JP7101561B2 - 二光子顕微鏡 - Google Patents

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Description

本発明は、二光子顕微鏡に関する。
非特許文献1は、顕微鏡システムを開示する。顕微鏡システムは、レーザを走査する光学装置と、制御装置と、を備えている。光学装置は、励起光としてのレーザを観察試料に照射する。そして、顕微鏡システムは、当該レーザに起因して発生する蛍光を検出する。
"光計測スキャンブロック"、[online]、平成29年11月、浜松ホトニクス株式会社、[平成30年7月2日検索]、インターネット<URL:https://www.hamamatsu.com/resources/pdf/etd/C10516_TPMO1057J.pdf>
従来、再生医療分野などでは、平面培養によって得られたいわゆる二次元細胞が用いられていた。近年は、オルガノイド(ミニ組織)およびスフェロイド(細胞塊)が注目されている。これらの組織及び細胞塊は、二次元細胞と生体組織との中間的な性質を有する。そして、各種の細胞を基に、マイクロメートルオーダーのミニ組織及び細胞塊が作出されている。これらのミニ組織及び細胞塊は、より臨床検体に近い試料として、創薬分野及び医療分野への利用が期待されている。
細胞塊を利用する場合には、細胞塊の深部に位置する細胞の状態を観察することもある。細胞の観察には、例えば、非特許文献1が開示するような顕微鏡システムが用いられる。顕微鏡システムは、励起光の照射に起因する蛍光を利用して、蛍光像を得る。つまり、細胞を観察する際には、細胞塊の表面だけでなく、細胞塊の内部にまで励起光の照射が行われる。
しかし、例えば、細胞塊の内部では、光散乱あるいは光吸収が生じるので、励起に要するエネルギを持った光を細胞塊の深部に届けることは難しい。また、励起光のエネルギを高めると、細胞を損傷させてしまうおそれも生じる。つまり、細胞塊が大きくなるにしたがって、細胞塊の深部まで良好に観察することが難しくなる。
そこで、本発明は、細胞塊に与える影響を抑制しつつ、良好な観察結果を得ることが可能な二光子顕微鏡を提供することを目的とする。
本発明の一形態に係る二光子顕微鏡は、パルスレーザを出射する光源と、パルスレーザを受け入れて、試料に対するパルスレーザの照射位置が二次元平面内において移動するように、パルスレーザの進行方向を変化させる走査部と、走査部から受け入れたパルスレーザを分岐して、第1分岐レーザ及び第2分岐レーザを形成する分岐部と、軸線上において互いに離間して配置された第1及び第2対物レンズを有する照射部であって、第1対物レンズは、軸線上に配置された試料と交差する第1走査平面に第1分岐レーザを集光し、第2対物レンズは、試料と交差すると共に第1走査平面に対して平行に離間する第2走査平面に第2分岐レーザを集光する、照射部と、第1分岐レーザに起因して試料から出射された第1被計測光を検出する第1検出部と、第2分岐レーザに起因して試料から出射された第2被計測光を検出する第2検出部と、走査部から第1及び第2対物レンズに至る光路上に設けられた焦点調整部と、を備え、分岐部から第1対物レンズに至る光路長は、分岐部から第2対物レンズに至る光路長と等しく、軸線の方向から見た場合に、第1走査平面における第1分岐レーザの照射位置は、第2走査平面における第2分岐レーザの照射位置と重複する。
光源から出射されたパルスレーザは、走査部において進行方向が変化させられた後に、分岐部において分岐される。この構成によれば、第1分岐レーザによる走査と、第2分岐レーザによる走査と、を精度よく同期させることができる。そして、分岐部から第1及び第2対物レンズまでの光路長が互いに等しい。そうすると、第1及び第2分岐レーザは、分岐されてから照射されるまでの条件が一致する。つまり、試料に入射する直前までの第1及び第2分岐レーザの状態を揃えることができる。また、第1及び第2対物レンズは、互いに離間するとともに試料を挟むように配置されている。この配置によれば、第1及び第2分岐レーザは、互いに異なる方向から試料に照射される。その結果、試料の表面から焦点に至る長さを短縮することができる。試料表面から焦点に至る長さが短くなることにより、第1及び第2分岐レーザの散乱等の発生が低減される。つまり、試料に入射してから焦点に至るまでの第1及び第2分岐レーザの状態を揃えることができる。さらに、第1被計測光は、第1照射部を介して第1検出部に入射する。同様に、第2被計測光は、第2照射部を介して第2検出部に入射する。つまり、第1及び第2被計測光は、互いに干渉し合うことなく、それぞれ独立の光路を経て、第1及び第2検出部に入射する。従って、第1及び第2被計測光は、発生してから第1及び第2検出部に入射するまでの条件が一致する。その結果、試料に入射する直前までの状態と、試料に入射してから焦点に至るまでの状態と、が第1及び第2分岐レーザの間で揃うので、被計測光を発生させる励起条件に差異が生じない。さらに、被計測光は、第1及び第2検出部に入射するまでの条件が整った光路を経て第1及び第2検出部に入射する。従って、被計測光の強度に差異が生じることを抑制できるので、良好な観察結果を得ることができる。
一形態において、焦点調整部は、分岐部から第1対物レンズに至る光路上に設けられた第1焦点可変レンズと、分岐部から第2対物レンズに至る光路上に設けられた第2焦点可変レンズと、を含んでもよい。この構成によれば、第1及び第2分岐レーザのそれぞれに焦点調整のためのレンズが配置される。従って、第1及び第2分岐レーザの焦点位置を、それぞれ独立に調整することができる。
一形態において、焦点調整部は、走査部から分岐部に至る光路上に設けられた第3焦点可変レンズを含んでもよい。この構成によれば、分岐前のパルスレーザに対して焦点調整のためのレンズが配置される。従って、一つのレンズによって、第1及び第2分岐レーザの両方について焦点位置を調整することができる。
