JPWO2020157804A1 - 伝送線路及び移相器 - Google Patents

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Abstract

クランク状に形成された曲折線路を介して対向に配置された一の環状スタブ及び他の環状スタブを有する単位線路を備え、単位線路を互いに反転して配置して構成される第1の導体と、第1の導体に対向して配置される第2の導体とを備える伝送線路。

Description

本発明は、伝送線路及び移相器に関する。
例えば、引用文献1には、複数のアンテナ素子と、信号をフィードし、及び/又は前記アンテナ素子からの信号を受信するように構成され、マルチブレードワイパー型の位相シフタを含むフィードネットワークと、を含むアンテナであって、回転の中心に位置された一又はそれ以上の導電性ストリップ、すなわち該導電性ストリップの少なくとも1つは、少なくとも1つの曲折された部分、切り目が付された部分を含み、それら少なくとも1つの曲折された部分、切り目が付された部分は、同じ物理的長さの単純な導電性ストリップの電気的長さよりも大きい電気的長さを有する増加した電気的長さを与える導電性ストリップを有するアンテナが開示されている。
特許第5348683号公報
伝送線路における位相量の差を大きくするために、伝送線路を長くすることがある。ただし、伝送線路を長くすることで、例えば伝送線路を備える移相器が大きくなるために移相器をアンテナに収容できなくなったり、伝送線路に要する費用が高くなったりするという問題がある。
本発明の目的は、従来のマイクロストリップ線路と比較して、位相遅延の量を大きくする伝送線路を提供することにある。
かかる目的のもと、本発明が適用される伝送線路は、クランク状に形成された曲折線路を介して対向に配置された一の環状スタブ及び他の環状スタブを有する単位線路を備え、当該単位線路を互いに反転して配置して構成される第1の導体と、前記第1の導体に対向して配置される第2の導体とを備える。
ここで、一の単位線路と他の単位線路との接続部には、切り込みが設けられることを特徴とすることができる。
また、前記切り込みは、特性インピーダンスの調整に用いられることを特徴とすることができる。
さらに、前記一の環状スタブ及び前記他の環状スタブにおける環は、リターンロスの抑制に用いられることを特徴とすることができる。
また、他の観点から捉えると、本発明が適用される伝送線路は、メアンダ形状の線路と、当該メアンダ形状の屈曲により形成される凹部に配置されるスタブとを有する第1の導体と、前記第1の導体に対向して配置される第2の導体とを備える。
ここで、前記スタブは、環状スタブであることを特徴とすることができる。
また、前記凹部のそれぞれには、複数の前記スタブが配置されることを特徴とすることができる。
さらに、前記メアンダ形状の線路では、クランク状に形成された一の曲折線路と他の曲折線路との接続部に、切り込みが設けられることを特徴とすることができる。
また、他の観点から捉えると、本発明が適用される移相器は、クランク状に形成された曲折線路を介して対向に配置された一の環状スタブ及び他の環状スタブを有する単位線路を備え、当該単位線路を互いに反転して配置して構成されており、一端部が第1の入出力端子に接続され、導電材料で構成された第1の導体と、一端部が第2の入出力端子に接続され、他端部が前記第1の導体と電気的に結合するように延びるとともに、当該第1の導体と電気的に結合する位置が当該第1の導体において相対的に移動可能である、導電材料で構成された第3の導体と、前記第1の導体及び前記第3の導体に対向して配置される第2の導体とを備える。
本発明によれば、従来のマイクロストリップ線路と比較して、位相遅延の量を大きくする伝送線路を提供できる。
(A)実施の形態1が適用される移相器の構成例を示す図である。(B)は、図1(A)のA−A線での断面を示す図である。 (A)は、実施の形態1に係る導体を構成する単位となる単位構造を示す図であり、(B)は、2つの単位構造を配置した場合を示す図である。(C)は、実施の形態1に係る導体の概観を示す図である。 実施の形態1に係る伝送線路の等価回路の一例を示した図である。 (A)は、実施の形態1に係る環状スタブと2つのインピーダンス調整部とを含む構成を示す図である。(B)は、図4(A)に示す構成のパラメータを示す図である。 (A)は、X1〜X3の各パラメータの構成におけるスミスチャート特性を示す図である。(B)は、X1〜X3の各パラメータの構成における位相特性を示す図である。 (A)は、実施の形態1に係る単位構造を2つ配置した伝送線路を示す図である。(B)は、環状スタブの代わりに、環状ではないスタブを備えた伝送線路を示す図である。 (A)は、図6(A)、(B)に示す伝送線路におけるリターンロス特性を示す図である。(B)は、図6(A)、(B)に示す伝送線路における位相特性を示す図である。 (A)は、X4、X5の各パラメータの構成におけるリターンロス特性を示す図である。(B)は、X4、X5の各パラメータの構成における位相特性を示す図である。 (A)は、X6、X7の各パラメータの構成におけるリターンロス特性を示す図である。(B)は、X6、X7の各パラメータの構成における位相特性を示す図である。 (A)は、実施の形態1に係る実施例の導体を示す図である。(B)は、従来技術である比較例の導体を示す図である。 実施例の導体及び比較例の導体のVSWR特性を示す図である。 実施例の導体及び比較例の導体の位相特性を示す図である。 実施の形態2に係る導体の概観を示す図である。 実施の形態3に係る導体の概観を示す図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
