JPWO2020171173A1 - 顕微鏡システム、焦点調整プログラム、および焦点調整システム - Google Patents

顕微鏡システム、焦点調整プログラム、および焦点調整システム Download PDF

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Abstract

照射部(14)は、光軸(A1、A2)に対して非対称の形状の励起光(LB)を照射する。対物レンズ(20)は、ガラス部材(22C、22A)と測定対象領域(22B)とを含む測定対象部材(22)に励起光(LB)を集光する。検出部(30)は、励起光(LB)により測定対象領域(22B)から発せられた蛍光を受光する少なくとも1つ以上の受光部(31)を備え、各々の受光部(31)で受光した蛍光の強度値を示す蛍光信号を出力する。移動制御部(12C)は、蛍光信号に基づいて、対物レンズ(20)および測定対象部材(22)の少なくとも一方の移動量および移動方向を導出する導出部(12B)を備え、導出された移動量および移動方向に、対物レンズ(20)および測定対象部材(22)の少なくとも一方を移動させる。

Description

本開示は、顕微鏡システム、焦点調整プログラム、および焦点調整システムに関する。
光軸に対して非対称な形状の光を検体へ集光させ、集光レンズと検体との間隔変動を反射光の受光位置の変位として検出する技術が開示されている(例えば、特許文献1)。また、この受光位置の変位量を用いて集光レンズの焦点を合わせることで、焦点を容易に検体へ合わせる技術が開示されている。
特開平10−47918号公報
ここで、細胞などの検体の測定には、ガラス板で挟まれた検体を用いる場合がある。この場合、検体の存在する測定対象領域からの反射光に比べて、空気とガラス板との界面からの反射光が支配的となる。このため、従来では、ガラス板の表面に焦点が合ってしまい、ガラス板を介して配置された測定対象領域に容易に焦点を合わせることは困難であった。
そこで、本開示では、ガラス板を介して配置された測定対象領域に容易に焦点を合わせることができる、顕微鏡システム、焦点調整プログラム、および焦点調整システムを提案する。
上記の課題を解決するために、本開示に係る一形態の顕微鏡システムは、光軸に対して非対称の形状の励起光を照射する照射部と、ガラス部材と測定対象領域とを含む測定対象部材に前記励起光を集光する対物レンズと、前記励起光により前記測定対象領域から発せられた蛍光を受光する少なくとも1つ以上の受光部を備え、各々の前記受光部で受光した蛍光の強度値を示す蛍光信号を出力する検出部と、前記蛍光信号に基づいて、前記対物レンズおよび前記測定対象部材の少なくとも一方の移動量および移動方向を導出する導出部を備え、導出された前記移動量および前記移動方向に、前記対物レンズおよび前記測定対象部材の少なくとも一方を移動させる移動制御部と、を備える。
本開示の第1の実施形態に係る顕微鏡システムの一例を示す模式図である。 本開示の第1の実施形態に係る検出部の一例を示す模式図である。 本開示の第1の実施形態に係る検出部の一例を示す模式図である。 本開示の第1の実施形態に係る焦点調整装置12の機能的構成の一例を示す図である。 本開示の第1の実施形態に係る蛍光信号の一例を示す模式図である。 本開示の第1の実施形態に係る蛍光強度値のプロファイルの一例を示す模式図である。 本開示の第1の実施形態に係る実施例1の説明図である。 本開示の第1の実施形態に係る蛍光信号の一例を示す模式図である。 本開示の第1の実施形態に係る撮影画像の一例を示す模式図である。 本開示の第1の実施形態に係る移動量および移動方向の導出の説明図である。 本開示の第1の実施形態に係る情報処理の流れの一例を示すフローチャートである。 本開示の第1の実施形態に係る実施例2の説明図である。 本開示の第1の実施形態に係る蛍光信号の一例を示す模式図である。 本開示の第1の実施形態に係る撮影画像の一例を示す模式図である。 本開示の変形例1に係る顕微鏡システムの一例を示す模式図である 本開示の変形例2に係る顕微鏡システムの一例を示す模式図である。 本開示の変形例3に係る顕微鏡システムの一例を示す模式図である。 本開示の第2の実施形態に係る焦点調整装置の機能的構成の一例を示す図である。 本開示の第2の実施形態に係る蛍光信号の一例を示す模式図である。 本開示の第2の実施形態に係る移動方向および移動量の導出の一例を示す説明図である。 本開示の第2の実施形態に係る移動方向および移動量の導出の一例を示す説明図である。 本開示の第2の実施形態に係る情報処理の流れの一例を示すフローチャートである。 本開示の第3の実施形態に係る検出部の一例を示す模式図である。 本開示の第3の実施形態に係る焦点調整装置の機能的構成の一例を示す図である。 本開示の第3の実施形態に係る測定対象領域のイメージ図である。 本開示の第3の実施形態に係る蛍光信号の一例を示す模式図である。 本開示の第3の実施形態に係る単位領域の選択の説明図である。 本開示の第3の実施形態に係る情報処理の流れの一例を示すフローチャートである。 本開示の実施形態および変形例に係るハードウェア構成図である。
以下に、本開示の実施形態について図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の各実施形態において、同一の部位には同一の符号を付与し、重複する説明を省略する。
(第1の実施形態)
図1は、本実施形態の顕微鏡システム1の一例を示す模式図である。
顕微鏡システム1は、検体Sへ励起光LBを照射し、検体Sから発せられた蛍光を受光するシステムである。
顕微鏡システム1は、測定部10と、焦点調整装置12と、を備える。測定部10と焦点調整装置12とは、データまたは信号を授受可能に接続されている。
測定部10は、検体Sから発せられた蛍光を測定する光学機構を有する。測定部10は、例えば、光学顕微鏡に適用される。
測定部10は、照射部14と、励起フィルタ16と、ダイクロイックミラー18と、対物レンズ20と、測定対象部材22と、エミッションフィルタ24と、ハーフミラー26と、結像レンズ28と、検出部30と、結像レンズ32と、画像検出部34と、第1の駆動部36と、第2の駆動部38と、を備える。
照射部14は、励起光LBを照射する。励起光LBは、光軸に対して非対称の形状の光である。光軸とは、照射部14から測定対象部材22に到るまでの光軸(光軸A1および光軸A2)を示す。光軸に対して非対称な形状とは、光軸に対して直交する直交断面の光束の形状が、光軸を中心として非対称な形状であることを示す。なお、励起光LBの波長領域は、検体Sが蛍光を発する波長領域を含む波長領域であればよい。
照射部14は、発光部14Aと、コリメートレンズ14Bと、遮光部14Cと、を備える。発光部14Aは、照射光LAを発光する。
発光部14Aは、検体Sが蛍光を発する波長領域を少なくとも含む照射光LAを発光する。発光部14Aは、スポット状(点状)の光を発光する光源、ライン状の形状の光を発光する光源、スリット等を介してライン状の形状の光を発光する光源、の何れであってもよい。なお、スポット状およびライン状とは、発光部14Aから照射された照射光LAの、光軸A1に対する直交断面の形状を示す。また、光軸A1は、照射部14からダイクロイックミラー18までの光軸を示す。言い換えると、光軸A1は、コリメートレンズ14Bの光軸を示す。
本実施形態では、発光部14Aが、ライン状の形状の照射光LAを発光する光源である場合を想定して説明する。また、本実施形態では、ライン状の形状の照射光LAの長手方向が、図1中のX軸方向に一致する場合を一例として説明する。X軸方向の詳細は後述する。
発光部14Aから照射された照射光LAは、コリメートレンズ14Bによって略平行光とされた後に、遮光部14Cに到る。遮光部14Cは、照射光LAの一部を遮光し、光軸に対して非対称の形状の励起光LBとして出力する。遮光部14Cは、照射光LAの一部を遮光する部材であればよい。遮光部14Cは、例えば、照射光LAを非透過な板状部材である。
詳細には、遮光部14Cは、ライン状の照射光LAの長手方向(X軸方向)に対して交差する方向(図中、Z軸方向)の一端部を遮光する。なお、遮光部14Cによる遮光範囲は限定されない。例えば、遮光部14Cは、照射光LAの、光軸A1に対する直交断面における、Z軸方向の一端部から中央部までの範囲を遮光するように、配置されていればよい。照射光LAは、遮光部14Cによって一部が遮光されることで、光軸A1に対して非対称の形状とされた励起光LBとなる。
励起フィルタ16は、測定対象の検体Sが蛍光を発する波長領域の光を選択的に透過する。励起光LBは、励起フィルタ16を透過することで狭帯域化された後に、ダイクロイックミラー18によって反射され、対物レンズ20へ到る。なお、発光部14Aとして、検体Sが蛍光を発する波長領域の照射光LAを発光するレーザ光源を用いる場合、励起フィルタ16を設けない構成としてもよい。ダイクロイックミラー18は、励起光LBを反射し、励起光LB以外の波長領域の光を透過する。本実施形態では、ダイクロイックミラー18は、蛍光を透過する。
対物レンズ20は、測定対象部材22に励起光LBを集光する。詳細には、対物レンズ20は、測定対象部材22へ励起光LBを集光し、測定対象部材22のガラス部材22Aを介して測定対象領域22Bへ励起光LBを照射するためのレンズである。
対物レンズ20には、第2の駆動部38が設けられている。第2の駆動部38は、測定対象部材22に近づく方向または離れる方向に、対物レンズ20を移動させる。一方、測定対象部材22には、第1の駆動部36が設けられている。第1の駆動部36は、対物レンズ20へ近づく方向または離れる方向に、測定対象部材22を移動させる。対物レンズ20と測定対象部材22との間隔が調整されることで、対物レンズ20の焦点が調整される(詳細後述)。なお、測定部10は、第1の駆動部36および第2の駆動部38の少なくとも一方を備えた構成であればよく、これらの双方を備えた構成に限定されない。また、以下では、対物レンズ20と測定対象部材22との間隔を、距離、Z軸方向の距離、または対物レンズ20と測定対象部材22との距離、と称して説明する場合がある。
本実施形態では、対物レンズ20と測定対象部材22とが互いに近づく方向および離れる方向に沿った方向を、Z軸方向と称して説明する。また、本実施形態では、Z軸方向と、対物レンズ20の光軸A2と、が平行である場合を想定して説明する。また、測定対象部材22における励起光LBの受光面である二次元平面は、Z軸方向に直交する2軸(X軸方向およびX軸方向に直交するY軸方向)によって表される平面であるものとする。
なお、上記には、ライン状の照射光LAの長手方向が、X軸方向に一致すると説明した。しかし、照射光LAの長手方向(すなわち、励起光LBの長手方向)は、X軸方向と不一致であってもよい。
測定対象部材22は、ガラス部材22Aと、測定対象領域22Bと、ガラス部材22Cと、を備える。
ガラス部材22Cは、検体Sを載置するための部材である。ガラス部材22Cは、例えば、スライドガラスである。なお、ガラス部材22Cは、検体Sを載置可能な部材であればよく、ガラスによって構成された部材に限定されない。
ガラス部材22Aは、ガラス部材22Cとの間に検体Sを保持するためのガラスである。ガラス部材22Aは、カバーガラスと称される場合がある。ガラス部材22Aは、励起光LBおよび検体Sから発せられる蛍光を透過する部材であればよい。透過する、とは、透過対象の光の透過率が80%以上であることを意味する。
測定対象領域22Bは、ガラス部材22Aとガラス部材22Cとの間の領域である。測定対象領域22Bには、検体Sが載置される。
検体Sは、測定対象である。本実施形態は、検体Sは、励起光LBの照射により蛍光を発する。検体Sは、例えば、微生物、細胞、リポソーム、血液中の赤血球、白血球、血小板、血管内皮細胞、上皮組織の微小細胞片、および、各種臓器の病理組織切片、等である。なお、検体Sは、励起光LBの照射により蛍光を発する蛍光色素によって標識された、細胞などの物体であってもよい。
