JPWO2020145347A1 - α−クロロエチルベンジルクロライドの製造方法およびクロロメチルスチレンの製造方法 - Google Patents

α−クロロエチルベンジルクロライドの製造方法およびクロロメチルスチレンの製造方法 Download PDF

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Abstract

α-クロロエチルベンジルクロライドを高収率で製造する方法が提供される。本発明の製造方法は、α-クロロエチルトルエンを塩素とフロー式で光反応させて、α-クロロエチルベンジルクロライドを製造する方法であって、α-クロロエチルトルエンの液相と塩素の気相との気-液界面が平面状であり、かつα-クロロエチルトルエンの液相が、水平面に対して傾斜しており、重力により流動する製造方法である。メチルスチレンからクロロメチルスチレンを製造する方法も提供される。

Description

本発明は、α-クロロエチルベンジルクロライドを製造する方法に関する。本発明は、α-クロロエチルベンジルクロライドを経由するクロロメチルスチレンの製造方法にも関する。
クロロメチルスチレンは、イオン交換樹脂、導電性樹脂、酸化還元樹脂、感光性樹脂等の機能性樹脂の製造原料として、更には、水溶性光硬化性エラストマーや水中分散型でポリマー結合タイプの光増感剤等の用途にも有用である。
従来、クロロメチルスチレンの製造方法としては、気相法および液相法が知られている。気相法の欠点を解消する液相法が注目されている。
液相法を用いるクロロメチルスチレンの製造方法が提案されている。
特許文献1(米国特許第3,927,117号明細書)は、エチルベンゼンをパラホルムアルデヒドと塩化水素でクロロメチル化し、エチル基のα位を臭素化し、次いでアミン塩基を用いて脱臭化水素してクロロメチルスチレンを製造する方法を開示している。
特許文献2(ヨーロッパ特許第345,478号明細書)は、フェネチルブロマイドをパラホルムアルデヒドと塩化水素でクロロメチル化し、次いでアルコール溶媒中で水酸化カリウムにより脱臭化水素してクロロメチルスチレンを製造する方法を開示している。
特許文献3(特開2001−072619号公報)および特許文献4(特開2001−072621号公報)は、α-クロロエチルトルエンのメチル基を反応温度0〜120℃の液相条件下で、転化率30〜80%で塩素化してα-クロロエチルベンジルクロライドを製造する方法を開示している。
米国特許第3,927,117号明細書 ヨーロッパ特許第345,478号明細書 特開2001−072619号公報 特開2001−072621号公報
本発明の目的は、α-クロロエチルベンジルクロライドを高収率で製造できる、α-クロロエチルトルエンからα-クロロエチルベンジルクロライドを製造する方法を提供することにある。
本発明の別の目的は、クロロメチルスチレンを高収率で製造することができる、クロロメチルスチレンの製造方法を提供することにある。
本発明は、α-クロロエチルトルエンを塩素とフロー式で光反応させて、α-クロロエチルベンジルクロライドを製造する方法に関する。
α-クロロエチルトルエンの液相と塩素の気相との気-液界面が平面状であることが好ましい。α-クロロエチルトルエンの液相がシート状であり、かつα-クロロエチルトルエンの液相が、水平面に対して傾斜しており、α-クロロエチルトルエンが重力により流動することが好ましい。
さらに、本発明は、メチルスチレンからクロロメチルスチレンを製造する方法であって、
(1)メチルスチレンを塩化水素と反応させて、α-クロロエチルトルエンを得る工程、
(2)α-クロロエチルトルエンを塩素とフロー式で光反応させてα-クロロエチルベンジルクロライドを得る前記の方法である工程、
(3)α-クロロエチルベンジルクロライドを脱塩化水素して、クロロメチルスチレンを得る工程
を有してなる製造方法を提供する。
本発明の好ましい態様は、次のとおりである。
[1]
α-クロロエチルトルエンを塩素とフロー式で光反応させて、α-クロロエチルベンジルクロライドを製造する方法であって、
α-クロロエチルトルエンの液相と塩素の気相との気-液界面が平面状であり、かつα-クロロエチルトルエンの液相が、水平面に対して傾斜しており、重力により流動する製造方法。
[2]
α-クロロエチルトルエンの液相について、厚さが0.1〜5cmであり、幅が0.3〜300cmであり、長手方向(流動方向)の長さが5〜300cmであり、
α-クロロエチルトルエンの液相と塩素の気相との平面状である気−液界面について、幅が0.3〜300cmであり、長手方向(流動方向)の長さが5〜300cmである項[1]に記載の製造方法。
[3]
α-クロロエチルトルエンの液相の移動速度が0.1〜50cm/秒であり、塩素の気相の移動速度が0.1〜100cm/秒である項[1]または[2]に記載の製造方法。
