JPWO2020137681A1 - 複合体ならびにそれを用いた構造体およびサーミスタ - Google Patents

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Abstract

金属酸化物含有複合体であって、金属酸化物における金属元素がMnおよびNiの少なくとも一方を含み、かつ、それ自体が高密度かつ高強度である新規な複合体を実現する。少なくとも1つの第1金属元素を含む金属酸化物から成る複数の第1粒子と、該複数の第1粒子間に存在し、かつ、該第1金属元素と同じ金属元素を含む第1アモルファス相とを含み、該第1金属元素が、MnおよびNiの少なくとも一方を含む、複合体。

Description

本発明は、複合体、より詳細には、金属酸化物含有複合体、ならびに該複合体を用いた構造体およびサーミスタに関する。
大きな負の温度係数を示す金属酸化物膜をサーミスタ層として用いた薄膜サーミスタは、各種の機器およびデバイスにおいて、温度センサ等として幅広く利用されている。薄膜サーミスタは、一般的に、基材上に金属電極を形成した後、サーミスタ層として機能する金属酸化物膜として、金属酸化物粒子の焼結体から成る層を基材上の金属電極に接触させて形成することにより製造されている。
かかる製造方法には、金属酸化物膜と金属電極との界面の接合強度が小さく、場合により界面剥離を生じ得るという問題がある。この問題は、高いサーミスタ特性を示す金属酸化物膜を形成するために、金属酸化物粒子を400℃以上の熱処理に付して焼結させているため、金属酸化物膜と金属電極との間の熱膨張係数の差によってクラックや界面剥離が起こるために生じると考えられる。この問題に対して、高いサーミスタ特性と高い接合強度の双方を達成すべく、従来から様々な方策が提案されている(例えば特許文献1〜4を参照のこと)。
国際公開第2014/010591号 特開2008−244344号公報 特開2015−065417号公報 特開2013−179161号公報 米国特許出願公開第2017/0088471号明細書
しかしながら、従来の方策は、所望の電気特性(例えば高いサーミスタ特性)と高い接合強度の双方を達成する薄膜サーミスタを製造するのに必ずしも十分満足できるものではなかった。
各種の基材上に金属酸化物膜を形成する方法としては、一般的に溶液法や気相法などが知られているが、金属や樹脂の基材が影響を受けない低温下で実施した場合、これにより形成される金属酸化物膜の品質が低く、所望の電気特性を得ることができない。エアロゾルデポジション法などの室温固化技術も知られているが、成膜速度が小さいため大量生産に適さない。金属酸化物にSiOガラスを添加することにより低温焼結を可能にする方法は、SiOが高抵抗化の原因となり、電気特性の低下を引き起こす。窒化物を用いることにより、室温でのスパッタリングを可能にする方法もあるが、窒化物は大気中での安定性に課題があり、また、スパッタリングは、その工法上、接合強度が低いという難点がある。
かかる状況下、近年、200℃以下の低温で金属酸化物粒子を焼結させ得る低温焼結(Cold Sintering:CS)法が開発された(特許文献5を参照のこと)。この低温焼結法は、金属酸化物粒子を、当該酸化物を部分的に溶解させ得る溶媒(水と酸またはアルカリ)と混合して200℃以下の加熱と加圧とを施すことにより、理論密度の85%以上の密度を有する焼結体を形成し得るとされている。しかしながら、この低温焼結法は、Mnおよび/またはNiの酸化物の粒子に対しては、高密度の焼結体(金属酸化物膜)を形成することができず、焼結体そのものの強度が十分でないという別の問題を生じる。
本発明者は、上記従来の課題に対処するために、金属酸化物粒子を他の材料と独自に複合化させるべく鋭意研究を行った。本発明の1つの目的は、金属酸化物から成る複数の粒子を含んで構成される新規な複合体(本明細書において「金属酸化物含有複合体」とも言う)であって、金属酸化物における金属元素がMnおよびNiの少なくとも一方を含み、かつ、それ自体が高強度である新規な複合体を実現することにある。本発明のもう1つの目的は、かかる複合体を用いた構造体であって、当該複合体が金属部に高い接合強度で接合されている構造体を提供することにある。本発明の更にもう1つの目的は、かかる構造体を用いたサーミスタであって、所望の電気特性と高い接合強度の双方を達成し得るサーミスタを提供することにある。
本発明の第1の要旨によれば、
少なくとも1つの第1金属元素を含む金属酸化物から成る複数の第1粒子と、
該複数の第1粒子間に存在し、かつ、該第1金属元素と同じ金属元素を含む第1アモルファス相と
を含み、該第1金属元素が、MnおよびNiの少なくとも一方を含む、複合体が提供される。
本発明の第1の要旨の1つの態様において、前記第1金属元素は、Fe、Al、CoおよびCuからなる群より選択される少なくとも1つを更に含み得る。
本発明の第1の要旨の1つの態様において、前記複合体は、第1樹脂から成る複数の第2粒子を更に含み得、前記第1アモルファス相が、前記複数の第1粒子および該複数の第2粒子間に存在し得る。
本発明の第1の要旨の1つの態様において、前記第1樹脂は、ポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリテトラフルオロエチレン、エポキシ樹脂および液晶ポリマーからなる群より選択される少なくとも1つを含み得る。
本発明の第1の要旨の1つの態様において、前記第1アモルファス相の厚さは、100μm以下であり得る。
本発明の第1の要旨の1つの態様において、前記複数の第1粒子の一部は互いに接触し得る。
本発明の第2の要旨によれば、
少なくとも1つの第1金属元素を含む金属酸化物から成る複数の第1粒子と、
該第1金属元素と同じ金属元素を含む第1アモルファス相と
第1樹脂から成る複数の第2粒子と、
を含み、該複数の第1粒子は互いに接触し、該第2粒子は、互いに接触した該複数の第1粒子の内部に存在し、該第1アモルファス相が、互いに接触した該複数の第1粒子と該第2粒子との間に存在し、該第1金属元素が、MnおよびNiの少なくとも一方を含む、複合体が提供される。
本発明の第2の要旨の1つの態様において、前記第1金属元素は、Fe、Al、CoおよびCuからなる群より選択される少なくとも1つを更に含み得る。
本発明の第2の要旨の1つの態様において、前記第1樹脂は、ポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリテトラフルオロエチレン、エポキシ樹脂および液晶ポリマーからなる群より選択される少なくとも1つを含み得る。
本発明の第2の要旨の1つの態様において、前記第1アモルファス相の厚さは、100μm以下であり得る。
本発明の第3の要旨によれば、
少なくとも1つの第2金属元素を含む金属部と、
上記本発明の複合体と、
該金属部と該複合体との間に位置する接合層と
を含み、該接合層が、前記第1金属元素および該第2金属元素と同じ金属元素を含む第2アモルファス相を含む、構造体が提供される。
本発明の第3の要旨の1つの態様において、前記第2金属元素は、Mn、Ni、Fe、Al、Zn、Cr、Ti、Co、Cu、Ag、AuおよびPtからなる群より選択される少なくとも1つを含み得る。
本発明の第4の要旨によれば、
第2樹脂から成る樹脂基材と、
該樹脂基材の上に配置された、上記本発明の構造体と
を含み、前記金属部が、2つの金属電極を含む、サーミスタが提供される。
本発明の第4の要旨の1つの態様において、前記複合体および前記接合層は、合計100μm以下の厚さを有し得る。
本発明の第4の要旨の1つの態様において、前記第2樹脂は、ポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリテトラフルオロエチレン、エポキシ樹脂および液晶ポリマーからなる群より選択される少なくとも1つを含み得る。
本発明の第4の要旨の1つの態様において、前記2つの金属電極は互いに対向する主面を有し、それら主面間に前記複合体が介挿され得る。
本発明の第4の要旨の1つの態様において、前記2つの金属電極は、平面視にて互い違いに配列された2つの外部電極とそれぞれ電気的に接続され得る。