なお、測定対象領域22Bには、封入材によって封入された状態の検体Sが載置されていてもよい。封入材には、測定対象領域22Bに入射する励起光LBおよび検体Sの発する蛍光を透過する公知の材料を用いればよい。また、封入材は、液体、および固体の何れであってもよい。
励起光LBを照射された検体Sは、蛍光を発する。なお、測定対象領域22Bに存在する封入材も蛍光を発する場合がある。このため、以下では、測定対象領域22Bから蛍光が発せられる、と称して説明する場合がある。
励起光LBの照射により測定対象領域22Bから発せられた蛍光は、対物レンズ20およびダイクロイックミラー18を透過してエミッションフィルタ24へ到る。エミッションフィルタ24は、測定対象領域22Bから発せられた蛍光を選択的に透過する。このため、励起光LBはエミッションフィルタ24を透過せず、測定対象領域22Bから発せられた蛍光のみが選択的にエミッションフィルタ24を透過する。
エミッションフィルタ24を透過した蛍光は、ハーフミラー26へ到る。ハーフミラー26は、蛍光の一部を検出部30へ振り分け、残りを画像検出部34へ振り分ける。なお、ハーフミラー26による検出部30および画像検出部34への蛍光の分配率は、同じ割合(例えば、50%、50%)であってもよいし、異なる割合でもよい。このため、ハーフミラー26に代えて、ダイクロイックミラーを用いてもよい。
ハーフミラー26によって反射された蛍光は、結像レンズ28によって検出部30へ集光される。一方、ハーフミラー26を透過した蛍光は、結像レンズ32によって画像検出部34へ集光される。
なお、照射部14の発光部14Aと測定対象部材22とは、光学的に共役関係にあるものとする。また、発光部14Aと、測定対象部材22と、検出部30と、画像検出部34とは、光学的に共役関係にあるものとする。すなわち、測定部10は、同軸落射照明型の顕微鏡光学系であるものとする。
画像検出部34は、蛍光を受光し、受光した蛍光を示す蛍光画像を出力する。蛍光画像は、検体Sの種類などの解析に用いられる。画像検出部34は、例えば、公知のラインセンサ、または、エリアセンサである。画像検出部34は、例えば、蛍光画像を解析する解析装置などに蛍光画像を出力する。
一方、検出部30は、複数の受光部を備え、測定対象領域22Bから発せられた蛍光を受光し、蛍光信号を出力する。
図2Aは、検出部30の一例を示す模式図である。検出部30は、複数の受光部31を備える。受光部31は、受光した蛍光を電荷に変換する素子である。受光部31は、例えば、フォトダイオードである。図2Aには、蛍光を受光する受光面33に沿って、複数の受光部31を二次元配列した検出部30を一例として示した。
検出部30は、例えば、CMOS(Complementary Metal−Oxide Semiconductor)イメージセンサ、または、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサ、などである。
なお、検出部30は、複数の受光部31を一次元配列した形態であってもよい。図2Bは、検出部30の一例を示す模式図である。例えば、検出部30は、複数の受光部31を受光面33に沿って一次元配列した形態であってもよい。また、検出部30は、少なくとも2つの受光部31を備えていればよい。
本実施形態では、検出部30が、複数の受光部31を受光面33に沿って二次元配列した形態である場合を、一例として説明する。
なお、検出部30は、ゲインおよび電荷蓄積時間の少なくとも一方の異なる複数種類の受光部31を含むブロック領域31Aを、受光面33に沿って複数配列した構成であってもよい(図2A参照)。ゲインとは、アナログデジタル変換ゲイン、および、増幅ゲイン、の少なくとも一方を示す。電荷蓄積時間とは、検出部30がCMOSまたはCCDなどの電荷蓄積型の検出部30である場合の、蛍光信号の1回の出力あたりの電荷蓄積時間を示す。この場合、1つのブロック領域31Aを1画素として扱えばよい。
本実施形態では、検出部30に含まれる複数の受光部31のゲインおよび電荷蓄積時間が、互いに同じである場合を一例として説明する。検出部30は、蛍光を受光し、蛍光信号を出力する。
検出部30から出力される蛍光信号は、複数の受光部31の各々で受光した蛍光の強度値を示す信号である。言い換えると、蛍光信号は、複数の受光部31の各々ごとの蛍光の強度値を規定した信号である。以下では、蛍光の強度値を、蛍光強度値と称して説明する場合がある。蛍光強度値とは、受光した蛍光の強度を示す値である。検出部30は、蛍光信号を焦点調整装置12へ出力する。
なお、受光部31が、1または複数の画素ごとに設けられていると想定する。この場合、蛍光信号は、複数の受光部31の各々に対応する画素ごとに蛍光強度値を規定した蛍光画像である。この場合、蛍光強度値は、画素値に相当する。
図1に戻り説明を続ける。なお、本実施形態では、測定部10は、照射光LAの長手方向(X軸方向)に直交する方向(Y軸方向)に沿って走査することで、励起光LBを測定対象部材22へ照射する。励起光LBの走査方法は、限定されない。走査方法は、例えば、第1の駆動部36によって測定対象部材22をY軸方向へ移動させる方法、測定部10における測定対象部材22以外の部分を測定対象部材22に対してY軸方向へ移動させる方法、などがある。また、ダイクロイックミラー18と対物レンズ20との間に偏向ミラーを配置し、偏光ミラーによって励起光LBを走査してもよい。
次に、焦点調整装置12について説明する。
焦点調整装置12は、情報処理装置の一例である。焦点調整装置12は、検出部30から受付けた蛍光信号に基づいて、対物レンズ20の焦点の調整を実行する。焦点調整装置12と、検出部30、第1の駆動部36、および第2の駆動部38の各々とは、データまたは信号を授受可能に接続されている。
図3は、焦点調整装置12の機能的構成の一例を示す図である。なお、図3には、説明のために、検出部30、第1の駆動部36、および第2の駆動部38も図示した。
焦点調整装置12は、取得部12Aと、導出部12Bと、移動制御部12Cと、を備える。導出部12Bは、生成部12Dと、特定部12Eと、算出部12Fと、を備える。
取得部12A、導出部12B、移動制御部12C、生成部12D、特定部12E、および算出部12Fの一部またはすべては、例えば、CPU(Central Processing Unit)などの処理装置にプログラムを実行させること、すなわち、ソフトウェアにより実現してもよいし、IC(Integrated Circuit)などのハードウェアにより実現してもよいし、ソフトウェアおよびハードウェアを併用して実現してもよい。
取得部12Aは、検出部30から蛍光信号を取得する。
導出部12Bは、検出部30から取得した蛍光信号に基づいて、対物レンズ20および測定対象部材22の少なくとも一方の移動量および移動方向を導出する。詳細には、導出部12Bは、蛍光信号に基づいて、対物レンズ20の焦点を測定対象領域22Bに合わせるための、上記移動量および上記移動方向を導出する。
本実施形態では、導出部12Bは、生成部12Dと、特定部12Eと、算出部12Fと、を有する。
生成部12Dは、蛍光信号に含まれる蛍光強度値のプロファイルを生成する。詳細には、生成部12Dは、蛍光信号に含まれる蛍光受光領域のボケの発生方向に対する、蛍光強度値のプロファイルを生成する。なお、蛍光強度値のプロファイルは、ボケの発生方向を横軸とし、蛍光強度値を縦軸とした、ボケの発生方向と蛍光強度値との関係を示す線図によって表される。
蛍光受光領域とは、蛍光信号に含まれる、測定対象領域22Bから発せられた蛍光の受光領域であり、他の領域に比べて蛍光強度値の大きい領域である。生成部12Dは、蛍光信号に含まれる蛍光受光領域のボケの発生方向を予め特定し、プロファイルの生成に用いればよい。
図4は、蛍光信号40の一例を示す模式図である。蛍光信号40には、蛍光受光領域Eが含まれる。図4には、測定対象部材22と対物レンズ20との距離を近距離から遠距離となるように段階的に変化させ、各段階において検出部30で得られた蛍光信号40を示した。図4に示す複数の蛍光信号40(蛍光信号40A〜蛍光信号40E)は、蛍光信号40Aから蛍光信号40Eに向かって、測定対象部材22と対物レンズ20との距離を段階的に大きくしたときの、各段階で検出された蛍光信号40の一例である。また、蛍光信号40Cは、対物レンズ20の焦点が測定対象領域22Bに合っているときの、蛍光信号40の一例である。
また、図4に示す蛍光信号40の縦軸方向(Y’軸方向)は、測定対象部材22上におけるY軸方向に相当する。また、図4に示す蛍光信号40の横軸方向(X’軸方向)は、測定対象部材22におけるX軸方向に相当する。また、図4に示す蛍光信号40のZ’軸方向は、測定対象部材22と対物レンズ20とが近付く方向または離れる方向であるZ軸方向に相当する。
蛍光信号40Aに示すように、測定対象部材22と対物レンズ20との距離が近いほど、蛍光信号40に含まれる蛍光受光領域Eのボケの発生方向は、検出部30の受光面33上の片側(矢印YA’側)へずれる。具体的には、測定対象部材22と対物レンズ20との距離が近いほど、蛍光受光領域Eのボケの発生方向は、中心線41より矢印YA’側へずれる。これは、測定対象部材22と対物レンズ20との距離が近いほど、対物レンズ20の焦点より対物レンズ20に近い側に測定対象部材22が位置することになるためである。なお、中心線41は、対物レンズ20の焦点が測定対象領域22Bに合っているときに得られた蛍光信号40Cに含まれる、蛍光受光領域E上を通る線である。
一方、蛍光信号40Eに示すように、測定対象部材22と対物レンズ20との距離が遠いほど、蛍光信号40に含まれる蛍光受光領域Eのボケの発生方向は、検出部30の受光面33の他方側(矢印YB’側)へずれる。具体的には、測定対象部材22と対物レンズ20との距離が遠いほど、蛍光受光領域Eのボケの発生方向は、中心線41より矢印YB’側へずれる。これは、測定対象部材22と対物レンズ20との距離が遠いほど、対物レンズ20の焦点より遠い位置に、測定対象部材22が位置することになるためである。このため、測定対象部材22と対物レンズ20との距離が遠いほど、測定対象部材22と対物レンズ20との距離が近い場合とは逆の方向に、蛍光受光領域Eのボケの発生方向がずれる。
このため、生成部12Dは、測定対象部材22と対物レンズ20との距離を段階的に変更し、各段階で得られた蛍光信号40から、蛍光信号40に含まれる蛍光受光領域Eのボケの発生方向を予め特定する。図4の場合、生成部12Dは、蛍光信号40におけるY’軸方向を、蛍光受光領域Eのボケの発生方向として特定する。
そして、生成部12Dは、蛍光信号40に含まれる蛍光受光領域Eのボケの発生方向(Y’軸方向)に対する、蛍光強度値のプロファイルを生成する。
蛍光強度値のプロファイルは、f(y’)によって表される。y’は、蛍光信号40に含まれる蛍光受光領域Eのボケの発生方向であるY’軸方向における位置を示す。Y’軸方向における位置は、例えば、Y’軸方向の画素位置を示す位置座標で表される。
図5は、蛍光強度値のプロファイルの一例を示す模式図である。図5中、横軸は、蛍光信号40におけるボケの発生方向(Y’軸方向)における位置を示す。図5中、縦軸は、蛍光強度値を示す。また、図5中、各線図を示す値は、値が大きいほど対物レンズ20と測定対象部材22との距離が近い事を示す。生成部12Dは、1つの蛍光信号40を取得するごとに、該蛍光信号40の蛍光強度値のプロファイルを生成する。このため、生成部12Dは、1つの蛍光信号40を取得すると、例えば、図5に示す複数の線図の内の何れか1つの線図によって表されるプロファイルを生成することとなる。
なお、生成部12Dは、蛍光信号40に含まれる蛍光受光領域Eの蛍光強度値を用いて、蛍光強度値のプロファイルを生成してもよい。すなわち、生成部12Dは、蛍光信号40全体ではなく、蛍光信号40の一部分である蛍光受光領域Eについて、蛍光強度値のプロファイルを生成してもよい。この場合、例えば、生成部12Dは、蛍光信号40における、蛍光を受光したと判別するための閾値以上の蛍光強度値を示す領域を、蛍光受光領域Eとして特定し、プロファイルを生成すればよい。