[4]
塩素への光の照射時間が0.01〜1000秒である項[1]〜[3]のいずれかに記載の製造方法。
[5]
α-クロロエチルトルエンの液相がモノチャンネルであるか、あるいはチャンネルが幅方向に分離されているマルチチャンネルである項[1]〜[4]のいずれかに記載の製造方法。
[6]
フロー式の光反応をモノチャンネル型フローリアクターまたはマルチチャンネル型フローリアクターであるフローリアクターによって行い、
マルチチャンネル型フローリアクターが、
液体を流しながら反応させる反応ケースと、
液体が自重で流れるように、反応ケースを傾斜させて支持する、支持台と、
を備えており、
反応ケースが、
液体を流すための流路溝を有する流路部と、
流路溝に接するように気体を流通させる気体流通部を備え、
反応ケースの上流端に、流路溝に液体を供給する液体供給部と、気相流通部に気体を供給する気体供給部を備え、
反応ケースの下流端に、流路溝を流れて来た液体を排出する液体排出部と、
気相流通部を流れて来た気体を排出する気体排出部を備え、
液体供給部は、液体を貯蔵して流路溝の上流端に対してオーバーフローさせながら供給するように、構成されている項[1]〜[5]のいずれかに記載の製造方法。
[7]
メチルスチレンからクロロメチルスチレンを製造する方法であって、
(1)メチルスチレンを塩化水素と反応させて、α-クロロエチルトルエンを得る工程、
(2)α-クロロエチルトルエンを塩素とフロー式で光反応させてα-クロロエチルベンジルクロライドを得る項[1]〜[6]のいずれかに記載の方法である工程、
(3)α-クロロエチルベンジルクロライドを脱塩化水素して、クロロメチルスチレンを得る工程
を有してなる製造方法。
[8]
脱塩化水素工程(3)における溶媒がN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)を含む項[7]に記載の製造方法。
[9]
α-クロロエチルトルエンを塩素とフロー式で光反応させて得られた、α-クロロエチルベンジルクロライドを含む反応生成物であって、
α-クロロエチルトルエンの転化率が82%以上である、クロロメチルスチレン製造用の反応生成物。
[10]
α-クロロエチルベンジルクロライドの収率が45%以上である項[9]に記載の反応生成物。
[11]
クロロメチルスチレン製造のための、α-クロロエチルトルエンを塩素とフロー式で光反応させて得られ、α-クロロエチルトルエンの転化率が82%以上であり、α-クロロエチルベンジルクロライドの収率が45%以上である反応生成物の使用。
本発明におけるα-クロロエチルベンジルクロライドの製造方法によれば、室温においても、α-クロロエチルトルエンを良好に塩素化反応させることができる。α-クロロエチルトルエンを高い転化率で反応させることができる。高い転化率であっても、α-クロロエチルベンジルクロライドを高い選択率で得ることができる。塩素化反応時間が短く、収率が高く、且つ副生物が少ない、塩素化反応を、実行できる。特に、バッチリアクター(回分式反応器)に比較して、転化率を多くでき、かつ副生物を少なくできる。塩素化反応を容易に制御できる。
さらに、α-クロロエチルトルエンの製造工程から得られた生成混合液からα-クロロエチルトルエンを単離する必要なく、生成混合物をそのままα-クロロエチルベンジルクロライドの製造工程に付すことができる。α-クロロエチルトルエンを単離せずとも、α-クロロエチルベンジルクロライドが高い転化率および高い選択率で製造できる。
本発明におけるクロロメチルスチレンの製造方法によれば、簡単な装置によって、高い収率で、クロロメチルスチレンを製造できる。
本発明で使用できるマルチチャンネル型フローリアクターの側面図である。 液体がフローリアクターの中を流れる様子を示す概略図である。 フローリアクターにおける反応ケースの平面図である。 図3のX−X断面図である。 図4のXI−XI断面図である。 図4のXII−XII断面図である。 反応ケースの上流部分の透視斜視略図である。
メチルスチレンからクロロメチルスチレンを製造する方法は、
(1)メチルスチレンを塩化水素と反応させて、α-クロロエチルトルエンを得る工程、
(2)α-クロロエチルトルエンを塩素とフロー式で光反応させてα-クロロエチルベンジルクロライドを得る工程、
(3)α-クロロエチルベンジルクロライドを脱塩化水素して、クロロメチルスチレンを得る工程
を有する。
[工程(1)]
Figure 2020145347
工程(1)は、メチルスチレン(液体)を塩化水素ガスと反応させて、α-クロロエチルトルエンを得る工程である。工程(1)は、メチルスチレンに塩化水素を付加させる塩化水素付加反応の工程である。