[実施の形態1]
<移相器の構成>
図1(A)は、実施の形態1が適用される移相器1の構成例を示す図である。図1(B)は、図1(A)のA−A線での断面を示す図である。
移相器1は、板状部材114、板状部材115を備え、板状部材114の上に板状部材115が重ねられている。また、板状部材115の上には、直線状の導体111、一端部が導体111と重ねられた導体112、スペーサ113が配置される。付言すると、板状部材114は、板状部材115を挟んで、導体111、導体112、スペーサ113に対向して配置される。
また、移相器1は、導体112に接続される入出力端子のP−In/Outと、導体111に接続される入出力端子のPort1、Port2を備える。そして、移相器1は、入出力端子(P−In/Out)に入力された送信信号の位相を2つの入出力端子(Port1、Port2)で異なるようにずらして出力する。また、移相器1は、2つの入出力端子(Port1、Port2)に入力された受信信号の位相を異なるようにずらして合成して、入出力端子(P−In/Out)から出力する。
本実施の形態では、Port1、Port2のそれぞれが第1の入出力端子の一例である。また、P−In/Outが第2の入出力端子の一例である。
より具体的には、例えば、移相器1が電波を送信する場合、移相器1のPort1及びPort2は、P−In/Outに入力された送信信号に対してそれぞれ位相をずらして出力する。また、例えば、移相器1が電波を受信する場合、P−In/Outは、Port1及びPort2にそれぞれ入力された受信信号の位相をずらして合成して出力する。
なお、ずらす位相の量(移相量)は、後述するように、導体112を移動させることにより可変できるようになっている。
板状部材114は、銅又はアルミニウムなどの導電率の高い導電材料で構成される。この板状部材114は、例えばアースに接続されており、導体111及び導体112に対して基準電位を与えるものである。
板状部材115は、エポキシなどの絶縁材料(又は誘電材料)で構成される。
導体111、112は、例えば、銅又はアルミニウムなどの導電率の高い導電材料で構成され、例えば厚さは1mmである。これらの導体111、112は、受信信号や送信信号が伝達される信号線路として機能するものである。
スペーサ113は、例えばポリテトラフルオロエチレンなどの高周波において損失が少ない絶縁材料(又は誘電材料)で構成されている。
さらに説明すると、導体111では、一端部がPort1に接続され、他端部がPort2に接続されている。また、導体112では、一端部がP−In/Outに接続され、他端部は、導体111と電気的に結合するように延びて導体111と重なっており、導体111と重なる部分αにおいて、導体111の幅方向に広がっている。さらに、導体112と導体111とが重なる部分αには、誘電体層であるスペーサ113が挟み込まれており、導体112と導体111とが重なる部分αにおいて、スペーサ113を介して、導体112と導体111とが容量結合(即ち、電気的に結合)するように構成されている。
また、導体112は、図1(A)に示す矢印方向(例えば、導体111の幅方向)に移動可能に構成される。導体112を移動させることにより、導体112と導体111との重なる部分αの位置が導体111に沿って移動する。これにより、Port1及びPort2において、送受信信号の位相(移相量)が変化する。
なお、導体112の他端部を、導体111の幅方向に広げることで、送受信信号の結合(容量結合)の程度が大きくなる。しかし、導体112の他端部を幅方向に広げなくともよい。
また、スペーサ113は、導体112を移動させる場合に、導体111との摩擦を減らし、摺動を容易にする。なお、誘電体層であるスペーサ113の代わりに、空気層であってもよい。
さらに、導体112を移動させる代わりに、導体111を移動させてもよい。言い換えると、導体111と導体112とが相対的に移動可能であればよい。
本実施の形態では、第1の導体の一例として、導体111が用いられる。第2の導体の一例として、板状部材114が用いられる。第3の導体の一例として、導体112が用いられる。
<導体111の説明>
次に、実施の形態1に係る導体111について詳述する。
図2(A)は、実施の形態1に係る導体111を構成する単位となる単位構造120を示す図であり、図2(B)は、2つの単位構造120を配置した場合を示す図である。また、図2(C)は、実施の形態1に係る導体111の概観を示す図である。
本実施の形態では、単位線路の一例として、単位構造120が用いられる。
図2(A)に示すように、単位構造120は、環状に構成された2つの環状スタブ1A、クランク形状の曲折線路1Bを備える。そして、2つの環状スタブ1Aは、曲折線路1Bを介して対向に配置される。また、環状スタブ1Aと曲折線路1Bとの間には切り込み1Dが形成される。言い換えると、単位構造120では、2つの環状スタブ1A及び曲折線路1Bにより、互い違いに切り込み1Dが形成される。
また、曲折線路1Bの両端部、言い換えると、一の曲折線路1Bと他の曲折線路1Bとの接続部(又は、曲折線路1BにおいてPort1又はPort2と接続される部分)には、インピーダンス調整部1Cが設けられる。このインピーダンス調整部1Cは、図2(A)に示すように、曲折線路1Bの両端部における凸部である。図2(B)のように2つの単位構造120を配置した場合には、導体111の両側から幅方向に向かう切り込みによって形成される。そして、一の単位構造120と他の単位構造120とは、インピーダンス調整部1Cを介して対向に配置される。即ち、図2(B)に示す構造は、インピーダンス調整部1Cに対して対称構造となっている。
