JPWO2020145351A1 - 薬物動態関連遺伝子の網羅的配列解析法とそれに使用されるプライマーセット - Google Patents

薬物動態関連遺伝子の網羅的配列解析法とそれに使用されるプライマーセット Download PDF

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Abstract

被験者由来の複数種類の薬物動態関連遺伝子の配列を網羅的に解析する方法であって、前記複数種類の薬物動態関連遺伝子の配列を相互に区別して増幅するために薬物動態関連遺伝子ごとに設計されたプライマーセットを用い、前記複数種類の薬物動態関連遺伝子それぞれについての増幅反応を複数の反応系に分けて行う第一工程、および第一工程で得られた遺伝子増幅産物を配列解析する第二工程を含み、前記プライマーセットはそれぞれ260〜490bpの領域を増幅するように設計されていることを特徴とする方法。

Description

本発明は遺伝子解析に関し、より詳細には遺伝子解析を利用した研究、診断、医療等に関する。
消化管からの吸収、肝臓での薬物代謝、胆汁・尿への排泄などの薬物体内動態における個人差により、薬の血中濃度に個人間変動が生じる結果、薬の効果や副作用の発現リスクに個人差が見られることが知られている。このような薬物動態の個人差は薬物代謝及び薬物の生体膜輸送に関連する遺伝子群の塩基配列の違いによることが多く、このような遺伝子配列の個人差を調べることは、薬の効果や副作用を予測するためのゲノムバイオマーカーの同定につながる。
しかしながら、薬物動態関連遺伝子は複数のメンバーを構成因子とするファミリーとして存在することが多く、互いに非常に類似した配列を有するため、PCRでは各構成因子を一緒に増幅してしまうことがあり、また、配列解析では、配列の違いが実際の配列の違いによるものか、配列解析における誤読(疑陽性)によるものかが区別できないこともあった。
このように、薬物動態関連遺伝子の多くは複雑なゲノム領域に存在するため、従来のPCRや次世代シークエンサーを用いる方法では高精度かつ網羅的な遺伝子型判定は困難であった。
Gordon et al., Hum Mol Genet, 2014, Apr. 15, Vol. 23(8):1957-63 Twist et al., NPJ Genom Med, 2016, Jan. 13, 1:15007
上記のように薬物動態関連遺伝子を網羅的に配列解析する方法としては、次世代シークエンサーを用いた全ゲノムシークエンシング(WGS)や全エクソームシークエンシング(WES)などがある。しかしながら、WGSやWESは時間とコストがかかるうえ、薬物動態関連遺伝子が複雑なゲノム領域に存在し、高い配列相同性を有することから、薬物動態関連遺伝子の変異を精度よく解析することは困難であった。そこで、本発明は薬物動態関連遺伝子の配列を効率よく、かつ精度よく網羅的に解析するための方法を提供することを課題とする。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討を行った。その結果、薬物動態関連遺伝子の配列を相互に区別して増幅するために薬物動態関連遺伝子ごとに設計されたプライマーセットであって、それぞれ260〜490bpの領域を増幅するように設計されたプライマーセットを用い、複数種類の薬物動態関連遺伝子それぞれについての増幅反応を複数の反応系に分けて行う第一工程、および第一工程で得られた遺伝子増幅産物を配列解析する第二工程、を行うことにより、被験者由来の複数種類の薬物動態関連遺伝子の配列を効率よく、かつ高精度で網羅的に解析することができることを見出した。
より具体的には、薬物代謝に関与することが報告されている60種類の薬物代謝酵素、37種類の薬物トランスポーターを含む薬物動態関連100遺伝子をリストアップした。それらの遺伝子の翻訳領域をターゲットとし、特定のゲノム領域のみを増幅可能なマルチプレックスPCR法でターゲット領域を濃縮することにより、100遺伝子の機能に影響する遺伝子多型及び極めて稀な変異 (レアバリアント) を網羅的かつ高精度に検出することができるターゲット・リシークエンス解析パネルを開発することに成功した。以上に基づき、本発明を完成させた。
