JPWO2020174811A1 - ディファレンシャル装置 - Google Patents

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誠也 小澤
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Abstract

ディファレンシャル装置は、デフケースと、該デフケースに支持され、第1軸及び第1軸に直交する第2軸上に配置された複数のピニオンシャフトと、それらピニオンシャフトにそれぞれ回転自在に支持され、第1軸上に配置された第1ピニオンギヤ(311)及び第2ピニオンギヤ(321)、及び第2軸上に配置された第3ピニオンギヤ(331)及び第4ピニオンギヤ(341)と、第1乃至第4ピニオンギヤ(311,321,331,341)に噛合され、第1乃至第4ピニオンギヤ(311,321,331,341)に向けて予圧されている第1サイドギヤ及び第2サイドギヤ(521)とを備えている。そして、第1サイドギヤ及び第2サイドギヤ(521)の歯数は、Nを整数として4N+2となるように構成されている。

Description

この技術は、第1乃至第4ピニオンギヤにそれぞれ噛合する第1サイドギヤ及び第2サイドギヤを備えたディファレンシャル装置に関する。
従来、車両には、左右車輪或いは前後輪の回転数差を吸収しつつ回転伝達を行うディファレンシャル装置が搭載されている。一般的にディファレンシャル装置には、デフケースに支持された複数のピニオンシャフトと、それらピニオンシャフトに回転自在に支持された複数のピニオンギヤと、それらピニオンギヤに噛合する2つのサイドギヤとを備えており、それらサイドギヤがそれぞれドライブシャフト等の駆動軸に駆動連結される構造を有している。
また、ディファレンシャル装置の中には、デフケースとサイドギヤとの間に皿ばねを配置し、サイドギヤをピニオンギヤに付勢するように与圧することで、バックラッシを低減し、かつ作動制限を可能にするものも提案されている(特許文献1参照)。
特開2015−137702号公報
ところで、サイドギヤには、ピニオンギヤとの噛合により駆動力を伝達する際、ピニオンギヤからサイドギヤにドライブシャフトの軸方向に押圧する押圧力が作用し、かつ噛合いする歯同士の位相によってその押圧力が変動する。その結果、ピニオンギヤからの押圧力と皿ばねの付勢力とが交互に入れ替わる、いわゆるハンチングのような状態となり、つまりサイドギヤが上記軸方向に振動し、位相によっては傾斜して首振り状態になることになる。特にその押圧力の変動する範囲内に皿ばねの付勢力が入ると、サイドギヤの上記軸方向の振動が顕著となる。ピニオンギヤからサイドギヤに伝達する駆動力が変化する以上、このような振動の発生を無くすことは困難であるが、振動の振幅が大きいとガタつき音等も大きくなり、ディファレンシャル装置からの騒音が大きくなってしまう虞がある。また、サイドギヤが首振り状態となると、片当りによる摩耗等が生じる虞もあり、耐久性の向上の妨げとなる。なお、サイドギヤに対する軸方向への付勢力としては、ディファレンシャル装置の車両の搭載状態でドライブシャフトから付勢されたり、他の要因(公差、熱変形、潤滑圧等)により付勢されたりすることもあり、皿ばねによる付勢力に限るものではない。
そこで、サイドギヤが首振り状態となることを防止し、かつサイドギヤの振動の振幅を低減することが可能なディファレンシャル装置を提供することを目的とするものである。
本ディファレンシャル装置は、
動力伝達機構からの回転が伝達されるデフケースと、
前記デフケースに支持され、第1軸及び前記第1軸に直交する第2軸上に配置された複数のピニオンシャフトと、
前記複数のピニオンシャフトにそれぞれ回転自在に支持され、前記第1軸上に配置された第1ピニオンギヤ及び第2ピニオンギヤ、及び前記第2軸上に配置された第3ピニオンギヤ及び第4ピニオンギヤと、
前記第1軸及び前記第2軸と直交する第3軸上にあって、それぞれ前記第1乃至第4ピニオンギヤに噛合され、かつそれぞれ駆動軸が挿入されて駆動連結され、前記第1乃至第4ピニオンギヤに向けて前記第3軸の方向に向かって予圧されている第1サイドギヤ及び第2サイドギヤと、を備え、
前記第1サイドギヤ及び第2サイドギヤの歯数は、Nを整数として4N+2となるように構成された。
これにより、第1ピニオンギヤ及び第2ピニオンギヤと第1サイドギヤ及び第2サイドギヤとの噛合の位相と、第3ピニオンギヤ及び第4ピニオンギヤと第1サイドギヤ及び第2サイドギヤとの噛合の位相とが逆位相となり、首振り状態を防止することができるものでありながら、第1サイドギヤ及び第2サイドギヤの振動の振幅を低減することができる。
