以下、本発明を実施するための形態として、本発明の実施例を、図を参照しつつ詳しく説明する。
図1に、電子部品装着装置10を示す。電子部品装着装置10は、1つのシステムベース12と、そのシステムベース12の上に並んで配設された2つの装着機16とを有している。なお、以下の説明では、装着機16の並ぶ方向をX方向と称し、その方向に直角な水平の方向をY方向と称し、その方向に直角な鉛直方向をZ方向と称する。
各装着機16は、主に、装着機本体20、1対の基板搬送保持装置22、装着ヘッド移動装置(以下、「移動装置」と略す場合がある)24、装着ヘッド26、供給装置28、制御装置(図7参照)30を備えている。装着機本体20は、フレーム31と、そのフレーム31に上架されたビーム32とによって構成されている。
1対の基板搬送保持装置22の各々は、図2乃至図5に示すように、コンベア装置50と、基板保持装置52とを有している。図2は、基板搬送保持装置22を斜め上方からの視点において示す図であり、図3は、基板搬送保持装置22を上方からの視点において示す図である。また、図4は、図3のAA線からの視点において示す図であり、図5は、図3のBB線からの視点において示す図である。
コンベア装置50は、1対の搬送レーン56,58により構成されており、各搬送レーン56,58は、ガイドレール60,62と、各ガイドレール60,62に設けられたコンベアベルト66,68とを含む。1対のガイドレール60,62は、互いに平行に配設されており、各ガイドレール60,62は、1対の支持脚70を介して支持プレート72の上面において支持されている。なお、ガイドレール60,62の延びる方向をX方向、そのX方向に水平に直行する方向をY方向、X方向及びY方向の両方に直交する方向をZ方向と称する。
また、各ガイドレール60,62の側面には2個のプーリ74,76がY方向を軸心として配設されている。それら2個のプーリ74,76は、各ガイドレール60,62の両端部に配設されている。なお、ガイドレール60とガイドレール62とは、互いのプーリ74,76の配設面が対向する状態で配設されている。そして、コンベアベルト66,68が、各ガイドレール60,62のプーリ74,76に巻き掛けられており、コンベアベルト66,68は、電磁モータ(図7参照)78の駆動により周回する。
なお、コンベアベルト66,68の周回方向は、図4での時計回りの方向とされている。これにより、コンベアベルト66,68の上に回路基板(図5参照)80を載置することで、回路基板80は、プーリ74が配設されている側からプーリ76が配設されている側に向かって、コンベアベルト66,68によって搬送される。
また、コンベア装置50は、幅変更装置(図7参照)81を有しており、搬送レーン56と搬送レーン58との間の距離を変更することが可能とされている。詳しくは、搬送レーン58のガイドレール62を支持する1対の支持脚70は、Y方向にスライド可能とされている。そして、それら1対の支持脚70は、電磁モータ(図7参照)82の駆動によりY方向の任意の位置に移動する。この際、それら1対の支持脚70により支持されているガイドレール62は、ガイドレール60と平行な状態で、ガイドレール60に対して接近・離間する。これにより、搬送レーン56と搬送レーン58との間の距離が変更される。このように、搬送レーン56と搬送レーン58との間の距離が変更されることで、種々のサイズの回路基板80を搬送することが可能となる。
また、基板保持装置52は、昇降テーブル86と、バキューム台88と、テーブル昇降機構90と、クランプ装置92と、1対の押さえプレート96とを有している。昇降テーブル86は、概して矩形をなし、各ガイドレール60,62の1対の支持脚70の間に延びだすように、ガイドレール60,62の下方に配置されている。また、昇降テーブル86の上面に、バキューム台88が配設されている。バキューム台88は、概して箱形状をなしており、バキューム台88のX方向の寸法は、昇降テーブル86のX方向の寸法と略同じとされているが、バキューム台88のY方向の寸法は、昇降テーブル86のY方向の寸法より小さくされている。そして、バキューム台88は、図3に示すように、上方からの視点において、1対の搬送レーン56,58の間に位置するように、昇降テーブル86の上に配設されている。つまり、バキューム台88は、上下方向において、1対の搬送レーン56,58と重ならないように、昇降テーブル86の上に配設されている。なお、バキューム台88は、昇降テーブル86に着脱可能とされている。
