JPWO2020178902A1 - 溶接装置 - Google Patents

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Abstract

溶接装置は、上下が開口された円筒状の密閉容器胴体の上下に、密閉容器上蓋および密閉容器下蓋が嵌合されて構成される密閉容器の上部嵌合部および下部嵌合部をアーク溶接する。溶接装置は、アーク溶接を行う2本の溶接トーチと、2本の溶接トーチを密閉容器胴体の周方向に旋回させる旋回機構と、密閉容器のうち密閉容器胴体部分を保持する胴体保持機構とを備える。胴体保持機構で保持された密閉容器胴体の上部嵌合部および下部嵌合部のそれぞれを、溶接装置は、旋回機構で2本の溶接トーチを密閉容器胴体の周方向に旋回させて同時にアーク溶接する。

Description

本発明は、冷暖房装置または給湯装置等に用いることができる密閉型圧縮機の密閉容器を溶接する溶接装置に関する。
密閉型圧縮機の密閉容器は、上下を開口する円筒状の密閉容器胴体と、密閉容器胴体上部に嵌合される密閉容器上蓋と、密閉容器胴体下部に嵌合される密閉容器下蓋と、密閉容器下蓋の底面に取り付けられた据付脚とで構成される。
この種の密閉容器は、密閉容器胴体と密閉容器上蓋との上部嵌合部と、密閉容器胴体と密閉容器下蓋との下部嵌合部とが、それぞれ溶接装置で溶接されて構成されている。
密閉容器の上部嵌合部および下部嵌合部を溶接する溶接装置として、例えば、密閉容器胴体の上下に密閉容器上蓋と密閉容器下蓋とを嵌合した状態の密閉容器を、回転台により回転させ、上部嵌合部および下部嵌合部のそれぞれを同時に溶接するようにした技術がある(例えば、特許文献1参照)。特許文献1では、上部嵌合部および下部嵌合部のそれぞれを同時に溶接することで、溶接時において密閉容器の反転および横転といった姿勢の変更を不要として、安価で高精度に密閉容器を組立てることを可能としている。
特開2004−162657号公報
上記特許文献1の場合、上部嵌合部および下部嵌合部を溶接する際、密閉容器自体を回転台により回転させている。このため、回転台上に載置された密閉容器下蓋と、密閉容器下蓋の上に嵌合された密閉容器胴体との間で滑りが発生し、密閉容器胴体が密閉容器下蓋に対して傾くことが懸念される。密閉容器胴体が傾いたまま溶接されると、溶接部の品質が低下するという問題があった。
本発明は上記問題を解決するためのもので、密閉容器胴体の上部嵌合部および下部嵌合部を同時に溶接できると共に、溶接中の密閉容器胴体の傾きを抑制して品質の良い溶接部を得ることが可能な溶接装置を提供することを目的とする。
本発明に係る溶接装置は、上下が開口された円筒状の密閉容器胴体の上下に、密閉容器上蓋および密閉容器下蓋が嵌合されて構成される密閉容器の上部嵌合部および下部嵌合部をアーク溶接する溶接装置であって、アーク溶接を行う2本の溶接トーチと、2本の溶接トーチを密閉容器胴体の周方向に旋回させる旋回機構と、密閉容器のうち密閉容器胴体部分を保持する胴体保持機構とを備え、胴体保持機構で保持された密閉容器胴体の上部嵌合部および下部嵌合部のそれぞれを、旋回機構で2本の溶接トーチを密閉容器胴体の周方向に旋回させて同時にアーク溶接するものである。
本発明によれば、2本の溶接トーチを旋回機構で密閉容器胴体の周方向に旋回させることで密閉容器胴体の上部嵌合部および下部嵌合部を同時に溶接できると共に、溶接中に胴体保持機構で密閉容器胴体を保持するため、溶接中の密閉容器胴体の傾きを抑制して品質の良い溶接部を得ることができる。
