JP7036396B1 - オートフォーカス装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、光学系のずれや歪みにも対応してオートフォーカス動作における焦点合わせの高い正確性を長時間維持することが可能でありながら、シンプルな構造かつ小型であり、さらに、生命科学的研究に使用する試料に対するAF光の影響を軽減させることを可能とした光学装置用オートフォーカス装置を提供することを目的とする。【解決手段】本発明のオートフォーカス装置は、光学素子アレイが、光源から前記試料までの光路上に配置されて、前記光源から発せられた光が、前記光学素子アレイによって分光され、前記試料に対して入射角度が異なる複数の光を入射させて、オートフォーカス用撮像素子が、前記試料からの反射光によって結像される複数の光像を取得して、制御部が、前記複数の光像の間隔を算出し、予め設定される合焦の際の基準値となる光像の格子間隔基準値との差分を取得して、距離調節機構に移動動作の指令信号を出力すること、を特徴とする。【選択図】 図1

Description

本発明は、光学装置に装備されるオートフォーカス装置において、光学系に配置された光学素子(以下、光学系という。)のずれ又は歪みに伴って、焦点にずれが生じることを防止し、試料へ与える光量を抑えつつ、高速で焦点を合わせるオートフォーカスの技術に関する。
近年、カメラなどの光学装置と同様に、人が行う焦点合わせの操作を自動化したオートフォーカス装置が装備された顕微鏡が開発され、生命科学研究分野や工業分野の品質管理に使用されるようになってきた。
現代の生命科学研究においては、コンピュータを用いた計算コストの低下により、大量のデータを処理して、スクリーニングや統計分析を行うことが可能となった。そのために、顕微鏡を用いて多数の試料を観察し大量のデータを取得する顕微鏡の自動化のニーズが高まっている。
顕微鏡の自動化において重要な要素技術の一つがオートフォーカスである。光学顕微鏡において、オートフォーカスの方法として、主だったものは以下の二方式である。
第一の方式は、コントラスト方式である。当該方式は、対物レンズ又はステージを光軸方向に移動させ、実際に結像した画像を撮像素子で撮影して、画像処理により画像のシャープさを評価しながら焦点をスキャンする方法で、画像のシャープさが最大となる位置が、合焦の位置である。この場合、焦点方向のスキャニングが必要となるため、合焦までに時間が掛かることが問題になることに加えて、試料が多量の光に曝されるので、蛍光観察の際には退色が問題となる。
第二の方式は、位相差方式である、当該方式は、近赤外光を一方向からステージに照射して、その反射光を用いて撮像素子に結像させた絞りの画像の相対距離から、現在の焦点の状態が後ピン(焦点が試料より向う側にある場合)であるのか、又は前ピン(焦点が試料より手前側にある場合)であるのかを判断して、焦点を合わせる方向に対物レンズ又はステージを光軸方向に移動させる距離調節機構を駆動する方法である。この場合、前述のスキャニングが不要で、かつ近赤外光を使うため退色の問題が生じないため、生命科学研究においては、当該方式の顕微鏡が使用されることが多い。
第二方式が、生命科学研究において主に使用されているが、長時間経過すると合焦がずれる問題もあり、人手によってオートフォーカス装置の微調整を行って、撮影している現状がある。その一方で、生命科学分野の研究開発におけるデータを取得するための実験者は人手不足の状況にあるため、現場においては、顕微鏡撮影の自動化に対して、高いニーズがある。顕微鏡の自動化のためには、長時間経過しても、合焦がずれることがないオートフォーカス技術の開発が必要不可欠となる。また、近赤外光の試料への照射は蛍光分子による退色の問題は生じないものの、計測結果には少なからず影響を与えることになる。近赤外光がわずかにダイクロイックミラーを通過し、生命科学研究で用いられるような高感度観察用カメラに漏光が入り込む問題も生じる。そのため、試料に照射する近赤外光は、可能な限り光量を抑えることが求められる。
前途したように、顕微鏡の自動化では、位相差方式が使用されることが多いが、焦点を合わせた後長時間が経過すると、通常ガラス面に合っている焦点が、光学系のずれや歪みによりガラス面からずれた位置に焦点が合うことになり、観察対象の目標物からは焦点がずれるという問題点を有する。共焦点顕微鏡や蛍光顕微鏡のように焦点の位置が光軸方向のレンジ内、すなわち、観察対象が厚みのある細胞全体のときには、細胞の厚み内に焦点位置が入っていれば焦点のずれを許容することができる場合がある。しかし、超解像顕微鏡の一種の全反射顕微鏡のようにガラス面を観察する場合には、焦点位置がガラス面から光軸方向にずれることにより像がぼやけてしまい、撮影した画像が観察に使用できない状況が発生する。上記から超解像顕微鏡では、顕微鏡撮影の自動化が特に進んでいないのが現状であり、未だに手動で焦点合わせの操作をして撮影が行われている。また、オートフォーカスの動作において、長時間焦点合わせの高い正確性を維持することができないため、超解像顕微鏡による長時間にわたるタイムラプスの実現も難しい状況にある。