このようにして、導体111は、単位構造120を互いに反転して配置して、単位構造120を繰り返し配置することにより構成される。図2(C)に示す例では、4つの単位構造120が配置されている。
また、導体111では、複数の曲折線路1Bを接続することにより、メアンダ形状が形成される。実施の形態1では、図2(C)に示すように、このメアンダ形状の屈曲により形成される凹部1Eに、2つの環状スタブ1Aが設けられる。
次に、図2(B)を参照しながら、導体111を構成する各部の長さ・幅について説明する。
H1は、曲折線路1Bにおける導体111の幅である。H2は、環状スタブ1Aと曲折線路1Bとの間の切れ込み1Dの長さである。H3は、環状スタブ1Aにおいて、環状スタブ1Aの端部と環(即ち、輪)の端部との間の長さである。
L1は、環状スタブ1Aの環の長さである。L3は、環状スタブ1Aの長さである。
W1は、曲折線路1Bの幅である。W2は、環状スタブ1Aの幅である。W3は、インピーダンス調整部1Cの幅である。W4は、環状スタブ1Aの環の端部と導体111の端部との間の幅である。
P1は、環状スタブ1Aの環の幅である。P2は、環状スタブ1Aと曲折線路1Bとの間の切れ込み1Dの幅である。P3は、インピーダンス調整部1Cを介して配置される一の環状スタブ1Aと他の環状スタブ1Aとの間の切れ込みの幅である。
なお、本実施の形態において、切れ込み1Dの長さH2と、環状スタブ1Aの長さL3とは、同じにしてもよいし、例えば、切れ込み1Dを導体111の端部に向けて延長したり、環状スタブ1Aの環の位置を変更したりして、H2とL3とが異なるようにしてもよい。
また、本実施の形態において、H3は、全ての環状スタブ1Aにおいて共通の値にしてもよいが、このような構成に限られない。一の環状スタブ1Aと他の環状スタブ1AとでH3を異なる値にしてもよい。
<伝送線路の等価回路>
次に、実施の形態1に係る導体111の特性を説明する。なお、導体111の特性を説明するにあたり、導体111と、例えば板状部材114のように基準電位を与える他の導体とによって、伝送線路(以下、単に「伝送線路」という)を構成するものとする。
図3は、実施の形態1に係る伝送線路の等価回路の一例を示した図である。実施の形態1に係る伝送線路は、図3に示す等価回路を複数接続した構成として表現される。付言すると、この等価回路は、一般的なマイクロストリップ線路と同様である。
ここで、本実施の形態では、伝送線路の単位長さ当たりの位相の遅延量を大きくすることにより、即ち、伝送線路の位相速度v0を小さくすることにより、物理的な伝送線路長を短縮させることを目的としている。この位相速度v0は、図3に示す等価回路の単位長さ当たりのインダクタンスL及びキャパシタンスCを用いて、数1式のように表される。
Figure 2020157804
数1式から、インダクタンスL又はキャパシタンスCを増加させることで、位相速度v0が小さくなることがわかる。言い換えると、インダクタンスL又はキャパシタンスCを増加させることで、物理的な伝送線路長を短縮させることが可能になるといえる。
他方、伝送線路の特性インピーダンスZ0は、数2式のように表される。
Figure 2020157804
伝送線路の特性インピーダンスZ0を予め定められた値(例えば50オーム)に整合するためには、数2式を満たすインダクタンスL又はキャパシタンスCを設定することが求められる。
このように、実施の形態1に係る伝送線路では、物理的な伝送線路長を短縮させるために、また、特性インピーダンスZ0を予め定められた値に整合するために、インダクタンスL又はキャパシタンスCを設定する必要がある。そこで、導体111の各部の長さが調整される。
<環状スタブ1Aの特性>
次に、伝送線路のうちの環状スタブ1Aの特性について説明する。図4(A)は、実施の形態1に係る環状スタブ1Aと2つのインピーダンス調整部1Cとを含む構成を示す図である。図4(B)は、図4(A)に示す構成のパラメータを示す図である。図4(B)のX1〜X3のパラメータを使用して実験を行い、図4(A)の構成の各部の長さの違いによる電気的特性の変化を確認した。
X1は、L3=4mm、W2=2.1mm、W4=1.8mm、H3=1mmである。X2は、L3=5mm、W2=2.1mm、W4=1.8mm、H3=1mmである。X3は、L3=4mm、W2=2.1mm、W4=1.4mm、H3=1mmである。
付言すると、X1とX2を比較した場合、W2、W4、H3は共通し、L3について、X2はX1よりも1mm長い。また、X1とX3を比較した場合、L3、W2、H3は共通し、W4について、X3はX1よりも0.4mm短い。
なお、図4(B)に示す例では、環状スタブ1Aの環の長さL1(図2(B)参照)について示していないが、L3について、X2はX1よりも1mm長いのと同様に、L1についても、X2はX1よりも1mm長いものとする。
図5(A)は、X1〜X3の各パラメータの構成におけるスミスチャート特性を示す図である。また、図5(B)は、X1〜X3の各パラメータの構成における位相特性を示す図である。図5(B)において、横軸は周波数(Frequency)(GHz)、縦軸は位相(Phase)(度)である。ここで、位相特性とは、対象となる構成(この例では、環状スタブ1A)において、その一端部から送信される電波の位相を基準として、その基準の位相と他端部に届く電波の位相との差異を示すものである。
X1を基準寸法とした場合、X2のように環状スタブ1Aの長さL3を延長すると、図5(A)に示すスミスチャート特性により、キャパシタンスCが増加することが確認された。また、図5(B)に示す位相特性では、X2の場合、X1の場合と比較して、位相の遅れが生じており、例えば2.0GHzでは、1.4度の遅れが生じることが確認された。