メチルスチレンには、ビニル基に対するメチル基の置換位置に応じて、o-メチルスチレン、m-メチルスチレンおよびp-メチルスチレンの異性体が存在する。一般に、製造されるクロロメチルスチレンに応じて、メチルスチレンとして、o-メチルスチレン、m-メチルスチレンまたはp-メチルスチレン、若しくはこれらの混合物が用いられる。p-クロロメチルスチレンが非イソシアネート系レンズ材料用モノマー、カチオン系イオン交換樹脂、改質的ポリマーの成分(光硬化性エラストマー、光増感剤)等の用途に重要であるので、このp-メチルスチレンが好適である。
メチルスチレンのメチル基に塩素を導入する際におけるビニル基の保護のため、メチルスチレンのビニル基に塩化水素を付加させてα−クロロエチルトルエンを製造する。この塩化水素付加反応は、メチルスチレンに塩化水素ガスを接触させて行ってもよいし、塩酸を用いて行ってもよい。転化率や後処理の観点から、好ましくは、メチルスチレンに塩化水素ガスを接触させて行う反応が好ましい。
塩化水素付加反応は、例えばトリフェニルホスフィンオキサイド〔(C6H5)3P=O〕、トリブチルホスフィンオキサイド〔[CH3(CH2)3]3P=O〕等の鉄のマスキング剤の存在下に行うことが好ましい。鉄のマスキング剤の使用により、生成したα−クロロエチルトルエンのフリーデルクラフツ型縮合物の副生が効果的に抑制され、結果としてα−クロロエチルトルエンの収率が向上する。
塩化水素付加反応の反応温度は、通常0〜100℃、例えば30〜70℃である。反応時間は、0.5〜24時間、例えば6〜9時間であってよい。原料のメチルスチレンが室温(20℃)において液体であるので、無溶媒で反応を行ってもよい。あるいは、塩化水素の利用率向上のために四塩化炭素、塩化メチレン、クロロホルム等の有機溶媒にメチルスチレンを溶解してもよい。塩化水素ガスをそのまま用いてもよいし、あるいは副生物抑制のために窒素ガス等の不活性ガスで塩化水素ガスを希釈してもよい。
[工程(2)]
Figure 2020145347
工程(2)は、α-クロロエチルトルエン(液体)を塩素ガスとフロー式で光反応させて、α-クロロエチルベンジルクロライドを製造する工程である。α−クロロエチルトルエンのメチル基に塩素が導入され、α−クロロエチルベンジルクロライドが製造される。
α-クロロエチルトルエンは、一般に、工程(1)で得られた反応生成物である。工程(2)を行う前に、工程(1)からの反応生成物を蒸留などにより精製してもよいし、あるいは精製しなくてもよい。反応生成物を精製せずとも、高い転化率、高い選択率および高い収率を与える。
この工程は、液相と気相を反応させるので、気-液反応に分類できる。
α−クロロエチルトルエンのメチル基に塩素を導入する反応、すなわち、ベンジル位を塩素化する反応は、光照射下において、フロー式で行われる。
α-クロロエチルトルエンの液相は、一般に、シート状である。「シート状」とは、「シート状」とは、厚さに比べて、広さ(幅と長さによって形成される主表面)あるいは長さ(または幅および長さ)が十分に大きい形状を意味する。「シート状」は、α-クロロエチルトルエンの液相の幅が小さくなった棒状をも含む。
α-クロロエチルトルエンの液相は、厚さが0.1〜5cm、例えば0.5〜2cmであり、幅が0.3〜300cm、例えば3〜30cmであり、長手方向(流動方向)の長さが5〜300cm、例えば10〜100cmであることが好ましい。
α-クロロエチルトルエンの液相と塩素の気相との間の気−液界面が、平面状であることが好ましい。気−液界面は、幅が0.3〜300cm、例えば3〜30cmであり、長手方向(流動方向)の長さが5〜300cm、例えば10〜100cmであることが好ましい。
α-クロロエチルトルエンの液相の移動速度が0.1〜50cm/秒または0.1〜30cm/秒、例えば0.5〜25cm/秒、特に1〜10cm/秒であり、塩素の気相の移動速度が0.1〜100cm/秒、0.5〜100cm/秒または0.1〜60cm/秒、例えば1〜50cm/秒または1〜20cm/秒、特に2〜40cm/秒であることが好ましい。α-クロロエチルトルエンの液相の移動速度と塩素の気相の移動速度は同じであっても、あるいは異なっていてもよい。α-クロロエチルトルエンの液相の移動速度は、塩素の気相の移動速度よりも遅くても、あるいは速くてもよい。
α-クロロエチルトルエンの液相が幅方向に分離されており、α-クロロエチルトルエンの液相がマルチチャンネルであることが好ましい。マルチチャンネルにおいて、それぞれのチャンネルの幅が同じであり、それぞれのチャンネルにおける流量が、ほぼ同じであることが好ましい。
チャンネルの数は、例えば、2〜50個、好ましくは2〜40個、より好ましくは2〜20個、特に好ましくは3〜15個である。チャンネルの幅は、例えば、1mm〜70mm、好ましくは2mm〜50mm、より好ましくは3mm〜30mmである。