一形態において、光源は、波長可変型パルスレーザであるレーザを出射してもよい。この構成によれば、良好な励起光を提供することができる。
一形態において、光源は、第1波長を有する第1レーザを生成する第1光出射部と、第1波長とは異なる第2波長を有する第2レーザを生成する第2光出射部と、第1光出射部から第1レーザを受け入れると共に第2光出射部から第2レーザを受け入れて、第1レーザと第2レーザが合波された第3レーザを出射する第3光出射部と、を含んでもよい。この構成によれば、異なる波長を有する合波レーザを試料に照射することができる。
一形態において、第1検出部は、第1被計測光を受ける第1受光部と、試料から第1受光部へ至る光路上に配置された第1フィルタと、を有し、第2検出部は、第2被計測光を受ける第2受光部と、試料から第2受光部へ至る光路上に配置された第2フィルタと、を有してもよい。この構成によれば、互いに異なる波長を有する第1及び第2被計測光を好適に受光することができる。
本発明によれば、細胞塊に与える影響を抑制しつつ、良好な観察結果を得ることが可能な二光子顕微鏡が提供される。
図1は、第1実施形態に係る二光子顕微鏡の構成を示す図である。 図2は、細胞塊へ分岐レーザを照射する様子を示す斜視図である。 図3の(a)部、(b)部、(c)部及び(d)部は、第1実施形態に係る二光子顕微鏡の動作を示す図である。 図4は、三次元画像を形成する動作を示す図である。 図5は、第2実施形態に係る二光子顕微鏡の構成を示す図である。 図6の(a)部、(b)部及び(c)部は、第2実施形態に係る二光子顕微鏡の動作を示す図である。 図7は、変形例1に係る二光子顕微鏡の構成を示す図である。 図8は、変形例2に係る二光子顕微鏡の構成を示す図である。 図9は、変形例3に係る二光子顕微鏡の構成を示す図である。
以下、添付図面を参照しながら本発明を実施するための形態を詳細に説明する。図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
図1に示すように、二光子顕微鏡1は、励起光を細胞塊100(試料)に照射する。細胞塊100には、蛍光プローブを用いた染色処理が施されている。その結果、励起光を照射すると、蛍光プローブを取り込んだ細胞塊100が蛍光を発する。当該蛍光を検出することにより、細胞塊100の画像が得られる。
二光子顕微鏡1は、光学系として、光源2と、レーザ走査部3(走査部)と、レーザ分岐部4(分岐部)と、レーザ照射部6(照射部)と、蛍光検出部7と、を有する。また、二光子顕微鏡1は、制御系としてコントローラ8を有する。さらに、二光子顕微鏡1は、処理系としてコンピュータ9を有する。
以下の説明において、入力、出力、入出力との用語を用いることがある。入力は、レーザを受け入れる仮想的な点を意味し、出力は、レーザを出射する仮想的な点を意味し、入出力はレーザを受け入れ及び出射する仮想的な点を意味する。入力、出力、入出力は、説明の便宜上用いる用語であり、実際の装置において、物理的な存在を要することはない。要するに、入力、出力、入出力との用語は、各構成要素においてレーザの出射及び受け入れを単に説明するものである。
光源2は、励起光としてのレーザLを発生させる。光源2は、レーザ装置2sを含む。レーザ装置2sが出射するレーザLは、パルスレーザであり、より詳細には、フェムト秒レーザである。なお、レーザLは、励起の態様に応じて、適宜所望の特性を有するものを利用してよい。例えば、パルス幅は、所望の値に設定してよい。光源2が出射したレーザLは、レーザ走査部3に入射する。つまり、光源2の出力2aは、レーザ走査部3の入力3aに対して光学的に接続されている。なお、光源2の出力2aからレーザ走査部3の入力3aに至る光路P1には、必要に応じて補助光学部11を配置してもよい。補助光学部11としては、例えば、一対のコリメータレンズ12があげられる。
スキャンブロックであるレーザ走査部3は、ミラー13A、13Bと、レンズ15と、を含む。レーザ走査部3は、入力3aからレーザLを受け入れる。次に、レーザ走査部3は、細胞塊100に対するレーザLの照射位置が二次元平面内において移動するように、レーザLの進行方向を変化させる。そして、レーザ走査部3は、レンズ15を介して出力3bからレーザLを出射する。レンズ15は、例えばfθレンズ(fθlens)である。fθレンズは、複数枚の凸レンズと凹レンズとの組み合わせにより構成される。従って、レーザLは、入力3a、ミラー13A、13B、レンズ15及び出力3bの順に通過する。レーザ走査部3は、いわゆるスキャナである。レーザLの進行方向を変化させる構成は、特に制限はない。例えば、当該構成は、一対のミラー13A、13Bとしてもよい。入力3aから受け入れたレーザLに対するミラー13A、13Bの角度を適宜制御することにより、出力3bから出射されるレーザLの進行方向が所望の方向に設定される。ミラー13A、13Bの動作は、コントローラ8から提供される制御信号φ1によって制御される。レーザ走査部3は、一対のミラー13A、13Bを有するので、照射位置を二次元状に移動させることができる。
レーザ走査部3が出射したレーザLは、レーザ分岐部4に入射する。つまり、レーザ走査部3の出力3bは、レーザ分岐部4の入力4aに対して光学的に接続されている。なお、レーザ走査部3の出力3bからレーザ分岐部4の入力に至る光路P2にも、補助光学部14が配置されている。補助光学部14は、結像レンズ16を有する。
レーザ分岐部4は、レーザ走査部3から受け入れたレーザLを分岐する。例えば、レーザ分岐部4は、ハーフミラー17を有する。ハーフミラー17は、入力4aから受け入れたレーザLの一部を反射するとともに別の一部を透過する。反射したレーザは、分岐レーザL1(第1分岐レーザ)である。透過したレーザは、分岐レーザL2(第2分岐レーザ)である。分岐レーザL1は、出力4bから出射され、分岐レーザL2は、出力4cから出射される。
