JPWO2020141594A1 - 4ストロークエンジンユニット、及び同エンジンユニットを備えたストラドルドビークル - Google Patents
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Abstract
Description
前記4ストロークエンジンユニットは、
クランクケースと、前記クランクケースに接続されるシリンダと、前記クランクケースに回転可能に支持されるクランク軸とを備え、前記クランクケース及び前記シリンダは、低温粘度グレードが20Wよりも低い低粘度オイルで内部が潤滑されるように構成され、4ストロークの間に、前記クランク軸を回転させる負荷が大きい高負荷領域と、前記クランク軸を回転させる負荷が前記高負荷領域の負荷より小さい低負荷領域とを有する負荷変動型4ストロークエンジンと、
周方向にスロットを空けて設けられた複数の歯部を備えるステータコア、及び前記歯部に巻回される複数相のステータ巻線を有するステータと、前記ステータと空隙を空けて向かい合うように前記周方向に並ぶ永久磁石部を有し、前記クランク軸と同軸上に配置されたロータとを備え、前記低粘度オイルと接触する位置に設けられる始動発電機と
を備える。
負荷変動型4ストロークエンジンは、クランクケースと、シリンダと、クランク軸とを備える。シリンダは、クランクケースに接続される。クランクケース及びシリンダは、低温粘度グレードが20Wよりも低い低粘度オイルで内部が潤滑されるように構成される。クランク軸は、クランクケースに回転可能に支持される。
始動発電機は、ステータと、ロータとを備える。ステータは、ステータコア及び複数相のステータ巻線を有する。ステータコアは、周方向にスロットを空けて設けられた複数の歯部を備える。複数相のステータ巻線は、歯部に巻回される。ロータは、永久磁石部を有する。永久磁石部は、ステータと空隙を空けて向かい合うように周方向に並ぶ磁極面を有する。ロータは、クランク軸に固定されている。始動発電機は、低粘度オイルと接触する位置に設けられる。
(2) (1)の4ストロークエンジンユニットであって、
前記始動発電機の前記永久磁石部は、前記スロットの数の2/3より多い磁極面を有する。
(3) (2)の4ストロークエンジンユニットであって、
前記始動発電機が収納される空間内で、前記クランクケース内で前記クランクケースに対し位置が固定されるように前記クランクケースに支持された、前記ロータの位置の検出を表す信号を出力するロータ位置検出装置を更に備える。
(4) (1)から(3)の何れか1の4ストロークエンジンユニットであって、
前記始動発電機が配置される空間は、前記ステータが固定された始動発電機カバーにより覆われ、
前記始動発電機のロータは、前記クランク軸の軸線方向における、前記ステータと前記シリンダとの間で前記クランク軸に接続された有底筒状である。
(5) (1)から(4)の何れか1の4ストロークエンジンユニットであって、
前記4ストロークエンジンユニットは、前記低粘度オイルによって潤滑されるように前記クランクケース内に設けられ、前記クランク軸からの駆動力が伝達されるマニュアル・トランスミッションを備える。
(6) (1)から(4)の何れか1の4ストロークエンジンユニットであって、
前記4ストロークエンジンユニットは、第1の方向と、前記第1の方向と反対の第2の方向とを含むクランク軸の軸線方向において、前記クランク軸の前記第1の方向に入力部が配置され、前記クランクケースの内部に配置されず、前記クランク軸からの駆動力が伝達される無段変速機を備え、
前記始動発電機は、前記軸線方向において、前記クランク軸の前記第2の方向に配置される。
(7) (1)から(6)の何れか1の4ストロークエンジンユニットであって、
前記4ストロークエンジンユニットは、ラジエータを備え、
前記シリンダは、前記ラジエータからの冷却水が供給されるウォータージャケットを有する。
(8) (1)から(7)の何れか1の4ストロークエンジンユニットであって、
前記ロータは、冷却のための気流を発生させるファン又はフィンを備えていない。