本発明によれば、金属酸化物含有複合体であって、金属酸化物における金属元素がMnおよびNiの少なくとも一方を含み、かつ、それ自体が高密度かつ高強度である新規な複合体が実現される。更に、本発明によれば、高温高湿環境下に放置する前後での抵抗率変化が小さい複合体が実現される。また、本発明によれば、かかる複合体を用いた構造体であって、当該複合体が金属部に高い接合強度で接合されている構造体が提供される。更に、本発明によれば、かかる構造体を用いたサーミスタであって、所望の電気特性と高い接合強度の双方を達成し得るサーミスタが提供される。
図1は、本発明の1つの実施形態における複合体の構造を示す部分模式図である。 図2は、本発明の1つの実施形態における構造体の1つの例を示す模式断面図である。 図3は、本発明の1つの実施形態における構造体のもう1つの例を示す模式断面図である。 図4は、本発明の1つの実施形態におけるサーミスタの1つの例を示す図であって、(a)は、(b)中のX−X線から見た模式断面図であり、(b)は模式上面図である。 図5は、本発明の1つの実施形態におけるサーミスタのもう1つの例を示す図であって、(a)は、(b)中のX−X線から見た模式断面図であり、(b)は模式上面図である。 図6は、本発明の1つの実施形態におけるサーミスタのもう1つの例を示す図であって、(a)は、(b)中のX−X線から見た模式断面図であり、(b)は、(a)中にて上側に位置する樹脂基材を除外して示した模式上面図である。 図7は、本発明の1つの実施形態におけるサーミスタのもう1つの例を示す図であって、(a)は、(b)中のX−X線から見た模式断面図であり、(b)は、(a)中にて上側に位置する樹脂基材を除外して示した模式上面図である。 図8は、本発明の1つの実施形態におけるサーミスタのもう1つの例を示す図であって、(a)は、(b)中のX−X線から見た模式断面図であり、(b)は模式上面図である。 図9は、本発明の1つの実施形態におけるサーミスタのもう1つの例を示す図であって、(a)は、(b)中のX−X線から見た模式断面図であり、(b)は模式上面図である。 図10(a)は、本発明のもう1つの実施形態における複合体の構造を示す部分模式図であり、図10(b)は図10(a)の複合体の改変例を示す。 図11は、本発明のもう1つの実施形態における構造体の1つの例を示す模式断面図である。 図12は、本発明のもう1つの実施形態における構造体のもう1つの例を示す模式断面図である。 図13は、本発明の実施例1にて製造した構造体の部分拡大断面の走査型透過電子顕微鏡(STEM)観察像(明視野像)であり、(a)は、金属酸化物含有複合体層と下部電極の接合部およびその近傍の断面のSTEM観察像であり、(b)は、図13(a)のC(炭素)の元素分布を示し、(c)は、(a)のMn(マンガン)の元素分布を示し、(d)は、(a)のCu(銅)の元素分布を示す。 図14は、本発明の実施例3にて製造した構造体の部分拡大断面の走査型透過電子顕微鏡(STEM)観察像(明視野像)であり、(a)は、金属酸化物含有複合体層と下部電極の接合部およびその近傍の断面のSTEM観察像であり、(b)は、図13(a)のC(炭素)の元素分布を示し、(c)は、(a)のMn(マンガン)の元素分布を示し、(d)は、(a)のCu(銅)の元素分布を示す。 図15は、本発明の実施例1にて製造した構造体の部分拡大断面の透過型電子顕微鏡(TEM)観察像であり、(a)は、金属酸化物含有複合体層の断面のTEM観察像であり、(b)は、図15(a)に示す四角枠の領域の拡大像であり、(c)は、図15(b)に示す四角枠の領域の拡大像であり、(d)は、結晶構造を有する粒子と区別してアモルファス相を判別する目的で示したアモルファス相の電子線回折像の一例である。
本発明の2つの実施形態における複合体、ならびに該複合体を用いた構造体およびサーミスタについて、以下、図面を参照しながら説明する。図中、同様の部材には同様の番号を付して示し、特に断りのない限り、同様の説明が当て嵌まる。
(実施形態1)
図1に示すように、本実施形態における複合体(金属酸化物含有複合体)10は、
少なくとも1つの第1金属元素を含む金属酸化物から成る複数の第1粒子(以下、単に「金属酸化物粒子」とも言う)1と、
複数の第1粒子1間に存在する第1アモルファス相2と
を含む。
金属酸化物粒子1を構成する金属酸化物は、第1金属元素として、MnおよびNiの少なくとも一方を含み、更に、Fe、Al、CoおよびCuからなる群より選択される少なくとも1つを含んでいてよい。Mnおよび/またはNiは、金属酸化物における必須金属元素である。また、Fe、Al、CoおよびCuからなる群より選択される少なくとも1つは、金属酸化物における任意添加金属元素である。任意添加金属元素は、好ましくはFe、AlおよびCoからなる群より選択される少なくとも1つである。かかる金属酸化物はいずれも金属酸化物半導体であり得、特にスピネル型構造を有し得るが、これに限定されない。
複数の金属酸化物粒子1を構成する金属酸化物全体における金属元素の割合は特に限定されず、所望の電気特性等に応じて適宜選択され得る。必須金属元素に関して、MnおよびNiの双方が存在する場合、Mn:Niの割合(原子比)は、例えば1〜100:1であり得る。任意添加金属元素が存在する場合、任意添加金属元素(複数存在する場合はそれらの合計)は、必須金属元素(MnおよびNiの双方が存在する場合はそれらの合計)より少なければよいが、必須金属元素:任意添加金属元素の割合(原子比)は、例えば1〜100:1であり得る。
金属酸化物粒子1の平均粒径は、例えば0.01μm以上100μm以下であり得、特に0.02μm以上1μm以下であり得る。金属酸化物粒子1の平均粒径が0.01μm以上100μm以下の範囲にあることにより、本実施形態にて後述する製造方法において、金属アセチルアセトネートに由来する液体媒体および/または流体(好ましくは溶媒)によって、金属酸化物粒子が他の金属酸化物粒子同士の隙間に運ばれやすくなり、これにより得られる複合体の高密度化をより効果的に達成できる。本明細書において平均粒径とは、体積基準で粒度分布を求め、全体積を100%とした累積曲線において、累積値が50%となる点の粒径(D50)である。かかる平均粒径は、レーザー回折・散乱式 粒子径・粒度分布測定装置または電子走査顕微鏡を用いて測定することができる。
金属酸化物粒子1は、金属酸化物組成および/または平均粒径の異なる2種類以上の金属酸化物粒子の混合物であってよい。
第1アモルファス相2は、金属酸化物粒子1間に存在し、金属酸化物粒子1同士を接着させ得る。従って、本実施形態の複合体10は、それ自体が高い強度を有する。本実施形態を限定するものではないが、第1アモルファス相2の連続相中に複数の金属酸化物粒子1が分散した構造を形成することができる。また、本実施形態の複合体10は、第1アモルファス相2により金属酸化物粒子1を高密度で含有することができる(高密度で分散した金属酸化物粒子1による導電パスを形成することができる)。更に、第1アモルファス相2は、結晶構造を有する金属酸化物(半導体)粒子1に近い電気特性を示し得る。これにより、金属酸化物粒子を従来一般的な方法により高温で焼結させた焼結体と同様の電気特性を得ることができる。
第1アモルファス相2は、金属酸化物粒子1に含まれる第1金属元素と同じ金属元素を含む。これにより、金属酸化物粒子1と第1アモルファス相2との間の相互拡散が生じた場合であっても、複合体10の電気特性が劣化することを効果的に防止できる。
本明細書において、アモルファス相とは、実質的に結晶性を有しない、または結晶度が比較的低い相を意味し、これは当業者に公知な手法である電子線回折像に基づいて、結晶構造を有する粒子と区別して判別可能である。また、アモルファス相に含まれる元素(特に金属元素)は、走査型透過電子顕微鏡(STEM)を用いて確認できる。