レーザ分岐部4が出射した分岐レーザL1、L2は、光学系18、19を介してレーザ照射部6に入射する。具体的には、レーザ分岐部4の出力4bは、光学系18によってレーザ照射部6に対して光学的に接続されている。同様に、レーザ分岐部4の出力4cは、光学系19によってレーザ照射部6に対して光学的に接続されている。例えば、一方の光学系18は、ミラー21を有する。出力4bから出射された分岐レーザL1は、光学系18の入力18aに受け入れられる。受け入れられた分岐レーザL1は、ミラー21によって反射される。そして、反射された分岐レーザL1は、出力18bからレーザ照射部6の入力24aに導かれる。また、他方の光学系19は、ミラー22、23を有する。レーザ分岐部4の出力4cから出射された分岐レーザL2は、光学系19の入力19aに受け入れられる。受け入れられた分岐レーザL2は、ミラー22、23によって反射される。反射された分岐レーザL2は、出力19bからレーザ照射部6の入力26aに導かれる。
ここで、光路P3、P4を規定する。光路P3は、光学系18によって形成される。より厳密には、光路P3は、ハーフミラー17から入力24aまでの経路である。光路P4は、光学系19によって形成される。より厳密には、光路P4は、ハーフミラー17から入力26aまでの経路である。そして、光路P3の光路長は、光路P4の光路長と等しい。実施形態に例示される構成では、光路P3の光路長は固定されている。一方、光路P4の光路長は、調整が可能である。例えば、光学系19のミラー22、23のいずれか一方の位置および角度を制御することにより、光路P4の光路長を調整できる。
レーザ照射部6は、分岐レーザL1、L2を細胞塊100に照射する。レーザ照射部6は、一対の照射ユニット24、26を有する。照射ユニット24、26は、互いに同様の構成を有する。一方の照射ユニット24は、一方の分岐レーザL1のためのものであり、他方の照射ユニット26は、他方の分岐レーザL2のためのものである。一方の照射ユニット24は、他方の照射ユニット26に対して向き合うように配置されている。そして、一方の照射ユニット24が分岐レーザL1を照射する方向は、他方の照射ユニット26が分岐レーザL2を照射する方向と逆方向である。この「逆方向」とは、例えば、同一の仮想線上において、正の方向と負の方向との関係のような厳密な関係に限定されない。また、一対の照射ユニット24、26が向き合う方向は、特に限定されない。例えば、照射ユニット24、26を上下方向に配置してもよい。つまり、照射ユニット24を上側、照射ユニット26を下側に配置してもよい。また、例えば、照射ユニット24、26を左右方向に配置してもよい。さらに、照射ユニット24、26を配置する方向は、鉛直方向または水平方向に対して斜めでもよい。
なお、本実施形態では、分岐レーザL1、L2の両方を励起光として利用する。例えば、一方の分岐レーザL1を励起光として利用し、他方の分岐レーザL2を別の目的に利用してもよい。例えば、分岐レーザL2を刺激光として用いてもよい。
照射ユニット24は、ダイクロイックミラー27と、対物レンズ28(第1対物レンズ)と、を有する。レーザ照射部6の入力24aから入出力24bに至る光路P5において、入力24a側から順にダイクロイックミラー27、後述する焦点調整部29、対物レンズ28の順に配置されている。つまり、入力24aから受け入れられた分岐レーザL1は、まず、ダイクロイックミラー27に入射し、次に、焦点調整部29を通過し、次に、対物レンズ28を通過して、最後に入出力24bから出射される。同様に、照射ユニット26も、ダイクロイックミラー31と、対物レンズ32(第2対物レンズ)と、を有する。レーザ照射部6の入力26aから入出力26bに至る光路P6において、入力26aの側から順にダイクロイックミラー31、焦点調整部33及び対物レンズ32の順に配置されている。
ダイクロイックミラー27、31は、分岐レーザL1、L2を全反射するとともに、後述する蛍光F1、F2を全透過する。ダイクロイックミラー27、31は、分岐レーザL1、L2の進行方向が対物レンズ28、32の光軸にそれぞれ沿うように、設けられている。
ここで、照射ユニット24、26は、互いに向き合っていること、および、分岐レーザL1、L2の出射方向が互いに逆向きであることはすでに述べた。これらの点は、例えば、対物レンズ28、32の位置関係を用いて説明してもよい。
図2に示すように、まず、基準となる軸線S1を定義する。観察時において細胞塊100は、軸線S1上に配置される。そして、対物レンズ28、32もそれぞれ軸線S1上に配置される。より詳細には、対物レンズ28、32は、軸線S1上において互いに離間して配置される。さらに、対物レンズ28の光軸は軸線S1と重複する。同様に、対物レンズ32の光軸も軸線S1と重複する。細胞塊100は、対物レンズ28、32の間に配置される。
一方の対物レンズ28は、照射位置T1に分岐レーザL1を集光する。照射位置T1は、走査平面C1(第1走査平面)に含まれる。走査平面C1は、軸線S1上に配置された細胞塊100と交差する。他方の対物レンズ32は、照射位置T2に分岐レーザL2を集光する。照射位置T2は、別の走査平面C2(第2走査平面)に含まれる。別の走査平面C2は、細胞塊100と交差すると共に走査平面C1に対して平行に離間する。
再び図1を参照する。照射ユニット24、26は、蛍光F1、F2を検出ユニット36(第1検出部)、検出ユニット37(第2検出部)に導く光路である。具体的には、細胞塊100において生じた蛍光F1は、入出力24bから照射ユニット24へ入射する。次に、蛍光F1は、対物レンズ28、焦点調整部29及びダイクロイックミラー27を介して出力24cから出射される。そして、出射された蛍光F1は、蛍光検出部7の入力36aに入射する。また、蛍光F2も同様の経路を経て、蛍光検出部7の入力37aに入射する。