前述した課題に取り組んだ位相差方式の先行技術として、特許文献1又は特許文献2が開示されている。
WO2019/159627A1 特許第5626367号公報
従来のオートフォーカス技術では、フォーカスに使用する光を一方向から入射させて、撮像素子によって検出された絞り像の位置が、中央になるように制御していた。しかし、当該方法によれば、光学系がずれたり歪んだりすることで絞りの位置が変化するため、長時間合焦の状態を維持することが困難であった。
従来技術の問題を解決するために開発された、位相差方式のオートフォーカス技術が開示されている。特許文献1は、まず絞りに対して入射するオートフォーカス光(以下、AF光という。)の角度を二方向から入射させて、試料に対して照射した各々のAF光が絞りを通過することによって形成された像(以下、絞り像という。)の画像を取得し、画像から絞り像の位置を計測する。そして、各々の絞り像の画像位置の差分を計算し、当該差分が一定値になるようにステージをZ方向(光軸方向)に移動させて制御する。光学系が歪んだ場合、各々の画像において絞り像の位置は同じ変化を伴うので、画像を二回撮影する間に光学的なずれ又は歪みがなければ、相対的な絞り像の位置の差分は変化しない。したがって、長時間経過後も焦点をガラス面に合わせることが可能な技術であるともいえる。しかし、特許文献1では、ガルバノミラーを使用して、AF光の角度を複数回変えて、絞り像を撮影することで焦点合わせを行っているため、ガルバノミラーを可動させる機構が必要であり、かつ複数回絞り像の画像を撮影する必要がある。その結果、オートフォーカスに時間がかかるという問題が生じるとともに、構成部品が多くなり、小型化と価格の低廉化に課題があった。
特許文献2では、試料ガラス面において一点に集光したAF光の反射を、マイクロレンズアレイにより分離して、オートフォーカス用カメラにより撮影してオートフォーカスを行う技術である。オートフォーカス用カメラには、試料上で集光した光像がマイクロレンズアレイによって分離され格子状に表示されており、ステージを光軸方向に移動することで格子の間隔が変化する。当該間隔を所定値になるように対物レンズ又はステージを光軸方向に移動させる距離調節機構を制御することで、焦点合わせを行う。光学系のずれ又は歪みによってAF光画像の位置ずれが生じて、格子の位置は移動するが、格子の間隔は変化することはないので、長時間合焦のフォーカス位置を維持することが可能なオートフォーカスが開示されている。しかし、試料で一点に集中した光を観察系においてハーフミラーで二方向に分離し、さらにマイクロレンズアレイで光を格子の数だけ分離すると、光の強度が弱くなり、オートフォーカス時における撮影の露光時間が長くなるためオートフォーカス速度が低下する問題がある。したがって、特許文献2の先行技術では、光は特許文献1と比較すると少なくとも分離する格子数より光強度を強くする必要性が生じる。光強度を強くした場合には、たとえ近赤外光であっても、以下の問題が生じる。第一に、光強度が増すと細胞などの生物試料に対する光毒性が強くなることである。細胞が光毒性の影響を受けると、現在の生命の状態を正確に観察することができない問題が生じる。第二に、試料の集光点においてAF光の最大光強度が高いと、当該光が観察用カメラに迷光として入射しやすくなる問題がある。
以上の問題から、本願発明者は、光学系のずれや歪みに強く、試料に照射するAF光の光量を抑えたオートフォーカス装置の開発を進めてきた。オートフォーカス動作における焦点合わせの高い正確性を光毒性が弱い状態で長時間維持できると、超解像顕微鏡の自動撮影の際の焦点ずれ確率を抑えられるとともに、細胞に与える毒性が弱くなり生命の状態について正確な観察が実現できる。また、蛍光顕微鏡などにおいても、オートフォーカスの精度が高いと、ガラス面から決まった高さの位置で長時間撮影でき、光軸方向に焦点のずれが生じないため、取得したデータの定量性を向上させることができデータの信頼性が高くなる利点がある。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、光学系のずれや歪みにも対応してオートフォーカス動作における焦点合わせの高い正確性を長時間維持することが可能でありながら、シンプルな構造かつ小型の光学装置用オートフォーカス装置を提供することを目的とする。さらに、生命科学的研究に使用する試料に対するAF光の影響を軽減させることを可能とした光学装置用オートフォーカス装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明のオートフォーカス装置は、観察対象である試料と対物レンズとの距離を自動で調整して焦点を合わせるオートフォーカス装置において、光学素子アレイが、光源から前記試料までの光路上に配置されて、前記光源から発せられた光が、前記光学素子アレイによって分光され、前記試料に対して入射角度が異なる複数の光を入射させて、オートフォーカス用撮像素子が、前記試料からの反射光によって結像される複数の光像を取得して、制御部が、前記複数の光像の間隔を算出し、予め設定される合焦の際の基準値となる光像の格子間隔基準値との差分を取得して、距離調節機構に移動動作の指令信号を出力すること、を特徴とする。