本実施形態において、第1アモルファス相2が、金属酸化物粒子1間に存在するとは、複数の金属酸化物粒子1間の空間を第1アモルファス相2が充填していることを意味し得る。これにより、複合体10に含まれるおそれがある空孔を、第1アモルファス相2の充填により無くすことができるので、空孔起因によると考えられる高温高湿環境下に放置する前後での抵抗値変化を小さくすることができる。全ての金属酸化物粒子1のうち互いに隣接する任意の2つの金属酸化物粒子1に着目した場合、これら2つの金属酸化物粒子1は、それらの間に第1アモルファス相2が存在していても、それらの間に第1アモルファス相2が実質的に存在せずに互いに接触(好ましくは結合)していてもよい。前者の場合、第1アモルファス相2は、100μm以下の厚さで存在し得る。第1アモルファス相2の厚さは、電気特性および/または強度の観点からは小さいほうが好ましい。上述の後者の場合、第1アモルファス相2が実質的に存在しない部分が、複合体10に存在していてもよい。
なお、本実施形態の複合体10(特に、第1アモルファス相2)は、SiOガラス等の珪素酸化物を実質的に含まないことに留意されたい。珪素酸化物は、電気特性の著しい低下を招くため好ましくない。複合体10における珪素酸化物の含有量(金属酸化物粒子の全質量に対して)は、例えば0.1質量%以下であり、0.01質量%以下であることが好ましく、実質的にゼロ質量%であることがより好ましい。
本実施形態の複合体10は、任意の物体上に配置(特に成膜)して構造体を構成することができる。本実施形態を限定するものではないが、複合体10は、金属部(例えば金属から構成される部材または領域等)に少なくとも部分的に接合され得る。
例えば、図2に示すように、本実施形態の1つの例における構造体20は、
少なくとも1つの第2金属元素を含む金属部13と、
上記の本実施形態の複合体10と、
金属部13および複合体10との間に位置する接合層15と
を含む。実際には、複合体10と接合層15との境界は必ずしも明瞭でなくてよい(添付の図面においては、仮想的な境界を点線にて示す)。構造体20においては、複合体10と接合層15とをまとめて、金属酸化物含有複合体層またはサーミスタ層として理解することも可能である。
接合層15は、第2アモルファス相12を含む。第2アモルファス相12は、複合体10を金属部13に接着させ得る。従って、本実施形態の構造体20は、複合体10を金属部13に高い接合強度で接合することができる。
更に、本実施形態の複合体10において、第2アモルファス相12は、第1金属元素および第2金属元素と同じ金属元素を含む。第2アモルファス相12は、結晶構造を有する金属酸化物(半導体)粒子1に近い電気特性を示し得る。更に、第2アモルファス相12が第1金属元素および第2金属元素と同じ金属元素を含むことにより、複合体10と接合層15と金属部13との間の電気抵抗(概略的には、金属酸化物(半導体)粒子1と金属部13との間のショットキーバリア、より詳細には、金属酸化物粒子1と第2アモルファス相12との間および第2アモルファス相12と金属部13との間の界面抵抗)を低減することができ、構造体20の電気特性を向上させることができる。
本実施形態を限定するものではないが、第2アモルファス相12および第1アモルファス相2は連続して(例えば中間領域にて、グラデーションを形成しておよび/または相互に入り交じって)存在していてよい。その場合、例えば、アモルファス相に存在し得る第1金属元素および第2金属元素の分布に基づいて、これらの境界を決定してよい。
金属部13を構成する第2金属元素は、特に限定されないが、Mn、Ni、Fe、Al、Zn、Cr、Ti、Co、Cu、Ag、AuおよびPtからなる群より選択される少なくとも1つを含んでいてよく、これらのいずれかまたは2つ以上の合金であり、好ましくはNi、CuおよびAgのいずれかまたは2つ以上の合金である。第2金属元素は、一般的に電極として使用される金属であってよい。ならびに/あるいは、第2金属元素は、第1金属元素と同じまたは異なる金属元素であってよい。
また例えば、図3に示すように、本実施形態のもう1つの例における構造体21は、上記の本実施形態の複合体10が、金属部13aおよび13bに対して、それぞれ接合層15aおよび15bを介して接合されていてよい。構造体21においては、複合体10と接合層15aおよび15bとをまとめて、金属酸化物含有複合体層またはサーミスタ層として理解することも可能である。
かかる構造体21は、構造体20について上述したものと同様の効果を奏する。更に、構造体21においては、金属部13、13bを対向電極として使用でき、この場合、複合体10ならびに接合層15aおよび15bの合計厚さ(金属酸化物含有複合体層の厚さ)を制御することにより、構造体21の電気特性(例えば抵抗値のばらつき)を効果的に制御することができる。
本実施形態の構造体20、21は、適宜改変されて、任意の基材上に配置されてサーミスタを構成することができる。本実施形態を限定するものではないが、構造体20、21は、適宜改変されて、樹脂基材(または樹脂フィルム)上に配置され得る。
例えば、図4(a)および(b)に示すように、本実施形態の1つの例におけるサーミスタ30は、
第2樹脂から成る樹脂基材27と、
樹脂基材27の上に配置された、本実施形態の構造体20aと、
を含む。構造体20aにおいて、金属部13は、2つの金属電極13c、13dを含み、それらと複合体10との間にそれぞれ接合層15c、15dが位置している。このサーミスタ30においては、構造体20aのうち、複合体10よりも金属電極13c、13dが、樹脂基材27の側に配置されているが、本実施形態はこれに限定されない。複合体10および接合層15c、15dの露出部は、適宜、樹脂などからなる保護膜(図示せず)で保護してよい。
金属電極13c、13dの間に介挿された複合体10および接合層15c、15dは、温度に依存して抵抗が変化し得る(より詳細には負の温度係数を有する)サーミスタ層として機能できる。なお、図4(b)中、複合体10の下方に位置する金属電極13c、13dを透視図にて示す。
本実施形態のサーミスタ30においては、複合体10が、第1アモルファス相2により金属酸化物粒子1を高密度で含有することができ、第1アモルファス相2および第2アモルファス相12が金属酸化物(半導体)粒子1に近い電気特性を示し得るので、金属酸化物粒子を従来一般的な方法により高温で焼結させた焼結体と同様の電気特性を得ることができ、所望の電気特性(例えばサーミスタ特性、より詳細には、室温抵抗率、B定数等)を達成し得る。また、本実施形態のサーミスタ30においては、複合体10が接合層15c、15dを介して金属電極13c、13dに強固に接合され、高い接合強度を達成し得る。加えて、高い接合強度により、サーミスタ30の抵抗値のばらつきが小さく、高い信頼性を達成し得る。
かかるサーミスタ30において、樹脂基材27上に形成された複合体10および接合層15c、15dの合計厚さ(サーミスタ層として機能し得る金属酸化物含有複合体層の厚さ)は、例えば100μm以下であり得、より詳細には1μm以上30μm以下であり得る。かかるサーミスタ30は、薄膜サーミスタとも称される。
サーミスタ30は、上記のように薄いことにより、僅かな空間にも容易に設置することができる。更に、サーミスタ30およびこれが取り付けられる対象物の双方への取り付け時および動作時の加圧による物理損傷を低減することができる。また更に、かかるサーミスタ30は熱容量が小さいため、高い温度応答性を示す。また、複合体10(および接合層15c、15d)が薄く、柔軟性を有するため、変形に対しても破壊され難い。特に、樹脂基材27としてフレキシブル基材(またはフィルム)を使用した場合には、全体としてフレキシブルなサーミスタ30を得ることができる。
樹脂基材27を構成する第2樹脂は、特に限定されないが、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリテトラフルオロエチレン、エポキシ樹脂および液晶ポリマー(LCP: Liquid Crystal Polymer)からなる群より選択される少なくとも1つを含み得る。なかでも、ポリイミド、ポリアミドイミドが、耐熱性と密着性の観点から好ましい。
樹脂基材27の厚さは特に限定されないが、薄膜サーミスタの場合には、例えば1〜50μmであり得る。
本実施形態のサーミスタ30は種々の改変が可能である。例えば、図5(a)および(b)に示すように、サーミスタ31は、
第2樹脂から成る樹脂基材27と、
樹脂基材27の上に配置された、本実施形態の構造体20bと、
