JPH07218488A - 液体クロマトグラフ用送液装置 - Google Patents

液体クロマトグラフ用送液装置

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JPH07218488A
JPH07218488A JP6009731A JP973194A JPH07218488A JP H07218488 A JPH07218488 A JP H07218488A JP 6009731 A JP6009731 A JP 6009731A JP 973194 A JP973194 A JP 973194A JP H07218488 A JPH07218488 A JP H07218488A
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pressure
pressure applying
applying mechanism
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stepping motor
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JP6009731A
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Tatsunari Yoshida
達成 吉田
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Tosoh Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 日内変動及び日差変動の減少した、安定かつ
高精度の送液を実現する液体クロマトグラフ用送液装置
を提供する。 【構成】 ポンプ手段、溶液導入管、溶液溶液管からな
る液体クロマググラフ用送液装置であって、圧力測定素
子、演算回路及び制御回路を備えることによりポンプ手
段中の圧力付与機構の周期的運動に起因して生じる脈動
を減少するためにポンプ手段の駆動を補正し、かつこの
補正の内容を不揮発的に記憶・蓄積することにより、日
内変動及び日差変動の減少した、安定かつ高精度の送液
を実現できる液体クロマトグラフ用送液装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上野利用分野】本発明は、物理科学的特性の異な
るあらゆる溶液に対し安定した定量送液性、即ち脈動の
発生を減少させると共に、脈動の発生を減少し得る運動
を記憶することで日内再現性及び日差再現性の向上した
送液を実現する液体クロマトグラフ用送液装置に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】液体クロマトグラフにおいて送液される
溶液に脈動が生じると、結果的に液体クロマトグラフに
おける目的物のカラム通過速度にむらが生じるために、
分析精度や再現性に影響を生じる。
【0003】従来から広く用いられている偏心カム式の
シリンジポンプは、原理及び構造から見て、脈動が激し
いため容量の大なるアキュムレ−タを流路に設置する等
の必要があった。そのため、近年のシリンジ型ポンプで
は、偏心カムを用いずに溶液導入にかかる時間を短く
し、かつ送液時間を長くするために等速度円板カムを用
いたクイックリタ−ン方式を採用し、脈動の減少を図っ
ている。
【0004】最近、カム駆動の駆動源に回転数を自由に
変更できるステッピングモ−タを用いると共に送液管に
圧力測定素子等を設けて脈動による圧力変化をモニタ−
し、圧力変化が生じた瞬間にモ−タの回転数を変更する
ようなフィ−ドバック型のものも市販されている。
【0005】また例えば特公昭63−53508号公報
に記載された送液装置のように、2台のシリンジポンプ
を使用し、これらシリンジポンプの周期的運動をずらす
ことにより脈動を減少し得る送液装置も知られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】等速度円板カムを用い
たクイックリタ−ン方式を採用するシリンジ型ポンプに