さらに、本発明のオートフォーカス装置は、前記光学素子アレイ及びオートフォーカス用撮像素子の間に配置された光学素子を前記光源から発せられる光の光軸方向に移動することによって、又は、前記格子間隔基準値を変更することによって、光軸方向の焦点位置の変更又は補正を行うこと、を特徴とする。
さらに、本発明のオートフォーカス装置は、観察光学系からオートフォーカス光を取り出す、又は分離する光学素子とオートフォーカス用撮像素子との間に、偏光子及び波長板を配置すること、を特徴とする。
また、本発明の顕微鏡は、前述のオートフォーカス装置を有すること、を特徴とする。
特許文献1では、ガルバノミラーを操作し絞りに入射する光の角度を変更して、複数回画像を撮影し焦点のずれの状態を検出することによってオートフォーカスを行っていた。一方で、本発明のオートフォーカス装置によれば、光軸に垂直な面上の異なった位置に入射する複数の光は角度が異なるので、一回の画像撮影によって、複数の光像の相対的な間隔を計測して、焦点のずれの状態を取得して、対物レンズ又はステージを光軸方向に移動させる距離調節機構(以下、フォーカス移動機構という。)を用いて焦点を合わせることが可能である効果を奏する。
本発明のオートフォーカス装置によれば、ガルバノミラーを必要としないため、光学系の機構を簡素化することができる。また、ガルバノミラーの角度を変えて光像を複数回撮影する必要がないため、焦点の状態を取得する時間を短縮できて、オートフォーカスの高速化を図ることが可能となる効果を奏する。
さらに、ガルバノミラーなどを可動させる機構を必要としないことから部品点数を減少させることができ、オートフォーカス装置の製造においてコストダウンを図ることができる効果を奏する。
特許文献2では、一筋の光が観察対象である試料の局所に入射し、その後レンズアレイで分けるため、AF光の強度によって試料が光毒性の影響を受ける可能性がある。一方で、本発明のオートフォーカス装置によれば、AF光をレンズアレイで分離した後に観察対象である試料に照射するため、その後反射光を分離する必要がなく、試料に影響を与える程度の強い光を試料の局所に入射させることがない。例えば、光を3×3の格子を備えたレンズアレイで分光して試料に照射した場合と、分光せずに一筋の光を試料に照射させた場合とを比較すると、試料上の一点に集中する光量は1/9となる。したがって、AF光を試料に照射する前に分離することで、光の強度を1/10程度に減少させることができ、試料への影響を抑制することができる効果を奏する。さらに、試料に照射する前に遮蔽板を配置し、通過する光線の数を少なくすることによって、さらに試料に与える光量を抑制することも可能である。
さらに、本発明のオートフォーカス装置によれば、試料からオートフォーカス用カメラまでの間に配置されるレンズは、原則として対物レンズとAF用結像レンズのみでよく、特許文献2と比較するとレンズによる光量の損失を抑制することができる。
本発明のオートフォーカス装置によれば、同時に複数角度で入射する光で得られる像によって絞りの位置を計測し相対的な差分をとることから、熱や経時変化による機械的な光学系のずれや歪みに対して強く、長期間経過しても合焦がずれにくい光学系である効果を奏する。
本発明の顕微鏡によれば、大量のデータの取得が求められる生命科学研究において、安価に顕微鏡観察の高速化及び省力化を図ることが可能となる効果を奏する。また、オートフォーカス装置を装備した顕微鏡を自動分注機と組み合わせることで、薬剤スクリーニングの自動化に応用することが可能となる。具体的には、薬剤添加前における生体の状態の画像を自動化された顕微鏡で撮影し、薬剤添加後に再度生体の状態の画像を撮影して、両方の画像を比較することで薬剤の効果を評価することができる。
本発明のオートフォーカス装置1の光学系の基本構成を示した概念図である。 図1の光学系においてオートフォーカス用カメラ50で撮影されたAF光の画像を示した図である。 本発明のオートフォーカス装置1において、合焦位置とのずれ距離量を算出するフローチャートを示した図である。 本発明のオートフォーカス装置1の原理を説明した図である。 図4の光学系においてオートフォーカス用カメラ50で撮影された絞り30の画像を示した図である。 撮影範囲が広いオートフォーカス用カメラ50で、N×N格子状の絞り像AI(n)を撮影した画像の一例を示した図である。 本発明のオートフォーカス装置2の一の実施例を示した図である。 本発明のオートフォーカス装置3の他の実施例を示した図である。
図1は、本発明のオートフォーカス装置1の光学系の基本構成を示した概念図である。図1において、オートフォーカス装置1は、光源20、光学素子アレイ、ハーフミラー40、対物レンズ110、AF用結像レンズ66及びオートフォーカス用撮像素子を備えたカメラ(以下、AF用カメラ50という。)で構成される。図1における光源20は、点光源20を示している。点光源から発せられた光線Rを実線で示している(以下、同じ。)。光学素子アレイは、複数のレンズをX-Y軸方向に配列した面状のレンズアレイ10が好適である。図1では、Z軸を中心にX軸方向に三個、Y軸方向に三個のレンズを配置したものを想定している。レンズの配置は任意であるが、説明を容易にするため、本明細書では格子状とする。図1の光学系においては、点光源20、試料100面とAF用カメラ50とが共役である。