第1の実施の形態に係る車両の駆動系を示す模式図。 第1の実施の形態に係るディファレンシャル装置を示す断面図。 第1の実施の形態に係るデフケース本体の部分をドライブシャフトの軸方向から視た軸方向視図。 第1の実施の形態に係る第1乃至第4ピニオンギヤと第2サイドギヤとの歯数を示す模式図。 第1の実施の形態に係る第2デフケースに対する第2サイドギヤの振幅を説明する図。 第2の実施の形態に係る第1乃至第4ピニオンギヤと第2サイドギヤとの歯数を示す模式図。 第1の比較例に係る第1乃至第4ピニオンギヤと第2サイドギヤとの歯数を示す模式図。 第1の比較例に係る第2デフケースに対する第2サイドギヤの振幅を説明する図。 第2の比較例に係る第1乃至第4ピニオンギヤと第2サイドギヤとの歯数を示す模式図。 第2の比較例に係る第2デフケースに対する第2サイドギヤの振幅を説明する図。
<第1の実施の形態>
以下、本第1の実施の形態を図1乃至図4を用いて説明する。図1は本実施の形態に係る車両の駆動系を示す模式図、図2は本実施の形態に係るディファレンシャル装置を示す断面図、図3は本実施の形態に係るデフケース本体の部分をドライブシャフトの軸方向から視た軸方向視図、図4Aは第1の実施の形態に係る第1乃至第4ピニオンギヤと第2サイドギヤとの歯数を示す模式図、図4Bは第1の実施の形態に係る第2デフケースに対する第2サイドギヤの振幅を説明する図である。
[車両駆動系の構成]
まず、図1を用いて、本第1の実施の形態に係るディファレンシャル装置1が搭載される車両100の駆動系の構成について説明する。図1に示すように、車両100は、例えばFF(フロントエンジン・フロントドライブ)タイプ等のエンジン出力軸が車両進行方向に対して横置きの車両であり、駆動源としてのエンジン101と、そのエンジン101の出力回転を変速する車両用伝動装置としての自動変速機102と、自動変速機102に備えられたディファレンシャル装置1に駆動連結されるドライブシャフト131,132,133と、ドライブシャフト131を介してディファレンシャル装置1からの回転が伝達される左側の車輪120lと、ドライブシャフト132,133を介してディファレンシャル装置1からの回転が伝達される右側の車輪120rと、を備えて構成されている。また、ドライブシャフト132は、例えばエンジン101に固定されたセンターベアリング110により回転自在にかつ軸方向に移動不能に支持されている。なお、センターベアリング110は、エンジン101に固定されるのではなく、車体のフレーム等に固定されていてもよい。
自動変速機102は、内部に油が封入されており、その油を不図示のオイルポンプで吸入して発生させた油圧を、油圧制御装置(不図示)により潤滑圧に調圧し、動力伝達機構としての変速機構103やディファレンシャル装置1に供給する。詳しくは後述するディファレンシャル装置1は、ドライブシャフト131,132が挿入されることでシールされる、いわゆる開放型のディファレンシャル装置で構成されている。なお、例えばグリス等を封入して潤滑するディファレンシャル装置に比して、自動変速機102の油を潤滑油として供給するため、潤滑性能が高いディファレンシャル装置1となっており、耐久性の向上が図られている。
車両100の駆動系を製造する製造時には、エンジン101が不図示のエンジンマウント等により車体のフレームに設置され、センターベアリング110にドライブシャフト132が組付けられた状態で、ディファレンシャル装置1を有する自動変速機102がエンジン101に対して組付けられると共に、ドライブシャフト132がディファレンシャル装置1に挿入されて駆動連結される。その後、ドライブシャフト133がドライブシャフト133に駆動連結され、一方で、ドライブシャフト131がディファレンシャル装置1に挿入されて駆動連結される。そして、車輪120l,120rは、ドライブシャフト131,133に駆動連結されたロータハブに対して取付けられる。
[ディファレンシャル装置の構成]
ついで、ディファレンシャル装置1の構成について図2及び図3を用いて説明する。図2に示すように、ディファレンシャル装置1は、大まかに、自動変速機102(図1参照)の変速機構103のカウンタシャフトに駆動連結されるデフリングギヤ40と、該デフリングギヤ40が固着されるデフケース10と、該デフケース10に内包される差動機構14と、を備えて構成されている。
デフリングギヤ40は、上述したドライブシャフト131,132(図1参照)の軸方向の中心である第3軸AX3を中心とする円筒状に形成され、外周側に歯面41が形成された歯部43と、歯部43の軸方向の長さよりも短い厚みで歯部43の内周側に延びる中空円板状に形成される中空円板部44とを有して構成されており、歯部43と中空円板部44とによって断面視でT字状となるように構成されている。歯面41は、複数の歯の間で凹んだ歯底41aが最も内周側の位置となるように構成されている。また、デフリングギヤ40は、中空円板部44の内周側の端面40aが、後述するデフケース10を構成する第2デフケース12の外周側の端面12eに嵌合して支持される。また、中空円板部44にはボルト91が貫通可能な貫通孔40bが形成されており、後述するデフケース10に対してボルト91によって締結されて一体に固定される。