図3に戻り説明を続ける。次に、特定部12Eについて説明する。特定部12Eは、生成部12Dで生成されたプロファイルに基づいて、蛍光信号40における蛍光強度値の重心位置を特定する。
特定部12Eは、下記式(1)を用いて、重心位置を算出する。
g=(Σy’f(y’)・y’)/(Σy’f(y’)) ・・・式(1)
式(1)中、gは、重心位置を示す。f(y’)は、上述したように、蛍光強度値のプロファイルを示す。y’は、上述したように、蛍光信号40に含まれる蛍光受光領域Eのボケの発生方向であるY’軸方向における位置を示す。
なお、特定部12Eは、蛍光強度値のプロファイルf(y’)に代えて、蛍光強度値のプロファイルf(y’)にビニング処理および閾値処理の少なくとも一方を行ったプロファイルを用いて、重心位置を算出してもよい。
例えば、特定部12Eは、蛍光強度値のプロファイルf(y’)に対して、ビニング処理を行った後のプロファイルf(y’)を用いて、重心位置を算出してもよい。
また、例えば、特定部12Eは、ビニング処理を行った後のプロファイルf(y’)に対して、予め定めた蛍光強度値である閾値以上の部分を抽出したプロファイルF(y’)を用いて、重心位置を算出してもよい。
算出部12Fは、目標重心位置を特定し、重心位置と目標重心位置との差に基づいて、上記移動量および上記移動方向を算出する。本実施形態では、算出部12Fは、特定部12Eによって特定された重心位置と、目標重心位置と、の差に基づいて、対物レンズ20および測定対象部材22の少なくとも一方の移動量および移動方向を導出する。
目標重心位置は、対物レンズ20の焦点が測定対象領域22Bに合っているときの、蛍光強度値の重心位置である。具体的には、目標重心位置は、励起光LBを照射された測定対象部材22の撮影画像における、隣接する画素値(輝度値)の差が最も大きい位置に相当する。この位置は、上記ボケの発生方向であるY’軸方向における位置であればよい。算出部12Fは、予め目標重心位置を特定し、移動量移動方向の算出に用いればよい。
例えば、算出部12Fは、公知のコントラスト法を用いて目標重心位置を特定する。なお、算出部12Fは、コントラスト法を用いて外部装置などで特定された目標重心位置を受信または読取ることで、目標重心位置を特定してもよい。
図6は、本実施形態に係る実施例1の説明図である。目標重心位置の特定について、実施例1を例に説明する。
図6中、横軸は、測定対象部材22と対物レンズ20との距離(Z軸方向の距離)を示す。なお、距離を示す横軸は、値が大きいほど、距離が短い(測定対象部材22と対物レンズ20との距離が短い)事を示す。一方、縦軸は、コントラストまたは重心位置を示す。図6に示すコントラストとは、撮影画像における、隣接する画素の画素値(輝度値)の差の平均値を示す。
図6では、測定対象部材22と対物レンズ20との距離を、対物レンズ20の焦点が測定対象領域22Bに合っているときを基準として±20μmの範囲で変動させた。また、測定対象領域22Bには、検体Sとして、蛍光色素であるDAPI(4’,6−diamidino−2−phenylindole)によって染色された測定対象を配置した。
図6中、線図44Aは、上記距離を段階的に変動させた各段階において、光軸に対して非対称の形状の励起光LBを照射することで得られた蛍光信号40を用いて、特定部12Eが特定した重心位置を示す。図7Aには、上記距離がある段階にあるときの蛍光信号40Fの一例を示した。特定部12Eは、蛍光信号40Fにおける、蛍光受光領域Eを含む領域B1内のプロファイルf(y’)を用いて重心位置を特定した。線図44Aは、この領域B1を用いた重心位置の特定処理を、複数の段階の上記距離の各々に対応する蛍光信号40の各々を用いて、行った結果を示す線図である。
一方、図6中、線図46Aは、コントラスト法による結果を示す線図である。詳細には、線図46Aは、光軸に対して対象の形状の光を測定対象領域22Bに照射したときの撮影画像を用いて、上記距離ごとに公知の方法でコントラストを算出した結果を示す。図7Bには、上記距離がある段階にあるときの撮影画像48の一例を示した。線図46Aは、撮影画像48における、特定の領域B2内について、隣接する画素の画素値(輝度値)の差の平均値をコントラストとして算出した結果を示したものである。
図6の線図44Aに示すように、対物レンズ20と測定対象部材22との距離と、重心位置と、の関係は、一次関数によって表される。一方、図6の線図46Aに示すように、対物レンズ20と測定対象部材22との距離と、コントラストと、の関係は、特定の距離においてピークを示す。
そこで、算出部12Fは、線図46Aに示されるコントラスト法で得られたピークを示す距離を特定する。そして、算出部12Fは、線図44Aにおける、特定した該距離に対応する重心位置を、目標重心位置g’として特定すればよい。
そして、算出部12Fは、特定部12Eによって特定された重心位置と、目標重心位置g’と、の差に基づいて、対物レンズ20および測定対象部材22の少なくとも一方の移動量および移動方向を導出する。
図8は、移動量および移動方向の導出の説明図である。図8中、縦軸は、重心位置を示す。図8中、横軸は、測定対象部材22と対物レンズ20との距離を示す。なお、図6と同様に、図8の横軸は、値が大きいほど、距離が短い(測定対象部材22と対物レンズ20との距離が短い)事を示す。
まず、算出部12Fは、特定部12Eによって特定された重心位置gと、目標重心位置g’と、の差Δgを算出する。そして、該差Δgが“0”になるように、重心位置gを目標重心位置g’に近づけるまたは一致させるための、対物レンズ20および測定対象部材22の少なくとも一方の移動量および移動方向を算出する。
例えば、算出部12Fが、対物レンズ20の移動量および移動方向を算出する場合を想定する。また、図8中の線図42は、図6に示す線図44Aに相当するものとする。
この場合、算出部12Fは、線図42における、特定した重心位置gに対応する距離Z1が、目標重心位置g’に対応する距離Z’と一致するように、距離Z1と距離Z’との差を、対物レンズ20の移動量として算出する。
また、上述したように、図8の横軸は、値が大きいほど、距離が短い(測定対象部材22と対物レンズ20との距離が短い)事を示す。このため、距離Z1の値が距離Z’の値より小さい場合(Z1<Z’)、算出部12Fは、測定対象部材22と対物レンズ20とをより近づける方向(距離を短くする方向)を、移動方向として算出する。また、算出部12Fは、距離Z1の値が距離Z’の値より大きい場合(Z1>Z’)、測定対象部材22と対物レンズ20とをより離す方向(距離を長くする方向)を、移動方向として算出する。
なお、算出部12Fは、特定した重心位置gと目標重心位置g’との差Δgから、移動量および移動方向を示すベクトルを導出するための関数Tを予め用意し、該関数Tを用いて、移動量および移動方向を導出してもよい。関数Tには、例えば、図8に示す線図42を一次関数で近似したものを用いればよい。なお、関数Tは、線図42を一次関数以外の高次関数で近似したものであってもよい。また、関数Tには、ルックアップテーブルなどの関数テーブルを用いてもよい。
図3に戻り説明を続ける。移動制御部12Cは、導出部12Bで導出された移動量および移動方向に、対物レンズ20および測定対象部材22の少なくとも一方を移動させる。詳細には、移動制御部12Cは、導出部12Bで導出された移動方向に、導出部12Bで導出された移動量移動させるように、第1の駆動部36および第2の駆動部38の少なくとも一方を駆動制御する。
このため、移動制御部12Cは、対物レンズ20の焦点が測定対象部材22の測定対象領域22B内に合うように、対物レンズ20および測定対象部材22の少なくとも一方の位置を調整することができる。なお、図3に示す機能構成は一例であり、移動制御部12Cが、導出部12Bを備えた構成としてもよい。
次に、焦点調整装置12が実行する情報処理の流れの一例を説明する。
図9は、情報処理の流れの一例を示すフローチャートである。
取得部12Aが、検出部30から蛍光信号40を取得する(ステップS100)。
生成部12Dは、ステップS100で取得した蛍光信号40に含まれる蛍光強度値のプロファイルを生成する(ステップS102)。ステップS102では、生成部12Dは、蛍光信号40に含まれる蛍光受光領域Eのボケの発生方向(Y’軸方向)に対する、蛍光強度値のプロファイルを生成する。
特定部12Eは、ステップS102で生成されたプロファイルに基づいて、蛍光信号40における蛍光強度値の重心位置gを特定する(ステップS104)。
次に、算出部12Fは、ステップS104で特定された重心位置gと、目標重心位置g’と、の差Δgを算出する(ステップS106)。次に、算出部12Fは、ステップS106で算出した差Δgを用いて、対物レンズ20および測定対象部材22の少なくとも一方の移動量および移動方向を算出する(ステップS108)。
移動制御部12Cは、導出部12Bで導出された移動量および移動方向に、対物レンズ20および測定対象部材22の少なくとも一方を移動させる(ステップS110)。移動制御部12Cは、第1の駆動部36および第2の駆動部38の少なくとも一方を駆動制御することで、対物レンズ20および測定対象部材22の少なくとも一方を移動させる。このため、対物レンズ20の焦点が測定対象部材22の測定対象領域22Bに合うように、対物レンズ20および測定対象部材22の位置が調整される。
次に、焦点調整装置12は、情報処理を終了するか否かを判断する(ステップS112)。例えば、焦点調整装置12は、処理終了を示す指示信号を受付けたか否かを判別することで、ステップS112の判断を行う。処理を継続すると判断した場合(ステップS112:No)、上記ステップS100へ戻る。一方、処理終了と判断した場合(ステップS112:Yes)、本ルーチンを終了する。
以上説明したように、本実施形態の顕微鏡システム1は、照射部14と、対物レンズ20と、検出部30と、導出部12Bと、移動制御部12Cと、を備える。照射部14は、光軸に対して非対称の形状の励起光LBを照射する。対物レンズ20は、ガラス部材22Aと測定対象領域22Bとを含む測定対象部材22に励起光LBを集光する。検出部30は、励起光LBにより測定対象領域22Bから発せられた蛍光を受光する少なくとも1つ以上の受光部31を備え、各々の受光部31で受光した蛍光の強度値(蛍光強度値)を示す蛍光信号40を出力する。移動制御部12Cは、蛍光信号40に基づいて、対物レンズ20および測定対象部材22の少なくとも一方の移動量および移動方向を導出する導出部12Bを備え、導出された移動量および移動方向に、対物レンズ20および測定対象部材22の少なくとも一方を移動させる。
このように、本実施形態の顕微鏡システム1では、非対称の形状の励起光LBを測定対象部材22へ集光し、測定対象領域22Bから発せられた蛍光の蛍光強度値を示す蛍光信号40を出力する。そして、顕微鏡システム1では、蛍光信号40を用いて、対物レンズ20および測定対象部材22の少なくとも一方の移動量および移動方向を導出し、移動を制御する。
一方、従来技術では、光軸に対して非対称の形状の光を検体Sへ照射し、検体Sからの反射光の受光位置に基づいて、フォーカス制御を行っていた。しかし、細胞などの検体Sの測定には、ガラス板で挟まれた検体を用いる場合がある。この場合、検体Sへ照射された光は、ガラス部材22Aの表面およびガラス部材22Aを介して配置された検体Sによって反射される。このため、検体Sからの反射光に比べて、空気とガラス部材22Aとの界面からの反射光が支配的となる。従来技術では、反射光を用いてフォーカス制御を行うため、ガラス部材22Aの表面に焦点が合ってしまい、ガラス部材22Aを介して配置された測定対象領域22Bに容易に焦点を合わせることは困難であった。