点光源20から発せられた光が、AF光である。AF光は、レンズアレイ10、ハーフミラー40、対物レンズ110を通過し、AF光像RIが試料100上に結像するが、その際に、レンズアレイ10で分光されるため光点が角に位置する四角形状の画像となり、これらの四角形状の像が複数形成され、基本的にはレンズアレイ10の配列と同じ格子状に結像する。図1では、X軸方向のみの光線が表され、Y軸方向の光線が表れていない。そのため、点光源20から発せられた光を、光軸上(Z軸上)を直進する1光線と光軸からX軸正又は負の方向に角度を有して通過する二光線で表すと、試料100上には三つの光点が結像される。
この際、レンズが格子状に配置されたレンズアレイ10の各々のレンズの位置に対応して、入射する光線の角度が各々異なる。三光線のうち、中央の像は光軸(Z軸)上を正方向に向けて直進した光線が結像したものである。点光源20から発せられる光線がZ軸から離れたレンズを通過する場合には、Z軸から離れるほど光線の角度がZ軸に対して大きくなる。実際には、Y軸方向にも複数のレンズが配置されるため、光像RIは、格子状の二次元の画像となる。点光源20から試料100に照射されたAF光は、試料100によって反射され(図では一点鎖線で示した。)、さらにはハーフミラー40によって光量の一部が反射されて、AF用カメラ50で撮影される。試料100面とAF用カメラ50面は共役のため、AF用カメラ50においても点光源20から発せられたAF光の格子状の像が撮影される。
図2は、図1の光学系においてAF用カメラ50で撮影されたAF光の画像を示した図である。レンズアレイ10によって分光されたAF光像RIがオートフォーカス用撮像素子上において格子状に撮影される。四角枠は、AF用カメラの撮影領域FVである。対物レンズ110又はステージ(不図示)の位置をZ軸方向に変化させると、撮影された画像においてはAF光像RIによる格子間隔が広がったり狭まったりする。
AF光像RIにおいて、合焦の状態にある格子間隔は、レンズアレイ10における各々のレンズの間隔、レンズの焦点、及び対物レンズ110の倍率によって定まる。したがって、オートフォーカス動作によって焦点を合わせるための方向と距離は、合焦の状態にある格子と、現在撮影されている格子画像とにおいて、格子間隔の大小比較及び寸法差を演算することによって、導き出すことができる。格子間隔が常に所定の間隔を維持するように、対物レンズ110又はステージを光軸方向に移動させるフォーカス移動機構を動作させることでオートフォーカスを実現する。
図3は、本発明のオートフォーカス装置1において、合焦位置とのずれ距離量を算出して、フォーカス移動機構を動作させるフローチャートを示した。当該フローチャートは、説明を容易にするために、図1に基づいて構成した。また、当該フローチャートは、プログラム化されて制御部によって実行される。
オートフォーカスを開始(S10)すると、ステップS20において、点光源20から発せられたAF光がレンズアレイ10によって格子状に分光され、試料100上に結像したAF光像RIをAF用カメラ50で撮影する。その際、分光されたAF光像RIの撮影に成功したか否かを判断(S30)し、AF光像RIが映っていないなど撮影に失敗した場合は、エラーが発生したと判断しステップ80を処理して終了する。AF光像RIの撮影に成功した場合は、ステップ40でAF光像RIが撮影された画像の格子間隔Δ(デルタ)を計測する。続いて、光学系が有する特性によって予め設定される合焦の基準値として取り扱う格子間隔値DとΔとの差分dx=Δ-Dを計算する(S50)。格子間隔値Dについて詳述すると、原則AF光学系において、レンズアレイ10、試料100面とAF用カメラ50とが共役である際に結像するAF光像RI間の距離である。その後、比例定数aをかけてZ軸方向のずれ距離量dz=a(Δ-D)=a×dxを算出し、dzだけZ軸方向にフォーカス移動機構を駆動する(S60)。ステップS70では、オートフォーカス動作を終了するか否かを判断する。オートフォーカス動作を終了する場合は、ステップS80の終了処理を行い、オートフォーカス動作を継続する場合には、ステップS20のAF光像RIの撮影に戻って、以下、上記のステップを繰り返す。dx及びdzの具体的な算出方法については、後述する。
特許文献1では、角度を変えてAF光を試料に照射して、AF用カメラで撮影した複数枚の画像を比較してAF光像の位置の差分を算出しているが、本発明のオートフォーカス装置1によれば、レンズアレイ10を用いることにより、複数角度のAF光像RIを一回の撮影で取得してAF光像RIの差分を算出しているので、特許文献1と実質的に同じ精度の結果を高速に得ることができる。また、光学系にずれや歪みが生じた場合であっても、本発明のオートフォーカス装置1によれば、AF光像RIで形成される格子の位置が変わるだけで、格子間隔は光学系のずれや歪みが生じる前と変化しないため、オートフォーカス精度には影響を及ぼすことはない。