(9) 鞍乗型車両であって、
前記鞍乗型車両は、(1)から(8)の何れか1の4ストロークエンジンユニットを備える。
負荷変動型4ストロークエンジンでは、低い回転速度における回転の変動が、他のタイプのエンジンと比べ大きい。高負荷領域とは、エンジンの1燃焼サイクルのうち、負荷トルクが1燃焼サイクルにおける負荷トルクの平均値よりも高い領域をいう。低負荷領域とは、1燃焼サイクルにおける高負荷領域以外の領域をいう。エンジンでは、クランク軸の回転角度を基準として見ると、低負荷領域は、例えば、高負荷領域より広い。圧縮行程は、高負荷領域と重なりを有する。なお、本明細書において、負荷変動型4ストロークエンジンに関して示される方向は、当該負荷変動型4ストロークエンジンが搭載された鞍乗型車両を基準として示されている。
例えば、(磁極面/スロット数)は、2/3より多い。但し、(磁極面/スロット数)は、特に限定されず、例えば2/3以下でもよい。(磁極面/スロット数)は、2/3より多い場合、(磁極面/スロット数)の上限値としては、例えば、4/3が挙げられる。本開示に係る一例において、当該比は、8/9以上である。本開示に係る一例において、当該比は、1/1以上である。本開示に係る一例において、当該比は、1/1より大きい。本開示に係る一例において、当該比は、4/3である。なお、ステータに制御基板等を設置するためにステータのスロットの一部が形成されない場合がある。このような場合、本来スロットが設けられるべき位置に、スロットが設けられることとして、スロットの数が決定されてもよい。フライホイールの磁極数についても同様である。即ち、磁極数とスロット数とが実質的に4:3の関係を満たすような4:3系列の磁極及びスロットの配置が行われる場合、(磁極面/スロット数)が4/3であるといえる。
図1は、本発明の一実施形態に係る4ストロークエンジンユニットの構成を示す図である。
本明細書及び図面で、Fは、鞍乗型車両1における前方を示す。Bは、鞍乗型車両1における後方を示す。FBは、鞍乗型車両1における前後方向を示す。Uは、鞍乗型車両1における上方を示す。Dは、鞍乗型車両1における下方を示す。UDは、鞍乗型車両1における上下方向を示す。Lは、鞍乗型車両1における左方を示す。Rは、鞍乗型車両1における右方を示す。LRは、鞍乗型車両1における左右方向を示す。LRは、鞍乗型車両1におけるクランク軸の軸線方向でもある。即ち、鞍乗型車両1におけるクランク軸の軸線方向LRは、鞍乗型車両1における右方R、及び左方Lの双方を含んでいる。
図1の4ストロークエンジンユニット10は、負荷変動型4ストロークエンジン20と、始動発電機60とを備える。なお、以下においては、負荷変動型4ストロークエンジン20は、4ストロークエンジン20とも称される。ここで、図1のパート(a)は、4ストロークエンジンユニット10の断面図であり、図1のパート(b)は、4ストロークエンジンユニット10の側面図である。
4ストロークエンジン20は、クランクケース21と、シリンダ22と、クランク軸24とを有する。シリンダ22は、クランクケース21と接続される。クランクケース21及びシリンダ22は、低粘度オイルOLで内部が潤滑されるように構成されている。クランク軸24は、クランクケース21に回転可能に支持される。4ストロークエンジン20は、ガスの燃焼によって生じるパワーをクランク軸24のトルク及び回転速度として出力する。4ストロークエンジン20は、4ストロークの間に、クランク軸24を回転させる負荷が大きい高負荷領域と、クランク軸を回転させる負荷が高負荷領域の負荷より小さい低負荷領域とを有する。本実施形態において、低粘度オイルOLは、SAE粘度分類による低温粘度グレードが20Wよりも低い潤滑オイルである。低粘度オイルOLは、クランクケース21内の一部に溜まっている。
また、4ストロークエンジンユニット10は、低粘度オイルOLをエンジンオイルに使用するため、粘度の低下に伴うエネルギーロスの低減だけではなく、攪拌に伴うエネルギーロスを低減できる。このため、始動発電機の回転に対する抵抗を小さくできる。その結果、4ストロークエンジンユニット10は、始動時において、エネルギーのロスを低減できる。