デフケース10は、大まかに、差動機構14を内包する中空円筒の第1デフケース11と、第1デフケース11に一体に固定され、差動機構14を閉じ込める中空円板状の第2デフケース12と、を有して構成されている。詳細には、デフケース10は、第2デフケース12に形成された貫通孔12aと、第1デフケース11に形成されたボルト孔11aとに、ボルト91が貫通してボルト孔11aの雌ネジにボルト91の雄ネジが螺合されることで、上述したデフリングギヤ40と共にデフケース10として一体になるように固定される。
なお、第2デフケース12と自動変速機102のケース(不図示)との間にはベアリングB2が配置され、第1デフケース11と自動変速機102のケース(不図示)との間にはベアリングB1が配置され、つまりデフケース10は、自動変速機102のケース(不図示)に対して回転自在に支持されている。なお、自動変速機102のケースには、潤滑油を吐出して供給する吐出口としての油路150が形成されており、第2デフケース12に形成された貫通孔12dから差動機構14に向けて潤滑油を矢印Aに示すように供給し、差動機構14の内部に潤滑油を供給するように構成されている。
上記差動機構14は、大まかに、第1ピニオンシャフト21と、第2ピニオンシャフト22(図3参照)と、第3ピニオンシャフト23(図3参照)と、第1ピニオンギヤ31と、第2ピニオンギヤ32と、第3ピニオンギヤ33(図3参照)と、第4ピニオンギヤ34(図3参照)と、第1サイドギヤ51と、第2サイドギヤ52と、ホルダ部材70とを有して構成されている。
第1ピニオンシャフト21は、第1デフケース11に形成された支持孔11H1,11H2に嵌合されて両端が支持されると共に第1デフケース11に形成された穴11b,11cに挿入されたピン81,82により抜け止めされ、かつ第3軸AX3及び後述の第2軸AX2と直交する位置関係にある第1軸AX1上に配置されており、つまり第1ピニオンシャフト21は第1軸AX1上においてデフケース10の内部に架け渡されている。そして、第1ピニオンシャフト21の外周には、第1ピニオンギヤ31と第2ピニオンギヤ32とが回転自在に支持されている。なお、第1デフケース11と第2デフケース12とがボルト91で締結されることで、ピン81,82は、第2デフケース12に形成された押え部12bにより第1デフケース11に対して押えられて抜け止めされている。
また、第2ピニオンシャフト22は、図3に示すように、第1デフケース11に形成された支持孔(不図示)に嵌合されて一端が支持されると共に第1デフケース11に形成された穴11dに挿入されたピン83により抜け止めされている。さらに、第3ピニオンシャフト23は、第1デフケース11に形成された支持孔(不図示)に嵌合されて一端が支持されると共に第1デフケース11に形成された穴11eに挿入されたピン84により抜け止めされている。また、第2ピニオンシャフト22及び第3ピニオンシャフト23は、第1軸AX1及び第3軸AX3と直交する位置関係にある第2軸AX2上に配置されており、第2軸AX2上において第1ピニオンシャフト21を挟んで両側に配置されている。そして、第2ピニオンシャフト22の外周には第3ピニオンギヤ33が、第3ピニオンシャフト23の外周には第4ピニオンギヤ34が、それぞれ回転自在に支持されている。なお、同様に、第1デフケース11と第2デフケース12とがボルト91で締結されることで、ピン83,84は、第2デフケース12に形成された押え部12bにより第1デフケース11に対して押えられて抜け止めされている。
なお、第1ピニオンシャフト21の外周にあって、第1軸AX1の方向における第1ピニオンギヤ31と第2ピニオンギヤ32との間で、かつ第2ピニオンシャフト22の他端の外周及び第3ピニオンシャフト23の他端の外周にあって、第2軸AX2の方向における第3ピニオンギヤ33と第4ピニオンギヤ34との間には、詳しくは後述するホルダ部材70が配置されている。
一方、図3に示すように、上記第1ピニオンギヤ31には詳しくは後述する歯数のかさ歯31aが形成されており、また、上記第2ピニオンギヤ32には詳しくは後述する歯数のかさ歯32aが形成されている。さらに、上記第3ピニオンギヤ33には詳しくは後述する歯数のかさ歯33aが形成されており、また、上記第4ピニオンギヤ34には詳しくは後述する歯数のかさ歯34aが形成されている。そして、図2に示すように、それらかさ歯31a,32a,33a,34aに、第1軸AX1の軸方向一方側(エンジン101側であって、例えば車両100の進行方向に向かって右側)から、第1サイドギヤ51のかさ歯51aが噛合するように第1サイドギヤ51が配置されており、また、それらかさ歯31a,32a,33a,34aに、第1軸AX1の軸方向他方側(エンジン101と反対側であって、例えば車両100の進行方向に向かって左側)から、第2サイドギヤ52のかさ歯52aが噛合するように第2サイドギヤ52が配置されている。
