングルプランジャ方式、2つのプランジャポンプを備えたダブルプランジャ方式の機構が採用されている。
プランジャポンプが溶媒を吐出する際、溶媒の圧縮、逆止弁からの液漏れ、流路への微細な気泡の混入、溶媒の枯渇などによって送液圧力が低下することで、所謂、脈動と呼ばれる送液圧力の周期的な大きな変動が発生することがある。脈動が発生すると、移動相の流量が乱れて分析結果に悪影響を与え、ユーザの損失となる。そのため、プランジャポンプの動作を制御することによって脈動を抑制したり(特許文献1参照)、脱気ユニットを使用することによって気泡を除去したり、分析を開始する前に溶媒を高流量で送液することによって流路内の気泡を外部へ排出したりするなどの対策が採られている。
特開2001−147222号公報
上記のような対策を施したとしても、例えば、溶媒の中に残存した気体成分がプランジャポンプ内で気泡となったり、溶媒中の溶存酸素が温度変化によって飽和して気泡が発生したりするなどの理由により、送液中のプランジャポンプ内に気泡が混入し、そのまま分析が継続されてしまう場合があった。そのような場合、ユーザは無駄な分析データを取り続けることになる。
本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、送液中の気泡の発生に起因する送液不良を検知する機能を備えた送液システムを提供することを目的とするものである。
本発明に係る送液システムは、プランジャを往復駆動することにより送液を行なう少なくとも1つのプランジャポンプによって液を連続的に送液するように構成された送液機構と、前記送液機構による送液圧力を検出するための圧力センサと、前記圧力センサにより検出される送液圧力を前記送液機構の1駆動周期内の変動が読み取れるような周期で取り込み、取り込んだ送液圧力を用いて前記送液機構の送液不良を検出するように構成された送液不良検知部と、を備えた液体クロマトグラフ用送液システムであって、前記送液機構の一定駆動周期内の前記送液圧力の変動幅を求め、前記変動幅が所定の基準値を超えている周期の連続数が所定の基準回数を超えたことを条件として脈動を検出する脈動検出ステップと、前記脈動検出ステップで前記脈動を検出したときに、前記送液機構の送液不良を検知する送液不良検知ステップと、をその順に実行するように構成されている。
ここで、本発明において、「前記送液機構の一定駆動周期内の前記送液圧力の変動幅」とは、前記送液機構の1駆動周期内の前記送液圧力の変動幅であってもよいが、前記送液機構の複数駆動周期内の前記送液圧力の変動幅、又は前記送液機構の複数駆動周期内の前記送液圧力の変動幅の平均値であってもよい。
プランジャポンプ内に気泡が混入すると、混入した気泡の圧縮が完了するまでは液の吐出がなされないために送液圧力が急激に降下し、気泡の圧縮が完了した後は送液圧力が上昇するため、プランジャポンプの駆動と同期するような送液圧力の変動が周期的に発生するためである。したがって、プランジャポンプ内に気泡が混入したか否かは、プランジャポンプの駆動周期と同期した送液圧力の変動の有無によって検知することができる。
本発明に係る送液システムでは、送液機構の一定駆動周期内の送液圧力の変動幅を求め、変動幅が所定の基準値を超えている周期の連続数が所定の基準回数を超えたことを条件として脈動を検出し、脈動を検出したときに送液機構の送液不良を検知するように構成されているので、送液中の気泡の発生に起因する送液不良を検知する機能を備えた送液システムが提供される。
液体クロマトグラフ用の送液システムの一実施例を示す液体クロマトグラフの概略構成図である。 プランジャポンプにおいて気泡が発生したときの送液圧力の波形の一例である。 同実施例における送液不良の検知動作を示すフローチャートである。 トリガー検出のアルゴリズムの一例を説明するためのすフローチャートである。
以下、本発明に係る送液システムの一実施例について、図面を参照しながら説明する。