おいては、駆動モ−タの回転数が一定であるため、カム
に工夫をこらしても溶液導入のための時間は一定限度以
上に短縮できず、従って、脈動を実質的に測定に影響を
生じない程度に減少し得ない。フィ−ドバック型の送液
装置では脈動を減少し得るものの、シリンジポンプの周
期的運動毎、即ち一往復毎に一定の圧力変化が生じるか
ら、その都度フィ−ドバックが起こるために高精度のフ
ィ−ドバック系が必要となる。また2台のシリンジポン
プを使用する等により、機械的に脈動の減少を実現する
装置にあっては、機械的な磨耗等により脈動が増加する
可能性や、送液装置以外の部位に起因する脈動を減少し
得るものではない。
【0007】加えて従来の液体クロマトグラフ用送液装
置では、送液されるべき溶液の圧縮率の変動については
重用視されていない。圧縮率は、送液されるべき液体の
種類により異なり、又は同一の溶液であっても温度に依
存して変化するが、このような場合、機械的に脈動の減
少を実現する装置等にあっては脈動を減少するための条
件設定を変更する必要が生じる。
【0008】
【課題を解決するための手段】従来技術の課題に鑑みて
鋭意検討を行った結果、本発明者は、機械的な磨耗等に
より脈動が増加する恐れがなく、いかなる種類の溶液に
対しても該溶液の送液の際に生じる脈動を減少しえ、し
かも最低量のフィ−ドバックによって効果を発揮する液
体クロマトグラフ用送液装置を完成するに至った。
【0009】本発明は、弁、送液されるべき溶液を収容
する圧力付与室及び周期的運動により該圧力付与室に収
容された送液されるべき溶液を予め設定された流速で送
液する圧力付与機構を有し、圧力付与機構の周期的運動
と連動した前記弁の開閉動作によって圧力付与室から溶
液を送液し又は圧力付与室に溶液を導入するポンプ手段
と、前記ポンプ手段の弁と送液されるべき溶液の液溜を
連結する溶液導入管と、前記ポンプ手段中の弁と液体ク
ロマトグラフ用カラムを連結する溶液送液管とからなる
液体クロマトグラフ用送液装置において、前記圧力付与
機構の周期的運動に起因して生じる脈動を減少する駆動
制御手段であって、前記圧力付与室又は溶液送液管にお
ける溶液の圧力を測定して出力する圧力測定素子と、圧
力測定素子からの出力に基づき前記圧力付与機構の周期
的運動に起因して生じる周期的圧力変化を算出すると共
に、一周期の圧力変化中の最大及び最小圧力値、これら
値の差及び圧力付与機構の周期的運動においてこれら値
が測定された時点を算出し出力する演算回路と、演算回
路からの出力に基づき前記差が基準値を越える場合には
演算回路からの出力に基づき圧力付与機構の以後の周期
的運動において最大及び最小圧力値が測定されるべき時
点で圧力付与機構の運動速度を増加又は減少させ、及び
/又は圧力付与機構とは別個に設けられた補正圧力付与
機構を駆動して前記圧力測定素子で測定されるべき圧力
を減少し又は増加させるための補正信号を出力すると共
に該圧力付与機構及び/又は補正圧力付与機構への補正
信号の内容を該信号が出力された前記時点に関する情報
と共に不揮発的に記憶・蓄積する制御回路とからなる駆
動制御手段を備え、ここで前記駆動制御手段中の制御回
路は、演算回路からの出力に基づき前記差が基準値以下
となった以後は圧力付与機構及び/又は補正圧力付与機
構に対し前回以前までに記憶・蓄積された補正信号を当
該信号が出力された時点で出力し続け、演算回路からの
出力に基づき前記差が基準値以下となった以前までに記
憶・蓄積された補正信号がない場合には圧力付与機構及
び/又は補正圧力付与機構に対し補正信号を出力しない
ものである、液体クロマトグラフ用送液装置である。以
下本発明を図面に基づき詳細に説明する。
【0010】図1は本発明の送液装置を示すものであ
る。
【0011】ポンプ手段における弁(4、4´)とし
て、チェックバルブの例を示すが、送液の際の圧力に耐
えられるものであれば特に制限はない。1個の弁を用い
て装置を構成することも可能であるが、本例では2個の
弁を使用し、それぞれを溶液導入管又は溶液送液管と連
結してある。1個の弁を使用する場合は、例えば三方弁
を使用し、一方を圧力付与室(5)に、一方を溶液導入
管に、残りを溶液送液管に連結する。圧力付与室(5)