(第1の実施例)
図2は、図1に示す4ストロークエンジンユニット10の第1の実施例を示す断面図である。図3は、図1に示す4ストロークエンジンユニット10の第1の実施例を示す側面図である。以下、図2及び図3を参照して、4ストロークエンジンユニット10の第1の実施例について、詳細に説明する。ここで、本実施例の4ストロークエンジンユニット10は、4ストロークエンジン20と、マニュアル・トランスミッション30と、マニュアル・クラッチ40と、始動発電機60とを備える。
ピストン26は、シリンダ22内に往復移動自在に設けられている。クランク軸24は、クランクケース21内に回転可能に設けられている。コネクティングロッド25は、ピストン26とクランク軸24を接続している。シリンダ22の上部には、シリンダヘッド23が取り付けられている。シリンダ22とシリンダヘッド23とピストン26とによって、燃焼室が形成される。
クランク軸24は、クランクケース21に、一対のベアリング242を介して、回転自在な態様で支持されている。クランク軸24は、始動発電機60と、マニュアル・クラッチ40に動力を伝達する駆動ギア241とが取り付けられる。始動発電機60は、クランク軸24の軸線方向LRに見た時に、クランク軸24の第1の方向に取り付けられている。駆動ギア241は、クランク軸24の軸線方向LRに見た時に、クランク軸24の第2の方向に取り付けられる。
詳細には、図2に示すマニュアル・トランスミッション30に備えられた複数の駆動ギア34は、常に入力軸32と共に回転するように構成されている。また、複数の被駆動ギア35は、出力軸33と相対回転可能であるように構成される。また、複数の被駆動ギア35のそれぞれが、駆動ギア34と常時噛み合う。
ロータ61は、クランク軸24の軸線方向LRにおける、ステータ62と4ストロークエンジン20の気筒(シリンダ22)との間でクランク軸24に接続された有底筒状である。つまり、円板状の底壁部615bが、クランク軸24の軸線方向LRにおいて、筒状のバックヨーク部615cよりもシリンダ22の方向に設けられている。
ロータ61は、永久磁石部614を有する。ロータ61は、複数の磁極部616を有する。複数の磁極部616は、例えば、永久磁石部614により形成されている。複数の磁極部616は、バックヨーク部615cの内周面に設けられている。図に示す例では、1つの磁極部616が1つの永久磁石に対応する。但し、永久磁石部614は、複数の磁極を有するように着磁された1つの永久磁石によって構成することも可能である。この場合、磁極部616の全ては、1つのリング形状の永久磁石に形成される。永久磁石部614の構成はこれに限られない。例えば、磁極部616は、1つのリング形状を構成する複数の永久磁石のブロックに形成されてもよい。この場合、1つの永久磁石が複数の磁極部616を有する。そして、複数の永久磁石がリング形状の永久磁石部614を構成する。
例えば、各々が4つの磁極部616を有する6つの永久磁石が組合せられることによって、24の磁極部を有する永久磁石部614が形成される。但し、磁極部616の個数及び永久磁石の個数は、特に限定されない。
また、永久磁石部614は、例えば等方性磁石で形成される。但し、永久磁石部614は、特に限定されず、例えば極異方性磁石で形成されてもよい。永久磁石部614は、例えばフェライト磁石、ネオジム磁石、又はサマリウムコバルト磁石で形成される。 図に示す例では、始動発電機60の永久磁石部614は、厚さを厚く設計することによって、パーミアンス係数を高くする。パーミアンス係数を高くすることにより、永久磁石部614は、減磁に対してロバスト性を有することになる。
磁極部616は、始動発電機60の径方向におけるステータ62よりも外に設けられている。バックヨーク部615cは、径方向における磁極部616よりも外に設けられている。始動発電機60は、歯部623の数よりも多い磁極部616を有している。なお、図に示す例では、ロータ61は、磁極部616が磁性材料から露出した表面磁石型(SPM型)である。