そのバキューム台88の上面は、平面とされており、その上面に複数の吸引口97が形成されている。そして、複数の吸引口97は、吸引ポンプ(図7参照)98に接続されている。これにより、バキューム台88は、吸引ポンプ98の作動により、上面に形成された複数の吸引口97からエアを吸引する。なお、バキューム台88が配設される昇降テーブル86は、テーブル昇降機構90を介して、支持プレート72の上面に配設されており、テーブル昇降機構90は、電磁モータ(図7参照)99の駆動により昇降テーブル86を、バキューム台88とともに昇降させる。
また、クランプ装置92は、1対のクランプバー100と、1対のクランププレート102とを有している。クランプバー100は、概して板状をなし、クランプバー100の長さ寸法が、バキューム台88のX方向における長さ寸法より短くされている。そして、1対のクランプバー100の各々は、X方向においてバキューム台88の両端の間に位置するように、ガイドレール60,62の上面に固定されている。なお、クランプバー100は、ガイドレール60,62に配設されているコンベアベルト66,68の上方に延びだすように、ガイドレール60,62の上面に固定されている。
また、クランププレート102は、概して矩形の板状をなし、クランププレート102の長手方向における長さ寸法が、クランプバー100の長さ寸法と略同じとされている。クランププレート102は、コンベアベルト66,68の上方に延びだすクランプバー100の下方において、クランプバー100と同じ方向に延び出しており、立設した状態で、ガイドレール60,62により上下方向にスライド可能に保持されている。つまり、ガイドレール60,62のコンベアベルト66,68が配設された側の側面に、図5に示すように、保持具108が配設されている。そして、そのガイドレール60,62の側面と、クランププレート102の側面とが対向した状態で、クランプバー100の下方において、クランププレート102が保持具108により上下方向にスライド可能に保持されている。
なお、ガイドレール60,62により上下方向にスライド可能に保持されたクランププレート102は、バキューム台88の側面と対抗している。そして、クランププレート102が、最も下方にスライドした際に、クランププレート102の下端は、そのバキューム台88が配設されている昇降テーブル86が上昇していない状態において、その昇降テーブル86の上面より上方に位置している。また、クランププレート102が、最も下方にスライドした際に、クランププレート102の上端は、コンベアベルト66の上面より下方に位置している。
また、1対の押さえプレート96の各々は、細長い板形状をなし、ガイドレール60,62と直行する方向に延びる姿勢で、1対のガイドレール60,62に架け渡されている。そして、1対の押さえプレート96の各々は、一端部において、連結機構110を介してガイドレール62に取り付けられ、他端部において、連結機構112を介して、ガイドレール60に取り付けられている。詳しくは、押さえプレート96のガイドレール62側の端部には、押さえプレート96の延びる方向に沿って、長穴116が形成されている。一方、ガイドレール62の上面には、その上面に固定されたクランプバー100の端から離間する方向にズレた位置に、ねじ穴(図6参照)118が形成されている。
なお、長穴116の内部は、図6に示すように、段付き形状とされており、押さえプレート96の上面に開口する大径部120と、その大径部120の下端から連続し、押さえプレート96の下面に開口する小径部122とに区分けされる。なお、図6は、図3のCC線からの視点において示すものである。また、連結機構110は、ボルト124を有しており、ボルト124のねじ部126には、円環状のカラー128が外嵌されている。そのカラー128の外径は、長穴116の小径部122の内径より小さいが、ボルト124の頭部130の外径は、長穴116の小径部122の内径より大きい。また、ボルト124の頭部130の外径は、長穴116の大径部120の内径より小さい。なお、カラー128の高さ寸法は、小径部122の高さ寸法より長くされている。
そして、ボルト124が、押さえプレート96の長穴116を介して、ガイドレール62の上面に形成されたねじ穴118に締結されている。これにより、押さえプレート96は、連結機構110において、ボルト124の径方向及び軸方向においてガタのある状態、つまり、隙間のある状態で、ボルト124によりガイドレール62に取り付けられる。ちなみに、ボルト124の径方向における隙間、つまり、左右方向における隙間は、長穴116の小径部122の内径からカラー128の外径を減じた値に相当する。一方、ボルト124の軸方向における隙間、つまり、上下方向おける隙間は、カラー128の高さ寸法から小径部122の高さ寸法を減じた値に相当する。