フロー式の塩素化反応において、反応温度は、−30〜100℃、例えば0〜60℃、特に10〜40℃、特別に室温(20℃)であり、反応時間は、0.1〜1000秒、例えば0.5〜100秒、特に1〜60秒であることが好ましい。
フロー式の光反応をモノチャンネル型フローリアクターまたはマルチチャンネル型フローリアクターであるフローリアクターによって行ってよい。
フローリアクターが、
液体を流しながら反応させる反応ケースと、液体が自重で流れるように、反応ケースを傾斜させて支持する、支持台とを備えており、
反応ケースが、
液体を流すための流路溝を有する流路部と、
流路溝に接するように気体を流通させる気体流通部を備え、
反応ケースの上流端に、流路溝に液体を供給する、液体供給部と、気相流通部に気体を供給する気体供給部を備え、
反応ケースの下流端に、流路溝を流れて来た液体を排出する、液体排出部と、
気相流通部を流れて来た気体を排出する、気体排出部を備え、
液体供給部は、液体を貯蔵して流路溝の上流端に対してオーバーフローさせながら供給するように、構成されていることが好ましい。
マルチチャンネル型フローリアクターが、
液体を流しながら反応させる反応ケースと、
液体が自重で流れるように、反応ケースを傾斜させて支持する、支持台と、
を備えており、
反応ケースが、
液体を流すための複数の並設された流路溝を有する流路部と、
流路溝に接するように気体を流通させる気体流通部と、
流路部の上流端に連結されており、流路溝に液体を供給する、液体供給部と、
流路部の下流端に連結されており、流路溝を流れて来た液体を排出する、液体排出部と、
を備えており、
液体供給部は、液体を各流路溝に同量で分岐させ供給するように、構成されていることが好ましい。
照射する光の波長は、100〜800nm、例えば、200〜600nmであってよい。光の強度は、限定されないが、1〜10000mW/cm、例えば、5〜1000mW/cmであってよい。α−クロロエチルトルエンおよび塩素への光の照射時間が0.01〜1000秒または0.01〜30秒、例えば0.5〜750秒または0.05〜10秒、特に1〜500秒であることが好ましい。
塩素化反応は、ラジカル反応開始剤存在下に行ってもよい。ラジカル反応開始剤の具体例は、アゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルパーオキサイドである。
塩素化反応において、塩素ガスを用いる際には、塩素ガスを希釈しなくてもよいしあるいは希釈してもよい。希釈は、希ガスおよび窒素ガス等の不活性ガスによって行える。
塩素化反応におけるα-クロロエチルトルエン(原料)の転化率は、50%以上、好ましくは75%以上、例えば80%以上、特に82%以上、特別に85〜99.9%であってよい。本発明によれば、高い転化率であっても、高い収率でα-クロロエチルベンジルクロライドを製造することができる。
塩素化反応におけるα-クロロエチルベンジルクロライド(生成物)の収率は、30%以上、好ましくは40%以上、例えば45%以上、特に50%以上であることが好ましい。収率の上限は、90%、70%または65%であってよい。
工程(2)は、特許願2018−110336号(WO2019/235582A1)(この出願の開示を参照として本願明細書に組み込む)に開示されているマルチチャンネル型フローリアクターを用いて行うことが好ましい。
マルチチャンネル型フローリアクターは、
液体を流しながら反応させる反応ケースと、
液体が自重で流れるように、前記反応ケースを傾斜させて支持する、支持台と、
を備えており、
前記反応ケースが、
液体を流すための複数の並設された流路溝を有する流路部と、
前記流路溝に接するように気体を流通させる気体流通部と、
前記流路部の上流端に連結されており、前記流路溝に液体を供給する、液体供給部と、
前記流路部の下流端に連結されており、前記流路溝を流れて来た液体を排出する、液体排出部と、
を備えており、
前記液体供給部は、液体を貯留して前記複数の流路溝の上流端に対して同時にオーバーフローさせながら供給するように、構成されている、
ことを特徴としている。
図1〜5は、マルチチャンネル型フローリアクターを示す図である。
図1は、フローリアクターの側面図(部分的に透視している側面図)である。なお、図1において、右側が「上流」であり、左側が「下流」である。フローリアクター100は、反応ケース10と、反応ケース10を支持する支持台20と、更に光源30と、を備えている。
図2は、液体がフローリアクターの中を流れる様子を示す概略図である。貯留した液体は、貯留室15からオーバーフローして、重力により、下流方向に流れる。
図3は、反応ケースの平面図である。
図4は、図3のX−X断面図である。
図5は、図4のXI−XI断面図である。
図6は、図4のXII−XII断面図である。
図7は、反応ケースの上流部分の透視斜視略図である。