以上より、環状スタブ1Aの長さL3を長くすることにより、キャパシタンスCが増加し、位相を遅延させる効果があることがわかる。なお、数2式に示すように、キャパシタンスCは、特性インピーダンスZ0を調整する上で必要なパラメータであるため、環状スタブ1Aの長さL3を変更することで、特性インピーダンスZ0も調整される。
また、X1を基準寸法とした場合、X3のようにW4を狭くすると、図5(A)に示すスミスチャート特性により、インダクタンスLが増加することが確認された。一方で、図5(B)に示す位相特性では、X3の場合、X1の場合と同様の特性を示している。
以上より、W4を0.4mm狭くすることにより、インダクタンスLが増加するが、位相の遅延への影響は小さいことがわかる。なお、数2式に示すように、インダクタンスLは、特性インピーダンスZ0を調整する上で必要なパラメータであるため、W4を変更することで、特性インピーダンスZ0も調整される。
このように、環状スタブ1Aの長さL3又はW4をそれぞれ変更することにより、キャパシタンスC又はインダクタンスLを調整し、特性インピーダンスZ0を調整することができる。また、環状スタブ1Aの長さL3を変更することにより、位相遅延量を調整することができる。W4を変更した場合には、その変更の程度にもよるが、0.4mm狭くした場合には位相遅延量への影響は小さい。
<環状スタブ1Aの環による効果>
次に、伝送線路のうちの環状スタブ1Aの環による効果について説明する。図6(A)は、実施の形態1に係る単位構造120を2つ配置した伝送線路を示す図である。一方、図6(B)は、環状スタブ1Aの代わりに、環状ではないスタブ1Fを備えた伝送線路を示す図である。そして、L1=3.5mm、L3=4.5mm、P1=0.7mm、H1=5.8mm、W4=1.3mmとして、実験を行った。
なお、この例では、切れ込み1Dの長さH2(図2参照)と、環状スタブ1A(又はスタブ1F)の長さL3とが同じ長さになるように構成した。
また、図7(A)は、図6(A)、(B)に示す伝送線路におけるリターンロス特性を示す図である。図7(A)において、横軸は周波数(Frequency)(GHz)、縦軸はリターンロス(Return Loss)(dB)である。また、図7(B)は、図6(A)、(B)に示す伝送線路における位相特性を示す図である。図7(B)において、横軸は周波数(Frequency)(GHz)、縦軸は位相(Phase)(度)である。
リターンロスが良好であるか否かを判断するための基準として、例えば−25dB以下であることを条件とした場合、図7(A)に示すように、図6(A)の環状スタブ1Aの構成(環あり)、図6(B)の環状ではないスタブ1Fの構成(環なし)、共にリターンロスが良好であった。ただし、環状スタブ1Aの構成(環あり)の場合、環状ではないスタブ1Fの構成(環なし)の場合と比較して、リターンロスが抑制されることが確認された。
付言すると、メアンダ形状の線路に対して、環状スタブ1Aやスタブ1Fのようなスタブを設けると、キャパシタンスCが大きくなり、位相遅延が生じ易くなる。一方で、スタブに電流が流れることにより、特性インピーダンスZ0の整合が悪くなる。そこで、環状スタブ1Aのように環を設けると、スタブに流れる電流の流れが変化するため、その結果、特性インピーダンスZ0が変わり、リターンロスが抑制されることになる。
また、図7(B)に示す位相特性では、図6(A)の環状スタブ1Aの構成(環あり)の場合、図6(B)の環状ではないスタブ1Fの構成(環なし)の場合と比較して、位相の遅れが生じた。例えば2GHzにおいて、環状スタブ1Aの構成(環あり)では−120.8度であり、環状ではないスタブ1Fの構成(環なし)では−120.1度であった。よって、環状スタブ1Aの構成(環あり)の場合には、環状ではないスタブ1Fの構成(環なし)の場合と比較して、0.7度の位相遅延が生じることが確認された。
以上より、環状スタブ1Aの構成の場合、環状ではないスタブ1Fの構成の場合と比較して、リターンロスを抑制し、且つ位相遅延を増加させる効果があることがわかる。即ち、環状スタブ1Aの環は、リターンロスの抑制、位相遅延の調整に用いることができる。
なお、図6に示す例では、単位構造120を2つ配置したが、配置する単位構造120の数を増やすことにより、位相遅延量は、その配置した単位構造120の個数分増加する。例えば、単位構造120を2N個配置した場合の位相遅延量は、単位構造120を2つ配置した場合の位相遅延量のN倍になる。
<環状スタブ1Aの長さを増加させた場合の位相遅延>
次に、伝送線路のうちの環状スタブ1Aの長さを増加させた場合の位相遅延効果について説明する。伝送線路は、図6(A)に示すものと同様であり、パラメータとして、X4、X5を使用して実験を行った。
X4は、L1=2.5mm、L3=3.5mm、P1=0.7mm、H1=4.8mmである。X5は、L1=3.5mm、L3=4.5mm、P1=0.7mm、H1=4.8mmである。
付言すると、X4とX5を比較した場合、P1、H1は共通し、L1及びL3について、X5はX4よりも1mm長い。なお、W4は、X4とX5で共通である。
さらに説明すると、X4は、図6(A)のパラメータと比較して、L1、L3、H1を1mmずつ短くしたものであり、図6(A)に示す構成のように、H1は、(L3+W4)の長さに等しい。一方、X5の場合、L1及びL3をX4の場合よりも1mm長くして、H1及びW4を変更しない。そのため、X5では、環状スタブ1Aの先端が、曲折線路1BのH1の長さの部分に対して、導体111の幅方向に飛び出した構造になる。
これらの構成により、環状スタブ1Aの長さL3及び環の長さL1を増加させたことによる位相遅延効果を確認した。