には、圧力付与機構が接続しているが、本例ではステッ
ピングモ−タ−(8)及び該モ−タ−により駆動されて
回転運動し、これによりプランジャ(6)を周期的に往
復運動させる等速度円板カム(7)を有するシリンジポ
ンプを採用している。なお、圧力付与室の容量は、通常
50μl程度である。
【0012】このポンプ手段では、プランジャは、最大
限に後退した位置をスタ−トとして説明すれば、該位置
から最大限に前進した位置を経て再び戻るという一周期
の運動を連続的に行う。プランジャが最大限に後退した
位置では圧力付与室の容積は最大となっているが、プラ
ンジャが前進するに従って減少し、正の圧力が付与され
るため、チェックバルブ(4)が開き、溶液はカラム
(20)に送液される。プランジャが最大限に前進した
位置では圧力付与室(5)の容積は最小となる。この
後、プランジャが後退する過程で、チェックバルブ
(4)は閉じ、代わって(4´)が開き、溶液導入管を
通し、コイル(2)を経由して溶液溜(1)から溶液が
補給される。なお、図1ではシリンジポンプ1台でポン
プ手段を構成した場合を説明したが、本発明では、2台
以上のシリンジポンプ等でポンプ手段を構成したり、又
は後に説明する補正圧力付加機構として別個のシリンジ
ポンプ等を付加しても良い。
【0013】本例のシリンジポンプにおけるプランジャ
の運動速度、即ちステッピングモ−タ−の回転速度は、
使用者が選択した流速、例えば1cc/minを達成す
るために初期的に設定される。初期設定として選択され
るステッピングモ−タ−の回転速度は、その都度外部か
ら制御しても良いし、本発明における制御回路内に、選
択され得る流速とステッピングモ−タ−の回転速度とを
関連付け、初期設定として記憶させておき、外部から流
速を指定するだけで初期設定速度での送液が開始される
ようにしても良い。図1においては、外部入力用のキ−
ボ−ド(11)を用いて希望する流速を入力すると、こ
の入力値から予め設定された圧力付与機構の初期速度を
マイクロコンピュ−タ−が選択した上でステッピングモ
−タ−駆動用電気回路(9)へ出力し、これによりステ
ッピングモ−タ−(8)の駆動、即ち圧力付与機構の周
期的運動が開始される。
【0014】本発明における駆動制御手段は、図1にお
いて説明すれば、圧力測定素子(14)、演算回路と制
御回路を兼ね備えるマイクロコンピュ−タ(10)によ
り構成される。圧力測定素子は通常用いられるものを使
用することができる。なお図1では、アナログデジタル
変換機(15)、増幅器(16)を圧力測定素子とマイ
クロコンピュ−タの間に介在させている。
【0015】ポンプ手段における圧力付加機構の周期的
運動は、いかに高精度の駆動手段をもってしても、周期
的運動により送液を実現する以上、周期的運動に起因す
る周期的な脈動を発生する。発明の送液装置は、この周
期的な脈動を、液体クロマトグラフにおいて実質的に測
定結果に影響を与えない程度に減少させ得るためのもの
である。圧力測定素子は、圧力付与室内の圧力を測定す
るように設置しても良い。
【0016】圧力測定素子で測定された圧力は、演算回
路としてのマイクロコンピュ−タに出力される。マイク
ロコンピュ−タは、測定された圧力を、例えば圧力付与
機構の周期的運動が開始されてからの経過時間と関連付
け、圧力付加機構の周期的運動に起因する周期的圧力変
化を算出する。ここで、圧力付与機構の周期的運動は常
に所定の位置から開始されるようにしておくことで、演
算回路における周期的圧力変化の算出が容易となるが、
圧力付与機構の運動が常に所定の位置から開始されると
は限らない場合には、圧力付与機構の周期運動開始が信
号としてマイクロコンピュ−タ(演算回路)に入力され
る様にしたり、初期の圧力付与機構の位置を外部から入
力するようにしたり、或いは圧力付与機構の位置を自動
的に検出し、マイクロコンピュ−タ−に入力するような
構成にしても良い。図1の例では、ステッピングモ−タ
−の回転角、即ちプランジャの位置をロ−タリエンコ−
ダで検出し、マイクロコンピュ−タ−に入力する構成と
することが例示できる。ここで、周期的圧力変化は、す
なわち前記周期的脈動に他ならない。マイクロコンピュ