本発明の要旨は以下のとおりである。
[1]被験者由来の複数種類の薬物動態関連遺伝子の配列を網羅的に解析する方法であって、
前記複数種類の薬物動態関連遺伝子の配列を相互に区別して増幅するために薬物動態関連遺伝子ごとに設計されたプライマーセットを用い、前記複数種類の薬物動態関連遺伝子それぞれについての増幅反応を複数の反応系に分けて行う第一工程、および
第一工程で得られた遺伝子増幅産物を配列解析する第二工程を含み、
前記プライマーセットはそれぞれ260〜490bpの領域を増幅するように設計されていることを特徴とする方法。
[2]前記複数種類の薬物動態関連遺伝子それぞれについて、複数の領域の増幅反応を行う、[1]に記載の方法。
[3]解析対象の前記複数種類の薬物動態関連遺伝子は、表1の100種類から選択される25種類以上の遺伝子である、[1]または[2]に記載の方法。
[4]解析対象の前記複数種類の薬物動態関連遺伝子は、表1の100種類から選択される50種類以上の遺伝子である、[1]または[2]に記載の方法。
[5]解析対象の前記複数種類の薬物動態関連遺伝子は、表1の100種類全ての遺伝子である、[1]または[2]に記載の方法。
[6]前記複数の反応系は、6〜10の反応系である、[1]〜[5]のいずれかに記載の方法。
[7]表1に記載されたプライマーセットを使用する、[1]〜[6]のいずれかに記載の方法。
[8]被験者由来の複数種類の薬物動態関連遺伝子の配列を網羅的に解析する方法に使用される試薬であって、表2に記載のプライマーセットから選択される複数のプライマーセットを含む試薬。
本発明によれば、薬物動態関連遺伝子の配列を効率よく、低コストかつ精度よく網羅的に解析することができる。例えば、本発明の解析手法を用いて、がん分子標的薬などによる肝障害や間質性肺炎などの重篤な副作用が起こった患者由来のDNAサンプルを解析することにより、医学的に有用なゲノムバイオマーカーとなる機能的多型を同定することができる。
さらに、本発明によれば、GWASでは検出できない稀な変異 (rare variant) を解析可能である。また、重篤な副作用に関する変異の有無を調べることにより、薬剤の投与前に副作用予測ができ、治療方針の決定に有用である。また、本発明によれば、多くの対象のサンプルを高スループットで解析できる。
本発明の方法の一態様を示す解析フロー図。 本発明の方法におけるプライマー設計と、多反応系PCRにおける反応容器分けの概念をCYP1A1(A)、CYP1A2(B)を例に挙げて説明するための模式図。 本発明の方法とWESとの変異検出精度を比較した図。
本発明の方法は、被験者由来の複数種類の薬物動態関連遺伝子の配列を網羅的に解析する方法であって、
前記複数種類の薬物動態関連遺伝子の配列を区別して増幅するために薬物動態関連遺伝子ごとに設計されたプライマーセットを用い、前記複数種類の薬物動態関連遺伝子それぞれについての増幅反応を複数の反応系に分けて行う第一工程、および
第一工程で得られた遺伝子増幅産物を配列解析する第二工程を含む。
<薬物動態関連遺伝子>
薬物動態関連遺伝子としては、薬物代謝酵素または薬物トランスポーターをコードする遺伝子が含まれるが、その変異が薬物の副作用に関与する可能性が有る限りにおいて、これらに分類されない遺伝子でもよい。例えば、表1に記載のNUDT1、NUDT15、VKORC1なども薬物動態関連遺伝子に含まれる。薬物動態関連遺伝子は肝臓で発現する遺伝子であることが好ましい。
薬物動態関連遺伝子としてより具体的には、表1に記載されたものが挙げられる。
薬物動態関連遺伝子は25種類以上解析することが好ましく、50種類以上解析することが好ましく、100種類全て解析することがさらに好ましい。
薬物動態関連遺伝子の中では、その変異が薬剤の副作用に関与することが知られているCYP2D6、CYP2C9、CYP2C19、CYP4F2、CYP2B6、DPYD、TPMT、SLCO1B1、UGT1A1、CYP3A5などがあり、少なくともこれらを解析することが好ましい。
以下、各工程について説明する。