反応ケース10は、基板1と、基板1を覆う蓋体2と、基板1と蓋体2とを囲んで把持する保持枠3とで、構成されている。反応ケース10において、液体は、各貯留室15において、液体導入口151から導入され、オーバーフローして、各流路溝13へ、流れ込む。また、気体は、気体導入口141から導入されて、空間5を流れる。液体は、液体供給部をオーバーフローして、重力によって流路部に流れる。
基板1の長手方向寸法は、例えば、5cm〜300cm、好ましくは7〜200cm、より好ましくは10〜100cmであってよい。基板1の幅寸法は、例えば、0.3cm〜300cm、好ましく1〜200cm、より好ましくは3〜30cmであってよい。
図1〜7において、5は空間、10Aは流路部、10Bは気体流通部、10Cは液体供給部、10Dは液体排出部10D、13は流路溝、15および16は貯留室、21は上流縦フレーム、22は下流縦フレーム、23は横フレーム、25は貫通孔、26はヒンジ機構、31は光源支持台、122および155は仕切壁、141は気体導入口、142は気体排出口、151は液体導入口、152は液体排出口、241および244は蝶ボルト、242はねじ、243は締結具を示す。
図1に示す装置によって、α-クロロエチルトルエンを塩素とフロー式で光反応させて、α-クロロエチルベンジルクロライドを製造できる。
[工程(3)]
Figure 2020145347
工程(3)は、α−クロロエチルベンジルクロライドを脱塩化水素してクロロメチルスチレンを得る工程である。一般に、工程(2)によって生成した反応生成物を脱塩化水素する。工程(3)を行う前に、工程(2)からの反応生成物を蒸留などにより精製してもよいし、あるいは精製しなくてもよい。工程(2)からの反応生成物の精製の必要なく、工程(3)を行うことができる。
脱塩化水素反応は、溶媒中で、塩基を用い、必要により相間移動触媒の存在下に行ってもよい。
溶媒の例は、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、sーブタノール、t-ブタノール(t-BuOH)、ペンタノール、ヘキサノール、フェノールなどのアルコール、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレンなどの炭化水素、アセトン、2−ブタノン、2−ペンタノン、3−ペンタノンなどのケトン、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、メチル-t-ブチルエーテル、ジフェニルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、1,4−ジオキサン、テトラヒドロピランなどのエーテル、アセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド等である。N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)が特に好ましい。
塩基の例は、アルカリ金属(例えば、カリウム、ナトリウム、セシウム)およびアルカリ土類金属(例えばマグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム)とアルコキシド(アルコキシドの炭素数は例えば1〜10)の塩、炭酸塩、あるいは炭酸水素塩、例えば、カリウム−t-ブトキサイド(t-BuOK)、カリウムエトキシド、カリウムメトキシド、ナトリウム−t-ブトキサイド、ナトリウムエトキシド、ナトリウムメトキシド、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムである。
相間移動触媒の例は、テトラブチルアンモニウムブロマイド(TBAB)、テトラブチルアンモニウムクロライドである。
あるいは、脱塩化水素反応は、温度100〜200℃のクロロメチルスチレンの蒸留条件下での加熱脱塩化水素蒸留により行ってもよい。
脱塩化水素反応の反応温度は、120〜180℃、特に150〜170℃の範囲が好ましく、反応時間は、0.5〜24時間が好ましい。生成したクロロメチルスチレンの重合を抑制し、結果として収率を高める目的で、重合防止剤を添加してもよい。
加熱脱塩化水素蒸留は、製造コストやクロロメチルスチレンの精製の観点から好都合である。
α−クロロエチルベンジルクロライドの脱塩化水素反応をこの加熱脱塩化水素蒸留で行うことにより、脱塩化水素反応と同時に、クロロメチルスチレンの蒸留分離が行われ、通常メチルスチレンおよびα−クロロエチルトルエンを主成分とする初留分と、クロロメチルスチレンおよびα−クロロエチルベンジルクロライドを主成分とする本留分とが得られる。