焦点調整部29、33は、細胞塊100に対する焦点位置を制御する。焦点調整部29は、レーザ走査部3から対物レンズ28に至る光路P2、P3、P5上に設けられていればよい。同様に、焦点調整部33は、レーザ走査部3から対物レンズ28に至る光路P2、P4、P6上に設けられていればよい。本実施形態において、焦点調整部29、33は、レーザ照射部6に設けられている。より詳細には、焦点調整部29は、照射ユニット24において、ダイクロイックミラー27と対物レンズ28との間に配置されている。焦点調整部33は、照射ユニット26において、ダイクロイックミラー31と対物レンズ32との間に配置されている。
焦点調整部29、33は、例えば、液体レンズである焦点可変レンズ34(第1焦点可変レンズ、第2焦点可変レンズ)を含む。焦点調整部29、33は、例えば、外部から提供される制御信号φ2、φ3に応じて焦点可変レンズ34の屈折率を変化させる。この動作によって、焦点位置を変更することができる。ここでいう焦点位置とは、入出力24bから出射される分岐レーザL1の方向に沿った位置である。また、焦点位置とは、入出力26bから出射される分岐レーザL2の方向に沿った位置であるとも言える。換言すると、焦点位置とは、細胞塊100の表面からの深さ位置であると言ってもよい。つまり、焦点調整部29、33は、軸線S1に沿った走査平面C1、C2の位置を制御する。なお、走査平面C1、C2の面内における照射位置の制御は、レーザ走査部3によりなされる。
蛍光検出部7は、分岐レーザL1、L2に起因して細胞塊100から出射された蛍光F1(第1被計測光)及び蛍光F2(第2被計測光)を検出する。具体的には、蛍光検出部7は、一対の検出ユニット36、37を有する。検出ユニット36は、一方の蛍光F1を検出する。検出ユニット37は、他方の蛍光F2を検出する。
検出ユニット36は、一方の照射ユニット24に対応する。具体的には、検出ユニット36は、照射ユニット24の出力24cに対して光学的に接続される。つまり、照射ユニット24の出力24cから出射された蛍光F1は、検出ユニット36の入力36aに入射する。検出ユニット36は、フィルタ38(第1フィルタ)、レンズ39と、センサ41(第1受光部)と、を有する。入力36aから受け入れられた蛍光F1は、フィルタ38、レンズ39の順に通過し、最後にセンサ41に入射する。フィルタ38は、ノイズとなり得るレーザLの入射を抑制する。レンズ39は、センサ41の受光部に蛍光F1を集光する。センサ41は、受け入れた蛍光F1の強度に応じた電気信号を生成する。当該電気信号は、出力36bを介して、コンピュータ9に送信される。
他方の検出ユニット37は、他方の照射ユニット26に対応する。具体的には、検出ユニット37の入力37aは、照射ユニット26の出力26cに対して光学的に接続される。検出ユニット37は、フィルタ38A(第2フィルタ)、レンズ39Aと、センサ41A(第2受光部)と、を有する。なお、他方の検出ユニット37の構成部品は、検出ユニット36と同様であるので、重複する説明は省略する。
なお、二光子励起の場合、例えば1050ナノメートルである近赤外波長のレーザを用いて、その半分の波長によって蛍光粒子を励起する。光電子増倍管は、当該励起波長に感度を有しない。従って、レーザLはノイズとはならない。一方、アバランシェフォトダイオード(avalanche photodiode:APD)又はマルチピクセルフォトンカウンター(Multi-Pixel Photon Counter:MPPC)といった半導体光検出器を用いる場合には、レーザカットフィルタによりノイズとなり得るレーザを遮断する。
コントローラ8は、上述したようにレーザ走査部3に対して制御信号φ1を提供する。レーザ走査部3への制御信号φ1の提供によって、走査平面C1、C2上における照射位置の移動が行われる。さらに、コントローラ8は、一方の焦点調整部29に対して制御信号φ2を提供すると共に、他方の焦点調整部33に対して制御信号φ3を提供する。焦点調整部29、33への制御信号φ2、φ3の提供によって、細胞塊100に対する走査平面C1、C2の深さ位置が変更される。つまり、コントローラ8は、走査平面C1、C2の位置と走査平面C1、C2上における照射位置と、を制御することにより、三次元的な走査を実現する。なお、レーザ走査部3のためのコントローラは、焦点調整部29、33のためのコントローラとは別の装置であってもよい。つまり、二光子顕微鏡1は、レーザ走査部3のための第1コントローラと、焦点調整部29、33のための第1コントローラとは別の第2コントローラを有してもよい。
コンピュータ9は、センサ41、41Aから受け入れた電気信号を利用して、蛍光像を得る。この蛍光像は、細胞塊100の二次元像または三次元像である。コンピュータ9の具体的な動作は、後述する。
以下、二光子顕微鏡1の動作について説明する。具体的には、コントローラ8による走査と、コンピュータ9による画像合成動作と、について説明する。
図3の(a)部に示すように、軸線S1には、基準点TCが設定されている。基準点TCは、対物レンズ28の焦点と、対物レンズ32の焦点と、が一致する点である。対物レンズ28の同焦点距離M1と対物レンズ32の同焦点距離M2とが互いに等しいならば、基準点TCは、対物レンズ28、32の軸線S1上における中点である。細胞塊100は、軸線S1上において基準点TCを含むように配置されている。
まず、コントローラ8は、走査平面C1、C2の初期位置を設定する。コントローラ8は、焦点調整部29に制御信号φ2を提供するとともに、焦点調整部33に制御信号φ3を提供する。これら制御信号φ2、φ3によって、軸線S1方向における走査平面C1、C2の位置が設定される。細胞塊100の一方側(ここでは上側)に配置された走査平面C1は、基準点TCから距離D1aだけ離間した位置に設定される。細胞塊100の他方側(ここでは下側)に配置された走査平面C2も同様に、基準点TCから距離D2aだけ離間した位置に設定される。なお、距離D1aは、距離D2aと等しい(D1=D2)。