また、従来技術には、対物レンズ20の位置を移動させながら、検体Sの撮影画像のコントラストを計測する操作を繰り返すことで、対物レンズ20の焦点を検体Sへ合わせる手法もある。しかし、この従来技術では、対物レンズ20の位置移動と検体Sの撮影を複数回繰り返す必要があり、測定対象領域22Bに容易に焦点を合わせる事は困難であった。
一方、本実施形態の顕微鏡システム1では、測定対象部材22からの反射光の内、測定対象領域22Bから発せられた蛍光を選択的に受光する。そして、顕微鏡システム1では、受光した蛍光の蛍光強度値を示す蛍光信号40を用いて、対物レンズ20および測定対象部材22の少なくとも一方の移動を制御することで、フォーカス制御を行う。
測定対象領域22Bから発せられた蛍光の波長領域には、ガラス部材22Aの表面で反射した励起光LBの反射光の波長領域は含まれない。このため、顕微鏡システム1では、測定対象領域22Bから発せられた蛍光を選択的に用いて、フォーカス制御を行うことができる。このため、本実施形態の顕微鏡システム1では、ガラス部材22Aの表面ではなく、ガラス部材22Aを介して配置された測定対象領域22Bに容易に焦点を合わせることができる。
従って、本実施形態の顕微鏡システム1では、ガラス(ガラス部材22A)を介して配置された測定対象領域22Bに容易に焦点を合わせることができる。
また、本実施形態の顕微鏡システム1では、測定対象領域22B内に検体Sが存在しない場合や、測定対象領域22B内に検体Sの密度の低い(密度が疎になる)領域が存在する場合であっても、測定対象領域22Bに容易に焦点を合わせることができる。
図10は、本実施形態における実施例2の説明図である。
図10中、横軸は、測定対象部材22と対物レンズ20との距離(Z軸方向の距離)を示す。一方、縦軸は、コントラストまたは重心位置を示す。
図10では、測定対象部材22と対物レンズ20との距離を、対物レンズ20の焦点が測定対象領域22Bに合ったときを基準として±20μmの範囲で変動させた。また、測定対象領域22Bには、検体Sを含めず、封入材のみを存在させた。
図10中、線図44Bは、上記距離を段階的に変動させた各段階において、光軸に対して非対称の形状の励起光LBを照射することで得られた蛍光信号40を用いて、特定部12Eが特定した重心位置を示す。図11Aには、上記距離がある段階にあるときの蛍光信号40Gの一例を示した。特定部12Eは、蛍光信号40Gにおける、蛍光受光領域Eを含む領域B3内のプロファイルf(y’)を用いて重心位置を特定した。線図44Bは、この領域B3を用いた重心位置の特定処理を、複数の段階の上記距離の各々に対応する蛍光信号40の各々を用いて、行った結果を示す線図である。
一方、図10中、線図46Bは、コントラスト法による結果を示す線図である。詳細には、線図46Bは、光軸に対して対象の形状の光を測定対象領域22Bに照射したときの撮影画像を用いて、上記距離ごとに公知の方法でコントラストを算出した結果を示す。図11Bには、上記距離がある段階にあるときの撮影画像49の一例を示した。線図46Bは、撮影画像49における、特定の領域B4内について、隣接する画素の画素値(輝度値)の差の平均値をコントラストとして算出した結果を示したものである。なお、特定の領域B4は、撮影画像49の内、コントラストの発生している領域を選択的に特定した領域である。
図10の線図44Bに示すように、測定対象領域22B内に検体Sが存在しない場合であっても、距離と重心位置との関係を示す線図44Bは、測定対象領域22B内に検体Sが存在する場合の線図44A(図6参照)と同様の結果が得られた。
このため、本実施形態の顕微鏡システム1によれば、測定対象領域22B内に検体Sが存在しない場合であっても、測定対象領域22Bに容易に焦点を合わせることができるといえる。また、測定対象領域22B内に検体Sが疎な領域が含まれる場合であっても、顕微鏡システム1によれば、測定対象領域22Bに容易に焦点を合わせることができるといえる。
一方、従来技術のコントラスト法である図10の線図46Bは、撮影画像49(図11B参照)における、コントラストの生じている領域B4を用いて得られた線図である。このため、線図46Bに示される従来方式では、検体Sが疎な領域や、測定対象領域22Bに検体Sが含まれない場合には、焦点を調整することは困難であるといえる。
従って、本実施形態の顕微鏡システム1は、測定対象領域22B内に検体Sが存在しない場合や、測定対象領域22B内に検体Sの疎な領域が含まれる場合であっても、容易に測定対象領域22Bに焦点を合わせることができる。
また、導出部12Bは、生成部12Dと、特定部12Eと、算出部12Fと、を有する。生成部12Dは、蛍光信号40に含まれる蛍光強度値のプロファイルを生成する。特定部12Eは、プロファイルに基づいて、蛍光信号40における蛍光強度値の重心位置gを特定する。算出部12Fは、目標重心位置を特定し、重心位置と目標重心位置g’との差Δgに基づいて、移動量および移動方向を算出する。
ここで、蛍光信号40の蛍光強度値は、励起光LBの強度に相関がある。このため、得られる蛍光信号40は、励起光LBの非対称性を反映した光特性を有する。よって、導出部12Bが、蛍光信号40に含まれる蛍光強度値のプロファイルに基づいて特定した重心位置gに基づいて、移動量および移動方向を算出することで、精度良く、測定対象領域22Bに焦点を合わせることができる。
また、生成部12Dは、蛍光信号40に含まれる蛍光受光領域Eの蛍光強度値を用いて、プロファイルを生成する。
蛍光信号40の全体ではなく、蛍光信号40の一部である蛍光受光領域Eを用いてプロファイルを生成することで、顕微鏡システム1は、上記効果に加えて、処理時間の短縮および処理の簡略化を図ることができる。
また、照射部14は、発光部14Aから照射された照射光LAの一部を遮光し、励起光LBとして出力する遮光部14Cを備える。遮光部14Cによって照射光LAの一部を遮光することで、光軸に対して非対称な形状の励起光LBとするため、容易に励起光LBを照射することができる。
また、検出部30は、ゲインおよび電荷蓄積時間の少なくとも一方の異なる複数種類の受光部31を含むブロック領域31Aを、受光面33に沿って複数配列してなる。例えば、ブロック領域31A内には、ゲインおよび電荷蓄積時間の少なくとも一方の異なる複数種類の受光部31を、モザイク状に配置した構成とすればよい。この場合、どのような特性を有する検体Sを測定対象とする場合であっても、対物レンズ20および測定対象部材22の少なくとも一方の移動量および移動方向を導出するための高精度な蛍光信号40を、得る事が可能となる。
また、本実施形態の焦点調整装置12は、測定部10の検出部30から蛍光信号40を取得する取得部12Aと、導出部12Bと、移動制御部12Cと、を備える。導出部12Bは、蛍光信号40に基づいて、対物レンズ20の焦点を測定対象領域22Bに合わせるための、対物レンズ20および測定対象部材22の少なくとも一方の移動量および移動方向を導出する。移動制御部12Cは、導出された移動量および移動方向に、対物レンズ20および測定対象部材22の少なくとも一方を移動させる。
このように、本実施形態の焦点調整装置12では、蛍光信号40を用いて、対物レンズ20および測定対象部材22の少なくとも一方の移動量および移動方向を導出し、移動を制御する。従って、本実施形態の焦点調整装置12では、ガラス(ガラス部材22A)を介して配置された測定対象領域22Bに容易に焦点を合わせることができる。
(変形例1)
上記実施形態では、検出部30と、画像検出部34と、を別体として構成した場合を一例として説明した。しかし、検出部30としてCMOSイメージセンサ、または、CCDイメージセンサを用いる場合には、検出部30と画像検出部34とを共通化してもよい。
図12は、本変形例の顕微鏡システム1Aの一例を示す模式図である。顕微鏡システム1Aは、測定部10Aと、焦点調整装置12と、を備える。焦点調整装置12は、上記実施形態と同様である。
測定部10Aは、上記実施形態の検出部30および画像検出部34に代えて、検出部35を備える。すなわち、測定部10Aは、検出部30および画像検出部34に代えて検出部35を備え、ハーフミラー26および結像レンズ28を備えない点以外は、上記実施形態の測定部10と同様である(図1参照)。
検出部35は、検出部30および画像検出部34の双方として用いられる。このため、この場合、検出部35と焦点調整装置12とをデータまたは信号を授受可能に接続すればよい。また、この場合、ハーフミラー26および結像レンズ28を備えない構成とすればよい。
このように、検出部30と画像検出部34とを共通化した構成とすることで、上記実施の形態と同様の効果が得られると共に、顕微鏡システム1Aの装置構成の簡略化を図ることができる。
(変形例2)
上記実施形態では、遮光部14Cによって照射光LAの一部遮光することで、光軸に対して非対称の形状の励起光LBを照射した。しかし、励起光LBの実現方法は、上記実施形態に限定されない。例えば、照射光LAを分離することで、励起光LBを実現してもよい。
図13は、本変形例の顕微鏡システム1Bの一例を示す模式図である。顕微鏡システム1Bは、測定部10Bと、焦点調整装置12と、を備える。焦点調整装置12は、上記実施形態と同様である。
測定部10Bは、照射部14に代えて照射部15Aを備える点以外は、測定部10と同様である(図1参照)。
照射部15Aは、発光部14Aと、コリメートレンズ14Bと、分離部14Dと、を備える。発光部14Aおよびコリメートレンズ14Bは、上記実施形態と同様である。なお、本変形例では、発光部14Aは、X軸方向に長いライン状の形状の照射光LAを発光するものとする。
分離部14Dは、発光部14Aから照射された照射光LAを光軸に対して非対称の形状に分離する。詳細には、分離部14Dは、照射光LAのガウシアン分布のピークを境界として該照射光LAを2つの光束に分離した一方の光束を、励起光LBとして出力する。分離部14Dは、例えば、三角プリズムである。分離部14Dは、照射光LAのガウシアン分布のピークを境界として照射光LAを2つに分離する位置に、予め配置すればよい。
この場合、測定部10Bでは、照射光LAにおける、分離部14Dによって分離された一方の光束である励起光LBを測定対象領域22Bへ照射し、該照射により測定対象領域22Bで発生した蛍光を検出部30で受光すればよい。また、照射光LAにおける、他方の光束についても測定対象領域22Bへ照射し、該照射により測定対象領域22Bで発生した蛍光を画像検出部34で受光すればよい。
このように、本変形例では、照射部15Aは、分離部14Dを備える。分離部14Dは、発光部14Aから照射された照射光LAを光軸に対して非対称の形状に分離し、励起光LBとして出力する。
このため、本変形例の顕微鏡システム1Bでは、照射部15Aから照射された照射光LAの一部を捨てることなく分離し、一方の光束を検出部30用の励起光LBとして用い、他方の光束を画像検出部34用の光束として用いることができる。
(変形例3)
本変形例では、非対称の形状の励起光LBを、遮光部14Cまたは分離部14Dを用いずに実現する構成を説明する。
図14は、本変形例の顕微鏡システム1Cの一例を示す模式図である。顕微鏡システム1Cは、測定部10Cと、焦点調整装置12と、を備える。焦点調整装置12は、上記実施形態と同様である。
測定部10Cは、照射部14に代えて照射部15Bを備える点以外は、測定部10と同様である(図1参照)。
照射部15Bは、発光部14Fと、コリメートレンズ14Bと、を備える。コリメートレンズ14Bは、上記実施形態と同様である。
発光部14Fは、上記実施形態の発光部14Aと同様に、検体Sが蛍光を発する波長領域を含む照射光LAを発光する。発光部14Fは、スポット状(点状)の光を発光する光源、ライン状の形状の光を発光する光源、スリット等を介してライン状の形状の光を発光する光源、の何れであってもよい。