<第一工程>
第一工程では薬物動態関連遺伝子ごとに設計されたプライマーセットを用い、前記複数種類の薬物動態関連遺伝子それぞれについての増幅反応を複数の反応系に分けて行う。
<プライマーセット>
プライマーセットは複数種類の薬物動態関連遺伝子の配列を区別して増幅するために薬物動態関連遺伝子ごとに設計される。
例えば、A,B,C,D,E,F,G,H,I,Jの10種類の遺伝子を解析する場合、これらA〜Jの10種類の遺伝子に対し、それぞれを特異的に増幅するためのプライマーセット10組を用意する。各遺伝子に対するプライマーセットは、公知の遺伝子配列に基づき、他の遺伝子とは相同性の少ない領域に設定することができる。
特に、同じファミリーに属する遺伝子同士を区別して増幅するためには、両遺伝子の配列を比較し、配列が異なる2ヵ所にプライマーを設計することが好ましい。
また、チトクロームP450等の薬物動態関連遺伝子は偽遺伝子や類似性の高い配列が多い。そのため汎用されている次世代シークエンサー (NGS) の2x100bp程度のリード長では各遺伝子の配列を区別することができなくなるため、前記プライマーセットはそれぞれ260〜490bpの領域を増幅するように設計される。この範囲の長さの領域を増幅し、解析することで、増幅効率を低下させることなく配列を増幅でき、さらに、相同性の高い配列同士を正確に区別して精度の高い配列解析ができる。
なお、1つの薬物動態関連遺伝子につき、複数の領域を増幅して配列解析してもよい。これにより、より多くの変異を検出でき、遺伝子同士の区別もより正確に行うことができる。
増幅する領域はコード領域(エクソン)であることが好ましく、複数の領域を増幅する場合、各エクソンについてそれぞれ増幅することが好ましい。なお、1つのエクソンについて複数領域を増幅してもよい。
図2に、CYP1A1とCYP1A2を例として、プライマーセットの設計の例を示す。
CYP1A1とCYP1A2は同じファミリー(CYP1Aファミリー)に属する遺伝子であり、配列が互いに類似している。
これらの配列を比較し、エクソン1に3ヵ所、エクソン2に1ヵ所、エクソン3に1ヵ所、エクソン4に1ヵ所、エクソン5に1ヵ所、エクソン6に2ヵ所、合計9カ所、両者で配列が異なる領域を増幅する。
CYP1A1のプライマーF1(forward primer 1)、R1(reverse primer 1)、およびCYP1A2のプライマーF1、R1はそれぞれCYP1A1、CYP1A2の類似領域(約300bp)を増幅するように設計されているが、前者はCYP1A1のみ、後者はCYP1A2のみにハイブリダイズするように設計されている。
各遺伝子に対するプライマーセットの例を表2に示す。解析対象遺伝子の種類に応じ、これらプライマーセットから適宜選択して使用することができる。例えば、表1の100遺伝子のうち、25種類の遺伝子を解析する場合、選択された25種類の遺伝子につき、表2に記載のプライマーセットを使用すればよい。
<増幅反応>
前記複数種類の薬物動態関連遺伝子それぞれについて、増幅反応を行う
増幅反応は複数の反応系に分けて行う。ここで複数の反応系とは、好ましくは、4以上、15以下、より好ましくは6以上、10以下、特に好ましくは8である。
例えば、100種類の遺伝子につき、それぞれ8ヵ所ずつ増幅する場合、合計800の反応を行うことになるが、これらを複数の反応系に分ける。例えば、1反応系当たり、100プライマーセットを用いた100の反応を行い、合計8つの反応系で反応を行うことができる。一反応系において、例えば、50〜200のプライマーセットを用いた50〜200の増幅反応を同時に行うことができる。
なお、各反応系の反応数は必ずしも同じである必要はない。
このように複数の反応系を分ける場合、特に同一ファミリーに存在する遺伝子同士を区別して増幅する場合、これら遺伝子同士の対応領域を増幅するための反応は別々の反応系で行うようにすることが好ましい。