図8(A)は、X4、X5の各パラメータの構成におけるリターンロス特性を示す図である。図8(A)において、横軸は周波数(Frequency)(GHz)、縦軸はリターンロス(Return Loss)(dB)である。また、図8(B)は、X4、X5の各パラメータの構成における位相特性を示す図である。図8(B)において、横軸は周波数(Frequency)(GHz)、縦軸は位相(Phase)(度)である。
図8(A)に示すように、X4及びX5において、リターンロスは−25dB以下であるため、基準である−25dB以下であり、リターンロス特性は同様に良好であることが確認された。一方、図8(B)に示すように、X5の場合、X4の場合と比較して、位相の遅れが生じており、例えば2.0GHzにおける位相は、X4の場合には−112.7度であるのに対して、X5の場合には−117.1度であった。即ち、図6(A)に示す伝送線路において、4箇所ある環状スタブ1Aの長さが1mm増加することにより、4.4度の位相遅延が生じることが確認された。
以上より、環状スタブ1Aの長さL3及び環の長さL1を増加させることにより、位相遅延を生じさせることが可能であり、L3及びL1の値を変更することにより、位相遅延量が調整される。
<導体111の幅を増加させた場合の位相遅延>
次に、伝送線路における導体111の幅を増加させた場合の位相遅延効果について説明する。伝送線路としては、図6(A)に示すものと同様であり、パラメータとして、X6、X7を使用して実験を行った。
X6は、L1=3.5mm、L3=4.5mm、P1=0.7mm、H1=4.8mmである。X7は、L1=3.5mm、L3=4.5mm、P1=0.7mm、H1=5.8mmである。
付言すると、X6とX7を比較した場合、L1、L3、P1は共通し、H1について、X7はX6よりも1mm長い。なお、W4は、X6とX7で共通である。
さらに説明すると、X6は、X5のパラメータと同様であり、環状スタブ1Aの先端が、曲折線路1BのH1の長さの部分に対して、導体111の幅方向に飛び出した構造である。一方、X7の場合、H1をX6の場合よりも1mm長くして、L1、L3、P1を変更しない。このX7は、図6(A)のパラメータと同様であり、図6(A)に示す構成のように、H1は、(L3+W4)の長さに等しい。
これらの構成により、曲折線路1Bにおける導体111の幅H1を増加させたことによる位相遅延効果を確認した。
図9(A)は、X6、X7の各パラメータの構成におけるリターンロス特性を示す図である。図9(A)において、横軸は周波数(Frequency)(GHz)、縦軸はリターンロス(Return Loss)(dB)である。また、図9(B)は、X6、X7の各パラメータの構成における位相特性を示す図である。図9(B)において、横軸は周波数(Frequency)(GHz)、縦軸は位相(Phase)(度)である。
図9(A)に示すように、X6及びX7において、リターンロスは−25dB以下であるため、基準である−25dB以下であり、リターンロス特性は同様に良好であることが確認された。一方、図9(B)に示すように、X7の場合、X6の場合と比較して、位相の遅れが生じており、例えば2.0GHzにおける位相は、X6の場合には−117.1度であるのに対して、X7の場合には−121.2度であった。即ち、図6(A)に示す伝送線路において、2箇所あるH1の部分の幅を1mm増加することにより、4.1度の位相遅延が生じることが確認された。
以上より、導体111の幅H1を増加させることにより、位相遅延を生じさせることが可能であり、H1の値を変更することにより、位相遅延量が調整される。
なお、伝送線路では、インピーダンス調整部1Cの幅W3(図2参照)を広くすることで、伝送線路上で受信信号や送信信号が伝達され易くなるため、伝送線路の特性インピーダンスZ0は小さくなる。一方で、インピーダンス調整部1Cの幅W3を狭くすることで、伝送線路の特性インピーダンスZ0は大きくなる。例えば、環状スタブ1Aの長さL3や環の長さL1、導体の幅H1などを調整して、位相遅延量や特性インピーダンスZ0を調整した後、導体111の特性インピーダンスZ0を例えば50オームに整合させるために、インピーダンス調整部1Cの幅W3の調整が行われる。
より具体的には、例えば、導体111は、Port1及びPort2の入出力端子において、特性インピーダンスZ0が50オームの機器やケーブルと接続される。そこで、Port1又はPort2と接続されるインピーダンス調整部1Cの幅W3を調整することにより、導体111の特性インピーダンスZ0が50オームになるように整合される。また、単位構造120同士を接続するインピーダンス調整部1Cの幅W3についても、導体111の特性インピーダンスZ0を50オームに整合するために用いられる。このように、インピーダンス調整部1Cを設けることにより、導体111の特性インピーダンスZ0を調整し易くなる。
<伝送線路の特性>
さらに、実施例に基づいて、実施の形態1に係る伝送線路の特性について説明する。
図10(A)は、実施の形態1に係る実施例の導体111を示す図である。また、図10(B)は、従来技術である比較例の導体201を示す図である。
実施例の導体111の長さLは69.3mmである。一方、比較例の導体201は、従来のマイクロストリップラインであり、長さLは98.5mmである。
次に、図11及び図12を参照しながら、図10(A)の実施例の導体111及び図10(B)の比較例の導体201を用いた実験結果について説明する。