次に、コントローラ8は、初期位置に設定された走査平面C1、C2における走査を行う。具体的には、コントローラ8は、レーザ走査部3に対して制御信号φ1を提供し、走査平面C1、C2における走査を開始する。ここで、レーザ走査部3は、レーザ分岐部4よりも上流側に配置されている。換言すると、走査状態において、レーザ分岐部4に入射するレーザLの進行方向は、連続的に変化している。そして、進行方向が変化しているレーザLが、レーザ分岐部4によって分岐される。その結果、分岐レーザL1、L2の動きは、互いに同期している。従って、図2に示すように、軸線S1の方向から走査平面C1、C2を見た場合に、走査平面C1における分岐レーザL1の照射位置T1は、走査平面C2における分岐レーザL2の照射位置T2と常に重複する。走査平面C1、C2における走査が完了した後、次に、コントローラ8は、レーザ走査部3に対して制御信号φ1を提供し、走査を停止する。
次に、コントローラ8は、走査平面C1に関する再設定動作を行う。再設定動作とは、基準点TCから軸線S1に沿った走査平面C1の位置を変更する動作をいう。より詳細には、分岐レーザL1の軸線S1に沿った集光位置を変更する動作をいう。
ここで、本実施形態の二光子顕微鏡1は、照射ユニット24、26のそれぞれについて焦点調整部29、33を設けた。換言すると、一方の分岐レーザL1に焦点可変レンズ34が設けられ、他方の分岐レーザL2にも焦点可変レンズ34が設けられた。そして、焦点調整部29、33の動作は、互いに独立している。つまり、分岐レーザL1、L2は、深さ方向における焦点位置を互いに独立して制御可能である。ここでいう深さ方向とは、図3の(a)部において、基準点TCを原点とした軸線S1に沿った距離(距離D1a、D2a)である。換言すると、分岐レーザL1の走査平面C1の位置と、分岐レーザL2の走査平面C2の位置と、は、互いに独立に制御することができる。例えば、走査平面C1、C2のいずれか一方のみを移動させてもよい。なお、走査平面C1、C2の両方を移動させてもよい。
図3の(b)部に示すように、コントローラ8は、一方の焦点調整部29に制御信号φ2を提供する。その結果、分岐レーザL1の集光位置は、変化する。具体的には、集光位置は、基準点TCから距離D1aだけ離間した位置から、基準点TCから距離D1bだけ離れた位置に変化する。なお、距離D1bは、距離D1aより短い。集光位置は、軸線S1における走査平面C1の一部である。従って、分岐レーザL1が基準点TCから距離D1bだけ離れた位置に集光されるということは、換言すると、分岐レーザL1の走査平面C1が基準点TCから距離D1bだけ離れた位置に設定されたことになる。なお、他方の焦点調整部33は、走査平面C2の位置を維持する。
次に、コントローラ8は、走査平面C1における走査を行う。具体的には、コントローラ8は、レーザ走査部3に制御信号φ1を提供して、走査を行う。
以下、走査平面C1に関する再設定動作と、走査と、を繰り返す。このとき、コントローラ8は、再設定動作を繰り返すごとに、走査平面C1から基準点TCまでの距離が小さくなるように走査平面C1を設定する。換言すると、再設定ごとに、走査平面C1は、基準点TCに近づいていく。そして、図3の(c)部に示すように、走査平面C1から基準点TCまでの距離がゼロとなったとき、走査平面C1に関する再設定動作と、走査と、を終了する。
次に、コントローラ8は、走査平面C2に関する再設定動作と、走査と、を行う。これらの動作も、上述した走査平面C1に関する再設定動作及び走査と同様である。そして、そして、図3の(d)部に示すように、走査平面C2から基準点TCまでの距離がゼロとなったとき、走査平面C2に関する再設定動作と、走査と、を終了する。
<画像合成動作>
画像合成動作は、処理装置であるコンピュータ9によって行われる。上述した走査によれば、複数枚のスライス画像が得られる。例えば、図4におけるスライス画像GN(a)(a:1、2、3、4、5、6)は、走査平面C1(a)(a:1、2、3、4、5、6)に関する走査によって得られた画像の例示である。スライス画像GM(a)(a:1、2、3、4、5、6)は、走査平面C2(a)(a:1、2、3、4、5、6)に関する走査によって得られた画像の例示である。ここで、走査平面C1(6)及び走査平面C2(6)は、それぞれ基準点TC(図3参照)を含む。つまり、走査平面C1(6)及び走査平面C2(6)は、実質的には、同一である。
コンピュータ9は、スライス画像GN(a)(a:1、2、3、4、5、6)を用いて細胞塊100の三次元画像TD1を再構築する。再構築には、所望の画像処理プログラムを用いてよい。三次元画像TD1は、基準点TCを含む基準平面と照射ユニット24との間に存在する細胞塊100の領域を示す。例えば、三次元画像TD1が示す部分は、細胞塊100の上側半分であるともいえる。同様に、コンピュータ9は、スライス画像GM(a)(a:1、2、3、4、5、6)を用いて細胞塊100の三次元画像TD2を再構築する。三次元画像TD2は、基準点TCを含む基準平面と照射ユニット26との間に存在する細胞塊100の領域を示す。例えば、三次元画像TD2が示す部分は、細胞塊100の下側半分であるともいえる。つまり、三次元画像TD2が示す細胞塊100の領域は、三次元画像TD1と異なる。そこで、三次元画像TD1、TD2を合成して一つの三次元画像TD3を生成する。