図1に示されているように、液体クロマトグラフは、送液システム2、試料注入部4、分離カラム6、検出器8及び制御装置10を備えている。
この実施例の送液システム2は、互いに直列に接続された2つのプランジャポンプ12(第1のプランジャポンプ)、プランジャポンプ14(第2のプランジャポンプ)からなる直列型ダブルプランジャ方式の送液機構3と、その送液機構3による送液圧力を検出するための圧力センサ16を備えている。前段側のプランジャポンプ12の入口部に逆止弁18が設けられ、前段側のプランジャポンプ12の出口部と後段側のプランジャポンプ14の入口部との間に逆止弁20が設けられている。プランジャポンプ12と14は互いに相補的に動作して安定的に送液するように構成されている。具体的には、プランジャポンプ12が吐出動作を行なっている間はプランジャポンプ14が吸入動作を行ない、プランジャポンプ12が吸入動作を行なっている間にプランジャポンプ14が吐出動作を行なう。
送液システム2はまた、送液不良検知部22を備えている。送液不良検知部22は、送液システム2の一部を構成する電子回路において所定のプログラムが実行されることによって得られる機能である。送液不良検知部22は、圧力センサ16によって検出される送液圧力を読み取り、その送液圧力の変動によって送液機構3による送液不良、具体的には、プランジャポンプ12又は14内への気泡の混入に起因する送液不良を検知するように構成されている。なお、送液不良検知部22は、制御装置10の機能として設けることもできる。送液不良の検知の詳細については後述する。
試料注入部4は送液機構3の下流に接続されている。試料注入部4は送液機構3によって送液される移動相中に試料を注入するためのものである。この実施例では、試料注入部4は切替バルブ24を備えており、切替バルブ24の切替えによって送液システム2からの移動相を分離カラム6へ導くか、又は、ドレインへ排出するかを切り替えることができるように構成されている。なお、送液システム2からの移動相を分離カラム6へ導くか、又は、ドレインへ排出するかを切り替えるための切替バルブは、必ずしも試料注入部4に設けられている必要はなく、試料注入部4とは別に設けられていてもよい。また、送液不良の検知のためには、必ずしもそのような切替バルブが設けられていなくてもよい。
分離カラム6は試料注入部4の下流に接続され、検出器8は分離カラム6の下流に接続されている。分離カラム6は、試料注入部4によって移動相中に注入された試料を成分ごとに分離するためのものであり、分離カラム6で分離された試料成分が検出器8により検出される。
制御装置10は、少なくとも送液システム2及び試料注入部4の動作管理を行なうためのものであり、例えばこの液体クロマトグラフ専用のシステムコントローラ及び/又は汎用のパーソナルコンピュータによって実現されるものである。送液システム2の送液不良検知部22がプランジャポンプ12、14からなる送液機構の送液不良を検知した場合、送液不良を検知したことを示す信号が制御装置10へ送信される。その場合、制御装置10は、送液不良を解消するためのプランジャポンプ12及び14のパージ動作を実行するように予め設定されているときには、試料注入部4に対して切替バルブ24をドレイン側へ切り替えるように指令を送信し、送液システム2に対して送液流量を所定の高流量まで上昇させるように指令を送信する。これにより、プランジャポンプ12及び14内の気泡がドレインへ排出される。
ここで、プランジャポンプ12又は14内に気泡が混入したときの送液圧力の変動について、図2を用いて説明する。
移動相を安定的に送液できる状態では、図2の圧力波形の左側部分のように、送液圧力は、プランジャポンプ12及び14の動作等に起因した僅かな圧力変動はみられるものの安定している。いずれかのプランジャポンプ12又は14内に気泡が混入すると、気泡が混入した一方のプランジャポンプ12又は14の吐出動作の際に、発生した気泡の圧縮により液が正常に吐出されないため送液圧力が急激に降下する。他方のプランジャポンプ14又は12の吐出動作の際には液の吐出が正常になされるため送液圧力が上昇する。その結果、図2の圧力波形の右側部分のように、送液機構3の駆動周期と同期するような送液圧力の変動(脈動)が発生する。したがって、送液不良検知部22は、脈動を検出することによって送液不良を検知するように構成されている。