図11は、実施例の導体111及び比較例の導体201のVSWR(Voltage Standing Wave Ratio)特性を示す図である。VSWR特性とは、高周波特性を示す指標の1つであり、高周波信号が通過するときに信号の一部が回路上で反射されてしまう度合である。反射が大きいほどVSWRの数値が大きくなり、信号ロス(即ち、リターンロス)が大きいことを示しているため、VSWRはできる限り低いことが求められる。
VSWRの数値は、電圧定在波比として、電圧の最大値と最小値との比で表され、数3式のように表される。
Figure 2020157804
数3式において、ρは、電圧反射係数であり、進行波の振幅に対する反射波の振幅の比率である。
図11において、横軸は周波数(Frequency)(GHz)、縦軸はVSWRである。VSWRが良好であるか否かを判断するための基準として、例えば、1.1以下であることを条件とした場合、周波数0.1〜3.0GHzの範囲で、実施例の導体111のVSWR特性は比較例の導体201のVSWR特性と同等となり、良好な結果が得られた。言い換えると、実施例の導体111の長さLは、比較例の導体201の長さLよりも約30mm短いが、実施例の導体111は、比較例の導体201と比較して、VSWR特性が損なわれていないことが確認された。
図12は、実施例の導体111及び比較例の導体201の位相特性を示す図である。図12において、横軸は周波数(Frequency)(GHz)、縦軸は位相(Phase)(度)である。そして、周波数0.1〜3.0GHzの範囲で、実施例の導体111の位相特性は比較例の導体201の位相特性と同等であった。言い換えると、実施例の導体111の長さLは、比較例の導体201の長さLよりも約30mm短いが、実施例の導体111は、比較例の導体201と比較して、位相特性に大きな差異のないことが確認された。
なお、図10〜図12には示していないが、実施の形態1に係る伝送線路と、同じ物理長さのマイクロストリップ線路とを比較した場合、実施の形態1に係る伝送線路では、マイクロストリップ線路と比較して、位相遅延量が20%〜35%増加することが確認された。
[実施の形態2]
実施の形態1において、導体111は環状スタブ1Aを備えていた。一方、実施の形態2では、導体111は、環状スタブ1Aの代わりに、環状ではないスタブ1Fを備えている。なお、実施の形態2において、スタブ1F以外の他の構成は実施の形態1と同様である。よって、以下では、実施の形態1と同様の部分には同じ符号を付して説明を省略し、異なる部分を説明する。
図13は、実施の形態2に係る導体111の概観を示す図である。図13に示すように、単位構造120は、2つのスタブ1F、曲折線路1Bを備える。そして、2つのスタブ1Fは、曲折線路1Bを介して対向に配置される。また、2つの単位構造120は、インピーダンス調整部1Cを介して対向に配置される。このようにして、導体111は、単位構造120が繰り返し配置されることにより構成される。
そして、本実施の形態では、環状ではないスタブ1Fを用いるため、実施の形態1とは異なり、環を設けたり、環の長さL1(図2参照)を変化させたりすることによって、位相遅延量や特性インピーダンスZ0の調整は行われない。例えば導体111の幅H1(図2参照)やインピーダンス調整部1Cの幅W3など、その他の各部の長さが調整されることにより、位相遅延量や特性インピーダンスZ0が調整される。
また、実施の形態1と実施の形態2とを組み合わせてもよい。例えば、実施の形態1に係る導体111において、全ての環状スタブ1Aに代えて、環状ではないスタブ1Fを用いるのではなく、一部の環状スタブ1Aに代えて、環状ではないスタブ1Fを用いてもよい。言い換えると、導体111において、環状スタブ1Aとスタブ1Fとが混在していてもよい。
[実施の形態3]
実施の形態1において、導体111の単位構造120は、2つの環状スタブ1Aを備えていた。言い換えると、実施の形態1では、メアンダ形状の凹部1Eに、2つの環状スタブ1Aが設けられた。一方、実施の形態3では、導体111の単位構造120は、1つの環状スタブ1Aを備えている。そして、メアンダ形状の凹部1Eには、1つの環状スタブ1Aが設けられる。なお、実施の形態3において、実施の形態1と同様の部分には同じ符号を付して説明を省略し、異なる部分を説明する。
図14は、実施の形態3に係る導体111の概観を示す図である。図14に示すように、導体111の単位構造120は、1つの環状スタブ1A、L字型に曲折している曲折線路1Gを備える。また、曲折線路1Gの両端部には、インピーダンス調整部1Cが設けられる。そして、インピーダンス調整部1Cを介して単位構造120が配置される。
このようにして、導体111は、単位構造120が繰り返し配置されることにより構成される。図14に示す例では、6つの単位構造120が配置されている。
付言すると、導体111では、複数の曲折線路1Gが配置されることにより、メアンダ形状が形成される。このメアンダ形状の凹部1Eに、1つの環状スタブ1Aが設けられる。
そして、環状スタブ1Aの長さL3や環の長さL1、導体の幅H1などの導体111の各部の長さが調整されることにより、位相遅延量や特性インピーダンスZ0が調整される。
なお、実施の形態3において、実施の形態2と同様に、環状スタブ1Aの代わりに、環状ではないスタブ1Fを備えてもよい。この場合も、環を設けたり、環の長さL1を変化させたりすることによって、位相遅延量や特性インピーダンスZ0の調整は行われないが、例えば導体111の幅H1やインピーダンス調整部1Cの幅W3など、その他の各部の長さが調整されることにより、位相遅延量や特性インピーダンスZ0が調整される。
[他の実施の形態]
次に、他の実施の形態について説明する。