本変形例では、発光部14Fが光を発する発光位置14Eが、コリメートレンズ14Bの光軸A1から外れた位置に配置されてなる。すなわち、発光部14Fの開口搾りである発光位置14Eが、コリメートレンズ14Bの焦点位置から外れた位置関係となるように、発光位置14Eおよびコリメートレンズ14Bの配置位置が予め調整されている。このため、コリメートレンズ14Bは、発光位置14Eに対して非テレセントリックな光学系を構成している。
このように、本変形例では、照射部15Bは、発光部14Fから照射された照射光LAの一部を平行にして励起光LBとして出力するコリメートレンズ14Bを有する。そして、発光部14Fの発光位置14Eは、コリメートレンズ14Bの光軸A1から外れた位置に配置されてなる。
このため、本変形例では、遮光部14Cまたは分離部14Dを用いることなく、光軸に対して非対称な形状の励起光LBを実現することができる。
(変形例4)
なお、上記実施形態および上記変形例で実現した、光軸に対して非対称な形状の励起光LBを実現するための構成は、照射光LAを発光する光源から、測定部10内への照射光LAの出力開始位置までの間の空間に、実現されていてもよい。すなわち、非対称な形状の励起光LBを発光する光学部材から励起光LBを発光する構成とし、測定部10、測定部10A、測定部10B、測定部10Cの各々内に照射するようにしてもよい。
(第2の実施形態)
本実施形態では、光軸に対して非対称の形状の励起光LBとして、非点収差を発生させた励起光LBを用いる形態を説明する。
なお、本実施形態の顕微鏡システム1Dは、第1の実施形態の顕微鏡システム1と同様である(図1参照)。但し、顕微鏡システム1Dは、照射部14に代えて照射部17を備える。また、顕微鏡システム1Dは、焦点調整装置12に代えて、焦点調整装置13を備える。焦点調整装置13は、情報処理装置の一例である。
照射部17は、第1の実施形態の照射部14と同様に、光軸に対して非対称の形状の励起光LBを照射する。但し、照射部17は、スポット状の照射光LAを発光する発光部14Aから照射された照射光LAに、非点収差を発生させることで、励起光LBを照射する。
非点収差を発生させるためには、公知の方法を用いればよい。例えば、照射部14を、遮光部14Cを備えない構成とし、コリメートレンズ14Bの光出射側に、非点収差レンズを配置した構成とすればよい。非点収差レンズは、焦点距離を複数有し、非点収差を発生させるレンズである。非点収差レンズは、例えば、通常の対物レンズにしリンドリルレンズを追加したものである。
このため、本実施形態では、照射部17から測定対象領域22Bへ、非点収差の発生した励起光LBが照射される。
焦点調整装置13は、第1の実施形態の焦点調整装置12と同様に、検出部30から取得した蛍光信号40に基づいて、対物レンズ20の焦点の調整を実行する。焦点調整装置13と、検出部30、第1の駆動部36、および第2の駆動部38とは、データまたは信号を授受可能に接続されている。
図15は、焦点調整装置13の機能的構成の一例を示す図である。なお、図15には、説明のために、検出部30、第1の駆動部36、および第2の駆動部38も図示した。
焦点調整装置13は、取得部13Aと、導出部13Bと、移動制御部13Cと、を備える。導出部13Bは、方向導出部13Dと、移動量導出部13Eと、を備える。
取得部13A、導出部13B、移動制御部13C、方向導出部13D、および移動量導出部13Eの一部またはすべては、例えば、CPUなどの処理装置にプログラムを実行させること、すなわち、ソフトウェアにより実現してもよいし、ICなどのハードウェアにより実現してもよいし、ソフトウェアおよびハードウェアを併用して実現してもよい。移動制御部13Cは、移動制御部12Cと同様である。
取得部13Aは、検出部30から蛍光信号40を取得する。
導出部13Bは、検出部30から取得した蛍光信号40に基づいて、対物レンズ20の焦点を測定対象領域22Bに合わせるための、対物レンズ20および測定対象部材22の少なくとも一方の移動量および移動方向を導出する。
本実施形態では、導出部13Bは、方向導出部13Dと、移動量導出部13Eと、を有する。
ここで、本実施形態では、測定対象部材22に照射される励起光LBは、非点収差を有する。また、蛍光信号40の蛍光強度値は、励起光LBの強度に相関がある。このため、本実施形態で得られる蛍光信号40は、励起光LBの非点収差による非対称性を反映した光特性を有する。
また、励起光LBの非点収差による非対称性を反映した蛍光信号40に含まれる蛍光受光領域Eの、対物レンズ20と測定対象部材22との距離の変動によるボケの発生方向は、上記実施形態および変形例とは異なる挙動を示す。
図16は、本実施形態で得られる蛍光信号40の一例を示す模式図である。蛍光信号40には、蛍光受光領域Eが含まれる。
図16には、測定対象部材22と対物レンズ20との距離を近距離から遠距離となるように段階的に変化させ、各段階において検出部30で得られた蛍光信号40を示した。図16に示す複数の蛍光信号40(蛍光信号40H、蛍光信号40I、蛍光信号40J)は、蛍光信号40Hから蛍光信号40Jに向かって、測定対象部材22と対物レンズ20との距離を段階的に大きくしたときの、各段階で検出された蛍光信号40の一例である。また、蛍光信号40Iは、対物レンズ20の焦点が測定対象領域22Bに一致しているときの、蛍光信号40の一例である。
また、図16に示す蛍光信号40の縦軸方向(Y’軸方向)は、測定対象部材22上におけるY軸方向に相当する。また、図16に示す蛍光信号40の横軸方向(X’軸方向)は、測定対象部材22におけるX軸方向に相当する。また、図16に示す蛍光信号40のZ’軸方向は、測定対象部材22と対物レンズ20とが近付く方向または離れる方向であるZ軸方向に相当する。
蛍光信号40H、蛍光信号40I、および蛍光信号40Jに示すように、測定対象部材22と対物レンズ20との距離が焦点の合った時の距離より短い場合と、長い場合とでは、蛍光受光領域Eの広がり方向が異なる。具体的には、測定対象領域22Bに焦点が合った状態の場合、蛍光信号40Iに示すように、蛍光信号40Iに含まれる蛍光受光領域Eの形状は、略円形状となる。
一方、測定対象部材22と対物レンズ20との距離が焦点の合った状態より短い場合は、蛍光信号40Hに示すように、例えば、Y’軸方向に広がった形状の蛍光受光領域Eとなる。また、測定対象部材22と対物レンズ20との距離が焦点の合った状態より長い場合には、蛍光信号40Jに示すように、例えば、X’軸方向に広がった形状の蛍光受光領域Eとなる。
そこで、導出部13Bは、蛍光信号40に含まれる蛍光受光領域Eの広がり方向に応じて蛍光信号40を複数の領域に分割する。そして、分割した各領域内の蛍光強度値を用いて、移動方向および移動量を導出する。
図17は、移動方向および移動量の導出の一例を示す説明図である。例えば、取得部13Aが、図17に示す蛍光信号40Jを取得したと想定する。この場合、方向導出部13Dは、蛍光信号40Jに含まれる蛍光受光領域E3の広がり方向に基づいて、対物レンズ20および測定対象部材22の少なくとも一方の移動方向を導出する。
詳細には、方向導出部13Dは、蛍光信号40Jに含まれる蛍光受光領域E3の広がり方向と、該広がり方向に広がった形状を示す蛍光受光領域E3を焦点の合った状態の蛍光受光領域E2を含む蛍光信号40I(図16参照)の状態とするための移動方向と、を対応付けた第1の管理情報を予め記憶する。この移動方向は、対物レンズ20および測定対象部材22の少なくとも一方の移動方向であればよい。本実施形態では、対物レンズ20の移動方向である場合を想定して説明する。
そして、方向導出部13Dは、第1の管理情報における、取得部13Aで取得した蛍光信号40Jに含まれる蛍光受光領域Eの広がり方向に対応する移動方向を読取ることで、対物レンズ20の移動方向を導出すればよい。なお、方向導出部13Dは、上記第1の管理情報に示される関係を示す関数を予め記憶し、該関数を用いて移動方向を導出してもよい。
移動量導出部13Eは、取得部13Aで取得した蛍光信号40Jに、境界を設定する。詳細には、移動量導出部13Eは、蛍光信号40Jに含まれる蛍光受光領域E3上を通り、且つ、該蛍光受光領域E3の広がり方向(図17ではX’軸方向)に沿った直線61を、境界として設定する。そして、移動量導出部13Eは、蛍光信号40Jを、該直線61を境界として2つの領域(領域60A、領域60B)に分割する。
そして、移動量導出部13Eは、該領域60Aおよび領域60Bの各々について、含まれる各画素の蛍光強度値の合計値を算出する。そして、移動量導出部13Eは、蛍光信号40Jに含まれる蛍光強度値の合計値に対する、2つの領域60Aおよび領域60Bの各々の蛍光強度値の合計値の差の比を、対物レンズ20の移動量として導出する。
すなわち、移動量導出部13Eは、下記式(2)を用いて、移動量を導出する。
移動量=(ΣA−ΣB)/(ΣA+ΣB) ・・・式(2)
式(2)中、ΣAは、領域60Aに含まれる各画素の蛍光強度値の合計値を示す。式(2)中、ΣBは、領域60Bに含まれる各画素の蛍光強度値の合計値を示す。
このため、導出部13Bは、少なくとも2つの受光部31を有する検出部30から取得した蛍光信号40を用いて、対物レンズ20および測定対象部材22の少なくとも一方の移動方向および移動量を導出することができる。
なお、導出部13Bは、他の方法を用いて、対物レンズ20および測定対象部材22の少なくとも一方の移動方向および移動量を導出してもよい。
図18は、移動方向および移動量の導出の他の例を示す説明図である。例えば、取得部13Aが、図18に示す蛍光信号40Kを取得したと想定する。蛍光信号40Kは、蛍光受光領域E2を含むものとする。なお、説明のために、蛍光信号40K上に、蛍光受光領域E2および蛍光受光領域E3を併せて示した(図16も参照)。
この場合、方向導出部13Dは、蛍光信号40Kを、4つの領域(領域68A、領域68B、領域68C、領域68D)に分割する。詳細には、方向導出部13Dは、蛍光信号40K上における、第1の線状領域63の一端部と、該第1の線状領域63の他端部と、第2の線状領域65の一端部と、該第2の線状領域65の他端部と、の各々を特定する。
第1の線状領域63は、対物レンズ20と測定対象部材22との距離が近づくときの蛍光受光領域E1の広がりを示す線状の領域である。第2の線状領域65は、対物レンズ20と測定対象部材22との距離が離れるときの蛍光受光領域E1の広がりを示す線状の領域である。線状の領域とは、蛍光受光領域Eの広がり方向に長い領域である。方向導出部13Dは、蛍光信号40上における第1の線状領域63と第2の線状領域65の各々の位置および範囲を予め記憶しておけばよい。
そして、方向導出部13Dは、特定した4つの端部の各々が、互いに異なる領域に配置されるように、蛍光信号40を4つの領域(領域68A、領域68B、領域68C、領域68D)に分割する。
なお、方向導出部13Dは、蛍光信号40K上に、第1の線状領域63の長手方向に沿った直線と、第2の線状領域65の長手方向に沿った直線とを、これらの2つの直線の交点が蛍光受光領域E2上に位置するように配置してもよい。そして、方向導出部13Dは、これらの2つの直線を、蛍光受光領域E2を中心として45°回転させた線を、境界(境界64、境界66)として設定してもよい。そして、方向導出部13Dは、蛍光信号40Kを、これらの境界64および境界66によって4つの領域(領域68A、領域68B、領域68C、領域68D)に分割してもよい。
そして、方向導出部13Dは、蛍光信号40Kにおける4つの領域(68A、領域68B、領域68C、領域68D)の内、検出部30から取得した蛍光信号40Kに含まれる蛍光受光領域E2の広がり方向の両端部が位置する2つの領域(図18では、領域68Aおよび領域68D)を、蛍光受光領域E2の存在領域として特定する。
そして、方向導出部13Dは、蛍光信号40Kにおける、特定した存在領域の位置関係に応じて、移動方向を導出すればよい。
図16を用いて説明したように、測定対象部材22と対物レンズ20との距離が焦点の合った状態より短い場合と、長い場合とでは、蛍光受光領域Eの広がり方向が異なる。