ロータ61は、スロットの数の2/3より多い磁極部616を有する。ロータ61は、歯部623の数より多い数の磁極部616を有する。より詳細には、ロータ61は、歯部623の数より多い数の磁極部616を有する。即ち、始動発電機60は、歯部623の数よりも多い数の磁極部616を有している。より詳細には、磁極部616の数は、スロット数の4/3以上である。より詳細には、磁極部616の数は、スロット数の4/3である。
ロータ位置検出装置63は、ロータ61の位置を検出する装置である。ロータ位置検出装置63は、始動発電機60のロータ61の位置の検出を表す信号を出力する。ロータ位置検出装置63は、複数の被検出部617と対向する位置に設けられている。ロータ位置検出装置63は、被検出部617を磁気的に検出するピックアップコイル611を備えている。ロータ位置検出装置63は、検出用磁石612及びコア613も備えている。ロータ位置検出装置63は、始動発電機収納部65に配置される。
ロータ位置検出装置63は、クランクケース21内でクランクケース21に対し位置が固定されるようにクランクケース21に支持される。ロータ位置検出装置63は、半導体素子によって位置を検出するホールIC又はMRセンサと比べて高い耐熱性を有する。このため、半導体素子をエンジンの熱から保護するための特別な遮熱構造が省略できる。
本実施例では、始動発電機60の回転軸線と、クランク軸24の軸線とは、略一致している。ロータ61が、クランク軸24に、動力伝達機構(例えば、ベルト、チェーン、ギア、減速機、増速機等)を介さずに取り付けられている。ロータ61は、クランク軸24に対し1:1の速度比で回転する。始動発電機60が、4ストロークエンジン20の正回転によりクランク軸24を正回転させるように構成されている。
即ち、巻線のインピーダンスは、概略的に下式で表される。
(R2+ω2L2)1/2
ここで、R:直流抵抗、ω:電気角についての角速度、L:インダクタンスである。
ω=(P/2)×(N/60)×2π
ここで、P:磁極数、N:回転速度[rpm]
従って、始動発電機60は、発電機として使用される回転領域において、大きなインピーダンスによって発電電流を抑制できる。
図中、横軸は、クランク軸24の回転速度を示す。なお、横軸の目盛1つあたりの回転速度は、駆動特性の図5(A)と、発電特性の図5(B)とで異なっている。発電特性の図における目盛1つあたりの回転速度は、駆動特性の図における目盛1つあたりの回転速度よりも多い。縦軸は、正方向に出力トルクを示し、負方向に発電電流を示す。実線は、本実施例に係る始動発電機60の特性を示す。破線は、比較例に係る始動発電機の特性を示す。比較例に係る始動発電機は、歯部の数より少ない磁極部(例えば、スロット数の2/3)を有する。本実施例の始動発電機60(実線)は、クランク軸24を駆動する場合に、比較例に係る始動発電機(破線)と同程度のトルクを出力し(図5(A))、高速回転時に、比較例に係る始動発電機(破線)よりも発電電流を抑制できる(図5(B))。
その結果、本実施例においては、始動発電機60の冷却機構の大型化を抑制又は回避しつつ、始動発電機60を潤滑オイルである低粘度オイルOLと接触する環境下に配置できる。また、始動発電機60は、熱量の発生を抑制できるため、検出装置の検出特性の変化を抑制できる。
鞍乗型車両1は、より詳細には、MT(マニュアル・トランスミッション)型鞍乗型車両である。また、鞍乗型車両1は、自動二輪車である。鞍乗型車両1は、より詳細には、MT型自動二輪車である。
鞍乗型車両1は、より詳細には、4ストロークエンジンユニット10と、車体11と、フロントフォーク12と、ハンドル13と、前輪14と、後輪としての駆動輪15と、シート16と、蓄電装置17と、リアアーム151とを備えている。
リアアーム151は、車体11に揺動自在に支持されている。駆動輪15は、リアアーム151に回転自在に支持されている。
蓄電装置17は、車体11の内部に配置されている。蓄電装置17は、電力を蓄える。