ところで、図2等を用いて説明したように、分岐レーザL1、L2の照射位置T1、T2は、軸線S2の方向から見て互いに重複している。二光子顕微鏡1では、レーザ走査部3を経たレーザLをレーザ分岐部4で分岐しているので、この重複は、走査状態においても成り立つ。そうすると、検出ユニット36によって得られるスライス画像GN(a)におけるXY座標は、検出ユニット37によって得られるスライス画像GM(a)のXY座標と一致する。従って、スライス画像GN(a)及びスライス画像GM(a)の対応関係が明確であるので、スライス画像GN(a)による三次元画像TD1と、スライス画像GM(a)による三次元画像TD2と、を精度よく且つ容易に合成することができる。
<作用効果>
光源2から出射されたレーザLは、レーザ走査部3において進行方向が変化させられた後に、レーザ分岐部4において分岐される。この構成によれば、分岐レーザL1による走査と、分岐レーザL2による走査と、を精度よく同期させることができる。そして、レーザ分岐部4から対物レンズ28、32における瞳までの光路長が互いに等しい。そうすると、分岐レーザL1、L2は、分岐されてから照射されるまでの条件が一致する。つまり、細胞塊100に入射する直前までの分岐レーザL1、L2の状態を揃えることができる。
また、対物レンズ28、32は、互いに離間するとともに細胞塊100を挟むように配置されている。この配置によれば、分岐レーザL1、L2は、互いに異なる方向から細胞塊100に照射される。その結果、細胞塊100の表面から焦点に至る長さを短縮することができる。細胞塊100の表面から焦点に至る長さが短くなることにより、分岐レーザL1、L2の散乱等の発生が低減される。つまり、細胞塊100に入射してから焦点に至るまでの分岐レーザL1、L2の状態を揃えることができる。
さらに、蛍光F1は、照射ユニット24を介して検出ユニット36に入射する。同様に、蛍光F2は、照射ユニット26を介して検出ユニット37に入射する。つまり、蛍光F1、F2は、互いに干渉し合うことなく、それぞれ独立の光路を経て、検出ユニット36、37に入射する。従って、蛍光F1、F2は、発生してから検出ユニット36、37に入射するまでの条件が一致する。
その結果、細胞塊100に入射する直前までの状態と、細胞塊100に入射してから焦点に至るまでの状態と、が分岐レーザL1、L2の間で揃うので、蛍光F1、F2を発生させる励起条件に差異が生じない。さらに、蛍光F1、F2は、検出ユニット36、37に入射するまでの条件が整った光路を経て検出ユニット36、37に入射する。従って、蛍光F1、F2の強度に差異が生じることを抑制できるので、良好な観察結果を得ることができる。
要するに、実施形態の二光子顕微鏡1は、互いに異なる少なくとも2方向から励起光として分岐レーザL1、L2を細胞塊100に照射する。この照射形態によれば、細胞塊100に与えるダメージを抑制し、励起光を細胞塊100の深部まで到達させることが可能である。さらに、二方向から照射された励起光に応じて発生する蛍光F1、F2は、それぞれに対応する検出ユニット36、37により検出する。ここで、細胞塊100から検出ユニット36、37に至るまでに通過する光路は、蛍光F1、F2においてそれぞれ別である。そして、二方向からの励起光の各々において、軸線S1から見て同じレーザ照射位置で、レーザの走査位置ごとに発生した蛍光F1、F2を検出し、当該蛍光F1、F2をマッピングすることにより、走査平面C1、C2ごとのスライス画像を得ることができる。
焦点調整部29は、レーザ分岐部4から対物レンズ28に至る光路上に設けられた焦点可変レンズ34を有する。さらに、焦点調整部29は、レーザ分岐部4から対物レンズ32に至る光路上に設けられた焦点可変レンズ34を有する。この構成によれば、分岐レーザL1、L2のそれぞれに焦点可変レンズ34が配置される。従って、分岐レーザL1、L2の焦点位置を、それぞれ独立に調整することができる。
光源2は、波長可変型パルスレーザであるレーザを出射する。この構成によれば、良好な励起光を提供することができる。
〔第2実施形態〕
第1実施形態の二光子顕微鏡1は、2個の焦点調整部29、33を備えていた。焦点調整部29、33は、照射ユニット24、26にそれぞれ配置されていた。焦点調整部が設けられる位置は、レーザ走査部3から対物レンズ28、32に至る光路上であればよい。例えば、図5に示すように、焦点調整部29Aは、補助光学部14Aに設けられてもよい。つまり、第2実施形態の二光子顕微鏡1Aは、補助光学部14Aを有する。そして、補助光学部14Aは、結像レンズ16に代えて、焦点可変レンズ34(第3焦点可変レンズ)を有する。
別の視点から説明すると、第1実施形態の二光子顕微鏡1では、レーザ分岐部4の後に焦点調整部29、33が配置されていた。一方、第2実施形態の二光子顕微鏡1Aでは、レーザ分岐部4の前に焦点調整部29Aが配置されている。換言すると、焦点調整部29Aには、分岐前のレーザLが通過する。この構成によれば、焦点調整部29Aの焦点調整動作によって、分岐レーザL1、L2の両方の焦点位置が調整される。つまり、1個の焦点調整部29Aによって、2つの分岐レーザL1、L2の焦点位置が調整される。さらに、レーザLが焦点調整部29Aを通過した後に、レーザ分岐部4に導かれる。この構成によれば、レーザ走査部3とレーザ分岐部4とにより分岐レーザL1、L2の走査が同期することと同様に、分岐レーザL1、L2の焦点位置の移動も同期する。
具体的には、図6の(a)部、(b)部および(c)部に示されるように、細胞塊100を観察する初期状態(図6の(a)部参照)では、第1実施形態と同様に、基準点TCから距離D1aだけ離間した位置に走査平面C1が設定され、基準点TCから逆方向に距離D2aだけ離間した位置に走査平面C2が設定される。距離D1a、D2aは互いに等しい。そして、次の再設定動作において、焦点調整部29Aに制御信号φ2Aが提供される。その結果、走査平面C1は、基準点TCから距離D1bだけ離間した位置に設定される(図6の(b)部参照)。同様に、走査平面C2は、基準点TCから距離D2bだけ離間した位置に設定される。距離D1b、D2bは互いに等しい。換言すると、走査平面C1、C2は、同じ距離だけ基準点TCに近づく。つまり、分岐レーザL1、L2の焦点位置の移動が同期するとは、焦点調整部29Aの動作によって分岐レーザL1、L2の焦点位置が同じ距離だけ基準点TCに近づく又は遠ざかることを意味する。