−タは、更に、圧力付与機構の一周期の運動完了に伴な
い、該一周期の圧力変化における最大及び最小圧力値、
これら値の差及び圧力付与機構の周期的運動においてこ
れら値が測定された時点を算出する。圧力付与機構の周
期的運動において最大及び最小圧力値が測定された時点
は、圧力付与機構において周期的運動が開始されてから
これら値が測定されるまでの時間や、例えば前記のよう
に圧力付与機構の位置を検出する構成とした場合には、
これら値が測定される圧力付与機構の位置そのものであ
っても良い。いずれの場合においても本発明の効果を達
成することは可能であるが、後に述べる理由から、圧力
付与機構の周期的運動の位置を検出しておき、いずれの
位置で最大及び最小の圧力値が検出されたかを算出する
ように構成することが好ましい。
【0017】以上の、演算回路で算出され、出力される
信号は、制御回路に入力される。図1は、演算回路及び
制御回路をマイクロコンピュ−タ−を用いて兼用した構
成を例示するものであるが、これら回路を独立に構成し
ても何等問題はない。本明細書では便宜上、演算回路と
制御回路を別個の機能を有する回路として記載するもの
の、両回路の機能を適当に2つ以上の回路に分割するこ
とも可能である。
【0018】制御回路は、演算回路からの出力中、測定
された最大及び最小の圧力値の差が基準値を越えるか否
かを判断する。基準値は、例えば装置を使用する状況に
合わせて外部から前記したキ−ボ−ド等を使用して入力
することを例示できる。しかしながら、本発明の送液装
置を、外部から望まれる流速を入力するのみで脈動を減
少しつつ自動的に運転し得る装置とする場合には、例え
ば圧力付与機構が周期的運動を開始して最初に得られる
周期的圧力変化中の最大及び最小圧力値の平均値の5%
以下、特に精度の高い送液を行う場合には該平均値の1
%程度とすることを好ましい例として示すことができ
る。なお、圧力変化機構が周期的運動を開始して最初に
得られた周期的圧力変化中の最大及び最小圧力値の平均
値ではなく、圧力変化機構の周期的運動毎に測定される
最大及び最小圧力値を用いて基準値を更新し、次回の判
断に使用するように構成しても良い。制御回路の構成が
複雑になるものの、後者の方が脈動をより減少し得、好
ましい。
【0019】演算回路から出力された、圧力付与機構の
周期的運動において測定された最大及び最小圧力値の差
が前記基準値を越えた場合、制御回路は、圧力付与機構
の以後の周期的運動におきて該最大及び最小圧力値が測
定されるべき時点で、圧力付与機構の運動速度を増加又
は減少させるための補正信号を出力する。図1の例で
は、ステッピングモ−タ−の回転運動によるプランジャ
の往復運動において最大圧力値が測定されるべき時点で
ステッピングモ−タ−の運動速度を減少させ、最小圧力
値が測定されるべき時点でステッピングモ−タ−の運動
速度を増加させるため、電気回路(9)に対して補正信
号を出力するのである。なおここで、最大及び最小圧力
値が測定されるべき時点は、前記の通り、例えば圧力付
与機構の周期的運動が開始されてからの時間であり、ま
た例えば圧力変化機構の運動中の位置そのもの等であ
る。
【0020】圧力付与機構が、前述の様に補正圧力付与
機構を備えている場合、前記補正信号は該補正圧力付与
機構を制御するために使用される。即ち、溶液の送液の
ための圧力付与機構の周期的運動に影響を与えることな
く、測定されるべき最大圧力値を減少させ、最小圧力値
を増加させることができる。むろん、圧力付与機構が例
えば二台のシリンジポンプにより構成されているような
場合には、うち一方又は両方に対して補正信号を出力す
るように構成すれば良い。
【0021】制御回路は、補正信号の内容を該信号が出
力された時点に関する情報と共に不揮発的に記憶・蓄積
する。図1の例では、演算及び制御回路に兼用されるマ
イクロコンピュ−タ−から、外部メモリ−(13)に補
正信号の内容等が出力され、記憶・蓄積される。これに
より補正信号は、圧力付与機構の以後の周期的運動毎に
出力し得るように構成されている。ここで、例えばある
時点において補正信号が出力され、記憶された後の圧力
付与機構の周期的運動において、該補正信号が出力され