図7は、図1に示す4ストロークエンジンユニット10の第2の実施例を示す断面図である。図8は、図1に示す4ストロークエンジンユニット10の第2の実施例を示す側面図である。以下、図7及び図8を参照して、4ストロークエンジンユニット10の第2の実施例について、更に詳細に説明する。
本実施例において、4ストロークエンジンユニット10は、変速機カバー56と、減速機構55と、駆動輪15とが一体となって、スイングユニット2を構成する。ここで、本実施例の4ストロークエンジンユニット10は、4ストロークエンジン20と、無段変速機50と、始動発電機60とを備える。本実施例は、4ストロークエンジンユニット10が、マニュアル・トランスミッション30を有さず、無段変速機50を有するという点において、第1の実施例と異なっている。
ピストン26は、シリンダ22内に往復移動自在に設けられている。クランク軸24は、クランクケース21内に回転可能に設けられている。コネクティングロッド25は、ピストン26とクランク軸24を接続している。シリンダ22の上部には、シリンダヘッド23が取り付けられている。
クランク軸24は、クランクケース21に、一対のベアリング242を介して、回転自在な態様で支持されている。
ロータ61は、ロータ本体部615を有する。ロータ本体部615は、筒状ボス部615aと、円板状の底壁部615bと、筒状のバックヨーク部615cとを有する。底壁部615b及びバックヨーク部615cは筒状ボス部615aを介してクランク軸24に固定されている。
ロータ61は、永久磁石部614を有する。ロータ61は、複数の磁極部616を有する。複数の磁極部616は、例えば、複数の永久磁石部614により、1つの磁極部616が1つの永久磁石に対応するように形成されている。永久磁石部614は、複数の磁極を有するように着磁された1又は複数の永久磁石によって構成することも可能である。但し、磁極部616の個数及び永久磁石の個数は、特に限定されない。複数の磁極部616は、バックヨーク部615cの内周面に設けられている。複数の磁極部616は、始動発電機60の周方向にN極とS極とが交互に配置されるように設けられている。本実施例では、ステータ62と対向するロータ61の磁極数が24個である。磁極部616の数は、歯部623の数よりも多い。
各歯部623の周囲には、ステータ巻線622が巻回している。複数相のステータ巻線622のそれぞれは、U相、V相、W相の何れかに属する。
ロータ位置検出装置63は、ロータ61の位置を検出する装置である。ロータ位置検出装置63は、複数の被検出部617と対向する位置に設けられている。ロータ位置検出装置63は、被検出部617を磁気的に検出するピックアップコイル611を備えている。ロータ位置検出装置63は、検出用磁石612及びコア613も備えている。ロータ位置検出装置63は、始動発電機収納部65に配置される。
ロータ位置検出装置63は、クランクケース21内でクランクケース21に対し位置が固定されるようにクランクケース21に支持される。
鞍乗型車両1は、自動二輪車である。鞍乗型車両1は、より詳細には、スクータ型の自動二輪車である。鞍乗型車両1は、4ストロークエンジンユニット10及び駆動輪15から構成されるスイングユニット2と、車体11と、フロントフォーク12と、ハンドル13と、前輪14と、駆動輪15と、シート16と、蓄電装置17とを備えている。
スイングユニット2は、4ストロークエンジンユニット10と、変速機カバー56と、減速機構55と、駆動輪15とにより構成される。4ストロークエンジンユニット10は、車体11に保持されている。より詳細には、4ストロークエンジンユニット10は、車体11の図示しないフレームに揺動自在に取り付けられている。4ストロークエンジンユニット10は、4ストロークエンジン20と、無段変速機50を備える。駆動輪15は、無段変速機50により回転自在に支持される。詳細には、駆動輪15は、無段変速機50の変速機カバー56によって回転自在に支持される。変速機カバー56は、4ストロークエンジン20に固定され、4ストロークエンジン20と一体となって揺動する。4ストロークエンジンユニット10は、無段変速機50を介して、クランク軸24から駆動輪15へ向けの動力を出力する。無段変速機50は、クランクケース21の外に設けられている。4ストロークエンジンユニット10の動力は、無段変速機50及び減速機構55を介して駆動輪15へ向け出力される。