特許文献1のオートフォーカス装置では、複数枚の画像を時間差(数百ミリ秒)で撮影するため、一回目と二回目の撮影の間に光学系のずれ又は歪みが生じた場合、フォーカス移動機構を動作させるために演算した合焦位置までの差分値の精度が低下するが、本発明のオートフォーカス装置1によれば、差分を算出するための画像は、一回の撮影で得ることができるため、数百ミリ秒程度で光学系にずれや歪みが生じた場合であっても、合焦位置までの差分の演算精度に影響を及ぼすことはない。したがって、本発明のオートフォーカス装置1は、あらゆる時間スケールにおいて光学系のずれや歪みに非常に強い効果を奏する。
複数角度に分離した光を同時に照射することによる利点は、ガルバノミラーなど可動部分が必要でなくなり構造が非常にシンプルであること、及び撮影が一回で済むため、オートフォーカス動作を短時間で処理できることである。
また、レンズアレイ10を光路上の試料100の前段に配置することによる利点は、試料100に照射するAF光を分散させることで、試料100へ加える最大光強度を分散できることである。特許文献2では、試料における集光点での最大光強度が高くなり、AF光が試料観察用のカメラに迷光として入射しやすくなるため、AF光を試料に加える最大光強度には実質的な上限がある。一方で、AF光の最大光強度を下げると、オートフォーカスに必要な露光時間が長くなり、オートフォーカス動作にかかる時間も長くなるが、本発明のオートフォーカス装置1では、試料100に照射する前にAF光を分散させるため、特許文献2とは異なり、試料100からの反射光をレンズアレイ10に通過させずにAF用カメラ50でとらえることができる。その結果、特許文献2と比べて、分離する格子の数だけ試料100へ与える光量を抑制することができるとともに、オートフォーカスの露光時間を短くすることができ撮影時間が相対的に短縮する利点を奏する。
光学系の構成をハーフミラー40とレンズアレイ10の間に遮蔽板を配置するように変更して、通過する光線の数を少なくすることによって、さらに試料100に与える光量を抑制することができる。しかし、オートフォーカス動作に際して重要な光線を削減してしまうと、オートフォーカスの精度を低下させ、レンジを狭めることになるため、注意深く設計する必要がある。オートフォーカスの精度やフォーカスレンジと、格子の数との関係の詳細については、後述する。
図4は、本発明のオートフォーカス装置1の原理を説明した図である。基本的なオートフォーカス光学系(以下、AF光学系という。)は、光源20、レンズA60、絞り30、レンズアレイ10及びレンズB62から構成される。ここで、レンズA60は、集光用レンズ、またレンズB62は、絞り像AIの格子を形成するためのレンズである。絞り30は構成上必須ではなく、図1に示すように光源20の特性がAF光に適していればよい。例えば、レーザの集光点を用いたり、絞り30の形状を多角形にしたりすることでも適用が可能である。光源20から試料に向かって発せられたAF光が絞り30を通過し、試料上に結像された絞り像AIの反射光を、反射光路上の任意の位置でハーフミラー40等を用いて分離し又は取り出しAF用カメラ50に結像させることによって、現時点でのフォーカスの状態を検知し、合焦に調整する。図1では、光源から発せられるAF光が結像したAF光像RIをAF用カメラ50で撮影していたが、図4では、絞りを採用しているため、AF用カメラ50では、絞り像AIが撮影される。仮想面P、試料及びAF用カメラ50は、共役の関係とする。
光源20は、発光ダイオード(LED(Light Emitting Diode))、レーザ光など特に制限はない。光の波長としては、顕微鏡撮影で使用しない波長を選択するが、原理上いかなる波長でも問題ない。また、レンズアレイ10は、X-Y軸方向に、すなわちZ軸に垂直にN×N(Nは整数である。)の面として配置されるものとする。本明細書においては、Nが奇数の場合について説明を行うが、原理上は光軸上にレンズアレイ10の一のレンズの中心がある必要性はなく、偶数であっても問題ない。レンズアレイ10は、Nが奇数の場合には、Z軸上に中央のレンズを配置して、当該レンズをn=0(nは整数である。)とし、レンズがZ軸から離れるごとに、nの数が±1ずつ大きくなるように配置することが好適である。
AF光は所定の放射角度を有した状態で光源20から発せられるため、レンズA60を用いて集光し絞り30を通過させて点光源20に近似させたうえでレンズアレイ10に照射すると、絞り像AIを交点とする格子状の画像が得られる。図4では、レンズアレイ10において個々のレンズ中心を通過した光線のみを図示した。
図5は、図4の光学系においてAF用カメラ50で撮影された絞り30の画像を示した図である。前述したように、絞り像AIは、格子状に現れる。格子状の交点にある絞り像AIは、Nが奇数の場合には、画像中央の絞り像AIが、n=0のレンズの絞り像AI(0)である。絞り像AIが画像中央から離れるごとに、nの数が±1ずつ大きくなる。n=0のレンズは光軸上にあるので、フォーカスが変化してもAF用カメラ50で撮影されたn=0の絞り像AI(0)の画像上の位置は変化しない。仮に、n=0のレンズが光軸からずれた場合には、フォーカスが変化するのと比例して絞り像AI(0)の位置は変化する。