脱塩化水素反応で得られたクロロメチルスチレンおよびα−クロロエチルベンジルクロライドを主成分とする本留分については、重合防止剤の存在下で減圧蒸留により精製され、精留分として通常95重量%以上、好ましくは99重量%以上の純度のクロロメチルスチレンが得られる。
重合防止剤としては、例えばt−ブチルカテコール、2,4−ジニトロフェノール、ハイドロキノン、N−ニトロソフェニルヒドロキシアミン、アンモニウム塩、N−ニトロソフェニルヒドロキシアミンアルミニウム塩、ニトロメタン、フェノチアジン等、あるいはこれらの2種以上の混合物等が挙げられる。重合防止剤の使用量は通常500〜2000ppm、好ましくは500〜1000ppmの範囲である。また、この際の減圧蒸留は通常1〜300mmHg、好ましくは3〜200mmHgの減圧下に、還流比0.2〜7、好ましくは0.2〜5および留出温度50〜120℃、好ましくは60〜100℃で行ってよい。
以下、実施例に基づいて、本発明の好適な態様を具体的に説明する。
実施例において、部または%または比は、特記しない限り、重量部または重量%または重量比を表す。
実施例において、図1〜5に示すマルチチャンネル型フローリアクターを用いて、工程(2)(α-クロロエチルトルエンを塩素とフロー式で光反応させて、α-クロロエチルベンジルクロライドを製造する工程)を行った。
実施例1
(1)塩化水素付加反応(工程1):
メチルスチレン(液体)と塩化水素(液体)とを反応容器内に仕込み、塩化水素付加反応を行った。
コンデンサー、排ガス用トラップを備えた反応容器内に、メチルスチレン(液体)101g(0.86mol)と35%塩化水素(液体)221g(2.1mol、メチルスチレンの2.5当量)を仕込み、反応温度を65℃に維持しながら、6時間撹拌し、メチルスチレンの塩化水素付加反応を行った。
反応終了後、反応混合物から有機層のみを分取し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で中和洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで脱水し、ろ過を行った。
GC(ガスクロマトグラフィー)分析により、得られた粗製物(混合液)中のα−クロロエチルトルエンの割合は、86%であった。なお、この値は、GC面積百分率により算出したものである。
(2)光塩素化反応(工程2):
上記の塩化水素付加反応工程によって得られたα-クロロエチルトルエンを含む混合液と塩素ガスを反応ケース10に導入し、光源からの光照射によるα−クロロエチルトルエンの光塩素化反応(工程2)をフロー系でマルチチャンネル型フローリアクター100において行った。
反応に先立って、反応ケース10に温度23℃の水を循環させることによって、リアクターの上流、中流および下流の温度を23℃に調整した。
次に、α−クロロエチルトルエン混合液を流速=20 mL/min(113.3 mmol/min)で送液し、反応ケース10に連続的に導入しながら、塩素ガスを流速=4.1 L/min(183.0 mmol/min)で反応ケース10に連続的に導入した。塩素/クロロエチルトルエンの仕込み比(当量比)は1.6であり、塩素ガスの移動速度は17.1cm/秒であった。反応ケース10を光源30(波長:365nm)の光量=120Wで光照射し、反応ケース10においてフロー系での光塩素化反応を行った。GC(ガスクロマトグラフィー)により分析したところ、α−クロロエチルトルエンの転化率が52.9%であり、α−クロロエチルベンジルクロライドの選択率は63.0%であり、α−クロロエチルベンジルクロライドの収率は33.4%であった。なお、これらの値は、GC面積百分率により算出したものである。
(3)脱塩化水素反応(工程3):
上記の光塩素化反応によって得られたα−クロロエチルベンジルクロライドの脱塩化水素化反応をベンゾニトリル溶液中、重合禁止剤の存在下、炭酸カリウムを塩基として行った。α−クロロエチルベンジルクロライド(68重量%)81.7gを、コンデンサーを備えた反応容器内に仕込み、炭酸カリウム120g、t−ブチルカテコール757mg、ベンゾニトリル216mLを加えた。この条件は、α-クロロエチルベンジルクロライド294mmol、炭酸カリウム868mmol(α−クロロエチルベンジルクロライドの3.0当量)、t−ブチルカテコール4.6mmol(α−クロロエチルベンジルクロライドの1.6モル%)に相当する。この溶液を攪拌しながら温度を165℃に保って脱塩化水素化反応を10時間行った。
反応終了後、GC(ガスクロマトグラフィー)により分析したところ、α−クロロエチルベンジルクロライドの転化率は53.1%、クロロメチルスチレンの収率は41.1%であことがわかった。
実施例2
光塩素化反応(工程2):