本発明の実施の形態1に係る溶接装置の溶接対象となる密閉型圧縮機の概略断面図である。 図1において点線Aで囲った部分の拡大図である。 図1において点線Bで囲った部分の拡大図である。 本発明の実施の形態1に係る溶接装置の構成図である。 本発明の実施の形態1に係る溶接装置における溶接ワイヤーと下部嵌合部の傾斜面との位置関係の説明図である。 本発明の実施の形態1に係る溶接装置における溶接ワイヤーの溶接狙い位置の説明図である。 本発明の実施の形態1に係る溶接装置の動作を示す工程フローである。 本発明の実施の形態1に係る溶接装置の据付脚保持機構に保持される密閉容器下蓋の概略断面図である。 本発明の実施の形態1に係る溶接装置の搬送ロボットによって搬送される、上側の開口に密閉容器上蓋が嵌合された状態の密閉容器胴体を示す図である。 本発明の実施の形態1に係る溶接装置において搬送ロボットが密閉容器胴体をクランプした状態の平面図である。 本発明の実施の形態1に係る溶接装置において搬送ロボットが密閉容器胴体をアンクランプして退避した状態の平面図である。
以下、本発明の実施の形態の溶接装置の説明に先だって、溶接対象となる密閉容器を備えた密閉型圧縮機について説明する。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係る溶接装置の溶接対象となる密閉型圧縮機の概略断面図である。
図1において、密閉型圧縮機1の密閉容器2は、上下を開口する円筒状の密閉容器胴体2aと、密閉容器胴体2aの上部開口部に嵌合される皿形状の密閉容器上蓋2bと、密閉容器胴体2aの下部開口部に嵌合される皿形状の密閉容器下蓋2cとを有する。密閉容器下蓋2cの底面には、据付脚2dが取り付けられている。密閉容器2は、据付脚2dにより規定される据付面に対して密閉容器胴体2aが傾斜していると、振動および騒音を招く可能性がある。このため、密閉型圧縮機1は、密閉容器胴体2aが据付面に対して垂直に起立した姿勢で使用される。
密閉容器胴体2aの内部には、冷媒の圧縮を行う圧縮機構3と、圧縮機構3を駆動する電動機4とが焼嵌めされている。電動機4は、クランクシャフト5に接続され、クランクシャフト5から圧縮機構3に回転力を伝達する回転子4aと、固定子4bとを備えている。
上記構成において、据付脚2dの密閉容器下蓋2cとの取付け面6は、皿形状となっており、密閉容器下蓋2cの底面は、取付け面6に沿う皿形状となっている。これにより、据付脚2dは、取付け面6が密閉容器下蓋2cの底面に密着した状態で溶接されている。
図2は、図1において点線Aで囲った部分の拡大図である。
密閉容器胴体2aの下部と密閉容器下蓋2cの開口端部とには、図2に示すように同じ傾斜角の傾斜面10が形成されている。この傾斜面10は、密閉容器2の内周側から外周側に向かうに連れて上方に傾斜する傾斜面となっており、傾斜角b(後述の図5参照)が例えば15°から25°に形成されている。傾斜面10は、密閉容器胴体2aおよび密閉容器下蓋2cの全周に渡って形成されている。密閉容器胴体2aと密閉容器下蓋2cとは、傾斜面10の部分で加圧して密着されることで嵌合されている。
このように、密閉容器胴体2aと密閉容器下蓋2cとの嵌合部(以下、下部嵌合部11という)を、密閉容器2の内周側から外周側に向かってそれぞれ同じ傾斜角の傾斜面10とすることで、これらの嵌合代を確保しつつ、密閉容器胴体2aの中心軸と、密閉容器下蓋2cの中心軸との同軸度が確保される。同軸度が確保されることで、密閉型圧縮機1の振動および騒音を抑えることができる。
図3は、図1において点線Bで囲った部分の拡大図である。