実施の形態1及び実施の形態3では、メアンダ形状の凹部1Eには、1つ又は2つの環状スタブ1Aが設けられたが、メアンダ形状の凹部1Eに、3つ以上の環状スタブ1Aを設けてもよい。この場合も、導体111の各部の長さが調整されることにより、位相遅延量や特性インピーダンスZ0が調整される。
また、メアンダ形状の凹部1Eに、環状スタブ1Aの代わりに、環状ではないスタブ1Fを3つ以上設けてもよい。
また、実施の形態1〜実施の形態3では、さらに、導体111及び導体112の上に、絶縁材料(又は誘電材料)等を介して別の導体を設け、3層のトリプレート構造としてもよい。導体111及び導体112の上に設けられる別の導体は、例えばアースに接続されて、導体111及び導体112に対して基準電位を与える。そして、導体111及び導体112のそれぞれは、板状部材114によって伝送線路を構成するとともに、別の導体によっても伝送線路を構成する。即ち、基準電位を与える2層の部材(板状部材114、別の導体)、それら2層の間に設けられた信号線路の層(導体111及び導体112)という3層によって構成される。このように、別の導体を設けて3層のトリプレート構造にすることによって、例えば、伝送線路におけるノイズの発生が抑制される。
さらに、実施の形態1〜実施の形態3では、導体111を直線状の導体としたが、導体111は直線状のものに限られない。例えば、導体111を円弧上に湾曲した導体としてもよい。この場合、導体112は、例えば、導体111に対して回転可能に構成され、導体112を回転させることにより、導体112と導体111との重なる部分αの位置が導体111に沿って移動し、Port1及びPort2において、送受信信号の位相(移相量)が変化する。
そして、実施の形態1〜実施の形態3では、導体111を移相器1に用いることとしたが、移相器1に用いる構成に限られない。導体111は、受信信号や送信信号が伝達される信号線路として機能するものであればよい。
なお、上記では種々の実施形態および変形例を説明したが、これらの実施形態や変形例どうしを組み合わせて構成してももちろんよい。
また、本開示は上記の実施形態に何ら限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲で種々の形態で実施することができる。
1…移相器、1A…環状スタブ、1B…曲折線路、1C…インピーダンス調整部、1E…凹部、1F…スタブ、111…導体、112…導体、114…板状部材、120…単位構造
かかる目的のもと、本発明が適用される伝送線路は、クランク状に形成された曲折線路を介して対向に配置された一の環状スタブ及び他の環状スタブを有する複数の単位線路を備え、複数の当該単位線路を互いに反転して配置して構成される第1の導体と、前記第1の導体に対向して配置される第2の導体とを備える。
ここで、一の単位線路と他の単位線路との接続部には、切り込みが設けられることを特徴とすることができる。
また、前記切り込みは、特性インピーダンスの調整に用いられることを特徴とすることができる。
さらに、前記一の環状スタブ及び前記他の環状スタブにおける環は、リターンロスの抑制に用いられることを特徴とすることができる。
また、他の観点から捉えると、本発明が適用される伝送線路は、メアンダ形状の線路と、当該メアンダ形状の線路により形成される凹部に配置されるスタブとを有する第1の導体と、前記第1の導体に対向して配置される第2の導体とを備える。
ここで、前記スタブは、環状スタブであることを特徴とすることができる。
また、前記凹部のそれぞれには、複数の前記スタブが配置されることを特徴とすることができる。
さらに、前記メアンダ形状の線路では、クランク状に形成された一の曲折線路と他の曲折線路との接続部に、切り込みが設けられることを特徴とすることができる。
また、他の観点から捉えると、本発明が適用される移相器は、クランク状に形成された曲折線路を介して対向に配置された一の環状スタブ及び他の環状スタブを有する複数の単位線路を備え、複数の当該単位線路を互いに反転して配置して構成されており、一端部が第1の入出力端子に接続され、導電材料で構成された第1の導体と、一端部が第2の入出力端子に接続され、他端部が前記第1の導体と電気的に結合するように延びるとともに、当該第1の導体と電気的に結合する位置が当該第1の導体において相対的に移動可能である、導電材料で構成された第3の導体と、前記第1の導体及び前記第3の導体に対向して配置される第2の導体とを備える。
(A)実施の形態1が適用される移相器の構成例を示す図である。(B)は、図1(A)のA−A線での断面を示す図である。 (A)は、実施の形態1に係る導体を構成する単位となる単位構造を示す図であり、(B)は、2つの単位構造を配置した場合を示す図である。(C)は、実施の形態1に係る導体の概観を示す図である。 実施の形態1に係る伝送線路の等価回路の一例を示した図である。 (A)は、実施の形態1に係る環状スタブと2つのインピーダンス調整部とを含む構成を示す図である。(B)は、図4(A)に示す構成のパラメータを示す図である。 (A)は、X1〜X3の各パラメータを用いた構成スミスチャート特性を示す図である。(B)は、X1〜X3の各パラメータを用いた構成位相特性を示す図である。 (A)は、実施の形態1に係る単位構造を2つ配置した伝送線路を示す図である。(B)は、環状スタブの代わりに、環状ではないスタブを備えた伝送線路を示す図である。 (A)は、図6(A)、(B)に示す伝送線路におけるリターンロス特性を示す図である。(B)は、図6(A)、(B)に示す伝送線路における位相特性を示す図である。 (A)は、X4、X5の各パラメータを用いた構成リターンロス特性を示す図である。(B)は、X4、X5の各パラメータを用いた構成位相特性を示す図である。 (A)は、X6、X7の各パラメータを用いた構成リターンロス特性を示す図である。(B)は、X6、X7の各パラメータを用いた構成位相特性を示す図である。 (A)は、実施の形態1に係る実施例の導体を示す図である。(B)は、従来技術である比較例の導体を示す図である。 実施例の導体及び比較例の導体のVSWR特性を示す図である。 実施例の導体及び比較例の導体の位相特性を示す図である。 実施の形態2に係る導体の概観を示す図である。 実施の形態3に係る導体の概観を示す図である。