光源20から発せられるAF光線がレンズアレイ10を通過する場合には、AF光線がZ軸から離れたnの大きいレンズを通過するにしたがって、Z軸に対してAF光線の角度が大きくなる。Y軸方向も同様である。そのため、絞り像AIは、レンズの配列と同じN×N格子状の二次元の画像となる。図6に、撮影範囲が広いAF用カメラ50で、N×N格子状の絞り像AI(n)を撮影した画像の一例を示した。
レンズアレイ10で分光されたAF光は、レンズB62によって集光し、光軸に垂直の仮想面Pに絞り像AIを結像するものとする。実際の顕微鏡では、仮想面P、試料面及びAF用カメラ50面は共役であるため、AF用カメラ50においても絞り像AIが格子状に撮影される。合焦位置へフォーカス移動機構を動作させてオートフォーカスを行うためには、フォーカス移動機構の移動方向と移動量をAF用カメラ50で撮影した画像から算出する必要がある。そのために、まず試料に入射する複数の絞り像AIの格子間隔、角度及び直径を計算する。
レンズアレイ10の一のレンズが光軸上にあった場合、AF光の光軸(Z軸)上の面Pでの中央(n=0)からn(=・・,-n,・・・,-2,-1,0,1,2,・・・,n,・・)番目における絞り像AI(n)について、格子間隔Δ(n)(図6参照)、光軸に対する光線の入射角度θ(n)(図4参考)、絞り像AI(n)の直径D(n)(図6参照)を計算すると以下のようになる。図6では、レンズアレイ10中心のレンズを光軸上に配置した状態を示したが、絞り像AIによって形成された格子を撮影することができればよく、レンズアレイ10中心のレンズを光軸上に配置する必要はない。
(式1) Δ(n)=(f/f)nd
(式2) tanθ(n)=2nd/f
(式3) D(n)=D×f/f
ここで、fとfは各々レンズアレイ10とレンズB62の焦点距離であり、dはレンズアレイ10における隣接するレンズの間隔であり、Dは絞り30の直径である。式1より隣接する絞り像AI(n)と絞り像AI(n+1)との格子間隔Δ=(f/f)dとなる。
合焦が光軸方向に距離dzだけずれると、絞り像AI(n)と光軸(Z軸)との距離のずれdxは、n=0の絞り像AI(0)は光軸上から移動しないため、n=0の絞り像AI(0)とn番目の絞り像AI(n)との距離のずれと等しい。したがって、dx及びdzは、以下のようになる。
(式4) dx=Δ(n)-D
図4より、tanθ(n)=dx/dzである。式2より、dx/dz=2nd/fとなる。
(式5) dz={f/(2nd)}×dx
したがって、a=f/(2nd)とおくと、dz=a×dxとなる。
式5よりdzが一定ならば、nが大きくなるにしたがって、dxの変化が大きくなることがわかる。そのため、nが大きい格子間隔を使用して演算を行えば、高い精度を実現できる。一方で、nが大きいと格子を形成している絞り像AIの光点の移動が大きくなるので、場合によっては、選択したnの絞り像AI(n)がAF用カメラ50の撮影領域から逸脱してしまうことがある。選択したn番目の絞り像AI(n)が撮影領域外に出た場合には、撮影領域内にあるnが小さい絞り像AI、例えばn-1番目の絞り像AI(n-1)を選択して演算を行い、フォーカス移動機構を駆動して選択したnの絞り像AI(n)がAF用カメラ50の撮影領域内に復帰させることで、幅広いオートフォーカスレンジを実現することができる。すなわち、演算を行う際にnを切り替えることで、幅広いオートフォーカスレンジと高精度を両立することが可能となる。
以上のように、AF用カメラ50で撮影された画像を用いて制御部によって計算したdxから現在のフォーカスのずれ距離量dz(式5)を知ることができる。ずれ距離量dzが0になるようにフォーカス移動機構を駆動することによって、ワイドレンジ、高速及び高精度のオートフォーカスを実現できる。
図7は、本発明のオートフォーカス装置2の一の実施例を示した図である。観察光学系は、観察用カメラ130、観察用結像レンズ120、ダイクロイックミラー44及び対物レンズ110で構成される。一方AF光学系は、AF光が通過する順に、光源20、レンズA60、絞り30、レンズB62、レンズC64、ハーフミラー40、ダイクロイックミラー44、対物レンズ110、AF用結像レンズ66及びAF用カメラ50で構成される。ここで、レンズA60は、集光用レンズ、レンズB62は、絞り像AIの格子を形成するためのレンズ、またレンズC64は、絞り像AIを結像するためのレンズである。観察光学系は、顕微鏡装置に構成される。観察光学系及びAF光学系は、一部の光学素子を共通の構成部品とする。実施例1では、ダイクロイックミラー44と対物レンズ110を共通の構成部品としている。実施例1のAF光学系では、絞り30、仮想面P、試料100面とAFカメラとは共役の関係である。