第1サイドギヤ51及び第2サイドギヤ52は、上述したドライブシャフト131,132が嵌合される嵌合穴51H,52Hをそれぞれ有している。詳細には、嵌合穴51Hの周面にはスプライン51sが形成されており、第1デフケース11に形成された貫通孔11Hを介してドライブシャフト132のスプライン(不図示)が第1サイドギヤ51のスプライン51sに挿入されてスプライン嵌合することで駆動連結される。また、嵌合穴51Hの周面には溝51Dが形成されており、ドライブシャフト132に取付けられたサークリップ(不図示)に係合して、第1サイドギヤ51に対するドライブシャフト132の抜け止めがなされている。さらに同様に、嵌合穴52Hの周面にはスプライン52sが形成されており、第2デフケース12に形成された貫通孔12Hを介してドライブシャフト131のスプライン(不図示)が第2サイドギヤ52のスプライン52sに挿入されてスプライン嵌合することで駆動連結される。また同様に、嵌合穴52Hの周面には溝52Dが形成されており、ドライブシャフト131に取付けられたサークリップ(不図示)に係合して、第2サイドギヤ52に対するドライブシャフト131の抜け止めがなされている。これにより、第1サイドギヤ51は右側の車輪120rに、第2サイドギヤ52は左側の車輪120lに駆動連結される。なお、上述したように、本ディファレンシャル装置1は、ドライブシャフト131,132が嵌合穴51H,52Hに挿入されて塞がれることで油の密封状態が達成される。
また、第1サイドギヤ51と第1デフケース11との第3軸AX3の方向の間には第1付勢部材としての皿ばね61が配置されており、第1サイドギヤ51は第1乃至第4ピニオンギヤ31,32,33,34に向かって付勢されている。同様に、第2デフケース12には、第3軸AX3の方向に延びる円筒部12cが形成されており、第2サイドギヤ52と第2デフケース12の円筒部12cとの第3軸AX3の方向の間には第2付勢部材としての皿ばね62が配置されて、第2サイドギヤ52は第1乃至第4ピニオンギヤ31,32,33,34に向かって付勢されている。これにより、第1サイドギヤ51及び第2サイドギヤ52と、第1乃至第4ピニオンギヤ31,32,33,34との噛合部分が与圧され、差動制限の設定が可能となり、かつバックラッシの低減が図られて、車両100の直進安定性も向上される。
一方、上述したホルダ部材70は、円筒状に形成された周壁70aを有しており、周壁70aには、第1ピニオンシャフト21が挿入されて嵌合する貫通孔70H1,70H2を含む4つの貫通孔が形成されている。即ち、ホルダ部材70の不図示の2つの貫通孔に第2ピニオンシャフト22と第3ピニオンシャフト23とが挿入されて嵌合され、つまりホルダ部材70は、4つの貫通孔によって第1乃至第3ピニオンシャフト21,22,23を互いに支持するように構成され、特に第2ピニオンシャフト22及び第3ピニオンシャフト23は第1デフケース11とホルダ部材70とにより両持ち支持のような構造となる。そのため、第1ピニオンシャフト21が第1デフケース11に架け渡されて両持ち支持の構造であることと相俟って、第1乃至第3ピニオンシャフト21,22,23の支持強度がホルダ部材70によって補強される。
また、ホルダ部材70は、周壁70aの一方側の側端部を塞ぐように繋ぐ側壁70bを有しており、周壁70aの他方側の側端部の内周側にはドライブシャフト131(図1参照)が貫通可能なシャフト貫通孔としての貫通孔70H3が形成されている。
このように構成されたホルダ部材70は、貫通孔70H1,70H2,70H3を形成するといった加工が必要となるため、焼き入れ等の硬化処理を施すことが困難であるが、周壁70aの側端部を塞ぐように繋ぐ側壁70bが備えられているため、構造体として剛性が強くなり、第1乃至第3ピニオンシャフト21,22,23の支持強度が向上し、第1乃至第4ピニオンギヤ31,32,33,34の支持精度が向上するため、ギヤノイズの低減、耐久性の向上等が図られている。
また、ディファレンシャル装置1にドライブシャフト131,132が嵌合される際、つまり車両100に自動変速機102が組付けられる際には、第1サイドギヤ51の嵌合穴51Hにドライブシャフト132が挿入されるが、ドライブシャフト132は上述したようにセンターベアリング110により軸方向に移動不能に支持されていて(位置決めされていて)、エンジン101に自動変速機102が位置合わせされる際に、ドライブシャフト132がホルダ部材70の側壁70bに衝突する虞がなく、ホルダ部材70を変形させる虞がない。
一方、第2サイドギヤ52の嵌合穴52Hにドライブシャフト131が挿入される際は、ドライブシャフト131が軸方向に位置決めされていないため、第1ピニオンシャフト21に突き当たるまで挿入されることになるが、ホルダ部材70と異なり、第1ピニオンシャフト21は焼き入れ等の硬化処理を施すことができるため、第1ピニオンシャフト21はホルダ部材70よりも強度が高く、第1ピニオンシャフト21が変形する虞はない。従って、ホルダ部材70の第2サイドギヤ52の側に側壁が無く、貫通孔70H3が形成されていることで、ホルダ部材70の変形は生じないことになる。