例えば、図2に示すように、CYP1A1とCYP1A2が解析対象に含まれる場合は、これらを確実に分けて増幅するために、CYP1A1とCYP1A2で類似する領域を増幅するプライマーセット同士、ここではCYP1A1のF1-R1とCYP1A2のF1-R1は別々の反応系に加え、増幅反応を別々に行う。これにより、類似遺伝子同士を分けて増幅することができるので、配列解析における疑陽性を確実に避けることができる。
反応は通常のPCRの条件に準じて行うことができる。
例えば、熱変性、アニーリング、増幅のサイクルを20〜30サイクル行う。これらの各ステップの温度はプライマーのTm値や使用する酵素などに応じて適宜設定できる。
<第二工程>
第二工程では、第一工程で得られた各薬物動態関連遺伝子の増幅産物について配列解析を行う。
なお、配列解析の前に、配列解析用の配列を付加するために、配列解析用の配列を含むプライマーを用いて増幅してもよい
配列解析の方法は特に制限されないが、次世代シークエンサーなどを用いることが好ましい。
次世代シークエンサーなどを用いて網羅的に解析し、各遺伝子を野生型配列と比較することで変異の有無などを調べることができる。
本発明の配列解析法により、薬物動態関連遺伝子に変異が見られた場合、その変異のタイプに応じ、薬物の投与を調節することができる。例えば、特定の薬剤に対する副作用に対して高リスク型変異を有する場合、その薬剤の投与を中止したり、投与量を減らしたりすることができる。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。ただし、本発明は以下の実施態様には限定されない。
本発明の方法を用いたターゲット・リシークエンシングのワークフローを図1に示す。
表1に記載の薬物動態関連100遺伝子における翻訳(コード)領域を特異的に増幅することができる1st PCR用のプライマー (1,102セット) を設計した(表2)。プライマーセットを8つのグループに分け、それぞれのグループでマルチプレックスPCRを実施する。得られたPCR産物に、イルミナ社MiSeqの解析に必要なアダプター配列や多検体識別用のインデックス配列を付加するために2ndPCRを実施し、得られたライブラリーをイルミナ社のMiSeqでシークエンシングする (2 × 250 bp)。
具体的手順は以下の通り。
(1)プライマーの設計
薬物動態関連100遺伝子の翻訳領域は合計162,216 bpであった。これらの翻訳領域を特異的に増幅するために、260-490 bpのPCR産物が得られるように、15-30 bpのプライマーを設計した。最終的に、1,102セットのプライマー (表2) を8つのグループに分けた後、1st PCRを実施し、159,347 bpの領域を増幅した。
(2)PCR
1stPCRは、サーマルサイクラー(GeneAmp PCR System 9700、Thermo Fisher Scientific) により、5 ng/μLテンプレートDNA 2 μL、2×Platinum Multiplex PCR Master Mix (Thermo Fisher Scientific) 5 μL、GCエンハンサー 1 μL、0.1 nMプライマー溶液2 μL、反応溶液総量10 μLについて、初期熱変性を95℃、2分間、サイクリングは、熱変性を95℃、30秒間、アニーリングを60℃、90秒間、伸長反応を72℃、3分間で25サイクルとし、最終伸長を72℃、10分間行った。
2ndPCRは、サーマルサイクラー(GeneAmp PCR System 9700、Thermo Fisher Scientific) により、5×KAPA HiFi Fidelity Buffer (Kapa Biosystems) 2 μL、10 mM dNTP 0.3 μL、0.2 U KAPA HiFi HotStart DNA Polymerase (Kapa Biosystems)、プライマー溶液 (5 μM equimolar mix of index 1 and index 2) 0.05 μL、1st PCR産物 2 μL、反応溶液総量5 μLについて、初期熱変性を98℃、45秒間、サイクリングは、熱変性を99℃、15秒間、アニーリングを65℃、30秒間、伸長反応を72℃、30秒間で4サイクルとし、最終伸長を72℃、1分間行った。