α−クロロエチルトルエン混合液の流速を5 mL/min(28.2 mmol/min)とし、塩素ガスの流速を2.1 L/min(93.8 mmol/min)に変更する以外は、実施例1における光塩素化反応(工程2)と同様の手順を繰り返した。塩素/クロロエチルトルエンの仕込み比(当量比)は3.3であり、塩素ガスの移動速度は8.8cm/秒であった。
GC(ガスクロマトグラフィー)の面積百分率により分析したところ、α−クロロエチルトルエンの転化率が89.8%であり、α−クロロエチルベンジルクロライドの選択率は54.8%であり、α−クロロエチルベンジルクロライドの収率は49.2%であった。
実施例3
光塩素化反応(工程2):
蒸留により精製したα−クロロエチルトルエンを用い、α−クロロエチルトルエンの流速を5 mL/min(32.3 mmol/min)とし、塩素ガスの流速を2.1 L/min(93.8 mmol/min)に変更する以外は実施例1における光塩素化反応(工程2)と同様の手順を繰り返した。
GC(ガスクロマトグラフィー)の面積百分率により分析したところ、α−クロロエチルトルエンの転化率が90.0%であり、α−クロロエチルベンジルクロライドの選択率は48.3%であり、α−クロロエチルベンジルクロライドの収率は43.5%であった。
実施例4
脱塩化水素反応(工程3):
温度計、磁気攪拌子、還流冷却管を備えた反応容器にα―クロロエチルベンジルクロリド(55.9g)とクロロエチルベンゼン(96.4g)を含む混合物(152.3g)、N,N−ジメチルホルムアルデヒド(200ml)、2,6−ジニトロ−p−クレゾール(1.6g)、テトラブチルアンモニウムクロリド(11,2g)を仕込んだ。反応容器内の混合物を加熱して150℃の温度で3.5時間反応した。反応液の一部を抜き出し、ガスクロマトグラフィーで分析したところ、α―クロロエチルベンジルクロリドの転化率は98.2%、クロロメチルスチレンの収率はα―クロロエチルベンジルクロリドに対して89.3%、m−クロロメチルスチレン:p−クロロメチルスチレンのモル比は51:49であった。
クロロメチルスチレンは、イオン交換樹脂、導電性樹脂、酸化還元樹脂、感光性樹脂等の機能性樹脂の製造原料として、および各種樹脂やゴムの改質剤として有用である。加えて、クロロメチルスチレンは、水溶性光硬化性エラストマーや水中分散型でポリマー結合タイプの光増感剤やシランカップリング剤等を製造するための各種工業用原料としても有用である。
本発明における他の態様は、次のとおりである。
[1]
α-クロロエチルトルエンを塩素とフロー式で光反応させて、α-クロロエチルベンジルクロライドを製造する方法であって、
α-クロロエチルトルエンの液相と塩素の気相との気-液界面が平面状であり、α-クロロエチルトルエンの液相がシート状であり、かつα-クロロエチルトルエンの液相が、水平面に対して傾斜しており、重力により流動する製造方法。
[2]
α-クロロエチルトルエンの液相について、厚さが0.1〜5cmであり、幅が0.3〜300cmであり、長手方向(流動方向)の長さが5〜300cmであり、
α-クロロエチルトルエンの液相と塩素の気相との平面状である気−液界面が、幅が0.3〜300cmであり、長手方向(流動方向)の長さが5〜300cmである項[1]に記載の製造方法。
[3]
α-クロロエチルトルエンの液相の移動速度が0.1〜10cm/秒であり、塩素の気相の移動速度が0.1〜20cm/秒である項[1]または[2]に記載の製造方法。
[4]
α-クロロエチルトルエンおよび塩素への光の照射時間が0.01〜30秒である項[1]〜[3]のいずれかに記載の製造方法。
[5]
α-クロロエチルトルエンの液相が幅方向に分離されており、α-クロロエチルトルエンの液相がマルチチャンネルである項[1]〜[4]のいずれかに記載の製造方法。
[6]
フロー式の光反応をマルチチャンネル型フローリアクターによって行い、
マルチチャンネル型フローリアクターが、
液体を流しながら反応させる反応ケースと、
液体が自重で流れるように、反応ケースを傾斜させて支持する、支持台と、
を備えており、
反応ケースが、
液体を流すための複数の並設された流路溝を有する流路部と、
流路溝に接するように気体を流通させる気体流通部と、
流路部の上流端に連結されており、流路溝に液体を供給する、液体供給部と、
流路部の下流端に連結されており、流路溝を流れて来た液体を排出する、液体排出部と、
を備えており、
液体供給部は、液体を各流路溝に同量で分岐させ供給するように、構成されている項[1]〜[5]のいずれかに記載の製造方法。
[7]
メチルスチレンからクロロメチルスチレンを製造する方法であって、
(1)メチルスチレンを塩化水素と反応させて、α-クロロエチルトルエンを得る工程、
(2)α-クロロエチルトルエンを塩素とフロー式で光反応させてα-クロロエチルベンジルクロライドを得る項[1]〜[6]のいずれかに記載の方法である工程、
(3)α-クロロエチルベンジルクロライドを脱塩化水素して、クロロメチルスチレンを得る工程