また、連結機構110は、ボールプランジャ136を有しており、ガイドレール62の上面には、ボールプランジャ136を挿入するための挿入穴138が形成されている。挿入穴138は、ねじ穴118の隣に形成されており、挿入穴138の形成位置は、ガイドレール62に取り付けられた押さえプレート96により覆われている。そして、その挿入穴138に、ボールプランジャ136が、ボール140をガイドレール62の上面から突出させた状態で固定的に挿入されている。なお、ボール140のガイドレール62の上面からの突出量は、押さえプレート96の上下方向における隙間より僅かに大きくされている。このような構造により、ガイドレール62の上面に取り付けられた押さえプレート96では、連結機構110において、ボールプランジャ136が配設されている側の縁部が、ボールプランジャ136の弾性力により上方に向って付勢されている。このため、押さえプレート96は、連結機構110において、ボールプランジャ136が配設されている側の縁部からボールプランジャ136が配設されていない側の縁部に向って下降するように傾斜している。
また、1対の押さえプレート96の各々をガイドレール60に取り付けるための連結機構112は、連結機構110と略同じ構造をしている。このため、連結機構112の説明において、連結機構110の構成要素、つまり、ボルト124,ボールプランジャ136等の符号を用い、簡略して説明を行う。押さえプレート96のガイドレール60側の端部には、円形の穴、つまり、丸穴150が形成されている。一方、ガイドレール60の上面には、その上面に固定されたクランプバー100の端から離間する方向にズレた位置に、ねじ穴152が形成されている。そして、ねじ部126にカラー128が外嵌されたボルト124が、押さえプレート96の丸穴150を介して、ガイドレール60の上面に形成されたねじ穴152に締結されている。これにより、押さえプレート96は、連結機構110と同様に、連結機構112においても、ボルト124の径方向及び軸方向において隙間のある状態で、ボルト124によりガイドレール60に取り付けられる。また、連結機構112において、連結機構110と同様の位置にボールプランジャ136が配設されている。これにより、連結機構112においても、押さえプレート96は、ボールプランジャ136が配設されている側の縁部からボールプランジャ136が配設されていない側の縁部に向って下降するように傾斜している。
このような構造により、1対の押さえプレート96の各々は、ガイドレール60,62と直行する方向に延びる姿勢で、一端部において、連結機構110を介してガイドレール62に取り付けられ、他端部において、連結機構112を介して、ガイドレール60に取り付けられている。つまり、1対の押さえプレート96の各々は、両端部において、連結機構110,112を介して、1対のガイドレール60,62に架け渡された状態で、1対のガイドレール60,62を連結している。また、1対の押さえプレート96は、ガイドレール60,62の上面に固定されたクランプバー100を挟むように配設されている。このため、1対の押さえプレート96の間の距離、つまり、1対の押さえプレート96のX方向における離間距離は、クランプバー100の長さ寸法より長くされている。ただし、1対の押さえプレート96のX方向における離間距離は、バキューム台88のX方向における長さ寸法より短くされている。このため、1対のガイドレール60,62の間に配設されているバキューム台88のX方向における両縁部の上方に、1対の押さえプレート96が位置している。
また、1対の押さえプレート96の各々は、ボールプランジャ136が配設されている側の縁部からボールプランジャ136が配設されていない側の縁部に向って下降するように傾斜している。つまり、押さえプレート96は、X方向において、基板搬送保持装置22の中央に向かうほど下降するように傾斜している。なお、傾斜した状態の押さえプレート96のボールプランジャ136が配設されている側の縁部の下面は、クランプバー100の下面と略同じ高さに位置している。一方、傾斜した状態の押さえプレート96のボールプランジャ136が配設されていない側の縁部の下面は、クランプバー100の下面より僅かに下方に位置している。
また、図1に示すように、移動装置24は、XYロボット型の移動装置である。移動装置24は、スライダ160をX方向にスライドさせる電磁モータ(図7参照)162と、Y方向にスライドさせる電磁モータ(図7参照)164とを備えている。スライダ160には、装着ヘッド26が取り付けられており、その装着ヘッド26は、2つの電磁モータ162,164の作動によって、フレーム31上の任意の位置に移動する。