ここで、プランジャポンプ12又は14内への気泡の混入に起因する脈動の周期は、プランジャポンプ12又は14からなる送液機構3の駆動周期と同期する。そのため、脈動を検出するためには、送液機構3の1駆動周期内における送液圧力の変動を読み取ることができるような頻度で圧力センサ16の信号を取り込む必要がある。そのため、送液不良検知部22が圧力センサ16から信号を取り込む頻度は、プランジャポンプ12又は14の駆動速度に応じて調整されるようになっていてもよい。その場合、圧力センサ16から信号を読み込む周期は、送液流量が決定されたときに計算によって決定することができる。
送液不良検知部22による脈動検出のアルゴリズムの一例について、図3のフローチャートを用いて説明する。
図3の例は、送液機構3の1駆動周期内の送液圧力の変動を数十分割で読み取ることができる場合に有効である。そのような高頻度で送液圧力を読み取ることができる場合、プランジャポンプ12の吐出動作の開始点と終了点における送液圧力、プランジャポンプ14の吐出動作の開始点と終了点における送液圧力を正確に読み取ることができる。ここで、送液機構3の駆動の1周期とは、プランジャポンプ12及び14のうちの一方のプランジャポンプ12又は14の吐出動作が開始した時点から、プランジャポンプ12及び14のうちの他方のプランジャポンプ14又は12の吐出動作が終了した時点までをいう。
送液機構3が送液を開始すると、送液不良検知部22は、圧力センサ16の信号を所定の頻度で取り込んで送液圧力(移動平均値)を読み取る。送液不良検知部22は、プランジャポンプ12及び14のうちの一方のプランジャポンプ12又は14の吐出動作の開始点と終了点における送液圧力を読み取ったときに、それらの差分(開始点の送液圧力−終了点の送液圧力)を第1変動値として求め(ステップ101)、プランジャポンプ12及び14のうちの他方のプランジャポンプ14又は12の吐出動作の開始点と終了点における送液圧力を読み取ったときに、それらの差分(開始点の送液圧力−終了点の送液圧力)を第2変動値として求める(ステップ102)。いずれか一方のプランジャポンプ12又は14で気泡の混入が発生している場合、気泡の混入が発生している一方のプランジャポンプ12又は14の吐出動作中に送液圧力が降下し、気泡の混入が発生していない他方のプランジャポンプ14又は12の吐出動作中に送液圧力が上昇するため、送液機構3において気泡の混入に起因した送液不良が発生しているのであれば、第1変動値と第2変動値のいずれか一方のみが正の値(他方は負の値)となる。したがって、第1変動値と第2変動値の符号が同じである場合には、気泡の混入に起因した脈動ではないと判定することができる(ステップ103)。
第1変動値と第2変動値のいずれか一方のみが正の値である場合、送液不良検知部22は、第1変動値と第2変動値を用いて送液機構3の1駆動周期内における送液圧力の変動幅を求める(ステップ104)。送液圧力の変動幅は、例えば次式により求めることができる。
変動幅=|第1変動値−第2変動値|/2
なお、上記式は一例であり、
変動幅=|第1変動値−第2変動値|
又は
変動幅=(第1変動値−第2変動値)
などの式を用いて変動幅を求めてもよい。
送液不良検知部22は、上記の変動値を所定の基準値と比較し、変動値が基準値を超えている場合には、変動値が基準値を超えている駆動周期(変動周期)の連続数をカウントする。そして、変動周期の連続数が所定の基準回数に達したときに、脈動を検出する(ステップ106、107)。脈動を検出すると、送液不良検知部22は、送液機構3による送液不良を検知し(ステップ108)、制御装置10へ警告信号を発信する(ステップ109)。