るべき時点より早い時点で新たな補正信号を出力すべき
ことになった場合、該新たな補正信号によって圧力付与
機構の運動速度が増加及び減少されることにより、結果
として圧力付与機構の一周期の運動に要する時間が変化
することがある。このため、先の補正信号を出力する時
点を、新たな補正信号による前記一周期のずれを計算し
たうえで、補正することが必要である。もっとも、補正
信号を出力する時点を圧力付与機構の周期的運動におけ
る位置とした場合や、補正圧力付与機構を備える構成と
した場合、このようなずれの補正は必要でない。
【0022】このように、圧力測定素子において測定さ
れる圧力付与機構の周期的運動に起因する圧力変化の様
子に基き、これを補正するための補正信号を蓄積するこ
とにより、送液装置全体としての脈動の発生を減少する
ことができる。本発明によれば、例えばポンプ手段中の
シ−ル部の劣化等、装置の磨耗等に起因する脈動であっ
ても、圧力測定素子で測定される圧力変化に関与する脈
動であれば全て補正の対象となる。しかも本発明におい
ては、測定される最大圧力値と最小圧力値の差が基準値
以下となった以降においても、制御回路はそれまでに蓄
積された補正信号を出力し続けることから、脈動の減少
された送液を維持することができる。測定された最大及
び最小圧力値の差が基準値以下となる以前に記憶・蓄積
された補正信号がない場合、制御回路は圧力付与機構に
対して補正信号を出力する必要はないが、必要により、
当該最大及び最小圧力値が測定されるべき時点で該変化
を増大させる様な補正信号を出力した後、改めてこれを
減少させるような補正信号を記憶・蓄積するように構成
しても良い。
【0023】この補正信号の内容等は、制御回路に不揮
発的に記憶されることから、例えばいったん送液を停止
し、送液装置の電源をオフにした場合でも、再度送液装
置を使用する場合、送液開始直後から脈動を減少した送
液が可能であり、いわゆる日内変動及び日差変動を減少
できる。この記憶を不揮発的に維持するため、制御回路
については、例えばバックアップ電源等を追加した構成
としても良い。
【0024】制御回路に記憶・蓄積された補正信号に関
する記憶を、例えばハ−ドディスクやフロッピ−ディス
ク等の外部記憶装置に保存しておき、必要に応じて制御
回路に呼び出せるようにしておけば、例えば送液する溶
液の種類、流速条件、更には温度条件が同様の液体クロ
マトグラフ操作を常に同一の送液条件で実施でき、いわ
ゆる日内変動及び日差変動を減少できる。このため、本
発明の装置では、付加的に送液条件及び温度条件をも補
正信号の内容等と共に記憶し得るように構成しておくこ
とが好ましい。図1の装置の例では、演算及び制御回路
を兼用するマイクロコンピュ−タ−に、外部入力装置
(12)を接続し、保存した情報を読み出せるように構
成してある。なお、保存した情報を読み出して使用する
操作を簡便にするため、制御回路内の補正信号の内容等
に関する記憶は、例えばキ−ボ−ドからの特別の命令を
入力すること等により消去し得る構成としておくことが
好ましい。
【0025】制御回路に、例えば許容し得る最大及び/
又は最小の圧力値を予め入力しておくことが本発明の送
液装置の好適な一例として例示できる。このような構成
によれば、例えば送液管の破損、ポンプ手段におけるシ
−ル部の不都合による圧力の減少に迅速に対処し得、或
いはカラムや他の部材の最大耐圧を越える圧力の付与を
未然に防止できる。一般的な値を示せば、最大圧力とし
て20メガパスカル程度、最小圧力として0.01メガ
パスカル程度を例示でき、該値を越え、又は下回る時に
は送液を停止し或いは警告を発するようにすることがで
きる。
【0026】これまで説明した本発明の送液装置に、更
に温調手段を装備することで、より高精度に一定の送液
を達成できる送液装置を実現することができる。本来、
液体クロマトグラフの送液装置は、いかなる性質の溶液
であっても常に一定の条件で送液することが要求され
る。これまでの本発明の装置の構成によれば、脈動を確
実に減少することが可能ではあるが、例えば送液中に溶
液の温度が変化すると、それにより溶液の流動性や圧縮
率の変動が生じ、変動が生じるたびに不足の補正信号を