蓄電装置17は、車体11の内部に配置されている。蓄電装置17は、電力を蓄える。
図10は、図1に示す4ストロークエンジンユニット10の第3の実施例を示す断面図である。以下、図10を参照して、4ストロークエンジンユニット10の第3の実施例について、詳細に説明する。ここで、本実施例の4ストロークエンジンユニット10は、4ストロークエンジン20と、マニュアル・トランスミッション30と、マニュアル・クラッチ40と、始動発電機60とを備える。本実施例は、4ストロークエンジンユニット10が、ラジエータ80を有さない、即ち空冷の4ストロークエンジンであるという点において、第1の実施例と異なっている。
ピストン26は、シリンダ22内に往復移動自在に設けられている。クランク軸24は、クランクケース21内に回転可能に設けられている。コネクティングロッド25は、ピストン26とクランク軸24を接続している。シリンダ22の上部には、シリンダヘッド23が取り付けられている。シリンダ22には、4ストロークエンジン20の冷却のためのフィンが設けられている。
クランク軸24は、クランクケース21に、一対のベアリング242を介して、回転自在な態様で支持されている。クランク軸24は、始動発電機60と、無段変速機50とが取り付けられる。
ロータ61は、ロータ本体部615を有する。ロータ本体部615は、筒状ボス部615aと、円板状の底壁部615bと、筒状のバックヨーク部615cとを有する。底壁部615b及びバックヨーク部615cは筒状ボス部615aを介してクランク軸24に固定されている。
ロータ61は、永久磁石部614を有する。ロータ61は、複数の磁極部616を有する。複数の磁極部616は、例えば、複数の永久磁石部614により、1つの磁極部616が1つの永久磁石に対応するように形成されている。永久磁石部614は、複数の磁極を有するように着磁された1又は複数の永久磁石によって構成することも可能である。但し、磁極部616の個数及び永久磁石の個数は、特に限定されない。複数の磁極部616は、バックヨーク部615cの内周面に設けられている。複数の磁極部616は、始動発電機60の周方向にN極とS極とが交互に配置されるように設けられている。本実施例では、ステータ62と対向するロータ61の磁極数が24個である。磁極部616の数は、歯部623の数よりも多い。
各歯部623の周囲には、ステータ巻線622が巻回している。複数相のステータ巻線622のそれぞれは、U相、V相、W相の何れかに属する。
ロータ位置検出装置63は、ロータ61の位置を検出する装置である。ロータ位置検出装置63は、複数の被検出部617と対向する位置に設けられている。ロータ位置検出装置63は、被検出部617を磁気的に検出するピックアップコイル611を備えている。ロータ位置検出装置63は、検出用磁石612及びコア613も備えている。ロータ位置検出装置63は、始動発電機収納部65に配置される。
ロータ位置検出装置63は、クランクケース21内でクランクケース21に対し位置が固定されるようにクランクケース21に支持される。
図10の4ストロークエンジンユニット10を搭載した鞍乗型車両1は、MT(マニュアル・トランスミッション)型鞍乗型車両である。図10の4ストロークエンジンユニット10を搭載した鞍乗型車両1は、より詳細には、MT型自動二輪車である。
10 4ストロークエンジンユニット
13 ハンドル
15 駆動輪
20 4ストロークエンジン
21 クランクケース
22 シリンダ
24 クランク軸
30 マニュアル・トランスミッション
39 出力部
40 マニュアル・クラッチ
50 無段変速機
51 駆動プーリー
52 被駆動プーリー
53 ベルト
60 始動発電機
61 ロータ
62 ステータ