装着ヘッド26は、回路基板80に対して電子部品を装着するものである。装着ヘッド26は、下端面に設けられた吸着ノズル170を有している。吸着ノズル170は、負圧エア,正圧エア通路を介して、正負圧供給装置(図7参照)172に通じている。吸着ノズル170は、負圧によって電子部品を吸着保持し、保持した電子部品を正圧によって離脱する。また、装着ヘッド26は、吸着ノズル170を昇降させるノズル昇降装置(図7参照)174を有している。そのノズル昇降装置174によって、装着ヘッド26は、保持する電子部品の上下方向の位置を変更する。
供給装置28は、フィーダ型の供給装置であり、フレーム31の前方側の端部に配設されている。供給装置28は、テープフィーダ180を有している。テープフィーダ180は、テープ化部品を巻回させた状態で収容している。テープ化部品は、電子部品がテーピング化されたものである。そして、テープフィーダ180は、送出装置(図7参照)182によって、テープ化部品を送り出す。これにより、フィーダ型の供給装置28は、テープ化部品の送り出しによって、電子部品を供給位置において供給する。
制御装置30は、図7に示すように、コントローラ190と複数の駆動回路192とを有している。複数の駆動回路192は、上記電磁モータ78,82,99,162,164、正負圧供給装置172、ノズル昇降装置174、送出装置182に接続されている。コントローラ190は、CPU,ROM,RAM等を備え、コンピュータを主体とするものであり、複数の駆動回路192に接続されている。これにより、基板搬送保持装置22、移動装置24等の作動が、コントローラ190によって制御される。
電子部品装着装置10では、上述した構成によって、基板搬送保持装置22に保持された回路基板80に対して、装着ヘッド26によって装着作業を行うことが可能とされている。具体的には、回路基板80が電子部品装着装置10に搬入され、コントローラ190の指令により、コンベア装置50が、回路基板80を作業位置まで搬送する。なお、回路基板80が作業位置まで搬送されると、コンベア装置50のコンベアベルト66の上に載置される回路基板80の両縁、つまり、搬送方向に延びる両縁(以下、「搬送方向両縁」と記載する)は、図5に示すように、上下方向においてクランプバー100とクランププレート102との間に位置する。また、回路基板80が作業位置まで搬送されると、回路基板80の搬送方向両縁以外の両縁、つまり、搬送方向と直行する方向に延びる両縁(以下、「搬送方向直行両縁」と記載する)は、1対の押さえプレート96の下方に位置する。
次に、回路基板80が作業位置まで搬送されると、テーブル昇降機構90の作動により、昇降テーブル86が上昇する。この際、クランププレート102の下端が昇降テーブル86の上面に接触し、昇降テーブル86の上昇に伴って、クランププレート102も上昇する。そして、クランププレート102の上昇に伴って、クランププレート102の上端が、コンベアベルト66,68により支持されている回路基板80の下面に接触する。また、昇降テーブル86の上面に配設されているバキューム台88の高さ寸法は、クランププレート102の上下方向の長さ寸法と同じとされている。
このため、クランププレート102の上端が、コンベアベルト66,68により支持されている回路基板80の下面に接触したタイミングで、バキューム台88の上面も、回路基板80の下面に接触する。そして、昇降テーブル86が上昇することで、コンベアベルト66,68により支持されていた回路基板80が、クランププレート102とバキューム台88とによりコンベアベルト66,68から持ち上げられ、上昇する。なお、回路基板80のX方向の寸法は、バキューム台88のX方向の寸法より僅かに小さくされ、回路基板80のY方向の寸法は、バキューム台88のY方向の寸法よりある程度小さくされている。このため、回路基板80は、搬送方向両縁以外の部分において、バキューム台88により支持され、搬送方向両縁において、クランププレート102により支持された状態で持ち上げられる。
そして、図8に示すように、回路基板80の上面がクランプバー100の下面に接触する位置まで、テーブル昇降機構90が作動し、回路基板80が、クランププレート102とバキューム台88とにより持ち上げられる。これにより、回路基板80は、搬送方向両縁以外の部分において、バキューム台88により下面から支持された状態で、搬送方向両縁において、クランプバー100とクランププレート102とによって挟持される。この際、回路基板80は、搬送方向直行両縁において、1対の押さえプレート96により押さえられる。