を含む。構造体20bにおいて、金属部13は、2つの金属電極13e、13fを含み、それらと複合体10との間にそれぞれ接合層15e、15fが位置している。このサーミスタ31においては、構造体20bのうち、複合体10が金属電極13e、13fよりも、樹脂基材27の側に配置されている。複合体10および接合層15e、15fの露出部は、適宜、樹脂などからなる保護膜(図示せず)で保護してよい。
また例えば、図6(a)および(b)に示すように、サーミスタ32は、2つの金属電極13g、13iが互いに対向する主面を有し、それら主面間に複合体10が介挿され、それぞれ接合層15g、15iにより接合されていてよく、また、2つの金属電極13h、13iが互いに対向する主面を有し、それら主面間に複合体10が介挿され、それぞれ接合層15h、15iにより接合されていてよい。換言すれば、サーミスタ32は、2つの素子が直列に接続された構造を有する。構造体20cにおいて、金属部13は、3つの金属電極13g、13h、13iを含み、それらと複合体10との間にそれぞれ接合層15g、15h、15iが位置している。なお、図6(b)中、樹脂基材27bを除外して示し、金属電極13g、13hを透視図にて示す。かかる構成によれば、複合体10および接合層15g、15iの合計厚さ(金属酸化物含有複合体層、即ち、サーミスタ層の厚さに対応し、図中に記号「t」で示す)を制御することにより、サーミスタ32の電気特性を制御すること(例えば抵抗値のばらつきをより一層低減すること)ができ、より高い温度分解能を達成できる。なお、図示する態様においては、金属電極13g、13hは、外部電極14a、14bと電気的に接続され(および/または一体的に形成されている、以下同様)が、これに限定されない。また、図示する態様においては、サーミスタ32は、樹脂基材27a、27bを備えるが、いずれか一方のみであってもよい。
また例えば、図7(a)および(b)に示すように、サーミスタ33は、2つの金属電極13g、13h’が、平面視にて互い違いに配列された2つの外部電極14a、14b’とそれぞれ電気的に接続されていてよい。構造体20dにおいて、金属部13は、3つの金属電極13g、13h’、13iを含み、それらと複合体10との間にそれぞれ接合層15g、15h’、15iが位置している(その他は上述のサーミスタ32と同様であってよい)。かかる構成によれば、サーミスタ33が極めて小型で取扱い難い場合であっても、サーミスタ33を比較的容易に実装することができる。
また例えば、図8(a)および(b)に示すように、サーミスタ34は、2つの金属電極13j、13lが互いに対向する主面を有し、それら主面間に複合体10が介挿され、それぞれ接合層15i、15lにより接合されていてよく、また、2つの金属電極13k、13lが互いに対向する主面を有し、それら主面間に複合体10が介挿され、それぞれ接合層15k、15lにより接合されていてよい。換言すれば、サーミスタ34は、2つの素子が直列に接続された構造を有する。構造体20eにおいて、金属部13は、3つの金属電極13j、13k、13lを含み、それらと複合体10との間にそれぞれ接合層15j、15k、15lが位置している。また、サーミスタ34においては、2つの金属電極13j、13kが、平面視にて互い違いに配列された2つの外部電極14c、14dとそれぞれ電気的に接続されていてよい。かかる構成によれば、金属酸化物含有複合体層の厚さを制御することにより、サーミスタ34の電気特性を制御することができ、より高い温度分解能を達成できる。また、かかる構成によれば、サーミスタ34を比較的容易に実装することができる。
また例えば、図9(a)および(b)に示すように、サーミスタ35は、同一平面上に形成された金属電極13m、13nが、クシ歯状に互いに対向して形成されていてもよい。構造体20fにおいて、金属部13は、2つの金属電極13m、13nを含み、それらと複合体10との間にそれぞれ接合層15m、15nが位置している。これにより、サーミスタ35の電気特性を制御すること(例えば抵抗値のばらつきを一層低減すること)ができ、高い温度分解能を達成できる。サーミスタ35においても、2つの金属電極13m、13nが、平面視にて互い違いに配列された2つの外部電極14c’、14d’とそれぞれ電気的に接続されていてよい。かかる構成によれば、サーミスタ35を比較的容易に実装することができる。
また例えば、複合体層および接合層は、サーミスタの任意の具体的構成において、樹脂基材または金属部から一部が露出した状態にこれに埋設されていてもよい(例えば図9参照)。
上述した本実施形態の複合体、構造体およびサーミスタは、任意の適切な方法で製造され得るが、例えば下記の方法により製造することができる。以下、サーミスタの製造方法として、図1、2、4を参照して上述したサーミスタ30の製造方法を例示的に説明するが、その他のサーミスタについては公知の技術を適宜組み合わせることによって理解され得、複合体および構造体の各製造方法についてはそれぞれ該当する部分のみを参照することによって理解され得る。
まず、樹脂基材27の上に金属部13として金属電極13c、13dを形成する。金属電極13c、13dは、フォトリソグラフィ、メッキ、蒸着、スパッタリング等の任意の適切な方法によりパターン形成できる。
次に、上記のように金属部13として金属電極13c、13dを形成した樹脂基材27の所定の領域(複合体10および接合層15c、15dを、換言すれば金属酸化物含有複合体層を形成すべき領域)に、金属酸化物粒子1と金属アセチルアセトネートとを含む混合物(以下、本明細書において「原料混合物」とも言う)を適用し、加圧下にて、上記金属アセチルアセトネートの融点以上かつ600℃以下の温度で加熱することにより、金属酸化物粒子1を含む焼結体の形態で、複合体10および接合層15c、15dが同時的かつ一体的に形成される。
原料混合物は、当業者に公知の方法、例えばコーティング、ディッピング、ラミネート、またはスプレー等によって、所定の領域に適用(例えば塗布、印刷(スクリーン印刷等))できる。原料混合物を適用した基材に対して、必要に応じて加温下での乾燥または自然乾燥等の処理を行い、その後、プレス機等の当業者に公知の手段等を用いて、加圧下にて金属アセチルアセトネートの融点以上かつ600℃以下の温度で加熱できる。
本明細書において、金属アセチルアセトネートとは、金属のアセチルアセトネート塩であり、より詳細には、二座配位子のアセチルアセトネートイオン((CHCOCHCOCH、以下、略号により(acac)とも表記し得る)と、中心金属とを有するキレート錯体である。金属アセチルアセトネートに含まれる金属元素は、上記第1金属元素から選択される任意の1つまたは2つ以上の元素であることが好ましく、金属酸化物粒子1に含まれる第1金属元素と同じ金属元素であることがより好ましいが、これに限定されない。
金属アセチルアセトネートは、1種の金属アセチルアセトネートを用いても、2種以上の金属アセチルアセトネートを組み合わせて用いてもよい。金属酸化物粒子1に含まれる第1金属元素が2つ以上存在する場合には、これら金属元素の存在比に合わせて、2種以上の金属アセチルアセトネートを組み合わせて用いてもよいが、これに限定されない。
金属酸化物粒子と金属アセチルアセトネートとを混合することにより原料混合物が得られる。金属酸化物粒子と金属アセチルアセトネートとの混合は、常温常湿の大気圧下の雰囲気で行うことができる。金属アセチルアセトネートは、金属酸化物粒子の全質量に対して、例えば0.1質量%以上50質量%以下の割合で混合されてよく、好ましくは1質量%以上30質量%以下の割合で混合され、より好ましくは2質量%以上10質量%以下の割合で混合される。
混合する金属アセチルアセトネートには、任意の状態のものを用いてよい。例えば原料混合物は、金属酸化物粒子と、乾燥した粉末状の固体の金属アセチルアセトネートとを混合することによって得てよい。この場合、金属酸化物粒子と粉末状の金属アセチルアセトネートとを、例えば、大気圧下で、水、アセチルアセトン、メタノールおよび/またはエタノールを含むアルコール等からなる群より選ばれる1種類または2種類以上の溶媒中、または空気、窒素等からなる群より選ばれる1種類または2種類以上のガス中で行われる、一般的な混合方法を用いて混合することにより、原料混合物が得られる。