そして、上述したように、自動変速機102のケースには油路150が形成されており、第2デフケース12に形成された貫通孔12dから差動機構14に向けて潤滑油が強制的に供給される。この潤滑油は、ホルダ部材70に貫通孔70H3が形成されていることで、ホルダ部材70の内部まで供給され、車両100の走行時にホルダ部材70が回転されると、側壁70bの内面に沿って遠心力により外周側に導かれる。このため、ホルダ部材70の内部から、4つの貫通孔(貫通孔70H1,70H2を含む)に向けて潤滑油が導かれ、それら貫通孔と第1乃至第3ピニオンシャフト21,22,23との間、第1乃至第3ピニオンシャフト21,22,23と第1乃至第4ピニオンギヤ31,32,33,34との間、さらには、第1乃至第4ピニオンギヤ31,32,33,34と第1及び第2サイドギヤ51,52との噛合部分に潤滑油を供給することができる。従って、ホルダ部材70の側壁70bは、潤滑油のレシーバーとしての機能と外周側に潤滑油を導く案内路としての機能を有することになり、ディファレンシャル装置1の潤滑性能を向上することができている。
以上のように構成されたディファレンシャル装置1は、デフリングギヤ40がデフケース10と一体的に固定されて連結されているため、デフリングギヤ40に回転が入力されると、そのままデフケース10が回転し、第1乃至第3ピニオンシャフト21,22,23もデフケース10と一体的に回転される。第1乃至第3ピニオンシャフト21,22,23は、第1乃至第4ピニオンギヤ31,32,33,34を公転回転させると共に、第1及び第2サイドギヤ51,52に差回転が生じた場合は第1乃至第3ピニオンシャフト21,22,23を中心に自転回転しつつ差回転を吸収して、それら第1及び第2サイドギヤ51,52に第1乃至第4ピニオンギヤ31,32,33,34の公転回転を伝達する。これにより、ドライブシャフト131,132,133を介して左右の車輪に回転が伝達されることになる。
[ピニオンギヤの歯数とサイドギヤの歯数について]
続いて、ピニオンギヤ(PG)の歯数とサイドギヤ(SG)の歯数との関係によるサイドギヤの振動について説明する。まず、第1の比較例として、サイドギヤ252の歯数が偶数(例えば16)で、かつピニオンギヤ231,232の歯数も偶数(例えば10)である場合について、図6A及び図6Bを用いて説明する。なお、第1の比較例においては、ディファレンシャル装置に2つのピニオンギヤ231,232が備えられたものであり、2つのピニオンギヤ231,232とサイドギヤ252とが軸方向に直線上に並んで配置されたものである。
第1の比較例においては、図6Aに示すように、サイドギヤ252の歯数が偶数であり、2つのピニオンギヤ231,232の歯数も偶数であるため、ピニオンギヤ231の中心にサイドギヤ252の歯のうちの1つが向いた場合、サイドギヤ252の歯のうちの他の1つがピニオンギヤ232の中心に向くことになる。そのため、図6Bに示すように、2つのピニオンギヤ231,232からサイドギヤ252に駆動力を回転伝達する際にあって、サイドギヤ252をドライブシャフト131の側、つまり皿ばね62を圧縮する側に押圧して移動する場合、サイドギヤ252のピニオンギヤ231との噛合位置X1と、サイドギヤ252のピニオンギヤ232との噛合位置X2とにおける押圧力PX1,PX2の位相は同位相となる。このため、サイドギヤ252がドライブシャフト131の軸方向に対して傾斜することはないが、サイドギヤ252の回転に伴う軸方向の振動の振幅W2は大きくなる。
なお、上記噛合位置X1,X2は、説明の便宜上、1点を示しているが、噛合している歯同士で作用する力の略中心を便宜的に簡略化して示したものであり、特にこの一点の位置に限定されるものではない。
次に、第2の比較例として、サイドギヤ352の歯数が奇数(例えば13)で、かつピニオンギヤ331,332の歯数も奇数(例えば9)である場合について、図7A及び図7Bを用いて説明する。なお、第2の比較例においても、ディファレンシャル装置に2つのピニオンギヤ331,332が備えられたものであり、2つのピニオンギヤ331,332とサイドギヤ352とが軸方向に直線上に並んで配置されたものである。
第2の比較例においては、図7Aに示すように、サイドギヤ352の歯数が奇数であり、2つのピニオンギヤ331,332の歯数も奇数であるため、ピニオンギヤ331の中心にサイドギヤ352の歯のうちの1つが向いた場合、サイドギヤ352の歯のうちの他の何れの歯もピニオンギヤ332の中心には向かないことになる。そのため、図7Bに示すように、2つのピニオンギヤ331,332からサイドギヤ352に駆動力を回転伝達する際にあって、サイドギヤ352をドライブシャフト131の側、つまり皿ばね62を圧縮する側に押圧して移動する場合、サイドギヤ352のピニオンギヤ331との噛合位置X1と、サイドギヤ352のピニオンギヤ332との噛合位置X2とにおける押圧力PX1,PX2の位相は180度ずれた位相となる。このため、サイドギヤ352の回転に伴う軸方向の振動の振幅W3は、上記第1の比較例の振幅W2よりも小さくなるが、サイドギヤ352がドライブシャフト131の軸方向に対して傾斜し、いわゆる首振りする状態となる。