詳しくは、上述したように、作業位置に搬送された回路基板80の搬送方向直行両縁は、1対の押さえプレート96の下方に位置している。一方、傾斜した状態の押さえプレート96のボールプランジャ136が配設されていない側の縁部の下面は、クランプバー100の下面より僅かに下方に位置している。このため、回路基板80の上昇に伴って、回路基板80が、搬送方向両縁において、クランプバー100に接触する前に、搬送方向直行両縁において、押さえプレート96のボールプランジャ136が配設されていない側の縁部の下面に接触する。また、押さえプレート96は、ボールプランジャ136の弾性力により上方に向って付勢され、傾斜している。このため、回路基板80がさらに上昇することで、押さえプレート96が、ボールプランジャ136の弾性力に抗して揺動し、押さえプレート96の傾斜角度が小さくなる。
そして、上述したように、回路基板80の上面がクランプバー100の下面に接触する位置まで、回路基板80は上昇するが、クランプバー100の下面は、傾斜した状態の押さえプレート96のボールプランジャ136が配設されている側の縁部の下面と略同じ高さとされている。このため、回路基板80の上面がクランプバー100の下面に接触する位置まで、回路基板80が上昇すると、図9に示すように、押さえプレート96の傾斜は概ね解消され、回路基板80と平行となる。この際、回路基板80は、搬送方向直行両縁において、1対の押さえプレート96によって、ボールプランジャ136の弾性力及び、1対の押さえプレート96の自重によって押さえられる。つまり、回路基板80は、搬送方向直行両縁において、押さえプレート96とバキューム台88とによって挟持される。
これにより、回路基板80は、搬送方向両縁において、クランプバー100とクランププレート102とにより挟持され、搬送方向直行両縁において、押さえプレート96とバキューム台88とにより挟持される。つまり、回路基板80は、4つの縁部の全てにおいて、基板保持装置52によって固定的に保持される。そして、回路基板80が基板保持装置52により固定的に保持されると、バキューム台88において、吸引ポンプ98の作動により、複数の吸引口97からエアが吸引される。これにより、回路基板80がバキューム台88に密着する。
また、テープフィーダ180では、テープ化部品が送り出され、電子部品が供給位置において供給される。そして、装着ヘッド26が、電子部品の供給位置の上方に移動し、吸着ノズル170によって電子部品を吸着保持する。続いて、装着ヘッド26は、回路基板80の上方に移動し、保持している電子部品を回路基板80に装着する。
このように、電子部品装着装置10では、作業位置まで搬送された回路基板80が、基板保持装置52によってクランプされ、そのクランプされた状態の回路基板80に対して電子部品の装着作業が実行される。そして、基板保持装置52では、回路基板80が、搬送方向直行両縁において、押さえプレート96によりバキューム台88に押さえ付けられているため、エア漏れもなく、バキューム台88に適切に密着する。これにより、薄い回路基板80等であっても、回路基板80の反りを適切に解消し、適切な装着作業を担保することができる。特に、板形状の押さえプレート96により回路基板80が押さえられることで、好適に回路基板80をバキューム台88に密着させることができる。
また、基板保持装置52では、押さえプレート96が、隙間のある状態で、ガイドレール60,62に取り付けられており、その隙間を利用して、ボールプランジャ136の弾性力により付勢されている。そして、ボールプランジャ136の弾性力により、回路基板80が押さえプレート96に押さえられている。これにより、回路基板80の厚さが異なる場合であっても、概ね均一な力で回路基板80を押さえることができる。
また、基板搬送保持装置22では、上述したように、ガイドレール60をガイドレール62に接近・離間させる方向にスライド可能とされており、搬送レーン56と搬送レーン58との間の距離を変更することで、搬送する回路基板80のサイズを変更することが可能とされている。このように、搬送する回路基板80のサイズを変更する際に、容易に、搬送レーン56と搬送レーン58との間の距離を変更することができる。詳しくは、例えば、押さえプレート96が、両端部において、1対のガイドレール60,62に、連結機構112を介して取り付けられる場合には、押さえプレート96は、両端部において、丸穴150を介して1対のガイドレール60,62にボルト締結される。このような場合に、搬送レーン56と搬送レーン58との間の距離を変更するためには、押さえプレート96を取り外し、押さえプレート96と異なる長さの押さえプレートを、1対の押さえプレート96に取り付けたり、押さえプレート96の変更に伴ってボルト締結の取り付けをやり直したりする必要がある。