また、原料混合物は、金属酸化物粒子と金属アセチルアセトネートと溶媒とを混合することによって得てもよい。溶媒には、任意の適切な溶媒を使用でき、例えば水、アセチルアセトン、メタノールおよび/またはエタノールを含むアルコール等からなる群より選択される1種または2種以上の混合物であってよい。溶媒は、原料混合物を加圧下での加熱に付すのに適する程度に多すぎなければよく、特に限定されないが、金属酸化物粒子の全質量に対して、例えば50質量%以下、好ましくは30質量%以下の割合で混合され得る。混合に際して、金属アセチルアセトネートおよび溶媒は、別々に用いても、金属アセチルアセトネートが溶媒中に分散または溶解した液状物を用いてもよい。後者の場合、金属アセチルアセトネートを合成した液状物を、金属アセチルアセトネートをそこから分離することなく使用してよい。より詳細には、液体のアセチルアセトンと金属化合物(例えば金属の水酸化物、塩化物)とを混合して金属アセチルアセトネートを合成することができ、合成後の液状物をそのままで、または必要に応じて溶媒を追加して、使用することができる。
なお、原料混合物は、金属酸化物粒子と金属アセチルアセトネートとに加えて、任意の適切な材料を、所望の電気特性に悪影響を与えない程度で更に含んでいてもよい。より詳細には、原料混合物は、例えば、pH調整剤、焼結助剤、圧力緩和剤等の添加物を更に含んでいてもよい。これら添加物は、金属酸化物粒子の全質量に対して、例えば0.01質量%以上10質量%以下の割合で混合されてよく、好ましくは0.01質量%以上1質量%以下の割合で混合され、より好ましくは0.01質量%以上0.1質量%以下の割合で混合される。
上記のようにして得られた原料混合物を、加圧下にて、金属アセチルアセトネートの融点以上かつ600℃以下の温度で加熱することにより、比較的高密度の焼結体を形成することができる。この加熱工程において、金属アセチルアセトネートが液化し、液体媒体として機能し得る。加熱は流体の存在下で行われることが好ましい。本明細書において流体とは、例えば液体であり、好ましくは溶媒として用い得る液体であり、より好ましくは水である。例えば、原料混合物の加熱および加圧が行われる際に水が存在する場合、原料混合物に含まれる金属酸化物粒子の界面に水が存在するようになる。これにより、原料混合物をより低温で焼結することができるようになり、また、焼結体の強度を効果的に向上させることができる。
本明細書において、混合物が水の存在下にある状態とは、混合物に水が積極的に添加されていなくてもよく、金属酸化物粒子の界面にわずかでも存在していればよい。金属酸化物粒子が室温中で吸湿している程度であってもよい。水の積極的な添加は、原料混合物に含ませる(混合させる)ことにより行われてもよく、原料混合物の加熱及び加圧を水蒸気雰囲気下で行うことにより行われていてもよい。特に、水が原料混合物に混合されることにより存在する場合に、各粒子の界面により効果的に水を行きわたらせることができる。水が原料混合物に混合されている場合、その量は特に限定されないが、金属酸化物粒子の全質量に対して、例えば20質量%以下であってよく、好ましくは15質量%以下であり、代表的には10質量%である。原料混合物に混合されている水が20質量%以下であることにより、原料混合物に水を混合することができ、また原料混合物の成形性の低下をより効果的に防ぐことができる。焼結体の強度の向上を効果的に達成するためには、上記範囲内でできるだけ多くの水を、具体的には10質量%以上20質量%以下の水を使用することが好ましい。また、成形をより容易に実施するためには、上記範囲内でできるだけ少ない水を、具体的には0質量%を超えて10質量%以下の水を使用することが好ましい。
原料混合物の加圧の圧力は、例えば1MPa以上5000MPa以下であってよく、好ましくは5MPa以上1000MPa以下であり、より好ましくは10MPa以上500MPa以下である。本明細書において、原料混合物の加圧とは、例えば加圧成形器を用いるなどして、原料混合物(より詳細には原料混合物に含まれる固体成分)に押圧力(または物理的/機械的な圧力)を加えることを意味する。そのため、原料混合物が加圧された状態にあっても、原料混合物に含まれる液体成分は、周囲雰囲気の圧力(通常、大気圧)に曝されることに留意されるべきである。
原料混合物の加熱の温度(以下、本明細書において「加熱温度」とも言う)は焼成温度のことであり、原料混合物に含まれる金属アセチルアセトネートの融点以上かつ600℃以下の温度であればよい。本明細書において、融点とは、室温かつ大気圧下において、JIS規格で定められた測定法で測定された温度を言う。なお、各融点は加圧時の圧力等、各種条件により変化するものである。各種金属アセチルアセトネートの融点を以下の表1に示す。2種以上の金属アセチルアセトネートを用いる場合、「金属アセチルアセトネートの融点」は、全ての金属アセチルアセトネートの融点のうち最も高い融点を言うものとする。原料混合物の加熱温度は、使用する金属酸化物の種類等にもよるが、金属アセチルアセトネートの融点より5℃以上高くかつ600℃以下の温度であってよく、例えば100℃以上600℃以下であり、好ましくは100℃以上400℃以下であり、より好ましくは100℃以上300℃以下である。
Figure 2020137681
このように原料混合物を、加圧下にて、金属アセチルアセトネートの融点以上の温度で加熱することにより、上記のように低い温度において、比較的高密度の焼結体を形成することができる。本明細書において、比較的高密度であるとは、これにより得られる焼結体の理論密度に対する密度の割合が、原料混合物に含まれる金属酸化物粒子を単独で(金属アセチルアセトネートを存在させずに)、同様の温度および圧力条件にて加熱および加圧した場合に得られる焼結体の理論密度に対する密度の割合よりも高いことを意味する。本実施形態によって得られる焼結体は、比較的高密度であればよく、理論密度に対する密度の割合は、使用する金属酸化物粒子の組成等にもよるが、例えば70%以上、好ましくは80%以上であり得る。得られる焼結体に含まれる金属酸化物は、原料混合物に含まれる金属酸化物粒子の金属酸化物と実質的に同じであると考えて差し支えない。原料混合物の加熱および加圧を行う時間は、適宜選択され得るが、好ましくは1秒以上120分以内である。
以上のようにして、金属酸化物粒子と金属アセチルアセトネートとを含む原料混合物を用いて、金属部13(図4では金属電極13c、13d)と接触して形成された焼結体は、図1、2に模式的に示すように、金属酸化物粒子1と第1アモルファス相2とを含む複合体10、ならびに、第2アモルファス相12を含む接合層15(図4では接合層15c、15d)に対応する。第1アモルファス相2には、金属アセチルアセトネート由来の金属元素(第1金属元素と同じ金属元素)が含まれることとなる。第2アモルファス相12には、金属部13(図4では金属電極13c、13d)の第2金属元素が熱拡散により移動し得る。よって、第2アモルファス相12には、金属アセチルアセトネート由来の金属元素(第1金属元素と同じ金属元素)に加えて、金属部13由来の金属元素(第2金属元素を同じ金属元素)も含まれることとなる。
これにより、本実施形態にて例示したサーミスタ30が製造される。複合体10および接合層15c、15dの露出部は、適宜、樹脂などからなる保護膜(図示せず)で保護してよい。
(実施形態2)
本実施形態は、実施形態1にて上述した複合体、構造体およびサーミスタを改変したものであって、特に断りのない限り、実施形態1と同様の説明が当て嵌まる。
図10(a)に示すように、本実施形態における複合体11は、
少なくとも1つの第1金属元素を含む金属酸化物から成る複数の第1粒子(即ち、上述の「金属酸化物粒子」)1と、
第1金属元素と同じ金属元素を含む第1アモルファス相2と、
第1樹脂から成る複数の第2粒子(以下、本明細書にて単に「樹脂粒子」とも言う)3と
を含み、第1アモルファス相2が、複数の金属酸化物粒子1および複数の樹脂粒子3間に存在する。
樹脂粒子3を構成する第1樹脂は、熱により容易に溶融しない樹脂であることが好ましく、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリテトラフルオロエチレン、エポキシ樹脂および液晶ポリマー(LCP: Liquid Crystal Polymer)からなる群より選択される少なくとも1つを含み得る。