ついで、本第1の実施の形態における第1乃至第4ピニオンギヤ31,32,33,34の歯数と第2サイドギヤ52の歯数とについて説明する。なお、以下の説明において、後述する第2の実施の形態と区別するため、第1の実施の形態においては、符号の添え字を付して、第1乃至第4ピニオンギヤ31,32,33,34、第2サイドギヤ52と表記する。また、以下の説明においては、第1乃至第4ピニオンギヤ31,32,33,34と第2サイドギヤ52との噛合を例にして説明するが、勿論、第1乃至第4ピニオンギヤ31,32,33,34と第1サイドギヤ51との噛合も同様である。
本第1の実施の形態においては、図4Aに示すように、第2サイドギヤ52の歯数が4N+2であり、換言すると、4の倍数ではない偶数であって、具体的には歯数が14で構成されている。また、第1乃至第4ピニオンギヤ31,32,33,34の歯数は、それぞれ同数で構成された奇数であり、第2サイドギヤ52の歯数を第1乃至第4ピニオンギヤ31,32,33,34の歯数で除算した際に整数とならない(割り切れない)ように構成され、具体的には歯数が9で構成されている。
このため、第1ピニオンギヤ31の中心に第2サイドギヤ52の歯のうちの1つの歯底が向いた場合、第2サイドギヤ52の歯のうちの他の1つの歯底が第2ピニオンギヤ32の中心に向くことになるが、第3ピニオンギヤ33の中心にサイドギヤ52の歯のうちの1つが向いた場合、第2サイドギヤ52の歯のうちの他の1つが第4ピニオンギヤ34の中心に向くことになる。
従って、図4Bに示すように、第1乃至第4ピニオンギヤ31,32,33,34から第2サイドギヤ52に駆動力を回転伝達する際にあって、第2サイドギヤ52をドライブシャフト131の側、つまり皿ばね62を圧縮する側に押圧して移動する場合、第2サイドギヤ52の第1ピニオンギヤ31との噛合位置X1と、第2サイドギヤ52の第2ピニオンギヤ32との噛合位置X2とにおける押圧力PX1,PX2の位相は同位相となり、第2サイドギヤ52の第3ピニオンギヤ33との噛合位置Y1と、第2サイドギヤ52の第4ピニオンギヤ34との噛合位置Y2とにおける押圧力PY1,PY2の位相は同位相となるが、押圧力PX1,PX2の位相と押圧力PY1,PY2の位相とは逆位相となる。
そのため、第2サイドギヤ52全体に生じる押圧力としては、押圧力PX1,PX2と押圧力PY1,PY2とが互いに打消しあう関係となり、かつ押圧力PX1と押圧力PX2とが第2サイドギヤ52の中心に対して対象の位置にあると共に、押圧力PY1と押圧力PY2とが第2サイドギヤ52の中心に対して対象の位置にあるので、第2サイドギヤ52の周方向に対して均等な位置関係で押圧力PX1,PX2,PY1,PY2が作用し、第2サイドギヤ52に傾斜方向の力が生じない。このため、第2サイドギヤ52がドライブシャフト131の軸方向に対して傾斜することもなく、首振り状態の発生が防止され、第2サイドギヤ52の回転に伴う軸方向の振動の振幅W1は上記第1の比較例の振幅W2に比して低減される。
また、第1乃至第4ピニオンギヤ31,32,33,34の歯数が、第2サイドギヤ52の歯数で除算した際に整数となる場合(例えばピニオンギヤの歯数が7でサイドギヤの歯数が14等)は、ピニオンギヤが一回転した際に同じ歯同士が繰り返し圧接されることになり、僅かな製造誤差や異物の付着などにより凹凸が生じていた場合に、同じ噛合箇所だけに負荷がかかることになってしまう虞がある。しかしながら、第1乃至第4ピニオンギヤ31,32,33,34の歯数は、第2サイドギヤ52の歯数で除算した際に整数とならないように構成されているため、同じ歯同士だけが圧接されることなく、つまり噛合箇所が遷移していき、全体として負荷が分散されるので、耐久性の向上を図ることが可能となっている。
なお、上述と同様に、上記噛合位置X1,X2,Y1,Y2は、説明の便宜上、1点を示しているが、噛合している歯同士で作用する力の略中心を便宜的に簡略化して示したものであり、特にこの一点の位置に限定されるものではない。
<第2の実施の形態>
ついで、上記第1の実施の形態を一部変更した第2の実施の形態について図5を用いて説明する。図5は第2の実施の形態に係る第1乃至第4ピニオンギヤと第2サイドギヤとの歯数を示す模式図である。なお、本第2の実施の形態の説明においては、上記第1の実施の形態と同様な部分に同符号を付して、その説明を省略する。
本第2の実施の形態に係るディファレンシャル装置1は、上記第1の実施の形態に比して、第2サイドギヤ52の歯数を変更したものである。即ち、図5に示すように、同様に第2サイドギヤ52の歯数が4N+2であり、4の倍数ではない偶数であって、具体的には歯数が18で構成されている。また、第1乃至第4ピニオンギヤ31,32,33,34の歯数は、それぞれ同数で構成された奇数であり、具体的には歯数が9で構成されている。
このように構成された第2の実施の形態においても、第2サイドギヤ52全体に生じる押圧力としては、押圧力PX1,PX2と押圧力PY1,PY2とが互いに打消しあう関係となり(図4B参照)、かつ押圧力PX1と押圧力PX2とが第2サイドギヤ52の中心に対して対象の位置にあると共に、押圧力PY1と押圧力PY2とが第2サイドギヤ52の中心に対して対象の位置にあるので、第2サイドギヤ52の周方向に対して均等な位置関係で押圧力PX1,PX2,PY1,PY2が作用し、第2サイドギヤ52に傾斜方向の力が生じない。このため、第2サイドギヤ52がドライブシャフト131の軸方向に対して傾斜することもなく、首振り状態の発生が防止され、第2サイドギヤ52の回転に伴う軸方向の振動の振幅W1は上記第1の比較例の振幅W2に比して低減される。