ここで、プランジャポンプ12又は14に混入した気泡に起因する送液圧力の変動幅ΔPは、液体クロマトグラフの時定数τによって決まり、時定数τは全体の送液圧力P[MPa]、ダンパC[uL/MPa]、送液流量Q[mL/min]に依存する値である。ダンパ C[uL/MPa]は、液体クロマトグラフを構成する各モジュールや配管の内部容量V[uL]と移動相の圧縮率β[GPa−1]に依存する値である。例えば、プランジャポンプ12又は14へ気泡が混入した後の経過時間をt秒とすると、送液圧力の変動幅ΔPは、
Figure 2020183774
によって決定されると考えられる。したがって、プランジャポンプ12又は14への気泡の混入に起因した脈動を検出するための基準値は、上記式によって求められるΔPを考慮して計算により決定することができる。
送液不良検知部22は、送液圧力を読み取る度に、上記アルゴリズムを用いて基準値を計算し、脈動の検出に用いることができる。ただし、上記式の引数P、C、Q、t(又は、P、V、β、Q、t)のうちのいくつかを省略してより簡略的に基準値を決定してもよい。例えば、P、Cのみを引数として他の要素を固定値として求められるΔPを基準としてもよい。なお、基準値は、必ずしも計算によって決定する必要はなく、予め設定された固定値としてもよい。
また、脈動と判定するための変動周期の連続数の基準回数は、可変に調整できるように構成されていてもよい。そうすれば、脈動検知の感度をどの程度にするかによって基準回数を調整することができる。
なお、脈動を検出するためのアルゴリズムは上記のものに限定されない。例えば、送液機構3の1駆動周期ごとの送液圧力を監視し、1駆動周期内における送液圧力の変動幅を求め、その変動幅を上記のように決定された基準値と比較することによって、脈動の検出を行なうことができる。
上記のアルゴリズムは、プランジャポンプ12及び14の吐出動作の開始点及び終点における送液圧力を正確に読み取ることができないような場合に有効である。ただし、このアルゴリズムでは、送液機構3の1駆動周期内に送液圧力の降下と上昇があったか否かを判別できないため、一方のプランジャポンプ12又は14への気泡の混入による圧力変動であるか否かを断定できない。そこで、脈動の検出のアルゴリズムを実行する前に、図4のフローチャートに説明するようなトリガーの検出のアルゴリズムを導入してもよい。
送液機構3による送液を開始すると、送液不良検知部22は、圧力センサ16の信号を所定の周期で読み込み(ステップ201)、送液圧力(移動平均値)を算出する(ステップ202)。送液不良検知部22は、送液機構3の駆動周期に基づいて設定された時間当たり(例えば信号読込み10回分)の送液圧力の降下幅を算出する(ステップ203)。そして、算出した降下幅を所定の基準値と比較し(ステップ204)、降下幅が基準値を超えたときに脈動発生のトリガーとして検出する(ステップ205)。
送液不良検知部22は、トリガーを検知した後、上述の脈動検出のアルゴリズムを用いて脈動の検出を行なう(ステップ206)。脈動が検出された場合は、送液不良を検知すし(ステップ207、208)、警告信号を制御装置10へ送信する(ステップ209)。脈動が検出されなかった場合は、上記ステップ201へ戻る(ステップ207)。
ここで、圧力センサ16からの信号の読込み周期、脈動検出のための基準値をそれぞれ計算により決定するための係数は、ユーザによる変更指示の入力によって、又は、実際の送液不良の検知の結果に対するユーザの評価に基づいて、可変に調整されるように構成されていてもよい。また、液体クロマトグラフの分析システムがインターネット回線などのネットワーク回線を通じて他の液体クロマトグラフの分析システムと共通のデータベースに接続されている場合、データベースに蓄積されたユーザによる送液不良の検知結果に対する評価に基づいて読込み周期や基準値を決定するための係数が自動的に調整されるように構成されていてもよい。