樹脂粒子3の平均粒径は、例えば0.001μm以上100μm以下であり得、特に0.001μm以上1μm以下であり得る。かかる範囲であれば、樹脂の添加による特性劣化の影響が少ない。
樹脂粒子3は、樹脂材料および/または平均粒径の異なる2種類以上の樹脂粒子の混合物であってよい。
本実施形態においては、第1アモルファス相2は、金属酸化物粒子1および樹脂粒子3間(より詳細には、金属酸化物粒子1および樹脂粒子3から選択される任意の粒子間)に存在し、金属酸化物粒子1および樹脂粒子3の粒子同士を接着させ得る。更に、本実施形態の複合体11は、金属酸化物粒子1に樹脂粒子3が混在することにより、粒子間の接合強度を向上させることができる。従って、本実施形態の複合体11は、それ自体がより一層高い強度を有する。本実施形態の複合体11は、樹脂粒子3が存在していても、第1アモルファス相2により金属酸化物粒子1を比較的高密度で含有することができる(樹脂粒子3が存在していても、高密度で分散した金属酸化物粒子1による導電パスを形成することができる)。更に、第1アモルファス相2は、結晶構造を有する金属酸化物(半導体)粒子1に近い電気特性を示し得る。これにより、金属酸化物粒子を従来一般的な方法により高温で焼結させた焼結体と同様の電気特性を得ることができる。
本実施形態において、第1アモルファス相2が、金属酸化物粒子1および樹脂粒子3間に存在するとは、複数の金属酸化物粒子1および複数の樹脂粒子3間の空間を第1アモルファス相2が充填していることを意味し得る。これにより、複合体10に含まれるおそれがある空孔を、複数の樹脂粒子3で置換すると共に、第1アモルファス相2の充填により無くすことができるので、空孔起因によると考えられる高温高湿環境下に放置する前後での抵抗値変化をより一層小さくすることができる。全ての金属酸化物粒子1のうち互いに隣接する任意の2つの金属酸化物粒子1に着目した場合、これら2つの金属酸化物粒子1は、それらの間に第1アモルファス相2が存在していても、それらの間に第1アモルファス相2が実質的に存在せずに互いに接触(好ましくは結合)していてもよい。前者の場合、第1アモルファス相2は、100μm以下の厚さで存在し得る。第1アモルファス相2の厚さは、電気特性および/または強度の観点からは小さいほうが好ましい。上述の後者の場合、第1アモルファス相2が実質的に存在しない部分が、複合体11に存在していてもよい。
本実施形態の複合体11は、図10(b)に示す複合体11’のように改変されていることが好ましい。図10(b)に示す複合体11’は、
少なくとも1つの第1金属元素を含む金属酸化物から成る複数の第1粒子(即ち、上述の「金属酸化物粒子」)1と、
第1金属元素と同じ金属元素を含む第1アモルファス相2と、
第1樹脂から成る複数の第2粒子(以下、本明細書にて単に「樹脂粒子」とも言う)3と
を含み、複数の金属酸化物粒子は互いに接触し、樹脂粒子3は、互いに接触した複数の金属酸化物粒子1の内部に存在し、第1アモルファス相2が、互いに接触した複数の金属酸化物粒子1と樹脂粒子との間に存在する。かかる改変例の複合体11’は、金属酸化物粒子1間に第1アモルファス相2が実質的に存在せず、複数の金属酸化物粒子1の全部が接触(好ましくは結合し、より好ましくは全体として1つの塊を形成)しており、より優れた電気特性および/またはより高い強度が期待できる理想的な構造であると考えられる。
以下、複合体11に関する説明は、かかる改変例の複合体11’にも同様に当て嵌まる。
複合体11における樹脂粒子3の含有量(複合体の全質量に対して)は、例えば50質量%以下、より詳細には5質量%以上20質量%以下であってよい。かかる範囲であれば、高い強度を実現しつつも、樹脂の添加による特性劣化の影響が少ない。
本実施形態の複合体11も、任意の物体上に配置(特に成膜)して構造体を構成することができる。本実施形態を限定するものではないが、複合体11は、金属部(例えば金属から構成される部材または領域等)に少なくとも部分的に接合され得る。
例えば、図11に示すように、本実施形態の1つの例における構造体22は、
少なくとも1つの第2金属元素を含む金属部13と、
上記の本実施形態の複合体11と、
金属部13および複合体11との間に位置する接合層16と
を含む。接合層16は、第1金属元素および第2金属元素と同じ金属元素を含む第2アモルファス相12を含む。
また例えば、図12に示すように、本実施形態のもう1つの例における構造体23は、上記の本実施形態の複合体11が、金属部13aおよび13bに対して、それぞれ接合層16aおよび16bを介して接合されていてよい。接合層16a、16は、第1金属元素および第2金属元素と同じ金属元素を含む第2アモルファス相12a、12bをそれぞれ含む。
本実施形態の構造体22、23は、金属酸化物粒子1に加えて樹脂粒子3が存在する点を除き、実施形態1にて上述した構造体と同様であり得る。
本実施形態の構造体22、23も、適宜改変されて、任意の基材上に配置されてサーミスタを構成することができる。本実施形態を限定するものではないが、構造体22、23は、適宜改変されて、樹脂基材上に配置され得る。本実施形態のサーミスタも、金属酸化物粒子1に加えて樹脂粒子3が存在する点を除き、実施形態1にて上述したサーミスタと同様であり得る。
上述した本実施形態の複合体、構造体およびサーミスタは、任意の適切な方法で製造され得るが、例えば、原料混合物として、金属酸化物粒子1と樹脂粒子3と金属アセチルアセトネートとを含む混合物を用いたこと以外は、実施形態1にて上述した製造方法と同様にして製造することができる。
以上、本発明の2つの実施形態における複合体、ならびに該複合体を用いた構造体およびサーミスタについて説明したが、本発明はこれら実施形態に限定されない。
(実施例1)
本実施例は、実施形態1にて図3を参照して説明した構造体に関する。
Mn:Ni:Alを4:1:1(原子比)の割合で含む、平均粒径約0.2μmの金属酸化物粒子に、マンガンアセチルアセトネートを10質量%(金属酸化物粒子の全質量に対して)の割合で添加し、エタノールを溶媒として原料混合物を調製し、16時間混合した。これにより得られたスラリーの形態の原料混合物を、厚さ30μmの銅箔(下部電極)上にドクターブレード法により厚さ10μmのシートの形態で供給した。このシートを100℃で10時間乾燥させた後、加熱プレス機を用いて100MPaの加圧下にて150℃で30分間加熱した。その後、上記シートに由来する膜(金属酸化物含有複合体層)の上に厚さ30μmの別の銅箔(上部電極)を重ね、再び加熱プレス機を用いて100MPaの加圧下にて250℃で30分間加熱して、前駆構造体を得た。この前駆構造体を250℃で10時間アニールして、残存し得る不要な有機物を除去して、本実施例の構造体(2つの銅箔の間にサーミスタ層として機能し得る金属酸化物含有複合体層が挟持された構造体、合計厚さ約70μm)を得た。
上記で得られた本実施例の構造体について接合強度(付着性)を評価した。この評価は、JIS K5600−5−6に定められたクロスカット法に準拠して行った。評価結果は下記の通り分類される。
0:カットの縁が完全に滑らかで、どの格子の目にもはがれがない。
1:カットの交差点における塗膜の小さなはがれ。クロスカット部分で影響を受けるのは、明確に5%を上回ることはない。
2:塗膜がカットの縁に沿って、及び/又は交差点においてはがれている。クロスカット部分で影響を受けるのは明確に5%を超えるが15%を上回ることはない。
3:塗膜がカットの縁に沿って、部分的又は全面的に大はがれを生じており、及び/又は目のいろいろな部分が、部分的又は全面的にはがれている。クロスカット部分で影響を受けるのは、明確に15%を超えるが35%を上回ることはない。
4:塗膜がカットの縁に沿って、部分的又は全面的に大はがれを生じており、及び/又は数か所の目が部分的又は全面的にはがれている。クロスカット部分で影響を受けるのは、明確に65%を上回ることはない。
5:分類4でも分類できないはがれ程度のいずれか。
本実施例の構造体の接合強度(付着性)の評価結果は、分類1であった。具体的には、上部電極と金属酸化物含有複合体層との間にごくわずかに剥離が観察されたのみであった。