70 遠心クラッチ
80 ラジエータ
(8) (1)から(7)の何れか1の4ストロークエンジンユニットであって、
前記ロータは、冷却のための気流を発生させるファン又はフィンを備えていない。
ピストン26は、シリンダ22内に往復移動自在に設けられている。クランク軸24は、クランクケース21内に回転可能に設けられている。コネクティングロッド25は、ピストン26とクランク軸24を接続している。シリンダ22の上部には、シリンダヘッド23が取り付けられている。シリンダ22には、4ストロークエンジン20の冷却のためのフィンが設けられている。
クランク軸24は、クランクケース21に、一対のベアリング242を介して、回転自在な態様で支持されている。クランク軸24は、始動発電機60と、マニュアル・トランスミッション30とが取り付けられる。
Claims (9)
- 4ストロークエンジンユニットであって、
前記4ストロークエンジンユニットは、
クランクケースと、前記クランクケースに接続されるシリンダと、前記クランクケースに回転可能に支持されるクランク軸とを備え、前記クランクケース及び前記シリンダは、低温粘度グレードが20Wよりも低い低粘度オイルで内部が潤滑されるように構成され、4ストロークの間に、前記クランク軸を回転させる負荷が大きい高負荷領域と、前記クランク軸を回転させる負荷が前記高負荷領域の負荷より小さい低負荷領域とを有する負荷変動型4ストロークエンジンと、
周方向にスロットを空けて設けられた複数の歯部を備えるステータコア、及び前記歯部に巻回される複数相のステータ巻線を有するステータと、前記ステータと空隙を空けて向かい合うように前記周方向に並ぶ永久磁石部を有し、前記クランク軸と同軸上に配置されたロータとを備え、前記低粘度オイルと接触する位置に設けられる始動発電機と
を備える。 - 請求項1に記載の4ストロークエンジンユニットであって、
前記始動発電機の前記永久磁石部は、前記スロットの数の2/3より多い磁極面を有する。 - 請求項2に記載の4ストロークエンジンユニットであって、
前記始動発電機が収納される空間内で、前記クランクケース内で前記クランクケースに対し位置が固定されるように前記クランクケースに支持された、前記ロータの位置の検出を表す信号を出力するロータ位置検出装置を更に備える。 - 請求項1から3の何れか1項に記載の4ストロークエンジンユニットであって、
前記始動発電機が配置される空間は、前記ステータが固定された始動発電機カバーにより覆われ、
前記始動発電機のロータは、前記クランク軸の軸線方向における、前記ステータと前記シリンダとの間で前記クランク軸に接続された有底筒状である。 - 請求項1から4の何れか1項に記載の4ストロークエンジンユニットであって、
前記4ストロークエンジンユニットは、前記低粘度オイルによって潤滑されるように前記クランクケース内に設けられ、前記クランク軸からの駆動力が伝達されるマニュアル・トランスミッションを備える。 - 請求項1から4の何れか1項に記載の4ストロークエンジンユニットであって、
前記4ストロークエンジンユニットは、第1の方向と、前記第1の方向と反対の第2の方向とを含むクランク軸の軸線方向において、前記クランク軸の前記第1の方向に入力部が配置され、前記クランク軸からの駆動力が伝達される無段変速機を備え、
前記始動発電機は、前記軸線方向において、前記クランク軸の前記第2の方向に配置される。 - 請求項1から6の何れか1項に記載の4ストロークエンジンユニットであって、
前記4ストロークエンジンユニットは、ラジエータを備え、
前記シリンダは、前記ラジエータからの冷却水が供給されるウォータージャケットを有する。 - 請求項1から7の何れか1項に記載の4ストロークエンジンユニットであって、
前記ロータは、冷却のための気流を発生させるファン又はフィンを備えていない。 - 鞍乗型車両であって、
前記鞍乗型車両は、請求項1から8の何れか1項に記載の4ストロークエンジンユニットを備える。
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