オートフォーカス装置2には、制御部が含まれるが、図7には示していない。制御部には、電源部、ずれ距離量(dz)等を算出する演算部、AF用カメラ50から画像を取得する入力部、フォーカス移動機構への指令信号等の出力部及び記憶部を少なくとも有する。しかし、これに限定されるわけではなく、汎用コンピュータと同程度の機能を有していてもよい。
光源20から発せられたAF光は、レンズA60を通して集光され絞り30へ入射して点光源20から発せられた光に近似される。AF光は、絞り30を通過した後、レンズアレイ10とレンズB62を通過して仮想面Pの位置に絞り像AIとして結像される。仮想面P上ではレンズアレイ10によって分光された格子状の絞り像AIが現れる。仮想面P上に格子状の絞り像AIを形成したAF光は、レンズC64、ハーフミラー40を通過し、ダイクロイックミラー44で特定領域以外の波長の光が反射され対物レンズ110に入射して、試料100には格子状に結像した状態で照射される。
試料100からの反射光は、対物レンズ110、ダイクロイックミラー44を通過し、ハーフミラー40で反射してAF用結像レンズ66を通過しAF用カメラ50の撮像素子に結像することになる。AF用カメラ50では、仮想面P上及び試料100面と同じ格子状となった絞り像AIが撮影される。ダイクロイックミラー44とレンズC64との間にハーフミラー40を配置してAF光の反射光を分離する方法は、オートフォーカス装置2を顕微鏡に内蔵し一体化した光学観察装置を構成する場合にオートフォーカス装置2部分を小型化することができ、かつ構成部品を少なくすることができるため有効である。
対物レンズ110又はステージを光軸方向に移動させて、試料100の位置を変化させると、格子間隔が変化する。変化した格子間隔の値が、予め定められた格子間隔値Dと等しくなるように、変化した格子間隔と予め定められた格子間隔値Dとの差分(dx)に対応する光軸方向の距離の差分、すなわち、ずれ距離量(dz)だけ、対物レンズ110又はステージを光軸方向に移動することでオートフォーカスを実行する。その際の移動方向は、ずれ距離量(dz)の値の正負によって判断することができる。
焦点位置をガラス102面から光軸方向に移動させる場合は、格子間隔値Dを変更、又はレンズC64若しくはAF用結像レンズ66の光軸方向の位置を物理的に変更することで行う。前者はレンズが実際に移動することがないため高速に行うことができるが、絞り像AIがぼやけるのでオートフォーカスの精度が低下する。そのため、ずれ距離量(dz)を算出する前に、ぼやけた絞り像AIを画像処理によってシャープな像に補正し、絞り像AIの中心を検出しておく必要がある。
試料100自体の像は、観察光学系の対物レンズ110とダイクロイックミラー44と観察用結像レンズ120を通して観察用カメラ130で捉えられる。ダイクロイックミラー44ではAF光のみを反射して、観察用の照明光は透過する。実施例1では、観察用の照明光源は示していない。
図8は、本発明のオートフォーカス装置3の他の実施例を示した図である。観察光学系は、観察用カメラ130、観察用結像レンズ120、ダイクロイックミラー44及び対物レンズ110で構成される。一方AF光学系は、AF光が通過する順に、光源20、レンズA60、絞り30、レンズB62、偏光子、レンズC64、波長板、ダイクロイックミラー44、対物レンズ110及びAF用カメラ50で構成される。偏光子は、入射光をP偏光成分とS偏光成分とに分割することができる偏向ビームスプリッタ42が好適である。また、波長板は、入射光を偏光面においてπ/2(=λ/4)の位相差を加えるλ/4波長板70が好適である。偏向ビームスプリッタ42とλ/4波長板70とを組み合わせることにより、不要な戻り反射光などを除去することができる利点が生じる。ここで、レンズA60、レンズB62及びレンズC64は図7と同じ役割を果たす。観察光学系及びAF光学系は、一部の光学素子を共通の構成部品とする。実施例2では、ダイクロイックミラー44と対物レンズ110を共通の構成部品としている。なお、図8において、制御部は図示していないが、実施例1と同じ構成であればよい。実施例2のAF光学系では、仮想面P、試料100面とAF用カメラ50とは共役の関係である。
光源20から発せられたAF光が、レンズA60で集光され絞り30を通過して、仮想面P上で絞り像AIが格子状に結像する点は、実施例1と同じである。実施例2では、仮想面Pを通過したAF光は、偏向ビームスプリッタ42、レンズC64、λ/4波長板70を通過しダイクロイックミラー44で反射し、対物レンズ110を通り試料100で格子状の絞り像AIを結像させる。
試料100からの反射光は、対物レンズ110を通過しダイクロイックミラー44で反射した後、λ/4波長板70、続いてレンズC64を通過し偏向ビームスプリッタ42で反射してAF用カメラの撮像素子上で結像する。AF用カメラ50では、仮想面P上及び試料100面と同じ格子状となった絞り像AIが撮影される。