以上において説明した実施例では、直列型のダブルプランジャ方式の送液機構3を備えた送液システム2を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、気泡の混入によってプランジャポンプの駆動周期に同期した圧力変動が発生する送液機構、すなわち、並列型のダブルプランジャ方式の送液機構やシングルプランジャ方式の送液機構を備えた送液システムに対しても同様に適用することができる。すなわち、上記実施例は本発明に係る送液システムの実施形態の一例を示したに過ぎない。本発明に係る送液システムの実施形態は以下のとおりである。
本発明に係る送液システムの実施形態は、プランジャを往復駆動することにより送液を行なう少なくとも1つのプランジャポンプによって液を連続的に送液するように構成された送液機構と、前記送液機構による送液圧力を検出するための圧力センサと、前記圧力センサにより検出される送液圧力を前記送液機構の1駆動周期内の変動が読み取れるような周期で取り込み、取り込んだ送液圧力を用いて前記送液機構の送液不良を検出するように構成された送液不良検知部と、を備えた液体クロマトグラフ用送液システムであって、前記送液不良検知部は、前記送液機構の一定駆動周期内の前記送液圧力の変動幅を求め、前記変動幅が所定の基準値を超えている周期の連続数が所定の基準回数を超えたことを条件として脈動を検出する脈動検出ステップと、前記脈動検出ステップで前記脈動を検出したときに、前記送液機構の送液不良を検知する送液不良検知ステップと、をその順に実行するように構成されている。
本発明に係る送液システムの実施形態の第1態様では、前記送液機構は、相補的に駆動される第1のプランジャポンプ及び第2のプランジャポンプを備えており、前記送液不良検知部は、前記脈動検出ステップにおいて、前記第1のプランジャポンプの吐出動作の開始点と終了点の前記送液圧力の差分を第1変動値として求め、前記第2のプランジャポンプの吐出動作の開始点と終了点の前記送液圧力の差分を第2変動値として求め、前記第1変動値と前記第2変動値を用いて前記変動幅を求めるように構成されている。
上記第1態様において、前記送液不良検知部は、前記脈動検出ステップにおいて、前記第1変動値と前記第2変動値のどちらか一方のみが正の値である周期のみを前記変動幅が所定の基準値を超えている周期としてカウントするように構成されていてもよい。そうすれば、第1のプランジャポンプ又は第2のプランジャポンプへの気泡の混入に起因した脈動を正確に検出することができる。
本発明に係る送液システムの実施形態の第2態様では、前記基準回数は可変である。前記基準回数を可変とすることで、脈動の検出感度を調節することが可能になる。なお、この第2態様は上記第1態様と組み合わせることができる。
本発明に係る送液システムの実施形態の第3態様では、前記送液不良検知部は、前記脈動検出ステップの前に、少なくとも前記送液圧力に基づいて前記基準値を計算により決定する基準値決定ステップを実行するように構成されている。このような態様により、脈動の検出をより高精度に行なうことができる。この第3態様は、上記第1態様及び/又は第2態様と組み合わせることができる。
上記第3態様において、前記基準値決定ステップにおいて前記基準値の計算に用いられる係数は可変であってよい。そうすれば、脈動の検出のための基準値をより適した値へ調整することが可能になる。
本発明に係る送液システムの実施形態の第4態様では、前記送液不良検知部は、前記脈動検出ステップの前に、前記送液機構の前記駆動周期に基づいて設定された時間当たりの送液圧力の降下幅を算出する圧力降下算出ステップと、前記圧力降下算出ステップで算出した降下幅が所定の基準値を超えたときに脈動発生のトリガーとして検出するトリガー検出ステップと、を実行するように構成され、前記トリガー検出ステップで前記トリガーを検出した後で、脈動判定ステップを実行するように構成されている。このような態様により、前記送液機構の1駆動周期内の送液圧力の変動を詳細に読み取ることができないような場合でも、第1のプランジャポンプ又は第2のプランジャポンプへの気泡の混入に起因した脈動を正確に検出することができる。この第4態様は、上記第1態様から第3態様の一部又は全部と自在に組み合わせることができる。