更に、本実施例の構造体について電気特性を評価した。より詳細には、構造体をダイシングソーでカットして、上面から見た寸法が5mm×10mmで厚さが70μmのサイズのダイスを得た。このダイスについて、2端子法によって25℃、50℃および75℃における抵抗値を測定し、それらの測定値から、室温(25℃)抵抗率およびB定数を算出した。その結果、室温抵抗率は100kΩcmであり、B定数は4500であった。
本実施例の構造体の電気特性の評価結果は、原料混合物に使用した金属酸化物粒子を、大気圧にて900℃で120分間加熱して焼結したバルク体にスパッタリングにてAg電極を形成した試料の電気特性と実質的に一致していた。よって、本実施例の構造体は、金属酸化物粒子の粒界や、電極との界面での抵抗増加が実質的に生じていないことが確認された。
更に、本実施例の試料(上記ダイス)を温度60℃および湿度95%の恒温高湿環境下で24時間放置した後に、再度、抵抗値を測定したところ、上記で測定した25℃での抵抗値を基準とした変化率は0.3%であった。
また更に、本実施例の構造体の断面の一部を拡大して走査型透過電子顕微鏡(STEM)にて撮像した(明視野像)結果を図13(a)〜(d)に示す。図13(a)は、実施例1の構造体における金属酸化物含有複合体層と下部電極の接合部およびその近傍の断面のSTEM観察像である。図13(b)は、図13(a)のC(炭素)の元素分布を示す。図13(c)は、図13(a)のMn(マンガン)の元素分布を示す。図13(d)は、図13(a)のCu(銅)の元素分布を示す。図13(a)〜(d)から理解されるように、金属酸化物含有複合体層の本体部分(上部電極および下部電極との界面付近を除く部分)において、複数の金属酸化物粒子の粒界が第1アモルファス相と接し、金属酸化物粒子同士が第1アモルファス相で接着された複合体が形成されていることが確認された。更に、図13(a)〜(d)から理解されるように、金属酸化物含有複合体層と下部電極の接合部においては、金属酸化物粒子と第2アモルファス相の複合体が接合層として形成され、第2アモルファス相は金属酸化物粒子や金属アセチルアセトネート由来の金属元素であるMnに加えて、金属部由来の金属元素Cuも含まれている状態であることが確認された。
上記電気特性の結果およびSTEM観察の結果から、第1アモルファス相および第2アモルファス相は、金属酸化物(半導体)粒子に近い電気特性を有していると推測され、これにより、金属酸化物粒子の粒界や、電極との界面での抵抗増加が実質的に生じず、上記の通り900℃で焼結したバルク体と同等の電気特性が実現できたものと考えられる。
また更に、本実施例で得られた構造体の別の断面の一部を拡大して透過型電子顕微鏡(TEM)にて撮像した結果を図15(a)〜(c)に示す。図15(a)〜(c)を参照して、この部位においては、金属酸化物粒子(第1粒子)の間に第1アモルファス相は確認されなかった。なお、アモルファス相が存在するか否かの判定は、当業者に公知な手法である電子線回折像に基づいて行った。図15(c)に示されるような格子縞がない場合、図15(d)に一例として挙げるように回折スポット(ドット)が観測されないことは、アモルファス相が存在するものと判定できる。図15(a)〜(c)に示す測定箇所では0.01μm以上の厚みのアモルファス相は確認されなかった。このことから、第1アモルファス相は全く存在しない場所があっても良いことを示している。
(実施例2、3)
本実施例は、実施形態2にて図12を参照して説明した構造体に関する。
原料混合物を、ポリイミドの前駆体液(実施例2)またはポリアミドイミドの前駆体液(実施例3)を10質量%(金属酸化物粒子の全質量に対して)の割合で更に添加して調製したこと以外は、実施例1と同様にして、構造体を得た。
上記で得られたこれら本実施例の構造体について、実施例1と同様にして接合強度(付着性)および電気特性を評価した。
これら本実施例の構造体の接合強度(付着性)の評価結果は、いずれも分類0であった。具体的には、上部電極と金属酸化物含有複合体層との間ならびに下部電極と金属酸化物含有複合体層との間において剥離は観察されなかった。
これら本実施例の構造体の電気特性の評価結果は、実施例1の構造体と同等であった。更に、これら本実施例の試料を温度60℃および湿度95%の恒温高湿環境下で24時間放置した後に、再度、抵抗値を測定したところ、上記で測定した25℃での抵抗値を基準とした変化率は0.1%であった。
また更に、実施例3の構造体の断面の一部を拡大して走査型透過電子顕微鏡(STEM)にて撮像した(明視野像)結果を図14(a)〜(d)に示す。図14(a)〜(d)が図13(a)〜(d)と特に異なる点は、図14(b)に示すCの分布である。図13(b)では金属酸化物含有複合体層中にCがほぼ均一に分散して観察された。これは、試料加工や、測定に付随する炭素成分が検出されていると考えられる。他方、図14(b)では金属酸化物粒子の存在していない領域においてCが多く観察された。これにより、添加したポリアミドイミドの前駆体液が、ポリアミドイミドの樹脂粒子として偏析している状態であることが確認された。
よって、これら本実施例2、3において、上記加圧下での加熱処理中に樹脂粒子が形成されるものと理解され、かかる樹脂粒子の平均粒径は、金属酸化物粒子の平均粒径より相当小さいものと理解される。
(実施例4)
本実施例は、実施形態1にて図5を参照して説明したサーミスタに関する。
Mn:Ni:Alを4:1:1(原子比)の割合で含む、平均粒径約0.2μmの金属酸化物粒子に、マンガンアセチルアセトネートを10質量%(金属酸化物粒子の全質量に対して)の割合で添加し、エタノールを溶媒として原料混合物を調製し、16時間混合した。これにより得られたスラリーの形態の原料混合物を、厚さ10μmの銅箔上にドクターブレード法により厚さ10μmのシートの形態で供給した。このシートを100℃で10時間乾燥させた後、加熱プレス機を用いて100MPaの加圧下にて250℃で30分間加熱して、前駆構造体を得た。この前駆構造体を250℃で10時間アニールして、残存し得る不要な有機物を除去して、構造体を得た。その後、得られた構造体のうち上記シートに由来する膜(サーミスタ層として機能し得る金属酸化物含有複合体層)の上にポリアミドイミドの前駆体液を10μmの厚さで塗布して、200℃で1時間加熱して、ポリアミドイミドを熱硬化させて樹脂基材とした。その後、樹脂基材と反対側の銅箔の表面にレジストを所定のパターンで塗布して、露光および現像し、銅箔の所定部分をエッチング除去し、残っているレジストを除去して、2つの銅電極を形成した。これら銅電極は、上面から見た各寸法が2.5mm×2.5mmであり、100μmの距離(図5中に記号「d」で示す)で並列に配置させた。その後、構造体をダイシングソーでカットして、上面から見た寸法が5mm×15mmのサイズのサーミスタを得た(図5参照)。
本実施例のサーミスタの電気特性に関しては、金属酸化物含有複合体層(サーミスタ層)の同一面上に存在する2つの電極間の抵抗値(およびその変化)から温度(およびその変化)を検知することができる。このサーミスタの抵抗値には、電極間の距離dと金属酸化物含有複合体層の厚さtとの両方が寄与する。高い温度分解能を得るためには、サーミスタの抵抗値のばらつきを更に小さく、ある一定以下に抑えることが肝要であると考えられる。電極間の距離dのばらつきは、例えば、クシ歯状電極の利用によって低減することが可能である。
(実施例5)
本実施例は、実施形態1にて図6を参照して説明したサーミスタに関する。