密閉容器上蓋2bの外周面には、密閉容器上蓋2bの密閉容器胴体2a内部への挿入深さを規制する突起部12が形成されている。突起部12は、図3に示すように密閉容器上蓋2bの外周面から外方に突出して設けられている。密閉容器上蓋2bは、突起部12が密閉容器胴体2aの上端部に接触するまで密閉容器胴体2aの内部に挿入され、その状態で加圧されることにより嵌合されている。なお、密閉容器上蓋2bと密閉容器胴体2aとの取付け精度は、密閉型圧縮機1の振動および騒音に寄与しない。このため、密閉容器上蓋2bと密閉容器胴体2aとの嵌合部(以下、上部嵌合部13という)には、上記の傾斜面10ではなく突起部12が用いられる。
密閉容器2は、これらの下部嵌合部11および上部嵌合部13のそれぞれの全周を、以下に説明する溶接装置の2本の溶接トーチで同時にアーク溶接によって溶接される。
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して詳細に説明する。
図4は、本発明の実施の形態1に係る溶接装置の構成図である。図4においてx軸は横方向、y軸は縦方向を指す。図5は、本発明の実施の形態1に係る溶接装置における溶接ワイヤーと下部嵌合部の傾斜面との位置関係の説明図である。図6は、本発明の実施の形態1に係る溶接装置における溶接ワイヤーの溶接狙い位置の説明図である。
溶接装置は、アーク溶接を行う2本の溶接トーチ20aおよび溶接トーチ20bと、移動機構30と、載置台70と、下蓋保持機構80と、搬送ロボット90と、制御装置100とを備えている。
本実施の形態1の溶接装置で扱うワークは、上述した密閉容器2であり、下部嵌合部11と上部嵌合部13のそれぞれを、溶接トーチ20aおよび溶接トーチ20bのそれぞれで溶接する。
以下、溶接装置を構成する各構成部について説明する。
溶接トーチ20aおよび溶接トーチ20bは、溶接狙い位置に向かって、先端から溶接ワイヤー21を送り出し、溶接箇所をアーク溶接で溶接する。本実施の形態1における溶接箇所の1つである下部嵌合部11を溶接する際には、下部嵌合部11の傾斜面10の傾斜角bに対して、調整代dの範囲で溶接ワイヤー21の狙い角度cを調整して溶接を行う。ここで、狙い角度cとは、溶接ワイヤー21と密閉容器胴体2aの側面とのなす角である。
移動機構30は、溶接トーチ20aおよび溶接トーチ20bを移動させる機構である。移動機構30は、旋回機構40と、横行シリンダ50と、個別調整機構60とを備えている。
旋回機構40は、溶接トーチ20aおよび溶接トーチ20bを、密閉容器胴体2aの周方向に旋回させる機構である。旋回機構40は、y軸方向に延びる軸心を中心として回転する1本の旋回主軸41と、旋回主軸41に直交して設けられた1本の旋回副軸42と、旋回主軸41を駆動する駆動ユニット43とを備えている。駆動ユニット43は、旋回主軸41に回転力を伝達する回転モータ43aおよび動力伝達機構(図示せず)を有する。
横行シリンダ50は、旋回機構40をx方向に往復動させる。横行シリンダ50は、駆動ユニット43に連結され、旋回主軸41を密閉容器2の中心軸O上に位置させる溶接位置(図1に示す位置)と、旋回主軸41をx軸のマイナス方向側に設定された原点位置とに移動させる。
個別調整機構60は、旋回機構40の旋回副軸42に連結され、溶接トーチ20aおよび溶接トーチ20bのそれぞれの溶接狙い位置を個別に調整する機構である。個別調整機構60は、溶接トーチ20aの位置を調整する第1機構61aと、溶接トーチ20bの位置を調整する第2機構61bとを有する。第1機構61aと第2機構61bとは独立して動作可能である。
第1機構61aは、溶接狙い位置からの水平位置xおよび鉛直位置yを調整する面内位置調整機構62と、溶接狙い位置に対する狙い角度cを調整する角度調整機構63とを備えている。第2機構61bも同様の構成であって、面内位置調整機構62と角度調整機構63とを備えている。