フォーカスの位置をガラス102面から光軸方向に移動させる場合は、格子間隔値Dを変更、又はレンズC64若しくはAF用結像レンズ66の光軸方向の位置を物理的に変更することで行う。前者はレンズが実際に移動することがないため高速に行うことができるが、絞り像AIがぼやけるのでフォーカスの精度が低下する。そのため、ずれ距離量(dz)を算出する前に、ぼやけた絞り像AIをシャープな像に補正し、絞り像AIの中心を検出する画像処理を行う。
実施例2のAF光学系の構成の利点は、レンズC64と対物レンズ110の間にハーフミラー40を配置する必要がない点にある。オートフォーカス装置3として顕微鏡に付属する場合、顕微鏡の構造上、対物レンズ110とレンズC64の間にハーフミラー40を挿入して、光を二方向に分離することは難しい。そこで、実施例2の構成の場合は、レンズC64と対物レンズ110の間ではなく、レンズC64の反射光路後段に偏向ビームスプリッタ42を配置することにより試料100からの反射光を分離する。オートフォーカス装置3を顕微鏡に付属する場合、AF光学系を観察光学系に結合して組み込むためレンズC64の焦点距離は長く設定しておく必要があり、レンズC64の反射光路後段では、偏向ビームスプリッタ42を配置するスペースを十分に確保することができる。その際、偏向ビームスプリッタ42の反射光路前段にλ/4波長板70を入れる必要がある。これによって、実施例1と比較すると、オートフォーカス装置3の構造に空間的な余裕が生じ、設計が容易になる利点がある。また、ハーフミラー40を使用して二方向に光を分離することがないため、全光量をAF用カメラ50に入射させることができるので試料100への光量は少なくて済み、光毒性を抑制することができる。
試料100自体の像は、観察光学系の対物レンズ110とダイクロイックミラー44と観察用結像レンズ120を通して観察用カメラ130で捉えられる。ダイクロイックミラー44ではAF光のみを反射して、観察用の照明光は透過する。実施例2では、観察用の照明光源は示していない。
本発明のオートフォーカス装置は、生命科学的研究分野において特に有効性を発揮する。本発明のオートフォーカス装置は、長時間のオートフォーカス動作を行った場合であっても、光学系のずれや歪みに影響されることがないため、生命科学的観察の自動化を実現することが可能である。オートフォーカス動作を継続したまま、多数の試料がセットされたステージをXY方向にスキャンすることで、自動的に多数の試料の顕微鏡画像を撮影することができる。
さらには、自動分注機と組み合わせることで、薬剤スクリーニングに使用することができる。薬液添加前における生体の状態の画像を自動化された顕微鏡で撮影し、自動分注機によって薬剤添加後に再度生体の状態の画像を撮影して、両方の画像を比較することで薬剤スクリーニングを行うことができる。また、自動撮影により、病理検査にも応用できる可能性がある。
1 オートフォーカス装置
2 オートフォーカス装置(一の実施例)
3 オートフォーカス装置(他の実施例)
10 レンズアレイ
20 光源(又は、点光源)
30 絞り
40 ハーフミラー
42 偏向ビームスプリッタ
44 ダイクロイックミラー
50 オートフォーカス用カメラ(AF用カメラ)
60 レンズA
62 レンズB
64 レンズC
66 AF用結像レンズ
70 λ/4波長板
100 試料
102 ガラス
110 対物レンズ
120 観察用結像レンズ
130 観察用カメラ

D 絞り直径
d レンズアレイの間隔
f レンズアレイ焦点距離
レンズB焦点距離
AI 絞り像
FV AF用カメラの撮影領域
P 仮想面
R 光線
RI 光像
Δ(n) 格子間隔
θ(n) 光線入射角度
(n) 絞り像の直径

Claims (4)

  1. 観察対象である試料と対物レンズとの距離を自動で調整して焦点を合わせるオートフォーカス装置において、
    光学素子アレイが、
    光源から前記試料までの光路上に配置されて、
    前記光源から発せられた光が、
    前記光学素子アレイによって分光され、前記試料に対して入射角度が異なる複数の光を入射させて、
    オートフォーカス用撮像素子が、
    前記試料からの反射光によって結像される複数の光像を取得して、
    制御部が、
    前記複数の光像の間隔を算出し、予め設定される合焦の際の基準値となる光像の格子間隔基準値との差分を取得して、距離調節機構に移動動作の指令信号を出力すること、
    を特徴とするオートフォーカス装置。
  2. 前記光学素子アレイ及びオートフォーカス用撮像素子の間に配置された光学素子を前記光源から発せられる光の光軸方向に移動することによって、
    又は、
    前記格子間隔基準値を変更することによって、
    光軸方向の焦点位置の変更又は補正を行うこと、
    を特徴とする請求項1に記載するオートフォーカス装置。
  3. 観察光学系からオートフォーカス光を取り出す、又は分離する光学素子とオートフォーカス用撮像素子との間に、偏光子及び波長板を配置すること、
    を特徴とする請求項1又は請求項2に記載するオートフォーカス装置。
  4. 請求項1又は請求項2に記載するオートフォーカス装置を有すること、
    を特徴とする顕微鏡。
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