[第1及び第2の実施の形態のまとめ]
本ディファレンシャル装置(1)は、
動力伝達機構(103)からの回転が伝達されるデフケース(10)と、
前記デフケース(10)に支持され、第1軸(AX1)及び前記第1軸(AX1)に直交する第2軸(AX2)上に配置された複数のピニオンシャフト(21,22,23)と、
前記複数のピニオンシャフト(21,22,23)にそれぞれ回転自在に支持され、前記第1軸(AX1)上に配置された第1ピニオンギヤ(31)及び第2ピニオンギヤ(32)、及び前記第2軸(AX2)上に配置された第3ピニオンギヤ(33)及び第4ピニオンギヤ(34)と、
前記第1軸(AX1)及び前記第2軸(AX2)と直交する第3軸(AX3)上にあって、それぞれ前記第1乃至第4ピニオンギヤ(31,32,33,34)に噛合され、かつそれぞれ駆動軸(131,132)が挿入されて駆動連結され、前記第1乃至第4ピニオンギヤ(31,32,33,34)に向けて前記第3軸(AX3)の方向に向かって予圧されている第1サイドギヤ(51)及び第2サイドギヤ(52)と、を備え、
前記第1サイドギヤ(51)及び第2サイドギヤ(52)の歯数は、Nを整数として4N+2となるように構成された。
これにより、予圧による付勢力と、第1サイドギヤ51及び第2サイドギヤ52と、第1乃至第4ピニオンギヤ31,32,33,34との間で駆動力を伝達する際に生じる押圧力とがハンチングする虞があるが、第1ピニオンギヤ31及び第2ピニオンギヤ32と第1サイドギヤ51及び第2サイドギヤ52との噛合の位相と、第3ピニオンギヤ33及び第4ピニオンギヤ34と第1サイドギヤ51及び第2サイドギヤ52との噛合の位相とが逆位相となり、首振り状態を防止することができるものでありながら、第1サイドギヤ51及び第2サイドギヤ52の振動の振幅を低減することができる。
また、本ディファレンシャル装置(1)は、
前記第1サイドギヤ(51)及び前記第2サイドギヤ(52)をそれぞれ前記第1乃至第4ピニオンギヤ(31,32,33,34)に向けて付勢することで前記予圧をする第1付勢部材(61)及び第2付勢部材(62)を備えた。
これにより、第1サイドギヤ51及び第2サイドギヤ52と、第1乃至第4ピニオンギヤ31,32,33,34との噛合部分が与圧されるので、差動制限の設定が可能となり、かつバックラッシの低減が図られて、車両100の直進安定性も向上することができる。
また、本ディファレンシャル装置(1)は、
前記第1乃至第4ピニオンギヤ(31,32,33,34)の歯数は、それぞれ同数で構成され、かつ前記第1サイドギヤ(51)及び前記第2サイドギヤ(52)の歯数を除算した際に整数とならないように構成された。
これにより、例えば第1(乃至第4)ピニオンギヤの歯数で、第1サイドギヤ(及び第2サイドギヤ)の歯数を除算した際に整数となる場合は、ピニオンギヤとサイドギヤが回転した際に同じ歯同士が噛合することになり、同じ噛合箇所だけに負荷がかかる虞があるが、例えば第1(乃至第4)ピニオンギヤの歯数で、第1サイドギヤ(及び第2サイドギヤ)の歯数を除算した際に整数にならないので、第1乃至第4ピニオンギヤ31,32,33,34と第1及び第2サイドギヤ51,52とが回転した際に、同じ噛合箇所だけに負荷がかかることが防止され、全体として負荷が分散されるので、耐久性の向上を図ることができる。
そして、本ディファレンシャル装置(1)は、
前記第1乃至第4ピニオンギヤの歯数は、9であり、
前記第1サイドギヤ及び前記第2サイドギヤの歯数は、14である。
これにより、首振り状態を防止することができるものでありながら、第1サイドギヤ51及び第2サイドギヤ52の振動の振幅を低減することができるディファレンシャル装置を提供することができる。
[他の実施の形態の可能性]
なお、以上説明した第1及び第2の実施の形態においては、第1乃至第4ピニオンギヤ31,32,33,34の歯数が奇数であるものについて説明したが、勿論、偶数であっても構わない。
また、第1の実施の形態においては、第1乃至第4ピニオンギヤ31,32,33,34の歯数が9であるものを説明したが、例えば歯数が8又は10であってもよい。
また、第2の実施の形態においては、第1乃至第4ピニオンギヤ31,32,33,34の歯数が9であるものを説明したが、第2サイドギヤ52の歯数が18であるため、割り切れないように第1乃至第4ピニオンギヤ31,32,33,34の歯数を8又は10にすることが好ましい。これにより、ピニオンギヤの歯数でサイドギヤの歯数を除算した際に整数にならないので、第1乃至第4ピニオンギヤ31,32,33,34と第1及び第2サイドギヤ51,52とが回転した際に、同じ噛合箇所だけに負荷がかかることが防止され、全体として負荷が分散されるので、耐久性の向上を図ることができる。