このため、方向導出部13Dは、蛍光信号40Kにおける、特定した存在領域の位置関係に対応する、焦点の合った状態とするための移動方向と、を対応付けた第2の管理情報を予め記憶する。この移動方向は、対物レンズ20および測定対象部材22の少なくとも一方の移動方向であればよい。本実施形態では、対物レンズ20の移動方向である場合を想定して説明する。
そして、方向導出部13Dは、第2の管理情報から、特定した存在領域の位置関係に対応する移動方向を読取ることで、対物レンズ20の移動方向を導出すればよい。なお、方向導出部13Dは、上記第2の管理情報に示される関係を示す関数を予め記憶し、該関数を用いて移動方向を導出してもよい。
そして、移動量導出部13Eは、蛍光信号40Kに含まれる蛍光強度値の合計値に対する、4つの領域(領域68A、領域68B、領域68C、領域68D)の内の蛍光受光領域E2の存在領域(領域68A、領域68D)の合計値から、4つの領域の内の該存在領域以外の領域(領域68B、領域68C)の蛍光強度値の合計値を減算した差分の比を、移動量として導出する。
すなわち、移動量導出部13Eは、下記式(3)を用いて、移動量を導出する。
移動量={(ΣA+ΣB)−(ΣB+ΣC)}/(ΣA+ΣB+ΣC+ΣD) ・・・式(3)
式(3)中、ΣAは、領域68Aに含まれる各画素の蛍光強度値の合計値を示す。式(3)中、ΣBは、領域68Bに含まれる各画素の蛍光強度値の合計値を示す。式(3)中、ΣCは、領域68Cに含まれる各画素の蛍光強度値の合計値を示す。式(3)中、ΣDは、領域68Dに含まれる各画素の蛍光強度値の合計値を示す。
このため、導出部13Bは、少なくとも4つの受光部31を有する検出部30から取得した蛍光信号40を用いて、対物レンズ20および測定対象部材22の少なくとも一方の移動方向および移動量を導出することができる。
次に、本実施形態の焦点調整装置13が実行する情報処理の流れの一例を説明する。
図19は、情報処理の流れの一例を示すフローチャートである。
取得部13Aが、検出部30から蛍光信号40を取得する(ステップS200)。
次に、方向導出部13Dが、ステップS200で取得した蛍光信号40を用いて、移動方向を導出する(ステップS202)。
次に、移動量導出部13Eが、ステップS200で取得した蛍光信号40を用いて、移動量を導出する(ステップS204)。
次に、移動制御部13Cが、ステップS202およびステップS204で導出された移動量および移動方向に、対物レンズ20および測定対象部材22の少なくとも一方を移動させる(ステップS206)。このため、対物レンズ20の焦点が測定対象部材22の測定対象領域22Bに合うように、対物レンズ20および測定対象部材22の位置が調整される。
次に、焦点調整装置12は、情報処理を終了するか否かを判断する(ステップS208)。ステップS208の判断は、第1の実施形態のステップS112(図9参照)と同様である。ステップS208で否定判断すると(ステップS208:No)、上記ステップS200へ戻る。ステップS208で肯定判断すると(ステップS208:Yes)、本ルーチンを終了する。
以上説明したように、本実施形態の顕微鏡システム1Dの照射部17は、発光部14Aから照射された照射光LAに非点収差を発生させた励起光LBを照射する。このように、非点収差を発生させた励起光LBを、光軸に対して非対称の形状の励起光LBとして用いてもよい。
この場合についても、顕微鏡システム1Dは、非対称の形状の励起光LBを測定対象部材22へ集光し、測定対象領域22Bから発せられた蛍光の蛍光強度値を示す蛍光信号40を出力する。そして、顕微鏡システム1Dでは、蛍光信号40を用いて、対物レンズ20および測定対象部材22の少なくとも一方の移動量および移動方向を導出し、移動を制御する。
従って、本実施形態の顕微鏡システム1Dでは、ガラス(ガラス部材22A)を介して配置された測定対象領域22Bに容易に焦点を合わせることができる。
また、導出部13Bは、方向導出部13Dと、移動量導出部13Eと、を備える。方向導出部13Dは、蛍光信号40に含まれる蛍光受光領域Eの広がり方向に基づいて、移動方向を導出する。移動量導出部13Eは、蛍光信号40を、該蛍光受光領域E上を通り且つ該蛍光受光領域Eの広がり方向に沿った直線61を境界として2つの領域(領域60A、領域60B)に分割し、蛍光信号40に含まれる蛍光強度値の合計値に対する、2つの領域(領域60A、領域60B)の各々の蛍光強度値の合計値の差の比を、移動量として導出する。
このため、本実施形態の顕微鏡システム1Dでは、最低2つの受光部31を備えた検出部30から蛍光信号40を取得することで、ガラス(ガラス部材22A)を介して配置された測定対象領域22Bに容易に焦点を合わせることができる。
また、方向導出部13Dは、蛍光信号40を、対物レンズ20と測定対象部材22との距離が近づくときの蛍光受光領域Eの広がりを示す第1の線状領域63の一端部と、該第1の線状領域63の他端部と、対物レンズ20と測定対象部材22との距離が離れるときの蛍光受光領域Eの広がりを示す第2の線状領域65の一端部と、該第2の線状領域65の他端部と、の各々が互いに異なる領域に配置されるように4つの領域(領域68A、領域68B、領域68C、領域68D)に分割する。
そして、方向導出部13Dは、4つの領域(領域68A、領域68B、領域68C、領域68D)の内、検出部30から取得した蛍光信号40に含まれる蛍光受光領域Eの広がり方向の両端部が位置する2つの領域である存在領域(領域68A、領域68D)に応じて、移動方向を導出する。また、移動量導出部13Eは、蛍光信号40に含まれる蛍光強度値の合計値に対する、4つの領域(領域68A。領域68B、領域68C、領域68D)の内の存在領域(領域68A、領域68D)の蛍光強度値の合計値から、4つの領域の内の存在領域以外の他の2つの領域(領域68B、領域68C)の蛍光強度値の合計値を減算した差分の比を、移動量として導出する。
このため、本実施形態の顕微鏡システム1Dでは、最低4つの受光部31を備えた検出部30から蛍光信号40を取得することで、ガラス(ガラス部材22A)を介して配置された測定対象領域22Bに容易に焦点を合わせることができる。
(第3の実施形態)
本実施形態では、特定の露出値の受光部31による蛍光信号40を用いて、重心位置を特定する形態を説明する。なお、上記実施形態と同じ機能または構成を示す部分には、同じ符号を付与し、詳細な説明を省略する場合がある。
本実施形態の顕微鏡システム1Eは、第1の実施形態の顕微鏡システム1と同様である(図1参照)。但し、顕微鏡システム1Eは、検出部30に代えて検出部39を備える。また、顕微鏡システム1Eは、焦点調整装置12に代えて、焦点調整装置19を備える。焦点調整装置19は、情報処理装置の一例である。
なお、第1の実施形態と同様に、発光部14Aが、ライン状の形状の照射光LAを発光する光源である場合を想定して説明する。また、第1の実施形態と同様に、ライン状の形状の照射光LAの長手方向が、図1中のX軸方向に一致する場合を一例として説明する。
図20は、検出部39の一例を示す模式図である。検出部39は、第1の実施形態の検出部30と同様に、複数の受光部31を備え、測定対象領域22Bから発せられた蛍光を受光し、蛍光信号40を出力する。
詳細には、検出部39は、複数の受光部31を備える。複数の受光部31は、蛍光を受光する受光面33に沿って二次元配列されている。なお、検出部39は、複数の受光部31を受光面33に沿って一次元配列した形態であってもよい。また、検出部39は、少なくとも2つの受光部31を備えていればよい。
本実施形態では、検出部39が、複数の受光部31を受光面33に沿って二次元配列した形態である場合を、一例として説明する。
検出部39は、複数種類の単位領域37を、受光面33に沿って複数配列した構成である。複数種類の単位領域37は、それぞれ、1または複数の受光部31を含む。複数種類の単位領域37は、含まれる受光部31の露出値が互いに異なる。
露出値とは、ゲインおよび電荷蓄積時間の少なくとも一方を意味する。すなわち、複数種類の単位領域37は、含まれる受光部31のゲインおよび電荷蓄積時間の少なくとも一方が互いに異なる領域である。ゲインおよび電荷蓄積時間の定義は、第1の実施形態で説明したため、ここでは記載を省略する。なお、1つの単位領域37に含まれる複数の受光部31の露出値は、互いに同じ値であるものとする。
複数の受光部31の各々には、受光部31が属する単位領域37の種類ごとに、予め定めた露出値を設定すればよい。このため、受光部31には、露出値を任意の値に設定可能な受光部31を用いればよい。
図20には、検出部39が、2種類の単位領域37として、単位領域37Aと単位領域37Bとを交互に配列した構成である形態を一例として示した。単位領域37Aと単位領域37Bとは、互いに種類の異なる単位領域37である。例えば、単位領域37Aに含まれる受光部31には、予め高い露出値が設定されている。高い露出値とは、ゲインおよび電荷蓄積時間の少なくとも一方が閾値以上であることを意味する。また、単位領域37Bに含まれる受光部31には、予め低い露出値が設定されている。低い露出値とは、ゲインおよび電荷蓄積時間の少なくとも一方が閾値未満であることを意味する。閾値は、予め設定すればよい。
なお、検出部39は、互いに露出値の異なる3種類以上の単位領域37を配列した構成であってもよく、2種類の単位領域37に限定されない。
検出部39は、蛍光を受光し、蛍光信号40を出力する。検出部39から出力される蛍光信号40は、上記実施の形態で説明した蛍光信号40と同様に、複数の受光部31の各々で受光した蛍光の強度値を示す信号である。すなわち、蛍光信号40は、複数の受光部31の各々ごとの蛍光強度値を規定した信号である。検出部39は、蛍光信号40を焦点調整装置19へ出力する。
図21は、焦点調整装置19の機能的構成の一例を示す図である。なお、図21には、説明のために、検出部39、第1の駆動部36、および第2の駆動部38も図示した。
焦点調整装置19は、第1の実施形態の焦点調整装置12と同様に、検出部39から取得した蛍光信号40に基づいて、対物レンズ20の焦点の調整を実行する。焦点調整装置19と、検出部39、第1の駆動部36、および第2の駆動部38とは、データまたは信号を授受可能に接続されている。
焦点調整装置19は、取得部19Aと、導出部19Bと、移動制御部19Cと、を備える。導出部19Bは、選択部19Gと、生成部19Dと、特定部19Eと、算出部19Fと、を含む。
取得部19A、導出部19B、移動制御部19C、選択部19G、生成部19D、特定部19E、および算出部19Fの一部またはすべては、例えば、CPUなどの処理装置にプログラムを実行させること、すなわち、ソフトウェアにより実現してもよいし、ICなどのハードウェアにより実現してもよいし、ソフトウェアおよびハードウェアを併用して実現してもよい。移動制御部19Cは、移動制御部12Cと同様である。
取得部19Aは、検出部39から蛍光信号40を取得する。
導出部19Bは、検出部39から取得した蛍光信号40に基づいて、対物レンズ20および測定対象部材22の少なくとも一方の移動量および移動方向を導出する。詳細には、導出部19Bは、蛍光信号40に基づいて、対物レンズ20の焦点を測定対象領域22Bに合わせるための、上記移動量および上記移動方向を導出する。
本実施形態では、導出部19Bは、選択部19Gと、生成部19Dと、特定部19Eと、算出部19Fと、を有する。
選択部19Gは、複数種類の単位領域37の内、特定の露出値が設定された受光部31を含む単位領域37を選択する。
図22Aは、検体Sの測定対象領域22Bのイメージ図である。ライン状の形状の照射光LAが光軸A1に対して非対称の形状とされ、励起光LBとして測定対象領域22Bに照射される。測定対象領域22Bに含まれる検体Sが、励起光LBの照射により蛍光を発する蛍光色素によって標識された、細胞などの物体である場合を想定して説明する。この場合、測定対象領域22Bにおける励起光LBの照射領域の内、検体Sの存在する領域PBから発せられる光の強度は、検体Sの存在しない領域PAから発せられる光の強度に比べて高くなる。