qPCRをリアルタイムPCRシステム (Applied Biosystems 7900HT Fast Real-Time PCR System、Thermo Fisher Scientific) により、2×KAPA SYBR FAST qPCR Master Mix (Kapa Biosystems) 5 μL、2ndPCR産物の精製後産物 2 μL、反応溶液総量10 μLについて、初期熱変性を95℃、5分間、サイクリングは、熱変性を95℃、30秒間、アニーリング及び伸長反応を60℃、45秒間で40サイクルの条件下で行った。
(3)ライブラリー精製とシークエンスラン2ndPCR産物より、AMPure XP (Beckman Coulter) を用いて目的サイズのDNA断片を回収し、ライブラリーを精製した。各グループのライブラリーを4 nMに希釈した後、等量混合し、Illumina MiSeqシステム及びMiSeq Reagent Kit v2を用いてシークエンシングを行った(2 × 250 bp、500サイクル)。
(4)変異の検出
変異の検出を、シークエンシングによって得られたFastqファイルのヒト参照ゲノム(hg19)へのマッピングにBWA(Li H et al、Bioinformatics、2009、25:1754)を用いて、変異の検出及びフィルタリングにGATK(McKenna A et al、Genome Res、2010、20(9):1297−303)を用いて、行った。また、コピー数変異(CNV)の検出を、BED Tools(Quinlan AR、2014、47:11、12、1−34)を用いて、行った。
その結果、図3に示すように、一人のゲノムから163の変異を検出した。同じゲノムにWESを用いたところ162の変異を検出した。変異検出のゴールドスタンダードであるサンガーシークエンシングの結果と比較したところ、本発明の感度及び特異度は共に100%を示した。一方WESの感度及び特異度はそれぞれ91.4%及び99.992%を示した。WESとサンガーシークエンシングの結果の不一致の内訳は偽陽性が13変異及びリード数の不足による未検出が14変異であった。
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Claims (8)

  1. 被験者由来の複数種類の薬物動態関連遺伝子の配列を網羅的に解析する方法であって、
    前記複数種類の薬物動態関連遺伝子の配列を相互に区別して増幅するために薬物動態関連遺伝子ごとに設計されたプライマーセットを用い、前記複数種類の薬物動態関連遺伝子それぞれについての増幅反応を複数の反応系に分けて行う第一工程、および
    第一工程で得られた遺伝子増幅産物を配列解析する第二工程を含み、
    前記プライマーセットはそれぞれ260〜490bpの領域を増幅するように設計されていることを特徴とする方法。
  2. 前記複数種類の薬物動態関連遺伝子それぞれについて、複数の領域の増幅反応を行う、請求項1に記載の方法。
  3. 解析対象の前記複数種類の薬物動態関連遺伝子は、表1の100種類から選択される25種類以上の遺伝子である、請求項1または2に記載の方法。
  4. 解析対象の前記複数種類の薬物動態関連遺伝子は、表1の100種類から選択される50種類以上の遺伝子である、請求項1または2に記載の方法。
  5. 解析対象の前記複数種類の薬物動態関連遺伝子は、表1の100種類全ての遺伝子である、請求項1または2に記載の方法。
  6. 前記複数の反応系は、6〜10の反応系である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 表1に記載されたプライマーセットを使用する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 被験者由来の複数種類の薬物動態関連遺伝子の配列を網羅的に解析する方法に使用される試薬であって、表2に記載のプライマーセットから選択される複数のプライマーセットを含む試薬。
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