面内位置調整機構62は、棒状の移動部材62aを旋回副軸42に対してx方向およびy方向に移動可能な機構である。角度調整機構63は、移動部材62aの下端部に連結された棒状の回転部材63aを、回転部材の63aの先端部が上下動するように回転自在に支持する機構である。回転部材63aの先端部には、溶接トーチが接続されており、角度調整機構63は、回転部材63aの回転位置によって溶接トーチの狙い角度cを調整する。
以上の構成の第1機構61aおよび第2機構61bは、旋回副軸42の内側に第1機構61aが接続され、旋回副軸42の外側に第2機構61bが接続される。そして、第1機構61aに接続された溶接トーチ20aによって上部嵌合部13が溶接され、第2機構61bに接続された溶接トーチ20bによって下部嵌合部11が溶接される。
下蓋保持機構80は、載置台70上に配置され、ワークを固定支持する機構である。下蓋保持機構80は、台座81上に、y方向に延びる3本の支柱82が同心円状に間隔を変えて立設した構成を有し、各支柱82が、密閉容器2の据付脚2dに設けられた3つの貫通穴に通されることで密閉容器下蓋2cを保持する。
搬送ロボット90は、アームの先端に、密閉容器胴体2aを胴体保持機構91を有する。搬送ロボット90は、胴体保持機構91で密閉容器胴体2aを保持し、密閉容器胴体2aを前工程の装置から溶接装置の下蓋保持機構80上へと搬送する。胴体保持機構91は、周囲から挟み込む形で密閉容器胴体2aを保持する保持クランプで構成されており、密閉容器胴体2aを予め設定された保持姿勢で保持する。予め設定された保持姿勢とは、台座81の上面を基準とした姿勢であって、密閉容器胴体2aが据付脚2dの据付面に対して垂直に起立した姿勢である。保持姿勢は制御装置100の内部メモリに予め記録されている。このように、密閉容器胴体2aの保持姿勢が制御されるため、搬送ロボット90で密閉容器胴体2aを密閉容器下蓋2cに嵌合させるために搬送した際の、据付脚2dに対する密閉容器胴体2aの垂直度を確保することができる。なお、ここでは胴体保持機構91として保持クランプを用いているが、これに限られたものではなく密閉容器胴体2aを保持できる機構であればよい。
制御装置100は、溶接装置の全体を制御するものであり、例えば、マイクロプロセッサユニット等で構成されるものである。なお、制御装置100の構成については、これに限定するものではない。例えば、ファームウェア等の更新可能なもので構成されていてもよい。また、制御装置100はプログラムモジュールであって、図示しないCPU等からの指令により、実行されるものであってもよい。
図7は、本発明の実施の形態1に係る溶接装置の動作を示す工程フローである。図8は、本発明の実施の形態1に係る溶接装置の据付脚保持機構に保持される密閉容器下蓋の概略断面図である。図9は、本発明の実施の形態1に係る溶接装置の搬送ロボットによって搬送される、上側の開口に密閉容器上蓋が嵌合された状態の密閉容器胴体を示す図である。図10は、本発明の実施の形態1に係る溶接装置において搬送ロボットが密閉容器胴体をクランプした状態の平面図である。図11は、本発明の実施の形態1に係る溶接装置において搬送ロボットが密閉容器胴体をアンクランプして退避した状態の平面図である。
密閉容器下蓋2cが図示しない搬送装置で溶接装置に搬入され、下蓋保持機構80にセットされる(STEP1)。次に、図9に示すように密閉容器上蓋2bが嵌合された密閉容器胴体2aを、搬送ロボット90の胴体保持機構91が、図4および図10に示すようにクランプする(STEP2)。このとき、搬送ロボット90の胴体保持機構91は、密閉容器胴体2aを安定的に保持できるように密閉容器胴体2aの中央部をクランプする。そして、搬送ロボット90は、胴体保持機構91でクランプした密閉容器胴体2aを、前工程から溶接装置内部の密閉容器下蓋2cの上部まで搬送する(STEP3)。このとき、溶接トーチ20aおよび溶接トーチ20bは、横行シリンダ50によって原点に位置している。