出力することが必要となる。これを解消するため、本発
明の特に好ましい構成では、少なくとも溶液導入管の圧
力付与室近傍及びポンプ手段を通過する溶液の温度を一
定に保持するための温調手段を具備する。この構成によ
り、少なくとも送液のため圧力を付与される瞬間の、溶
液の、温度に依存した流動性や圧縮率の変動を防ぐこと
が可能となり、より高精度で安定的な送液が可能とな
る。
【0027】具体的には例えば、溶液導入管の圧力付与
室近傍及びポンプ手段を収納する断熱性のハウジング
と、該ハウジング内の温度を一定に保持するための温調
手段を備えた送液装置が例示できる。温調手段は例え
ば、前記ハウジング内の温度を一定に保持することで、
前記部分を通過する溶液の温度を一定に保持するもので
ある。温調手段は前記ハウジング内の温度を一定に保持
し得るものであれば特に制限はないが、例えばヒ−タ−
等の加熱機と、熱をハウジング内の温度むらを防ぐため
の送風ファン等の組み合わせが例示できる。むろん、導
入管を温調コイルで覆ったりしても良い。また、温調手
段は、温度センサ−と温度制御回路を組み合わせること
により、フィ−ドバック的な制御を実現するものである
ことが好ましい。図1に示した本発明の装置では、液溜
(1)からコイル(2)を通してチェックバルブ(4
´)へと続く溶液導入管のうちの、コイル以降の部分
と、圧力付与室(5)、チェックバルブ(4)、圧力測
定素子(10)及び溶液送液管をハウジングに収納する
構成(図中、ハウジングをAで示す)としてある。更
に、ハウジング内に、前記駆動制御手段の演算回路及び
制御回路を兼用するマイクロコンピュ−タ−(10)に
対して温度情報を出力する温度センサ−(17)と、該
マイクロコンピュ−タ−からの指令に従って駆動する加
熱機と送風ファンからなる温調手段(3)が収納されて
いる。従って、マイクロコンピュ−タ−は、キ−ボ−ド
(11)から入力された設定温度と温度センサ−で測定
された温度を比較し、ハウジング内の温度が低い場合に
は加熱機及び送風ファンを駆動してこれを設定温度に保
持するようになっている。むろん温調手段は温度上昇手
段に限定されるものではなく、ク−ラ−等の冷却手段で
あっても、両者を組み合わせたものであっても良い。両
者を組み合わせた場合には、より細かい温調を実現する
ことができる。なお温度センサ−からの出力は、アナロ
グ・デジタル変換機(18)及び増幅器(19)を介し
てマイクロコンピュ−タ−に入力される。
【0028】このように、温調手段を具備した本発明の
送液装置は、例えば室温より10℃以上高温又は低温の
条件下で液体クロマトグラフを実施する場合に特に効果
的である。
【0029】図2は、本発明の送液装置を備えた液体ク
ロマトグラフ用装置の一例を示す図である。本例では、
溶液溜(1)中の溶液は脱気装置(22)により脱気さ
れた後、溶液導入を安定化するためのコイル(2)を通
して送液装置(23)に導かれる。ここでコイル及び送
液装置はハウジング(21)に収納されており、不図示
の温調手段により温度が一定に保持されている。送液装
置から送液された溶液は、自動試料注入器に接続された
6方弁に導入され、ここで液体クロマトグラフに供され
る試料と二者択一的にカラム(20)に送液される。カ
ラムから溶出した溶液は、検出器(26)での種々の測
定後、不図示の廃液溜に送液される。なおカラム及びそ
の周辺機器は、カラムオ−ブンにより一定温度に保持さ
れ、また自動試料導入器等もそれぞれ別個のハウジング
に収納されたうえで、それぞれ好適な温度に保持される
ように構成されている。なおコイル(2)は、多量の溶
液をハウジング内で保持することで、その温度を容易に
設定温度に保持するためのものであり、圧力付与室の容
量以上を有することが好ましい。ちなみに図1及び図2
の例では、50μlの圧力付与室の容量に対し、10m
lの容量を有するコイルを使用している。
【0030】
【発明の効果】本発明によれば、脈動の減少した送液を
し得る液体クロマトグラフ用送液装置が提供される。本
発明の装置は純粋な意味で機械的に脈動を減少させる従
来装置とは異なり、送液管内の圧力変化を測定し、これ
を補正するという構成を採用することにより、例えば送