二光子顕微鏡1Aにおいても、再設定動作と走査とを繰り返し実施して、複数のスライス画像GN(a)、GM(a)を得る。これらの動作は、走査平面C1、C2が基準点TCを含む位置まで移動するまで繰り返される(図6の(c)部参照)。
〔作用効果〕
二光子顕微鏡1Aにおいて、焦点調整部29Aは、レーザ走査部3からレーザ分岐部4に至る光路P2に設けられた焦点可変レンズ34を含む。この構成によれば、分岐前のレーザLに対して焦点可変レンズ34が配置される。従って、一つのレンズによって、分岐レーザL1、L2の両方について焦点位置を調整することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。
〔変形例1〕
図7に示す変形例1の二光子顕微鏡1Bは、第1実施形態の二光子顕微鏡1の変形例である。二光子顕微鏡1Bは、レーザ分岐部4の後に焦点調整部29B、33Bが配置されている点で、第1実施形態の二光子顕微鏡1と共通する。しかし、二光子顕微鏡1Bは、焦点調整部29B、33Bが光学系18A、19Aに配置されている点で、第1実施形態の二光子顕微鏡1と相違する。具体的には、二光子顕微鏡1Bは、光学系18A、19Aを有している。光学系18Aは、ミラー21と、焦点調整部29Bと、を有する。焦点調整部29Bは、ミラー21と出力18bとの間に配置されている。換言すると、焦点調整部29Bは、ダイクロイックミラー27の前に配置されているとも言える。焦点調整部29Bは、制御信号φ2Bをコントローラ8から受ける。同様に、光学系19Aは、ミラー22、23と、焦点調整部33Bと、を有する。焦点調整部33Bは、ミラー23と出力19bとの間に配置されている。換言すると、焦点調整部33Bは、ダイクロイックミラー31の前に配置されているとも言える。焦点調整部33Bは、制御信号φ3Bをコントローラ8から受ける。
この構成によれば、照射ユニット24A、26Aにおいて、蛍光F1、F2のための光路P7、P8上に焦点調整部29B、33Bが配置されない。換言すると、蛍光F1、F2は、対物レンズ28、32、ダイクロイックミラー27、31を介して、検出ユニット36、37に入射する。つまり、蛍光F1、F2は、焦点調整部29B、33Bを透過しない。従って、蛍光F1、F2の光損失の発生を抑制できる。
〔変形例2〕
図8に示す変形例2の二光子顕微鏡1Cは、第2実施形態の二光子顕微鏡1Aの変形例である。二光子顕微鏡1Cは、レーザ走査部3の後であり、かつ、レーザ分岐部4の前に焦点調整部29Aが配置されている点で、第2実施形態の二光子顕微鏡1Aと共通する。しかし、二光子顕微鏡1Cは、光源2に代えて光源2Aを有しており、さらに、フィルタホイール42、43を有する点で二光子顕微鏡1Aと相違する。光源2Aは、レーザ装置2bを有する。レーザ装置2bは、波長可変フェムト秒レーザを出射する。つまり、光源2Aから出射するレーザLは、所望の波長を選択できる。換言すると、励起波長を選択できる。レーザ装置2bから出射されるレーザの波長は、例えば、コントローラ8から提供される制御信号φ4によって制御されてもよい。また、フィルタホイール42は、検出ユニット36Aに配置されている。具体的には、フィルタホイール42は、入力36aとレンズ39の間に配置されている。一方、フィルタホイール43は、検出ユニット37Aに配置されている。フィルタホイール42、43は互いに同じ構成を有する。そして、フィルタホイール42、43は、レーザLの励起波長に応じた蛍光フィルタを提供する。つまり、フィルタホイール42は、対応する波長が互いに異なる複数の蛍光フィルタ42a、42bを有する。フィルタホイール43も、複数の蛍光フィルタ43a、43bを有する。なお、フィルタホイール42、43が有する蛍光フィルタの数は、2以上であってもよい。フィルタホイール42は、レーザLの波長に対応する蛍光フィルタ44aを光路P7上に配置する。例えば、コントローラ8から提供される制御信号φ5に応じて、光路P7上に配置する蛍光フィルタ42a、42bを選択してもよい。
この構成によれば、光源2Aによって吸収波長の異なる複数の蛍光色素を励起させることが可能になる。さらに、フィルタホイール42、43によってそれぞれの蛍光色素に応じた蛍光フィルタを提供することができる。
〔変形例3〕
図9に示す変形例3の二光子顕微鏡1Dは、第2実施形態の二光子顕微鏡1Aの別の変形例である。二光子顕微鏡1Bは、レーザ走査部3の後であって、レーザ分岐部4の前に焦点調整部29Aが配置されている点で、第2実施形態の二光子顕微鏡1Aと共通する。しかし、変形例3の二光子顕微鏡1Dは、光源2に代えて光源2Bを有し、レーザ分岐部4に代えてレーザ分岐部4Aを有する点で、二光子顕微鏡1Aと相違する。具体的には、光源2Bは、合波レーザLC(第3レーザ)を出射する。合波レーザLCは、互いに異なる波長を有するレーザLa(第1レーザ)及びレーザLb(第2レーザ)が合波されたものである。そこで、光源2Bは、レーザ装置2c(第1光出射部)、レーザ装置2d(第2光出射部)と、レーザ合波部2e(第3光出射部)と、を有する。レーザ装置2cは、レーザLaを出射する。レーザ装置2dは、レーザLbを出射する。レーザ合波部2eは、レーザ装置2c、2dの光軸が交差する位置に配置されている。レーザ合波部2eは、レーザLa、Lbを受けて、合波レーザLCを出力する。たとえば、レーザ合波部2eは、ダイクロイックミラーであってもよい。この場合にはレーザ合波部2eは、波長(λa:第1波長)を有するレーザLaを反射し、波長(λb:第2波長)を有するレーザLbを透過する。レーザ分岐部4Aは、ハーフミラー17に代えて、ダイクロイックミラー17Aを有する。例えば、ダイクロイックミラー17Aは、波長(λa)を有するレーザLaを反射し、波長(λb)を有するレーザLbを透過する。