次に、搬送ロボット90は、密閉容器胴体2aを下降させて密閉容器下蓋2cの上部に嵌合させる(STEP4)。密閉容器胴体2aの下部と密閉容器下蓋2cの開口端部との嵌合部分である下部嵌合部11は、上述したように同一の傾斜角度で傾斜する傾斜面10となっているため、傾斜面10同士が密着して嵌合する。このように、密閉容器胴体2aと密閉容器下蓋2cとの嵌合を、搬送ロボット90で行うことで、上述したように据付脚2dに対する密閉容器胴体2aの垂直度を確保しながら嵌合を行える。
次に、溶接装置は、移動機構30を動作させて2本の溶接トーチ20aおよび溶接トーチ20bの溶接狙い位置を調整する(STEP5)。具体的には、溶接装置は、横行シリンダ50による各溶接トーチの溶接位置への移動、および個別調整機構60による各溶接トーチのx方向、y方向および狙い角度cの調整を行う。
次に、溶接装置は、搬送ロボット90にて密閉容器胴体2aをクランプした状態のまま、溶接を開始する。すなわち、溶接装置は、旋回機構40の旋回主軸41を回転させ、溶接トーチ20aおよび溶接トーチ20bを、下部嵌合部11および上部嵌合部13に対して周方向に例えば一周360°のうちの210゜旋回させ(STEP6)、アーク溶接を行う。そして、溶接トーチ20aおよび溶接トーチ20bが210゜旋回した時点で、溶接装置は、搬送ロボット90による密閉容器胴体2aのクランプを解除し、搬送ロボット90を図11に示すように溶接トーチの旋回軌道fの外へ退避させる(STEP7)。この退避は、溶接トーチ20aおよび溶接トーチ20bが、残りの箇所を溶接する際に、搬送ロボット90が溶接トーチ20aおよび溶接トーチ20bと干渉しないようにするためである。
そして、溶接装置は、溶接トーチ20aおよび溶接トーチ20bを、360°まで旋回させて残りの箇所をアーク溶接する(STEP8)。溶接完了後、溶接装置は、溶接トーチ20aおよび溶接トーチ20bを横行シリンダ50によって原点位置まで横行させる(STEP9)。
ここで、STEP6において溶接トーチが210゜旋回するまで搬送ロボット90による密閉容器胴体2aのクランプを行っているが、溶接開始から少なくとも半周の180°旋回するまでの間は、密閉容器胴体2aのクランプを行う。これにより、溶接時に発生するひずみによって密閉容器胴体2aが傾斜することを防止できる。
以上説明したように、本実施の形態1の溶接装置は、2本の溶接トーチ20aおよび溶接トーチ20bと、2本の溶接トーチ20aおよび溶接トーチ20bを密閉容器胴体2aの周方向に旋回させる旋回機構40と、密閉容器2のうち密閉容器胴体2a部分を保持する胴体保持機構91とを備えた。そして、本実施の形態1の溶接装置は、胴体保持機構91で保持された密閉容器胴体2aの上部嵌合部13および下部嵌合部11のそれぞれを、2本の溶接トーチ20aおよび溶接トーチ20bを旋回機構40で密閉容器胴体2aの周方向に旋回させて同時にアーク溶接する。これにより、密閉容器2の下部嵌合部11および上部嵌合部13のそれぞれを同時に溶接できる。また、各溶接トーチを旋回させることで密閉容器胴体2aの下部嵌合部11および上部嵌合部13のそれぞれを同時に溶接できるので、密閉容器2自体を回転させて溶接する場合に生じる、密閉容器胴体2aと密閉容器下蓋2cとの嵌合部の滑りを防止することができる。以上により、溶接中の密閉容器胴体2aの傾きを抑制でき、品質の良い溶接部を得ることができる。その結果、密閉型圧縮機の性能向上を図ることができる。