液装置中のシ−ル部材の劣化等の、機械的な補正のみで
は補正し得ない脈動をも補正し得るという効果を有す
る。しかも本発明の装置では、脈動を補正するための補
正信号を蓄積・記憶するという構成を備えることによ
り、一回の液体クロマトグラフ操作で得られた情報を以
降の操作に反映することが可能であり、これによりいわ
ゆる日内変動、日差変動を減少し、精度が高くかつ安定
した送液を再現性良く、連続して行うことができる。し
かも、圧力付与機構の周期的運動を補正する補正信号を
制御回路に記憶・蓄積する構成により、脈動を減少させ
るためのフィ−ドバック量を最小限にすることもでき
る。
【0031】本発明の装置において、温調手段を備えた
ものは、前記効果に更に送液されるべき溶液の流動性や
圧縮率を一定に保つことができる。この結果、溶液の流
動性や圧縮率の変動といった送液装置の機械的な周期的
運動に起因する脈動発生要因以外の要因を除去し得るこ
とからも、本発明の装置は従来の送液装置では減少し得
ない日内変動や日差変動を減少することが可能でる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の送液装置を示す図である。
【図2】本発明の送液装置を備えた、液体クロマトグラ
フ用装置を示す図である。
【符号の説明】
1 溶液(溶液溜) 2 コイル 3 温調手段 4、4´ チェックバルブ 5 圧力付与室 6 プランジャ 7 等速度円板カム 8 ステッピングモ−タ− 9 電気回路(ステッピングモ−タ−駆動用) 10 マイクロコンピューター 11 キーボード 12 外部入力装置 13 外部メモリー 14 圧力測定素子 15、18 アナログ・デジタル変換機 16、19 増幅器 21 ハウジング 20 カラム 22 脱気装置 23 送液装置 24 自動試料注入機 25 カラムオーブン 26 検出器

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 弁、送液されるべき溶液を収容する圧力
    付与室及び周期的運動により該圧力付与室に収容された
    送液されるべき溶液を予め設定された流速で送液する圧
    力付与機構を有し、圧力付与機構の周期的運動と連動し
    た前記弁の開閉動作によって圧力付与室から溶液を送液
    し又は圧力付与室に溶液を導入するポンプ手段と、前記
    ポンプ手段の弁と送液されるべき溶液の液溜を連結する
    溶液導入管と、前記ポンプ手段中の弁と液体クロマトグ
    ラフ用カラムを連結する溶液送液管とからなる液体クロ
    マトグラフ用送液装置において、前記圧力付与機構の周
    期的運動に起因して生じる脈動を減少する駆動制御手段
    であって、前記圧力付与室又は溶液送液管における溶液
    の圧力を測定して出力する圧力測定素子と、圧力測定素
    子からの出力に基づき前記圧力付与機構の周期的運動に
    起因して生じる周期的圧力変化を算出すると共に、一周
    期の圧力変化中の最大及び最小圧力値、これら値の差及
    び圧力付与機構の周期的運動においてこれら値が測定さ
    れた時点を算出し出力する演算回路と、演算回路からの
    出力に基づき前記差が基準値を越える場合には演算回路
    からの出力に基づき圧力付与機構の以後の周期的運動に
    おいて最大及び最小圧力値が測定されるべき時点で圧力
    付与機構の運動速度を増加又は減少させ、及び/又は圧
    力付与機構とは別個に設けられた補正圧力付与機構を駆
    動して前記圧力測定素子で測定されるべき圧力を減少し
    又は増加させるための補正信号を出力すると共に該圧力
    付与機構及び/又は補正圧力付与機構への補正信号の内
    容を該信号が出力された前記時点に関する情報と共に不
    揮発的に記憶・蓄積する制御回路とからなる駆動制御手
    段を備え、ここで前記駆動制御手段中の制御回路は、演
    算回路からの出力に基づき前記差が基準値以下となった
    以後は圧力付与機構及び/又は補正圧力付与機構に対し
    前回以前までに記憶・蓄積された補正信号を当該信号が
    出力された時点で出力し続け、演算回路からの出力に基