本発明に係る送液システムの実施形態の第5態様では、前記送液不良検知部が前記圧力センサから送液圧力を取り込む周期は可変である。
2 送液システム
4 試料注入部
6 分離カラム
8 検出器
10 制御装置
12,14 プランジャポンプ
16 圧力センサ
18,20 逆止弁
22 送液不良検知部
24 切替バルブ

Claims (8)

  1. プランジャを往復駆動することにより送液を行なう少なくとも1つのプランジャポンプによって液を連続的に送液するように構成された送液機構と、
    前記送液機構による送液圧力を検出するための圧力センサと、
    前記圧力センサにより検出される送液圧力を前記送液機構の1駆動周期内の変動が読み取れるような周期で取り込み、取り込んだ送液圧力を用いて前記送液機構の送液不良を検出するように構成された送液不良検知部と、を備えた液体クロマトグラフ用送液システムであって、
    前記送液不良検知部は、
    前記送液機構の一定駆動周期内の前記送液圧力の変動幅を求め、前記変動幅が所定の基準値を超えている周期の連続数が所定の基準回数を超えたことを条件として脈動を検出する脈動検出ステップと、
    前記脈動検出ステップで前記脈動を検出したときに、前記送液機構の送液不良を検知する送液不良検知ステップと、をその順に実行するように構成されている、液体クロマトグラフ用送液システム。
  2. 前記送液機構は、相補的に駆動される第1のプランジャポンプ及び第2のプランジャポンプを備えており、
    前記送液不良検知部は、前記脈動検出ステップにおいて、前記第1のプランジャポンプの吐出動作の開始点と終了点の前記送液圧力の差分を第1変動値として求め、前記第2のプランジャポンプの吐出動作の開始点と終了点の前記送液圧力の差分を第2変動値として求め、前記第1変動値と前記第2変動値を用いて前記変動幅を求めるように構成されている、請求項1に記載の液体クロマトグラフ用送液システム。
  3. 前記送液不良検知部は、前記脈動検出ステップにおいて、前記第1変動値と前記第2変動値のどちらか一方のみが正の値である周期のみを前記変動幅が所定の基準値を超えている周期としてカウントするように構成されている、請求項2に記載の液体クロマトグラフ用送液システム。
  4. 前記基準回数は可変である、請求項1に記載の液体クロマトグラフ用送液システム。
  5. 前記送液不良検知部は、前記脈動検出ステップの前に、少なくとも前記送液圧力に基づいて前記基準値を計算により決定する基準値決定ステップを実行するように構成されている、請求項1に記載の液体クロマトグラフ用送液システム。
  6. 前記基準値決定ステップにおいて前記基準値の計算に用いられる係数は可変である、請求項5に記載の液体クロマトグラフ用送液システム。
  7. 前記送液不良検知部は、前記脈動検出ステップの前に、
    前記送液機構の前記駆動周期に基づいて設定された時間当たりの送液圧力の降下幅を算出する圧力降下算出ステップと、
    前記圧力降下算出ステップで算出した降下幅が所定の基準値を超えたときに脈動発生のトリガーとして検出するトリガー検出ステップと、を実行するように構成され、
    前記トリガー検出ステップで前記トリガーを検出した後で、脈動判定ステップを実行するように構成されている、請求項1に記載の液体クロマトグラフ用送液システム。
  8. 前記送液不良検知部が前記圧力センサから送液圧力を取り込む周期は可変である、請求項1に記載の液体クロマトグラフ用送液システム。
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