本実施の形態1の胴体保持機構91は、溶接開始から少なくとも半周の溶接が完了するまでの間、密閉容器胴体2aを保持する。これにより、溶接時に発生するひずみによる密閉容器胴体2aの傾斜を防止できる。
本実施の形態1の溶接装置は、旋回機構40に接続され、2本の溶接トーチ20aおよび溶接トーチ20bのそれぞれの溶接狙い位置を個別に調整する個別調整機構60を備えた。これにより、溶接トーチ20aおよび溶接トーチ20bの溶接狙い位置を個別に調整できる。
また、密閉容器胴体2aを前工程から載置台70上に搬送する搬送ロボット90を備え、搬送ロボット90が胴体保持機構91を備えている。これにより、搬送ロボット90と胴体保持機構91とを別体で構成する場合に比べて構成を単純化できる。
1 密閉型圧縮機、2 密閉容器、2a 密閉容器胴体、2b 密閉容器上蓋、2c 密閉容器下蓋、2d 据付脚、3 圧縮機構、4 電動機、4a 回転子、4b 固定子、5 クランクシャフト、6 取付け面、10 傾斜面、11 下部嵌合部、12 突起部、13 上部嵌合部、20a 溶接トーチ、20b 溶接トーチ、21 溶接ワイヤー、30 移動機構、40 旋回機構、41 旋回主軸、42 旋回副軸、43 駆動ユニット、43a 回転モータ、50 横行シリンダ、60 個別調整機構、61a 第1機構、61b 第2機構、62 面内位置調整機構、62a 移動部材、63 角度調整機構、63a 回転部材、70 載置台、80 下蓋保持機構、81 台座、82 支柱、90 搬送ロボット、91 胴体保持機構、100 制御装置。
本発明に係る溶接装置は、上下が開口された円筒状の密閉容器胴体の上下に、密閉容器上蓋および密閉容器下蓋が嵌合されて構成される密閉容器の上部嵌合部および下部嵌合部をアーク溶接する溶接装置であって、アーク溶接を行う2本の溶接トーチと、2本の溶接トーチを密閉容器胴体の周方向に旋回させる旋回機構と、閉容器胴体部分を保持する胴体保持機構とを備え、胴体保持機構で保持された密閉容器胴体の上部嵌合部および下部嵌合部のそれぞれを、旋回機構で2本の溶接トーチを密閉容器胴体の周方向に旋回させて同時にアーク溶接するものである。

Claims (4)

  1. 上下が開口された円筒状の密閉容器胴体の上下に、密閉容器上蓋および密閉容器下蓋が嵌合されて構成される密閉容器の上部嵌合部および下部嵌合部をアーク溶接する溶接装置であって、
    アーク溶接を行う2本の溶接トーチと、
    前記2本の溶接トーチを前記密閉容器胴体の周方向に旋回させる旋回機構と、
    前記密閉容器のうち前記密閉容器胴体部分を保持する胴体保持機構とを備え、
    前記胴体保持機構で保持された前記密閉容器胴体の前記上部嵌合部および前記下部嵌合部のそれぞれを、前記旋回機構で前記2本の溶接トーチを前記密閉容器胴体の周方向に旋回させて同時にアーク溶接する溶接装置。
  2. 前記胴体保持機構は、溶接開始から少なくとも半周の溶接が完了するまでの間、前記密閉容器胴体を保持する請求項1記載の溶接装置。
  3. 前記旋回機構に連結され、前記2本の溶接トーチのそれぞれの溶接狙い位置を個別に調整する調整機構を備えた請求項1または請求項2記載の溶接装置。
  4. 前記密閉容器胴体を前工程の装置から溶接装置に搬送する搬送ロボットを備え、前記搬送ロボットが前記胴体保持機構を備えている請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の溶接装置。
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