図22Bは、蛍光信号40Lの一例を示す模式図である。蛍光信号40Lは、検出部39から出力された蛍光信号40の一例である。
蛍光信号40Lにおける、検体Sの存在しない領域PAに相当する領域EAは、検体Sの存在する領域PBに相当する領域EBに比べて、受光部31で受光する蛍光の強度値が低くなる。このため、領域EAについては、高い露出値の受光部31で受光した蛍光の強度値を用いて情報処理を行う事が好ましい。また、領域EBについては、低い露出値の受光部31で受光した蛍光の強度値を用いて情報処理を行う事が好ましい。
そこで、選択部19Gは、検出部39に含まれる複数種類の単位領域37の内、特定の露出値が設定された受光部31を含む単位領域37を選択する。選択部19Gは、取得部19Aで取得した蛍光信号40Lを用いて、単位領域37を選択する。詳細には、選択部19Gは、蛍光強度値が所定範囲内の受光部31を含む単位領域37を選択する。例えば、蛍光強度値が、0〜255の階調値で表される場合を想定する。この場合、選択部19Gは、蛍光信号40Lにおける、蛍光強度値である階調値が予め定めた範囲内の領域を特定する。そして、選択部19Gは、特定した領域に対応する受光部31を含む単位領域37を選択する。例えば、選択部19Gは、予め定めた範囲として、階調値が10以上250以下の範囲内の蛍光強度値を出力した受光部31を含む単位領域37を選択する。
図22Cは、単位領域37の選択の説明図である。上記選択処理によって、選択部19Gは、蛍光信号40Lにおける、検体Sの存在しない領域PAに相当する領域EAについては、含まれる受光部31に高い露出値の設定された単位領域37A(単位領域37A1,37A2,37A3,37A4)を選択する。また、選択部19Gは、蛍光信号40Lにおける、検体Sの存在する領域PBに相当する領域EBについては、含まれる受光部31に低い露出値の設定された単位領域37B(単位領域37B4,37B5)を選択する。
図21に戻り説明を続ける。生成部19Dは、第1の実施形態の生成部12Dと同様に、蛍光信号40Lに含まれる蛍光強度値のプロファイルを生成する。但し、本実施形態の生成部19Dは、蛍光信号40Lにおける、選択部19Gによって選択された単位領域37に含まれる受光部31の蛍光強度値からなる蛍光信号40を用いて、プロファイルを生成する。
特定部19Eは、生成部19Dで生成されたプロファイルに基づいて、蛍光信号40Lにおける蛍光強度値の重心位置を特定する。すなわち、特定部19Eは、選択部19Gで選択された単位領域37(単位領域37A1,37A2,37A3,37A4,37B4,37B5)に含まれる受光部31で受光した蛍光強度値を示す、蛍光信号40のプロファイルに基づいて、重心位置を特定する。特定部19Eは、該プロファイルを用いる点以外は、第1の実施形態の特定部12Eと同様にして、重心位置を算出すればよい。
算出部19Fは、第1の実施形態の算出部12Fと同様にして目標重心位置を特定し、重心位置と目標重心位置との差に基づいて、上記移動量および上記移動方向を算出する。
算出部19Fは、導出部19Bで導出された移動量および移動方向に、対物レンズ20および測定対象部材22の少なくとも一方を移動させる。算出部19Fは、導出部12Bに代えて導出部19Bで導出された移動量および移動方向を用いる点以外は、第1の実施形態の移動制御部12Cと同様にして、対物レンズ20および測定対象部材22の少なくとも一方を移動させる。
次に、焦点調整装置19が実行する情報処理の流れの一例を説明する。
図23は、焦点調整装置19が実行する情報処理の流れの一例を示すフローチャートである。
取得部19Aが、検出部39から蛍光信号40Lを取得する(ステップS300)。
選択部19Gは、複数種類の単位領域37の内、特定の露出値が設定された受光部31を含む単位領域37を選択する(ステップS302)。
生成部19Dは、ステップS300で取得した蛍光信号40Lにおける、ステップS302で選択された単位領域37に含まれる受光部31の蛍光強度値からなる蛍光信号40を用いて、プロファイルを生成する(ステップS304)。
特定部19Eは、ステップS304で生成されたプロファイルに基づいて、蛍光信号40における蛍光強度値の重心位置gを特定する(ステップS306)。
次に、算出部19Fは、ステップS306で特定された重心位置gと、目標重心位置g’と、の差Δgを算出する(ステップS308)。次に、算出部19Fは、ステップS308で算出した差Δgを用いて、対物レンズ20および測定対象部材22の少なくとも一方の移動量および移動方向を算出する(ステップS310)。
移動制御部19Cは、導出部19Bで導出された移動量および移動方向に、対物レンズ20および測定対象部材22の少なくとも一方を移動させる(ステップS312)。移動制御部19Cは、第1の駆動部36および第2の駆動部38の少なくとも一方を駆動制御することで、対物レンズ20および測定対象部材22の少なくとも一方を移動させる。このため、対物レンズ20の焦点が測定対象部材22の測定対象領域22Bに合うように、対物レンズ20および測定対象部材22の位置が調整される。
次に、焦点調整装置19は、情報処理を終了するか否かを判断する(ステップS314)。例えば、焦点調整装置19は、処理終了を示す指示信号を受付けたか否かを判別することで、ステップS314の判断を行う。処理を継続すると判断した場合(ステップS314:No)、上記ステップS300へ戻る。一方、処理終了と判断した場合(ステップS314:Yes)、本ルーチンを終了する。
以上説明したように、本実施形態の顕微鏡システム1Eの検出部39には、含まれる受光部31の露出値が互いに異なる複数種類の単位領域37が受光面に沿って配列されている。導出部19Bの選択部19Gは、複数種類の単位領域37の内、特定の露出値の受光部31を含む単位領域37を選択する。特定部19Eは、選択された単位領域37に含まれる受光部31の蛍光の強度値を示す蛍光信号40のプロファイルに基づいて、重心位置gを特定する。
このため、本実施形態の顕微鏡システム1Eでは、同じ露出値の設定された受光部31からなる検出部30の蛍光信号40を用いて上記情報処理を行う場合に比べて、サチュレーション、信号不足などの問題が発生することを抑制することができる。また、顕微鏡システム1Eでは、選択された単位領域37に含まれる受光部31の蛍光強度値を示す蛍光信号40のプロファイルに基づいて、重心位置gを特定するための、重心位置gの特定精度向上を図ることができる。このため、顕微鏡システム1Eでは、上記実施形態の効果に加えて、更に高精度に、ガラス(ガラス部材22A)を介して配置された測定対象領域22Bに焦点を合わせることができる。
なお、上記には、本開示の実施形態および変形例を説明したが、上述した実施形態および変形例に係る処理は、上記実施形態および変形例以外にも種々の異なる形態にて実施されてよい。また、上述してきた実施形態および変形例は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
また、本明細書に記載された効果はあくまで例示であって限定されるものでは無く、また他の効果があってもよい。
(ハードウェア構成)
図24は、上記実施形態および変形例に係る焦点調整装置12、焦点調整装置13、および焦点調整装置19の機能を実現するコンピュータ1000の一例を示すハードウェア構成図である。
コンピュータ1000は、CPU1100、RAM1200、ROM(Read Only Memory)1300、HDD(Hard Disk Drive)1400、通信インターフェース1500、及び入出力インターフェース1600を有する。コンピュータ1000の各部は、バス1050によって接続される。
CPU1100は、ROM1300又はHDD1400に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。例えば、CPU1100は、ROM1300又はHDD1400に格納された焦点調整プログラムをRAM1200に展開し、焦点調整プログラムに対応した処理を実行する。
ROM1300は、コンピュータ1000の起動時にCPU1100によって実行されるBIOS(Basic Input Output System)等のブートプログラムや、コンピュータ1000のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。
HDD1400は、CPU1100によって実行されるプログラム、及び、かかるプログラムによって使用されるデータ等を非一時的に記録する、コンピュータが読み取り可能な記録媒体である。具体的には、HDD1400は、プログラムデータ1450の一例である本開示に係る焦点調整プログラムを記録する記録媒体である。
通信インターフェース1500は、コンピュータ1000が外部ネットワーク1550(例えばインターネット)と接続するためのインターフェースである。例えば、CPU1100は、通信インターフェース1500を介して、他の機器からデータを受信したり、CPU1100が生成したデータを他の機器へ送信する。
入出力インターフェース1600は、入出力デバイス1650とコンピュータ1000とを接続するためのインターフェースである。例えば、CPU1100は、入出力インターフェース1600を介して、キーボードやマウス等の入力デバイスからデータを受信する。また、CPU1100は、入出力インターフェース1600を介して、ディスプレイやスピーカやプリンタ等の出力デバイスにデータを送信する。また、入出力インターフェース1600は、所定の記録媒体(メディア)に記録された焦点調整プログラム等を読み取るメディアインターフェイスとして機能してもよい。メディアとは、例えばDVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto−Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等である。
例えば、コンピュータ1000が上記実施形態に係る焦点調整装置12、焦点調整装置13、または焦点調整装置19として機能する場合、コンピュータ1000のCPU1100は、RAM1200上にロードされた焦点調整プログラムを実行することにより、取得部12A、導出部12B、および移動制御部12C、または、取得部13A、導出部13B、および移動制御部13C、または、取得部19A、導出部19B、および移動制御部19C、等の機能を実現する。また、HDD1400には、本開示に係る焦点調整プログラムおよびデータが格納される。なお、CPU1100は、プログラムデータ1450をHDD1400から読み取って実行するが、他の例として、外部ネットワーク1550を介して、他の装置からこれらのプログラムを取得してもよい。
なお、本技術は以下のような構成も取ることができる。
(1)
光軸に対して非対称の形状の励起光を照射する照射部と、
ガラス部材と測定対象領域とを含む測定対象部材に前記励起光を集光する対物レンズと、
前記励起光により前記測定対象領域から発せられた蛍光を受光する少なくとも1つ以上の受光部を備え、各々の前記受光部で受光した蛍光の強度値を示す蛍光信号を出力する検出部と、
前記蛍光信号に基づいて、前記対物レンズおよび前記測定対象部材の少なくとも一方の移動量および移動方向を導出する導出部を備え、導出された前記移動量および前記移動方向に、前記対物レンズおよび前記測定対象部材の少なくとも一方を移動させる移動制御部と、
を備える、顕微鏡システム。
(2)
前記導出部は、
前記蛍光信号に含まれる前記強度値のプロファイルを生成する生成部と、
前記プロファイルに基づいて、前記蛍光信号における前記強度値の重心位置を特定する特定部と、
目標重心位置を特定し、前記重心位置と前記目標重心位置との差に基づいて、前記移動量および前記移動方向を算出する算出部と、