一方、基板搬送保持装置22では、押さえプレート96が、一端部において、ガイドレール60に、連結機構112を介して取り付けられ、他端部において、ガイドレール62に、連結機構110を介して取り付けられている。つまり、押さえプレート96は、一端部において、ガイドレール60に丸穴150を介してボルト締結されているが、他端部において、ガイドレール62に長穴116を介してボルト締結されている。このため、例えば、大きなサイズの回路基板の装着作業の後に、小さなサイズの回路基板の装着作業を実行する場合において、図10に示すように、ガイドレール62をガイドレール60に接近させる方向にスライドさせると、ガイドレール62に締結されたボルト124は、長穴116の内部を移動する。このため、押さえプレート96を取り外すことなく、容易に、搬送レーン56と搬送レーン58との間の距離を変更することができる。特に、ボルト124は、長穴116を介して隙間のある状態で締結されているため、ボルト124を緩めることなく、ガイドレール62をスライドさせることができる。このため、工具などを用いることなく、容易に搬送レーン56と搬送レーン58との間の距離を変更することができる。さらに言えば、押さえプレート96は、ボールプランジャ136のボール140に接触した状態でガイドレール62に取り付けられているため、押さえプレート96とガイドレール62との摺動抵抗は非常に小さい。これにより、押さえプレート96がガタつくことなく、更に容易に搬送レーン56と搬送レーン58との間の距離を変更することができる。
ちなみに、上記実施例において、基板搬送保持装置22は、搬送装置の一例である。搬送レーン56,58は、搬送レーンの一例である。回路基板80は、基板の一例である。押さえプレート96は、プレートの一例である。ボールプランジャ136は、弾性部材の一例である。
なお、本発明は、上記実施例に限定されるものではなく、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した種々の態様で実施することが可能である。具体的には、例えば、上記実施例では、押さえプレート96が、長穴116を介してガイドレール62にボルト締結されることで、ガイドレール62が押さえプレート96の延びる方向に移動可能とされているが、種々の構造により、ガイドレール62が移動可能とされてもよい。例えば、押さえプレート96の延びる方向にスライド可能にガイドレール62が取り付けられてもよく、押さえプレート96の延びる方向に沿って移動可能にガイドレール62が取り付けられてもよい。このような場合に、押さえプレート96には、長穴116以外に、ガイド溝,係合部等が形成されてもよく、ガイド溝などが形成されなくても、押さえプレート96を挟持する部材をガイドレール62に設けてもよい。
また、上記実施例では、コンベアベルト66,68を用いた搬送レーン56,58が採用されているが、回路基板80を搬送可能な構造であれば、種々の構造の搬送レーンを採用してもよい。例えば、複数のローラを並んで配設し、それら複数のローラにより回路基板80を搬送する構造の搬送レーンを採用してもよい。
また、上記実施例では、押さえプレート96が、一端部においてのみ、長穴116を介してガイドレール62に取り付けられているが、両端部において、長穴116を介してガイドレール60,62に取り付けられてもよい。つまり、押さえプレート96が、両端部において、連結機構110を介してガイドレール60,62に取り付けられてもよい。
また、上記実施例では、昇降テーブル86の上にバキューム台88が配設されているが、バキューム台88と異なるもの、例えば、バックアップピンが配設されてもよい。このような場合には、バックアップピンに向って、回路基板80が押さえプレート96により押さえ付けられる。
また、上記実施例では、弾性部材として、ボールプランジャ136が採用されているが、バネ,ゴム等の弾性変形可能なものであれば、種々のものを弾性部材として採用することができる。また、弾性部材を介して押さえプレート96をガイドレール62に取り付けることは必須ではなく、弾性部材を用いることなく、押さえプレート96をガイドレール62に取り付けてもよい。
また、上記実施例では、押さえプレート96の両端部が、隙間のある状態で弾性部材を介して、1対のガイドレール60,62に取り付けられているが、押さえプレート96の一端部のみが、隙間のある状態で弾性部材を介して、ガイドレール60,62の一方に取り付けられてもよい。このような場合には、スライド可能に配設されたガイドレール62に、押さえプレート96の一端部が、隙間のある状態で弾性部材を介して、取り付けられる。例えば、押さえプレート96の一端部が、上下方向に、かつ長手方向に隙間のない状態で固定的に、ボルトで締結されており、他端部が、本実施例の連結機構110側のように、上下方向に、かつ長手方向に隙間のある状態で、スライド可能にボルトで締結されている場合もある。