この構成によれば、照射ユニット24Aは、波長(λa)であるレーザを励起光として細胞塊100に照射できる。また、照射ユニット24Bは、波長(λb)であるレーザを励起光として細胞塊100に照射できる。つまり、異なる波長を有するフェムト秒レーザを合波させることで、異なる波長による蛍光観察が可能になる。また、互いに異なる波長を有する励起光を互いに異なる方向から細胞塊100に照射する。そうすると、照射によって生じる蛍光F1、F2も互いに異なる方向から検出することが可能になる。その結果、互いに異なる波長を含む蛍光をダイクロイックミラーによって波長ごとに分岐する構成を必要としない。その結果、蛍光観察系における光透過率の低下が抑制されるとともに、光路長の伸長も抑制される。従って、これらの要因により生じ得るいわゆるケラレの発生が抑制されるので、集光効率の低下を抑制することができる。
1,1A,1B,1C,1D…二光子顕微鏡、2,2A,2B…光源、2s,2b、2c,2d…レーザ装置、2e…レーザ合波部(第3光出射部)、3…レーザ走査部、4,4A…レーザ分岐部、6…レーザ照射部、7…蛍光検出部、8…コントローラ、9…コンピュータ、11…補助光学部、12…コリメータレンズ、13A,13B,21,22,23…ミラー、14,14A…補助光学部、15…レンズ(fθレンズ)、16…結像レンズ、17…ハーフミラー、17A,27,31…ダイクロイックミラー、18,18A,19,19A…光学系、24,24A,24B,26,26A…照射ユニット、28,32…対物レンズ(第1対物レンズ、第2対物レンズ)、29,29A,29B,33,33B…焦点調整部、34…焦点可変レンズ(第1焦点可変レンズ、第2焦点可変レンズ、第3焦点可変レンズ)、36,36A,37,37A…検出ユニット、38,38A…フィルタ(第1フィルタ、第2フィルタ)、39,39A…レンズ、41,41A…センサ(第1受光部、第2受光部)、42,43…フィルタホイール、100…細胞塊、C1,C2…走査平面(第1走査平面、第2走査平面)、F1,F2…蛍光(第1被計測光、第2被計測光)、GN,GM…スライス画像、LC…合波レーザ(第3レーザ)、L,La,Lb…レーザ、L1,L2…分岐レーザ(第1分岐レーザ、第2分岐レーザ)、P1,P2,P3,P4,P5,P6,P7…光路、S1,S2…軸線、TC…基準点、TD1,TD2,TD3…三次元画像、T1,T2…照射位置、φ1,φ2,φ2A,φ2B,φ3,φ3B,φ4,φ5…制御信号。

Claims (6)

  1. パルスレーザを出射する光源と、
    前記パルスレーザを受け入れて、試料に対する前記パルスレーザの照射位置が二次元平面内において移動するように、前記パルスレーザの進行方向を変化させる走査部と、
    前記走査部から受け入れた前記パルスレーザを分岐して、第1分岐レーザ及び第2分岐レーザを形成する分岐部と、
    軸線上において互いに離間して配置された第1及び第2対物レンズを有する照射部であって、前記第1対物レンズは、前記軸線上に配置された前記試料と交差する第1走査平面に前記第1分岐レーザを集光し、前記第2対物レンズは、前記試料と交差すると共に前記第1走査平面に対して離間する第2走査平面に前記第2分岐レーザを集光する、前記照射部と、
    前記第1分岐レーザに起因して前記試料から出射された第1被計測光を検出する第1検出部と、
    前記第2分岐レーザに起因して前記試料から出射された第2被計測光を検出する第2検出部と、
    前記走査部から前記第1及び第2対物レンズに至る光路上に設けられて、前記軸線の方向における前記第1分岐レーザ及び第2分岐レーザが集光される位置を調整する調整部と、を備え、
    前記分岐部から前記第1対物レンズに至る光路長は、前記分岐部から前記第2対物レンズに至る光路長と等しく、
    前記軸線の方向から見た場合に、前記第1走査平面における前記第1分岐レーザの照射位置は、前記第2走査平面における前記第2分岐レーザの照射位置と重複する、二光子顕微鏡。
  2. 前記調整部は、
    前記分岐部から前記第1対物レンズに至る光路上に設けられた第1焦点可変レンズと、
    前記分岐部から前記第2対物レンズに至る光路上に設けられた第2焦点可変レンズと、
    を含む、請求項1に記載の二光子顕微鏡。
  3. 前記調整部は、前記走査部から前記分岐部に至る光路上に設けられた第3焦点可変レンズを含む、請求項1に記載の二光子顕微鏡。
  4. 前記光源は、波長可変型パルスレーザである前記パルスレーザを出射する、請求項1~3の何れか一項に記載の二光子顕微鏡。
  5. 前記光源は、
    第1波長を有する第1レーザを生成する第1光出射部と、
    前記第1波長とは異なる第2波長を有する第2レーザを生成する第2光出射部と、
    前記第1光出射部から前記第1レーザを受け入れると共に前記第2光出射部から前記第2レーザを受け入れて、前記第1レーザと前記第2レーザが合波された第3レーザを出射する第3光出射部と、を含む、請求項1~4の何れか一項に記載の二光子顕微鏡。
  6. 前記第1検出部は、前記第1被計測光を受ける第1受光部と、前記試料から前記第1受光部へ至る光路上に配置された第1フィルタと、を有し、
    前記第2検出部は、前記第2被計測光を受ける第2受光部と、前記試料から前記第2受光部へ至る光路上に配置された第2フィルタと、を有する、請求項1~5の何れか一項に記載の二光子顕微鏡。
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