また、第1及び第2の実施の形態においては、第1及び第2サイドギヤ51,52を第1乃至第4ピニオンギヤ31,32,33,34に付勢して予圧するものとして、皿ばね61,62を用いたものを説明したが、これに限らず、例えばコイルスプリングなど、予圧することができるものであれば、どのようなものであっても構わない。また、予圧するものとして、第1付勢部材及び第2付勢部材をディファレンシャル装置1に備えているものを説明したが、これに限らず、ドライブシャフト131,132をディファレンシャル装置1に向けて付勢する構造であっても構わない。さらに、第1及び第2サイドギヤ51,52を第1乃至第4ピニオンギヤ31,32,33,34に付勢して予圧するものを説明したが、これに限らず、第1及び第2サイドギヤ51,52をデフケース10に向かって付勢することで予圧するものでもよく、つまり第3軸AX3の方向に予圧するものであればどのようなものでも構わない。
また、第1及び第2の実施の形態においては、デフリングギヤ40、第1デフケース11、第2デフケース12をボルトによって一体に締結するものを説明したが、例えばデフリングギヤと第2デフケースとが一体形成されていてもよく、さらには、これらを溶接により固定してもよく、これらの形状や一体化の手法はどのようなものであっても構わない。
また、第1及び第2の実施の形態においては、ディファレンシャル装置1が自動変速機102に搭載されているものとして説明したが、別体に搭載されているものであっても構わず、例えばセンターデフ、リヤデフ等、どのようなディファレンシャル装置であっても構わない。
また、第1及び第2の実施の形態においては、ドライブシャフト131,132が挿入されて油がシールされるものを説明したが、嵌合穴51H,52Hが塞がれていて油がシールされているディファレンシャル装置であっても構わない。この場合、ドライブシャフトがホルダ部材に衝突することはないが、側壁が潤滑油の供給を案内して潤滑性能を向上する点、ホルダ部材の剛性を向上する点は同じである。
また、第1及び第2の実施の形態においては、車両用伝動装置が自動変速機であるものを一例として説明したが、勿論、回転電機を搭載してエンジンと共に駆動源として用いるハイブリッド駆動装置であってもよく、さらには、回転電機だけを搭載し、回転電機の回転速度を変速するような車両用伝動装置であっても構わない。また特に、シリーズ方式或いはシリーズパラレル方式のハイブリッド駆動装置や車両用伝動装置である場合、動力伝達機構は回転電機の回転を減速する減速機構が動力伝達機構に相当することが考えられる。
本ディファレンシャル装置は、車両に搭載される自動変速機、ハイブリッド駆動装置、車両用伝動装置等に内蔵或いは駆動連結されて用いることが可能であり、特にサイドギヤの振動の振幅を低減することが求められるものに用いて好適である。
1…ディファレンシャル装置
10…デフケース
21…ピニオンシャフト
22…ピニオンシャフト
23…ピニオンシャフト
31…第1ピニオンギヤ
32…第2ピニオンギヤ
33…第3ピニオンギヤ
34…第4ピニオンギヤ
51…第1サイドギヤ
52…第2サイドギヤ
61…第1付勢部材(皿ばね)
62…第2付勢部材(皿ばね)
103…動力伝達機構(変速機構)
131…駆動軸(ドライブシャフト)
132…駆動軸(ドライブシャフト)
AX1…第1軸
AX2…第2軸
AX3…第3軸

Claims (4)

  1. 動力伝達機構からの回転が伝達されるデフケースと、
    前記デフケースに支持され、第1軸及び前記第1軸に直交する第2軸上に配置された複数のピニオンシャフトと、
    前記複数のピニオンシャフトにそれぞれ回転自在に支持され、前記第1軸上に配置された第1ピニオンギヤ及び第2ピニオンギヤ、及び前記第2軸上に配置された第3ピニオンギヤ及び第4ピニオンギヤと、
    前記第1軸及び前記第2軸と直交する第3軸上にあって、それぞれ前記第1乃至第4ピニオンギヤに噛合され、かつそれぞれ駆動軸が挿入されて駆動連結され、前記第1乃至第4ピニオンギヤに向けて前記第3軸の方向に向かって予圧されている第1サイドギヤ及び第2サイドギヤと、を備え、
    前記第1サイドギヤ及び第2サイドギヤの歯数は、Nを整数として4N+2となるように構成された、
    ディファレンシャル装置。
  2. 前記第1サイドギヤ及び前記第2サイドギヤをそれぞれ前記第1乃至第4ピニオンギヤに向けて付勢することで前記予圧をする第1付勢部材及び第2付勢部材を備えた、
    請求項1に記載のディファレンシャル装置。
  3. 前記第1乃至第4ピニオンギヤの歯数は、それぞれ同数で構成され、かつ前記第1サイドギヤ及び前記第2サイドギヤの歯数を除算した際に整数とならないように構成された、
    請求項1または2に記載のディファレンシャル装置。
  4. 前記第1乃至第4ピニオンギヤの歯数は、9であり、
    前記第1サイドギヤ及び前記第2サイドギヤの歯数は、14である、
    請求項1乃至3の何れか1項に記載のディファレンシャル装置。
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