を有してなる製造方法。
[8]
α-クロロエチルトルエンを塩素とフロー式で光反応させて得られた、α-クロロエチルベンジルクロライドを含む反応生成物であって、
α-クロロエチルトルエンの転化率が82%以上である、クロロメチルスチレン製造用の反応生成物。
[9]
α-クロロエチルベンジルクロライドの収率が45%以上である項[8]に記載の反応生成物。
[10]
クロロメチルスチレン製造のための、α-クロロエチルトルエンを塩素とフロー式で光反応させて得られ、α-クロロエチルトルエンの転化率が82%以上であり、α-クロロエチルベンジルクロライドの収率が45%以上である反応生成物の使用。
1 基板
2 蓋体
3 保持枠
10 反応ケース
10A 流路部
10B 気体流通部
10C 液体供給部
10D 液体排出部
13 流路溝
15、16 貯留室
30 光源
100 フローリアクター

Claims (11)

  1. α-クロロエチルトルエンを塩素とフロー式で光反応させて、α-クロロエチルベンジルクロライドを製造する方法であって、
    α-クロロエチルトルエンの液相と塩素の気相との気-液界面が平面状であり、かつα-クロロエチルトルエンの液相が、水平面に対して傾斜しており、重力により流動する製造方法。
  2. α-クロロエチルトルエンの液相について、厚さが0.1〜5cmであり、幅が0.3〜300cmであり、長手方向(流動方向)の長さが5〜300cmであり、
    α-クロロエチルトルエンの液相と塩素の気相との平面状である気-液界面について、幅が0.3〜300cmであり、長手方向(流動方向)の長さが5〜300cmである請求項1に記載の製造方法。
  3. α-クロロエチルトルエンの液相の移動速度が0.1〜50cm/秒であり、塩素の気相の移動速度が0.1〜100cm/秒である請求項1または2に記載の製造方法。
  4. 塩素への光の照射時間が0.01〜1000秒である請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
  5. α-クロロエチルトルエンの液相がモノチャンネルであるか、あるいはチャンネルが幅方向に分離されているマルチチャンネルである請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法。
  6. フロー式の光反応をモノチャンネル型フローリアクターまたはマルチチャンネル型フローリアクターであるフローリアクターによって行い、
    フローリアクターが、
    液体を流しながら反応させる反応ケースと、液体が自重で流れるように、反応ケースを傾斜させて支持する、支持台とを備えており、
    反応ケースが、
    液体を流すための流路溝を有する流路部と、
    流路溝に接するように気体を流通させる気体流通部を備え、
    反応ケースの上流端に、流路溝に液体を供給する液体供給部と、気相流通部に気体を供給する気体供給部を備え、
    反応ケースの下流端に、流路溝を流れて来た液体を排出する液体排出部と、
    気相流通部を流れて来た気体を排出する気体排出部を備え、
    液体供給部は、液体を貯蔵して流路溝の上流端に対してオーバーフローさせながら供給するように、構成されている請求項1〜5のいずれかに記載の製造方法。
  7. メチルスチレンからクロロメチルスチレンを製造する方法であって、
    (1)メチルスチレンを塩化水素と反応させて、α-クロロエチルトルエンを得る工程、
    (2)α-クロロエチルトルエンを塩素とフロー式で光反応させてα-クロロエチルベンジルクロライドを得る請求項1〜6のいずれかに記載の方法である工程、
    (3)α-クロロエチルベンジルクロライドを脱塩化水素して、クロロメチルスチレンを得る工程
    を有してなる製造方法。
  8. 脱塩化水素工程(3)における溶媒がN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)を含む請求項7に記載の製造方法。
  9. α-クロロエチルトルエンを塩素とフロー式で光反応させて得られた、α-クロロエチルベンジルクロライドを含む反応生成物であって、
    α-クロロエチルトルエンの転化率が82%以上である、クロロメチルスチレン製造用の反応生成物。
  10. α-クロロエチルベンジルクロライドの収率が45%以上である請求項9に記載の反応生成物。
  11. クロロメチルスチレン製造のための、α-クロロエチルトルエンを塩素とフロー式で光反応させて得られ、α-クロロエチルトルエンの転化率が82%以上であり、α-クロロエチルベンジルクロライドの収率が45%以上である反応生成物の使用。
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