また、曲折線路1Bの両端部、言い換えると、一の曲折線路1Bと他の曲折線路1Bとの接続部(又は、曲折線路1BにおいてPort1又はPort2と接続される部分)には、インピーダンス調整部1Cが設けられる。このインピーダンス調整部1Cは、図2(A)に示すように、曲折線路1Bの両端部における凸部である。図2(B)のように2つの単位構造120を配置した場合には、導体111の両側から幅方向に向かう切り込み形成される。そして、一の単位構造120と他の単位構造120とは、インピーダンス調整部1Cを介して対向に配置される。即ち、図2(B)に示す構造は、インピーダンス調整部1Cに対して対称構造となっている。
このようにして、導体111は、複数の単位構造120を互いに反転して配置して、単位構造120を繰り返し配置することにより構成される。図2(C)に示す例では、4つの単位構造120が配置されている。
また、導体111では、複数の曲折線路1Bを接続することにより、メアンダ形状の線路が形成される。実施の形態1では、図2(C)に示すように、このメアンダ形状の線路により形成される凹部1Eに、2つの環状スタブ1Aが設けられる。
図5(A)は、X1〜X3の各パラメータを用いた構成スミスチャート特性を示す図である。また、図5(B)は、X1〜X3の各パラメータを用いた構成位相特性を示す図である。図5(B)において、横軸は周波数(Frequency)(GHz)、縦軸は位相(Phase)(度)である。ここで、位相特性とは、対象となる構成(この例では、環状スタブ1A)において、その一端部から送信される電波の位相を基準として、その基準の位相と他端部に届く電波の位相との差異を示すものである。
図8(A)は、X4、X5の各パラメータを用いた構成リターンロス特性を示す図である。図8(A)において、横軸は周波数(Frequency)(GHz)、縦軸はリターンロス(Return Loss)(dB)である。また、図8(B)は、X4、X5の各パラメータを用いた構成位相特性を示す図である。図8(B)において、横軸は周波数(Frequency)(GHz)、縦軸は位相(Phase)(度)である。
図9(A)は、X6、X7の各パラメータを用いた構成リターンロス特性を示す図である。図9(A)において、横軸は周波数(Frequency)(GHz)、縦軸はリターンロス(Return Loss)(dB)である。また、図9(B)は、X6、X7の各パラメータを用いた構成位相特性を示す図である。図9(B)において、横軸は周波数(Frequency)(GHz)、縦軸は位相(Phase)(度)である。
さらに、実施の形態1〜実施の形態3では、導体111を直線状の導体としたが、導体111は直線状のものに限られない。例えば、導体111を円弧に湾曲した導体としてもよい。この場合、導体112は、例えば、導体111に対して回転可能に構成され、導体112を回転させることにより、導体112と導体111との重なる部分αの位置が導体111に沿って移動し、Port1及びPort2において、送受信信号の位相(移相量)が変化する。

Claims (9)

  1. クランク状に形成された曲折線路を介して対向に配置された一の環状スタブ及び他の環状スタブを有する単位線路を備え、当該単位線路を互いに反転して配置して構成される第1の導体と、
    前記第1の導体に対向して配置される第2の導体と
    を備える伝送線路。
  2. 一の単位線路と他の単位線路との接続部には、切り込みが設けられること
    を特徴とする請求項1に記載の伝送線路。
  3. 前記切り込みは、特性インピーダンスの調整に用いられること
    を特徴とする請求項2に記載の伝送線路。
  4. 前記一の環状スタブ及び前記他の環状スタブにおける環は、リターンロスの抑制に用いられること
    を特徴とする請求項1に記載の伝送線路。
  5. メアンダ形状の線路と、当該メアンダ形状の屈曲により形成される凹部に配置されるスタブとを有する第1の導体と、
    前記第1の導体に対向して配置される第2の導体と
    を備える伝送線路。
  6. 前記スタブは、環状スタブであること
    を特徴とする請求項5に記載の伝送線路。
  7. 前記凹部のそれぞれには、複数の前記スタブが配置されること
    を特徴とする請求項5又は6に記載の伝送線路。
  8. 前記メアンダ形状の線路では、クランク状に形成された一の曲折線路と他の曲折線路との接続部に、切り込みが設けられること
    を特徴とする請求項5に記載の伝送線路。
  9. クランク状に形成された曲折線路を介して対向に配置された一の環状スタブ及び他の環状スタブを有する単位線路を備え、当該単位線路を互いに反転して配置して構成されており、一端部が第1の入出力端子に接続され、導電材料で構成された第1の導体と、
    一端部が第2の入出力端子に接続され、他端部が前記第1の導体と電気的に結合するように延びるとともに、当該第1の導体と電気的に結合する位置が当該第1の導体において相対的に移動可能である、導電材料で構成された第3の導体と、
    前記第1の導体及び前記第3の導体に対向して配置される第2の導体と
    を備える移相器。
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