を有する、
上記(1)に記載の顕微鏡システム。
(3)
前記検出部は、
含まれる前記受光部の露出値が互いに異なる複数種類の単位領域が受光面に沿って配列され、
前記導出部は、
複数種類の前記単位領域の内、特定の露出値の前記受光部を含む前記単位領域を選択する選択部を含み、
前記特定部は、
選択された前記単位領域に含まれる前記受光部の前記強度値を示す前記蛍光信号の前記プロファイルに基づいて、前記重心位置を特定する、
上記(2)に記載の顕微鏡システム。
(4)
前記生成部は、
前記蛍光信号に含まれる蛍光受光領域の前記強度値を用いて、前記プロファイルを生成する、
上記(2)に記載の顕微鏡システム。
(5)
前記照射部は、
発光部から照射された照射光の一部を遮光し、前記励起光として出力する遮光部を有する、
上記(1)〜(4)の何れか1つに記載の顕微鏡システム。
(6)
前記照射部は、
発光部から照射された照射光を光軸に対して非対称の形状に分離する分離部を有する、
上記(1)〜(4)の何れか1つに記載の顕微鏡システム。
(7)
前記照射部は、
発光部から照射された照射光の一部を平行にして前記励起光として出力するコリメートレンズを有し、
前記発光部は、
前記発光部の発光位置が前記コリメートレンズの光軸から外れた位置に配置されてなる、
上記(1)〜(4)の何れか1つに記載の顕微鏡システム。
(8)
前記照射部は、
発光部から照射された照射光に非点収差を発生させた前記励起光を照射する、
上記(1)〜(4)の何れか1つに記載の顕微鏡システム。
(9)
前記導出部は、
前記蛍光信号に含まれる蛍光受光領域の広がり方向に基づいて、前記移動方向を導出する方向導出部と、
前記蛍光信号を、該蛍光受光領域上を通り且つ該蛍光受光領域の広がり方向に沿った直線を境界として2つの領域に分割し、前記蛍光信号に含まれる前記強度値の合計値に対する、2つの前記領域の各々の前記強度値の合計値の差の比を、前記移動量として導出する移動量導出部と、
を有する、
上記(8)に記載の顕微鏡システム。
(10)
前記導出部は、
前記蛍光信号を、前記対物レンズと前記測定対象部材との距離が近づくときの蛍光受光領域の広がりを示す第1の線状領域の一端部と、該第1の線状領域の他端部と、前記対物レンズと前記測定対象部材との距離が離れるときの前記蛍光受光領域の広がりを示す第2の線状領域の一端部と、該第2の線状領域の他端部と、の各々が互いに異なる領域に配置されるように4つの領域に分割し、
4つの前記領域の内、前記検出部から取得した前記蛍光信号に含まれる前記蛍光受光領域の広がり方向の両端部が位置する2つの前記領域である存在領域に応じて、前記移動方向を導出する方向導出部と、
前記蛍光信号に含まれる前記強度値の合計値に対する、4つの前記領域の内の前記存在領域の前記強度値の合計値から、4つの前記領域の内の前記存在領域以外の他の2つの前記領域の前記強度値の合計値を減算した差分の比を、前記移動量として導出する移動量導出部と、
を有する、
上記(8)に記載の顕微鏡システム。
(11)
前記検出部は、
ゲインおよび電荷蓄積時間の少なくとも一方の異なる複数種類の前記受光部を含むブロック領域を受光面に沿って複数配列してなる、
上記(1)〜(10)の何れか1つに記載の顕微鏡システム。
(12)
光軸に対して非対称の形状の励起光を照射する照射部と、ガラス部材と測定対象領域とを含む測定対象部材に前記励起光を集光する対物レンズと、前記励起光により前記測定対象領域から発せられた蛍光を受光する少なくとも1つ以上の受光部を備え、各々の前記受光部で受光した蛍光の強度値を示す蛍光信号を出力する検出部と、を備えた測定部から、前記蛍光信号を取得するステップと、
前記蛍光信号に基づいて、前記対物レンズおよび前記測定対象部材の少なくとも一方の移動量および移動方向を導出する導出部を備え、導出された前記移動量および前記移動方向に、前記対物レンズおよび前記測定対象部材の少なくとも一方を移動制御するステップと、
をコンピュータに実行させるための焦点調整プログラム。
(13)
測定部と、前記測定部の動作の制御に使われるソフトウェアと、を含んで構成される焦点調整システムであって、
前記ソフトウェアは情報処理装置に搭載されており、
前記測定部は、
光軸に対して非対称の形状の励起光を照射する照射部と、
ガラス部材と測定対象領域とを含む測定対象部材に前記励起光を集光する対物レンズと、
前記励起光により前記測定対象領域から発せられた蛍光を受光する少なくとも1つ以上の受光部を備え、各々の前記受光部で受光した蛍光の強度値を示す蛍光信号を出力する検出部と、
を含み、
前記ソフトウェアは、
前記検出部から、前記蛍光信号を取得し、
前記蛍光信号に基づいて、前記対物レンズの焦点を前記測定対象領域に合わせるための、前記対物レンズおよび前記測定対象部材の少なくとも一方の移動量および移動方向を導出し、
導出された前記移動量および前記移動方向に、前記対物レンズおよび前記測定対象部材の少なくとも一方を移動制御する、
焦点調整システム。
1、1A、1B、1C、1D、1E 顕微鏡システム
10、10A、10B、10C 測定部
12、13、19 焦点調整装置
12A、13A、19A 取得部
12B、13B、19B 導出部
12C、13C、19C 移動制御部
12D、19D 生成部
12E、19E 特定部
12F、19F 算出部
13D 方向導出部
13E 移動量導出部
14、15A、15B 照射部
19G 選択部
20 対物レンズ
22 測定対象部材
22A ガラス部材
22B 測定対象領域
30、35、39 検出部

Claims (13)

  1. 光軸に対して非対称の形状の励起光を照射する照射部と、
    ガラス部材と測定対象領域とを含む測定対象部材に前記励起光を集光する対物レンズと、
    前記励起光により前記測定対象領域から発せられた蛍光を受光する少なくとも1つ以上の受光部を備え、各々の前記受光部で受光した蛍光の強度値を示す蛍光信号を出力する検出部と、
    前記蛍光信号に基づいて、前記対物レンズおよび前記測定対象部材の少なくとも一方の移動量および移動方向を導出する導出部を備え、導出された前記移動量および前記移動方向に、前記対物レンズおよび前記測定対象部材の少なくとも一方を移動させる移動制御部と、
    を備える、顕微鏡システム。
  2. 前記導出部は、
    前記蛍光信号に含まれる前記強度値のプロファイルを生成する生成部と、
    前記プロファイルに基づいて、前記蛍光信号における前記強度値の重心位置を特定する特定部と、
    目標重心位置を特定し、前記重心位置と前記目標重心位置との差に基づいて、前記移動量および前記移動方向を算出する算出部と、
    を有する、
    請求項1に記載の顕微鏡システム。
  3. 前記検出部は、
    含まれる前記受光部の露出値が互いに異なる複数種類の単位領域が受光面に沿って配列され、
    前記導出部は、
    複数種類の前記単位領域の内、特定の露出値の前記受光部を含む前記単位領域を選択する選択部を含み、
    前記特定部は、
    選択された前記単位領域に含まれる前記受光部の前記強度値を示す前記蛍光信号の前記プロファイルに基づいて、前記重心位置を特定する、
    請求項2に記載の顕微鏡システム。
  4. 前記生成部は、
    前記蛍光信号に含まれる蛍光受光領域の前記強度値を用いて、前記プロファイルを生成する、
    請求項2に記載の顕微鏡システム。
  5. 前記照射部は、
    発光部から照射された照射光の一部を遮光し、前記励起光として出力する遮光部を有する、
    請求項1に記載の顕微鏡システム。
  6. 前記照射部は、
    発光部から照射された照射光を光軸に対して非対称の形状に分離する分離部を有する、
    請求項1に記載の顕微鏡システム。
  7. 前記照射部は、
    発光部から照射された照射光の一部を平行にして前記励起光として出力するコリメートレンズを有し、
    前記発光部は、
    前記発光部の発光位置が前記コリメートレンズの光軸から外れた位置に配置されてなる、
    請求項1に記載の顕微鏡システム。
  8. 前記照射部は、
    発光部から照射された照射光に非点収差を発生させた前記励起光を照射する、
    請求項1に記載の顕微鏡システム。
  9. 前記導出部は、
    前記蛍光信号に含まれる蛍光受光領域の広がり方向に基づいて、前記移動方向を導出する方向導出部と、
    前記蛍光信号を、該蛍光受光領域上を通り且つ該蛍光受光領域の広がり方向に沿った直線を境界として2つの領域に分割し、前記蛍光信号に含まれる前記強度値の合計値に対する、2つの前記領域の各々の前記強度値の合計値の差の比を、前記移動量として導出する移動量導出部と、
    を有する、
    請求項8に記載の顕微鏡システム。
  10. 前記導出部は、
    前記蛍光信号を、前記対物レンズと前記測定対象部材との距離が近づくときの蛍光受光領域の広がりを示す第1の線状領域の一端部と、該第1の線状領域の他端部と、前記対物レンズと前記測定対象部材との距離が離れるときの前記蛍光受光領域の広がりを示す第2の線状領域の一端部と、該第2の線状領域の他端部と、の各々が互いに異なる領域に配置されるように4つの領域に分割し、
    4つの前記領域の内、前記検出部から取得した前記蛍光信号に含まれる前記蛍光受光領域の広がり方向の両端部が位置する2つの前記領域である存在領域に応じて、前記移動方向を導出する方向導出部と、
    前記蛍光信号に含まれる前記強度値の合計値に対する、4つの前記領域の内の前記存在領域の前記強度値の合計値から、4つの前記領域の内の前記存在領域以外の他の2つの前記領域の前記強度値の合計値を減算した差分の比を、前記移動量として導出する移動量導出部と、
    を有する、
    請求項8に記載の顕微鏡システム。
  11. 前記検出部は、
    ゲインおよび電荷蓄積時間の少なくとも一方の異なる複数種類の前記受光部を含むブロック領域を受光面に沿って複数配列してなる、
    請求項1に記載の顕微鏡システム。
  12. 光軸に対して非対称の形状の励起光を照射する照射部と、ガラス部材と測定対象領域とを含む測定対象部材に前記励起光を集光する対物レンズと、前記励起光により前記測定対象領域から発せられた蛍光を受光する少なくとも1つ以上の受光部を備え、各々の前記受光部で受光した蛍光の強度値を示す蛍光信号を出力する検出部と、を備えた測定部から、前記蛍光信号を取得するステップと、
    前記蛍光信号に基づいて、前記対物レンズおよび前記測定対象部材の少なくとも一方の移動量および移動方向を導出する導出部を備え、導出された前記移動量および前記移動方向に、前記対物レンズおよび前記測定対象部材の少なくとも一方を移動制御するステップと、
    をコンピュータに実行させるための焦点調整プログラム。
  13. 測定部と、前記測定部の動作の制御に使われるソフトウェアと、を含んで構成される焦点調整システムであって、
    前記ソフトウェアは情報処理装置に搭載されており、
    前記測定部は、
    光軸に対して非対称の形状の励起光を照射する照射部と、
    ガラス部材と測定対象領域とを含む測定対象部材に前記励起光を集光する対物レンズと、
    前記励起光により前記測定対象領域から発せられた蛍光を受光する少なくとも1つ以上の受光部を備え、各々の前記受光部で受光した蛍光の強度値を示す蛍光信号を出力する検出部と、
    を含み、
    前記ソフトウェアは、
    前記検出部から、前記蛍光信号を取得し、
    前記蛍光信号に基づいて、前記対物レンズの焦点を前記測定対象領域に合わせるための、前記対物レンズおよび前記測定対象部材の少なくとも一方の移動量および移動方向を導出し、
    導出された前記移動量および前記移動方向に、前記対物レンズおよび前記測定対象部材の少なくとも一方を移動制御する、
    焦点調整システム。
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