Mn:Ni:Alを4:1:1(原子比)の割合で含む、平均粒径約0.2μmに、マンガンアセチルアセトネートを10質量%(金属酸化物粒子の全質量に対して)の割合で添加し、エタノールを溶媒として原料混合物を調製し、16時間混合した。これにより得られたスラリーの形態の原料混合物を、厚さ10μmの銅箔上にドクターブレード法により厚さ10μmのシートの形態で供給した。このシートを100℃で10時間乾燥させた後、加熱プレス機を用いて100MPaの加圧下にて150℃で30分間加熱して、積層体を得た。得られた積層体をダイシングソーでカットして、上面から見た寸法が5mm×5mmのサイズの第1積層体を得た。別途、厚さ20μmのポリイミドフィルム上に厚さ10μmの銅層をパターン形成した第2積層体を準備した。第1積層体および第2積層体を、第1積層体の上記シートに由来する膜(サーミスタ層として機能し得る金属酸化物含有複合体層)と第2積層体の銅層とが適切に相対するように重ね合わせて、加熱プレス機を用いて100MPaの加圧下にて250℃で30分間加熱して、前駆構造体を得た。この前駆構造体を250℃で10時間アニールして、残存し得る不要な有機物を除去して、構造体を得た。その後、得られた構造体のうち、第1積層体の銅箔表面上に、厚さ10μmのポリイミドフィルムを被せて熱硬化させて、多層構造体を得た。その後、この多層構造体をダイシングソーでカットして、上面から見た寸法が5mm×15mmのサイズのサーミスタを得た(図6参照)。
本実施例のサーミスタの電気特性に関しては、金属酸化物含有複合体層(サーミスタ層)を挟んで対向する2つの電極間の抵抗値(およびその変化)(該抵抗値は、図6の金属電極13g、13iの間の抵抗値と、金属電極13i、13hの間の抵抗値の合計であり得る)から温度(およびその変化)を検知することができる。このサーミスタの抵抗値には、これら電極の対向領域の面積と金属酸化物含有複合体層の厚さtが寄与する。本実施例のサーミスタを実施例4のサーミスタと比較すると、サーミスタの抵抗値に対して、実施例4のサーミスタは電極間の距離が寄与するのに対して、本実施例のサーミスタは電極の対向領域の面積が寄与する点で相違する。電極間の距離のばらつきは、例えばクシ歯状電極の利用によって低減することが可能であるが、電極の対向領域の面積のばらつきのほうが製造プロセスにおいてより容易に低減することが可能である。よって、実施例4に比べて本実施例のサーミスタの方が、サーミスタの抵抗値のばらつきをより一層低減し易いと言える。
(比較例1)
特許文献1に記載された構造に対応する薄膜サーミスタを作製した。
Siウエハ上に熱酸化処理によりSiO膜を形成し、その上にスパッタリングにより酸素または窒素を含むPt電極層を形成した。電極層を所定のパターンでエッチングして電極を形成し、その上に、実施例1で原料混合物に使用した金属酸化物粒子と同様の組成の金属酸化物をスパッタリングして金属酸化物膜(サーミスタ層)を形成して、薄膜サーミスタを作製した。
上記で得られたこれら本比較例の構造体について、実施例1と同様にして接合強度(付着性)を評価したところ、分類3であった。具体的には、電極と金属酸化物膜との間に剥離が観察された。
(比較例2)
特許文献2に記載された構造に対応する薄膜サーミスタを作製した。
Siウエハ上に熱酸化処理によりSiO膜を形成し、その上にスパッタリングによりPt/TiまたはCr電極層を形成した。電極層を所定のパターンでエッチングして電極を形成し、その上に、実施例1で原料混合物に使用した金属酸化物粒子と同様の組成の金属酸化物をスパッタリングして金属酸化物膜(サーミスタ層)を形成して、薄膜サーミスタを作製した。
上記で得られたこれら本比較例の構造体について、実施例1と同様にして接合強度(付着性)を評価したところ、分類3であった。具体的には、電極と金属酸化物膜との間に剥離が観察された。
本発明の複合体および構造体はサーミスタに組み込まれ得、本発明のサーミスタは、温度センサ等の幅広く様々な用途に利用され得る。例えば、本発明のサーミスタを全体としてフレキシブルに構成した場合、フレキシブルな温度センサとして、例えば、高温での発火や劣化が課題となっている車載電池、スマホ用電池の温度管理のための温度測定、メディカルおよびヘルスケアの分野における体温測定など用途に利用され得る。しかしながら本実施形態はかかる用途に限定されるものではない。
本願は、2018年12月28日付けで日本国にて出願された特願2018−248102に基づく優先権を主張し、その記載内容の全てが、参照することにより本明細書に援用される。
1 第1粒子(金属酸化物粒子)
2 第1アモルファス相
3 第2粒子(樹脂粒子)
10、11,11’ 複合体
12、12a、12b 第2アモルファス相
13、13a、13b 金属部
13c〜13n 金属電極
14a〜14d’ 外部電極
15、15a〜15n 接合層
16、16a、16b 接合層
20、20a〜20f、21、22、23 構造体
27、27a、27b 樹脂基材
30〜35 サーミスタ

Claims (17)

  1. 少なくとも1つの第1金属元素を含む金属酸化物から成る複数の第1粒子と、
    該複数の第1粒子間に存在し、かつ、該第1金属元素と同じ金属元素を含む第1アモルファス相と
    を含み、該第1金属元素が、MnおよびNiの少なくとも一方を含む、複合体。
  2. 前記第1金属元素が、Fe、Al、CoおよびCuからなる群より選択される少なくとも1つを更に含む、請求項1に記載の複合体。
  3. 第1樹脂から成る複数の第2粒子を更に含み、前記第1アモルファス相が、前記複数の第1粒子および該複数の第2粒子間に存在する、請求項1または2に記載の複合体。
  4. 前記第1樹脂が、ポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリテトラフルオロエチレン、エポキシ樹脂および液晶ポリマーからなる群より選択される少なくとも1つを含む、請求項3に記載の複合体。
  5. 前記第1アモルファス相の厚さが、100μm以下である、請求項1〜4のいずれかに記載の複合体。
  6. 前記複数の第1粒子の一部が互いに接触している、請求項1〜5のいずれかに記載の複合体。
  7. 少なくとも1つの第1金属元素を含む金属酸化物から成る複数の第1粒子と、
    該第1金属元素と同じ金属元素を含む第1アモルファス相と
    第1樹脂から成る複数の第2粒子と、
    を含み、該複数の第1粒子は互いに接触し、該第2粒子は、互いに接触した該複数の第1粒子の内部に存在し、該第1アモルファス相が、互いに接触した該複数の第1粒子と該第2粒子との間に存在し、該第1金属元素が、MnおよびNiの少なくとも一方を含む、複合体。
  8. 前記第1金属元素が、Fe、Al、CoおよびCuからなる群より選択される少なくとも1つを更に含む、請求項7に記載の複合体。
  9. 前記第1樹脂が、ポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリテトラフルオロエチレン、エポキシ樹脂および液晶ポリマーからなる群より選択される少なくとも1つを含む、請求項7または8に記載の複合体。
  10. 前記第1アモルファス相の厚さが、100μm以下である、請求項7〜9のいずれかに記載の複合体。
  11. 少なくとも1つの第2金属元素を含む金属部と、
    請求項1〜10のいずれかに記載の複合体と、
    該金属部と該複合体との間に位置する接合層と
    を含み、該接合層が、前記第1金属元素および該第2金属元素と同じ金属元素を含む第2アモルファス相を含む、構造体。
  12. 前記第2金属元素が、Mn、Ni、Fe、Al、Zn、Cr、Ti、Co、Cu、Ag、AuおよびPtからなる群より選択される少なくとも1つを含む、請求項11に記載の構造体。
  13. 第2樹脂から成る樹脂基材と、
    該樹脂基材の上に配置された、請求項11または12に記載の構造体と
    を含み、前記金属部が、2つの金属電極を含む、サーミスタ。
  14. 前記複合体および前記接合層が、合計100μm以下の厚さを有する、請求項13に記載のサーミスタ。
  15. 前記第2樹脂が、ポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリテトラフルオロエチレン、エポキシ樹脂および液晶ポリマーからなる群より選択される少なくとも1つを含む、請求項13または14に記載のサーミスタ。
  16. 前記2つの金属電極が互いに対向する主面を有し、それら主面間に前記複合体が介挿されている、請求項13〜15のいずれかに記載のサーミスタ。
  17. 前記2つの金属電極が、平面視にて互い違いに配列された2つの外部電極とそれぞれ電気的に接続されている、請求項13〜16のいずれかに記載のサーミスタ。
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