    づき前記差が基準値以下となった以前までに記憶・蓄積
    された補正信号がない場合には圧力付与機構及び/又は
    補正圧力付与機構に対し補正信号を出力しないものであ
    る、液体クロマトグラフ用送液装置。
  2. 【請求項2】 更に、少なくとも溶液導入管の圧力付与
    室近傍及びポンプ手段を通過する溶液の温度を一定に保
    持するための温調手段を備えたことを特徴とする請求項
    1の装置。
  3. 【請求項3】 溶液導入管の圧力付与室近傍及びポンプ
    手段が断熱性のハウジングに収納されており、該ハウジ
    ング内の温度を一定に保持するための温調手段を備えた
    ことを特徴とする請求項1又は2の装置。
  4. 【請求項4】 温調手段が冷却装置を含むものである請
    求項2又は3の装置。
  5. 【請求項5】 温調手段が加熱機と送風ファンにより構
    成される請求項2〜4いずれかに記載の装置。
  6. 【請求項6】 制御回路が、そこに不揮発的に記憶・蓄
    積された補正信号に関する情報を必要により消去し得る
    ものである請求項1の装置。
  7. 【請求項7】 制御回路における基準値が、一周期の圧
    力変化中の最大圧力値と最小圧力値の平均値の5%以下
    であることを特徴とする請求項1の装置。
  8. 【請求項8】 制御回路における基準値が、一周期の圧
    力変化中の最大圧力値と最小圧力値の平均値の1%以下
    であることを特徴とする請求項1の装置。
  9. 【請求項9】 ステッピングモ−タ−、ステッピングモ
    −タ−により駆動される等速度円板カム及び等速度円板
    カムの回転運動により往復駆動されるプランジャを有す
    る圧力付与機構であって、その周期的運動が前記プラン
    ジャの一往復運動であるシリンジ型ポンプ手段を有し、
    制御回路からの補正信号がステッピングモ−タ−の回転
    数を増加又は減少させるためのパルス信号であることを
    特徴とする請求項1の装置。
  10. 【請求項10】 第1のステッピングモ−タ−、第1の
    ステッピングモ−タ−により駆動される第1の等速度円
    板カム及び第1の等速度円板カムの回転運動により往復
    駆動される第1のプランジャを有する圧力付与機構と、
    第2のステッピングモ−タ−、第2のステッピングモ−
    タ−により駆動される第2の等速度円板カム及び第2の
    等速度円板カムの回転運動により往復駆動される第2の
    プランジャを有する補正圧力付与機構からなるシリンジ
    型ポンプ手段を有し、制御回路からの補正信号が第2の
    ステッピングモ−タ−を任意速度で正・逆回転させるた
    めのパルス信号であることを特徴とする請求項1の装
    置。
  11. 【請求項11】 第1のステッピングモ−タ−、第1の
    ステッピングモ−タ−により駆動される第1の等速度円
    板カム及び第1の等速度円板カムの回転運動により往復
    駆動される第1のプランジャを有する第1の圧力付与機
    構と、第2のステッピングモ−タ−、第2のステッピン
    グモ−タ−により駆動される第2の等速度円板カム及び
    第2の等速度円板カムの回転運動により往復駆動される
    第2のプランジャを有する第2の圧力付与機構からなる
    リシンジ型ポンプ手段を有し、制御回路からの補正信号
    が第1及び/又は第2のステッピングモ−タ−の回転数
    を増加又は減少させるためのパルス信号であることを特
    徴とする請求項1の装置。
JP6009731A 1994-01-31 1994-01-31 液体クロマトグラフ用送液装置 Pending JPH07218488A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2017122259A1 (ja) * 2016-01-12 2017-07-20 株式会社島津製作所 送液装置
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